入力装置
【課題】主に各種電子機器の操作に使用される入力装置に関し、簡易な構成で、多様な操作が可能なものを提供することを目的とする。
【解決手段】Ｎ極とＳ極が所定の角度間隔で形成された略円柱状または略球状の複数の磁石１３Ａ〜１３Ｄを、上ケース１１や下ケース１２中心に回転軸１４を向けて略リング状に、回転可能に配列装着することによって、指を略リング状に回動して複数の磁石を回転することで、時計及び反時計方向の回転操作が行えると共に、指を上下または左右方向に移動して個々の磁石を回転することで、上下または左右方向の移動操作も行えるため、所定の数の磁石で複数の操作が可能となり、簡易な構成で、多様な操作の行える入力装置を得ることができる。
【解決手段】Ｎ極とＳ極が所定の角度間隔で形成された略円柱状または略球状の複数の磁石１３Ａ〜１３Ｄを、上ケース１１や下ケース１２中心に回転軸１４を向けて略リング状に、回転可能に配列装着することによって、指を略リング状に回動して複数の磁石を回転することで、時計及び反時計方向の回転操作が行えると共に、指を上下または左右方向に移動して個々の磁石を回転することで、上下または左右方向の移動操作も行えるため、所定の数の磁石で複数の操作が可能となり、簡易な構成で、多様な操作の行える入力装置を得ることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、主に各種電子機器の操作に用いられる入力装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
近年、携帯電話や電子カメラ等の各種電子機器の高機能化や小型化が進むに伴い、これらの操作に用いられる入力装置にも、小型薄型化が図れ、多様な操作を行えるものが求められている。
【０００３】
このような従来の入力装置について、図７及び図８を用いて説明する。
【０００４】
図７は従来の入力装置の断面図、図８は同分解斜視図であり、同図において、１は略円盤状で絶縁樹脂製の操作体、２は略リング状の磁石で、磁石２の上下面には磁性の異なるＮ極とＳ極が所定の角度間隔で交互に隣接して形成されると共に、この磁石２が操作体１下面に固着されている。
【０００５】
そして、３は略円盤状で鋼板等のケース、４は絶縁樹脂製のカバーで、カバー４の開口孔４Ａから操作体１上部が突出すると共に、略円弧状の複数の貫通孔３Ａが形成されたケース３上に、操作体１が回転可能に載置されている。
【０００６】
また、５は上下面に複数の配線パターン（図示せず）が形成された配線基板、６はホール素子等の磁気検出素子で、磁石２下方の配線基板５上面に複数の磁気検出素子６が実装され、磁石２と所定の間隙を空けて対向配置されている。
【０００７】
さらに、７はフィルム状のシートで、このシート７が配線基板５上面を覆うと共に、ケース３下端が配線基板５に固着されて、入力装置が構成されている。
【０００８】
そして、このように構成された入力装置が、携帯電話や電子カメラ等の電子機器の操作部（図示せず）に、操作体１上部を突出させて装着されると共に、複数の磁気検出素子６が配線パターンやリード線（図示せず）等を介して、機器の電子回路（図示せず）に電気的に接続される。
【０００９】
以上の構成において、例えば機器の液晶表示素子等の表示手段（図示せず）に、氏名や曲名等の複数のメニューやカーソル（図示せず）等が表示された状態で、操作体１上部を指で回転操作すると、操作体１下面に固着され、Ｎ極とＳ極が交互に隣接形成された磁石２が回転する。
【００１０】
また、この回転によってＮ極とＳ極が交互に変化する磁石２の磁気を、下方に対向配置された複数の磁気検出素子６が検出し、所定の電圧信号が機器の電子回路へ出力されるが、この時、複数の磁気検出素子６は離れた箇所に配置されているため、各々から出力される電圧信号は、所定時間ずれた位相差のあるものとなる。
【００１１】
そして、機器の電子回路がこれらの電圧信号から、磁石２が下面に固着された操作体１の回転方向と回転角度を検出し、機器の表示手段に表示されたメニュー上のカーソル等を、例えば、操作体１が時計方向へ回転操作された場合にはカーソルを上方向へ、反時計方向へ回転操作された場合には下方向へ、回転角度分だけ移動させる。
【００１２】
つまり、機器の表示手段を見ながら、操作体１を所定方向へ回転操作することによって、表示手段に表示されたカーソル等を所定方向へ移動させて、メニューの選択等を容易に行えるように構成されているものであった。
【００１３】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献１が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【００１４】
【特許文献１】特開２００９−７６３４４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１５】
