説明

光硬化型含フッ素樹脂組成物およびこれを用いた樹脂モールドの製造方法

光硬化型含フッ素樹脂組成物およびこれを含むモールドの製造方法を提供する。従来の樹脂モールドに使用される高分子樹脂材料とは異なり、追加的な表面処理の有無と関係なくパターン形成のための熱硬化または光硬化樹脂との濡れ、離型が容易であるだけでなく、耐化学性、機械的特性、高透過率などの特性を有する光硬化型樹脂組成物およびこれを用いた樹脂モールドを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光硬化型含フッ素樹脂組成物およびこれを含むモールドの製造方法に関し、特に従来の樹脂モールドに使用されるシリコン系高分子樹脂、フッ素系高分子樹脂、熱硬化乃至光硬化型高分子樹脂材料とは異なり、追加的な表面処理の有無と関係なくパターン形成のための熱硬化または光硬化樹脂との濡れ(wetted)、離型が容易であるだけでなく耐化学性、機械的特性、高透過率などの特性を有する光硬化型樹脂組成物およびこれを用いた樹脂モールドの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
よく知られているように、基板上に微細パターンを形成する時に幅広く使用されている方法としては、フォトリソグラフィ(photolithography)方法がある。フォトリソグラフィ方法は、基板上に微細パターンを均一で安定的に刻むことができるという長所があるが、多数の段階の工程(樹脂塗布、熱処理、露光、現像、洗浄、エッチングなど)を経なければならないという短所がある。このような複雑な工程は各段階別に高価の装備を必要とし、各工程上のマージンによるコントロールの困難、パターン形成まで多くの時間を消費するようにする短所がある。これは結局、製造原価の上昇および生産性低下を招く根本的な原因になる。
【0003】
従来のフォトリソグラフィ方式の限界を克服するために紹介された多様な方式のうちの次世代リソグラフィ技術と認識されている技術としては、インプリントリソグラフィ技術がある。インプリントリソグラフィ技術は経済的で効果的に微細構造物を製作することができる技術であって、微細構造物が刻印されたスタンプを基材の上にスピンコーティング(spincoating)またはディスペンシング(dispensing)されたレジスト(resist)の表面に押して、微細構造物を転写する技術である。
【0004】
初期のインプリント技術はレジストが塗布されている基板表面をガラス転移温度以上の高温で高圧で押した後、冷却させて分離する方法を使用した。しかし、この方式は工程が容易で装備の価格が低廉であるという長所がある反面、工程時間が長く高圧が必要であるという短所がある。特に、高温、高圧を必要とするため基板の毀損可能性があり、モールドと基板の分離が難しい。
【0005】
既存の樹脂モールドに使用された代表的なシリコン系高分子弾性体であるポリジメチルシロキサン(polydimethylsiloxane、PDMS)を用いた樹脂モールドの場合、ポリジメチルシロキサンが弾性体であるためパターンを形成する基板表面との均一な接触が容易であり、ポリジメチルシロキサンの低い表面エネルギーにより、塗布されたレジスト表面との接着力が小さいためパターン形成後に基板表面から容易に分離でき、3次元網構造に起因した高い気体透過性により溶媒の吸収が容易であるという長所がある反面、低い機械的強度により変形が発生しやすく、低い耐化学性によって一般的な有機溶媒に膨潤(swelling)され変形が発生するだけでなく、離型と濡れ性が低下することがあるため、パターン形成に用いる高分子および溶媒の選定に相当な制約が伴うという問題がある。
【0006】
このようなシリコン系樹脂の短所を補完するためにフッ素系樹脂が提案されているが、フッ素系樹脂の場合、耐化学性、離型性、機械的特性が優れているが、過度な離型性によって濡れ性の低下、シリコン樹脂を含む他物質との低い相溶性、低い透過度、支持体基板との低い接着力による適用上の相当な制約が伴う。
【0007】
既存の樹脂モールドに使用されるウレタン乃至アクリル樹脂の場合、耐化学性および離型性が非常に低くて商業的使用のための耐久性、生産性が低いため、商業的適用に大きな限界を有する。
【0008】
既存の樹脂モールドの離型性、耐化学性、濡れ性などを補完するために樹脂モールド形成後に追加表面処理過程を遂行する場合があるが、これによる物性補完は恒久的でなかったり物性補完が微小であったのが事実である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このような従来の技術の問題点を解決しようと、本発明は、従来の樹脂モールドに使用されるシリコン系高分子樹脂、フッ素系高分子樹脂、熱硬化乃至光硬化型高分子樹脂材料とは異なり、追加的な表面処理の有無と関係なくパターン形成のための熱硬化または光硬化樹脂との濡れ、離型が容易であるだけでなく、耐化学性、機械的特性、高透過率などの特性を有する光硬化型樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、半導体、ディスプレイを含む各種電子デバイス産業工程に必要な微細パターンを安定的で容易に形成することができる光硬化型含フッ素樹脂組成物、これを用いた樹脂モールドの製造方法および前記方法によって製造された樹脂モールドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明は、
