説明

全固体電池の製造方法

【課題】固体電解質層の充分な脱脂と活物質の酸化防止との両立が可能な全固体電池の製造方法を提供する。
【解決手段】電極活物質層と固体電解質層とを含む全固体電池の製造方法であって、少なくとも固体電解質及びバインダーを溶媒に分散させた固体電解質スラリーを成型した固体電解質シートと、少なくとも活物質を溶媒に分散させた活物質スラリーを成型した活物質シートとを、積層した積層体を作製する積層体作製工程と、前記積層体を、大気雰囲気下、前記バインダーの熱分解温度以上且つ前記活物質の酸化温度未満の温度で加熱する脱脂工程と、を含む、全固体電池の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全固体電池の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パソコン、ビデオカメラ、携帯電話等の情報関連機器や通信機器等の急速な普及に伴い、その電源として利用される電池の開発が重要視されている。また、自動車産業界においても、電気自動車やハイブリッド自動車用の高出力且つ高容量の電池の開発が進められている。各種電池の中でも、エネルギー密度と出力が高いことから、リチウム電池が注目されている。
【0003】
リチウム電池は、一般的に、正極活物質を含む正極活物質層と、負極活物質を含む負極活物質と、これら電極活物質層の間に介在する電解質層とを有し、さらに、必要に応じて、正極活物質層の集電を行う正極集電体や負極活物質層の集電を行う負極集電体とを有する。
正極活物質層と負極活物質層との間に配置される電解質層として、可燃性の有機電解液を用いるリチウム電池は、液漏れの他、短絡や過充電などを想定した安全対策が欠かせない。特に、高出力、高容量の電池は、さらなる安全性の向上が求められる。そこで、電解質として、硫化物系固体電解質や酸化物系固体電解質等の固体電解質を用いた全固体リチウム二次電池等、全固体電池の研究開発も進められている。
【0004】
全固体電池は、例えば、いわゆるグリーンシート工法により作製することができる(例えば、特許文献1、2等参照)。グリーンシートとは、焼成前の無機酸化物等のセラミックスの粉体に、バインダー、溶剤等を混合した混合スラリーを、塗布や印刷等により薄板状に成形した未焼成体を意味する。グリーンシートは、一般的には、混合スラリーを離型処理したPET等のフィルム上に塗布、乾燥して成形し、フィルムを剥離することにより得られるが、積層する相手材、例えば、積層する相手のグリーンシートや集電体等の表面にスラリーを直接塗布、乾燥することで成形することもできる。
【0005】
具体的には、特許文献1には、次のようなリチウム電池の製造方法が記載されている。すなわち、リチウムイオン伝導性バインダーを含む溶媒中に活物質を分散させた活物質スラリー、及び、リチウムイオン伝導性バインダーを含む溶媒中に硫化物系固体電解質を分散させた固体電解質スラリーを、それぞれ、滴下、加熱乾燥して、活物質シート及び固体電解質シートを形成し、該固体電解質シートを2枚の活物質シートで狭持した後、さらに該2枚の活物質シートを2枚の集電体シートで狭持して積層体を形成し、該積層体をリチウムイオン伝導性バインダーの融点以上の温度で真空ホットプレスする、方法である。
【0006】
また、特許文献2には、電解質グリーンシートを挟んで、正極グリーンシート及び負極グリーンシートを積層して積層体を作製する工程と、前記積層体を焼成する工程と、を含むリチウムイオン二次電池の製造方法において、前記正極グリーンシート又は前記負極グリーンシートの少なくとも一方が、リチウムイオン伝導性の酸化物結晶を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−33918号公報
【特許文献2】特開2009−206094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
グリーンシート工法を利用した全固体電池の製造方法では、一般的に、電解質シートには、固体電解質の他、固体電解質の固定や固体電解質の成型等を目的として、バインダー(結着材)が添加される。バインダーは、通常、イオン伝導性等、電解質層に要求される性能を有していないために、固体電解質の成型後、加熱により除去される(脱脂工程)。
脱脂工程において、バインダーが充分に分解されず、炭素化した場合、電解質層中に導電性炭化物が残留し、自己放電や内部短絡等の発生の原因となる。そのため、脱脂工程では、バインダーを完全に酸化分解することが重要である。
【0009】
