光軸に沿う光運動量の変化から軸線方向光トラップ力を測定するための光力センサ及び方法
【課題】レーザ光を使用して極めて小さな物体を捕捉して操作し、これらの物体に付与された微小な力を横方向及び縦方向の両方に測定するための装置及び方法を提供する。
【解決手段】捕捉粒子に対する横方向及び縦方向の力の両方を測定するための光トラップ及び方法。レーザ光源は、粒子を捕捉するために逆伝播方式でトラップ領域に集束される第1及び第2の光ビームを発生する。検出器は、トラップ領域を出る光ビームのパワー偏向の変化とトラップ領域を出る光ビームのパワー集中の変化とを測定する。プロセッサは、光ビームのパワー偏向の測定された変化に基づいて粒子に対する横方向の力を計算し、光ビームのパワー集中の測定された変化に基づいて粒子に対する縦方向の力を計算する。第2の光ビームが第1の光ビームの捕捉粒子からの反射によって発生する単一ビーム光トラップ及び方法も開示する。
【解決手段】捕捉粒子に対する横方向及び縦方向の力の両方を測定するための光トラップ及び方法。レーザ光源は、粒子を捕捉するために逆伝播方式でトラップ領域に集束される第1及び第2の光ビームを発生する。検出器は、トラップ領域を出る光ビームのパワー偏向の変化とトラップ領域を出る光ビームのパワー集中の変化とを測定する。プロセッサは、光ビームのパワー偏向の測定された変化に基づいて粒子に対する横方向の力を計算し、光ビームのパワー集中の測定された変化に基づいて粒子に対する縦方向の力を計算する。第2の光ビームが第1の光ビームの捕捉粒子からの反射によって発生する単一ビーム光トラップ及び方法も開示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2003年9月19日出願の米国特許仮出願第60/504,067号の恩典を請求する。
政府の補助
本発明は、NIHによって与えられた助成(契約)番号GM−32543、及びNSFによって与えられた助成番号MBC−9118482及びDBI−9732140の下で政府の支援によって行われたものである。政府は、本発明に対してある一定の権利を有する。
本発明は、光学的粒子捕捉に関し、より詳細には、レーザ光を使用して極めて小さな物体を捕捉して操作し、これらの物体に付与された微小な力を横方向及び縦方向の両方に測定するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
微粒子を光学的に捕捉するための装置は、「光トラップ」又は「光ピンセット」として公知である。この技術は、微小物体によってその物体を捕捉し、浮揚させ、移動させるために屈折させられた1つ又はそれよりも多くのレーザビームによって作り出された力に依存する。顕微鏡の対物レンズを通して非常に小さな点(焦点域)までレーザビームの焦点を合わせることにより、ガラス、プラスチック、又は油滴のような屈折率が高い粒子は、ビームの強力な領域に引き付けられ、ビームの焦点域に永久に捕捉することができる。捕捉された物体に対してピコニュートン以下の精度で微小な力を測定することができるために、生物学者は、光トラップにかなりの興味を持っている。走査力顕微鏡のような従来技術ではそのように小さな力にはアクセスできなかったので、光トラップは、生物学において主要な研究ツールとなっている。
【0003】
そのような力を測定するための1つの(好ましい)方法は、粒子と相互作用した後で光を捕捉して解析する段階と、粒子との相互作用による光の運動量フラックスの変化を計算する段階とを含む。単一ビームトラップは、効率的に捕捉するためにかなり周辺の光線を必要とするが、高い開口数(NA)のレンズでさえも粒子と相互作用した時にこれらの光線全てを受け入れることができずに光軸から遠く離れて偏向することを考えれば、光トラップを出る全ての光を捕捉するのは困難になる可能性がある。そのような場合には、光トラップを出る全ての光を捕捉して解析するのは困難であるとすることができる。従って、この問題に対処するために、二重ビーム光トラップが開発されている。従来の逆伝播ビーム光トラップは、粒子を捕捉し、それらの粒子に付与された極めて小さな横方向の力を測定するために使用されている。例えば、「光運動量フラックスの変化を測定する光ピンセットシステム」、Rev.Sci.Instrum.、第73巻、第6号、2002年6月を参照されたい。二重ビームトラップはまた、屈折率の高い粒子を捕捉するのに単一ビームトラップよりも優れている。
【0004】
従来の運動量感知光トラップ、及び特に二重ビーム逆伝播光トラップの1つの欠点は、それらが粒子に対する横方向の力(x及びy方向)だけを検出及び測定することである。従来の光トラップは、粒子に対する軸線方向の力(z方向)を検出及び測定しない。更に、逆伝播光トラップは、アラインメント、すなわち、2つのビームの焦点を共通の点で一緒にするのが困難になる可能性がある。
外力の3つの成分の全てを測定し、かつアラインメントが容易な光トラップシステム(及び方法)に対する必要性が存在する。
【0005】
【特許文献1】米国特許仮出願第60/504,067号
【非特許文献1】「光運動量フラックスの変化を測定する光ピンセットシステム」、Rev.Sci.Instrum.、第73巻、第6号、2002年6月
【非特許文献2】「Hamamatsu(半導体部門)プロフィールセンサS9132予備データシート」、2004年1月
【非特許文献3】Massari他「高速度デジタル「CMOS 2D」光学位置感応検出器」、欧州半導体回路会議(ESSCIRC)、2002年
【発明の開示】
【0006】
光トラップ(OT)内の捕捉粒子に作用することができるあらゆる外力の3つのベクトル成分を全て取得することが望ましい。横方向光力センサを装着した逆伝播ビームOTに対する改善として、本発明は、捕捉粒子に対して作用する軸線方向力成分の同時(横方向成分との)測定を可能にする「軸線方向光力センサ」を含む。本発明は、捕捉レーザ光をそれが粒子を通過してトラップの周辺から離れた後で収集して解析する。軸線方向の力は、軸線方向の光運動量フラックスの変化から計算され、これは、対物集光レンズの後焦点面における出射光強度の空間分布の観測された変化から計算される。この目的のために、後焦点面は、「円形」伝達プロフィールを有する特別な光減衰器上に再画像化される。パターン化された減衰器を通過する光は、プレーナフォトダイオードに当たり、それは、そこで軸線方向の光運動量フラックスに比例する電流信号を生成する。粒子による運動量フラックスのどのような変化も粒子に対する光力に等しく、従って、測定される外部軸線方向力に等しい。装置は、測定された一定の値、すなわち、光の速度、対物焦点長、及びプレーナフォトダイオードのパワー感度から較正される。較正は、粒子の形状、レーザのパワー、トラップ焦点の鋭さによって影響されず、又は粒子の屈折率にも影響されない。
【0007】
本発明は、第1及び第2の光ビームを発生させるための少なくとも1つのレーザ光源と、トラップ領域に粒子を捕捉するために第1及び第2の光ビームを逆伝播方式でトラップ領域に集束させるための第1及び第2のレンズと、トラップ領域を出る第1の光ビームのパワー偏向及びパワー集中の変化を測定するための第1の検出器と、トラップ領域を出る第2の光ビームのパワー偏向及びパワー集中の変化を測定するための第2の検出器とを含む、粒子を捕捉するための光トラップである。
【0008】
本発明の別の態様では、粒子を捕捉する方法は、第1及び第2の光ビームを発生させる段階と、トラップ領域に粒子を捕捉するために第1及び第2の光ビームを逆伝播方式でトラップ領域に集束させる段階と、トラップ領域を出る第1及び第2の光ビームのパワー偏向の変化を測定する段階と、トラップ領域を出る第1及び第2の光ビームのパワー集中の変化を測定する段階とを含む。
本発明の更に別の態様では、粒子を捕捉するための光トラップ装置は、第1の光ビームを発生させるためのレーザ光源と、トラップ領域に粒子を捕捉するために第1の光ビームをトラップ領域に集束させるための第1のレンズと、トラップ領域を透過した第1の光ビームを集束させるための第2のレンズとを含み、粒子は、第1の光線ビームの一部分を反射して、第1のレンズによって集束される第2の光ビームを生成し、装置は、更に、トラップ領域を出る第1の光ビームのパワー偏向及びパワー集中の変化を測定するための第1の検出器と、トラップ領域を出る第2の光ビームのパワー偏向及びパワー集中の変化を測定するための第2の検出器とを含む。
【0009】
本発明の更にもう1つの態様では、粒子を捕捉する方法は、第1の光ビームを発生させる段階と、トラップ領域に粒子を捕捉するために第1の光ビームをトラップ領域に集束させる段階とを含み、粒子は、第1の光ビームの一部分を反射して第2の光ビームを生成し、本方法は、更に、トラップ領域を出る第1及び第2の光ビームのパワー偏向の変化を測定する段階と、トラップ領域を出る第1及び第2の光ビームのパワー集中の変化を測定する段階とを含む。
本発明の他の目的及び特徴は、明細書、特許請求の範囲、及び添付図面を考察することによって明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、光が物体と相互作用する時の光の運動量の変化を検出することにより、捕捉された物体に対する光力を測定する方法及びシステムである。
光線は、光子の方向性のある流れと考えることができ、これは、それと共に運動量フラックスdP/dt=nW/cを運び、ここで、Wは光線によって運ばれるパワー(ワット)、cは光の速度、nは周囲のバッファの屈折率である。一対の対物レンズ2と、レンズの焦点域によって形成されたトラップ領域内でこのレンズ間に保持された粒子4とを包含する光トラップでは、特定の光線〔i〕は、図1に示すように、トラップの光軸に対する角度θi、φiを通して粒子4と相互作用することによって偏向させることができる。その光線により捕捉された粒子によって知覚される反力は、次の式で与えられる。
Fi=dPi/dt=(nWi/c)〔isinθicosφi+jsinθisinφi+k(1−cosφi)〕 (1)
【0011】
多くの光線が近くを通過する捕捉粒子に対する力を計算するために、トラップの近くに入射する及び出射する全ての光線のパワーを解析し、偏向されていない光線が出る時にそのフラックスの寄与を相殺するような符号慣例を使用して、式1に基づいてそれらを合計することで十分である。実験的には、そのような分析は、捕捉レンズの反対側の別のレンズを使用して出射光線を収集することによって行うことができる。その集光レンズがコマのない対物レンズ(捕捉レンズと同様)の場合、及び捕捉焦点が集光レンズの焦点でもあるように配置されている場合は、Abbeの正弦条件の特定バージョンが、集光レンズに当たる光線に対して成り立つ。この規則に基づいて、焦点から来て光軸に対して角度θi傾いている光線は、下の式によって与えられる光軸からの半径方向距離rで光軸に平行な後部主平面から発せられることになる。
ri=nsinθiRL (2)
ここで、RLは、集光レンズの焦点距離である。式(1)と(2)をx−y座標(x=rcosφ及びy=rsinφ)において組み合わせて全ての光線を合計すると、レンズに入射及び出射する光の空間強度分布W(x,y)enter及びW(x,y)exitを用いた粒子に対する力の式が与えられる。
Fx=(1/RLc)(〔ΣWixi〕enter−〔ΣWixi〕exit) (3a)
Fy=(1/RLc)(〔ΣWiyi〕enter−〔ΣWiyi〕exit) (3b)
Fz=(n/c){〔ΣWisqrt(1−(ri/nRL)2)〕enter−〔ΣWisqrt(1−(ri/nRL)2)〕exit} (3c)
【0012】
光強度の距離重み付け合計ΣWixi及びΣWiyiは、「パワー偏向」と呼ばれる。空間強度分布のこれらのモーメントは、集光レンズから出る光をパワー偏向検出器としても公知である位置感応型光検出器(PSD)上に投射することによって測定することができる。そのような検出器は、4つではなく1つの連続ダイオード(すなわち、パワー偏向センサ/検出器)6を構成するので、象限検出器とは異なる。それらは、図2に示すように、2つのプレートレジスタの間に挟まれたプレーナPIN接合フォトダイオードと考えることができる。光線が検出器6上の特定の点に当たると、それは、2つのプレーナレジスタをその点に電気接続する逆方向バイアスがかかっているダイオード層に正孔と電子を解放する。各軸(x、y)に対して、光線が当たるところから各電極までの距離次第で、2つの電極8の間のレジスタ層の対向する端部で派生電流(光線パワーWiに比例する)が分割される。PSDに当たる全ての光線からの電流は、このように端部からの距離によって重み付けされて線形的に合計される。図2に示すような演算増幅器回路10は、4つの電流信号を取り(2つは上部PSD層の中に、2つは底部から)、それらをx及びy距離で平均した強度に関して別々の信号に変換する。このように、パワー偏向は、光ビームを形成する全ての光線のパワーと軸外距離の尺度である。全体の光ビームのパワーが均一に増加し、及び/又は全体の光ビームが位置を正の方向にシフトすると、光ビームのパワー偏向は増加し、またその逆も可能である。
【0013】
PSD増幅器(図2)からの信号は、次の式で与えられる。
X=ΨΣWixi/RD (4a)
Y=ΨΣWiyi/RD (4b)
ここで、Ψは、PSDフォトダイオードのパワー応答度、RDは、正方形PSD検出器領域の半値幅、xi及びyiは、光線位置のx及びy成分、Wiは、それらの光線の各々のパワーである。
横方向の力のx及びy成分は、式3と4を組み合わせることによって与えられる。
Fx=ΔXRD/cΨRL (5a)
Fy=ΔYRD/cΨRL (5b)
ここで、ΔX及びΔYは、粒子に加えられた力のX及びY成分によって誘起されたパワー偏向検出器からの信号の変化を表している。
【0014】
PSD検出器からの信号は、入力光運動量が最初はヌルであるという条件で、捕捉粒子に対するx及びyの力の成分として直接使用することができる。換言すれば、PSDは、トラップに物体がない状態でX及びYの出力がゼロになるようにして予め配置される。対称入力ビームの場合、これによって検出器を光軸上に置くことになる。非対称入力ビームの場合、検出器をヌルにすることは、入射する光のフラックスがそのフレーム内でゼロの横方向(x、y)運動量を有するようにゼロ角度の基準をシフトする。粒子が捕捉されると、出力分布だけが変化して入力分布は変化しない。その場合でも、捕捉粒子に外力Fx及びFyが加えられるまで、出力分布は、対称(ヌル出力)のままである。
【0015】
光力センサに関する問題は、力を計算するために全ての出射光を収集する必要があることから派生している。単一ビーム光トラップは、強力な半径方向(x、y)捕捉力を加えることができるが、軸線方向(z)の力はかなり弱い。ビームに高い収束性があって、高NA対物レンズからの完全な周辺光線の集合を含まない限り、粒子は、粒子に対する反射又は光散乱力のためにトラップの後部(出口)側に逃げる場合がある。すなわち、出射光を全て回収するために、そのような高NAトラップは、高NA集光レンズを要求する。しかし、粒子に外力が作用すると、トラップからの出力光線は、入力光線よりも更に軸外に偏向されることになる。粒子の変位がより大きい場合、最も高いNA対物レンズを使用できてもそれらの出射周辺光線を収集できない。従って、以下に詳細に説明するように、単一ビーム光トラップではなく二重ビーム光トラップを使用した本発明の光運動量法を利用するのが望ましい(必ずしも必要ではないが)。
【0016】
しかし、対向するレンズを通して共通の焦点(すなわち、共通の焦点域)に収束する逆伝播レーザビームを使用することにより、より低いNAの光学装置で粒子を捕捉することが可能である。従って、反射又は散乱光の力が均衡して軸線方向の逃げ道が閉鎖される。そのような器具である二重逆伝播ビーム光トラップが実施されるようになっており、図3に概略示されている。別のダイオードレーザ装置12からの垂直に偏向された光ビーム(例えば、「SDL 5431」レーザからの200mWでの835nm光)が、偏向ビームスプリッタ18、1/4位相差板16、及び対物レンズ2(例えば、「Nikon 60X plan−Apo−water NA 1.2」)を通って送られ、そのために光ビームは、粒子4に出会うと円偏向される。出射光ビームは、反対側の対物レンズ2によって収集され、反対側の1/4位相差板16のところで水平に偏向されて偏向ビームスプリッタ18によって下向きに偏向され、非偏向ビームスプリッタ20によって一組のビームに分割される(好ましくは等分に)。第1の組のビームは、パワー偏向検出器22(ビームの横方向の運動量を測定する)に向けられ、第2の組のビームは、パワー集中検出器24(ビームの縦方向の運動量を測定する)に向けられる。粒子は、好ましくは、ヒートシールされたパラフィンストリップによって分離された2つのカバースリップで形成された流体チャンバ14の中に収容される。
【0017】
高NA対物レンズ2には、高角度の光線を集束/収集する能力があるが、それらに入るレーザビームは、直径が小さく保たれて後部開口を充填不足にする。従って、狭い円錐からの捕捉光線(低NAビーム)とこれらの光線の最も周辺にあるものとは、それらの光線が粒子4に対する外力の付与によって最初の低傾斜角の組の外側に偏向されていても、反対側のレンズ2によって収集することができる。この器具では、2つのビームからの横方向の力は一緒に加わり、従って、パワー偏向検出器22からの信号は、捕捉粒子に対する横方向の力のx及びy成分を与えるために合計されるべきである。
Fx=(ΔX1+ΔX2)RD/cΨRL (6a)
Fy=(ΔY1+ΔY2)RD/cΨRL (6b)
ここで、ΔX1とΔX2は、粒子に加えられた力のX成分によって誘発された第1及び第2の検出器からの信号の変化をそれぞれ表し、ΔY1とΔY2は、粒子に加えられた力のY成分によって誘発された第1及び第2の検出器からの信号の変化をそれぞれ表している。
【0018】
光軸Fzに沿った縦方向の力を得るために、異なる種類の検出器、すなわち、入射ビームのパワー集中を測定するものが利用される。パワー集中は、ビーム内のパワーの断面分布の尺度である。光ビームのパワーがビームの中心に向けてより集中すると、そのパワー集中はより大きくなる。反対に、ビームパワー分布がビームの中心から離れて更に広がると、そのパワー集中はより小さくなる。すなわち、例えば、パワー集中検出器は、ビーム内のパワー分布がビームの中心に向けて更に集中されるようになる時に増加又は減少する信号を生成し、その逆も可能である。パワー集中検出器の一例は、距離の重み(感度)が、式3cに基づいて例えばsqrt(1−(r/nRL)2)で光軸から減衰するものである。そのような応答は、図4に示すように、プレーナフォトダイオード30の上に置かれた円形伝達プロフィールの減衰器28を有するパワー集中検出器24によって得られる。円形伝達プロフィールTは、sqrt(1−(r/nRL)2)であり、rは、ここでは減衰器の中心からの半径方向の距離である。ピクセルとして数値的に生成された1つのこのようなプロフィールは、図4に示されている。
【0019】
減衰器28がそのパターン半径がnRLになるように構成されると、パターン中心から距離ri落下する強度Wiの光線iに対する検出器応答は、次の式で表される。
Z=Ψ’ΣWisqrt(1−(ri/nRL)2) (7)
ここで、Ψ’は、プレーナフォトダイオードの応答度である。式(3c)と(7)を組み合わせることにより、力信号Fzは、2つの対向する軸線方向パワー集中光検出器信号からの信号間の差に比例する(既知の係数により)。すなわち、
Fz=(n/c)(ΔZ1−ΔZ2)/Ψ’ (8)
ここで、ΔZ1とΔZ2は、捕捉粒子に対する縦方向の力に起因する2つのパワー集中検出器からの信号の変化を表している。
【0020】