a)i)官能基を有する反応性含フッ素化合物;および
ii)官能基を有する反応性シリコン変性ウレタン化合物;を重合して製造した反応性プレポリマー;
b)i)オレフィン系不飽和化合物;
ii)エポキシ基を含む不飽和化合物;および
iii)エポキシ基、アミン基またはフッ素基を含むシリコン系化合物からなる群より選択されたいずれか1つ以上の化合物;および
c)光開始剤
を含むことを特徴とする光硬化型樹脂組成物を提供する。
【0012】
好ましくは、前記光硬化型含フッ素樹脂組成物は、
a)i)官能基を有する反応性含フッ素化合物10乃至80重量%;
ii)官能基を有する反応性シリコン変性ウレタン化合物20乃至90重量%を重合して製造した反応性プレポリマー100重量部;
b)i)オレフィン系不飽和化合物;
ii)エポキシ基を含む不飽和化合物;および
iii)エポキシ基、アミン基またはフッ素基を含むシリコン系化合物からなる群より選択されたいずれか1つ以上の混合物5〜100重量部;および
c)光開始剤0.1〜10重量部を含む。
【0013】
また、本発明は、
S1)パターンが形成された原板モールドの一面に本発明の光硬化型含フッ素樹脂溶液を塗布し硬化させて原板モールドのパターンを転写させる段階;および
S2)前記パターンが転写された硬化高分子樹脂を原板モールドから離型させる段階
を含む樹脂モールドの製造方法を提供する。
【0014】
また、本発明は好ましくは、前記S2)過程後に、
S3a)前記離型されたパターンが形成された硬化高分子樹脂の背面にプラズマ処理面を形成する段階;
S4a)前記硬化高分子樹脂の背面に形成されたプラズマ処理面に背面支持体を形成する段階;および
S5a)前記背面支持体が形成された硬化高分子樹脂を粘着または硬化させて高分子樹脂モールドを製造する段階
を含む樹脂モールドの製造方法を提供する。
【0015】
また、本発明は好ましくは、前記S2)過程後に、
S3b)前記硬化高分子樹脂と接する背面支持体の一面にプラズマ処理面を形成する段階;および
S4b)前記背面支持体に形成されたプラズマ処理面に前記硬化高分子樹脂を粘着または硬化させて高分子樹脂モールドを製造する段階
を含む樹脂モールドの製造方法を提供する。
【0016】
また、本発明は、前記樹脂モールドの製造方法によって製造された樹脂モールドを提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明は光硬化型含フッ素樹脂組成物およびこれを含むモールドの製造方法に関し、特に従来の樹脂モールドに使用されるシリコン系高分子樹脂、フッ素系高分子樹脂、熱硬化乃至光硬化型高分子樹脂材料とは異なり、追加的な表面処理の有無と関係なくパターン形成のための熱硬化または光硬化樹脂との濡れ、離型が容易であるだけでなく、耐化学性、機械的特性、高透過率などの特性を有する光硬化型樹脂組成物を提供し、前記光硬化型樹脂組成物を用いて半導体、ディスプレイを含む各種電子デバイス産業工程に必要な微細パターンを安定的で容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の好ましい実施の形態による樹脂モールドの製造方法を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0020】
本発明の光硬化型含フッ素樹脂組成物は、
a)i)官能基を有する反応性含フッ素化合物;ii)官能基を有する反応性シリコン変性ウレタン化合物;を重合して製造した反応性プレポリマー;b)i)オレフィン系不飽和化合物;ii)エポキシ基を含む不飽和化合物;iii)エポキシ基、アミン基またはフッ素基を含むシリコン系化合物からなる群より選択されたいずれか1つ以上の化合物;およびc)光開始剤を含むことを特徴とする。
【0021】
本発明の光硬化樹脂組成物に使用される官能基を有する反応性プレポリマーは、前記a)i)官能基を有する反応性含フッ素化合物およびii)官能基を有する反応性シリコン変性ウレタン化合物を重合して製造する。
【0022】
前記官能基を有する反応性プレポリマーは、硬化時に低い表面エネルギーを形成してパターン形成のための熱硬化または光硬化樹脂との濡れ、離型が容易であるだけでなく、稠密な架橋結合を形成して追加的な表面処理なくても有機溶媒に対する非膨潤の耐化学性を有する。
【0023】
前記a)i)官能基を有する反応性含フッ素化合物は重合性を有する含フッ素モノマー乃至オリゴマーを用いることができ、一例に、(メタ)アクリレート、シロキサン、イミド、アミド、ビニル、ウレタン、エステル、エポキシ、アルコールなどから選択される官能基の数が1〜10であるのが好ましい。官能基の数が10を超過する場合、粘度が高くて、追加的に粘度を低くするための希釈剤取り扱いの不便さを招くことがあり、この希釈剤によって耐化学性が低下することがある。
【0024】