しかしながら、本発明者が検討した結果、バインダーを充分に酸化分解させるために、脱脂工程を大気雰囲気下で行うと、次のような問題が生じることが見出された。すなわち、脱脂工程は、通常、電解質シートと電極活物質シートとを積層した積層体に対して実施されるため、脱脂工程の条件が、電極活物質シート中の電極活物質や積層体に含まれるその他の成分に悪影響を与える場合があることが見出された。具体的には、電極活物質として、リン酸バナジウムリチウム(Li(PO。以下、LVPということがある。)を用いた場合、脱脂工程を大気雰囲気下で行うと、ある温度以上でLVPが酸化により価数変化を生じ、電極活物質性能が低下してしまうという知見を得た。一方で、脱脂工程を不活性雰囲気下行うと、バインダーが充分に酸化分解されず、上記したような導電性炭化物の残留が生じてしまう。
【0010】
上記特許文献1や特許文献2には、脱脂工程の雰囲気について何ら記載されておらず、これら文献に記載の製造方法では、バインダーの除去と積層体を構成するその他の成分の性能維持や特性維持との両立が困難である。
【0011】
本発明は上記実情を鑑みて成し遂げられたものであり、本発明の目的は、固体電解質層の充分な脱脂と、電極活物質の酸化防止等の全固体電池を構成するその他成分の性能維持や特性維持との両立が可能な全固体電池の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の全固体電池の製造方法は、電極活物質層と固体電解質層とを含む全固体電池の製造方法であって、
少なくとも固体電解質及びバインダーを溶媒に分散させた固体電解質スラリーを成型した固体電解質シートと、少なくとも電極活物質を溶媒に分散させた電極活物質スラリーを成型した電極活物質シートと、を積層した積層体を作製する積層体作製工程と、
前記積層体を、大気雰囲気下、前記バインダーの熱分解温度以上且つ前記電極活物質の酸化温度未満の温度で加熱する脱脂工程と、
を含むことを特徴とする。
【0013】
本発明の全固体電池の製造方法によれば、電極活物質の酸化を防止しつつ、バインダーの熱分解(脱脂)を充分に進行させることができる。従って、本発明によれば、電極活物質の安定した性能維持や特性維持の達成が可能である。
【0014】
前記固体電解質として、酸化物固体電解質を用いる場合、硫化物系固体電解質等のその他の固体電解質を用いる場合と比較して、前記固体電解質シート中の前記バインダー量を増加させる傾向があり、脱脂工程の重要性が高くなる。そのため、本発明の製造方法による効果もより高いものとなる。
【0015】
本発明の全固体電池の製造方法は、さらに、前記脱脂工程後、前記積層体を、不活性雰囲気下、加熱し、前記固体電解質シート及び前記電極活物質シートを焼結する焼結工程を含んでいてもよい。このような焼結工程により、電極活物質の酸化を防止しつつ、緻密な固体電解質層及び電極活物質層を作製することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、固体電解質層を充分に脱脂しつつ、活物質の酸化防止が可能であり、短絡や自己放電が生じ難くい、安全且つ信頼性の高い全固体電池を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の全固体電池の一形態例を示す断面図である。
【図2】参考実験例1の結果を示すTG曲線である。
【図3】参考実験例2の結果を示すTG−DTA曲線である。
【図4】実施例1の充電曲線と放電曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の全固体電池の製造方法は、電極活物質層と固体電解質層とを含む全固体電池の製造方法であって、
少なくとも固体電解質及びバインダーを溶媒に分散させた固体電解質スラリーを成型した固体電解質シートと、少なくとも電極活物質を溶媒に分散させた電極活物質スラリーを成型した電極活物質シートとを、積層した積層体を作製する積層体作製工程と、
前記積層体を、大気雰囲気下、前記バインダーの熱分解温度以上且つ前記電極活物質の酸化温度未満の温度で加熱する脱脂工程と、
を含むことを特徴とする。
【0019】
図1に全固体電池の一形態例を示す。
図1において、全固体電池8は、正極1と負極2との間に固体電解質層3が介在するように配置されている。
正極1は、正極活物質層4と、正極活物質層4の集電を行う正極集電体5と、から構成されている。負極2は、負極活物質層6と、負極活物質層6の集電を行う負極集電体7と、から構成されている。
【0020】
全固体電池の製造方法として、いわゆるグリーンシート工法がある。グリーンシート工法では、まず、固体電解質シート、及び、電極活物質シートを、電池構造同様に重ね合わせた状態で熱圧着して積層体を形成する。固体電解質シート及び電極活物質シートは、各材料を分散させたスラリーを用いて作製され、脱脂や焼結を経て、それぞれ固体電解質層、電極活物質層となるものである。次に、上記積層体を加熱して固体電解質シートや電極活物質シート中に含まれるバインダーを加熱除去(脱脂)し、さらに、該積層体を焼結することで固体電解質シート及び電極活物質シートを緻密化する。
