説明

内燃機関の吸気システム、該吸気システムを備える空調システムおよび燃焼機関

本発明は、吸気システム(10)に関し、吸気システムを備える空調システム(100、101)および内燃機関(200)に関する。吸気システムは、吸気ポート(20)と、空気出力ポート(30)と、内燃機関の燃焼チャンバ(202)内に流入する空気質量流れを制御するタービン(40)とを備える。タービンは、少なくとも1つのブレード(44)を備えるプロペラハブ(42)を備える。プロペラハブは、タービンのブレードを作動するために、吸気ポートと空気出力ポートとの間に配設される。タービンは、燃焼チャンバ内に流入する空気質量流れを決定するための空気流抵抗を有する。本発明の吸気システムの効果は、タービンを使用することで、タービンを通る圧力降下の少なくとも一部を使用して、回転エネルギーを生成するのにタービンのブレードを駆動させることができることである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の吸気システムに関する。
【0002】
本発明はさらに、吸気システムを備える空調システム、吸気システムを備える内燃機関、および吸気システムを備える車両に関する。
【背景技術】
【0003】
知られている内燃機関は、エンジンのシリンダ内への許容空気質量流れを調整することによってエンジン出力を調整する。特に、燃料対空気の質量比がほぼ一定である火花点火エンジンでは、エンジン出力の調整は、シリンダ内への空気質量流れを調整することによってなされる。実際には、燃料対空気の質量比は、設置された三元触媒が適切に機能する必須条件である14.7:1にほぼ固定されるべきである。ストロークごとにシリンダに流入する空気の体積は、シリンダの容積に応じて一定であるので、空気質量流れは一般に内燃機関のシリンダ近くの吸気圧力を変化させることで変化される。知られている火花点火エンジンでは、吸気圧力は、シリンダの吸気口と外気との間のバルブを使用して変化される。バルブを介する圧力差により、空気はバルブを通過した後に膨張する。この空気の膨張過程は、本質的に、空気温度がバルブを通ってほぼ一定のままであることを意味する等エンタルピー過程である。バルブを通過するときの空気の摩擦加熱は、空気の膨張により予想される温度の降下を補償する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第96/04487号パンフレット
【特許文献2】米国特許第5,818,117号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
内燃機関のシリンダに流入する空気質量流れを決定する知られているバルブを使用する際の欠点は、エネルギーのかなりの損失を招くことである。
【0006】
効率性が改善された内燃機関のための吸気システムを提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、目的は、内燃機関の燃焼チャンバに流入する空気質量流れを制御する吸気システムによって達成される。吸気システムは、吸気ポートと、空気出力ポートと、少なくとも1つのブレードを備えるプロペラハブを有するタービンとを備え、プロペラハブはタービンブレードを作動するために空気吸気ポートと空気出力ポートとの間に配置され、タービンは燃焼チャンバに流入する空気質量流れを決定するための空気流抵抗を有し、吸気システムは熱エネルギーをタービンからの空気質量流れと交換するためにタービンと空気出力ポートとの間に熱交換器を備える。
【0008】
本発明の吸気システムの効果は、タービンを使用することで内燃機関の燃焼チャンバに流入する空気質量流れを制御でき、それと同時に、タービンを介した少なくとも一部の圧力差を使用して、タービンブレードの回転エネルギーを生成するのにタービンブレードを駆動することができることである。この回転エネルギーは、さまざまな目的に使用される場合がある。例えば、吸気システムが車両の内燃機関と共に使用される場合、タービンブレードの回転エネルギーは、例えば、1つ以上のエンジン付属部品、例えば、パワーステアリングポンプ、または例えば、回転エネルギーを電気エネルギーに変換するオルタネータを作動するのに使用される場合がある。知られている車両では、これらのエンジン付属部品は、典型的には、エンジンのクランク軸によって駆動され、したがって、燃焼機関からの出力を消費する。本発明の吸気システムを使用することで、エンジン付属部品はクランク軸から取り外されて燃焼機関の出力を低減できるが、タービンの回転エネルギーはエンジン付属部品を作動するのに使用される。熱交換器は、タービンから流出する冷却空気を使用して、追加の流体を冷却するのに使用されてもよい。この追加の流体は、例えば、第2の空気流である。吸気システムが、例えば、車両で使用される場合、冷却空気の第2の流れは車両の内部を冷却するのに使用される場合がある。
【0009】
