説明

光電気変換装置、及び、これに用いる光電気複合型コネクタ

【課題】無駄な空間を作らずに、装置の小型化、省スペース化、及び遮蔽効果の向上を図る。
【解決手段】第1コネクタと第2コネクタの対から成る光電気変換装置である。第1コネクタと第2コネクタは、第1コネクタを第2コネクタに設けた凹部に嵌め込むことによって互いに嵌合可能とされている。第1コネクタは、第1ハウジングと、第1ハウジングに配列された複数の第1端子を有し、第2コネクタは、第2ハウジングと、第2ハウジングに配列され、第1コネクタと第2コネクタの嵌合時に第1コネクタの第1端子と接続され得る複数の第2端子を有する。第1ハウジングは、第1端子と電気的に接続され得る光電気変換部品を収容する窪みを有する。窪みに配したグランド板を用いて光電気変換部品を遮蔽する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電気変換装置、及び、これに用いる光電気複合型コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の光電気変換装置の一例が特開2008年第91516号公報に示されている。この公報に開示された光電気変換装置の説明図を図8、図9に示す。図8は、この光電気変換装置の基本構造となる通常の電気コネクタの構造を示す図である。この構造には、電気プラグコネクタ86と電気レセプタクルコネクタ87が含まれる。これらの電気コネクタは、嵌合時に、プラグコネクタ86側に形成された凹部84にレセプタクルコネクタ87側に形成された凸部85を嵌め込むようにして、所定の接合力を得て、互いに嵌合され得る。
【0003】
図9に示すように、光電気変換を可能とするために、図8に示した通常の電気プラグコネクタ86側に光電変換に必要な光電気変換部品88が搭載される。これらの光電気変換部品88は、単に、通常の電気コネクタに設けたマウント基板83に載置されるだけである。この場合、マウント基板83や、そこに載置される光電気変換部品88は、通常の電気コネクタに更に追加した状態で設けられる。尚、マウント基板83には、光ケーブル89が接続され、電気レセプタクルコネクタ87は、配線基板82に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008年91516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図8、図9に示した従来装置では、マウント基板83や光電気変換部品88によって装置が大型化してしまうといった問題がある。また、凸部85は、嵌合力を高めるためには有効であるが、無駄な空間とも言える。更に、近年、情報機器、FA機器においても、高速データ伝送の要求が高まり、電磁ノイズの問題が大きくなっている。電磁ノイズを防止するため、既存技術では、コネクタの外部をグランド板で覆うことが多いが、これでは、小型で十分な遮蔽効果を得ることが困難となる。
本願発明はこのような従来技術における問題点を解決するためになされたものであり、無駄な空間を作らずに、装置の小型化、省スペース化、及び遮蔽効果の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、光電気変換装置の一部を構成する光電気複合型コネクタであって、該光電気複合型コネクタは、他のコネクタと対にされて前記光電気変換装置を構成するものであり、前記光電気複合型コネクタは、前記他のコネクタに設けた凹部に嵌め込むことによって前記他のコネクタと互いに嵌合可能とされており、前記光電気複合型コネクタは、第1ハウジングと、前記第1ハウジングに配列された複数の第1端子を有し、前記他のコネクタは、第2ハウジングと、前記第2ハウジングに配列され、前記光電気複合型コネクタと前記他のコネクタの嵌合時に前記光電気複合型コネクタの前記第1端子と接続され得る複数の第2端子を有し、前記第1ハウジングは、前記第1端子と電気的に接続され得る光電気変換部品を収容する窪みを有し、前記窪みに配したグランド板を用いて前記光電気変換部品を遮蔽することを特徴とする光電気複合型コネクタを特徴としている。
【0007】
