説明

入退管理システム

【課題】 顧客及び監視要不要者の具体的な情報を得ることができ、会員カード等を所持しない顧客についても情報を得ることができる入退管理システムを提供すること。
【解決手段】 ゲート部10は、無線タグRTの通過を検出した場合、原則としてゲート部10を実購入又は未処理の商品が通過するものとして、無断持ち出しの警報をアラーム装置58から発生させる。また、制御監視システム60は、ゲート部10から受け取った画像データに基づいて、現通過者が監視不要者であるか否かを判断し、監視不要者である場合、ゲート部10のアラーム装置58の動作禁止する。また、制御監視システム60は、ゲート部10から受け取った画像データに基づいて、現通過者が要監視者であるか否かを判断し、要監視者である場合、ゲート部10のアラーム装置58を強制的に動作させ、歓迎の音響効果や警戒の音響効果を発生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線タグを用いた入退管理システム、特に、画像情報を利用した入退管理を行う万引き防止装置等を含む入退管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線タグを用いた商品及び顧客の管理システムが存在する(特許文献1参照)。このような管理システムでは、レンタルビデオテープを許可なく持ち出そうとした場合、レンタルビデオテープに取り付けられた無線タグを検出して警報を発生する。さらに、この管理システムでは、店員が会員カードに埋め込まれた無線タグとレンタルビデオテープに取り付けられた無線タグとについてタグアドレスを読み取って、端末装置のディスク装置に設けたマスタを参照しつつ、会員であることや、ビデオテープの貸出情報等を確認する。
【特許文献1】特開2000−242861号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のような管理システムでは、顧客の具体的な情報を得ることができない。
【0004】
また、上記のような管理システムでは、会員カード等を所持しない顧客については情報を得ることができない。
【0005】
そこで、本発明は、顧客や監視要不要者の具体的な情報を得ることができ、会員カード等を所持しない顧客についても情報を得ることができる入退管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る入退管理システムは、(a)通路の側方の所定位置に設置された少なくとも1つのゲートと、(b)ゲートに設けられた送信機及び受信機と、(c)送信機及び受信機を動作させた結果に基づいて、所定の応答性を有する無線タグが通過することを検出する検出装置と、(d)通路を通過する人の静止画又は動画を撮影する少なくとも1つのカメラとを備える。なお、上述の送信機及び受信機は、両者別体の回路装置として構成される場合に限られるものではなく、例えば、1つ或いは2つのうち一方のゲートに集積化された送受信機として組み込まれる場合もある。一方、送信機及び受信機が別体の回路装置として構成される場合、両者は、1つのゲートに独立して組み込まれるだけでなく、2つのゲートに送受信及び受信機としてそれぞれ別個に組み込まれる場合もある。また、少なくとも1つのカメラは、送信機及び受信機の双方又は一方を組み込んだ側のゲートに設けることもできる。
【0007】
上記入退管理システムでは、通路を通過する人の静止画又は動画を撮影する少なくとも1つのカメラと備えるので、通路を通過する人の様子を画像として取り込んで、情報として出力したり保存することができる。
【0008】
また、本発明の具体的態様では、上記入退管理システムにおいて、少なくとも1つのカメラを、ゲートの所定位置に、撮影方向を変更可能に支持する支持手段をさらに備える。この場合、通路を通過する人の様子を所望の角度から撮影することができる。
【0009】
また、本発明の別の具体的態様では、外部からの制御信号に基づいて支持手段を動作させて、少なくとも1つのカメラの撮影方向を調節する姿勢調節手段をさらに備える。この場合、カメラの姿勢の遠隔的操作が可能になり、送信機や受信機の動作と同期させて様々なタイミングで通路を通過する人を撮影することができる。
【0010】
また、本発明の別の具体的態様では、少なくとも1つのカメラのうちレンズ正面を露出させる開口を有するとともに、当該レンズを除いたカメラ本体の正面を覆うカバーをさらに備える。この場合、通路を不当に通過しようとする者、通路を一定条件下で通過しようとする者がカメラの存在を知ることを回避できるので、通路を通過する人の画像をとらえやすくなる。