知られている内燃機関では、エンジンのシリンダ内に流入する空気質量流れを決定するのに、バルブが使用される。空気の膨張過程は等エンタルピーであり、膨張過程により生じた空気の冷却は空気の摩擦加熱によって補償される。知られている内燃機関における空気の摩擦加熱は、エネルギーのかなりの損失を招く。内燃機関の燃焼チャンバ内に流入する空気質量流れを制御するのにタービンを使用することで、空気流を通過させることによるブレードの回転は比較的容易に使用されることができるエネルギーを回収する。
【0010】
本発明の吸気システムのさらなる利点は、空気がタービンを通過した後に冷却されるように、空気の等エンタルピー膨張が妨げられることである。タービンはタービンを通る空気流から熱を抽出して、タービンブレードを回転させる。その結果、タービンを出る空気は、タービンに入る空気に比べて温度が低下する。温度が低下した空気の一部は、追加の流体の温度を下げるために熱交換器で使用されてもよい。それでも、熱交換器から流出し、燃焼機関に流入する空気は、外気の温度に比べてまだ低い温度である可能性がある。この冷却空気を内燃機関の燃焼チャンバに供給すると、燃焼温度は降下し、内燃機関の窒素酸化物の排気を低減する。さらに、冷却空気を燃焼チャンバ内に使用することは、燃焼機関の熱負荷を低減し、燃焼機関の機械的摩耗を引き起こすエンジンのノッキングのリスクを低減する。
【0011】
本発明の吸気システムのさらなる利点は、内燃機関の燃焼チャンバ内に流入する空気質量流れの制御が回生制動に使用できることである。この回生制動は、燃焼チャンバ内に流入する空気質量流れを減らすことによって車両の速度を低下させる。空気質量流れを減らすことは、吸気システムの空気入力ポートと空気出力ポートの圧力差を増大させ、タービンブレードを回転させる。回生制動によって得られる回転エネルギーは、別のエンジン付属部品を作動するのに使用されることができ、または、例えば、バッテリ内に蓄えられる電気エネルギーなどの異なるエネルギーに変換されるのに使用されることができる。この回生制動は、火花点火エンジンおよび圧縮点火エンジンの両方に適用できる。
【0012】
国際公開第96/04487号パンフレットおよび米国特許第5,818,117号明細書は共に、ターボオルタネータと内燃機関の燃焼吸気口に取り付けられる空気流制御アセンブリとを開示している。空気流制御アセンブリは、中心軸を中心として回転するために、本体に取り付けられるロータを備える。ロータは、発電機を駆動する。国際公開第96/04487号パンフレットの図4および米国特許第5,818,117号明細書の図4aの実施形態では、熱交換装置は空気流制御アセンブリの空気入口に配設されて、導入空気のオルタネータアセンブリの出力を増大させるさまざまな源からエンジン熱を回収する。本発明の吸気システムは、熱エネルギーをタービンからの空気質量流れと交換するために、熱交換器がタービンと空気出力ポートとの間に配設されるので、上記実施形態とは異なる。この違いによる効果は、熱交換器で使用されるタービンからの空気流が外気温度に比べてかなり低い温度であり、そのことで、応用範囲は広くなり、例えば、空調装置の冷却流体を直接冷却することができることである。さらに、タービンからの空気質量流れの温度が低いために、タービンからの空気流と熱交換機を通る追加の流体との温度差が増大し、したがって、エネルギーの交換の効率は上がる。
【0013】
吸気システムの一実施形態では、タービンはタービンの空気流抵抗を制御する手段を備える。この実施形態の利点は、タービンの空気流抵抗を変化させることで、エンジン出力が調整できることである。
【0014】
吸気システムの一実施形態では、手段は、タービンブレードにぶつかる空気質量流れを変化させることによってタービンの空気流抵抗を制御するための調節羽根を備える。このようなタービンは、可変ノズルタービンとしても知られている。可変ノズルタービンでは、タービンは、空気流をタービンブレードの方に向ける少なくとも1つの調節羽根を備える。空気流がタービンブレードにほぼ垂直になるように羽根が回転されると、ブレードにかかる空気の力は大きくなり、タービンブレードを比較的速く回転させる。このような構造では、空気流抵抗は比較的高くなり、内燃機関の全体の出力を低減する。空気流がブレードに対してある角度をなすように羽根が回転されると、ブレードにかかる空気の力は小さくなり、タービンブレードの回転を遅くして、回転力を弱くする。調節羽根のこの第2の構造では、空気流抵抗は比較的低く、内燃機関の全体の出力を増大させる。
【0015】
吸気システムの一実施形態では、少なくとも1つのブレードおよび/または調節羽根はプラスチック材料からなる。吸気システムの好適な実施形態では、ブレードおよび/または調節羽根はプラスチック材料からなる。この実施形態の利点は、タービンのコストを大幅に低減することである。燃焼機関と共に使用される知られているタービン系は、典型的には、燃焼機関の排ガスによって作動するのに使用されるので、これらの知られているタービン系は金属部品で製造され、熱抵抗性および化学的抵抗性を確保する。排ガスの過酷な環境には、排ガス内の燃料残留物に対する化学的抵抗性および排ガスの高温に対する抵抗性の両方を有する材料が必要である。本発明のタービンの配置により、吸気システムは、典型的には、本発明のタービンを通る空気の膨張によってかなり冷却された周囲入口温度の外気を使用する。このように、過酷な環境は存在せず、したがって、過酷な化学的抵抗性および熱抵抗性を有する必要がなく、そのためにプラスチック材料のブレードおよび調節羽根を製造することが可能になる。プラスチック材料を使用することで、製造工程があまり複雑でなくなり、重量の重くないタービンを製造できるようになり、タービンのコストを大幅に低減することができる。プラスチック材料のブレードおよび/または調節羽根は、例えば、知られている射出成形技術を使用して、コスト効率的に製造されることができる。また、吸気システムの他の部品、例えば、吸気システムのハウジングもプラスチック材料からなってもよく、それ自体が吸気システムのコストおよび重量をさらに低減するのに使用される場合もある。当然、さらに他の部品も知られている射出成形技術によって製造される場合もある。
