免疫調節性ペプチド
IgGは、病原体に対する保護の仲介、並びに組織、粘膜、及び皮膚表面への免疫系構成要素の漸増を促進するアレルギー性反応及び炎症性反応の仲介で重要な役割を果たす。本発明は、いくつかの実施形態で、ヒトFcRnに結合し、IgGのFc部分がFcRnに結合するのを阻害し、それにより血清IgG濃度を調節する、親水性ポリマーで誘導体化したペプチドに関する。開示された組成物及び方法は、いくつかの実施形態で、例えば、自己免疫疾患及び炎症障害を治療する際に使用され得る。本発明はまた、更なる実施形態で、本発明のペプチドを使用する方法及び作製する方法に関する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の配列を有するペプチド。
【化46】
【化47】
【化48】
又は
【化49】
ここで式中、
−Aは、存在する場合、親水性ポリマーを含む、又は水素、アシル若しくはアミノ保護基であり;
−Bは、存在する場合、親水性ポリマーを含む、又はアミノ基、ヒドロキシル基、若しくはカルボキシ保護基であり;
−X0は、存在する場合、所望により誘導体化されたアミノ酸若しくはその類似体であるか、又は、2〜15個のアミノ酸の所望により誘導体化されたペプチド若しくはその類似体であり;
−X1は、存在する場合、所望により誘導体化されたアミノ酸又はその類似体であり;
−X2は、存在する場合、アミノ酸又はその類似体であり;
−X3は、X10、X12又はX13と架橋を形成することができる、アミノ酸又はその類似体であり;
−X4は、所望により誘導体化されたアミノ酸若しくはその類似体であるか、又は、2〜4個のアミノ酸の所望により誘導体化されたペプチド若しくはその類似体であり;
−X6は、塩基性アミノ酸若しくはその類似体、芳香族アミノ酸若しくはその類似体、又は塩基性芳香族アミノ酸若しくはその類似体であり;
−X7は、フェニルアラニン又はその類似体であり;
−X8及びX9は、それぞれ独立して、グリシン若しくはその類似体、サルコシン若しくはその類似体、アスパラギン酸若しくはその類似体、D−アミノ酸若しくはその類似体、及びα−アミノイソ酪酸若しくはその類似体から選択されるか、又は、
−X8は、X9と共にジペプチド類似体を形成し;
−X10は、アミノ酸若しくはその類似体であるか、又は
−X10は、X9と共にジペプチド類似体を形成し;
−X11は、チロシン又はその類似体であり;
−X12は、所望により誘導体化されたアミノ酸又はその類似体であり;
−X13は、存在する場合、アミノ酸又はその類似体であり;
−X14は、存在する場合、所望により誘導体化されたアミノ酸若しくはその類似体であるか、又は、2〜15個のアミノ酸の所望により誘導体化されたペプチド若しくはその類似体であり;
−Yは、親水性ポリマーを含み、
−Zは、
−A;
−B;
−X0が存在する場合、X0のアミノ末端若しくは側鎖;X0が存在しない場合、X1のアミノ末端若しくは側鎖;X0及びX1が両方存在しない場合、X2のアミノ末端若しくは側鎖;又は、X0、X1及びX2が存在しない場合、X3のアミノ末端若しくは側鎖;
−X14が存在する場合、X14のカルボキシ末端若しくは側鎖;X14が存在しない場合、X13のカルボキシ末端若しくは側鎖;又はX13及びX14が両方存在しない場合、X12のカルボキシ末端若しくは側鎖;
を通して、各ペプチドモノマーに結合するリンカーであり;
−mは、1、2及び3から選択される整数であり;
−nは、1、2及び3から選択される整数であり;
式中、
−各A、B、X0、X1、X2、X3、X4、X6、X7、X8、X9、X10、X11、X12、X13及びX14は、独立して選択され;
−ペプチドの各モノマーの長さは、10〜50個のアミノ酸で変動する。
【請求項2】
以下の配列を有する、請求項1に記載のペプチド。
【化50】
ここで式中、
−X1は、誘導体化されていないアミノ酸又はその類似体であり;
−X4は、誘導体化されていないアミノ酸若しくはその類似体であるか、又は、2〜4個のアミノ酸の誘導体化されていないペプチド若しくはその類似体であり;
−X12は、誘導体化されていないアミノ酸又はその類似体である。
【請求項3】
前記ペプチドが架橋されていない、請求項1に記載のペプチド。
【請求項4】
X3がX13と架橋を形成する、請求項1に記載のペプチド。
【請求項5】
前記架橋が側鎖−側鎖架橋である、請求項4に記載のペプチド。
【請求項6】
