説明

内燃機関の吸気冷却装置およびこれを用いた自動車

【課題】コンパクトに配置できる内燃機関の吸気冷却装置を提供する。
【解決手段】外気によって吸気を冷却するインタークーラ41およびバイパス冷凍回路45を循環する冷媒によって吸気を冷却する蒸発器43がこの順序で、過給器21からガソリンエンジン15への吸気通路39に備えられたガソリンエンジン15の吸気冷却装置1であって、インタークーラ41は外気が通過する外気ダクト49内に設置され、蒸発器43は、吸気が通過するケース51内に設置され、ケース51の下板部53が外気ダクト49の一部を構成していることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の吸気冷却装置およびこれを用いた自動車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガソリンエンジン等の内燃機関では、過給器によって吸気量を増加して出力を高めることが広く行われている。
過給器によって吸気を圧縮すると、吸気の温度が増加し、ガソリンエンジンへの吸入温度が上昇するので、充填効率が低下するとともに、混合気温度が上昇してノッキングが発生し易くなる。
ノッキングを抑制するためには、点火時期を遅らせたり、混合気の空燃比を濃くしたりすることを行うが、これらは出力および燃費の悪化をもたらす。
このため、過給器からの吸気を冷却してガソリンエンジンへ吸気することが広く行われている。
【0003】
この冷却を効果的に行うものとして、たとえば、特許文献1に示されるように、外気を用いて過給器からの吸気を冷却する熱交換器の下流側に、車室内冷房装置の冷媒回路を循環する冷媒によって吸気を冷却するチャージクーラを備えたものが提案されている。
【0004】
【特許文献1】実開昭59−146531号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、たとえば、自動車のエンジンルームはスペースが限られているので、これらの機器はできるだけコンパクトに配置することが求められる。
しかしながら、特許文献1に記載されたもの等これまでに提案されたものは、コンパクトに配置する構造に関し何ら触れていないのが現状である。たとえば、所定の大きさの熱交換器が配置できないと、スペースに合わせて大きさを小さくすることになるので、冷却性能がその分低下することになる。
したがって、これらをコンパクトに配置することは、実用化に当って求められる課題である。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑み、コンパクトに配置できる内燃機関の吸気冷却装置およびこれを用いた自動車を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の内燃機関の吸気冷却装置は、外気によって吸気を冷却するインタークーラおよび冷媒回路を循環する冷媒によって前記吸気を冷却する蒸発器がこの順序で、過給器から内燃機関への吸気通路に備えられた内燃機関の吸気冷却装置であって、前記インタークーラは前記外気が通過するダクト内に設置され、前記蒸発器は、前記吸気が通過するケース内に設置され、該ケースの一の壁部が前記ダクトの一部を構成していることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、インタークーラは外気が通過するダクト内に設置され、蒸発器は、吸気が通過するケース内に設置され、ケースの一の壁部がダクトの一部を構成しているので、インタークーラと蒸発器とはダクトおよびケースを介して一体構造とされていることになる。したがって、インタークーラおよび蒸発器をコンパクトに配置することができる。
しかも、ケースの一の壁部がダクトの一部を構成しているので、構造部材が共通に用いられることになり、一層コンパクトにすることができる。
【0009】
また、本発明の内燃機関の吸気冷却装置では、前記ケースへの前記吸気の流入部は、前記一の壁部側に位置されていることを特徴とする。
【0010】
このように、ケースへの吸気の流入部は、一の壁部側に位置されているので、吸気の流出部は一の壁部の反対側、言い換えると、一の壁部から離れた位置になる。
したがって、蒸発器で冷却された吸気は一の壁部に接することがないので、ダクトを通る外気の温度に影響されるのを抑制することができる。
【0011】
また、本発明の内燃機関の吸気冷却装置では、前記一の壁部は、前記ダクトの上部を構成していることを特徴とする。
【0012】
このように、一の壁部は、ダクトの上部を構成しているので、蒸発器はインタークーラの上部に配置されることになる。また、ダクトは略水平方向に外気を通過させることになる。
したがって、上下方向に余裕が取れる床置き配置に好適である。
たとえば、自動車のエンジンルームでは、外気の取り入れを考慮すると、最前方(ラジエータ、コンデンサの前)の床に設置するのに好適である。
この場合、上下方向のスペースを考慮すると、蒸発器はできるだけ水平に近づくように設置するのが好ましい。
【0013】
上記発明において、前記ダクトを構成する側板の前部には、前記ケースの下部位置に切込が設けられている。
【0014】
