光走査装置、光走査方法、画像形成装置、カラー画像形成装置、プログラム、記録媒体
【課題】 両面印刷などの時に、両面の画像の大きさを一致させることの可能な光走査装置を提供する。
【解決手段】 本発明の光走査装置は、複数の光源を駆動制御する光源駆動制御手段50を備え、該光源駆動制御手段50は、副走査方向に異なる位置を走査可能なN個(N≧2)の光源を発光,走査させることによって1画素が形成されるように、複数の光源の駆動制御を行ない、サブ画素が1光源に対応したものであるとし、1画素が複数のサブ画素によって構成される場合に、所定の補正データに応じて画像データからサブ画素のデータを副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせる(縮小する)。
【解決手段】 本発明の光走査装置は、複数の光源を駆動制御する光源駆動制御手段50を備え、該光源駆動制御手段50は、副走査方向に異なる位置を走査可能なN個(N≧2)の光源を発光,走査させることによって1画素が形成されるように、複数の光源の駆動制御を行ない、サブ画素が1光源に対応したものであるとし、1画素が複数のサブ画素によって構成される場合に、所定の補正データに応じて画像データからサブ画素のデータを副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせる(縮小する)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光走査装置、光走査方法、画像形成装置、カラー画像形成装置、プログラム、記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
図17は電子写真プロセスを利用したレーザプリンタ,デジタル複写機等の一般的な画像形成装置の構成例を示す図である。図17を参照すると、光源ユニットである半導体レーザユニット1001から発光されたレーザ光は、回転するポリゴンミラー1002により偏向走査(スキャン)され、走査レンズ(fθレンズ)1003を介して被走査媒体である感光体1004上に光スポットを形成し、その感光体1004を露光して静電潜像が形成される。このとき、位相同期回路1009は、クロック生成回路1008により生成された変調信号を、ポリゴンミラー1002により偏向走査された半導体レーザの光を検出するフォトディテクタ1005に同期した位相に設定する。すなわち、位相同期回路1009では、1ライン毎に、フォトディテクタ1005の出力信号に基づいて、位相同期のとられた画像クロック(画素クロック)を生成して、画像処理ユニット1006とレーザ駆動回路1007へ供給する。このようにして、半導体レーザユニット1001は、画像処理ユニット1006により生成された画像データと位相同期回路1009により1ライン毎に位相が設定された画像クロックに従い、レーザ駆動回路1007を介して半導体レーザの発光時間をコントロールすることにより、被走査媒体(感光体)1004上の静電潜像をコントロールすることができる。
【0003】
ところが近年、印刷速度(画像形成速度)の高速化,画像の高画質化の要求が高まり、それに対して、偏向器であるポリゴンモータの高速化や、レーザ変調の基準クロックとなる画素クロックの高速化で対応してきたが、どちらの高速化にも限界が近づいてきており、従来の方法では対応しきれなくなってきている。
【0004】
そこで、複数の光源を用いたマルチビームを採用することで、高速化対応がなされている。マルチビームによる光走査方法では、偏向器の偏向により同時に走査できる光束が増えることにより、偏向器であるポリゴンモータの回転速度や、画素クロック周波数の低減が可能となり、高速にかつ安定した光走査及び画像形成が可能となる。
【0005】
上記マルチビームを構成する光源としては、シングルビームのレーザチップを組み合わせる方法や、複数個の発光素子を一つのレーザチップに組み込んだLDアレイなどを用いる方法が使用されている。
【0006】
上記マルチビームを構成するLDアレイなどの半導体レーザは、きわめて小型であり、かつ駆動電流により高速に直接変調を行うことが出来るので、近年レーザプリンタ等の光源として広く用いられている。しかし、半導体レーザの駆動電流と光出力との関係は、温度により変化する特性を有するので、半導体レーザの光強度を所望の値に設定しようとする場合に問題となる。特に複数の光源を同一チップ上に構成する面発光レーザの場合、光源間の距離が短いため、発光,消光による温度変化や温度クロストークなどの影響が顕著であり、光量変動の要因となりやすい。
【0007】
例えば、特許文献1には、複数の光源を2次元に配置し、複数の光束を偏向器で偏向することにより被走査媒体上を走査する光走査装置において、発光点間の発熱によるクロストークの影響を発生させずに発光点の配置密度を最大とする例が示されている。
【0008】
また、特許文献2には、面発光レーザを用いた画像形成装置において、画素単位で各チップの発光強度を可変する手段及び発光時間を制御する手段を有することで、画素の静電潜像を制御する方法が示されている。
【0009】
また、特許文献3には、面発光レーザを用いた走査装置において、光源の配置を規定した構成とすることにより熱ストロークの問題を回避し、かつ、記録画像の高密度化を実現する方法が示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、複写機などの画像形成装置によって両面印刷を行なう場合に、一方の面(例えば表面)を印刷したときの熱で紙が熱収縮し、連続して他方の面(例えば裏面)を印刷すると他方の面(例えば裏面)の画像の方が大きくなるという問題があった。
【0011】
本発明は、例えば両面印刷などの時に、例えば両面の画像の大きさを一致させることの可能な光走査装置、光走査方法、画像形成装置、カラー画像形成装置、プログラム、記録媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、複数の光源からの複数の光ビームを主走査方向に走査する光走査装置において、副走査方向に異なる位置を走査可能なN個(N≧2)の光源を発光,走査させることによって1画素が形成されるように、複数の光源の駆動制御を行ない、サブ画素が1光源に対応したものであるとし、1画素が複数のサブ画素によって構成される場合に、所定の補正データに応じて画像データからサブ画素のデータを副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせることを特徴としている。
【0013】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の光走査装置において、画像データからサブ画素1行分のデータを副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせることを特徴としている。
【0014】
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の光走査装置において、画像データからサブ画素のデータをランダムに副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせることを特徴としている。
【0015】
また、請求項4記載の発明は、請求項3記載の光走査装置において、画像データからサブ画素のデータとして非描画データのみをランダムに副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせることを特徴としている。
【0016】
また、請求項5記載の発明は、請求項3記載の光走査装置において、画像データからサブ画素のデータとして描画データのみをランダムに副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせることを特徴としている。
【0017】
また、請求項6記載の発明は、請求項3記載の光走査装置において、画像データからの描画データのサブ画素の削除と非描画データのサブ画素の削除とを切り替える機能を持ち、画像データを副走査方向にシフトさせることを特徴としている。
【0018】
また、請求項7記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の光走査装置において、1枚の紙に、1回目の印刷と、これに続いて、2回目の印刷を行なう場合に、画像データへのサブ画素のデータの副走査方向への削除は、2回目の印刷時に行なわれることを特徴としている。
【0019】
また、請求項8記載の発明は、請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の光走査装置において、前記光源には、面発光レーザが用いられることを特徴としている。
【0020】
また、請求項9記載の発明は、複数の光源からの複数の光ビームを主走査方向に走査する光走査方法において、副走査方向に異なる位置を走査可能なN個(N≧2)の光源を発光,走査させることによって1画素が形成されるように、複数の光源の駆動制御を行ない、サブ画素が1光源に対応したものであるとし、1画素が複数のサブ画素によって構成される場合に、所定の補正データに応じて画像データからサブ画素のデータを副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせることを特徴としている。
