説明

内燃機関のバルブタイミング制御装置

【課題】コストに高騰を抑制すると共に、組付作業性を向上しつつ軸方向の長さをコンパクト化し得るバルブタイミング制御装置を提供する。
【解決手段】電動モータは、ハウジング5と一体的な樹脂ホルダー22に設けられた第2ブラシ24aを、捩りばね27aにより径方向の内周側へ付勢されることにより電流切り換え用のコミュテータ20に弾接させている。前記ハウジングと樹脂ホルダー及び第2ブラシに設けられた第1〜第3ストッパ用挿入孔5b、22c、24cにストッパピン40を挿通させて、第2ブラシを予め径方向へ後退移動させた状態でハウジングなどを軸方向から組み付けることによってコミュテータとの干渉を回避すると共に、組付後にストッパピンを取り外してコミュテータに弾接させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の吸気弁または排気弁の開閉タイミングを、電動モータによる位相変更機構を用いて可変制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、内燃機関のバルブタイミング制御装置にあっては、電動モータを駆動することによって制御応答性や制御性を向上させるものが提供されている。
【0003】
しかし、かかる電動モータタイプのバルブタイミング制御装置にあっては、前記電動モータがクランクシャフトから回転力が伝達されるスプロケットと共に回転するものであることから、機関の駆動中は常に電動モータを回転させておかなければならず、機関の消費エネルギーが大きくなってしまうといった問題がある。
【0004】
そこで、以下の特許文献1に記載されたバルブタイミング制御装置のように、スリップリングとブラシを用いて前記電動モータに電流を供給し、バルブタイミングを変更するときだけ、前記電動モータに通電して回転駆動させるものも提供されている。これによって、機関の消費エネルギーを減少化させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−107718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1に記載したバルブタイミング制御装置にあっては、前記電動モータの構造としてブラシレスDCモータを用いおり、スピードコントローラ(ESC)に内蔵されたスイッチング回路によって前記モータ内のコイルに流す電気の向きを変えるようになっている。
【0007】
このように、ブラシレスDCモータを用いることによってメンテナンスフリーとなると共に、ノイズが低減できるなどの利点を有するものの、高価なスイッチング回路が必要になることから、コストの高騰が余儀なくされる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願の請求項1に記載の発明は、クランクシャフトから回転力が伝達される駆動回転体と、該駆動回転体に対して相対回転自在に設けられ、カムシャフトに固定された従動回転体と、前記駆動回転体と共に回転するように設けられ、コミュテータを介して通電されることにより回転駆動して前記駆動回転体に対して従動回転体を相対回転させる電動モータと、前記駆動回転体に設けられ、前記コミュテータに弾接される一方のブラシと、該一方のブラシに電流を供給するために設けられたスリップリング及び付勢されることによって前記スリップリングに弾接する他方のブラシと、前記駆動回転体の外周側を少なくとも軸方向所定位置まで覆うように配置形成され、外部機器と接続するためのコネクタ部が一体に形成された非導電性の材料からなるカバー部材と、を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、電動モータ内のコイルに流す電気の向きを変える高価なスイッチング回路が不要になるので、コストの高騰を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係るバルブタイミング制御装置の一実施形態の縦断面図である。
【図2】本実施形態における主要な構成部材の分解斜視図である。
【図3】本実施形態における主要な構成部材の分解斜視図である。
【図4】本実施形態に供されるタイミングスプロケットと従動板の斜視図である。
【図5】本実施形態に供されるカバー部材と第1オイルシールの斜視図である。
【図6】本実施形態に供される固定子の正面図である。
【図7】本実施形態に供される継手板の斜視図である。
【図8】本実施形態に供される偏心駆動板の一側面側を示す斜視図である。
【図9】継手板と偏心駆動板の要部断面図である。
【図10】同偏心駆動板の他側面側を示す斜視図である。
【図11】本実施形態の要部拡大断面図である。
【図12】本実施形態の各構成部品の組付時におけるストッパピンが挿通された状態を示す要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る内燃機関のバルブタイミング制御装置の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態では、内燃機関の吸気側の動弁装置に適用したものであるが、排気側の動弁装置に同様に適用することも可能である。
