説明

六フッ化硫黄分解処理装置及び方法

【課題】六フッ化硫黄を簡易且つ確実に分解無害化処理できる六フッ化硫黄分解処理装置及び方法を提供する。
【解決手段】六フッ化硫黄11を貯蔵する六フッ化硫黄貯蔵タンク12と、例えば鉄等の金属の加水分解反応剤13を供給する供給タンク14と、前記加水分解反応剤13を充填し、加水分解反応させる加水分解反応部15と、加水分解による液体反応生成物16及び固体反応生成物17を各々回収する液体回収部18及び固体回収部19と、前記加水分解反応部15を外部から加熱する加熱手段である加熱ヒータ20と、前記加水分解反応部15内の加水分解反応剤13に、六フッ化硫黄(SF6)11を供給する六フッ化硫黄(SF6)ガス供給ラインL1と、前記加水分解反応部15内に高温蒸気21を供給する蒸気供給手段22とを具備し、前記加水分解反応部15内において、六フッ化硫黄11を加水分解反応させ、無害化処理してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、六フッ化硫黄を簡易且つ確実に分解無害化処理できる六フッ化硫黄分解処理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
六フッ化硫黄(SF6)は、化学的に安定度の高い無毒、無臭、無色の不燃性の気体であり、例えば、電気絶縁、酸化防止剤、液晶ドライエッチング剤等で用いられていた。
しかしながら、気候変動に関する政府間パネル(IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change)の第二次評価報告書(1995)において、温室効果ガス(Greenhouse Gas:GHG)として、二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、亜酸化窒素(N2O)、ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン、六フッ化硫黄(SF6)が指定され、近年の法規制強化から温室効果ガスの削減が急務となっている。
【0003】
この温室効果ガス(GHG)において、特に六フッ化硫黄(SF6)の温暖化係数は、二酸化炭素(CO2)の23,900倍とされており、その発生量の低減が切望されている。寿命は3200年と極めて長い安定した物質である。
【0004】
そこで、従来において、例えばヒータによる加熱分解処理、水素及び酸素、プロパン、都市ガス等を用いて、例えば燃焼分解、誘導結合熱プラズマ処理による廃棄六フッ化硫黄の分解手法等が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−300298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に係る従来提案の方法は、廃棄六フッ化硫黄(SF6)を熱分解するので、有害な分解性生物(例えばSF4、S22、SOF4、SO22、HF、F2、COCl2等)を生じるという問題がある。
【0007】
これらの分解生成物の除去設備として、CaO、Ca(OH)2、MgOとの化学反応による無害化処理することとしているが、その除去率は十分ではなく、問題である。
【0008】
また、燃焼処理は熱分解処理では、分解温度が均一でないために、未分解で排出される場合があり、CaO等を用いた除去設備を素通りする、という問題がある。
【0009】
さらに、六フッ化硫黄(SF6)は無害物資であるにもかかわらず、その処理工程において有害物質が発生するために、環境に十分配慮する必要から、処理設備の設置費用が嵩むと、いう問題がある。
【0010】
なお、再生処理をすることも提案されるが、前述したように、温室効果ガスの削減の観点からその使用は制限され、保管している貯蔵タンク等の廃棄六フッ化硫黄(SF6)の無害化処理の技術の確立が急務である。
【0011】