上記装置において、前記グランド板は、前記窪みの内側壁を覆う側部と、前記窪みの内底を覆う底部を有し、前記光電気変換部品は、前記底部に設置されてもよい。
【0008】
また、上記装置において、前記グランド板は、更に、前記側部のそれぞれの縁から前記底部と略並行に外側へ延出した鍔部を前記第1端子の配列方向に沿って有してもよい。
【0009】
更に、上記装置において、前記鍔部は、前記第1端子と接触して前記第1端子をグランドに接続してもよい。
【0010】
また、上記装置において、前記光電気変換部品は、前記第1端子、又は、前記鍔部と接続され得るものであってもよい。
【0011】
また、上記装置において、前記光電気変換部品を前記底部に設置する際の位置決め手段として前記グランド板に設けた切り欠きを利用することもできる。
【0012】
また、上記装置において、前記グランド板に、前記光電気複合型コネクタに取り付ける光ファイバケーブルの延出方向に沿って前記第1ハウジングの外部に延びる光ファイバケーブルガイド部を設けてもよい。
【0013】
また、上記装置において、前記第1端子を、前記第1ハウジングの長手方向に沿って配列して、前記他のコネクタと前記光電気複合型コネクタの嵌合時における前記第2端子と前記第1端子の間の接合力を高めてもよい。
また、上記装置において、前記第1ハウジングの窪みを覆う電磁遮蔽用の蓋を設けてもよい。
【0014】
また、上記装置において、前記他のコネクタを基板に設置し、前記凹部の底を前記基板によって形成することもできる。
更に、上記装置において、前記他のコネクタの第2ハウジングは枠状体としてもよい。また、前記第2ハウジングと前記第1ハウジングのそれぞれに、互いに嵌合可能な凹部又は凸部を設け、誤嵌合防止及び嵌合ガイド機能を付加してもよい。更に、前記光電気変換部品は信号中継用部品を含むものであってもよい。
また、本願発明は、第1コネクタと第2コネクタの対から成る光電気変換装置であって、前記第1コネクタと前記第2コネクタは、前記第1コネクタを前記第2コネクタに設けた凹部に嵌め込むことによって互いに嵌合可能とされており、前記第1コネクタは、第1ハウジングと、前記第1ハウジングに配列された複数の第1端子を有し、前記第2コネクタは、第2ハウジングと、前記第2ハウジングに配列され、前記第1コネクタと前記第2コネクタの嵌合時に前記第1コネクタの前記第1端子と接続され得る複数の第2端子を有し、前記第1ハウジングは、前記第1端子と電気的に接続され得る光電気変換部品を収容する窪みを有し、前記窪みに配したグランド板を用いて前記光電気変換部品を遮蔽することを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
このような本願発明によれば、空間を有効に利用して、装置の小型化、省スペース化、及び遮蔽効果の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本願発明の一つの実施形態による光電気複合型コネクタの嵌合時の状態を示す斜視図である。
【図2】本願発明の一つの実施形態による光電気複合型コネクタの嵌合前の状態を示す斜視図である。
【図3】レセプタクルとプラグコネクタの嵌合側から見たプラグコネクタの斜視図である。
【図4】図3のA部分の部分拡大図である。
【図5】図3の断面図である。
【図6】本発明の変形例を図3と同様の方法で示す斜視図である。
【図7】本発明の変形例を図3と同様の方法で示す斜視図である。
【図8】光電気変換装置の基本となる従来の電気コネクタの構造を示す図である。
【図9】従来の光電気変換装置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しつつ、本願発明の好適な一つの実施形態を説明する。図1、図2に、本願発明による光電気変換装置10、及び、この光電気変換装置10を構成するレセプタクルコネクタ20とプラグコネクタ(光電気複合型コネクタ)30の一使用例を斜視図で示す。コネクタ10は、互いに嵌合可能なレセプタクル20と、プラグコネクタ30の対から成る。図1は、嵌合時の状態、図2は、嵌合前の状態を、それぞれ示す。
【0018】