【0012】
このバルブタイミング制御装置(VTC)は、図1〜図4に示すように、内燃機関のクランクシャフトによって回転駆動する駆動回転体であるタイミングスプロケット1と、シリンダヘッド上に軸受44を介して回転自在に支持され、前記タイミングスプロケット1から伝達された回転力によって回転するカムシャフト2と、該タイミングスプロケット1の前方位置に配置されて、固定部であるチェーンカバー41にボルトによって取り付け固定されたカバー部材3と、前記タイミングスプロケット1とカムシャフト2の間に配置されて、機関運転状態に応じて両者1,2の相対回転位相を変更する位相変更機構4と、を備えている。
【0013】
前記タイミングスプロケット1は、全体が鉄系金属によって一体に形成され、内周面が段差径状の円筒部1aと、該円筒部1aの後端側の外周に一体に設けられて、巻回されたタイミングチェーン42を介してクランクシャフトからの回転力を受けるギア部1bと、から構成されている。また、このタイミングスプロケット1は、前記円筒部1aの内周側に形成された円形孔1cと、後述する従動回転体である従動板9の外周側に形成された小径筒部9aの外周面と、の間に設けられた大径なボールベアリング43によって回転自在に支持されている。
【0014】
前記円筒部1aの前端部には、前端側が前記位相変更機構4の後述する減速機8や電動モータ12の各構成部材を覆う状態で前方に突出した円筒状のハウジング5が圧入固定されていると共に、前記ハウジング5の後端側を閉塞する状態で配置された後述する継手板6が複数のビス7によって固定されている。また、前記円筒部1aの内周面の一部には、図4に示すように、円弧状の凹溝1dが周方向に沿って所定長さ範囲まで形成されている。
【0015】
前記ハウジング5は、鉄系金属によって一体に形成されてヨークとして機能し、前端側に円環プレート状の保持部5aを一体に有していると共に、該保持部5aを含めた外周側ほぼ全体が前記カバー部材3によって所定の隙間をもって覆われた形で配置されている。
【0016】
前記保持部5aは、内周部の円周方向のほぼ90°位置に、位相変更機構4の各構成部品の組付時に後述するストッパピン40が挿通される2つの第1ストッパ用挿通孔5b、5bが軸方向に貫通形成されている。
【0017】
前記カムシャフト2は、外周に図外の吸気弁を開作動させる一気筒当たり2つの駆動カムを有していると共に、前端部に前記従動板9が支持軸であるカムボルト10によって軸方向から結合されている。
【0018】
このカムボルト10は、大径な頭部10aが前記ハウジング5の軸方向の長さと同程度に軸方向へ長く延設されていると共に、軸部10bの外周に前記カムシャフト2の端部から内部軸方向に形成された雌ねじ部に螺着する雄ねじ部が形成されている。
【0019】
前記従動板9は、鉄系金属材によって円環状に形成され、後端側に一体に形成された段差円筒径状の小径筒部9aの外周面に前記ボールベアリング43の内輪43aが圧入固定されていると共に、一側面でボールベアリング43の軸方向の位置決めを行っている。また、前記従動板9の一側面とボールベアリング43の外輪43bの対向側面との間には、外輪43bの回転を許容する微小隙間が形成されている。
【0020】
前記小径筒部9aは、図4に示すように、中央に前記カムボルト10の軸部10bが挿通される挿通孔9bが貫通形成されていると共に、一端部側に前記頭部10aの軸部10b側端部が嵌合する円環状の嵌合溝9cが形成されている。また、他端側には、前記カムシャフト2の先端部が軸方向から嵌合する円形溝9dが形成されている。
【0021】
さらに、この円形溝9dの底壁部には、後述する潤滑油供給手段の一部を構成する小径な一つのオイル供給孔45が貫通形成されていると共に、円形溝9dの外周部には大径な3つのオイル排出孔46が円周方向の等間隔位置に貫通形成されている。
【0022】
前記従動板9は、図4に示すように、外周面の一部に前記スプロケット1の凹溝1dに円周方向へ摺動自在に嵌合するストッパ凸部47が一体に設けられている。このストッパ凸部47は、ほぼ台形状に形成されて、円周方向の両側面47a、47bが凹溝1dの円周方向の対向内側面1e、1fにそれぞれ当接した位置でスプロケット1に対するカムシャフト2の最大進角側あるいは最大遅角側の相対回転位置を規制するようになっている。
【0023】
前記カバー部材3は、図1及び図5に示すように、比較的に肉厚な合成樹脂材によって一体に形成され、カムシャフト2の軸方向に沿ってカップ状に膨出したカバー本体3aと、該カバー本体3aの後端部外周に一体に有するブラケット3bと、前記カバー部材3aの後端部外周に一体に有するコネクタ部49と、を備えている。
【0024】
前記カバー本体3aは、前記位相変更機構4の前端側を覆う、つまり前記ハウジング5の軸方向の保持部5bから後端部側のほぼ全体を所定隙間をもって覆うように配置されていると共に、前端部3cから後端部3dに渡って漸次拡径する傾斜テーパに形成されて、後端部3d側の内周面が最大径に形成されている。一方、前記ブラケット3bには、ほぼ円環状に形成されて6つのボス部にそれぞれボルト挿通孔3fが貫通形成されている。