このように、ダクトを構成する側板の前部には、ケースの下部位置に切込が設けられているので、切込のところの強度は、他の部分と比較して弱くなっている。このため、冷却装置に前方から大きな衝撃力が作用すると、この切込のところで容易に変形する、言い換えると、ケースがダクトと分離して後方に移動することになる。
たとえば、自動車のエンジンルームの最前方の床に設置した場合、衝突の衝撃を吸収することができる。すなわち、クラッシャブル構造として用いることができる。
【0015】
また、本発明の内燃機関の吸気冷却装置では、前記一の壁部は、前記ダクトの側部を構成していることを特徴とする。
【0016】
このように、一の壁部は、ダクトの側部を構成しているので、蒸発器はインタークーラの側部に配置されることになる。
この場合、ダクトは略水平方向に、あるいは、略上下方向に外気を通過させることになるので、たとえば、自動車のエンジンルームでは、外気の取り入れを考慮すると、最前方の床、あるいは、ボンネットの下方で、横方向にスペースが確保できるところに設置するのに好適である。
また、たとえば、エンジンに隣り合うように配置する場合、ケースをエンジンに近い側に設けると、インタークーラへ吸入される外気に対する熱源としてのエンジンの影響を抑制することができ、冷却効率を向上させることができる。
この場合、横方向のスペースを考慮すると、蒸発器はできるだけ垂直に近づくように設置するのが好ましい。
【0017】
また、本発明の内燃機関の吸気冷却装置では、前記一の壁部は、前記ダクトの後方部を構成していることを特徴とする。
【0018】
このように、一の壁部は、ダクトの後方部を構成しているので、蒸発器はインタークーラの後方に配置されることになる。また、ダクトは略上下方向に外気を通過させることになる。
たとえば、自動車のエンジンルームでは、外気の取り入れを考慮すると、ボンネットの下方に設置するのに好適である。
この場合、上下方向のスペースを考慮すると、蒸発器はできるだけ水平に近づくように設置するのが好ましい。
【0019】
また、上記発明において、前記ケースは、後方への突出を少なくするように上下方向に長く配置されていてもよい。
たとえば、エンジンルームの最後方に設置すると、外気の取り入れをボンネットの後端部分となり、後方のスペースが十分に確保できない場合、この配置が好適である。
【0020】
また、本発明の自動車は、上記に記載の内燃機関の吸気冷却装置を備えていることを特徴とする。
【0021】
このように、コンパクトに配置できる吸気冷却装置を用いているので、スペースに合わせて大きさを小さくすることになる事態を抑制することができる。これにより、十分な冷却性能を確保することができ、たとえば、ガソリンエンジンの燃費および出力を向上させることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、インタークーラは外気が通過するダクト内に設置され、蒸発器は、吸気が通過するケース内に設置され、ケースの一の壁部がダクトの一部を構成しているので、インタークーラおよび蒸発器をコンパクトに配置することができる。
しかも、ケースの一の壁部がダクトの一部を構成しているので、構造部材が共通に用いられることになり、一層コンパクトにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
[第一実施形態]
以下、本発明の第一実施形態にかかる自動車のガソリンエンジンに用いられる吸気冷却装置について、図1〜図6を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態にかかる吸気冷却装置1の概略構成を示すブロック図である。図2はこの吸気冷却装置1を搭載した自動車3の全体概略構造を示す側面図である。
【0024】
自動車3には、エンジンルーム5と、車室7とが備えられている。エンジンルーム5は、1個の空間を形成し、上部は一部が開閉可能とされたボンネット9で、前面は車外の空気(外気)を取り入れる開口を有する前面グリル11で、後方は車室7とを区切るファイアウォール13で構成されている。
エンジンルーム5内には、ガソリンエンジン15と、車室内の空調を行う車両空調装置17と、冷却水や潤滑油の冷却に用いられるラジエータ19と、ガソリンエンジン15に圧縮した空気を供給する過給器21と、が備えられている。
【0025】
車両空調装置17には、ガソリンエンジン15によって回転駆動され冷媒を圧縮して高温高圧とする圧縮機23と、冷媒および外気の間で熱交換するコンデンサ25と、冷媒中の液分を送るレシーバ27と、車室7内の空気および冷媒の間で熱交換するエバポレータ29と、が備えられている。
圧縮機23、コンデンサ25およびエバポレータ29を循環するように冷凍回路31が形成されている。冷凍回路31におけるエバポレータ29のコンデンサ25側には、冷媒を減圧する膨張弁33が備えられている。
【0026】
過給器21は、ガソリンエンジン15の排気によって回転され駆動されるタービン35と、タービン35と同軸的に連結され、タービン35の回転に伴い回転駆動され空気を圧縮するブロア37とで主として構成されている。
ブロア37によって圧縮された空気(吸気)は、吸気通路39を通ってガソリンエンジン15に供給される。
【0027】