プラグコネクタ30は、光ファイバケーブル12を接続して使用する。一方、レセプタクルコネクタ20は、例えば、配線基板3に固定して使用する。ここで、プラグコネクタ30は、光ファイバケーブル12の両端に接続されてもよい。この場合は、1本の光ファイバケーブル12を用いて、レセプタクルコネクタ20同士を接続することができる。
【0019】
レセプタクルコネクタ20の基本構造は、通常の電気コネクタと同じものと考えてよい。これに対して、プラグコネクタ30は、様々な光電気交換部品を備えることにより、電気・光変換機能(送信機能と捉えることもできる)、及び、光・電気変換機能(受信機能と捉えることもできる)の双方を発揮し得る。レセプタクルコネクタ20とプラグコネクタ30の嵌合時には、プラグコネクタ30に設けた光電気変換部品の働きによって、光ファイバケーブル12を通じて伝達された光信号を電気信号として配線基板3に伝達し、逆に、配線基板3を通じて伝達された電気信号を光信号として光ファイバケーブル12に伝達できる。
【0020】
プラグコネクタ30の略全体をレセプタクルコネクタ20に設けた凹部23に嵌め込むことによって、プラグコネクタ30をレセプタクルコネクタ20に嵌合させることができる。誤嵌合を防止し、また、嵌合ガイドとして用いるため、レセプタクルコネクタ20に位置決用の凹部27を、これ対応してプラグコネクタ30に位置決用の凸部37を、それぞれ設け、更に、レセプタクルコネクタ20に開口28を、これに対応してプラグコネクタ30に光ファイバケーブルガイド部68を、それぞれ設けてもよい。これらを突き合せることにより、レセプタクルコネクタ20とプラグコネクタ30の向きや位置を簡単に決定できる。また、プラグコネクタ30とレセプタクルコネクタコネクタ20の組合せに応じて、凹部27および凸部37の位置や形状を変化させることで、誤嵌合を防ぐ効果もある。
【0021】
レセプタクルコネクタ20は、枠状のレセプタクルハウジング21と、これと一体成形された複数のレセプタクル端子24を有する。レセプタクルハウジング21を枠状として、凹部23が形成されている。凹部23の底は、レセプタクルコネクタ20を設置する配線基板3によって形成されていてもよい。レセプタクル端子24は、レセプタクルハウジング21において、長手方向に並行に延びる2つの側壁部22のそれぞれを取り巻くように配置され、それらの端部は、配線基板3に半田付けされる。
【0022】
プラグコネクタ30は、略直方形状のプラグハウジング31と、複数のプラグ端子34を有する。図3に、レセプタクルコネクタ20とプラグコネクタ30の嵌合側から見たプラグコネクタ30の斜視図をプラグコネクタ単体で示している。プラグ端子34は、プラグハウジング31において、長手方向に並行に延びる2つの側壁部42のそれぞれを取り巻くように配置される。
【0023】
レセプタクルコネクタ20とプラグコネクタ30の嵌合時に、レセプタクルコネクタ20のレセプタクル端子24と、プラグコネクタ30のプラグ端子34は、対応端子同士で接続される。これらレセプタクル端子24やプラグ端子34は、レセプタクルハウジング21やプラグハウジング31それぞれの長手方向に沿って配列されているため、レセプタクルコネクタ20とプラグコネクタ30の嵌合時には、それらの長手方向に沿って、複数の端子間接続が生じる。この結果、レセプタクル端子24とプラグ端子34の間の摩擦力等を利用して、比較的広い範囲に亘って、端子間の、或いは、レセプタクルコネクタ20とプラグコネクタ30の間の、接合力を高めることができるため、十分な嵌合力が得られることとなる。
【0024】
プラグハウジング31の内部に、側壁部42等を利用して窪み32を設けている。窪み32は、金属製のグランド板60や光電気変換部品(43等)を収容するためのスペースとして利用され得る。尚、ここでいう「グランド板」は、例えば、立体的に折り曲げられた形状を有するシート状の物体であって、物体全体あるいはシート面に平行な層が導電性の材料で構成されているような部品を意味する。窪み32を設けることにより、スペースの有効利用が図れる。また、グランド板60を、光電気交換部品(43等)とともに窪み32に配することにより、光電気変換部品(43等)により接近した位置にグランド板60を配置して遮蔽効果を高めることができ、また、より少ない材料で強度を向上させることができる。尚、光電気変換部品には、例えば、半導体レーザー或いはフォトダイオードのような面発光型の光半導体(VCSEL)43や、光半導体43を前面に支持するためのステージ44、レーザーダイオードドライバ或いはトランスインピーダンスアンプのような種々のIC(光電気変換(発光素子駆動用)IC、受光素子信号の電流・電圧変換用IC、シリアル−パラレル変換IC)50、及び、離れた端子への配線を可能にする信号中継用部品52等が含まれる。