【0025】
また、前記カバー部材3は、前記ブラケット3bが前記チェーンカバー41に複数のボルト47を介して固定されていると共に、前記カバー本体3aの前端部3cの内周面に内外2重のスリップリング48a,48bが各内端面を露出した状態で埋設固定されている。さらにカバー部材3の上端部には、前記コネクタ部49が一体に設けられ、このコネクタ部49の内部に、前記スリップリング48a、48bと導電部材を介して接続されたコネクタ端子49aが固定されている。このコネクタ端子49aには、コントロールユニット21を介して図外のバッテリー電源から通電あるいは通電が遮断されるようになっている。
【0026】
そして、前記カバー本体3aの後端部3d側の内周面と前記ハウジング5の外周面との間には、図5にも示すように、シール部材である大径なオイルシール50が介装されている。
【0027】
この大径オイルシール50は、横断面ほぼコ字形状に形成されて、合成ゴムの基材の内部に芯金が埋設されていると共に、外周側の円環状基部50aが前記カバー部材後端部3dの後端縁側の内周面に形成された円形溝内3eに嵌着固定されている。したがって、この大径オイルシール50は、前記スプロケット1のギア部1bの近傍に配置されている。また、この大径オイルシール50は、バックアップスプリングで内方へ付勢された内周部のシール面50bが前記ハウジング5の外周面に弾接している。
【0028】
前記位相変更機構4は、前記カムシャフト2のほぼ同軸上前端側に配置されたアクチュエータである電動モータ12と、該電動モータ12の回転速度を減速してカムシャフト2に伝達する前記減速機8と、から構成されている。
【0029】
前記電動モータ12は、図1に示すように、ブラシ付きのDCモータであって、前記スプロケット1と一体に回転するヨークである前記ハウジング5と、該ハウジング5の内部軸心方向に沿って配置されつつ回転自在に設けられた制御筒13と、ハウジング5の内周面に固定された半円弧状の一対の永久磁石14,15と、ハウジング保持部5aの内底面側に固定された固定子16と、を備えている。
【0030】
前記制御筒13は、アーマチュアである大径筒状の大径回転軸17と、該大径回転軸17の内周面に軸方向から圧入固定されて、前記減速機8に連結された出力軸である円筒状の小径なモータ軸(小径筒部)18と、から構成されている。
【0031】
前記大径回転軸17とモータ軸18とは、互いに軸方向から所定量だけ圧入されることによって軸方向へオフセット状態に配置されて、大径回転軸17の後端部からモータ軸18の後端部が突出した状態になっている。つまり、モータ軸18の前端部の所定長さ分だけ大径回転軸17の後端部内に圧入されて、両者16,18間が段差径状に形成されている。
【0032】
また、前記大径回転軸17は、モータ軸18とオーバラップする後端部の外周位置に、複数の極を持つ鉄心ロータ17aが固定されていると共に、該鉄心ロータ17aの外周には電磁コイル19が巻回されている。また、大径回転軸17の前端部外周には、コミュテータ20が圧入固定されており、このコミュテータ20には、前記鉄心ロータ17aの極数と同数に分割された各セグメントに前記電磁コイル19が接続されている。
【0033】
前記固定子16は、図3及び図6に示すように、前記保持部5aの内底壁に4本のビス22aによって固定された円環板状の樹脂ホルダー22と、該樹脂ホルダー22と保持部5aの両方に渡って軸方向に貫通配置されて、各先端面が前記一対のスリップリング48a、48bに摺接して給電される周方向内外2つの他方のブラシである第1ブラシ23a,23bと、樹脂ホルダー22の内周側に径方向へ進退自在に保持されて、円弧状の先端部が前記コミュテータ20の外周面に摺接する一方のブラシである第2ブラシ24a、24bと、から主として構成されている。
【0034】
前記樹脂ホルダー22は、ほぼ有底円筒状に形成されて、底部外周側の円周方向ほぼ90°位置の2箇所に角筒状突起22bが一体に形成されており、この各突起22bが前記保持部5aに穿設された角穴に嵌入配置されている。また、この樹脂ホルダー22の内周部には、前記ハウジング保持部5aに形成された第1ストッパ用挿通孔5b、5bと対応した位置に第3ストッパ用挿通孔22c、22cが軸方向に沿って貫通形成されている。この第3ストッパ用挿通孔22c、22cは、その内径が前記ストッパピン40の第1ストッパ用挿通孔5b、5b方向からの良好な挿通性を確保するために、前記第1ストッパ用挿通孔5b、5bの内径よりも僅かに大きく形成されている。
【0035】
前記第1ブラシ23a、23bは、図1にも示すように、細長いほぼ立方体状に形成され、前記樹脂ホルダー22の各突部22b内に軸方向へ摺動自在に保持されていると共に、前記樹脂ホルダー22に保持された捩りばね26a、26aのばね力によって各先端部が前記各突部22bの開口端から前記スリップリング48a、48bの対向面に軸方向から弾接するように付勢されている。
【0036】