しかしながら、上記従来の入力装置においては、操作体１の時計または反時計方向の二方向のみの回転操作しか行えないため、例えばカーソルを上下方向に加え、左右方向へも移動させたい場合には、他のスイッチ等を別途設ける必要があり、構成も複雑で、高価なものとなってしまうという課題があった。
【００１６】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、簡易な構成で、多様な操作が可能な入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１７】
上記目的を達成するために本発明は、略円盤状のケースに、Ｎ極とＳ極が所定の角度間隔で形成された略円柱状または略球状の複数の磁石を、ケース中心に回転軸を向けて略リング状に、回転可能に配列装着して入力装置を構成したものであり、指を略リング状に回動して複数の磁石を回転することで、時計及び反時計方向の回転操作が行えると共に、指を上下または左右方向に移動して個々の磁石を回転することで、上下または左右方向の移動操作も行えるため、所定の数の磁石で複数の操作が可能となり、簡易な構成で、多様な操作の行える入力装置を得ることができるという作用を有するものである。
【発明の効果】
【００１８】
以上のように本発明によれば、簡易な構成で、多様な操作が可能な入力装置を実現することができるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【００１９】
【図１】本発明の一実施の形態による入力装置の断面図
【図２】同分解斜視図
【図３】同部分側面図
【図４】同平面図
【図５】同平面図
【図６】同他の実施の形態による平面図
【図７】従来の入力装置の断面図
【図８】同分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【００２０】
以下、本発明の実施の形態について、図１〜図６を用いて説明する。
【００２１】
なお、これらの図面は構成を判り易くするために、部分的に寸法を拡大して表している。
【００２２】
（実施の形態）
図１は本発明の一実施の形態による入力装置の断面図、図２は同分解斜視図であり、同図において、１１は略円盤状でＡＢＳ等の絶縁樹脂製の上ケース、１２は同じくポリアセタール等の絶縁樹脂製の下ケースで、下ケース１２には中央に貫通孔１２Ａと、この外周に複数の、例えば楕円形状の四つの開口部１２Ｂと、これに連結された半円柱状の一対の保持部１２Ｃが形成されると共に、上ケース１１には中央に貫通孔１１Ａと、この外周に開口部１２Ｂよりやや小さな、楕円形状の四つの開口部１１Ｂが設けられている。
【００２３】
また、１３Ａ〜１３Ｄは略楕円球状で直径２〜３ｍｍ前後のフェライトやＮｄ−Ｆｅ−Ｂ合金等の磁石で、図３の部分側面図に示すように、磁性の異なるＮ極とＳ極が所定の角度間隔で、例えば６０度間隔で隣接して形成されると共に、中心には円柱状に突出した一対の回転軸１４が設けられている。
【００２４】
そして、この複数の、例えば四つの磁石１３Ａ〜１３Ｄが、下ケース１２の保持部１２Ｃに回転軸１４が挿入されて開口部１２Ｂ内に、例えば図４の平面図に示すように、磁石１３Ａとこれに対向した磁石１３Ｃが上下方向に、磁石１３Ｂと１３Ｄが磁石１３Ａや１３Ｃとは直交方向の左右方向に、上ケース１１や下ケース１２中心に回転軸１４を放射状に向けて略リング状に、直径１０〜２０ｍｍ前後の位置に各々回転可能に配列装着されている。
【００２５】
さらに、１５は紙フェノールやガラス入りエポキシ等の配線基板で、上下面には銅箔等によって複数の配線パターン（図示せず）が形成されると共に、磁石１３Ａ〜１３Ｄ下方の配線基板１５上面には、垂直方向の磁気を検出するホール素子や、水平方向の磁気を検出するＧＭＲ素子等の、四つの磁気検出素子１６が実装装着されている。
【００２６】
なお、この磁気検出素子１６は、図３に示すように、垂直方向の磁気を検出する磁気素子１６Ａと、これとは直交方向の水平方向の磁気を検出する磁気素子１６Ｂが、一対となって形成されている。
【００２７】
また、１７はポリエチレンテレフタレートやポリカーボネート等のフィルム状のベースシートで、磁気検出素子１６が挿通する複数の貫通孔が形成されると共に、上面中央には銅やカーボン等によって、略円形状の中央固定接点１８Ａと、これを囲む略馬蹄状または略リング状の外側固定接点１８Ｂから形成された、固定接点１８が設けられている。
【００２８】
そして、１９は略ドーム状で銅合金や鋼等の導電金属薄板製の可動接点で、この可動接点１９の外周が外側固定接点１８Ｂ上に載置され、下面中央が中央固定接点１８Ａと所定の間隙を空けて対向するように、フィルム状のテープ２０によってベースシート１７上面に貼付されている。
【００２９】
さらに、２１はポリエチレンテレフタレート等のフィルム状のカバーシートで、このカバーシート２１がベースシート１７や配線基板１５上面を覆うと共に、カバーシート２１下面中央に印刷等によって形成された凸部２１Ａが、テープ２０を介して可動接点１９中央部に当接している。
【００３０】
