説明

共連れ検出システム

【課題】 マンションの住人と一緒を装って侵入しようとする不審な訪問者の侵入を防止するようにした共連れ検出システムを得る。
【解決手段】 マンション等の共通玄関の外側に設置されたテンキー付き認証装置1と、共通玄関をオートロックする自動扉制御装置2と、共通玄関の出入り口から入館する入館者を撮像する入館者撮像カメラ3と、入館者撮像カメラで撮像された入館者画像を処理し、共通玄関から実際に入館した人数をカウントする画像処理装置4と、テンキー付き認証装置により入力され、認証装置により入館を許可された入館許可人数と画像処理装置により実際にカウントされた入館者実人数とを比較する判断装置5と、判断装置が入館許可人数よりも入館者実人数の方が多いと判断した場合に動作し、共通玄関の内側に設けたスピーカー7から共連れ発生の警報メッセージを流す警報発生装置6とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばマンション等の集合住宅に適用されるセキュリティー機能として有効な共連れ検出システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、マンション等の集合住宅においては、共通玄関の入り口をオートロックにし、マンション住人以外の者の入館制限を行っている所が増えている。しかしながら、不審訪問者は、マンション住人と一緒であるように装って入館する、所謂共連れを利用して容易にマンション内に侵入してしまうことがある。
【0003】
また、従来、テレビカメラが撮像した映像を表示及び記憶する監視用テレビカメラシステムを備え、侵入者を確実に撮像及び記憶できるセキュリティシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2001−285845号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のマンション等の集合住宅では、共連れを防止する方法として、フラッパーゲートや回転扉の導入が考えられるが、例えばマンションのように、日常的に親子連れなどの共連れが発生する場所では、運用が不便になってしまうため、適用するのは非常に困難であった。
【0006】
また、上記特許文献1記載のものは、侵入者を確実に撮像及び記憶するだけであり、不審者が共連れを利用して侵入するのを防止しようとするものではない。
【0007】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、マンションの住人と一緒であるように装って侵入しようとする不審な訪問者の侵入を防止するようにした共連れ検出システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る共連れ検出システムにおいては、マンション等の集合住宅の共通玄関の外側に設置されたテンキー付き認証装置と、共通玄関の出入り口をオートロックする自動扉制御装置と、共通玄関の出入り口から入館する入館者を撮像する入館者撮像カメラと、入館者撮像カメラで撮像された入館者画像を処理し、共通玄関から実際に入館した人数をカウントする画像処理装置と、テンキー付き認証装置により入力され、認証装置により入館を許可された入館許可人数と画像処理装置により実際にカウントされた入館者実人数とを比較する判断装置と、判断装置が入館許可人数よりも入館者実人数の方が多いと判断した場合に動作し、共通玄関の内側に設けられたスピーカーから共連れ発生の警報メッセージを流す警報発生装置とを備えたものである。
【0009】
また、玄関ロビー、エレベータ乗場、階段等に設置され、判断装置が入館許可人数よりも入館者実人数の方が多いと判断した場合、入館者撮像カメラで撮像された入館者画像を高精度で映し出すモニタ表示器を更に備えたものである。
【0010】
また、マンション等の集合住宅の共通玄関の外側に設置されたテンキー付き認証装置と、共通玄関の出入り口をオートロックする自動扉制御装置と、共通玄関の出入り口から入館する入館者を撮像する入館者撮像カメラと、入館者撮像カメラで撮像された入館者画像を処理し、共通玄関から実際に入館した人数をカウントする画像処理装置と、テンキー付き認証装置により入力され、認証装置により入館を許可された入館許可人数と画像処理装置により実際にカウントされた入館者実人数とを比較する判断装置と、玄関ロビー、エレベータ乗場、階段等に設置された複数の監視カメラと、判断装置が入館許可人数よりも入館者実人数の方が多いと判断した場合で、かつ監視カメラが入館者の不審行動を検出した場合に動作し、共通玄関の内側に設けられたスピーカーから共連れ発生の警報メッセージを流す警報発生装置とを備えたものである。
