光触媒樹脂複合粒子及び製造方法
【課題】樹脂粒子基材に光触媒を担持させた光触媒樹脂複合粒子であって、上記樹脂粒子基材を劣化させずにガス中または水中の悪臭または有害物質を長期にわたって分解でき、担持した光触媒が樹脂粒子基材から脱落し難く、回収の容易な光触媒樹脂複合粒子、その製造方法及びガスまたは廃水の浄化方法を提供する。
【解決手段】樹脂粒子に光触媒に不活性な微粒子及び光触媒を複合化させた光触媒機能を有する光触媒樹脂複合粒子であって、樹脂粒子表面に光触媒に不活性な微粒子を一層以上固着させ、さらにその最外表面に光触媒を固着させたことを特徴とする光触媒樹脂複合粒子。
【解決手段】樹脂粒子に光触媒に不活性な微粒子及び光触媒を複合化させた光触媒機能を有する光触媒樹脂複合粒子であって、樹脂粒子表面に光触媒に不活性な微粒子を一層以上固着させ、さらにその最外表面に光触媒を固着させたことを特徴とする光触媒樹脂複合粒子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光触媒反応を利用した脱臭及び/または廃水処理に用いる光触媒樹脂複合粒子、すなわち、ガス中または廃水中の悪臭物質または有害物質を効率よく分解することのできる光触媒機能を有する樹脂複合粒子、その製造方法及びその利用に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、酸化チタン等の金属酸化物が有する光触媒作用を、有害物質の分解、アンモニアや硫黄化合物の分解浄化、細菌類の殺菌等に利用することが盛んに行われるようになってきている。光触媒能を有する酸化チタン微粒子(以下、光触媒性酸化チタンと略称する)は、目的によりバルク粒子、ゾル、薄膜などとさまざまな形態で利用されるが、脱臭・廃水処理分野に関しては、取扱いが容易なことから光触媒性酸化チタン単独ではなく、基材として比較的大きな粒子を用い、その基材に光触媒性酸化チタンを担持させて用いることが多い。
【0003】
例えば、特許文献1には、見かけ比重が0.1〜0.9の発泡基材または多孔質基材の表面に、光触媒性酸化チタンをバインダーを介して被着させた光触媒複合材料が開示され、光触媒性酸化チタンが基材から脱落し難く、長期に渡って光触媒機能を発揮し続けることが可能で、ガス中または水中の悪臭物質または有害物質を分解できるとしている。
【0004】
また、光触媒性酸化チタンの表面に光触媒活性を持たない金属または金属酸化物を担持させ、それを基材に担持させることによって、光触媒性酸化チタンと基材とを直接接触させない方法も知られている。こうすることによって、基材が樹脂等の光触媒により分解されるものであっても使用可能となる。
【0005】
例えば、特許文献2には、光触媒性酸化チタンの表面に金属または金属酸化物を担持させた光触媒粉体を、水より比重の小さな樹脂等の核粒子の表面に担持させて光触媒複合粒子とし、その光触媒複合粒子を水の浄化に使用する浄水装置が開示されている。
【0006】
【特許文献1】国際公開番号WO 01/024927号公報
【特許文献2】特開2000−210684号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の光触媒複合材料は、光触媒性酸化チタンを、発泡基材または多孔質基材にバインダーを介して担持させるものであるため、発泡基材または多孔質基材は光触媒に不活性なもの、例えば無機系のものを使用しなければならず、用いるバインダーも光触媒に不活性なものか、使用時には不活性となるものを使用しなければならなかった。また、バインダー溶液中に光触媒性酸化チタンを凝集させずに均一に分散させ、かつ、それを安定化する必要があった。
【0008】
特許文献2の光触媒複合粒子は、光触媒性酸化チタンが核粒子に直接接触することはないが、乳鉢等による機械的な摩擦力による結合によるものであるため剥がれ落ちて処理水が濁ることがあり、また、剥がれ落ちないようにするには長時間の処理が必要だった。
【0009】
本発明の目的は、樹脂粒子基材に光触媒を担持させた光触媒樹脂複合粒子であって、上記樹脂粒子基材を劣化させずにガス中または水中の悪臭または有害物質を長期にわたって分解でき、担持した光触媒が樹脂粒子基材から脱落し難く、回収の容易な光触媒樹脂複合粒子、その製造方法及びガスまたは廃水の浄化方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、樹脂粒子基材表面に光触媒に不活性な微粒子(以下、不活性微粒子と略称する)を一層以上固着させ、さらにその表面に光触媒性酸化チタンを固着させた光触媒樹脂複合粒子が、上記目的に適合することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、請求項1に係る発明は、樹脂粒子に不活性微粒子及び光触媒を複合化させた光触媒機能を有する光触媒樹脂複合粒子であって、樹脂粒子表面に不活性微粒子を一層以上固着させ、さらにその表面に光触媒を固着させたことを特徴とする光触媒樹脂複合粒子である。
【0012】
請求項2に係る発明は、光触媒が光触媒性酸化チタンであることを特徴とする請求項1記載の光触媒樹脂複合粒子である。
【0013】
請求項3に係る発明は、不活性微粒子がカーボンブラックを含むことを特徴とする請求項1または2記載の光触媒樹脂複合粒子である。
【0014】
請求項4に係る発明は、不活性微粒子がシリカを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光触媒樹脂複合粒子である。
【0015】
請求項5に係る発明は、樹脂粒子表面に不活性微粒子を一層以上固着させ、さらにその表面に光触媒を固着させることを特徴とする光触媒樹脂複合粒子の製造方法である。
【0016】
請求項6に係る発明は、請求項1から4のいずれかに記載の光触媒樹脂複合粒子を、浄化すべきガスまたは廃水と接触させて、ガス中または水中の悪臭物質または有害物質を分解することを特徴とするガスまたは廃水の浄化方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、基材である樹脂粒子に光触媒を固着複合化させた光触媒樹脂複合粒子であって、その基材である樹脂粒子を劣化させることなくガス中または水中の悪臭物質及び有害物質を分解してガスまたは廃水を浄化できる光触媒樹脂複合粒子、その製造方法及びガスまたは廃水の浄化方法を提供できる。また、基材として用いる樹脂及びその樹脂に添加する添加物の比重を選ぶことによって目的に応じて水表面に浮くもの、中間に漂うもの等を任意に製造し、使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施形態の光触媒樹脂複合粒子、その製造方法及びガスまたは廃水の浄化方法について説明する。なお、本実施形態は、本発明を実施するための一形態に過ぎず、本発明は本実施形態によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更実施の形態が可能である。