本発明は、前記問題に鑑み、廃棄六フッ化硫黄を簡易且つ確実に分解無害化処理できる六フッ化硫黄分解処理装置及び方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、六フッ化硫黄(SF6)を貯蔵する六フッ化硫黄貯蔵タンクと、前記六フッ化硫黄(SF6)を加水分解する加水分解反応剤を供給する供給タンクと、前記加水分解反応剤を充填した加水分解反応部と、前記加水分解反応部内に、六フッ化硫黄(SF6)を供給する六フッ化硫黄供給手段と、前記加水分解反応部を外部から加熱する加熱手段と、前記加水分解反応部内に高温蒸気を供給する蒸気供給装置と、前記六フッ化硫黄(SF6)の加水分解による得られる液体反応生成物と固体反応生成物とを回収する液体回収部及び固体回収部とを具備し、前記加水分解反応部内において、六フッ化硫黄(SF6)を加水分解反応させ、無害化処理してなることを特徴とする六フッ化硫黄分解処理装置にある。
【0013】
第2の発明は、第1の発明において、前記加水分解反応剤を不活性ガスにより、加水分解反応部内に供給してなることを特徴とする六フッ化硫黄分解処理装置にある。
【0014】
第3の発明は、第1又は2の発明において、前記加水分解反応部内を不活性ガス雰囲気とすることを特徴とする六フッ化硫黄分解処理装置にある。
【0015】
第4の発明は、第1乃至3のいずれか一つの発明において、前記加水分解反応部内の温度が500〜600℃であることを特徴とする六フッ化硫黄分解処理装置にある。
【0016】
第5の発明は、第1乃至4のいずれか一つの発明において、前記加水分解反応剤が、金属又はリン酸塩であることを特徴とする六フッ化硫黄分解処理装置にある。
【0017】
第6の発明は、六フッ化硫黄(SF6)を貯蔵する六フッ化硫黄貯蔵タンクと、内部に、加水分解反応剤を充填してなる加水分解反応容器と、前記加水分解反応部内に高温蒸気を供給する蒸気供給手段とを具備し、前記加水分解反応容器内において、六フッ化硫黄を加水分解反応させ、無害化処理してなることを特徴とする六フッ化硫黄分解処理装置にある。
【0018】
第7の発明は、加水分解反応部内に、加水分解反応剤、高温蒸気及び六フッ化硫黄を供給し、加水分解反応により、六フッ化硫黄を無害化処理することを特徴とする六フッ化硫黄分解処理方法にある。
【0019】
第8の発明は、第7の発明において、前記加水分解温度が500〜600℃であることを特徴とする六フッ化硫黄分解処理方法にある。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、加水分解反応剤を用いて、六フッ化硫黄を加水分解処理するので、六フッ化硫黄(SF6)の完全無害化処理を確実に且つ安全に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、実施例1に係る六フッ化硫黄分解処理装置の概略図である。
【図2】図2は、実施例2に係る六フッ化硫黄分解処理装置の概略図である。
【図3】図3は、加水分解の反応温度(℃)と分解率(%)との関係図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではなく、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【実施例1】
【0023】
本発明による実施例に係る六フッ化硫黄分解処理装置について、図面を参照して説明する。図1は、実施例1に係る六フッ化硫黄分解処理装置の概略図である。
図1に示すように、六フッ化硫黄分解処理装置10Aは、廃棄物である六フッ化硫黄11を貯蔵する六フッ化硫黄貯蔵タンク12と、例えば鉄等の金属の加水分解反応剤13を供給する供給タンク14と、前記加水分解反応剤13を充填し、加水分解反応させる加水分解反応部15と、加水分解による液体反応生成物16及び固体反応生成物17を各々回収する液体回収部18及び固体回収部19と、前記加水分解反応部15を外部から加熱する加熱手段である加熱ヒータ20と、前記加水分解反応部15内の加水分解反応剤13に、六フッ化硫黄(SF6)11を供給する六フッ化硫黄(SF6)ガス供給ラインL1と、前記加水分解反応部15内に高温蒸気21を供給する蒸気供給手段22とを具備し、前記加水分解反応部15内において、六フッ化硫黄11を加水分解反応させ、無害化処理してなるものである。
なお、図1中、符号23は反応ガス、24はアルカリ液スクラバー装置、25は分析計、26は切替弁、L2は不活性ガス供給ライン、L3は金属Li供給ライン、L4は水蒸気供給ライン、L5は反応ガス23のガス排出ライン、L6は反応ガス23のガス再循環ライン、L7は反応ガスのガス放出ライン、L8は液体反応生成物16の排出ライン、V1〜V6は開閉バルブ、Pはポンプ、Fは排気ファンを各々図示する。
