説明

共重合体及び眼科用組成物

本発明は,共重合体の全質量に対して20〜95質量%の少なくとも一つの親水性モノマーに由来する構造単位と,共重合体の全質量に対して5〜80質量%の一般式I
【化1】



(式中のR1,R2及びR3は互いに独立して水素又はアルキル−を表わし,YはO又は水素又はアルキル−から選択したR4を有するNR4を表わし,XはO,S,SO又はSO2を表わし,SはCHR5又は(CHR5CHR5O)iCH2から選択した構造単位を表わし,ここで,全てのR5は互いに独立して水素又はアルキル−,n及びiは互いに独立して1〜10の整数,mは2〜6の整数を表わす)の少なくとも一つのモノマーに由来する構造単位とを含み,前記共重合体が,共重合体の全質量に対して1〜59質量%の水含有量を有する共重合体に関する。さらに,本発明は,眼科用組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,眼科用レンズ、特に眼内レンズ及び眼科用インプラントの製造に適する共重合体に関する。さらに,本発明は,眼科用組成物並びにその使用,特にアイインプラント(眼内レンズ)としての使用に関する。
【背景技術】
【0002】
通常,光学部及び非光学部を一体又は多体で含む眼内レンズ(IOL)を形成することは既知である。一体形眼内レンズにおいては,光学部及び非光学部を単一材料から作る。多体形IOLおいては,光学部及び非光学部を異なる材料から作ることができる。また,非光学部は触覚部とも呼び,取付けに役立つ。
【0003】
眼内レンズは目の中に導入される。眼内レンズの目の中への導入に必要な切開長さの低減を達成するため,IOLの基材として適した材料,切開を例えば可撓性及び展開性能のために短縮できる適当な共重合体を主に提供することが望ましい。従って、IOLを提供する共重合体は、この点において有利な特性を有するべきである。
【0004】
特許文献DE89918108T2には光学部及び触覚部を有する一体形眼内レンズが提案され、この場合光学部及び触覚部が同一の共重合体から形成される。該共重合体は親水性モノマー及びアルコキシアルキルメタクリレートモノマーを含有し,一体形IOLの光学部及び触覚部が同一の共重合体から形成される。かかる一体形眼内レンズの共重合体は,水和共重合体の全質量の約10〜約38質量%の水含有量を有する。
【0005】
特許文献DE89918108T2において,上述したモノマーに加えて,90質量%の乾燥共重合体がアルコキシアルキルメタクリレートと組み合わせた親水性モノマーに割り当てられるように10質量%以下の更なるモノマーを共重合体に含めることができることが提案されている。
【0006】
特許文献DE89918108T2の共重合体は,優れた折り畳み性を有する必要がある。しかしながら,従来技術では,優れた相溶性と組み合わせて更に優れた折り畳み性及び最適化した機械的特性を有する共重合体を提供する必要がある。
【0007】
さらに,目の網膜が紫外線領域(200nm〜400nm)及び可視光線の紫色領域(400nm〜440nm)の放射線の光毒性作用から分子吸収剤を用いて保護できることは既知である。かかる吸収剤を光学分野において眼内レンズ(IOL)への使用に提供できる。特に,市販の眼内レンズは紫光線領域をただ部分的に吸収する。吸収の程度に関しては,波長430nmの光毒性光線の25%〜35%が従来のレンズ材料を透過する。
【0008】
複数の研究から,紫光線部分が加齢黄斑変性症(AMD)の進展に重大な役割を果たすことが分かる。いわゆる集晶,すなわち代謝最終生成物(リポフスチン)の沈着に始まり,進展期において網膜色素上皮の局所細胞死(地図状萎縮)へと転換されうる。
【0009】
他方,光受容,特に減光条件での視力(暗所視),すなわち薄明視及び暗所視に関して,青色光線スペクトル(約450nm〜500nm)でのレンズ材料の透光性が極めて重要である。この青色波長領域において,薄明視及び暗所視の障害を除くために,吸収される光は,可能な限り少ないほうがいい。しかしながら、市販のIOLは,この波長領域(例えば,475nmで)においてわずか約70%〜75%の透光性しか有さない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って,本発明の目的は,従来技術の欠点を克服し,特に眼内レンズ用の有利な特徴的プロファイルを有する材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第一の態様において,本発明の技術的な目的が本発明に係る共重合体によって解決され,ここで該共重合体は,
a) 共重合体の全質量に対して20〜95質量%の少なくとも一つの親水性モノマーに由来する構造単位と,
b) 共重合体の全質量に対して5〜80質量%の一般式I:
【化1】

(式中のR1,R2及びR3は互いに独立して水素又はアルキル−を表わし,
YはO若しくは水素又はアルキル−から選択したR4を有するNR4を表わし,
XはO,S,SO又はSO2を表わし,
SはCHR5又は(CHR5CHR5O)iCH2から選択した構造単位を表わし,ここで全てのR5は互いに独立して水素又はアルキル−を表わし、
n及びiは互いに独立して1〜10の整数を表わし,
mは2〜6の整数を表わす)の少なくとも一つのモノマーに由来する構造単位とを含み,また前記共重合体は,共重合体の全質量に対して1〜59質量%の水含有量を有する。ここで,モノマーa)及びb)の立体異性体及びラセミ混合物の全てが基本的に含まれると考えるべきである。驚くべきことに,本発明の共重合体は,従来技術の共重合体と比較して優れた特徴的プロファイルを示す。特に,当該共重合体は,眼科用レンズに組み込む際に優れた特徴を有する。かかる眼科用レンズ、特に眼内レンズは,該眼内レンズを目に導入する前に外科処置がより小さい切開を要求するように移植でより良好に折り畳むことができる。加えて,かかる共重合体の目での相溶性が改善される。更に,共重合体は,眼科用レンズを製造するための優れた加工性を有する。従来技術の共重合体と比較して,本発明の共重合体は,眼内レンズを得るために優れた方法で機械的に加工できる。
【0012】
本発明の有利な展開において,モノマーb)は下記の構造を有する。
【化2】