【0016】
吸気システムの一実施形態では、空気流抵抗を制御するタービンのブレードの回転速度を制御する手段が配設される。好ましくは、回転速度を制御する手段は、回転速度を低減するためにタービンから抽出された回転エネルギーの量を決定して、例えば、パワーステアリングポンプまたはブレーキ強化システムを作動するのに使用されることができる油圧を上昇させるために流体力学ポンプを駆動する。あるいは、回転エネルギーは、他のエネルギー蓄積システム、例えば、回転エネルギーの余剰分を後の使用のために蓄積するフライホイールによって抽出されてもよい。
【0017】
吸気システムの一実施形態では、ブレードの回転速度を制御する手段はタービンによって作動されるオルタネータである。オルタネータは、ブレードの回転エネルギーを電気エネルギーに変換する構造であり、オルタネータによって生成された電力の量を制御することでブレードの回転速度を制御する構造である。この実施形態の利点は、オルタネータによって生成された電気エネルギーはバッテリに蓄えられてもよいし、または、例えば、吸気システムを備える車両の電子システムによって使用されてもよい点である。
【0018】
吸気システムの一実施形態では、熱交換器は冷蔵装置を備える。冷蔵装置は、タービンから流出する冷却空気によって冷却される質量または液体を備えることができる。この実施形態の利点は、冷蔵装置により本発明の燃焼機関のエンジン出力が一時的に増大することである。全負荷状態では、タービンを介する圧力降下はほぼ0である。膨張が発生しないと、タービン内を流れる空気はこれ以上冷却されなくなる。冷蔵装置は、内燃機関の燃焼チャンバに流入する空気を冷却する中間冷却器として使用される場合もある。燃焼チャンバに流入する空気を冷却することで、空気の密度は高くなり、燃焼チャンバに適したより多くの空気が得られることになる。空気対燃料比はほぼ一定に保たれなければならないので、冷却によって増大した空気密度により、より多くの燃料がエンジンに投入されることになり、内燃機関のより高い最大トルクが得られる。したがって、冷蔵装置を中間冷却器として使用することにより、内燃機関の最大トルクが一時的に増大される。
【0019】
吸気システムの一実施形態では、熱交換器の大部分は、冷蔵装置を構成する。この実施形態の利点は、中間冷却器の機能性を備えるために、追加の冷蔵装置が必要でない点である。例えば、熱交換器が銅製であり、約5kgの質量を有する場合、内燃機関は、例えば、加速時に、典型的には追加でエネルギーを増大させるのに十分である最大トルクの約90秒間、熱交換器から冷却空気を抽出できる。
【0020】
吸気システムの一実施形態では、吸気システムはさらに、燃焼チャンバ内に流入する空気質量流れの空気温度を調整するための制御装置を備える。温度が下げられた空気が燃焼チャンバ内に流入できるので、内燃機関の効率性は温度を調整することによって改善されることが可能である。知られている燃焼機関、火花点火エンジンおよび圧縮点火エンジンの両方では、例えば、確実に窒素酸化物の排出規制がエンジンによって満たされるには、効率性は最適でない場合が多い。例えば、点火タイミングおよび/または圧縮比は、窒素酸化物の排出が所定範囲内であるように選択される。しかしながら、このことが効率の損失を引き起こす。冷却空気を内燃機関の燃焼チャンバに供給すると、燃焼温度は下がり、内燃機関の窒素酸化物の排出を低減することになる。この効果を利用すれば、冷却空気を使用することで、点火タイミングおよび/または圧縮比が内燃機関の効率性を向上させるように合わせることが可能となる。さらに、制御装置によって空気温度を調整することで、制御装置が、例えば、内燃機関の効率性が実質的に最適な状態で保たれるように、連続的に点火タイミングおよび/または圧縮比を調整することが可能になる。燃焼チャンバ内に流入する空気の温度を制御するときのさらなる利点は、燃焼機関の熱負荷が低減されることができる、または所定のレベルで保たれるように制御されることができることである。例えば、燃焼チャンバ内に流入する空気が冷却空気を含む場合、エンジンの熱負荷はそのエンジンの典型的な熱負荷に比べて低くなる可能性がある。冷却空気による熱負荷とエンジンの典型的な熱負荷とのこの差は、例えば、エンジンの効率性を向上させるのに使用されることができ、その結果、熱負荷が増大することになる。このような効率性を向上させる方策は、例えば、圧縮比を増大させ、または点火タイミングを変更する場合がある。これらの効率性を向上させる方策は、知られている内燃機関でのみ限定的に適用される場合がある。これらの方策は、実質的に上述の熱負荷を招くことになり、典型的な熱負荷は知られている内燃機関でかなりの摩耗を引き起こすためである。制御装置は、例えば、車載コンピュータの一部としてもよく、または別個の制御装置としてもよい。制御装置は、空気質量流れの温度を示す感知信号を受信し、さらに、例えば、ノックセンサ、シリンダ圧力センサおよび/または他の診断器具などの車載診断器具からの感知信号を受信することができる。