吸気通路39には、吸気冷却装置1が備えられている。吸気冷却装置1には、吸気と外気との間で熱交換するインタークーラ41と、冷凍回路31を循環する冷媒と吸気との熱交換を行う蒸発器43とが備えられている。
冷凍回路31には、レシーバ27の下流側の点Aからエバポレータ29の下流側の点Bとの間を接続するバイパス冷凍回路(冷媒回路)45が備えられている。バイパス冷凍回路45は、蒸発器43を通過するように構成されている。バイパス冷凍回路45には、蒸発器43の上流側に冷媒を減圧するバイパス膨張弁47が備えられている。
【0028】
図3は、吸気冷却装置1の全体概略構成を示す斜視図である。図4は、吸気冷却装置1の側面図である。
吸気冷却装置1は、図2に示されるようにラジエータ19およびコンデンサ25の側部に設置されている。
インタークーラ41は略直方体形状をした、チューブヘッダタイプの熱交換器である。インタークーラ41の周囲を囲うように外気が通過する外気ダクト(ダクト)49が形成されている。
前面グリル11から導入された外気は外気ダクト49に沿って、後方に向かい略水平方向に移動し、インタークーラ41の内部を流れる吸気を冷却する。
過給器21で、たとえば、百数十℃となった吸気は、インタークーラ41によって、たとえば、50〜60℃まで冷却される。
【0029】
外気ダクト49の上方に、蒸発器43を収納するケース51が設けられている。ケース51は略直方体形状をした中空箱体であり、その下板部(一の壁部)53は外気ダクト49の上部を構成している。
蒸発器43は、略直方体形状をした、チューブヘッダタイプの熱交換器である。
蒸発器43は、ケース51の前後方向略中間位置に、前方に向かって起立するように傾斜して配置され、ケース51内を前方および後方の2空間に区切っている。
蒸発器43の一側面には、バイパス冷凍回路45と接続されるための継手59が設けられている。
【0030】
蒸発器43は、バイパス冷凍回路45によってバイパス膨張弁47で減圧された一部ガス化した液状の冷媒を供給される。通過する吸気に、蒸発潜熱を与えることによって吸気を冷却するものである。
なお、バイパス冷凍回路45には、車両空調装置17が作動中であれば常に冷媒が流れるようにされている。
ケース51の後方空間には、インタークーラ41を通って外気によって冷却された吸気が、配管ダクト55を通って導入される。この導入された吸気は蒸発器43を通って前方空間に移動する際、蒸発器43によってさらに、たとえば、30〜40°にまで冷却される。
この冷却された吸気は、配管ダクト57を通ってガソリンエンジン15へ供給される。
なお、インタークーラ41および蒸発器43は、プレート式の熱交換器としてもよい。
【0031】
このように、外気ダクト49とケース51とは固定されているので、インタークーラ41と蒸発器43とは外気ダクト49およびケース51を介して一体構造とされている。したがって、インタークーラ41および蒸発器43をコンパクトに配置することができる。
しかも、外気ダクト49の上部は、ケース51の下板部53で形成されているので、構造部材が共通に用いられることになり、一層コンパクトにすることができる。
【0032】
本実施形態のようにケース43がダクト41の上部に配置されるものでは、図2に示されるように、上下方向に余裕が取れる床置き配置に好適である。
また、吸気冷却装置1は、前面グリル11の後方に設置されているので、外気を効率的に取り込むことができる。
この場合、蒸発器43は、傾斜して設置されているので、上下方向のスペースに余裕を持たせることができる。
【0033】
図5および図6は、本実施形態の別の実施態様を示す。すなわち、本態様の吸気冷却装置1では、外気ダクト49の両側を構成する、側板61の前部には、ケース51の下部位置にノッチ(切込)63が形成されている。
このように、側板61の前部には、ノッチ63が設けられているので、ノッチ63のところの強度は、他の部分と比較して弱くなっている。
このため、吸気冷却装置1に前方から大きな衝撃力が作用すると、ノッチ63のところで容易に変形する、言い換えると、図6に示されるようにケース51が外気ダクト49と分離して後方に移動することになる。
このようにすると、自動車3のエンジンルーム5の前部の床に設置した場合、衝突の衝撃を吸収することができる。すなわち、クラッシャブル構造として用いることができる。
【0034】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について、図7および図8を用いて説明する。
本実施形態では、第一実施形態と基本的構成は同様であり、吸気冷却装置1の構造が異なっている。よって、本実施形態においては、この相違点について説明し、その他の部分については重複した説明を省略する。
なお、第一実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図7は、吸気冷却装置1を搭載した自動車3の前部概略構造を示す側面図である。図8は、吸気冷却装置1の全体概略構造を示す斜視図である。
【0035】
本実施形態では、吸気冷却装置1は、ボンネット9の下方に配置されている。ボンネット9には、開口部が形成され外気をインタークーラ41へ案内する外気ダクト50およびインタークーラ41からエンジンルーム5内へ案内する外気ダクト49が,設けられている。