【0019】
本発明で用いる光触媒は、光触媒作用を有する金属酸化物であるが、特に光触媒性酸化チタンが好適に用いられる。光触媒性酸化チタンとは、特定エネルギーを持つ光の照射で有機物の酸化還元に対して触媒作用を示すものであり、純粋な酸化チタンの他、含水酸化チタン、水和酸化チタン、メタチタン酸、オルトチタン酸、水酸化チタンと呼ばれているものを含む。二酸化チタンまたはこれより低次酸化状態にあるものが特に好ましく用いられる。二酸化チタンの結晶型はアナターゼ型、ルチル型、フルッカイト型のいずれでも良くまたこれらの混合体でも良い。また、光触媒性酸化チタンとして、光触媒機能を更に向上させるために酸化チタン表面に白金、金、銀、銅、パラジウム、ロジウム、ルテニウムなどの金属、酸化ルテニウム、酸化ニッケル等の金属酸化物を被覆したものや、酸化チタンの表面にハロゲン化白金化合物を担持したり、窒素や硫黄をドープしたり、酸化タングステンを担持したりした所謂可視光応答型酸化チタンも使用できる。さらに、無光状態でも光触媒と同様の触媒活性を示すリン酸チタニウム化合物等の所謂無光触媒も使用可能である。
【0020】
これらの光触媒性酸化チタンは微粉末状であり、その粒径は光触媒活性の強さを考慮すると0.001〜0.05μm程度の微細なものが好ましいが、これより大きい1μm程度までの粒径のものが使用できる。なお、本発明で用いる光触媒性酸化チタンは使用時には凝集した状態となっており、その粒径は0.1〜5μmで、レーザー式粒度分布測定機、例えば日機装株式会社製マイクロトラックを用いて測定できる。
【0021】
本発明で用いる基材となる樹脂粒子の大きさは、担持させる不活性微粒子または光触媒微粒子より大きれば特に制限はないが、好ましくは粒径0.01〜10mmである。
【0022】
上記樹脂粒子に使用する樹脂としては、粒子として成形できるものであればその種類を選ばないが、熱可塑性樹脂が好適に使用できる。熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル樹脂、各種ポリアミド樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリビニールアセテート樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、各種液晶樹脂、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体樹脂、ポリ乳酸などの生分解性樹脂及びこれらの共重合体等が挙げられる。
【0023】
上記樹脂粒子には、必要に応じて、酸化防止剤、耐候性改良剤、紫外線吸収剤、着色剤、顔料、充填剤、スリップ剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、架橋剤、難燃剤、防錆剤、抗菌剤、香料、可塑剤、加工助剤、蛍光増白剤等の添加物を添加しても良い。また、比重の異なる添加物を添加して樹脂粒子の比重を調整したり、鉄粉のような磁性体を添加して磁性を利用して光触媒樹脂複合粒子の回収を容易にしたりすることも可能である。
【0024】
上記樹脂粒子の表面につくられる不活性微粒子を固着させた層は、さらにその上に固着される光触媒と樹脂粒子表面とが接触しないように隔てるための層であるが、一層以上の多層とすることも可能である。不活性微粒子としては、特に限定されるものではないが、シリカなどの無機酸化物、カーボンブラック等が挙げられる。また、これらを混合使用したり、場合によっては酸化防止剤を併用したりすることも可能である。
【0025】
上記不活性微粒子を固着させた層は、基材となる樹脂粒子表面にシリカ、カーボンブラック等の無機微粒子を固着複合化することによって作られる。これらの無機微粒子の粒径は基材となる樹脂粒子より小さければよいが、できるだけ少量で樹脂粒子表面を完全に覆うためには0.1〜5μmの微細なものが好ましい。
【0026】
本発明の光触媒樹脂複合粒子は、基材となる樹脂粒子表面に不活性微粒子を固着させた層を設け、さらにその上に光触媒が固着した構造となっており、基材となる樹脂粒子に不活性微粒子を固着複合化し、さらにその上に光触媒微粒子を固着複合化することにより製造できる。
【0027】
上記の固着複合化は、基材樹脂粒子及びそれに固着複合化する微粒子(以下、これらを合わせて被複合化物と略称する)を混合し、混合摩擦力及び/または機械的衝撃力を加えることにより可能となるが、特に、容器のキャビティ中で、層流により撹拌することのできる分散複合化装置が好適に用いられる。
【0028】
上記分散複合化装置の一例を以下に説明する。
【0029】
分散複合化装置100は、図1ないし図4に示すように、円筒形のキャビティ111を有する容器110とキャビティ111と、同軸状に回転自在に軸支されていてキャビティ111の内部に配置されている撹拌部材200と、撹拌部材200を回転駆動する回転駆動部(図示せず)と、を有する。
【0030】
分散複合化装置100の容器110のキャビティ111に収容された被複合化物を回転駆動部により回転駆動される撹拌部材200により撹拌する。その撹拌部材200は、一定方向の回転により被複合化物をキャビティ111の内周面と略平行に回転させるとともに回転軸体210の軸心方向に往復させる形状に形成されている。より具体的には、撹拌部材200は、回転自在に軸支されていて回転駆動部により回転駆動される円柱状の回転軸体210と、回転軸体210の外周面上に回転方向で等間隔となる偶数の位置に配置されている複数の羽根220と、を有する。
【0031】
そして、回転軸体210の軸心方向を上下方向としたときに回転方向で奇数番目の羽根220aは迎角θが負値で相対的に下方に位置しているとともに、偶数番目の羽根220bは迎角θが正値で相対的に上方に位置している。
さらに、羽根220の上下幅Aおよび奇数番目の羽根220aの上端と偶数番目の羽根220bの下端との上下方向での間隔Bが、
0≦B≦A/2
を満足している。
【0032】
なお、羽根220は、平板状に形成されており、その板厚は翼弦長Cに対して充分に小さい。従って、羽根220の上下幅Aは、翼弦長Cと迎角θに対し、
A≒Csinθ
を満足している。
【0033】
分散複合化装置100では、羽根220の迎角θが失速角未満である。羽根220の前縁に連続した部分に、軸心方向と直交した平面221が形成されている。
【0034】
羽根220の外縁222がキャビティ111の内周面と平行な円弧状に形成されている。羽根220の前縁223と後縁224とが平行である。また、羽根220の回転方向と平行な前後幅が回転軸体210の直径より小さい。
【0035】
また、分散複合化装置100では、回転軸体210の軸心を中心に180度の二つの位置に、二枚の羽根220が個々に配置されている。そこで、この二枚の羽根220を、以下では第一番目の羽根220aおよび第二番目の羽根220bと呼称する。第一番目の羽根220aの前縁がキャビティ111の下面近傍に位置しているとともに、第二番目の羽根220bの前縁がキャビティ111の上面近傍に位置している。