【0021】
また、請求項10記載の発明は、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の光走査装置を有することを特徴とする画像形成装置である。
【0022】
また、請求項11記載の発明は、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の光走査装置を有することを特徴とするカラー画像形成装置である。
【0023】
また、請求項12記載の発明は、複数の光源からの複数の光ビームを主走査方向に走査するときに、副走査方向に異なる位置を走査可能なN個(N≧2)の光源を発光,走査させることによって1画素が形成されるように、複数の光源の駆動制御を行ない、サブ画素が1光源に対応したものであるとし、1画素が複数のサブ画素によって構成される場合に、所定の補正データに応じて画像データからサブ画素のデータを副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせる処理をコンピュータに実現させるためのプログラムである。
【0024】
また、請求項13記載の発明は、複数の光源からの複数の光ビームを主走査方向に走査するときに、副走査方向に異なる位置を走査可能なN個(N≧2)の光源を発光,走査させることによって1画素が形成されるように、複数の光源の駆動制御を行ない、サブ画素が1光源に対応したものであるとし、1画素が複数のサブ画素によって構成される場合に、所定の補正データに応じて画像データからサブ画素のデータを副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせる処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0025】
請求項1乃至請求項12記載の発明によれば、複数の光源からの複数の光ビームを主走査方向に走査する光走査装置において、副走査方向に異なる位置を走査可能なN個(N≧2)の光源を発光,走査させることによって1画素が形成されるように、複数の光源の駆動制御を行ない、サブ画素が1光源に対応したものであるとし、1画素が複数のサブ画素によって構成される場合に、所定の補正データに応じて画像データからサブ画素のデータを副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせ(縮小し)、副走査方向に画像の大きさを縮小することで、例えば両面印刷などの時に一方の面を印刷したときの熱で紙が熱収縮する場合にも、例えば両面の画像の大きさを一致させることができる。
【0026】
特に、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の光走査装置において、画像データからサブ画素1行分のデータを副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせるようになっているので、簡略な構成により実現でき、補正データ量を小さく抑えることができる。
【0027】
また、請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の光走査装置において、画像データからサブ画素のデータをランダムに副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせるようにしており、削除するサブ画素をランダムに散らすことによって、副走査方向に画像サイズを縮小した場合の画像への影響を小さく抑えることが可能となる。
【0028】
また、請求項4記載の発明によれば、画像全体で非描画データが多い場合には非描画データのサブ画素のみをランダムに削除することによって、画像への影響を小さく抑えることが可能となる。
【0029】
また、請求項5記載の発明によれば、画像全体で描画データが多い場合には描画データのサブ画素のみをランダムに削除することによって、画像への影響を小さく抑えることが可能となる。
【0030】
また、請求項6記載の発明によれば、描画データのサブ画素の削除と非描画データのサブ画素の削除を切り替える機能を有することによって、様々な画像パターンに対して副走査方向に画像サイズを拡大する機能を、画像への影響を小さく抑えた状態で、適応することが可能になる。
【0031】
また、請求項7記載の発明によれば、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の光走査装置において、1枚の紙に、1回目の印刷と、これに続いて、2回目の印刷を行なう場合に、画像データへのサブ画素のデータの副走査方向への削除は、2回目の印刷時に行なわれるので、1回目の印刷によって紙が縮んでも、1回目の印刷と2回目の印刷とで画像の大きさについての不具合がないようにすることができる。
【0032】
また、請求項8記載の発明によれば、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の光走査装置において、前記光源には、面発光レーザが用いられることを特徴とするので、一般的な半導体レーザを使用する場合と比べて、消費電力を低減することが可能となる、また光源の配列を形成しやすい構造のため、光源ユニット部の構造を簡略化でき、コストダウンを図ることが可能となる。
【0033】
また、請求項10,11記載の発明によれば、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の光走査装置を有することを特徴とする画像形成装置であるので、例えば両面印刷などの時に一方の面を印刷したときの熱で紙が熱収縮する場合にも、例えば両面の画像の大きさを一致させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の光走査装置の構成例を示す図である。
【図2】光源ユニットの一例を示す図である。
【図3】本発明を説明するための図である。
【図4】本発明の具体的な例を説明するための図である。
【図5】本発明の具体的な例を説明するための図である。
【図6】本発明の具体的な例を説明するための図である。
【図7】本発明の具体的な例を説明するための図である。
【図8】本発明の具体的な例を説明するための図である。
【図9】本発明の光走査装置の構成例を示す図である。
【図10】本発明の光走査装置を用いた画像形成装置の一例を示す図である。
【図11】マルチビーム走査装置の一例を示す図である。
【図12】光源ユニットの一例を示す図である。
【図13】マルチビーム走査装置の一例を示す図である。
【図14】本発明の画像形成装置の構成例を示す図である。
【図15】カラー画像形成装置の一例を示す図である。
【図16】本発明の光走査装置の光源駆動制御手段のハードウェア構成例を示す図である。
【図17】一般的な画像形成装置の構成例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明において、1画素とは、純粋な1画素のことであり(例えば2400dpiの画素とは約10.6μm角の画素のことを意味し)、ディザマトリックスのように複数の画素(例えば4×4の画素)を合成した結果の1画素を意味するものではない。
【0036】
図1は本発明の光走査装置の構成例を示す図である。図1を参照すると、本発明の光走査装置(複数の光源からの複数の光ビームを主走査方向に走査する光走査装置)は、複数の光源を駆動制御する光源駆動制御手段50を備え、該光源駆動制御手段50は、副走査方向に異なる位置を走査可能なN個(N≧2)の光源を発光,走査させることによって1画素が形成されるように、複数の光源の駆動制御を行ない、サブ画素が1光源に対応したものであるとし、1画素が複数のサブ画素によって構成される場合に、所定の補正データに応じて画像データからサブ画素のデータを副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせる(縮小する)ことを特徴としている。
【0037】
本発明の光走査装置について、具体的に説明する。
【0038】
いま、図17の一般的な画像形成装置(書込み光学系)において、光源ユニット(半導体レーザユニット)1001が図2に示すように、格子状に複数の光源(複数の半導体レーザ)が配置された半導体レーザアレイ(より具体的には、例えば、同一チップ上に複数光源(例えば、複数の面発光レーザ(VCSEL,面発光型半導体レーザ))が格子状に配置された面発光レーザアレイ)から構成されるとき、複数の光源の配列方向が図17のポリゴンミラーのような偏向器の回転軸に対してある角度θを有するように、光源ユニット1001の配置,角度を調整する。
【0039】
このとき、図2において、縦配列方向aの4個の光源を左から光源a1,a2,a3,a4とし、これら4光源a1,a2,a3,a4の中から例えばa2,a3の2光源を発光,走査して1画素を形成する場合を考える(4個の光源から作られる1つの仮想光源列によって1画素が形成される場合を考える)。形成する画素密度を600dpiとしたとき2光源間の距離は2400dpi相当となり画素密度に対して光源密度が4倍となっている。よって、この場合、例えば、1画素を構成する複数の光源の光量比などを変えることで、画素の重心位置を副走査方向にずらすことが可能となり、光源密度以上の高精度な画素形成が実現できる。
【0040】
