内視鏡装置及びその駆動方法
【課題】色ずれを防いで画質向上を図ることが可能な内視鏡装置を提供する。
【解決手段】R光を発光するLED1aと、G光を発光するLED1bと、B光を発光するLED1cとを含む光源1と、R光、G光、B光を受光可能で且つ受光した光に応じた電荷を発生する光電変換部11及び光電変換部11で発生した電荷を選択的に蓄積可能なフローティングゲートFG1,FG2,FG3を含む複数の画素部100と、フローティングゲートFG1,FG2,FG3の各々に蓄積された電荷に応じた信号を独立に読み出す読み出し回路20とを有する固体撮像素子10とを備える。
【解決手段】R光を発光するLED1aと、G光を発光するLED1bと、B光を発光するLED1cとを含む光源1と、R光、G光、B光を受光可能で且つ受光した光に応じた電荷を発生する光電変換部11及び光電変換部11で発生した電荷を選択的に蓄積可能なフローティングゲートFG1,FG2,FG3を含む複数の画素部100と、フローティングゲートFG1,FG2,FG3の各々に蓄積された電荷に応じた信号を独立に読み出す読み出し回路20とを有する固体撮像素子10とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の画素部を有する固体撮像素子を備える内視鏡装置及びその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子内視鏡装置には、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の各光で対象物を順次照明し、対象物からの光をカラーフィルタのない固体撮像素子で受光して撮影を行う面順次方式と、対象を白色光で照明し、RGBカラーフィルタを搭載した固体撮像素子で対象物からの光を受光して撮影を行う面同時方式とがある。
【0003】
面順次方式の電子内視鏡装置は、固体撮像素子の各画素からRGBの色信号が得られるため、信号補間処理が不要となり、偽色が発生しにくい。また、カラーフィルタがないことにより、光源の色特性(RGB各色の分光特性)で色再現性を決められるので、忠実度の高い映像を得ることができる。また、カラーフィルタを搭載していないため、固体撮像素子の小型化を実現でき、内視鏡の細径化を図ることができ、患者への負担を軽くすることができる。このように、面順次方式には、種々の利点があり、画質向上による診断精度の向上や、内視鏡の細径化による患者の負担減を図る上で、面順次方式は有効である。
【0004】
面順次方式における被写体の照明方式としては、白色光を発光する光源とRGBの各色光を透過するカラーフィルタとを組み合わせた方式と、R光、G光、B光をそれぞれ発光する3つの光源を用いる方式とがあり、後者の方式については例えば特許文献1に開示されている。
【0005】
しかしながら、面順次方式では、例えば、R光発光→信号読み出し→G光発光→信号読み出し→B光発光→信号読み出しのステップを踏むため、信号読み出し期間が長くなる。このため、次の発光までの時間が長くなり、この間に被写体が動く可能性も高くなって、色ずれが発生して画質が低下する恐れがある。信号読み出し期間を短くすれば色ずれは抑制できるが、信号読み出しを高速化しようとすると、各画素の露光時間を短くせざるを得なくなり、感度低下が避けられない。また、高速行動に伴い素子自体の発熱量が多くなり、好ましくない。多画素化が進めば、当然、信号読み出し期間も長くなるため、今後は、このような画質低下を抑制することがより一層求められてくる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−275243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、色ずれを防いで画質向上を図ることが可能な内視鏡装置及びその駆動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の内視鏡装置は、第一の光と、第二の光と、第三の光との発光を独立に行うことが可能な光源と、前記第一の光、前記第二の光、前記第三の光を受光可能で且つ受光した光に応じた電荷を発生する光電変換部及び前記光電変換部で発生した電荷を選択的に蓄積可能な複数の電荷蓄積部を含む複数の画素部と、前記複数の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を独立に読み出す信号読み出し部とを有する固体撮像素子とを備える。
【0009】
本発明の内視鏡装置の駆動方法は、複数の画素部を有する固体撮像素子を備えた内視鏡装置の駆動方法であって、前記画素部が、被写体から入射してくる光を受光しこれに応じた電荷を発生する光電変換部及び前記光電変換部で発生した電荷を選択的に蓄積可能な第一の電荷蓄積部、第二の電荷蓄積部、及び第三の電荷蓄積部を含み、第一の光を発光させ、前記第一の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第一の電荷蓄積部に蓄積させる第一の駆動ステップと、第二の光を発光させ、前記第二の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第二の駆動ステップと、第三の光を発光させ、前記第三の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第三の駆動ステップと、前記第一の駆動ステップ、前記第二の駆動ステップ、及び前記第三の駆動ステップの終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出すステップとを備える。
【0010】
本発明の内視鏡装置の駆動方法は、複数の画素部を有する固体撮像素子を備えた内視鏡装置の駆動方法であって、前記画素部が、被写体から入射してくる光を受光しこれに応じた電荷を発生する光電変換部及び前記光電変換部で発生した電荷を選択的に蓄積可能な第一の電荷蓄積部、第二の電荷蓄積部、及び第三の電荷蓄積部を含み、G光、B光、及びR光を同時に又は連続して発光させ、該発光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第一の電荷蓄積部に蓄積させる第一の駆動ステップと、B光を発光させ、B光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第二の駆動ステップと、R光を発光させ、R光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第三の駆動ステップと、前記第一の駆動ステップ、前記第二の駆動ステップ、及び前記第三の駆動ステップの終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出すステップと、前記第一の電荷蓄積部から読み出した信号と前記第二の電荷蓄積部から読み出した信号とから第一の色差信号を生成し、前記第一の電荷蓄積部から読み出した信号と前記第三の電荷蓄積部から読み出した信号とから第二の色差信号を生成するステップとを備える。
【0011】
本発明の内視鏡装置の駆動方法は、複数の画素部を有する固体撮像素子を備えた内視鏡装置の駆動方法であって、前記画素部が、被写体から入射してくる光を受光しこれに応じた電荷を発生する光電変換部及び前記光電変換部で発生した電荷を選択的に蓄積可能な第一の電荷蓄積部及び第二の電荷蓄積部を含み、第一の光を発光させ、前記第一の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を全ての前記画素部の前記第一の電荷蓄積部に蓄積させる第一の駆動ステップと、第二の光を発光させ、前記第二の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記複数の画素部のうちの半分の画素部の前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第二の駆動ステップと、第三の光を発光させ、前記第三の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記複数の画素部のうちの残り半分の画素部の前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第三の駆動ステップと、前記第一の駆動ステップ、前記第二の駆動ステップ、及び前記第三の駆動ステップの終了後、前記第一の電荷蓄積部及び前記第二の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出すステップと、前記画素部から得られない前記第二の光に応じた信号又は前記第三の光に応じた信号を、該画素部の周囲の前記画素部から得られた前記第二の光に応じた信号及び前記第三の光に応じた信号を用いて補間する補間ステップとを備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、色ずれを防いで画質向上を図ることが可能な内視鏡装置及びその駆動方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態を説明するための内視鏡装置の概略構成を示す図
【図2】図1の固体撮像素子の概略構成を示す図
【図3】図2に示す1つの画素部100の内部構成の等価回路図
【図4】図3に示した等価回路図に基づく画素部100のレイアウト例を示した平面模式図
【図5】図1に示す内視鏡装置の動作を説明するためのタイミングチャート
【図6】図1に示す内視鏡装置の電荷蓄積動作を説明するための模式図
【図7】図1に示す内視鏡装置の効果を説明するための図
【図8】図1に示す内視鏡装置の第一の変形例の動作を説明するためのタイミングチャート
【図9】図1に示す内視鏡装置の第一の変形例の電荷蓄積動作を説明するための模式図
【図10】図1に示す内視鏡装置の第二の変形例を示す図
【図11】カラーフィルタの分光特性と特殊光の輝線との関係を示した図
【図12】図1に示す内視鏡装置の第二の変形例の動作を説明するためのタイミングチャート
【図13】図1に示す内視鏡装置の第二の変形例の電荷蓄積動作を説明するための模式図
【図14】図1に示す内視鏡装置の第三の変形例を示す図
【図15】図1に示す内視鏡装置の第三の変形例の動作を説明するためのタイミングチャート
【図16】図1に示す内視鏡装置の第三の変形例の電荷蓄積動作を説明するための模式図
【図17】図1に示す内視鏡装置の第四の変形例を示す図であり、画素部の変形構成例を示した等価回路図
【図18】図1に示す内視鏡装置の第五の変形例を示す図であり、画素部の変形構成例を示した等価回路図
【図19】図1に示す内視鏡装置の第五の変形例の動作を説明するためのタイミングチャート
【図20】図1に示す内視鏡装置の第五の変形例の電荷蓄積動作を説明するための模式図
【図21】本発明の一実施形態を説明するための固体撮像素子の別例の概略構成を示す平面模式図
【図22】図21に示した固体撮像素子における画素部の等価回路を示した図
【図23】図21に示した固体撮像素子の画素部の平面レイアウト例を示す平面模式図
【図24】図23に示す画素部のA−A’線断面模式図
【図25】図23に示す画素部のB−B’線断面模式図
【図26】図21に示した固体撮像素子の変形例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態を説明するための内視鏡装置の概略構成を示す図である。図1に示す内視鏡装置は、光源1と、固体撮像素子10と、光源駆動部21と、信号処理部23と、システム制御部24と、表示部22と、操作部25とを備える。
【0016】
光源1は、Rの波長域(一般的には約550nm〜約700nm)の光を発光するLED1aと、Gの波長域(一般的には約450nm〜約610nm)の光を発光するLED1bと、Bの波長域(一般的には約380nm〜約520nm)を発光するLED1cとを備える。これらは、一例としてLEDとしているが、上述したR,G,Bの波長域の光を発光できるものであれば何でも良い。
【0017】
LED1a、1b、1cは、それぞれ光源駆動部21によって独立に駆動される。各LEDから発せられた光は、図示しないライトガイドを介して固体撮像素子10前方の撮影対象物(被写体)へと当てられる。
【0018】
信号処理部23は、固体撮像素子10から出力される撮像信号に信号処理を施して画像データを生成する。生成された画像データは記録媒体に記録されたり、表示部22に表示されたりする。
【0019】
システム制御部24は、内視鏡装置全体を統括制御する。操作部25は、内視鏡装置の各種操作を行うためのインターフェースである。
【0020】
図2は、図1の固体撮像素子10の概略構成を示す図である。図3は、図2に示す1つの画素部100の内部構成の等価回路を示した図である。
【0021】
固体撮像素子10は、同一平面上の行方向とこれに直交する列方向にアレイ状(ここでは正方格子状)に配列された複数の画素部100を備える。
【0022】
画素部100は、N型シリコン基板とこの上に形成されたPウェル層からなる半導体基板内に形成されたN型不純物層11を備える。N型不純物層11はPウェル層内に形成され、このN型不純物層11とPウェル層とのPN接合により、光電変換部として機能するフォトダイオード(PD)が形成される。以下では、N型不純物層11のことを光電変換部11と言う。
【0023】
画素部100には、光電変換部11で発生した電荷を選択的に蓄積可能な複数の電荷蓄積部として3つの電荷蓄積部が形成されている。以下、この3つの電荷蓄積部を、第一の電荷蓄積部と第二の電荷蓄積部と第三の電荷蓄積部と言う。
【0024】
第一の電荷蓄積部は、書き込みトランジスタWT1と、読み出しトランジスタRT1とを備える。
【0025】
書き込みトランジスタWT1は、電荷蓄積領域である電気的に浮遊したフローティングゲートFG1を有し、光電変換部11をソース及びドレインとする2端子構造(光電変換部11に接続されたソースと書き込みコントロールゲートWCG1の2端子構造)のMOSトランジスタであり、書き込みコントロールゲートWCG1によってその動作が制御される。書き込みコントロールゲートWCG1は、書き込み制御線wcg1を介して制御部40と接続されている。書き込みトランジスタWT1では、書き込みコントロールゲートWCG1に書き込みパルスが印加されることで、ファウラ−ノルドハイム(F−N)トンネル電流を用いて電荷を注入するFNトンネル注入、ダイレクトトンネル注入、ホットエレクトロン注入等により、光電変換部11で発生した電荷がフローティングゲートFG1に注入されて蓄積されるようになっている。なお、書き込みトランジスタWT1は、光電変換部11をソースとし、これとは別にドレインを持った3端子構造であっても良い。
【0026】
読み出しトランジスタRT1は、書き込みトランジスタWT1と共通のフローティングゲートFG1を有し、ドレインに列信号線OLが接続され、ソースが後述する読み出しトランジスタRT2,RT3のソースと共通接続されたMOSトランジスタであり、読み出しコントロールゲートRCG1によってその動作が制御される。読み出しコントロールゲートRCG1は、読み出し制御線rcg1を介して制御部40と接続されている。読み出しトランジスタRT1は、フローティングゲートFG1に蓄積される電荷量に対応して閾値電圧が変化するため、この閾値電圧の変化(フローティングゲートFG1に電荷が蓄積されていない状態での閾値電圧を基準としたときの変化量)を、フローティングゲートFG1に蓄積された電荷に応じた撮像信号として読み出すことが可能な構成となっている。
【0027】
尚、フローティングゲートFG1は、書き込みトランジスタWT1と読み出しトランジスタRT1とで共通の構成に限らず、書き込みトランジスタWT1と読み出しトランジスタRT1とでそれぞれ分離して設け、分離した2つのフローティングゲートFG1を配線によって電気的に接続した構成としても良い。
【0028】
第二の電荷蓄積部は、書き込みトランジスタWT2と、読み出しトランジスタRT2とを備える。
【0029】
書き込みトランジスタWT2は、電荷蓄積領域である電気的に浮遊したフローティングゲートFG2を有し、光電変換部11をソース及びドレインとする2端子構造(光電変換部11に接続されたソースと書き込みコントロールゲートWCG2の2端子構造)のMOSトランジスタであり、書き込みコントロールゲートWCG2によってその動作が制御される。書き込みコントロールゲートWCG2は、書き込み制御線wcg2を介して制御部40と接続されている。書き込みトランジスタWT2では、書き込みコントロールゲートWCG2に書き込みパルスが印加されることで、FNトンネル注入、ダイレクトトンネル注入、ホットエレクトロン注入等により、光電変換部11で発生した電荷がフローティングゲートFG2に注入されて蓄積されるようになっている。なお、書き込みトランジスタWT2も、光電変換部11をソースとし、これとは別にドレインを持った3端子構造であっても良い。この場合、書き込みトランジスタWT1と書き込みトランジスタWT2のドレインは共通化しても良い。
【0030】
読み出しトランジスタRT2は、書き込みトランジスタWT2と共通のフローティングゲートFG2を有し、ドレインに列信号線OLが接続され、ソースが読み出しトランジスタRT1,RT3のソースと共通接続されたMOSトランジスタであり、読み出しコントロールゲートRCG2によってその動作が制御される。読み出しコントロールゲートRCG2は、読み出し制御線rcg2を介して制御部40と接続されている。読み出しトランジスタRT2は、フローティングゲートFG2に蓄積される電荷量に対応して閾値電圧が変化するため、この閾値電圧の変化(フローティングゲートFG2に電荷が蓄積されていない状態での閾値電圧を基準としたときの変化量)を、フローティングゲートFG2に蓄積された電荷に応じた撮像信号として読み出すことが可能な構成となっている。
【0031】
尚、フローティングゲートFG2は、書き込みトランジスタWT2と読み出しトランジスタRT2とで共通の構成に限らず、書き込みトランジスタWT2と読み出しトランジスタRT2とでそれぞれ分離して設け、分離した2つのフローティングゲートFG2を配線によって電気的に接続した構成としても良い。
【0032】
第三の電荷蓄積部は、書き込みトランジスタWT3と、読み出しトランジスタRT3とを備える。
【0033】
書き込みトランジスタWT3は、電荷蓄積領域である電気的に浮遊したフローティングゲートFG3を有し、光電変換部11をソース及びドレインとする2端子構造(光電変換部11に接続されたソースと書き込みコントロールゲートWCG3の2端子構造)のMOSトランジスタであり、書き込みコントロールゲートWCG3によってその動作が制御される。書き込みコントロールゲートWCG3は、書き込み制御線wcg3を介して制御部40と接続されている。書き込みトランジスタWT3では、書き込みコントロールゲートWCG3に書き込みパルスが印加されることで、FNトンネル注入、ダイレクトトンネル注入、ホットエレクトロン注入等により、光電変換部11で発生した電荷がフローティングゲートFG3に注入されて蓄積されるようになっている。なお、書き込みトランジスタWT3も、光電変換部11をソースとし、これとは別にドレインを持った3端子構造であっても良い。この場合、書き込みトランジスタWT1と書き込みトランジスタWT2と書き込みトランジスタWT3のドレインは共通化しても良い。
【0034】
読み出しトランジスタRT3は、書き込みトランジスタWT3と共通のフローティングゲートFG3を有し、ドレインに列信号線OLが接続され、ソースが読み出しトランジスタRT1,RT2のソースと共通接続されたMOSトランジスタであり、読み出しコントロールゲートRCG3によってその動作が制御される。読み出しコントロールゲートRCG3は、読み出し制御線rcg3を介して制御部40と接続されている。読み出しトランジスタRT3は、フローティングゲートFG3に蓄積される電荷量に対応して閾値電圧が変化するため、この閾値電圧の変化(フローティングゲートFG3に電荷が蓄積されていない状態での閾値電圧を基準としたときの変化量)を、フローティングゲートFG3に蓄積された電荷に応じた撮像信号として読み出すことが可能な構成となっている。
【0035】
尚、フローティングゲートFG3は、書き込みトランジスタWT3と読み出しトランジスタRT3とで共通の構成に限らず、書き込みトランジスタWT3と読み出しトランジスタRT3とでそれぞれ分離して設け、分離した2つのフローティングゲートFG3を配線によって電気的に接続した構成としても良い。
【0036】
読み出しトランジスタRT1と読み出しトランジスタRT2と読み出しトランジスタRT3の各々のソースは、ソースラインSLを介して接地電位に接続されている。
【0037】
画素部100は更に、光電変換部11に蓄積されている電荷を排出するためのリセットトランジスタRETを備える。リセットトランジスタRETのリセットゲートRGはリセット線RESETを介して制御部40に接続されている。制御部40からリセット線RESETを介してリセットパルスが印加されることで、リセットトランジスタRETはオンし、光電変換部11に蓄積されている電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される構成となっている。リセットトランジスタRETのドレインは、リセットドレイン線RDを介して電源電圧VDに接続されている。
【0038】
固体撮像素子10は、各画素部100の駆動制御を行う制御部40と、読み出しトランジスタRT1、読み出しトランジスタRT2、及び読み出しトランジスタRT3の各々の閾値電圧を検出する読み出し回路20と、読み出し回路20で検出された1ライン分の閾値電圧を撮像信号として信号線70に順次読み出す制御を行う水平シフトレジスタ50及び水平選択トランジスタ30と、信号線70に接続された出力アンプ60とを備える。
【0039】
読み出し回路20は、列方向に並ぶ複数の画素部100で構成される各列に対応して設けられており、対応する列の各画素部100の読み出しトランジスタRT1,RT2,RT3の各々のドレインに列信号線OLを介して接続されている。又、読み出し回路20は制御部40にも接続されている。
【0040】
読み出し回路20は、図2(b)に示すように、読み出し制御部20aと、センスアンプ20bと、プリチャージ回路20cと、ランプアップ回路20dと、トランジスタ20e,20fとを備えた構成となっている。
【0041】
読み出し制御部20aは、画素部100の第一(第二、第三)の電荷蓄積部から信号を読み出す際、トランジスタ20fをオンしてプリチャージ回路20cから画素部100の読み出しトランジスタRT1(RT2、RT3)のドレインに列信号線OLを介してドレイン電圧を供給する(プリチャージ)。次に、トランジスタ20eをオンして画素部100の読み出しトランジスタRT1(RT2、RT3)のドレインとセンスアンプ20bを導通させる。
【0042】
センスアンプ20bは、画素部100の読み出しトランジスタRT1(RT2、RT3)のドレインの電圧を監視し、この電圧が変化したことを検出し、ランプアップ回路20dにその旨を通知する。例えば、プリチャージ回路20cによってプリチャージされたドレイン電圧が降下したことを検出しセンスアンプ出力を反転させる。
【0043】
ランプアップ回路20dは、N−bitカウンタ(例えばN=8〜12程度)を内蔵しており、制御部40を介して画素部100の読み出しトランジスタRT1(RT2、RT3)の読み出しコントロールゲートRCG1(RCG2、RCG3)に漸増または漸減するランプ波形電圧を供給すると共に、ランプ波形電圧の値に対応するカウント値(N個の1、0の組み合わせ)を出力する。
【0044】
読み出しコントロールゲートRCG1(RCG2、RCG3)の電圧が読み出しトランジスタRT1(RT2、RT3)の閾値電圧を越えると読み出しトランジスタRT1(RT2、RT3)が導通し、このとき、プリチャージされていた列信号線OLの電位が降下する。これがセンスアンプ20bによって検出されて反転信号が出力される。ランプアップ回路20dは、この反転信号を受けた時点におけるランプ波形電圧の値に対応するカウント値を保持(ラッチ)する。これにより、デジタル値(1,0の組み合わせ)として閾値電圧の変化(撮像信号)を読み出すことができる。
【0045】
水平シフトレジスタ50により1つの水平選択トランジスタ30が選択されると、その水平選択トランジスタ30に接続されたランプアップ回路20dで保持されているカウンタ値が信号線70に出力され、これが撮像信号として出力アンプ60から出力される。
【0046】
なお、読み出し回路20による読み出しトランジスタRT1(RT2、RT3)の閾値電圧の変化を読み出す方法としては上述したものに限らない。例えば、読み出しトランジスタRT1(RT2、RT3)の読み出しコントロールゲートRCG1(RCG2、RCG3)とドレインに一定の電圧を印加した場合の読み出しトランジスタRT1(RT2、RT3)のドレイン電流を撮像信号として読み出しても良い。
【0047】
制御部40は、書き込みトランジスタWT1,WT2,WT3を独立に制御して、光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG1,FG2,FG3に注入して蓄積させる駆動を行う。フローティングゲートFG1,FG2,FG3に電荷を注入する方法としては、FNトンネル注入、ダイレクトトンネル注入、ホットエレクトロン注入等がある。
【0048】
また、制御部40は、読み出し回路20を制御して、フローティングゲートFG1,FG2,FG3に蓄積された電荷に応じた撮像信号を独立に読み出す駆動を行う。
【0049】
また、制御部40は、フローティングゲートFG1,FG2,FG3に蓄積された電荷を外部に排出して消去する駆動を行う。例えば、半導体基板に正極性の電圧を印加し、書き込みコントロールゲートWCG1及び読み出しコントロールゲートRCG1にそれぞれ負極性の電圧を印加して、フローティングゲートFG1に蓄積された電荷を半導体基板に引き抜くことで電荷の消去を行う。フローティングゲートFG2に蓄積された電荷の消去は、半導体基板に正極性の電圧を印加し、書き込みコントロールゲートWCG2及び読み出しコントロールゲートRCG2にそれぞれ負極性の電圧を印加することで行う。フローティングゲートFG3に蓄積された電荷の消去は、半導体基板に正極性の電圧を印加し、書き込みコントロールゲートWCG3及び読み出しコントロールゲートRCG3にそれぞれ負極性の電圧を印加することで行う。
【0050】
各画素部100の光電変換部11の上方にはカラーフィルタが設けられておらず、固体撮像素子10に入射してくる全ての光が各光電変換部11に入射するようになっている。
【0051】
図4は、図3に示した等価回路図に基づく画素部100のレイアウト例を示した平面模式図である。
【0052】
画素部100のPウェル層には、光電変換部11が形成され、その上には少し離間して読み出しトランジスタRT1のドレイン13と、読み出しトランジスタRT1のソース14と、リセットトランジスタRETのドレイン12と、読み出しトランジスタRT2のドレイン15と、読み出しトランジスタRT2のソース16とが列方向に並べて形成されている。また、光電変換部11の下には少し離間して読み出しトランジスタRT3のドレイン17と、読み出しトランジスタRT3のソース18とが列方向に並べて形成されている。
【0053】
Pウェル層上には図示しない酸化膜が形成されており、この上にフローティングゲートFG1とフローティングゲートFG2とフローティングゲートFG3が形成されている。フローティングゲートFG1は、光電変換部11の左辺から上辺に沿ってドレイン13とソース14との間の上方まで延びて形成されている。フローティングゲートFG2は、光電変換部11の右辺から上辺に沿ってドレイン15とソース16との間の上方まで延びて形成されている。フローティングゲートFG3は、光電変換部11の下辺に沿ってドレイン17とソース18との間の上方まで延びて形成されている。
【0054】
フローティングゲートFG1,FG2,FG3の上には絶縁膜が設けられ、この上層に書き込みコントロールゲートWCG1,WCG2,WCG3、読み出しコントロールゲートRCG1,RCG2,RCG3、リセットゲートRG、リセットドレイン線RDが形成されている。
【0055】
書き込みコントロールゲートWCG1はフローティングゲートFG1と重なるように形成されている。読み出しコントロールゲートRCG1は、ドレイン13とソース14との間の上方のフローティングゲートFG1と重なるように形成されている。
【0056】
書き込みコントロールゲートWCG2はフローティングゲートFG2と重なるように形成されている。読み出しコントロールゲートRCG2は、ドレイン15とソース16との間の上方のフローティングゲートFG2と重なるように形成されている。
【0057】
書き込みコントロールゲートWCG3はフローティングゲートFG3と重なるように形成されている。読み出しコントロールゲートRCG3は、ドレイン17とソース18との間の上方のフローティングゲートFG3と重なるように形成されている。
【0058】
リセットゲートRGは、光電変換部11とドレイン12との間の上方に形成されている。リセットドレイン線RDは、ドレイン12の上方から後述するリセット電源線VD下方まで延びて形成されており、ドレイン12の上方でコンタクト部12aを介してドレイン12と電気的に接続され、リセット電源線VDの下方でコンタクト部RDaを介してリセット電源線VDと電気的に接続されている。
【0059】
書き込みコントロールゲートWCG1,WCG2,WCG3、読み出しコントロールゲートRCG1,RCG2,RCG3、リセットゲートRG、リセットドレイン線RDの上層には絶縁膜を介して、行方向に延びるグローバル配線(ドレイン電源線VD、リセット線RESET、読み出し制御線rcg2、読み出し制御線rcg1、書き込み制御線wcg1、書き込み制御線wcg2、書き込み制御線wcg3、及び読み出し制御線rcg3)が形成されている。
【0060】
読み出しコントロールゲートRCG1は、読み出し制御線rcg1下方まで延びており、ここでコンタクト部19aを介して読み出し制御線rcg1と電気的に接続されている。書き込みコントロールゲートWCG1は、書き込み制御線wcg1下方まで延びており、ここでコンタクト部19bを介して書き込み制御線wcg1と電気的に接続されている。
【0061】
読み出しコントロールゲートRCG2は、読み出し制御線rcg2下方まで延びており、ここでコンタクト部19cを介して読み出し制御線rcg2と電気的に接続されている。書き込みコントロールゲートWCG2は、書き込み制御線wcg2下方まで延びており、ここでコンタクト部19dを介して書き込み制御線wcg2と電気的に接続されている。
【0062】
読み出しコントロールゲートRCG3は、読み出し制御線rcg3下方まで延びており、ここでコンタクト部19eを介して読み出し制御線rcg3と電気的に接続されている。書き込みコントロールゲートWCG3は、書き込み制御線wcg3下方まで延びており、ここでコンタクト部19fを介して書き込み制御線wcg3と電気的に接続されている。
【0063】
リセットゲートRGは、リセット線RESET下方まで延びており、ここでコンタクト部RGaを介してリセット線RESETと電気的に接続されている。
【0064】
行方向に延びるグローバル配線上には絶縁膜が形成され、この上層に、列方向に延びるグローバル配線(列信号線OL、ソース線SL)が形成されている。
【0065】
列信号線OLは、ドレイン13、ドレイン15、ドレイン17の各々の上方まで延びており、ここでコンタクト部13a,15a,17aを介してドレイン13、ドレイン15、ドレイン17と電気的に接続されている。
【0066】
ソース線SLは、ソース14、ソース16、ソース18の各々の上方まで延びており、ここでコンタクト部14a,16a,18aを介してソース14、ソース16、ソース18と電気的に接続されている。
【0067】
なお、図4のレイアウト例では、書き込みトランジスタWT1,WT2,WT3のドレインを省略し、書き込みトランジスタWT1,WT2,WT3を、それぞれ、ソース(ドレインと兼用)が光電変換部11に接続された2端子構成のMOSトランジスタとしている。2端子デバイスとしては、抵抗、コイル、コンデンサ、ダイオード等があり、スイッチングや信号増幅のようなアクティブ(能動)デバイスでは存在しない。
【0068】
一般的な固体撮像素子における画素選択、リセット、信号記録、及び読み出し等を行うためのアクティブデバイスであるトランジスタは2端子では機能しないことは常識として理解され、だれも試みることすらしていない。
【0069】
図3の画素部100の構造は、書き込みトランジスタWT1と読み出しトランジスタRT1とでフローティングゲートFG1を共有した構造をとっているため、書き込みトランジスタWT1は専ら書き込み(フローティングゲートFG1への電荷注入及び記録)という単一動作及び一方向のみの電荷移動しか求められておらず、信号読み出し時には、上記共有FG構造によって、隣接する読み出しトランジスタRT1側においても信号の読み出しを行えるので、書き込みトランジスタWT1が2端子構造であっても動作上は何ら問題がないことが分かった。これは、書き込みトランジスタWT2,WT3についても同様である。
【0070】
固体撮像素子10の場合、画素部100内に3つの電荷蓄積部を形成する必要があるため、設計自由度は低下してしまう。そこで、書き込みトランジスタWT1,WT2,WT3を2端子構造とすることで、構成の簡略化を図ることが有効となる。このような構成により、画素部100のサイズやチップサイズを小さくすることができ、多画素化や小型化等が実現可能となる。
【0071】
以上のように構成された内視鏡装置の動作について説明する。図5は、図1に示す内視鏡装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。図6は、図1に示す内視鏡装置の動作を説明するための模式図である。図6では、2行×2列の計4つの画素部を模式的に図示してある。
【0072】
操作部25が操作されて対象物の撮影指示がなされると、この指示がシステム制御部24に入力され、システム制御部24から固体撮像素子10へ撮影指示が通知される。
【0073】
固体撮像素子10では、撮影指示を受けると、これをスタートトリガとして、制御部40が、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、各画素部100の光電変換部11に蓄積されていた不要電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0074】
リセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1bからG光を発光させる。なお、図5では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてからG光を発光させているが、G光の発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
【0075】
G光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。このG光の発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここでG光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0076】
露光期間終了後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG1に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG1に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0077】
この書き込みパルスの供給により、図6に示すように、各画素部100で発生した電荷(G光による電荷、図中では“G”で示した)はその画素部100のフローティングゲートFG1に蓄積される。
【0078】
フローティングゲートFG1への電荷の蓄積が終了すると、制御部40は、再び、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、光電変換部11からフローティングゲートFG1へ注入しきれずに残ってしまっていた残留電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0079】
2度目のリセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1aからR光を発光させる。なお、図5では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてからR光を発光させているが、R光の発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
【0080】
R光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。このR光の発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここでR光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0081】
露光期間終了後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG2に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG2に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0082】
この書き込みパルスの供給により、図6に示すように、各画素部100で発生した電荷(R光による電荷、図中では“R”で示した)はその画素部100のフローティングゲートFG2に蓄積される。
【0083】
フローティングゲートFG2への電荷の蓄積が終了すると、制御部40は、再び、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、光電変換部11からフローティングゲートFG2へ注入しきれずに残ってしまっていた残留電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0084】
3度目のリセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1cからB光を発光させる。なお、図5では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてからB光を発光させているが、B光の発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
【0085】
B光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。このB光の発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここでB光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0086】