【0036】
本発明において、層流は乱流と対比されるものである。これまでの分散複合化方法の殆どが乱流によるものであると考えられる。しかし、乱流が被複合化物の流れを多方向にすることによって被複合化物に多様な力をかけようとするのに対し、層流は被複合化物の流れを一定方向に抑えながら被複合化物に規則的で均一な力をかけようとするものである。
キャビティとして円筒形状の内部空間が用いられる場合、被複合化物の流動は、全体的には同心円状に移動し、径方向には殆ど移動しない。その状態は目視により確認することができる。
【0037】
図1は、本実施の形態の分散複合化装置100で被複合化物を撹拌するときの、その被複合化物の層流からなる流動を矢印で模式的に示している。この流動は、実際に試作した分散複合化装置100を用いて、被複合化物を撹拌したときの目視による実験結果に基づいている。
【0038】
図1(a)は分散複合化装置100の内部の模式的な平面図である。分散複合化装置100により撹拌される被複合化物を上方から観察すると、図1(a)に示すように、被複合化物は羽根220a、220bの外縁222とキャビティ111の内周面との間隙付近を、回転しながら直径方向に往復することが確認された。
【0039】
これは、羽根220a、220bの回転で作られた遠心力によってキャビティ111の内周面に押付けられた被複合化物が、反発してキャビティ111の内側に戻ろうとするが、羽根220によって再びキャビティ111の内周面に押付けられ、これを繰り返すものと類推できる。
【0040】
図1(b)は、撹拌部材200の回転方向に第一第二の羽根220a、220bを展開して表 現した模式図である。分散複合化装置100により撹拌される被複合化物を側方から観察すると、図1(b)に示すように、被複合化物はキャビティ111の内部を羽根220a、220bと同一方向に回転しつつ、第一番目の羽根220aの上面と第二番目の羽根220bの下面との間を上下に往復するが、その流動は層流であることが確認された。
【0041】
これは次のように類推できる。被複合化物は羽根220a、220bの回転にともなってキャビティ111の内部を回転するが、その回転速度が羽根220a、220bの回転速度に到達することはない。このため、被複合化物は相対的には羽根220a、220bに対して反対方向に回転していることになる。すると、被複合化物は、迎角が負値の第一番目の羽根220aにより上方に誘導され、迎角が正値の第二番目の羽根220bにより下方に誘導される。
【0042】
ただし、第一番目の羽根220aの前縁はキャビティ111の下面近傍に位置しており、第二番目の羽根220bの前縁はキャビティ111の上面近傍に位置している。このため、第一番目の羽根220aの上面と第二番目の羽根220bの下面により、相対移動する被複合化物の全体が上下方向に誘導される。
【0043】
さらに、前述のように第一番目の羽根220aの上端と第二番目の羽根220bの下端との上下方向での間隔Bが[0≦B]を満足しているので、被複合化物の流動に無理がない。このため、分散複合化装置100により撹拌される被複合化物の流動は層流となる。
【0044】
このような層流によると、被複合化物にはいつも規則的で均一な力がかかることになるため、効率的で均一な分散複合化が可能となる。なお、羽根220の外縁222の周速度が10m/sec未満では層流の状態とならないため、周速度は10m/sec以上が好ましく、より好ましくは20m/sec以上である。
【0045】
また、処理される被複合化物の大きさ、硬さ等の状態に合わせて最適の固着複合化を達成するために、羽根220の外縁222の周速度、羽根220の迎角である設置角度、羽根220とキャビティ111の内周面との間隙および被複合化物の処理量などを調整したり、場合によっては冷却したりすることができる。
【0046】
上記形態では回転軸体210の軸心を中心に180度の二つの位置に、二枚の羽根220が個々に配置されていることを例示した。しかし、上記分散複合化装置は、回転軸体210の外周面上に回転方向で等間隔となる偶数の位置に羽根が配置されており、奇数番目の羽根220は迎角θが負値で下方に位置しているとともに、偶数番目の羽根220は迎角θが正値で上方に位置していればよい。
【0047】
従って、図5ないし図7に例示する分散複合化装置300のように、回転軸体210の軸心を中心に90度の四つの位置に羽根220が配置されていてもよい。この分散複合化装置300では、軸心方向では、撹拌部材230の奇数番目である第一番目の羽根220aと第三番目の羽根220cとが同じ位置にあり、偶数番目である第二番目の羽根220bと第四番目の羽根220dとが同じ位置にある。そして、奇数番目の羽根220a、220cと偶数番目の羽根220b、220dとは、軸心方向で重複しない位置に配置されている。
【0048】
なお、撹拌部材230の羽根220の枚数は、その羽根220の翼弦長や回転軸体210の直径なども考慮して、被複合化物が層流で撹拌されるように設定されればよい。
【0049】
このため、回転軸体210の軸心を中心に60度の六つの位置に羽根220が配置されていること、45度の八つの位置に羽根220が配置されていること、等でもよい(図示せず)。
【0050】
また、図8ないし図10に例示する分散複合化装置310のように、奇数番目と偶数番目との羽根220の組み合わせが、回転軸体210の軸心方向にも複数に配列されていてもよい。その撹拌部材240では、回転軸体210の軸心を中心に180度の二つの位置に羽根220が配置されている。ただし、奇数番目である第一番目の位置に二枚の羽根220a、220cが上下に配置されており、偶数番目である第二番目の位置に二枚の羽根220b、220dが上下に配置されている。
【0051】
この分散複合化装置310でも、羽根220a〜220dは、上下方向で重ならない位置に配置されている。また、羽根220a〜220dの迎角の絶対値は、例えば、15度である。
【0052】
また、奇数番目の位置の最下位の羽根220の前縁がキャビティ111の下面近傍に位置するとともに、偶数番目の位置の最上位の羽根220の前縁がキャビティ111の上面近傍に位置している。
【0053】
当然ながら、回転軸体210の軸心方向での羽根220の枚数も、その羽根220の翼弦長や迎角などを考慮して、被複合化物が層流で撹拌されるように設定されればよい。
【0054】
さらに、回転軸体210の軸心を中心に四つ以上の位置に羽根220が配置されている構造を、軸心方向に複数に配列することもできる(図示せず)。この数を増やすことによって容易に装置の大型化が可能になる。
【0055】
本発明の光触媒樹脂複合粒子は、1)上記分散複合化装置のキャビティ中で樹脂粒子に不活性微粒子を加えて撹拌羽根の週速度10m/sec以上で撹拌処理し、2)さらに、光触媒微粒子を加えて撹拌羽根の週速度10m/sec以上で撹拌処理すれば製造できる。なお、不活性微粒子及び光触媒微粒子は分割して添加しても良い。
【0056】