前記第2ブラシ24a、24bは、図1及び図6に示すように、矩形薄板状に形成されて、樹脂ホルダー22に径方向に沿って一体に設けられ横断面矩形状の支持部22c、22c内に径方向へ摺動自在に配置されていると共に、前記樹脂ホルダー22に保持された捩りばね27a、27aのばね力によって各先端部が前記各支持部22cの先端開口から前記各コミュテータ20の外周面に径方向から弾接するように付勢されている。なお、前記第1ブラシ23a、23bは、第2ブラシ24a、24bよりもその体積が大きくかつ重量も大きく形成されている。
【0037】
また、前記第2ブラシ24a、24bは、図1及び図11、図12に示すように、長手方向のほぼ中央位置、つまり前記ハウジング保持部5aの第1ストッパ用挿通孔5b、5b(第3ストッパ用挿通孔22c、22c)と対応する位置に、前記ストッパピン40が一時的に挿通される第2ストッパ用挿通孔24c、24cがそれぞれ貫通形成されている。
【0038】
前記第1ブラシ23a、23bと第2ブラシ24a、24bは、ピックテールハーネス25a、25bによって接続されている。
【0039】
前記ストッパピン40は、図12に示すように、各構成部品の組付時に、前記第2ブラシ24a、24bを、前記各ストッパ用挿通孔5b、24c、22cを介して予め前記樹脂ホルダー22とハウジングジング5に一体的に保持させるもので、大径な頭部40aと、該頭部40aに一体に結合されて、前記各ストッパ用挿通孔5b、24c、22cに挿通する小径なピン軸40bとから構成されている。
【0040】
前記モータ軸18は、図1に示すように、前記カムボルト頭部10a外周面に軸受部材である前後2つのニードルベアリング28、29を介して大径回転軸17と共に回転自在に支持されている。また、前記モータ軸18の後端部には、減速機8の一部を構成する円筒状の偏心カム30が一体に設けられている。前記各ニードルベアリング28,29は、円筒状のリテーナの内部に複数の転動体であるニードルローラが回転自在に支持されている。
【0041】
また、前記大径回転軸17の内周面とカムボルト頭部10a外周面との間には、前記ニードルベアリング28、29側から固定子16側への潤滑油のリークを阻止する第1シール部材である第1オイルシール31が設けられている。さらに、前記継手板6の内周面とモータ軸18の外周面との間には、減速機8内部から電動モータ12内への潤滑油のリークを阻止する第2シール部材である第2オイルシール32が設けられている。
【0042】
前記コントロールユニット21は、図外のクランク角センサやエアーフローメータ、水温センサ、アクセル開度センサなど各種のセンサ類から情報信号に基づいて現在の機関運転状態を検出して、機関制御を行うと共に、前記大径回転軸17(鉄心ロータ17a)の電磁コイル19に通電してモータ軸18の回転制御を行い、減速機8を介してカムシャフト2のタイミングスプロケット1に対する相対回転位相を制御するようになっている。
【0043】
前記減速機8は、図1〜図3に示すように、前述した継手板6及び従動板9と、前記継手板6と従動板9との間に介装されて、偏心運動を行う偏心板である偏心駆動板33と、前記モータ軸18の後端部に一体に設けられて、前記偏心駆動板33を偏心運動させる偏心カム30と、前記継手板6と偏心駆動板33との間に介在された転動体である金属製の複数の偏心ボール34と、前記偏心駆動板33と従動板9との間に介在された転動体である金属製の複数の駆動ボール35と、から主として構成されている。なお、前記各駆動ボール35は、その外径が前記各偏心ボール34よりも小さく設定されており、その数によって減速比を変化させるようになっている。
【0044】
前記継手板6は、金属材によってほぼ円環状に形成されて、内周部のほぼ中央位置に前記第2オイルシール32を介して前記モータ軸18が挿通される軸挿通孔6aが貫通形成されていると共に、外周部の円周方向等間隔位置に貫通形成された8つのボルト挿通孔6bに前記各ボルト7が挿通すると共に、該各ボルト7先端が前記円筒部1aの軸方向に形成された雌ねじ孔1dに螺着して円筒部1aの先端部に軸方向から締結固定されている。
【0045】
また、この継手板6は、図3、図7及び図9にも示すように、前記偏心駆動板33側の一側面に前記各偏心ボール34の一部を収容保持する複数の偏心溝36が円周方向の等間隔位置に形成されている。この各偏心溝36は、その内径が比較的大きく形成されて、前記各偏心ボール34の回転と前記偏心カム30の偏心分の移動を許容する溝形状、つまり前記偏心駆動板33の偏心動を許容する溝形状に形成されている。
【0046】
一方、前記偏心駆動板33は、図1、図2及び図8に示すように、金属材によって所定肉厚の円板状に形成され、ほぼ中央位置に形成された駆動用孔33aに前記偏心カム30がボールベアリング38を介して回転自在に挿通配置されていると共に、外径が前記継手板6や従動板9よりも小さく設定されて、前記スプロケット1の円筒部1a内で偏心運動自在に収容配置されている。
【0047】
前記偏心駆動板33は、図2、図8及び図9に示すように、前記継手板6側の一側面に前記継手板6の各偏心溝36に対応して前記各偏心ボール34の一部(ボール径の約半分)を収容する複数の収容溝39が形成されている。この各収容溝39は、各偏心ボール34を前記各偏心溝36と共同して挟持状態に回転自在に保持していると共に、各偏心ボール34の回転のみを許容する半球面状に形成されている。