図3(a),(b)は本発明を説明するための図である。一般に、複写機などの画像形成装置によって両面印刷する場合、図3(a)に示すように、始めに一方の面(例えば表面)を印刷する時の定着によって熱が加えられ、この熱によって紙が縮み、他方の面(例えば裏面)を印刷すると、他方の面(例えば裏面)の画像の方が大きくなるという問題がある。そこで、本発明では、図3(b)に示すように、始めに一方の面(例えば表面)を印刷した後、他方の面(例えば裏面)を印刷する時に画像を縮小して印刷するようにする。これによって、紙の縮みを補正することが可能となり、両面の画像の大きさを一致させることが可能となる。なお、両面印刷する場合に限らず、より広義には、本発明は、1枚の紙に、1回目の印刷と、これに続いて、2回目の印刷を行なう場合に、2回目の印刷時の画像データに対して適用され(すなわち、2回目の印刷時に、画像データからサブ画素のデータを副走査方向に削除して、画像を縮小して印刷するようにし)、これにより、1回目の印刷によって紙が縮んでも、1回目の印刷と2回目の印刷とで画像の大きさについての不具合がないようにすることができる。
【0041】
ここで、1画素に対して複数光源(図2の例では4光源)を発光させて走査を行なうときには、次のような利点がある。すなわち、本発明の光源として面発光レーザを用いた場合には、面発光レーザの出力は従来のレーザに比べて出力が弱いために1光源での走査では現像に十分な光量を得られない可能性がある。そこで、十分な光量を得るために、1画素に対して複数の光源を発光させて走査を行うのが好ましい。
【0042】
図2は12光源により3つの画素を同時に描画した場合であり、1画素は4つの光源により描画されている。各画素は4×4個のサブ画素によって構成されており、図2の3つの画素P1、P2,P3のうちの1番上の画素P1のようにサブ画素に描画データ,非描画データを与えることで光源の点灯タイミングを設定している。光源は描画データ部分で点灯し、非描画データ部分で消灯する。図2の1番上の画素P1の描画パターンでの各光源の発光は、光源点灯タイミング1のようになり、上から2番目,3番目の画素P2,P3のように全体が描画データである描画パターンでは各光源の発光は、光源点灯タイミング2のようになる。
【0043】
図4乃至図8は、画像全体の副走査方向のサイズを縮小する本発明のより具体的な例を説明するための図である。
【0044】
図4の例では、1画素よりも小さいサブ画素(サブ画素のデータ)を1行ずつ複数箇所で副走査方向に削除することによって、画像全体の副走査方向のサイズを縮小している。
【0045】
また、図5の例では、サブ画素を削除する位置(サブ画素のデータを削除する位置)を副走査方向にランダムに散らしたものとなっている。図5には2×5のマトリックスが描かれているが、実際は図6のように画像全体で同様の処理を行なっている。図5,図6の例では、削除するサブ画素の位置はランダムであるが、各列から同じ数のサブ画素を削除することによって、画像に凸凹が出来ない。このように、データを削除する位置をランダムに散らすことによって、図4のようにデータを1行ずつ削除する場合に比べて画像への影響を低減することが出来る。
【0046】
また、図7の例では、サブ画素のデータとして非描画データ(非画像データ部分)のみを削除したものとなっている。図7の例のように、描画する画像全体に非画像データ(非描画データ)が多い場合には、非画像データ(非描画データのサブ画素)を削除した方が画像への影響が小さくなる。
【0047】
また、図8の例では、サブ画素のデータとして描画データ(画像データ部分)のみを削除したものとなっている。図8の例のように、描画する画像全体に画像データ(描画データ)が多い場合には(図8の例では、描画する画像がベタ(全面同じ色)となっている)、画像データ(描画データのサブ画素)を削除した方が画像への影響が小さくなる。
【0048】
また、削除するサブ画素の周辺で描画データが多い場合には描画データのサブ画素を削除する一方、削除するサブ画素の周辺で非描画データが多い場合には非描画データのサブ画素を削除するというように、描画データのサブ画素の削除と非描画データのサブ画素の削除を切り替える機能を持たせれば、副走査方向の画像の大きさを縮小する場合にも、画像への影響をより一層低減することが出来る。
【0049】
図9は、本発明の光走査装置の光源駆動制御手段50の具体例を示す図である。図9に示すように、光源駆動制御手段50は、例えば両面印刷などのように1回目の印刷と2回目の印刷とを行なう場合に1回目の印刷(例えば片面の印刷)を行なった時の熱で紙がどの程度熱収縮するかが補正データとして与えられる時に、この補正データに応じて図4乃至図8に例示したようなサブ画素のデータ(描画データあるいは非描画データ)を画像データから削除するようになっている。
【0050】
ここで、補正データは、例えば、次のような仕方で設定される。すなわち、例えば、プリンタの機種ごとに熱収縮する量をあらかじめ測定しておき、これを補正データとして用意したり、あるいは、印刷するごとに(複数枚印刷する時には最初の1枚)片面印刷後の紙の大きさをセンサなどで検出して補正データとして設定したりすることができる。
【0051】
図10は本発明の光走査装置を用いた画像形成装置の一例を示す図である。図10を参照すると、光源ユニット801の背面には、半導体レーザの制御を司る駆動回路及び画素クロック生成装置が形成されたプリント基板802が装着され、光軸と直交する光学ハウジングの壁面にスプリングにより当接され、調節ネジ803により傾きが合わせられ姿勢が保持される。尚、調節ネジ803はハウジング壁面に形成された突起部に螺合される。光学ハウジング内部には、シリンダレンズ805、ポリゴンミラーを回転するポリゴンモータ808、fθレンズ806、トロイダルレンズ、および折り返しミラー807が各々位置決めされ支持され、また、同期検知センサを実装するプリント基板809は、ハウジング壁面に光源ユニットと同様、外側より装着される。光学ハウジングは、カバー811により上部が封止され、壁面から突出した複数の取付部810にて画像形成装置本体のフレーム部材にネジ固定される。
【0052】
このとき、光源ユニット801には、半導体レーザとして、図2に示すような複数光源を有する半導体レーザアレイ(具体的には、例えば面発光レーザ(面発光レーザアレイ))を用いることができる。光源ユニット801の半導体レーザ(面発光レーザ)から出射された光は、シリンダレンズ805を介して、ポリゴンミラーでその回転に伴い偏向走査され、偏向走査された光束はfθレンズ806、トロイダルレンズ、および折り返しミラー807などを介して図示されていない感光体ドラムに入射する。また、走査光は、感光体に走査されない領域や、途中ミラー等による反射光として、センサにより検知される。このときセンサで検知される信号としては、ポリゴンミラーの回転に伴う走査方向である主走査方向の2点間の時間間隔を同期検知センサにより検出したり、主走査方向に対し90度回転した方向の副走査方向への位置ずれ量などを位置検出センサで測定し、その値をLD制御、変調回路やその前段の変調データ生成部へフィードバック制御することにより、画素位置の補正を行うことができる。
【0053】
次に、複数の光源を用いて構成するマルチビーム走査装置(マルチビーム光学系)について説明する。
【0054】
図11はマルチビーム走査装置の一例を示す図である。図11の例では、2個の発光源が間隔ds=25μmでモノリシックに配列された半導体レーザアレイ(4チャンネル)を2個(301,302)用いている(8個の光源としている)。
【0055】
図11において、半導体レーザアレイ301,302は、コリメートレンズ303,304との光軸を一致させ、主走査方向に対称に射出角度を持たせ、ポリゴンミラー307の反射点で射出軸が交差するようレイアウトされている。各半導体レーザアレイ301,302より射出された複数のビームは、シリンダレンズ308を介してポリゴンミラー307で一括して走査され、fθレンズ310、トロイダルレンズ311により感光体312上に結像される。バッファメモリには各発光源に1ライン分の印字データが蓄えられ、ポリゴンミラー1面毎に読み出されて、4ラインずつ同時に記録が行なわれる。
【0056】
また、マルチビームを構成するLD毎の波長誤差により生じる光学的走査長さの差、倍率差を補正するために、画素クロックについて位相シフトを行うことにより、位相シフトの精度まで走査長さの差を補正し、走査光のばらつきを緩和することが可能となる。
【0057】
図12には、複数の面発光レーザが2次元アレイ状に配置された2次元面発光レーザアレイを光走査装置の光源ユニットに用いた例が示されている。図12の例では、横方向に3個、縦方向に4個、計12個の発光源(面発光レーザ)を有する2次元面発光レーザアレイが示されている。
【0058】
次に、光源ユニットに面発光レーザアレイ(VCSELアレイ)を用いたマルチビーム走査装置(マルチビーム光学系)について説明する。図13は光源ユニットにVCSELアレイを用いたマルチビーム走査装置の一例を示す図である。図13の例では、図11の2個の発光源301,302が1個のVCSELアレイ402に置き換わったものとなっている。
【0059】
