説明

内視鏡システム

【課題】内視鏡に搭載された撮像素子の種別に応じて、照明光の光量を広いダイナミックレンジで適切に制御することが可能な内視鏡システムを提供する。
【解決手段】光源43aからの光を被検体に照射する照明光学系、及び被検体を撮像する撮像素子11bを含む撮像光学系を有する内視鏡11と、内視鏡11が着脱自在に接続される制御装置とを備える内視鏡システムであって、光源43aの出射光強度を、制御装置13から入力される光量指示値に応じて制御する光源制御部と、制御装置に接続された内視鏡11に搭載の撮像素子11bの種別を識別する種別識別手段と、を有する。光源制御部は、光量指示値と光源43aへの制御出力値との関係を表す制御パターンを複数種備え、種別識別手段による識別結果に基づいていずれかの制御パターンに切り替え、切り替えた制御パターンに基づいて光源43aの出射光強度を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は内視鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、体腔内の生体組織を観察するためには内視鏡システムが用いられている。内視鏡システムは、体腔内の被観察部に照明光として白色光を照射し、被観察部からの反射光等による光像を、2次元画像を撮影可能な所定の撮像素子を用いて撮影し、得られた2次元画像をモニタ画面上に表示するものである。このような内視鏡システムの照明光の制御に関する技術が、例えば特許文献1〜3に示されている。
【0003】
特許文献1においては、常に適切な光量及び色度の照明光を得るための技術を開示している。具体的には、光源に与える駆動電流をパルス状に変化させ、このパルスについてパルス数、パルス幅、パルス振幅を制御することを提案している。
【0004】
特許文献2においては、内視鏡スコープ先端の加熱を抑えつつ患部への照明光を供給するための技術を開示している。具体的には、光源の点灯/消灯をパルス状に制御すると共に、光源の点灯時間及びパルスの振幅(強度)を調節することを提案している。
【0005】
特許文献3においては、複数の観察モードに対応する内視鏡装置において、接続された内視鏡スコープが対応している観察モードのみ選択可能にするための技術を開示している。ここで、観察モードとは通常光観察、蛍光観察、狭帯域光観察、赤外光観察などの区分である。
【0006】
ところで、内視鏡システムが2次元画像を撮影するために利用可能な撮像素子としては、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサが知られている。また、公知のように、CCDイメージセンサとCMOSイメージセンサはその構造上の違いにより信号の読み出し方式が異なり、撮影の際のシャッタ制御が異なる。
【0007】
例えば、インターラインのCCDイメージセンサの場合は、受光部、垂直転送部、水平転送部、アンプ等を備えており、受光部内の全ての画素について電荷を保持可能な垂直転送部を有している。そのため、露光が完了した後、各画素に蓄積された電荷をそれぞれ同一のタイミングで垂直転送部に転送することができる。従って、受光部の各画素位置に電荷の蓄積を開始するタイミング、及び電荷の蓄積を終了するタイミングは、全画素について同時となる。つまり、二次元画像を撮影する場合に、イメージセンサ側の制御だけで二次元画像の1フレーム全体について同時にシャッタを切ることができる。このようなシャッタ制御はグローバルシャッタ方式と呼ばれている。
【0008】
一方、一般的なCMOSイメージセンサの場合には、N行、M列の二次元配列の受光部の各画素位置から1行ずつ順次に電荷を読み出し、同時に蓄積された電荷を初期化している。従って、受光部の各画素位置に電荷の蓄積を開始するタイミング、及び電荷の蓄積を終了するタイミングは、行毎に僅かにずれることになる。つまり、二次元画像を撮影する場合に、イメージセンサ側の制御だけでは、シャッタを切るタイミングが二次元画像の行毎にずれ、1フレーム全体について同時にシャッタを切ることはできない。このようなシャッタ制御はローリングシャッタ方式と呼ばれている。
【0009】
従って、一般的なCMOSイメージセンサを採用した内視鏡システムの場合には、受光部各位置の電荷蓄積期間(実質的にシャッタが開いている時間)のタイミングが走査線毎にずれることになる。そのため、照明の調光のために光源の点灯開始タイミングを調整すると、二次元画像の走査線毎に照明光量の違いが発生し、画像に輝度むらが生じてしまう。
【0010】
光源に流す電流の振幅(発光強度)だけを制御する場合には、信号読み出し等のタイミングのずれに対して照明光量が影響を受けないので、一般的なCMOSイメージセンサを採用した内視鏡システムにおいても走査線毎の輝度むらが生じることはない。しかし、内視鏡システムにおいては一般的に1:9000以上の光量ダイナミックレンジが要求される。このような広い光量ダイナミックレンジを実現するためには、光源に流す電流の振幅制御だけでは対応できない。
【0011】
一方、CCDイメージセンサを採用した内視鏡システムの場合には、信号読み出し等のタイミングが走査線毎にずれることはないので、照明の調光のために光源の点灯開始タイミング等を調整することも可能である。また、CCDイメージセンサを採用した内視鏡システムの場合には、全画素について同時にシャッタが閉じている期間が存在するので、この期間中は不要な照明を消灯することにより発熱の抑制のために役立つ。しかし、一般的なCMOSイメージセンサを採用した内視鏡システムの場合には、シャッタが閉じている期間が走査線毎にずれるので、特定の期間中に照明を消灯することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2009−56248号公報
【特許文献2】特開2007−222251号公報
【特許文献3】特開2005−6974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記のように、使用する内視鏡に搭載された撮像素子の種別によって、照明光の最適制御は異なるものとなるが、撮像素子の種別に応じて照明光の出射光量を最適制御することは行なわれていない。
【0014】
そこで本発明は、内視鏡に搭載された撮像素子の種別に応じて、照明光の光量を広いダイナミックレンジで適切に制御することが可能な内視鏡システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は下記構成からなる。
光源からの光を被検体に照射する照明光学系、及び被検体を撮像する撮像素子を含む撮像光学系を有する内視鏡と、該内視鏡が着脱自在に接続される制御装置と、を備える内視鏡システムであって、
前記光源の出射光強度を、前記制御装置から入力される光量指示値に応じて制御する光源制御手段と、
前記制御装置に接続された内視鏡に搭載の撮像素子の種別を識別する種別識別手段と、
を有し、
前記光源制御手段が、前記光量指示値と前記光源への制御出力値との関係を表す制御パターンを複数種備え、前記種別識別手段による識別結果に基づいて前記いずれかの制御パターンに切り替え、該切り替えた制御パターンに基づいて前記光源の出射光強度を制御する内視鏡システム。
