説明

内外装用有孔スクリーン構造体

【課題】有孔スクリーンを取り付けるための下地材の主要部が外から見えないようにして外観的に見栄えのする内外装用有孔スクリーン構造体を提供する。
【解決手段】一方側化粧板12,12を支持材6の一方の面側に配置し、他方側化粧板14を支持材6を挟んでその他方の面側に配置する。一方側化粧板12の第1の側面部12bに他方側化粧板14の第1の側面部14bを合接し、一方側化粧板12の第2の側面部12cに他方側化粧板14の第2の側面部14cを合接する。この合接した状態で一方側化粧板12と他方側化粧板14とを取付材8,10に固定し、支持材6と取付材8,10とを一方側化粧板12と他方側化粧板14との対面空間部内に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内用としては、壁面スクリーン、天井ルーバー、ディスプレイ用の間仕切り、棚等に用いられ、また、屋外用としては、ルーバー屋根、落下防止ネット、設備機器のための目隠しパネルなどに用いられる内外装用有孔スクリーン構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
金属板に多数の孔を成型した建材を用いて、風と光を通す壁面スクリーン、天井ルーバー、ディスプレイ用の間仕切り、棚等を構築することが従来知られている。また、屋内に太陽の光を採り入れることができる採光屋根の屋根材として、金属板に多数の孔を成型した建築用有孔スクリーンを用いたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−144318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多数の孔を成型した金属板からなる建材を用いて、壁面スクリーンや、天井ルーバー、ディスプレイ用の間仕切り、棚等を構築する場合、一般的には、支柱に固設した下地材に建材をボルトで取り付けている。しかるにこの工法を採用した場合、外側から構築物を見たとき、下地材が見えてしまい、外観的に見苦しいという問題点があった。
本発明は上記問題点を解決することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため本発明は、柱4に直角に固定された帯板状の支持材6と、該支持材6に該支持材6の長手方向に所定の間隔を存して固設された複数個の取付材8,10とで下地材を構成し、該下地材に有孔スクリーン2を取り付けるようにした内外装用有孔スクリーン構造体であって、前記有孔スクリーン2を、平板部12aが形成された一方側化粧板12と、これに対面配置される平板部14aが形成された他方側化粧板14とで構成し、前記一方側化粧板12の前記平板部12aの一側部に該平板部12aの裏面側に突出する第1の側面部12を形成し、前記一方側化粧板12の前記平板部12aの他側部に該平板部12aの裏面側に突出する第2の側面部12cを形成し、前記他方側化粧板14の平板部14aの一側部に該平板部14aの裏面側に突出する第1の側面部14bを形成し、前記他方側化粧板14の平板部14aの他側部に該平板部12aの裏面側に突出する第2の側面部14cを形成し、前記一方側化粧板12,12を前記支持材6の一方の面側に配置し、前記他方側化粧板14を前記支持材6を挟んでその他方の面側に配置し、前記一方側化粧板12の第1の側面部12bに前記他方側化粧板14の第1の側面部14bを合接し、前記一方側化粧板12の第2の側面部12cに前記他方側化粧板14の第2の側面部14cを合接し、該合接した状態で前記一方側化粧板12と前記他方側化粧板14とを前記取付材8,10に固定し、前記支持材6と取付材8,10とを前記一方側化粧板12と他方側化粧板14との対面空間部内に配置したものである。
また本発明は、前記一方側化粧板12と前記他方側化粧板14の側面部12c,14cの前記支持材6と対面する部分に、該支持材6との衝突を避けるための該支持材6と略同一幅の切欠部16を形成したものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、下地材の主要部を一方側と他方側の化粧板で挟み、サンドイッチ構造としたので、下地材の主要部を化粧板の中に隠すことができ、外観的に見栄えのする商品価値の高いスクリーン構造体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態を示す外観図である。