【0013】
このようにして,モノマーb)は,眼科用レンズに組み込む際に上述の利点に加え優れた特性を更に有する。
【0014】
好適な実施態様において,ラジカルR1,R2,R3,R4及びR5は,互いに独立して好ましくは1,2,3,4,5,8,7,8,9及び/又は10の炭素原子を有する非分岐及び/又は分岐アルキル基から選択される。さらに好適には,ラジカルR1,R2,R3,R4及びR5は,互いに独立してメチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基及び/又はtert−ブチル基である。
【0015】
更なる好適な実施形態において,構造単位Sはメチレン基であり,更なる好適な実施形態において,構造単位Sは−CH(CH3)CH2OCH2−基である。
【0016】
更なる好適な実施形態において,n及びiは互いに独立して1,2,3,4,5,8,7,8,9及び/又は10である。更なる好適な実施形態において,mは2,3,4,5又は6である。
【0017】
更なる好適な実施形態において,構造単位YがO原子である場合,ラジカルR1はメチル基である。基YがNHである場合,ラジカルR1が水素を表すことがさらに好適である。
【0018】
共重合体の全質量に対して30〜79質量%の構造単位が少なくとも一つの親水性モノマーa)から誘導され,さらに好適な50〜79質量%の構造単位が共重合体中の少なくとも一つの親水性モノマーa)から誘導されることがさらに好適である。
【0019】
更なる好適な実施形態において,共重合体の全質量に対して,共重合体中の10〜79質量%,特に21〜60質量%,好適には21〜50質量%及び更に好適には21〜35質量%が,一般式Iの少なくとも一つのモノマーb)から誘導される。特に,共重合体の全質量に対して,共重合体中の10〜35質量%が,一般式Iの少なくとも一つのモノマーb)から誘導できる。
【0020】
共重合体が,共重合体の全質量に対して,好適には2〜50質量%,さらに好適には5〜40質量%及び特に好適には10と30質量%間の水含有量を有する。
【0021】
本開示の範囲内で特定されたモノマーに由来する構造単位の比率は,共重合体の全質量に関連し,これら個々の比率及び水含有量は,好適には全体で100質量%となるように選択されなければならない。共重合体中に更なる成分が含まれる場合,これら質量比率及び水含有量は,更なる成分を含む共重合体の全質量が100質量%となるように選択されなければならない。
【0022】
親水性モノマーa)が,一般式II;
【化3】

(式中のSはCHR7又は(CHR7CHR7O)kCH2から選択した構造単位を表わし,ここで全てのR7が互いに独立して水素又はアルキル−を表わし,
p及びkは互いに独立して1〜10の整数を表わす)のモノマーであることが更に好適である。ここでも,立体異性体及びラセミ混合物の全てが含まれと考えるべきである。
【0023】
好適な実施態様において,ラジカルR6及びR7は互いに独立して好適には1,2,3,4,5,8,7,8,9及び/又は10炭素原子を有する非分岐及び/又は分岐アルキル基から選択される。さらに好適には,ラジカルR6及びR7は互いに独立してメチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基及び/又はtert−ブチル基である。R6に関しては,独立してR6がメチル−又はHであるのが特に好ましい。
【0024】
ある場合には,共重合体が少なくとも一つのアルコキシアルキルメタクリレートモノマー及び/又はアルコキシアルキルアクリレートモノマーに由来したいかなる構造単位を含まないのが好適とし得る。
【0025】
さらに好適な実施態様において,k及びpは互いに独立して1,2,3,4,5,8,7,8,9及び/又は10である。
【0026】
さらに好適な実施形態において,一般式IIの親水性モノマーはヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)及び/又はヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)である。或いはまた若しくはさらに,グリセロールモノメタクリレートを親水性モノマーとして提供できる。
【0027】
一般式Iのモノマーは以下の構造
【化4】

を有することがさらに好適である。
【0028】
ここで,当該モノマー、すなわち(テトラヒドロフラン−2−イル)−メチルメタクリレートはまた,テトラヒドロフルフリルメタクリレート(THFMA)という一般名で既知である。或いはまた若しくはさらに,位置異性体(テトラヒドロフラン−3−イル)−メチルメタクリレートもここで提供できる。
【0029】
好適な実施態様において,一般式I及び/又はIIのモノマーは,エナンチオピュアな形態で存在する。或いはまた,一般式I及び/又はIIのモノマーがラセミ混合物として存在できるのが好ましい。
【0030】
更なる好適な実施形態において,共重合体は少なくとも一つ以上の架橋剤を含む。適当な架橋剤として,二つ以上の重合性基を有するビニルモノマー又はオリゴマーを挙げることができる。ここで,該共重合体を特に三次元的に架橋でき,架橋度はそれぞれの用途の目的に応じて最適に調整できる。例えば,エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA),トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,1,3−グリセリンジ(メタ)アクリレート及び/又はブタンジオールジ(メタ)アクリレートを架橋剤として挙げることができる。
【0031】
更なる好適な実施形態において,共重合体は紫外線吸収剤を含む。ここで,200nm〜400nmの波長領域の放射線を少なくとも大部分かつ好適には定量的に吸収する有機又は無機化合物を紫外線吸収剤と理解するべきである。生体適合性紫外線防護剤が紫外線吸収剤として挙げられ,このためにアルキルスペーサーを介して一つ以上のアクリル又はメタクリル官能部に任意に連結するクマリン誘導体を用いる。
【0032】
本発明の更なる有利な展開において,紫外線吸収剤は一般式III
【化5】

(式中
1が下記のアクリル又はメタクリルラジカルであり,
【化6】

2がC,H,Si,O,N,P,S,F,Cl,Brから選択された30原子までを有する有機の分岐及び/又は非分岐アルキル及び/又はアリール置換基であり,
3,R4及びR5がH若しくはC,H,Si,O,N,P,S,F,Cl,Brから選択された30原子までを有する有機の分岐及び/又は非分岐アルキル及び/又はアリール置換基であり,
X,YがO,S,NH又はNRで、RがC,H,Si,O,N,P,S,F,Cl,Brから選択された30原子までを有する有機の分岐及び/又は非分岐アルキル及び/又はアリール置換基であり,
nが0〜2,mが0又は1で,n+mが常に1以上である)を有する。ここでも,立体異性体及びラセミ混合物の全てが含まれると考えるべきである。式IIIの適切な構造の例は下記である。
【化7】

【0033】
基本構造が構造2,3及び4に基づく紫外線吸収剤は,複数の重合性末端基の存在によりレンズ材料へ定量的に組み込みうるという利点を有し,更に架橋特性を有する。従って,レンズ製造に際し、付加的な架橋剤の添加を理想的に省くことができる。
【0034】
好適な紫外線吸収剤は下記の構造
【化8】

を有するクマリン−7−プロポキシメタクリレートである。
【0035】
当該化合物の製造は,市販の7−ヒドロキシクマリンを用いて二段階で達成される。
【化9】

【0036】
紫外線吸収剤の更なる実施形態は,クマリン基体を種々のスペーサーを介して一つ以上のアクリル又はメタクリルラジカルと連結する化合物である。これらは以下の構造
【化10】

(式中
1が下記のアクリル又はメタクリルラジカルであり,
【化11】

2がC,H,Si,O,N,P,S,F,Cl,Brから選択された30原子までを有する有機の分岐及び/又は非分岐アルキル及び/又はアリール置換基であり,
3,R4及びR5がH若しくはC,H,Si,O,N,P,S,F,Cl,Brから選択された30原子までを有する有機の分岐及び/又は非分岐アルキル及び/又はアリール置換基であり,
X,YがO,S,NH又はNRで、RがC,H,Si,O,N,P,S,F,Cl,Brから選択された30原子までを有する有機の分岐及び/又は非分岐アルキル及び/又はアリール置換基であり,
nが0〜2,mが0又は1で,n+mが常に1以上である)を有する。ここでも,立体異性体及びラセミ混合物の全てが含まれると考えるべきである。
【0037】
この一例は,n=2,m=0,X=O,R2=C36,Y=O,R1=アクリル又はメタクリルラジカル,R3=H,R4=H,R5=Hである一般式IIIの化合物である。
【0038】
紫外線吸収剤の更なる実施形態は,クマリン−6,7−ジプロポキシメタクリレートである。これもまた,クマリン−7−プロポキシメタクリレートに類似した2段階反応での単純な合成法で表すことができる。これに必要な6,7−ジヒドロキシクマリンはまた、市場から入手可能である。このようにして,付加的メタクリレートアンカー基が導入された化合物を製造できる。アルコキシスペーサーを介した第二アンカー基の連結は,吸収剤の分光特性にほとんど影響を与えず,レンズ材料の製造における架橋剤としても利用できる。
【0039】
【化12】