【発明の効果】
【0016】
本発明の内視鏡システムは、接続された内視鏡に搭載された撮像素子の種別に応じて照明光の制御パターンを切り替えるので、撮像素子の種別に応じて適切な照明の調光制御が行え、広いダイナミックレンジの光量制御を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態の内視鏡システム全体に関する主要部の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1に示した内視鏡システムの外観を示す斜視図である。
【図3】内視鏡先端部の近傍の構造を表す縦断面図である。
【図4】光源ドライバの具体的な構成例を示すブロック図である。
【図5】グローバルシャッタ方式で制御される場合の制御タイミング例を示すタイムチャートである。
【図6】ローリングシャッタ方式で制御される場合の制御タイミング例を示すタイムチャートである。
【図7】グローバルシャッタ方式で用いる制御パターンの特性例を示すグラフである。
【図8】ローリングシャッタ方式で用いる制御パターンの特性例を示すグラフである。
【図9】照明光に関するスペクトルの具体例を示すグラフである。
【図10】第1変形例における内視鏡先端部の構成を示す正面図である。
【図11】第1変形例における光源装置の構成を示すブロック図である。
【図12】第2変形例における光源装置の構成を示すブロック図である。
【図13】第3変形例における内視鏡先端部の構成を示す正面図である。
【図14】第3変形例における光源装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態の内視鏡システム全体に関する主要部の構成例が図1に示されている。また、図1に示した内視鏡システムの外観が図2に示されている。
【0019】
図1、図2に示すように、内視鏡システム100は、内視鏡11と、この内視鏡11が接続される外部制御装置である制御装置13と、制御装置13に接続され画像情報を表示する表示部15とを有する。制御装置13には、入力操作を受け付ける入力部17が接続されている。
【0020】
内視鏡11は、電子内視鏡であり、図1に示すように照明部11a(照明光学系)と、撮像素子11b(撮像光学系)と、スコープ情報メモリ11cとを備えている。照明部11aは、図2に示す内視鏡挿入部19の先端から照明光を出射する。撮像素子11bは、二次元撮像手段であり、所定の対物レンズユニットを介して生体等の被観察領域を撮像して二次元画像を得ることができる。撮像素子11bの具体例として、二次元CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサや、二次元CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサが用いられる。
【0021】
なお、内視鏡システム100においては通常はカラー画像を再現する必要があるので、実際の撮像素子11bには、複数の色セグメントからなるカラーフィルタ(例えば、ベイヤー配列のRGB原色カラーフィルタや、CMYG,CMYの補色カラーフィルタ)を備えた単板カラー撮像方式の撮像素子が用いられる。
【0022】
スコープ情報メモリ11cは、本内視鏡11の固有の情報を予め保持している。スコープ情報メモリ11cが保持している情報には、撮像素子11bのシャッタ方式に関する情報も含まれている。
【0023】
内視鏡11は、図2に示すように、内視鏡挿入部19と、操作部25と、ユニバーサルコード27と、コネクタ部29A,29Bとを含んでいる。内視鏡挿入部19は、細長い形状に形成されており、その先端側が被検体内に挿入される。また、内視鏡挿入部19は、可撓性を持つ軟性部31と、湾曲部33と、先端部(以降、内視鏡先端部とも呼称する)35から構成される。操作部25は、内視鏡挿入部19の基端部に連設されており、内視鏡挿入部19の先端の湾曲操作や観察のための操作を行う際に使用される。ユニバーサルコード27は操作部25から延設されている。コネクタ部29A,29Bは、ユニバーサルコード27の先端に設けられ内視鏡11を制御装置13に着脱自在に接続する。
【0024】
湾曲部33は、軟性部31と内視鏡先端部35との間に設けられ、操作部25に配置されたアングルノブ41の回動操作により湾曲自在にされている。この湾曲部33は、内視鏡11が使用される被検体の部位等に応じて、任意の方向、任意の角度に湾曲でき、内視鏡先端部35の照明の照射口及び撮像素子の観察方向を、所望の観察部位に向けることができる。
【0025】
内視鏡先端部35の近傍の構成が図3に示されている。図3に示すように、内視鏡先端部35には、被観察領域へ照明光を照射するための照明部11aと、被観察領域の像を撮影するための撮像素子11bとが設けてある。
【0026】
照明部11aは、マルチモード光ファイバ71と、蛍光体72とを備えている。マルチモード光ファイバ71としては、例えば、コア径105μm、クラッド径125μm、外皮となる保護層を含めた径が直径0.3mm〜0.5mmの細径なものを使用することができる。
【0027】
マルチモード光ファイバ71は、光源装置45内の光源45aから出射される青色光を内視鏡先端部35の蛍光体72の近傍まで導く。蛍光体72は、マルチモード光ファイバ71によって導光された青色光の一部のエネルギーを吸収して励起され、緑色〜黄色の波長帯の可視光を発光する。蛍光体72は、複数種類の蛍光物質から形成されており、例えば、YAG系蛍光体、あるいはBAM(BaMgAl1017)等の蛍光物質などを含んで形成される。
【0028】
図3に示すように、蛍光体72の外周を覆うように筒状のスリーブ部材73が設けられている。スリーブ部材73の内部には、マルチモード光ファイバ71を中心軸として保持するフェルール74が挿入されている。更に、フェルール74の後端側(先端側とは逆側)から延出されるマルチモード光ファイバ71には、その外皮を覆うフレキシブルスリーブ75がスリーブ部材73との間に挿入されている。
【0029】
励起により蛍光体72に生じる発光光と、マルチモード光ファイバ71によって導光され蛍光体72を透過した青色光の一部とが合成され、白色に近いスペクトルの照明光として照射口35aから被観察領域へ向けて出射される。照射口35aの近傍には照明光を照射するための照射レンズ76が設けてある。
【0030】
図3に示すように、撮像素子11bは内視鏡先端部35の内部に固定された基板61上に配置してある。また、撮像素子11bの受光面にはプリズム62の一端面62aが接続されている。また、端面62aと90度向きが異なる別の端面62bに対物レンズユニット63が接続されている。対物レンズユニット63は、被観察領域と対向する観察窓35bから被観察領域の像を撮影できるように、その光をプリズム62を経由して撮像素子11bの受光面に導く。信号ケーブル64は、基板61上の撮像素子11bを制御装置13と電気的に接続する。
【0031】
再び図1に戻り、制御装置13はビデオプロセッサ45と光源装置43とで構成されている。光源装置43は、内視鏡先端部35の照射口に供給する照明光を発生する。ビデオプロセッサ45は、撮像素子11bから出力される画像信号を画像処理したり照明の光量を制御する光源制御手段として機能する。ビデオプロセッサ45及び光源装置43は、図2に示すようにコネクタ部29A,29Bを介して内視鏡11と接続される。