【0024】
ここで、本実施例においては、加水分解反応部15は鉛直方向の反応領域15aと水平方向の反応領域15bとから構成されており、鉛直方向の反応領域15aの下端部側及び水平方向の反応領域15bに亙って、その底部側に、流動床式のコンベアー27が設けられている。これにより、反応時間の経過と共に、該流動床式のコンベアー27を駆動して、固体反応生成物17を固体回収部19側へ移動させ、回収容器19a内に固体反応生成物17を落下・回収している。
回収された固体反応生成物17は、公知のリサイクル工程(図示せず)において、加水分解反応剤13へと再生し、再利用している。
【0025】
この加水分解反応部15内には、予め加水分解反応剤(例えば鉄)13が充填されており、必要に応じて、供給タンク14から加水分解反応剤13を供給するようにしている。
【0026】
この加水分解反応部15において、加水分解反応を促進するために、加水分解反応部15内に、蒸気供給手段(例えばボイラ等)22からの高温蒸気(例えば500℃)21を供給している。
【0027】
本実施例では、加水分解反応剤13として、金属担体の鉄(Fe)を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばアルミニウム(Al)の金属担体、リン酸塩のFePO4、AlPO4等を用いるようにしてもよい。
【0028】
ここで、加水分解反応剤13として、鉄(Fe)を用いた場合には、加水分解反応部15内では、下記式(1)の加水分解反応が進行する。加水分解反応により、SF6(気体)が最終的に、二酸化硫黄(SO2)となり、さらに硫酸(H2SO4)となる。
SF6(気体)+H2O+Fe→H2SO4(液体)+FeF3(固体)・・・(1)
【0029】
図3に、加水分解の反応温度(℃)と分解率(%)との関係図を示す。
この加水分解反応部15における加水分解反応は、150℃を超えるあたりからその分解が始まるが、図3に示すように、100%の分解率とする場合には、Feの場合には、500℃以上とする必要がある。
【0030】
ここで、図3において、加水分解反応剤13として鉄(Fe)、リン酸鉄(FePO4)5kgを用いて、ここに反応ガスを40L/hの条件で供給した。反応ガスの組成は、六フッ化硫黄(SF6):10容量%、窒素(N2)80容量%、蒸気(H2O):10容量%とした。
図3に示すように反応剤としてFePO4を用いた場合には、450℃で100%の分解率を達成することが確認された。
【0031】
よって、加水分解反応部15に供給する高温蒸気21は500℃以上とすると共に、加熱ヒータ20での加熱も該加水分解反応部15内の温度を500〜600℃を保持するように制御している。
また、SF6ガス供給ラインL1の周囲を加熱手段によりさらに加熱するようにしてもよいが、反応が十分進行する場合には、設ける必要がない。
【0032】
これにより廃棄六フッ化硫黄(SF6)の完全分解処理を達成することができる。
【0033】
ここで、加水分解反応剤13の供給の際には、例えばアルゴン(Ar)の不活性ガス31を不活性ガスボンベ32から供給するようにしている。不活性ガスとしては、アルゴン(Ar)の他に、ヘリウム(He)等を用いるのが好ましい。なお、窒素は六フッ化硫黄の窒化物を生成するので好ましくない。
【0034】
また、加水分解反応部15内の気相部は、不活性ガスであるアルゴンガス雰囲気としている。これは空気が存在すると空気中の二酸化炭素とLiとが反応して炭酸リチウム(Li2CO3)を発生し、好ましくないからである。
【0035】
廃棄六フッ化硫黄(SF6)を貯蔵する貯蔵タンク12は、通常気体状態で貯蔵しているが、所定圧(例えば圧力10kg/cm3以上)として、液体状態で保管するようにしてもよい。
【0036】
ここで、液体状態で六フッ化硫黄(SF6)を貯蔵する場合には、例えばアルコール(例えばエチルアルコール)を用いることができる。これは、六フッ化硫黄(SF6)はエチルアルコールへの溶解性が良好であると共に、アルコールのOH基が加水分解反応に寄与し、分解を促進し、好ましいからである。
【0037】