【図2】本発明の実施形態を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の実施形態を示す側面図である。
【図4】本発明の他の実施形態を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の他の実施形態を示す側面図である。
【図6】本発明の他の実施形態を示す外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に本発明の構成を添付した図面を参照して詳細に説明する。
図1は、採光屋根や、内外装用目隠しパネルなどに使用される有孔スクリーン構造体を示し、有孔スクリーン2が、H型鋼などの鋼材から成る柱4に、これに対して直角方向に延びる金属製帯板状の支持材6と、これに固設された取付材8,10を介して、支持されている。
【0009】
有孔スクリーン2は一対の化粧板12,14から構成され、該化粧板12,14は、互いに嵌合している。前記支持材6と取付材8,10は、互いに嵌合する化粧板12,14の形成する内部の空間部に外部から見えないように収納されている。一方側の化粧板は12は、図2に示すように、平板部12aと、該平板部12aの一側部に、該平板部12aに対して裏面側に直角に屈折して全長に亘って形成された第1の側面部12bと、前記平板部12aの他側部に、該平板部12aに対して裏面側に直角に屈折して全長に亘って形成された第2の側面部12cとから構成されている。
【0010】
他方側の化粧板14は、平板部14aと、該平板部14aの一側部に、該平板部14aに対して裏面側に直角に屈折して全長に亘って形成された第1の側面部14bと、前記平板部14aの他側部に該平板部14aに対して裏面側に直角に屈折して全長に亘って形成された第2の側面部14cとから構成されている。前記支持材6の両端部上面間には、断面L型の鋼材から成る細長状の取付材8,10が、前記化粧板12,14の横幅と略同一の間隔を存して、該支持材6の長手方向に対して直角に互いに平行に配置され、ねじ又は溶接により、前記支持材6に固定されている。
【0011】
一方側化粧板12の平板部12aの裏面は、支持材6の下面に当接配置され、第1の側面部12bが取付材8の立ち上がり部に対向している。一方側化粧板12の第2の側面部12cには、前記支持材6に対して挿入自在な切欠部16が形成され、該切欠部16が丁度、支持材6に嵌合し、該第2の側面部12cは、前記取付材10の立ち上がり部10aに対面している。
【0012】
他方側化粧板14は、一方側化粧板12と嵌合し、第1の側面部14bが、一方側化粧板12の第1の側面部12bの外側面と合接し、該合接した状態で、一方側と他方側の第1の側面部12b,14bは、ねじ18により、取付材8の立ち上がり部8aに固定されている。他方側化粧板14の第2の側面部14cにも、前記第2の側面部12cと同様に、前記支持材6が挿入自在な切欠部(図示省略)が形成され、該切欠部が支持材6に嵌合し、該第2の側面部14cは、その内側面が前記一方側化粧板12の第2の側面部12cの外側面と合接している。一方側と他方側の第2の側面部12c,14cは、互いに合接した状態で、ねじ20により、取付材10の立ち上がり部10aに固定されている。
【0013】
上記した構成において、有孔スクリーン2を支承する支持材6及び取付材8,10から成る下地材の主要部は、有孔スクリーン2の内部に収納され、外から見えない状態となる。
第4図は、複数の有孔スクリーン2を横方向に連結した実施形態を示している。互いに側部端面が当接した状態で、隣接する一方側化粧板12,12の接合部に、帯状の金属板からなる裏当て板22を配置し、その平板部22aを一方側化粧板2,2の平板部12a,12aの裏面に当接し、内側に屈折する垂直屈折部22bを、一方側化粧板12,12の合接部近傍の、第1の側面部12b,12bに当接し、ねじ24によって、一方側化粧板12,12と裏当て板22とを互いに固定する。
【0014】
互いに側部端面が横方向に当接した状態で、隣接する他方側化粧板14,14も同様に、その合接部の裏側に、帯状の金属板からなる裏当て板26が配置され、その平板部26aが、他方側化粧板14,14の平板部14a,14aの裏面に当接し、外側に屈折する垂直屈折部26c,26cが対応する他方側化粧板14,14の第1の側面部14b,14bと第2の側面部14c,14cに当接し、ねじ24によって、他方側化粧板14,14と、裏当て板26とが互いに固定されている。
【0015】