【0011】
また、本発明の別の具体的態様では、少なくとも1つのカメラによって撮影された画像を使用し、通路の通過者の画像的特徴を抽出する特徴抽出手段をさらに備える。この場合、通路の通過者を特徴抽出によるグループ分け、特定化、個人認証等が可能になる。
【0012】
また、本発明の別の具体的態様では、通路の通過予定者に関する情報を予め保存するデータベース手段と、特徴抽出手段によって抽出された画像的特徴とデータベース手段の画像データとを比較して通路の通過者の認証を行う認証手段と、認証手段によって特定された現通過者がデータベース手段の要監視者であるか否かを判断する対象者判断手段と、対象者判断手段によって現通過者が要監視者であると判断した場合に、通報信号を発生する通報手段とをさらに備える。この場合、通過予定者のうち要監視者の通過をチェックすることができ、入退出の阻止や制限を行うことができ、また、入退出に際して特別の待遇を行うことができる。
【0013】
本発明の別の具体的態様では、通路の通過予定者に関する情報を予め保存するデータベース手段と、特徴抽出手段によって抽出された画像的特徴とデータベース手段の画像データとを比較して通路の通過者の認証を行う認証手段と、認証手段によって特定された現通過者がデータベース手段の監視不要者であるか否かを判断する対象者判断手段と、対象者判断手段によって現通過者が監視不要者であると判断した場合に、通報信号の発生を防止する通報防止手段とをさらに備える。この場合、通過予定者のうち監視不要者の通過をチェックすることができ、入退出の阻止や制限を強制的に解除することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1(a)、(b)は、本発明の一実施形態に係る入退管理システムのゲート部の外観構造を説明する側面図及び正面図である。なお、この入退管理システムは、万引き防止装置として使用され、ゲート部は、例えば量販店その他の各種店舗の出入り口である通路の片側或いは両側に配置される。
【0015】
図示のゲート部10は、基部11と、アンテナ部13と、上端部15とを備える。基部11のケース中には、後に詳述するが、送信機や受信機の他、ゲート制御部等が内蔵されている。送信機は、ゲート制御部の制御下でアンテナ部13に所定電力の信号を出力し、受信機は、アンテナ部13から検出信号の入力を受ける。これらの送信機及び受信機は、入出力タイミングをずらすなど、適宜同期して動作するようになっている。なお、ゲート部10が通路の両側に設けられる場合、一方の各ゲート部に送信機を設け、他方の各ゲート部に受信機を設けるといった構成も採用可能である。
【0016】
アンテナ部13は、基部11に設けた送信機からの出力信号を受けて、不図示の無線タグに対して応答可能な信号を出力する。アンテナ部13は、例えば近くに存在する無線タグに電力を供給することにより、無線タグの応答動作を可能にする。このような応答動作は、無線タグからの特有の応答信号として検出される。或いは、無線タグとして共振タグを用いる場合、共振タグの応答動作が検出信号の変化として検出される。
【0017】
上端部15は、中央にケース23を有しており、このケース23は、小型のカメラ21を内蔵している。このカメラ21は、ケース23内で姿勢の調整が可能になっており、小さな矩形の窓25越しにゲート部10の通過者を様々な角度で撮影できるようになっている。なお、カメラ21やその駆動機構は、全体として小型で薄型のケース23中に収められており、その存在は、ゲート部10を通過する入退出者にとって目立たないものとなっている。
【0018】
図2(a)、(b)は、ゲート部10の上端部15の内部構造を説明する平面図及び側方断面図である。
【0019】
上端部15に設けたケース23の正面には、矩形の開口である窓25が形成されており、この窓25は、透明な保護部材25aで封止され保護されている。
【0020】
ケース23の内部には、当該ケース23上部に延在する支持部材31の下面に駆動装置32が固定されており、当該駆動装置32の鉛直下方に延びる回転軸33から延びる断面L字状のアーム34の垂直部材34aの正面側には、カメラ21が固定されている。駆動装置32は、ステッピングモータや駆動回路等からなり、不図示のケーブルから電源の供給を受けており、基部11に設けたゲート制御部(不図示)からの駆動制御信号に応じて回転軸33を所望の角度に回転させることができる。つまり、アーム34に取り付けられたカメラ21は、外部からの駆動制御信号に応じて、水平方向の一定角度範囲内(例えば±45゜)でその回転姿勢すなわち撮影方向を調節可能となっている。ここで、支持部材31、駆動装置32、及びアーム34は、撮影方向の変更を可能にしつつカメラ21を支持する支持手段とてして機能する。