前記a)i)官能基を有する反応性含フッ素化合物は具体的な例として、6−パーフルオロヘキサノール、3−パーフルオロブチルプロパノール、2−パーフルオロプロピルテトラフルオロプロパノール、2,5−ジトリフルオロメチルジオキサウンデカフルオロノナノール、オクタフルオロヘキサンジオール、パーフルオロブチルエポキシプロパン、パーフルオロメチルブチルエポキシプロパン、テトラフルオロプロポキシエポキシプロパン、1,4−ビスエポキシプロピルパーフルオロ−n−ブタン、パーフルオロヘキシルエチレン、1−メトキシパーフルオロメチルプロパン、1,4−ジビニルドデカフルオロへキサン、3−パーフルオロブチルヒドロキシプロピルメタクリレート、3−パーフルオロヘキシルヒドロキシルプロピルメタクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、2−パーフルオロヘキシルエチルアクリレート、3−パーフルオロメチルブチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、メチルトリフルオロアセテート、エチルトリフルオロアセテート、トリフルオロエチルメチルエーテル、テトラフルオロエチルメチルエーテル、ヘクタフルオロブチルアミン、トリデカフルオロヘプチルアミンなどとその誘導体を用いることができる。
【0025】
前記a)官能基を有する反応性プレポリマーの製造時、a)i)官能基を有する反応性含フッ素化合物を10〜80重量%で含まれるのが好ましく、前記範囲内である場合、硬化時に低い表面エネルギーを形成してパターン形成のための熱硬化または光硬化樹脂との濡れ、離型が容易であるだけでなく、稠密な架橋結合を形成して追加的な表面処理なくても有機溶媒に対する非膨潤の耐化学性を有する。
【0026】
前記a)ii)官能基を有する反応性シリコン変性ウレタン化合物は、イソシアネート化合物;1つ以上のヒドロキシ基と官能基を有するオレフィン系不飽和化合物;およびポリジメチルシロキサンを触媒下で反応させて得られる。
【0027】
前記a)ii)官能基を有する反応性シリコン変性ウレタン化合物は、イソシアネート化合物5〜70重量%;1つ以上のヒドロキシ基と官能基を有するオレフィン系不飽和化合物30〜90重量%;およびポリジメチルシロキサン1〜30重量%を反応させて製造することができる。
【0028】
前記イソシアネート化合物は、イソシアネート基の数を制限しないが、イソシアネート基を2つ以上有するトルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンイソシアネートなどの芳香族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂肪族イソシアネートが好ましく、これらイソシアネート化合物は単独または2種以上混合して使用することができる。
【0029】
1つ以上のヒドロキシ基と官能基を有するオレフィン系不飽和化合物は、2−ヒドロキシメチルメタアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、4−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートなどがあり、これら1つ以上のヒドロキシ基と官能基を有するオレフィン系不飽和化合物は単独または2種以上混合して使用することができる。
【0030】
前記ポリジメチルシロキサンは市販される製品を使用できるのはもちろんで、一例として、粘度が80000cP以下であるものが多様に市販されているが、取扱性と混合性のために粘度が500cP以下であるものが好ましい。
【0031】
前記a)官能基を有する反応性プレポリマーの製造において、i)官能基を有する反応性含フッ素化合物;ii)官能基を有する反応性シリコン変性ウレタン化合物;の重合のために使用される重合開始剤はラジカル重合開始剤を用いることができ、具体的に2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(4−メトキシ2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、またはジメチル2,2−アゾビスイソブチレートなどを使用することができる。
【0032】
前記a)ii)官能基を有する反応性シリコン変性ウレタン化合物は20〜90重量%で含むのが好ましく、20重量%未満であれば離型性は優れるが、濡れ性の低下を招くことがあり、90重量%を超過する場合、濡れ性は優れるが、離型性の低下を招くことがあるだけでなく、耐化学性と耐久性の低下を誘発することがある。
【0033】
本発明の光硬化樹脂組成物は、前記b)i)オレフィン系不飽和化合物;ii)エポキシ基を含む不飽和化合物;およびiii)エポキシ基、アミン基またはフッ素基を含むシリコン系化合物を含む。好ましくは、各群より1種以上選択されて、2群以上を混合して使用することが良い。
【0034】
前記b)の成分は、前記a)官能基を有するプレポリマーに対する希釈剤としての役割を果たすだけでなく、架橋密度を高めて、有機溶媒による膨潤およびこわれる現象を防止し、微細パターン形成時に離型性を増加させる作用をする。
