説明

入力機能付き表示装置

【課題】基体に振動体を取り付ける場合であっても、検出感度の低下を抑制することができる入力機能付き表示装置を提供する。
【解決手段】タッチパネル2と、タッチパネル2に対向して配置された液晶表示パネル3とを備えた入力機能付き表示装置X1であって、タッチパネル2は、基体20と、基体20の第1主面20a上に設けられた検出電極21a,22aと、基体20の第1主面20a上に設けられた振動体26と、を含み、液晶表示パネル3は、基体20の第1主面20aに対向する第3主面31aを有しており、液晶表示パネル3の第3主面31a上には振動体用配線7が設けられており、振動体26の背面26bには電極端子261が設けられており、振動体26の背面26bに設けられた電極端子261と、液晶表示パネル3の第3主面31a上に設けられた振動体用配線7とは、異方性導電ゴム8を介して電気的に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルと、該タッチパネルに対向して配置された表示パネルとを備えた入力機能付き表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タッチパネルを備えた入力機能付き表示装置において、使用者がこのタッチパネルを押圧した場合に、押圧した使用者に対して、押しボタンスイッチを操作した場合と同様のリアルな押圧感を伝達する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、タッチパネルの中でも静電容量方式のタッチパネルは、多点入力(マルチタッチ)が可能であることから、近年では、携帯電話、スマートフォン等の携帯端末に積極的に採用されはじめている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−118754号公報
【特許文献2】特開2008−310551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、静電容量方式のタッチパネルは、指と検出電極との間での静電容量の変化を捉えて入力位置を検出する機能を有している。この静電容量方式のタッチパネルに触覚伝達技術を適用する場合、電極端子を有した振動体を、検出電極が設けられた基体に取り付ける必要がある。しかしながら、基体に対する振動体の取り付け位置によっては、振動体の電極端子と基体の検出電極との間で浮遊容量が発生し、発生した浮遊容量によって、タッチパネルの検出感度が低下する可能性があった。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、基体に振動体を取り付ける場合であっても、検出感度の低下を抑制することができる入力機能付き表示装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の入力機能付き表示装置における一態様は、タッチパネルと、該タッチパネルに対向して配置された表示パネルとを備えた入力機能付き表示装置であって、前記タッチパネルは、第1主面、および該第1主面の反対側に位置する第2主面を有した基体と、前記基体の第1主面上に設けられた検出電極と、前記基体の第1主面上に設けられ、かつ前記基体を振動させる振動体と、を含み、前記表示パネルは、前記基体の第1主面に対向する第3主面を有しており、前記表示パネルの第3主面上には振動体用配線が設けられており、前記振動体は、前記基体の第1主面に対向する対向面、および該対向面の反対側に位置する背面を有しており、前記振動体の背面には電極端子が設けられており、前記振動体の背面に設けられた電極端子と、前記表示パネルの第3主面上に設けられた振動体用配線とは、導電部材を介して電気的に接続されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の入力機能付き表示装置は、基体に振動体を取り付ける場合であっても、検出感度の低下を抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係る入力機能付き表示装置の概略構成を示す平面図である。
【図2】図1中に示した切断線I−Iに沿って切断した断面図である。
【図3】図1中に示した切断線II−IIに沿って切断した断面図である。
【図4】図1中に示した切断線III−IIIに沿って切断した断面図である。
【図5】図1中に示した切断線IV−IVに沿って切断した断面図である。
【図6】振動体の外観を示す斜視図である。
【図7】入力機能付き表示装置における表示パネルの概略構成を示す平面図である。
【図8】入力機能付き表示装置の他の例を示す断面図であって、図5と同じ部分を示す断面図である。