【0021】
吸気システムの一実施形態では、制御装置はタービンを通るおよび/または熱交換器を通る空気質量流れの空気温度を調整する。タービンの空気流抵抗を変化させることによって、タービンから燃焼チャンバに流れる空気の温度は調整されることができる。さらに、吸気システムが、例えば、冷蔵装置を備える熱交換器を備える場合、制御装置はさらに熱交換器を使用して空気質量流れの空気温度を調整することができる。
【0022】
吸気システムの一実施形態では、吸気システムはさらに、吸気ポートと空気出力ポートとの間にタービンと直列に配置されるバルブを備える。バルブはさらに、燃焼チャンバ内に流入する空気質量流れを決定するための空気流抵抗を増大させる構造である。この実施形態の利点は、タービンと直列のバルブを使用して、タービン単独で空気流抵抗を変化させ得る範囲以上に空気流を増大させることができることである。タービン単独では、空気流抵抗が変化され得る範囲が制限される。この範囲は、内燃機関で使用するのに十分でない可能性がある。タービンと直列にバルブを追加することで、吸気システムが空気流抵抗を変化させ得る範囲は増大するが、それでもタービンは吸気システムを介する少なくとも一部の圧力降下を使用して、タービンブレードの回転エネルギーを生成するのにタービンブレードを駆動させる。このように、空気流抵抗の必要な(増大される)範囲が形成されると同時に、エネルギーの一部は再利用される。
【0023】
吸気システムの一実施形態では、プロペラハブは追加の流体を推進して、熱交換器内で熱エネルギーをタービンからの空気質量流れと交換する構造である。追加の流体は、冷却され、その後、例えば、車両の車内に供給され、循環される外気としてもよい。このように、この実施形態の吸気システムは、冷却空気を車両の車内に供給する空調装置として機能する。あるいは、追加の流体は、空調システム内で使用される冷却流体としてもよい。この実施形態のさらなる利点は、プロペラハブの回転エネルギーは使用されるが、オルタネータは使用されない点である。オルタネータは比較的高価な要素であるので、この実施形態により、オルタネータがなくてもプロペラハブの回転エネルギーを使用できる。このように、さらにコストが低減されると同時に、変わらず効果的にプロペラハブの回転エネルギーを使用できる。
【0024】
吸気システムの一実施形態では、吸気ポートは圧縮機に接続され、圧縮機は加圧空気を生成し、加圧空気を吸気ポートに供給する。圧縮機は、例えば、内燃機関のクランク軸によって作動される圧縮機としてもよい。あるいは、圧縮機は、例えば、吸気システムに入る圧縮空気を生成するために、内燃機関の排気から残留エネルギーを抽出する排気ターボとしてもよい。このような吸気システムでは、(例えば、放出バルブ、ウエストゲートバルブまたは吹き出しバルブを介して)空気中に放出されることが多いターボ圧力の余剰分は、吸気システムの吸気ポートに加圧空気を供給することによってここで再利用され得る。この追加の加圧空気はタービンブレードの追加の回転エネルギーに変換され、加圧空気の余剰分は放出することによって廃棄しない。
【0025】
本発明の第2の態様によれば、目的は請求項13に記載の空調システムによって達成される。本発明の第3の態様によれば、目的は、請求項14に記載の内燃機関によって達成される。本発明の第4の態様によれば、目的は、請求項15に記載の車両によって達成される。
【0026】
本発明のこれらの態様および他の態様は、後述される実施形態から明らかであり、これらの実施形態を参照して説明される。
【0027】
図面は、単なる線図で、正確な縮尺図ではない。特にわかりやすくするために、いくつかの寸法はかなり誇張して示されている。図面内の同様の部品は、できる限り同じ符号で示されている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の吸気システムを備える火花点火エンジンの概略図である。
【図2】本発明の吸気システムを備える空調システムの概略図である。
【図3A】調節羽根を有する可変ノズルタービンの概略図である。
【図3B】調節羽根を有する可変ノズルタービンの概略図である。
【図4】本発明の吸気システムを備える別の空調システムの概略図である。
【図5】車両の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、本発明の吸気システム10を備える火花点火エンジン200の概略図である。火花点火エンジン200は燃焼チャンバ202を備え、燃焼チャンバ202はピストンロッド208を介してクランク軸210に接続されるピストン206を備える。火花点火エンジン200はさらに、空気と燃料の混合物に点火するための火花を供給するためのスパークプラグ204を備え、ピストン206に力を加えてピストン206をスパークプラグ204から離す。ピストン206の運動は、ピストンロッド208を介して、クランク軸210の回転運動に変換される。