【0035】
前記b)i)のオレフィン系不飽和化合物は、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、メチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−メチルシクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、1−アダマンチルアクリレート、1−アダマンチルメタクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−メチルシクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、フェニルメタクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートなどを単独または2種以上混合して使用することができる。
【0036】
前記b)ii)のエポキシ基を含む不飽和化合物は、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−β−メチルグリシジル、メタクリル酸−β−メチルグリシジル、アクリル酸−β−エチルグリシジル、メタクリル酸−β−エチルグリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、アクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、メタクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、4−ビニルシクロヘキセンオキシド、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルなどを単独または2種以上混合して使用することができる。
【0037】
前記b)iii)のシリコン系化合物は、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)トリエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)ジメチルエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)ジメチルエトキシシラン、3−(メタクリロキシ)プロピルトリメトキシシラン、3,4−エポキシブチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシブチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシランなどを単独または混合して使用することができる。
【0038】
前記のようなb)i)オレフィン系不飽和化合物;ii)エポキシ基を含む不飽和化合物;およびiii)エポキシ基、アミン基またはフッ素基を含むシリコン系化合物からなる群より選択されたいずれか1つ以上の混合物は2種以上を混合して使用する場合にも合計重量が前記a)官能基を有するプレポリマー100重量部を基準に5〜100重量部で含まれることが良く、前記範囲内である場合には架橋密度を高めて有機溶媒に対する膨潤およびこわれる現象を防止し、微細パターン形成時にも離型性を増加させることができる。さらに好ましくは、10〜20重量部を使用することが良い。
【0039】
本発明の光硬化型樹脂組成物に使用されるc)の光開始剤は、Irgacure 369、Irgacure 651、Irgacure 907、Irgacure 819(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社)、ジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、メチルベンゾイルホルメート、エチル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィネート、2,4−ビストリクロロメチル−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2−p−メトキシスチリル−4,6−ビストリクロロメチル−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−4−メチルナフチル−6−トリアジン、ベンゾフェノン、p−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,2−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ドデシルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,2−ビス−2−クロロフェニル−4,5,4,5−テトラフェニル−2−1,2−ビイミダゾールなどを単独または2種以上混合して使用することができる。
【0040】
前記光開始剤は、前記a)官能基を有するプレポリマー100重量部を基準に0.1〜10重量部で含まれることが良く、前記範囲内である場合、硬化と製作された樹脂モールドの透過度および保存安定性を同時に満足させることができる。