【0040】
更なる例は,n=1,m=0,X=O,R2=−CH2−CH(OR1)CH2−,Y=O,R1=アクリル又はメタクリルラジカル,R3=H,R4=H,R5=Hである一般式IIIの構造である。
【0041】
二つのアンカー基を有する紫外線吸収剤を製造する更なる可能性は,分岐したジヒドロキシハライドの使用に由来する。7−ヒドロキシクマリンを第一段階で市販の3−ブロモ−1,2−プロパンジオールと,引き続きアクリレート又はメタクリレートと反応させてアルコキシジオールを得る場合,更なる二官能性紫外線吸収剤が得られる。
【0042】
【化13】

【0043】
更なる例は,n=1,m=0,X=O,R2=−CH2−CH(OR1)CH2−,Y=O,R1=メタクリルラジカル,R3=H,R4=H,R5=Hである一般式IIIの構造である。
【0044】
従って、7−ヒドロキシクマリンをアクリル酸又はメタクリル酸塩化物ではなく,市販のグリシジルメタクリレートと反応させた場合,クマリン基体を脂肪鎖によってメタクリレートラジカルから分離する更なる紫外線フィルターが単一の反応段階で得られる。その後メタクリロイルクロリドでのエステル化により,更なるメタクリレート官能を二級アルコール基に導入できる。
【0045】
【化14】

【0046】
更なる例は,n=1,m=0,X=O,R2=C36,Y=O,R1=アクリル又はメタクリルラジカル,R3=H,R4=H,R5=C37である一般式IIIの構造である。
【0047】
ここで,R5は,弱い誘導作用(+I効果)を有するプロピル基である。前述した好適な紫外線吸収剤への付加的なプロピル基の導入は,問題なく合成的に管理でき,発色団の分光特性をほんのわずかな程度変性する。合成に7−ヒドロキシクマリンを使用せず、市販の7−ヒドロキシ−4−プロピルクマリンを使用する場合,メタクリル化後に好適な紫外線吸収剤とただ一つのプロピル側鎖だけが異なるクマリン誘導体が得られる。
【0048】
【化15】

【0049】
更なる例は,n=2,m=1,X=O,R2=C36,Y=O,R1=アクリル又はメタクリルラジカル,R3=H,R4=H,R5=Hである一般式IIIの構造である。
【0050】
また,三官能性紫外線吸収剤を単純な合成法で製造できる。4,5,7−トリヒドロキシクマリンから出発し,3−ブロモ−1−プロパノールでのアルコキシル化及びその後のアクリル化又はメタクリル化後,三つのアンカー基を有する紫外線吸収剤が得られる。
【0051】
【化16】

【0052】
共重合体が紫光線吸収剤(黄色色素)を含むことがさらに好適である。共重合体が約400nm〜430nmの波長の紫光線を好ましくはほぼ定量的に又は特に好ましくは定量的に吸収する紫光線吸収剤を含むのが好ましい。
【0053】
本発明の更なる有利な展開において,紫光線吸収剤は一般式IV:
【化17】

【0054】
(式中
1がアクリル又はメタクリルラジカルであり,
2がC,H,Si,O,N,P,S,F,Cl,Brから選択された30原子までを有する有機の分岐及び/又は非分岐アルキル及び/又はアリールスペーサー基であり,
3がC,H,Si,O,N,P,S,F,Cl,Brから選択された30原子までを有する有機の分岐及び/又は非分岐アルキル及び/又はアリールスペーサー基であり,
4がH若しくはC,H,Si,O,N,P,S,F,Cl,Brから選択された30原子までを有する有機の分岐及び/又は非分岐アルキル及び/又はアリール置換基であり,
XがO,S,NH又はNRで、RがC,H,Si,O,N,P,S,F,Cl,Brから選択された30原子までを有する有機の分岐及び/又は非分岐アルキル及び/又はアリール置換基である)を有する。
【0055】
ここでも,立体異性体又はラセミ混合物の全てが含まれると考えるべきである。該当する構造の例は下記である。
【化18】

【0056】
本発明の更なる有利な展開において,紫光線吸収剤は一般式V:
【化19】

(式中のR1がアクリル又はメタクリルラジカルであり,
2がC,H,Si,O,N,P,S,F,Cl,Brから選択された30原子までを有する有機の分岐及び/又は非分岐アルキル及び/又はアリールスペーサー基であり,
3がC,H,Si,O,N,P,S,F,Cl,Brから選択された30原子までを有する有機の分岐及び/又は非分岐アルキル及び/又はアリールスペーサー基であり,
4がC,H,Si,O,N,P,S,F,Cl,Brから選択された30原子までを有する有機の分岐及び/又は非分岐アルキル及び/又はアリール置換基であり,
5がH若しくはC,H,Si,O,N,P,S,F,Cl,Brから選択された30原子までを有する有機の分岐及び/又は非分岐アルキル及び/又はアリール置換基であり,
X,YがO,S,NH又はNRで、RがC,H,Si,O,N,P,S,F,Cl,Brから選択された30原子までを有する有機の分岐及び/又は非分岐アルキル及び/又はアリール置換基である)を有する。
【0057】
ここでも,立体異性体及びラセミ混合物の全てが含まれると考えるべきである。該当する構造(全ての立体異性体又はラセミ混合物を含む)の例は下記である。
【化20】

【0058】
紫光線吸収剤に好適な色素は,下記の構造
【化21】

を有するN,N−ジ−2’−エチルメタクリレート−4−ニトロアニリンである。
【0059】
当該化合物の製造は,両遊離体,すなわち市販の4−フルオロニトロベンゼン及びジエタノールアミンを用いて二段階で達成される(未審査の欧州特許第0321891号A2による)。
【化22】

【0060】
メタクリルラジカルは,共重合体又はキャリア材料,特にアクリレートに基づくレンズ材料における紫光線フィルターの共有結合に役立つ。二官能性によって,組み込みが定量的に,その結果市販の単官能性の紫光線フィルターにおけるよりも著しく効果的に進行する。
【0061】
また,紫光線吸収剤の更なる実施形態は,ニトロアニリン基体を種々のスペーサーを介して一つ以上のアクリル又はメタクリルラジカルと連結する化合物である。
【0062】
更なる例は,R2及びR3=−CH2−CH(CH3)−,X=O,R1=アクリル又はメタクリルラジカル,R4=Hである一般式IVの構造である。
【0063】
黄色発色団/紫光線フィルターの更なる実施形態は,N,N−ジ−2’−イソプロピルメタクリレート−4−ニトロアニリンである。これもまた,ジエチルメタクリレート−4−ニトロアニリンに類似した2段階反応での単純な合成法で製造することができる。また,これに必要なジイソプロパノールアミンはまた、市場から入手可能である。このようにして,側鎖中CH3基一つだけが好適なフィルターと相違する化合物を製造できる。メチル基の正の誘導作用によって,この発色団はわずかに長波長側にシフトして吸収する。
【化23】