また、２２はＡＢＳ等の押釦で、上ケース１１と下ケース１２の貫通孔１１Ａと１２Ａ内に上下動可能に装着されると共に、この押釦２２がカバーシート２１上面中央に載置されて、入力装置が構成されている。
【００３１】
そして、このように構成された入力装置が、携帯電話や電子カメラ等の電子機器の操作部（図示せず）に、磁石１３Ａ〜１３Ｄや押釦２２上部を突出させて装着されると共に、固定接点１８や複数の磁気検出素子１６が配線パターンやリード線（図示せず）等を介して、機器の電子回路（図示せず）に電気的に接続される。
【００３２】
以上の構成において、例えば機器の液晶表示素子等の表示手段（図示せず）に、氏名や曲名等の複数のメニューやカーソル（図示せず）等が表示された状態で、例えば図５（ａ）の平面図に示すように、指を上ケース１１上面に当て、磁石１３Ａから磁石１３Ｂの方向へ時計方向に略リング状に回動すると、先ず、上ケース１１中心に上下方向に回転軸１４を向けた磁石１３Ａが回転する。
【００３３】
そして、例えば図３に示すように、磁石１３Ａ下方の磁気検出素子１６が、Ｎ極とＳ極が所定の角度間隔で隣接形成され、回転によってＮ極とＳ極が交互に変化する磁石１３Ａの磁気を検出するが、この時、磁気素子１６Ａは垂直方向の磁気を、これと一対の磁気素子１６Ｂは水平方向の磁気を各々検出する。
【００３４】
したがって、磁気素子１６Ａから出力されるパルス状の電圧信号と、磁気素子１６Ｂから出力されるパルス状の電圧信号は、所定時間ずれた位相差のあるものとなって、これらが磁気検出素子１６から機器の電子回路に出力され、この位相差によって電子回路が磁石１３Ａの回転方向、つまり時計方向への回転操作が行われたことを検出する。
【００３５】
また、磁石１３Ａに指の一部を触れたまま、指を磁石１３Ｂの位置まで回動した場合には、上ケース１１中心に左右方向に回転軸１４を向けた磁石１３Ｂも回転し、この下方の磁気検出素子１６が磁石１３Ｂの磁気を検出して、上記と同様に位相差のある電圧信号を出力し、これによって電子回路が、時計方向への回転操作が９０度まで行われたことを検出する。
【００３６】
以下、同様に、指が続けて時計方向へ略リング状に回動され、磁石１３Ｂに触れたまま磁石１３Ｃの回転が検出された場合には、回転操作が１８０度まで行われたことを、磁石１３Ｃに触れたまま磁石１３Ｄの回転が検出された場合には、２７０度まで回転操作されたことを電子回路が検出し、機器の表示手段に表示されたメニュー上のカーソル等を、例えば上方向へ回転角度分だけ移動させる。
【００３７】
なお、指が上記とは逆の反時計方向へ略リング状に回転操作された場合にも、同様に磁石１３Ａ〜１３Ｄの回転によって、指の回転方向と回転角度を電子回路が検出し、その回転角度分だけカーソルを、例えば下方向へ移動させる。
【００３８】
つまり、機器の表示手段を見ながら、上ケース１１上面で指を略リング状に回動することによって、上ケース１１中心に回転軸１４を向けて、略リング状に配列装着された四つの磁石１３Ａ〜１３Ｄを回転し、この磁気の変化を磁気検出素子１６が検出することで、表示手段に表示されたカーソル等を所定方向へ移動させて、容易にメニューの選択等が行えるように構成されている。
【００３９】
また、直径２〜３ｍｍ前後の磁石１３Ａ〜１３Ｄが、上ケース１１上面の直径１０〜２０ｍｍ前後の範囲に配列装着され、指が常に二つの隣接する磁石１３Ａや１３Ｂ等に当接して、これらが回転して、上記のような時計または反時計方向への回転操作が行われるため、指の回転方向や回転角度を確実に検出できるようになっている。
【００４０】
さらに、図５（ｂ）に示すように、上ケース１１上面で指を左右方向に動かすと、この場合には磁石１３Ａのみが回転し、この下方の磁気検出素子１６が磁石１３Ａの磁気を検出して、位相差のある電圧信号が電子回路へ出力され、これによって電子回路が磁石１３Ａの回転方向と回転角度を検出し、表示されたメニュー上のカーソル等を、例えば左または右方向へ移動させる。
【００４１】
なお、指によって磁石１３Ｃのみが回転操作された場合にも、同様にこれを電子回路が検出し、カーソルが左または右方向へ移動する。
【００４２】
また、指を上下方向に移動し、磁石１３Ｂや１３Ｄが回転操作された場合には、これらの下方の磁気検出素子１６からの位相差のある電圧信号によって、指の上下方向への操作を電子回路が検出し、この場合には例えば、回転操作とは異なる速さでカーソルを上下方向に移動させる。
【００４３】
すなわち、上述した時計及び反時計方向の回転操作に加え、指を上下または左右方向に移動して、複数の磁石１３Ａ〜１３Ｄを回転することによって、上下または左右方向の移動操作も可能となり、より多様な操作が行えるようになっている。
【００４４】
そして、このような指の移動操作の場合には、上記のような指が常に二つの隣接する磁石１３Ａや１３Ｂ等に当接して、複数の電圧信号が出力される時計または反時計方向への回転操作とは異なり、磁石１３Ａ〜１３Ｄのうち一つからしか電圧信号が出力されないため、電子回路での回転操作と移動操作の判別も容易に行うことができる。