図4によく示されるように、信号中継部品52は、少なくとも一面にインピーダンス整合した伝送経路54を有する。伝送経路54の各端部には金属ワイヤー53の一端が結線され、金属ワイヤー53の他端はコネクタ端子36やICパッド51に接続される。このような信号中継部品52を使用せずに、例えば、金属ワイヤーだけで配線を行った場合には、導体の断面形状は円形となっている等の理由から、導体の伝送路と金属ワイヤー53との間で物理的状況が大きく異なり、それら間で特性インピーダンス整合を図ることができない。この結果、接続点において、金属ワイヤーが有するインダクタンス量に応じた交流信号の反射が発生してしまう等といった問題が生じてしまう。また、信号中継部品52を使用せずに、例えば、金属ワイヤーだけでワイヤボンディングを行った場合には、接続点間を直線的にしか接続できないことから、本発明が実現しようとしている高密度電子部品実装においては、部品が配線経路と干渉してしまうといった不都合も生じ得る。図4に示すごとく、信号中継部品52を適切な箇所に配置して、金属ワイヤー線路を中継させることにより、金属ワイヤーの総長を短くして信号の反射量を抑制したり、或いは、障害物を避けた回り込み配線を行うことが容易となる。
【0025】
グランド板60を、光電気交換部品とともにプラグハウジング31の内部に設けたことにより、光電気変換部品43等をグランド板60上に設置することも可能となる。光電気変換部品43等をグランド板60上に設置することにより、光電気変換部品を設置することだけを目的として基板を設けることが不要となり、材料及びコストの削減を図ることができる。光電気変換部品(43等)は、例えば、接着剤によってグランド板60に固定できる。固定をより確実にするため、接着剤による固定後に、UVや熱で硬化する樹脂をグランド板60(窪み32)に流し込んでもよい。このとき、窪み32に配置されたグランド板60は、樹脂の過剰な流れをせき止める役割も果たす。樹脂による固定は、光電気交換部品(43等)のみならず、同様に窪み32に設置された光ファイバケーブル12のファイバ調心14を固定するのにも役立つ。
【0026】
図4、図5を更に参照して、窪み32の内部構造をより詳細に説明する。図4は、図3のA部分における部分拡大図、図5の(a)は、図3のB−B線断面図、図5の(b)は、同図C−C断面図である。
【0027】
グランド板60は、プラグコネクタ30の窪み32に嵌め込んだ状態で、圧入や接着、或いは、プラグハウジング31と一体成形といった方法で固定される。窪み32は、グランド板60の形状に適合するよう、段部38を有する。低い段38a(図5参照)には、グランド板60の側部61A、61Bと底部62が配置される。尚、底部62上には、接着剤等によってIC50が固定され得る。側部61A、61Bは、窪み32の内側壁25A、25Bのそれぞれを覆う部分、底部62は、窪み32の内底26を覆う部分である。一方、高い段38bには、鍔部63A、63Bが、必要に応じて配置される。鍔部63A、63Bは、側部61A、61Bのそれぞれの縁から底部62と略並行に外側へ延出した部分であり、プラグ端子34の配列方向に沿って断続的に延びて、複数のプラグ端子34の中から選択された、信号端子36(図4によく示されている)以外のグランド端子35と接触することができるようになっている。このような構成とすれば、鍔部の位置を変更するだけで、信号端子36とグランド端子35を容易に使い分けることができ、また、信号端子36の直近にグランド電位面を配置することが可能となる。
【0028】