図13において、VCSELアレイ402から射出された複数の光ビームはコリメートレンズ404,シリンダレンズ408を介してポリゴンミラー407で一括して走査され、fθレンズ410,トロイダルレンズ411により被走査面である感光体412上に結像される。バッファメモリには各発光源に1ライン分の印字データが蓄えられ、ポリゴンミラー1面毎に読み出されて、複数本ずつ同時に記録が行なわれる。また、マルチビームを構成する各面発光レーザ毎の波長誤差により生じる光学的走査長さの差,倍率差を補正するために、画素クロックについて位相シフトを行うことにより、位相シフトの精度まで走査長さの差を補正し、走査光のばらつきを緩和することが可能となる。
【0060】
図14は本発明の画像形成装置の構成例を示す図である。図14を参照すると、被走査面である感光体ドラム901の周囲には、感光体を高圧に帯電する帯電チャージャ902、光走査装置900により記録された静電潜像に帯電したトナーを付着して顕像化する現像ローラ903、現像ローラ903にトナーを供給するトナーカートリッジ904、ドラム901に残ったトナーを掻き取り備蓄するクリーニングケース905が配置されている。感光体ドラム901へは上記したように1面毎に複数ライン同時に潜像記録が行われる。記録紙は、給紙トレイ906から給紙コロ907により供給され、レジストローラ対908により副走査方向の記録開始のタイミングに合わせて送り出され、感光体ドラム901を通過する際に転写チャージャ906によってトナーが転写され、定着ローラ909で定着されて排紙ローラ912により排紙トレイ910に排出される。上記画像形成装置の光走査装置900に本発明の光走査装置を適用することにより、高精度なドット位置補正が可能となり、高画質な画像を得ることができる。
【0061】
また、本発明は、カラー画像形成装置にも適用可能である。図15には、本発明を、複数の感光体を有する画像形成装置であるタンデムカラー機に搭載した例が示されている。タンデムカラー機は、シアン,マゼンダ,イエロー,ブラックの各色に対応した別々の感光体が必要であり、光走査光学系はそれぞれの感光体に対応して、別の光路を経て潜像を形成する。したがって、各感光体上で発生する主走査ドット位置ずれは異なる特性を有する場合が多い。
【0062】
図15において、18は転写ベルト、19a,19b,19c,19dは各色に対応した感光体、20a,20b,20c,20dは各色に対応した光走査装置である。
【0063】
ここで、光走査装置20a,20b,20c,20dに本発明の光走査装置を用いることにより、例えば両面印刷などの時に一方の面を印刷したときの熱で紙が熱収縮する場合にも、例えば両面の画像の大きさを一致させることができる。
【0064】
図16は、本発明の光走査装置の光源駆動制御手段50のハードウェア構成例を示す図である。この例では、光源駆動制御手段50は、CPU101、ROM102、RAM103、HDD(ハードディスクドライブ)104、HD(ハードディスク)105、FDD(フレキシブルディスクドライブ)106などが、バス100によって接続され構成されている。
【0065】
CPU101は、装置全体を制御する。ROM102には、制御プログラムが記憶されている。RAM103は、CPU101のワークエリアとして使用される。HDD104は、CPU101の制御にしたがってHD105に対するデータのリード/ライトの制御を行なう。HD105は、HDD104の制御にしたがって書き込まれたデータを記憶する。FDD106は、CPU101の制御にしたがってFD(フレキシブルディスク)107に対するデータのリード/ライトの制御を行なう。FD107は、着脱自在になっており、FDD106の制御にしたがって書き込まれたデータを記憶する。
【0066】
なお、本発明を実施するための上述した最良の形態で説明した光源駆動制御手段50における処理は、コンピュータ(例えばCPU101)に実現させるプログラムの形で提供することができる。
【0067】
また、本発明を実施するための上述した最良の形態で説明した光源駆動制御手段50における処理をコンピュータに実現させるためのプログラムは、ハードディスク(105)、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、上記記録媒体を解して、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、レーザプリンタ、デジタル複写機等に利用可能である。
【符号の説明】
【0069】
50 光源駆動制御手段
1001 光源ユニット
100 バス
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 HDD(ハードディスクドライブ)
105 HD(ハードディスク)
106 FDD(フレキシブルディスクドライブ)
107 FD(フレキシブルディスク)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0070】
【特許文献1】特開2001−272615号公報
【特許文献2】特開2003−72135号公報
【特許文献3】特開2001−350111号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、光走査装置、光走査方法、画像形成装置、カラー画像形成装置、プログラム、記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
図17は電子写真プロセスを利用したレーザプリンタ,デジタル複写機等の一般的な画像形成装置の構成例を示す図である。図17を参照すると、光源ユニットである半導体レーザユニット1001から発光されたレーザ光は、回転するポリゴンミラー1002により偏向走査(スキャン)され、走査レンズ(fθレンズ)1003を介して被走査媒体である感光体1004上に光スポットを形成し、その感光体1004を露光して静電潜像が形成される。このとき、位相同期回路1009は、クロック生成回路1008により生成された変調信号を、ポリゴンミラー1002により偏向走査された半導体レーザの光を検出するフォトディテクタ1005に同期した位相に設定する。すなわち、位相同期回路1009では、1ライン毎に、フォトディテクタ1005の出力信号に基づいて、位相同期のとられた画像クロック(画素クロック)を生成して、画像処理ユニット1006とレーザ駆動回路1007へ供給する。このようにして、半導体レーザユニット1001は、画像処理ユニット1006により生成された画像データと位相同期回路1009により1ライン毎に位相が設定された画像クロックに従い、レーザ駆動回路1007を介して半導体レーザの発光時間をコントロールすることにより、被走査媒体(感光体)1004上の静電潜像をコントロールすることができる。
【0003】
ところが近年、印刷速度(画像形成速度)の高速化,画像の高画質化の要求が高まり、それに対して、偏向器であるポリゴンモータの高速化や、レーザ変調の基準クロックとなる画素クロックの高速化で対応してきたが、どちらの高速化にも限界が近づいてきており、従来の方法では対応しきれなくなってきている。
【0004】
そこで、複数の光源を用いたマルチビームを採用することで、高速化対応がなされている。マルチビームによる光走査方法では、偏向器の偏向により同時に走査できる光束が増えることにより、偏向器であるポリゴンモータの回転速度や、画素クロック周波数の低減が可能となり、高速にかつ安定した光走査及び画像形成が可能となる。
【0005】
上記マルチビームを構成する光源としては、シングルビームのレーザチップを組み合わせる方法や、複数個の発光素子を一つのレーザチップに組み込んだLDアレイなどを用いる方法が使用されている。
【0006】
上記マルチビームを構成するLDアレイなどの半導体レーザは、きわめて小型であり、かつ駆動電流により高速に直接変調を行うことが出来るので、近年レーザプリンタ等の光源として広く用いられている。しかし、半導体レーザの駆動電流と光出力との関係は、温度により変化する特性を有するので、半導体レーザの光強度を所望の値に設定しようとする場合に問題となる。特に複数の光源を同一チップ上に構成する面発光レーザの場合、光源間の距離が短いため、発光,消光による温度変化や温度クロストークなどの影響が顕著であり、光量変動の要因となりやすい。
【0007】
例えば、特許文献1には、複数の光源を2次元に配置し、複数の光束を偏向器で偏向することにより被走査媒体上を走査する光走査装置において、発光点間の発熱によるクロストークの影響を発生させずに発光点の配置密度を最大とする例が示されている。
【0008】
また、特許文献2には、面発光レーザを用いた画像形成装置において、画素単位で各チップの発光強度を可変する手段及び発光時間を制御する手段を有することで、画素の静電潜像を制御する方法が示されている。
【0009】
また、特許文献3には、面発光レーザを用いた走査装置において、光源の配置を規定した構成とすることにより熱ストロークの問題を回避し、かつ、記録画像の高密度化を実現する方法が示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、複写機などの画像形成装置によって両面印刷を行なう場合に、一方の面(例えば表面)を印刷したときの熱で紙が熱収縮し、連続して他方の面(例えば裏面)を印刷すると他方の面(例えば裏面)の画像の方が大きくなるという問題があった。
【0011】