X6がヒスチジン又はその類似体である、請求項1に記載のペプチド。
【請求項7】
X8及びX9の少なくとも1つが、
−グリシン;
−D−アミノ酸;
−α−アミノイソ酪酸;及び
−サルコシン
から選択される、請求項1に記載のペプチド。
【請求項8】
X14が存在しない、請求項1に記載のペプチド。
【請求項9】
前記ペプチドが、式II、III及びIVのいずれかのペプチドであり、nが1である、請求項1に記載のペプチド。
【請求項10】
前記ペプチドが、式II、III及びIVのいずれかのペプチドであり、nが2である、請求項1に記載のペプチド。
【請求項11】
前記ペプチドが、以下の配列を有する、請求項1に記載のペプチド。
【化51】
【化52】
【化53】
又は
【化54】
【請求項12】
前記ペプチドが、以下の配列を有する、請求項11に記載のペプチド。
【化55】
【化56】
【化57】
又は
【化58】
ここで、横向きのかっこは架橋の存在を示す。
【請求項13】
前記親水性ポリマーが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、デキストラン、セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルデンプン、ポリビニルアルコール、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポロキサマー、及びポリエチレングリコールコポリマーから選択される、請求項1に記載のペプチド。
【請求項14】
前記親水性ポリマーがポリエチレングリコール(PEG)である、請求項13に記載のペプチド。
【請求項15】
前記PEGが直鎖PEGである、請求項14に記載のペプチド。
【請求項16】
前記PEGが分岐PEGである、請求項14に記載のペプチド。
【請求項17】
前記PEGが、10〜60kDaの範囲の平均分子量を有する、請求項14に記載のペプチド。
【請求項18】
前記ペプチドが、ヒトFcRnに特異的に結合する、請求項1に記載のペプチド。
【請求項19】
前記ペプチドのヒトFcRnに対する親和性が50fM〜1mMの範囲である、請求項18に記載のペプチド。
【請求項20】
前記ペプチドが、ヒトFcRnのヒトIgGへの結合を阻害し、50fM〜1mMの範囲のIC50を有する、請求項18に記載のペプチド。
【請求項21】
前記ペプチドが、配列
【化59】
を有する、請求項1に記載のペプチド。
【請求項22】
前記ペプチドが、配列
【化60】
を有する、請求項21に記載のペプチド。
ここで横向きのかっこは架橋の存在を示す。
【請求項23】
前記ペプチドが、配列
【化61】
を有する、請求項22に記載のペプチド。
【請求項24】
請求項1〜23のいずれか一項に記載のペプチド及び第2分子を含む抱合体。
【請求項25】
治療的に有効な量の、請求項1〜23のいずれか一項に記載のペプチド、又は治療的に有効な量の請求項46に記載の抱合体を含む、製薬組成物。
【請求項26】
請求項47に記載の組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む、不適切に発現したIgG抗体又は過剰IgGを特徴とする疾患の治療方法。
【請求項27】
請求項1〜23のいずれか一項に記載のペプチド又は請求項24に記載の抱合体を、放射性同位体、検出可能な産物を有する酵素、蛍光団、化学発光化合物、磁性粒子、ミクロスフィア、ナノスフィア、ビオチン、ストレプトアビジン及びジゴキシンから選択される検出可能な標識で標識することを含む、FcRnの検出方法。
【請求項28】
(a)請求項1〜23のいずれか一項に記載のペプチド、又は請求項24に記載の抱合体を、固体支持体に固定化することと、
(b)FcRnを含有する溶液を、固体支持体上の固定化されたペプチド又は抱合体と接触させることと、
(c)前記固体支持体から溶液を分離することによりFcRnを精製することと、
を含む、FcRnの精製方法。
【請求項1】
以下の配列を有するペプチド。
【化46】
【化47】
【化48】
又は
【化49】
ここで式中、
−Aは、存在する場合、親水性ポリマーを含む、又は水素、アシル若しくはアミノ保護基であり;
−Bは、存在する場合、親水性ポリマーを含む、又はアミノ基、ヒドロキシル基、若しくはカルボキシ保護基であり;
−X0は、存在する場合、所望により誘導体化されたアミノ酸若しくはその類似体であるか、又は、2〜15個のアミノ酸の所望により誘導体化されたペプチド若しくはその類似体であり;