実際には、レーザパワーと軸線方向検出器の感度の差を補償するために、いずれかの粒子がトラップに入射する前に任意のオフセットの追加により、差信号(ΔZ1−ΔZ2)が好ましくはヌルにされる。検出器22/24からの信号は、好ましくはプロセッサ14に送られ、このプロセッサは、上述の式を利用して粒子の力と変位を計算する。プロセッサ14は、独立型の装置、又は適切なソフトウエアを実行するパーソナルコンピュータにすることができる。
【0021】
上述の横方向の光力センサの利点は、実験条件に伴って変化しないRLとcのような一定の係数だけに依存して較正することである。力は、遠距離場で測定された光の線形運動量の保存から得られる。従って、力の測定は、粒子の形状及びサイズ及び屈折率のような捕捉/ビームの詳細とは無関係になる。残念なことに、上述の軸線方向力のセンサの場合、その較正は、粒子を取り囲む流体バッファの屈折率に伴って変化する。例えば、流体チャンバの内側の水に1モルのNaClを加えると、その屈折率が1.334から1.343まで変化する。そのような−1%の補正は、水に適する特定の半径(式7)を用いて円形プロフィール減衰器が構成されることを除き、式8の値に単に適用することができる。r/nRL<0.5の典型的な光線の場合、残留するz方向の力の誤差は、非常に小さく、すなわち、1/4パーセントよりも小さいことになる。
【0022】
室温又は湿度,及び多くの光学部品に対するその影響の変化のために、二重逆伝播ビームを使用する光トラップは、逆伝播ビームの焦点(焦点域)を一致させて保持するために一定のアラインメントを要求する。そのようなアラインメントは、1つの捕捉焦点を移動して他の上に置くことを含む。焦点を移動させるためには、ビーム角度を対物レンズの後部に入る方向に向けるか、又は全体の対物レンズを移動させなければならない。図5は、後者の種類のソリューションを示し、対物レンズ2の1つが圧電駆動x−y−zステージ32と共に動くことができて焦点と部分的に重なるように、図4の光トラップが修正される。他の修正は、第2の偏向ビームスプリッタ34とリレーレンズ36の追加を含む。粒子が捕捉された場合、これは、2つの逆伝播ビームの焦点がトラップを維持するために十分近くなり、粒子に対する外力が粒子を壊して自由にするには不十分であることを意味する。しかし、焦点のアラインメントが僅かにずれると、捕捉ビームは、粒子との共通の相互作用を通じて互いに力を作用させ合うことになる(運動量を交換する)。
【0023】
捕捉粒子に対する外部の横方向の力が両方の出射ビームを同じ方向に偏向させると同時に、焦点の横方向のアラインメントずれが、出射ビームを反対方向に偏向させる。この場合、アラインメント誤差を補正する情報(対物レンズを移動させることによる)を差動力信号から引き出すことができる。FxがPSD信号ΔX1+ΔX2の合計に比例するのに対して、x軸のアラインメント誤差は、それらの差、すなわち、ΔX1−ΔX2に比例する。横方向のアラインメントを制御するために、計器のコンピュータは、比例積分微分(PID)フィードバックアルゴリズムを使用してパワー偏向検出器22の横方向の力センサからの読みに基づいて圧電ステージを移動させる。ここで、x軸の誤差信号は、ΔX1−ΔX2であり、y軸の誤差信号は、ΔY1−ΔY2である。
【0024】
焦点はまた、光軸に沿ってもアラインメントがずれる場合があり、換言すれば、z軸に沿って互いに届かないか又は互いを超えることがある。前者の場合(届かない)、2つのビームは、捕捉粒子と共通の相互作用を通じて互いに前方に引き合って両者の前方への運動量を増加させる。従って、両方のビームは、光軸に関してより小さくなり(より集中され)、パターン化された減衰器(軸線方向の力センサ)を通してそれらの伝達を増大させる。後者の場合(互いを越して焦点が形成される)、ビームは、互いに減速してその出射角度が広げられ、パターン化された減衰器を通して伝達を低減する。軸線方向のアラインメント誤差信号は、トラップ内に粒子がある現在の軸線方向センサ出力(Z1+Z2)fullと、トラップが空であった時の以前の測定値(Z1+Z2)emptyのそれとの比較から引き出すことができる。しかし、「空」の測定値は、現在のものではなく、レーザパワーが経時的に変わる時に変える必要があるであろう。従って、ΔZ信号は、パワー偏向検出器の「合計」出力(図2参照)によって測定された時のそれらのそれぞれのレーザパワーによって正規化するのが最善である。次に、改善されたz軸誤差信号は次のようになる。
z−error=(Z1/Sum1+Z2/Sum2)full−(Z1/Sum1+Z2/Sum2)empty (9)
この軸線方向誤差は、コンピュータのPIDアルゴリズムによって処理されて対物XYZステージ32のz軸圧電にフィードバックされる。代替的に、レーザビームをレンズ2に送出するために光ファイバが使用された場合、光ファイバの送出端部とレンズ2の間の距離は、2つのビームの焦点を整合させるために誤差信号に基づいて調節することができる。そのようなシステムは、焦点の軸線方向アラインメントにおける温度ドリフトを補正する。
【0025】
本発明の逆伝播ビームレーザ光トラップは、対物レンズの後焦点面に配置された(又は、それを基準にした)専用の光度測定センサを利用して、そこでの光の強度の空間分布の変化と捕捉粒子に対する何らかの作用によって生じた変化とを測定する。ビームトラップは、ミクロンサイズの屈折粒子を操作すると同時に、捕捉光の運動量の変化を通して粒子に対する外力を測定する。本発明のビームトラップは、3つの直交軸における全ての粒子のピコニュートン外力を測定することができる。
【0026】
例えば、図3に示すように、分子40は、粒子4とピペット42の間に取り付けることができ、その機械的特性を調べることができる。ピペット42は、分子に対して機械的な応力を作用させるために移動させることができるので、分子に作用した力は、光トラップによって測定することができる。本発明を用いて、捕捉粒子に対する、及び従ってそこに付着した分子に対する3つの力の成分(Fx、Fy、Fz)全てを測定することができる。横方向及び軸線方向測定値の両方に対する較正は、焦点の鮮明度、粒子のサイズ/形状/屈折率、又はレーザパワーの変化に影響されず、両方とも横方向の誤差又は縦方向の誤差のいずれかに対する二重捕捉ビーム焦点のアラインメントのために使用することができる。横方向力センサの較正は、バッファ液体の屈折率の変化に影響されないのに対して、縦方向センサの較正は僅かに影響される。
【0027】
図6A、6B、7A、7B、及び8は、光トラップのアラインメントのための代替的な実施形態を示している。対物レンズ2の1つを移動させることによってビームの1つを移動させる代わりに、ピボット点のまわりに光ファイバを曲げるアクチュエータアセンブリ44を使用して、ビームは、光ビームをそれが対物レンズ2に届く前に移動させることによってトラップ内で(又は、他のあらゆる用途において)横方向に動かされる。より詳細には、図6Aに示すように、レーザダイオード12の光出力は、アクチュエータ(例えば、圧電素子)を用いて動かされて(駆動されて)高周波数応答(>2kHz)を達成するほぼ剛性の部分を有する低質量の光ファイバ46の中に結合される。光ファイバ46の送出端部62は、無限遠補正された顕微鏡対物レンズ2の後部に入る平行化された光線を生成するように、収斂レンズ48から1焦点距離(F)だけ離れて位置決めされる。光ファイバ46は、アクチュエータが動く時に光ファイバがその点の周りでピボット回転するように(曲げ距離BLで)、プレート、ブロック、又は他の剛性部材52によってピボット点X(レンズから遠く離れている)に保持される。
【0028】
ピボット点Xは、レンズの後部焦点の光軸に垂直な平面である対物レンズの後焦点面(BFP)の中心の点に対する共役焦点(コリメータレンズ48を通る)である。このようにして光ファイバをピボット回転させると、実際に光ファイバの送出端部62をレンズ2及び48の中心から離して傾斜させる。しかし、この動きにより対物レンズ2に入る光の角度が変わり(従って、トラップ焦点を横方向に向け)、一方でビームは、対物レンズ2のBFPにおいて静止を保つ(すなわち、ビームは、レンズ2のBFPの周りで回転する)。すなわち、光ファイバがその機械的ピボット点Xの周りでピボット回転する時に、光ビームは、光ピボット点P(BFPでの)の周りでピボット回転する。この構成の利点は、光トラップ内のブラウン運動を打ち消す一定位置フィードバックに対して要求されるように、それが、レンズ2の遠く離れた側でビームを平行移動する際のより高速の応答時間を提供することである。
【0029】
光トラップに対する較正安定性は、粒子サイズ、屈折率、又は捕捉位置の変化とは無関係に、光運動量フラックスの正確な測定から導き出される。リレーレンズ36が使用されて特に較正が捕捉位置の影響を受けないようにされる。レンズ2の右側と検出器の表面との間の図1の光線が平行であってかつ軸上にあるという条件で、数式3(a−c)の表現は正確である。しかし、実際には、レンズから出てくる光線が完全に平行か又は中心にあることはほとんどない。実際に、図6Aに示すように向きが変えられたトラップの場合、レンズに入射及び出射する光線は、故意に軸を外されている。レンズ2から検出器22/24まで輝度パターン(強度分布)を移す問題は、パターンが距離と共に軸から更に外れるか又は平行化誤差に依存してより大きく/より小さく成長するので、レンズ及び検出器間の大きな距離によって悪化するであろう。そのような影響を排除するための検出器を置く理想的な場所は、レンズ2の「後焦点面(BFP)」である。その場所では、光軸に対する捕捉位置の変化は、角度分布の式1を検出器上の空間分布(式3)にするのに影響を及ぼさないことになる。残念なことに、BFPは、一般的に、典型的な顕微鏡対物レンズ内部のどこかに位置している。検出器22/24をそのようなレンズ内部に実質的に配置するために、リレーレンズ36を使用して検出器の表面上にBFPを投射する。換言すれば、検出器22/24の検出器面は、別のリレーレンズ36を通して対物レンズ2のBFPに対する共役焦点面に配置される。
【0030】
捕捉移動にヌル感度を付与する共役平面構成の特定の例が図6Bに示されている。ここでは、ファイバのピボット点XがBFP1(第1の左側の対物レンズ2の後焦点面)に対して共役である。ファイバ端部からの光ビームは、BFP1で平行移動しないが、むしろファイバがピボット回転する時にBFP1の光軸の周りでピボット回転する。一方、光トラップでの(対物レンズ焦点での)光ビームは、捕捉粒子を操作するために対物焦点面内で平行移動する。二つの対物レンズ2は、それらの対物焦点面OFP’が一致するように置かれる。従って、BFP2(第2の右側の対物レンズ2の後焦点面)は、BFP1と共役になり、ピボット点Xとも共役になる。このように、光のビームは、BFP2で平行移動しないが、その代わりに、そこで光軸の周りでピボット回転する。この例では、焦点距離Aのリレーレンズ36は、BFP2と検出器22/24のうちの一方の表面との間の中間に配置される。距離2A(焦点距離Aの2倍)が、リレーレンズ36の両側に残される(BFP2とリレーレンズ36の間、及びリレーレンズ36と検出器22/24の間)。従って、BFP2は、倍率1で検出器表面上に画像化される。検出器表面は、BFP2と共役になり、従ってBFP1と、従ってピボット点Xと共役になる。光ビームは、光ファイバがピボット回転して光トラップが移動する時に検出器表面で平行移動しない。検出器22/24が光ビームの光軸上の中心に置かれた状態で、力信号は、光ビームを偏向させるものがトラップ内になければ、トラップ移動に関係なくヌルのままである。実際には、光ビームは、検出器22及び検出器24の両方の表面がピボット点Xと共役になるように分割される(図5に示すように)。
【0031】
図7A及び7Bは、本発明のアクチュエータアセンブリ44を示している。光ファイバ46は、クランプ締めされるか又はその他の方法でプレート又はブロック52によって固定された薄い金属チューブ50内にその送出端部を配置することによってピボット回転される。光ファイバ46は、好ましくは、それがチューブ端部54と共に動くようにその遠位端でチューブ50に固定化される。光ファイバは、チューブ端部54から外側に光を放出する(好ましくは、チューブ端部とファイバ遠位端は、隣接するか又は場合によっては一致する)。チューブ50とそこにある光ファイバ46のプレート/ブロック52から延びる部分は、光ファイバのほぼ剛性の部分を一緒に形成し、プレート/ブロック52は、この剛性部分をピボット回転させるための支持部材の役目をする。チューブ50(及び、そこにある光ファイバ46)に力を及ぼして偏向させる圧電スタックアクチュエータ56(「NEC Corp.」製「AE0203D08」など)に電気信号が供給される。2つのこのようなアクチュエータ56は、好ましくは、チューブ50の硬質球形拡大部58(ボールピボット)に作用し、直交する撓み偏向を与えることによってレーザ捕捉ビーム焦点の向きを対物焦点面の両方の横方向に変えるように直角に配置される。ボールピボット58をピボット点Xの近くにかつチューブの遠位端から遠くに配置すると、チューブ端部54の動きが増幅される。従って、短い距離を動く圧電スタックは、光ファイバの送出端部に長い距離を移動させることができる。z軸の調節は、ステージ又は第3の圧電アクチュエータを通じて圧電アクチュエータアセンブリ44全体を移動させる(レンズ2と共に)ことによって実施することができる。
【0032】
図8は、本発明のアクチュエータアセンブリ44の代替的な実施形態を示している。コリメータレンズ48の焦点距離とBFPまでの距離によっては、ピボット点Xを光ファイバ46の送出端部62にかなり近づける必要があるであろう(例えば、<1cm)。従って、大きなサイズのアクチュエータ56及び球形拡大部58を考慮すると、アクチュエータアセンブリ44は、図8に示すように構成することができ、光ファイバ46は、その出力端部62のより近くでピボット回転する(すなわち、ピボット点Xは、ファイバの送出端部に近い)。この構成により、アクチュエータ56は、外側チューブ60(チューブ50を同心円状に取り囲む)を押し/引きして曲げる。外側チューブ60は、好ましくは、その遠位端に配置された小さな正方形の孔を有する電気形成金属スクリーンであるピボットスクリーン64を含む。ガラス光ファイバ46は、チューブ50から延びてこれらの孔の1つを通過し、その孔の正方形コーナに静止している。そのすぐ近くで、光ファイバ46は、移動しないチューブ50内にクランプ締めされるか又はその他の方法で固定される。外側チューブ60が、アクチュエータの圧力によって曲がる(すなわち、ピボット点Yの周りでピボット回転する)ことができ、同時に内側チューブ50が真っ直ぐに保たれるように、チューブ50/60間には十分なクリアランスがある。従って、この実施形態では、ファイバのほぼ剛性の部分の支持部材として役に立つのは内側チューブ50であり、光ファイバのほぼ剛性の部分は、内側チューブ50から出て延びる光ファイバ46の部分である。光ファイバのこの部分は、一般的にピボット回転する時に重力の重さを受けても曲がらないように、十分な補強(別のチューブ又はプラスチックの鞘)か又はその固有の剛性に対して十分に短い長さのいずれかによってほぼ剛性である。外側チューブ60は、支持部材52に固定されてピボット点Yの周りでピボット回転し、これは、ピボットスクリーン64の移動によって光ファイバが偏向される時に光ファイバ46のほぼ剛性の部分をピボット点Xの周りでピボット回転させる。この構成には、通常のアクチュエータ移動にわたる2つのレベルの距離増幅があり、1つのレベルでは、外側チューブ60の遠位端がアクチュエータ56よりも遠くに移動し、別のレベルでは、光ファイバ46の出力端62がピボットスクリーン64よりも遠くに移動する(外側チューブ60の端部で)。
【0033】
図9は、床の振動、音響騒音、及び室温変動に妨害されないより正確な力/距離の測定を可能にする本発明の実施形態を示している。光学テーブル上の大きな器具は、人間が歩く床上に据えられている場合には、振動から隔離するのが特に困難である。そのようなテーブル上のエア・レッグ支持体は、低周波数(5Hz未満)の床振動を伝達して場合によっては増幅する可能性がある。大きな金属テーブルはまた、室温が変化する時に大きな寸法変化を受ける。幅1mの鋼鉄製テーブルは、室温が1℃上昇する毎に10,000ナノメートル以上膨張する可能性がある。光トラップ器具のサイズを小さくすることにより、全ての光学要素を温度制御された金属遮蔽物内に収容することが実際的になる(温度に起因する寸法変化を防ぎ、粉塵を遮断し、可聴室内ノイズを遮蔽するために)。同様に、器具を弾性コード又はバネによって天井から吊り下げ、従って、光学テーブルに比べて低周波数カットオフまで(<1Hz)それを建物/床の振動からより良く隔離することが可能になる。
【0034】
すなわち、上述の逆伝播ビームレーザ光トラップは、次の5つの変更を行って小型化することができる。(1)全てのレンズ及びプリズム構成要素をレーザビーム直径と矛盾しない最小サイズに縮小する。(2)全ての自由空間光路を最小長さに縮小する。(3)光学ブレッドボードテーブルを特注機械加工した光学レールと交換する。(4)レーザ調整用光学部品内の多くの部品(すなわち、コリメータレンズ付き加熱/冷却ダイオードレーザマウント、ファラデーアイソレータ、アナモフィックプリズム、非点収差補正レンズ、空間フィルタ入力レンズ、ピンホールフィルタ、及び空間フィルタ出力レンズ)を単一の小さな構成要素、すなわち、単一モード光ファイバに結合された「バタフライマウント」温度制御ダイオードレーザと交換する。(5)最後に、組み立てられた光学構成要素を付属加熱器(サーモスタット制御されてハウジング温度を一定に保つ)付きのアルミニウムハウジングに封入する。2つの付加的な改善は、流体が漏れた時に塩分バッファが光学部品から離れて下向きに滴下するように光学構成要素と同じ高さ又はその下に対物レンズ及び流体チャンバを配置すること、及びレーザ捕捉焦点の独立した平行移動のための上述の対物焦点面圧電駆動光ビームトランスレータを使用することを含むことができる。
【0035】
上述の小型化と矛盾しないように、図9の光トラップは、1つ又はそれよりも多くの温度自動調節加熱器72で温度が制御されたハウジング70(好ましくはアルミニウム製)を含む。光学構成要素は、対物レンズ2、プリズム/レンズアセンブリ76(ビームスプリッタ18、1/4位相差板16、その他を含む)、圧電アクチュエータアセンブリ44、検出器22/24、及び流体チャンバ26と同じ高さ又は場合によってはそれよりも上方に装着されたレーザダイオード12と共に光学レール74に装着される。対物レンズの光学チェーンを通して粒子の画像を捕捉するために、CCDカメラ78と可視光源80を含めることができる。取付リング84とコード86(例えば、振動減衰弾性又はバンジー形コード)を使用してハウジング70を吊り下げる。
【0036】
上述した図3−5、及び9に示すように、縦方向運動量測定は、逆伝播ビームを有する光トラップを使用してより都合良く測定されるが、ここで以下に説明するように、単一ビームを有する光トラップを使用してそのような測定を行うことが可能であることに注意すべきである。
捕捉粒子に対する外力は、トラップに入る光に対するトラップから出る光の運動量の変化として表される。従って、有効な力の測定を行うために、トラップに入る光の強度分布と出るものとの両方を知ることは重要である。横方向力の場合、この作業は、パワー偏向検出器22を偏向されていないビームの中心の位置に移動させることによって簡略化される。この調節は、作動しているがトラップに粒子がないレーザ12を使用して行われる。より詳細には、パワー偏向検出器22は、トラップを出射する光だけを測定して入射光を測定しないので、式3で要求される積分の半分だけしか実行しない。この問題は、トラップ内に粒子がない時に出力ビームが検出器の中心にあって差信号がなくなるように、検出器を光軸上に整合させることによって解決される。トラップに入射する光は、この基準系内では横方向運動量を持っておらず、粒子が導入された後でさえも考慮に入れる必要がない。出射光だけが粒子との相互作用によって影響される。