【0030】
知られている火花点火エンジンは、典型的には、火花点火エンジンからの一酸化炭素および一窒素酸化物の排出を低減するために三元触媒(図示せず)を備える。この触媒は、正確な動作のためには、約14.7:1のほぼ一定の空気対燃料比を必要とする。知られている火花点火エンジンのエンジン出力は、典型的には、エンジンの燃焼チャンバ内に流入する空気質量流れを調整することで調整される。空気質量流れは、一般に、燃焼チャンバの空気入口と外気との間のバルブを使用して、知られている燃焼機関のシリンダ近くの吸気圧力を変化させることで変化される。バルブを介する圧力差により、空気はバルブを通過した後に膨張する。しかしながら、知られている火花点火エンジンでは、空気の膨張過程は膨張する空気の摩擦加熱と同時に起こり、このことで実質的に等エンタルピー過程となる。等エンタルピー過程では、膨張による空気温度の低下は摩擦による空気の加熱によって解消される。このことで、エネルギーが消費される。
【0031】
図1に示された火花点火エンジン200では、火花点火エンジン200は、燃焼チャンバ202内に流入する空気質量流れを制御する吸気システム10を備える。吸気システム10は、少なくとも1つのブレード44(図2を参照)を備えるプロペラハブ42(図2を参照)を有するタービン40を備える。吸気システム10は、空気が吸気システム10に流入する吸気ポート20を備え、空気が火花点火エンジン200の燃焼チャンバ202に供給される空気出力ポート30を備える。吸気システム10は、空気を吸気ポート20からタービン40を通過して空気出力ポート30まで導く構造である。空気出力ポート30と燃焼チャンバ202との間には、マニホールド50と燃料注入手段212とが配設されてもよい。タービン40は、タービン40を通る少なくとも一部の圧力降下を使用して、回転エネルギーを生成するのにタービン40のブレード44を駆動しながら、燃焼チャンバ202に流入する空気質量流れの制御を可能にする。タービン40のブレード44の回転エネルギーは、例えば、1つ以上のエンジン付属部品、例えば、パワーステアリングポンプ(図示せず)、または、例えば、回転エネルギーを電気エネルギーに変換するオルタネータ46(図2)を作動するのに使用されてもよい。
【0032】
そのため、知られている火花点火エンジンのバルブを本発明の火花点火エンジン200のタービン40と置き換えることで、知られている火花点火エンジンでは廃棄される膨張空気のエネルギーは、部分的にブレード44の回転エネルギーに変換され、再利用されることができる。
【0033】
タービン40を使用することでさらに、空気の等エンタルピー膨張を妨げる。その結果、空気はタービン40を通過した後、冷却される。タービン40は、タービン40を通過する空気流から熱を抽出して、タービン40のブレード44を回転させる。燃焼チャンバ202内に冷却空気を流入させることは、いくつかの利点がある。第1に、燃焼温度が下げられ、窒素酸化物の排出を低減する。第2に、冷却空気は火花点火エンジン200の熱負荷を低減し、エンジンのノッキングのリスクを低減する。第3に、冷却空気は密度が増大し、この増大した密度によってより多くの燃料が注入されると同時に、空気対燃料比をほぼ一定に維持し、火花点火エンジン200のより高いトルクを生成する。
【0034】
さらに、タービン40からの冷却空気は、例えば、乗用車300(図5参照)の車内に流入する空気の流れである第2の流体流れを冷却するのに使用されることができる熱交換器110(図2参照)内に導かれ得る。 タービン40のブレード44の回転エネルギーは、第2の流体流れを推進するのに使用されてもよい(図4参照)。したがって、本発明の吸気システム10の熱交換器110との組み合わせは、空調システム100として使用され、例えば、典型的にはエンジンのクランク軸210を介して推進される車両の従来の空調システムと置き換えてもよい。このような本発明の空調システム100は、車両に流入する空気流を冷却し、車両に流入する空気流を推進するために、エンジン出力を消費せず、知られている火花点火エンジンで等エンタルピー膨張をもたらす摩擦加熱によってバルブで廃棄される廃エネルギーを再利用する。
【0035】
好適な実施形態では、ブレード44および/または調節羽根48は、プラスチック材料からなることができる。プラスチック材料を使用することで、製造工程があまり複雑でなくなり、重量が重くないタービン40を製造できるようになり、タービン40のコストを大幅に低減できる。プラスチック材料のブレード44および/または調節羽根48は、例えば、知られている射出成形技術を使用して、コスト効率的に製造されることができる。また、吸気システム10の他の部品、例えば、吸気システム10のハウジングもプラスチック材料からなり、それ自体が吸気システム10のコストおよび重量をさらに低減するのに使用される場合もある。当然、さらに他の部品もよく知られている射出成形技術によって製造される場合もある。