光電気変換部品(43等)やその周辺部材は、上方からの目視によって、グランド板60の底部62の所定位置に設置される。この位置決めは、装置の小型化が進むにつれて困難なものとなる。更に、グランド板60の側部61によって、このような目視が妨げられることもある。これらの問題を解決するため、グランド板60の一部に切り欠きを設けて位置決め手段としてもよい。例えば、鍔部63Aに設けた切り欠き67を、光電気変換部品(43等)を底部62上に設置する際の位置決め手段として利用できる。グランド板60は、例えば、金属板のプレス加工品であってもよいし、また、立体的フレキシブル基板によって製造されていてもよいが、特に、金属板を用いた場合には、前述した位置決め用の切り欠き形状を設けることが比較的容易となる。
【0029】
グランド板60上に設置した光電気変換部品(43等)は、必要に応じて、所定のプラグ端子34と接続され得る。更に、グランド接続が必要であれば、その最も近くに配されたグランド板60の鍔部63に接続してやればよい。これらの接続は、ICパッド51とプラグ端子34を直接ワイヤボンディングすることによって直接的に、且つ、簡単に行うことができる。この接続方法は、装置の小型化にも役立つ。
【0030】
光ファイバケーブル12を保持、固定するため、グランド板60の底部62にガイド溝(図示されていない)を設けてもよい。ガイド溝は、光ファイバケーブル12の設置位置の調整にも役立つ。光ファイバケーブル12は、先端付近の外被を取り除くことにより、ファイバ芯線13、更には、中心のファイバ素線14を露出させるように設けられているが、信号伝達のため、ファイバ素線14の端面17は、光半導体(VCSEL)43の所定位置に正確に位置合わせする必要がある。グランド板60の側部61や底部62によって調整され得る窪み32の深さや、底部62に設ける光ファイバケーブル用のガイド溝の高さを調整することによって、この位置合わせは容易となる。更に、窪み32の深さを適切に調整することで、コネクタ内のプラグ端子34の高さとICパッド51の面を合わせることもできる。
【0031】
光ファイバケーブル12を保護するため、図3に示すように、グランド板60の一部を変形して、光ファイバケーブルガイド部68を設けてもよい。光ファイバケーブルガイド部68は、光ファイバケーブル12の延出方向に沿ってプラグハウジング31の外部に延びる。ガイド部68を金属製のグランド板60の一部としたことにより、例えば、外部に突出したガイド部68を、ドライバ等をガイド部68の下に入れて、配線基板から引き離す方向(図1の「ア」方向)に力を加えることにより、レセプタクルコネクタ20とプラグコネクタ30の嵌合をケーブル12に影響を及ぼすことなく容易に解除できる。尚、光ファイバケーブルガイド部68は、前述した通り、嵌合時における位置合わせのために用いることもできる。
【0032】
最後に、図6、図7を参照して、本発明の変形例を説明する。図6、図7は、変形例を、図3と同様の方法で示したものであって、図3に示した実施形態と同様の部材には同様の参照番号を付している。変形例では、プラグハウジング31の窪み32を覆うため、電磁遮蔽用の蓋70を設けている。蓋70に設けた3つの圧入部71を、対応するプラグコネクタ30の3つの圧入孔33に圧入することにより、蓋70をプラグコネクタ30に取付けて、窪み32を覆うことができる。但し、前述したように、窪み32には硬化性の樹脂が流し込まれるため、この樹脂によっても蓋70は固定される。蓋70を設けることにより、窪み32に収容した光電気変換部品(59、52)は、その略全ての面で遮蔽され、電磁ノイズの影響は軽減される。
【符号の説明】
【0033】
10 光電気複合型コネクタ(光電気変換装置)
12 光ファイバケーブル
20 レセプタクルコネクタ
21 レセプタクルハウジング
23 凹部
24 レセプタクル端子
28 開口
30 プラグコネクタ
31 プラグハウジング
32 窪み
34 プラグ端子
35 グランド端子
36 信号端子
60 グランド板
63 鍔部
67 切り欠き
68 光ケーブルガイド部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電気変換装置の一部を構成する光電気複合型コネクタであって、該光電気複合型コネクタは、他のコネクタと対にされて前記光電気変換装置を構成するものであり、前記光電気複合型コネクタは、前記他のコネクタに設けた凹部に嵌め込むことによって前記他のコネクタと互いに嵌合可能とされており、
