説明

光線を閉じ込めるロック室を装備した、中空体半製品の光線による処理ユニット

合成樹脂材料製中空体の半製品(2)の処理ユニット(1)であり、本処理ユニットは、中で半製品(2)が長手方向に走行する筐体(13)と、筐体(13)の少なくとも片側に配置される複数の電磁光線源(15)と、筐体(13)に隣接する少なくとも1つのロック室(16)とを備え、ロック室は、電磁光線を通さず、半製品(2)の行程と局地的に重なる軌道を回る可動式防護板を装備し、2枚の防護板(41)が、2枚ごとに、少なくとも1つの半製品(2)の受容領域(43)を規定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂材料製半製品からのブロー成形または延伸ブロー成形による容器などの中空体の製造に関する。
【0002】
「半製品」という用語は、合成樹脂材料を金型に射出成形することによって得られるプリフォーム、または少なくとも1つの一次成形作業に供し、この作業に少なくとも1秒間供するようになっているプリフォームから得られる中間中空体を指す。
【背景技術】
【0003】
本発明は、さらに正確には、例えば熱(加熱)または殺菌による半製品の処理に関する。半製品の処理は、一般に、処理ユニット(加熱の場合は通常「炉」と呼ばれる)の中に走行させて実施し、このユニットは複数の電磁光線源を備え、半製品は、これ自体が回転駆動されて電磁光線源の前を走行する。
【0004】
プランクの法則に従って連続スペクトルで放射する管状ハロゲン型の白熱電球を用いる、従来の半製品の加熱技術が今日最も普及している技術だが、赤外線領域に出射する単色または擬似単色(とりわけレーザー)の電磁光線源の使用に基づく代替技術が、最近になって注目されている(本出願者の名による仏国特許出願第2878185号および仏国特許出願第2915418号を参照)。
【0005】
ハロゲン加熱よりも優れたレーザー加熱の効率および特性(とりわけ光学的正確性)により、より迅速でより選択性の高い半製品の加熱を実現することができる。
【0006】
しかしながら、レーザー加熱には、人間には見えず、目だけでなく皮膚にも重大な損傷を及ぼしかねないこの種の赤外線の危険性に適合した設備を使用する必要がある。
【0007】
そのため、筐体を可能な限り密閉し、この筐体の中に半製品を走行させて、光線の漏洩を最大限抑制する必要がある。しかしながら、筐体の換気ユニット(よって空気循環を可能にする孔)を設ける必要があり、かつ半製品の走行を可能にするために筐体の入口および出口に開口を設ける必要があることから、この密閉は困難になる。
【0008】
本発明者らは、筐体の上流および下流で曲がりくねった行程にプリフォームを移動させて光線を閉じ込めることを想定したが、これでは半製品を設置する支持台が早期に摩耗するという問題と合わせて、機械的な問題を避けられないという結論に至り、これは生産面では受け入れられないものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】仏国特許出願第2878185号
【特許文献2】仏国特許出願第2915418号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、少なくとも半製品の走行路を乱さない筐体を密閉する対策を提供して、前述の問題点を克服することに焦点を当てている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そのために、本発明は、合成樹脂材料製中空体の半製品の処理ユニットであって、
− 中で半製品が長手方向に走行する筐体と、
− 筐体の少なくとも一方のサイドに配置される複数の電磁光線源と、
− 電磁光線を通さない可動式防護板であって、2枚ごとに、少なくとも1つの半製品の受容領域を規定し、半製品の行程と局地的に重なる軌道を回る防護板を装備した、筐体に隣接する少なくとも1つのロック室と
を備える処理ユニットを提供する。
【0012】
ロック室の構造により、半製品の行程を修正する必要がなく、この行程はとりわけ直線にすることができる。その結果、走行速度はロック室があることで乱れることはなく、ロック室は電磁光線を確実に筐体の中に閉じ込める。そのため、光線の漏洩リスクは最小限に抑えられ、加熱ユニットの安全に有利に働く。
【0013】
防護板は、例えば回転可動式である。一実施形態によれば、ロック室は、半製品の行程の両側に自由回転式に取り付けられた少なくとも1対のロールを備え、このロールは、ロール間を移動する半製品の支持体により回転駆動することができ、星形に配置された半径方向のパネルからなる環状の並びを有し、このパネルは前記防護板を形成する。