【００４５】
つまり、四つの磁石１３Ａ〜１３Ｄを上ケース１１中心に回転軸１４を向けて、略リング状に回転可能に配列装着することによって、所定の数の磁石で、指を略リング状に回動する時計及び反時計方向の回転操作と、指を上下または左右方向に移動する移動操作の、複数の操作が行えるように構成されている。
【００４６】
また、このようにカーソルが所望のメニュー上に位置した状態で、上ケース１１中央の押釦２２を下方へ押圧操作すると、カバーシート２１が撓んで下面の凸部２１Ａがテープ２０を介して、可動接点１９の略ドーム状の中央部を押圧し、所定の押圧力が加わると、可動接点１９がクリック感を伴って下方へ弾性反転して、可動接点１９の下面中央が中央固定接点１８Ａに接触することによって、中央固定接点１８Ａと外側固定接点１８Ｂが、可動接点１９を介して電気的に接続された状態となる。
【００４７】
そして、押釦２２への押圧力を解除すると、弾性復帰力によって可動接点１９が上方へ弾性反転し、可動接点１９の下面中央が中央固定接点１８Ａから離れて、中央固定接点１８Ａと外側固定接点１８Ｂが電気的に切断された状態となり、この固定接点１８の電気的接離を電子回路が検出して、例えば、メニューの確定や次メニューの表示等が行われる。
【００４８】
なお、以上の説明では判り易くするために、四つの磁石１３Ａ〜１３Ｄを略リング状に配列装着した構成について説明したが、図６の平面図に示すように、八つの磁石１３を上ケース１１中心に回転軸１４を放射状に向けて、略リング状に回転可能に配列装着した構成とすることによって、上ケース１１上面のやや大きな直径の範囲に複数の磁石１３を配列装着しても、指の略リング状の回転操作、及び上下または左右方向への移動操作の、操作方向や操作量を高精度に検出することができる。
【００４９】
また、以上の説明では、Ｎ極とＳ極が所定の角度間隔で、例えば６０度間隔で三つずつ隣接して形成された磁石１３Ａ等を用いた構成について説明したが、やや検出精度は劣るが、Ｎ極とＳ極が１８０度間隔で一つずつ形成されたものや、あるいは４５度間隔で四つずつ形成されたものを用いて、検出精度をより高めた構成としてもよい。
【００５０】
さらに、以上の説明では、垂直方向の磁気を検出する磁気素子１６Ａと、水平方向の磁気を検出する磁気素子１６Ｂが一対となった磁気検出素子１６を、磁石１３Ａ〜１３Ｄの下方に配置した構成について説明したが、同じ方向の磁気を検出する磁気素子が、所定の間隔で並列に配置された磁気検出素子を用い、これらの位置の違いによる時間のずれから位相差のある電圧信号を得、これによって磁石１３Ａ〜１３Ｄの回転方向と回転角度の検出を行う構成としても、本発明の実施は可能である。
【００５１】
そして、磁石１３Ａ〜１３Ｄの形状も上述した略楕円球状のほか、略円柱状や略球状等、ある程度の円みを有し回転操作の行い易いものであれば、様々な形状において本発明の実施は可能である。
【００５２】
このように本実施の形態によれば、Ｎ極とＳ極が所定の角度間隔で形成された略円柱状または略球状の複数の磁石１３Ａ〜１３Ｄを、上ケース１１や下ケース１２中心に回転軸１４を向けて略リング状に、回転可能に配列装着することによって、指を略リング状に回動して複数の磁石を回転することで、時計及び反時計方向の回転操作が行えると共に、指を上下または左右方向に移動して個々の磁石を回転することで、上下または左右方向の移動操作も行えるため、所定の数の磁石で複数の操作が可能となり、簡易な構成で、多様な操作の行える入力装置を得ることができるものである。
【００５３】
なお、以上の説明では、ベースシート１７上面に固定接点１８を設け、この上に可動接点１９を載置してスイッチ接点を形成した構成について説明したが、配線基板１５上面に固定接点１８を設け、この上に可動接点１９を載置した構成や、可動接点１９に代えて、固定接点１８上方に下面に可動接点が形成されたゴム等の押釦を対向させたもの、あるいは、単品のプッシュスイッチを配線基板１５上面に実装したもの等、様々なスイッチ接点を用いた構成としても、本発明の実施は可能である。
【産業上の利用可能性】
【００５４】
本発明による入力装置は、簡易な構成で、多様な操作が可能なものを実現することができるという有利な効果を有し、主に各種電子機器の操作用として有用である。
【符号の説明】
【００５５】
１１ 上ケース
１１Ａ 貫通孔
１１Ｂ 開口部
１２ 下ケース
１２Ａ 貫通孔
１２Ｂ 開口部
１２Ｃ 保持部
１３、１３Ａ、１３Ｂ、１３Ｃ、１３Ｄ 磁石
１４ 回転軸
１５ 配線基板
１６ 磁気検出素子
１６Ａ、１６Ｂ 磁気素子
１７ ベースシート
１８ 固定接点
１８Ａ 中央固定接点
１８Ｂ 外側固定接点
１９ 可動接点
２０ テープ
２１ カバーシート
２１Ａ 凸部
２２ 押釦
【技術分野】
【０００１】
本発明は、主に各種電子機器の操作に用いられる入力装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