露光期間終了後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG3に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG3に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0087】
この書き込みパルスの供給により、図6に示すように、各画素部100で発生した電荷(B光による電荷、図中では“B”で示した)はその画素部100のフローティングゲートFG3に蓄積される。
【0088】
固体撮像素子10では、書き込みコントロールゲートWCG1と書き込みコントロールゲートWCG2と書き込みコントロールゲートWCG3とがそれぞれ別の制御線(wcg1,wcg2,wcg3)に接続されているため、上述したように、3回の露光の各々によって光電変換部11で発生した電荷を、それぞれ別のフローティングゲートに選択的に蓄積することが可能となっている。
【0089】
フローティングゲートFG3への電荷蓄積終了後、制御部40は、1ライン目の各画素部100の読み出しトランジスタRT1のドレインをプリチャージし、1ライン目の各画素部100の読み出しコントロールゲートRCG1へのランプ波形電圧の印加を開始する(ランプ波形電圧の印加開始後のカウント値は、例えば初期値(例えばゼロ)からアップカウントされる)。そして、1ライン目の読み出しトランジスタRT1のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持され、このカウント値が撮像信号として出力アンプ60から出力される。制御部40は、2ライン目以降にも同様の駆動を行って、全てのラインのフローティングゲートFG1に蓄積されていた電荷に応じた第一の撮像信号(G信号)を出力させる。
【0090】
次に、制御部40は、1ライン目の各画素部100の読み出しトランジスタRT2のドレインをプリチャージし、1ライン目の各画素部100の読み出しコントロールゲートRCG2へのランプ波形電圧の印加を開始する(ランプ波形電圧の印加開始後のカウント値は、例えば初期値(例えばゼロ)からアップカウントされる)。そして、1ライン目の読み出しトランジスタRT2のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持され、このカウント値が撮像信号として出力アンプ60から出力される。制御部40は、2ライン目以降にも同様の駆動を行って、全てのラインのフローティングゲートFG2に蓄積されていた電荷に応じた第二の撮像信号(R信号)を出力させる。
【0091】
次に、制御部40は、1ライン目の各画素部100の読み出しトランジスタRT3のドレインをプリチャージし、1ライン目の各画素部100の読み出しコントロールゲートRCG3へのランプ波形電圧の印加を開始する(ランプ波形電圧の印加開始後のカウント値は、例えば初期値(例えばゼロ)からアップカウントされる)。そして、1ライン目の読み出しトランジスタRT3のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持され、このカウント値が撮像信号として出力アンプ60から出力される。制御部40は、2ライン目以降にも同様の駆動を行って、全てのラインのフローティングゲートFG3に蓄積されていた電荷に応じた第三の撮像信号(B信号)を出力させる。
【0092】
第三の撮像信号を出力させた後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG1,WCG2,WCG3及び読み出しコントロールゲートRCG1,RCG2,RCG3の電位を−Vccに設定し、半導体基板の電位をVccに設定する。これによりフローティングゲートFG1,FG2,FG3に蓄積されていた電荷は、半導体基板に引き抜かれて消去される。
【0093】
以上のような動作が1フレーム期間内に実施される。
【0094】
このような動作により、固体撮像素子10の各画素部100からは、G信号と、R信号と、B信号が得られる。このため、信号補間処理等を行うことなく、これらの信号からYC信号を生成するなどしてJPEG形式のカラー画像データを生成することができる。このカラー画像データに基づくカラー画像により、対象物を肉眼で観察したのと同じ状況を、表示部22上で再現することができる。
【0095】
以上のように、図1に示す内視鏡装置によれば、露光を行うたびにその露光によって得られる電荷に応じた信号を読み出す必要がなく、3回の露光後に信号をまとめて読み出すことができる。この結果、3回の露光の間隔を短くすることができるため、被写体が動いた場合の色ずれを抑制することができる。したがって、内視鏡検査時の診断精度を向上させることができる。
【0096】
また、図1に示す内視鏡装置は、1フレームの画像データを得るための期間である1フレーム期間中に3回の撮影を実施し、3回の撮影後に、撮像信号を読み出す構成となっている。1フレーム期間中に3回の撮影を行おうとすると、3回の撮影の間隔を短くする必要がある。図7の上段に示したように、一般的な固体撮像素子では、撮影を終了する毎に撮像信号を読み出す必要があり、撮影間隔を短くするためには撮像信号の読み出しを高速に行う必要がある。撮像信号の読み出しを高速に行うと、それだけ素子の発熱量が増大する。内視鏡装置では、体内に挿入される先端部の発熱を極力抑える必要がある。この発熱量が増大すると、先端部に冷却機構等が必要となり、先端部の小型化を妨げることとなる。図1に示す内視鏡装置によれば、図7の下段に示したように、撮像信号の読み出しを高速に行わずとも、撮影間隔を短くすることができる。このため、先端部での発熱を抑えることができ、先端部の小型化を実現することができる。
【0097】
また、図1に示す内視鏡装置によれば、フローティングゲートFG2、FG3に電荷を蓄積する前に、光電変換部11内の電荷をリセットドレインに一旦排出する駆動を行っているため、異なる光による露光時の電荷が混ざってしまうのを防ぐことができ、混色を防止して更なる画質向上を図ることができる。
【0098】
なお、以上の説明では、第一の電荷蓄積部と第二の電荷蓄積部と第三の電荷蓄積部を、それぞれ書き込みトランジスタWTと読み出しトランジスタRTの2つのMOSトランジスタで構成したが、これは1つのトランジスタで構成しても良い。
【0099】
例えば、図3において、読み出しトランジスタRT1,RT2,RT3を省略し、書き込みトランジスタWT1,WT2,WT3にドレインを設け、ここに列信号線OLを介して読み出し回路20を接続した構成としても良い。この構成の場合、G信号は、書き込みトランジスタWT1のドレインをプリチャージし、書き込みコントロールゲートWCG1にランプ波形電圧を印加することで読み出し、R信号は、書き込みトランジスタWT2のドレインをプリチャージし、書き込みコントロールゲートWCG2にランプ波形電圧を印加することで読み出し、B信号は、書き込みトランジスタWT3のドレインをプリチャージし、書き込みコントロールゲートWCG3にランプ波形電圧を印加することで読み出せば良い。
【0100】
上述したように、電荷蓄積部を1つのトランジスタで実現する場合には、そのトランジスタにMOS構造以外の構造も採用することができる。例えば、フローティングゲートFG1を窒化膜にし、書き込みコントロールゲートWCG1を該窒化膜上に直接形成したMNOS型のトランジスタ構造や、フローティングゲートFG1を窒化膜にしたMONOS型のトランジスタ構造であっても良い。いずれの場合も、窒化膜(N)が電荷を蓄積する電荷蓄積領域として機能する。
【0101】
また、以上の説明では、光源として原色の光を発光するものを用いているが、補色(シアン、マゼンダ、イエロー)の3つの光を発光する光源を用いても、同様にカラー画像データを生成することができる。
【0102】
以下では、図1に示す内視鏡装置の変形例を説明する。
【0103】
(第一の変形例)
第一の変形例の内視鏡装置は、図1に示した内視鏡装置と同じ構成であり、その動作のみが異なる。以下、この動作について説明する。
【0104】
図8は、第一の変形例の内視鏡装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。図9は、第一の変形例の内視鏡装置の動作を説明するための模式図である。図9では、2行×2列の計4つの画素部を模式的に図示してある。
【0105】
操作部25が操作されて対象物の撮影指示がなされると、この指示がシステム制御部24に入力され、システム制御部24から固体撮像素子10へ撮影指示が通知される。
【0106】
固体撮像素子10では、撮影指示を受けると、これをスタートトリガとして、制御部40が、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、各画素部100の光電変換部11に蓄積されていた不要電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0107】
リセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1a、LED1b、LED1cの各々からR光、G光、B光を同時に発光させる。なお、図8では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてからR光、G光、B光を同時に発光させているが、この発光はリセット完了と同時であることが好ましい。また、R光、G光、B光は、同時ではなく、タイミングを僅かにずらしながら連続して発光させるようにしても良い。
【0108】
R光、G光、B光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。この発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここでR光、G光、B光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0109】
露光期間終了後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG1に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG1に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0110】
この書き込みパルスの供給により、図9に示すように、各画素部100で発生した電荷(R光、G光、B光による電荷、図中では“RGB(Y)”で示した)はその画素部100のフローティングゲートFG1に蓄積される。フローティングゲートFG1に蓄積される電荷は、R光、G光、B光の全ての成分を含む電荷である。カラー画像データを構成する輝度信号は、R光に応じた信号成分とG光に応じた信号成分とB光に応じた信号成分とを所定の係数で重み付け加算することで生成している。そこで、R光、G光、B光の発光量を、この所定の係数に応じた値に設定しておくことで、フローティングゲートFG1に蓄積される電荷に応じた信号を、輝度信号として扱うことができる。このため、第一の変形例の内視鏡装置では、光源1から発光されるR光、G光、B光の発光量を、輝度信号生成の際の係数に応じた値に設定している。
【0111】
フローティングゲートFG1への電荷の蓄積が終了すると、制御部40は、再び、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、光電変換部11からフローティングゲートFG1へ注入しきれずに残ってしまっていた残留電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0112】
2度目のリセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1aからR光を発光させる。なお、図8では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてからR光を発光させているが、R光の発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
【0113】
R光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。このR光の発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここでR光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0114】
露光期間終了後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG2に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG2に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0115】
この書き込みパルスの供給により、図9に示すように、各画素部100で発生した電荷(R光による電荷、図中では“R”で示した)はその画素部100のフローティングゲートFG2に蓄積される。
【0116】
フローティングゲートFG2への電荷の蓄積が終了すると、制御部40は、再び、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、光電変換部11からフローティングゲートFG2へ注入しきれずに残ってしまっていた残留電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0117】
3度目のリセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1cからB光を発光させる。なお、図8では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてからB光を発光させているが、B光の発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
【0118】
B光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。このB光の発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここでB光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0119】
露光期間終了後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG3に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG3に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0120】
この書き込みパルスの供給により、図9に示すように、各画素部100で発生した電荷(B光による電荷、図中では“B”で示した)はその画素部100のフローティングゲートFG3に蓄積される。
【0121】
フローティングゲートFG3への電荷蓄積終了後、制御部40は、1ライン目の各画素部100の読み出しトランジスタRT1のドレインをプリチャージし、1ライン目の各画素部100の読み出しコントロールゲートRCG1へのランプ波形電圧の印加を開始する。そして、1ライン目の読み出しトランジスタRT1のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持され、このカウント値が撮像信号として出力アンプ60から出力される。制御部40は、2ライン目以降にも同様の駆動を行って、全てのラインのフローティングゲートFG1に蓄積されていた電荷に応じた第一の撮像信号(輝度信号Y)を出力させる。
【0122】
次に、制御部40は、1ライン目の各画素部100の読み出しトランジスタRT2のドレインをプリチャージし、1ライン目の各画素部100の読み出しコントロールゲートRCG2へのランプ波形電圧の印加を開始する。そして、1ライン目の読み出しトランジスタRT2のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持され、このカウント値が撮像信号として出力アンプ60から出力される。制御部40は、2ライン目以降にも同様の駆動を行って、全てのラインのフローティングゲートFG2に蓄積されていた電荷に応じた第二の撮像信号(R信号)を出力させる。
【0123】
次に、制御部40は、1ライン目の各画素部100の読み出しトランジスタRT3のドレインをプリチャージし、1ライン目の各画素部100の読み出しコントロールゲートRCG3へのランプ波形電圧の印加を開始する。そして、1ライン目の読み出しトランジスタRT3のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持され、このカウント値が撮像信号として出力アンプ60から出力される。制御部40は、2ライン目以降にも同様の駆動を行って、全てのラインのフローティングゲートFG3に蓄積されていた電荷に応じた第三の撮像信号(B信号)を出力させる。
【0124】
第三の撮像信号を出力させた後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG1,WCG2,WCG3及び読み出しコントロールゲートRCG1,RCG2,RCG3の電位を−Vccに設定し、半導体基板の電位をVccに設定する。これによりフローティングゲートFG1,FG2,FG3に蓄積されていた電荷は、半導体基板に引き抜かれて消去される。
【0125】
以上のような動作が1フレーム期間内に実施される。
【0126】
信号処理部23は、固体撮像素子10の各画素部100から出力された輝度信号Yと、R信号と、B信号とによりカラー画像データを生成する。具体的には、輝度信号YとR信号とから色差信号Crを生成し、輝度信号YとB信号とから色差信号Cbを生成することで、YC信号からなるJPEG形式のカラー画像データを生成する。このカラー画像データに基づくカラー画像により、対象物を肉眼で観察したのと同じ状況を、表示部22上で再現することができる。
【0127】
このように、第一の変形例の内視鏡装置によれば、輝度信号を生成するための演算を不要にすることができる。このため、画像データ生成までの演算時間を短縮することができ、動画撮影時のフレームレート向上等を実現することができる。また、光源1の色特性(RGB各色の分光特性)で輝度信号が決まるため、忠実度の高い映像を得ることができ、精度の高い診断が可能となる。
【0128】
(第二の変形例)
図10は、第二の変形例の内視鏡装置の概略構成を示す図である。図10に示す内視鏡装置は、図1に示す内視鏡装置の光源1に、特殊光1を発光するLED1dを追加した構成となっている。
【0129】
特殊光1は、RGB光(白色光)では識別できない生体情報を識別可能にするために必要な光であり、例えば、図11に示すように、R光、G光、B光の波長域外にある特定波長に輝線を持つ光である。なお、特殊光1の特定波長は、観察したい生体情報に応じて任意に決めることができる。例えば、発赤(ヘモグロビン)の有無を明確に認識できるようにするために対象物を照明すべき波長、自家蛍光の有無を明確に認識できるようにするために対象物を照明すべき波長、対象物の深部の血管を明確に認識できるようにするために対象物を照明すべき波長など、様々な波長が設定可能である。
【0130】
なお、対象物によっては、特定の波長の光を当てたときにその波長と異なる励起光を発するものがあり、この励起光による画像を観察したい場合もある。励起光を検出するためには、対象物から励起光を発生させられるような発光波長を持つ光を特殊光として設定しておけば良い。
【0131】
例えば、波長400nmの光を当てて対象物から反射してくる光を検出したい場合には、特殊光1として、波長400nmに発光波長を持つ光を発光できるようにしておけば良い。また、例えば波長650nmの光を当てたときに対象物からは波長680nmの励起光が発生するものとし、この励起光を検出したい場合には、特殊光1として、波長650nmに発光波長を持つ光を発光できるようにしておけば良い。以下、第二の変形例の内視鏡装置の動作を説明する。
【0132】
図12は、第二の変形例の内視鏡装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。図13は、第二の変形例の内視鏡装置の動作を説明するための模式図である。図13では、2行×2列の計4つの画素部を模式的に図示してある。
【0133】
操作部25が操作されて対象物の撮影指示がなされると、この指示がシステム制御部24に入力され、システム制御部24から固体撮像素子10へ撮影指示が通知される。
【0134】
固体撮像素子10では、撮影指示を受けると、これをスタートトリガとして、制御部40が、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、各画素部100の光電変換部11に蓄積されていた不要電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0135】
リセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1bからG光を発光させる。なお、図12では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてからG光を発光させているが、この発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
【0136】
G光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。この発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここでG光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0137】
露光期間終了後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG1に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG1に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0138】
この書き込みパルスの供給により、図13に示すように、各画素部100で発生した電荷(G光による電荷、図中では“G”で示した)はその画素部100のフローティングゲートFG1に蓄積される。
【0139】
フローティングゲートFG1への電荷の蓄積が終了すると、制御部40は、再び、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、光電変換部11からフローティングゲートFG1へ注入しきれずに残ってしまっていた残留電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0140】
2度目のリセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1aからR光を発光させる。なお、図12では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてからR光を発光させているが、R光の発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
【0141】
R光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。このR光の発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここでR光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0142】
露光期間終了後、制御部40は、奇数ラインの画素部100の書き込みコントロールゲートWCG2に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG2に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0143】
この書き込みパルスの供給により、図13に示すように、各画素部100で発生した電荷(R光による電荷、図中では“R”で示した)は、奇数ラインの画素部100のフローティングゲートFG2にのみ蓄積される。
【0144】
奇数ラインの各画素部100のフローティングゲートFG2への電荷の蓄積が終了すると、制御部40は、再び、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、光電変換部11からフローティングゲートFG2へ注入しきれずに残ってしまっていた残留電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0145】
3度目のリセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1cからB光を発光させる。なお、図12では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてからB光を発光させているが、B光の発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
【0146】
B光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。このB光の発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここでB光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0147】
露光期間終了後、制御部40は、偶数ラインの画素部100の書き込みコントロールゲートWCG2に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG2に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0148】
この書き込みパルスの供給により、図13に示すように、各画素部100で発生した電荷(B光による電荷、図中では“B”で示した)は、偶数ラインの各画素部100のフローティングゲートFG2にのみ蓄積される。
【0149】
偶数ラインの各画素部100のフローティングゲートFG2への電荷の蓄積が終了すると、制御部40は、再び、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、光電変換部11からフローティングゲートFG2へ注入しきれずに残ってしまっていた残留電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0150】
4度目のリセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1dから特殊光1を発光させる。なお、図12では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてから特殊光1を発光させているが、この発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
【0151】
特殊光1の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。この発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここで特殊光1に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0152】
露光期間終了後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG3に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG3に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0153】
この書き込みパルスの供給により、図13に示すように、各画素部100で発生した電荷(特殊光1による電荷、図中では“特殊1”で示した)はその画素部100のフローティングゲートFG3に蓄積される。
【0154】
フローティングゲートFG3への電荷蓄積終了後、制御部40は、1ライン目の各画素部100の読み出しトランジスタRT1のドレインをプリチャージし、1ライン目の各画素部100の読み出しコントロールゲートRCG1へのランプ波形電圧の印加を開始する。そして、1ライン目の読み出しトランジスタRT1のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持され、このカウント値が撮像信号として出力アンプ60から出力される。制御部40は、2ライン目以降にも同様の駆動を行って、全てのラインのフローティングゲートFG1に蓄積されていた電荷に応じた第一の撮像信号(G信号)を出力させる。
【0155】
次に、制御部40は、1ライン目の各画素部100の読み出しトランジスタRT2のドレインをプリチャージし、1ライン目の各画素部100の読み出しコントロールゲートRCG2へのランプ波形電圧の印加を開始する。そして、1ライン目の読み出しトランジスタRT2のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持され、このカウント値が撮像信号として出力アンプ60から出力される。制御部40は、2ライン目以降にも同様の駆動を行って、全てのラインのフローティングゲートFG2に蓄積されていた電荷に応じた第二の撮像信号(R信号とB信号)を出力させる。
【0156】
次に、制御部40は、1ライン目の各画素部100の読み出しトランジスタRT3のドレインをプリチャージし、1ライン目の各画素部100の読み出しコントロールゲートRCG3へのランプ波形電圧の印加を開始する。そして、1ライン目の読み出しトランジスタRT3のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持され、このカウント値が撮像信号として出力アンプ60から出力される。制御部40は、2ライン目以降にも同様の駆動を行って、全てのラインのフローティングゲートFG3に蓄積されていた電荷に応じた第三の撮像信号(特殊光1信号)を出力させる。
【0157】
第三の撮像信号を出力させた後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG1,WCG2,WCG3及び読み出しコントロールゲートRCG1,RCG2,RCG3の電位を−Vccに設定し、半導体基板の電位をVccに設定する。これによりフローティングゲートFG1,FG2,FG3に蓄積されていた電荷は、半導体基板に引き抜かれて消去される。
【0158】
以上のような動作が1フレーム期間内に実施される。
【0159】
信号処理部23は、固体撮像素子10の各画素部100から出力されたG信号と、R信号又はB信号と、特殊光1信号とにより、カラー画像データと単色画像データとを生成する。具体的には、画素部100から得られないR信号又はB信号を、その画素部100の周囲の画素部100から得られたR信号及びB信号を用いて補間することで、1つの画素部100に対し、R信号とG信号とB信号を生成し、これらから輝度信号と色差信号を生成してカラー画像データを生成する。また、特殊光1信号から単色画像データを生成する。
【0160】
以上のように、第二の変形例の内視鏡装置によれば、1回の撮影により、カラー画像データに加えて、特殊光1による単色の画像データも得ることができる。カラー画像データは、フローティングゲートFG1,FG2を用いて生成し、単色画像データは、フローティングゲートFG3を用いて生成しており、カラー画像データ生成のための電荷の蓄積と、単色画像データ生成のための電荷の蓄積との間の時間はわずかである。このため、被写体が動いた場合でも、カラー画像データと単色画像データとで被写体がずれてしまう可能性は低くなる。この結果、同一被写体に対して異なる条件で画像観察を行うことができ、的確な診断が可能となる。
【0161】
なお、以上の説明では、奇数ラインのフローティングゲートFG2にR光に応じた電荷を蓄積し、偶数ラインのフローティングゲートFG2にB光に応じた電荷を蓄積しているが、これは逆であっても良い。また、全体の半分のフローティングゲートFG2にR光に応じた電荷を蓄積し、残り半分のフローティングゲートFG2にB光に応じた電荷を蓄積できれば良く、奇数ラインと偶数ラインで分けなくとも良い。
【0162】
(第三の変形例)
図14は、第三の変形例の内視鏡装置の概略構成を示す図である。図14に示す内視鏡装置は、図10に示す内視鏡装置の光源1に、特殊光2を発光するLED1eを追加した構成となっている。
【0163】
特殊光2は、特殊光1と同様、RGB光(白色光)では識別できない部位を識別可能にするために必要な光であり、例えば、図11に示すように、G光の波長域内にある特定波長に輝線を持つ光である。なお、特殊光2の特定波長は、特殊光1と同様に、観察したい生体情報に応じて任意に決めることができる。ただし、特殊光2は、特殊光1とは異なる波長に輝線を持つものとする。
【0164】
図15は、第三の変形例の内視鏡装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。図16は、第三の変形例の内視鏡装置の動作を説明するための模式図である。図16では、2行×2列の計4つの画素部を模式的に図示してある。
【0165】
操作部25が操作されて対象物の撮影指示がなされると、この指示がシステム制御部24に入力され、システム制御部24から固体撮像素子10へ撮影指示が通知される。
【0166】
固体撮像素子10では、撮影指示を受けると、これをスタートトリガとして、制御部40が、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、各画素部100の光電変換部11に蓄積されていた不要電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0167】
リセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1bからG光を発光させる。なお、図15では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてからG光を発光させているが、この発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
【0168】
G光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。この発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここでG光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0169】
露光期間終了後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG1に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG1に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0170】
この書き込みパルスの供給により、図16に示すように、各画素部100で発生した電荷(G光による電荷、図中では“G”で示した)はその画素部100のフローティングゲートFG1に蓄積される。
【0171】
フローティングゲートFG1への電荷の蓄積が終了すると、制御部40は、再び、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、光電変換部11からフローティングゲートFG1へ注入しきれずに残ってしまっていた残留電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0172】
2度目のリセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1aからR光を発光させる。なお、図15では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてからR光を発光させているが、R光の発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
【0173】
R光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。このR光の発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここでR光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0174】
露光期間終了後、制御部40は、奇数ラインの画素部100の書き込みコントロールゲートWCG2に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG2に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0175】
この書き込みパルスの供給により、図16に示すように、各画素部100で発生した電荷(R光による電荷、図中では“R”で示した)は、奇数ラインの画素部100のフローティングゲートFG2にのみ蓄積される。
【0176】
奇数ラインの各画素部100のフローティングゲートFG2への電荷の蓄積が終了すると、制御部40は、再び、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、光電変換部11からフローティングゲートFG2へ注入しきれずに残ってしまっていた残留電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0177】
3度目のリセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1cからB光を発光させる。なお、図15では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてからB光を発光させているが、B光の発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
【0178】
B光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。このB光の発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここでB光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0179】