【0014】
さらに正確には、各ロールは、例えば自由回転式に取り付けられた1対の星形の支持盤を備え、この支持盤同士の間にパネルが取り付けられ、このパネルは、支持盤同士の間の縦架材となる中央のスリーブから星形に延びることができる。
【0015】
特定の一実施形態によれば、各ロールは、半製品の行程と局地的に重なる下方支持盤を備え、この支持盤は、その周縁に、半製品の支持体とかみ合うことができる凹部からなる環状の並びを備える。
【0016】
ロールは、半製品の行程に沿って違いにずれ、互いの周縁にほぼすれすれの状態であることが好ましい。
【0017】
ロック室はさらに、半製品の行程の両サイドに配置される囲壁を有し、この囲壁は、ロック室に2つの開口を規定し、この開口を半製品が通過する。
【0018】
筐体に面したロック室の開口の両側には縦架材を配置することができ、このようにすることで、光線に対する気密性を保って筐体とロック室とを接続する。
【0019】
本発明のその他の目的および利点は、添付の図面を参照して以下に記載した説明に照らせば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】ロック室を備える半製品の加熱ユニットを示す斜視図である。
【図2】図1の加熱ユニットの一部を除去した斜視図である。
【図3】図1の加熱ユニットの一部を除去し、水平面III−IIIに沿って切断した斜視図である。
【図4】図1の加熱ユニットを垂直面IV−IVに沿って切断した横断面図である。
【図5】図3の水平面V−Vに沿って切断した、図1から図4の加熱ユニットの斜視図である。
【図6】図1の加熱ユニットの水平面III−IIIに沿って切断した平面詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図には、合成樹脂材料製中空体の半製品2の処理ユニット1を示した。この場合、半製品2は、容器を形成するようになっているプリフォームだが、1つまたは複数の予備成形作業(例えば一時的なブロー成形)に供した中間容器のことでもある。
【0022】
各プリフォーム2は、本体3がほぼ筒状であり、一方の端部で半球形の底部4が閉鎖され、反対側の端部にある首部5に続く。
【0023】
図では、プリフォーム2は、首部5が下の状態で示されている。この状態で、プリフォームは処理ユニット1に導入され、処理ユニット1の入口と出口との間に延びるほぼ直線の長手経路(経路はどのようなタイプの形でもよい)に沿って処理ユニット内を走行する。図1、図2および図3では、プリフォーム2は右から左へ走行すると仮定しているため、入口は右に位置する。しかし、この動作は逆でもよく、その場合、入口と出口は逆になる。
【0024】
各プリフォーム2は、首部5を回転盤と呼ばれる回転式把持ユニット6に取り付けられ、この把持ユニットは、一定の線形速度で移動するように駆動されるチェーン8の環7に固定され、把持ユニットの台は、経路に沿って走路10の上を回転するローラ9によって維持される(回転盤6の下部を見えるようにするため、走路10は、図1、図2および図3には一部しか示していない)。
【0025】
図のなかでも特に図4の断面図を見ればよくわかるように、各回転盤6は、プリフォーム2を取り外し可能に固定するために首部5に挿入する先端部11aと、プリフォーム2を取り出すために透かし細工を入れた可動式ソケット11bと、先端部11aと回転式に一体化した歯車12とを備え、歯車は、プリフォーム2の経路に沿って配置された固定式ラック(明瞭にするため、図示せず)とかみ合う。その結果、各プリフォーム2は、プリフォームが移動する線形速度に直接比例する回転速度で、プリフォームの軸周りを回転駆動される。ここでは例として、処理ユニット1は、首部5を下にしたプリフォーム2を処理するように構成して示されている。変形例では、ユニット1は、首部5を上にしたプリフォーム2を処理するように構成してもよく、この構成が以下の説明に影響を及ぼすことはない。
【0026】
処理ユニット1は、光線を出射する筐体13(図1、図2および図3の左)を備え、この筐体は、平行に対面する2つの側壁14で仕切られ、この側壁は、経路に沿ってこの経路の両側に垂直方向に延びる。
【0027】
出射壁と称する、壁14の少なくとも一方には、好ましくは単色または擬似単色で筐体13内部に向かって出射する、複数の電磁光線源15を並列させる。プリフォーム2の処理が温度(加熱)処理の場合、光源15は、赤外線領域に出射するように設定する。処理が殺菌処理の場合、光源15(一般に、キセノン蒸気で発光するランプ)は、スペクトルが紫外線、殺菌領域をカバーするように設定する。