不活性微粒子または光触媒微粒子を分割して加えると、1)で最初に加えた不活性微粒子は、樹脂粒子の内部にまで侵入固着し、それ以降に加えた不活性微粒子がそこに固着していくため、複合化した粒子の内部では不活性微粒子の濃度が低く、その表面に近づくに従って不活性微粒子の濃度が高くなり、表面近傍では不活性微粒子のみからなる複合粒子が形成され、2)では、この複合粒子に光触媒微粒子が同様に処理されるので、不活性微粒子層の内部では光触媒の濃度が低く表面に近づくに従って濃度が高くなり表面では光触媒のみからなる光触媒樹脂複合粒子が出来上がるものと推測される。
【実施例】
【0057】
本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。なお、実施例及び比較例において部と記載されているものは質量部を表す。
【0058】
実施例1
本発明に係わる分散複合化装置のキャビティ中にホモポリプロピレン(株式会社プライムポリマー製:プライムPP J108M、密度0.91g/cm3、平均粒径3mm)100部及び水20部を装入し、撹拌羽根の周速度を33.5m/secとして撹拌しながら、シリカ(水澤化学株式会社製:P78A)3部を20秒毎に15回に分けて装入した。
次いで、酸化チタン(石原産業株式会社製:ST−01)1部を撹拌羽根の周速度を33.5m/secとして撹拌しながら、10秒毎に10回に分けて装入した。
得られた複合化された樹脂ペレットをエタノール中で超音波洗浄機により1時間超音波処理して固着しなかった微粉を除去した後、80℃で1時間、常温で5時間真空乾燥して光触媒樹脂複合粒子を得た。この光触媒樹脂複合粒子の配合組成、シリカ及び光触媒の固着量、並びに光触媒活性試験及び耐久性試験の結果を表1に記載した。
【0059】
実施例2及び3
表1記載の組成で、実施例1と同様に処理して光触媒樹脂複合粒子を得た。この光触媒樹脂複合粒子のシリカまたはカーボンブラック及び光触媒の固着量、並びに光触媒活性試験及び耐久性試験の結果を表1に記載した。
【0060】
比較例1及び2
表1記載の組成で、実施例1と同様ではあるが、光触媒性酸化チタンのみを処理して光触媒樹脂複合粒子を得た。この光触媒樹脂複合粒子の酸化チタンの固着量、並びに光触媒活性試験及び耐久性試験の結果を表1に記載した。
【0061】
「固着量の測定」
シリカ及び酸化チタン固着量: サンプル5gをルツボに取り大気中で850℃、30分加熱した。得られた灰分の質量から固着量を計算した。
カーボンブラック固着量: サンプル1gを窒素気流下で、350℃まで30℃/分、450℃まで10℃/分、500℃まで5℃/分で加熱昇温し、500℃で15分保持した後の残存カーボンブラックの質量を測定しカーボンブラック固着量を計算した。
【0062】
「光触媒活性試験」
実施例及び比較例で得られた光触媒樹脂複合粒子の各10gを100ppmのトリクロロエチレン水溶液20mlに加え撹拌しながら、UVP社製紫外線照射装置CL−1000を用いて254nmの紫外線を180分間照射した。ブランクとしてトリクロロエチレン水溶液のみのサンプルについても同時に照射した。紫外線照射後のサンプル中の残存トリクロロエチレンをJIS0125に準じてヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法を用いて定量し、ブランクに対する残存率を計算した。
【0063】
「耐久性試験」
実施例及び比較例で得られた光触媒樹脂複合粒子を50mlビーカーに、その底面に一層を形成するに足るだけの量を取り、岩崎電気株式会社製アイスーパーUV SUV−F11を用いて窒素雰囲気下30℃で30秒間、次いで170℃まで50℃/分で昇温し、同温度にて1分間放置した後、窒素雰囲気から酸素雰囲気に切り替えて、254nmの紫外線を照射したときのエネルギー変化開始時間を測定し、以下の基準で評価した。
エネルギー変化開始時間が未処理の樹脂より遅い:○
エネルギー変化開始時間が未処理の樹脂と同等: △
エネルギー変化開始時間が未処理の樹脂より速い:×
【0064】
【表1】
【0065】
表1から、樹脂粒子にシリカを固着複合化させ、さらに光触媒性酸化チタンを固着複合化させた光触媒樹脂複合粒子(実施例1〜3)では、樹脂粒子に直接光触媒性酸化チタンを複合化した粒子(比較例1、2)に比べ高い光触媒活性及び耐久性を示していることが分かる。また、不活性微粒子としてカーボンブラックを用いた光触媒樹脂複合粒子(実施例4、5)は、特に優れた耐久性を示しているが、これは、カーボンブラックの持つ紫外線劣化防止効果によるもの推測される。
【0066】
図11は、実施例4の光触媒樹脂複合粒子を切断した断面の電子顕微鏡写真であるが、粒子表面にa及びbの2層が形成されており、その粒子断面の着色度合いからa層は主にカーボンブラック、b層はエネルギー分散型蛍光X線分析写真(図示せず)から主に酸化チタンからなる層であることを確認した。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】(a)は本発明の実施の形態の分散複合化装置の内部構造を示す平面図、(b)は撹拌部材の羽根と被複合化物の流動との関係を示す模式図である。
【図2】撹拌部材の三面図である。
【図3】撹拌部材の斜視図である。
【図4】分散複合化装置で被複合化物を撹拌している状態を示す模式図である。
【図5】(a)は一変形例の分散複合化装置の内部構造を示す平面図、(b)は撹拌部材の羽根と被複合化物の流動との関係を示す模式図である。
【図6】撹拌部材の三面図である。
【図7】撹拌部材の斜視図である。
【図8】(a)は他の変形例の分散複合化装置の内部構造を示す平面図、(b)は撹拌部材の羽根と被複合化物の流動との関係を示す模式図である。
【図9】撹拌部材の三面図である。
【図10】撹拌部材の斜視図である。
【図11】実施例4の光触媒樹脂複合粒子断面の電子顕微鏡写真である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、光触媒反応を利用した脱臭及び/または廃水処理に用いる光触媒樹脂複合粒子、すなわち、ガス中または廃水中の悪臭物質または有害物質を効率よく分解することのできる光触媒機能を有する樹脂複合粒子、その製造方法及びその利用に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、酸化チタン等の金属酸化物が有する光触媒作用を、有害物質の分解、アンモニアや硫黄化合物の分解浄化、細菌類の殺菌等に利用することが盛んに行われるようになってきている。光触媒能を有する酸化チタン微粒子(以下、光触媒性酸化チタンと略称する)は、目的によりバルク粒子、ゾル、薄膜などとさまざまな形態で利用されるが、脱臭・廃水処理分野に関しては、取扱いが容易なことから光触媒性酸化チタン単独ではなく、基材として比較的大きな粒子を用い、その基材に光触媒性酸化チタンを担持させて用いることが多い。
【0003】