露光期間終了後、制御部40は、偶数ラインの画素部100の書き込みコントロールゲートWCG2に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG2に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0180】
この書き込みパルスの供給により、図16に示すように、各画素部100で発生した電荷(B光による電荷、図中では“B”で示した)は、偶数ラインの各画素部100のフローティングゲートFG2にのみ蓄積される。
【0181】
偶数ラインの各画素部100のフローティングゲートFG2への電荷の蓄積が終了すると、制御部40は、再び、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、光電変換部11からフローティングゲートFG2へ注入しきれずに残ってしまっていた残留電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0182】
4度目のリセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1dから特殊光1を発光させる。なお、図15では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてから特殊光1を発光させているが、特殊光1の発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
【0183】
特殊光1の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。この特殊光1の発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここで特殊光1に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0184】
露光期間終了後、制御部40は、奇数ラインの画素部100の書き込みコントロールゲートWCG3に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG3に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0185】
この書き込みパルスの供給により、図16に示すように、各画素部100で発生した電荷(特殊光1による電荷、図中では“特殊1”で示した)は、奇数ラインの画素部100のフローティングゲートFG3にのみ蓄積される。
【0186】
奇数ラインの各画素部100のフローティングゲートFG3への電荷の蓄積が終了すると、制御部40は、再び、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、光電変換部11からフローティングゲートFG3へ注入しきれずに残ってしまっていた残留電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0187】
5度目のリセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1eから特殊光2を発光させる。なお、図15では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてから特殊光2を発光させているが、特殊光2の発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
【0188】
特殊光2の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。この特殊光2の発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここで特殊光2に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0189】
露光期間終了後、制御部40は、偶数ラインの画素部100の書き込みコントロールゲートWCG3に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG3に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0190】
この書き込みパルスの供給により、図16に示すように、各画素部100で発生した電荷(特殊光2による電荷、図中では“特殊2”で示した)は、偶数ラインの各画素部100のフローティングゲートFG3にのみ蓄積される。
【0191】
フローティングゲートFG3への電荷蓄積終了後、制御部40は、1ライン目の各画素部100の読み出しトランジスタRT1のドレインをプリチャージし、1ライン目の各画素部100の読み出しコントロールゲートRCG1へのランプ波形電圧の印加を開始する。そして、1ライン目の読み出しトランジスタRT1のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持され、このカウント値が撮像信号として出力アンプ60から出力される。制御部40は、2ライン目以降にも同様の駆動を行って、全てのラインのフローティングゲートFG1に蓄積されていた電荷に応じた第一の撮像信号(G信号)を出力させる。
【0192】
次に、制御部40は、1ライン目の各画素部100の読み出しトランジスタRT2のドレインをプリチャージし、1ライン目の各画素部100の読み出しコントロールゲートRCG2へのランプ波形電圧の印加を開始する。そして、1ライン目の読み出しトランジスタRT2のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持され、このカウント値が撮像信号として出力アンプ60から出力される。制御部40は、2ライン目以降にも同様の駆動を行って、全てのラインのフローティングゲートFG2に蓄積されていた電荷に応じた第二の撮像信号(R信号とB信号)を出力させる。
【0193】
次に、制御部40は、1ライン目の各画素部100の読み出しトランジスタRT3のドレインをプリチャージし、1ライン目の各画素部100の読み出しコントロールゲートRCG3へのランプ波形電圧の印加を開始する。そして、1ライン目の読み出しトランジスタRT3のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持され、このカウント値が撮像信号として出力アンプ60から出力される。制御部40は、2ライン目以降にも同様の駆動を行って、全てのラインのフローティングゲートFG3に蓄積されていた電荷に応じた第三の撮像信号(特殊光1信号と特殊光2信号)を出力させる。
【0194】
第三の撮像信号を出力させた後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG1,WCG2,WCG3及び読み出しコントロールゲートRCG1,RCG2,RCG3の電位を−Vccに設定し、半導体基板の電位をVccに設定する。これによりフローティングゲートFG1,FG2,FG3に蓄積されていた電荷は、半導体基板に引き抜かれて消去される。
【0195】
以上のような動作が1フレーム期間内に実施される。
【0196】
信号処理部23は、固体撮像素子10の各画素部100から出力されたG信号と、R信号又はB信号と、特殊光1信号又は特殊光2信号とにより、カラー画像データと、2つの単色画像データを生成する。具体的には、画素部100から得られないR信号又はB信号を、その画素部100の周囲の画素部100から得られたR信号及びB信号を用いて補間することで、1つの画素部100に対し、R信号と、G信号と、B信号を生成してカラー画像データを生成する。また、画素部100から得られない特殊光1信号又は特殊光2信号を、その画素部100の周囲の画素部100から得られた特殊光1信号及び特殊光2信号を用いて補間することで、1つの画素部100に対し、特殊光1信号と、特殊光2信号とを生成して2つの単色画像データを生成する。なお、特殊光1信号と特殊光2信号については補間を行わず、そのまま画素数半分の単色画像データを生成しても良い。
【0197】
以上のように、第三の変形例の内視鏡装置によれば、1回の撮影により、カラー画像データに加えて、特殊光1による単色の画像データと、特殊光2による単色の画像データも得ることができる。カラー画像データは、フローティングゲートFG1,FG2を用いて生成し、単色画像データは、フローティングゲートFG3を用いて生成しており、カラー画像データ生成のための電荷の蓄積と、単色画像データ生成のための電荷の蓄積との間の時間はわずかである。このため、被写体が動いた場合でも、カラー画像データと単色画像データとで被写体がずれてしまう可能性は低くなる。この結果、同一被写体に対して異なる条件で画像観察を行うことができ、的確な診断が可能となる。
【0198】
なお、観察対象となる生体情報によっては、複数の特殊光を当てたときにしか確認できないようなものも存在する。複数の特殊光を特殊光1と特殊光2とすると、このような場合には、図15のタイミングチャートにおいて、4回目のリセット完了後、特殊光1と特殊光2を同時又は連続的に発光させて露光を行い、この露光によって得られる電荷を全ての画素部100のフローティングゲートFG3に注入する。そして、フローティングゲートFG3から撮像信号を読み出し、この撮像信号から画像データを生成すれば良い。このように、光の発光タイミングを変更するだけで、様々な種類の画像データを得ることができ、症状に合わせた柔軟な診断が可能となる。
【0199】
また、第三の変形例においても、全体の半分のフローティングゲートFG2にR光に応じた電荷を蓄積し、残り半分のフローティングゲートFG2にB光に応じた電荷を蓄積し、全体の半分のフローティングゲートFG3に特殊光1に応じた電荷を蓄積し、残り半分のフローティングゲートFG3に特殊光2に応じた電荷を蓄積できれば良く、奇数ラインと偶数ラインで分けなくとも良い。
【0200】
(第四の変形例)
第四の変形例では、図1に示した内視鏡装置や第一〜第三の変形例の内視鏡装置の固体撮像素子10の画素部100の内部構成の変形例について説明する。
【0201】
図17は、図1に示した内視鏡装置の第四の変形例を示す図であり、図3に示す画素部内の変形構成例を示した等価回路図である。なお、図17に示す構成は、第一〜第三の変形例で説明した内視鏡装置の固体撮像素子の各画素部にも適用可能である。
【0202】
図17に示す画素部には、光電変換部11で発生した電荷を選択的に蓄積可能な複数の電荷蓄積部として浮遊拡散容量C1と浮遊拡散容量C2と浮遊拡散容量C3とが設けられている。また、図17に示す画素部は、浮遊拡散容量C1に対応して設けられた、スイッチトランジスタST1、リセットトランジスタRET1、及びソースフォロワアンプSFA1と、浮遊拡散容量C2に対応して設けられた、スイッチトランジスタST2、リセットトランジスタRET2、及びソースフォロワアンプSFA2と、浮遊拡散容量C3に対応して設けられた、スイッチトランジスタST3、リセットトランジスタRET3、及びソースフォロワアンプSFA3とを備える。
【0203】
スイッチトランジスタST1は、光電変換部11内の電荷の浮遊拡散容量C1への転送制御を行う。ソースフォロアアンプSFA1は、浮遊拡散容量C1に接続され、浮遊拡散容量C1に転送された電荷量に応じた信号を出力する。リセットトランジスタRET1は、浮遊拡散容量C1の電位を電源電圧Vccにリセットするためのものである。
【0204】
スイッチトランジスタST2は、光電変換部11内の電荷の浮遊拡散容量C2への転送制御を行う。ソースフォロアアンプSFA2は、浮遊拡散容量C2に接続され、浮遊拡散容量C2に転送された電荷量に応じた信号を出力する。リセットトランジスタRET2は、浮遊拡散容量C2の電位を電源電圧Vccにリセットするためのものである。
【0205】
スイッチトランジスタST3は、光電変換部11内の電荷の浮遊拡散容量C3への転送制御を行う。ソースフォロアアンプSFA3は、浮遊拡散容量C3に接続され、浮遊拡散容量C3に転送された電荷量に応じた信号を出力する。リセットトランジスタRET3は、浮遊拡散容量C3の電位を電源電圧Vccにリセットするためのものである。
【0206】
図17に示す画素部を有する固体撮像素子を搭載した内視鏡装置では、撮影指示に応じて、まず、全ての画素部のスイッチトランジスタST1とリセットトランジスタRET1をそれぞれオンする。これにより、光電変換部11にある不要電荷は、浮遊拡散容量C1に完全転送され、ここからリセットトランジスタRET1のドレインへと排出される。次に、全ての画素部のスイッチトランジスタST1とリセットトランジスタRET1をそれぞれオフすると同時にG光による露光を開始する。露光期間が終了すると、全ての画素部のスイッチトランジスタST1をオンして、光電変換部11で発生した電荷を浮遊拡散容量C1に完全転送し、スイッチトランジスタST1をオフにする。
【0207】
次に、全ての画素部のスイッチトランジスタST2とリセットトランジスタRET2をそれぞれオンする。これにより、光電変換部11にある残留電荷は、浮遊拡散容量C2に完全転送され、ここからリセットトランジスタRET2のドレインへと排出される。次に、全ての画素部のスイッチトランジスタST2とリセットトランジスタRET2をそれぞれオフすると同時にR光による露光を開始する。露光期間が終了すると、全ての画素部のスイッチトランジスタST2をオンして、光電変換部11で発生した電荷を浮遊拡散容量C2に完全転送し、スイッチトランジスタST2をオフにする。
【0208】
次に、全ての画素部のスイッチトランジスタST3とリセットトランジスタRET3をそれぞれオンする。これにより、光電変換部11にある残留電荷は、浮遊拡散容量C3に完全転送され、ここからリセットトランジスタRET3のドレインへと排出される。次に、全ての画素部のスイッチトランジスタST3とリセットトランジスタRET3をそれぞれオフすると同時にB光による露光を開始する。露光期間が終了すると、全ての画素部のスイッチトランジスタST3をオンして、光電変換部11で発生した電荷を浮遊拡散容量C3に完全転送し、スイッチトランジスタST3をオフにする。
【0209】
電荷蓄積終了後は、浮遊拡散容量C1に転送された電荷量に応じた撮像信号をソースフォロアアンプSFA1によって外部に読み出す駆動を全ラインに対して行って撮像信号を読み出す。次に、浮遊拡散容量C2に転送された電荷量に応じた撮像信号をソースフォロアアンプSFA2によって外部に読み出す駆動を全ラインに対して行って撮像信号を読み出す。次に、浮遊拡散容量C3に転送された電荷量に応じた撮像信号をソースフォロアアンプSFA3によって外部に読み出す駆動を全ラインに対して行って撮像信号を読み出す。
【0210】
以上のような構成であっても、発熱を抑えながら3回の撮影間隔を短くすることができ、装置の小型化、診断精度の向上を実現することができる。また、図17に示した構成例においても、各浮遊拡散容量に電荷を選択的に蓄積することが可能であるため、第一〜第三の変形例で説明した駆動方法を採用することが可能である。
【0211】
(第五の変形例)
第二の変形例の内視鏡装置では、カラー画像データを生成するためには、フローティングゲートFG1を含む電荷蓄積部とフローティングゲートFG2を含む電荷蓄積部との2つの電荷蓄積部があれば十分である。そこで、第五の変形例の内視鏡装置では、固体撮像素子10の画素部100に設ける電荷蓄積部の数を2つにした構成となっている。
【0212】
図18は、図1に示した内視鏡装置の第五の変形例を示す図であり、図3に示す画素部内の変形構成例を示した等価回路図である。図18に示した画素部は、図3に示した画素部の第三の電荷蓄積部(書き込みトランジスタWT3、読み出しトランジスタRT3)を削除した構成となっている。
【0213】
図19は、第五の変形例の内視鏡装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。図20は、第五の変形例の内視鏡装置の動作を説明するための模式図である。図20では、2行×2列の計4つの画素部を模式的に図示してある。
【0214】
操作部25が操作されて対象物の撮影指示がなされると、この指示がシステム制御部24に入力され、システム制御部24から固体撮像素子10へ撮影指示が通知される。
【0215】
固体撮像素子10では、撮影指示を受けると、これをスタートトリガとして、制御部40が、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、各画素部100の光電変換部11に蓄積されていた不要電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0216】
リセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1bからG光を発光させる。なお、図19では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてからG光を発光させているが、この発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
【0217】
G光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。この発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここでG光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0218】
露光期間終了後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG1に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG1に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0219】
この書き込みパルスの供給により、図20に示すように、各画素部100で発生した電荷(G光による電荷、図中では“G”で示した)はその画素部100のフローティングゲートFG1に蓄積される。
【0220】
フローティングゲートFG1への電荷の蓄積が終了すると、制御部40は、再び、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、光電変換部11からフローティングゲートFG1へ注入しきれずに残ってしまっていた残留電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0221】
2度目のリセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1aからR光を発光させる。なお、図19では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてからR光を発光させているが、R光の発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
【0222】
R光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。このR光の発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここでR光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0223】
露光期間終了後、制御部40は、奇数ラインの画素部100の書き込みコントロールゲートWCG2に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG2に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0224】
この書き込みパルスの供給により、図20に示すように、各画素部100で発生した電荷(R光による電荷、図中では“R”で示した)は、奇数ラインの画素部100のフローティングゲートFG2にのみ蓄積される。
【0225】
奇数ラインの各画素部100のフローティングゲートFG2への電荷の蓄積が終了すると、制御部40は、再び、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、光電変換部11からフローティングゲートFG2へ注入しきれずに残ってしまっていた残留電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0226】
3度目のリセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1cからB光を発光させる。なお、図19では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてからB光を発光させているが、B光の発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
【0227】
B光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。このB光の発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここでB光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0228】
露光期間終了後、制御部40は、偶数ラインの画素部100の書き込みコントロールゲートWCG2に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG2に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0229】
この書き込みパルスの供給により、図20に示すように、各画素部100で発生した電荷(B光による電荷、図中では“B”で示した)は、偶数ラインの各画素部100のフローティングゲートFG2にのみ蓄積される。
【0230】
フローティングゲートFG2への電荷蓄積終了後、制御部40は、1ライン目の各画素部100の読み出しトランジスタRT1のドレインをプリチャージし、1ライン目の各画素部100の読み出しコントロールゲートRCG1へのランプ波形電圧の印加を開始する。そして、1ライン目の読み出しトランジスタRT1のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持され、このカウント値が撮像信号として出力アンプ60から出力される。制御部40は、2ライン目以降にも同様の駆動を行って、全てのラインのフローティングゲートFG1に蓄積されていた電荷に応じた第一の撮像信号(G信号)を出力させる。
【0231】
次に、制御部40は、1ライン目の各画素部100の読み出しトランジスタRT2のドレインをプリチャージし、1ライン目の各画素部100の読み出しコントロールゲートRCG2へのランプ波形電圧の印加を開始する。そして、1ライン目の読み出しトランジスタRT2のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持され、このカウント値が撮像信号として出力アンプ60から出力される。制御部40は、2ライン目以降にも同様の駆動を行って、全てのラインのフローティングゲートFG2に蓄積されていた電荷に応じた第二の撮像信号(R信号とB信号)を出力させる。
【0232】
第二の撮像信号を出力させた後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG1,WCG2,WCG3及び読み出しコントロールゲートRCG1,RCG2,RCG3の電位を−Vccに設定し、半導体基板の電位をVccに設定する。これによりフローティングゲートFG1,FG2,FG3に蓄積されていた電荷は、半導体基板に引き抜かれて消去される。
【0233】
以上のような動作が1フレーム期間内に実施される。
【0234】
信号処理部23は、固体撮像素子10の各画素部100から出力されたG信号と、R信号又はB信号とにより、カラー画像データを生成する。具体的には、画素部100から得られないR信号又はB信号を、その画素部100の周囲の画素部100から得られたR信号及びB信号を用いて補間することで、1つの画素部100に対し、R信号とG信号とB信号を生成し、これらから輝度信号と色差信号を生成してカラー画像データを生成する。
【0235】
以上のように、第五の変形例の内視鏡装置によれば、固体撮像素子10の画素部100内に2つの電荷蓄積部を設けるだけで、色ずれを抑制したカラー画像データを生成することができる。このため、電荷蓄積部を3つ設ける場合と比べて、画素部サイズの縮小、光電変換部の拡大等が可能となり、多画素化、高感度化等に対応することができる。
【0236】
なお、第五の変形例においても、全体の半分のフローティングゲートFG2にR光に応じた電荷を蓄積し、残り半分のフローティングゲートFG2にB光に応じた電荷を蓄積できれば良く、奇数ラインと偶数ラインという分け方には限定されない。
【0237】
以上の説明では、それぞれ異なる波長の光を発光するLEDにより光源1を構成しているが、白色光源と、この前面に挿入される分光フィルタとによって、それぞれ異なる波長の光を発光できるようにしても良い。ただし、複数の光を同時に発光させる場合には、この構成は採用できない。
【0238】
(第六の変形例)
この変形例では、第五の変形例で説明した固体撮像素子の各画素部に含まれる2つの電荷蓄積部の各々を、1つのトランジスタで構成した例について説明する。
【0239】
図21は、本発明の一実施形態を説明するための固体撮像素子の別例の概略構成を示す平面模式図である。図21(a)は固体撮像素子の全体を示した図であり、図21(b)は(a)の固体撮像素子の読み出し回路の構成例を示した図である。図21に示す固体撮像素子10’は、画素部100’と、読み出し回路20’と、出力回路(トランジスタ30’、信号線70’、水平シフトレジスタ50’、出力部60’)と、制御部40’と、統括制御部80’とを備える。
【0240】
画素部100’は、複数設けられ、半導体基板K’の列方向とこれに直交する行方向に二次元状(この例では正方格子状)に配列されている。
【0241】
読み出し回路20’は、列方向に並ぶ画素部100’からなる画素部列毎に設けられ、各画素部100’から撮像信号を読み出すためのものである。
【0242】
出力回路は、読み出し回路20’で読み出された1画素部行分の撮像信号を出力するための回路である。
【0243】
制御部40’は、各画素部100’を制御するものである。
【0244】
統括制御部80’は、固体撮像素子10’全体を統括制御するものである。固体撮像素子10’は、それを搭載する撮像装置のシステム制御部からの制御により、統括制御部80’が各部を制御することで動作する。
【0245】
図22は、図21に示した固体撮像素子における画素部の等価回路を示した図である。図22に示すように、画素部100’は、光電変換部3’と、不揮発性メモリトランジスタMT1’と、不揮発性メモリトランジスタMT2’と、リセットトランジスタRT’とを備える。
【0246】
光電変換部3’は半導体基板K’内に形成されている。不揮発性メモリトランジスタMT1’は、半導体基板K’上方に形成された電荷蓄積領域であるフローティングゲートFG1’及びゲート電極であるコントロールゲートCG1’を含むMOSトランジスタ構造となっている。不揮発性メモリトランジスタMT2’は、半導体基板K’上方に形成された電荷蓄積領域であるフローティングゲートFG2’及びゲート電極であるコントロールゲートCG2’を含むMOSトランジスタ構造となっている。リセットトランジスタRT’は、光電変換部3’の電荷をリセットするためのものである。不揮発性メモリトランジスタMT1’と不揮発性メモリトランジスタMT2’は、それぞれ、光電変換部3’で発生した電荷を選択的に蓄積可能な電荷蓄積部として機能する。
【0247】
不揮発性メモリトランジスタMT1’と不揮発性メモリトランジスタMT2’の各々の出力(ドレイン領域D1’,D2’)は、画素部列毎に設けられた出力信号線である列信号線12’に共通接続されており、この列信号線12’には読み出し回路20’が接続されている。不揮発性メモリトランジスタMT1’,MT2’のソース領域S’は、画素部列毎に設けられたソース線SL’に共通接続されている。
【0248】
リセットトランジスタRT’は、リセットドレインRD’と、ソース領域として機能する光電変換部3’と、ゲート電極であるリセットゲートRG’とを備えたMOS構造となっている。リセットドレインRD’には、リセット電圧を供給するためのリセット電源線Vcc’が接続されている。
【0249】
不揮発性メモリトランジスタMT1’のコントロールゲートCG1’には、行方向に並ぶ画素部100’からなるライン毎に設けられたゲート制御線CGL1’が接続されている。各ラインのゲート制御線CGL1’は制御部40’に接続されており、ライン毎に独立に電圧を印加できるようになっている。
【0250】
不揮発性メモリトランジスタMT2’のコントロールゲートCG2’には、ライン毎に設けられたゲート制御線CGL2’が接続されている。各ラインのゲート制御線CGL2’は制御部40’に接続されており、ライン毎に独立に電圧を印加できるようになっている。
【0251】
リセットトランジスタRT’のリセットゲートRG’には、ライン毎に設けられたリセット制御線RL’が接続されている。各ラインのリセット制御線RL’は制御部40’に接続されており、ライン毎に独立に電圧を印加できるようになっている。制御部40’からリセット制御線RL’を介してリセットパルスが印加されることで、リセットトランジスタRT’がオンし、光電変換部3’に蓄積されている電荷がリセットトランジスタRT’のドレインRD’へと排出される構成となっている。
【0252】
読み出し回路20’は、図21(b)に示すように、読み出し制御部20a’と、センスアンプ20b’と、プリチャージ回路20c’と、ランプアップ回路20d’と、トランジスタ20e’,20f’とを備えた構成となっている。
【0253】
読み出し制御部20a’は、トランジスタ20e’,20f’のオンオフを制御する。プリチャージ回路20c’は、列信号線12’に所定の電圧を供給して、列信号線12’をプリチャージするための回路である。センスアンプ20b’は、列信号線12’の電圧を監視し、この電圧が変化したことを検出し、ランプアップ回路20d’にその旨を通知する。例えば、プリチャージ回路20c’によってプリチャージされたドレイン電圧が降下したことを検出しセンスアンプ出力を反転させる。
【0254】
ランプアップ回路20d’は、N−bitカウンタ(例えばN=8〜12)を内蔵しており、制御部40’を介して画素部100’のコントロールゲートCG1’,CG2’に漸増または漸減するランプ波形電圧を供給すると共に、ランプ波形電圧の値に対応するカウント値(N個の1、0の組み合わせ)を出力する。
【0255】
列信号線12’がプリチャージされた状態でコントロールゲートCG1’の電圧が不揮発性メモリトランジスタMT1’の閾値電圧を越えると不揮発性メモリトランジスタMT1’が導通し、このとき、プリチャージされていた列信号線12’の電位が降下する。これがセンスアンプ20b’によって検出されて反転信号が出力される。ランプアップ回路20d’は、この反転信号を受けた時点におけるランプ波形電圧の値に対応するカウント値を保持(ラッチ)する。これにより、デジタル値(1,0の組み合わせ)として不揮発性メモリトランジスタMT1’の閾値電圧の変化量(フローティングゲートFG1’に電荷が蓄積されていないときの閾値電圧を基準とした変化量)を信号として読み出すことができる。
【0256】
列信号線12’がプリチャージされた状態でコントロールゲートCG2’の電圧が不揮発性メモリトランジスタMT2’の閾値電圧を越えると不揮発性メモリトランジスタMT2’が導通し、このとき、プリチャージされていた列信号線12’の電位が降下する。これがセンスアンプ20b’によって検出されて反転信号が出力される。ランプアップ回路20d’は、この反転信号を受けた時点におけるランプ波形電圧の値に対応するカウント値を保持する。これにより、デジタル値として不揮発性メモリトランジスタMT2’の閾値電圧の変化量(フローティングゲートFG2’に電荷が蓄積されていないときの閾値電圧を基準とした変化量)を信号として読み出すことができる。
【0257】
水平シフトレジスタ50’により1つの水平選択トランジスタ30’が選択されると、その水平選択トランジスタ30’に接続されたランプアップ回路20d’で保持されているカウンタ値が信号線70’に出力され、これが撮像信号として出力部60’から出力される。
【0258】
なお、不揮発性メモリトランジスタMT1’,MT2’の閾値電圧の変化量を信号として読み出す方法としては上述したものに限らない。例えば、コントロールゲートCG1’とドレイン領域D1’に一定の電圧を印加した場合の不揮発性メモリトランジスタMT1’のドレイン電流と、コントロールゲートCG2’とドレイン領域D2’に一定の電圧を印加した場合の不揮発性メモリトランジスタMT2’のドレイン電流とを信号として読み出しても良い。
【0259】
制御部40’は、不揮発性メモリトランジスタMT1’,MT2’を制御し、光電変換部3で発生した電荷をフローティングゲートFG1’,FG2’に注入して蓄積させる駆動を行う。不揮発性メモリトランジスタMT1’(MT2’)では、コントロールゲートCG1’(CG2’)に書き込みパルスが印加されることで、ファウラ−ノルドハイム(F−N)トンネル電流を用いて電荷を注入するFNトンネル注入、ダイレクトトンネル注入、ホットエレクトロン注入等により、光電変換部3’で発生した電荷がフローティングゲートFG1’(FG2’)に注入されて蓄積されるようになっている。
【0260】
また、制御部40’は、各画素部100’の光電変換部3’で発生して蓄積された電荷を外部に排出して光電変換部3’を空の状態にするリセット駆動と、フローティングゲートFG1’,FG2’に蓄積された電荷を半導体基板に排出して消去する電荷消去駆動も行う。
【0261】
図23は、図21に示した固体撮像素子の画素部の平面レイアウト例を示す平面模式図である。図24は、図23に示す画素部のA−A’線断面模式図である。図25は、図23に示す画素部のB−B’線断面模式図である。
【0262】
図24に示すように、光電変換部3’は、N型シリコン基板1’上のPウェル層2’内に形成されたN型不純物領域であり、このN型不純物領域とPウェル層2’とのPN接合により、光電変換機能を実現している。この光電変換部3’は、その表面に完全空乏化や暗電流抑制のためにP型不純物層5’が形成された、所謂埋め込み型フォトダイオードとなっている。なお、N型シリコン基板1’とPウェル層2’とにより上記半導体基板K’が構成されている。
【0263】
隣接する画素部100’同士は、pウェル層2’内に形成された素子分離層4’によって分離されている。素子分離法には、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)法、STI(Shallow Trench Isolation)法、及び高濃度不純物イオン注入による方法等が適用できる。
【0264】
不揮発性メモリトランジスタMT1’のソース領域S’は、光電変換部3’の列方向隣に離間して設けられたN型不純物領域である。また、不揮発性メモリトランジスタMT1’のドレイン領域D1’は、ソース領域S’の行方向隣に離間して設けられたN型不純物領域である。ソース領域S’とドレイン領域D1’との間にはP型不純物領域であるチャネル領域6a’が形成されている。フローティングゲートFG1’は、ソース領域S’とドレイン領域D1’との間の半導体基板上方に絶縁膜7’を介して設けられており、フローティングゲートFG1’の上方に絶縁膜14’を介してコントロールゲートCG1’が設けられている。なお、チャネル領域6a’は、コントロールゲートCG1’に印加される電圧に応じてキャリアが流れる領域である。ここでは、ソース領域S’とドレイン領域D1’とで挟まれた領域にP型不純物を注入してチャネル領域6a’を形成しているが、ここをpウェル層2’のままとしても良い。
【0265】
不揮発性メモリトランジスタMT2’のドレイン領域D2’は、ソース領域S’の行方向隣に離間して設けられたN型不純物領域である。ソース領域S’とドレイン領域D2’との間にはP型不純物領域であるチャネル領域6b’が形成されている。フローティングゲートFG2’は、ソース領域S’とドレイン領域D2’との間の半導体基板上方に絶縁膜7’を介して設けられており、フローティングゲートFG2’の上方に絶縁膜14’を介してコントロールゲートCG2’が設けられている。なお、チャネル領域6b’は、コントロールゲートCG2’に印加される電圧に応じてキャリアが流れる領域である。ここでは、ソース領域S’とドレイン領域D2’とで挟まれた領域にP型不純物を注入してチャネル領域6b’を形成しているが、ここをpウェル層2’のままとしても良い。
【0266】
コントロールゲートCG1’,CG2’を構成する導電性材料は、例えばポリシリコンを用いることができる。リン(P)、砒素(As)、ボロン(B)を高濃度にドープしたドープドポリシコンでも良い。あるいは、チタン(Ti)やタングステン(W)等の各種金属とシリコンを組み合わせたシリサイド(Silicide)やサリサイド(Self-alingn Silicide)でも良い。フローティングゲートFG1’,FG2’を構成する導電性材料は、コントロールゲートCG1’,CG2’と同じものを用いることができる。
【0267】
図23のレイアウト例では、ソース領域S’とドレイン領域D1’,D2’が行方向に並べて配置されており、これらの間を、フローティングゲートFG1’,FG2’及びコントロールゲートCG1’,CG2’が列方向に延びるように細長く形成されている。コントロールゲートCG1’は、行方向に延びるアルミ配線であるゲート制御線CGL1’の下方まで延びており、ここで、アルミニウム等で形成されたコンタクト部11’によりゲート制御線CGL1’と接続されている。
【0268】
コントロールゲートCG2’は、行方向に延びるアルミ配線であるゲート制御線CGL2’の下方まで延びており、ここで、アルミニウム等で形成されたコンタクト部16’によりゲート制御線CGL2’と接続されている。
【0269】
ドレイン領域D1’,D2’上方には、列方向に延びるアルミ配線である列信号線12’の一部が延びてきており、この一部とドレイン領域D1’とがアルミニウム等で形成されたコンタクト部9’により電気的に接続され、この一部とドレイン領域D2’とがアルミニウム等で形成されたコンタクト部10’により電気的に接続されている。
【0270】
ソース領域S’上にはアルミニウム等で形成されたコンタクト部8a’が形成され、コンタクト部8a’には配線8’が接続されている。配線8’は、列方向に延びるアルミ配線であるリセット電源線Vcc’の下を通過してソース線SL’の下まで延びている。配線8’とソース線SL’はアルミニウム等で形成されたコンタクト部8b’により電気的に接続されている。ソース線SL’は、列方向に並ぶ画素部100’からなる列毎に設けられており、所定の電位(例えば接地電位)に接続されている。