【0028】
理論的には、単色の光源は、単一周波数の正弦波を出射する理想の光源である。換言すれば、その周波数スペクトルは、スペクトル幅ゼロのスペクトル線のみで構成される(ディラック)。
【0029】
実際には、このような光源は存在せず、実際の光源は、最良の状態でも準単色、すなわちその周波数スペクトルは、光線強度が最大である主要周波数に集中した、低いがゼロではないスペクトル幅の帯域に及ぶ。しかしながら、言葉の誤用により、実際のこのような光源を単色と呼ぶのが習慣である。このほか、異なる主要周波数に集中した複数の狭帯域を有する離散スペクトルに準単色で出射する光源を「擬似単色」と呼ぶ。これはマルチモード光源ともいう。
【0030】
このような光線の利点は、1つ(または複数の)周波数に集中し、この(またはこれらの)周波数に対してプリフォーム2の素材の熱的挙動が、仕様書に比して特に有意義なものになることである。例として、プリフォーム2の表面を高速加熱するためには、素材による吸収性が高い(または複数の)赤外線の周波数を選択することができる。逆に、より緩慢だがプリフォーム2の厚みに均質に加熱するためには、素材による吸収が比較的少ない1つの(または複数の)周波数を選択することができる。
【0031】
以下の記載において、処理は加熱と仮定し、処理ユニット1は、実際には加熱ユニットである(「炉」ともいう)。この適用例では、ポリエチレンテレフタラート(PET)のような熱合成樹脂材料で作製される各プリフォーム2は、ガラス転移温度よりも高い温度で炉1内で加熱して柔らかくした後、金型に入れてブロー成形または延伸ブロー成形の作業に供し、ボトルまたは瓶などの容器を形成するようになっている。
【0032】
実際には、光源15は、例えば本出願人の名による国際特許第2006/0566673号に記載されているように、1つまたは複数のマトリクスを形成するように並列、積層して構成した赤外レーザーダイオードである。この場合、各マトリクスは、垂直キャビティ面発光レーザー(VCSEL)のレーザーダイオードのマトリクスにすることができ、各ダイオードは、例えば単位電力が波長約1μm当たり約1ワットのレーザー光を出射する。図1、図2および図3に示した例では、炉1は、筐体13に沿って並列して配置した複数のダイオードマトリクスを装備している。
【0033】
光源15から出射された電磁光線を閉じ込めることが望ましい。実際、紫外線または赤外線で出射された光線は、人間の目では感知できず、これらの光線への(無意識でも)長時間の曝露は、出射される光線の強度によっては網膜を損傷するおそれがあるため避けるべきである。特に、コヒーレント性かつ高指向性のレーザー光線は、メートル規模(本明細書の枠組で検討している規模)ではほとんど分散されない。
【0034】
もちろん、光線を完全に閉じ込めるために、一連のプリフォーム2を筐体13に導入し、筐体13を密閉し、その後プリフォーム2を光線に曝露した後、次のグループを導入してプリフォーム2を排出し、プリフォーム2の排出および導入の間一時的に光線を中断して筐体13の外部へのあらゆる分散を回避するという方法で、プリフォームの連続加熱を実施することは、技術的には実現可能である。
【0035】
この対策は、安全面の点では満足のいくものであるが、一方では、プリフォームの前進を定期的に中断する必要があるために、高速ピッチでの生産と両立させることが困難であり、他方では、チェーン8の動きが不規則になるために、チェーン8の早期の摩耗を引き起こすおそれがある。
【0036】
また、処理ユニット1内でのプリフォーム2の連続走行を維持することが好ましい。そのため、2つの相反する点を考慮する必要がある。まず、電磁光線は永続的、すなわち生産中は中断されないという点である。次に、筐体13は、プリフォーム2を連続的に導入、排出できる必要があるため、密閉はできないという点である。
【0037】
このような理由から、処理ユニット1は、入口および/または出口に、長手方向の少なくとも一方の端部で筐体13と隣接するロック室16であって、プリフォーム2の筐体13への連続導入および/または排出を可能にした上で、筐体13から出射される光線を閉じ込める機能を果たすロック室を備える。
【0038】
図示した例では、簡略化のため単一のロック室16を示した。前述したような仮定では、プリフォーム2は右から左へ移動し、この場合ロック室16は、処理ユニット1の入口に配置されるのがわかる。プリフォーム2が左から右へ移動する逆の仮定では、図示した例は、処理ユニット1の出口に配置されたロック室16になることが理解される。2つのロック室16を備え、1つは入口に、もう1つは出口に備える処理ユニット1を備えてもよい。