【0064】
更なる例は,R2及びR3=C24,X=NR,R1=アクリル又はメタクリルラジカル,R4=Hである一般式IVの構造である。
【0065】
本例において,N,N−ジヒドロキシエチル−4−ニトロアニリンを単純な合成方法によりジアミン誘導体へと反応させる。かかるジアミンをアクリル酸クロリドとの反応によりジアミドへと転換できる。発色団の構造は変わらないで残り,アクリルアミドから二つのメチレン単位によって分離される。
【化24】

【0066】
更なる例は,R3及びR4=C24,X=O,R2=−CH2−CH(OH)CH2−,Y=O,R1=アクリル又はメタクリルラジカル,R5=Hである一般式Vの構造である。
【0067】
N,N−ジヒドロキシエチル−4−ニトロアニリンをアクリル酸又はメタクリル酸塩化物ではなく,市販のグリシジルメタクリレートと反応させた場合,発色団をメタクリレートラジカルから脂肪鎖によって分離する更なる紫光線フィルターを単一の反応段階で得る。
【化25】

【0068】
更なる例は,R2及びR3=C24,X=O,R1=アクリル又はメタクリルラジカル,R4=CH3である一般式IVの構造である。
【0069】
ここで,R4は弱い誘導作用(+I効果)を有するメチル基である。前述の好適な紫光線フィルターへの付加的なメチル基の組み込みは,問題なく合成的に管理でき,発色団の分光特性をほんのわずかな程度変性する。ジエタノールアミンを4−フルオロニトロベンゼンではなく,市販の2−フルオロ−5−ニトロトルエンと反応させた場合,アニリン環におけるただ一つの追加のメチル基により好適な紫光線吸収剤と相違するニトロアニリンが製造される。従って、アクリロイルクロリド又はメタクリロイルクロリドとのエステル化により,所望の分光特性を有する更なる発色団が得られる。
【化26】

【0070】
生体適合性キャリア材料として,特に水含有量1%〜30%を有するアクリレートが眼科用組成物に適する。共重合体又は当該キャリア材料において,紫外線吸収剤及び紫光線吸収剤はそれぞれ共有結合する。好適には,紫外線吸収剤が0.5%〜1.0%の濃度範囲で含まれる。眼科用組成物をIOLに使用する場合,紫外線吸収剤の個別の濃度は,レンズのそれぞれのピーク屈折率(ジオプトリー)に左右される。また,紫光線吸収剤は,アクリレートキャリア材料又は共重合体において共有結合する。これは0.03%〜0.16%の濃度範囲で存在できる。ここで,眼科用組成物のIOLへの使用において,紫光線吸収剤の濃度は,レンズのジオプトリーに直接依存する。
【0071】
キャリアマトリックスから吸収剤が溶出するリスクは存在しない。その理由は,二つの重合性末端基を有するために,本発明に係る紫外線吸収剤及び紫光線フィルター両者を定量的にレンズ材料へ組み込むからである。
【0072】
紫外線吸収剤又は紫光線吸収剤に適する生体適合性キャリア材料は,例えばヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA),メチルメタクリレート(MMA),エトキシエチルメタクリレート(EOEMA),エトキシエトキシエチルアクリレート(EEEA),テトラヒドロフルフリルメタクリレート(THFMA),テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA),2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA),2−ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA),2−ヒドロキシエチルアクリルアミド,2−ヒドロキシエチルメタクリルアミド,メトキシエチルメタクリレート(MOEMA)及びメトキシエチルアクリレート(MOEA)である。上述の物質から,共重合体をおそらく架橋剤を用いて製造でき,キャリア材料として使用できる。モノマーの組成物百分率は,広い範囲で変動できる。キャリア材料は,例えば1%〜30%の水含有量の親水性又は疎水性に調整できる。疎水性の無水重合体を制限する要因は,ガラス転移点である。これは0℃と11℃の間の範囲でありうる。さらに,親水性重合体が湿潤膨張後十分な可撓性を有することが重要である。
【0073】
本発明によれば,本発明に係る共重合体中の架橋剤又は架橋剤類の少なくとも一部が紫光線吸収剤又は紫外線吸収剤であるのが特に好適である。
【0074】
このことは,種々の化学物質の使用量を低減できるだけでなく,このように該当する吸収剤が共有結合による共重合体の中間成分であり,多くの用途で該吸収剤の放出を最少化するという利点を有する。
【0075】
共重合体は少なくとも1.3の屈折率を有するのが好ましい。
【0076】
本発明の更なる目的は,前述の共重合体を含む眼科用レンズである。眼科用レンズは,眼内レンズ及び/又は眼科用インプラントであるのが好ましい。さらに好適には,眼科用レンズは,一体形又は多体形とすることができる。更なる好適な実施形態において,眼科用レンズは,折り畳み式である。
【0077】
本発明の更なる態様は,約200nm〜400nmの波長領域の放射線を定量的に吸収する紫外線吸収剤を有する眼科用組成物に関する。さらに,該眼科用組成物は,約400nm〜430nmの波長の紫光線を吸収する紫光線吸収剤を含む。紫光線吸収剤の適切な発色団の基本構造は,N−アルコキシアクリレート化又はN−アルコキシメタクリレート化,若しくは更にN,N−ジアルコキシアクリレート化又はN,N−ジアルコキシメタクリレート化されたニトロアニリンである。
【0078】
紫外線吸収剤として,眼科用組成物は生体適合性紫外線防護剤を含み,そのためアルキルスペーサーを介して一つ以上のアクリル又はメタクリル官能基に任意に連結するクマリン誘導体が使用される。
【0079】
前記組成物をもっぱらアクリレート及び/又はメタクリレートに基づいて構成するのが好ましい。
【0080】
本発明の目的は,請求項17〜43により詳細に説明されている。本発明に係る眼科用組成物に適する紫外線吸収剤は,下記の構造:
【化27】

(式中のnは0〜2,
mは0又は1で,n+m≧1,
XはO,NH,NR6
YはO,NH,NR6
1は下記のアクリル又はメタクリルラジカル,
【化28】

2はC,H,Si,O,N,P,S,F,Cl,Brから選択された30原子までを有する有機のアルキル及び/又はアリールスペーサー基(又は両者の組合せ),
3,R5,R6はH若しくはC,H,Si,O,N,P,S,F,Cl,Brから選択された30原子までを有する有機のアルキル又はアリール基(又は両者の組合せ),
4はn=0又は1の場合だけH若しくはC,H,Si,O,N,P,S,Cl,Br,Fから選択された30原子までを有する有機のアルキル又はアリール基(又は両者の組合せ)である)の化合物である。
【0081】
該当する構造(全ての立体異性体又はラセミ混合物を含む)の例は下記である。
【化29】

【0082】
基本構造が構造2,3及び4に基づく紫外線吸収剤は,複数の重合性末端基の存在によりレンズ材料へ定量的に組み込みうるという利点を有し,更には架橋特性を有する。従って,レンズ製造に際し付加的な架橋剤の添加を理想的に省くことができる。
【0083】
好適な紫外線吸収剤は,下記の構造
【化30】