近年、携帯電話や電子カメラ等の各種電子機器の高機能化や小型化が進むに伴い、これらの操作に用いられる入力装置にも、小型薄型化が図れ、多様な操作を行えるものが求められている。
【０００３】
このような従来の入力装置について、図７及び図８を用いて説明する。
【０００４】
図７は従来の入力装置の断面図、図８は同分解斜視図であり、同図において、１は略円盤状で絶縁樹脂製の操作体、２は略リング状の磁石で、磁石２の上下面には磁性の異なるＮ極とＳ極が所定の角度間隔で交互に隣接して形成されると共に、この磁石２が操作体１下面に固着されている。
【０００５】
そして、３は略円盤状で鋼板等のケース、４は絶縁樹脂製のカバーで、カバー４の開口孔４Ａから操作体１上部が突出すると共に、略円弧状の複数の貫通孔３Ａが形成されたケース３上に、操作体１が回転可能に載置されている。
【０００６】
また、５は上下面に複数の配線パターン（図示せず）が形成された配線基板、６はホール素子等の磁気検出素子で、磁石２下方の配線基板５上面に複数の磁気検出素子６が実装され、磁石２と所定の間隙を空けて対向配置されている。
【０００７】
さらに、７はフィルム状のシートで、このシート７が配線基板５上面を覆うと共に、ケース３下端が配線基板５に固着されて、入力装置が構成されている。
【０００８】
そして、このように構成された入力装置が、携帯電話や電子カメラ等の電子機器の操作部（図示せず）に、操作体１上部を突出させて装着されると共に、複数の磁気検出素子６が配線パターンやリード線（図示せず）等を介して、機器の電子回路（図示せず）に電気的に接続される。
【０００９】
以上の構成において、例えば機器の液晶表示素子等の表示手段（図示せず）に、氏名や曲名等の複数のメニューやカーソル（図示せず）等が表示された状態で、操作体１上部を指で回転操作すると、操作体１下面に固着され、Ｎ極とＳ極が交互に隣接形成された磁石２が回転する。
【００１０】
また、この回転によってＮ極とＳ極が交互に変化する磁石２の磁気を、下方に対向配置された複数の磁気検出素子６が検出し、所定の電圧信号が機器の電子回路へ出力されるが、この時、複数の磁気検出素子６は離れた箇所に配置されているため、各々から出力される電圧信号は、所定時間ずれた位相差のあるものとなる。
【００１１】
そして、機器の電子回路がこれらの電圧信号から、磁石２が下面に固着された操作体１の回転方向と回転角度を検出し、機器の表示手段に表示されたメニュー上のカーソル等を、例えば、操作体１が時計方向へ回転操作された場合にはカーソルを上方向へ、反時計方向へ回転操作された場合には下方向へ、回転角度分だけ移動させる。
【００１２】
つまり、機器の表示手段を見ながら、操作体１を所定方向へ回転操作することによって、表示手段に表示されたカーソル等を所定方向へ移動させて、メニューの選択等を容易に行えるように構成されているものであった。
【００１３】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献１が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【００１４】
【特許文献１】特開２００９−７６３４４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１５】
しかしながら、上記従来の入力装置においては、操作体１の時計または反時計方向の二方向のみの回転操作しか行えないため、例えばカーソルを上下方向に加え、左右方向へも移動させたい場合には、他のスイッチ等を別途設ける必要があり、構成も複雑で、高価なものとなってしまうという課題があった。
【００１６】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、簡易な構成で、多様な操作が可能な入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１７】
上記目的を達成するために本発明は、略円盤状のケースに、Ｎ極とＳ極が所定の角度間隔で形成された略円柱状または略球状の複数の磁石を、ケース中心に回転軸を向けて略リング状に、回転可能に配列装着して入力装置を構成したものであり、指を略リング状に回動して複数の磁石を回転することで、時計及び反時計方向の回転操作が行えると共に、指を上下または左右方向に移動して個々の磁石を回転することで、上下または左右方向の移動操作も行えるため、所定の数の磁石で複数の操作が可能となり、簡易な構成で、多様な操作の行える入力装置を得ることができるという作用を有するものである。
【発明の効果】
【００１８】
以上のように本発明によれば、簡易な構成で、多様な操作が可能な入力装置を実現することができるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【００１９】
【図１】本発明の一実施の形態による入力装置の断面図
【図２】同分解斜視図
【図３】同部分側面図
【図４】同平面図