【0271】
リセットトランジスタRT’は、ソース領域として機能する光電変換部3’と、光電変換部3’の列方向隣に離間して設けられたN型不純物領域であるドレイン領域RD’と、光電変換部3’とドレイン領域RD’との間の半導体基板上方に絶縁膜7’を介して設けられたリセットゲートRG’とを備えたMOSトランジスタ構造となっている。
【0272】
図23のレイアウト例では、リセットゲートRG’は、行方向に延びるアルミ配線であるリセット制御線RL’の下に配置されており、ここで、アルミニウム等で形成されたコンタクト部RGa’によりリセット制御線RL’と接続されている。
【0273】
ドレイン領域RD’上方には、リセット電源線Vcc’の一部が延びてきており、この一部とドレイン領域RD’とがアルミニウム等で形成されたコンタクト部RDa’により電気的に接続されている。リセット電源線Vcc’は、列方向に並ぶ画素部100’からなる列毎に設けられており、所定の電源電圧に接続されている。
【0274】
なお、リセットトランジスタRT’や不揮発性メモリトランジスタMT1’,MT2’の配置は、図23に示したものに限らず、スペースに応じて適当に配置すれば良い。
【0275】
各種配線の位置関係は、ゲート制御線CGL1’,CGL2’、リセット制御線RL’、及び配線8’よりも、ソース線SL’、リセット電源線Vcc’、及び列信号線12’の方が上層に形成されたものとなっている。
【0276】
画素部100’は、例えばタングステン等で構成された遮光膜W’によって、光電変換部3’の一部以外の領域に光が入射しない構造になっている。図24及び図25に示したように、半導体基板上方(ソース線SL’、リセット電源線Vcc’、及び列信号線12’よりも上)には光電変換部3’の一部の上方に開口WH’が形成された遮光膜W’が形成されている。
【0277】
固体撮像素子10’では、フローティングゲートFG1’,FG2’への電荷注入効率向上を目的として、図24及び図25に示したように、光電変換部3’が、遮光膜W’の開口WH’の下方だけでなく、不揮発性メモリトランジスタMT1’,MT2’のチャネル領域6a’,6b’の下まで延在している。
【0278】
図24,25に示すように、光電変換部3’は、開口WH’下方に形成された本体部3a’と、そこからチャネル領域6a’(6b’)の下まで延びる延在部3b’とで構成されている。なお、図24では本体部3a’と延在部3b’とに境界線(破線)を記してあるが、これは説明のためであり、実際にはこのような境界は存在しない。
【0279】
本体部3a’は、光を受光するために開口WH’の下方に形成した部分である。延在部3b’は、pウェル層2’内部で不揮発性メモリトランジスタMT1’,MT2’のチャネル領域6a’,6b’の下まで本体部3a’から延在させた部分である。延在部3b’は、平面視においては、本体部3a’のソース領域S’とドレイン領域D1’,D2’の間の領域に対向する位置から、該領域に向かって列方向に延びて形成されている。即ち、平面視において不揮発性メモリトランジスタMT1’,MT2’やリセットトランジスタRT’の形成される領域においては、不揮発性メモリトランジスタMT1’,MT2’のチャネル領域6a’,6b’の下にのみ光電変換部3’が存在するように、光電変換部3’を形成した構成となっている。なお、チャネル領域6a’,6b’の下のみだけでなく、不揮発性メモリトランジスタMT1’,MT2’の全体の下まで光電変換部3’が存在するように延在部3b’を形成した構成としても良い。
【0280】
チャネル領域6a’(6b’)は、コントロールゲートCG1’(CG2’)及びフローティングゲートFG1’(FG2’)の直下にある。このため、このチャネル領域6a’(6b’)の下(好ましくはチャネル領域6a’(6b’)と平面視で重なる範囲の全て)まで光電変換部3’を延在させることで、光電変換部3’の電荷をFNトンネル注入或いはダイレクトトンネル注入によってフローティングゲートFG1’(FG2’)に注入する場合に、コントロールゲートCG1’(CG2’)に印加した電圧(CG電圧)によってほぼ垂直方向に光電変換部3’からフローティングゲートFG1’(FG2’)に電界を加えることができる。これにより、光電変換部3’の電荷がコントロールゲートCG1’(CG2’)の方向に向かって加速されやすくなる。この結果、低いCG電圧でトンネリングを起こさせることができる。
【0281】
固体撮像素子10’では、チャネル領域6a’(6b’)を確保しつつ、このチャネル領域6a’(6b’)の下に光電変換部3を延在させているため、光電変換部3’とコントロールゲートCG1’(CG2’)との重なり部分の大きさには制限がなくなり、電界方向をほぼ垂直にすることができる。この結果、効率的にトンネル電流を発生させることができる。
【0282】
光電変換部3’は、イオン注入の際のマスクパターンの制御によって基板表面に平行な方向の長さを制御することでき、イオン注入エネルギの制御によって基板表面に垂直な方向の長さを制御することできる。このようにすることで、本体部3a’と延在部3b’からなる光電変換部3’を形成することが可能である。
【0283】
図21に示した固体撮像素子10’を搭載する図1に示した内視鏡装置の動作について説明する。
【0284】
固体撮像素子10’では、撮影指示を受けると、これをスタートトリガとして、制御部40’が、全ての画素部100のリセットトランジスタRT’のリセットゲートRG’にリセットパルスを供給する。これにより、各画素部100’の光電変換部3’に蓄積されていた不要電荷がリセットトランジスタRT’のドレインへと排出される。
【0285】
リセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1bからG光を発光させる。G光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。この発光期間中、固体撮像素子10’の各画素部100’では、対象物から入射してくる光が光電変換部3’に入射し、ここでG光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0286】
露光期間終了後、制御部40’は、全ての画素部100’のコントロールゲートCG1’に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部3’で発生した電荷をフローティングゲートFG1’に蓄積させる。
【0287】
この書き込みパルスの供給により、各画素部100’で発生した電荷はその画素部100’のフローティングゲートFG1’に蓄積される。
【0288】
フローティングゲートFG1’への電荷の蓄積が終了すると、制御部40’は、再び、全ての画素部100’の光電変換部3’をリセットする。
【0289】
2度目のリセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1aからR光を発光させる。R光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。このR光の発光期間中、固体撮像素子10’の各画素部100’では、対象物から入射してくる光が光電変換部3’に入射し、ここでR光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0290】
露光期間終了後、制御部40’は、奇数ラインの画素部100’のコントロールゲートCG2’に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部3’で発生した電荷をフローティングゲートFG2’に蓄積させる。
【0291】
この書き込みパルスの供給により、各画素部100’で発生した電荷は、奇数ラインの画素部100’のフローティングゲートFG2’にのみ蓄積される。
【0292】
奇数ラインの各画素部100’のフローティングゲートFG2’への電荷の蓄積が終了すると、制御部40’は、再び、全ての画素部100’の光電変換部3’をリセットする。
【0293】
3度目のリセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1cからB光を発光させる。B光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。このB光の発光期間中、固体撮像素子10’の各画素部100’では、対象物から入射してくる光が光電変換部3’に入射し、ここでB光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0294】
露光期間終了後、制御部40’は、偶数ラインの画素部100’のコントロールゲートCG2’に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部3’で発生した電荷をフローティングゲートFG2’に蓄積させる。
【0295】
この書き込みパルスの供給により、各画素部100’で発生した電荷(B光による電荷)は、偶数ラインの各画素部100’のフローティングゲートFG2’にのみ蓄積される。
【0296】
フローティングゲートFG2’への電荷蓄積終了後、読み出し制御部20a’がトランジスタ20f’をオンして列信号線12’をプリチャージする。次に、読み出し制御部20a’がトランジスタ20e’をオンして、列信号線12’とセンスアンプ20b’とを導通する。この状態で、ランプアップ回路20d’が、制御部40’を介して、1ライン目の各画素部100’のコントロールゲートCG1’へのランプ波形電圧(Vth読み出し電圧)の印加を開始する(ランプ波形電圧の印加開始後のカウント値は、初期値(例えばゼロ)からアップカウントされる)。ランプ波形電圧の印加後、1ライン目の各画素部100’の不揮発性メモリトランジスタMT1’のドレイン電位が降下すると、その時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20’内で保持される。保持されたカウント値は、水平シフトレジスタ50’の制御により信号線70’を介して出力部60’から出力される。このカウント値の出力後は、トランジスタ20f’がオフされ、ランプ波形電圧の印加が停止され、カウント値がリセットされる。2ライン目以降にも同様の駆動が行われて、全てのラインのフローティングゲートFG1’に蓄積されていた電荷に応じた第一の撮像信号(G信号)を出力させる。
【0297】
次に、読み出し制御部20a’がトランジスタ20f’をオンして列信号線12’をプリチャージする。次に、読み出し制御部20a’がトランジスタ20e’をオンして、列信号線12’とセンスアンプ20b’とを導通する。この状態で、ランプアップ回路20d’が、制御部40’を介して、1ライン目の各画素部100’のコントロールゲートCG2’へのランプ波形電圧(Vth読み出し電圧)の印加を開始する(ランプ波形電圧の印加開始後のカウント値は、初期値(例えばゼロ)からアップカウントされる)。ランプ波形電圧の印加後、1ライン目の各画素部100’の不揮発性メモリトランジスタMT2’のドレイン電位が降下すると、その時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20’内で保持される。保持されたカウント値は、水平シフトレジスタ50’の制御により信号線70’を介して出力部60’から出力される。このカウント値の出力後は、トランジスタ20f’がオフされ、ランプ波形電圧の印加が停止され、カウント値がリセットされる。2ライン目以降にも同様の駆動が行われて、全てのラインのフローティングゲートFG2’に蓄積されていた電荷に応じた第二の撮像信号(R信号とB信号)を出力させる。
【0298】
第二の撮像信号を出力させた後、制御部40’は、フローティングゲートFG1,FG2,FG3に蓄積されていた電荷を、半導体基板に引き抜いて消去する。
【0299】
以上のような動作が1フレーム期間内に実施される。このように、画素部に設ける複数の電荷蓄積部として、不揮発性メモリトランジスタMT1’,MT2’を用いることで、トランジスタ数を減らすことができる。
【0300】
なお、電荷蓄積部を1つのトランジスタで実現した構成は、図3に示した画素部においても適用可能である。
【0301】
また、図22の例では、不揮発性メモリトランジスタMT1’と不揮発性メモリトランジスタMT2’を1本の列信号線12’に共通接続し、この列信号線12’に1つの読み出し回路20’を接続した構成としている。しかし、図26に示すように、不揮発性メモリトランジスタMT1’と不揮発性メモリトランジスタMT2’をそれぞれ別の列信号線12a’,12b’に接続し、これら列信号線12a’,12b’の各々に1つの読み出し回路20’を接続した構成としても良い。列信号線12a’に接続された読み出し回路20’と、列信号線12b’に接続された読み出し回路20’との各々に対応させて出力回路を設けることで、第一の撮像信号と第二の撮像信号を同時並行して固体撮像素子外部に読み出すことができる。この結果、撮像してから画像表示・記録までの時間を短縮することができる。
【0302】
また、図3や図18に示した画素部を有する固体撮像素子においても、各電荷蓄積部の読み出しトランジスタをそれぞれ別の信号線に接続し、これら信号線の各々に1つの読み出し回路20を接続した構成としても良い。特に、図1〜図6で説明した固体撮像素子の場合は、R信号,G信号,B信号を同時並行して読み出すことができるため、画像データの生成処理を高速に行うことが可能となる。
【0303】
また、図3や図18に示した画素部を有する固体撮像素子においても、光電変換部11以外の領域を遮光膜で遮光し、各書き込みトランジスタのチャネル領域の下まで光電変換部11を延在させることで、電荷注入効率を向上させることができる。
【0304】
以上説明したように、本明細書には以下の事項が開示されている。
【0305】
開示された内視鏡装置は、第一の光と、第二の光と、第三の光との発光を独立に行うことが可能な光源と、前記第一の光、前記第二の光、前記第三の光を受光可能で且つ受光した光に応じた電荷を発生する光電変換部及び前記光電変換部で発生した電荷を選択的に蓄積可能な複数の電荷蓄積部を含む複数の画素部と、前記複数の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を独立に読み出す信号読み出し部とを有する固体撮像素子とを備える。
【0306】
この構成により、例えば第一の光、第二の光、第三の光を順次発光し、第一の光に応じて被写体から入射してくる光に応じた第一の電荷を全ての画素部の2つの電荷蓄積部の一方に蓄積し、第二の光に応じて被写体から入射してくる光に応じた第二の電荷を、半分の画素部のうちの第一の電荷が蓄積されていない電荷蓄積部に蓄積し、第三の光に応じて被写体から入射してくる光に応じた第三の電荷を、残り半分の画素部のうちの第一の電荷が蓄積されていない電荷蓄積部に蓄積し、各電荷蓄積部から信号を読み出すことで、カラー画像データを生成することができる。従来構成では、第一の光発光→電荷蓄積→信号読み出し→第二の光発光→電荷蓄積→信号読み出し→第三の光発光→電荷蓄積→信号読み出しのステップを踏まないといけないのに対し、上記構成によれば、第一の光発光→電荷蓄積→第二の光発光→電荷蓄積→第三の光発光→電荷蓄積→第一の光に応じた信号読み出し→第二の光に応じた信号読み出し→第三の光に応じた信号読み出しのステップとすることが可能となる。このため、各色光による露光の間隔を短縮することができ、被写体が動いた場合でも色ずれを防いで画質向上を図ることができる。
【0307】
開示された内視鏡装置は、前記複数の電荷蓄積部が、第一の電荷蓄積部、第二の電荷蓄積部、第三の電荷蓄積部を含み、前記第一の光を発光させ、前記第一の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第一の電荷蓄積部に蓄積させる第一の駆動と、前記第二の光を発光させ、前記第二の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第二の駆動と、前記第三の光を発光させ、前記第三の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第三の駆動とを行う駆動手段を備え、前記信号読み出し部は、前記第一の駆動、前記第二の駆動、及び前記第三の駆動の終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出す。
【0308】
この構成により、各画素部からは、第一の光に応じた信号と、第二の光に応じた信号と、第三の光に応じた信号とが得られる。このため、第一の光、第二の光、第三の光を原色(G,R,B)又は補色(Ye,Cy,Mg)とすることで、カラー画像データを生成することができる。上記構成によれば、色信号の補間処理が不要であるため、偽色の低減、演算時間の削減を実現することができる。
【0309】
開示された内視鏡装置は、前記複数の電荷蓄積部が、第一の電荷蓄積部、第二の電荷蓄積部、第三の電荷蓄積部を含み、前記第一の光がG光であり、前記第二の光がB光であり、前記第三の光がR光であり、前記G光、前記B光、及び前記R光を同時に又は連続して発光させ、該発光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第一の電荷蓄積部に蓄積させる第一の駆動と、前記B光を発光させ、前記B光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第二の駆動と、前記R光を発光させ、前記R光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第三の駆動とを行う駆動手段を備え、前記信号読み出し部は、前記第一の駆動、前記第二の駆動、及び前記第三の駆動の終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出し、前記第一の電荷蓄積部から読み出した信号と前記第二の電荷蓄積部から読み出した信号とから第一の色差信号を生成し、前記第一の電荷蓄積部から読み出した信号と前記第三の電荷蓄積部から読み出した信号とから第二の色差信号を生成する色差信号生成手段を備える。
【0310】
この構成により、各画素部からは、R光G光B光に応じた信号(輝度信号Yに相当する)と、B光に応じた信号と、R光に応じた信号とが得られる。そして、これらの信号により画素部毎に第一の色差信号(Cr,Prに相当)と第二の色差信号(Cb,Pbに相当)が得られる。このため、画像データの圧縮に要する時間を削減することができる。輝度信号Yは、通常、R信号とG信号とB信号から演算によって求めるが、上記構成によれば、RGB光の発光量を、輝度信号を求める際の係数に応じて設定しておくことで、第一の電荷蓄積部から読み出した信号が輝度信号Yに相当したものとなる。したがって、画像データ生成までの演算時間を短縮することができ、動画撮影時のフレームレート向上等を実現することができる。
【0311】
開示された内視鏡装置は、前記複数の電荷蓄積部が第一の電荷蓄積部と第二の電荷蓄積部を含み、前記第一の光を発光させ、前記第一の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を全ての前記画素部の前記第一の電荷蓄積部に蓄積させる第一の駆動と、前記第二の光を発光させ、前記第二の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記複数の画素部のうちの半分の画素部の前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第二の駆動と、前記第三の光を発光させ、前記第三の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記複数の画素部のうちの残り半分の画素部の前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第三の駆動とを行う駆動手段を備え、前記信号読み出し部は、前記第一の駆動、前記第二の駆動、及び前記第三の駆動の終了後、前記第一の電荷蓄積部及び前記第二の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出し、前記画素部から得られない前記第二の光に応じた信号又は前記第三の光に応じた信号を、該画素部の周囲の前記画素部から得られた前記第二の光に応じた信号及び前記第三の光に応じた信号を用いて補間する補間手段を備える。
【0312】
この構成により、各画素部からは、第一の光に応じた信号と、第二の光に応じた信号及び第三の光に応じた信号のいずれかとが得られる。そして、画素部から得られない第二の光に応じた信号又は第三の光に応じた信号が、その画素部の周囲の画素部から得られた第二の光に応じた信号及び第三の光に応じた信号を用いて補間されて、1つの画素部に対し、第一の光に応じた信号と、第二の光に応じた信号と、第三の光に応じた信号とが生成される。このため、第一の光、第二の光、第三の光を原色(G,R,B)又は補色(Ye,Cy,Mg)とすることで、カラー画像データを生成することができる。また、この構成によれば、電荷蓄積部が2つで済むため、画素部サイズの縮小、光電変換部の拡大等が可能となり、多画素化、高感度化等に対応することができる。
【0313】
開示された内視鏡装置は、前記複数の電荷蓄積部が更に第三の電荷蓄積部を含み、前記光源が、更に第四の光を独立に発光可能であり、前記駆動手段が、前記第四の光を発光させ、前記第四の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を全ての前記画素部の前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第四の駆動も行い、前記信号読み出し部は、前記第一の駆動、前記第二の駆動、前記第三の駆動、及び前記第四の駆動の終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出す。
【0314】
この構成により、各画素部からは第四の光に応じた信号も得られる。このため、第四の光を例えば赤外光とすることで、肉眼では見え難い部位が強調された赤外画像データも生成することができる。上記構成によれば、カラー画像データと赤外画像データの生成に必要な電荷の蓄積は短時間で行うことができるため、カラー画像データと赤外画像データの撮影時間差を小さくすることができる。この結果、同一被写体に対して異なる条件で画像観察を行うことができ、的確な診断が可能となる。
【0315】
開示された内視鏡装置は、前記複数の電荷蓄積部が更に第三の電荷蓄積部を含み、前記光源が、更に第四の光と第五の光を独立に発光可能であり、前記駆動手段が、前記第四の光を発光させ、前記第四の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記半分の前記画素部の前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第四の駆動と、前記第五の光を発光させ、前記第五の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記残り半分の前記画素部の前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第五の駆動も行い、前記信号読み出し部は、前記第一の駆動、前記第二の駆動、前記第三の駆動、前記第四の駆動、及び前記第五の駆動の終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出す。
【0316】
この構成により、半分の画素部からは第四の光に応じた信号も得られる。このため、第四の光を例えば赤外光とすることで、肉眼では見え難い部位が強調された赤外画像データを生成することができる。さらに、残り半分の画素部からは第五の光に応じた信号も得られる。このため、第五の光を対象物から励起光を発生させることができる波長の光とすることで、がん細胞等をハイライトした励起光画像データを生成することができる。上記構成によれば、カラー画像データと赤外画像データと励起光画像データの生成に必要な電荷の蓄積は短時間で行うことができるため、これらの画像データの撮影時間差を小さくすることができる。この結果、同一被写体に対して異なる条件で画像観察を行うことができ、的確な診断が可能となる。
【0317】
開示された内視鏡装置は、前記画素部が、前記光源による光の発光前に、前記光電変換部に蓄積されている電荷を外部に排出する電荷排出手段を有する。
【0318】
この構成により、発光前に光電変換部が空の状態になるため、その後に発光する光に応じた電荷のみを光電変換部に蓄積させることができ、混色等を防止して画質向上を図ることができる。
【0319】
開示された内視鏡装置は、前記複数の電荷蓄積部の各々が、前記光電変換部が形成される半導体基板上方に形成された電荷蓄積領域を含むトランジスタであり、前記電荷蓄積領域に前記電荷が蓄積され、前記信号読み出し部が、前記電荷蓄積領域に蓄積される電荷に応じた前記トランジスタの閾値電圧の変化を前記信号として読み出す回路で構成されている。
【0320】
開示された内視鏡装置は、前記半導体基板上方に設けられ、前記光電変換部の一部の上方に開口が形成された遮光膜を備え、前記トランジスタの前記電荷蓄積領域及びチャネル領域は前記遮光膜によって覆われており、前記光電変換部が、前記トランジスタのチャネル領域の下まで延在している。
【0321】
この構成により、トランジスタのチャネル領域の下に光電変換部が存在することになるため、遮光膜開口から入った光に応じて光電変換部で発生した電荷を、光電変換部のチャネル領域との重なり部分から該チャネル領域を介して電荷蓄積部へと効率的に注入することができる。
【0322】
開示された内視鏡装置は、前記電荷蓄積領域がフローティングゲートである。
【0323】
この構成により、フローティングゲートに電荷が蓄積された後は、その電荷が周囲からのノイズによる影響を受け難くなるため、SN比を向上させることができる。
【0324】
開示された内視鏡装置は、前記トランジスタが、前記フローティングゲートに前記電荷を注入するための書き込みトランジスタと、前記フローティングゲートの電位変動に応じて閾値電圧が変化するトランジスタであって、前記閾値電圧を検出するための読み出しトランジスタとの2つで構成され、前記書き込みトランジスタは、前記光電変換部に接続されたソースとゲートとの2端子構造となっている。
【0325】
この構成により、画素部内に書き込みトランジスタのドレインを形成するスペースを設ける必要がなくなり、設計レイアウトの向上や、多画素化や微細化への対応を実現することができる。
【0326】
開示された内視鏡装置は、前記画素部に含まれる前記複数のトランジスタが、それぞれ異なる出力信号線に接続され、前記複数のトランジスタに接続される複数の前記出力信号線の各々に対して前記回路が設けられている。
【0327】
この構成により、複数のトランジスタから並行して信号を読み出すことができ、撮像処理の高速化を図ることができる。
【0328】
開示された内視鏡装置は、前記第一の光がG光であり、前記第二の光がB光であり、前記第三の光がR光である。
【0329】
開示された内視鏡装置の駆動方法は、複数の画素部を有する固体撮像素子を備えた内視鏡装置の駆動方法であって、前記画素部が、被写体から入射してくる光を受光しこれに応じた電荷を発生する光電変換部及び前記光電変換部で発生した電荷を選択的に蓄積可能な第一の電荷蓄積部、第二の電荷蓄積部、及び第三の電荷蓄積部を含み、第一の光を発光させ、前記第一の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第一の電荷蓄積部に蓄積させる第一の駆動ステップと、第二の光を発光させ、前記第二の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第二の駆動ステップと、第三の光を発光させ、前記第三の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第三の駆動ステップと、前記第一の駆動ステップ、前記第二の駆動ステップ、及び前記第三の駆動ステップの終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出すステップとを備える。
【0330】
開示された内視鏡装置の駆動方法は、複数の画素部を有する固体撮像素子を備えた内視鏡装置の駆動方法であって、前記画素部が、被写体から入射してくる光を受光しこれに応じた電荷を発生する光電変換部及び前記光電変換部で発生した電荷を選択的に蓄積可能な第一の電荷蓄積部、第二の電荷蓄積部、及び第三の電荷蓄積部を含み、G光、B光、及びR光を同時に又は連続して発光させ、該発光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第一の電荷蓄積部に蓄積させる第一の駆動ステップと、B光を発光させ、B光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第二の駆動ステップと、R光を発光させ、R光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第三の駆動ステップと、前記第一の駆動ステップ、前記第二の駆動ステップ、及び前記第三の駆動ステップの終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出すステップと、前記第一の電荷蓄積部から読み出した信号と前記第二の電荷蓄積部から読み出した信号とから第一の色差信号を生成し、前記第一の電荷蓄積部から読み出した信号と前記第三の電荷蓄積部から読み出した信号とから第二の色差信号を生成するステップとを備える。
【0331】
開示された内視鏡装置の駆動方法は、複数の画素部を有する固体撮像素子を備えた内視鏡装置の駆動方法であって、前記画素部が、被写体から入射してくる光を受光しこれに応じた電荷を発生する光電変換部及び前記光電変換部で発生した電荷を選択的に蓄積可能な第一の電荷蓄積部及び第二の電荷蓄積部を含み、第一の光を発光させ、前記第一の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を全ての前記画素部の前記第一の電荷蓄積部に蓄積させる第一の駆動ステップと、第二の光を発光させ、前記第二の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記複数の画素部のうちの半分の画素部の前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第二の駆動ステップと、第三の光を発光させ、前記第三の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記複数の画素部のうちの残り半分の画素部の前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第三の駆動ステップと、前記第一の駆動ステップ、前記第二の駆動ステップ、及び前記第三の駆動ステップの終了後、前記第一の電荷蓄積部及び前記第二の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出すステップと、前記画素部から得られない前記第二の光に応じた信号又は前記第三の光に応じた信号を、該画素部の周囲の前記画素部から得られた前記第二の光に応じた信号及び前記第三の光に応じた信号を用いて補間する補間ステップとを備える。
【0332】
開示された内視鏡装置の駆動方法は、前記画素部が更に第三の電荷蓄積部を含み、第四の光を発光させ、前記第四の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を全ての前記画素部の前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第四の駆動ステップを備え、前記信号を順次読み出すステップでは、前記第一の駆動ステップ、前記第二の駆動ステップ、前記第三の駆動ステップ、及び前記第四の駆動ステップの終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出す。
【0333】
開示された内視鏡装置の駆動方法は、前記画素部が更に第三の電荷蓄積部を含み、第四の光を発光させ、前記第四の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記半分の前記画素部の前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第四の駆動ステップと、第五の光を発光させ、前記第五の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記残り半分の前記画素部の前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第五の駆動ステップとを備え、前記信号を読み出すステップでは、前記第一の駆動ステップ、前記第二の駆動ステップ、前記第三の駆動ステップ、前記第四の駆動ステップ、及び前記第五の駆動ステップの終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出す。
【0334】
開示された内視鏡装置の駆動方法は、光の発光前に、前記光電変換部に蓄積されている電荷を外部に排出する電荷排出ステップを有する。
【0335】
開示された内視鏡装置の駆動方法は、前記第一の光がG光であり、前記第二の光がB光であり、前記第三の光がR光である。
【符号の説明】
【0336】
1 光源
10 固体撮像素子
11 光電変換部
20 読み出し回路
100 画素部
FG1,FG2,FG3 フローティングゲート
LED1a R光発光光源
LED1b G光発光光源
LED1c B光発光光源
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の画素部を有する固体撮像素子を備える内視鏡装置及びその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子内視鏡装置には、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の各光で対象物を順次照明し、対象物からの光をカラーフィルタのない固体撮像素子で受光して撮影を行う面順次方式と、対象を白色光で照明し、RGBカラーフィルタを搭載した固体撮像素子で対象物からの光を受光して撮影を行う面同時方式とがある。
【0003】
面順次方式の電子内視鏡装置は、固体撮像素子の各画素からRGBの色信号が得られるため、信号補間処理が不要となり、偽色が発生しにくい。また、カラーフィルタがないことにより、光源の色特性(RGB各色の分光特性)で色再現性を決められるので、忠実度の高い映像を得ることができる。また、カラーフィルタを搭載していないため、固体撮像素子の小型化を実現でき、内視鏡の細径化を図ることができ、患者への負担を軽くすることができる。このように、面順次方式には、種々の利点があり、画質向上による診断精度の向上や、内視鏡の細径化による患者の負担減を図る上で、面順次方式は有効である。
【0004】
面順次方式における被写体の照明方式としては、白色光を発光する光源とRGBの各色光を透過するカラーフィルタとを組み合わせた方式と、R光、G光、B光をそれぞれ発光する3つの光源を用いる方式とがあり、後者の方式については例えば特許文献1に開示されている。
【0005】
しかしながら、面順次方式では、例えば、R光発光→信号読み出し→G光発光→信号読み出し→B光発光→信号読み出しのステップを踏むため、信号読み出し期間が長くなる。このため、次の発光までの時間が長くなり、この間に被写体が動く可能性も高くなって、色ずれが発生して画質が低下する恐れがある。信号読み出し期間を短くすれば色ずれは抑制できるが、信号読み出しを高速化しようとすると、各画素の露光時間を短くせざるを得なくなり、感度低下が避けられない。また、高速行動に伴い素子自体の発熱量が多くなり、好ましくない。多画素化が進めば、当然、信号読み出し期間も長くなるため、今後は、このような画質低下を抑制することがより一層求められてくる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−275243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、色ずれを防いで画質向上を図ることが可能な内視鏡装置及びその駆動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の内視鏡装置は、第一の光と、第二の光と、第三の光との発光を独立に行うことが可能な光源と、前記第一の光、前記第二の光、前記第三の光を受光可能で且つ受光した光に応じた電荷を発生する光電変換部及び前記光電変換部で発生した電荷を選択的に蓄積可能な複数の電荷蓄積部を含む複数の画素部と、前記複数の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を独立に読み出す信号読み出し部とを有する固体撮像素子とを備える。
【0009】
本発明の内視鏡装置の駆動方法は、複数の画素部を有する固体撮像素子を備えた内視鏡装置の駆動方法であって、前記画素部が、被写体から入射してくる光を受光しこれに応じた電荷を発生する光電変換部及び前記光電変換部で発生した電荷を選択的に蓄積可能な第一の電荷蓄積部、第二の電荷蓄積部、及び第三の電荷蓄積部を含み、第一の光を発光させ、前記第一の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第一の電荷蓄積部に蓄積させる第一の駆動ステップと、第二の光を発光させ、前記第二の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第二の駆動ステップと、第三の光を発光させ、前記第三の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第三の駆動ステップと、前記第一の駆動ステップ、前記第二の駆動ステップ、及び前記第三の駆動ステップの終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出すステップとを備える。
【0010】