【0037】
しかし、レーザがオンでトラップ内に粒子がない時にその出力をヌルにするための図3に示すようなパワー集中検出器を移動する方法はない。軸線方向力の場合、適正なZ軸の力を与えるために、式3(C)も「差が取られる」べきである。各パワー集中検出器に対する信号は、トラップ内に粒子がない状態で信号値Zinitialを測定し、次にトラップ内に物体がある状態で信号値Zfinalを測定すること、及び差ΔZ=Zfinal−Zinitialを取ることの2つのステップで実行すべきである。このΔZ=0の場合、この特定のPSDによって検出された光のビームに外力は作用していない。従って、式(7)は、次のように修正することができる。
Z=Ψ’{〔ΣWisqrt(1−(ri/nRL)2〕final−〔ΣWisqrt(1−(ri/nRL)2)〕initial} (10)
かつ、単一ビームトラップに対する式8の補正した形は、単に以下のようになるであろう。
FZ=(n/c)(ΔZ)/Ψ’ (11)
残念なことに、これ以上の考察は、単一ビームトラップにおける(又は、レーザパワーが異なる二重ビームに対する)力の測定を複雑にする。プラスチック又はシリカビーズのようなほとんどの捕捉粒子は、反射防止被覆されていない。従って、それらの誘電体/水界面で小さなフレネル反射が生じる。捕捉ビームのこの反射は、捕捉粒子に対して圧力を作り出してそれをトラップ内で前方に移動させる(レーザ光源から離れる方向に)。何らかの平衡位置において、前方への力は、屈折力によって均衡する。ここで、伝達された光線の前方運動量は、反射光から跳ね返る運動量と均衡するのにちょうど十分なだけ光軸近くで光線を集中させることによって増大する。粒子を単一ビームトラップ内に入れると、それがトラップ内で僅かに前方に沈降し、粒子に対する外力がなくてもZfinalがZinitialよりも増大することになる。
【0038】
検出器信号のこの誤ったZ方向力成分を処理するいくつかの可能な技術が存在する。それは、第1に、粒子がトラップの中心に残留するように、パワーが等しい2つの逆伝播ビームを備えた二重ビーム光トラップを使用することであり、第2に、Zinitialは捕捉粒子から判断されるが、その粒子に対する外力がゼロであることが既知である場合に差の測定を行うことである。次に、外力を加えてZfinalを測定する。このような技術は、実際に使用するのが不便である場合がある。第3に、単一ビームを使用するが図3に示されているのと同様の方法で2つのパワー偏向検出器22と2つのパワー集中検出器24とを使用することがある(すなわち、基本的に、この図の構成からレーザ装置12の1つを省略する)。この第3の技術をここでより詳細に説明する。
【0039】
図3の検出器22/24は、反対側のレーザから伝達した光を測定する。しかし、1/4位相差板16の構成を使用して、近い側の対物レンズ2によって粒子から反射したあらゆる光を集めて近い側の検出器22/24に再度向けることができる。従って、反射光は、力を計算するための運動量フラックスとして正しく計数される。従って、レーザの1つを図3の構成から省略することにより、一組の検出器22/24を使用して伝達光が測定され、他の組の検出器22/24を使用して反射光が測定される。そのような構成でZ方向力を測定するために、トラップに粒子がない伝達及び反射光の両方に対するZinitial信号が最初に得られる。次に、任意の外力を受ける粒子が捕捉され、次の式により伝達及び反射光の両方に対するZfinal信号が測定される。
Ztransmitted=Ztransmitted-final−Ztransmitted-initial (12a)
Zreflected=Zreflected-final−Zreflected-initial (12b)
従って、力の信号Fzは、次の式で表される。
FZ=(n/c)(ΔZtransmitted−ΔZreflected)/Ψ’ (13)
これは、式8による二重ビーム光トラップのものと物理的に同じ測定である。
【0040】
各組の検出器22/24は、光ビームの横方向と縦方向の運動量の両方を測定する単一の検出器に組み合わせることができることに注意すべきである。より詳細には、パワー偏向検出器22、パワー集中検出器24、及びビームスプリッタ20は、図10に示すように単一の検出器90で置換することができる。検出器90は、適切な電子読み出しインタフェースを備えた受光素子(ピクセル)の二次元アレイを含む。ピクセル強度は、コンピュータ又は制御回路に読み取ることができ、そこで、力は、光軸からの距離によって個々のピクセル強度に重み付けすることにより数値的に計算され、式3に基づいてそれらが結合される。代替的に、ピクセル強度を局所的に処理することができ(検出器チップ上で)、ピクセル強度分布のモーメントが抽出される。検出器90の使用において、Wiは、特定ピクセルでの光の強度であり、距離xiは、そのピクセルのx座標に対応し(中心=0に対して)、距離yiは、そのy座標であり、その半径は、ri=sqrt(xi2+yi2)によって与えられると考えられる。CCDテレビジョンカメラ及びフレーム取込み器は、特に、トラップ内のブラウン運動を打ち消すために周波数応答(露出、読み出し、及び計算時間を含む)が5000Hzを超える場合に、そのようなデータの収集には十分であろう。新しく開発された高速度カメラ及びフレーム取込み器は、現在入手可能である(「EPIX、Inc」、http://www.epixcorp.com/products/pixci_cl3sd.htmを参照されたい)。次に、信号プロセッサ100は、2つのそのようなカメラ/フレーム取込み器の組合せからデジタルデータを受け取るであろう。ピクセルアレイ検出器における低価格と高速度の両方が約束された新しい部類のデジタルPSD(「プロフィールセンサ」とも呼ばれる)が入手可能である。これらの検出器は、コンピュータに送る必要があるシリアルデータの量を低減するためにピクセルアレイと同じチップ上でピクセルデータを事前処理し、すなわち、フレーム取込み器−プロセッサ機能が「内蔵」されている(例えば、「Hamamatsu(半導体部門)プロフィールセンサS9132予備データシート」、2004年1月、及び、http://www.itc.it/soi_publications/pub/43.pdfでオンライン上で入手可能なMassari他「高速度デジタル「CMOS 2D」光学位置感応検出器」、欧州半導体回路会議(ESSCIRC)、2002年を参照されたい)。
【0041】
本発明は、本明細書で上述して示した実施形態に制約されず、特許請求の範囲の範囲に含まれるいずれかの及び全ての変形を包含することは理解されるものとする。例えば、本発明で使用される場合、コリメータレンズ又は平行化するレンズは、単に、発散する又は収束する光ビームをより平行にするものであり、必ずしも得られる光ビームを完全に平行にするものではない。従って、本発明で使用される場合、平行化されたビームとは、コリメータレンズを通過する前のものよりも発散性/収束性が少ないビームである。単一のレンズは、複数のレンズを含むことができると考えられ、その逆も可能である。単一のレーザ装置は、図3に示す2つの光源の代わりに、逆伝播光ビームの組を生成することができると考えられる(例えば、ビームスプリッタを使用して)。アクチュエータ56は、好ましくは圧電素子であるが、それらは、光ファイバを動かすか又はそれに力を加えるためのあらゆる従来型の機械装置とすることができると考えられる。ピボット点Xと光ファイバ出力端部62との間の光ファイバ46のほぼ剛性の部分は、必ずしも真っ直ぐである必要はないが、光ファイバがピボット回転する時に光ファイバに対するビームの出射角度を維持するほど十分に剛性であるべきである。スクリーン64は、棚、小穴、くびれた端部で置換することができ、又は単純に全て省略することができると考えられる(仮に外側チューブ60の端部が、光ファイバの剛体部分を十分に制御すれば)。上述の方程式と単一又は図3の二重ビーム装置に対して、集光レンズの焦点距離RLが等しくないか、又はパワー偏向検出器22のパワー応答度Ψが等しくないか、又はパワー集中検出器22のパワー応答度Ψ’が等しくないか、又はパワー偏向検出器22の正方形区域RDの半値幅が等しくない場合には、上述の方程式を相応に拡張することができることを当業者は認めるであろう。例えば、式6a(Fx=(ΔX1+ΔX2)RD/cΨRL)は、Fx=ΔX1RD1/cΨ1RL2+ΔX2RD2/cΨ2RL1の簡略式であり、式6b(Fy=(ΔY1+ΔY2)RD/cΨRL)は、Fy=ΔY1RD1/cΨ1RL2+ΔY2RD2/cΨ2RL1の簡略式であり、第1及び第2のレンズ2、第1及び第2のパワー偏向検出器20、及び第1及び第2のパワー集中検出器24のあらゆる等しくない特性に適応させるものである。異なる焦点距離の対物レンズに対して、パターン化された減衰器28も同様に異なる必要があるであろう。ピボット点Xと光ファイバ出力端部62との間の光ファイバ46の部分は、真っ直ぐである必要はないが、光ファイバからのビームの出射角度を維持するために剛性であるべきである。最後に、上述の検出器が、それらをビーム上の中心を置くことによってヌルにされない場合には、ヌル化は、中心にないビームが原因で存在している信号の部分を信号から減算する(すなわち、トラップに粒子がない光ビームを使用して、又は粒子に力が加えられていないトラップ内の粒子から信号を測定する)ことによって実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】光トラップに捕捉粒子を示す図である。
【図2】パワー偏向検出器と光トラップから出る光を分析するための回路とを示す概略図である。
【図3】本発明の逆伝播ビーム光トラップを示す図である。
【図4】本発明のパワー集中検出器を示す図である。
【図5】本発明の光トラップを整合させるための第1の技術を示す図である。
【図6A】光トラップにレーザビームを送出する光ファイバを偏向させることによる本発明の光トラップを整合させるための第2の技術を示す図である。
【図6B】光ファイバのピボット点に接合して検出器表面を配置する方法を示す図である。
【図7A】光トラップ内でレーザビームを整合させるために圧電アクチュエータを使用する偏向光ファイバビームアラインメント技術の側面図である。
【図7B】光トラップ内でレーザビームを整合させるために圧電アクチュエータを使用する偏向光ファイバビームアラインメント技術の端面図である。
【図8】偏向光ファイバビームアラインメント技術の代替的な実施形態の側面図である。
【図9】本発明の逆伝播ビーム光トラップの小型化及び封入バージョンの側面図である。
【図10】力測定光トラップ器具におけるピクセルアレイ検出器とデジタル信号プロセッサの使用を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本出願は、2003年9月19日出願の米国特許仮出願第60/504,067号の恩典を請求する。
政府の補助
本発明は、NIHによって与えられた助成(契約)番号GM−32543、及びNSFによって与えられた助成番号MBC−9118482及びDBI−9732140の下で政府の支援によって行われたものである。政府は、本発明に対してある一定の権利を有する。
本発明は、光学的粒子捕捉に関し、より詳細には、レーザ光を使用して極めて小さな物体を捕捉して操作し、これらの物体に付与された微小な力を横方向及び縦方向の両方に測定するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
微粒子を光学的に捕捉するための装置は、「光トラップ」又は「光ピンセット」として公知である。この技術は、微小物体によってその物体を捕捉し、浮揚させ、移動させるために屈折させられた1つ又はそれよりも多くのレーザビームによって作り出された力に依存する。顕微鏡の対物レンズを通して非常に小さな点(焦点域)までレーザビームの焦点を合わせることにより、ガラス、プラスチック、又は油滴のような屈折率が高い粒子は、ビームの強力な領域に引き付けられ、ビームの焦点域に永久に捕捉することができる。捕捉された物体に対してピコニュートン以下の精度で微小な力を測定することができるために、生物学者は、光トラップにかなりの興味を持っている。走査力顕微鏡のような従来技術ではそのように小さな力にはアクセスできなかったので、光トラップは、生物学において主要な研究ツールとなっている。
【0003】
そのような力を測定するための1つの(好ましい)方法は、粒子と相互作用した後で光を捕捉して解析する段階と、粒子との相互作用による光の運動量フラックスの変化を計算する段階とを含む。単一ビームトラップは、効率的に捕捉するためにかなり周辺の光線を必要とするが、高い開口数(NA)のレンズでさえも粒子と相互作用した時にこれらの光線全てを受け入れることができずに光軸から遠く離れて偏向することを考えれば、光トラップを出る全ての光を捕捉するのは困難になる可能性がある。そのような場合には、光トラップを出る全ての光を捕捉して解析するのは困難であるとすることができる。従って、この問題に対処するために、二重ビーム光トラップが開発されている。従来の逆伝播ビーム光トラップは、粒子を捕捉し、それらの粒子に付与された極めて小さな横方向の力を測定するために使用されている。例えば、「光運動量フラックスの変化を測定する光ピンセットシステム」、Rev.Sci.Instrum.、第73巻、第6号、2002年6月を参照されたい。二重ビームトラップはまた、屈折率の高い粒子を捕捉するのに単一ビームトラップよりも優れている。
【0004】
従来の運動量感知光トラップ、及び特に二重ビーム逆伝播光トラップの1つの欠点は、それらが粒子に対する横方向の力(x及びy方向)だけを検出及び測定することである。従来の光トラップは、粒子に対する軸線方向の力(z方向)を検出及び測定しない。更に、逆伝播光トラップは、アラインメント、すなわち、2つのビームの焦点を共通の点で一緒にするのが困難になる可能性がある。
外力の3つの成分の全てを測定し、かつアラインメントが容易な光トラップシステム(及び方法)に対する必要性が存在する。
【0005】
【特許文献1】米国特許仮出願第60/504,067号
【非特許文献1】「光運動量フラックスの変化を測定する光ピンセットシステム」、Rev.Sci.Instrum.、第73巻、第6号、2002年6月
【非特許文献2】「Hamamatsu(半導体部門)プロフィールセンサS9132予備データシート」、2004年1月
【非特許文献3】Massari他「高速度デジタル「CMOS 2D」光学位置感応検出器」、欧州半導体回路会議(ESSCIRC)、2002年
【発明の開示】
【0006】
光トラップ(OT)内の捕捉粒子に作用することができるあらゆる外力の3つのベクトル成分を全て取得することが望ましい。横方向光力センサを装着した逆伝播ビームOTに対する改善として、本発明は、捕捉粒子に対して作用する軸線方向力成分の同時(横方向成分との)測定を可能にする「軸線方向光力センサ」を含む。本発明は、捕捉レーザ光をそれが粒子を通過してトラップの周辺から離れた後で収集して解析する。軸線方向の力は、軸線方向の光運動量フラックスの変化から計算され、これは、対物集光レンズの後焦点面における出射光強度の空間分布の観測された変化から計算される。この目的のために、後焦点面は、「円形」伝達プロフィールを有する特別な光減衰器上に再画像化される。パターン化された減衰器を通過する光は、プレーナフォトダイオードに当たり、それは、そこで軸線方向の光運動量フラックスに比例する電流信号を生成する。粒子による運動量フラックスのどのような変化も粒子に対する光力に等しく、従って、測定される外部軸線方向力に等しい。装置は、測定された一定の値、すなわち、光の速度、対物焦点長、及びプレーナフォトダイオードのパワー感度から較正される。較正は、粒子の形状、レーザのパワー、トラップ焦点の鋭さによって影響されず、又は粒子の屈折率にも影響されない。
【0007】
本発明は、第1及び第2の光ビームを発生させるための少なくとも1つのレーザ光源と、トラップ領域に粒子を捕捉するために第1及び第2の光ビームを逆伝播方式でトラップ領域に集束させるための第1及び第2のレンズと、トラップ領域を出る第1の光ビームのパワー偏向及びパワー集中の変化を測定するための第1の検出器と、トラップ領域を出る第2の光ビームのパワー偏向及びパワー集中の変化を測定するための第2の検出器とを含む、粒子を捕捉するための光トラップである。
【0008】
本発明の別の態様では、粒子を捕捉する方法は、第1及び第2の光ビームを発生させる段階と、トラップ領域に粒子を捕捉するために第1及び第2の光ビームを逆伝播方式でトラップ領域に集束させる段階と、トラップ領域を出る第1及び第2の光ビームのパワー偏向の変化を測定する段階と、トラップ領域を出る第1及び第2の光ビームのパワー集中の変化を測定する段階とを含む。
本発明の更に別の態様では、粒子を捕捉するための光トラップ装置は、第1の光ビームを発生させるためのレーザ光源と、トラップ領域に粒子を捕捉するために第1の光ビームをトラップ領域に集束させるための第1のレンズと、トラップ領域を透過した第1の光ビームを集束させるための第2のレンズとを含み、粒子は、第1の光線ビームの一部分を反射して、第1のレンズによって集束される第2の光ビームを生成し、装置は、更に、トラップ領域を出る第1の光ビームのパワー偏向及びパワー集中の変化を測定するための第1の検出器と、トラップ領域を出る第2の光ビームのパワー偏向及びパワー集中の変化を測定するための第2の検出器とを含む。
【0009】
本発明の更にもう1つの態様では、粒子を捕捉する方法は、第1の光ビームを発生させる段階と、トラップ領域に粒子を捕捉するために第1の光ビームをトラップ領域に集束させる段階とを含み、粒子は、第1の光ビームの一部分を反射して第2の光ビームを生成し、本方法は、更に、トラップ領域を出る第1及び第2の光ビームのパワー偏向の変化を測定する段階と、トラップ領域を出る第1及び第2の光ビームのパワー集中の変化を測定する段階とを含む。
本発明の他の目的及び特徴は、明細書、特許請求の範囲、及び添付図面を考察することによって明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、光が物体と相互作用する時の光の運動量の変化を検出することにより、捕捉された物体に対する光力を測定する方法及びシステムである。
光線は、光子の方向性のある流れと考えることができ、これは、それと共に運動量フラックスdP/dt=nW/cを運び、ここで、Wは光線によって運ばれるパワー(ワット)、cは光の速度、nは周囲のバッファの屈折率である。一対の対物レンズ2と、レンズの焦点域によって形成されたトラップ領域内でこのレンズ間に保持された粒子4とを包含する光トラップでは、特定の光線〔i〕は、図1に示すように、トラップの光軸に対する角度θi、φiを通して粒子4と相互作用することによって偏向させることができる。その光線により捕捉された粒子によって知覚される反力は、次の式で与えられる。
Fi=dPi/dt=(nWi/c)〔isinθicosφi+jsinθisinφi+k(1−cosφi)〕 (1)
【0011】
多くの光線が近くを通過する捕捉粒子に対する力を計算するために、トラップの近くに入射する及び出射する全ての光線のパワーを解析し、偏向されていない光線が出る時にそのフラックスの寄与を相殺するような符号慣例を使用して、式1に基づいてそれらを合計することで十分である。実験的には、そのような分析は、捕捉レンズの反対側の別のレンズを使用して出射光線を収集することによって行うことができる。その集光レンズがコマのない対物レンズ(捕捉レンズと同様)の場合、及び捕捉焦点が集光レンズの焦点でもあるように配置されている場合は、Abbeの正弦条件の特定バージョンが、集光レンズに当たる光線に対して成り立つ。この規則に基づいて、焦点から来て光軸に対して角度θi傾いている光線は、下の式によって与えられる光軸からの半径方向距離rで光軸に平行な後部主平面から発せられることになる。