を有するクマリン−7−プロポキシメタクリレートである。
【0084】
当該化合物の製造は,市販の7−ヒドロキシクマリンを用いて二段階で達成される。
【化31】

【0085】
紫外線吸収剤の更なる実施形態は,クマリン基体を種々のスペーサーを介して一つ以上のアクリル又はメタクリルラジカルと連結する化合物である。これらは以下の構造を有する。
【化32】

式中のR1がアクリル又はメタクリルラジカルであり,
2がC,H,Si,O,N,P,S,F,Cl,Brから選択された30原子までを有する有機の分岐及び非分岐アルキル及び/又はアリール置換基(又は両者の組み合わせ)であり,
3,R4及びR5がH若しくはC,H,Si,O,N,P,S,F,Cl,Brから選択された30原子までを有する有機の分岐及び非分岐アルキル及び/又はアリール置換基(又は両者の組み合わせ)であり,
X及びYがO,S,NH,NR(RがC,H,Si,O,N,P,S,F,Cl,Brから選択された30原子までを有する有機の分岐又は非分岐アルキル及び/又はアリール置換基(又は両者の組み合わせ)である)であり,
nが0〜2,mが0又は1で,n+mが常に1以上である。
【0086】
紫外線吸収剤の実施形態
例1
一般式Iにおけるn=2,m=0,X=O,R2=C36,Y=O,R1=アクリル又はメタクリルラジカル,R3=H,R4=H,R5=H
本発明に係る眼科用組成物に関する紫外線吸収剤の更なる実施形態は,クマリン−6,7−ジプロポキシメタクリレートである。これもまた,クマリン−7−プロポキシメタクリレートに類似した2段階反応での単純な合成法で表すことができる。また,これに必要な6,7−ジヒドロキシクマリンは市場から入手可能である。 このようにして,付加的メタクリレートアンカー基を導入した化合物を製造できる。アルコキシスペーサーを介した第二のアンカー基の連結は,吸収剤の分光特性にほとんど影響を与えず,レンズ材料の製造における架橋剤としても利用できる。
【0087】
【化33】

【0088】
例2
一般式Iにおけるn=1,m=0,X=O,R2=−CH2−CH(OR1)CH2−,Y=O,R1=アクリル又はメタクリルラジカル,R3=H,R4=H,R5=H
二つのアンカー基を有する紫外線吸収剤を製造する更なる可能性は,分岐したジヒドロキシハライドの使用に由来する。7−ヒドロキシクマリンを第一段階で市販の3−ブロモ−1,2−プロパンジオールと,引き続きアクリレート又はメタクリレートと反応させてアルコキシジオールを得る場合,更なる二官能性紫外線吸収剤が得られる。
【化34】

【0089】
例3
一般式Iにおけるn=1,m=0,X=O,R2=−CH2−CH(OR1)CH2−,Y=O,R1=アクリル又はメタクリルラジカル,R3=H,R4=H,R5=H
7−ヒドロキシクマリンをアクリル酸又はメタクリル酸塩化物ではなく,市販のグリシジルメタクリレートと反応させた場合,クマリン基体を脂肪鎖によってメタクリレートラジカルから分離する更なる紫外線フィルターが単一の反応段階で得られる。その後のメタクリロイルクロリドでのエステル化により,更なるメタクリレート官能を二級アルコール基に導入できる。
【化35】

【0090】
例4
一般式Iにおけるn=1,m=0,X=O,R2=C36,Y=O,R1=アクリル又はメタクリルラジカル,R3=H,R4=H,R5=C37
ここで,R5は弱い誘導作用(+I効果)を有するプロピル基である。前述した好適な紫外線吸収剤への付加的なプロピル基の導入は,問題なく合成的に管理でき,発色団の分光特性をほんのわずかな程度変性する。合成に7−ヒドロキシクマリンを用いず,市販の7−ヒドロキシ−4−プロピルクマリンを用いる場合,メタクリレート化後に好適な紫外線吸収剤とは一つのプロピル側鎖のみが異なるだけのクマリン誘導体が得られる。
【化36】

【0091】
例5
一般式Iにおけるn=2,m=1,X=O,R2=C36,Y=O,R1=アクリル又はメタクリルラジカル,R3=H,R4=H,R5=H
三官能性紫外線吸収剤はまた、単純な合成法で製造できる。4,5,7−トリヒドロキシクマリンから出発し,3−ブロモ−1−プロパノールでのアルコキシル化及びその後のアクリル化又はメタクリル化後に三つのアンカー基を有する紫外線吸収剤が得られる。
【化37】

【0092】
紫光線吸収剤
本発明に係る眼科用組成物に適する紫光線吸収剤は,以下の構造の化合物である。
【化38】

式中のXがO,S,NH,NR(RがC,H,Si,O,N,P,S,F,Cl,Brから選択された30原子までを有する有機の分岐又は非分岐アルキル又はアリール置換基(又は両者の組み合わせ)である)であり,
1が下記のアクリル又はメタクリルラジカルであり,
【化39】

2がC,H,Si,O,N,P,S,Cl,Br,Fから選択された30原子までを有する有機の分岐又は非分岐アルキル又はアリールスペーサー基(又は両者の組み合わせ)であり,
3がC,H,Si,O,N,P,S,Cl,Br,Fから選択された30原子までを有する有機の分岐又は非分岐アルキル又はアリールスペーサー基(又は両者の組み合わせ)であり,
4がH若しくはC,H,Si,O,N,P,S,Cl,Br,Fから選択された30原子までを有する有機の分岐又は非分岐アルキル基,又は更にニトロ基,アルコキシ基又はニトリル基である。
【0093】
該当する構造(全ての立体異性体又はラセミ混合物を含む)の例は下記である。
【化40】

【0094】
さらに,適切な紫光線吸収剤は,以下の構造
【化41】

(式中のXがO,S,NH,NR(RがC,H,Si,O,N,P,S,F,Cl,Brから選択された30原子までを有する有機の分岐又は非分岐アルキル又はアリール置換基(又は両者の組み合わせ)である)であり,
YがO,S,NH,NR(RがC,H,Si,O,N,P,S,F,Cl,Brから選択された30原子までを有する有機の分岐又は非分岐アルキル又はアリール置換基(又は両者の組み合わせ)である)であり,
1がアクリル又はメタクリルラジカルであり,
2がC,H,Si,O,N,P,S,Cl,Br,Fから選択された30原子までを有する有機の分岐又は非分岐アルキル又はアリールスペーサー基(又は両者の組み合わせ)であり,
3がC,H,Si,O,N,P,S,Cl,Br,Fから選択された30原子までを有する有機の分岐又は非分岐アルキル又はアリールスペーサー置換基(又は両者の組み合わせ)であり,
4がC,H,Si,O,N,P,S,Cl,Br,Fから選択された30原子までを有する有機の分岐又は非分岐アルキル又はアリール置換基(又は両者の組み合わせ)であり,
5がH若しくはC,H,Si,O,N,P,S,Cl,Br,Fから選択された30原子までを有する有機の分岐又は非分岐アルキル又はアリール置換基(又は両者の組み合わせ)、又は更にニトロ基,アルコキシ基又はニトリル基である)の化合物の立体異性体又はラセミ混合物である。
【0095】
該当する構造(全ての立体異性体又はラセミ混合物を含む)の例は下記である。
【化42】