本発明の内視鏡装置の駆動方法は、複数の画素部を有する固体撮像素子を備えた内視鏡装置の駆動方法であって、前記画素部が、被写体から入射してくる光を受光しこれに応じた電荷を発生する光電変換部及び前記光電変換部で発生した電荷を選択的に蓄積可能な第一の電荷蓄積部、第二の電荷蓄積部、及び第三の電荷蓄積部を含み、G光、B光、及びR光を同時に又は連続して発光させ、該発光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第一の電荷蓄積部に蓄積させる第一の駆動ステップと、B光を発光させ、B光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第二の駆動ステップと、R光を発光させ、R光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第三の駆動ステップと、前記第一の駆動ステップ、前記第二の駆動ステップ、及び前記第三の駆動ステップの終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出すステップと、前記第一の電荷蓄積部から読み出した信号と前記第二の電荷蓄積部から読み出した信号とから第一の色差信号を生成し、前記第一の電荷蓄積部から読み出した信号と前記第三の電荷蓄積部から読み出した信号とから第二の色差信号を生成するステップとを備える。
【0011】
本発明の内視鏡装置の駆動方法は、複数の画素部を有する固体撮像素子を備えた内視鏡装置の駆動方法であって、前記画素部が、被写体から入射してくる光を受光しこれに応じた電荷を発生する光電変換部及び前記光電変換部で発生した電荷を選択的に蓄積可能な第一の電荷蓄積部及び第二の電荷蓄積部を含み、第一の光を発光させ、前記第一の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を全ての前記画素部の前記第一の電荷蓄積部に蓄積させる第一の駆動ステップと、第二の光を発光させ、前記第二の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記複数の画素部のうちの半分の画素部の前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第二の駆動ステップと、第三の光を発光させ、前記第三の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記複数の画素部のうちの残り半分の画素部の前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第三の駆動ステップと、前記第一の駆動ステップ、前記第二の駆動ステップ、及び前記第三の駆動ステップの終了後、前記第一の電荷蓄積部及び前記第二の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出すステップと、前記画素部から得られない前記第二の光に応じた信号又は前記第三の光に応じた信号を、該画素部の周囲の前記画素部から得られた前記第二の光に応じた信号及び前記第三の光に応じた信号を用いて補間する補間ステップとを備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、色ずれを防いで画質向上を図ることが可能な内視鏡装置及びその駆動方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態を説明するための内視鏡装置の概略構成を示す図
【図2】図1の固体撮像素子の概略構成を示す図
【図3】図2に示す1つの画素部100の内部構成の等価回路図
【図4】図3に示した等価回路図に基づく画素部100のレイアウト例を示した平面模式図
【図5】図1に示す内視鏡装置の動作を説明するためのタイミングチャート
【図6】図1に示す内視鏡装置の電荷蓄積動作を説明するための模式図
【図7】図1に示す内視鏡装置の効果を説明するための図
【図8】図1に示す内視鏡装置の第一の変形例の動作を説明するためのタイミングチャート
【図9】図1に示す内視鏡装置の第一の変形例の電荷蓄積動作を説明するための模式図
【図10】図1に示す内視鏡装置の第二の変形例を示す図
【図11】カラーフィルタの分光特性と特殊光の輝線との関係を示した図
【図12】図1に示す内視鏡装置の第二の変形例の動作を説明するためのタイミングチャート
【図13】図1に示す内視鏡装置の第二の変形例の電荷蓄積動作を説明するための模式図
【図14】図1に示す内視鏡装置の第三の変形例を示す図
【図15】図1に示す内視鏡装置の第三の変形例の動作を説明するためのタイミングチャート
【図16】図1に示す内視鏡装置の第三の変形例の電荷蓄積動作を説明するための模式図
【図17】図1に示す内視鏡装置の第四の変形例を示す図であり、画素部の変形構成例を示した等価回路図
【図18】図1に示す内視鏡装置の第五の変形例を示す図であり、画素部の変形構成例を示した等価回路図
【図19】図1に示す内視鏡装置の第五の変形例の動作を説明するためのタイミングチャート
【図20】図1に示す内視鏡装置の第五の変形例の電荷蓄積動作を説明するための模式図
【図21】本発明の一実施形態を説明するための固体撮像素子の別例の概略構成を示す平面模式図
【図22】図21に示した固体撮像素子における画素部の等価回路を示した図
【図23】図21に示した固体撮像素子の画素部の平面レイアウト例を示す平面模式図
【図24】図23に示す画素部のA−A’線断面模式図
【図25】図23に示す画素部のB−B’線断面模式図
【図26】図21に示した固体撮像素子の変形例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態を説明するための内視鏡装置の概略構成を示す図である。図1に示す内視鏡装置は、光源1と、固体撮像素子10と、光源駆動部21と、信号処理部23と、システム制御部24と、表示部22と、操作部25とを備える。
【0016】
光源1は、Rの波長域(一般的には約550nm〜約700nm)の光を発光するLED1aと、Gの波長域(一般的には約450nm〜約610nm)の光を発光するLED1bと、Bの波長域(一般的には約380nm〜約520nm)を発光するLED1cとを備える。これらは、一例としてLEDとしているが、上述したR,G,Bの波長域の光を発光できるものであれば何でも良い。
【0017】
LED1a、1b、1cは、それぞれ光源駆動部21によって独立に駆動される。各LEDから発せられた光は、図示しないライトガイドを介して固体撮像素子10前方の撮影対象物(被写体)へと当てられる。
【0018】
信号処理部23は、固体撮像素子10から出力される撮像信号に信号処理を施して画像データを生成する。生成された画像データは記録媒体に記録されたり、表示部22に表示されたりする。
【0019】
システム制御部24は、内視鏡装置全体を統括制御する。操作部25は、内視鏡装置の各種操作を行うためのインターフェースである。
【0020】
図2は、図1の固体撮像素子10の概略構成を示す図である。図3は、図2に示す1つの画素部100の内部構成の等価回路を示した図である。
【0021】
固体撮像素子10は、同一平面上の行方向とこれに直交する列方向にアレイ状(ここでは正方格子状)に配列された複数の画素部100を備える。
【0022】
画素部100は、N型シリコン基板とこの上に形成されたPウェル層からなる半導体基板内に形成されたN型不純物層11を備える。N型不純物層11はPウェル層内に形成され、このN型不純物層11とPウェル層とのPN接合により、光電変換部として機能するフォトダイオード(PD)が形成される。以下では、N型不純物層11のことを光電変換部11と言う。
【0023】
画素部100には、光電変換部11で発生した電荷を選択的に蓄積可能な複数の電荷蓄積部として3つの電荷蓄積部が形成されている。以下、この3つの電荷蓄積部を、第一の電荷蓄積部と第二の電荷蓄積部と第三の電荷蓄積部と言う。
【0024】
第一の電荷蓄積部は、書き込みトランジスタWT1と、読み出しトランジスタRT1とを備える。
【0025】
書き込みトランジスタWT1は、電荷蓄積領域である電気的に浮遊したフローティングゲートFG1を有し、光電変換部11をソース及びドレインとする2端子構造(光電変換部11に接続されたソースと書き込みコントロールゲートWCG1の2端子構造)のMOSトランジスタであり、書き込みコントロールゲートWCG1によってその動作が制御される。書き込みコントロールゲートWCG1は、書き込み制御線wcg1を介して制御部40と接続されている。書き込みトランジスタWT1では、書き込みコントロールゲートWCG1に書き込みパルスが印加されることで、ファウラ−ノルドハイム(F−N)トンネル電流を用いて電荷を注入するFNトンネル注入、ダイレクトトンネル注入、ホットエレクトロン注入等により、光電変換部11で発生した電荷がフローティングゲートFG1に注入されて蓄積されるようになっている。なお、書き込みトランジスタWT1は、光電変換部11をソースとし、これとは別にドレインを持った3端子構造であっても良い。
【0026】
読み出しトランジスタRT1は、書き込みトランジスタWT1と共通のフローティングゲートFG1を有し、ドレインに列信号線OLが接続され、ソースが後述する読み出しトランジスタRT2,RT3のソースと共通接続されたMOSトランジスタであり、読み出しコントロールゲートRCG1によってその動作が制御される。読み出しコントロールゲートRCG1は、読み出し制御線rcg1を介して制御部40と接続されている。読み出しトランジスタRT1は、フローティングゲートFG1に蓄積される電荷量に対応して閾値電圧が変化するため、この閾値電圧の変化(フローティングゲートFG1に電荷が蓄積されていない状態での閾値電圧を基準としたときの変化量)を、フローティングゲートFG1に蓄積された電荷に応じた撮像信号として読み出すことが可能な構成となっている。
【0027】
尚、フローティングゲートFG1は、書き込みトランジスタWT1と読み出しトランジスタRT1とで共通の構成に限らず、書き込みトランジスタWT1と読み出しトランジスタRT1とでそれぞれ分離して設け、分離した2つのフローティングゲートFG1を配線によって電気的に接続した構成としても良い。
【0028】
第二の電荷蓄積部は、書き込みトランジスタWT2と、読み出しトランジスタRT2とを備える。
【0029】
書き込みトランジスタWT2は、電荷蓄積領域である電気的に浮遊したフローティングゲートFG2を有し、光電変換部11をソース及びドレインとする2端子構造(光電変換部11に接続されたソースと書き込みコントロールゲートWCG2の2端子構造)のMOSトランジスタであり、書き込みコントロールゲートWCG2によってその動作が制御される。書き込みコントロールゲートWCG2は、書き込み制御線wcg2を介して制御部40と接続されている。書き込みトランジスタWT2では、書き込みコントロールゲートWCG2に書き込みパルスが印加されることで、FNトンネル注入、ダイレクトトンネル注入、ホットエレクトロン注入等により、光電変換部11で発生した電荷がフローティングゲートFG2に注入されて蓄積されるようになっている。なお、書き込みトランジスタWT2も、光電変換部11をソースとし、これとは別にドレインを持った3端子構造であっても良い。この場合、書き込みトランジスタWT1と書き込みトランジスタWT2のドレインは共通化しても良い。
【0030】
読み出しトランジスタRT2は、書き込みトランジスタWT2と共通のフローティングゲートFG2を有し、ドレインに列信号線OLが接続され、ソースが読み出しトランジスタRT1,RT3のソースと共通接続されたMOSトランジスタであり、読み出しコントロールゲートRCG2によってその動作が制御される。読み出しコントロールゲートRCG2は、読み出し制御線rcg2を介して制御部40と接続されている。読み出しトランジスタRT2は、フローティングゲートFG2に蓄積される電荷量に対応して閾値電圧が変化するため、この閾値電圧の変化(フローティングゲートFG2に電荷が蓄積されていない状態での閾値電圧を基準としたときの変化量)を、フローティングゲートFG2に蓄積された電荷に応じた撮像信号として読み出すことが可能な構成となっている。
【0031】
尚、フローティングゲートFG2は、書き込みトランジスタWT2と読み出しトランジスタRT2とで共通の構成に限らず、書き込みトランジスタWT2と読み出しトランジスタRT2とでそれぞれ分離して設け、分離した2つのフローティングゲートFG2を配線によって電気的に接続した構成としても良い。
【0032】
第三の電荷蓄積部は、書き込みトランジスタWT3と、読み出しトランジスタRT3とを備える。
【0033】
書き込みトランジスタWT3は、電荷蓄積領域である電気的に浮遊したフローティングゲートFG3を有し、光電変換部11をソース及びドレインとする2端子構造(光電変換部11に接続されたソースと書き込みコントロールゲートWCG3の2端子構造)のMOSトランジスタであり、書き込みコントロールゲートWCG3によってその動作が制御される。書き込みコントロールゲートWCG3は、書き込み制御線wcg3を介して制御部40と接続されている。書き込みトランジスタWT3では、書き込みコントロールゲートWCG3に書き込みパルスが印加されることで、FNトンネル注入、ダイレクトトンネル注入、ホットエレクトロン注入等により、光電変換部11で発生した電荷がフローティングゲートFG3に注入されて蓄積されるようになっている。なお、書き込みトランジスタWT3も、光電変換部11をソースとし、これとは別にドレインを持った3端子構造であっても良い。この場合、書き込みトランジスタWT1と書き込みトランジスタWT2と書き込みトランジスタWT3のドレインは共通化しても良い。
【0034】
読み出しトランジスタRT3は、書き込みトランジスタWT3と共通のフローティングゲートFG3を有し、ドレインに列信号線OLが接続され、ソースが読み出しトランジスタRT1,RT2のソースと共通接続されたMOSトランジスタであり、読み出しコントロールゲートRCG3によってその動作が制御される。読み出しコントロールゲートRCG3は、読み出し制御線rcg3を介して制御部40と接続されている。読み出しトランジスタRT3は、フローティングゲートFG3に蓄積される電荷量に対応して閾値電圧が変化するため、この閾値電圧の変化(フローティングゲートFG3に電荷が蓄積されていない状態での閾値電圧を基準としたときの変化量)を、フローティングゲートFG3に蓄積された電荷に応じた撮像信号として読み出すことが可能な構成となっている。
【0035】
尚、フローティングゲートFG3は、書き込みトランジスタWT3と読み出しトランジスタRT3とで共通の構成に限らず、書き込みトランジスタWT3と読み出しトランジスタRT3とでそれぞれ分離して設け、分離した2つのフローティングゲートFG3を配線によって電気的に接続した構成としても良い。
【0036】
読み出しトランジスタRT1と読み出しトランジスタRT2と読み出しトランジスタRT3の各々のソースは、ソースラインSLを介して接地電位に接続されている。
【0037】
画素部100は更に、光電変換部11に蓄積されている電荷を排出するためのリセットトランジスタRETを備える。リセットトランジスタRETのリセットゲートRGはリセット線RESETを介して制御部40に接続されている。制御部40からリセット線RESETを介してリセットパルスが印加されることで、リセットトランジスタRETはオンし、光電変換部11に蓄積されている電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される構成となっている。リセットトランジスタRETのドレインは、リセットドレイン線RDを介して電源電圧VDに接続されている。
【0038】
固体撮像素子10は、各画素部100の駆動制御を行う制御部40と、読み出しトランジスタRT1、読み出しトランジスタRT2、及び読み出しトランジスタRT3の各々の閾値電圧を検出する読み出し回路20と、読み出し回路20で検出された1ライン分の閾値電圧を撮像信号として信号線70に順次読み出す制御を行う水平シフトレジスタ50及び水平選択トランジスタ30と、信号線70に接続された出力アンプ60とを備える。
【0039】
読み出し回路20は、列方向に並ぶ複数の画素部100で構成される各列に対応して設けられており、対応する列の各画素部100の読み出しトランジスタRT1,RT2,RT3の各々のドレインに列信号線OLを介して接続されている。又、読み出し回路20は制御部40にも接続されている。
【0040】
読み出し回路20は、図2(b)に示すように、読み出し制御部20aと、センスアンプ20bと、プリチャージ回路20cと、ランプアップ回路20dと、トランジスタ20e,20fとを備えた構成となっている。
【0041】
読み出し制御部20aは、画素部100の第一(第二、第三)の電荷蓄積部から信号を読み出す際、トランジスタ20fをオンしてプリチャージ回路20cから画素部100の読み出しトランジスタRT1(RT2、RT3)のドレインに列信号線OLを介してドレイン電圧を供給する(プリチャージ)。次に、トランジスタ20eをオンして画素部100の読み出しトランジスタRT1(RT2、RT3)のドレインとセンスアンプ20bを導通させる。
【0042】
センスアンプ20bは、画素部100の読み出しトランジスタRT1(RT2、RT3)のドレインの電圧を監視し、この電圧が変化したことを検出し、ランプアップ回路20dにその旨を通知する。例えば、プリチャージ回路20cによってプリチャージされたドレイン電圧が降下したことを検出しセンスアンプ出力を反転させる。
【0043】
ランプアップ回路20dは、N−bitカウンタ(例えばN=8〜12程度)を内蔵しており、制御部40を介して画素部100の読み出しトランジスタRT1(RT2、RT3)の読み出しコントロールゲートRCG1(RCG2、RCG3)に漸増または漸減するランプ波形電圧を供給すると共に、ランプ波形電圧の値に対応するカウント値(N個の1、0の組み合わせ)を出力する。
【0044】
読み出しコントロールゲートRCG1(RCG2、RCG3)の電圧が読み出しトランジスタRT1(RT2、RT3)の閾値電圧を越えると読み出しトランジスタRT1(RT2、RT3)が導通し、このとき、プリチャージされていた列信号線OLの電位が降下する。これがセンスアンプ20bによって検出されて反転信号が出力される。ランプアップ回路20dは、この反転信号を受けた時点におけるランプ波形電圧の値に対応するカウント値を保持(ラッチ)する。これにより、デジタル値(1,0の組み合わせ)として閾値電圧の変化(撮像信号)を読み出すことができる。
【0045】
水平シフトレジスタ50により1つの水平選択トランジスタ30が選択されると、その水平選択トランジスタ30に接続されたランプアップ回路20dで保持されているカウンタ値が信号線70に出力され、これが撮像信号として出力アンプ60から出力される。
【0046】
なお、読み出し回路20による読み出しトランジスタRT1(RT2、RT3)の閾値電圧の変化を読み出す方法としては上述したものに限らない。例えば、読み出しトランジスタRT1(RT2、RT3)の読み出しコントロールゲートRCG1(RCG2、RCG3)とドレインに一定の電圧を印加した場合の読み出しトランジスタRT1(RT2、RT3)のドレイン電流を撮像信号として読み出しても良い。
【0047】
制御部40は、書き込みトランジスタWT1,WT2,WT3を独立に制御して、光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG1,FG2,FG3に注入して蓄積させる駆動を行う。フローティングゲートFG1,FG2,FG3に電荷を注入する方法としては、FNトンネル注入、ダイレクトトンネル注入、ホットエレクトロン注入等がある。
【0048】
また、制御部40は、読み出し回路20を制御して、フローティングゲートFG1,FG2,FG3に蓄積された電荷に応じた撮像信号を独立に読み出す駆動を行う。
【0049】
また、制御部40は、フローティングゲートFG1,FG2,FG3に蓄積された電荷を外部に排出して消去する駆動を行う。例えば、半導体基板に正極性の電圧を印加し、書き込みコントロールゲートWCG1及び読み出しコントロールゲートRCG1にそれぞれ負極性の電圧を印加して、フローティングゲートFG1に蓄積された電荷を半導体基板に引き抜くことで電荷の消去を行う。フローティングゲートFG2に蓄積された電荷の消去は、半導体基板に正極性の電圧を印加し、書き込みコントロールゲートWCG2及び読み出しコントロールゲートRCG2にそれぞれ負極性の電圧を印加することで行う。フローティングゲートFG3に蓄積された電荷の消去は、半導体基板に正極性の電圧を印加し、書き込みコントロールゲートWCG3及び読み出しコントロールゲートRCG3にそれぞれ負極性の電圧を印加することで行う。
【0050】
各画素部100の光電変換部11の上方にはカラーフィルタが設けられておらず、固体撮像素子10に入射してくる全ての光が各光電変換部11に入射するようになっている。
【0051】
図4は、図3に示した等価回路図に基づく画素部100のレイアウト例を示した平面模式図である。
【0052】
画素部100のPウェル層には、光電変換部11が形成され、その上には少し離間して読み出しトランジスタRT1のドレイン13と、読み出しトランジスタRT1のソース14と、リセットトランジスタRETのドレイン12と、読み出しトランジスタRT2のドレイン15と、読み出しトランジスタRT2のソース16とが列方向に並べて形成されている。また、光電変換部11の下には少し離間して読み出しトランジスタRT3のドレイン17と、読み出しトランジスタRT3のソース18とが列方向に並べて形成されている。
【0053】
Pウェル層上には図示しない酸化膜が形成されており、この上にフローティングゲートFG1とフローティングゲートFG2とフローティングゲートFG3が形成されている。フローティングゲートFG1は、光電変換部11の左辺から上辺に沿ってドレイン13とソース14との間の上方まで延びて形成されている。フローティングゲートFG2は、光電変換部11の右辺から上辺に沿ってドレイン15とソース16との間の上方まで延びて形成されている。フローティングゲートFG3は、光電変換部11の下辺に沿ってドレイン17とソース18との間の上方まで延びて形成されている。
【0054】
フローティングゲートFG1,FG2,FG3の上には絶縁膜が設けられ、この上層に書き込みコントロールゲートWCG1,WCG2,WCG3、読み出しコントロールゲートRCG1,RCG2,RCG3、リセットゲートRG、リセットドレイン線RDが形成されている。
【0055】
書き込みコントロールゲートWCG1はフローティングゲートFG1と重なるように形成されている。読み出しコントロールゲートRCG1は、ドレイン13とソース14との間の上方のフローティングゲートFG1と重なるように形成されている。
【0056】
書き込みコントロールゲートWCG2はフローティングゲートFG2と重なるように形成されている。読み出しコントロールゲートRCG2は、ドレイン15とソース16との間の上方のフローティングゲートFG2と重なるように形成されている。
【0057】
書き込みコントロールゲートWCG3はフローティングゲートFG3と重なるように形成されている。読み出しコントロールゲートRCG3は、ドレイン17とソース18との間の上方のフローティングゲートFG3と重なるように形成されている。
【0058】
リセットゲートRGは、光電変換部11とドレイン12との間の上方に形成されている。リセットドレイン線RDは、ドレイン12の上方から後述するリセット電源線VD下方まで延びて形成されており、ドレイン12の上方でコンタクト部12aを介してドレイン12と電気的に接続され、リセット電源線VDの下方でコンタクト部RDaを介してリセット電源線VDと電気的に接続されている。
【0059】
書き込みコントロールゲートWCG1,WCG2,WCG3、読み出しコントロールゲートRCG1,RCG2,RCG3、リセットゲートRG、リセットドレイン線RDの上層には絶縁膜を介して、行方向に延びるグローバル配線(ドレイン電源線VD、リセット線RESET、読み出し制御線rcg2、読み出し制御線rcg1、書き込み制御線wcg1、書き込み制御線wcg2、書き込み制御線wcg3、及び読み出し制御線rcg3)が形成されている。
【0060】
読み出しコントロールゲートRCG1は、読み出し制御線rcg1下方まで延びており、ここでコンタクト部19aを介して読み出し制御線rcg1と電気的に接続されている。書き込みコントロールゲートWCG1は、書き込み制御線wcg1下方まで延びており、ここでコンタクト部19bを介して書き込み制御線wcg1と電気的に接続されている。
【0061】
読み出しコントロールゲートRCG2は、読み出し制御線rcg2下方まで延びており、ここでコンタクト部19cを介して読み出し制御線rcg2と電気的に接続されている。書き込みコントロールゲートWCG2は、書き込み制御線wcg2下方まで延びており、ここでコンタクト部19dを介して書き込み制御線wcg2と電気的に接続されている。
【0062】
読み出しコントロールゲートRCG3は、読み出し制御線rcg3下方まで延びており、ここでコンタクト部19eを介して読み出し制御線rcg3と電気的に接続されている。書き込みコントロールゲートWCG3は、書き込み制御線wcg3下方まで延びており、ここでコンタクト部19fを介して書き込み制御線wcg3と電気的に接続されている。
【0063】
リセットゲートRGは、リセット線RESET下方まで延びており、ここでコンタクト部RGaを介してリセット線RESETと電気的に接続されている。
【0064】
行方向に延びるグローバル配線上には絶縁膜が形成され、この上層に、列方向に延びるグローバル配線(列信号線OL、ソース線SL)が形成されている。
【0065】
列信号線OLは、ドレイン13、ドレイン15、ドレイン17の各々の上方まで延びており、ここでコンタクト部13a,15a,17aを介してドレイン13、ドレイン15、ドレイン17と電気的に接続されている。
【0066】
ソース線SLは、ソース14、ソース16、ソース18の各々の上方まで延びており、ここでコンタクト部14a,16a,18aを介してソース14、ソース16、ソース18と電気的に接続されている。
【0067】
なお、図4のレイアウト例では、書き込みトランジスタWT1,WT2,WT3のドレインを省略し、書き込みトランジスタWT1,WT2,WT3を、それぞれ、ソース(ドレインと兼用)が光電変換部11に接続された2端子構成のMOSトランジスタとしている。2端子デバイスとしては、抵抗、コイル、コンデンサ、ダイオード等があり、スイッチングや信号増幅のようなアクティブ(能動)デバイスでは存在しない。
【0068】
一般的な固体撮像素子における画素選択、リセット、信号記録、及び読み出し等を行うためのアクティブデバイスであるトランジスタは2端子では機能しないことは常識として理解され、だれも試みることすらしていない。
【0069】
図3の画素部100の構造は、書き込みトランジスタWT1と読み出しトランジスタRT1とでフローティングゲートFG1を共有した構造をとっているため、書き込みトランジスタWT1は専ら書き込み(フローティングゲートFG1への電荷注入及び記録)という単一動作及び一方向のみの電荷移動しか求められておらず、信号読み出し時には、上記共有FG構造によって、隣接する読み出しトランジスタRT1側においても信号の読み出しを行えるので、書き込みトランジスタWT1が2端子構造であっても動作上は何ら問題がないことが分かった。これは、書き込みトランジスタWT2,WT3についても同様である。
【0070】
固体撮像素子10の場合、画素部100内に3つの電荷蓄積部を形成する必要があるため、設計自由度は低下してしまう。そこで、書き込みトランジスタWT1,WT2,WT3を2端子構造とすることで、構成の簡略化を図ることが有効となる。このような構成により、画素部100のサイズやチップサイズを小さくすることができ、多画素化や小型化等が実現可能となる。
【0071】
以上のように構成された内視鏡装置の動作について説明する。図5は、図1に示す内視鏡装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。図6は、図1に示す内視鏡装置の動作を説明するための模式図である。図6では、2行×2列の計4つの画素部を模式的に図示してある。
【0072】
操作部25が操作されて対象物の撮影指示がなされると、この指示がシステム制御部24に入力され、システム制御部24から固体撮像素子10へ撮影指示が通知される。
【0073】
固体撮像素子10では、撮影指示を受けると、これをスタートトリガとして、制御部40が、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、各画素部100の光電変換部11に蓄積されていた不要電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0074】
リセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1bからG光を発光させる。なお、図5では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてからG光を発光させているが、G光の発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
【0075】
G光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。このG光の発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここでG光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0076】
露光期間終了後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG1に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG1に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0077】
この書き込みパルスの供給により、図6に示すように、各画素部100で発生した電荷(G光による電荷、図中では“G”で示した)はその画素部100のフローティングゲートFG1に蓄積される。
【0078】
フローティングゲートFG1への電荷の蓄積が終了すると、制御部40は、再び、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、光電変換部11からフローティングゲートFG1へ注入しきれずに残ってしまっていた残留電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0079】
2度目のリセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1aからR光を発光させる。なお、図5では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてからR光を発光させているが、R光の発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
【0080】
R光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。このR光の発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここでR光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0081】
露光期間終了後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG2に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG2に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0082】
この書き込みパルスの供給により、図6に示すように、各画素部100で発生した電荷(R光による電荷、図中では“R”で示した)はその画素部100のフローティングゲートFG2に蓄積される。
【0083】
フローティングゲートFG2への電荷の蓄積が終了すると、制御部40は、再び、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、光電変換部11からフローティングゲートFG2へ注入しきれずに残ってしまっていた残留電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0084】
3度目のリセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1cからB光を発光させる。なお、図5では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてからB光を発光させているが、B光の発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
【0085】
B光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。このB光の発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここでB光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0086】
露光期間終了後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG3に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG3に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0087】
この書き込みパルスの供給により、図6に示すように、各画素部100で発生した電荷(B光による電荷、図中では“B”で示した)はその画素部100のフローティングゲートFG3に蓄積される。
【0088】
固体撮像素子10では、書き込みコントロールゲートWCG1と書き込みコントロールゲートWCG2と書き込みコントロールゲートWCG3とがそれぞれ別の制御線(wcg1,wcg2,wcg3)に接続されているため、上述したように、3回の露光の各々によって光電変換部11で発生した電荷を、それぞれ別のフローティングゲートに選択的に蓄積することが可能となっている。
【0089】
フローティングゲートFG3への電荷蓄積終了後、制御部40は、1ライン目の各画素部100の読み出しトランジスタRT1のドレインをプリチャージし、1ライン目の各画素部100の読み出しコントロールゲートRCG1へのランプ波形電圧の印加を開始する(ランプ波形電圧の印加開始後のカウント値は、例えば初期値(例えばゼロ)からアップカウントされる)。そして、1ライン目の読み出しトランジスタRT1のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持され、このカウント値が撮像信号として出力アンプ60から出力される。制御部40は、2ライン目以降にも同様の駆動を行って、全てのラインのフローティングゲートFG1に蓄積されていた電荷に応じた第一の撮像信号(G信号)を出力させる。
【0090】
次に、制御部40は、1ライン目の各画素部100の読み出しトランジスタRT2のドレインをプリチャージし、1ライン目の各画素部100の読み出しコントロールゲートRCG2へのランプ波形電圧の印加を開始する(ランプ波形電圧の印加開始後のカウント値は、例えば初期値(例えばゼロ)からアップカウントされる)。そして、1ライン目の読み出しトランジスタRT2のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持され、このカウント値が撮像信号として出力アンプ60から出力される。制御部40は、2ライン目以降にも同様の駆動を行って、全てのラインのフローティングゲートFG2に蓄積されていた電荷に応じた第二の撮像信号(R信号)を出力させる。
【0091】
次に、制御部40は、1ライン目の各画素部100の読み出しトランジスタRT3のドレインをプリチャージし、1ライン目の各画素部100の読み出しコントロールゲートRCG3へのランプ波形電圧の印加を開始する(ランプ波形電圧の印加開始後のカウント値は、例えば初期値(例えばゼロ)からアップカウントされる)。そして、1ライン目の読み出しトランジスタRT3のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持され、このカウント値が撮像信号として出力アンプ60から出力される。制御部40は、2ライン目以降にも同様の駆動を行って、全てのラインのフローティングゲートFG3に蓄積されていた電荷に応じた第三の撮像信号(B信号)を出力させる。
【0092】
第三の撮像信号を出力させた後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG1,WCG2,WCG3及び読み出しコントロールゲートRCG1,RCG2,RCG3の電位を−Vccに設定し、半導体基板の電位をVccに設定する。これによりフローティングゲートFG1,FG2,FG3に蓄積されていた電荷は、半導体基板に引き抜かれて消去される。
【0093】
以上のような動作が1フレーム期間内に実施される。
【0094】
このような動作により、固体撮像素子10の各画素部100からは、G信号と、R信号と、B信号が得られる。このため、信号補間処理等を行うことなく、これらの信号からYC信号を生成するなどしてJPEG形式のカラー画像データを生成することができる。このカラー画像データに基づくカラー画像により、対象物を肉眼で観察したのと同じ状況を、表示部22上で再現することができる。
【0095】
以上のように、図1に示す内視鏡装置によれば、露光を行うたびにその露光によって得られる電荷に応じた信号を読み出す必要がなく、3回の露光後に信号をまとめて読み出すことができる。この結果、3回の露光の間隔を短くすることができるため、被写体が動いた場合の色ずれを抑制することができる。したがって、内視鏡検査時の診断精度を向上させることができる。
【0096】
また、図1に示す内視鏡装置は、1フレームの画像データを得るための期間である1フレーム期間中に3回の撮影を実施し、3回の撮影後に、撮像信号を読み出す構成となっている。1フレーム期間中に3回の撮影を行おうとすると、3回の撮影の間隔を短くする必要がある。図7の上段に示したように、一般的な固体撮像素子では、撮影を終了する毎に撮像信号を読み出す必要があり、撮影間隔を短くするためには撮像信号の読み出しを高速に行う必要がある。撮像信号の読み出しを高速に行うと、それだけ素子の発熱量が増大する。内視鏡装置では、体内に挿入される先端部の発熱を極力抑える必要がある。この発熱量が増大すると、先端部に冷却機構等が必要となり、先端部の小型化を妨げることとなる。図1に示す内視鏡装置によれば、図7の下段に示したように、撮像信号の読み出しを高速に行わずとも、撮影間隔を短くすることができる。このため、先端部での発熱を抑えることができ、先端部の小型化を実現することができる。
【0097】
また、図1に示す内視鏡装置によれば、フローティングゲートFG2、FG3に電荷を蓄積する前に、光電変換部11内の電荷をリセットドレインに一旦排出する駆動を行っているため、異なる光による露光時の電荷が混ざってしまうのを防ぐことができ、混色を防止して更なる画質向上を図ることができる。
【0098】