【0032】
また、ビデオプロセッサ45には、前述の表示部15と入力部17が接続されている。ビデオプロセッサ45は、内視鏡11の操作部25や入力部17からの指示に基づいて、内視鏡11から伝送されてくる撮像信号を画像処理し、表示部15へ表示用画像を生成して供給する。
【0033】
次に、内視鏡システムの信号処理について説明する。
図1に示すように、ビデオプロセッサ45には増幅器(AMP)51、相関二重サンプリング/プログラマブルゲインアンプ(以下、CDS/PGAと略す)52、A/D変換器53、画像処理部54、光量計測部55、記憶部56、マイクロコンピュータ(CPU)57、タイミングジェネレータ(TG)58、及び撮像素子ドライバ59が備わっている。
【0034】
増幅器51の入力には、撮像素子11bの撮影により得られる撮像信号が入力される。この撮像信号はゲインが一定の増幅器51で増幅された後、CDS/PGA52に入力される。CDS/PGA52は、増幅器51で増幅された撮像信号を入力し、撮像素子11bの各光電変換セルの蓄積電荷量に正確に対応したR(赤色)、G(緑色)、B(青色)各色のレベルを表すアナログ画像信号として出力する。
【0035】
CDS/PGA52から出力されるアナログ画像信号は、A/D変換器53に入力されてデジタル画像データに変換される。画像処理部54は、A/D変換器53から出力されるデジタル画像データに対して各種画像処理を施し、表示部15の画面に表示すべき画像の情報を生成する。従って、内視鏡11内の撮像素子11bにより撮影された映像、即ち、生体の被観察領域の二次元画像が表示部15に表示される。
【0036】
撮像素子11bの撮影や信号読み出しを制御するための制御入力端子には撮像素子ドライバ59の出力が接続されている。また、撮像素子ドライバ59の入力にはタイミングジェネレータ58の出力が接続されている。撮像素子ドライバ59は、タイミングジェネレータ58から入力される各種タイミング信号(クロックパルス)を用いて、撮像素子11bの撮影における各種タイミングを制御する。即ち、撮影により各セルの領域に蓄積された信号電荷を読み出すタイミングや、電子シャッタのシャッタ速度などを制御する。タイミングジェネレータ58は、光源ドライバ43bに与えるタイミング信号も生成する。
【0037】
本構成例のビデオプロセッサ45においては、接続された内視鏡11が、撮像素子11bとしてCCDイメージセンサとCMOSイメージセンサのいずれを搭載している場合であっても、所望の撮影動作を行うために必要なタイミング信号を出力できるようにタイミングジェネレータ58が構成されている。CCDイメージセンサのための制御とCMOSイメージセンサのための制御との切り替えについては、マイクロコンピュータ57からタイミングジェネレータ58に入力される指示によって行なわれる。
【0038】
グローバルシャッタ方式のCCDイメージセンサの場合には全画素の各セルに対する露光動作を同じタイミングで行うのに対し、一般的なローリングシャッタ方式のCMOSイメージセンサの場合には走査線毎(1行毎)にタイミングをずらして順番に露光及び信号読み出しを行う必要があるので、双方の方式に選択的に対応できるように構成してある。なお、CMOSイメージセンサにはグローバルシャッタ方式の素子もあり、その場合には、CCDイメージセンサのグローバルシャッタ方式と同様に扱うものとする。
【0039】
光量計測部55は、A/D変換器53から出力されるデジタル画像データに基づいて、光量を計測する。例えば、撮影により得られたデジタル画像データから、全領域の最大輝度や最小輝度や平均輝度などを検出することにより、所望の明るさの画像が撮影できているかどうかを把握できる。
【0040】
記憶部56には、調光のために光源ドライバ43bに指示する光量指示値と光源43aへの制御出力値との関係を表す制御パターンが各種記録されている。スコープ種、つまり、内視鏡11の撮像素子11bのシャッタ動作に連動して、即ち、CCDイメージセンサであるか、ローリングシャッタ方式のCMOSイメージセンサであるかに応じて、対応する制御パターンが取り出されて光源ドライバ43bに送信される。なお、光源ドライバ43b側がこの制御パターンを記憶していてもよい。
【0041】
マイクロコンピュータ57は、予め用意されたプログラムを実行して内視鏡システム100の全体の制御を行う。マイクロコンピュータ57の制御により行なわれる代表的な処理は次の通りである。
【0042】
1.制御装置13に接続された内視鏡11のスコープ情報メモリ11cから、この内視鏡11の情報を読み取る。この情報には、内視鏡11の撮像素子11bのシャッタ動作、つまり、電子シャッタ制御方式がグローバルシャッタ方式かローリングシャッタ方式のいずれであるかを表す内容が含まれている。
【0043】
2.読み取った上記の情報に応じて、グローバルシャッタ方式又はローリングシャッタ方式で撮像素子ドライバ59が撮像素子11bを駆動するように、タイミングジェネレータ58に指示を与える。
【0044】
3.ユーザの操作によって入力部17から入力されるシャッタ速度などの指示に応じて、指定されたシャッタ速度で撮像素子ドライバ59が撮像素子11bを駆動するように、タイミングジェネレータ58に指示を与える。
【0045】
4.読み取った上記の情報に応じて、記憶部56に保持されている複数の制御パターンのいずれかを自動的に選択する。これにより、グローバルシャッタ方式の場合とローリングシャッタ方式の場合とで異なる制御パターンが選択される。
【0046】
5.光量計測部55が計測した光量や、入力部17から入力される指定値などによって定まる照明制御用の光量指示値と、予め定めた制御パターンとに従って光源装置43が光量を制御するように光源装置43に指示を与える。
【0047】
図1に示すように、光源装置43には光源43a、光源ドライバ43b、集光レンズ43cが備わっている。光源ドライバ43bの制御による通電によって光源43aが発光して光が出射される。この光は、集光レンズ43cで集光されて、光ファイバ71に導入される。そして、光ファイバ71を伝って、照明部11aへと導かれる。
【0048】
なお、本実施形態では、光源43aとして、発振波長が405nmあるいは445nmの青色LED(発光ダイオード)、又はD(レーザダイオード)、例えば、例えばブロードエリア型のInGaN系レーザダイオードや、InGaNAs系レーザダイオードや、GaNAs系レーザダイオードなどが用いられる。
【0049】
光源ドライバ43bは、ビデオプロセッサ45のタイミングジェネレータ58及びマイクロコンピュータ57と接続されている。光源ドライバ43bは、マイクロコンピュータ57から与えられる指示と、タイミングジェネレータ58から入力される信号のタイミングとに基づき、パルス状の駆動電流を光源43aに供給する。光源ドライバ43bの制御の内容は、後述するようにグローバルシャッタ方式の場合とローリングシャッタ方式の場合とで自動的に切り替えられる。
【0050】
光源ドライバ43bの具体的な構成例が図4に示されている。同図に示す例では、光源ドライバ43bはLUT(ルックアップテーブル)101、タイマ回路102、定電流回路103を備えている。