【0021】
カメラ21は、カメラ本体41とレンズ42とからなる。カメラ本体41には、レンズ42によって形成された画像を検出して適当な画像データに変換するCCD等の画像素子や、画像データを適当なデータ形式に変換するデータコンバータの他に、基部11に設けたゲート制御部(不図示)との間でデータ通信を行うマイコンチップが納められている。このようなマイコンチップにより、基部11中に設けたゲート制御部等に大容量の画像データを逐次送ることができ、当該ゲート制御部からの駆動制御信号に応じて画像データの送信タイミング等を調節することができるようになっている。
【0022】
カメラ21のレンズ42の周囲には、レンズ42の正面側を露出させる開口を有しカメラ本体41の正面側を覆うカバー44が固定されている。このカバー44は、遮光性を有する可撓性の材料からなるとともに、窓25に固定された保護部材25aの背後に配置され、カメラ21のうちレンズ42以外の部分がケース23外から観察されることを防止する。このカバー44の左右両端には、蛇腹状の伸縮部44a,44bが形成されており、カバー44の回転を許容しつつ遮光を行う。
【0023】
図3は、本実施形態の入退管理システム100の回路構造を概念的に説明するブロック図である。この入退管理システム100は、図1のゲート部10に組み込まれたゲート部10と、ゲート部10から離れた遠隔の制御室に配置される制御監視システム60とからなり、両者50,60は、通信ケーブルCAで連結されて相互にデータ通信が可能になっている。
【0024】
ゲート部10は、図2に示すカメラ21や駆動装置32の他に、商品等に貼り付けられた無線タグRTとの間で送受信を行う送信機52及び受信機53と、検出装置として送受信機52,53の動作を制御するとともに、受信機53で検出した結果に基づいて無線タグRTの有無等を検出するゲート制御部54と、ゲート部10の外部に設けた電源から電力の供給を受けて動作する電源装置56と、ゲート制御部54の指示で動作するアラーム装置58とを備える。
【0025】
このうち、カメラ21を構成するカメラ本体41は、ゲート制御部54からの指令信号に基づいて適当な時間間隔で撮像を行い、ゲート制御部54に対し動画又は静止画である画像データを逐次出力する。駆動装置32は、ゲート制御部54からの指令信号に基づいてカメラ21の姿勢を調節し、撮影方向を適当な方向に設定することができる。例えば、ゲート部10を通過する人物の身長、位置、姿勢等に合わせてカメラ21の姿勢を調節できるようになっている。つまり、ここで、駆動装置32は、ゲート制御部54と協働して、カメラ21の撮影方向を調節する姿勢調節手段として機能する。
なお、カメラ21の姿勢は、例えば、後述する制御監視システム60のオペレータの指令によって調節することができる。また、カメラ21の姿勢は、制御監視システム60の画像判別機能を利用して調節することもできる。後者の場合、制御監視システム60が例えばカメラ21から取り込んだ画像から人物等の動体を抽出しその運動を追跡するようにカメラ21の向きを調節する。
【0026】
送信機52は、無線タグRTに供給可能な電波を発生し、これと並行して、無線タグRTに対する応答要求信号を発生する。一方、受信機53は、送信機52から電力供給を受けて動作を開始した無線タグRTからの応答信号を受けて、無線タグRTの存在やIDその他の認証を行うことができる。なお、無線タグRTは、ICタグに限らず、共振タグとすることもでき、この場合は、無線タグRTの存在によって送信機52から射出された電磁界が無線タグRTの共振によって変化することを検出する。
【0027】
ゲート制御部54は、上述のように、送信機52及び受信機53を適当なタイミングで動作させて無線タグRTの存在やIDの検出を行う。また、ゲート制御部54は、マイコンチップからなり、カメラ21から取り込んだ画像を適当なデータ形式に変換して制御監視システム60に定期的に送信する。カメラ21から取り込んだ画像は、上述のように定期的に送信することができるが、無線タグRTの通過を検出した場合や、ゲート部10に付加的に設けた焦電センサ等(不図示)によって人物の接近を検出した場合に限ることもできる。さらに、ゲート制御部54は、制御監視システム60からの指令信号に基づいて駆動装置32を遠隔的に動作させ、カメラ21をオペレータが所望する任意の撮影方向に向けることができ、例えば特定人物の追跡画像を得ることもできる。