なお、以上の説明では、第一の電荷蓄積部と第二の電荷蓄積部と第三の電荷蓄積部を、それぞれ書き込みトランジスタWTと読み出しトランジスタRTの2つのMOSトランジスタで構成したが、これは1つのトランジスタで構成しても良い。
【0099】
例えば、図3において、読み出しトランジスタRT1,RT2,RT3を省略し、書き込みトランジスタWT1,WT2,WT3にドレインを設け、ここに列信号線OLを介して読み出し回路20を接続した構成としても良い。この構成の場合、G信号は、書き込みトランジスタWT1のドレインをプリチャージし、書き込みコントロールゲートWCG1にランプ波形電圧を印加することで読み出し、R信号は、書き込みトランジスタWT2のドレインをプリチャージし、書き込みコントロールゲートWCG2にランプ波形電圧を印加することで読み出し、B信号は、書き込みトランジスタWT3のドレインをプリチャージし、書き込みコントロールゲートWCG3にランプ波形電圧を印加することで読み出せば良い。
【0100】
上述したように、電荷蓄積部を1つのトランジスタで実現する場合には、そのトランジスタにMOS構造以外の構造も採用することができる。例えば、フローティングゲートFG1を窒化膜にし、書き込みコントロールゲートWCG1を該窒化膜上に直接形成したMNOS型のトランジスタ構造や、フローティングゲートFG1を窒化膜にしたMONOS型のトランジスタ構造であっても良い。いずれの場合も、窒化膜(N)が電荷を蓄積する電荷蓄積領域として機能する。
【0101】
また、以上の説明では、光源として原色の光を発光するものを用いているが、補色(シアン、マゼンダ、イエロー)の3つの光を発光する光源を用いても、同様にカラー画像データを生成することができる。
【0102】
以下では、図1に示す内視鏡装置の変形例を説明する。
【0103】
(第一の変形例)
第一の変形例の内視鏡装置は、図1に示した内視鏡装置と同じ構成であり、その動作のみが異なる。以下、この動作について説明する。
【0104】
図8は、第一の変形例の内視鏡装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。図9は、第一の変形例の内視鏡装置の動作を説明するための模式図である。図9では、2行×2列の計4つの画素部を模式的に図示してある。
【0105】
操作部25が操作されて対象物の撮影指示がなされると、この指示がシステム制御部24に入力され、システム制御部24から固体撮像素子10へ撮影指示が通知される。
【0106】
固体撮像素子10では、撮影指示を受けると、これをスタートトリガとして、制御部40が、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、各画素部100の光電変換部11に蓄積されていた不要電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0107】
リセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1a、LED1b、LED1cの各々からR光、G光、B光を同時に発光させる。なお、図8では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてからR光、G光、B光を同時に発光させているが、この発光はリセット完了と同時であることが好ましい。また、R光、G光、B光は、同時ではなく、タイミングを僅かにずらしながら連続して発光させるようにしても良い。
【0108】
R光、G光、B光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。この発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここでR光、G光、B光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0109】
露光期間終了後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG1に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG1に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0110】
この書き込みパルスの供給により、図9に示すように、各画素部100で発生した電荷(R光、G光、B光による電荷、図中では“RGB(Y)”で示した)はその画素部100のフローティングゲートFG1に蓄積される。フローティングゲートFG1に蓄積される電荷は、R光、G光、B光の全ての成分を含む電荷である。カラー画像データを構成する輝度信号は、R光に応じた信号成分とG光に応じた信号成分とB光に応じた信号成分とを所定の係数で重み付け加算することで生成している。そこで、R光、G光、B光の発光量を、この所定の係数に応じた値に設定しておくことで、フローティングゲートFG1に蓄積される電荷に応じた信号を、輝度信号として扱うことができる。このため、第一の変形例の内視鏡装置では、光源1から発光されるR光、G光、B光の発光量を、輝度信号生成の際の係数に応じた値に設定している。
【0111】
フローティングゲートFG1への電荷の蓄積が終了すると、制御部40は、再び、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、光電変換部11からフローティングゲートFG1へ注入しきれずに残ってしまっていた残留電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0112】
2度目のリセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1aからR光を発光させる。なお、図8では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてからR光を発光させているが、R光の発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
【0113】
R光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。このR光の発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここでR光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0114】
露光期間終了後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG2に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG2に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0115】
この書き込みパルスの供給により、図9に示すように、各画素部100で発生した電荷(R光による電荷、図中では“R”で示した)はその画素部100のフローティングゲートFG2に蓄積される。
【0116】
フローティングゲートFG2への電荷の蓄積が終了すると、制御部40は、再び、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、光電変換部11からフローティングゲートFG2へ注入しきれずに残ってしまっていた残留電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0117】
3度目のリセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1cからB光を発光させる。なお、図8では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてからB光を発光させているが、B光の発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
【0118】
B光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。このB光の発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここでB光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0119】
露光期間終了後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG3に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG3に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0120】
この書き込みパルスの供給により、図9に示すように、各画素部100で発生した電荷(B光による電荷、図中では“B”で示した)はその画素部100のフローティングゲートFG3に蓄積される。
【0121】
フローティングゲートFG3への電荷蓄積終了後、制御部40は、1ライン目の各画素部100の読み出しトランジスタRT1のドレインをプリチャージし、1ライン目の各画素部100の読み出しコントロールゲートRCG1へのランプ波形電圧の印加を開始する。そして、1ライン目の読み出しトランジスタRT1のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持され、このカウント値が撮像信号として出力アンプ60から出力される。制御部40は、2ライン目以降にも同様の駆動を行って、全てのラインのフローティングゲートFG1に蓄積されていた電荷に応じた第一の撮像信号(輝度信号Y)を出力させる。
【0122】
次に、制御部40は、1ライン目の各画素部100の読み出しトランジスタRT2のドレインをプリチャージし、1ライン目の各画素部100の読み出しコントロールゲートRCG2へのランプ波形電圧の印加を開始する。そして、1ライン目の読み出しトランジスタRT2のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持され、このカウント値が撮像信号として出力アンプ60から出力される。制御部40は、2ライン目以降にも同様の駆動を行って、全てのラインのフローティングゲートFG2に蓄積されていた電荷に応じた第二の撮像信号(R信号)を出力させる。
【0123】
次に、制御部40は、1ライン目の各画素部100の読み出しトランジスタRT3のドレインをプリチャージし、1ライン目の各画素部100の読み出しコントロールゲートRCG3へのランプ波形電圧の印加を開始する。そして、1ライン目の読み出しトランジスタRT3のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持され、このカウント値が撮像信号として出力アンプ60から出力される。制御部40は、2ライン目以降にも同様の駆動を行って、全てのラインのフローティングゲートFG3に蓄積されていた電荷に応じた第三の撮像信号(B信号)を出力させる。
【0124】
第三の撮像信号を出力させた後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG1,WCG2,WCG3及び読み出しコントロールゲートRCG1,RCG2,RCG3の電位を−Vccに設定し、半導体基板の電位をVccに設定する。これによりフローティングゲートFG1,FG2,FG3に蓄積されていた電荷は、半導体基板に引き抜かれて消去される。
【0125】
以上のような動作が1フレーム期間内に実施される。
【0126】
信号処理部23は、固体撮像素子10の各画素部100から出力された輝度信号Yと、R信号と、B信号とによりカラー画像データを生成する。具体的には、輝度信号YとR信号とから色差信号Crを生成し、輝度信号YとB信号とから色差信号Cbを生成することで、YC信号からなるJPEG形式のカラー画像データを生成する。このカラー画像データに基づくカラー画像により、対象物を肉眼で観察したのと同じ状況を、表示部22上で再現することができる。
【0127】
このように、第一の変形例の内視鏡装置によれば、輝度信号を生成するための演算を不要にすることができる。このため、画像データ生成までの演算時間を短縮することができ、動画撮影時のフレームレート向上等を実現することができる。また、光源1の色特性(RGB各色の分光特性)で輝度信号が決まるため、忠実度の高い映像を得ることができ、精度の高い診断が可能となる。
【0128】
(第二の変形例)
図10は、第二の変形例の内視鏡装置の概略構成を示す図である。図10に示す内視鏡装置は、図1に示す内視鏡装置の光源1に、特殊光1を発光するLED1dを追加した構成となっている。
【0129】
特殊光1は、RGB光(白色光)では識別できない生体情報を識別可能にするために必要な光であり、例えば、図11に示すように、R光、G光、B光の波長域外にある特定波長に輝線を持つ光である。なお、特殊光1の特定波長は、観察したい生体情報に応じて任意に決めることができる。例えば、発赤(ヘモグロビン)の有無を明確に認識できるようにするために対象物を照明すべき波長、自家蛍光の有無を明確に認識できるようにするために対象物を照明すべき波長、対象物の深部の血管を明確に認識できるようにするために対象物を照明すべき波長など、様々な波長が設定可能である。
【0130】
なお、対象物によっては、特定の波長の光を当てたときにその波長と異なる励起光を発するものがあり、この励起光による画像を観察したい場合もある。励起光を検出するためには、対象物から励起光を発生させられるような発光波長を持つ光を特殊光として設定しておけば良い。
【0131】
例えば、波長400nmの光を当てて対象物から反射してくる光を検出したい場合には、特殊光1として、波長400nmに発光波長を持つ光を発光できるようにしておけば良い。また、例えば波長650nmの光を当てたときに対象物からは波長680nmの励起光が発生するものとし、この励起光を検出したい場合には、特殊光1として、波長650nmに発光波長を持つ光を発光できるようにしておけば良い。以下、第二の変形例の内視鏡装置の動作を説明する。
【0132】
図12は、第二の変形例の内視鏡装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。図13は、第二の変形例の内視鏡装置の動作を説明するための模式図である。図13では、2行×2列の計4つの画素部を模式的に図示してある。
【0133】
操作部25が操作されて対象物の撮影指示がなされると、この指示がシステム制御部24に入力され、システム制御部24から固体撮像素子10へ撮影指示が通知される。
【0134】
固体撮像素子10では、撮影指示を受けると、これをスタートトリガとして、制御部40が、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、各画素部100の光電変換部11に蓄積されていた不要電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0135】
リセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1bからG光を発光させる。なお、図12では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてからG光を発光させているが、この発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
【0136】
G光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。この発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここでG光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0137】
露光期間終了後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG1に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG1に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0138】
この書き込みパルスの供給により、図13に示すように、各画素部100で発生した電荷(G光による電荷、図中では“G”で示した)はその画素部100のフローティングゲートFG1に蓄積される。
【0139】
フローティングゲートFG1への電荷の蓄積が終了すると、制御部40は、再び、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、光電変換部11からフローティングゲートFG1へ注入しきれずに残ってしまっていた残留電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0140】
2度目のリセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1aからR光を発光させる。なお、図12では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてからR光を発光させているが、R光の発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
【0141】
R光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。このR光の発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここでR光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0142】
露光期間終了後、制御部40は、奇数ラインの画素部100の書き込みコントロールゲートWCG2に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG2に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0143】
この書き込みパルスの供給により、図13に示すように、各画素部100で発生した電荷(R光による電荷、図中では“R”で示した)は、奇数ラインの画素部100のフローティングゲートFG2にのみ蓄積される。
【0144】
奇数ラインの各画素部100のフローティングゲートFG2への電荷の蓄積が終了すると、制御部40は、再び、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、光電変換部11からフローティングゲートFG2へ注入しきれずに残ってしまっていた残留電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0145】
3度目のリセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1cからB光を発光させる。なお、図12では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてからB光を発光させているが、B光の発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
【0146】
B光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。このB光の発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここでB光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0147】
露光期間終了後、制御部40は、偶数ラインの画素部100の書き込みコントロールゲートWCG2に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG2に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0148】
この書き込みパルスの供給により、図13に示すように、各画素部100で発生した電荷(B光による電荷、図中では“B”で示した)は、偶数ラインの各画素部100のフローティングゲートFG2にのみ蓄積される。
【0149】
偶数ラインの各画素部100のフローティングゲートFG2への電荷の蓄積が終了すると、制御部40は、再び、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、光電変換部11からフローティングゲートFG2へ注入しきれずに残ってしまっていた残留電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0150】
4度目のリセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1dから特殊光1を発光させる。なお、図12では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてから特殊光1を発光させているが、この発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
【0151】
特殊光1の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。この発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここで特殊光1に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0152】
露光期間終了後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG3に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG3に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0153】
この書き込みパルスの供給により、図13に示すように、各画素部100で発生した電荷(特殊光1による電荷、図中では“特殊1”で示した)はその画素部100のフローティングゲートFG3に蓄積される。
【0154】
フローティングゲートFG3への電荷蓄積終了後、制御部40は、1ライン目の各画素部100の読み出しトランジスタRT1のドレインをプリチャージし、1ライン目の各画素部100の読み出しコントロールゲートRCG1へのランプ波形電圧の印加を開始する。そして、1ライン目の読み出しトランジスタRT1のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持され、このカウント値が撮像信号として出力アンプ60から出力される。制御部40は、2ライン目以降にも同様の駆動を行って、全てのラインのフローティングゲートFG1に蓄積されていた電荷に応じた第一の撮像信号(G信号)を出力させる。
【0155】
次に、制御部40は、1ライン目の各画素部100の読み出しトランジスタRT2のドレインをプリチャージし、1ライン目の各画素部100の読み出しコントロールゲートRCG2へのランプ波形電圧の印加を開始する。そして、1ライン目の読み出しトランジスタRT2のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持され、このカウント値が撮像信号として出力アンプ60から出力される。制御部40は、2ライン目以降にも同様の駆動を行って、全てのラインのフローティングゲートFG2に蓄積されていた電荷に応じた第二の撮像信号(R信号とB信号)を出力させる。
【0156】
次に、制御部40は、1ライン目の各画素部100の読み出しトランジスタRT3のドレインをプリチャージし、1ライン目の各画素部100の読み出しコントロールゲートRCG3へのランプ波形電圧の印加を開始する。そして、1ライン目の読み出しトランジスタRT3のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持され、このカウント値が撮像信号として出力アンプ60から出力される。制御部40は、2ライン目以降にも同様の駆動を行って、全てのラインのフローティングゲートFG3に蓄積されていた電荷に応じた第三の撮像信号(特殊光1信号)を出力させる。
【0157】
第三の撮像信号を出力させた後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG1,WCG2,WCG3及び読み出しコントロールゲートRCG1,RCG2,RCG3の電位を−Vccに設定し、半導体基板の電位をVccに設定する。これによりフローティングゲートFG1,FG2,FG3に蓄積されていた電荷は、半導体基板に引き抜かれて消去される。
【0158】
以上のような動作が1フレーム期間内に実施される。
【0159】
信号処理部23は、固体撮像素子10の各画素部100から出力されたG信号と、R信号又はB信号と、特殊光1信号とにより、カラー画像データと単色画像データとを生成する。具体的には、画素部100から得られないR信号又はB信号を、その画素部100の周囲の画素部100から得られたR信号及びB信号を用いて補間することで、1つの画素部100に対し、R信号とG信号とB信号を生成し、これらから輝度信号と色差信号を生成してカラー画像データを生成する。また、特殊光1信号から単色画像データを生成する。
【0160】
以上のように、第二の変形例の内視鏡装置によれば、1回の撮影により、カラー画像データに加えて、特殊光1による単色の画像データも得ることができる。カラー画像データは、フローティングゲートFG1,FG2を用いて生成し、単色画像データは、フローティングゲートFG3を用いて生成しており、カラー画像データ生成のための電荷の蓄積と、単色画像データ生成のための電荷の蓄積との間の時間はわずかである。このため、被写体が動いた場合でも、カラー画像データと単色画像データとで被写体がずれてしまう可能性は低くなる。この結果、同一被写体に対して異なる条件で画像観察を行うことができ、的確な診断が可能となる。
【0161】
なお、以上の説明では、奇数ラインのフローティングゲートFG2にR光に応じた電荷を蓄積し、偶数ラインのフローティングゲートFG2にB光に応じた電荷を蓄積しているが、これは逆であっても良い。また、全体の半分のフローティングゲートFG2にR光に応じた電荷を蓄積し、残り半分のフローティングゲートFG2にB光に応じた電荷を蓄積できれば良く、奇数ラインと偶数ラインで分けなくとも良い。
【0162】
(第三の変形例)
図14は、第三の変形例の内視鏡装置の概略構成を示す図である。図14に示す内視鏡装置は、図10に示す内視鏡装置の光源1に、特殊光2を発光するLED1eを追加した構成となっている。
【0163】
特殊光2は、特殊光1と同様、RGB光(白色光)では識別できない部位を識別可能にするために必要な光であり、例えば、図11に示すように、G光の波長域内にある特定波長に輝線を持つ光である。なお、特殊光2の特定波長は、特殊光1と同様に、観察したい生体情報に応じて任意に決めることができる。ただし、特殊光2は、特殊光1とは異なる波長に輝線を持つものとする。
【0164】
図15は、第三の変形例の内視鏡装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。図16は、第三の変形例の内視鏡装置の動作を説明するための模式図である。図16では、2行×2列の計4つの画素部を模式的に図示してある。
【0165】
操作部25が操作されて対象物の撮影指示がなされると、この指示がシステム制御部24に入力され、システム制御部24から固体撮像素子10へ撮影指示が通知される。
【0166】
固体撮像素子10では、撮影指示を受けると、これをスタートトリガとして、制御部40が、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、各画素部100の光電変換部11に蓄積されていた不要電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0167】
リセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1bからG光を発光させる。なお、図15では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてからG光を発光させているが、この発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
【0168】
G光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。この発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここでG光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0169】
露光期間終了後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG1に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG1に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0170】
この書き込みパルスの供給により、図16に示すように、各画素部100で発生した電荷(G光による電荷、図中では“G”で示した)はその画素部100のフローティングゲートFG1に蓄積される。
【0171】
フローティングゲートFG1への電荷の蓄積が終了すると、制御部40は、再び、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、光電変換部11からフローティングゲートFG1へ注入しきれずに残ってしまっていた残留電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0172】
2度目のリセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1aからR光を発光させる。なお、図15では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてからR光を発光させているが、R光の発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
【0173】
R光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。このR光の発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここでR光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0174】
露光期間終了後、制御部40は、奇数ラインの画素部100の書き込みコントロールゲートWCG2に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG2に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0175】
この書き込みパルスの供給により、図16に示すように、各画素部100で発生した電荷(R光による電荷、図中では“R”で示した)は、奇数ラインの画素部100のフローティングゲートFG2にのみ蓄積される。
【0176】
奇数ラインの各画素部100のフローティングゲートFG2への電荷の蓄積が終了すると、制御部40は、再び、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、光電変換部11からフローティングゲートFG2へ注入しきれずに残ってしまっていた残留電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0177】
3度目のリセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1cからB光を発光させる。なお、図15では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてからB光を発光させているが、B光の発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
【0178】
B光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。このB光の発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここでB光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0179】
露光期間終了後、制御部40は、偶数ラインの画素部100の書き込みコントロールゲートWCG2に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG2に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0180】
この書き込みパルスの供給により、図16に示すように、各画素部100で発生した電荷(B光による電荷、図中では“B”で示した)は、偶数ラインの各画素部100のフローティングゲートFG2にのみ蓄積される。
【0181】
偶数ラインの各画素部100のフローティングゲートFG2への電荷の蓄積が終了すると、制御部40は、再び、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、光電変換部11からフローティングゲートFG2へ注入しきれずに残ってしまっていた残留電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0182】
4度目のリセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1dから特殊光1を発光させる。なお、図15では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてから特殊光1を発光させているが、特殊光1の発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
【0183】
特殊光1の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。この特殊光1の発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここで特殊光1に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0184】
露光期間終了後、制御部40は、奇数ラインの画素部100の書き込みコントロールゲートWCG3に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG3に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0185】
この書き込みパルスの供給により、図16に示すように、各画素部100で発生した電荷(特殊光1による電荷、図中では“特殊1”で示した)は、奇数ラインの画素部100のフローティングゲートFG3にのみ蓄積される。
【0186】
奇数ラインの各画素部100のフローティングゲートFG3への電荷の蓄積が終了すると、制御部40は、再び、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、光電変換部11からフローティングゲートFG3へ注入しきれずに残ってしまっていた残留電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0187】
5度目のリセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1eから特殊光2を発光させる。なお、図15では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてから特殊光2を発光させているが、特殊光2の発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
【0188】
特殊光2の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。この特殊光2の発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここで特殊光2に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0189】
露光期間終了後、制御部40は、偶数ラインの画素部100の書き込みコントロールゲートWCG3に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG3に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0190】
この書き込みパルスの供給により、図16に示すように、各画素部100で発生した電荷(特殊光2による電荷、図中では“特殊2”で示した)は、偶数ラインの各画素部100のフローティングゲートFG3にのみ蓄積される。
【0191】
フローティングゲートFG3への電荷蓄積終了後、制御部40は、1ライン目の各画素部100の読み出しトランジスタRT1のドレインをプリチャージし、1ライン目の各画素部100の読み出しコントロールゲートRCG1へのランプ波形電圧の印加を開始する。そして、1ライン目の読み出しトランジスタRT1のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持され、このカウント値が撮像信号として出力アンプ60から出力される。制御部40は、2ライン目以降にも同様の駆動を行って、全てのラインのフローティングゲートFG1に蓄積されていた電荷に応じた第一の撮像信号(G信号)を出力させる。
【0192】
次に、制御部40は、1ライン目の各画素部100の読み出しトランジスタRT2のドレインをプリチャージし、1ライン目の各画素部100の読み出しコントロールゲートRCG2へのランプ波形電圧の印加を開始する。そして、1ライン目の読み出しトランジスタRT2のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持され、このカウント値が撮像信号として出力アンプ60から出力される。制御部40は、2ライン目以降にも同様の駆動を行って、全てのラインのフローティングゲートFG2に蓄積されていた電荷に応じた第二の撮像信号(R信号とB信号)を出力させる。
【0193】