外気ダクト49,50は、外気を略上下方向に導入するようにされている。インタークーラ41は、図7,8に示されるようにボンネット9の傾斜に沿って傾斜、すなわち、略水平方向に寝かされている。
ケース51の前板部(一の壁部)65は、外気ダクト49の後方部を構成している。ケース51と外気ダクト49とは一体に固定されている。
【0036】
このように、外気ダクト49とケース51とは固定されているので、インタークーラ41と蒸発器43とは外気ダクト49およびケース51を介して一体構造とされている。したがって、インタークーラ41および蒸発器43をコンパクトに配置することができる。
しかも、外気ダクト49の上部は、ケース51の下板部53で形成されているので、構造部材が共通に用いられることになり、一層コンパクトにすることができる。
【0037】
蒸発器43は、ケース51の前後方向略中間位置に、前方に向かって起立するように傾斜して配置され、ケース51内を前方および後方の2空間に区切っている。
ケース51の前方空間には、インタークーラ41を通って外気によって冷却された吸気が、配管ダクト55を通って導入される。この導入された吸気は蒸発器43を通って後方空間に移動する際、蒸発器43によって冷却される。
この冷却された吸気は、配管ダクト57を通ってガソリンエンジン15へ供給される。
【0038】
このように、ケース41への吸気の流入部は、前板部65側に位置されているので、吸気の流出部は後方空間からとなる。
したがって、蒸発器43で冷却された吸気は前板部65に接することがないので、ダクト49を通る外気の温度に影響されるのを抑制することができる。
【0039】
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態について、図9〜図11を用いて説明する。
本実施形態では、第一実施形態と基本的構成は同様であり、吸気冷却装置1の構造が異なっている。よって、本実施形態においては、この相違点について説明し、その他の部分については重複した説明を省略する。
なお、第一実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図9は、吸気冷却装置1を搭載した自動車3の前部概略構造を示す正面図である。図10は、吸気冷却装置1の全体概略構造を示す斜視図である。図11は、吸気冷却装置1を示す平面図である。
【0040】
本実施形態では、吸気冷却装置1は、コンデンサ25の前方に配置されている。この位置では、側方に余裕があるので、ケース41は、インタークーラ41の側部に配置されている。
ケース51の側板部(一の壁部)67は、外気ダクト49の側方部を構成している。ケース51と外気ダクト49とは一体に固定されている。
【0041】
このように、外気ダクト49とケース51とは固定されているので、インタークーラ41と蒸発器43とは外気ダクト49およびケース51を介して一体構造とされている。したがって、インタークーラ41および蒸発器43をコンパクトに配置することができる。
しかも、外気ダクト49の上部は、ケース51の下板部53で形成されているので、構造部材が共通に用いられることになり、一層コンパクトにすることができる。
【0042】
蒸発器43は、ケース51の前後方向略中間位置に、面部が略上下方向に延在し、水平面内で回転した形とされて、ケース51内を遠側方および近側方の2空間に区切っている。
ケース51の近側方空間には、インタークーラ41を通って外気によって冷却された吸気が、配管ダクト55を通って導入される。この導入された吸気は蒸発器43を通って遠側方空間に移動する際、蒸発器43によって冷却される。
この冷却された吸気は、配管ダクト57を通ってガソリンエンジン15へ供給される。
【0043】
このように、ケース41への吸気の流入部は、側板部67側に位置されているので、吸気の流出部は遠側方空間からとなる。
したがって、蒸発器43で冷却された吸気は側板部67に接することがないので、外気ダクト49を通る外気の温度に影響されるのを抑制することができる。
【0044】
[第四実施形態]
次に、本発明の第四実施形態について、図12および図13を用いて説明する。
本実施形態では、第一実施形態(第二実施形態)と基本的構成は同様であり、吸気冷却装置1の構造が異なっている。よって、本実施形態においては、この相違点について説明し、その他の部分については重複した説明を省略する。
なお、第一実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図12は、吸気冷却装置1を搭載した自動車3の前部概略構造を示す側面図である。図13は、吸気冷却装置1の全体概略構造を示す斜視図である。
【0045】
本実施形態では、吸気冷却装置1は、エンジンルーム5の最後部に設置されている。
吸気冷却装置1の構成は、第二実施形態と略同じ構造であるが、ケース51の後部が車室7側に突出するようにされているので、その突出量を少なくするため前後方向の長さを小さくし、その分上下方向に長くされている。また、蒸発器43はできるだけ上下方向に延在するように立てて、ケース41の底部からインタークーラ41に至るところまで配置されている。