例えば、特許文献1には、見かけ比重が0.1〜0.9の発泡基材または多孔質基材の表面に、光触媒性酸化チタンをバインダーを介して被着させた光触媒複合材料が開示され、光触媒性酸化チタンが基材から脱落し難く、長期に渡って光触媒機能を発揮し続けることが可能で、ガス中または水中の悪臭物質または有害物質を分解できるとしている。
【0004】
また、光触媒性酸化チタンの表面に光触媒活性を持たない金属または金属酸化物を担持させ、それを基材に担持させることによって、光触媒性酸化チタンと基材とを直接接触させない方法も知られている。こうすることによって、基材が樹脂等の光触媒により分解されるものであっても使用可能となる。
【0005】
例えば、特許文献2には、光触媒性酸化チタンの表面に金属または金属酸化物を担持させた光触媒粉体を、水より比重の小さな樹脂等の核粒子の表面に担持させて光触媒複合粒子とし、その光触媒複合粒子を水の浄化に使用する浄水装置が開示されている。
【0006】
【特許文献1】国際公開番号WO 01/024927号公報
【特許文献2】特開2000−210684号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の光触媒複合材料は、光触媒性酸化チタンを、発泡基材または多孔質基材にバインダーを介して担持させるものであるため、発泡基材または多孔質基材は光触媒に不活性なもの、例えば無機系のものを使用しなければならず、用いるバインダーも光触媒に不活性なものか、使用時には不活性となるものを使用しなければならなかった。また、バインダー溶液中に光触媒性酸化チタンを凝集させずに均一に分散させ、かつ、それを安定化する必要があった。
【0008】
特許文献2の光触媒複合粒子は、光触媒性酸化チタンが核粒子に直接接触することはないが、乳鉢等による機械的な摩擦力による結合によるものであるため剥がれ落ちて処理水が濁ることがあり、また、剥がれ落ちないようにするには長時間の処理が必要だった。
【0009】
本発明の目的は、樹脂粒子基材に光触媒を担持させた光触媒樹脂複合粒子であって、上記樹脂粒子基材を劣化させずにガス中または水中の悪臭または有害物質を長期にわたって分解でき、担持した光触媒が樹脂粒子基材から脱落し難く、回収の容易な光触媒樹脂複合粒子、その製造方法及びガスまたは廃水の浄化方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、樹脂粒子基材表面に光触媒に不活性な微粒子(以下、不活性微粒子と略称する)を一層以上固着させ、さらにその表面に光触媒性酸化チタンを固着させた光触媒樹脂複合粒子が、上記目的に適合することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、請求項1に係る発明は、樹脂粒子に不活性微粒子及び光触媒を複合化させた光触媒機能を有する光触媒樹脂複合粒子であって、樹脂粒子表面に不活性微粒子を一層以上固着させ、さらにその表面に光触媒を固着させたことを特徴とする光触媒樹脂複合粒子である。
【0012】
請求項2に係る発明は、光触媒が光触媒性酸化チタンであることを特徴とする請求項1記載の光触媒樹脂複合粒子である。
【0013】
請求項3に係る発明は、不活性微粒子がカーボンブラックを含むことを特徴とする請求項1または2記載の光触媒樹脂複合粒子である。
【0014】
請求項4に係る発明は、不活性微粒子がシリカを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光触媒樹脂複合粒子である。
【0015】
請求項5に係る発明は、樹脂粒子表面に不活性微粒子を一層以上固着させ、さらにその表面に光触媒を固着させることを特徴とする光触媒樹脂複合粒子の製造方法である。
【0016】
請求項6に係る発明は、請求項1から4のいずれかに記載の光触媒樹脂複合粒子を、浄化すべきガスまたは廃水と接触させて、ガス中または水中の悪臭物質または有害物質を分解することを特徴とするガスまたは廃水の浄化方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、基材である樹脂粒子に光触媒を固着複合化させた光触媒樹脂複合粒子であって、その基材である樹脂粒子を劣化させることなくガス中または水中の悪臭物質及び有害物質を分解してガスまたは廃水を浄化できる光触媒樹脂複合粒子、その製造方法及びガスまたは廃水の浄化方法を提供できる。また、基材として用いる樹脂及びその樹脂に添加する添加物の比重を選ぶことによって目的に応じて水表面に浮くもの、中間に漂うもの等を任意に製造し、使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施形態の光触媒樹脂複合粒子、その製造方法及びガスまたは廃水の浄化方法について説明する。なお、本実施形態は、本発明を実施するための一形態に過ぎず、本発明は本実施形態によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更実施の形態が可能である。
【0019】
本発明で用いる光触媒は、光触媒作用を有する金属酸化物であるが、特に光触媒性酸化チタンが好適に用いられる。光触媒性酸化チタンとは、特定エネルギーを持つ光の照射で有機物の酸化還元に対して触媒作用を示すものであり、純粋な酸化チタンの他、含水酸化チタン、水和酸化チタン、メタチタン酸、オルトチタン酸、水酸化チタンと呼ばれているものを含む。二酸化チタンまたはこれより低次酸化状態にあるものが特に好ましく用いられる。二酸化チタンの結晶型はアナターゼ型、ルチル型、フルッカイト型のいずれでも良くまたこれらの混合体でも良い。また、光触媒性酸化チタンとして、光触媒機能を更に向上させるために酸化チタン表面に白金、金、銀、銅、パラジウム、ロジウム、ルテニウムなどの金属、酸化ルテニウム、酸化ニッケル等の金属酸化物を被覆したものや、酸化チタンの表面にハロゲン化白金化合物を担持したり、窒素や硫黄をドープしたり、酸化タングステンを担持したりした所謂可視光応答型酸化チタンも使用できる。さらに、無光状態でも光触媒と同様の触媒活性を示すリン酸チタニウム化合物等の所謂無光触媒も使用可能である。
【0020】
これらの光触媒性酸化チタンは微粉末状であり、その粒径は光触媒活性の強さを考慮すると0.001〜0.05μm程度の微細なものが好ましいが、これより大きい1μm程度までの粒径のものが使用できる。なお、本発明で用いる光触媒性酸化チタンは使用時には凝集した状態となっており、その粒径は0.1〜5μmで、レーザー式粒度分布測定機、例えば日機装株式会社製マイクロトラックを用いて測定できる。
【0021】
本発明で用いる基材となる樹脂粒子の大きさは、担持させる不活性微粒子または光触媒微粒子より大きれば特に制限はないが、好ましくは粒径0.01〜10mmである。
【0022】