【図9】入力機能付き表示装置の動作例を示すフローチャートである。
【図10】変形例1に係る入力機能付き表示装置の概略構成を示す断面図であって、図5と同じ部分を示す断面図である。
【図11】変形例2に係る入力機能付き表示装置の概略構成を示す断面図であって、図5と同じ部分を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0010】
但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、本発明の一実施形態の構成部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。したがって、本発明に係る入力機能付き表示装置は、本明細書が参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。
【0011】
図1に示すように、本実施形態に係る入力機能付き表示装置X1は、所望の画像を表示しかつ情報を入力することが可能な表示入力領域Eと、表示入力領域Eの外側に位置する外側領域Eとを有している。また、図2に示すように、入力機能付き表示装置X1は、タッチパネル2と、タッチパネル2に対向して配置された液晶表示パネル3と、液晶表示パネル3に対して光を照射するためのバックライト4と、液晶表示パネル3およびバックライト4を収容する筐体5とを備えている。本実施形態においてタッチパネル2は、静電容量方式のタッチパネルであるが、抵抗膜方式のタッチパネル、表面弾性波方式のタッチパネル、赤外線方式のタッチパネル、電磁誘導方式のタッチパネルであってもよい。
【0012】
図1〜図5に示すように、タッチパネル2は、基体20を備えている。
【0013】
基体20は、表示入力領域Eにおいて後述する第1検出電極21a、第1接続電極21b、第2検出電極22a、および第2接続電極22bを支持する役割を担うとともに、外側領域Eにおいて後述する検出電極用配線24を支持する役割を担う部材である。基体20は、第1主面20a、および第1主面20aの反対側に位置する第2主面20bを有している。すなわち、表示入力領域Eに対応する基体20の第2主面20bが、使用者が指F1で押圧することにより情報を入力することが可能な面となる。
【0014】
基体20は、第1主面20aおよび第2主面20bに対して交差する方向に光を適切に透過することが可能な構成とされるとともに、絶縁性を有する構成とされている。基体20の構成材料としては、例えば、透明ガラスあるいは透明プラスチック等の透光性を有するものが挙げられるが、中でも視認性の観点において透明ガラスが好ましい。なお、本明細書において透光性とは、可視光に対する透過性を有することを意味する。
【0015】
図1,図3および図4に示すように、表示入力領域Eに対応する基体20の第1主面20a上には、第1検出電極21aと、第1接続電極21bと、第2検出電極22aと、
第2接続電極22bと、絶縁体23とが設けられている。
【0016】
第1検出電極21aは、表示入力領域Eに接近した使用者の指F1の、第1方向(図1の紙面上では左右方向)における入力位置の検出を行う役割を有するものであり、指F1との間に静電容量を発生する機能を有している。すなわち、第1検出電極21aは、基体20の第1主面20a上に、第2方向(図1の紙面上では上下方向)に沿って所定の間隔を空けて設けられている。
【0017】
第2接続電極21bは、隣り合う第1検出電極21aを電気的に接続する役割を担う部材である。第1接続電極21bは、基体20の第1主面20a上に設けられている。
【0018】
第2検出電極22aは、表示入力領域Eに接近した使用者の指F1の、第2方向における入力位置の検出を行う役割を有するものであり、指F1との間に静電容量を発生する機能を有している。すなわち、第2検出電極22aは、基体20の第1主面20a上に、第1方向に沿って所定の間隔を空けて設けられている。
【0019】
第2接続電極22bは、隣り合う第2検出電極22aを電気的に接続する役割を担う部材である。第2接続電極22bは、絶縁体23上に設けられている。このため、第2接続電極22bは、第1接続電極21bと電気的に絶縁される。ここで、絶縁体23は、第1接続電極21bを覆うように基体20の第1主面20a上に設けられている。絶縁体23の構成材料としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、あるいはシリコーン樹脂等の透明樹脂が挙げられる。
【0020】