【0028】
制御監視システム60は、ディスプレイ、入出力装置等からなるインターフェース部61と、入退管理システム100を動作させるために必要なプログラムや各種データの他に画像データ等を保存する記憶部62と、通信ケーブルCAを介してゲート部10との間でデータの遣り取りを行う通信制御部63と、通信制御部63を介して得た画像データから特定の情報を得た場合に対応するメッセージや警報を担当部署に通報する通報装置64と、制御監視システム60の動作を統括的に制御する制御部66とを備える。
【0029】
ここで、インターフェース部61は、制御監視システム60を管理するオペレータのために設けられており、制御部66の動作状況を管理したり、動作モードの設定を変更したりすることができる。
【0030】
記憶部62は、単にプログラムに関連するデータを保存するメモリやハードディスクのみならず、大容量のストレージデバイスを備えており、ゲート部10から定期的或いは適当なタイミングで取得した動画や静止画を含む画像データを一定期間保存する。また、記憶部62は、入退管理システム100で管理すべき情報、例えばゲート部10を設けた通路の通過予定者等に関する情報を予めリストにし、付随的な情報を含めたデータベース(通過予定者等の顔画像を含む)として保管する。
【0031】
図4は、データベース手段である記憶部62に保管されるデータベースの一例を説明する図であり、図4(a)は、通過予定者のデータベース部分を示し、図4(b)は、通過非予定者のデータベース部分を示す。図4(a)に示すように、通過予定者のデータベース部分には、通過予定者の番号記録領域71aと、通過予定者の顔画像のファイル名71bと、通過予定者の登録ID領域71cと、要監視者であるか否かの情報領域71dと、監視不要者であるか否かの情報領域71eと、通過予定者の入場等でスタートするタイマー領域71fとを備える。一方、図4(b)に示すように、通過非予定者のデータベース部分には、通過非予定者の番号記録領域71aと、通過非予定者の顔画像のファイル名73bと、通過非予定者の入場等でスタートするタイマー領域73fとを備える。なお、通過非予定者の顔画像のファイルは、新たな通過者が通過予定者でない場合に、データベース部分に追加され、徐々に蓄積される。
【0032】
通信制御部63は、ゲート部10をオペレータの監視下で適宜動作させるため、ゲート部10に設けたゲート制御部54との間でデータの送受信を行っている。通信制御部63とゲート制御部54との間で送受信されるデータには、各種コマンド信号や、要求に対する応答信号の他に、画像データが含まれる。具体的には、受信機53の出力に基づいてゲート制御部54が許可されていない無線タグRTの通過を検出した場合に、その警報信号がゲート部10から通信制御部63に送信される。また、通信制御部63は、認証手段及び通報防止手段である制御部66がゲート部10の現通過者の画像データから監視不要者を検出した場合に、その通報防止信号をゲート制御部54に転送し、アラーム装置58の動作解除を可能にする。また、通信制御部63は、認証手段及び通報手段である制御部66がゲート部10の現通過者の画像データから要監視者を検出した場合に、その通報信号をゲート制御部54に転送し、アラーム装置58の強制的動作を可能にする。また、通信制御部63は、ゲート部10の現通過者が再通過するまでの時間が異常に長い場合や異常に短い場合に不審な事態の発生を予防的に検知して、その通報信号をゲート制御部54に転送し、アラーム装置58の動作開始を可能にする。また、通信制御部63は、通報装置64を介して、制御監視システム60のオペレータに通報信号を表示し、或いは制御監視システム60から離れた担当部署に通報信号を送信する。このような通報信号には、ゲート部10の現通過者の画像データから監視不要者が検出された場合の通報信号、ゲート部10の現通過者の画像データから要監視者が検出された場合の通報信号、ゲート部10の現通過者が再通過するまでの時間が異常に長い場合や異常に短い場合の通報信号等が含まれる。
【0033】
制御部66は、通信制御部63を介してゲート部10から受け取った画像データを、記憶部62のデータベースに保管された通過予定者リスト中の画像と比較して、監視不要者であるか否かを判断する。制御部66は、ゲート部10の現通過者が監視不要者であると判断した場合、通信制御部63を介してゲート部10に例えばアラーム装置58の動作禁止するコマンド(通報防止信号)を送信する。また、制御部66は、通報装置64にも同様の信号を出力する。ここで、監視不要者とは、例えばゲート部10を設けた売り場に商品を搬入したり、当該売り場から在庫品を搬出するスタッフを意味する。また、監視不要者には、この売り場の店員や社長等の役員である場合が含まれる。