上記樹脂粒子に使用する樹脂としては、粒子として成形できるものであればその種類を選ばないが、熱可塑性樹脂が好適に使用できる。熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル樹脂、各種ポリアミド樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリビニールアセテート樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、各種液晶樹脂、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体樹脂、ポリ乳酸などの生分解性樹脂及びこれらの共重合体等が挙げられる。
【0023】
上記樹脂粒子には、必要に応じて、酸化防止剤、耐候性改良剤、紫外線吸収剤、着色剤、顔料、充填剤、スリップ剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、架橋剤、難燃剤、防錆剤、抗菌剤、香料、可塑剤、加工助剤、蛍光増白剤等の添加物を添加しても良い。また、比重の異なる添加物を添加して樹脂粒子の比重を調整したり、鉄粉のような磁性体を添加して磁性を利用して光触媒樹脂複合粒子の回収を容易にしたりすることも可能である。
【0024】
上記樹脂粒子の表面につくられる不活性微粒子を固着させた層は、さらにその上に固着される光触媒と樹脂粒子表面とが接触しないように隔てるための層であるが、一層以上の多層とすることも可能である。不活性微粒子としては、特に限定されるものではないが、シリカなどの無機酸化物、カーボンブラック等が挙げられる。また、これらを混合使用したり、場合によっては酸化防止剤を併用したりすることも可能である。
【0025】
上記不活性微粒子を固着させた層は、基材となる樹脂粒子表面にシリカ、カーボンブラック等の無機微粒子を固着複合化することによって作られる。これらの無機微粒子の粒径は基材となる樹脂粒子より小さければよいが、できるだけ少量で樹脂粒子表面を完全に覆うためには0.1〜5μmの微細なものが好ましい。
【0026】
本発明の光触媒樹脂複合粒子は、基材となる樹脂粒子表面に不活性微粒子を固着させた層を設け、さらにその上に光触媒が固着した構造となっており、基材となる樹脂粒子に不活性微粒子を固着複合化し、さらにその上に光触媒微粒子を固着複合化することにより製造できる。
【0027】
上記の固着複合化は、基材樹脂粒子及びそれに固着複合化する微粒子(以下、これらを合わせて被複合化物と略称する)を混合し、混合摩擦力及び/または機械的衝撃力を加えることにより可能となるが、特に、容器のキャビティ中で、層流により撹拌することのできる分散複合化装置が好適に用いられる。
【0028】
上記分散複合化装置の一例を以下に説明する。
【0029】
分散複合化装置100は、図1ないし図4に示すように、円筒形のキャビティ111を有する容器110とキャビティ111と、同軸状に回転自在に軸支されていてキャビティ111の内部に配置されている撹拌部材200と、撹拌部材200を回転駆動する回転駆動部(図示せず)と、を有する。
【0030】
分散複合化装置100の容器110のキャビティ111に収容された被複合化物を回転駆動部により回転駆動される撹拌部材200により撹拌する。その撹拌部材200は、一定方向の回転により被複合化物をキャビティ111の内周面と略平行に回転させるとともに回転軸体210の軸心方向に往復させる形状に形成されている。より具体的には、撹拌部材200は、回転自在に軸支されていて回転駆動部により回転駆動される円柱状の回転軸体210と、回転軸体210の外周面上に回転方向で等間隔となる偶数の位置に配置されている複数の羽根220と、を有する。
【0031】
そして、回転軸体210の軸心方向を上下方向としたときに回転方向で奇数番目の羽根220aは迎角θが負値で相対的に下方に位置しているとともに、偶数番目の羽根220bは迎角θが正値で相対的に上方に位置している。
さらに、羽根220の上下幅Aおよび奇数番目の羽根220aの上端と偶数番目の羽根220bの下端との上下方向での間隔Bが、
0≦B≦A/2
を満足している。
【0032】
なお、羽根220は、平板状に形成されており、その板厚は翼弦長Cに対して充分に小さい。従って、羽根220の上下幅Aは、翼弦長Cと迎角θに対し、
A≒Csinθ
を満足している。
【0033】
分散複合化装置100では、羽根220の迎角θが失速角未満である。羽根220の前縁に連続した部分に、軸心方向と直交した平面221が形成されている。
【0034】
羽根220の外縁222がキャビティ111の内周面と平行な円弧状に形成されている。羽根220の前縁223と後縁224とが平行である。また、羽根220の回転方向と平行な前後幅が回転軸体210の直径より小さい。
【0035】
また、分散複合化装置100では、回転軸体210の軸心を中心に180度の二つの位置に、二枚の羽根220が個々に配置されている。そこで、この二枚の羽根220を、以下では第一番目の羽根220aおよび第二番目の羽根220bと呼称する。第一番目の羽根220aの前縁がキャビティ111の下面近傍に位置しているとともに、第二番目の羽根220bの前縁がキャビティ111の上面近傍に位置している。
【0036】
本発明において、層流は乱流と対比されるものである。これまでの分散複合化方法の殆どが乱流によるものであると考えられる。しかし、乱流が被複合化物の流れを多方向にすることによって被複合化物に多様な力をかけようとするのに対し、層流は被複合化物の流れを一定方向に抑えながら被複合化物に規則的で均一な力をかけようとするものである。
キャビティとして円筒形状の内部空間が用いられる場合、被複合化物の流動は、全体的には同心円状に移動し、径方向には殆ど移動しない。その状態は目視により確認することができる。
【0037】
図1は、本実施の形態の分散複合化装置100で被複合化物を撹拌するときの、その被複合化物の層流からなる流動を矢印で模式的に示している。この流動は、実際に試作した分散複合化装置100を用いて、被複合化物を撹拌したときの目視による実験結果に基づいている。
【0038】
図1(a)は分散複合化装置100の内部の模式的な平面図である。分散複合化装置100により撹拌される被複合化物を上方から観察すると、図1(a)に示すように、被複合化物は羽根220a、220bの外縁222とキャビティ111の内周面との間隙付近を、回転しながら直径方向に往復することが確認された。
【0039】
これは、羽根220a、220bの回転で作られた遠心力によってキャビティ111の内周面に押付けられた被複合化物が、反発してキャビティ111の内側に戻ろうとするが、羽根220によって再びキャビティ111の内周面に押付けられ、これを繰り返すものと類推できる。
【0040】
図1(b)は、撹拌部材200の回転方向に第一第二の羽根220a、220bを展開して表 現した模式図である。分散複合化装置100により撹拌される被複合化物を側方から観察すると、図1(b)に示すように、被複合化物はキャビティ111の内部を羽根220a、220bと同一方向に回転しつつ、第一番目の羽根220aの上面と第二番目の羽根220bの下面との間を上下に往復するが、その流動は層流であることが確認された。
【0041】