【0096】
本発明に係る眼科用組成物の紫光線吸収剤に好適な色素は,下記構造を有するN,N−ジ−2’−エチルメタクリレート−4−ニトロアニリンである。
【化43】

【0097】
当該化合物の製造は,両遊離体,すなわち市販の4−フルオロニトロベンゼン及びジエタノールアミンを用いて二段階で達成される(欧州特許第0321891号A2明細書による)。
【化44】

【0098】
メタクリルラジカルは,共重合体又はキャリア材料,特にアクリレートに基づくレンズ材料における紫光線フィルターの共有結合に役立つ。二官能性のため,組み込みが定量的に,その結果市販の単官能性の紫光線フィルターにおけるよりも著しく効果的に進行する。
【0099】
また,紫光線吸収剤の更なる実施形態は,ニトロアニリン基体を種々のスペーサーを介して一つ以上のアクリル又はメタクリルラジカルと連結する化合物である。
【0100】
紫光線吸収剤の実施形態
例1
一般式IIにおけるR2及びR3=−CH2−CH(CH3)−,X=O,R1=アクリル又はメタクリルラジカル,R4=H
黄色発色団/紫光線フィルターの更なる実施形態は,N,N−ジ−2’−イソプロピルメタクリレート−4−ニトロアニリンである。これもまた,ジエチルメタクリレート−4−ニトロアニリンに類似した2段階反応での単純な合成法で製造することができる。また,これに必要なジイソプロパノールアミンは市場から入手可能である。このようにして,側鎖中CH3基一つだけが好適なフィルターと相違する化合物を製造できる。メチル基の正の誘導作用によって,この発色団は,わずかに長波長側にシフトして吸収する。
【化45】

【0101】
例2
一般式IIにおけるR2及びR3=C24,X=NR,R1=アクリル又はメタクリルラジカル,R4=H
本例において,N,N−ジヒドロキシエチル−4−ニトロアニリンを単純な合成方法でジアミン誘導体へと反応させる。かかるジアミンをアクリル酸クロリドとの反応によりジアミドへと転換できる。発色団の構造は変わらないで残り,アクリルアミドから二つのメチレン単位によって分離される。
【化46】

【0102】
例3
一般式IIIにおけるR3及びR4=C24,X=O,R2=−CH2−CH(OH)CH2−,Y=O,R1=アクリル又はメタクリルラジカル,R5=H
N,N−ジヒドロキシエチル−4−ニトロアニリンをアクリル酸又はメタクリル酸塩化物ではなく,市販のグリシジルメタクリレートと反応させた場合,発色団をメタクリレートラジカルから脂肪鎖によって分離する更なる紫光線フィルターが単一の反応段階で得られる。
【化47】

【0103】
例4
一般式IIにおけるR2及びR3=C24,X=NR,R1=アクリル又はメタクリルラジカル,R4=H
ここで,R4は弱い誘導作用(+I効果)を有するメチル基である。前述の好適な紫光線フィルターへの付加的なメチル基の組み込みは,問題なく合成的に管理でき,発色団の分光特性をほんのわずかな程度変性する。ジエタノールアミンを4−フルオロニトロベンゼンではなく,市販の2−フルオロ−5−ニトロトルエンと反応させた場合,アニリン環におけるただ一つの追加のメチル基により好適な紫光線吸収剤と相違するニトロアニリンが製造される。アクリロイルクロリド又はメタクリロイルクロリドとのエステル化により,所望の分光特性を有する更なる発色団が得られる。
【化48】

【0104】
生体適合性キャリア材料として,特に水含有量1%〜30%を有するアクリレートが眼科用組成物に適する。共重合体又は該キャリア材料において,紫外線吸収剤及び紫光線吸収剤が,それぞれ共有結合される。好適には,紫外線吸収剤が0.5%〜1.0%の濃度範囲で含まれる。眼科用組成物をIOLに用いる場合,紫外線吸収剤の個別の濃度は,レンズのそれぞれのピーク屈折率(ジオプトリー)に左右される。また,紫光線吸収剤がアクリレートキャリア材料又は共重合体において共有結合される。これは0.03%〜0.16%の濃度範囲で存在できる。ここで,IOLへの眼科用組成物の使用において,紫光線吸収剤の濃度は,レンズのジオプトリーに直接依存する。
【0105】
吸収剤がキャリアマトリックスから溶出するリスクは存在しない。その理由は,二つの重合性末端基を有する事によって,本発明に係る紫外線吸収剤及び紫光線フィルター両者が定量的にレンズ材料へ組み込まれるからである。
【0106】
紫外線吸収剤又は紫光線吸収剤に適する生体適合性キャリア材料は,例えばヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA),メチルメタクリレート(MMA),エトキシエチルメタクリレート(EOEMA),エトキシエトキシエチルアクリレート(EEEA),テトラヒドロフルフリルメタクリレート(THFMA),テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA),2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA),2−ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA),2−ヒドロキシエチルアクリルアミド,2−ヒドロキシエチルメタクリルアミド,メトキシエチルメタクリレート(MOEMA)及びメトキシエチルアクリレート(MOEA)である。上述の物質から,共重合体をおそらく架橋剤を用いて製造でき,キャリア材料として使用できる。モノマーの組成物百分率は,広い範囲で変動できる。キャリア材料を,例えば1%〜30%の水含有量の親水性に、又は疎水性に調整できる。疎水性の無水重合体における制限要因は,ガラス転移点である。これは0℃と11℃の間の範囲でありうる。さらに,親水性重合体が湿潤膨張後十分な可撓性を有することが重要である。
【0107】
眼科用組成物の実施形態は,以下の質量%の定量的組成物である。
【0108】
キャリア材料の実施形態
例1(疎水性)
EOEMA(エトキシエチルメタクリレート) 85〜97質量%
MMA(メチルメタクリレート) 0〜15質量%
EEEA(エトキシエトキシエチルアクリレート) 0〜5質量%
EGDMA(エチレングリコールジメタクリレート) 0〜0.7質量%
紫外線吸収剤 0.1〜1.0質量%
紫光線吸収剤 0.03〜0.16質量%
【0109】
例2(親水性)
HEMA(ヒドロキシエチルメタクリレート) 50〜85質量%
EOEMA(エトキシエチルメタクリレート) 30〜40質量%
THFMA(テトラヒドロフルフリルメタクリレート) 5〜20質量%
EGDMA(エチレングリコールジメタクリレート) 0〜0.7質量%
紫外線吸収剤 0.1〜1.0質量%
紫光線吸収剤 0.03〜0.16質量%
【0110】
それぞれのレンズ材料の製造に関して,先ずモノマーをビーカーに連続して秤量し、均質な溶液になるまで撹拌する。その後,まず架橋剤、引き続き紫光線吸収剤並びに紫外線吸収剤を添加する。わずかに加熱して,均質な溶液が得られるまで再び撹拌する。
【0111】
生成した混合物を適当な開始剤と混合し,重合形状(例えば,カップ,棒及び平坦形状)へ転換する。重合を加熱(60℃で12〜16時間)により開始する。冷却後,重合物を取り出し,仕切乾燥器中で任意に後硬化し,旋回及び磨砕により所望のブランク寸法(例えば,3mm厚,直径12.7mm)にする。
【0112】
本発明に係る眼科用組成物を用いて透光性を測定すると,紫外線部分(<400nm)だけでなく全紫光線部分(400nm〜430nm)が吸収されることが示された。市販の眼科用組成物は,紫光線領域において三分の一までの透過率を有する高い透光性を有する。本発明に係る組成物は,430nmで3%以下の透過率を示すにすぎない。
【0113】
青色光線領域において,例えば,本発明に係る組成物は,460nmで70%以上の光透過率を有するが,一方既知のレンズはわずか50〜60%の透光率しかない。
【0114】
眼科用組成物は,眼鏡,コンタクトレンズ及びアイインプラントのような視覚補助材に特に適する。本発明に係る眼科用組成物は,特に眼内レンズに適する。
【0115】
本発明の第二の態様によれば,眼科用組成物によって最大の光受容と高度の光防護を同時に確保する。従って,かかる組成物は,全紫外線スペクトル領域及び可視スペクトルの紫光線部分を実質的に吸収し,しかも同時に青色光線,特に450nmと500nm間の波長領域を完全に透過できなければならない。
【0116】
本発明の更なる特徴は,請求項及び明細書から明らかである。特徴及び上記明細書中の特徴の組み合わせは,個々の具体的な組み合わせでのみ使用できるだけでなく,他の組み合わせ又は本発明の範囲から離れない単独でも使用できる。また,眼科用組成物又はその有利な遂行は,本発明に係る共重合体の実施でもある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a) 共重合体の全質量に対して20〜95質量%の少なくとも一つの親水性モノマーに由来する構造単位と,
b) 共重合体の全質量に対して5〜80質量%の一般式I:
【化1】