【0039】
ロック室16は、
− 互いに離れて間隙18自体を形成する2つの底板17であって、チェーン8を通すことができ(これによってプリフォーム2を走行させることができ)、下面がローラ9の転がる走路10を形成する底板で構成される台座と、
− 2枚の囲壁であって、それぞれが間隙18の両側で底板17に固定される、断面がU字型の囲壁19と、
− チェーン8およびプリフォーム2が通過する上を閉鎖して囲壁19の上に乗る、一体成形のカバー20と
を備える。
【0040】
各囲壁19は、プリフォーム2の経路に平行に、底板17の外縁22に沿って長手方向に延びるサイド部21と、間隙18の境界である、サイド部21から底板17の内縁24までを横断方向に延びる、直角に曲がる2つの曲折部23とを備える。
【0041】
対面して配置された直角に曲がる曲折部23は、この2つで、プリフォーム2が通過するロック室16の開口、すなわち、処理ユニット1の外部に面した開口25、および筐体13に面した内側開口26の境界を規定する。
【0042】
図3および図6を見ればよくわかるように、ロック室16は、筐体13と直接連通している必要はなく、内側開口26は筐体から少し離れていてもよい。筐体13から出射されロック室16に進入する光線の立体角を縮小するために、このような隔たりを故意に設けてもよい。この場合、光線に対する気密性を保って筐体13とロック室16とを接続する縦架材27(ここでは金属形鋼の形態)を用いて、内側開口26の両側でロック室16と筐体13との間隔をふさぐ利点がある。
【0043】
当然ながら、底板17、囲壁19およびカバー20は、耐高温性であり、筐体13から出射される電磁光線を通さない材料で作製される。これは、好ましくは(ロック室内部に面した)内面に光線を吸収するコーティング(例えばフラットブラック塗装)を備えた鋼板にすることができる。
【0044】
図示したように、また、図2から最もよくわかるように、ロック室16は、それぞれの底板17とカバー20との間に垂直に取り付けられた1対のロール28を備える。
【0045】
各ロール28は、固定軸29を備え、この軸のねじを切った下方端部30は、対応する底板17に設けられたねじを切った穴31にねじ止めされ、上方端部32は、カバー20に設けられ穴31から垂直な所にある上方穴33に収容される。
【0046】
ロールのそれぞれの端部30、31、軸29は、フランジ34を備え、このフランジはそれぞれ底板17およびカバー20に当接するストッパーを形成する。
【0047】
ロール28は、このほか、2つの星形の支持盤35、すなわち下方端部30近辺の軸29に取り付けられた下方支持盤と、上方端部32近辺の軸29に取り付けられた上方支持盤とを備える。
【0048】
各支持盤35はボス36を備え、支持盤は、例えばフランジ34とボス36との間に軸方向に挿入されたベアリング37または軸受を介して、軸29に自由回転式に取り付けられる。
【0049】
支持盤35は、軸29を包囲する筒状スリーブ38を間に介して取り付けられ、スリーブの両端はボス36に嵌め込まれる。
【0050】
各支持盤35は、外周が環状であり、周縁には、環状の輪郭を呈する凹部39からなる規則的な環状の並びを有し、凹部は、この場合は8つであり(ただし、この数はこれを下回っても上回ってもよい)、凹部同士の間で半径方向に延びる枝部40からなる環状の並びを規定しているため、支持盤35は、平面図では歯車の輪郭を呈している。
【0051】
各ロール28はさらに、環状に並ぶパネル41(枝部と同数のため、ここでは8枚)を備え、このパネルは、支持盤35同士の間を垂直に延びて支持盤に対して不動になり、スリーブ38から支持盤35の周縁まで枝部40の軸に沿って半径方向に延びる。
【0052】
パネル41は、枝部40の軸に沿って半径方向に支持盤35に設けられた溝42にその両端が挿入され、支持盤35に対して回転しない状態である。パネル41が半径方向に動かないようにするには、パネルの両端を溝42に接着することで実現できる。しかしながら、図示した好適な一実施形態によれば、パネル41は、スリーブ38と共に一体成形のアセンブリを形成する。
【0053】
軸29は、鋼鉄で作製できる。支持盤35は、鋼鉄、アルミニウム(または合金)または好ましくはPA(ポリアミド)、POM(ポリアセタール)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、またはこれと同等のものなど、耐摩耗性があり摩擦係数が低い合成樹脂材料で作製できる。