上述の第1検出電極21a、第1接続電極21b、第2検出電極22a、および第2接続電極22bの構成材料としては、例えば、透光性を有する導電部材が挙げられる。透光性を有する導電部材としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ATO(Antimony Tin Oxide)、AZO(Al-Doped Zinc Oxide)、酸化錫、酸化亜鉛、あるいは導電性高分子(例えば、PEDOT、PSS等)が挙げられる。
【0021】
図5に示すように、外側領域Eに対応する基体20の第1主面20a上には、検出電極用配線24と、絶縁部材25と、振動体26とが設けられている。
【0022】
検出電極用配線24は、第1検出電極21aおよび第2検出電極22aに電圧を印加するための役割を担う部材である。検出電極用配線24は、一端が第1検出電極21aおよび第2検出電極22aと電気的に接続され、他端が外部導通領域G1に位置している。外部導通領域G1は、FPC(Flexible Printed Circuit)等と電気的に接続される領域である。検出電極用配線24は、例えば、硬質で高い形状安定性を得るべく、金属薄膜で構成されている。この金属薄膜としては、例えば、アルミニウム膜、アルミニウム合金膜、クロム膜とアルミニウム膜との積層膜、クロム膜とアルミニウム合金膜との積層膜、銀膜、銀合金膜、あるいは金合金膜が挙げられる。なお、上述の金属薄膜を形成する方法としては、例えば、スパッタリング法、蒸着法、あるいは化学気相成長(CVD)法が挙げられる。
【0023】
絶縁部材25は、検出電極用配線24を覆うように基体20の第1主面20a上に設けられている。絶縁部材25は、検出電極用配線24を保護するとともに、振動体26を載置するための役割を担う部材である。絶縁部材25の構成材料としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、あるいはシリコーン樹脂等の透明樹脂が挙げられる。
【0024】
振動体26は、所定の押圧荷重を検知した場合に、基体20を振動させる役割を担う部材である。本実施形態に係る振動体26は、絶縁部材25上に設けられている。本実施形
態では、振動体26は、印加される電圧に基づいて振動する圧電素子である場合について説明するが、これに限らず、電磁式振動体、モータ等であってもよい。圧電素子としては、例えば、圧電体層と金属層とが交互に積層されたバイモルフ型の素子が挙げられる。
【0025】
図6は、振動体26の外観を示す斜視図である。図5および図6に示すように、振動体26は、基体20の第1主面20aと対向する対向面26a、および該対向面26aの反対側に位置する背面26bを有している。振動体26の対向面26aと絶縁部材25とは、接着部材27を介して互いに接着されている。接着部材27の構成材料としては、例えば、アクリル系粘着材、ゴム系粘着材、あるいはウレタン系粘着材等が挙げられる。また、振動体26の背面26bには、電極端子261が設けられている。なお、振動体26の対向面26aでなく振動体26の背面26bに電極端子261が設けられている理由については後述する。
【0026】
なお、図1では、振動体26が2つ設けられており、かつ基体20の同じ辺に振動体26が並んで設けられている例について図示したが、これに限定されない。すなわち、表示入力領域Eに対応する基体20の第2主面20bを押圧した使用者に対して押圧感を伝達することができれば、振動体26の数や配置位置については、任意である。例えば、対向する短辺2辺における基体20に、振動体26が設けられていてもよい。
【0027】
液晶表示パネル3は、第1透明基板30と、第1透明基板30に対向して配置された第2透明基板31と、第1透明基板30と第2透明基板31との間に介在した液晶層32とを備えている。また、第2透明基板31は、タッチパネル2と対向する第3主面31aを有している。ここで、液晶表示パネル3の駆動方式としては、単純マトリクス駆動方式であってもよいし、アクティブマトリクス駆動方式であってもよい。また、液晶表示パネル3のモードとして、TN(Twisted Nematic)型、STN(Super Twisted Nematic)型、IPS(In-Plane Switching)型、VA(Vertical Alignment)型、OCB(Optically Compensated Bend)型のいずれのモードであってもよいし、これら以外の、例えば、AFFS(Advanced Fringe Field Switching)型等であってもよい。
【0028】