本発明は、例えば両面印刷などの時に、例えば両面の画像の大きさを一致させることの可能な光走査装置、光走査方法、画像形成装置、カラー画像形成装置、プログラム、記録媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、複数の光源からの複数の光ビームを主走査方向に走査する光走査装置において、副走査方向に異なる位置を走査可能なN個(N≧2)の光源を発光,走査させることによって1画素が形成されるように、複数の光源の駆動制御を行ない、サブ画素が1光源に対応したものであるとし、1画素が複数のサブ画素によって構成される場合に、所定の補正データに応じて画像データからサブ画素のデータを副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせることを特徴としている。
【0013】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の光走査装置において、画像データからサブ画素1行分のデータを副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせることを特徴としている。
【0014】
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の光走査装置において、画像データからサブ画素のデータをランダムに副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせることを特徴としている。
【0015】
また、請求項4記載の発明は、請求項3記載の光走査装置において、画像データからサブ画素のデータとして非描画データのみをランダムに副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせることを特徴としている。
【0016】
また、請求項5記載の発明は、請求項3記載の光走査装置において、画像データからサブ画素のデータとして描画データのみをランダムに副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせることを特徴としている。
【0017】
また、請求項6記載の発明は、請求項3記載の光走査装置において、画像データからの描画データのサブ画素の削除と非描画データのサブ画素の削除とを切り替える機能を持ち、画像データを副走査方向にシフトさせることを特徴としている。
【0018】
また、請求項7記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の光走査装置において、1枚の紙に、1回目の印刷と、これに続いて、2回目の印刷を行なう場合に、画像データへのサブ画素のデータの副走査方向への削除は、2回目の印刷時に行なわれることを特徴としている。
【0019】
また、請求項8記載の発明は、請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の光走査装置において、前記光源には、面発光レーザが用いられることを特徴としている。
【0020】
また、請求項9記載の発明は、複数の光源からの複数の光ビームを主走査方向に走査する光走査方法において、副走査方向に異なる位置を走査可能なN個(N≧2)の光源を発光,走査させることによって1画素が形成されるように、複数の光源の駆動制御を行ない、サブ画素が1光源に対応したものであるとし、1画素が複数のサブ画素によって構成される場合に、所定の補正データに応じて画像データからサブ画素のデータを副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせることを特徴としている。
【0021】
また、請求項10記載の発明は、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の光走査装置を有することを特徴とする画像形成装置である。
【0022】
また、請求項11記載の発明は、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の光走査装置を有することを特徴とするカラー画像形成装置である。
【0023】
また、請求項12記載の発明は、複数の光源からの複数の光ビームを主走査方向に走査するときに、副走査方向に異なる位置を走査可能なN個(N≧2)の光源を発光,走査させることによって1画素が形成されるように、複数の光源の駆動制御を行ない、サブ画素が1光源に対応したものであるとし、1画素が複数のサブ画素によって構成される場合に、所定の補正データに応じて画像データからサブ画素のデータを副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせる処理をコンピュータに実現させるためのプログラムである。
【0024】
また、請求項13記載の発明は、複数の光源からの複数の光ビームを主走査方向に走査するときに、副走査方向に異なる位置を走査可能なN個(N≧2)の光源を発光,走査させることによって1画素が形成されるように、複数の光源の駆動制御を行ない、サブ画素が1光源に対応したものであるとし、1画素が複数のサブ画素によって構成される場合に、所定の補正データに応じて画像データからサブ画素のデータを副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせる処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0025】
請求項1乃至請求項12記載の発明によれば、複数の光源からの複数の光ビームを主走査方向に走査する光走査装置において、副走査方向に異なる位置を走査可能なN個(N≧2)の光源を発光,走査させることによって1画素が形成されるように、複数の光源の駆動制御を行ない、サブ画素が1光源に対応したものであるとし、1画素が複数のサブ画素によって構成される場合に、所定の補正データに応じて画像データからサブ画素のデータを副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせ(縮小し)、副走査方向に画像の大きさを縮小することで、例えば両面印刷などの時に一方の面を印刷したときの熱で紙が熱収縮する場合にも、例えば両面の画像の大きさを一致させることができる。
【0026】
特に、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の光走査装置において、画像データからサブ画素1行分のデータを副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせるようになっているので、簡略な構成により実現でき、補正データ量を小さく抑えることができる。
【0027】
また、請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の光走査装置において、画像データからサブ画素のデータをランダムに副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせるようにしており、削除するサブ画素をランダムに散らすことによって、副走査方向に画像サイズを縮小した場合の画像への影響を小さく抑えることが可能となる。
【0028】
また、請求項4記載の発明によれば、画像全体で非描画データが多い場合には非描画データのサブ画素のみをランダムに削除することによって、画像への影響を小さく抑えることが可能となる。
【0029】
また、請求項5記載の発明によれば、画像全体で描画データが多い場合には描画データのサブ画素のみをランダムに削除することによって、画像への影響を小さく抑えることが可能となる。
【0030】
また、請求項6記載の発明によれば、描画データのサブ画素の削除と非描画データのサブ画素の削除を切り替える機能を有することによって、様々な画像パターンに対して副走査方向に画像サイズを拡大する機能を、画像への影響を小さく抑えた状態で、適応することが可能になる。
【0031】
また、請求項7記載の発明によれば、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の光走査装置において、1枚の紙に、1回目の印刷と、これに続いて、2回目の印刷を行なう場合に、画像データへのサブ画素のデータの副走査方向への削除は、2回目の印刷時に行なわれるので、1回目の印刷によって紙が縮んでも、1回目の印刷と2回目の印刷とで画像の大きさについての不具合がないようにすることができる。
【0032】
また、請求項8記載の発明によれば、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の光走査装置において、前記光源には、面発光レーザが用いられることを特徴とするので、一般的な半導体レーザを使用する場合と比べて、消費電力を低減することが可能となる、また光源の配列を形成しやすい構造のため、光源ユニット部の構造を簡略化でき、コストダウンを図ることが可能となる。
【0033】
また、請求項10,11記載の発明によれば、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の光走査装置を有することを特徴とする画像形成装置であるので、例えば両面印刷などの時に一方の面を印刷したときの熱で紙が熱収縮する場合にも、例えば両面の画像の大きさを一致させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の光走査装置の構成例を示す図である。
【図2】光源ユニットの一例を示す図である。