これは次のように類推できる。被複合化物は羽根220a、220bの回転にともなってキャビティ111の内部を回転するが、その回転速度が羽根220a、220bの回転速度に到達することはない。このため、被複合化物は相対的には羽根220a、220bに対して反対方向に回転していることになる。すると、被複合化物は、迎角が負値の第一番目の羽根220aにより上方に誘導され、迎角が正値の第二番目の羽根220bにより下方に誘導される。
【0042】
ただし、第一番目の羽根220aの前縁はキャビティ111の下面近傍に位置しており、第二番目の羽根220bの前縁はキャビティ111の上面近傍に位置している。このため、第一番目の羽根220aの上面と第二番目の羽根220bの下面により、相対移動する被複合化物の全体が上下方向に誘導される。
【0043】
さらに、前述のように第一番目の羽根220aの上端と第二番目の羽根220bの下端との上下方向での間隔Bが[0≦B]を満足しているので、被複合化物の流動に無理がない。このため、分散複合化装置100により撹拌される被複合化物の流動は層流となる。
【0044】
このような層流によると、被複合化物にはいつも規則的で均一な力がかかることになるため、効率的で均一な分散複合化が可能となる。なお、羽根220の外縁222の周速度が10m/sec未満では層流の状態とならないため、周速度は10m/sec以上が好ましく、より好ましくは20m/sec以上である。
【0045】
また、処理される被複合化物の大きさ、硬さ等の状態に合わせて最適の固着複合化を達成するために、羽根220の外縁222の周速度、羽根220の迎角である設置角度、羽根220とキャビティ111の内周面との間隙および被複合化物の処理量などを調整したり、場合によっては冷却したりすることができる。
【0046】
上記形態では回転軸体210の軸心を中心に180度の二つの位置に、二枚の羽根220が個々に配置されていることを例示した。しかし、上記分散複合化装置は、回転軸体210の外周面上に回転方向で等間隔となる偶数の位置に羽根が配置されており、奇数番目の羽根220は迎角θが負値で下方に位置しているとともに、偶数番目の羽根220は迎角θが正値で上方に位置していればよい。
【0047】
従って、図5ないし図7に例示する分散複合化装置300のように、回転軸体210の軸心を中心に90度の四つの位置に羽根220が配置されていてもよい。この分散複合化装置300では、軸心方向では、撹拌部材230の奇数番目である第一番目の羽根220aと第三番目の羽根220cとが同じ位置にあり、偶数番目である第二番目の羽根220bと第四番目の羽根220dとが同じ位置にある。そして、奇数番目の羽根220a、220cと偶数番目の羽根220b、220dとは、軸心方向で重複しない位置に配置されている。
【0048】
なお、撹拌部材230の羽根220の枚数は、その羽根220の翼弦長や回転軸体210の直径なども考慮して、被複合化物が層流で撹拌されるように設定されればよい。
【0049】
このため、回転軸体210の軸心を中心に60度の六つの位置に羽根220が配置されていること、45度の八つの位置に羽根220が配置されていること、等でもよい(図示せず)。
【0050】
また、図8ないし図10に例示する分散複合化装置310のように、奇数番目と偶数番目との羽根220の組み合わせが、回転軸体210の軸心方向にも複数に配列されていてもよい。その撹拌部材240では、回転軸体210の軸心を中心に180度の二つの位置に羽根220が配置されている。ただし、奇数番目である第一番目の位置に二枚の羽根220a、220cが上下に配置されており、偶数番目である第二番目の位置に二枚の羽根220b、220dが上下に配置されている。
【0051】
この分散複合化装置310でも、羽根220a〜220dは、上下方向で重ならない位置に配置されている。また、羽根220a〜220dの迎角の絶対値は、例えば、15度である。
【0052】
また、奇数番目の位置の最下位の羽根220の前縁がキャビティ111の下面近傍に位置するとともに、偶数番目の位置の最上位の羽根220の前縁がキャビティ111の上面近傍に位置している。
【0053】
当然ながら、回転軸体210の軸心方向での羽根220の枚数も、その羽根220の翼弦長や迎角などを考慮して、被複合化物が層流で撹拌されるように設定されればよい。
【0054】
さらに、回転軸体210の軸心を中心に四つ以上の位置に羽根220が配置されている構造を、軸心方向に複数に配列することもできる(図示せず)。この数を増やすことによって容易に装置の大型化が可能になる。
【0055】
本発明の光触媒樹脂複合粒子は、1)上記分散複合化装置のキャビティ中で樹脂粒子に不活性微粒子を加えて撹拌羽根の週速度10m/sec以上で撹拌処理し、2)さらに、光触媒微粒子を加えて撹拌羽根の週速度10m/sec以上で撹拌処理すれば製造できる。なお、不活性微粒子及び光触媒微粒子は分割して添加しても良い。
【0056】
不活性微粒子または光触媒微粒子を分割して加えると、1)で最初に加えた不活性微粒子は、樹脂粒子の内部にまで侵入固着し、それ以降に加えた不活性微粒子がそこに固着していくため、複合化した粒子の内部では不活性微粒子の濃度が低く、その表面に近づくに従って不活性微粒子の濃度が高くなり、表面近傍では不活性微粒子のみからなる複合粒子が形成され、2)では、この複合粒子に光触媒微粒子が同様に処理されるので、不活性微粒子層の内部では光触媒の濃度が低く表面に近づくに従って濃度が高くなり表面では光触媒のみからなる光触媒樹脂複合粒子が出来上がるものと推測される。
【実施例】
【0057】
本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。なお、実施例及び比較例において部と記載されているものは質量部を表す。
【0058】
実施例1
本発明に係わる分散複合化装置のキャビティ中にホモポリプロピレン(株式会社プライムポリマー製:プライムPP J108M、密度0.91g/cm3、平均粒径3mm)100部及び水20部を装入し、撹拌羽根の周速度を33.5m/secとして撹拌しながら、シリカ(水澤化学株式会社製:P78A)3部を20秒毎に15回に分けて装入した。
次いで、酸化チタン(石原産業株式会社製:ST−01)1部を撹拌羽根の周速度を33.5m/secとして撹拌しながら、10秒毎に10回に分けて装入した。
得られた複合化された樹脂ペレットをエタノール中で超音波洗浄機により1時間超音波処理して固着しなかった微粉を除去した後、80℃で1時間、常温で5時間真空乾燥して光触媒樹脂複合粒子を得た。この光触媒樹脂複合粒子の配合組成、シリカ及び光触媒の固着量、並びに光触媒活性試験及び耐久性試験の結果を表1に記載した。
【0059】
実施例2及び3
表1記載の組成で、実施例1と同様に処理して光触媒樹脂複合粒子を得た。この光触媒樹脂複合粒子のシリカまたはカーボンブラック及び光触媒の固着量、並びに光触媒活性試験及び耐久性試験の結果を表1に記載した。
【0060】
比較例1及び2