【0011】
また、玄関ロビー、エレベータ乗場、階段等に設置され、判断装置が入館許可人数よりも入館者実人数の方が多いと判断した場合で、かつ監視カメラが入館者の不審行動を検出した場合に入館者撮像カメラ又は監視カメラで撮像された入館者画像又は不審者の行動画像を映し出すモニタ表示器を更に備えたものである。
【発明の効果】
【0012】
この発明は、マンション等の集合住宅の共通玄関の外側に設置されたテンキー付き認証装置と、共通玄関の出入り口をオートロックする自動扉制御装置と、共通玄関の出入り口から入館する入館者を撮像する入館者撮像カメラと、入館者撮像カメラで撮像された入館者画像を処理し、共通玄関から実際に入館した人数をカウントする画像処理装置と、テンキー付き認証装置により入力され、認証装置により入館を許可された入館許可人数と画像処理装置により実際にカウントされた入館者実人数とを比較する判断装置と、判断装置が入館許可人数よりも入館者実人数の方が多いと判断した場合に動作し、共通玄関の内側に設けられたスピーカーから共連れ発生の警報メッセージを流す警報発生装置とを備えたので、マンション住人同士、知人の共連れは禁止することなく、不審者の共連れによる侵入を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における共連れ検出システムの概略構成を示すブロック図、図2はこの発明の実施の形態1における共連れ検出システムの動作フローを示すフローチャートである。
【0014】
この発明による共連れ検出システムは、マンション等の集合住宅の共通玄関の入り口をオートロックにし、マンション住人以外の者の入館制限を行っている所に適用されるものである。図1において、1は例えばマンション等の集合住宅の共通玄関の外側に設けられたテンキー付き認証装置であり、マンション住人が共通玄関から入館する際、認証キーや指紋照合等とともに一緒に入館する人数をテンキーから入力した後、認証装置による認証が行われるものである。2は共通玄関の出入り口をオートロックする自動扉制御装置、3は共通玄関の出入り口から入館する側の人間(入館者)を撮像する入館者撮像カメラで、共通玄関の外側或いは内側に設けられている。この入館者撮像カメラ3は、1個でもよいし複数個であってもよい。4は入館者撮像カメラ3により撮像された入館者画像を処理し、共通玄関から実際に入館した人数をカウントする画像処理装置、5はテンキー付き認証装置1により入力され、認証装置により入館することを許可された入館許可人数と、入館者撮像カメラ3及び画像処理装置4により実際にカウントされた入館者実人数とを比較する判断装置、6はこの判断装置5の比較結果により、テンキーから入力され、入館を許可された入館許可人数よりも、実際にカウントされた入館者実人数の方が多いと判断された場合に動作し、音声アナウンスにより、例えば「申告された人数を超えています」、或いは「不正入館が発生した可能性があります」等の共連れ発生の警報メッセージを共通玄関の内側の玄関ロビー等に設置されたスピーカー7から流すことにより、共連れを利用した不審者の入館を検出し、警告する警報発生装置である。この警報発生装置6は、この後更に、警備会社(図示せず)に通報するようにしても良い。8は共通玄関の内側の玄関ロビー、エレベータ乗場、階段等に設置されたモニタ表示器で、入館者撮像カメラ2で撮像された入館者画像を高精度で録画しておき、上記判断装置5が入館許可人数よりも入館者実人数の方が多いと判断した場合は、入館者画像を高精度に映し出すことにより、共連れ発生の警報メッセージと併せて共連れによる不審者の入館を防止するものである。
なお、入館者撮像カメラ3及び画像処理装置4による入館者人数のカウントは、出館する側の人間(退館者)はカウントしないようにしている。
【0015】
次に、共連れ検出システムの動作フローを図2により説明する。
マンション住人が外出から帰ってきて入館する時は、共通玄関の外側に設けられたテンキー付き認証装置1により、認証キーや指紋照合等とともに一緒に入館する人数をテンキーから入力し、入館許可人数の認証を受ける(ステップS1)。次に、ステップS2で入館者撮像カメラ3により撮像された入館者画像を取得し、ステップS3で画像処理装置4により入館者画像を処理し、実際に入館した人数をカウントする。そして、ステップS4では、判断装置5により、テンキーから入力され、入館を許可された入館許可人数と、実際にカウントされた入館者実人数とを比較し、入館許可人数よりも入館者実人数の方が多いと判断された場合には、ステップS5に進み、警報発生装置6により、例えば「申告された人数を超えています」、或いは「不正入館が発生した可能性があります」等の共連れ発生の警報メッセージを共通玄関の内側の玄関ロビー等に設置されたスピーカー7から流すことにより、共連れを利用した不審者の入館を検出し、警告する。更に、ステップS6に進み、共通玄関の内側の玄関ロビー、エレベータ乗場、階段等に設置されたモニタ表示器8により、入館者撮像カメラ2で撮像された入館者画像を高精度に映し出し、警報メッセージと併せて共連れによる不審者の入館を防止する。