バックライト4は、光源41と、導光板42と、反射板43とを備えている。光源41は、導光板42に向けて光を出射する役割を担う部材であり、例えば、LED(Light Emitting Diode)からなる。なお、LEDの代わりに、冷陰極蛍光ランプ(CCFL)、ハロゲンランプ、キセノンランプ、EL(Electro-Luminescence)であってもよい。導光板42は、液晶表示パネル3の下面(第1透明基板30の下面)全体にわたって、光源42からの光を略均一に導くための役割を担う部材である。反射板43は、光源41からの光を反射し、反射した光を導光板42へ導く役割を担う部材である。
【0029】
筐体5は、上側筐体51と、下側筐体52とを備えている。上側筐体51および下側筐体52の構成材料としては、例えば、ポリカーボネート等の樹脂、あるいはステンレス(SUS)やアルミニウム等の金属が挙げられる。なお、図2に示すように、上側筐体51は、支持部材6を介してタッチパネル2を支持している。支持部材6は、タッチパネル2が振動可能なように、十分な緩衝機能を有している。支持部材6としては、例えば、ホウ素、ウレタン材、あるいはアクリル樹脂系の両面粘着テープが挙げられる。
【0030】
図7は、液晶表示パネル3の概略構成を示す平面図である。なお、図7では、説明の便宜上、振動体26を一点鎖線で示している。図7に示すように、第2透明基板31の第3主面31a上には、振動体用配線7が設けられている。振動体用配線7は、振動体26の電極端子261に電圧を印加するための役割を担う部材である。振動体用配線7は、一端が振動体26の電極端子261と電気的に接続され、他端が外部導通領域G2に位置している。外部導通領域G2は、FPC等と電気的に接続される領域である。
【0031】
図5に示すように、振動体26の背面26bに設けられた電極端子261と、第2透明基板31の第3主面31a上に設けられた振動体用配線7とは、異方性導電ゴム8を介して電気的に接続されている。異方性導電ゴム8は、柔軟性を有する導電部材である。異方性導電ゴム8は、例えば、絶縁性ゴムの厚み方向に複数本のワイヤが並んだ構成を有し、ワイヤが延びる方向に電流が流れる部材である。なお、異方性導電ゴム8の代わりに、導電性接着材、半田等のその他の導電部材を用いてもよい。但し、本実施形態のように、異方性導電ゴム8を用いると、次の点で好ましい。すなわち、異方性導電ゴム8は柔軟性を有した導電部材であるので、振動体26の振動を異方性導電ゴム8によって過度に抑制することなく、基体20に、振動体26の振動を伝達することができる。
【0032】
振動体26の電極端子261と、第2透明基板31の第3主面31a上の振動体用配線7とが、異方性導電ゴム8を介して電気的に接続されているので、振動体用配線7、および振動体26の電極端子261を介して、振動体26に電圧を印加することが可能となる。振動体26に電圧が印加されると、振動体26は振動する。
【0033】
なお、異方性導電ゴム8は、振動体26の背面26b全体にわたって設けられていてもよいし、振動体26の背面26bの電極端子261が位置する部分にのみ設けられていてもよい。振動体26の背面26bの電極端子261が位置する部分にのみ異方性導電ゴム8が設けられていれば、振動体26の背面26b全体にわたって異方性導電ゴム8が設けられている場合と比べて、振動体26の振動を異方性導電ゴム8によって抑制することが低減できるため、好ましい。
【0034】
以上のように、入力機能付き表示装置X1では、振動体26は、基体20の第1主面20aと対向する対向面26a、および該対向面26aの反対側に位置する背面26bを有している。振動体26の背面26bに電極端子261が設けられ、第2透明基板31の第3主面31a上に振動体用配線7が設けられている。また、振動体26の電極端子261と、第2透明基板31の第3主面31a上の振動体用配線7とは、異方性導電ゴム8を介して電気的に接続されている。すなわち、入力機能付き表示装置X1は、振動体用配線7、および振動体26の電極端子261を介して、振動体26に電圧を印加することができる。
【0035】
ここで、仮に、上記の入力機能付き表示装置X1とは逆に、電極端子261が振動体26の対向面26aに設けられている場合を考える。この場合、入力機能付き表示装置X1と比べて、電極端子261と検出電極21a,22aとの間、および電極端子261と検出電極用配線24との間の距離が短くなる。このため、電極端子261と検出電極21a,22aとの間、および電極端子261と検出電極用配線24との間で浮遊容量が発生し、発生した浮遊容量によって、タッチパネル2の検出感度が低下する可能性がある。
【0036】