ri=nsinθiRL (2)
ここで、RLは、集光レンズの焦点距離である。式(1)と(2)をx−y座標(x=rcosφ及びy=rsinφ)において組み合わせて全ての光線を合計すると、レンズに入射及び出射する光の空間強度分布W(x,y)enter及びW(x,y)exitを用いた粒子に対する力の式が与えられる。
Fx=(1/RLc)(〔ΣWixi〕enter−〔ΣWixi〕exit) (3a)
Fy=(1/RLc)(〔ΣWiyi〕enter−〔ΣWiyi〕exit) (3b)
Fz=(n/c){〔ΣWisqrt(1−(ri/nRL)2)〕enter−〔ΣWisqrt(1−(ri/nRL)2)〕exit} (3c)
【0012】
光強度の距離重み付け合計ΣWixi及びΣWiyiは、「パワー偏向」と呼ばれる。空間強度分布のこれらのモーメントは、集光レンズから出る光をパワー偏向検出器としても公知である位置感応型光検出器(PSD)上に投射することによって測定することができる。そのような検出器は、4つではなく1つの連続ダイオード(すなわち、パワー偏向センサ/検出器)6を構成するので、象限検出器とは異なる。それらは、図2に示すように、2つのプレートレジスタの間に挟まれたプレーナPIN接合フォトダイオードと考えることができる。光線が検出器6上の特定の点に当たると、それは、2つのプレーナレジスタをその点に電気接続する逆方向バイアスがかかっているダイオード層に正孔と電子を解放する。各軸(x、y)に対して、光線が当たるところから各電極までの距離次第で、2つの電極8の間のレジスタ層の対向する端部で派生電流(光線パワーWiに比例する)が分割される。PSDに当たる全ての光線からの電流は、このように端部からの距離によって重み付けされて線形的に合計される。図2に示すような演算増幅器回路10は、4つの電流信号を取り(2つは上部PSD層の中に、2つは底部から)、それらをx及びy距離で平均した強度に関して別々の信号に変換する。このように、パワー偏向は、光ビームを形成する全ての光線のパワーと軸外距離の尺度である。全体の光ビームのパワーが均一に増加し、及び/又は全体の光ビームが位置を正の方向にシフトすると、光ビームのパワー偏向は増加し、またその逆も可能である。
【0013】
PSD増幅器(図2)からの信号は、次の式で与えられる。
X=ΨΣWixi/RD (4a)
Y=ΨΣWiyi/RD (4b)
ここで、Ψは、PSDフォトダイオードのパワー応答度、RDは、正方形PSD検出器領域の半値幅、xi及びyiは、光線位置のx及びy成分、Wiは、それらの光線の各々のパワーである。
横方向の力のx及びy成分は、式3と4を組み合わせることによって与えられる。
Fx=ΔXRD/cΨRL (5a)
Fy=ΔYRD/cΨRL (5b)
ここで、ΔX及びΔYは、粒子に加えられた力のX及びY成分によって誘起されたパワー偏向検出器からの信号の変化を表している。
【0014】
PSD検出器からの信号は、入力光運動量が最初はヌルであるという条件で、捕捉粒子に対するx及びyの力の成分として直接使用することができる。換言すれば、PSDは、トラップに物体がない状態でX及びYの出力がゼロになるようにして予め配置される。対称入力ビームの場合、これによって検出器を光軸上に置くことになる。非対称入力ビームの場合、検出器をヌルにすることは、入射する光のフラックスがそのフレーム内でゼロの横方向(x、y)運動量を有するようにゼロ角度の基準をシフトする。粒子が捕捉されると、出力分布だけが変化して入力分布は変化しない。その場合でも、捕捉粒子に外力Fx及びFyが加えられるまで、出力分布は、対称(ヌル出力)のままである。
【0015】
光力センサに関する問題は、力を計算するために全ての出射光を収集する必要があることから派生している。単一ビーム光トラップは、強力な半径方向(x、y)捕捉力を加えることができるが、軸線方向(z)の力はかなり弱い。ビームに高い収束性があって、高NA対物レンズからの完全な周辺光線の集合を含まない限り、粒子は、粒子に対する反射又は光散乱力のためにトラップの後部(出口)側に逃げる場合がある。すなわち、出射光を全て回収するために、そのような高NAトラップは、高NA集光レンズを要求する。しかし、粒子に外力が作用すると、トラップからの出力光線は、入力光線よりも更に軸外に偏向されることになる。粒子の変位がより大きい場合、最も高いNA対物レンズを使用できてもそれらの出射周辺光線を収集できない。従って、以下に詳細に説明するように、単一ビーム光トラップではなく二重ビーム光トラップを使用した本発明の光運動量法を利用するのが望ましい(必ずしも必要ではないが)。
【0016】
しかし、対向するレンズを通して共通の焦点(すなわち、共通の焦点域)に収束する逆伝播レーザビームを使用することにより、より低いNAの光学装置で粒子を捕捉することが可能である。従って、反射又は散乱光の力が均衡して軸線方向の逃げ道が閉鎖される。そのような器具である二重逆伝播ビーム光トラップが実施されるようになっており、図3に概略示されている。別のダイオードレーザ装置12からの垂直に偏向された光ビーム(例えば、「SDL 5431」レーザからの200mWでの835nm光)が、偏向ビームスプリッタ18、1/4位相差板16、及び対物レンズ2(例えば、「Nikon 60X plan−Apo−water NA 1.2」)を通って送られ、そのために光ビームは、粒子4に出会うと円偏向される。出射光ビームは、反対側の対物レンズ2によって収集され、反対側の1/4位相差板16のところで水平に偏向されて偏向ビームスプリッタ18によって下向きに偏向され、非偏向ビームスプリッタ20によって一組のビームに分割される(好ましくは等分に)。第1の組のビームは、パワー偏向検出器22(ビームの横方向の運動量を測定する)に向けられ、第2の組のビームは、パワー集中検出器24(ビームの縦方向の運動量を測定する)に向けられる。粒子は、好ましくは、ヒートシールされたパラフィンストリップによって分離された2つのカバースリップで形成された流体チャンバ14の中に収容される。
【0017】
高NA対物レンズ2には、高角度の光線を集束/収集する能力があるが、それらに入るレーザビームは、直径が小さく保たれて後部開口を充填不足にする。従って、狭い円錐からの捕捉光線(低NAビーム)とこれらの光線の最も周辺にあるものとは、それらの光線が粒子4に対する外力の付与によって最初の低傾斜角の組の外側に偏向されていても、反対側のレンズ2によって収集することができる。この器具では、2つのビームからの横方向の力は一緒に加わり、従って、パワー偏向検出器22からの信号は、捕捉粒子に対する横方向の力のx及びy成分を与えるために合計されるべきである。
Fx=(ΔX1+ΔX2)RD/cΨRL (6a)
Fy=(ΔY1+ΔY2)RD/cΨRL (6b)
ここで、ΔX1とΔX2は、粒子に加えられた力のX成分によって誘発された第1及び第2の検出器からの信号の変化をそれぞれ表し、ΔY1とΔY2は、粒子に加えられた力のY成分によって誘発された第1及び第2の検出器からの信号の変化をそれぞれ表している。
【0018】
光軸Fzに沿った縦方向の力を得るために、異なる種類の検出器、すなわち、入射ビームのパワー集中を測定するものが利用される。パワー集中は、ビーム内のパワーの断面分布の尺度である。光ビームのパワーがビームの中心に向けてより集中すると、そのパワー集中はより大きくなる。反対に、ビームパワー分布がビームの中心から離れて更に広がると、そのパワー集中はより小さくなる。すなわち、例えば、パワー集中検出器は、ビーム内のパワー分布がビームの中心に向けて更に集中されるようになる時に増加又は減少する信号を生成し、その逆も可能である。パワー集中検出器の一例は、距離の重み(感度)が、式3cに基づいて例えばsqrt(1−(r/nRL)2)で光軸から減衰するものである。そのような応答は、図4に示すように、プレーナフォトダイオード30の上に置かれた円形伝達プロフィールの減衰器28を有するパワー集中検出器24によって得られる。円形伝達プロフィールTは、sqrt(1−(r/nRL)2)であり、rは、ここでは減衰器の中心からの半径方向の距離である。ピクセルとして数値的に生成された1つのこのようなプロフィールは、図4に示されている。
【0019】
減衰器28がそのパターン半径がnRLになるように構成されると、パターン中心から距離ri落下する強度Wiの光線iに対する検出器応答は、次の式で表される。
Z=Ψ’ΣWisqrt(1−(ri/nRL)2) (7)
ここで、Ψ’は、プレーナフォトダイオードの応答度である。式(3c)と(7)を組み合わせることにより、力信号Fzは、2つの対向する軸線方向パワー集中光検出器信号からの信号間の差に比例する(既知の係数により)。すなわち、
Fz=(n/c)(ΔZ1−ΔZ2)/Ψ’ (8)
ここで、ΔZ1とΔZ2は、捕捉粒子に対する縦方向の力に起因する2つのパワー集中検出器からの信号の変化を表している。
【0020】
実際には、レーザパワーと軸線方向検出器の感度の差を補償するために、いずれかの粒子がトラップに入射する前に任意のオフセットの追加により、差信号(ΔZ1−ΔZ2)が好ましくはヌルにされる。検出器22/24からの信号は、好ましくはプロセッサ14に送られ、このプロセッサは、上述の式を利用して粒子の力と変位を計算する。プロセッサ14は、独立型の装置、又は適切なソフトウエアを実行するパーソナルコンピュータにすることができる。
【0021】
上述の横方向の光力センサの利点は、実験条件に伴って変化しないRLとcのような一定の係数だけに依存して較正することである。力は、遠距離場で測定された光の線形運動量の保存から得られる。従って、力の測定は、粒子の形状及びサイズ及び屈折率のような捕捉/ビームの詳細とは無関係になる。残念なことに、上述の軸線方向力のセンサの場合、その較正は、粒子を取り囲む流体バッファの屈折率に伴って変化する。例えば、流体チャンバの内側の水に1モルのNaClを加えると、その屈折率が1.334から1.343まで変化する。そのような−1%の補正は、水に適する特定の半径(式7)を用いて円形プロフィール減衰器が構成されることを除き、式8の値に単に適用することができる。r/nRL<0.5の典型的な光線の場合、残留するz方向の力の誤差は、非常に小さく、すなわち、1/4パーセントよりも小さいことになる。
【0022】
室温又は湿度,及び多くの光学部品に対するその影響の変化のために、二重逆伝播ビームを使用する光トラップは、逆伝播ビームの焦点(焦点域)を一致させて保持するために一定のアラインメントを要求する。そのようなアラインメントは、1つの捕捉焦点を移動して他の上に置くことを含む。焦点を移動させるためには、ビーム角度を対物レンズの後部に入る方向に向けるか、又は全体の対物レンズを移動させなければならない。図5は、後者の種類のソリューションを示し、対物レンズ2の1つが圧電駆動x−y−zステージ32と共に動くことができて焦点と部分的に重なるように、図4の光トラップが修正される。他の修正は、第2の偏向ビームスプリッタ34とリレーレンズ36の追加を含む。粒子が捕捉された場合、これは、2つの逆伝播ビームの焦点がトラップを維持するために十分近くなり、粒子に対する外力が粒子を壊して自由にするには不十分であることを意味する。しかし、焦点のアラインメントが僅かにずれると、捕捉ビームは、粒子との共通の相互作用を通じて互いに力を作用させ合うことになる(運動量を交換する)。
【0023】
捕捉粒子に対する外部の横方向の力が両方の出射ビームを同じ方向に偏向させると同時に、焦点の横方向のアラインメントずれが、出射ビームを反対方向に偏向させる。この場合、アラインメント誤差を補正する情報(対物レンズを移動させることによる)を差動力信号から引き出すことができる。FxがPSD信号ΔX1+ΔX2の合計に比例するのに対して、x軸のアラインメント誤差は、それらの差、すなわち、ΔX1−ΔX2に比例する。横方向のアラインメントを制御するために、計器のコンピュータは、比例積分微分(PID)フィードバックアルゴリズムを使用してパワー偏向検出器22の横方向の力センサからの読みに基づいて圧電ステージを移動させる。ここで、x軸の誤差信号は、ΔX1−ΔX2であり、y軸の誤差信号は、ΔY1−ΔY2である。
【0024】
焦点はまた、光軸に沿ってもアラインメントがずれる場合があり、換言すれば、z軸に沿って互いに届かないか又は互いを超えることがある。前者の場合(届かない)、2つのビームは、捕捉粒子と共通の相互作用を通じて互いに前方に引き合って両者の前方への運動量を増加させる。従って、両方のビームは、光軸に関してより小さくなり(より集中され)、パターン化された減衰器(軸線方向の力センサ)を通してそれらの伝達を増大させる。後者の場合(互いを越して焦点が形成される)、ビームは、互いに減速してその出射角度が広げられ、パターン化された減衰器を通して伝達を低減する。軸線方向のアラインメント誤差信号は、トラップ内に粒子がある現在の軸線方向センサ出力(Z1+Z2)fullと、トラップが空であった時の以前の測定値(Z1+Z2)emptyのそれとの比較から引き出すことができる。しかし、「空」の測定値は、現在のものではなく、レーザパワーが経時的に変わる時に変える必要があるであろう。従って、ΔZ信号は、パワー偏向検出器の「合計」出力(図2参照)によって測定された時のそれらのそれぞれのレーザパワーによって正規化するのが最善である。次に、改善されたz軸誤差信号は次のようになる。
z−error=(Z1/Sum1+Z2/Sum2)full−(Z1/Sum1+Z2/Sum2)empty (9)
この軸線方向誤差は、コンピュータのPIDアルゴリズムによって処理されて対物XYZステージ32のz軸圧電にフィードバックされる。代替的に、レーザビームをレンズ2に送出するために光ファイバが使用された場合、光ファイバの送出端部とレンズ2の間の距離は、2つのビームの焦点を整合させるために誤差信号に基づいて調節することができる。そのようなシステムは、焦点の軸線方向アラインメントにおける温度ドリフトを補正する。
【0025】
本発明の逆伝播ビームレーザ光トラップは、対物レンズの後焦点面に配置された(又は、それを基準にした)専用の光度測定センサを利用して、そこでの光の強度の空間分布の変化と捕捉粒子に対する何らかの作用によって生じた変化とを測定する。ビームトラップは、ミクロンサイズの屈折粒子を操作すると同時に、捕捉光の運動量の変化を通して粒子に対する外力を測定する。本発明のビームトラップは、3つの直交軸における全ての粒子のピコニュートン外力を測定することができる。
【0026】
例えば、図3に示すように、分子40は、粒子4とピペット42の間に取り付けることができ、その機械的特性を調べることができる。ピペット42は、分子に対して機械的な応力を作用させるために移動させることができるので、分子に作用した力は、光トラップによって測定することができる。本発明を用いて、捕捉粒子に対する、及び従ってそこに付着した分子に対する3つの力の成分(Fx、Fy、Fz)全てを測定することができる。横方向及び軸線方向測定値の両方に対する較正は、焦点の鮮明度、粒子のサイズ/形状/屈折率、又はレーザパワーの変化に影響されず、両方とも横方向の誤差又は縦方向の誤差のいずれかに対する二重捕捉ビーム焦点のアラインメントのために使用することができる。横方向力センサの較正は、バッファ液体の屈折率の変化に影響されないのに対して、縦方向センサの較正は僅かに影響される。
【0027】
図6A、6B、7A、7B、及び8は、光トラップのアラインメントのための代替的な実施形態を示している。対物レンズ2の1つを移動させることによってビームの1つを移動させる代わりに、ピボット点のまわりに光ファイバを曲げるアクチュエータアセンブリ44を使用して、ビームは、光ビームをそれが対物レンズ2に届く前に移動させることによってトラップ内で(又は、他のあらゆる用途において)横方向に動かされる。より詳細には、図6Aに示すように、レーザダイオード12の光出力は、アクチュエータ(例えば、圧電素子)を用いて動かされて(駆動されて)高周波数応答(>2kHz)を達成するほぼ剛性の部分を有する低質量の光ファイバ46の中に結合される。光ファイバ46の送出端部62は、無限遠補正された顕微鏡対物レンズ2の後部に入る平行化された光線を生成するように、収斂レンズ48から1焦点距離(F)だけ離れて位置決めされる。光ファイバ46は、アクチュエータが動く時に光ファイバがその点の周りでピボット回転するように(曲げ距離BLで)、プレート、ブロック、又は他の剛性部材52によってピボット点X(レンズから遠く離れている)に保持される。
【0028】
ピボット点Xは、レンズの後部焦点の光軸に垂直な平面である対物レンズの後焦点面(BFP)の中心の点に対する共役焦点(コリメータレンズ48を通る)である。このようにして光ファイバをピボット回転させると、実際に光ファイバの送出端部62をレンズ2及び48の中心から離して傾斜させる。しかし、この動きにより対物レンズ2に入る光の角度が変わり(従って、トラップ焦点を横方向に向け)、一方でビームは、対物レンズ2のBFPにおいて静止を保つ(すなわち、ビームは、レンズ2のBFPの周りで回転する)。すなわち、光ファイバがその機械的ピボット点Xの周りでピボット回転する時に、光ビームは、光ピボット点P(BFPでの)の周りでピボット回転する。この構成の利点は、光トラップ内のブラウン運動を打ち消す一定位置フィードバックに対して要求されるように、それが、レンズ2の遠く離れた側でビームを平行移動する際のより高速の応答時間を提供することである。
【0029】
光トラップに対する較正安定性は、粒子サイズ、屈折率、又は捕捉位置の変化とは無関係に、光運動量フラックスの正確な測定から導き出される。リレーレンズ36が使用されて特に較正が捕捉位置の影響を受けないようにされる。レンズ2の右側と検出器の表面との間の図1の光線が平行であってかつ軸上にあるという条件で、数式3(a−c)の表現は正確である。しかし、実際には、レンズから出てくる光線が完全に平行か又は中心にあることはほとんどない。実際に、図6Aに示すように向きが変えられたトラップの場合、レンズに入射及び出射する光線は、故意に軸を外されている。レンズ2から検出器22/24まで輝度パターン(強度分布)を移す問題は、パターンが距離と共に軸から更に外れるか又は平行化誤差に依存してより大きく/より小さく成長するので、レンズ及び検出器間の大きな距離によって悪化するであろう。そのような影響を排除するための検出器を置く理想的な場所は、レンズ2の「後焦点面(BFP)」である。その場所では、光軸に対する捕捉位置の変化は、角度分布の式1を検出器上の空間分布(式3)にするのに影響を及ぼさないことになる。残念なことに、BFPは、一般的に、典型的な顕微鏡対物レンズ内部のどこかに位置している。検出器22/24をそのようなレンズ内部に実質的に配置するために、リレーレンズ36を使用して検出器の表面上にBFPを投射する。換言すれば、検出器22/24の検出器面は、別のリレーレンズ36を通して対物レンズ2のBFPに対する共役焦点面に配置される。
【0030】