【0021】
本発明の製造方法では、脱脂工程において、積層体を、大気雰囲気下、固体電解質シートに含まれるバインダーの熱分解温度以上に加熱するため、該バインダーを完全に酸化させ、二酸化炭素として放出させることができる。従って、バインダーの不完全酸化により生成する導電性炭化物が、固体電解質層中に残留するのを防止することができ、固体電解質層の絶縁性を確保することができる。その結果、本発明の製造方法によれば、固体電解質層中の導電性炭化物の残留に起因する短絡や自己放電の発生を防止することが可能である。さらに、本発明の製造方法は、脱脂工程における加熱温度が、活物質シートに含まれる電極活物質の酸化温度未満であるため、電極活物質の酸化を抑制することができ、電極活物質の性能低下や特性変化等の劣化を防止することが可能である。例えば、リチウム二次電池の正極活物質及び負極活物質として利用可能なバナジウム酸リチウムは、酸化に伴う構成元素の価数変化により、性能低下や特性変化を生じやすい。
【0022】
以上のように、本発明によれば、脱脂工程において、固体電解質シート中のバインダーを充分に分解除去しつつ、電極活物質の性能低下や特性変化を抑制することができる。すなわち、本発明によれば、導電性炭化残留物に起因する短絡や自己放電の防止と、電極活物質の酸化防止とを両立することができ、安全且つ信頼性の高い全固体電池を提供することができる。
【0023】
以下、本発明の全固体電池製造方法の各工程について説明する。
(積層体作製工程)
積層体作製工程は、少なくとも固体電解質及びバインダーを溶媒に分散させた固体電解質スラリーを成型した固体電解質シートと、少なくとも電極活物質を溶媒に分散させた電極活物質スラリーを成型した電極活物質シートと、を積層した積層体を作製する工程である。
固体電解質シートは、固体電解質層となる部材であり、少なくとも固体電解質及びバインダーを溶媒に分散させた固体電解質スラリーを成型して形成することができる。
【0024】
固体電解質は、伝導イオン種(例えば、リチウムイオン)に応じて適宜選択すればよく、例えば、酸化物系固体電解質や硫化物系固体電解質の非晶質体(ガラス体)、結晶体、及びガラスセラミックス等が挙げられる。
【0025】
例えば、酸化物系固体電解質としては、例えば、NASICON型酸化物、ペロブスカイト型酸化物、LISICON型酸化物、ガーネット型酸化物等が挙げられる。以下、リチウム電池に使用可能な酸化物系固体電解質の具体例を挙げる。
【0026】
NASICON型酸化物としては、例えば、以下に示す各材料及び各元素の組成比が異なる類似の材料が挙げられる。すなわち、Li(XはB、Al、Ga、In、C、Si、Ge、Sn、Sb及びSeよりなる群から選択される少なくとも1種であり、YはTi、Zr、Ge、In、Ga、Sn及びAlよりなる群から選択される少なくとも1種であり、a〜eは、0.5<a<5.0、0≦b<2.98、0.5≦c<3.0、0.02<d≦3.0、2.0<b+d<4.0、3.0<e≦12.0の関係を満たす)で表される酸化物を挙げることができる。特に、上記式において、X=Al、Y=Tiである酸化物(Li−Al−Ti−P−O系NASICON型酸化物)、及び、X=Al、Y=Ge若しくはX=Ge、Y=Alである酸化物(Li−Al−Ge−P−O系NASICON型酸化物)が好ましい。
【0027】
ペロブスカイト型酸化物としては、例えば、LiLa1−xTiO等で表される酸化物(Li−La−Ti−O系ペロブスカイト型酸化物)を挙げることができる。
【0028】
LISICON型酸化物としては、例えば、以下に示す各材料及び各元素の組成比が異なる類似の材料が挙げられる。すなわち、LiXO−LiYO(XはSi、Ge、及びTiから選ばれる少なくとも1種であり、YはP、As及びVから選ばれる少なくとも1種である)、LiXO−LiAO(XはSi、Ge、及びTiから選ばれる少なくとも1種であり、AはMo及びSから選ばれる少なくとも1種である)、LiXO−LiZO(XはSi、Ge、及びTiから選ばれる少なくとも1種であり、ZはAl、Ga及びCrから選ばれる少なくとも1種である)、並びに、LiXO−LiBXO(XはSi、Ge、及びTiから選ばれる少なくとも1種であり、BはCa及びZnから選ばれる少なくとも1種である)、LiDO−LiYO(DはB、YはP、As及びVから選ばれる少なくとも1種である)等が挙げられる。特に、LiSiO−LiPO、LiBO−LiPO等が好ましい。
【0029】