【0036】
本発明の吸気システム10はさらに、燃焼チャンバ202内に流入する空気質量流れの空気温度を調整するための制御装置60を備える。知られている燃焼機関、火花点火エンジンおよび圧縮点火エンジンの両方では、例えば、確実に窒素酸化物の排出規制がエンジンによって満たされるには、効率性は最適でない場合が多い。例えば、点火タイミングおよび/または圧縮比は、窒素酸化物の排出が所定範囲内であるように選択される。しかしながら、一般には、このことが効率の損失を引き起こす。冷却空気を内燃機関200の燃焼チャンバ202に供給すると、燃焼温度は下がり、内燃機関の窒素酸化物の排出を低減することになる。この効果を利用すれば、冷却空気を使用することで、点火タイミングおよび/または圧縮比が内燃機関の効率性を向上させるように合わせることが可能となる。さらに、制御装置60は、例えば、制御装置60が、例えば、内燃機関200の効率性が実質的に最適な状態で保たれるように、連続的に点火タイミングおよび/または圧縮比を調整することが可能になるように空気温度を調整することができる。圧縮比を増大する、または点火タイミングを変更すると、内燃機関200の熱負荷は増大する可能性がある。制御装置60は、例えば、内燃機関200の熱負荷が所定のレベル内で保持されるように空気温度を調整し、それと同時に、例えば、圧縮比を増大し、または点火タイミングを変更することができる。制御装置60は、例えば、車載コンピュータ(図示せず)の一部としてもよく、または別個の制御装置60としてもよい。制御装置は、空気質量流れの温度を示す感知信号(図示せず)を受信し、さらに、車載診断器具240、例えば、ノックセンサ(図示せず)、シリンダ圧力センサ(図示せず)および/または他の診断器具からの感知信号を受信することができる。空気質量流れの空気温度は、タービンを介して、および/または熱交換器を介して調整されることができる。
【0037】
吸気システム10に流入する空気流はAIで示され、燃焼チャンバ202から流出する排気はAOで示されている。
【0038】
図1に示される火花点火エンジン200はさらに、加圧空気を生成し、少なくとも一部の加圧空気を吸気システム10の吸気ポート20に供給するために、2つの形態の圧縮機220、230を備える。第1の実施形態では、圧縮機230は、火花点火エンジン200のクランク軸210によって作動される。あるいは、圧縮機220は、燃焼チャンバ202から流出する排気AOから残留エネルギーを抽出し、残留エネルギーを圧縮空気を生成するのに使用され得る回転エネルギーに変換する排気ターボ220としてもよい。この排気ターボ220によって生成された圧縮空気は、本発明の吸気システム10のAI吸気ポート20に供給されることができる。このような吸気システムでは、知られている火花点火エンジンでは空気中に放出されることが多い排気ターボの圧力の余剰分は、吸気システム10の吸気ポート20に加圧空気を供給することによってここで再利用されることができる。この追加の加圧空気はタービン40のブレード44の追加の回転エネルギーに変換される。排気ターボ220から流出する空気流は、図1ではExで示されている。圧力の余剰分は、例えば、放出バルブ(図示せず)、ウエストゲートバルブ(図示せず)は吹き出しバルブ(図示せず)を介して、空気中に放出されることが多い。
【0039】
あるいは、吸気システム10は圧縮点火エンジン(図示せず)に接続されて、例えば、回生制動を生じさせ、または、例えば、タービン40を駆動するためにターボ出力の余剰分を使用することができる。圧縮点火エンジンに接続された吸気システム10は、さらに熱交換器110を備え、空調システム100として機能することができる。空調システム100は、例えば、空調システム100を駆動するためにターボ出力の余剰分を使用する。
【0040】
図2は、本発明の吸気システム10を備える空調システム100の概略図である。吸気ポート20は、外気または圧縮空気を備える。吸気システム10は、空気が吸気システム10に流入する吸気ポート20を備え、空気が内燃機関200の燃焼チャンバ202に供給される空気出力ポート30を備える。内燃機関200は、吸気システム10を介して圧力差を生成する。吸気システム10の空気流抵抗を決定するためにタービン40を使用することで、空気出力ポート30から流出する空気は冷却される。この冷却空気は、図2に示される空調システム100の熱交換器110内を流れる。熱交換器110は、冷却空気を使用して、例えば、流体入口115を介して熱交換器110内に流入する追加の流体流れの温度を下げることができる。この追加の流体流れは、後で使用するために冷却流体の一部を蓄える冷蔵装置120に接続されてもよい。この冷蔵装置120は、例えば、内燃機関200の燃焼チャンバ202内に流入する空気の温度を下げるのに使用されて、中間冷却器として使用される場合もある。あるいは、冷蔵装置120は、例えば、上述したように、吸気システム10から流出する冷却空気が内燃機関200に追加のトルクを供給するために必要である場合、車両の車内に流入する空気流を冷却するのに使用される場合もある。
【0041】