捕捉移動にヌル感度を付与する共役平面構成の特定の例が図6Bに示されている。ここでは、ファイバのピボット点XがBFP1(第1の左側の対物レンズ2の後焦点面)に対して共役である。ファイバ端部からの光ビームは、BFP1で平行移動しないが、むしろファイバがピボット回転する時にBFP1の光軸の周りでピボット回転する。一方、光トラップでの(対物レンズ焦点での)光ビームは、捕捉粒子を操作するために対物焦点面内で平行移動する。二つの対物レンズ2は、それらの対物焦点面OFP’が一致するように置かれる。従って、BFP2(第2の右側の対物レンズ2の後焦点面)は、BFP1と共役になり、ピボット点Xとも共役になる。このように、光のビームは、BFP2で平行移動しないが、その代わりに、そこで光軸の周りでピボット回転する。この例では、焦点距離Aのリレーレンズ36は、BFP2と検出器22/24のうちの一方の表面との間の中間に配置される。距離2A(焦点距離Aの2倍)が、リレーレンズ36の両側に残される(BFP2とリレーレンズ36の間、及びリレーレンズ36と検出器22/24の間)。従って、BFP2は、倍率1で検出器表面上に画像化される。検出器表面は、BFP2と共役になり、従ってBFP1と、従ってピボット点Xと共役になる。光ビームは、光ファイバがピボット回転して光トラップが移動する時に検出器表面で平行移動しない。検出器22/24が光ビームの光軸上の中心に置かれた状態で、力信号は、光ビームを偏向させるものがトラップ内になければ、トラップ移動に関係なくヌルのままである。実際には、光ビームは、検出器22及び検出器24の両方の表面がピボット点Xと共役になるように分割される(図5に示すように)。
【0031】
図7A及び7Bは、本発明のアクチュエータアセンブリ44を示している。光ファイバ46は、クランプ締めされるか又はその他の方法でプレート又はブロック52によって固定された薄い金属チューブ50内にその送出端部を配置することによってピボット回転される。光ファイバ46は、好ましくは、それがチューブ端部54と共に動くようにその遠位端でチューブ50に固定化される。光ファイバは、チューブ端部54から外側に光を放出する(好ましくは、チューブ端部とファイバ遠位端は、隣接するか又は場合によっては一致する)。チューブ50とそこにある光ファイバ46のプレート/ブロック52から延びる部分は、光ファイバのほぼ剛性の部分を一緒に形成し、プレート/ブロック52は、この剛性部分をピボット回転させるための支持部材の役目をする。チューブ50(及び、そこにある光ファイバ46)に力を及ぼして偏向させる圧電スタックアクチュエータ56(「NEC Corp.」製「AE0203D08」など)に電気信号が供給される。2つのこのようなアクチュエータ56は、好ましくは、チューブ50の硬質球形拡大部58(ボールピボット)に作用し、直交する撓み偏向を与えることによってレーザ捕捉ビーム焦点の向きを対物焦点面の両方の横方向に変えるように直角に配置される。ボールピボット58をピボット点Xの近くにかつチューブの遠位端から遠くに配置すると、チューブ端部54の動きが増幅される。従って、短い距離を動く圧電スタックは、光ファイバの送出端部に長い距離を移動させることができる。z軸の調節は、ステージ又は第3の圧電アクチュエータを通じて圧電アクチュエータアセンブリ44全体を移動させる(レンズ2と共に)ことによって実施することができる。
【0032】
図8は、本発明のアクチュエータアセンブリ44の代替的な実施形態を示している。コリメータレンズ48の焦点距離とBFPまでの距離によっては、ピボット点Xを光ファイバ46の送出端部62にかなり近づける必要があるであろう(例えば、<1cm)。従って、大きなサイズのアクチュエータ56及び球形拡大部58を考慮すると、アクチュエータアセンブリ44は、図8に示すように構成することができ、光ファイバ46は、その出力端部62のより近くでピボット回転する(すなわち、ピボット点Xは、ファイバの送出端部に近い)。この構成により、アクチュエータ56は、外側チューブ60(チューブ50を同心円状に取り囲む)を押し/引きして曲げる。外側チューブ60は、好ましくは、その遠位端に配置された小さな正方形の孔を有する電気形成金属スクリーンであるピボットスクリーン64を含む。ガラス光ファイバ46は、チューブ50から延びてこれらの孔の1つを通過し、その孔の正方形コーナに静止している。そのすぐ近くで、光ファイバ46は、移動しないチューブ50内にクランプ締めされるか又はその他の方法で固定される。外側チューブ60が、アクチュエータの圧力によって曲がる(すなわち、ピボット点Yの周りでピボット回転する)ことができ、同時に内側チューブ50が真っ直ぐに保たれるように、チューブ50/60間には十分なクリアランスがある。従って、この実施形態では、ファイバのほぼ剛性の部分の支持部材として役に立つのは内側チューブ50であり、光ファイバのほぼ剛性の部分は、内側チューブ50から出て延びる光ファイバ46の部分である。光ファイバのこの部分は、一般的にピボット回転する時に重力の重さを受けても曲がらないように、十分な補強(別のチューブ又はプラスチックの鞘)か又はその固有の剛性に対して十分に短い長さのいずれかによってほぼ剛性である。外側チューブ60は、支持部材52に固定されてピボット点Yの周りでピボット回転し、これは、ピボットスクリーン64の移動によって光ファイバが偏向される時に光ファイバ46のほぼ剛性の部分をピボット点Xの周りでピボット回転させる。この構成には、通常のアクチュエータ移動にわたる2つのレベルの距離増幅があり、1つのレベルでは、外側チューブ60の遠位端がアクチュエータ56よりも遠くに移動し、別のレベルでは、光ファイバ46の出力端62がピボットスクリーン64よりも遠くに移動する(外側チューブ60の端部で)。
【0033】
図9は、床の振動、音響騒音、及び室温変動に妨害されないより正確な力/距離の測定を可能にする本発明の実施形態を示している。光学テーブル上の大きな器具は、人間が歩く床上に据えられている場合には、振動から隔離するのが特に困難である。そのようなテーブル上のエア・レッグ支持体は、低周波数(5Hz未満)の床振動を伝達して場合によっては増幅する可能性がある。大きな金属テーブルはまた、室温が変化する時に大きな寸法変化を受ける。幅1mの鋼鉄製テーブルは、室温が1℃上昇する毎に10,000ナノメートル以上膨張する可能性がある。光トラップ器具のサイズを小さくすることにより、全ての光学要素を温度制御された金属遮蔽物内に収容することが実際的になる(温度に起因する寸法変化を防ぎ、粉塵を遮断し、可聴室内ノイズを遮蔽するために)。同様に、器具を弾性コード又はバネによって天井から吊り下げ、従って、光学テーブルに比べて低周波数カットオフまで(<1Hz)それを建物/床の振動からより良く隔離することが可能になる。
【0034】
すなわち、上述の逆伝播ビームレーザ光トラップは、次の5つの変更を行って小型化することができる。(1)全てのレンズ及びプリズム構成要素をレーザビーム直径と矛盾しない最小サイズに縮小する。(2)全ての自由空間光路を最小長さに縮小する。(3)光学ブレッドボードテーブルを特注機械加工した光学レールと交換する。(4)レーザ調整用光学部品内の多くの部品(すなわち、コリメータレンズ付き加熱/冷却ダイオードレーザマウント、ファラデーアイソレータ、アナモフィックプリズム、非点収差補正レンズ、空間フィルタ入力レンズ、ピンホールフィルタ、及び空間フィルタ出力レンズ)を単一の小さな構成要素、すなわち、単一モード光ファイバに結合された「バタフライマウント」温度制御ダイオードレーザと交換する。(5)最後に、組み立てられた光学構成要素を付属加熱器(サーモスタット制御されてハウジング温度を一定に保つ)付きのアルミニウムハウジングに封入する。2つの付加的な改善は、流体が漏れた時に塩分バッファが光学部品から離れて下向きに滴下するように光学構成要素と同じ高さ又はその下に対物レンズ及び流体チャンバを配置すること、及びレーザ捕捉焦点の独立した平行移動のための上述の対物焦点面圧電駆動光ビームトランスレータを使用することを含むことができる。
【0035】
上述の小型化と矛盾しないように、図9の光トラップは、1つ又はそれよりも多くの温度自動調節加熱器72で温度が制御されたハウジング70(好ましくはアルミニウム製)を含む。光学構成要素は、対物レンズ2、プリズム/レンズアセンブリ76(ビームスプリッタ18、1/4位相差板16、その他を含む)、圧電アクチュエータアセンブリ44、検出器22/24、及び流体チャンバ26と同じ高さ又は場合によってはそれよりも上方に装着されたレーザダイオード12と共に光学レール74に装着される。対物レンズの光学チェーンを通して粒子の画像を捕捉するために、CCDカメラ78と可視光源80を含めることができる。取付リング84とコード86(例えば、振動減衰弾性又はバンジー形コード)を使用してハウジング70を吊り下げる。
【0036】
上述した図3−5、及び9に示すように、縦方向運動量測定は、逆伝播ビームを有する光トラップを使用してより都合良く測定されるが、ここで以下に説明するように、単一ビームを有する光トラップを使用してそのような測定を行うことが可能であることに注意すべきである。
捕捉粒子に対する外力は、トラップに入る光に対するトラップから出る光の運動量の変化として表される。従って、有効な力の測定を行うために、トラップに入る光の強度分布と出るものとの両方を知ることは重要である。横方向力の場合、この作業は、パワー偏向検出器22を偏向されていないビームの中心の位置に移動させることによって簡略化される。この調節は、作動しているがトラップに粒子がないレーザ12を使用して行われる。より詳細には、パワー偏向検出器22は、トラップを出射する光だけを測定して入射光を測定しないので、式3で要求される積分の半分だけしか実行しない。この問題は、トラップ内に粒子がない時に出力ビームが検出器の中心にあって差信号がなくなるように、検出器を光軸上に整合させることによって解決される。トラップに入射する光は、この基準系内では横方向運動量を持っておらず、粒子が導入された後でさえも考慮に入れる必要がない。出射光だけが粒子との相互作用によって影響される。
【0037】
しかし、レーザがオンでトラップ内に粒子がない時にその出力をヌルにするための図3に示すようなパワー集中検出器を移動する方法はない。軸線方向力の場合、適正なZ軸の力を与えるために、式3(C)も「差が取られる」べきである。各パワー集中検出器に対する信号は、トラップ内に粒子がない状態で信号値Zinitialを測定し、次にトラップ内に物体がある状態で信号値Zfinalを測定すること、及び差ΔZ=Zfinal−Zinitialを取ることの2つのステップで実行すべきである。このΔZ=0の場合、この特定のPSDによって検出された光のビームに外力は作用していない。従って、式(7)は、次のように修正することができる。
Z=Ψ’{〔ΣWisqrt(1−(ri/nRL)2〕final−〔ΣWisqrt(1−(ri/nRL)2)〕initial} (10)
かつ、単一ビームトラップに対する式8の補正した形は、単に以下のようになるであろう。
FZ=(n/c)(ΔZ)/Ψ’ (11)
残念なことに、これ以上の考察は、単一ビームトラップにおける(又は、レーザパワーが異なる二重ビームに対する)力の測定を複雑にする。プラスチック又はシリカビーズのようなほとんどの捕捉粒子は、反射防止被覆されていない。従って、それらの誘電体/水界面で小さなフレネル反射が生じる。捕捉ビームのこの反射は、捕捉粒子に対して圧力を作り出してそれをトラップ内で前方に移動させる(レーザ光源から離れる方向に)。何らかの平衡位置において、前方への力は、屈折力によって均衡する。ここで、伝達された光線の前方運動量は、反射光から跳ね返る運動量と均衡するのにちょうど十分なだけ光軸近くで光線を集中させることによって増大する。粒子を単一ビームトラップ内に入れると、それがトラップ内で僅かに前方に沈降し、粒子に対する外力がなくてもZfinalがZinitialよりも増大することになる。
【0038】
検出器信号のこの誤ったZ方向力成分を処理するいくつかの可能な技術が存在する。それは、第1に、粒子がトラップの中心に残留するように、パワーが等しい2つの逆伝播ビームを備えた二重ビーム光トラップを使用することであり、第2に、Zinitialは捕捉粒子から判断されるが、その粒子に対する外力がゼロであることが既知である場合に差の測定を行うことである。次に、外力を加えてZfinalを測定する。このような技術は、実際に使用するのが不便である場合がある。第3に、単一ビームを使用するが図3に示されているのと同様の方法で2つのパワー偏向検出器22と2つのパワー集中検出器24とを使用することがある(すなわち、基本的に、この図の構成からレーザ装置12の1つを省略する)。この第3の技術をここでより詳細に説明する。
【0039】
図3の検出器22/24は、反対側のレーザから伝達した光を測定する。しかし、1/4位相差板16の構成を使用して、近い側の対物レンズ2によって粒子から反射したあらゆる光を集めて近い側の検出器22/24に再度向けることができる。従って、反射光は、力を計算するための運動量フラックスとして正しく計数される。従って、レーザの1つを図3の構成から省略することにより、一組の検出器22/24を使用して伝達光が測定され、他の組の検出器22/24を使用して反射光が測定される。そのような構成でZ方向力を測定するために、トラップに粒子がない伝達及び反射光の両方に対するZinitial信号が最初に得られる。次に、任意の外力を受ける粒子が捕捉され、次の式により伝達及び反射光の両方に対するZfinal信号が測定される。
Ztransmitted=Ztransmitted-final−Ztransmitted-initial (12a)
Zreflected=Zreflected-final−Zreflected-initial (12b)
従って、力の信号Fzは、次の式で表される。
FZ=(n/c)(ΔZtransmitted−ΔZreflected)/Ψ’ (13)
これは、式8による二重ビーム光トラップのものと物理的に同じ測定である。
【0040】
各組の検出器22/24は、光ビームの横方向と縦方向の運動量の両方を測定する単一の検出器に組み合わせることができることに注意すべきである。より詳細には、パワー偏向検出器22、パワー集中検出器24、及びビームスプリッタ20は、図10に示すように単一の検出器90で置換することができる。検出器90は、適切な電子読み出しインタフェースを備えた受光素子(ピクセル)の二次元アレイを含む。ピクセル強度は、コンピュータ又は制御回路に読み取ることができ、そこで、力は、光軸からの距離によって個々のピクセル強度に重み付けすることにより数値的に計算され、式3に基づいてそれらが結合される。代替的に、ピクセル強度を局所的に処理することができ(検出器チップ上で)、ピクセル強度分布のモーメントが抽出される。検出器90の使用において、Wiは、特定ピクセルでの光の強度であり、距離xiは、そのピクセルのx座標に対応し(中心=0に対して)、距離yiは、そのy座標であり、その半径は、ri=sqrt(xi2+yi2)によって与えられると考えられる。CCDテレビジョンカメラ及びフレーム取込み器は、特に、トラップ内のブラウン運動を打ち消すために周波数応答(露出、読み出し、及び計算時間を含む)が5000Hzを超える場合に、そのようなデータの収集には十分であろう。新しく開発された高速度カメラ及びフレーム取込み器は、現在入手可能である(「EPIX、Inc」、http://www.epixcorp.com/products/pixci_cl3sd.htmを参照されたい)。次に、信号プロセッサ100は、2つのそのようなカメラ/フレーム取込み器の組合せからデジタルデータを受け取るであろう。ピクセルアレイ検出器における低価格と高速度の両方が約束された新しい部類のデジタルPSD(「プロフィールセンサ」とも呼ばれる)が入手可能である。これらの検出器は、コンピュータに送る必要があるシリアルデータの量を低減するためにピクセルアレイと同じチップ上でピクセルデータを事前処理し、すなわち、フレーム取込み器−プロセッサ機能が「内蔵」されている(例えば、「Hamamatsu(半導体部門)プロフィールセンサS9132予備データシート」、2004年1月、及び、http://www.itc.it/soi_publications/pub/43.pdfでオンライン上で入手可能なMassari他「高速度デジタル「CMOS 2D」光学位置感応検出器」、欧州半導体回路会議(ESSCIRC)、2002年を参照されたい)。
【0041】
本発明は、本明細書で上述して示した実施形態に制約されず、特許請求の範囲の範囲に含まれるいずれかの及び全ての変形を包含することは理解されるものとする。例えば、本発明で使用される場合、コリメータレンズ又は平行化するレンズは、単に、発散する又は収束する光ビームをより平行にするものであり、必ずしも得られる光ビームを完全に平行にするものではない。従って、本発明で使用される場合、平行化されたビームとは、コリメータレンズを通過する前のものよりも発散性/収束性が少ないビームである。単一のレンズは、複数のレンズを含むことができると考えられ、その逆も可能である。単一のレーザ装置は、図3に示す2つの光源の代わりに、逆伝播光ビームの組を生成することができると考えられる(例えば、ビームスプリッタを使用して)。アクチュエータ56は、好ましくは圧電素子であるが、それらは、光ファイバを動かすか又はそれに力を加えるためのあらゆる従来型の機械装置とすることができると考えられる。ピボット点Xと光ファイバ出力端部62との間の光ファイバ46のほぼ剛性の部分は、必ずしも真っ直ぐである必要はないが、光ファイバがピボット回転する時に光ファイバに対するビームの出射角度を維持するほど十分に剛性であるべきである。スクリーン64は、棚、小穴、くびれた端部で置換することができ、又は単純に全て省略することができると考えられる(仮に外側チューブ60の端部が、光ファイバの剛体部分を十分に制御すれば)。上述の方程式と単一又は図3の二重ビーム装置に対して、集光レンズの焦点距離RLが等しくないか、又はパワー偏向検出器22のパワー応答度Ψが等しくないか、又はパワー集中検出器22のパワー応答度Ψ’が等しくないか、又はパワー偏向検出器22の正方形区域RDの半値幅が等しくない場合には、上述の方程式を相応に拡張することができることを当業者は認めるであろう。例えば、式6a(Fx=(ΔX1+ΔX2)RD/cΨRL)は、Fx=ΔX1RD1/cΨ1RL2+ΔX2RD2/cΨ2RL1の簡略式であり、式6b(Fy=(ΔY1+ΔY2)RD/cΨRL)は、Fy=ΔY1RD1/cΨ1RL2+ΔY2RD2/cΨ2RL1の簡略式であり、第1及び第2のレンズ2、第1及び第2のパワー偏向検出器20、及び第1及び第2のパワー集中検出器24のあらゆる等しくない特性に適応させるものである。異なる焦点距離の対物レンズに対して、パターン化された減衰器28も同様に異なる必要があるであろう。ピボット点Xと光ファイバ出力端部62との間の光ファイバ46の部分は、真っ直ぐである必要はないが、光ファイバからのビームの出射角度を維持するために剛性であるべきである。最後に、上述の検出器が、それらをビーム上の中心を置くことによってヌルにされない場合には、ヌル化は、中心にないビームが原因で存在している信号の部分を信号から減算する(すなわち、トラップに粒子がない光ビームを使用して、又は粒子に力が加えられていないトラップ内の粒子から信号を測定する)ことによって実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】光トラップに捕捉粒子を示す図である。
【図2】パワー偏向検出器と光トラップから出る光を分析するための回路とを示す概略図である。
【図3】本発明の逆伝播ビーム光トラップを示す図である。
【図4】本発明のパワー集中検出器を示す図である。
【図5】本発明の光トラップを整合させるための第1の技術を示す図である。
【図6A】光トラップにレーザビームを送出する光ファイバを偏向させることによる本発明の光トラップを整合させるための第2の技術を示す図である。
【図6B】光ファイバのピボット点に接合して検出器表面を配置する方法を示す図である。
【図7A】光トラップ内でレーザビームを整合させるために圧電アクチュエータを使用する偏向光ファイバビームアラインメント技術の側面図である。
【図7B】光トラップ内でレーザビームを整合させるために圧電アクチュエータを使用する偏向光ファイバビームアラインメント技術の端面図である。
【図8】偏向光ファイバビームアラインメント技術の代替的な実施形態の側面図である。
【図9】本発明の逆伝播ビーム光トラップの小型化及び封入バージョンの側面図である。