【0048】
前記各収容溝39と各偏心溝36を、それぞれ円周方向の等間隔位置に形成したのは、これらに収容される各偏心ボール34を介して作動時における前記継手板6と偏心駆動板33との間の傾きを抑制して継手板6に対する偏心駆動板33の偏心運動を円滑に行わせるためである。
【0049】
前記従動板9は、図1、図2及び図11、図12に示すように、偏心駆動板33側の内側面に前記駆動ボール35の一部(ボール径の約半分)が保持される第1ガイドである半球面状の溝51が円周方向にN個形成されている。
【0050】
一方、前記偏心駆動板33側の他側面には、図3及び図10に示すように、前記半球面状溝51に対応して前記各駆動ボール35の一部(ボール径の約半分)を収容する波形状の第2ガイドであるトロコイド溝52(トロコイド曲線)が形成されている。
【0051】
前記トロコイド溝52は、図3及び図10に示すように、偏心駆動板33の円周方向に沿った同一ピッチ円上に連続して形成されていると共に、開口側に向かって開口面積が大きくなる曲面によって形成されている。
【0052】
また、前記潤滑油供給手段は、減速機8の内部に潤滑油を給排するもので、図1に示すように、前記シリンダヘッドの軸受44の内部に形成されて、図外のメインオイルギャラリーから潤滑油が供給される油供給通路53と、前記カムシャフト2の内部軸方向に形成されて、前記油供給通路53にグルーブ溝を介して連通した油供給孔54と、前記従動板9の内部軸方向に貫通形成されて、一端が該油供給孔54に開口し、他端が前記ニードルベアリング28付近に開口した前記小径なオイル供給孔45と、同じく従動板9に貫通形成された前記大径な3つのオイル排出孔46と、から構成されている。
【0053】
以下、本実施形態の作動について説明すると、まず、機関のクランクシャフトが回転駆動するとタイミングチェーンを介してタイミングスプロケット1が回転して、その回転力がハウジング5と継手板6を介して電動モータ12が同期回転する。一方、前記継手板6の回転力が、偏心ボール34から偏心駆動板33、駆動ボール35、従動板9を経由してカムシャフト2に伝達される。これによって、カムシャフト2のカムが吸気弁を開閉作動させる。
【0054】
そして、機関始動後の所定の機関運転時には、前記コントロールユニット21からスリップリング48a、48bなどを介して電動モータ13の大径回転軸17のコイルに通電される。これによって、大径回転軸17が回転してモータ軸18が回転駆動され、この回転力が減速機8を介してカムシャフト2に減速された回転力が伝達される。
【0055】
すなわち、前記モータ軸18の回転に伴い偏心カム30が回転すると、偏心駆動板33が継手板6に対して各偏心溝36と各偏心ボール34及び各収容溝39を介して偏心移動する。このように、偏心駆動板33が偏心移動すると、前記各半球面状溝51と各トロコイド溝52の交点のみに存在する各駆動ボール35の移動によって従動板9に回転力が伝達される。このときの減速比は、偏心カム30の回転に対して1:N−1となる。
【0056】
これにより、カムシャフト2がタイミングスプロケット1に対して正逆相対回転して相対回転位相が変換されて、吸気弁の開閉タイミングを進角側あるいは遅角側に変換制御するのである。
【0057】
そして、前記タイミングスプロケット1に対するカムシャフト2の正逆相対回転の最大位置規制(角度位置規制)は、前記ストッパ凸部47の各側面47a、47bが前記凹溝1dの各対向面1e、1fのいずれか一方に当接で行われる。
【0058】
すなわち、前記従動板9が、前記偏心駆動板33の偏心移動に伴ってタイミングスプロケット1の回転方向と同方向に回転することによって、ストッパ凸部47の一側面47aが一方側の対向面1eに当接してそれ以上の同方向の回転が規制される。これにより、カムシャフト2は、タイミングスプロケット1に対する相対回転位相が進角側へ最大に変更される。
【0059】
一方、従動板9が、タイミングスプロケット1の回転方向と逆方向に回転することによって、ストッパ凸部47の他側面47bが他方側の対向面1fに当接してそれ以上の同方向の回転が規制される。これにより、カムシャフト2は、タイミングスプロケット1に対する相対回転位相が遅角側へ最大に変更される。
【0060】
この結果、吸気弁の開閉タイミングが進角側あるいは遅角側へ最大に変換されて、機関の燃費や出力の向上が図れる。
【0061】
このように、本実施形態では、ストッパ突部47と凹溝1dとの規制手段によってカムシャフト2の相対回転位置を確実に規制することができることは勿論のこと、装置の大型化を抑制することができると共に、製造コストの低減化が図れる。
【0062】
また、本実施形態では、前記電子コントローラ21からコネクタ端子49aに供給された電流を電動モータ12に供給するには、2つのスリップリング48a、48bと各第1ブラシ23a、23bからピッグテール25a、25bを介して各第2ブラシ24a、24bに伝達され、さらにコミュテータ20によって電流を切り換えて電磁コイル19に伝達されるようになっている。
【0063】
したがって、前記従来技術のように、電流の切り換えを高価なスイッチング回路を用いないことから、コストの高騰を抑制できる。