【図3】本発明を説明するための図である。
【図4】本発明の具体的な例を説明するための図である。
【図5】本発明の具体的な例を説明するための図である。
【図6】本発明の具体的な例を説明するための図である。
【図7】本発明の具体的な例を説明するための図である。
【図8】本発明の具体的な例を説明するための図である。
【図9】本発明の光走査装置の構成例を示す図である。
【図10】本発明の光走査装置を用いた画像形成装置の一例を示す図である。
【図11】マルチビーム走査装置の一例を示す図である。
【図12】光源ユニットの一例を示す図である。
【図13】マルチビーム走査装置の一例を示す図である。
【図14】本発明の画像形成装置の構成例を示す図である。
【図15】カラー画像形成装置の一例を示す図である。
【図16】本発明の光走査装置の光源駆動制御手段のハードウェア構成例を示す図である。
【図17】一般的な画像形成装置の構成例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明において、1画素とは、純粋な1画素のことであり(例えば2400dpiの画素とは約10.6μm角の画素のことを意味し)、ディザマトリックスのように複数の画素(例えば4×4の画素)を合成した結果の1画素を意味するものではない。
【0036】
図1は本発明の光走査装置の構成例を示す図である。図1を参照すると、本発明の光走査装置(複数の光源からの複数の光ビームを主走査方向に走査する光走査装置)は、複数の光源を駆動制御する光源駆動制御手段50を備え、該光源駆動制御手段50は、副走査方向に異なる位置を走査可能なN個(N≧2)の光源を発光,走査させることによって1画素が形成されるように、複数の光源の駆動制御を行ない、サブ画素が1光源に対応したものであるとし、1画素が複数のサブ画素によって構成される場合に、所定の補正データに応じて画像データからサブ画素のデータを副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせる(縮小する)ことを特徴としている。
【0037】
本発明の光走査装置について、具体的に説明する。
【0038】
いま、図17の一般的な画像形成装置(書込み光学系)において、光源ユニット(半導体レーザユニット)1001が図2に示すように、格子状に複数の光源(複数の半導体レーザ)が配置された半導体レーザアレイ(より具体的には、例えば、同一チップ上に複数光源(例えば、複数の面発光レーザ(VCSEL,面発光型半導体レーザ))が格子状に配置された面発光レーザアレイ)から構成されるとき、複数の光源の配列方向が図17のポリゴンミラーのような偏向器の回転軸に対してある角度θを有するように、光源ユニット1001の配置,角度を調整する。
【0039】
このとき、図2において、縦配列方向aの4個の光源を左から光源a1,a2,a3,a4とし、これら4光源a1,a2,a3,a4の中から例えばa2,a3の2光源を発光,走査して1画素を形成する場合を考える(4個の光源から作られる1つの仮想光源列によって1画素が形成される場合を考える)。形成する画素密度を600dpiとしたとき2光源間の距離は2400dpi相当となり画素密度に対して光源密度が4倍となっている。よって、この場合、例えば、1画素を構成する複数の光源の光量比などを変えることで、画素の重心位置を副走査方向にずらすことが可能となり、光源密度以上の高精度な画素形成が実現できる。
【0040】
図3(a),(b)は本発明を説明するための図である。一般に、複写機などの画像形成装置によって両面印刷する場合、図3(a)に示すように、始めに一方の面(例えば表面)を印刷する時の定着によって熱が加えられ、この熱によって紙が縮み、他方の面(例えば裏面)を印刷すると、他方の面(例えば裏面)の画像の方が大きくなるという問題がある。そこで、本発明では、図3(b)に示すように、始めに一方の面(例えば表面)を印刷した後、他方の面(例えば裏面)を印刷する時に画像を縮小して印刷するようにする。これによって、紙の縮みを補正することが可能となり、両面の画像の大きさを一致させることが可能となる。なお、両面印刷する場合に限らず、より広義には、本発明は、1枚の紙に、1回目の印刷と、これに続いて、2回目の印刷を行なう場合に、2回目の印刷時の画像データに対して適用され(すなわち、2回目の印刷時に、画像データからサブ画素のデータを副走査方向に削除して、画像を縮小して印刷するようにし)、これにより、1回目の印刷によって紙が縮んでも、1回目の印刷と2回目の印刷とで画像の大きさについての不具合がないようにすることができる。
【0041】
ここで、1画素に対して複数光源(図2の例では4光源)を発光させて走査を行なうときには、次のような利点がある。すなわち、本発明の光源として面発光レーザを用いた場合には、面発光レーザの出力は従来のレーザに比べて出力が弱いために1光源での走査では現像に十分な光量を得られない可能性がある。そこで、十分な光量を得るために、1画素に対して複数の光源を発光させて走査を行うのが好ましい。
【0042】
図2は12光源により3つの画素を同時に描画した場合であり、1画素は4つの光源により描画されている。各画素は4×4個のサブ画素によって構成されており、図2の3つの画素P1、P2,P3のうちの1番上の画素P1のようにサブ画素に描画データ,非描画データを与えることで光源の点灯タイミングを設定している。光源は描画データ部分で点灯し、非描画データ部分で消灯する。図2の1番上の画素P1の描画パターンでの各光源の発光は、光源点灯タイミング1のようになり、上から2番目,3番目の画素P2,P3のように全体が描画データである描画パターンでは各光源の発光は、光源点灯タイミング2のようになる。
【0043】
図4乃至図8は、画像全体の副走査方向のサイズを縮小する本発明のより具体的な例を説明するための図である。
【0044】
図4の例では、1画素よりも小さいサブ画素(サブ画素のデータ)を1行ずつ複数箇所で副走査方向に削除することによって、画像全体の副走査方向のサイズを縮小している。
【0045】
また、図5の例では、サブ画素を削除する位置(サブ画素のデータを削除する位置)を副走査方向にランダムに散らしたものとなっている。図5には2×5のマトリックスが描かれているが、実際は図6のように画像全体で同様の処理を行なっている。図5,図6の例では、削除するサブ画素の位置はランダムであるが、各列から同じ数のサブ画素を削除することによって、画像に凸凹が出来ない。このように、データを削除する位置をランダムに散らすことによって、図4のようにデータを1行ずつ削除する場合に比べて画像への影響を低減することが出来る。
【0046】
また、図7の例では、サブ画素のデータとして非描画データ(非画像データ部分)のみを削除したものとなっている。図7の例のように、描画する画像全体に非画像データ(非描画データ)が多い場合には、非画像データ(非描画データのサブ画素)を削除した方が画像への影響が小さくなる。
【0047】
また、図8の例では、サブ画素のデータとして描画データ(画像データ部分)のみを削除したものとなっている。図8の例のように、描画する画像全体に画像データ(描画データ)が多い場合には(図8の例では、描画する画像がベタ(全面同じ色)となっている)、画像データ(描画データのサブ画素)を削除した方が画像への影響が小さくなる。
【0048】
また、削除するサブ画素の周辺で描画データが多い場合には描画データのサブ画素を削除する一方、削除するサブ画素の周辺で非描画データが多い場合には非描画データのサブ画素を削除するというように、描画データのサブ画素の削除と非描画データのサブ画素の削除を切り替える機能を持たせれば、副走査方向の画像の大きさを縮小する場合にも、画像への影響をより一層低減することが出来る。
【0049】
図9は、本発明の光走査装置の光源駆動制御手段50の具体例を示す図である。図9に示すように、光源駆動制御手段50は、例えば両面印刷などのように1回目の印刷と2回目の印刷とを行なう場合に1回目の印刷(例えば片面の印刷)を行なった時の熱で紙がどの程度熱収縮するかが補正データとして与えられる時に、この補正データに応じて図4乃至図8に例示したようなサブ画素のデータ(描画データあるいは非描画データ)を画像データから削除するようになっている。
【0050】
ここで、補正データは、例えば、次のような仕方で設定される。すなわち、例えば、プリンタの機種ごとに熱収縮する量をあらかじめ測定しておき、これを補正データとして用意したり、あるいは、印刷するごとに(複数枚印刷する時には最初の1枚)片面印刷後の紙の大きさをセンサなどで検出して補正データとして設定したりすることができる。
【0051】
図10は本発明の光走査装置を用いた画像形成装置の一例を示す図である。図10を参照すると、光源ユニット801の背面には、半導体レーザの制御を司る駆動回路及び画素クロック生成装置が形成されたプリント基板802が装着され、光軸と直交する光学ハウジングの壁面にスプリングにより当接され、調節ネジ803により傾きが合わせられ姿勢が保持される。尚、調節ネジ803はハウジング壁面に形成された突起部に螺合される。光学ハウジング内部には、シリンダレンズ805、ポリゴンミラーを回転するポリゴンモータ808、fθレンズ806、トロイダルレンズ、および折り返しミラー807が各々位置決めされ支持され、また、同期検知センサを実装するプリント基板809は、ハウジング壁面に光源ユニットと同様、外側より装着される。光学ハウジングは、カバー811により上部が封止され、壁面から突出した複数の取付部810にて画像形成装置本体のフレーム部材にネジ固定される。