ガーネット型酸化物としては、例えば、Li3+x2−v12で表される酸化物及び各元素の組成比が異なる類似の材料を挙げることができる。ここで、A、G、MおよびBは金属カチオンである。Aは、Ca、Sr、Ba及びMg等のアルカリ土類金属カチオン、又は、Zn等の遷移金属カチオンであることが好ましい。また、Gは、La、Y、Pr、Nd、Sm、Lu、Eu等の遷移金属カチオンであることが好ましい。また、Mとしては、Zr、Nb、Ta、Bi、Te、Sb等の遷移金属カチオンを挙げることができ、中でもZrが好ましい。また、Bは、例えばInであることが好ましい。xは、0≦x≦5を満たすことが好ましく、4≦x≦5を満たすことがより好ましい。yは、0≦y≦3を満たすことが好ましく、0≦y≦2を満たすことがより好ましい。zは、0≦z≦3を満たすことが好ましく、1≦z≦3を満たすことがより好ましい。vは、0≦v≦2を満たすことが好ましく、0≦v≦1を満たすことがより好ましい。なお、Oは部分的に、または、完全に二価アニオン及び/又は三価のアニオン、例えばN3−と交換されていてもよい。ガーネット型酸化物としては、LiLaZr12が等のLi−La−Zr−O系酸化物が好ましい。
【0030】
硫化物系固体電解質としては、特に限定されず、例えば、以下に示す各材料及び各元素の組成比が異なる類似の材料が挙げられる。すなわち、LiS−P、LiS−SiS、Li3.250.25Ge0.76、Li4−xGe1−x、Li11、LiS−SiS−LiPO等のガラス体及び結晶体が挙げられる。
【0031】
酸化物系固体電解質は、硫化物系固体電解質と比較して、硬いため、固体電解質として酸化物系固体電解質を用いる場合、通常、バインダーの使用量が増加する。従って、酸化物系固体電解質を用いる場合、バインダーを酸化分解する脱脂工程の重要性が高くなる。そのため、酸化物系固体電解質を用いる場合、本発明の製造方法が奏する効果は、硫化物系固体電解質を用いる場合と比較して大きいものとなる。
【0032】
固体電解質の粒径は特に限定されないが、平均粒径が、0.01〜10μmであることが好ましく、特に0.01〜0.5μmであることが好ましい。固体電解質の粒径は、例えば、マイクロトラック(日機装製)等により測定することができる。
固体電解質スラリーにおける固体電解質の含有量は、例えば、40〜90wt%であることが好ましく、特に60〜90wt%であることが好ましい。
【0033】
バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等が挙げられる。中でも、薄膜製膜時のシート強度の観点から、PVBが好適である。
固体電解質スラリーにおけるバインダーの含有量は、例えば、5〜30wt%であることが好ましく、特に5〜10wt%であることが好ましい。
【0034】
固体電解質スラリーの溶媒としては、例えば、エタノール、n−ブタノール等のアルコール類、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、メチルエチルケトン、トルエン等を用いることができる。スラリーの乾燥が容易であることから、溶媒の沸点は200℃以下であることが好ましい。
【0035】
固体電解質スラリーは、固体電解質、バインダー及び溶媒以外のその他成分を含んでいてもよい。例えば、その他成分としては、例えば、分散剤、可塑剤等を挙げることができる。
分散剤は、固体電解質の固体電解質スラリーにおける分散性を向上させるものであり、用いる固体電解質によって選択すればよいが、例えば、カルボン酸系、アミン系、リン酸系等が挙げられ、具体的には、カルボン酸系として、G−700(共栄社化学製)、KD−9(CRODA製)等、アミン系として、KD−2(CRODA製)、SOLSPERS41000(ルーブリゾール製)等の高分子アミン系、リン酸系としてSOLSPERS20000(ルーブリゾール製)等を例示することができる。
可塑剤は、固体電解質シートに柔軟性や弾力性を付与するものであり、固体電解質シートの取り扱い性向上や隣接して積層される層(シート)との接着性向上に寄与する。例えば、フタル酸ジブチル、ポリアクリレート、ポリ酢酸ビニル、セルロースアセテート、フタル酸ジオクチル(DOP)等を挙げることができる。
固体電解質スラリーの調製方法は特に限定されないが、バインダーを分散させた溶媒に、固体電解質を分散させる方法が好ましい。
【0036】
固体電解質シートは、固体電解質スラリーを成型して作製することができる。
具体的には、固体電解質スラリーを、ブレード法(例えばドクターブレード法)、カレンダー法、スピンコート法、ディップコート法、インクジェット法、オフセット法、ダイコート法、スプレー法等により、フィルム上に塗布、乾燥し、該フィルムを剥離することで、固体電解質シートを得ることができる。固体電解質スラリーを塗布するフィルムとしては、例えば、離型処理したPETフィルム等の一般的なものを用いることができる。