【0054】
パネル41は(スリーブ38と同じく)、筐体13から出射される電磁光線を通さない材料で作製される。ロール28をある程度軽量にするため、パネル41は、使用温度の高さおよび電磁光線に対する遮断特性(不透過性)を理由に選択した合成樹脂材料で作製するのが好ましい。例として、次の重合体のうちの1つを選択することができる:PEEK(ポリエーテルエーテルケトン系)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PI(ポリアミド)、またはこれと同等のもの。パネル41は、筐体13から出射される電磁光線を吸収するようになっていることが好ましい。そのために、材料を原液着色する(好ましくは黒)か、吸収性のある塗料(例えばフラットの黒)でコーティングすることができる。その結果、各パネル41は、筐体から出射される電磁光線に対する防護板を形成する。
【0055】
図6を見ればよくわかるように、ロール28は、一部が間隙18の真上に延びているため、プリフォーム2の行程と局地的に重なっている。このほか、ロール28は、干渉しないように互いに長手方向に、プリフォーム2の行程に平行にずれ、互いに最大限接近して位置し、互いの周縁にほぼすれすれの状態で、可能な限り光線を遮断するようになっている。
【0056】
図6を見ると、隣接する2枚のパネル41は、2枚ごとに、回転盤6に取り付けられた個々のプリフォーム2の受容領域43を規定し、回転盤の環7は、下方の支持盤35とかみ合うことがわかる。さらに正確には、図4および図5に示したように、ロック室16(およびその構成要素)およびチェーン8の寸法は、半径が遊びなしで凹部39の半径と一致する環7のうち支持盤とかみ合う筒状部分44の高さに、下方支持盤35の垂直方向の位置がくるように決定する。
【0057】
その結果、チェーン8が走行すると、下方の支持盤35同士がかみ合うことによって、ロール28は軸29周りに互いに逆方向に回転駆動される。したがって、チェーン8が右から左へ移動すると仮定した図5に示した構成では、矢印で示したように、上流に位置するロール28(図の下部分)は反時計回りに回転駆動され、下流に位置するロール28(図の上部分)は時計回りに回転駆動される。
【0058】
ロール28、特に支持盤35の寸法を正確に決定し、これをチェーン8、さらに正確にはチェーンの幅および環7のかみ合い部分44の直径に適合させることは、当業者に理解される範囲である。
【0059】
そのため、ロール28は、筐体13から出射されロック室16の内側開口26に進入する光線が、外側開口27に直接到達することが一切できないように位置決めされる。実際、ロール28同士の位置がずれていることにより、パネル41は、プリフォーム2の行程と重なって局地的にこの行程上を回り、これによって、ロール28がどの回転位置にあっても、光線の軌道上で間に介在する可動式じゃま板を形成する。
【0060】
水平面への入射角が何度であっても、ロック室16に進入する光線はすべて、(原則としてパネル41またはスリーブ38の)少なくとも1つの表面に当たり、この表面は、エネルギーが十分小さい場合に光線を完全に吸収するか、より高い可能性として、光線のエネルギーが比較的大きい場合に部分的に吸収、反射する。
【0061】
このほか、図6に示した例の場合のように、外側開口25に向かいパネル41に突き当たる光線すべてが、この外側開口25から遠い方向に(かつ好ましくは内側開口26の方向に)反れるように、パネル41の数(1ロール当たり8枚)は十分多いため、光線は必然的に多数反射し、エネルギーを急速に消耗する。その結果、場合によっては外側開口を通ってロック室16から漏れる残りの光線は、エネルギーが非常に弱いため、長時間曝露したとしても人間への危険性は全くない。
【0062】
この構造により、プリフォームの行程(この場合は線形)を維持することができ、生産ピッチが乱れず、このピッチを高いレベルに維持することができる。実際、ロール28は、線形速度でチェーン8とかみ合い、ロールの回転速度はこの速度に自動的に適合されるというせわしない状態に取り付けられるが、ロック室16は能動的である。
【0063】
前段落に記載した特徴を完全なものにするため、様々な措置を講じることができる。
【0064】
したがって、
− プリフォーム2よりも上の開口を封鎖するために、囲壁19同士の間に横断方向にまたがって開口25、26に配置するテープ45を用いて(図2)、
− ロール28を一周した光線を完全または部分的に吸収するために、ロール28の周縁に垂直に配置してロールを部分的に包囲する湾曲プレート46を用いて(図3)、