そして、ケース51の前板部65は、外気ダクト49の後方部を構成している。ケース51と外気ダクト49とは一体に固定されている。
したがって、外気ダクト49は第二実施形態のものと比べて上下方向に長くなっている。
ケース51の後部は車室7側に突出するようにされているので、インタークーラ41は、ボンネット9の最後部に位置することになる。また、上述のように上下方向に長くされているのは、ケース51の車室7側への突出量を小さくするためでもある。
この部分は、最も負圧が大きくなるので、ボンネット9にグリル69を開口させるだけでも、大量の外気を流入させることができる。したがって、冷却効率を大幅に向上させることができる。
その他の作用効果は、第二実施形態と同じである。
【0046】
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第一実施形態にかかる吸気冷却装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第一実施形態にかかる吸気冷却装置を搭載した自動車の全体概略構造を示す側面図である。
【図3】本発明の第一実施形態にかかる吸気冷却装置の全体概略構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の第一実施形態にかかる吸気冷却装置の側面図である。
【図5】本発明の第一実施形態にかかる吸気冷却装置の別の実施態様を示す側面図である。
【図6】本発明の第一実施形態にかかる吸気冷却装置の別の実施態様を示す側面図である。
【図7】本発明の第二実施形態にかかる吸気冷却装置を搭載した自動車の前部概略構造を示す側面図である。
【図8】本発明の第二実施形態にかかる吸気冷却装置の全体概略構造を示す斜視図である。
【図9】本発明の第三実施形態にかかる吸気冷却装置を搭載した自動車の前部概略構造を示す正面図である。
【図10】本発明の第三実施形態にかかる吸気冷却装置の全体概略構造を示す斜視図である。
【図11】本発明の第三実施形態にかかる吸気冷却装置を示す平面図である。
【図12】本発明の第四実施形態にかかる吸気冷却装置を搭載した自動車の前部概略構造を示す側面図である。
【図13】本発明の第四実施形態にかかる吸気冷却装置の全体概略構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0048】
1 吸気冷却装置
3 自動車
15 ガソリンエンジン
21 過給器
39 吸気通路
41 インタークーラ
43 蒸発器
45 バイパス冷凍回路
49 外気ダクト
51 ケース
53 下板部
55 配管ダクト
61 側板
63 ノッチ
65 前板部
67 側板部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
外気によって吸気を冷却するインタークーラおよび冷媒回路を循環する冷媒によって前記吸気を冷却する蒸発器がこの順序で、過給器から内燃機関への吸気通路に備えられた内燃機関の吸気冷却装置であって、
前記インタークーラは前記外気が通過するダクト内に設置され、
前記蒸発器は、前記吸気が通過するケース内に設置され、
該ケースの一の壁部が前記ダクトの一部を構成していることを特徴とする内燃機関の吸気冷却装置。
【請求項2】
前記ケースへの前記吸気の流入部は、前記一の壁部側に位置されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸気冷却装置。
【請求項3】
前記一の壁部は、前記ダクトの上部を構成していることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の吸気冷却装置。
【請求項4】
前記ダクトを構成する側板の前部には、前記ケースの下部位置に切込が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の吸気冷却装置。
【請求項5】
前記一の壁部は、前記ダクトの側部を構成していることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の吸気冷却装置。
【請求項6】
前記一の壁部は、前記ダクトの後方部を構成していることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の吸気冷却装置。
【請求項7】
前記ケースは、後方への突出を少なくするように上下方向に長く配置されていることを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の吸気冷却装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の内燃機関の吸気冷却装置を備えていることを特徴とする自動車。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−138635(P2009−138635A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−316159(P2007−316159)
【出願日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】