或いは、固体電解質シートを積層する相手のグリーンシート、又は、その他の全固体電池の構成部材の表面に、固体電解質スラリーを直接塗布、乾燥して、固体電解質シートを成型することもできる。
固体電解質シートは、固体電解質層の厚さが1〜500μm、特に1〜100μmの範囲となるように、固体電解質スラリーを塗布することが好ましい。固体電解質層の厚さが薄いことによりリチウムイオン等の伝導イオンが移動しやすいので、電池の出力が高くなる。また、固体電解質層の厚さが薄いことにより、電池全体の厚さが薄くなるため、単位体積当たりの容量を大きくすることができる。固体電解質スラリーの乾燥は、特に限定されず、例えば、加熱乾燥、減圧乾燥、加熱減圧乾燥等が挙げられる。乾燥雰囲気は、特に限定されず、例えば、大気雰囲気下で行うことができる。
【0037】
電極活物質シートは、全固体電池の正極活物質層及び/又は負極活物質層となる部材であり、少なくとも電極活物質(正極活物質又は負極活物質)を溶媒に分散させた活物質スラリーを成型して形成することができる。
【0038】
電極活物質は、伝導イオン種や、形成する電極活物質層の種類(正極活物質層又は負極活物質層)に応じて、適宜選択すればよい。
例えば、リチウム二次電池の正極活物質としては、具体的には、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム(LiNiCo1−y−xMn)、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMnO)、鉄オリビン(LiFePO)、コバルトオリビン(LiCoPO)、マンガンオリビン(LiMnPO)、チタン酸リチウム(LiTi12)、リン酸バナジウムリチウム(Li(PO)等のリチウム遷移金属化合物、銅シュブレル(CuMo)、硫化鉄(FeS)、硫化コバルト(CoS)、硫化ニッケル(NiS)等のカルコゲン化合物などが挙げられる。
【0039】
また、リチウム二次電池の負極活物質としては、伝導イオン種、典型的には金属イオンの放出又は放出・取り込みが可能なものであれば特に限定されず、例えば、チタン酸リチウム(LiTi12)、リン酸バナジウムリチウム(Li(PO)等のリチウム遷移金属酸化物、LaNiSn等の金属合金、ハードカーボン、ソフトカーボン、グラファイト等の炭素材料などが挙げられる。
尚、正極活物質及び負極活物質として同じ化合物を用いることもできる。
【0040】
電極活物質の粒径は特に限定されないが、平均粒径が、0.01〜10μmであることが好ましく、特に0.01〜0.5μmであることが好ましい。
活物質スラリーにおける電極活物質の含有量は、例えば、40〜90wt%であることが好ましく、特に60〜90wt%であることが好ましい。
【0041】
活物質スラリーの溶媒としては、例えば、エタノール、n−ブタノール等のアルコール類、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、メチルエチルケトン、トルエン等を用いることができる。スラリーの乾燥が容易であることから、溶媒の沸点は200℃以下であることが好ましい。
【0042】
活物質スラリーは、電極活物質以外のその他成分を含んでいてもよい。例えば、その他成分としては、例えば、バインダー、導電助剤、分散剤、可塑剤、電極触媒等を挙げることができる。バインダー、分散剤、可塑剤としては、固体電解質スラリーと同様のものを用いることができる。
導電助剤は、電極活物質層の導電性向上を目的として用いることができる。具体的な材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されず、例えば、導電性炭素材料が挙げられる。導電性炭素材料としては特に限定されないが、反応場の面積や空間の観点から、高比表面積を有する炭素材料が好ましい。具体的には、導電性炭素材料は10m/g以上、特に100m/g以上、さらに600m/g以上の比表面積を有することが好ましい。高比表面積を有する導電性炭素材料の具体例として、カーボンブラック、活性炭、カーボン炭素繊維(例えばカーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー等)等を挙げることができる。ここで、導電性材料の比表面積は、たとえばBET法によって測定することができる。
活物質スラリーの調製方法は特に限定されないが、バインダーを用いる場合には、バインダーを分散させた溶媒に、電極活物質等の粉体成分を分散させる方法が好ましい。
【0043】
電極活物質シートは、活物質スラリーを成型して作製することができる。