【0034】
現通過者の画像データを通過予定者リスト中の画像データと比較する際には、既存の画像マッチング技術を活用する。現通過者の画像データを通過予定者リスト中の画像データとの相関度が高い場合同一人物とされ、現通過者の画像データを通過予定者リスト中の画像データとの相関度が低い場合別人物とされる。
【0035】
また、制御部66は、通信制御部63を介してゲート部10から受け取った画像データを、記憶部62のデータベースに保管された通過予定者リスト中の画像と比較して、要監視者であるか否かを判断する。制御部66は、ゲート部10の現通過者が要監視者であると判断した場合、通信制御部63を介してゲート部10にアラーム装置58を強制的に動作させるコマンドを送信する。具体的に説明すると、要監視者が自社店長や取引先の社長等の重役である場合、歓迎の音響効果を発生させるコマンドをアラーム装置58に送信して、周囲の店員に来訪を知らせることができる。また、要監視者が万引き等の前歴を有する者である場合、警戒の音響効果を発生させるコマンドをアラーム装置58に送信して、周囲の店員に警戒を呼びかけることができる。なお、制御部66は、通報装置64にもゲート部10に対してと同様の信号を出力する。
【0036】
また、制御部66は、通信制御部63を介してゲート部10から受け取った画像データを、記憶部62のデータベースに保管された既通過者リストの画像と比較するなどして、現通過者が短時間で通過を繰返す不審者であるか、再通過すべき過去の通過者が長時間経っても再通過しない不審事態が発生していることを判断する。このような不審者や不審事態を検出した場合、制御部66は、インターフェース部61を介してオペレータに警報を表示するとともに、通信制御部63を介してゲート部10にアラーム装置58を強制的に動作させて不審事態に対応する告知音声を出力させるコマンドを送信する。なお、制御部66は、通報装置64にもゲート部10に対してと同様の信号を出力する。
【0037】
また、制御部66は、特徴抽出手段として、通信制御部63を介してゲート部10から受け取った画像データを容姿や大きさ等に関して分類し、大人、子供、老人、性別等に関する各種グループ分けを行う。このような分類結果は、顧客の入退場、滞在時間等に関する統計として記憶部62に保管される。
【0038】
以下、本実施形態の入退管理システム100の動作について説明する。ゲート部10は、無線タグRTの通過を検出した場合、原則としてゲート部10を実購入又は未処理の商品が通過するものとして、無断持ち出しの警報をアラーム装置58から発生させる。また、制御監視システム60は、ゲート部10から受け取った画像データに基づいて、現通過者が監視不要者であるか否かを判断し、監視不要者である場合、ゲート部10のアラーム装置58の動作禁止する。また、制御監視システム60は、ゲート部10から受け取った画像データに基づいて、現通過者が要監視者であるか否かを判断し、要監視者である場合、ゲート部10のアラーム装置58を強制的に動作させ、歓迎の音響効果や警戒の音響効果を発生させる。また、制御監視システム60は、ゲート部10から受け取った画像データに基づいて、短時間で通過を繰返す不審者の存在や、長時間経っても再通過しない不審事態が発生しているか、否かを判断し、このような事態が発生している場合、ゲート部10のアラーム装置58を強制的に動作させ、不審事態に対応する告知音声を出力させるとともに、インターフェース部61を介してオペレータに警報を表示する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】(a)、(b)は、本発明の一実施形態に係る入退管理システムのゲート部の外観構造を説明する側面図及び正面図である。
【図2】(a)、(b)は、ゲート部の上端部の内部構造を説明する平面図及び側方断面図である。
【図3】本実施形態の入退管理システムの回路構造を概念的に説明するブロック図である。
【図4】(a)は、通過予定者のデータベース部分を示し、(b)は、通過非予定者のデータベース部分を示す。
【符号の説明】
【0040】