−X1は、存在する場合、所望により誘導体化されたアミノ酸又はその類似体であり;
−X2は、存在する場合、アミノ酸又はその類似体であり;
−X3は、X10、X12又はX13と架橋を形成することができる、アミノ酸又はその類似体であり;
−X4は、所望により誘導体化されたアミノ酸若しくはその類似体であるか、又は、2〜4個のアミノ酸の所望により誘導体化されたペプチド若しくはその類似体であり;
−X6は、塩基性アミノ酸若しくはその類似体、芳香族アミノ酸若しくはその類似体、又は塩基性芳香族アミノ酸若しくはその類似体であり;
−X7は、フェニルアラニン又はその類似体であり;
−X8及びX9は、それぞれ独立して、グリシン若しくはその類似体、サルコシン若しくはその類似体、アスパラギン酸若しくはその類似体、D−アミノ酸若しくはその類似体、及びα−アミノイソ酪酸若しくはその類似体から選択されるか、又は、
−X8は、X9と共にジペプチド類似体を形成し;
−X10は、アミノ酸若しくはその類似体であるか、又は
−X10は、X9と共にジペプチド類似体を形成し;
−X11は、チロシン又はその類似体であり;
−X12は、所望により誘導体化されたアミノ酸又はその類似体であり;
−X13は、存在する場合、アミノ酸又はその類似体であり;
−X14は、存在する場合、所望により誘導体化されたアミノ酸若しくはその類似体であるか、又は、2〜15個のアミノ酸の所望により誘導体化されたペプチド若しくはその類似体であり;
−Yは、親水性ポリマーを含み、
−Zは、
−A;
−B;
−X0が存在する場合、X0のアミノ末端若しくは側鎖;X0が存在しない場合、X1のアミノ末端若しくは側鎖;X0及びX1が両方存在しない場合、X2のアミノ末端若しくは側鎖;又は、X0、X1及びX2が存在しない場合、X3のアミノ末端若しくは側鎖;
−X14が存在する場合、X14のカルボキシ末端若しくは側鎖;X14が存在しない場合、X13のカルボキシ末端若しくは側鎖;又はX13及びX14が両方存在しない場合、X12のカルボキシ末端若しくは側鎖;
を通して、各ペプチドモノマーに結合するリンカーであり;
−mは、1、2及び3から選択される整数であり;
−nは、1、2及び3から選択される整数であり;
式中、
−各A、B、X0、X1、X2、X3、X4、X6、X7、X8、X9、X10、X11、X12、X13及びX14は、独立して選択され;
−ペプチドの各モノマーの長さは、10〜50個のアミノ酸で変動する。
【請求項2】
以下の配列を有する、請求項1に記載のペプチド。
【化50】
ここで式中、
−X1は、誘導体化されていないアミノ酸又はその類似体であり;
−X4は、誘導体化されていないアミノ酸若しくはその類似体であるか、又は、2〜4個のアミノ酸の誘導体化されていないペプチド若しくはその類似体であり;
−X12は、誘導体化されていないアミノ酸又はその類似体である。
【請求項3】
前記ペプチドが架橋されていない、請求項1に記載のペプチド。
【請求項4】
X3がX13と架橋を形成する、請求項1に記載のペプチド。
【請求項5】
前記架橋が側鎖−側鎖架橋である、請求項4に記載のペプチド。
【請求項6】
X6がヒスチジン又はその類似体である、請求項1に記載のペプチド。
【請求項7】
X8及びX9の少なくとも1つが、
−グリシン;
−D−アミノ酸;
−α−アミノイソ酪酸;及び
−サルコシン
から選択される、請求項1に記載のペプチド。
【請求項8】
X14が存在しない、請求項1に記載のペプチド。
【請求項9】
前記ペプチドが、式II、III及びIVのいずれかのペプチドであり、nが1である、請求項1に記載のペプチド。
【請求項10】
前記ペプチドが、式II、III及びIVのいずれかのペプチドであり、nが2である、請求項1に記載のペプチド。
【請求項11】
前記ペプチドが、以下の配列を有する、請求項1に記載のペプチド。
【化51】
【化52】
【化53】
又は
【化54】
【請求項12】
前記ペプチドが、以下の配列を有する、請求項11に記載のペプチド。
【化55】
【化56】
【化57】
又は
【化58】
ここで、横向きのかっこは架橋の存在を示す。
【請求項13】