【0041】
前記のような成分からなる本発明の光硬化型樹脂組成物は塗布性を向上させ原板モールドとの脱去時、離型性をさらに良くするために界面活性剤をさらに添加することができる。
【0042】
前記界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、F171、F172、F173(大日本インキ社)FC430、FC431(住友スリーエム社)、KP341(信越化学工業社)などを使用することができ、その含量は前記a)官能基を有するプレポリマー100重量部を基準に0.01〜2重量部で含まれることが良い。
【0043】
また、本発明は前記の光硬化型樹脂組成物を用いた樹脂モールドの製造方法および前記方法によって製造された樹脂モールドを提供する。
【0044】
本発明の樹脂モールドは、S1)パターンが形成された原板モールドの一面に前記光硬化型樹脂溶液を塗布し硬化させて原板モールドのパターンを転写させる段階;S2)前記パターンが転写された硬化高分子樹脂を原板モールドから離型させる段階を含んで高分子樹脂モールドを製造する。
【0045】
好ましくは、前記S2)過程後に、
S3a)前記離型されたパターンが形成された硬化高分子樹脂の背面にプラズマ処理面を形成する段階;
S4a)前記硬化高分子樹脂の背面に形成されたプラズマ処理面に背面支持体を形成する段階;および
S5a)前記背面支持体が形成された硬化高分子樹脂を粘着または硬化させる段階を含んで高分子樹脂モールドを製造する。
【0046】
また、本発明の製造方法は、好ましくは、前記S2)過程後に、
S3b)前記硬化高分子樹脂と接する背面支持体の一面にプラズマ処理面を形成する段階;および
S4b)前記背面支持体に形成されたプラズマ処理面に前記硬化高分子樹脂を粘着または硬化させる段階を含んで高分子樹脂モールドを製造する。
【0047】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳しく説明する。
【0048】
図1は本発明の好ましい一実施形態による樹脂モールドの製造方法を概略的に示す断面図である。
【0049】
図1を参照すれば、まず、製造しようとする原板モールド101のパターンが上へ向かうようにした後、高分子樹脂溶液102aを塗布する。この時、前記高分子樹脂溶液102aの塗布はスピンコーティング、スリットコーティングなどの方法で行うことができる。
【0050】
原板モールド101に塗布された高分子樹脂溶液102aは窒素乃至大気中雰囲気で光照射して硬化させ、原板モールド101のパターンが転写された硬化高分子樹脂102bを原板モールド101から離型させる。
【0051】
前記離型された硬化高分子樹脂102bの一面には原板モールド101から転写されたパターンが形成される。前記パターンが形成された硬化高分子樹脂102bの背面または前記硬化高分子樹脂102aと接する背面支持体104の一面にプラズマ処理して、前記パターンが形成された硬化高分子樹脂102bと背面支持体104が粘着または接着されるようにプラズマ処理面103を形成する。
【0052】
前記硬化高分子樹脂102bの背面または前記硬化高分子樹脂102aと接する背面支持体104の一面に形成されたプラズマ処理面103に粘着剤や接着剤を用いて背面支持体104を粘着または接着させる。この時、前記背面支持体104としては500nm波長の光源で透過率が少なくとも85%以上である透明ガラス板(Bare glass)、ITO(Indium Tin Oxide))基板、COC(Cyclic olefin copolymer)、PAc(Polyacrylate)、PC(Polycarbonate)、PE(Polyethylene)、PEEK(Polyetheretherketone)、PEI(Polyetherimide)、PEN(Polyethylenenaphthalate)、PES(Polyethersulfone)、PET(Polyethyleneterephtalate)、PI(Polyimide)、PO(Polyolefin)、PMMA(Polymethylmethacrylate)、PSF(Polysulfone)、PVA(Polyvinylalcohol)、PVCi(Polyvinylcinnamate)、TAC(Triacetylcellulose)、ポリシリコン(Poly Silicone)、ポリウレタン(Poly urethane)、エポキシ樹脂(Epoxy Resin)などを使用することができる。好ましくは、前記500nm波長の光源で透過率が97〜99.9%であることが良い。
【0053】
前記のように硬化高分子樹脂102bに粘着または接着された背面支持体104はモールド樹脂との完全な接着のために追加的に紫外線乃至熱を加える追加粘着乃至硬化工程を行って最終の高分子樹脂モールド105を製造する。
【0054】
以下、本発明の理解のために好ましい実施例を提示するが、下記の実施例は本発明を例示するものに過ぎず、本発明の範囲が下記の実施例に限定されるのではない。
【実施例】