前記光電気複合型コネクタは、第1ハウジングと、前記第1ハウジングに配列された複数の第1端子を有し、
前記他のコネクタは、第2ハウジングと、前記第2ハウジングに配列され、前記光電気複合型コネクタと前記他のコネクタの嵌合時に前記光電気複合型コネクタの前記第1端子と接続され得る複数の第2端子を有し、
前記第1ハウジングは、前記第1端子と電気的に接続され得る光電気変換部品を収容する窪みを有し、
前記窪みに配したグランド板を用いて前記光電気変換部品を遮蔽することを特徴とする光電気複合型コネクタ。
【請求項2】
前記グランド板は、前記窪みの内側壁を覆う側部と、前記窪みの内底を覆う底部を有し、前記光電気変換部品は、前記底部に設置される請求項1に記載の光電気複合型コネクタ。
【請求項3】
前記グランド板は、更に、前記側部のそれぞれの縁から前記底部と略並行に外側へ延出した鍔部を前記第1端子の配列方向に沿って有する請求項2に記載の光電気複合型コネクタ。
【請求項4】
前記鍔部は、前記第1端子と接触して前記第1端子をグランドに接続する請求項3に記載の光電気複合型コネクタ。
【請求項5】
前記光電気変換部品は、前記第1端子又は前記鍔部と接続され得る請求項3又は4に記載の光電気複合型コネクタ。
【請求項6】
前記光電気変換部品を前記底部に設置する際の位置決め手段として前記グランド板に設けた切り欠きを利用する請求項2乃至5のいずれかに記載の光電気複合型コネクタ。
【請求項7】
前記グランド板に、前記光電気複合型コネクタに取り付ける光ファイバケーブルの延出方向に沿って前記第1ハウジングの外部に延びる光ファイバケーブルガイド部を設けている請求項1乃至6のいずれかに記載の光電気複合型コネクタ。
【請求項8】
前記第1端子を、前記第1ハウジングの長手方向に沿って配列して、前記他のコネクタと前記光電気複合型コネクタの嵌合時における前記第2端子と前記第1端子の間の接合力を高める請求項1乃至7のいずれかに記載の光電気複合型コネクタ。
【請求項9】
前記第1ハウジングの窪みを覆う電磁遮蔽用の蓋を設けている請求項1乃至8のいずれかに記載の光電気複合型コネクタ。
【請求項10】
前記他のコネクタを基板に設置し、前記凹部の底を前記基板によって形成する請求項1乃至9のいずれかに記載の光電気複合型コネクタ。
【請求項11】
前記他のコネクタの第2ハウジングは枠状体である請求項10に記載の光電気複合型コネクタ。
【請求項12】
前記第2ハウジングと前記第1ハウジングのそれぞれに、互いに嵌合可能な凹部又は凸部を設け、誤嵌合防止及び嵌合ガイド機能を付加した、請求項1乃至11のいずれかに記載の光電気複合型コネクタ。
【請求項13】
前記光電気変換部品に信号中継用部品を含む、請求項1乃至12のいずれかに記載の光電気複合型コネクタ。
【請求項14】
第1コネクタと第2コネクタの対から成る光電気変換装置であって、前記第1コネクタと前記第2コネクタは、前記第1コネクタを前記第2コネクタに設けた凹部に嵌め込むことによって互いに嵌合可能とされており、
前記第1コネクタは、第1ハウジングと、前記第1ハウジングに配列された複数の第1端子を有し、
前記第2コネクタは、第2ハウジングと、前記第2ハウジングに配列され、前記第1コネクタと前記第2コネクタの嵌合時に前記第1コネクタの前記第1端子と接続され得る複数の第2端子を有し、
前記第1ハウジングは、前記第1端子と電気的に接続され得る光電気変換部品を収容する窪みを有し、
前記窪みに配したグランド板を用いて前記光電気変換部品を遮蔽することを特徴とする光電気変換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−134178(P2012−134178A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−71180(P2012−71180)
【出願日】平成24年3月27日(2012.3.27)
【分割の表示】特願2008−307612(P2008−307612)の分割
【原出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【出願人】(390005049)ヒロセ電機株式会社 (383)
【Fターム(参考)】