なお、マンション住人以外の訪問者が入館する場合は、テンキー付き認証装置1に付属されているインターホン等の通話装置により、訪問者が住人と連絡を取り合って、住人による本人確認が行われた後、認証装置による認証とともに入館許可人数の登録、オートロック機構の解錠を行うようにすればよい。
【0016】
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2における共連れ検出システムの概略構成を示すブロック図、図4はこの発明の実施の形態2における共連れ検出システムの動作フローを示すフローチャートである。
【0017】
この実施の形態2において、1〜8は実施の形態1と同一構成であり、9は共通玄関の内側の玄関ロビー、エレベータ乗場、階段等に設置された複数の監視カメラである。もしもマンション住人と一緒に共連れを利用して不審者が侵入した場合、通常は入館直後に離れて別行動をとるケースが多いと予想されるので、入館直後に離れて個別に不審な行動をした不審者を複数の監視カメラ9で追尾するようにしたものである。
なお、実施の形態2の場合、判断装置5は、テンキーから入力され、入館を許可された入館許可人数と、実際にカウントされた入館者実人数とを比較し、入館許可人数よりも入館者実人数の方が多いと判断された場合に、直ちに警報発生装置6による警報メッセージを流すことはせず、入館者が入館直後に離れて個別に不審な行動をした時、その行動を監視カメラ9で捕らえてから、判断装置5により、警報発生装置6に入力されて、共連れ発生の警報メッセージを流すようにする。これにより、テンキーの操作ミスによる無用な警報メッセージの発生を未然に防止することができる。
【0018】
次に、実施の形態2による共連れ検出システムの動作フローを図4により説明する。
マンション住人が外出から帰ってきて入館する時は、共通玄関の外側に設けられたテンキー付き認証装置1により、認証キーや指紋照合等とともに一緒に入館する人数をテンキーから入力し、入館許可人数の認証を受ける(ステップS11)。次に、ステップS12で入館者撮像カメラ3により撮像された入館者画像を取得し、ステップS13で画像処理装置4により入館者画像を処理し、実際に入館した人数をカウントする。そして、ステップS14では、判断装置5により、テンキーから入力され、入館を許可された入館許可人数と、実際にカウントされた入館者実人数とを比較し、入館許可人数よりも入館者実人数の方が多いかどうかを判断する。ステップS14で入館者実人数の方が多いと判断された場合、ステップS15に進み、入館者の中で入館直後に離れて個別に不審な行動をする不審者がいるかどうかを複数の監視カメラ9で追尾し、不審な行動を監視・検出する。ステップS15で不審な行動が検出されたら、ステップS16に進み、警報発生装置6により、例えば「不正入館が発生した可能性があります」等の共連れ発生の警報メッセージを共通玄関の内側の玄関ロビー等に設置されたスピーカー7から流すことにより、共連れを利用した不審者の入館を検出し、警告する。更に、ステップS17に進み、共通玄関の内側の玄関ロビー、エレベータ乗場、階段等に設置されたモニタ表示器8により、入館者撮像カメラ2、監視カメラ9で撮像された入館者画像や不審者の行動画像を映し出し、共連れ発生の警報メッセージと併せて共連れによる不審者の入館を防止する。
以上のように、この発明の共連れ検出システムによれば、マンション住人同士、知人の共連れは禁止することなく、不審者の共連れによる侵入を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の実施の形態1における共連れ検出システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1における共連れ検出システムの動作フローを示すフローチャートである。
【図3】この発明の実施の形態2における共連れ検出システムの概略構成を示すブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態2における共連れ検出システムの動作フローを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0020】
1 テンキー付き認証装置
2 自動扉制御装置
3 入館者撮像カメラ
4 画像処理装置
5 判断装置
6 警報発生装置
7 スピーカー