表1記載の組成で、実施例1と同様ではあるが、光触媒性酸化チタンのみを処理して光触媒樹脂複合粒子を得た。この光触媒樹脂複合粒子の酸化チタンの固着量、並びに光触媒活性試験及び耐久性試験の結果を表1に記載した。
【0061】
「固着量の測定」
シリカ及び酸化チタン固着量: サンプル5gをルツボに取り大気中で850℃、30分加熱した。得られた灰分の質量から固着量を計算した。
カーボンブラック固着量: サンプル1gを窒素気流下で、350℃まで30℃/分、450℃まで10℃/分、500℃まで5℃/分で加熱昇温し、500℃で15分保持した後の残存カーボンブラックの質量を測定しカーボンブラック固着量を計算した。
【0062】
「光触媒活性試験」
実施例及び比較例で得られた光触媒樹脂複合粒子の各10gを100ppmのトリクロロエチレン水溶液20mlに加え撹拌しながら、UVP社製紫外線照射装置CL−1000を用いて254nmの紫外線を180分間照射した。ブランクとしてトリクロロエチレン水溶液のみのサンプルについても同時に照射した。紫外線照射後のサンプル中の残存トリクロロエチレンをJIS0125に準じてヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法を用いて定量し、ブランクに対する残存率を計算した。
【0063】
「耐久性試験」
実施例及び比較例で得られた光触媒樹脂複合粒子を50mlビーカーに、その底面に一層を形成するに足るだけの量を取り、岩崎電気株式会社製アイスーパーUV SUV−F11を用いて窒素雰囲気下30℃で30秒間、次いで170℃まで50℃/分で昇温し、同温度にて1分間放置した後、窒素雰囲気から酸素雰囲気に切り替えて、254nmの紫外線を照射したときのエネルギー変化開始時間を測定し、以下の基準で評価した。
エネルギー変化開始時間が未処理の樹脂より遅い:○
エネルギー変化開始時間が未処理の樹脂と同等: △
エネルギー変化開始時間が未処理の樹脂より速い:×
【0064】
【表1】
【0065】
表1から、樹脂粒子にシリカを固着複合化させ、さらに光触媒性酸化チタンを固着複合化させた光触媒樹脂複合粒子(実施例1〜3)では、樹脂粒子に直接光触媒性酸化チタンを複合化した粒子(比較例1、2)に比べ高い光触媒活性及び耐久性を示していることが分かる。また、不活性微粒子としてカーボンブラックを用いた光触媒樹脂複合粒子(実施例4、5)は、特に優れた耐久性を示しているが、これは、カーボンブラックの持つ紫外線劣化防止効果によるもの推測される。
【0066】
図11は、実施例4の光触媒樹脂複合粒子を切断した断面の電子顕微鏡写真であるが、粒子表面にa及びbの2層が形成されており、その粒子断面の着色度合いからa層は主にカーボンブラック、b層はエネルギー分散型蛍光X線分析写真(図示せず)から主に酸化チタンからなる層であることを確認した。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】(a)は本発明の実施の形態の分散複合化装置の内部構造を示す平面図、(b)は撹拌部材の羽根と被複合化物の流動との関係を示す模式図である。
【図2】撹拌部材の三面図である。
【図3】撹拌部材の斜視図である。
【図4】分散複合化装置で被複合化物を撹拌している状態を示す模式図である。
【図5】(a)は一変形例の分散複合化装置の内部構造を示す平面図、(b)は撹拌部材の羽根と被複合化物の流動との関係を示す模式図である。
【図6】撹拌部材の三面図である。
【図7】撹拌部材の斜視図である。
【図8】(a)は他の変形例の分散複合化装置の内部構造を示す平面図、(b)は撹拌部材の羽根と被複合化物の流動との関係を示す模式図である。
【図9】撹拌部材の三面図である。
【図10】撹拌部材の斜視図である。
【図11】実施例4の光触媒樹脂複合粒子断面の電子顕微鏡写真である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂粒子に光触媒に不活性な微粒子及び光触媒を複合化させた光触媒機能を有する光触媒樹脂複合粒子であって、樹脂粒子表面に光触媒に不活性な微粒子を一層以上固着させ、さらにその表面に光触媒を固着させたことを特徴とする光触媒樹脂複合粒子。
【請求項2】
光触媒が光触媒性酸化チタンであることを特徴とする請求項1記載の光触媒樹脂複合粒子。
【請求項3】
光触媒に不活性な微粒子がカーボンブラックを含むことを特徴とする請求項1または2記載の光触媒樹脂複合粒子。
【請求項4】
光触媒に不活性な微粒子がシリカを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光触媒樹脂複合粒子。
【請求項5】
樹脂粒子表面に光触媒に不活性な微粒子を一層以上固着させ、さらにその表面に光触媒を固着させることを特徴とする光触媒樹脂複合粒子の製造方法。
【請求項6】
請求項1から4のいずれかに記載の光触媒樹脂複合粒子を、浄化すべきガスまたは廃水と接触させて、ガス中または水中の悪臭物質または有害物質を分解することを特徴とするガスまたは廃水の浄化方法。
【請求項1】
樹脂粒子に光触媒に不活性な微粒子及び光触媒を複合化させた光触媒機能を有する光触媒樹脂複合粒子であって、樹脂粒子表面に光触媒に不活性な微粒子を一層以上固着させ、さらにその表面に光触媒を固着させたことを特徴とする光触媒樹脂複合粒子。
【請求項2】
光触媒が光触媒性酸化チタンであることを特徴とする請求項1記載の光触媒樹脂複合粒子。
【請求項3】
光触媒に不活性な微粒子がカーボンブラックを含むことを特徴とする請求項1または2記載の光触媒樹脂複合粒子。
【請求項4】
光触媒に不活性な微粒子がシリカを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光触媒樹脂複合粒子。
【請求項5】
樹脂粒子表面に光触媒に不活性な微粒子を一層以上固着させ、さらにその表面に光触媒を固着させることを特徴とする光触媒樹脂複合粒子の製造方法。
【請求項6】
請求項1から4のいずれかに記載の光触媒樹脂複合粒子を、浄化すべきガスまたは廃水と接触させて、ガス中または水中の悪臭物質または有害物質を分解することを特徴とするガスまたは廃水の浄化方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−149291(P2008−149291A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−342193(P2006−342193)
【出願日】平成18年12月20日(2006.12.20)
【出願人】(000219912)東京インキ株式会社 (120)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月20日(2006.12.20)
【出願人】(000219912)東京インキ株式会社 (120)
【Fターム(参考)】
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