【0052】
このとき、光源ユニット801には、半導体レーザとして、図2に示すような複数光源を有する半導体レーザアレイ(具体的には、例えば面発光レーザ(面発光レーザアレイ))を用いることができる。光源ユニット801の半導体レーザ(面発光レーザ)から出射された光は、シリンダレンズ805を介して、ポリゴンミラーでその回転に伴い偏向走査され、偏向走査された光束はfθレンズ806、トロイダルレンズ、および折り返しミラー807などを介して図示されていない感光体ドラムに入射する。また、走査光は、感光体に走査されない領域や、途中ミラー等による反射光として、センサにより検知される。このときセンサで検知される信号としては、ポリゴンミラーの回転に伴う走査方向である主走査方向の2点間の時間間隔を同期検知センサにより検出したり、主走査方向に対し90度回転した方向の副走査方向への位置ずれ量などを位置検出センサで測定し、その値をLD制御、変調回路やその前段の変調データ生成部へフィードバック制御することにより、画素位置の補正を行うことができる。
【0053】
次に、複数の光源を用いて構成するマルチビーム走査装置(マルチビーム光学系)について説明する。
【0054】
図11はマルチビーム走査装置の一例を示す図である。図11の例では、2個の発光源が間隔ds=25μmでモノリシックに配列された半導体レーザアレイ(4チャンネル)を2個(301,302)用いている(8個の光源としている)。
【0055】
図11において、半導体レーザアレイ301,302は、コリメートレンズ303,304との光軸を一致させ、主走査方向に対称に射出角度を持たせ、ポリゴンミラー307の反射点で射出軸が交差するようレイアウトされている。各半導体レーザアレイ301,302より射出された複数のビームは、シリンダレンズ308を介してポリゴンミラー307で一括して走査され、fθレンズ310、トロイダルレンズ311により感光体312上に結像される。バッファメモリには各発光源に1ライン分の印字データが蓄えられ、ポリゴンミラー1面毎に読み出されて、4ラインずつ同時に記録が行なわれる。
【0056】
また、マルチビームを構成するLD毎の波長誤差により生じる光学的走査長さの差、倍率差を補正するために、画素クロックについて位相シフトを行うことにより、位相シフトの精度まで走査長さの差を補正し、走査光のばらつきを緩和することが可能となる。
【0057】
図12には、複数の面発光レーザが2次元アレイ状に配置された2次元面発光レーザアレイを光走査装置の光源ユニットに用いた例が示されている。図12の例では、横方向に3個、縦方向に4個、計12個の発光源(面発光レーザ)を有する2次元面発光レーザアレイが示されている。
【0058】
次に、光源ユニットに面発光レーザアレイ(VCSELアレイ)を用いたマルチビーム走査装置(マルチビーム光学系)について説明する。図13は光源ユニットにVCSELアレイを用いたマルチビーム走査装置の一例を示す図である。図13の例では、図11の2個の発光源301,302が1個のVCSELアレイ402に置き換わったものとなっている。
【0059】
図13において、VCSELアレイ402から射出された複数の光ビームはコリメートレンズ404,シリンダレンズ408を介してポリゴンミラー407で一括して走査され、fθレンズ410,トロイダルレンズ411により被走査面である感光体412上に結像される。バッファメモリには各発光源に1ライン分の印字データが蓄えられ、ポリゴンミラー1面毎に読み出されて、複数本ずつ同時に記録が行なわれる。また、マルチビームを構成する各面発光レーザ毎の波長誤差により生じる光学的走査長さの差,倍率差を補正するために、画素クロックについて位相シフトを行うことにより、位相シフトの精度まで走査長さの差を補正し、走査光のばらつきを緩和することが可能となる。
【0060】
図14は本発明の画像形成装置の構成例を示す図である。図14を参照すると、被走査面である感光体ドラム901の周囲には、感光体を高圧に帯電する帯電チャージャ902、光走査装置900により記録された静電潜像に帯電したトナーを付着して顕像化する現像ローラ903、現像ローラ903にトナーを供給するトナーカートリッジ904、ドラム901に残ったトナーを掻き取り備蓄するクリーニングケース905が配置されている。感光体ドラム901へは上記したように1面毎に複数ライン同時に潜像記録が行われる。記録紙は、給紙トレイ906から給紙コロ907により供給され、レジストローラ対908により副走査方向の記録開始のタイミングに合わせて送り出され、感光体ドラム901を通過する際に転写チャージャ906によってトナーが転写され、定着ローラ909で定着されて排紙ローラ912により排紙トレイ910に排出される。上記画像形成装置の光走査装置900に本発明の光走査装置を適用することにより、高精度なドット位置補正が可能となり、高画質な画像を得ることができる。
【0061】
また、本発明は、カラー画像形成装置にも適用可能である。図15には、本発明を、複数の感光体を有する画像形成装置であるタンデムカラー機に搭載した例が示されている。タンデムカラー機は、シアン,マゼンダ,イエロー,ブラックの各色に対応した別々の感光体が必要であり、光走査光学系はそれぞれの感光体に対応して、別の光路を経て潜像を形成する。したがって、各感光体上で発生する主走査ドット位置ずれは異なる特性を有する場合が多い。
【0062】
図15において、18は転写ベルト、19a,19b,19c,19dは各色に対応した感光体、20a,20b,20c,20dは各色に対応した光走査装置である。
【0063】
ここで、光走査装置20a,20b,20c,20dに本発明の光走査装置を用いることにより、例えば両面印刷などの時に一方の面を印刷したときの熱で紙が熱収縮する場合にも、例えば両面の画像の大きさを一致させることができる。
【0064】
図16は、本発明の光走査装置の光源駆動制御手段50のハードウェア構成例を示す図である。この例では、光源駆動制御手段50は、CPU101、ROM102、RAM103、HDD(ハードディスクドライブ)104、HD(ハードディスク)105、FDD(フレキシブルディスクドライブ)106などが、バス100によって接続され構成されている。
【0065】
CPU101は、装置全体を制御する。ROM102には、制御プログラムが記憶されている。RAM103は、CPU101のワークエリアとして使用される。HDD104は、CPU101の制御にしたがってHD105に対するデータのリード/ライトの制御を行なう。HD105は、HDD104の制御にしたがって書き込まれたデータを記憶する。FDD106は、CPU101の制御にしたがってFD(フレキシブルディスク)107に対するデータのリード/ライトの制御を行なう。FD107は、着脱自在になっており、FDD106の制御にしたがって書き込まれたデータを記憶する。
【0066】
なお、本発明を実施するための上述した最良の形態で説明した光源駆動制御手段50における処理は、コンピュータ(例えばCPU101)に実現させるプログラムの形で提供することができる。
【0067】
また、本発明を実施するための上述した最良の形態で説明した光源駆動制御手段50における処理をコンピュータに実現させるためのプログラムは、ハードディスク(105)、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、上記記録媒体を解して、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、レーザプリンタ、デジタル複写機等に利用可能である。
【符号の説明】
【0069】
50 光源駆動制御手段
1001 光源ユニット
100 バス
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 HDD(ハードディスクドライブ)
105 HD(ハードディスク)
106 FDD(フレキシブルディスクドライブ)
107 FD(フレキシブルディスク)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0070】
【特許文献1】特開2001−272615号公報
【特許文献2】特開2003−72135号公報
【特許文献3】特開2001−350111号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光源からの複数の光ビームを主走査方向に走査する光走査装置において、副走査方向に異なる位置を走査可能なN個(N≧2)の光源を発光,走査させることによって1画素が形成されるように、複数の光源の駆動制御を行ない、サブ画素が1光源に対応したものであるとし、1画素が複数のサブ画素によって構成される場合に、所定の補正データに応じて画像データからサブ画素のデータを副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせることを特徴とする光走査装置。
【請求項2】
請求項1記載の光走査装置において、画像データからサブ画素1行分のデータを副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせることを特徴とする光走査装置。
【請求項3】