【0055】
実施例1
【0056】
(A−1)官能基を有するシリコン変性ウレタン化合物の製造
冷却管と撹拌機を備えたフラスコに2−ヒドロキシエチルメタアクリレート500重量部;トルエンジイソシアネート100重量部を徐々に投入し、徐々に昇温して80℃で攪拌しながら2時間ほど反応させた。その後、ポリジメチルシロキサン50重量部および触媒としてトリエチルアミン1重量部を添加して、3時間追加反応させた。赤外線分光光度計でイソシアネートが消滅したことを確認し、無色透明の官能基を有するシリコン変性ウレタン化合物(a−1)を得た。
【0057】
(A−2)官能基を有する反応性プレポリマーの製造
冷却管と撹拌機を備えたフラスコに前記(A−1)で得られた(a−1)官能基を有するシリコン変性ウレタン化合物30重量部;3−パーフルオロヘキシルヒドロキシルプロピルメタクリレート70重量部;2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3.5重量部を入れて窒素置換後、徐々に攪拌した。
【0058】
前記反応溶液を70℃まで昇温し5時間反応して、官能基を有する反応性プレポリマーを製造した。
【0059】
(A−3)光硬化型含フッ素樹脂組成物の製造
(A−2)で得られた官能基を有する反応性プレポリマー100重量部;メタクリル酸グリシジル10重量部および(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン10重量部を混合した混合物20重量部、光開始剤としてエチル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィネート1重量部および界面活性剤としてKP341(信越化学工業社)0.01重量部を投入し、常温で300〜400rpmで20時間均一に攪拌して、透明な液状の樹脂溶液102aを製造した。
【0060】
その後、原板モールド101のパターンが上へ向かうようにし、前記製造した高分子樹脂溶液の厚さが100μmになるようにスリットコーティングした。原板モールド101に塗布された高分子樹脂は窒素雰囲気で紫外線を照射して硬化させ、原板モールド101のパターンが転写された硬化高分子樹脂102bを原板モールド101から離型した。
【0061】
前記離型された硬化高分子樹脂102bのパターンが形成されている面の背面にプラズマ処理して、前記パターンが形成された硬化高分子樹脂102bと背面支持体104が粘着または接着されるようにプラズマ処理面103を形成した。その後、前記離型された硬化高分子樹脂102bのパターンが形成されている面の背面(プラズマ処理された面103)と背面支持体104であるガラス板を接触させて、樹脂と支持体を粘着させた。
【0062】
前記粘着された硬化高分子樹脂102bと背面支持体104の完全な接着のために100℃のコンベクションオーブン(convection oven)に入れ、追加的に1時間熱を加えて、最終の高分子樹脂モールド105を完成した。
【0063】
実施例2
【0064】
前記実施例1の(A−1)で得られた(a−1)官能基を有するシリコン変性ウレタン化合物50重量部;3−パーフルオロヘキシルヒドロキシルプロピルメタクリレート50重量部;2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3.5重量部を入れて窒素置換後、徐々に攪拌した。
【0065】
前記反応溶液を70℃まで昇温し5時間追加反応して、官能基を有する反応性プレポリマーを製造したことを除いては、前記実施例1と同様な方法を実施した。
【0066】
実施例3
【0067】
前記実施例1の(A−1)で得られた(a−1)官能基を有するシリコン変性ウレタン化合物65重量部;3−パーフルオロヘキシルヒドロキシルプロピルメタクリレート35重量部;2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3.5重量部を入れて窒素置換後、徐々に攪拌した。
【0068】
前記反応溶液を70℃まで昇温し5時間追加反応して、官能基を有する反応性プレポリマーを製造したことを除いては、前記実施例1と同様な方法を実施した。
【0069】
実施例4
【0070】
前記実施例1の(A−1)で得られた(a−1)官能基を有するシリコン変性ウレタン化合物80重量部;3−パーフルオロヘキシルヒドロキシルプロピルメタクリレート20重量部;2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3.5重量部を入れて窒素置換後、徐々に攪拌した。
【0071】
前記反応溶液を70℃まで昇温し5時間追加反応して、官能基を有する反応性プレポリマーを製造したことを除いては、前記実施例1と同様な方法を実施した。
【0072】
比較例1
【0073】
メタクリル酸グリシジル10重量部および(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン10重量部を混合した混合物20重量部、光開始剤としてエチル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィネート1重量部および界面活性剤としてKP341(信越化学工業社)0.01重量部を投入し、常温で300〜400rpmで20時間均一に攪拌して、透明な液状の樹脂溶液102aを製造したことを除いては、前記実施例1と同様な方法で実施した。