(式中のR1,R2及びR3は互いに独立して水素又はアルキル−を表わし,
YはO若しくは水素又はアルキル−から選択したR4を有するNR4を表わし,
XはO,S,SO又はSO2を表わし,
SはCHR5又は(CHR5CHR5O)iCH2から選択した構造単位を表わし,ここで全てのR5は互いに独立して水素又はアルキル−を表わし、
n及びiは互いに独立して1〜10の整数を表わし,
mは2〜6の整数を表わす)の少なくとも一つのモノマーに由来する構造単位とを含み、また前記共重合体が共重合体の全質量に対して1〜59質量%の水含有量を有することを特徴とする共重合体。
【請求項2】
前記モノマーb)が,下記の一般構造
【化2】

を有することを特徴とする請求項1に記載の共重合体。
【請求項3】
共重合体の全質量に対して21〜80質量%の構造単位が,一般式Iの少なくとも一つのモノマーに由来することを特徴とする請求項1又は2に記載の共重合体。
【請求項4】
前記親水性モノマーa)が,一般式II
【化3】

(式中のSはCHR7又は(CHR7CHR7O)kCH2から選択した構造単位を表わし,ここで,全てのR7が互いに独立して水素又はアルキル−を表わし,p及びkは互いに独立して1〜10の整数を表わす)のモノマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の共重合体。
【請求項5】
前記親水性モノマーが,ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)及び/又はヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)及び/又はグリセロールモノメタクリレートであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の共重合体。
【請求項6】
前記一般式Iのモノマーが,テトラヒドロフルフリルメタクリレート(THFMA)であることを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の共重合体。
【請求項7】
前記共重合体が,紫外線吸収剤を含むことを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の共重合体。
【請求項8】
前記共重合体が,紫光線吸収剤(黄色色素)を含むことを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の共重合体。
【請求項9】
前記共重合体が,一つ以上の架橋剤を含むことを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の共重合体。
【請求項10】
前記ひとつ以上の架橋剤の少なくとも一部が,紫外線吸収剤及び/又は紫光線吸収剤であることを特徴とする請求項9に記載の共重合体。
【請求項11】
前記共重合体が,少なくとも1.3の屈折率を有することを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の共重合体。
【請求項12】
前記請求項のいずれか一項に記載の共重合体を含む眼科用レンズ。
【請求項13】
前記レンズが,眼内レンズ及び/又は眼科用インプラントである請求項12に記載の眼科用レンズ。
【請求項14】
前記眼科用レンズが,一体形又は多体形であることを特徴とする請求項12又は13に記載の眼科用レンズ。
【請求項15】
前記眼科用レンズが,折り畳み式であることを特徴とする請求項12〜14のいずれか一項に記載の眼科用レンズ。
【請求項16】
眼科用レンズ,眼内レンズ及び/又は眼科用インプラント製造への請求項1〜11の少なくとも一項に記載の共重合体の使用。
【請求項17】
アクリレート及び/又はメタクリレートに基づき、一つ以上のアクリル酸又はメタクリル酸単位をアルキルスペーサーを介して置換又は非置換のクマリン基本構造に連結する紫外線吸収剤並びにN−アルコキシアクリレート化又はN−アルコキシメタクリレート化,若しくはN,N−ジアルコキシアクリレート化又はN,N−ジアルコキシメタクリレート化された置換又は非置換のニトロアニリンに基づく紫光線吸収剤(黄色色素)を有する眼科用組成物。
【請求項18】
前記紫外線吸収剤が下記構造
【化4】

[式中
・R1がアクリル又はメタクリルラジカルであり,
・R2がC,H,Si,O,N,P,S,F,Cl,Brから選択された30原子までを有する有機の分岐又は非分岐アルキル又はアリール置換基(又は両者の組み合わせ)であり,
・R3,R4及びR5がH若しくはC,H,Si,O,N,P,S,F,Cl,Brから選択された30原子までを有する有機の分岐又は非分岐アルキル又はアリール置換基(又は両者の組み合わせ)であり,
・X及びYがO,S,NH,NR(RがC,H,Si,O,N,P,S,F,Cl,Brから選択された30原子までを有する有機の分岐又は非分岐アルキル又はアリール置換基(又は両者の組み合わせ)である)であり,
・n=0〜2,m=0又は1,n+mが常に1以上である。]の立体異性体又はラセミ混合物である請求項17に記載の眼科用組成物。
【請求項19】
n=1,m=0,X=O,R2=C36,Y=O,R1=アクリル又はメタクリルラジカル,R3=H,R4=H,R5=Hで、下記の構造
【化5】

を有することを特徴とする請求項18に記載の眼科用組成物。
【請求項20】
n=2,m=0,X=O,R2=C36,Y=O,R1=アクリル又はメタクリルラジカル,R3=H,R4=H,R5=Hで、下記の構造
【化6】

を有することを特徴とする請求項18に記載の眼科用組成物。
【請求項21】
n=1,m=0,X=O,R2=−CH2−CH(OR1)CH2−,Y=O,R1=アクリル又はメタクリルラジカル,R3=H,R4=H,R5=Hで、下記の構造
【化7】