【0051】
この光源ドライバ43bはパルス数変調(PNM)制御と、パルス幅変調(PWM)制御と、パルス振幅変調(PAM)制御と、パルス密度変調(PDM)制御とを必要に応じて組み合わせて、光源43aの電流を制御するための光源駆動信号を生成することができる。PAM、PWM、PDM、PNMの各制御の内容については後で説明する。
【0052】
LUT101には、指定された光量に対するPAM、PWM、PDM、PNMの各制御値の組み合わせが制御パターンとして複数登録されている。複数の制御パターンのそれぞれは、光量指示値に対する、パルス数変調(PNM)制御分と、パルス幅変調(PWM)制御分と、パルス振幅変調(PAM)制御分と、パルス密度変調(PDM)制御分のいずれか1つの制御分、又はいずれか2以上の複数の制御分の合計として光源の出射光強度を規定するものである。複数の制御を組み合わせて光源を制御することで、光源の出射光量のダイナミックレンジを拡大できる。
なお、LUT101は、各制御分をテーブルとして記憶する他、演算式により各制御分を求めるものであってもよい。
【0053】
タイマ回路102は、LUT101から入力されるPWM、PDM、PNMの各制御値とタイミングジェネレータ58から入力される信号のタイミングとに基づき、パルス状の駆動電流を光源43aに供給するための点滅信号を定電流回路103に与える。
【0054】
定電流回路103は、LUT101から入力されるPAMの制御値に相当する振幅信号と、タイマ回路102から出力される点滅信号とに基づいて、光源43aの電流を制御するための光源駆動信号を生成する。
【0055】
制御装置13に接続された内視鏡11の撮像素子11bがCCD型イメージセンサの場合のように、撮像素子の光電変換部の電荷蓄積期間がグローバルシャッタ方式の電子シャッタにより制御される場合の制御タイミングの例が図5に示されている。
【0056】
図5においては、撮像素子11bの走査を制御するための垂直走査信号VDと、電子シャッタパルスと、照明用の光源(図1の43a)であるレーザダイオードLDの駆動信号SLD(図4に示す光源駆動信号に相当する)とが示されている。また、図5に示す垂直走査信号VDにおける1つのパルスと次のパルスとの間が、1画面(1フレーム)の期間を表している。
【0057】
そして、電子シャッタパルスのONの期間(Ta)の間で、撮像素子11bの光電変換部の各画素に相当するセルの領域に、フォトダイオード等により受光強度と露光時間(Taに相当する)に応じた電荷が生成され蓄積される。この場合はグローバルシャッタ方式なので、全画素について同じタイミングで電荷が蓄積される。つまり、多数の画素のいずれにおいても、図5に示す時刻t1で電荷蓄積を開始し、電子シャッタの期間Taを経過した時刻t2で電荷蓄積を終了する。
【0058】
この場合の照明については、電子シャッタが開いている時以外は撮影される画像に影響がないので、照明光を制御するための光源駆動信号SLDについては、撮像素子11bの電荷蓄積のタイミング(t1〜t2)に同期するように、タイミングを合わせて光源を点灯するように制御される。
【0059】
図5に示す例では、パルス数変調(PNM)制御と、パルス幅変調(PWM)制御と、パルス振幅変調(PAM)制御とを組み合わせて、照明の光量を調光する場合を想定している。
【0060】
即ち、図5に示す光源駆動信号SLDを消灯(低レベル)から点灯(高レベル)に切り替える時刻t11を、電子シャッタを開く時刻t1の前後に可変することにより、点灯期間Tbの長さを調整し、これにより光量を制御する。光源駆動信号SLDを点灯から消灯に切り替える時刻t12については時刻t2と同じタイミングに固定する。点灯期間Tbは、下記PWM制御の点灯周期Tcの整数倍として制御する。これがPNM制御である。なお、点灯期間Tbは、1フレーム当たりの電荷蓄積期間Taに対して所定の比率以上に設定する。例えば所定の比率を1/2に設定すれば、動画再生時の不連続感をなくし、フリッカの発生も防止できる。
【0061】
また、図5に示す時刻t11からt12の点灯期間Tbの間であっても、非常に短い一定の点灯周期Tc(例えばTbの1/100程度)毎に、光源駆動信号SLDのオンオフを制御して点灯と消灯とを交互に繰り返す。そして、点灯周期Tcの各期間の中で、実際に点灯する時間を表すパルスの幅を調整する。これにより光量(点滅比率)を制御する。これがPWM制御である。
【0062】
また、光源駆動信号SLDのパルス(t11〜t12の間)の振幅を可変にすることにより、光源に流す電流の大きさ(瞬時値)を変更し、光源の点灯強度を調整することができる。これがPAM制御である。
【0063】
制御装置13に接続された内視鏡11の撮像素子11bがCMOS型イメージセンサで、撮像素子の光電変換部の電荷蓄積期間がローリングシャッタ方式の電子シャッタにより制御される場合の制御タイミングの例が図6に示されている。
【0064】
図6においては、撮像素子11bの走査を制御するための垂直走査信号VDと、多数の走査線のそれぞれに印加される電子シャッタパルスと、照明用の光源(図1の43a)であるレーザダイオードLDの駆動信号SLD(図4に示す光源駆動信号に相当する)とが示されている。図6に示す垂直走査信号VDにおける1つのパルスと次のパルスとの間が、1画面(1フレーム)の期間を表している。
【0065】
一般的なCMOS型イメージセンサの場合には、撮像素子の光電変換部の各画素位置で生成された信号電荷を全画素について同時に保持する要素が存在しないので、行方向及び列方向に多数並んだ画素群の1行毎に、順番に電荷蓄積及び信号電荷の読み出しを行う必要がある。従って、この場合はローリングシャッタ方式の電子シャッタにより制御される。
【0066】
この場合、図6に示すように、撮像素子11bに印加される電子シャッタパルスのタイミングは、走査線毎(画素群の行毎)に少しずつずれている。例えば、1番目の走査線L1では電子シャッタパルスは時刻t11でシャッタ開になり、時刻t21でシャッタ閉になるのに対し、n番目の走査線Lnでは電子シャッタパルスは時刻t1nでシャッタ開になり、時刻t2nでシャッタ閉になる。つまり、n番目の走査線Lnのシャッタ開の時刻t1n及びシャッタ開の時刻t2nは、1番目の走査線L1に対してそれぞれ時間Tc1及び時間Tc2だけ遅いタイミングになる。電子シャッタが開になってから閉になる間での期間(例えば図6中の「Tc1+Tb」)、即ち、各画素位置の電荷蓄積期間の長さは全ての走査線について同一である。
【0067】
例えば、図6に示すように各画素位置の電荷蓄積期間が画像の1フレームの期間(垂直走査信号VDのパルスの間隔)と同等である場合には、いずれのタイミングであっても照明の光源を消灯すれば、その影響が撮像素子11bの各画素位置の電荷蓄積量の変化として現れる。しかも、電荷蓄積期間のタイミングは行毎にずれているので、照明の光源を消灯したタイミングに応じて、撮像素子11bの行毎に異なる影響を及ぼす。
【0068】
従って、図6に示す例では、実質的に連続的に光源を点灯するように、照明用のレーザダイオードLDの駆動信号SLDを制御している。そのため、図6に示す例では前述のパルス数変調(PNM)制御は行っていないが、パルス幅変調(PWM)制御と、パルス振幅変調(PAM)制御と、パルス密度変調(PDM)制御を行っている。