【図５】同平面図
【図６】同他の実施の形態による平面図
【図７】従来の入力装置の断面図
【図８】同分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【００２０】
以下、本発明の実施の形態について、図１〜図６を用いて説明する。
【００２１】
なお、これらの図面は構成を判り易くするために、部分的に寸法を拡大して表している。
【００２２】
（実施の形態）
図１は本発明の一実施の形態による入力装置の断面図、図２は同分解斜視図であり、同図において、１１は略円盤状でＡＢＳ等の絶縁樹脂製の上ケース、１２は同じくポリアセタール等の絶縁樹脂製の下ケースで、下ケース１２には中央に貫通孔１２Ａと、この外周に複数の、例えば楕円形状の四つの開口部１２Ｂと、これに連結された半円柱状の一対の保持部１２Ｃが形成されると共に、上ケース１１には中央に貫通孔１１Ａと、この外周に開口部１２Ｂよりやや小さな、楕円形状の四つの開口部１１Ｂが設けられている。
【００２３】
また、１３Ａ〜１３Ｄは略楕円球状で直径２〜３ｍｍ前後のフェライトやＮｄ−Ｆｅ−Ｂ合金等の磁石で、図３の部分側面図に示すように、磁性の異なるＮ極とＳ極が所定の角度間隔で、例えば６０度間隔で隣接して形成されると共に、中心には円柱状に突出した一対の回転軸１４が設けられている。
【００２４】
そして、この複数の、例えば四つの磁石１３Ａ〜１３Ｄが、下ケース１２の保持部１２Ｃに回転軸１４が挿入されて開口部１２Ｂ内に、例えば図４の平面図に示すように、磁石１３Ａとこれに対向した磁石１３Ｃが上下方向に、磁石１３Ｂと１３Ｄが磁石１３Ａや１３Ｃとは直交方向の左右方向に、上ケース１１や下ケース１２中心に回転軸１４を放射状に向けて略リング状に、直径１０〜２０ｍｍ前後の位置に各々回転可能に配列装着されている。
【００２５】
さらに、１５は紙フェノールやガラス入りエポキシ等の配線基板で、上下面には銅箔等によって複数の配線パターン（図示せず）が形成されると共に、磁石１３Ａ〜１３Ｄ下方の配線基板１５上面には、垂直方向の磁気を検出するホール素子や、水平方向の磁気を検出するＧＭＲ素子等の、四つの磁気検出素子１６が実装装着されている。
【００２６】
なお、この磁気検出素子１６は、図３に示すように、垂直方向の磁気を検出する磁気素子１６Ａと、これとは直交方向の水平方向の磁気を検出する磁気素子１６Ｂが、一対となって形成されている。
【００２７】
また、１７はポリエチレンテレフタレートやポリカーボネート等のフィルム状のベースシートで、磁気検出素子１６が挿通する複数の貫通孔が形成されると共に、上面中央には銅やカーボン等によって、略円形状の中央固定接点１８Ａと、これを囲む略馬蹄状または略リング状の外側固定接点１８Ｂから形成された、固定接点１８が設けられている。
【００２８】
そして、１９は略ドーム状で銅合金や鋼等の導電金属薄板製の可動接点で、この可動接点１９の外周が外側固定接点１８Ｂ上に載置され、下面中央が中央固定接点１８Ａと所定の間隙を空けて対向するように、フィルム状のテープ２０によってベースシート１７上面に貼付されている。
【００２９】
さらに、２１はポリエチレンテレフタレート等のフィルム状のカバーシートで、このカバーシート２１がベースシート１７や配線基板１５上面を覆うと共に、カバーシート２１下面中央に印刷等によって形成された凸部２１Ａが、テープ２０を介して可動接点１９中央部に当接している。
【００３０】
また、２２はＡＢＳ等の押釦で、上ケース１１と下ケース１２の貫通孔１１Ａと１２Ａ内に上下動可能に装着されると共に、この押釦２２がカバーシート２１上面中央に載置されて、入力装置が構成されている。
【００３１】
そして、このように構成された入力装置が、携帯電話や電子カメラ等の電子機器の操作部（図示せず）に、磁石１３Ａ〜１３Ｄや押釦２２上部を突出させて装着されると共に、固定接点１８や複数の磁気検出素子１６が配線パターンやリード線（図示せず）等を介して、機器の電子回路（図示せず）に電気的に接続される。
【００３２】
以上の構成において、例えば機器の液晶表示素子等の表示手段（図示せず）に、氏名や曲名等の複数のメニューやカーソル（図示せず）等が表示された状態で、例えば図５（ａ）の平面図に示すように、指を上ケース１１上面に当て、磁石１３Ａから磁石１３Ｂの方向へ時計方向に略リング状に回動すると、先ず、上ケース１１中心に上下方向に回転軸１４を向けた磁石１３Ａが回転する。
【００３３】
そして、例えば図３に示すように、磁石１３Ａ下方の磁気検出素子１６が、Ｎ極とＳ極が所定の角度間隔で隣接形成され、回転によってＮ極とＳ極が交互に変化する磁石１３Ａの磁気を検出するが、この時、磁気素子１６Ａは垂直方向の磁気を、これと一対の磁気素子１６Ｂは水平方向の磁気を各々検出する。
【００３４】
したがって、磁気素子１６Ａから出力されるパルス状の電圧信号と、磁気素子１６Ｂから出力されるパルス状の電圧信号は、所定時間ずれた位相差のあるものとなって、これらが磁気検出素子１６から機器の電子回路に出力され、この位相差によって電子回路が磁石１３Ａの回転方向、つまり時計方向への回転操作が行われたことを検出する。