一方、入力機能付き表示装置X1では、電極端子261は、振動体26の背面26bに設けられており、振動体26は、振動体用配線7、および振動体26の電極端子261を介して、電圧が印加される。このため、入力機能付き表示装置X1は、電極端子261と検出電極21a,22aとの間、および電極端子261と検出電極用配線24との間の距離が長くなる。そのため、電極端子261と検出電極21a,22aとの間、および電極端子261と検出電極用配線24との間で発生する浮遊容量が低減できる。この結果、入力機能付き表示装置X1は、基体20に振動体26を取り付けた場合であっても、検出感度の低下を抑制することができる。
【0037】
なお、上記では、振動体26は、絶縁部材25上に設けられている例について説明したが、これに限定されない。例えば、図8に示すように、振動体26は、絶縁部材25上で
はなく、外側領域Eに対応する基体20の第1主面20a上に直接設けるようにしてもよい。但し、このような構成では、振動体26を基体20に取り付けるために、外側領域Eが大きくなってしまう。すなわち、入力機能付き表示装置X1が横方向に大型化する。このため、本実施形態のように、入力機能付き表示装置X1の小型化の観点から、振動体26は、検出電極用配線24を覆う絶縁部材25上に設けられていることが好ましい。
【0038】
次に、上記の構成に係る入力機能付き表示装置X1の動作について、図9を参照しながら説明する。
【0039】
図9に示すように、使用者が、表示入力領域Eに対応する基体20の第2主面20bを押圧した場合に、振動体26は、基体20への押圧荷重を検出する(Op1)。ここで、振動体26の荷重検出機能について説明する。すなわち、使用者が、表示入力領域Eに対応する基体20の第2主面20bを押圧すると、基体20が撓む。基体20の撓みに従って振動体26も撓む。つまり、基体20への押圧荷重に応じて、振動体26の撓み量が変移する。本実施形態では、振動体26は、圧電素子であるので、撓み量に応じた電圧に変換することができる。この結果、振動体26により基体20の押圧荷重を検出することができる。なお、上記では、荷重検出機能を振動体26で実現している例について説明したが、これに限らず、例えば、歪みセンサ等の荷重センサによって実現してもよい。
【0040】
そして、図示しない触覚伝達ドライバは、使用者による基体20への押圧操作が、表示画面に表示された入力オブジェクトに対する押圧操作である場合に、Op1にて検出された押圧荷重が閾値以上であるか否かを判定する(Op2)。なお、触覚伝達ドライバは、例えば、外部導通領域G2と電気的に接続されたFPC上に設けられている。
【0041】
そして、触覚伝達ドライバは、Op1にて検出された押圧荷重が閾値以上であると判定すれば(Op2にてYES)、振動体26を振動させる(Op3)。そして、Op3にて振動された振動体26により基体20が振動する。これにより、基体20を押圧した使用者に対して押圧感が伝達される。一方、触覚伝達ドライバは、Op1にて検出された押圧荷重が閾値未満であると判定すれば(Op2にてNO)、図9の処理を終了する。
【0042】
なお、上述した実施形態は、本発明の実施形態の一具体例を示すものであり、種々の変形が可能である。以下、いくつかの主な変形例を示す。
【0043】
[変形例1]
図10は、変形例1に係る入力機能付き表示装置X2の概略構成を示す断面図である。なお、図10は、図5と同じ部分を表す断面図である。図10において、図5と同様の機能を有する構成については、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
【0044】
入力機能付き表示装置X2では、絶縁部材25は、接着部材27が設けられている面において、複数の凹部25aが設けられている。また、複数の凹部25aには接着部材27が埋入されている。複数の凹部25aに接着部材27が埋入されているので、絶縁部材25と接着部材27とが接触する面積が増加する。絶縁部材25と接着部材27とが接触する面積が増加するので、絶縁部材25に対する振動体26の接着強度を向上することができる。このため、入力機能付き表示装置X2では、振動体26が振動した場合であっても、絶縁部材25から振動体26が剥がれてしまう可能性を低減できる。
【0045】
[変形例2]
図11は、変形例2に係る入力機能付き表示装置X3の概略構成を示す断面図である。なお、図11は、図5と同じ部分を表す断面図である。図11において、図5と同様の機能を有する構成については、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
【0046】