【図10】力測定光トラップ器具におけるピクセルアレイ検出器とデジタル信号プロセッサの使用を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子を捕捉するための光トラップ装置であって、
第1及び第2の光ビームを発生させるための少なくとも1つのレーザ光源と、
粒子をトラップ領域に捕捉するために逆伝播方式で前記第1及び第2の光ビームを該トラップ領域に集束させるための第1及び第2のレンズと、
前記トラップ領域を出る前記第1の光ビームのパワー偏向とパワー集中の変化を測定するための第1の検出器と、
前記トラップ領域を出る前記第2の光ビームのパワー偏向とパワー集中の変化を測定するための第2の検出器と、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記第1の検出器は、第1のパワー偏向検出器と第1のパワー集中検出器を含み、
前記第2の検出器は、第2のパワー偏向検出器と第2のパワー集中検出器を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の光トラップ装置。
【請求項3】
前記第1及び第2の光ビームの前記パワー偏向の前記測定した変化に基づいて前記粒子に対する横方向の力を計算し、該第1及び第2の光ビームの前記パワー集中の前記測定した変化に基づいて該粒子に対する縦方向の力を計算するためのプロセッサ、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の光トラップ装置。
【請求項4】
前記第1及び第2の検出器は、前記第1及び第2の光ビームの前記測定したパワー偏向の変化に応答して変化する第1及び第2の信号を生成し、
前記プロセッサは、RLを前記第1及び第2のレンズの少なくとも一方の焦点距離及びcを光の速度とした時の比1/cRLを前記第1及び第2の信号の前記変化に乗算することによって前記粒子に対する前記横方向の力を計算する、
ことを特徴とする請求項3に記載の光トラップ装置。
【請求項5】
前記第1及び第2の検出器は、前記第1及び第2の光ビームの前記測定したパワー偏向の変化に応答して変化する第1及び第2の信号を生成し、
前記プロセッサは、Ψをパワー応答度、RDを前記第1及び第2の検出器の少なくとも一方の正方形区域の半値幅、RLを前記第1及び第2のレンズの少なくとも一方の焦点距離、及びcを光の速度とした時の比RD/cΨRLを前記第1及び第2の信号の前記変化に乗算することによって前記粒子に対する前記横方向の力を計算する、
ことを特徴とする請求項3に記載の光トラップ装置。
【請求項6】
前記第1の検出器は、前記第1の光ビームの前記測定したパワー偏向の変化の直交するx及びy成分に応答してそれぞれΔX1及びΔY1だけ変化する第1及び第2の信号を生成し、
前記第2の検出器は、前記第2の光ビームの前記測定したパワー偏向の変化の直交するx及びy成分に応答してそれぞれΔX2及びΔY2だけ変化する第3及び第4の信号を生成し、
前記プロセッサは、
Fx=ΔX1RD1/cΨ1RL2+ΔX2RD2/cΨ2RL1に従って前記横方向の力の第1の成分Fxを計算し、
Fy=ΔY1RD1/cΨ1RL2+ΔY2RD2/cΨ2RL1に従って前記横方向の力の第2の成分Fyを計算する、
ことによって前記粒子に対する前記横方向の力を計算し、
Ψ1は、前記第1の検出器のパワー応答度、RD1は、該第1の検出器の正方形区域の半値幅であり、
Ψ2は、前記第2の検出器のパワー応答度、RD2は、該第2の検出器の正方形区域の半値幅であり、
RL1は、前記第1のレンズの焦点距離であり、
RL2は、前記第2のレンズの焦点距離であり、
cは、光の速度である、
ことを特徴とする請求項3に記載の光トラップ装置。
【請求項7】
前記第1及び第2の検出器は、前記第1及び第2の光ビームの前記測定したパワー集中の変化に応答して変化する第1及び第2の信号を生成し、
前記プロセッサは、Ψ’を前記第1及び第2の検出器の少なくとも一方のパワー応答度、nを前記粒子の周りのバッファ流体の屈折率、及びcを光の速度とした時のn/cΨ’を前記第1及び第2の信号の前記変化に乗算することによって該粒子に対する前記縦方向の力を計算する、
ことを特徴とする請求項3に記載の光トラップ装置。
【請求項8】
前記第1の検出器は、前記第1の光ビームの前記測定したパワー集中の変化に応答してΔZ1だけ変化する第1の信号を生成し、
前記第2の検出器は、前記第2の光ビームの前記測定したパワー集中の変化に応答してΔZ2だけ変化する第2の信号を生成し、
前記プロセッサは、nを前記粒子の周りのバッファ流体の屈折率、及びΨ’を前記第1及び第2の検出器の少なくとも一方のパワー応答度とした時のFz=(n/c)(ΔZ1−ΔZ2)/Ψ’に従って該粒子に対する前記縦方向の力Fzを計算する、
ことを特徴とする請求項3に記載の光トラップ装置。
【請求項9】
前記第1及び第2のパワー集中検出器の各々は、
フォトダイオード検出器と、
減衰器の中心からの距離の関数として光の伝達率Tが増加又は減少する円形伝達プロフィールを有する減衰器と、
を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の光トラップ装置。
【請求項10】
前記減衰器の前記伝達率Tは、T=sqrt(1−(r/nRL)2)に従って該減衰器の前記中心からの距離rの関数として減少することを特徴とする請求項9に記載の光トラップ装置。
【請求項11】
前記第1のレンズを移動して、該第1のレンズの焦点域を前記トラップ領域に位置合わせするためのステージ、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の光トラップ装置。
【請求項12】
前記第1及び第2のレンズに前記第1及び第2の光ビームを送出するための光ファイバと、
前記光ファイバの送出端部に力を及ぼしてそのピボット回転を引き起こすための少なくとも1つのアクチュエータと、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の光トラップ装置。
【請求項13】
前記光ファイバの各々に対して、
第1のチューブが、前記少なくとも1つのアクチュエータが前記光ファイバの送出端部をピボット回転させるために該第1のチューブに対して前記力を及ぼすように、該送出端部を取り囲んでいる、
ことを特徴とする請求項12に記載の光トラップ装置。
【請求項14】
前記光ファイバの各々に対して、
前記第1のチューブが前記少なくとも1つのアクチュエータによって移動される時に、該第1のチューブが前記光ファイバの送出端部をピボット回転させるように、第2のチューブが、該送出端部を取り囲み、かつ該第1のチューブによって取り囲まれている、
ことを特徴とする請求項13に記載の光トラップ装置。
【請求項15】
前記第1及び第2のレンズと前記第1及び第2の検出器とが上に取り付けられたレールと、
前記レールに取り付けられて前記粒子を収容し、前記トラップ領域の中に延びている流体チャンバと、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の光トラップ装置。
【請求項16】
前記レールと前記第1及び第2のレンズと前記第1及び第2の検出器と前記流体チャンバとを収容するハウジングと、
前記ハウジングの内部を所定の温度に維持するための加熱装置と、
を更に含むことを特徴とする請求項15に記載の光トラップ装置。
【請求項17】
前記流体チャンバは、前記第1及び第2のレンズと同じ高さ又はそれよりも下に取り付けられていることを特徴とする請求項15に記載の光トラップ装置。
【請求項18】
前記第1及び第2の検出器の各々は、受光素子の2次元アレイを含むことを特徴とする請求項1に記載の光トラップ装置。
【請求項19】
前記第1の検出器は、前記トラップ領域に入る前記粒子と前記第1の光ビームの前記測定したパワー集中の変化とに応答してZ1emptyからZ1fullまで変化する第1の信号を生成し、
前記第2の検出器は、前記トラップ領域に入る前記粒子と前記第2の光ビームの前記測定したパワー集中の変化とに応答してZ2emptyからZ2fullまで変化する第2の信号を生成し、
前記プロセッサは、前記トラップ領域内の前記第2の光ビームの焦点に対して該トラップ領域内の前記第1の光ビームの焦点を移動させるために誤差信号{(Z1+Z2)full−(Z1+Z2)empty}を発生させる、
ことを特徴とする請求項3に記載の光トラップ装置。
【請求項20】
前記誤差信号に応答して、前記第1のレンズ又は該第1のレンズに前記第1のビームを送出する光ファイバ端部を移動するためのステージ、
を更に含むことを特徴とする請求項19に記載の光トラップ装置。
【請求項21】
粒子を捕捉する方法であって、
第1及び第2の光ビームを発生させる段階と、
粒子をトラップ領域に捕捉するために逆伝播方式で前記第1及び第2の光ビームを該トラップ領域に集束させる段階と、
前記トラップ領域を出る前記第1及び第2の光ビームのパワー偏向の変化を測定する段階と、
前記トラップ領域を出る前記第1及び第2の光ビームのパワー集中の変化を測定する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
前記第1及び第2の光ビームの前記パワー偏向の前記測定した変化に基づいて前記粒子に対する横方向の力を計算する段階と、
前記第1及び第2の光ビームの前記パワー集中の前記測定した変化に基づいて前記粒子に対する縦方向の力を計算する段階と、
を更に含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1及び第2の光ビームの前記集束段階は、第1及び第2のレンズを使用して行われ、
前記パワー偏向の変化の前記測定段階は、前記第1及び第2の光ビームの前記測定したパワー偏向の変化に応答して変化する第1及び第2の信号を生成する第1及び第2の検出器を使用して行われ、
前記粒子に対する前記横方向の力の前記計算は、RLを前記第1及び第2のレンズの少なくとも一方の焦点距離及びcを光の速度とした時の比1/cRLを前記第1及び第2の信号の前記変化に乗算する段階を含む、
ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1及び第2の光ビームの前記集束段階は、第1及び第2のレンズを使用して行われ、
前記パワー偏向の変化の前記測定段階は、前記第1及び第2の光ビームの前記測定したパワー偏向の変化に応答して変化する第1及び第2の信号を生成する第1及び第2の検出器を使用して行われ、
前記粒子に対する前記横方向の力の前記計算は、Ψをパワー応答度、RDを前記第1及び第2の検出器の少なくとも一方の正方形区域の半値幅、RLを前記第1及び第2のレンズの少なくとも一方の焦点距離、及びcを光の速度とした時の比RD/cΨRLを前記第1及び第2の信号の前記変化に乗算する段階を含む、
ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記第1及び第2の光ビームの前記集束段階は、第1及び第2のレンズを使用して行われ、
前記パワー偏向の変化の前記測定段階は、前記第1の光ビームの前記測定したパワー偏向の変化の直交するx及びy成分に応答してそれぞれΔX1及びΔY1だけ変化する第1及び第2の信号を生成する第1の検出器を使用して行われ、
前記パワー偏向の変化の前記測定段階は、前記第2の光ビームの前記測定したパワー偏向の変化の直交するx及びy成分に応答してそれぞれΔX2及びΔY2だけ変化する第3及び第4の信号を生成する第2の検出器を使用して行われ、
前記粒子に対する前記横方向の力の前記計算は、
Fx=ΔX1RD1/cΨ1RL2+ΔX2RD2/cΨ2RL1に従って前記横方向の力の第1の成分Fxを計算する段階と、
Fy=ΔY1RD1/cΨ1RL2+ΔY2RD2/cΨ2RL1に従って前記横方向の力の第2の成分Fyを計算する段階と、
を含み、
Ψ1は、前記第1の検出器のパワー応答度、RD1は、該第1の検出器の正方形区域の半値幅であり、
Ψ2は、前記第2の検出器のパワー応答度、RD2は、該第2の検出器の正方形区域の半値幅であり、
RL1は、前記第1のレンズの焦点距離であり、
RL2は、前記第2のレンズの焦点距離であり、
cは、光の速度である、
ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記パワー集中の変化の前記測定段階は、前記第1及び第2の光ビームの前記測定したパワー集中の変化に応答して変化する第1及び第2の信号を生成する第1及び第2の検出器を使用して行われ、
前記粒子に対する前記縦方向の力の前記計算は、Ψ’を前記第1及び第2の検出器の少なくとも一方のパワー応答度、nを前記粒子の周りのバッファ流体の屈折率、及びcを光の速度とした時のn/cΨ’を前記第1及び第2の信号に乗算する段階を含む、
ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項27】
前記パワー集中の変化の前記測定段階は、前記第1及び第2の光ビームの前記測定したパワー集中の変化に応答して変化する第1及び第2の信号を生成する第1及び第2の検出器を使用して行われ、
前記粒子に対する前記縦方向の力の前記計算は、Ψ’を前記第1及び第2の検出器の少なくとも一方のパワー応答度、nを前記粒子の周りのバッファ流体の屈折率、及びcを光の速度とした時のn/cΨ’を前記第1及び第2の信号間の差に乗算する段階を含む、
ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項28】
前記第1及び第2の光ビームの前記パワー集中の変化の前記測定段階は、第1及び第2の検出器を使用して行われ、
前記第1及び第2の光ビームの伝達率が該第1又は第2の光ビームの中心からの距離の関数として増加又は減少する方法で、該第1及び第2の光ビームを前記第1及び第2の光検出器に到着する前に減衰させる段階、
を更に含むことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項29】
前記第1及び第2の光ビームの前記伝達率は、sqrt(1−(r/nRL)2)に従って該第1又は第2の光ビームの前記中心からの距離rの関数として減少することを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記第1及び第2の光ビームの前記集束段階は、第1及び第2のレンズを使用して行われ、
前記第1及び第2の光ビームは、第1及び第2の光ファイバを通じて前記第1及び第2のレンズに送出され、
前記第1及び第2の光ファイバの送出端部に力を及ぼし、かつそのピボット回転を引き起こす段階、
を更に含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項31】
前記トラップ領域に入る前記粒子と前記第1の光ビームの前記測定したパワー集中の変化とに応答してZ1emptyからZ1fullまで変化する第1の信号を生成する段階と、
前記トラップ領域に入る前記粒子と前記第2の光ビームの前記測定したパワー集中の変化とに応答してZ2emptyからZ2fullまで変化する第2の信号を生成する段階と、
前記トラップ領域内の前記第2の光ビームの焦点に対して該トラップ領域内の前記第1の光ビームの焦点を移動させるために誤差信号{(Z1+Z2)full−(Z1+Z2)empty}を発生させる段階と、
を含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項32】
前記誤差信号に応答して、前記第1のレンズ又は該第1のレンズに前記第1のビームを送出する光ファイバ端部を移動する段階、
を更に含むことを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項33】
粒子を捕捉するための光トラップ装置であって、
第1の光ビームを発生させるためのレーザ光源と、
粒子をトラップ領域に捕捉するために前記第1の光ビームを該トラップ領域に集束させるための第1のレンズと、
前記トラップ領域を通って伝達された前記第1の光ビームを収集するための第2のレンズと、
を含み、
前記粒子は、前記第1の光ビームの一部分を反射して前記第1のレンズによって収集される第2の光ビームを作り出し、
前記トラップ領域を出る前記第1の光ビームのパワー偏向とパワー集中の変化を測定するための第1の検出器と、
前記トラップ領域を出る前記第2の光ビームのパワー偏向とパワー集中の変化を測定するための第2の検出器と、
を更に含むことを特徴とする装置。
【請求項34】
前記第1の検出器は、第1のパワー偏向検出器と第1のパワー集中検出器を含み、
前記第2の検出器は、第2のパワー偏向検出器と第2のパワー集中検出器を含む、
ことを特徴とする請求項33に記載の光トラップ装置。
【請求項35】
前記第1及び第2の光ビームの前記パワー偏向の前記測定した変化に基づいて前記粒子に対する横方向の力を計算し、該第1及び第2の光ビームの前記パワー集中の前記測定した変化に基づいて該粒子に対する縦方向の力を計算するためのプロセッサ、
を更に含むことを特徴とする請求項33に記載の光トラップ装置。
【請求項36】
前記第1及び第2の検出器は、前記第1及び第2の光ビームの前記測定したパワー偏向の変化に応答して変化する第1及び第2の信号を生成し、
前記プロセッサは、RLを前記第1及び第2のレンズの少なくとも一方の焦点距離及びcを光の速度とした時の比1/cRLを前記第1及び第2の信号の前記変化に乗算することによって前記粒子に対する前記横方向の力を計算する、
ことを特徴とする請求項35に記載の光トラップ装置。
【請求項37】
前記第1及び第2の検出器は、前記第1及び第2の光ビームの前記測定したパワー偏向の変化に応答して変化する第1及び第2の信号を生成し、
前記プロセッサは、Ψをパワー応答度、RDを前記第1及び第2の検出器の少なくとも一方の正方形区域の半値幅、RLを前記第1及び第2のレンズの少なくとも一方の焦点距離、及びcを光の速度とした時の比RD/cΨRLを前記第1及び第2の信号の前記変化に乗算することによって前記粒子に対する前記横方向の力を計算する、
ことを特徴とする請求項35に記載の光トラップ装置。
【請求項38】
前記第1の検出器は、前記第1の光ビームの前記測定したパワー偏向の変化の直交するx及びy成分に応答してそれぞれΔX1及びΔY1だけ変化する第1及び第2の信号を生成し、
前記第2の検出器は、前記第2の光ビームの前記測定したパワー偏向の変化の直交するx及びy成分に応答してそれぞれΔX2及びΔY2だけ変化する第3及び第4の信号を生成し、
前記プロセッサは、
Fx=ΔX1RD1/cΨ1RL2+ΔX2RD2/cΨ2RL1に従って前記横方向の力の第1の成分Fxを計算し、
Fy=ΔY1RD1/cΨ1RL2+ΔY2RD2/cΨ2RL1に従って前記横方向の力の第2の成分Fyを計算する、
ことによって前記粒子に対する前記横方向の力を計算し、
Ψ1は、前記第1の検出器のパワー応答度、RD1は、該第1の検出器の正方形区域の半値幅であり、
Ψ2は、前記第2の検出器のパワー応答度、RD2は、該第2の検出器の正方形区域の半値幅であり、
RL1は、前記第1のレンズの焦点距離であり、
RL2は、前記第2のレンズの焦点距離であり、
cは、光の速度である、
ことを特徴とする請求項35に記載の光トラップ装置。
【請求項39】
前記第1及び第2の検出器は、前記第1及び第2の光ビームの前記測定したパワー集中の変化に応答して変化する第1及び第2の信号を生成し、
前記プロセッサは、Ψ’を前記第1及び第2の検出器の少なくとも一方のパワー応答度、nを前記粒子の周りのバッファ流体の屈折率、及びcを光の速度とした時のn/cΨ’を前記第1及び第2の信号の前記変化に乗算することによって該粒子に対する前記縦方向の力を計算する、
ことを特徴とする請求項35に記載の光トラップ装置。
【請求項40】
前記第1の検出器は、前記第1の光ビームの前記測定したパワー集中の変化に応答してΔZ1だけ変化する第1の信号を生成し、