【００３５】
また、磁石１３Ａに指の一部を触れたまま、指を磁石１３Ｂの位置まで回動した場合には、上ケース１１中心に左右方向に回転軸１４を向けた磁石１３Ｂも回転し、この下方の磁気検出素子１６が磁石１３Ｂの磁気を検出して、上記と同様に位相差のある電圧信号を出力し、これによって電子回路が、時計方向への回転操作が９０度まで行われたことを検出する。
【００３６】
以下、同様に、指が続けて時計方向へ略リング状に回動され、磁石１３Ｂに触れたまま磁石１３Ｃの回転が検出された場合には、回転操作が１８０度まで行われたことを、磁石１３Ｃに触れたまま磁石１３Ｄの回転が検出された場合には、２７０度まで回転操作されたことを電子回路が検出し、機器の表示手段に表示されたメニュー上のカーソル等を、例えば上方向へ回転角度分だけ移動させる。
【００３７】
なお、指が上記とは逆の反時計方向へ略リング状に回転操作された場合にも、同様に磁石１３Ａ〜１３Ｄの回転によって、指の回転方向と回転角度を電子回路が検出し、その回転角度分だけカーソルを、例えば下方向へ移動させる。
【００３８】
つまり、機器の表示手段を見ながら、上ケース１１上面で指を略リング状に回動することによって、上ケース１１中心に回転軸１４を向けて、略リング状に配列装着された四つの磁石１３Ａ〜１３Ｄを回転し、この磁気の変化を磁気検出素子１６が検出することで、表示手段に表示されたカーソル等を所定方向へ移動させて、容易にメニューの選択等が行えるように構成されている。
【００３９】
また、直径２〜３ｍｍ前後の磁石１３Ａ〜１３Ｄが、上ケース１１上面の直径１０〜２０ｍｍ前後の範囲に配列装着され、指が常に二つの隣接する磁石１３Ａや１３Ｂ等に当接して、これらが回転して、上記のような時計または反時計方向への回転操作が行われるため、指の回転方向や回転角度を確実に検出できるようになっている。
【００４０】
さらに、図５（ｂ）に示すように、上ケース１１上面で指を左右方向に動かすと、この場合には磁石１３Ａのみが回転し、この下方の磁気検出素子１６が磁石１３Ａの磁気を検出して、位相差のある電圧信号が電子回路へ出力され、これによって電子回路が磁石１３Ａの回転方向と回転角度を検出し、表示されたメニュー上のカーソル等を、例えば左または右方向へ移動させる。
【００４１】
なお、指によって磁石１３Ｃのみが回転操作された場合にも、同様にこれを電子回路が検出し、カーソルが左または右方向へ移動する。
【００４２】
また、指を上下方向に移動し、磁石１３Ｂや１３Ｄが回転操作された場合には、これらの下方の磁気検出素子１６からの位相差のある電圧信号によって、指の上下方向への操作を電子回路が検出し、この場合には例えば、回転操作とは異なる速さでカーソルを上下方向に移動させる。
【００４３】
すなわち、上述した時計及び反時計方向の回転操作に加え、指を上下または左右方向に移動して、複数の磁石１３Ａ〜１３Ｄを回転することによって、上下または左右方向の移動操作も可能となり、より多様な操作が行えるようになっている。
【００４４】
そして、このような指の移動操作の場合には、上記のような指が常に二つの隣接する磁石１３Ａや１３Ｂ等に当接して、複数の電圧信号が出力される時計または反時計方向への回転操作とは異なり、磁石１３Ａ〜１３Ｄのうち一つからしか電圧信号が出力されないため、電子回路での回転操作と移動操作の判別も容易に行うことができる。
【００４５】
つまり、四つの磁石１３Ａ〜１３Ｄを上ケース１１中心に回転軸１４を向けて、略リング状に回転可能に配列装着することによって、所定の数の磁石で、指を略リング状に回動する時計及び反時計方向の回転操作と、指を上下または左右方向に移動する移動操作の、複数の操作が行えるように構成されている。
【００４６】
また、このようにカーソルが所望のメニュー上に位置した状態で、上ケース１１中央の押釦２２を下方へ押圧操作すると、カバーシート２１が撓んで下面の凸部２１Ａがテープ２０を介して、可動接点１９の略ドーム状の中央部を押圧し、所定の押圧力が加わると、可動接点１９がクリック感を伴って下方へ弾性反転して、可動接点１９の下面中央が中央固定接点１８Ａに接触することによって、中央固定接点１８Ａと外側固定接点１８Ｂが、可動接点１９を介して電気的に接続された状態となる。
【００４７】
そして、押釦２２への押圧力を解除すると、弾性復帰力によって可動接点１９が上方へ弾性反転し、可動接点１９の下面中央が中央固定接点１８Ａから離れて、中央固定接点１８Ａと外側固定接点１８Ｂが電気的に切断された状態となり、この固定接点１８の電気的接離を電子回路が検出して、例えば、メニューの確定や次メニューの表示等が行われる。
【００４８】