【0064】
しかも、前記各第2ブラシ24a、24bを、ハウジング5の軸方向ではなく、捩りばね27a、27aを介して径方向内側に付勢して前記コミュテータ20に弾接させるようになっているため、装置の軸方向の長さを十分に小さくすることが可能になる。
【0065】
ここで、前述のように、前記各第2ブラシ24a、24bが、径方向に付勢されている場合は、ハウジング5と樹脂ホルダー22と共に前記第2ブラシ24a、24bを軸方向から組み付けると、前記第2ブラシ24a、24bの先端が前記コミュテータ20に横方向から突き当たってしまい、これら構成部材の組付作業が困難になる。
【0066】
しかし、本実施形態では、図12に示すように、まず、各第2ブラシ24a、24bを予め径方向へ後退移動させて、各ストッパ用挿通孔5b、22c、24cを合致させつつ前記ストッパピン40を前記各ストッパ用挿通孔5b、22c、24cに挿通させる。これによって、前記各第2ブラシ24a、24bを前記所定の後退位置に保持しながらこれらハウジング5などを軸方向から組み付ければ、各第2ブラシ24a、24bがコミュテータ20に突き当たらずにそのまま定位置に移動させることができる。
【0067】
その後、図11に示すように、前記ストッパピン40を各挿通孔5b、22c、24cから抜き取れば、前記各第2ブラシ24a、24bが捩りばね27a、27aのばね力によって径方向に付勢されながらコミュテータ20の外周面に弾接させることができる。
【0068】
続いて、前記カバー部材3を、前記ブラケット3bを介して前記チェーンカバー41に複数のボルト47を介して取り付け固定する。このとき、各スリップリング48a、48bを第1ブラシ23a、23bに捩りばね26a、26aのばね力を介して弾接させれば、組付作業が完了する。
【0069】
したがって、この実施形態によれば、装置の軸方向のコンパクト化を図りつつ各構成部材の組付作業能率の低下を抑制できる。
【0070】
なお、前記カバー部材3が、ハウジング5の全体を覆う形で配置されていることから、第1ブラシ23a、23bが径方向へ付勢されていると組付作業性が悪くなるが、この実施形態では、第1ブラシ23a、23bが軸方向に付勢されていることから、組付作業性の悪化を抑制できる。また、第1ブラシ23a、23bが軸方向に付勢されていても、カバー部材3に対してハウジング5を軸方向から十分に近接配置できるので、軸方向の長さが大きくなることはない。
【0071】
また、この実施形態では、常時スリップリング48a、48bと摺動している第1ブラシ23a、23bは、その体積と重量が第2ブラシ24a、24bより大きく設定されていることによって、スリップリング48a、48bとの摩耗による影響や熱による影響を小さくすることが可能になる。
【0072】
この実施形態では、前記減速機8内には、オイル供給孔45から潤滑油が強制的に供給されることから、減速機8の各部の潤滑性が向上すると共に、各溝36,39、51,52内に潤滑油が供給されて、各ボール34,35との間の潤滑性も向上して減速機8による常時滑らかな位相変換が行われることは勿論のこと、この潤滑油が緩衝機能を発揮するため、前記打音の発生をより効果的に抑制することが可能になる。
【0073】
また、前記オイル供給孔45から減速機8内に流入した潤滑油は、前記ニードルベアリング28、29に直接的に供給されることから、かかる各ニードルベアリング28,29の潤滑性能が向上する。特に、機関の駆動中はオイルポンプから圧送された潤滑油が前記潤滑油供給手段を介して常時供給されて浸漬された状態になる。
【0074】
この結果、転動体である各ニードルローラの油膜切れの発生が抑制できる。これにより、電動モータ12の初期駆動負荷を十分に低減でき、バルブタイミングの制御応答性の向上と消費エネルギーの減少化が図れる。
【0075】
また、本実施形態では、前記ニードルベアリング28,29を用いていることから、例えば進角側への位相変更時、あるいは進角側から遅角側への位相変更時に前記電磁コイル19へ通電すると、制御筒13の回転作動が即座に立ち上がり、作動応答性が良好になる。これによって、消費エネルギーの損失を抑制できる。
【0076】
これは、ニードルベアリング28,29を用いることによって油膜切れの発生が抑制されているからであり、特に、本実施形態では、各ニードルベアリング28,29が潤滑油に浸漬された状態になっていることから、前記作動応答性と消費エネルギーの減少化が一層顕著になる。
【0077】
さらに、本実施形態では、前述のように、ニードルベアリング28,29を用いたいことから、軸受部材の外径を十分に小さくすることができると共に、製造が容易になってコストの低減化が図れる。
【0078】
また、減速機8内部に供給された潤滑油は、前記第1オイルシール31と第2オイルシール32によって電動モータ12内への流入が阻止されると共に、減速機8内から各オイル排出孔46から流出した潤滑油も大径オイルシール50によってハウジング5外周側の各ブラシ23a、23bや各スリップリング48a、48bへの流入を十分に阻止することが可能になる。
【0079】