入力機能付き表示装置X3では、液晶表示パネル3において、第1透明基板30は、第2透明基板31よりも外側に突出する突出部300を有している。また、第1透明基板30の突出部300には、タッチパネル2と対向する第3主面30aを有している。入力機能付き表示装置X3では、第1透明基板30の突出部300における第3主面30a上に、振動体用配線7が設けられている。振動体26の背面26bに設けられた電極端子261と、第1透明基板30の突出部300における第3主面30a上に設けられた振動体用配線7とは、異方性導電ゴム8を介して電気的に接続されている。このため、入力機能付き表示装置X3は、入力機能付き表示装置X1と同様、振動体用配線7、および振動体26の電極端子261を介して、振動体26に電圧を印加することができる。また、入力機能付き表示装置X3では、振動体用配線7は、第1透明基板30の突出部300における第3主面30aに設けられているので、入力機能付き表示装置X1と比べて、縦方向に小型化することができる。
【0047】
[変形例3]
なお、液晶表示パネル3の代わりに、CRT、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、蛍光表示管、電界放出ディスプレイ、表面電界ディスプレイ、電子ペーパ等の表示パネルであってもよい。
【符号の説明】
【0048】
X1,X2,X3 入力機能付き表示装置
2 タッチパネル
20 基体
20a 基体の第1主面
20b 基体の第2主面
21a 第1検出電極(検出電極)
22a 第2検出電極(検出電極)
24 検出電極用配線
25 絶縁部材
25a 絶縁部材の凹部
26 振動体
26a 振動体の対向面
26b 振動体の背面
261 電極端子
3 液晶表示パネル(表示パネル)
30a 第1透明基板の第3主面(表示パネルの第3主面)
31a 第2透明基板の第3主面(表示パネルの第3主面)
4 バックライト
7 振動体用配線
8 異方性導電ゴム(導電部材)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルと、該タッチパネルに対向して配置された表示パネルとを備えた入力機能付き表示装置であって、
前記タッチパネルは、
第1主面、および該第1主面の反対側に位置する第2主面を有した基体と、
前記基体の第1主面上に設けられた検出電極と、
前記基体の第1主面上に設けられ、かつ前記基体を振動させる振動体と、を含み、
前記表示パネルは、前記基体の第1主面に対向する第3主面を有しており、
前記表示パネルの第3主面上には振動体用配線が設けられており、
前記振動体は、前記基体の第1主面に対向する対向面、および該対向面の反対側に位置する背面を有しており、
前記振動体の背面には電極端子が設けられており、
前記振動体の背面に設けられた電極端子と、前記表示パネルの第3主面上に設けられた振動体用配線とは、導電部材を介して電気的に接続されている、入力機能付き表示装置。
【請求項2】
前記タッチパネルは、
前記基体の第1主面上に設けられており、かつ前記検出電極と電気的に接続された検出電極用配線と、
前記検出電極用配線を覆うように前記基体の第1主面上に設けられた絶縁部材と、をさらに備え、
前記振動体の対向面と前記絶縁部材とは、接着部材を介して互いに接着されている、請求項1に記載の入力機能付き表示装置。
【請求項3】
前記絶縁部材は、前記接着部材が設けられている面において、複数の凹部が設けられており、
複数の前記凹部には、前記接着部材が埋入されている、請求項2に記載の入力機能付き表示装置。
【請求項4】
前記導電部材は、異方性導電ゴムである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の入力機能付き表示装置。
【請求項5】
前記表示パネルに対して光を照射するためのバックライトをさらに備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の入力機能付き表示装置。
【請求項6】
前記タッチパネルは、静電容量方式のタッチパネルである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の入力機能付き表示装置。
【請求項7】
前記表示パネルは、液晶表示パネルである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の入力機能付き表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−43362(P2012−43362A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−186318(P2010−186318)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】