【0069】
即ち、光源を点灯している期間(全期間)であっても、非常に短い周期で点灯と消灯とを周期的に繰り返し、光源が点滅するように駆動信号SLDを制御している。つまり、図6に示す時刻t31からt32の点灯周期Tdの間で光源駆動信号SLDのオンオフを制御して点灯と消灯と行い、実際に点灯する時間を表すパルスの幅を調整する。これにより光量(点滅比率)を制御する。これがPWM制御である。
また、PWM制御で用いる点灯周期Tdは一定ではなく、可変になっている。点灯周期Tdを調整する制御がPDM制御である。即ち、点灯周期Tdにおけるパルス幅(点灯期間Te)が一定であっても、点灯周期Tdが長くなれば照明の光量は減少し、点灯周期Tdが短くなれば照明の光量は増大する。また、光源駆動信号SLDのパルスの振幅を可変にすることにより、光源に流す電流の大きさ(瞬時値)を変更し、光源の点灯強度を調整することができる。これがPAM制御である。
【0070】
なお、図6に示す例では、照明用の光源を連続的に点灯するように光源駆動信号SLDを制御しているが、例えば図6に示す期間Tbのタイミングだけ照明を点灯し、それ以外のタイミングでは消灯するように変更しても良い。つまり、撮像素子11bのローリングシャッタ制御における行の切り替えを行うタイミング(Tc1、Tc2の各期間中)を避けてそれ以外のタイミングで光源を点灯する。この場合には、ローリングシャッタ制御であっても各行の実露光時間(電荷蓄積期間)の長さを一致させることができ、前述のパルス数変調(PNM)制御を行うことも可能である。つまり、ローリングシャッタ制御における行の切り替えのタイミングを意識することなく、照明の光量制御を行うことができる。
【0071】
前述のように、図1に示すマイクロコンピュータ57は、制御装置13に接続された内視鏡11のスコープ情報メモリ11cから、この内視鏡11の情報を読み取り、内視鏡11の撮像素子11bの電子シャッタ制御方式がグローバルシャッタ方式とローリングシャッタ方式のいずれであるかを区別する種別識別手段として機能する。そして、マイクロコンピュータ57は照明用の光源43aを制御するために用いる調光テーブルを、撮像素子の電子シャッタ動作に連動して、つまり、グローバルシャッタ方式、ローリングシャッタ方式の区別に応じて自動的に切り替える。
【0072】
調光テーブルは、光源43aの光量を制御するための光量指示値と制御出力値との関係を表し、例えば図4に示すLUT101上に配置されている。調光テーブルの制御出力値は、PAM制御用の制御値、PNM制御用の制御値、PWM制御用の制御値、PDM制御用の制御値のいずれか1つ又は複数の組み合わせとして構成される。光量指示値と制御出力値との関係を複数種類の制御パターンの中から選択的に切り替え可能にするために、複数の調光テーブルが予め用意されている。マイクロコンピュータ57は、状況に応じて、つまり、内視鏡11の撮像素子11bのグローバルシャッタ方式かローリングシャッタ方式かの区別や、その他の撮像条件に応じて、複数の調光テーブルの中から1つの調光テーブルを自動的に選択し使用可能にする。
【0073】
それぞれ異なる制御パターンの調光テーブルの特性が図7及び図8に示されている。図7に示す制御パターンはグローバルシャッタ方式の制御を行う場合に用いられ、図8に示す制御パターンはローリングシャッタ方式の制御を行う場合に用いられる。
【0074】
図7を参照すると、この制御パターンは、PNM制御の制御特性と、PWM制御の制御特性と、PAM制御の制御特性との3つの組み合わせで構成されている。図7の制御パターンの場合、光量指令値の0〜10の範囲では、最小振幅の一定のPAM制御値が出力され、同時に光量指令値の増大に伴って光量を増大させるように変化するPNM制御値が出力される。光量指令値が10を超えると、指令値の増大に伴ってPAM制御値は増大し、PNM制御値は一定値になる。PWM制御値については、光量指令値の0〜1000の全域に渡り、光量指令値の増大に伴って光量を増大させるように変化する。つまり、図7に示す制御パターンを採用した場合には、PNM制御と、PWM制御と、PAM制御の制御出力の組み合わせにより、光源に流れる電流、つまりは光量が決定される。
【0075】
図8を参照すると、この制御パターンは、PDM制御の制御特性と、PWM制御の制御特性と、PAM制御の制御特性との3つの組み合わせで構成されている。図8の制御パターンの場合、光量指令値の0〜10の範囲では、最小振幅の一定のPAM制御値が出力され、同時に光量指令値の増大に伴って光量を増大させるように変化するPDM制御値が出力される。光量指令値が10を超えると、指令値の増大に伴ってPAM制御値は増大し、PDM制御値は最大値(一定値)になる。PWM制御値については、光量指令値の0〜1000の全域に渡り、光量指令値の増大に伴って光量を増大させるように変化する。つまり、図8に示す制御パターンを採用した場合には、PDM制御と、PWM制御と、PAM制御の制御出力の組み合わせにより、光源に流れる電流、つまりは光量が決定される。
【0076】
マイクロコンピュータ57は、内視鏡11の撮像素子11bがグローバルシャッタ方式のCCDイメージセンサであると認識した場合には、例えば図7に示したような制御パターンの調光テーブルを自動的に選択する。従って、この場合にはPAM制御と、PNM制御と、PWM制御との組み合わせにより光源の光量が制御される。なお、更にPDM制御を組み合わせることもできるが、グローバルシャッタ方式の場合はシャッタ開期間(図6のTbの範囲内に相当)のみに限定したPDM制御にする必要がある。
【0077】
マイクロコンピュータ57は、内視鏡11の撮像素子11bがローリングシャッタ方式のCMOSイメージセンサであると認識した場合には、例えば図8に示したような制御パターンの調光テーブルを自動的に選択する。従って、この場合にはPAM制御と、PDM制御と、PWM制御との組み合わせにより光源の光量が制御される。
【0078】
内視鏡11の撮像素子11bがグローバルシャッタ方式である場合には、電子シャッタが開いているタイミングが全画素共通である。また、電子シャッタが閉じている時の照明光は撮影に利用されないだけでなく、内視鏡11の先端部や被観察部の発熱を増大させることに繋がる。従って、このような状況においては、少なくともPNM制御を行って、電子シャッタが閉じている時に照明用の光源を消灯するのが望ましく、電子シャッタの開閉のタイミングとは無関係に光源を連続的に点灯するPDM制御は適さない。
【0079】
一方、内視鏡11の撮像素子11bがローリングシャッタ方式である場合には、電子シャッタが開いているタイミングが画素群の行毎に少しずつずれる。従って、この場合は行毎に照明光量が変化しないように、照明用の光源を連続的に発光させる必要がある。つまり、PNM制御は適さず、PDM制御を用いて光量を調整するのが望ましい。
【0080】
上述の内視鏡システム100においては、制御装置13のマイクロコンピュータ57が、接続された内視鏡11の撮像素子11bの種別を検出し、その違いに応じて照明の調光方式を自動的に切り替える。これにより、グローバルシャッタ方式、ローリングシャッタ方式のいずれの方式の撮像素子11bを搭載した内視鏡11であっても、適切な調光制御を行うことができる。