具体的には、上記固体電解質シートの作製において、固体電解質スラリーの代わりに活物質スラリーを用いることで、電極活物質シートを作製することができる。
電極活物質シートは、電極活物質層の厚さが1〜100μm、特に10〜100μmの範囲となるように、活物質スラリーを塗布することが好ましい。
【0044】
電極活物質シートと固体電解質シートとが積層した積層体は、例えば、上記のようにして得られる固体電解質シートと電極活物質シートとを重ね合わせ、熱圧着することで形成することができる。各層シート間の熱圧着条件は、バインダーの軟化点以上に加熱して各シート間を圧着することができれば特に限定されないが、例えば、50〜120℃の加熱下、5〜100kNで加圧した状態を、30秒〜10分間保持することで、電極活物質シートと固体電解質シートとを熱圧着することができる。
尚、積層体は、固体電解質シートの一方の面のみに電極活物質シートを積層した2層構造を有していてもよいし、或いは、固体電解質シートを、2枚の電極活物質シート(すなわち、正極活物質シートと負極活物質シート)で挟み込んだ3層構造を有していてもよい。或いは、さらに、上記3層構造以上の多層構造を有していてもよい。
【0045】
(脱脂工程)
脱脂工程は、積層体を、大気雰囲気下、少なくとも固体電解質シートに含まれるバインダーの熱分解温度以上、且つ、電極活物質シートに含まれる電極活物質の酸化温度未満、の温度で加熱する工程である。
ここで、大気雰囲気とは、酸素濃度が5〜100vol%の範囲内である雰囲気を指し、好ましくは、脱脂性の観点から酸素濃度が20〜100vol%である。
【0046】
脱脂工程の加熱温度の下限値である、固体電解質シートに含まれるバインダーの熱分解温度は、該バインダーを加熱して事前に調べておくことで把握することができる。このバインダーの熱分解温度の事前調査における熱分解温度条件は特に限定されない。脱脂工程における具体的な加熱温度の下限値は、バインダーの熱分解温度以上であればよいが、例えば、300℃以上が好ましく、特に350℃以上が好ましい。
尚、脱脂処理の対象である積層体を構成する電極活物質シートにも、バインダーが含まれている場合、該バインダーが充分に熱分解せずに、導電性炭化物として電極活物質層中に残留したとしても、固体電解質層のような問題は生じない。しかしながら、体積当たりのエネルギー容量、導電性の観点から、電極活物質シート中のバインダーも脱脂工程で充分に熱分解されることが好ましい。従って、脱脂工程の加熱温度は、電極活物質シート中の電極活物質の酸化温度未満の範囲内で、電極活物質シート中に含まれるバインダーの熱分解温度以上とすることが好ましい。
【0047】
また、脱脂工程の加熱温度の上限値である、電極活物質の酸化温度も、該電極活物質を加熱して事前に調べておくことで把握することができる。この電極活物質の酸化温度の事前調査における酸化温度条件は特に限定されない。
尚、脱脂処理の対象である積層体が、2つの電極活物質シートを含み、各シートに含まれる電極活物質の酸化温度が異なる場合には、両方のシートに含まれる電極活物質の酸化温度未満で加熱することが好ましい。
【0048】
脱脂処理における昇温速度や降温速度は特に限定されず、適宜設定すればよいが、例えば、昇温速度は、1〜20℃/minの範囲であることが好ましく、特に1〜5℃/minの範囲であることが好ましく、降温速度は、1℃/min〜自然空冷の範囲であることが好ましく、特に1〜5℃/minの範囲であることが好ましい。
脱脂処理における加熱温度の保持時間は、脱脂処理における加熱保持温度で使用するバインダーが充分に酸化分解されるよう適宜設定すればよく、例えば、30〜100時間程度とすることができる。
例えば、バインダーとしてPVBを用い、電極活物質としてLVPを用いる場合、300〜369℃で、38.5〜100時間保持することが好ましい。
【0049】
(その他の工程)
固体電解質シート及び電極活物質シートは、通常、高温で加熱する焼結工程を経て、それぞれ、固体電解質層及び電極活物質層を形成する。固体電解質シートを高温で加熱することによって、固体電解質粉体間が密着した緻密な固体電解質層を形成することができる。固体電解質粉体同士が密着することで、固体電解質層における高いイオン伝導性が確保される。また、電極活物質シートを高温で加熱することによって、電極活物質、さらに固体電解質等のその他の粉体同士が密着した電極活物質層を形成することができる。電極活物質や固体電解質等の粉体同士が密着することで、電極反応が円滑に進行する電極活物質層が得られる。
焼結工程は、脱脂工程の後に設けることができる。脱脂工程後の積層体を構成する成分の酸化、特に上記したような電極活物質の酸化を防止するために、焼結工程は、通常、不活性雰囲気下で行う。不活性雰囲気としては、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、ヘリウム雰囲気等が挙げられる。