10…ゲート部、 11…基部、 13…アンテナ部、 15…上端部、 21…カメラ、 23…ケース、 25…窓、 31…支持部材、 32…駆動装置、 33…回転軸、 41…カメラ本体、 42…レンズ、 44…カバー、 52…送信機、 53…受信機、 54…ゲート制御部、 56…電源装置、 60…制御監視システム、 62…記憶部、 63…通信制御部、 64…通報装置、 66…制御部、 100…入退管理システム、 RT…無線タグ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
通路の側方の所定位置に設置された少なくとも1つのゲートと、
前記ゲートに設けられた送信機及び受信機と、
前記送信機及び前記受信機を動作させた結果に基づいて、所定の応答性を有する無線タグが通過することを検出する検出装置と、
通路を通過する人の静止画又は動画を撮影する少なくとも1つのカメラと
を備える入退管理システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つのカメラを、前記ゲートの所定位置に、撮影方向を変更可能に支持する支持手段をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の入退管理システム。
【請求項3】
外部からの制御信号に基づいて前記支持手段を動作させて、前記少なくとも1つのカメラの撮影方向を外部からの制御調節する姿勢調節手段をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の入退管理システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのカメラのうちレンズ正面を露出させる開口を有するとともに、当該レンズを除いたカメラ本体の正面を覆うカバーをさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項記載の入退管理システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つのカメラによって撮影された画像を使用し、前記通路の通過者の画像的特徴を抽出する特徴抽出手段をさらに備える請求項1記載の入退管理システム。
【請求項6】
前記通路の通過予定者に関する情報を予め保存するデータベース手段と、前記特徴抽出手段によって抽出された画像的特徴と前記データベース手段の画像データとを比較して前記通路の通過者の認証を行う認証手段と、前記認証手段によって特定された現通過者が前記データベース手段の要監視者であるか否かを判断する対象者判断手段と、前記対象者判断手段によって現通過者が要監視者であると判断した場合に、通報信号を発生する通報手段とをさらに備える請求項1記載の入退管理システム。
【請求項7】
前記通路の通過予定者に関する情報を予め保存するデータベース手段と、前記特徴抽出手段によって抽出された画像的特徴と前記データベース手段の画像データとを比較して前記通路の通過者の認証を行う認証手段と、前記認証手段によって特定された現通過者が前記データベース手段の監視不要者であるか否かを判断する対象者判断手段と、前記対象者判断手段によって現通過者が監視不要者であると判断した場合に、通報信号の発生を防止する通報防止手段とをさらに備える請求項1記載の入退管理システム。
【請求項8】
前記特徴抽出手段によって抽出した通過者の画像的特徴を保存するデータベース手段と、前記データベース手段に画像的特徴を保存する際に当該画像的特徴に対応させて通過後の経過時間の計測を開始するタイマー手段と、前記特徴抽出手段に抽出された画像的特徴と前記データベース手段に過去に保存されている画像的特徴とを比較することによって前記通路の通過が再通過であるか否かを判断する比較手段と、前記タイマー手段が計測している経過時間が所定時間以下である場合に前記比較手段によって再通過であると判断されたとき、及び前記比較手段によって再通過であると判断された場合に前記タイマー手段が計測している経過時間が所定時間以上であるときの少なくとも一方において、通報信号を発生する通報手段とをさらに備える請求項1記載の入退管理システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−79270(P2006−79270A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−261163(P2004−261163)
【出願日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【出願人】(000108649)タカヤ株式会社 (8)
【出願人】(000144452)株式会社三宅 (14)
【Fターム(参考)】