【0081】
また、上述の内視鏡システム100においては、制御装置13の光源ドライバ43bが、光源43aの点灯光量、点灯比率、点灯時間、点灯密度を統合的に制御する。これにより、撮像素子11bの種類や撮像モードに応じて適切な照明モードを提供できる。また、複数の制御を組み合わせることにより、調光のダイナミックレンジを拡大できる。
【0082】
前述の内視鏡システム100が照明に用いる光のスペクトルに関する具体例が図9に示されている。図9に示すスペクトルS1は、中心波長が405nmのレーザ光源を光源43aとして採用した場合に内視鏡先端部35から生体等の被観察部に照射される照明光の波長毎の強度分布を表している。また、スペクトルS2は、中心波長が445nmのレーザ光源を光源43aとして採用した場合に内視鏡先端部35から生体等の被観察部に照射される照明光の波長毎の強度分布を表している。
【0083】
例えば、青色光である445nmのレーザ光を光源43aで発光し、この青色光を内視鏡11の照明部11aに導いて蛍光体72に照射する。この場合、青色光の一部のエネルギーは蛍光体72に吸収され、これにより蛍光体72が励起されて発光する。蛍光体72の発光光は、緑色〜黄色の波長帯の可視光である。そして、蛍光体72に吸収されずに透過する青色光の残りのエネルギーの成分と、蛍光体72の励起による発光光とが加算され、図9に示したスペクトルS2のような波長分布の白色の照明光として、内視鏡先端部35から被観察部に照射される。
【0084】
同様に、405nmのレーザ光を光源43aで発光し、このレーザ光を内視鏡11の照明部11aに導いて蛍光体72に照射した場合には、図9に示したスペクトルS1のような波長分布の照明光として、内視鏡先端部35から被観察部に照射される。
【0085】
次に、内視鏡システム100の照明光に関する変形例について説明する。
第1変形例における内視鏡先端部35の構成で、被観察部側から内視鏡先端部35の先端側の端面を見た状態が図10に示されている。また、第1変形例における光源装置43の構成が図11に示されている。
【0086】
図10に示す例では、内視鏡先端部35に1つの観察窓201と、その両脇に配置された2つの照明窓202、203とが設けてある。このように、観察窓201の両脇に照明窓202、203を配置し、照明窓202、203からそれぞれ照明光を出射することで、観察画像に照明むらが生じにくくなり、鉗子孔に処置具を挿入して内視鏡先端から突出させた場合に、観察画像内に処置具の影が生じることを防止でき、広い範囲にわたって十分な光量が得られる。
【0087】
図10に示す内視鏡11を用いる場合には、光源装置43として例えば図11に示すような構成の光源装置43Aを用いる。図11に示す光源装置41Aは、中心波長445nmのレーザ光源LD1と、中心波長405nmのレーザ光源LD2とを備えている。
【0088】
2つのレーザ光源LD1、LD2は、それぞれ独立した光源ドライバ43b1、43b2に接続されており、個別に出射光量が制御される。2つのレーザ光源LD1、LD2の出力光は、コンバイナ211により合波され、カプラ212により複数の光路に分波されて、各光路の光出射端に配置された蛍光体213、214に照射される。
【0089】
2つのレーザ光源LD1、LD2のうちレーザ光源LD1のみを点灯すれば、通常観察用の白色照明光が照明光として出射される。即ち、中心波長445nmのレーザ光が照射された蛍光体213、214の励起によって生じる蛍光体213、214の発光光と、蛍光体213、214を透過した中心波長445nmのレーザ光とが加算されて白色に近いスペクトルの照明光が得られる。
【0090】
また、2つのレーザ光源LD1:LD2を約1:7の光量比で同時に点灯すれば、狭帯域光観察用の照明光で、組織表層の微細血管が強調された観察像が得られる。更に、2つのレーザ光源LD1:LD2を約4:1の光量比で同時に点灯すれば、白色光と狭帯域光とのハイブリッド照明光が得られる。これによれば、通常観察像に組織表層の微細血管の情報が重畳された観察像が得られる。
【0091】
2つのレーザ光源LD1、LD2を用いることにより、図9に示したスペクトルS1、S2のような照明光が得られる。また、中心波長445nmの青色レーザ光と、中心波長405nmの紫色レーザ光を同時に出射して合波する場合には、中心波長445nmの青色レーザ光で不足する460〜470nm近辺の波長帯域光が、中心波長405nmの紫色レーザ光から出射される同帯域の光によって補われ、白色光の色調(演色性)が改善される。
【0092】
第2変形例における光源装置43の構成が図12に示されている。図10に示したように複数系統の照明窓から照明光を出射できる場合には、例えば図12に示した光源装置43Bを用いて、複数系統の照明窓から互いにスペクトルの異なる光を出射しても良い。
【0093】
図12に示した光源装置43Bにおいては、光源装置43Aと同様に、中心波長445nmのレーザ光源LD1と、中心波長405nmのレーザ光源LD2とを備えている。レーザ光源LD1、LD2の出力光については、合波や分波は行わず、レーザ光源LD1の出力光はそのまま蛍光体215に照射し、レーザ光源LD2の出力光は拡散部材216を介して照明窓に導く。この場合、中心波長405nmのレーザ光の蛍光体を介さずに照射できるので、狭帯域光のまま照明光として利用でき、内視鏡による蛍光観察等を行う際に、ノイズの少ない画像が得られる。
【0094】
第3変形例における内視鏡先端部35の構成で、被観察部側から内視鏡先端部35の先端側の端面を見た状態が図13に示されている。また、第3変形例における光源装置43の構成が図14に示されている。
【0095】
図13に示す例では、内視鏡先端部35に1つの観察窓231と、その両脇に配置された2対の照明窓(232、233、234、235)とが設けてある。図13に示す例では、照明窓232と照明窓235とが対をなし、照明窓233と照明窓234とが対をなしている。そして、対をなす2つの照明窓から同種の照明光を出射するように構成する。2対の照明窓を用いることにより、それぞれ異なるスペクトルの光を同時に出射することができる。即ち、一方の対の照明窓から第1のスペクトルの照明光を出射し、他方の対の照明窓から第2のスペクトルの照明光を出射する。
【0096】
なお、観察窓の両脇に設ける2対の照明窓については、観察窓の中心点を通り、かつ、挿入部先端の先端面を二等分する直線を境界線Pとし、一対の各々の照明窓は境界線Pを跨ぐように配置され、一対の第1の照明窓(232と235)は白色光を照射する照明窓であって、一対の第2の照射窓(233と234)は白色光より狭い狭帯域光を照射する照明窓であるように構成されている。
【0097】
図13に示す内視鏡11を用いる場合には、光源装置43として例えば図14に示すような構成の光源装置43Cを用いる。図14に示す光源装置43Cは、中心波長445nmのレーザ光源LD1と、中心波長405nmのレーザ光源LD2と、中心波長472nmのレーザ光源LD3と、中心波長780nmのレーザ光源LD4を備えている。
【0098】