あるいは、冷蔵装置110として使用される熱交換器110は、所定の質量(図示せず)を備える。例えば、熱交換器110が銅製であり、約5kgの質量を有する場合、内燃機関200は、例えば、高速に加速時に、または信号機から発進するときに、典型的には追加でエネルギーを増大させるのに十分である最大トルクの約90秒間、熱交換器110から冷却空気を抽出できる。
【0042】
図2に示される空調システム100の実施形態では、タービン40の回転エネルギーは、回転エネルギーを電気エネルギーに変換するオルタネータ46を作動させるのに使用される。この生成された電気エネルギーは、蓄えられてもよく、他の付属部品(図示せず)のために使用されてもよい。
【0043】
図2は、さらに、タービン40の拡大部を備え、可変ノズルタービン40の概略を示す。この詳細な概略図では、通過する空気によって作動されるプロペラブレード44を備えるプロペラハブ42が見える。さらに、可変ノズルタービン40は、調節羽根48を備える。これらの調節羽根48は、可変ノズルタービン40を通る空気流を調整し、可変ノズルタービン40の空気流抵抗を決定する。調節羽根48が空気流抵抗を変化させる方法は、図3A、図3Bに示されている。
【0044】
あるいは、タービン40の空気流抵抗は、ブレード44の回転エネルギーを使用して作動される負荷を変化させることで変化されてもよい。例えば、オルタネータ46は、タービン40から回転エネルギーを抽出し、回転エネルギーを電気エネルギーに変換する負荷とすることができる。オルタネータ46によって表されるタービン40の負荷は、オルタネータ46によって生成される電気エネルギーを変化させることで変化され得る。オルタネータ46から抽出された電気エネルギーを増大させると、タービン40の負荷が増大し、そのことがタービン40のブレード44の回転エネルギーを低減させ、ひいては本発明の吸気システム10の空気流抵抗を増大させる。
【0045】
図3A、図3Bは、調節羽根48を有する可変ノズルタービン40の概略図である。これらの調節羽根48は、可変ノズルタービン40の空気流抵抗を変化させるのに使用される場合がある。
【0046】
図3Aは、調節羽根48の第1の定位を示す。この場合、調節羽根48は空気が比較的容易にタービン40内を通ることができるように調節され、そのためにタービン40の空気流抵抗は比較的小さくなる。図3Aは、吸気ポート20、空気出力ポート30、プロペラハブ42、ブレード44、調節羽根48を示す。 調節羽根48のこの第1の定位は、一般に、エンジンの高負荷および/またはエンジンの高速度状態を示す。調節羽根48の第1の定位で示された羽根48は、空気がブレード44の垂直軸(図示せず)から比較的大きな角度をなしてブレード44にぶつかるように空気を導き、その結果、ブレード44に加わる力が比較的小さくなり、空気が比較的容易にタービン40内を流れることができるので、空気流抵抗は比較的小さくなる。この比較的小さい空気流抵抗は、吸気システム10内を流れる空気の冷却を抑える。したがって、追加のトルクを内燃機関200に供給するには、冷蔵装置120、110は、燃焼チャンバ202に流入する前の空気を冷却するために中間冷却器として使用されてもよい。
【0047】
図3Bは、調節羽根48の第2の定位を示す。この場合、調節羽根48は、空気がブレード44の垂直軸(図示せず)に比較的近い角度をなしてブレード44にぶつかるように導かれ、その結果、ブレード44を作動させるためにブレード44に加わる力は比較的大きくなるように調節される。調節羽根48のこの第2の定位は、タービン40の比較的大きな空気流抵抗を生成し、そのことがタービン40内で空気を膨張させて、空気流の空気の温度を下げる。この冷却空気は、空気の密度が増大するために内燃機関200のトルクを増大するのに使用されてもよく、または、例えば、熱交換器を使用して後で空調システム100で使用され得る追加の流体を冷却する空調システム100で使用されてもよい。
【0048】
図4は、本発明の吸気システム10を備える別の空調システム101の概略図である。別の空調システム101の実施形態では、プロペラハブ42は、グレーの矢印で示された追加の流体を推進する構造である。プロペラハブ42は、熱交換器110内の流れる追加の流体を推進する推進手段102を作動する追加のシャフト104に接続される。追加の流体は、タービン40から流出する冷却空気によって冷却され、後で、例えば、車両300(図5参照)の車内を冷却するのに使用されてもよい。
【0049】
図5は、車両300の概略図である。車両300は、例えば、本発明の空調システム100を備え、および/または本発明の内燃機関200を備える。車両300は、例えば、図5で概略的に示された乗用車300であってもよい。あるいは、車両300は、本発明の内燃機関200を有する、および/または本発明の空調システム100を有する任意の他の車両300としてもよい。
【0050】
上述の実施形態は、本発明を制限するというよりは例示するものであり、当業者は添付の請求項の範囲から逸脱せずに、多くの代替形態を設計することが可能であることに留意すべきである。
【0051】