前記親水性ポリマーが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、デキストラン、セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルデンプン、ポリビニルアルコール、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポロキサマー、及びポリエチレングリコールコポリマーから選択される、請求項1に記載のペプチド。
【請求項14】
前記親水性ポリマーがポリエチレングリコール(PEG)である、請求項13に記載のペプチド。
【請求項15】
前記PEGが直鎖PEGである、請求項14に記載のペプチド。
【請求項16】
前記PEGが分岐PEGである、請求項14に記載のペプチド。
【請求項17】
前記PEGが、10〜60kDaの範囲の平均分子量を有する、請求項14に記載のペプチド。
【請求項18】
前記ペプチドが、ヒトFcRnに特異的に結合する、請求項1に記載のペプチド。
【請求項19】
前記ペプチドのヒトFcRnに対する親和性が50fM〜1mMの範囲である、請求項18に記載のペプチド。
【請求項20】
前記ペプチドが、ヒトFcRnのヒトIgGへの結合を阻害し、50fM〜1mMの範囲のIC50を有する、請求項18に記載のペプチド。
【請求項21】
前記ペプチドが、配列
【化59】
を有する、請求項1に記載のペプチド。
【請求項22】
前記ペプチドが、配列
【化60】
を有する、請求項21に記載のペプチド。
ここで横向きのかっこは架橋の存在を示す。
【請求項23】
前記ペプチドが、配列
【化61】
を有する、請求項22に記載のペプチド。
【請求項24】
請求項1〜23のいずれか一項に記載のペプチド及び第2分子を含む抱合体。
【請求項25】
治療的に有効な量の、請求項1〜23のいずれか一項に記載のペプチド、又は治療的に有効な量の請求項46に記載の抱合体を含む、製薬組成物。
【請求項26】
請求項47に記載の組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む、不適切に発現したIgG抗体又は過剰IgGを特徴とする疾患の治療方法。
【請求項27】
請求項1〜23のいずれか一項に記載のペプチド又は請求項24に記載の抱合体を、放射性同位体、検出可能な産物を有する酵素、蛍光団、化学発光化合物、磁性粒子、ミクロスフィア、ナノスフィア、ビオチン、ストレプトアビジン及びジゴキシンから選択される検出可能な標識で標識することを含む、FcRnの検出方法。
【請求項28】
(a)請求項1〜23のいずれか一項に記載のペプチド、又は請求項24に記載の抱合体を、固体支持体に固定化することと、
(b)FcRnを含有する溶液を、固体支持体上の固定化されたペプチド又は抱合体と接触させることと、
(c)前記固体支持体から溶液を分離することによりFcRnを精製することと、
を含む、FcRnの精製方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19−1】
【図19−2】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19−1】
【図19−2】
【図20】
【公表番号】特表2010−535788(P2010−535788A)
【公表日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−520228(P2010−520228)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【国際出願番号】PCT/US2008/071960
【国際公開番号】WO2009/020867
【国際公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(505007364)シントニックス・ファーマシューティカルズ・インコーポレーテッド (7)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【国際出願番号】PCT/US2008/071960
【国際公開番号】WO2009/020867
【国際公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(505007364)シントニックス・ファーマシューティカルズ・インコーポレーテッド (7)
【Fターム(参考)】
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