互いに接合された一方側化粧板12,12の切欠部16が、支持材6に嵌合し、該嵌合状態で、一方側化粧板12,12は、その平板部12a,12aが、裏当て板22を介して、支持材6の下面にねじにより固定され、第1と第2の側面部12b,12bと12c,12cとが、取付材8にねじにより固定される。互いに接合された他方側化粧板14,14は、一方側化粧板12,12に嵌合配置される。
【0016】
該嵌合状態において、他方側化粧板14,14の第1の側面部14b,14bの内壁面は、一方側化粧板12,12の第1の側面部12b,12bの外壁面に対接し、他方側化粧板14,14の第2の側面部14c,14cの内壁面は、一方側化粧板12,12の第2の側面部12c,12cの外壁面に対接する。一方側化粧板12,12と他方側化粧板14,14の互いに対接する第1と第2の側面部12b,14b,12c,14cは、ねじにより、対応する取付材8,10に固定される。図4において、他方側化粧板14,14の第2の側面部14c,14cの合接部には、支持材6と嵌合するための切欠部(図示省略)が形成されている。
【0017】
上記実施形態では、有孔スクリーン2を柱4に一段で取り付けているが、図5,6に示すように、上下に2段に取り付けても良く、特に一段に限定されるものではない。図5,6は有孔スクリーン2を複数段の構造とした他の実施形態を示している。図5の有孔スクリーン2は、図1に示す実施形態で用いている有孔スクリーン2を使用して複数段の構成としたものであり、図6に示す有孔スクリーン2は、、図4に示す実施形態で用いている有孔スクリーン2を使用して複数段の構成としたものである。
【0018】
また、一方側化粧板12と他方側化粧板14の嵌合構造は、特に図示する構造に限定されるものではなく、種々の構成とすることが可能であり、また、一方側化粧板12と他方側化粧板14の形状も特に図示する形状に限定されるものではなく、種々の形状とすることが可能である。
【符号の説明】
【0019】
2 有孔スクリーン
4 柱
6 支持材ビス
8 取付材
10 取付材
12 化粧板
14 化粧板
16 切欠部
18 ねじ
20 ねじ
22 裏当て板
24 ねじ
26 裏当て板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱4に直角に固定された帯板状の支持材6と、該支持材6に該支持材6の長手方向に所定の間隔を存して固設された複数個の取付材8,10とで下地材を構成し、該下地材に有孔スクリーン2を取り付けるようにした内外装用有孔スクリーン構造体であって、前記有孔スクリーン2を、平板部12aが形成された一方側化粧板12と、これに対面配置される平板部14aが形成された他方側化粧板14とで構成し、前記一方側化粧板12の前記平板部12aの一側部に該平板部12aの裏面側に突出する第1の側面部12を形成し、前記一方側化粧板12の前記平板部12aの他側部に該平板部12aの裏面側に突出する第2の側面部12cを形成し、前記他方側化粧板14の平板部14aの一側部に該平板部14aの裏面側に突出する第1の側面部14bを形成し、前記他方側化粧板14の平板部14aの他側部に該平板部12aの裏面側に突出する第2の側面部14cを形成し、前記一方側化粧板12,12を前記支持材6の一方の面側に配置し、前記他方側化粧板14を前記支持材6を挟んでその他方の面側に配置し、前記一方側化粧板12の第1の側面部12bに前記他方側化粧板14の第1の側面部14bを合接し、前記一方側化粧板12の第2の側面部12cに前記他方側化粧板14の第2の側面部14cを合接し、該合接した状態で前記一方側化粧板12と前記他方側化粧板14とを前記取付材8,10に固定し、前記支持材6と取付材8,10とを前記一方側化粧板12と他方側化粧板14との対面空間部内に配置したことを特徴とする内外装用有孔スクリーン構造体。
【請求項2】
前記一方側化粧板12と前記他方側化粧板14の側面部12c,14cの前記支持材6と対面する部分に、該支持材6との衝突を避けるための該支持材6と略同一幅の切欠部16を形成したことを特徴とする請求項1に記載の内外装用有孔スクリーン構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−203124(P2010−203124A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−49013(P2009−49013)
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【出願人】(507156174)
【Fターム(参考)】