なお、以上の説明では判り易くするために、四つの磁石１３Ａ〜１３Ｄを略リング状に配列装着した構成について説明したが、図６の平面図に示すように、八つの磁石１３を上ケース１１中心に回転軸１４を放射状に向けて、略リング状に回転可能に配列装着した構成とすることによって、上ケース１１上面のやや大きな直径の範囲に複数の磁石１３を配列装着しても、指の略リング状の回転操作、及び上下または左右方向への移動操作の、操作方向や操作量を高精度に検出することができる。
【００４９】
また、以上の説明では、Ｎ極とＳ極が所定の角度間隔で、例えば６０度間隔で三つずつ隣接して形成された磁石１３Ａ等を用いた構成について説明したが、やや検出精度は劣るが、Ｎ極とＳ極が１８０度間隔で一つずつ形成されたものや、あるいは４５度間隔で四つずつ形成されたものを用いて、検出精度をより高めた構成としてもよい。
【００５０】
さらに、以上の説明では、垂直方向の磁気を検出する磁気素子１６Ａと、水平方向の磁気を検出する磁気素子１６Ｂが一対となった磁気検出素子１６を、磁石１３Ａ〜１３Ｄの下方に配置した構成について説明したが、同じ方向の磁気を検出する磁気素子が、所定の間隔で並列に配置された磁気検出素子を用い、これらの位置の違いによる時間のずれから位相差のある電圧信号を得、これによって磁石１３Ａ〜１３Ｄの回転方向と回転角度の検出を行う構成としても、本発明の実施は可能である。
【００５１】
そして、磁石１３Ａ〜１３Ｄの形状も上述した略楕円球状のほか、略円柱状や略球状等、ある程度の円みを有し回転操作の行い易いものであれば、様々な形状において本発明の実施は可能である。
【００５２】
このように本実施の形態によれば、Ｎ極とＳ極が所定の角度間隔で形成された略円柱状または略球状の複数の磁石１３Ａ〜１３Ｄを、上ケース１１や下ケース１２中心に回転軸１４を向けて略リング状に、回転可能に配列装着することによって、指を略リング状に回動して複数の磁石を回転することで、時計及び反時計方向の回転操作が行えると共に、指を上下または左右方向に移動して個々の磁石を回転することで、上下または左右方向の移動操作も行えるため、所定の数の磁石で複数の操作が可能となり、簡易な構成で、多様な操作の行える入力装置を得ることができるものである。
【００５３】
なお、以上の説明では、ベースシート１７上面に固定接点１８を設け、この上に可動接点１９を載置してスイッチ接点を形成した構成について説明したが、配線基板１５上面に固定接点１８を設け、この上に可動接点１９を載置した構成や、可動接点１９に代えて、固定接点１８上方に下面に可動接点が形成されたゴム等の押釦を対向させたもの、あるいは、単品のプッシュスイッチを配線基板１５上面に実装したもの等、様々なスイッチ接点を用いた構成としても、本発明の実施は可能である。
【産業上の利用可能性】
【００５４】
本発明による入力装置は、簡易な構成で、多様な操作が可能なものを実現することができるという有利な効果を有し、主に各種電子機器の操作用として有用である。
【符号の説明】
【００５５】
１１ 上ケース
１１Ａ 貫通孔
１１Ｂ 開口部
１２ 下ケース
１２Ａ 貫通孔
１２Ｂ 開口部
１２Ｃ 保持部
１３、１３Ａ、１３Ｂ、１３Ｃ、１３Ｄ 磁石
１４ 回転軸
１５ 配線基板
１６ 磁気検出素子
１６Ａ、１６Ｂ 磁気素子
１７ ベースシート
１８ 固定接点
１８Ａ 中央固定接点
１８Ｂ 外側固定接点
１９ 可動接点
２０ テープ
２１ カバーシート
２１Ａ 凸部
２２ 押釦
【特許請求の範囲】
【請求項１】
略円盤状のケースと、Ｎ極とＳ極が所定の角度間隔で形成された略円柱状または略球状の複数の磁石と、この磁石に所定の間隙を空けて対向配置された複数の磁気検出素子からなり、上記ケースに上記複数の磁石を、ケース中心に回転軸を向けて略リング状に、回転可能に配列装着した入力装置。
【請求項１】
略円盤状のケースと、Ｎ極とＳ極が所定の角度間隔で形成された略円柱状または略球状の複数の磁石と、この磁石に所定の間隙を空けて対向配置された複数の磁気検出素子からなり、上記ケースに上記複数の磁石を、ケース中心に回転軸を向けて略リング状に、回転可能に配列装着した入力装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【公開番号】特開２０１１−１４１７１４（Ｐ２０１１−１４１７１４Ａ）
【公開日】平成２３年７月２１日（２０１１．７．２１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１６７８（Ｐ２０１０−１６７８）
【出願日】平成２２年１月７日（２０１０．１．７）
【出願人】（０００００５８２１）パナソニック株式会社 (73,050)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年７月２１日（２０１１．７．２１）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年１月７日（２０１０．１．７）
【出願人】（０００００５８２１）パナソニック株式会社 (73,050)
【Ｆターム（参考）】
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