4つのレーザ光源LD1、LD2、LD3、LD4は、それぞれ独立した光源ドライバ43b1、43b2、43b3、43b4に接続されており、個別に出射光量が制御される。2つのレーザ光源LD1、LD2の出力光は、コンバイナ221により合波され、カプラ222により2つの光路に分波されて、各光路の光出射端に配置された蛍光体225、226に照射される。また、他の2つのレーザ光源LD3、LD4の出力光は、コンバイナ223により合波され、カプラ224により2つの光路に分波されて、各光路の光出射端に配置された拡散部材227、228を介して照明窓に導かれる。
【0099】
図13、図14に示した構成の第3変形例においては、中心波長405nm、445nm、472nmのLDをそれぞれ順次点灯させて撮像することで、観察画像から酸素飽和度の情報を抽出できる。具体的には、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンの中で、酸化ヘモグロビンHbO2と、酸素放出後の還元ヘモグロビンHbの吸光スペクトルの差を利用して、観察領域の酸素飽和度と血管深さを求めることができる。酸化ヘモグロビンHbO2と還元ヘモグロビンHbは、波長405nm付近では吸光度は略等しく、波長445nm付近では還元ヘモグロビンHbが酸化ヘモグロビンHbO2よりも吸光度が高く、波長472nm付近では酸化ヘモグロビンHbO2が還元ヘモグロビンHbよりも吸光度が高くなっている。また、レーザ光の粘膜組織表層からの深達度は、レーザ光の波長が短い程浅くなる特性を有する。これらの特性を利用して、観察領域の酸素飽和度と、観察領域に映出された血管深さとを求める。
【0100】
中心波長785nmのレーザ光は、粘膜組織深層の血管情報を観察するために好適に用いられ、ICG(インドシアニングリーン)を利用した赤外光観察や血管ナビゲーションを行うことができる。このICGは、血中で蛋白と結合した状態となり、805nmを最大吸収波長とする例えば波長750〜850nmの近赤外光を吸収し、近赤外蛍光を発生する。
【0101】
この照明パターンによれば、白色光に加えて近赤外光を照射できるため、特に可視光では得ることの難しい粘膜組織深層の血管情報を抽出できる。例えばこの投光ユニットを気管支周辺の血管の位置情報を得るための内視鏡ナビゲーションシステムに適用する場合には、血管内に注入したICGに向けて中心波長785nmのレーザ光を照射する。すると、血液とICGが反応した部分でピーク波長830nmのブロードな分光特性の蛍光が発生するので、この発生した蛍光を目印にすることで、位置精度を高めて正確な処置が行える。更に複数の投光ユニットを用いるので、各投光ユニットからの光を合わせて高強度の光照射が可能となる。
【0102】
更に、レーザ光源LD3、LD4として、中心波長が375nm,405nm、445nm等のレーザ光を出射するものを利用しても良い。波長が375nmのレーザ光は、蛍光薬剤である「ルシフェラーゼ」を用いて蛍光観察を行う場合の励起光となる。また、波長が405nm、445nmのレーザ光は、蛍光体を通さずに照射できるため、狭帯域光のまま照射できる。
【0103】
このように、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
【0104】
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 光源からの光を被検体に照射する照明光学系、及び被検体を撮像する撮像素子を含む撮像光学系を有する内視鏡と、該内視鏡が着脱自在に接続される制御装置と、を備える内視鏡システムであって、
前記光源の出射光強度を、前記制御装置から入力される光量指示値に応じて制御する光源制御手段と、
前記制御装置に接続された内視鏡に搭載の撮像素子の種別を識別する種別識別手段と、
を有し、
前記光源制御手段が、前記光量指示値と前記光源への制御出力値との関係を表す制御パターンを複数種備え、前記種別識別手段による識別結果に基づいて前記いずれかの制御パターンに切り替え、該切り替えた制御パターンに基づいて前記光源の出射光強度を制御する内視鏡システム。
【0105】
この内視鏡システムによれば、制御装置に接続される内視鏡がどのような種類の撮像素子を搭載していても、その撮像素子に対応した制御パターンに切り替えるため、撮像素子に応じた最適な光源制御が行える。これにより、広ダイナミックレンジの光量制御が可能となる。
【0106】
(2) (1)の内視鏡システムであって、
前記光源制御手段が、前記撮像素子のシャッタ動作に連動して前記制御パターンを切り替える内視鏡システム。
【0107】
この内視鏡システムによれば、撮像素子のシャッタ動作に連動して制御パターンを切り替えることで、シャッタ動作に最適な出射光制御が行える
【0108】
(3) (1)又は(2)の内視鏡システムであって、
前記種別識別手段が、前記撮像素子の種別として、グローバルシャッタ方式で制御される撮像素子か、ローリングシャッタ方式で制御される撮像素子かを識別する内視鏡システム。
【0109】
この内視鏡システムによれば、使用する撮像素子のシャッタ方式に応じて制御パターンを変更するので、各撮像素子に対して最適な制御を行うことができる。例えばグローバルシャッタ方式においては、各画素の露光時間が全画素で同時のタイミングに設定され、シャッタ閉時には発熱を避けるために消灯する制御が好ましい。また、ローリングシャッタ方式においては、各画素の露光時間が走査ライン毎で異なるため、光源の連続発光が必要となる。そのため、各ラインの実露光時間が均等になる制御が好ましい。このような撮像素子の種別に応じて最適な制御が行える。
【0110】
(4) (3)の内視鏡システムであって、
前記制御パターンが、前記光量指示値に対応する、
前記光源の点灯時間を変更するパルス数変調制御による制御分、
点灯と消灯のデューティ比を変更するパルス幅変調制御による制御分、
点灯強度を変更するパルス振幅変調制御による制御分、
点灯間隔を変更するパルス密度変調制御による制御分
のうち、少なくとも3つの制御分の合計で、前記光源の出射光強度を規定するものである内視鏡システム。
【0111】
この内視鏡システムによれば、指定される光量指示値に対応して、パルス数変調制御、パルス幅変調制御、パルス振幅変調制御、パルス密度変調制御の少なくとも3つを含む制御による各制御分を、予め定めた各制御の設定値カーブからそれぞれ求め、これら各制御による制御分を合計して光源の出射光強度を規定することで、各制御方式の組み合わせにより、低出力から高出力までの広いダイナミックレンジの範囲で、高い連続性を維持しつつ出射光強度を設定できる。
【0112】
(5) (4)の内視鏡システムであって、
前記種別識別手段が、前記撮像素子をグローバルシャッタ方式の撮像素子と識別した場合に、
前記光源制御手段が、前記パルス数変調制御と、前記パルス幅変調制御と、前記パルス振幅変調制御との3つを組み合わせた制御パターンで前記光源を制御する内視鏡システム。
【0113】
この内視鏡システムによれば、グローバルシャッタ方式の撮像素子である場合に、パルス数変調制御、パルス幅変調制御、パルス振幅変調制御を組み合わせた制御パターンで光源を制御することにより、特にシャッタ閉時において、パルス数変調制御による点灯時間の調整によって光源を消灯させることができ、シャッタ閉時における無駄な発熱を防止できる。