次に、制御部40は、1ライン目の各画素部100の読み出しトランジスタRT3のドレインをプリチャージし、1ライン目の各画素部100の読み出しコントロールゲートRCG3へのランプ波形電圧の印加を開始する。そして、1ライン目の読み出しトランジスタRT3のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持され、このカウント値が撮像信号として出力アンプ60から出力される。制御部40は、2ライン目以降にも同様の駆動を行って、全てのラインのフローティングゲートFG3に蓄積されていた電荷に応じた第三の撮像信号(特殊光1信号と特殊光2信号)を出力させる。
【0194】
第三の撮像信号を出力させた後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG1,WCG2,WCG3及び読み出しコントロールゲートRCG1,RCG2,RCG3の電位を−Vccに設定し、半導体基板の電位をVccに設定する。これによりフローティングゲートFG1,FG2,FG3に蓄積されていた電荷は、半導体基板に引き抜かれて消去される。
【0195】
以上のような動作が1フレーム期間内に実施される。
【0196】
信号処理部23は、固体撮像素子10の各画素部100から出力されたG信号と、R信号又はB信号と、特殊光1信号又は特殊光2信号とにより、カラー画像データと、2つの単色画像データを生成する。具体的には、画素部100から得られないR信号又はB信号を、その画素部100の周囲の画素部100から得られたR信号及びB信号を用いて補間することで、1つの画素部100に対し、R信号と、G信号と、B信号を生成してカラー画像データを生成する。また、画素部100から得られない特殊光1信号又は特殊光2信号を、その画素部100の周囲の画素部100から得られた特殊光1信号及び特殊光2信号を用いて補間することで、1つの画素部100に対し、特殊光1信号と、特殊光2信号とを生成して2つの単色画像データを生成する。なお、特殊光1信号と特殊光2信号については補間を行わず、そのまま画素数半分の単色画像データを生成しても良い。
【0197】
以上のように、第三の変形例の内視鏡装置によれば、1回の撮影により、カラー画像データに加えて、特殊光1による単色の画像データと、特殊光2による単色の画像データも得ることができる。カラー画像データは、フローティングゲートFG1,FG2を用いて生成し、単色画像データは、フローティングゲートFG3を用いて生成しており、カラー画像データ生成のための電荷の蓄積と、単色画像データ生成のための電荷の蓄積との間の時間はわずかである。このため、被写体が動いた場合でも、カラー画像データと単色画像データとで被写体がずれてしまう可能性は低くなる。この結果、同一被写体に対して異なる条件で画像観察を行うことができ、的確な診断が可能となる。
【0198】
なお、観察対象となる生体情報によっては、複数の特殊光を当てたときにしか確認できないようなものも存在する。複数の特殊光を特殊光1と特殊光2とすると、このような場合には、図15のタイミングチャートにおいて、4回目のリセット完了後、特殊光1と特殊光2を同時又は連続的に発光させて露光を行い、この露光によって得られる電荷を全ての画素部100のフローティングゲートFG3に注入する。そして、フローティングゲートFG3から撮像信号を読み出し、この撮像信号から画像データを生成すれば良い。このように、光の発光タイミングを変更するだけで、様々な種類の画像データを得ることができ、症状に合わせた柔軟な診断が可能となる。
【0199】
また、第三の変形例においても、全体の半分のフローティングゲートFG2にR光に応じた電荷を蓄積し、残り半分のフローティングゲートFG2にB光に応じた電荷を蓄積し、全体の半分のフローティングゲートFG3に特殊光1に応じた電荷を蓄積し、残り半分のフローティングゲートFG3に特殊光2に応じた電荷を蓄積できれば良く、奇数ラインと偶数ラインで分けなくとも良い。
【0200】
(第四の変形例)
第四の変形例では、図1に示した内視鏡装置や第一〜第三の変形例の内視鏡装置の固体撮像素子10の画素部100の内部構成の変形例について説明する。
【0201】
図17は、図1に示した内視鏡装置の第四の変形例を示す図であり、図3に示す画素部内の変形構成例を示した等価回路図である。なお、図17に示す構成は、第一〜第三の変形例で説明した内視鏡装置の固体撮像素子の各画素部にも適用可能である。
【0202】
図17に示す画素部には、光電変換部11で発生した電荷を選択的に蓄積可能な複数の電荷蓄積部として浮遊拡散容量C1と浮遊拡散容量C2と浮遊拡散容量C3とが設けられている。また、図17に示す画素部は、浮遊拡散容量C1に対応して設けられた、スイッチトランジスタST1、リセットトランジスタRET1、及びソースフォロワアンプSFA1と、浮遊拡散容量C2に対応して設けられた、スイッチトランジスタST2、リセットトランジスタRET2、及びソースフォロワアンプSFA2と、浮遊拡散容量C3に対応して設けられた、スイッチトランジスタST3、リセットトランジスタRET3、及びソースフォロワアンプSFA3とを備える。
【0203】
スイッチトランジスタST1は、光電変換部11内の電荷の浮遊拡散容量C1への転送制御を行う。ソースフォロアアンプSFA1は、浮遊拡散容量C1に接続され、浮遊拡散容量C1に転送された電荷量に応じた信号を出力する。リセットトランジスタRET1は、浮遊拡散容量C1の電位を電源電圧Vccにリセットするためのものである。
【0204】
スイッチトランジスタST2は、光電変換部11内の電荷の浮遊拡散容量C2への転送制御を行う。ソースフォロアアンプSFA2は、浮遊拡散容量C2に接続され、浮遊拡散容量C2に転送された電荷量に応じた信号を出力する。リセットトランジスタRET2は、浮遊拡散容量C2の電位を電源電圧Vccにリセットするためのものである。
【0205】
スイッチトランジスタST3は、光電変換部11内の電荷の浮遊拡散容量C3への転送制御を行う。ソースフォロアアンプSFA3は、浮遊拡散容量C3に接続され、浮遊拡散容量C3に転送された電荷量に応じた信号を出力する。リセットトランジスタRET3は、浮遊拡散容量C3の電位を電源電圧Vccにリセットするためのものである。
【0206】
図17に示す画素部を有する固体撮像素子を搭載した内視鏡装置では、撮影指示に応じて、まず、全ての画素部のスイッチトランジスタST1とリセットトランジスタRET1をそれぞれオンする。これにより、光電変換部11にある不要電荷は、浮遊拡散容量C1に完全転送され、ここからリセットトランジスタRET1のドレインへと排出される。次に、全ての画素部のスイッチトランジスタST1とリセットトランジスタRET1をそれぞれオフすると同時にG光による露光を開始する。露光期間が終了すると、全ての画素部のスイッチトランジスタST1をオンして、光電変換部11で発生した電荷を浮遊拡散容量C1に完全転送し、スイッチトランジスタST1をオフにする。
【0207】
次に、全ての画素部のスイッチトランジスタST2とリセットトランジスタRET2をそれぞれオンする。これにより、光電変換部11にある残留電荷は、浮遊拡散容量C2に完全転送され、ここからリセットトランジスタRET2のドレインへと排出される。次に、全ての画素部のスイッチトランジスタST2とリセットトランジスタRET2をそれぞれオフすると同時にR光による露光を開始する。露光期間が終了すると、全ての画素部のスイッチトランジスタST2をオンして、光電変換部11で発生した電荷を浮遊拡散容量C2に完全転送し、スイッチトランジスタST2をオフにする。
【0208】
次に、全ての画素部のスイッチトランジスタST3とリセットトランジスタRET3をそれぞれオンする。これにより、光電変換部11にある残留電荷は、浮遊拡散容量C3に完全転送され、ここからリセットトランジスタRET3のドレインへと排出される。次に、全ての画素部のスイッチトランジスタST3とリセットトランジスタRET3をそれぞれオフすると同時にB光による露光を開始する。露光期間が終了すると、全ての画素部のスイッチトランジスタST3をオンして、光電変換部11で発生した電荷を浮遊拡散容量C3に完全転送し、スイッチトランジスタST3をオフにする。
【0209】
電荷蓄積終了後は、浮遊拡散容量C1に転送された電荷量に応じた撮像信号をソースフォロアアンプSFA1によって外部に読み出す駆動を全ラインに対して行って撮像信号を読み出す。次に、浮遊拡散容量C2に転送された電荷量に応じた撮像信号をソースフォロアアンプSFA2によって外部に読み出す駆動を全ラインに対して行って撮像信号を読み出す。次に、浮遊拡散容量C3に転送された電荷量に応じた撮像信号をソースフォロアアンプSFA3によって外部に読み出す駆動を全ラインに対して行って撮像信号を読み出す。
【0210】
以上のような構成であっても、発熱を抑えながら3回の撮影間隔を短くすることができ、装置の小型化、診断精度の向上を実現することができる。また、図17に示した構成例においても、各浮遊拡散容量に電荷を選択的に蓄積することが可能であるため、第一〜第三の変形例で説明した駆動方法を採用することが可能である。
【0211】
(第五の変形例)
第二の変形例の内視鏡装置では、カラー画像データを生成するためには、フローティングゲートFG1を含む電荷蓄積部とフローティングゲートFG2を含む電荷蓄積部との2つの電荷蓄積部があれば十分である。そこで、第五の変形例の内視鏡装置では、固体撮像素子10の画素部100に設ける電荷蓄積部の数を2つにした構成となっている。
【0212】
図18は、図1に示した内視鏡装置の第五の変形例を示す図であり、図3に示す画素部内の変形構成例を示した等価回路図である。図18に示した画素部は、図3に示した画素部の第三の電荷蓄積部(書き込みトランジスタWT3、読み出しトランジスタRT3)を削除した構成となっている。
【0213】
図19は、第五の変形例の内視鏡装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。図20は、第五の変形例の内視鏡装置の動作を説明するための模式図である。図20では、2行×2列の計4つの画素部を模式的に図示してある。
【0214】
操作部25が操作されて対象物の撮影指示がなされると、この指示がシステム制御部24に入力され、システム制御部24から固体撮像素子10へ撮影指示が通知される。
【0215】
固体撮像素子10では、撮影指示を受けると、これをスタートトリガとして、制御部40が、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、各画素部100の光電変換部11に蓄積されていた不要電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0216】
リセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1bからG光を発光させる。なお、図19では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてからG光を発光させているが、この発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
【0217】
G光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。この発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここでG光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0218】
露光期間終了後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG1に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG1に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0219】
この書き込みパルスの供給により、図20に示すように、各画素部100で発生した電荷(G光による電荷、図中では“G”で示した)はその画素部100のフローティングゲートFG1に蓄積される。
【0220】
フローティングゲートFG1への電荷の蓄積が終了すると、制御部40は、再び、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、光電変換部11からフローティングゲートFG1へ注入しきれずに残ってしまっていた残留電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0221】
2度目のリセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1aからR光を発光させる。なお、図19では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてからR光を発光させているが、R光の発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
【0222】
R光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。このR光の発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここでR光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0223】
露光期間終了後、制御部40は、奇数ラインの画素部100の書き込みコントロールゲートWCG2に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG2に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0224】
この書き込みパルスの供給により、図20に示すように、各画素部100で発生した電荷(R光による電荷、図中では“R”で示した)は、奇数ラインの画素部100のフローティングゲートFG2にのみ蓄積される。
【0225】
奇数ラインの各画素部100のフローティングゲートFG2への電荷の蓄積が終了すると、制御部40は、再び、全ての画素部100のリセットトランジスタRETのリセットゲートRGにリセットパルスを供給する。これにより、光電変換部11からフローティングゲートFG2へ注入しきれずに残ってしまっていた残留電荷がリセットトランジスタRETのドレインへと排出される。
【0226】
3度目のリセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1cからB光を発光させる。なお、図19では、リセットパルスの供給の後、少し時間をおいてからB光を発光させているが、B光の発光はリセット完了と同時であることが好ましい。
【0227】
B光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。このB光の発光期間中、固体撮像素子10の各画素部100では、対象物から入射してくる光が光電変換部11に入射し、ここでB光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0228】
露光期間終了後、制御部40は、偶数ラインの画素部100の書き込みコントロールゲートWCG2に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部11で発生した電荷をフローティングゲートFG2に蓄積させる。なお、書き込みパルスの供給は、露光期間の終了と同時に開始する方法と、露光期間の開始と同時に開始し、露光期間の終了と同時に終了する方法のどちらを採用しても良い。
【0229】
この書き込みパルスの供給により、図20に示すように、各画素部100で発生した電荷(B光による電荷、図中では“B”で示した)は、偶数ラインの各画素部100のフローティングゲートFG2にのみ蓄積される。
【0230】
フローティングゲートFG2への電荷蓄積終了後、制御部40は、1ライン目の各画素部100の読み出しトランジスタRT1のドレインをプリチャージし、1ライン目の各画素部100の読み出しコントロールゲートRCG1へのランプ波形電圧の印加を開始する。そして、1ライン目の読み出しトランジスタRT1のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持され、このカウント値が撮像信号として出力アンプ60から出力される。制御部40は、2ライン目以降にも同様の駆動を行って、全てのラインのフローティングゲートFG1に蓄積されていた電荷に応じた第一の撮像信号(G信号)を出力させる。
【0231】
次に、制御部40は、1ライン目の各画素部100の読み出しトランジスタRT2のドレインをプリチャージし、1ライン目の各画素部100の読み出しコントロールゲートRCG2へのランプ波形電圧の印加を開始する。そして、1ライン目の読み出しトランジスタRT2のドレイン電位が降下した時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20内で保持され、このカウント値が撮像信号として出力アンプ60から出力される。制御部40は、2ライン目以降にも同様の駆動を行って、全てのラインのフローティングゲートFG2に蓄積されていた電荷に応じた第二の撮像信号(R信号とB信号)を出力させる。
【0232】
第二の撮像信号を出力させた後、制御部40は、全ての画素部100の書き込みコントロールゲートWCG1,WCG2,WCG3及び読み出しコントロールゲートRCG1,RCG2,RCG3の電位を−Vccに設定し、半導体基板の電位をVccに設定する。これによりフローティングゲートFG1,FG2,FG3に蓄積されていた電荷は、半導体基板に引き抜かれて消去される。
【0233】
以上のような動作が1フレーム期間内に実施される。
【0234】
信号処理部23は、固体撮像素子10の各画素部100から出力されたG信号と、R信号又はB信号とにより、カラー画像データを生成する。具体的には、画素部100から得られないR信号又はB信号を、その画素部100の周囲の画素部100から得られたR信号及びB信号を用いて補間することで、1つの画素部100に対し、R信号とG信号とB信号を生成し、これらから輝度信号と色差信号を生成してカラー画像データを生成する。
【0235】
以上のように、第五の変形例の内視鏡装置によれば、固体撮像素子10の画素部100内に2つの電荷蓄積部を設けるだけで、色ずれを抑制したカラー画像データを生成することができる。このため、電荷蓄積部を3つ設ける場合と比べて、画素部サイズの縮小、光電変換部の拡大等が可能となり、多画素化、高感度化等に対応することができる。
【0236】
なお、第五の変形例においても、全体の半分のフローティングゲートFG2にR光に応じた電荷を蓄積し、残り半分のフローティングゲートFG2にB光に応じた電荷を蓄積できれば良く、奇数ラインと偶数ラインという分け方には限定されない。
【0237】
以上の説明では、それぞれ異なる波長の光を発光するLEDにより光源1を構成しているが、白色光源と、この前面に挿入される分光フィルタとによって、それぞれ異なる波長の光を発光できるようにしても良い。ただし、複数の光を同時に発光させる場合には、この構成は採用できない。
【0238】
(第六の変形例)
この変形例では、第五の変形例で説明した固体撮像素子の各画素部に含まれる2つの電荷蓄積部の各々を、1つのトランジスタで構成した例について説明する。
【0239】
図21は、本発明の一実施形態を説明するための固体撮像素子の別例の概略構成を示す平面模式図である。図21(a)は固体撮像素子の全体を示した図であり、図21(b)は(a)の固体撮像素子の読み出し回路の構成例を示した図である。図21に示す固体撮像素子10’は、画素部100’と、読み出し回路20’と、出力回路(トランジスタ30’、信号線70’、水平シフトレジスタ50’、出力部60’)と、制御部40’と、統括制御部80’とを備える。
【0240】
画素部100’は、複数設けられ、半導体基板K’の列方向とこれに直交する行方向に二次元状(この例では正方格子状)に配列されている。
【0241】
読み出し回路20’は、列方向に並ぶ画素部100’からなる画素部列毎に設けられ、各画素部100’から撮像信号を読み出すためのものである。
【0242】
出力回路は、読み出し回路20’で読み出された1画素部行分の撮像信号を出力するための回路である。
【0243】
制御部40’は、各画素部100’を制御するものである。
【0244】
統括制御部80’は、固体撮像素子10’全体を統括制御するものである。固体撮像素子10’は、それを搭載する撮像装置のシステム制御部からの制御により、統括制御部80’が各部を制御することで動作する。
【0245】
図22は、図21に示した固体撮像素子における画素部の等価回路を示した図である。図22に示すように、画素部100’は、光電変換部3’と、不揮発性メモリトランジスタMT1’と、不揮発性メモリトランジスタMT2’と、リセットトランジスタRT’とを備える。
【0246】
光電変換部3’は半導体基板K’内に形成されている。不揮発性メモリトランジスタMT1’は、半導体基板K’上方に形成された電荷蓄積領域であるフローティングゲートFG1’及びゲート電極であるコントロールゲートCG1’を含むMOSトランジスタ構造となっている。不揮発性メモリトランジスタMT2’は、半導体基板K’上方に形成された電荷蓄積領域であるフローティングゲートFG2’及びゲート電極であるコントロールゲートCG2’を含むMOSトランジスタ構造となっている。リセットトランジスタRT’は、光電変換部3’の電荷をリセットするためのものである。不揮発性メモリトランジスタMT1’と不揮発性メモリトランジスタMT2’は、それぞれ、光電変換部3’で発生した電荷を選択的に蓄積可能な電荷蓄積部として機能する。
【0247】
不揮発性メモリトランジスタMT1’と不揮発性メモリトランジスタMT2’の各々の出力(ドレイン領域D1’,D2’)は、画素部列毎に設けられた出力信号線である列信号線12’に共通接続されており、この列信号線12’には読み出し回路20’が接続されている。不揮発性メモリトランジスタMT1’,MT2’のソース領域S’は、画素部列毎に設けられたソース線SL’に共通接続されている。
【0248】
リセットトランジスタRT’は、リセットドレインRD’と、ソース領域として機能する光電変換部3’と、ゲート電極であるリセットゲートRG’とを備えたMOS構造となっている。リセットドレインRD’には、リセット電圧を供給するためのリセット電源線Vcc’が接続されている。
【0249】
不揮発性メモリトランジスタMT1’のコントロールゲートCG1’には、行方向に並ぶ画素部100’からなるライン毎に設けられたゲート制御線CGL1’が接続されている。各ラインのゲート制御線CGL1’は制御部40’に接続されており、ライン毎に独立に電圧を印加できるようになっている。
【0250】
不揮発性メモリトランジスタMT2’のコントロールゲートCG2’には、ライン毎に設けられたゲート制御線CGL2’が接続されている。各ラインのゲート制御線CGL2’は制御部40’に接続されており、ライン毎に独立に電圧を印加できるようになっている。
【0251】
リセットトランジスタRT’のリセットゲートRG’には、ライン毎に設けられたリセット制御線RL’が接続されている。各ラインのリセット制御線RL’は制御部40’に接続されており、ライン毎に独立に電圧を印加できるようになっている。制御部40’からリセット制御線RL’を介してリセットパルスが印加されることで、リセットトランジスタRT’がオンし、光電変換部3’に蓄積されている電荷がリセットトランジスタRT’のドレインRD’へと排出される構成となっている。
【0252】
読み出し回路20’は、図21(b)に示すように、読み出し制御部20a’と、センスアンプ20b’と、プリチャージ回路20c’と、ランプアップ回路20d’と、トランジスタ20e’,20f’とを備えた構成となっている。
【0253】
読み出し制御部20a’は、トランジスタ20e’,20f’のオンオフを制御する。プリチャージ回路20c’は、列信号線12’に所定の電圧を供給して、列信号線12’をプリチャージするための回路である。センスアンプ20b’は、列信号線12’の電圧を監視し、この電圧が変化したことを検出し、ランプアップ回路20d’にその旨を通知する。例えば、プリチャージ回路20c’によってプリチャージされたドレイン電圧が降下したことを検出しセンスアンプ出力を反転させる。
【0254】
ランプアップ回路20d’は、N−bitカウンタ(例えばN=8〜12)を内蔵しており、制御部40’を介して画素部100’のコントロールゲートCG1’,CG2’に漸増または漸減するランプ波形電圧を供給すると共に、ランプ波形電圧の値に対応するカウント値(N個の1、0の組み合わせ)を出力する。
【0255】
列信号線12’がプリチャージされた状態でコントロールゲートCG1’の電圧が不揮発性メモリトランジスタMT1’の閾値電圧を越えると不揮発性メモリトランジスタMT1’が導通し、このとき、プリチャージされていた列信号線12’の電位が降下する。これがセンスアンプ20b’によって検出されて反転信号が出力される。ランプアップ回路20d’は、この反転信号を受けた時点におけるランプ波形電圧の値に対応するカウント値を保持(ラッチ)する。これにより、デジタル値(1,0の組み合わせ)として不揮発性メモリトランジスタMT1’の閾値電圧の変化量(フローティングゲートFG1’に電荷が蓄積されていないときの閾値電圧を基準とした変化量)を信号として読み出すことができる。
【0256】
列信号線12’がプリチャージされた状態でコントロールゲートCG2’の電圧が不揮発性メモリトランジスタMT2’の閾値電圧を越えると不揮発性メモリトランジスタMT2’が導通し、このとき、プリチャージされていた列信号線12’の電位が降下する。これがセンスアンプ20b’によって検出されて反転信号が出力される。ランプアップ回路20d’は、この反転信号を受けた時点におけるランプ波形電圧の値に対応するカウント値を保持する。これにより、デジタル値として不揮発性メモリトランジスタMT2’の閾値電圧の変化量(フローティングゲートFG2’に電荷が蓄積されていないときの閾値電圧を基準とした変化量)を信号として読み出すことができる。
【0257】
水平シフトレジスタ50’により1つの水平選択トランジスタ30’が選択されると、その水平選択トランジスタ30’に接続されたランプアップ回路20d’で保持されているカウンタ値が信号線70’に出力され、これが撮像信号として出力部60’から出力される。
【0258】
なお、不揮発性メモリトランジスタMT1’,MT2’の閾値電圧の変化量を信号として読み出す方法としては上述したものに限らない。例えば、コントロールゲートCG1’とドレイン領域D1’に一定の電圧を印加した場合の不揮発性メモリトランジスタMT1’のドレイン電流と、コントロールゲートCG2’とドレイン領域D2’に一定の電圧を印加した場合の不揮発性メモリトランジスタMT2’のドレイン電流とを信号として読み出しても良い。
【0259】
制御部40’は、不揮発性メモリトランジスタMT1’,MT2’を制御し、光電変換部3で発生した電荷をフローティングゲートFG1’,FG2’に注入して蓄積させる駆動を行う。不揮発性メモリトランジスタMT1’(MT2’)では、コントロールゲートCG1’(CG2’)に書き込みパルスが印加されることで、ファウラ−ノルドハイム(F−N)トンネル電流を用いて電荷を注入するFNトンネル注入、ダイレクトトンネル注入、ホットエレクトロン注入等により、光電変換部3’で発生した電荷がフローティングゲートFG1’(FG2’)に注入されて蓄積されるようになっている。
【0260】
また、制御部40’は、各画素部100’の光電変換部3’で発生して蓄積された電荷を外部に排出して光電変換部3’を空の状態にするリセット駆動と、フローティングゲートFG1’,FG2’に蓄積された電荷を半導体基板に排出して消去する電荷消去駆動も行う。
【0261】
図23は、図21に示した固体撮像素子の画素部の平面レイアウト例を示す平面模式図である。図24は、図23に示す画素部のA−A’線断面模式図である。図25は、図23に示す画素部のB−B’線断面模式図である。
【0262】
図24に示すように、光電変換部3’は、N型シリコン基板1’上のPウェル層2’内に形成されたN型不純物領域であり、このN型不純物領域とPウェル層2’とのPN接合により、光電変換機能を実現している。この光電変換部3’は、その表面に完全空乏化や暗電流抑制のためにP型不純物層5’が形成された、所謂埋め込み型フォトダイオードとなっている。なお、N型シリコン基板1’とPウェル層2’とにより上記半導体基板K’が構成されている。
【0263】
隣接する画素部100’同士は、pウェル層2’内に形成された素子分離層4’によって分離されている。素子分離法には、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)法、STI(Shallow Trench Isolation)法、及び高濃度不純物イオン注入による方法等が適用できる。
【0264】
不揮発性メモリトランジスタMT1’のソース領域S’は、光電変換部3’の列方向隣に離間して設けられたN型不純物領域である。また、不揮発性メモリトランジスタMT1’のドレイン領域D1’は、ソース領域S’の行方向隣に離間して設けられたN型不純物領域である。ソース領域S’とドレイン領域D1’との間にはP型不純物領域であるチャネル領域6a’が形成されている。フローティングゲートFG1’は、ソース領域S’とドレイン領域D1’との間の半導体基板上方に絶縁膜7’を介して設けられており、フローティングゲートFG1’の上方に絶縁膜14’を介してコントロールゲートCG1’が設けられている。なお、チャネル領域6a’は、コントロールゲートCG1’に印加される電圧に応じてキャリアが流れる領域である。ここでは、ソース領域S’とドレイン領域D1’とで挟まれた領域にP型不純物を注入してチャネル領域6a’を形成しているが、ここをpウェル層2’のままとしても良い。
【0265】
不揮発性メモリトランジスタMT2’のドレイン領域D2’は、ソース領域S’の行方向隣に離間して設けられたN型不純物領域である。ソース領域S’とドレイン領域D2’との間にはP型不純物領域であるチャネル領域6b’が形成されている。フローティングゲートFG2’は、ソース領域S’とドレイン領域D2’との間の半導体基板上方に絶縁膜7’を介して設けられており、フローティングゲートFG2’の上方に絶縁膜14’を介してコントロールゲートCG2’が設けられている。なお、チャネル領域6b’は、コントロールゲートCG2’に印加される電圧に応じてキャリアが流れる領域である。ここでは、ソース領域S’とドレイン領域D2’とで挟まれた領域にP型不純物を注入してチャネル領域6b’を形成しているが、ここをpウェル層2’のままとしても良い。
【0266】
コントロールゲートCG1’,CG2’を構成する導電性材料は、例えばポリシリコンを用いることができる。リン(P)、砒素(As)、ボロン(B)を高濃度にドープしたドープドポリシコンでも良い。あるいは、チタン(Ti)やタングステン(W)等の各種金属とシリコンを組み合わせたシリサイド(Silicide)やサリサイド(Self-alingn Silicide)でも良い。フローティングゲートFG1’,FG2’を構成する導電性材料は、コントロールゲートCG1’,CG2’と同じものを用いることができる。
【0267】
図23のレイアウト例では、ソース領域S’とドレイン領域D1’,D2’が行方向に並べて配置されており、これらの間を、フローティングゲートFG1’,FG2’及びコントロールゲートCG1’,CG2’が列方向に延びるように細長く形成されている。コントロールゲートCG1’は、行方向に延びるアルミ配線であるゲート制御線CGL1’の下方まで延びており、ここで、アルミニウム等で形成されたコンタクト部11’によりゲート制御線CGL1’と接続されている。
【0268】
コントロールゲートCG2’は、行方向に延びるアルミ配線であるゲート制御線CGL2’の下方まで延びており、ここで、アルミニウム等で形成されたコンタクト部16’によりゲート制御線CGL2’と接続されている。
【0269】
ドレイン領域D1’,D2’上方には、列方向に延びるアルミ配線である列信号線12’の一部が延びてきており、この一部とドレイン領域D1’とがアルミニウム等で形成されたコンタクト部9’により電気的に接続され、この一部とドレイン領域D2’とがアルミニウム等で形成されたコンタクト部10’により電気的に接続されている。
【0270】
ソース領域S’上にはアルミニウム等で形成されたコンタクト部8a’が形成され、コンタクト部8a’には配線8’が接続されている。配線8’は、列方向に延びるアルミ配線であるリセット電源線Vcc’の下を通過してソース線SL’の下まで延びている。配線8’とソース線SL’はアルミニウム等で形成されたコンタクト部8b’により電気的に接続されている。ソース線SL’は、列方向に並ぶ画素部100’からなる列毎に設けられており、所定の電位(例えば接地電位)に接続されている。
【0271】
リセットトランジスタRT’は、ソース領域として機能する光電変換部3’と、光電変換部3’の列方向隣に離間して設けられたN型不純物領域であるドレイン領域RD’と、光電変換部3’とドレイン領域RD’との間の半導体基板上方に絶縁膜7’を介して設けられたリセットゲートRG’とを備えたMOSトランジスタ構造となっている。
【0272】
図23のレイアウト例では、リセットゲートRG’は、行方向に延びるアルミ配線であるリセット制御線RL’の下に配置されており、ここで、アルミニウム等で形成されたコンタクト部RGa’によりリセット制御線RL’と接続されている。
【0273】
ドレイン領域RD’上方には、リセット電源線Vcc’の一部が延びてきており、この一部とドレイン領域RD’とがアルミニウム等で形成されたコンタクト部RDa’により電気的に接続されている。リセット電源線Vcc’は、列方向に並ぶ画素部100’からなる列毎に設けられており、所定の電源電圧に接続されている。
【0274】
なお、リセットトランジスタRT’や不揮発性メモリトランジスタMT1’,MT2’の配置は、図23に示したものに限らず、スペースに応じて適当に配置すれば良い。
【0275】
各種配線の位置関係は、ゲート制御線CGL1’,CGL2’、リセット制御線RL’、及び配線8’よりも、ソース線SL’、リセット電源線Vcc’、及び列信号線12’の方が上層に形成されたものとなっている。
【0276】
画素部100’は、例えばタングステン等で構成された遮光膜W’によって、光電変換部3’の一部以外の領域に光が入射しない構造になっている。図24及び図25に示したように、半導体基板上方(ソース線SL’、リセット電源線Vcc’、及び列信号線12’よりも上)には光電変換部3’の一部の上方に開口WH’が形成された遮光膜W’が形成されている。
【0277】
固体撮像素子10’では、フローティングゲートFG1’,FG2’への電荷注入効率向上を目的として、図24及び図25に示したように、光電変換部3’が、遮光膜W’の開口WH’の下方だけでなく、不揮発性メモリトランジスタMT1’,MT2’のチャネル領域6a’,6b’の下まで延在している。
【0278】
図24,25に示すように、光電変換部3’は、開口WH’下方に形成された本体部3a’と、そこからチャネル領域6a’(6b’)の下まで延びる延在部3b’とで構成されている。なお、図24では本体部3a’と延在部3b’とに境界線(破線)を記してあるが、これは説明のためであり、実際にはこのような境界は存在しない。
【0279】
本体部3a’は、光を受光するために開口WH’の下方に形成した部分である。延在部3b’は、pウェル層2’内部で不揮発性メモリトランジスタMT1’,MT2’のチャネル領域6a’,6b’の下まで本体部3a’から延在させた部分である。延在部3b’は、平面視においては、本体部3a’のソース領域S’とドレイン領域D1’,D2’の間の領域に対向する位置から、該領域に向かって列方向に延びて形成されている。即ち、平面視において不揮発性メモリトランジスタMT1’,MT2’やリセットトランジスタRT’の形成される領域においては、不揮発性メモリトランジスタMT1’,MT2’のチャネル領域6a’,6b’の下にのみ光電変換部3’が存在するように、光電変換部3’を形成した構成となっている。なお、チャネル領域6a’,6b’の下のみだけでなく、不揮発性メモリトランジスタMT1’,MT2’の全体の下まで光電変換部3’が存在するように延在部3b’を形成した構成としても良い。
【0280】
チャネル領域6a’(6b’)は、コントロールゲートCG1’(CG2’)及びフローティングゲートFG1’(FG2’)の直下にある。このため、このチャネル領域6a’(6b’)の下(好ましくはチャネル領域6a’(6b’)と平面視で重なる範囲の全て)まで光電変換部3’を延在させることで、光電変換部3’の電荷をFNトンネル注入或いはダイレクトトンネル注入によってフローティングゲートFG1’(FG2’)に注入する場合に、コントロールゲートCG1’(CG2’)に印加した電圧(CG電圧)によってほぼ垂直方向に光電変換部3’からフローティングゲートFG1’(FG2’)に電界を加えることができる。これにより、光電変換部3’の電荷がコントロールゲートCG1’(CG2’)の方向に向かって加速されやすくなる。この結果、低いCG電圧でトンネリングを起こさせることができる。
【0281】
固体撮像素子10’では、チャネル領域6a’(6b’)を確保しつつ、このチャネル領域6a’(6b’)の下に光電変換部3を延在させているため、光電変換部3’とコントロールゲートCG1’(CG2’)との重なり部分の大きさには制限がなくなり、電界方向をほぼ垂直にすることができる。この結果、効率的にトンネル電流を発生させることができる。
【0282】
光電変換部3’は、イオン注入の際のマスクパターンの制御によって基板表面に平行な方向の長さを制御することでき、イオン注入エネルギの制御によって基板表面に垂直な方向の長さを制御することできる。このようにすることで、本体部3a’と延在部3b’からなる光電変換部3’を形成することが可能である。
【0283】
図21に示した固体撮像素子10’を搭載する図1に示した内視鏡装置の動作について説明する。
【0284】
固体撮像素子10’では、撮影指示を受けると、これをスタートトリガとして、制御部40’が、全ての画素部100のリセットトランジスタRT’のリセットゲートRG’にリセットパルスを供給する。これにより、各画素部100’の光電変換部3’に蓄積されていた不要電荷がリセットトランジスタRT’のドレインへと排出される。
【0285】
リセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1bからG光を発光させる。G光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。この発光期間中、固体撮像素子10’の各画素部100’では、対象物から入射してくる光が光電変換部3’に入射し、ここでG光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0286】