【0074】
比較例2
【0075】
フェニルエポキシアクリレート25重量部のオリゴマー100重量部;メタクリル酸グリシジル10重量部および(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン10重量部を混合した混合物20重量部;光開始剤としてエチル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィネート1重量部および界面活性剤としてKP341(信越化学工業社)0.01重量部を投入し、常温で300〜400rpmで20時間均一に攪拌して樹脂溶液を製造し、前記実施例1と同様な方法で最終のモールドを完成した。
【0076】
比較例3
【0077】
前記実施例1で製造した高分子樹脂溶液の代わりに、既存の高分子樹脂モールド材料であるPDMS(Dow−Corning社、sylgard(R) 184 silicone elastomer kit)を前記実施例1のように原板モールド101に100μmの厚さで塗布し、60℃のオーブンで180分間焼成して硬化した後、原板モールドから硬化した樹脂を離型した。
【0078】
前記実施例1乃至4および比較例1乃至3で製造した高分子樹脂モールドを用いて下記のような方法で濡れ性、離型性、耐化学性、透過率を測定し、その結果を下記表1に示した。
【0079】
イ)濡れ性−前記実施例1乃至4および比較例1乃至3で製造した高分子樹脂モールドに水滴を落として、樹脂モールドの表面と水滴の間の接触角をそれぞれ5回測定して接触角の平均値を記載した。
【0080】
ロ)離型性−前記実施例1乃至4および比較例1乃至3で製造した高分子樹脂モールドに適量の光硬化剤が配合された一般商用化アクリル系樹脂を全面に塗布した後、ガラスを覆って紫外線ランプ下で完全に硬化させた。
【0081】
その後、前記実施例1乃至4および比較例1乃至3で製造した高分子樹脂モールドと硬化したアクリル系樹脂の界面を手で引いて離型した。
【0082】
この時、手で離型が可能な場合は◎、カッターナイフなどの道具で界面の間に空間を確保するときのみ離型が可能な場合は○、離型が全くできない場合、前記実施例1乃至4および比較例1乃至3で製造した高分子樹脂モールドまたは硬化したアクリル系樹脂の一部または全部が破損して離型される場合はXで表に記載した。
【0083】
ハ)耐化学性−アセトンに前記実施例1乃至4および比較例1乃至3で製造した高分子樹脂モールドを完全に浸漬して7日を放置した後、樹脂モールドの重量変化を測定した。初期対比重量の変化比が0〜3%である場合は優秀、3〜5%である場合は良好、5%以上である場合は不良と示した。
【0084】
ニ)透過率−前記実施例1乃至4および比較例1乃至3で製造した高分子樹脂モールドの可視光線の光吸収スペクトル(spectrum)を測定し、400nmにおいて光線透過率を測定して記載した。
【0085】
【表1】

【0086】
前記表1に示したように、本発明の光硬化型含フッ素樹脂組成物を用いて製造した実施例1乃至4の高分子樹脂モールドは比較例1乃至3と比較して、透過率が同等水準乃至以上と示され、耐化学性が優れるだけでなく、濡れ性と離型性が優れるのを確認することができた。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は光硬化型含フッ素樹脂組成物およびこれを含むモールドの製造方法に関し、特に従来の樹脂モールドに使用されるシリコン系高分子樹脂、フッ素系高分子樹脂、熱硬化乃至光硬化型高分子樹脂材料とは異なり、追加的な表面処理の有無と関係なくパターン形成のための熱硬化または光硬化樹脂との濡れ、離型が容易であるだけでなく、耐化学性、機械的特性、高透過率などの特性を有する光硬化型樹脂組成物を提供し、前記光硬化型樹脂組成物を用いて半導体、ディスプレイを含む各種電子デバイス産業工程に必要な微細パターンを安定的で容易に形成することができる。
【符号の説明】
【0088】
101 原板モールド
102a 高分子樹脂溶液
102b 硬化高分子樹脂
103 プラズマ処理面
104 背面支持体
105 高分子樹脂モールド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)i)官能基を有する反応性含フッ素化合物、および
ii)官能基を有する反応性シリコン変性ウレタン化合物、を重合して製造した反応性プレポリマー、
b)i)オレフィン系不飽和化合物、
ii)エポキシ基を含む不飽和化合物、および
iii)エポキシ基、アミン基またはフッ素基を含むシリコン系化合物からなる群より選択されたいずれか1つ以上の化合物、および
c)光開始剤
を含むことを特徴とする光硬化型樹脂組成物。
【請求項2】
前記光硬化型含フッ素樹脂組成物は、
a)反応性プレポリマー100重量部、
b)i)オレフィン系不飽和化合物、
ii)エポキシ基を含む不飽和化合物、および