8 モニタ表示器
9 監視カメラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マンション等の集合住宅の共通玄関の外側に設置されたテンキー付き認証装置と、
前記共通玄関の出入り口をオートロックする自動扉制御装置と、
前記共通玄関の出入り口から入館する入館者を撮像する入館者撮像カメラと、
前記入館者撮像カメラで撮像された入館者画像を処理し、共通玄関から実際に入館した人数をカウントする画像処理装置と、
前記テンキー付き認証装置により入力され、認証装置により入館を許可された入館許可人数と前記画像処理装置により実際にカウントされた入館者実人数とを比較する判断装置と、
前記判断装置が入館許可人数よりも入館者実人数の方が多いと判断した場合に動作し、共通玄関の内側に設けられたスピーカーから共連れ発生の警報メッセージを流す警報発生装置と、
を備えたことを特徴とする共連れ検出システム。
【請求項2】
マンション等の集合住宅の共通玄関の外側に設置されたテンキー付き認証装置と、
前記共通玄関の出入り口をオートロックする自動扉制御装置と、
前記共通玄関の出入り口から入館する入館者を撮像する入館者撮像カメラと、
前記入館者撮像カメラで撮像された入館者画像を処理し、共通玄関から実際に入館した人数をカウントする画像処理装置と、
前記テンキー付き認証装置により入力され、認証装置により入館を許可された入館許可人数と前記画像処理装置により実際にカウントされた入館者実人数とを比較する判断装置と、
前記判断装置が入館許可人数よりも入館者実人数の方が多いと判断した場合に動作し、共通玄関の内側に設けられたスピーカーから共連れ発生の警報メッセージを流す警報発生装置と、
玄関ロビー、エレベータ乗場、階段等に設置され、前記判断装置が入館許可人数よりも入館者実人数の方が多いと判断した場合、前記入館者撮像カメラで撮像された入館者画像を高精度で映し出すモニタ表示器と、
を備えたことを特徴とする共連れ検出システム。
【請求項3】
マンション等の集合住宅の共通玄関の外側に設置されたテンキー付き認証装置と、
前記共通玄関の出入り口をオートロックする自動扉制御装置と、
前記共通玄関の出入り口から入館する入館者を撮像する入館者撮像カメラと、
前記入館者撮像カメラで撮像された入館者画像を処理し、共通玄関から実際に入館した人数をカウントする画像処理装置と、
前記テンキー付き認証装置により入力され、認証装置により入館を許可された入館許可人数と前記画像処理装置により実際にカウントされた入館者実人数とを比較する判断装置と、
玄関ロビー、エレベータ乗場、階段等に設置された複数の監視カメラと、
前記判断装置が入館許可人数よりも入館者実人数の方が多いと判断した場合で、かつ前記監視カメラが入館者の不審行動を検出した場合に動作し、共通玄関の内側に設けられたスピーカーから共連れ発生の警報メッセージを流す警報発生装置と、
を備えたことを特徴とする共連れ検出システム。
【請求項4】
マンション等の集合住宅の共通玄関の外側に設置されたテンキー付き認証装置と、
前記共通玄関の出入り口をオートロックする自動扉制御装置と、
前記共通玄関の出入り口から入館する入館者を撮像する入館者撮像カメラと、
前記入館者撮像カメラで撮像された入館者画像を処理し、共通玄関から実際に入館した人数をカウントする画像処理装置と、
前記テンキー付き認証装置により入力され、認証装置により入館を許可された入館許可人数と前記画像処理装置により実際にカウントされた入館者実人数とを比較する判断装置と、
玄関ロビー、エレベータ乗場、階段等に設置された複数の監視カメラと、
前記判断装置が入館許可人数よりも入館者実人数の方が多いと判断した場合で、かつ前記監視カメラが入館者の不審行動を検出した場合に動作し、共通玄関の内側に設けられたスピーカーから共連れ発生の警報メッセージを流す警報発生装置と、
玄関ロビー、エレベータ乗場、階段等に設置され、前記判断装置が入館許可人数よりも入館者実人数の方が多いと判断した場合で、かつ前記監視カメラが入館者の不審行動を検出した場合に前記入館者撮像カメラ又は監視カメラで撮像された入館者画像又は不審者の行動画像を映し出すモニタ表示器と、
を備えたことを特徴とする共連れ検出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−120086(P2006−120086A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−309826(P2004−309826)
【出願日】平成16年10月25日(2004.10.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】