【0050】
焼結工程における加熱温度は、材料の焼結性に応じて適宜設定すればよいが、例えば、570℃〜700℃の範囲とすることができ、特に575〜675℃の範囲が好ましい。
焼結処理における昇温速度や降温速度は特に限定されず、適宜設定すればよいが、例えば、昇温速度は、1〜20℃/minの範囲であることが好ましく、特に1〜5℃/minの範囲であることが好ましく、降温速度は、1℃/min〜自然空冷の範囲であることが好ましく、特に1〜5℃/minの範囲であることが好ましい。
焼結処理における加熱温度の保持時間は、焼結処理における加熱保持温度で充分に焼結が進行するよう、適宜設定すればよく、例えば、1時間〜100時間とすることができる。
【0051】
脱脂工程後又は焼結工程後、得られた積層体が固体電解質層の一方の面のみに電極活物質層が設けられた構造を有する場合には、固体電解質層のもう一方の面に電極活物質層を積層することで、正極活物質層と負極活物質層との間に固体電解質層が介在する電池を形成することができる。
【0052】
電極活物質層には、集電体を設けることができる。集電体の配置のタイミングは特に限定されず、脱脂工程前であっても脱脂工程後であってもよく、また、焼結工程前であっても焼結工程後であってもよい。
正極集電体としては、所望の電子伝導性を有していれば、その構造や形状、材料に特に限定はないが、材料としては、例えば、ステンレス、ニッケル、アルミニウム、鉄、チタン、銅等の金属材料、カーボンファイバー、カーボンペーパー等のカーボン材料、窒化チタン等の高電子伝導性セラミックス材料等が挙げられる。電池ケースが正極集電体としての機能を兼ね備えていてもよい。
負極集電体としては、所望の電子伝導性を有していれば、その構造や形状、材料に特に限定はないが、材料としては、銅、ステンレス、ニッケル等が挙げられる。電池ケースが負極集電体としての機能を有していてもよい。
【0053】
(その他)
正極、負極、固体電解質層を収納する電池ケースとしては、コイン型、平板型、円筒型、ラミネート型等の一般的な形状を有するものを用いることができる。
全固体電池が、正極、固体電解質層、負極の順番で配置されている積層体を、繰り返し何層も重ねる構造を取る場合には、安全性の観点から、正極および負極の間に、セパレータを有することが好ましい。上記セパレータとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔膜;および樹脂不織布、ガラス繊維不織布等の不織布等を挙げることができる。
また、各電極の集電体には、それぞれ、外部との接続部となる端子を設けることができる。
【実施例】
【0054】
[参考実験例1]
(バインダー(PVB)の完全脱脂可能条件の調査)
PVB粉体について、大気雰囲気下、TG−DTA測定(使用装置:エスアイアイ・ナノテクノロジー社製 EXSTAR TG/TGA7300、加熱温度:350℃一定)を行った。結果を図2に示す。
図2のTG曲線より、大気雰囲気下、350℃で38.5時間保持することによって、PVBが完全に熱分解されることが確認された。
【0055】
[参考実験例2]
(活物質(LVP)の酸化温度の調査)
LVP粉体について、大気雰囲気下、TG−DTA測定(使用装置:エスアイアイ・ナノテクノロジー社製 EXSTAR TG/TGA7300、昇温速度:10℃/min、温度範囲:室温(25℃)〜700℃)を行った。結果を図3に示す。
図3のTG曲線より、大気雰囲気下、370℃以上でLVPの酸化反応が始まることが確認された。
【0056】
[実施例1]
(全固体電池の作製)
以下のようにして、実施例1の全固体電池を作製した。
【0057】
<電極活物質シート及び電解質シートの作製>
活物質(LVP粉体)と、電解質(非晶質LAGP粉体)と、導電助剤(CNT)と、分散剤(カルボン酸系)と、バインダー(PVB)と、可塑剤(DOP)と、溶媒(アルコール系)とを混合し、活物質スラリーを調製した。
上記活物質スラリーを、ブレード塗工により、離型PETフィルム上に塗工し、大気雰囲気下、80℃で乾燥させた後、離型PETフィルムを剥離し、負極活物質シートを得た。尚、活物質スラリーの塗布量は、負極活物質層の厚さが60μmとなるようにした。
また、負極活物質シートと同様にして、正極活物質シートを作製した。尚、活物質スラリーの塗布量は、正極活物質層の厚さが30μmとなるようにした。
一方、固体電解質(非晶質LAGP粉体)と、分散剤(カルボン酸系)と、バインダー(PVB)と、可塑剤(DOP)と、溶媒(アルコール系)とを混合し、電解質スラリーを調製した。