前記第2の検出器は、前記第2の光ビームの前記測定したパワー集中の変化に応答してΔZ2だけ変化する第2の信号を生成し、
前記プロセッサは、nを前記粒子の周りのバッファ流体の屈折率、及びΨ’を前記第1及び第2の検出器の少なくとも一方のパワー応答度とした時のFz=(n/c)(ΔZ1−ΔZ2)/Ψ’に従って該粒子に対する前記縦方向の力Fzを計算する、
ことを特徴とする請求項35に記載の光トラップ装置。
【請求項41】
前記第1及び第2のパワー集中検出器の各々は、
フォトダイオード検出器と、
減衰器の中心からの距離の関数として光の伝達率Tが増加又は減少する円形伝達プロフィールを有する減衰器と、
を含む、
ことを特徴とする請求項34に記載の光トラップ装置。
【請求項42】
前記減衰器の前記伝達率Tは、T=sqrt(1−(r/nRL)2)に従って該減衰器の前記中心からの距離rの関数として減少することを特徴とする請求項41に記載の光トラップ装置。
【請求項43】
前記第1のレンズを移動して、該第1のレンズの焦点域を前記トラップ領域に位置合わせするためのステージ、
を更に含むことを特徴とする請求項33に記載の光トラップ装置。
【請求項44】
前記第1のレンズに前記第1の光ビームを送出するための光ファイバと、
前記光ファイバの送出端部に力を及ぼしてそのピボット回転を引き起こすための少なくとも1つのアクチュエータと、
を更に含むことを特徴とする請求項33に記載の光トラップ装置。
【請求項45】
前記光ファイバの送出端部をピボット回転させるために前記少なくとも1つのアクチュエータによって前記力が及ぼされるように該送出端部を取り囲んだ第1のチューブ、
を更に含むことを特徴とする請求項44に記載の光トラップ装置。
【請求項46】
前記第1のチューブが前記少なくとも1つのアクチュエータによって移動される時に該第1のチューブが前記光ファイバの送出端部をピボット回転させるように、該送出端部を取り囲み、かつ該第1のチューブによって取り囲まれた第2のチューブ、
を更に含むことを特徴とする請求項45に記載の光トラップ装置。
【請求項47】
前記第1及び第2のレンズと前記第1及び第2の検出器とが上に取り付けられたレールと、
前記レールに取り付けられて前記粒子を収容し、前記トラップ領域の中に延びている流体チャンバと、
を更に含むことを特徴とする請求項33に記載の光トラップ装置。
【請求項48】
前記レールと前記第1及び第2のレンズと前記第1及び第2の検出器と前記流体チャンバとを収容するハウジングと、
前記ハウジングの内部を所定の温度に維持するための加熱装置と、
を更に含むことを特徴とする請求項47に記載の光トラップ装置。
【請求項49】
前記流体チャンバは、前記第1及び第2のレンズと同じ高さ又はそれよりも下に取り付けられていることを特徴とする請求項47に記載の光トラップ装置。
【請求項50】
前記第1及び第2の検出器の各々は、受光素子の2次元アレイを含むことを特徴とする請求項33に記載の光トラップ装置。
【請求項51】
粒子を捕捉する方法であって、
第1の光ビームを発生させる段階と、
粒子をトラップ領域に捕捉するために前記第1の光ビームを該トラップ領域に集束させる段階と、
を含み、
前記粒子は、前記第1の光ビームの一部分を反射して第2の光ビームを作り出し、
前記トラップ領域を出る前記第1及び第2の光ビームのパワー偏向の変化を測定する段階と、
前記トラップ領域を出る前記第1及び第2の光ビームのパワー集中の変化を測定する段階と、
を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項52】
前記第1及び第2の光ビームの前記パワー偏向の前記測定した変化に基づいて前記粒子に対する横方向の力を計算する段階と、
前記第1及び第2の光ビームの前記パワー集中の前記測定した変化に基づいて前記粒子に対する縦方向の力を計算する段階と、
を更に含むことを特徴とする請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記第1の光ビームの前記集束段階は、第1のレンズによって行われ、それによって該集束された第1の光ビームは、第2のレンズによって収集され、かつ前記第2の光ビームは、該第1のレンズによって収集されることになり、
前記パワー偏向の変化の前記測定段階は、前記第1及び第2の光ビームの前記測定したパワー偏向の変化に応答して変化する第1及び第2の信号を生成する第1及び第2の検出器を使用して行われ、
前記粒子に対する前記横方向の力の前記計算は、RLを前記第1及び第2のレンズの少なくとも一方の焦点距離及びcを光の速度とした時の比1/cRLを前記第1及び第2の信号の前記変化に乗算する段階を含む、
ことを特徴とする請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記第1の光ビームの前記集束段階は、第1のレンズによって行われ、それによって該集束された第1の光ビームは、第2のレンズによって収集され、かつ前記第2の光ビームは、該第1のレンズによって収集されることになり、
前記パワー偏向の変化の前記測定段階は、前記第1及び第2の光ビームの前記測定したパワー偏向の変化に応答して変化する第1及び第2の信号を生成する第1及び第2の検出器を使用して行われ、
前記粒子に対する前記横方向の力の前記計算は、Ψをパワー応答度、RDを前記第1及び第2の検出器の少なくとも一方の正方形区域の半値幅、RLを前記第1及び第2のレンズの少なくとも一方の焦点距離、及びcを光の速度とした時の比RD/cΨRLを前記第1及び第2の信号の前記変化に乗算する段階を含む、
ことを特徴とする請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記第1の光ビームの前記集束段階は、第1のレンズによって行われ、それによって該集束された第1の光ビームは、第2のレンズによって収集され、かつ前記第2の光ビームは、該第1のレンズによって収集されることになり、
前記パワー偏向の変化の前記測定段階は、前記第1の光ビームの前記測定したパワー偏向の変化の直交するx及びy成分に応答してそれぞれΔX1及びΔY1だけ変化する第1及び第2の信号を生成する第1の検出器を使用して行われ、
前記パワー偏向の変化の前記測定段階は、前記第2の光ビームの前記測定したパワー偏向の変化の直交するx及びy成分に応答してそれぞれΔX2及びΔY2だけ変化する第3及び第4の信号を生成する第2の検出器を使用して行われ、
前記粒子に対する前記横方向の力の前記計算は、
Fx=ΔX1RD1/cΨ1RL2+ΔX2RD2/cΨ2RL1に従って前記横方向の力の第1の成分Fxを計算する段階と、
Fy=ΔY1RD1/cΨ1RL2+ΔY2RD2/cΨ2RL1に従って前記横方向の力の第2の成分Fyを計算する段階と、
を含み、
Ψ1は、前記第1の検出器のパワー応答度、RD1は、該第1の検出器の正方形区域の半値幅であり、
Ψ2は、前記第2の検出器のパワー応答度、RD2は、該第2の検出器の正方形区域の半値幅であり、
RL1は、前記第1のレンズの焦点距離であり、
RL2は、前記第2のレンズの焦点距離であり、
cは、光の速度である、
ことを特徴とする請求項52に記載の方法。
【請求項56】
前記パワー集中の変化の前記測定段階は、前記第1及び第2の光ビームの前記測定したパワー集中の変化に応答して変化する第1及び第2の信号を生成する第1及び第2の検出器を使用して行われ、
前記粒子に対する前記縦方向の力の前記計算は、Ψ’を前記第1及び第2の検出器の少なくとも一方のパワー応答度、nを前記粒子の周りのバッファ流体の屈折率、及びcを光の速度とした時のn/cΨ’を前記第1及び第2の信号に乗算する段階を含む、
ことを特徴とする請求項52に記載の方法。
【請求項57】
前記パワー集中の変化の前記測定段階は、前記第1及び第2の光ビームの前記測定したパワー集中の変化に応答して変化する第1及び第2の信号を生成する第1及び第2の検出器を使用して行われ、
前記粒子に対する前記縦方向の力の前記計算は、Ψ’を前記第1及び第2の検出器の少なくとも一方のパワー応答度、nを前記粒子の周りのバッファ流体の屈折率、及びcを光の速度とした時のn/cΨ’を前記第1及び第2の信号間の差に乗算する段階を含む、
ことを特徴とする請求項52に記載の方法。
【請求項58】
前記第1及び第2の光ビームの前記パワー集中の変化の前記測定段階は、第1及び第2の検出器を使用して行われ、
前記第1及び第2の光ビームの伝達率が該第1又は第2の光ビームの中心からの距離の関数として増加又は減少する方法で、該第1及び第2の光ビームを前記第1及び第2の検出器に到着する前に減衰させる段階、
を更に含むことを特徴とする請求項52に記載の方法。
【請求項59】
前記第1及び第2の光ビームの前記伝達率は、sqrt(1−(r/nRL)2)に従って該第1又は第2の光ビームの前記中心からの距離rの関数として減少することを特徴とする請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記第1の光ビームの前記集束段階は、レンズを使用して行われ、
前記第1の光ビームは、光ファイバを通じて前記レンズに送出され、
前記光ファイバの送出端部に力を及ぼし、かつそのピボット回転を引き起こす段階、
を更に含むことを特徴とする請求項51に記載の方法。
【請求項1】
粒子を捕捉するための光トラップ装置であって、
第1及び第2の光ビームを発生させるための少なくとも1つのレーザ光源と、
粒子をトラップ領域に捕捉するために逆伝播方式で前記第1及び第2の光ビームを該トラップ領域に集束させるための第1及び第2のレンズと、
前記トラップ領域を出る前記第1の光ビームのパワー偏向とパワー集中の変化を測定するための第1の検出器と、
前記トラップ領域を出る前記第2の光ビームのパワー偏向とパワー集中の変化を測定するための第2の検出器と、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記第1の検出器は、第1のパワー偏向検出器と第1のパワー集中検出器を含み、
前記第2の検出器は、第2のパワー偏向検出器と第2のパワー集中検出器を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の光トラップ装置。
【請求項3】
前記第1及び第2の光ビームの前記パワー偏向の前記測定した変化に基づいて前記粒子に対する横方向の力を計算し、該第1及び第2の光ビームの前記パワー集中の前記測定した変化に基づいて該粒子に対する縦方向の力を計算するためのプロセッサ、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の光トラップ装置。
【請求項4】
前記第1及び第2の検出器は、前記第1及び第2の光ビームの前記測定したパワー偏向の変化に応答して変化する第1及び第2の信号を生成し、
前記プロセッサは、RLを前記第1及び第2のレンズの少なくとも一方の焦点距離及びcを光の速度とした時の比1/cRLを前記第1及び第2の信号の前記変化に乗算することによって前記粒子に対する前記横方向の力を計算する、
ことを特徴とする請求項3に記載の光トラップ装置。
【請求項5】
前記第1及び第2の検出器は、前記第1及び第2の光ビームの前記測定したパワー偏向の変化に応答して変化する第1及び第2の信号を生成し、
前記プロセッサは、Ψをパワー応答度、RDを前記第1及び第2の検出器の少なくとも一方の正方形区域の半値幅、RLを前記第1及び第2のレンズの少なくとも一方の焦点距離、及びcを光の速度とした時の比RD/cΨRLを前記第1及び第2の信号の前記変化に乗算することによって前記粒子に対する前記横方向の力を計算する、
ことを特徴とする請求項3に記載の光トラップ装置。
【請求項6】
前記第1の検出器は、前記第1の光ビームの前記測定したパワー偏向の変化の直交するx及びy成分に応答してそれぞれΔX1及びΔY1だけ変化する第1及び第2の信号を生成し、
前記第2の検出器は、前記第2の光ビームの前記測定したパワー偏向の変化の直交するx及びy成分に応答してそれぞれΔX2及びΔY2だけ変化する第3及び第4の信号を生成し、
前記プロセッサは、
Fx=ΔX1RD1/cΨ1RL2+ΔX2RD2/cΨ2RL1に従って前記横方向の力の第1の成分Fxを計算し、
Fy=ΔY1RD1/cΨ1RL2+ΔY2RD2/cΨ2RL1に従って前記横方向の力の第2の成分Fyを計算する、
ことによって前記粒子に対する前記横方向の力を計算し、
Ψ1は、前記第1の検出器のパワー応答度、RD1は、該第1の検出器の正方形区域の半値幅であり、
Ψ2は、前記第2の検出器のパワー応答度、RD2は、該第2の検出器の正方形区域の半値幅であり、
RL1は、前記第1のレンズの焦点距離であり、
RL2は、前記第2のレンズの焦点距離であり、
cは、光の速度である、
ことを特徴とする請求項3に記載の光トラップ装置。
【請求項7】
前記第1及び第2の検出器は、前記第1及び第2の光ビームの前記測定したパワー集中の変化に応答して変化する第1及び第2の信号を生成し、
前記プロセッサは、Ψ’を前記第1及び第2の検出器の少なくとも一方のパワー応答度、nを前記粒子の周りのバッファ流体の屈折率、及びcを光の速度とした時のn/cΨ’を前記第1及び第2の信号の前記変化に乗算することによって該粒子に対する前記縦方向の力を計算する、
ことを特徴とする請求項3に記載の光トラップ装置。
【請求項8】
前記第1の検出器は、前記第1の光ビームの前記測定したパワー集中の変化に応答してΔZ1だけ変化する第1の信号を生成し、
前記第2の検出器は、前記第2の光ビームの前記測定したパワー集中の変化に応答してΔZ2だけ変化する第2の信号を生成し、
前記プロセッサは、nを前記粒子の周りのバッファ流体の屈折率、及びΨ’を前記第1及び第2の検出器の少なくとも一方のパワー応答度とした時のFz=(n/c)(ΔZ1−ΔZ2)/Ψ’に従って該粒子に対する前記縦方向の力Fzを計算する、
ことを特徴とする請求項3に記載の光トラップ装置。
【請求項9】
前記第1及び第2のパワー集中検出器の各々は、
フォトダイオード検出器と、
減衰器の中心からの距離の関数として光の伝達率Tが増加又は減少する円形伝達プロフィールを有する減衰器と、
を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の光トラップ装置。
【請求項10】
前記減衰器の前記伝達率Tは、T=sqrt(1−(r/nRL)2)に従って該減衰器の前記中心からの距離rの関数として減少することを特徴とする請求項9に記載の光トラップ装置。
【請求項11】
前記第1のレンズを移動して、該第1のレンズの焦点域を前記トラップ領域に位置合わせするためのステージ、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の光トラップ装置。
【請求項12】
前記第1及び第2のレンズに前記第1及び第2の光ビームを送出するための光ファイバと、
前記光ファイバの送出端部に力を及ぼしてそのピボット回転を引き起こすための少なくとも1つのアクチュエータと、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の光トラップ装置。
【請求項13】
前記光ファイバの各々に対して、
第1のチューブが、前記少なくとも1つのアクチュエータが前記光ファイバの送出端部をピボット回転させるために該第1のチューブに対して前記力を及ぼすように、該送出端部を取り囲んでいる、
ことを特徴とする請求項12に記載の光トラップ装置。
【請求項14】
前記光ファイバの各々に対して、
前記第1のチューブが前記少なくとも1つのアクチュエータによって移動される時に、該第1のチューブが前記光ファイバの送出端部をピボット回転させるように、第2のチューブが、該送出端部を取り囲み、かつ該第1のチューブによって取り囲まれている、
ことを特徴とする請求項13に記載の光トラップ装置。
【請求項15】
前記第1及び第2のレンズと前記第1及び第2の検出器とが上に取り付けられたレールと、
前記レールに取り付けられて前記粒子を収容し、前記トラップ領域の中に延びている流体チャンバと、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の光トラップ装置。
【請求項16】
前記レールと前記第1及び第2のレンズと前記第1及び第2の検出器と前記流体チャンバとを収容するハウジングと、
前記ハウジングの内部を所定の温度に維持するための加熱装置と、
を更に含むことを特徴とする請求項15に記載の光トラップ装置。
【請求項17】
前記流体チャンバは、前記第1及び第2のレンズと同じ高さ又はそれよりも下に取り付けられていることを特徴とする請求項15に記載の光トラップ装置。
【請求項18】
前記第1及び第2の検出器の各々は、受光素子の2次元アレイを含むことを特徴とする請求項1に記載の光トラップ装置。
【請求項19】
前記第1の検出器は、前記トラップ領域に入る前記粒子と前記第1の光ビームの前記測定したパワー集中の変化とに応答してZ1emptyからZ1fullまで変化する第1の信号を生成し、
前記第2の検出器は、前記トラップ領域に入る前記粒子と前記第2の光ビームの前記測定したパワー集中の変化とに応答してZ2emptyからZ2fullまで変化する第2の信号を生成し、
前記プロセッサは、前記トラップ領域内の前記第2の光ビームの焦点に対して該トラップ領域内の前記第1の光ビームの焦点を移動させるために誤差信号{(Z1+Z2)full−(Z1+Z2)empty}を発生させる、
ことを特徴とする請求項3に記載の光トラップ装置。
【請求項20】
前記誤差信号に応答して、前記第1のレンズ又は該第1のレンズに前記第1のビームを送出する光ファイバ端部を移動するためのステージ、
を更に含むことを特徴とする請求項19に記載の光トラップ装置。
【請求項21】
粒子を捕捉する方法であって、
第1及び第2の光ビームを発生させる段階と、
粒子をトラップ領域に捕捉するために逆伝播方式で前記第1及び第2の光ビームを該トラップ領域に集束させる段階と、
前記トラップ領域を出る前記第1及び第2の光ビームのパワー偏向の変化を測定する段階と、
前記トラップ領域を出る前記第1及び第2の光ビームのパワー集中の変化を測定する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
前記第1及び第2の光ビームの前記パワー偏向の前記測定した変化に基づいて前記粒子に対する横方向の力を計算する段階と、
前記第1及び第2の光ビームの前記パワー集中の前記測定した変化に基づいて前記粒子に対する縦方向の力を計算する段階と、
を更に含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1及び第2の光ビームの前記集束段階は、第1及び第2のレンズを使用して行われ、
前記パワー偏向の変化の前記測定段階は、前記第1及び第2の光ビームの前記測定したパワー偏向の変化に応答して変化する第1及び第2の信号を生成する第1及び第2の検出器を使用して行われ、
前記粒子に対する前記横方向の力の前記計算は、RLを前記第1及び第2のレンズの少なくとも一方の焦点距離及びcを光の速度とした時の比1/cRLを前記第1及び第2の信号の前記変化に乗算する段階を含む、
ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1及び第2の光ビームの前記集束段階は、第1及び第2のレンズを使用して行われ、
前記パワー偏向の変化の前記測定段階は、前記第1及び第2の光ビームの前記測定したパワー偏向の変化に応答して変化する第1及び第2の信号を生成する第1及び第2の検出器を使用して行われ、
前記粒子に対する前記横方向の力の前記計算は、Ψをパワー応答度、RDを前記第1及び第2の検出器の少なくとも一方の正方形区域の半値幅、RLを前記第1及び第2のレンズの少なくとも一方の焦点距離、及びcを光の速度とした時の比RD/cΨRLを前記第1及び第2の信号の前記変化に乗算する段階を含む、
ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記第1及び第2の光ビームの前記集束段階は、第1及び第2のレンズを使用して行われ、
前記パワー偏向の変化の前記測定段階は、前記第1の光ビームの前記測定したパワー偏向の変化の直交するx及びy成分に応答してそれぞれΔX1及びΔY1だけ変化する第1及び第2の信号を生成する第1の検出器を使用して行われ、
前記パワー偏向の変化の前記測定段階は、前記第2の光ビームの前記測定したパワー偏向の変化の直交するx及びy成分に応答してそれぞれΔX2及びΔY2だけ変化する第3及び第4の信号を生成する第2の検出器を使用して行われ、
前記粒子に対する前記横方向の力の前記計算は、
Fx=ΔX1RD1/cΨ1RL2+ΔX2RD2/cΨ2RL1に従って前記横方向の力の第1の成分Fxを計算する段階と、
Fy=ΔY1RD1/cΨ1RL2+ΔY2RD2/cΨ2RL1に従って前記横方向の力の第2の成分Fyを計算する段階と、
を含み、
Ψ1は、前記第1の検出器のパワー応答度、RD1は、該第1の検出器の正方形区域の半値幅であり、
Ψ2は、前記第2の検出器のパワー応答度、RD2は、該第2の検出器の正方形区域の半値幅であり、
RL1は、前記第1のレンズの焦点距離であり、
RL2は、前記第2のレンズの焦点距離であり、
cは、光の速度である、
ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記パワー集中の変化の前記測定段階は、前記第1及び第2の光ビームの前記測定したパワー集中の変化に応答して変化する第1及び第2の信号を生成する第1及び第2の検出器を使用して行われ、
前記粒子に対する前記縦方向の力の前記計算は、Ψ’を前記第1及び第2の検出器の少なくとも一方のパワー応答度、nを前記粒子の周りのバッファ流体の屈折率、及びcを光の速度とした時のn/cΨ’を前記第1及び第2の信号に乗算する段階を含む、
ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項27】
前記パワー集中の変化の前記測定段階は、前記第1及び第2の光ビームの前記測定したパワー集中の変化に応答して変化する第1及び第2の信号を生成する第1及び第2の検出器を使用して行われ、
前記粒子に対する前記縦方向の力の前記計算は、Ψ’を前記第1及び第2の検出器の少なくとも一方のパワー応答度、nを前記粒子の周りのバッファ流体の屈折率、及びcを光の速度とした時のn/cΨ’を前記第1及び第2の信号間の差に乗算する段階を含む、
ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項28】
前記第1及び第2の光ビームの前記パワー集中の変化の前記測定段階は、第1及び第2の検出器を使用して行われ、
前記第1及び第2の光ビームの伝達率が該第1又は第2の光ビームの中心からの距離の関数として増加又は減少する方法で、該第1及び第2の光ビームを前記第1及び第2の光検出器に到着する前に減衰させる段階、
を更に含むことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項29】
前記第1及び第2の光ビームの前記伝達率は、sqrt(1−(r/nRL)2)に従って該第1又は第2の光ビームの前記中心からの距離rの関数として減少することを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記第1及び第2の光ビームの前記集束段階は、第1及び第2のレンズを使用して行われ、
前記第1及び第2の光ビームは、第1及び第2の光ファイバを通じて前記第1及び第2のレンズに送出され、
前記第1及び第2の光ファイバの送出端部に力を及ぼし、かつそのピボット回転を引き起こす段階、
を更に含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項31】
前記トラップ領域に入る前記粒子と前記第1の光ビームの前記測定したパワー集中の変化とに応答してZ1emptyからZ1fullまで変化する第1の信号を生成する段階と、
前記トラップ領域に入る前記粒子と前記第2の光ビームの前記測定したパワー集中の変化とに応答してZ2emptyからZ2fullまで変化する第2の信号を生成する段階と、
前記トラップ領域内の前記第2の光ビームの焦点に対して該トラップ領域内の前記第1の光ビームの焦点を移動させるために誤差信号{(Z1+Z2)full−(Z1+Z2)empty}を発生させる段階と、
を含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項32】
前記誤差信号に応答して、前記第1のレンズ又は該第1のレンズに前記第1のビームを送出する光ファイバ端部を移動する段階、
を更に含むことを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項33】
粒子を捕捉するための光トラップ装置であって、
第1の光ビームを発生させるためのレーザ光源と、
粒子をトラップ領域に捕捉するために前記第1の光ビームを該トラップ領域に集束させるための第1のレンズと、
前記トラップ領域を通って伝達された前記第1の光ビームを収集するための第2のレンズと、
を含み、
前記粒子は、前記第1の光ビームの一部分を反射して前記第1のレンズによって収集される第2の光ビームを作り出し、
前記トラップ領域を出る前記第1の光ビームのパワー偏向とパワー集中の変化を測定するための第1の検出器と、
前記トラップ領域を出る前記第2の光ビームのパワー偏向とパワー集中の変化を測定するための第2の検出器と、
を更に含むことを特徴とする装置。
【請求項34】
前記第1の検出器は、第1のパワー偏向検出器と第1のパワー集中検出器を含み、
前記第2の検出器は、第2のパワー偏向検出器と第2のパワー集中検出器を含む、
ことを特徴とする請求項33に記載の光トラップ装置。
【請求項35】
前記第1及び第2の光ビームの前記パワー偏向の前記測定した変化に基づいて前記粒子に対する横方向の力を計算し、該第1及び第2の光ビームの前記パワー集中の前記測定した変化に基づいて該粒子に対する縦方向の力を計算するためのプロセッサ、
を更に含むことを特徴とする請求項33に記載の光トラップ装置。
【請求項36】
前記第1及び第2の検出器は、前記第1及び第2の光ビームの前記測定したパワー偏向の変化に応答して変化する第1及び第2の信号を生成し、
前記プロセッサは、RLを前記第1及び第2のレンズの少なくとも一方の焦点距離及びcを光の速度とした時の比1/cRLを前記第1及び第2の信号の前記変化に乗算することによって前記粒子に対する前記横方向の力を計算する、
ことを特徴とする請求項35に記載の光トラップ装置。
【請求項37】
前記第1及び第2の検出器は、前記第1及び第2の光ビームの前記測定したパワー偏向の変化に応答して変化する第1及び第2の信号を生成し、
前記プロセッサは、Ψをパワー応答度、RDを前記第1及び第2の検出器の少なくとも一方の正方形区域の半値幅、RLを前記第1及び第2のレンズの少なくとも一方の焦点距離、及びcを光の速度とした時の比RD/cΨRLを前記第1及び第2の信号の前記変化に乗算することによって前記粒子に対する前記横方向の力を計算する、
ことを特徴とする請求項35に記載の光トラップ装置。
【請求項38】
前記第1の検出器は、前記第1の光ビームの前記測定したパワー偏向の変化の直交するx及びy成分に応答してそれぞれΔX1及びΔY1だけ変化する第1及び第2の信号を生成し、
前記第2の検出器は、前記第2の光ビームの前記測定したパワー偏向の変化の直交するx及びy成分に応答してそれぞれΔX2及びΔY2だけ変化する第3及び第4の信号を生成し、
前記プロセッサは、
Fx=ΔX1RD1/cΨ1RL2+ΔX2RD2/cΨ2RL1に従って前記横方向の力の第1の成分Fxを計算し、
Fy=ΔY1RD1/cΨ1RL2+ΔY2RD2/cΨ2RL1に従って前記横方向の力の第2の成分Fyを計算する、
ことによって前記粒子に対する前記横方向の力を計算し、
Ψ1は、前記第1の検出器のパワー応答度、RD1は、該第1の検出器の正方形区域の半値幅であり、
Ψ2は、前記第2の検出器のパワー応答度、RD2は、該第2の検出器の正方形区域の半値幅であり、
RL1は、前記第1のレンズの焦点距離であり、
RL2は、前記第2のレンズの焦点距離であり、
cは、光の速度である、
ことを特徴とする請求項35に記載の光トラップ装置。
【請求項39】
前記第1及び第2の検出器は、前記第1及び第2の光ビームの前記測定したパワー集中の変化に応答して変化する第1及び第2の信号を生成し、
前記プロセッサは、Ψ’を前記第1及び第2の検出器の少なくとも一方のパワー応答度、nを前記粒子の周りのバッファ流体の屈折率、及びcを光の速度とした時のn/cΨ’を前記第1及び第2の信号の前記変化に乗算することによって該粒子に対する前記縦方向の力を計算する、
ことを特徴とする請求項35に記載の光トラップ装置。
【請求項40】
前記第1の検出器は、前記第1の光ビームの前記測定したパワー集中の変化に応答してΔZ1だけ変化する第1の信号を生成し、
前記第2の検出器は、前記第2の光ビームの前記測定したパワー集中の変化に応答してΔZ2だけ変化する第2の信号を生成し、
前記プロセッサは、nを前記粒子の周りのバッファ流体の屈折率、及びΨ’を前記第1及び第2の検出器の少なくとも一方のパワー応答度とした時のFz=(n/c)(ΔZ1−ΔZ2)/Ψ’に従って該粒子に対する前記縦方向の力Fzを計算する、
ことを特徴とする請求項35に記載の光トラップ装置。
【請求項41】
前記第1及び第2のパワー集中検出器の各々は、
フォトダイオード検出器と、
減衰器の中心からの距離の関数として光の伝達率Tが増加又は減少する円形伝達プロフィールを有する減衰器と、
を含む、
ことを特徴とする請求項34に記載の光トラップ装置。
【請求項42】
前記減衰器の前記伝達率Tは、T=sqrt(1−(r/nRL)2)に従って該減衰器の前記中心からの距離rの関数として減少することを特徴とする請求項41に記載の光トラップ装置。
【請求項43】
前記第1のレンズを移動して、該第1のレンズの焦点域を前記トラップ領域に位置合わせするためのステージ、
を更に含むことを特徴とする請求項33に記載の光トラップ装置。
【請求項44】
前記第1のレンズに前記第1の光ビームを送出するための光ファイバと、
前記光ファイバの送出端部に力を及ぼしてそのピボット回転を引き起こすための少なくとも1つのアクチュエータと、
を更に含むことを特徴とする請求項33に記載の光トラップ装置。
【請求項45】
前記光ファイバの送出端部をピボット回転させるために前記少なくとも1つのアクチュエータによって前記力が及ぼされるように該送出端部を取り囲んだ第1のチューブ、
を更に含むことを特徴とする請求項44に記載の光トラップ装置。
【請求項46】
前記第1のチューブが前記少なくとも1つのアクチュエータによって移動される時に該第1のチューブが前記光ファイバの送出端部をピボット回転させるように、該送出端部を取り囲み、かつ該第1のチューブによって取り囲まれた第2のチューブ、
を更に含むことを特徴とする請求項45に記載の光トラップ装置。
【請求項47】
前記第1及び第2のレンズと前記第1及び第2の検出器とが上に取り付けられたレールと、
前記レールに取り付けられて前記粒子を収容し、前記トラップ領域の中に延びている流体チャンバと、
を更に含むことを特徴とする請求項33に記載の光トラップ装置。
【請求項48】
前記レールと前記第1及び第2のレンズと前記第1及び第2の検出器と前記流体チャンバとを収容するハウジングと、
前記ハウジングの内部を所定の温度に維持するための加熱装置と、
を更に含むことを特徴とする請求項47に記載の光トラップ装置。
【請求項49】
前記流体チャンバは、前記第1及び第2のレンズと同じ高さ又はそれよりも下に取り付けられていることを特徴とする請求項47に記載の光トラップ装置。
【請求項50】
前記第1及び第2の検出器の各々は、受光素子の2次元アレイを含むことを特徴とする請求項33に記載の光トラップ装置。
【請求項51】
粒子を捕捉する方法であって、
第1の光ビームを発生させる段階と、
粒子をトラップ領域に捕捉するために前記第1の光ビームを該トラップ領域に集束させる段階と、
を含み、
前記粒子は、前記第1の光ビームの一部分を反射して第2の光ビームを作り出し、
前記トラップ領域を出る前記第1及び第2の光ビームのパワー偏向の変化を測定する段階と、
前記トラップ領域を出る前記第1及び第2の光ビームのパワー集中の変化を測定する段階と、
を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項52】
前記第1及び第2の光ビームの前記パワー偏向の前記測定した変化に基づいて前記粒子に対する横方向の力を計算する段階と、
前記第1及び第2の光ビームの前記パワー集中の前記測定した変化に基づいて前記粒子に対する縦方向の力を計算する段階と、
を更に含むことを特徴とする請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記第1の光ビームの前記集束段階は、第1のレンズによって行われ、それによって該集束された第1の光ビームは、第2のレンズによって収集され、かつ前記第2の光ビームは、該第1のレンズによって収集されることになり、
前記パワー偏向の変化の前記測定段階は、前記第1及び第2の光ビームの前記測定したパワー偏向の変化に応答して変化する第1及び第2の信号を生成する第1及び第2の検出器を使用して行われ、
前記粒子に対する前記横方向の力の前記計算は、RLを前記第1及び第2のレンズの少なくとも一方の焦点距離及びcを光の速度とした時の比1/cRLを前記第1及び第2の信号の前記変化に乗算する段階を含む、
ことを特徴とする請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記第1の光ビームの前記集束段階は、第1のレンズによって行われ、それによって該集束された第1の光ビームは、第2のレンズによって収集され、かつ前記第2の光ビームは、該第1のレンズによって収集されることになり、
前記パワー偏向の変化の前記測定段階は、前記第1及び第2の光ビームの前記測定したパワー偏向の変化に応答して変化する第1及び第2の信号を生成する第1及び第2の検出器を使用して行われ、
前記粒子に対する前記横方向の力の前記計算は、Ψをパワー応答度、RDを前記第1及び第2の検出器の少なくとも一方の正方形区域の半値幅、RLを前記第1及び第2のレンズの少なくとも一方の焦点距離、及びcを光の速度とした時の比RD/cΨRLを前記第1及び第2の信号の前記変化に乗算する段階を含む、
ことを特徴とする請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記第1の光ビームの前記集束段階は、第1のレンズによって行われ、それによって該集束された第1の光ビームは、第2のレンズによって収集され、かつ前記第2の光ビームは、該第1のレンズによって収集されることになり、
前記パワー偏向の変化の前記測定段階は、前記第1の光ビームの前記測定したパワー偏向の変化の直交するx及びy成分に応答してそれぞれΔX1及びΔY1だけ変化する第1及び第2の信号を生成する第1の検出器を使用して行われ、
前記パワー偏向の変化の前記測定段階は、前記第2の光ビームの前記測定したパワー偏向の変化の直交するx及びy成分に応答してそれぞれΔX2及びΔY2だけ変化する第3及び第4の信号を生成する第2の検出器を使用して行われ、
前記粒子に対する前記横方向の力の前記計算は、
Fx=ΔX1RD1/cΨ1RL2+ΔX2RD2/cΨ2RL1に従って前記横方向の力の第1の成分Fxを計算する段階と、
Fy=ΔY1RD1/cΨ1RL2+ΔY2RD2/cΨ2RL1に従って前記横方向の力の第2の成分Fyを計算する段階と、
を含み、
Ψ1は、前記第1の検出器のパワー応答度、RD1は、該第1の検出器の正方形区域の半値幅であり、
Ψ2は、前記第2の検出器のパワー応答度、RD2は、該第2の検出器の正方形区域の半値幅であり、
RL1は、前記第1のレンズの焦点距離であり、
RL2は、前記第2のレンズの焦点距離であり、
cは、光の速度である、
ことを特徴とする請求項52に記載の方法。
【請求項56】
前記パワー集中の変化の前記測定段階は、前記第1及び第2の光ビームの前記測定したパワー集中の変化に応答して変化する第1及び第2の信号を生成する第1及び第2の検出器を使用して行われ、
前記粒子に対する前記縦方向の力の前記計算は、Ψ’を前記第1及び第2の検出器の少なくとも一方のパワー応答度、nを前記粒子の周りのバッファ流体の屈折率、及びcを光の速度とした時のn/cΨ’を前記第1及び第2の信号に乗算する段階を含む、
ことを特徴とする請求項52に記載の方法。
【請求項57】
前記パワー集中の変化の前記測定段階は、前記第1及び第2の光ビームの前記測定したパワー集中の変化に応答して変化する第1及び第2の信号を生成する第1及び第2の検出器を使用して行われ、
前記粒子に対する前記縦方向の力の前記計算は、Ψ’を前記第1及び第2の検出器の少なくとも一方のパワー応答度、nを前記粒子の周りのバッファ流体の屈折率、及びcを光の速度とした時のn/cΨ’を前記第1及び第2の信号間の差に乗算する段階を含む、
ことを特徴とする請求項52に記載の方法。
【請求項58】
前記第1及び第2の光ビームの前記パワー集中の変化の前記測定段階は、第1及び第2の検出器を使用して行われ、
前記第1及び第2の光ビームの伝達率が該第1又は第2の光ビームの中心からの距離の関数として増加又は減少する方法で、該第1及び第2の光ビームを前記第1及び第2の検出器に到着する前に減衰させる段階、
を更に含むことを特徴とする請求項52に記載の方法。
【請求項59】
前記第1及び第2の光ビームの前記伝達率は、sqrt(1−(r/nRL)2)に従って該第1又は第2の光ビームの前記中心からの距離rの関数として減少することを特徴とする請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記第1の光ビームの前記集束段階は、レンズを使用して行われ、
前記第1の光ビームは、光ファイバを通じて前記レンズに送出され、
前記光ファイバの送出端部に力を及ぼし、かつそのピボット回転を引き起こす段階、
を更に含むことを特徴とする請求項51に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2007−508947(P2007−508947A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−527069(P2006−527069)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【国際出願番号】PCT/US2004/030559
【国際公開番号】WO2005/029139
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(398051143)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア (21)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【国際出願番号】PCT/US2004/030559
【国際公開番号】WO2005/029139
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(398051143)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア (21)
【Fターム(参考)】
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