ロック室16完全にふさいでもよい。
【0065】
このほか、ロール28のチェーン8とのかみ合いを容易にするため、枝部40は、凹部39の縁に面取り部47(またはアール部)を備えてもよい。
【0066】
同じく、2つのロール28を記載し、図示したが、これを上回る数を備えてもよく、例えば、プリフォーム2の行程に沿ってロック室16内にずらして配置してもよい。
【0067】
ロック室内の電磁光線の行程にじゃま板を設ける方法は、前述したロール28の実施形態に何ら限定されるものではない。したがって、光線を通さない防護板を、プリフォームの行程に沿って並進するように、例えば案内プーリー同士の間に張られ行程に平行に移動するベルト上に可動式に取り付けてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂材料製中空体の半製品(2)の処理ユニットであって、
− 中で前記半製品(2)が長手方向に走行する筐体(13)と、
− 前記筐体(13)の少なくとも一方のサイドに配置される複数の電磁光線源(15)と
を備える処理ユニットにおいて、
− 電磁光線を通さない可動式防護板(41)を備える、前記筐体(13)に隣接する少なくとも1つのロック室(16)を有することと、
− 2枚の防護板(41)が、2枚ごとに、少なくとも1つの半製品(2)の受容領域(43)を規定することと、
− 前記防護板(41)は、前記半製品(2)の行程と局地的に重なる軌道を回ることと
を特徴とする、処理ユニット(1)。
【請求項2】
前記防護板は、回転可動式であることを特徴とする、請求項1に記載の処理ユニット(1)。
【請求項3】
前記ロック室(16)は、前記半製品(2)の行程の両側に自由回転式に取り付けられた少なくとも1対のロール(28)を備え、該ロール(28)は、該ロール間を移動する前記半製品(2)の支持体(7)により回転駆動されることができ、星形に配置された半径方向のパネル(41)からなる環状の並びを備え、前記パネルは前記防護板を形成することを特徴とする、請求項1または2に記載の処理ユニット(1)。
【請求項4】
前記各ロール(28)は、自由回転式に取り付けられた1対の星形の支持盤(35)を備え、該支持盤の間に前記パネル(41)が取り付けられることを特徴とする、請求項3に記載の処理ユニット(1)。
【請求項5】
前記パネル(41)は、前記支持盤(35)同士の間の縦架材となる中央のスリーブ(38)から星形に延びることを特徴とする、請求項4に記載の処理ユニット(1)。
【請求項6】
前記各ロール(28)は、前記半製品(2)の行程と局地的に重なる下方支持盤(35)を備え、該支持盤(35)は、その周縁に、前記半製品(2)の前記支持体(7)とかみ合うことができる凹部(39)からなる環状の並びを備えることを特徴とする、請求項4または5に記載の処理ユニット(1)。
【請求項7】
前記ロール(28)は、前記半製品(2)の行程に沿って違いにずれていることを特徴とする、請求項3〜6のうちいずれか一項に記載の処理ユニット(1)。
【請求項8】
前記ロール(28)は、互いの周縁にほぼすれすれの状態であることを特徴とする、請求項3〜7のうちいずれか一項に記載の処理ユニット(1)。
【請求項9】
前記ロック室(16)は、前記半製品(2)の行程の両サイドに配置される囲壁(19)を備え、該囲壁は、前記ロック室(16)に2つの開口(25、26)を規定し、該開口を前記半製品(2)が通過することを特徴とする、請求項1〜8のうちいずれか一項に記載の処理ユニット(1)。
【請求項10】
前記筐体(13)に面した前記ロック室(16)の開口(26)の両側に配置された縦架材(27)を備え、光線に対する気密性を保って前記筐体(13)と前記ロック室(16)とを接続することを特徴とする、請求項9に記載の処理ユニット(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−521167(P2013−521167A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−556571(P2012−556571)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際出願番号】PCT/FR2011/050490
【国際公開番号】WO2011/110791
【国際公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(508356548)シデル パーティシペイションズ (33)
【Fターム(参考)】