iii)エポキシ基、アミン基またはフッ素基を含むシリコン系化合物からなる群より選択されたいずれか1つ以上の混合物5〜100重量部、および
c)前記a)官能基を有する反応性プレポリマーの100重量部に対して光開始剤0.1〜10重量部
を含む、請求項1に記載の光硬化型樹脂組成物。
【請求項3】
前記反応性プレポリマーは、i)官能基を有する反応性含フッ素化合物10〜80重量%、およびii)官能基を有する反応性シリコン変性ウレタン化合物20〜90重量%、を重合して製造したことを特徴とする、請求項1に記載の光硬化型樹脂組成物。
【請求項4】
前記i)官能基を有する反応性含フッ素化合物は、6−パーフルオロヘキサノール、3−パーフルオロブチルプロパノール、2−パーフルオロプロピルテトラフルオロプロパノール、2,5−ジトリフルオロメチルジオキサウンデカフルオロノナノール、オクタフルオロヘキサンジオール、パーフルオロブチルエポキシプロパン、パーフルオロメチルブチルエポキシプロパン、テトラフルオロプロポキシエポキシプロパン、1,4−ビスエポキシプロピルパーフルオロ−n−ブタン、パーフルオロヘキシルエチレン、1−メトキシパーフルオロメチルプロパン、1,4−ジビニルドデカフルオロへキサン、3−パーフルオロブチルヒドロキシプロピルメタクリレート、3−パーフルオロヘキシルヒドロキシルプロピルメタクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、2−パーフルオロヘキシルエチルアクリレート、3−パーフルオロメチルブチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、メチルトリフルオロアセテート、エチルトリフルオロアセテート、トリフルオロエチルメチルエーテル、テトラフルオロエチルメチルエーテル、ヘクタフルオロブチルアミン、トリデカフルオロヘプチルアミンおよびその誘導体からなる群より1種以上選択されることを特徴とする、請求項1に記載の光硬化型樹脂組成物。
【請求項5】
前記ii)官能基を有する反応性シリコン変性ウレタン化合物は、イソシアネート化合物5〜70重量%、1つ以上のヒドロキシ基と官能基を有するオレフィン系不飽和化合物30〜90重量%、およびポリジメチルシロキサン1〜30重量%を反応させて製造したことを特徴とする、請求項1に記載の光硬化型樹脂組成物。
【請求項6】
前記1つ以上のヒドロキシ基と官能基を有するオレフィン系不飽和化合物は、2−ヒドロキシメチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシエチルアクリレート、および4−ヒドロキシブチルアクリレートからなる群より1種以上選択されることを特徴とする、請求項5に記載の光硬化型樹脂組成物。
【請求項7】
界面活性剤を、前記a)官能基を有するプレポリマー100重量部に対して0.01〜2重量部さらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の光硬化型樹脂組成物。
【請求項8】
S1)パターンが形成された原板モールドの一面に請求項1記載の光硬化型含フッ素樹脂溶液を塗布し硬化させて原板モールドのパターンを転写させる段階、および
S2)前記パターンが転写された硬化高分子樹脂を原板モールドから離型させる段階
を含む高分子樹脂モールドの製造方法。
【請求項9】
前記S2)過程後に、
S3a)前記離型されたパターンが形成された硬化高分子樹脂の背面にプラズマ処理面を形成する段階、
S4a)前記硬化高分子樹脂の背面に形成されたプラズマ処理面に背面支持体を形成する段階、および
S5a)前記背面支持体が形成された硬化高分子樹脂を粘着または硬化させて高分子樹脂モールドを製造する段階
を含む、請求項8に記載の高分子樹脂モールドの製造方法。
【請求項10】
前記S2)過程後に、
S3b)前記硬化高分子樹脂と接する背面支持体の一面にプラズマ処理面を形成する段階、および
S4b)前記背面支持体に形成されたプラズマ処理面に前記硬化高分子樹脂を粘着または硬化させて高分子樹脂モールドを製造する段階
を含む、請求項8に記載の高分子樹脂モールドの製造方法。
【請求項11】
請求項8乃至10のうちのいずれか1項記載の高分子樹脂モールドの製造方法によって製造された高分子樹脂モールド。

【図1】
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【公表番号】特表2012−532980(P2012−532980A)
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−520530(P2012−520530)
【出願日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【国際出願番号】PCT/KR2010/004418
【国際公開番号】WO2011/007979
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(502081871)ドンジン セミケム カンパニー リミテッド (62)
【Fターム(参考)】