したがって、各ブラシ23a、23b等への潤滑油の付着を抑制することができる。この結果、前記電動モータ12への通電性能の低下が抑制されて、電動モータ12の常時良好な特性が得られる。
【0080】
また、前記減速機8内部から前記各オイル排出孔46を介して外部に排出された潤滑油は、遠心力によって前記ボールベアリング43に付着すると共に、タイミングスプロケット1の各ギア部1bに付着して、これらの部位を効率良く潤滑する。その後、前記各ギア部1bの回転遠心力によって外方へ飛散し、この飛散した潤滑油がハウジング5の後端側外周面に付着して前記大径オイルシール50のシール面50bに接触する。このため、ハウジング5の回転に伴うシール面50bの摩耗の発生などが抑制されて、大径オイルシール50の耐久性を向上させることができる。
【0081】
特に、前記大径オイルシール50は、カバー本体3aの後端部3dに取り付けられて前記各ギア部1bに十分に近接した位置に配置されていることから、各ギア部1bから飛散した潤滑油をシール面50b側に付着し易くなる。
【0082】
また、前記制御筒13を、内外二重筒の大径回転軸17とモータ軸18によって構成して単純な構造としたため、製造作業が容易であると共に、その圧入長さを調整することで全体の長さを自由に設定できるので、長さ精度や組み付け精度が向上する。また、両者17,18を圧入によって結合したことから、拡径などの加工作業が不要になり、この点でも製造作業が容易になる。
【0083】
さらに、前記第1オイルシール31を、大径な大径回転軸17の内周面とカムボルト10の外周面との間の比較的大きなスペースに設け、また、第2オイルシール32をモータ軸18外周面、つまり大径回転軸17との間の段差面と継手板6の内周面との間に設けたことから、ニードルベアリング28,29を用いることによって径方向の大きさが小さくなっている場合でもそれぞれの取り付けスペースを効率良く確保することが可能になると共に、取り付け作業が容易になる。
【0084】
また、本実施形態では、前記大径回転軸17とモータ軸18を軸方向から圧入して一体化し、さらに前記モータ軸18の先端部に偏心カム30を一体に設けたことから、構造が極めて簡素化されると共に、部品点数を削減できる。これによって、組立作業が容易になると共に、製造コストの大幅な低減化が図れる。
【0085】
さらに、前記支持軸をカムボルト10によって構成したため、別途支持軸を設ける必要がなくなり、部品点数の削減が図れると共に、カムシャフト2に軸方向から直接結合されているので、カムシャフト2に対して径方向の倒れが抑制されて高い同軸性が得られる。
【0086】
また、ハウジング5によって減速機8と電動モータ12との一体化が図れると共に、円筒部1aを介してタイミングスプロケット1との一体化も図れることから、これら各構成部品全体のユニット化が図れる。したがって、装置の軸方向及び径方向の小型化が図れると共に、製品管理が容易になる。
【0087】
さらに、前記カバー部材3を合成樹脂材によって形成したことから、機関の全体の軽量化が図れると共に、前記各スリップリング48a、48bやコネクタ端子49aなどを一体的に設けることができるので、これらの製造作業が容易になる。
【0088】
本発明は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば前記大径オイルシール50の基部50aをハウジング5側に固定してシール面5bをカバー本体3の内周面に当接させることも可能である。
【0089】
また、前記カバー本体3aは、漸次拡径状に形成せずに、前端部3c側から後端部3d付近までほぼ均一径に形成すると共に、後端部3d側を段差大径状に形成することも可能である。
【0090】
前記実施形態から把握される前記請求項に記載した発明以外の技術的思想について以下に説明する。
〔請求項a〕
請求項2に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
前記カバー部材の内周と前記駆動回転体の外周との間に、シール部材を設けたことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
〔請求項b〕
請求項2に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置の組付方法であって、
前記第1、第2ストッパ用挿通孔を合致させた状態でストッパピンを前記両ストッパ用挿通孔に貫通状態に挿通する工程と、
前記一方のブラシが前記ストッパピンにより所定の後退位置に保持された状態で、該一方のブラシを前記コミュテータに対して位置決めしつつ組み付ける組付工程と、
前記一方のブラシが組み付けされた状態で、前記ストッパピンを各ストッパ用挿通孔から抜く工程と、
前記カバー部材を取り付け固定して前記スリップリングに他方のブラシを当接させる工程と、
からなることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置の組付方法。
〔請求項c〕
クランクシャフトから回転力が伝達される駆動回転体と、
該駆動回転体に対して相対回転自在に設けられ、カムシャフトに固定された従動回転体と、