加水分解反応により発生した液体反応生成物16である硫酸(H2SO4)、フッ化水素酸(HF)等は、コンベアー27の隙間から液体回収部18側へ落下し、その後、液体反応生成物16の排出ラインL8の開閉バルブを開いて、廃液タンク28へ回収され、その後は廃液処理がなされる。
【0038】
また、固体回収部19側から排出される反応ガス23は、ガス排出ラインL5に介装されたアルカリ液スクラバー装置24で浄化処理され、排気ファンFにより反応ガスのガス放出ラインL7から外部に放出される。
【0039】
この際、ガス排出ラインL5に介装された分析計25により反応ガス23中の未反応の六フッ化硫黄(SF6)の有無を確認するようにしている。
【0040】
分析計25としては、六フッ化硫黄(SF6)を確認するものであれば、いずれでも良いが、例えば赤外分光法を用いた赤外線計測装置(IR計)等を用いることができる。
【0041】
この分析計25での分析の結果、反応ガス23中に六フッ化硫黄(SF6)が残留している場合には、切替弁26を切替て、ガス再循環ラインL6へ反応ガス23を導き、再度反応部15で加水分解反応を行い、100%の完全分解処理を行うこととしている。
【0042】
本実施例では、加水分解反応剤13として鉄(Fe)を用いたが、鉄以外の金属(アルミニウム、マンガン、亜鉛、カルシウム)及びリン酸塩(リン酸鉄、リン酸アルミニウム、リン酸マンガン、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム)を用いた場合の加水分解の一例を以下式(2)〜(10)に示す。
SF6(気体)+H2O+Al→H2SO4(液体)+AlF3(固体)・・・(2)
SF6(気体)+H2O+Mn→H2SO4(液体)+MnF2(固体)・・・(3)
SF6(気体)+H2O+Zn→H2SO4(液体)+ZnF2(固体)・・・(4)
SF6(気体)+H2O+Ca→H2SO4(液体)+CaF2(固体)・・・(5)
SF6(気体)+H2O+FePO4→H2SO4(液体)+H2PO4(液体)+FeF3(固体)・・・(6)
SF6(気体)+H2O+AlPO4→H2SO4(液体)+H2PO4(液体)+AlF3(固体)・・・(7)
SF6(気体)+H2O+Mn3(PO42→H2SO4(液体)+H2PO4(液体)+MnF2(固体)・・・(8)
SF6(気体)+H2O+Zn3(PO42→H2SO4(液体)+H2PO4(液体)+ZnF2(固体)・・・(9)
SF6(気体)+H2O+Ca3(PO42→H2SO4(液体)+H2PO4(液体)+CaF2(固体)・・・(10)
【0043】
以上、本発明によれば、廃棄六フッ化硫黄(SF6)の完全無害化処理を確実に且つ安全に行うことができる。
【実施例2】
【0044】
本発明による実施例に係る六フッ化硫黄分解処理装置について、図面を参照して説明する。図2は、実施例2に係る六フッ化硫黄分解処理装置の概略図である。なお、図1に示す実施例1の六フッ化硫黄分解処理装置の構成部材と同一部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
図2に示すように、六フッ化硫黄分解処理装置10Bは、六フッ化硫黄(SF6)11を貯蔵する六フッ化硫黄貯蔵タンク12と、内部に、加水分解反応剤13を充填してなる加水分解反応器51と、前記加水分解反応器51内に高温蒸気21を供給する蒸気供給手段22とを具備し、前記加水分解反応容部51内において、六フッ化硫黄(SF6)11を加水分解反応させ、無害化処理してなるものである。
【0045】
実施例1においては、加水分解反応剤13を反応部15内に供給・流動させ、ここに六フッ化硫黄(SF6)11を供給して加水分解しているが、本実施例においては、加水分解反応剤13を内部に充填させ、この充填された加水分解反応剤13に加水分解反応容器51の下方側から六フッ化硫黄(SF6)11と高温蒸気21とを供給し、加熱ヒータ20にて500〜600℃に加熱することで、六フッ化硫黄(SF6)11の加水分解処理を行うようにしている。
【0046】
この加水分解により生じた液体反応生成物16は、加水分解反応器51の底部側の液体回収部18で回収され、別途廃液処理される。
【0047】