請求項では、括弧内の符号は、請求項を制限するものと解釈されるべきではない。動詞「備える」およびその活用型を使用するのは、請求項で示された要素またはステップ以外の要素およびステップの存在を除外しない。要素の前の冠詞「1つの(a、an)」は、複数のこのような要素の存在を除外しない。本発明は、複数の個別要素を備えるハードウェアを使用して実施されてもよい。複数の手段を列挙する装置クレームでは、複数のこれらの手段は、1つおよび同じハードウェアのアイテムによって具現化されてもよい。特定の方策が互いに異なる従属クレームで示されているという事実だけが、これらの方策の組み合わせが有利に使用できないことを示すのではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関(200)の燃焼チャンバ(202)内に流入する空気質量流れを制御する吸気システム(10)であって、吸気ポート(20)と、空気出力ポート(30)と、少なくとも1つのブレード(44)を備えるプロペラハブ(42)を有するタービン(40)とを備える吸気システム(10)であり、プロペラハブ(42)がタービン(40)のブレード(44)を作動するために吸気ポート(20)と空気出力ポート(30)との間に配設され、タービン(40)が燃焼チャンバ(202)内に流入する空気質量流れを決定するための空気流抵抗を有し、熱エネルギーをタービン(40)からの空気質量流れと交換するためにタービン(40)と空気出力ポート(30)との間に配設された熱交換器(110)を備える、吸気システム(10)。
【請求項2】
タービン(40)が、タービン(40)の空気流抵抗を制御する手段(46、48)を備える、請求項1に記載の吸気システム(10)。
【請求項3】
手段(48)が、タービン(40)のブレード(44)にぶつかる空気質量流れを変化させることによってタービン(40)の空気流抵抗を制御する調節羽根(48)を備える、請求項2に記載の吸気システム(10)。
【請求項4】
少なくとも1つのブレード(44)および/または調節羽根(48)がプラスチック材料からなる、請求項1、2、または3に記載の吸気システム(10)。
【請求項5】
手段(46)が、空気流抵抗を制御するタービン(40)のブレード(44)の回転速度を制御するために配設される、請求項2に記載の吸気システム(10)。
【請求項6】
手段(46)が、ブレード(44)の回転速度を制御するタービン(40)によって作動されるオルタネータ(46)であり、オルタネータ(46)がブレード(44)の回転エネルギーを電気エネルギーに変換する構造であり、オルタネータ(46)により生成される電力の量を制御することによりブレード(44)の回転速度を制御する構造である、請求項5に記載の吸気システム(10)。
【請求項7】
熱交換器(110)が冷蔵装置(110、120)を備える、請求項1に記載の吸気システム(10)。
【請求項8】
熱交換器(110)の質量が、冷蔵装置(110)を構成する、請求項7に記載の吸気システム(10)。
【請求項9】
吸気システム(10)がさらに、燃焼チャンバ(202)内に流入する空気質量流れの空気温度を調節するための制御装置(60)を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の吸気システム(10)。
【請求項10】
制御装置(60)が、タービン(40)を介して、および/または熱交換器(110)を介して空気質量流れの空気温度を調節する、請求項9に記載の吸気システム(10)。
【請求項11】
プロペラハブ(42)が、熱交換器(110)内で熱エネルギーをタービン(40)からの空気質量流れと交換する追加の流体を推進する構造である、請求項1から10のいずれか一項に記載の吸気システム(10)。
【請求項12】
吸気ポート(20)が圧縮機(220、230)に接続され、圧縮機(220、230)が加圧空気を生成し、加圧空気を吸気ポート(20)に供給する、請求項1から11のいずれか一項に記載の吸気システム(10)。
【請求項13】
請求項1から12に記載の吸気システム(10)を備える、空調システム(100、101)。
【請求項14】
請求項1から12に記載の吸気システム(10)を備える、内燃機関(200)。
【請求項15】
請求項1から12のいずれか一項に記載の吸気システム(10)を備える、または請求項13に記載の空調システム(100、101)を備える、または請求項14に記載の内燃機関(200)を備える車両(300)。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−510224(P2011−510224A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−543468(P2010−543468)
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【国際出願番号】PCT/EP2009/050493
【国際公開番号】WO2009/092670
【国際公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(510018753)テヒニーセ・ユニベルシタイト・エイントホーヘン (2)
【Fターム(参考)】