請求項1記載の光走査装置において、画像データからサブ画素のデータをランダムに副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせることを特徴とする光走査装置。
【請求項4】
請求項3記載の光走査装置において、画像データからサブ画素のデータとして非描画データのみをランダムに副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせることを特徴とする光走査装置。
【請求項5】
請求項3記載の光走査装置において、画像データからサブ画素のデータとして描画データのみをランダムに副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせることを特徴とする光走査装置。
【請求項6】
請求項3記載の光走査装置において、画像データからの描画データのサブ画素の削除と非描画データのサブ画素の削除とを切り替える機能を持ち、画像データを副走査方向にシフトさせることを特徴とする光走査装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の光走査装置において、1枚の紙に、1回目の印刷と、これに続いて、2回目の印刷を行なう場合に、画像データへのサブ画素のデータの副走査方向への削除は、2回目の印刷時に行なわれることを特徴とする光走査装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の光走査装置において、前記光源には、面発光レーザが用いられることを特徴とする光走査装置。
【請求項9】
複数の光源からの複数の光ビームを主走査方向に走査する光走査方法において、副走査方向に異なる位置を走査可能なN個(N≧2)の光源を発光,走査させることによって1画素が形成されるように、複数の光源の駆動制御を行ない、サブ画素が1光源に対応したものであるとし、1画素が複数のサブ画素によって構成される場合に、所定の補正データに応じて画像データからサブ画素のデータを副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせることを特徴とする光走査方法。
【請求項10】
請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の光走査装置を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の光走査装置を有することを特徴とするカラー画像形成装置。
【請求項12】
複数の光源からの複数の光ビームを主走査方向に走査するときに、副走査方向に異なる位置を走査可能なN個(N≧2)の光源を発光,走査させることによって1画素が形成されるように、複数の光源の駆動制御を行ない、サブ画素が1光源に対応したものであるとし、1画素が複数のサブ画素によって構成される場合に、所定の補正データに応じて画像データからサブ画素のデータを副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせる処理をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【請求項13】
複数の光源からの複数の光ビームを主走査方向に走査するときに、副走査方向に異なる位置を走査可能なN個(N≧2)の光源を発光,走査させることによって1画素が形成されるように、複数の光源の駆動制御を行ない、サブ画素が1光源に対応したものであるとし、1画素が複数のサブ画素によって構成される場合に、所定の補正データに応じて画像データからサブ画素のデータを副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせる処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
複数の光源からの複数の光ビームを主走査方向に走査する光走査装置において、副走査方向に異なる位置を走査可能なN個(N≧2)の光源を発光,走査させることによって1画素が形成されるように、複数の光源の駆動制御を行ない、サブ画素が1光源に対応したものであるとし、1画素が複数のサブ画素によって構成される場合に、所定の補正データに応じて画像データからサブ画素のデータを副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせることを特徴とする光走査装置。
【請求項2】
請求項1記載の光走査装置において、画像データからサブ画素1行分のデータを副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせることを特徴とする光走査装置。
【請求項3】
請求項1記載の光走査装置において、画像データからサブ画素のデータをランダムに副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせることを特徴とする光走査装置。
【請求項4】
請求項3記載の光走査装置において、画像データからサブ画素のデータとして非描画データのみをランダムに副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせることを特徴とする光走査装置。
【請求項5】
請求項3記載の光走査装置において、画像データからサブ画素のデータとして描画データのみをランダムに副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせることを特徴とする光走査装置。
【請求項6】
請求項3記載の光走査装置において、画像データからの描画データのサブ画素の削除と非描画データのサブ画素の削除とを切り替える機能を持ち、画像データを副走査方向にシフトさせることを特徴とする光走査装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の光走査装置において、1枚の紙に、1回目の印刷と、これに続いて、2回目の印刷を行なう場合に、画像データへのサブ画素のデータの副走査方向への削除は、2回目の印刷時に行なわれることを特徴とする光走査装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の光走査装置において、前記光源には、面発光レーザが用いられることを特徴とする光走査装置。
【請求項9】
複数の光源からの複数の光ビームを主走査方向に走査する光走査方法において、副走査方向に異なる位置を走査可能なN個(N≧2)の光源を発光,走査させることによって1画素が形成されるように、複数の光源の駆動制御を行ない、サブ画素が1光源に対応したものであるとし、1画素が複数のサブ画素によって構成される場合に、所定の補正データに応じて画像データからサブ画素のデータを副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせることを特徴とする光走査方法。
【請求項10】
請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の光走査装置を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の光走査装置を有することを特徴とするカラー画像形成装置。
【請求項12】
複数の光源からの複数の光ビームを主走査方向に走査するときに、副走査方向に異なる位置を走査可能なN個(N≧2)の光源を発光,走査させることによって1画素が形成されるように、複数の光源の駆動制御を行ない、サブ画素が1光源に対応したものであるとし、1画素が複数のサブ画素によって構成される場合に、所定の補正データに応じて画像データからサブ画素のデータを副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせる処理をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【請求項13】
複数の光源からの複数の光ビームを主走査方向に走査するときに、副走査方向に異なる位置を走査可能なN個(N≧2)の光源を発光,走査させることによって1画素が形成されるように、複数の光源の駆動制御を行ない、サブ画素が1光源に対応したものであるとし、1画素が複数のサブ画素によって構成される場合に、所定の補正データに応じて画像データからサブ画素のデータを副走査方向に削除し、画像データを副走査方向にシフトさせる処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−153142(P2012−153142A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−45057(P2012−45057)
【出願日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【分割の表示】特願2007−90986(P2007−90986)の分割
【原出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【分割の表示】特願2007−90986(P2007−90986)の分割
【原出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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