【0114】
(6) (4)の内視鏡システムであって、
前記種別識別手段が、前記撮像素子をローリングシャッタ方式の撮像素子と識別した場合に、
前記光源制御手段が、前記パルス密度変調制御と、前記パルス幅変調制御と、前記パルス振幅変調制御との3つを組み合わせた制御パターンで前記光源を制御する内視鏡システム。
【0115】
この内視鏡システムによれば、ローリングシャッタ方式の撮像素子である場合に、パルス密度変調制御、パルス幅変調制御、パルス振幅変調制御を組み合わせた制御パターンで前記光源を制御することにより、特にパルス密度変調制御による点灯周期の変更によって各ラインの実露光時間を均等にした光源制御が行える。
【0116】
(7) (1)〜(6)のいずれか1つの内視鏡システムであって、
前記内視鏡が、該内視鏡に搭載される撮像素子の種別情報を保存する識別情報記憶部を備え、
前記種別識別手段が、前記制御装置に接続された内視鏡の前記識別情報記憶部から前記撮像素子の種別情報を読み出して前記撮像素子の種別を識別する内視鏡システム。
【0117】
この内視鏡システムによれば、識別情報記憶部から、撮像素子の種別情報を読み出すことで、簡単かつ確実に撮像素子の種別を判定できる。
【0118】
(8) (1)〜(7)のいずれか1つの内視鏡システムであって、
前記照明光学系が、前記光源からの出射光を導光する光ファイバと、該光ファイバの光出射端の光路前方に配置され前記出射光により励起されて発光する蛍光体と、を含んで構成され、前記光源からの出射光と前記蛍光体からの発光光とを混合して照明光を生成する内視鏡システム。
【0119】
この内視鏡システムによれば、光源からの出射光と蛍光体からの発光とを混合して、照明光を生成するので、例えば、青色の励起光と、これにより励起発光される蛍光とによって白色光を生成する等、任意の色の照明光が容易に生成できる。
【0120】
(9) (1)〜(8)のいずれか1つの内視鏡システムであって、
前記照明光学系が、複数の光源からの出射光を照射するものであり、前記光源制御部が、前記複数の光源をそれぞれを個別に駆動する内視鏡システム。
【0121】
この内視鏡システムによれば、個別に制御することで、複数種の光を同じ照明光学系から出射させることができ、内視鏡先端部をより小型化に有利な構成にできる。
【0122】
(10) (1)〜(9)のいずれか1つの内視鏡システムであって、
前記光源が、半導体発光素子からなる内視鏡システム。
この内視鏡システムによれば、高い応答性で、高効率で照明光を生成できる。
【符号の説明】
【0123】
11 内視鏡
11a 照明部
11b 撮像素子
11c スコープ情報メモリ
13 制御装置
15 表示部
17 入力部
19 内視鏡挿入部
35 内視鏡先端部
43 光源装置
45 ビデオプロセッサ
61 基板
62 プリズム
63 対物レンズユニット
72 蛍光体
100 内視鏡システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源からの光を被検体に照射する照明光学系、及び被検体を撮像する撮像素子を含む撮像光学系を有する内視鏡と、該内視鏡が着脱自在に接続される制御装置と、を備える内視鏡システムであって、
前記光源の出射光強度を、前記制御装置から入力される光量指示値に応じて制御する光源制御手段と、
前記制御装置に接続された内視鏡に搭載の撮像素子の種別を識別する種別識別手段と、
を有し、
前記光源制御手段が、前記光量指示値と前記光源への制御出力値との関係を表す制御パターンを複数種備え、前記種別識別手段による識別結果に基づいて前記いずれかの制御パターンに切り替え、該切り替えた制御パターンに基づいて前記光源の出射光強度を制御する内視鏡システム。
【請求項2】
請求項1記載の内視鏡システムであって、
前記光源制御手段が、前記撮像素子のシャッタ動作に連動して前記制御パターンを切り替える内視鏡システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の内視鏡システムであって、
前記種別識別手段が、前記撮像素子の種別として、グローバルシャッタ方式で制御される撮像素子か、ローリングシャッタ方式で制御される撮像素子かを識別する内視鏡システム。
【請求項4】
請求項3記載の内視鏡システムであって、
前記制御パターンが、前記光量指示値に対応する、
前記光源の点灯時間を変更するパルス数変調制御による制御分、
点灯と消灯のデューティ比を変更するパルス幅変調制御による制御分、
点灯強度を変更するパルス振幅変調制御による制御分、
点灯間隔を変更するパルス密度変調制御による制御分
のうち、少なくとも3つの制御分の合計で、前記光源の出射光強度を規定するものである内視鏡システム。
【請求項5】
請求項4記載の内視鏡システムであって、
前記種別識別手段が、前記撮像素子をグローバルシャッタ方式の撮像素子と識別した場合に、
前記光源制御手段が、前記パルス数変調制御と、前記パルス幅変調制御と、前記パルス振幅変調制御との3つを組み合わせた制御パターンで前記光源を制御する内視鏡システム。
【請求項6】
請求項4記載の内視鏡システムであって、
前記種別識別手段が、前記撮像素子をローリングシャッタ方式の撮像素子と識別した場合に、
前記光源制御手段が、前記パルス密度変調制御と、前記パルス幅変調制御と、前記パルス振幅変調制御との3つを組み合わせた制御パターンで前記光源を制御する内視鏡システム。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれか1項記載の内視鏡システムであって、
前記内視鏡が、該内視鏡に搭載される撮像素子の種別情報を保存する識別情報記憶部を備え、
前記種別識別手段が、前記制御装置に接続された内視鏡の前記識別情報記憶部から前記撮像素子の種別情報を読み出して前記撮像素子の種別を識別する内視鏡システム。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれか1項記載の内視鏡システムであって、
前記照明光学系が、前記光源からの出射光を導光する光ファイバと、該光ファイバの光出射端の光路前方に配置され前記出射光により励起されて発光する蛍光体と、を含んで構成され、前記光源からの出射光と前記蛍光体からの発光光とを混合して照明光を生成する内視鏡システム。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のいずれか1項記載の内視鏡システムであって、
前記照明光学系が、複数の光源からの出射光を照射するものであり、前記光源制御手段が、前記複数の光源をそれぞれを個別に駆動する内視鏡システム。
【請求項10】
請求項1〜請求項9のいずれか1項記載の内視鏡システムであって、
前記光源が、半導体発光素子からなる内視鏡システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−19982(P2012−19982A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−160681(P2010−160681)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】