上記電解質スラリーを、ブレード塗工により、離型PETフィルム上に塗工し、大気雰囲気下、80℃で乾燥させた後、離型PETフィルムを剥離し、電解質シートを得た。尚、電解質スラリーの塗布量は、固体電解質層の厚さが200μmとなるようにした。
【0058】
<積層体の作製>
電解質シートを、負極活物質シート及び正極活物質シートで挟み、80℃、10kNで60秒間、熱圧着し、積層体を作製した。
【0059】
<積層体の脱脂>
作製した積層体を、大気雰囲気下、昇温速度1℃/minで、室温(25℃)〜350℃まで加熱し、350℃で75時間保持した。その後、降温速度4℃/minで室温(25℃まで冷却した。
【0060】
<積層体の焼結>
脱脂を行った積層体を、窒素雰囲気下、昇温速度4℃/minで、室温(25℃)〜650℃まで加熱し、650℃で2時間保持した。その後、降温速度4℃/minで室温(25℃)まで冷却し、全固体電池を得た。
【0061】
(電池の評価)
得られた実施例1の全固体電池の活物質の表面に金をスパッタリングして集電体を形成し、集電体に測定端子を接続して充放電測定を行った。充放電測定は、トムセル(トムセル社製)を用いて、0.01Cにて定電流定電圧(CC−CV)で行った。充放電が可能かどうかで短絡の有無を判断した。結果を表1及び図4に示す。
【0062】
【表1】

[比較例1]
(全固体電池の作製)
実施例1の全固体電池の作製において、積層体の脱脂を以下の条件で行ったこと以外は、同様にして、比較例1の全固体電池を作製した(表1参照)。
<積層体の脱脂>
作製した積層体を、窒素雰囲気下、昇温速度1℃/minで、室温(25℃)〜450℃まで加熱し、450℃で75時間保持した。その後、降温速度4℃/minで室温(25℃)まで冷却した。
【0063】
(電池の評価)
得られた比較例1の全固体電池を、実施例1と同様にして、充放電測定を行おうとしたところ、短絡し、充放電測定は実施できなかった。
【0064】
[評価結果]
図4に示すように、実施例1の全固体電池は、短絡が生じず、充放電能を示した。これは、大気雰囲気、且つ、固体電解質シート中に含まれるバインダー(PVB)の熱分解温度以上、というバインダーの熱分解が進行しやすい条件下で脱脂処理を行ったので、バインダーが完全に熱分解され、固体電解質層中に導電性を示す炭化物が残留しなかったためである。また、脱脂処理の加熱温度は、電極活物質シート中に含まれるバインダーの熱分解温度以上でもあるため、電極活物質層の脱脂も行うことができた。また、脱脂処理の加熱温度が、大気雰囲気下における電極活物質(LVP)の酸化反応開始温度よりも低いため、電極活物質の酸化による性能低下や特性変化を防止することができた。
【0065】
これに対して、表1に示すように、不活性雰囲気(窒素雰囲気)下、脱脂を行った比較例1の全固体電池は、昇温速度、加熱保持温度(450℃)及び加熱保持時間(75h)が実施例1と同じにもからわらず、短絡し、充放電能を示さなかった。これは、不活性雰囲気下では、バインダーの熱分解温度以上の温度で加熱しても充分な脱脂処理ができず、固体電解質層中にバインダーの炭化物が残留してしまい、本来絶縁層であるべき固体電解質層が導電性を示したためである。
【符号の説明】
【0066】
1…正極
2…負極
3…固体電解質層
4…正極活物質層
5…正極集電体
6…負極活物質層
7…負極集電体
8…全固体電池

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極活物質層と固体電解質層とを含む全固体電池の製造方法であって、
少なくとも固体電解質及びバインダーを溶媒に分散させた固体電解質スラリーを成型した固体電解質シートと、少なくとも電極活物質を溶媒に分散させた活物質スラリーを成型した電極活物質シートとを、積層した積層体を作製する積層体作製工程と、
前記積層体を、大気雰囲気下、前記バインダーの熱分解温度以上且つ前記電極活物質の酸化温度未満の温度で加熱する脱脂工程と、
を含むことを特徴とする、全固体電池の製造方法。
【請求項2】
前記固体電解質が酸化物固体電解質である、請求項1に記載の全固体電池の製造方法。
【請求項3】
さらに、前記脱脂工程後、前記積層体を、不活性雰囲気下、加熱し、前記固体電解質シート及び前記電極活物質シートを焼結する焼結工程を含む、請求項1又は2に記載の全固体電池の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−238545(P2012−238545A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−108243(P2011−108243)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】