を有することを特徴とする請求項18に記載の眼科用組成物。
【請求項22】
n=1,m=0,X=O,R2=−CH2−CH(OH)CH2−,Y=O,R1=アクリル又はメタクリルラジカル,R3=H,R4=H,R5=Hで、下記の構造
【化8】

を有することを特徴とする請求項18に記載の眼科用組成物。
【請求項23】
n=1,m=0,X=O,R2=C36,Y=O,R1=アクリル又はメタクリルラジカル,R3=H,R4=H,R5=C37で、下記の構造
【化9】

を有することを特徴とする請求項18に記載の眼科用組成物。
【請求項24】
n=2,m=1,X=O,R2=C36,Y=O,R1=アクリル又はメタクリルラジカル,R3=H,R4=H,R5=Hで、下記の構造
【化10】

を有することを特徴とする請求項18に記載の眼科用組成物。
【請求項25】
前記紫光線吸収剤が下記構造
【化11】

(式中
・R1がアクリル又はメタクリルラジカルであり,
・R2がC,H,Si,O,N,P,S,F,Cl,Brから選択された30原子までを有する有機の分岐又は非分岐アルキル又はアリールスペーサー基(又は両者の組み合わせ)であり,
・R3がC,H,Si,O,N,P,S,F,Cl,Brから選択された30原子までを有する有機の分岐又は非分岐アルキル又はアリール置換基(又は両者の組み合わせ)であり,
・R4がH若しくはC,H,Si,O,N,P,S,F,Cl,Brから選択された30原子までを有する有機の分岐又は非分岐アルキル又はアリール置換基(又は両者の組み合わせ)、又は更にニトロ基,アルコキシ基又はニトリル基であり,
・XがO,S,NH,NR(RがC,H,Si,O,N,P,S,F,Cl,Brから選択された30原子までを有する有機の分岐又は非分岐アルキル又はアリール置換基(又は両者の組み合わせ)である)である。)の色素の立体異性体又はラセミ混合物であることを特徴とする請求項17〜24のいずれか一項に記載の眼科用組成物。
【請求項26】
前記紫光線吸収剤が下記構造
【化12】

(式中
・R1がアクリル又はメタクリルラジカルであり,
・R2がC,H,Si,O,N,P,S,F,Cl,Brから選択された30原子までを有する有機の分岐又は非分岐アルキル又はアリールスペーサー基(又は両者の組み合わせ)であり,
・R3がC,H,Si,O,N,P,S,F,Cl,Brから選択された30原子までを有する有機の分岐又は非分岐アルキル又はアリールスペーサー基(又は両者の組み合わせ)であり,
・R4がC,H,Si,O,N,P,S,F,Cl,Brから選択された30原子までを有する有機の分岐又は非分岐アルキル又はアリール置換基(又は両者の組み合わせ)であり,
・R5がH若しくはC,H,Si,O,N,P,S,F,Cl,Brから選択された30原子までを有する有機の分岐又は非分岐アルキル又はアリール置換基(又は両者の組み合わせ)、又は更にニトロ基,アルコキシ基又はニトリル基であり,
・X,YがO,S,NH,NR(RがC,H,Si,O,N,P,S,F,Cl,Brから選択された30原子までの有機の分岐又は非分岐アルキル又はアリール置換基(又は両者の組み合わせ)である)である。)の色素の立体異性体又はラセミ混合物であることを特徴とする請求項17〜24のいずれか一項に記載の眼科用組成物。
【請求項27】
2及びR3=C24,X=O,R1=アクリル又はメタクリルラジカル,R4=Hで、下記の構造
【化13】

を有することを特徴とする請求項25に記載の眼科用組成物。
【請求項28】
2及びR3=−CH2−CH(CH3)−,X=O,R1=アクリル又はメタクリルラジカル,R4=Hで、下記の構造
【化14】

を有することを特徴とする請求項25に記載の眼科用組成物。
【請求項29】
2及びR3=C24,X=NR,R1=アクリル又はメタクリルラジカル,R4=Hで、下記の構造
【化15】

を有することを特徴とする請求項25に記載の眼科用組成物。
【請求項30】
3及びR4=C24,X=O,R2=−CH2−CH(OH)CH2−,Y=O,R1=アクリル又はメタクリルラジカル,R5=Hで、下記の構造
【化16】

を有することを特徴とする請求項26に記載の眼科用組成物。
【請求項31】
2及びR3=C24,X=O,R1=アクリル又はメタクリルラジカル,R4=CH3で、下記の構造
【化17】

を有することを特徴とする請求項25に記載の眼科用組成物。
【請求項32】
前記紫外線吸収剤及び前記紫光線吸収剤を付与する生体適合性キャリア物質を特徴とする請求項17〜31のいずれか一項に記載の眼科用組成物。
【請求項33】
前記キャリア物質が,少なくとも一つのアクリレートからなることを特徴とする請求項17〜32のいずれか一項に記載の眼科用組成物。
【請求項34】
前記紫外線吸収剤及び前記紫光線吸収剤が,アクリレート材料において共有結合されることを特徴とする請求項17〜33のいずれか一項に記載の眼科用組成物。
【請求項35】
少なくとも一つのアクリレートが,1%〜30%の水含有量を有する親水性材料であることを特徴とする請求項33又は34に記載の眼科用組成物。
【請求項36】
少なくとも一つのアクリレートが,HEMA及び/又はMMAであることを特徴とする請求項33〜35のいずれか一項に記載の眼科用組成物。
【請求項37】
EOEMA(エトキシエチルメタクリレート) 85〜97質量%
MMA(メチルメタクリレート) 0〜15質量%
EEEA(エトキシエトキシエチルアクリレート) 0〜5質量%
EGDMA(エチレングリコールジメタクリレート) 0〜0.7質量%
紫外線吸収剤 0.1〜1.0質量%
紫光線吸収剤 0.03〜0.16質量%
をキャリア材料として含む請求項17〜36のいずれか一項に記載の眼科用組成物。
【請求項38】
HEMA(ヒドロキシエチルメタクリレート) 50〜85質量%
EOEMA(エトキシエチルメタクリレート) 30〜40質量%
THFMA(テトラヒドロフルフリルメタクリレート) 5〜20質量%
EGDMA(エチレングリコールジメタクリレート) 0〜0.7質量%
紫外線吸収剤 0.1〜1.0質量%
紫光線吸収剤 0.03〜0.16質量%
をキャリア材料として含む請求項17〜36のいずれか一項に記載の眼科用組成物。
【請求項39】
眼科用レンズ製造への請求項17〜38のいずれか一項に記載の眼科用組成物の使用。
【請求項40】
眼科用インプラント製造への請求項17〜38のいずれか一項に記載の眼科用組成物の使用。
【請求項41】
眼内レンズ製造への請求項17〜38のいずれか一項に記載の眼科用組成物の使用。
【請求項42】
インプラント材料が請求項17〜38のいずれか一項に記載の眼科用組成物であるアイインプラント。
【請求項43】
眼内レンズとして形成される請求項42に記載のアイインプラント。

【公表番号】特表2011−507987(P2011−507987A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−537395(P2010−537395)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【国際出願番号】PCT/EP2008/066904
【国際公開番号】WO2009/074520
【国際公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(501133085)*アクリテック ゲーエムベーハー (6)
【Fターム(参考)】