反応ガス23は、実施例1と同様に図示しない分析計によりその分解の程度を確認し、必要であれば、再循環させて加水分解率を100%となるようにしている。
【0048】
本実施例では、バッチ式の反応となり、廃棄六フッ化硫黄(SF6)を連続して処理する必要がない場合には、好適である。
【0049】
また、六フッ化硫黄分解処理装置10Bにおいて、加水分解反応器51を2台設け、1台で加水分解処理中に、他の1台では、加水分解反応剤を交換し、交互に六フッ化硫黄(SF6)を供給することで、連続した処理が可能となる。
【0050】
以上、本願発明によれば、簡易な構成の分解装置でありながら、六フッ化硫黄(SF6)を100%完全処理することができる。この結果、二酸化炭素(CO2)の23,900倍であると共に、その寿命が3200年と極めて長い安定した六フッ化硫黄(SF6)の根絶を迅速に図ることが可能となる。
【符号の説明】
【0051】
10A、10B 六フッ化硫黄分解処理装置
11 六フッ化硫黄(SF6
12 六フッ化硫黄貯蔵タンク
13 加水分解反応剤
14 供給タンク
15 加水分解反応部
16 液体反応生成物
17 固体反応生成物
18 液体回収部
19 固体回収部
20 加熱ヒータ
21 高温蒸気
22 蒸気供給手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
六フッ化硫黄(SF6)を貯蔵する六フッ化硫黄貯蔵タンクと、
前記六フッ化硫黄(SF6)を加水分解する加水分解反応剤を供給する供給タンクと、
前記加水分解反応剤を充填した加水分解反応部と、
前記加水分解反応部内に、六フッ化硫黄(SF6)を供給する六フッ化硫黄供給手段と、
前記加水分解反応部を外部から加熱する加熱手段と、
前記加水分解反応部内に高温蒸気を供給する蒸気供給装置と、
前記六フッ化硫黄(SF6)の加水分解により得られる液体反応生成物と固体反応生成物とを回収する液体回収部及び固体回収部とを具備し、
前記加水分解反応部内において、六フッ化硫黄(SF6)を加水分解反応させ、無害化処理してなることを特徴とする六フッ化硫黄分解処理装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記加水分解反応剤を不活性ガスにより、加水分解反応部内に供給してなることを特徴とする六フッ化硫黄分解処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記加水分解反応部内を不活性ガス雰囲気とすることを特徴とする六フッ化硫黄分解処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一つにおいて、
前記加水分解反応部内の温度が500〜600℃であることを特徴とする六フッ化硫黄分解処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一つにおいて、
前記加水分解反応剤が、金属又はリン酸塩であることを特徴とする六フッ化硫黄分解処理装置。
【請求項6】
六フッ化硫黄(SF6)を貯蔵する六フッ化硫黄貯蔵タンクと、
内部に、加水分解反応剤を充填してなる加水分解反応器と、
前記加水分解反応器内に高温蒸気を供給する蒸気供給手段とを具備し、
前記加水分解反応器内において、六フッ化硫黄(SF6)を加水分解反応させ、無害化処理してなることを特徴とする六フッ化硫黄分解処理装置。
【請求項7】
加水分解反応器内に、加水分解反応剤、高温蒸気及び六フッ化硫黄を供給し、加水分解反応により、六フッ化硫黄(SF6)を無害化処理することを特徴とする六フッ化硫黄分解処理方法。
【請求項8】
請求項7において、
前記加水分解の温度が500〜600℃であることを特徴とする六フッ化硫黄分解処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−66855(P2013−66855A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207767(P2011−207767)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【出願人】(510336587)エムエイチアイオーシャニクス株式会社 (4)
【Fターム(参考)】