前記駆動回転体と共に回転するように設けられ、コミュテータを介して通電されることにより回転駆動して前記駆動回転体に対して従動回転体を相対回転させる電動モータと、
前記駆動回転体に設けられ、径方向の内周側へ付勢されることによって前記コミュテータに弾接される一方のブラシと、
前記駆動回転体の外周側を少なくとも軸方向所定位置まで覆うように配置固定され、軸方向の位置に有する部位に給電回路から電圧が供給されるスリップリングが設けられたカバー部材と、
軸方向へ付勢されることによって前記スリップリングに弾接され、前記一方のブラシに電流を供給する他方のブラシと、
を備えた内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
前記カバー部材は、非導電性の材料によって形成されていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
【0091】
この発明によれば、カバー部材が非導電性の材料によって形成されているため、前記スリップリングを、絶縁材を介してカバー部材に設ける必要がなく、直接設けることができるので、スリップリングの組付性が良好になると共に、部品点数の増加が抑制できる。
〔請求項d〕
請求項cに記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
前記カバー部材は、合成樹脂材によって形成されていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
【0092】
前記カバー部材を合成樹脂材によって構成することによって軽量化が図れる。
〔請求項e〕
請求項cに記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
前記スリップリングは、前記カバー部材と一体に形成されていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
【0093】
スリップリングをカバー部材と一体に形成することによって製造が簡単になる。
〔請求項f〕
請求項cに記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
前記カバー部材は、外部機器と接続するためのコネクタ部が一体に形成されていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
【0094】
この発明もコネクタ部をカバー部材と一体に形成することによって、製造が簡単になる。
【符号の説明】
【0095】
1…タイミングスプロケット(駆動回転体)
2…カムシャフト
3…カバー部材
3a…カバー本体
4…位相変更機構
5…ハウジング
5c…第1ストッパ用挿通孔
6…継手板
8…減速機
9…従動板(従動回転体)
10…カムボルト
12…電動モータ
13…制御筒
17…大径回転軸
17a…鉄心ロータ
18…モータ軸
20…コミュテータ
22…樹脂カバー
22c…第3ストッパ用挿通孔
23a、23b…他方のブラシ(他方のブラシ)
24a、24b…一方のブラシ(一方のブラシ)
24c…第2ストッパ用挿通孔
28・29…ニードルベアリング
31…第1オイルシール
32…第2オイルシール
33…偏心駆動板
34…偏心ボール
35…駆動ボール
36…偏心溝
39…収容溝
40…ストッパピン()
43…ボールベアリング
45…オイル供給孔
46…オイル排出孔
48a、48b…スリップリング
50…大径オイルシール
50a…基部
50b…シール面
51…半球面状溝
52…トロコイド溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランクシャフトから回転力が伝達される駆動回転体と、
該駆動回転体に対して相対回転自在に設けられ、カムシャフトに固定された従動回転体と、
前記駆動回転体と共に回転するように設けられ、コミュテータを介して通電されることにより回転駆動して前記駆動回転体に対して従動回転体を相対回転させる電動モータと、
前記駆動回転体に設けられ、前記コミュテータに弾接される一方のブラシと、
該一方のブラシに電流を供給するために設けられたスリップリング及び付勢されることによって前記スリップリングに弾接する他方のブラシと、
前記駆動回転体の外周側を少なくとも軸方向所定位置まで覆うように配置形成され、外部機器と接続するためのコネクタ部が一体に形成された非導電性の材料からなるカバー部材と、
を備えたことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−100832(P2013−100832A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−44863(P2013−44863)
【出願日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【分割の表示】特願2009−185370(P2009−185370)の分割
【原出願日】平成21年8月10日(2009.8.10)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】