露光期間終了後、制御部40’は、全ての画素部100’のコントロールゲートCG1’に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部3’で発生した電荷をフローティングゲートFG1’に蓄積させる。
【0287】
この書き込みパルスの供給により、各画素部100’で発生した電荷はその画素部100’のフローティングゲートFG1’に蓄積される。
【0288】
フローティングゲートFG1’への電荷の蓄積が終了すると、制御部40’は、再び、全ての画素部100’の光電変換部3’をリセットする。
【0289】
2度目のリセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1aからR光を発光させる。R光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。このR光の発光期間中、固体撮像素子10’の各画素部100’では、対象物から入射してくる光が光電変換部3’に入射し、ここでR光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0290】
露光期間終了後、制御部40’は、奇数ラインの画素部100’のコントロールゲートCG2’に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部3’で発生した電荷をフローティングゲートFG2’に蓄積させる。
【0291】
この書き込みパルスの供給により、各画素部100’で発生した電荷は、奇数ラインの画素部100’のフローティングゲートFG2’にのみ蓄積される。
【0292】
奇数ラインの各画素部100’のフローティングゲートFG2’への電荷の蓄積が終了すると、制御部40’は、再び、全ての画素部100’の光電変換部3’をリセットする。
【0293】
3度目のリセット完了後、システム制御部24は、光源駆動部21に指示を出し、LED1cからB光を発光させる。B光の発光は、例えば内視鏡装置で設定された露光期間だけ行われる。このB光の発光期間中、固体撮像素子10’の各画素部100’では、対象物から入射してくる光が光電変換部3’に入射し、ここでB光に応じた電荷が発生して蓄積される。
【0294】
露光期間終了後、制御部40’は、偶数ラインの画素部100’のコントロールゲートCG2’に書き込みパルスを供給して、露光期間中に光電変換部3’で発生した電荷をフローティングゲートFG2’に蓄積させる。
【0295】
この書き込みパルスの供給により、各画素部100’で発生した電荷(B光による電荷)は、偶数ラインの各画素部100’のフローティングゲートFG2’にのみ蓄積される。
【0296】
フローティングゲートFG2’への電荷蓄積終了後、読み出し制御部20a’がトランジスタ20f’をオンして列信号線12’をプリチャージする。次に、読み出し制御部20a’がトランジスタ20e’をオンして、列信号線12’とセンスアンプ20b’とを導通する。この状態で、ランプアップ回路20d’が、制御部40’を介して、1ライン目の各画素部100’のコントロールゲートCG1’へのランプ波形電圧(Vth読み出し電圧)の印加を開始する(ランプ波形電圧の印加開始後のカウント値は、初期値(例えばゼロ)からアップカウントされる)。ランプ波形電圧の印加後、1ライン目の各画素部100’の不揮発性メモリトランジスタMT1’のドレイン電位が降下すると、その時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20’内で保持される。保持されたカウント値は、水平シフトレジスタ50’の制御により信号線70’を介して出力部60’から出力される。このカウント値の出力後は、トランジスタ20f’がオフされ、ランプ波形電圧の印加が停止され、カウント値がリセットされる。2ライン目以降にも同様の駆動が行われて、全てのラインのフローティングゲートFG1’に蓄積されていた電荷に応じた第一の撮像信号(G信号)を出力させる。
【0297】
次に、読み出し制御部20a’がトランジスタ20f’をオンして列信号線12’をプリチャージする。次に、読み出し制御部20a’がトランジスタ20e’をオンして、列信号線12’とセンスアンプ20b’とを導通する。この状態で、ランプアップ回路20d’が、制御部40’を介して、1ライン目の各画素部100’のコントロールゲートCG2’へのランプ波形電圧(Vth読み出し電圧)の印加を開始する(ランプ波形電圧の印加開始後のカウント値は、初期値(例えばゼロ)からアップカウントされる)。ランプ波形電圧の印加後、1ライン目の各画素部100’の不揮発性メモリトランジスタMT2’のドレイン電位が降下すると、その時点でのランプ波形電圧の値に対応するカウント値が各読み出し回路20’内で保持される。保持されたカウント値は、水平シフトレジスタ50’の制御により信号線70’を介して出力部60’から出力される。このカウント値の出力後は、トランジスタ20f’がオフされ、ランプ波形電圧の印加が停止され、カウント値がリセットされる。2ライン目以降にも同様の駆動が行われて、全てのラインのフローティングゲートFG2’に蓄積されていた電荷に応じた第二の撮像信号(R信号とB信号)を出力させる。
【0298】
第二の撮像信号を出力させた後、制御部40’は、フローティングゲートFG1,FG2,FG3に蓄積されていた電荷を、半導体基板に引き抜いて消去する。
【0299】
以上のような動作が1フレーム期間内に実施される。このように、画素部に設ける複数の電荷蓄積部として、不揮発性メモリトランジスタMT1’,MT2’を用いることで、トランジスタ数を減らすことができる。
【0300】
なお、電荷蓄積部を1つのトランジスタで実現した構成は、図3に示した画素部においても適用可能である。
【0301】
また、図22の例では、不揮発性メモリトランジスタMT1’と不揮発性メモリトランジスタMT2’を1本の列信号線12’に共通接続し、この列信号線12’に1つの読み出し回路20’を接続した構成としている。しかし、図26に示すように、不揮発性メモリトランジスタMT1’と不揮発性メモリトランジスタMT2’をそれぞれ別の列信号線12a’,12b’に接続し、これら列信号線12a’,12b’の各々に1つの読み出し回路20’を接続した構成としても良い。列信号線12a’に接続された読み出し回路20’と、列信号線12b’に接続された読み出し回路20’との各々に対応させて出力回路を設けることで、第一の撮像信号と第二の撮像信号を同時並行して固体撮像素子外部に読み出すことができる。この結果、撮像してから画像表示・記録までの時間を短縮することができる。
【0302】
また、図3や図18に示した画素部を有する固体撮像素子においても、各電荷蓄積部の読み出しトランジスタをそれぞれ別の信号線に接続し、これら信号線の各々に1つの読み出し回路20を接続した構成としても良い。特に、図1〜図6で説明した固体撮像素子の場合は、R信号,G信号,B信号を同時並行して読み出すことができるため、画像データの生成処理を高速に行うことが可能となる。
【0303】
また、図3や図18に示した画素部を有する固体撮像素子においても、光電変換部11以外の領域を遮光膜で遮光し、各書き込みトランジスタのチャネル領域の下まで光電変換部11を延在させることで、電荷注入効率を向上させることができる。
【0304】
以上説明したように、本明細書には以下の事項が開示されている。
【0305】
開示された内視鏡装置は、第一の光と、第二の光と、第三の光との発光を独立に行うことが可能な光源と、前記第一の光、前記第二の光、前記第三の光を受光可能で且つ受光した光に応じた電荷を発生する光電変換部及び前記光電変換部で発生した電荷を選択的に蓄積可能な複数の電荷蓄積部を含む複数の画素部と、前記複数の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を独立に読み出す信号読み出し部とを有する固体撮像素子とを備える。
【0306】
この構成により、例えば第一の光、第二の光、第三の光を順次発光し、第一の光に応じて被写体から入射してくる光に応じた第一の電荷を全ての画素部の2つの電荷蓄積部の一方に蓄積し、第二の光に応じて被写体から入射してくる光に応じた第二の電荷を、半分の画素部のうちの第一の電荷が蓄積されていない電荷蓄積部に蓄積し、第三の光に応じて被写体から入射してくる光に応じた第三の電荷を、残り半分の画素部のうちの第一の電荷が蓄積されていない電荷蓄積部に蓄積し、各電荷蓄積部から信号を読み出すことで、カラー画像データを生成することができる。従来構成では、第一の光発光→電荷蓄積→信号読み出し→第二の光発光→電荷蓄積→信号読み出し→第三の光発光→電荷蓄積→信号読み出しのステップを踏まないといけないのに対し、上記構成によれば、第一の光発光→電荷蓄積→第二の光発光→電荷蓄積→第三の光発光→電荷蓄積→第一の光に応じた信号読み出し→第二の光に応じた信号読み出し→第三の光に応じた信号読み出しのステップとすることが可能となる。このため、各色光による露光の間隔を短縮することができ、被写体が動いた場合でも色ずれを防いで画質向上を図ることができる。
【0307】
開示された内視鏡装置は、前記複数の電荷蓄積部が、第一の電荷蓄積部、第二の電荷蓄積部、第三の電荷蓄積部を含み、前記第一の光を発光させ、前記第一の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第一の電荷蓄積部に蓄積させる第一の駆動と、前記第二の光を発光させ、前記第二の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第二の駆動と、前記第三の光を発光させ、前記第三の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第三の駆動とを行う駆動手段を備え、前記信号読み出し部は、前記第一の駆動、前記第二の駆動、及び前記第三の駆動の終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出す。
【0308】
この構成により、各画素部からは、第一の光に応じた信号と、第二の光に応じた信号と、第三の光に応じた信号とが得られる。このため、第一の光、第二の光、第三の光を原色(G,R,B)又は補色(Ye,Cy,Mg)とすることで、カラー画像データを生成することができる。上記構成によれば、色信号の補間処理が不要であるため、偽色の低減、演算時間の削減を実現することができる。
【0309】
開示された内視鏡装置は、前記複数の電荷蓄積部が、第一の電荷蓄積部、第二の電荷蓄積部、第三の電荷蓄積部を含み、前記第一の光がG光であり、前記第二の光がB光であり、前記第三の光がR光であり、前記G光、前記B光、及び前記R光を同時に又は連続して発光させ、該発光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第一の電荷蓄積部に蓄積させる第一の駆動と、前記B光を発光させ、前記B光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第二の駆動と、前記R光を発光させ、前記R光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第三の駆動とを行う駆動手段を備え、前記信号読み出し部は、前記第一の駆動、前記第二の駆動、及び前記第三の駆動の終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出し、前記第一の電荷蓄積部から読み出した信号と前記第二の電荷蓄積部から読み出した信号とから第一の色差信号を生成し、前記第一の電荷蓄積部から読み出した信号と前記第三の電荷蓄積部から読み出した信号とから第二の色差信号を生成する色差信号生成手段を備える。
【0310】
この構成により、各画素部からは、R光G光B光に応じた信号(輝度信号Yに相当する)と、B光に応じた信号と、R光に応じた信号とが得られる。そして、これらの信号により画素部毎に第一の色差信号(Cr,Prに相当)と第二の色差信号(Cb,Pbに相当)が得られる。このため、画像データの圧縮に要する時間を削減することができる。輝度信号Yは、通常、R信号とG信号とB信号から演算によって求めるが、上記構成によれば、RGB光の発光量を、輝度信号を求める際の係数に応じて設定しておくことで、第一の電荷蓄積部から読み出した信号が輝度信号Yに相当したものとなる。したがって、画像データ生成までの演算時間を短縮することができ、動画撮影時のフレームレート向上等を実現することができる。
【0311】
開示された内視鏡装置は、前記複数の電荷蓄積部が第一の電荷蓄積部と第二の電荷蓄積部を含み、前記第一の光を発光させ、前記第一の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を全ての前記画素部の前記第一の電荷蓄積部に蓄積させる第一の駆動と、前記第二の光を発光させ、前記第二の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記複数の画素部のうちの半分の画素部の前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第二の駆動と、前記第三の光を発光させ、前記第三の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記複数の画素部のうちの残り半分の画素部の前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第三の駆動とを行う駆動手段を備え、前記信号読み出し部は、前記第一の駆動、前記第二の駆動、及び前記第三の駆動の終了後、前記第一の電荷蓄積部及び前記第二の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出し、前記画素部から得られない前記第二の光に応じた信号又は前記第三の光に応じた信号を、該画素部の周囲の前記画素部から得られた前記第二の光に応じた信号及び前記第三の光に応じた信号を用いて補間する補間手段を備える。
【0312】
この構成により、各画素部からは、第一の光に応じた信号と、第二の光に応じた信号及び第三の光に応じた信号のいずれかとが得られる。そして、画素部から得られない第二の光に応じた信号又は第三の光に応じた信号が、その画素部の周囲の画素部から得られた第二の光に応じた信号及び第三の光に応じた信号を用いて補間されて、1つの画素部に対し、第一の光に応じた信号と、第二の光に応じた信号と、第三の光に応じた信号とが生成される。このため、第一の光、第二の光、第三の光を原色(G,R,B)又は補色(Ye,Cy,Mg)とすることで、カラー画像データを生成することができる。また、この構成によれば、電荷蓄積部が2つで済むため、画素部サイズの縮小、光電変換部の拡大等が可能となり、多画素化、高感度化等に対応することができる。
【0313】
開示された内視鏡装置は、前記複数の電荷蓄積部が更に第三の電荷蓄積部を含み、前記光源が、更に第四の光を独立に発光可能であり、前記駆動手段が、前記第四の光を発光させ、前記第四の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を全ての前記画素部の前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第四の駆動も行い、前記信号読み出し部は、前記第一の駆動、前記第二の駆動、前記第三の駆動、及び前記第四の駆動の終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出す。
【0314】
この構成により、各画素部からは第四の光に応じた信号も得られる。このため、第四の光を例えば赤外光とすることで、肉眼では見え難い部位が強調された赤外画像データも生成することができる。上記構成によれば、カラー画像データと赤外画像データの生成に必要な電荷の蓄積は短時間で行うことができるため、カラー画像データと赤外画像データの撮影時間差を小さくすることができる。この結果、同一被写体に対して異なる条件で画像観察を行うことができ、的確な診断が可能となる。
【0315】
開示された内視鏡装置は、前記複数の電荷蓄積部が更に第三の電荷蓄積部を含み、前記光源が、更に第四の光と第五の光を独立に発光可能であり、前記駆動手段が、前記第四の光を発光させ、前記第四の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記半分の前記画素部の前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第四の駆動と、前記第五の光を発光させ、前記第五の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記残り半分の前記画素部の前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第五の駆動も行い、前記信号読み出し部は、前記第一の駆動、前記第二の駆動、前記第三の駆動、前記第四の駆動、及び前記第五の駆動の終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出す。
【0316】
この構成により、半分の画素部からは第四の光に応じた信号も得られる。このため、第四の光を例えば赤外光とすることで、肉眼では見え難い部位が強調された赤外画像データを生成することができる。さらに、残り半分の画素部からは第五の光に応じた信号も得られる。このため、第五の光を対象物から励起光を発生させることができる波長の光とすることで、がん細胞等をハイライトした励起光画像データを生成することができる。上記構成によれば、カラー画像データと赤外画像データと励起光画像データの生成に必要な電荷の蓄積は短時間で行うことができるため、これらの画像データの撮影時間差を小さくすることができる。この結果、同一被写体に対して異なる条件で画像観察を行うことができ、的確な診断が可能となる。
【0317】
開示された内視鏡装置は、前記画素部が、前記光源による光の発光前に、前記光電変換部に蓄積されている電荷を外部に排出する電荷排出手段を有する。
【0318】
この構成により、発光前に光電変換部が空の状態になるため、その後に発光する光に応じた電荷のみを光電変換部に蓄積させることができ、混色等を防止して画質向上を図ることができる。
【0319】
開示された内視鏡装置は、前記複数の電荷蓄積部の各々が、前記光電変換部が形成される半導体基板上方に形成された電荷蓄積領域を含むトランジスタであり、前記電荷蓄積領域に前記電荷が蓄積され、前記信号読み出し部が、前記電荷蓄積領域に蓄積される電荷に応じた前記トランジスタの閾値電圧の変化を前記信号として読み出す回路で構成されている。
【0320】
開示された内視鏡装置は、前記半導体基板上方に設けられ、前記光電変換部の一部の上方に開口が形成された遮光膜を備え、前記トランジスタの前記電荷蓄積領域及びチャネル領域は前記遮光膜によって覆われており、前記光電変換部が、前記トランジスタのチャネル領域の下まで延在している。
【0321】
この構成により、トランジスタのチャネル領域の下に光電変換部が存在することになるため、遮光膜開口から入った光に応じて光電変換部で発生した電荷を、光電変換部のチャネル領域との重なり部分から該チャネル領域を介して電荷蓄積部へと効率的に注入することができる。
【0322】
開示された内視鏡装置は、前記電荷蓄積領域がフローティングゲートである。
【0323】
この構成により、フローティングゲートに電荷が蓄積された後は、その電荷が周囲からのノイズによる影響を受け難くなるため、SN比を向上させることができる。
【0324】
開示された内視鏡装置は、前記トランジスタが、前記フローティングゲートに前記電荷を注入するための書き込みトランジスタと、前記フローティングゲートの電位変動に応じて閾値電圧が変化するトランジスタであって、前記閾値電圧を検出するための読み出しトランジスタとの2つで構成され、前記書き込みトランジスタは、前記光電変換部に接続されたソースとゲートとの2端子構造となっている。
【0325】
この構成により、画素部内に書き込みトランジスタのドレインを形成するスペースを設ける必要がなくなり、設計レイアウトの向上や、多画素化や微細化への対応を実現することができる。
【0326】
開示された内視鏡装置は、前記画素部に含まれる前記複数のトランジスタが、それぞれ異なる出力信号線に接続され、前記複数のトランジスタに接続される複数の前記出力信号線の各々に対して前記回路が設けられている。
【0327】
この構成により、複数のトランジスタから並行して信号を読み出すことができ、撮像処理の高速化を図ることができる。
【0328】
開示された内視鏡装置は、前記第一の光がG光であり、前記第二の光がB光であり、前記第三の光がR光である。
【0329】
開示された内視鏡装置の駆動方法は、複数の画素部を有する固体撮像素子を備えた内視鏡装置の駆動方法であって、前記画素部が、被写体から入射してくる光を受光しこれに応じた電荷を発生する光電変換部及び前記光電変換部で発生した電荷を選択的に蓄積可能な第一の電荷蓄積部、第二の電荷蓄積部、及び第三の電荷蓄積部を含み、第一の光を発光させ、前記第一の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第一の電荷蓄積部に蓄積させる第一の駆動ステップと、第二の光を発光させ、前記第二の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第二の駆動ステップと、第三の光を発光させ、前記第三の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第三の駆動ステップと、前記第一の駆動ステップ、前記第二の駆動ステップ、及び前記第三の駆動ステップの終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出すステップとを備える。
【0330】
開示された内視鏡装置の駆動方法は、複数の画素部を有する固体撮像素子を備えた内視鏡装置の駆動方法であって、前記画素部が、被写体から入射してくる光を受光しこれに応じた電荷を発生する光電変換部及び前記光電変換部で発生した電荷を選択的に蓄積可能な第一の電荷蓄積部、第二の電荷蓄積部、及び第三の電荷蓄積部を含み、G光、B光、及びR光を同時に又は連続して発光させ、該発光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第一の電荷蓄積部に蓄積させる第一の駆動ステップと、B光を発光させ、B光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第二の駆動ステップと、R光を発光させ、R光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第三の駆動ステップと、前記第一の駆動ステップ、前記第二の駆動ステップ、及び前記第三の駆動ステップの終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出すステップと、前記第一の電荷蓄積部から読み出した信号と前記第二の電荷蓄積部から読み出した信号とから第一の色差信号を生成し、前記第一の電荷蓄積部から読み出した信号と前記第三の電荷蓄積部から読み出した信号とから第二の色差信号を生成するステップとを備える。
【0331】
開示された内視鏡装置の駆動方法は、複数の画素部を有する固体撮像素子を備えた内視鏡装置の駆動方法であって、前記画素部が、被写体から入射してくる光を受光しこれに応じた電荷を発生する光電変換部及び前記光電変換部で発生した電荷を選択的に蓄積可能な第一の電荷蓄積部及び第二の電荷蓄積部を含み、第一の光を発光させ、前記第一の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を全ての前記画素部の前記第一の電荷蓄積部に蓄積させる第一の駆動ステップと、第二の光を発光させ、前記第二の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記複数の画素部のうちの半分の画素部の前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第二の駆動ステップと、第三の光を発光させ、前記第三の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記複数の画素部のうちの残り半分の画素部の前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第三の駆動ステップと、前記第一の駆動ステップ、前記第二の駆動ステップ、及び前記第三の駆動ステップの終了後、前記第一の電荷蓄積部及び前記第二の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出すステップと、前記画素部から得られない前記第二の光に応じた信号又は前記第三の光に応じた信号を、該画素部の周囲の前記画素部から得られた前記第二の光に応じた信号及び前記第三の光に応じた信号を用いて補間する補間ステップとを備える。
【0332】
開示された内視鏡装置の駆動方法は、前記画素部が更に第三の電荷蓄積部を含み、第四の光を発光させ、前記第四の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を全ての前記画素部の前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第四の駆動ステップを備え、前記信号を順次読み出すステップでは、前記第一の駆動ステップ、前記第二の駆動ステップ、前記第三の駆動ステップ、及び前記第四の駆動ステップの終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出す。
【0333】
開示された内視鏡装置の駆動方法は、前記画素部が更に第三の電荷蓄積部を含み、第四の光を発光させ、前記第四の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記半分の前記画素部の前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第四の駆動ステップと、第五の光を発光させ、前記第五の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記残り半分の前記画素部の前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第五の駆動ステップとを備え、前記信号を読み出すステップでは、前記第一の駆動ステップ、前記第二の駆動ステップ、前記第三の駆動ステップ、前記第四の駆動ステップ、及び前記第五の駆動ステップの終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出す。
【0334】
開示された内視鏡装置の駆動方法は、光の発光前に、前記光電変換部に蓄積されている電荷を外部に排出する電荷排出ステップを有する。
【0335】
開示された内視鏡装置の駆動方法は、前記第一の光がG光であり、前記第二の光がB光であり、前記第三の光がR光である。
【符号の説明】
【0336】
1 光源
10 固体撮像素子
11 光電変換部
20 読み出し回路
100 画素部
FG1,FG2,FG3 フローティングゲート
LED1a R光発光光源
LED1b G光発光光源
LED1c B光発光光源
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の光と、第二の光と、第三の光との発光を独立に行うことが可能な光源と、
前記第一の光、前記第二の光、前記第三の光を受光可能で且つ受光した光に応じた電荷を発生する光電変換部及び前記光電変換部で発生した電荷を選択的に蓄積可能な複数の電荷蓄積部を含む複数の画素部と、前記複数の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を独立に読み出す信号読み出し部とを有する固体撮像素子とを備える内視鏡装置。
【請求項2】
請求項1記載の内視鏡装置であって、
前記複数の電荷蓄積部が、第一の電荷蓄積部、第二の電荷蓄積部、第三の電荷蓄積部を含み、
前記第一の光を発光させ、前記第一の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第一の電荷蓄積部に蓄積させる第一の駆動と、前記第二の光を発光させ、前記第二の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第二の駆動と、前記第三の光を発光させ、前記第三の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第三の駆動とを行う駆動手段を備え、
前記信号読み出し部は、前記第一の駆動、前記第二の駆動、及び前記第三の駆動の終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出す内視鏡装置。
【請求項3】
請求項1記載の内視鏡装置であって、
前記複数の電荷蓄積部が、第一の電荷蓄積部、第二の電荷蓄積部、第三の電荷蓄積部を含み、
前記第一の光がG光であり、前記第二の光がB光であり、前記第三の光がR光であり、
前記G光、前記B光、及び前記R光を同時に又は連続して発光させ、該発光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第一の電荷蓄積部に蓄積させる第一の駆動と、前記B光を発光させ、前記B光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第二の駆動と、前記R光を発光させ、前記R光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第三の駆動とを行う駆動手段を備え、
前記信号読み出し部は、前記第一の駆動、前記第二の駆動、及び前記第三の駆動の終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出し、
前記第一の電荷蓄積部から読み出した信号と前記第二の電荷蓄積部から読み出した信号とから第一の色差信号を生成し、前記第一の電荷蓄積部から読み出した信号と前記第三の電荷蓄積部から読み出した信号とから第二の色差信号を生成する色差信号生成手段を備える内視鏡装置。
【請求項4】
請求項1記載の内視鏡装置であって、
前記複数の電荷蓄積部が第一の電荷蓄積部と第二の電荷蓄積部を含み、
前記第一の光を発光させ、前記第一の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を全ての前記画素部の前記第一の電荷蓄積部に蓄積させる第一の駆動と、前記第二の光を発光させ、前記第二の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記複数の画素部のうちの半分の画素部の前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第二の駆動と、前記第三の光を発光させ、前記第三の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記複数の画素部のうちの残り半分の画素部の前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第三の駆動とを行う駆動手段を備え、
前記信号読み出し部は、前記第一の駆動、前記第二の駆動、及び前記第三の駆動の終了後、前記第一の電荷蓄積部及び前記第二の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出し、
前記画素部から得られない前記第二の光に応じた信号又は前記第三の光に応じた信号を、該画素部の周囲の前記画素部から得られた前記第二の光に応じた信号及び前記第三の光に応じた信号を用いて補間する補間手段を備える内視鏡装置。
【請求項5】
請求項4記載の内視鏡装置であって、
前記複数の電荷蓄積部が更に第三の電荷蓄積部を含み、
前記光源が、更に第四の光を独立に発光可能であり、
前記駆動手段が、前記第四の光を発光させ、前記第四の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を全ての前記画素部の前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第四の駆動も行い、
前記信号読み出し部は、前記第一の駆動、前記第二の駆動、前記第三の駆動、及び前記第四の駆動の終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出す内視鏡装置。
【請求項6】
請求項4記載の内視鏡装置であって、
前記複数の電荷蓄積部が更に第三の電荷蓄積部を含み、
前記光源が、更に第四の光と第五の光を独立に発光可能であり、
前記駆動手段が、前記第四の光を発光させ、前記第四の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記半分の前記画素部の前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第四の駆動と、前記第五の光を発光させ、前記第五の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記残り半分の前記画素部の前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第五の駆動も行い、
前記信号読み出し部は、前記第一の駆動、前記第二の駆動、前記第三の駆動、前記第四の駆動、及び前記第五の駆動の終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出す内視鏡装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項記載の内視鏡装置であって、
前記画素部が、前記光源による光の発光前に、前記光電変換部に蓄積されている電荷を外部に排出する電荷排出手段を有する内視鏡装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項記載の内視鏡装置であって、
前記複数の電荷蓄積部の各々が、前記光電変換部が形成される半導体基板上方に形成された電荷蓄積領域を含むトランジスタであり、
前記電荷蓄積領域に前記電荷が蓄積され、
前記信号読み出し部が、前記電荷蓄積領域に蓄積される電荷に応じた前記トランジスタの閾値電圧の変化を前記信号として読み出す回路で構成されている内視鏡装置。
【請求項9】
請求項8記載の内視鏡装置であって、
前記半導体基板上方に設けられ、前記光電変換部の一部の上方に開口が形成された遮光膜を備え、
前記トランジスタの前記電荷蓄積領域及びチャネル領域は前記遮光膜によって覆われており、
前記光電変換部が、前記トランジスタのチャネル領域の下まで延在している内視鏡装置。
【請求項10】
請求項8又は9記載の内視鏡装置であって、
前記電荷蓄積領域がフローティングゲートである内視鏡装置。
【請求項11】
請求項10記載の内視鏡装置であって、
前記トランジスタが、前記フローティングゲートに前記電荷を注入するための書き込みトランジスタと、前記フローティングゲートの電位変動に応じて閾値電圧が変化するトランジスタであって、前記閾値電圧を検出するための読み出しトランジスタとの2つで構成され、
前記書き込みトランジスタは、前記光電変換部に接続されたソースとゲートとの2端子構造となっている内視鏡装置。
【請求項12】
請求項8〜11のいずれか1項記載の内視鏡装置であって、
前記画素部に含まれる前記複数のトランジスタが、それぞれ異なる出力信号線に接続され、前記複数のトランジスタに接続される複数の前記出力信号線の各々に対して前記回路が設けられている内視鏡装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項記載の内視鏡装置であって、
前記第一の光がG光であり、前記第二の光がB光であり、前記第三の光がR光である内視鏡装置。
【請求項14】
複数の画素部を有する固体撮像素子を備えた内視鏡装置の駆動方法であって、
前記画素部が、被写体から入射してくる光を受光しこれに応じた電荷を発生する光電変換部及び前記光電変換部で発生した電荷を選択的に蓄積可能な第一の電荷蓄積部、第二の電荷蓄積部、及び第三の電荷蓄積部を含み、
第一の光を発光させ、前記第一の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第一の電荷蓄積部に蓄積させる第一の駆動ステップと、
第二の光を発光させ、前記第二の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第二の駆動ステップと、
第三の光を発光させ、前記第三の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第三の駆動ステップと、
前記第一の駆動ステップ、前記第二の駆動ステップ、及び前記第三の駆動ステップの終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出すステップとを備える内視鏡装置の駆動方法。
【請求項15】
複数の画素部を有する固体撮像素子を備えた内視鏡装置の駆動方法であって、
前記画素部が、被写体から入射してくる光を受光しこれに応じた電荷を発生する光電変換部及び前記光電変換部で発生した電荷を選択的に蓄積可能な第一の電荷蓄積部、第二の電荷蓄積部、及び第三の電荷蓄積部を含み、
G光、B光、及びR光を同時に又は連続して発光させ、該発光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第一の電荷蓄積部に蓄積させる第一の駆動ステップと、
B光を発光させ、B光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第二の駆動ステップと、
R光を発光させ、R光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第三の駆動ステップと、
前記第一の駆動ステップ、前記第二の駆動ステップ、及び前記第三の駆動ステップの終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出すステップと、
前記第一の電荷蓄積部から読み出した信号と前記第二の電荷蓄積部から読み出した信号とから第一の色差信号を生成し、前記第一の電荷蓄積部から読み出した信号と前記第三の電荷蓄積部から読み出した信号とから第二の色差信号を生成するステップとを備える内視鏡装置の駆動方法。
【請求項16】
複数の画素部を有する固体撮像素子を備えた内視鏡装置の駆動方法であって、
前記画素部が、被写体から入射してくる光を受光しこれに応じた電荷を発生する光電変換部及び前記光電変換部で発生した電荷を選択的に蓄積可能な第一の電荷蓄積部及び第二の電荷蓄積部を含み、
第一の光を発光させ、前記第一の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を全ての前記画素部の前記第一の電荷蓄積部に蓄積させる第一の駆動ステップと、
第二の光を発光させ、前記第二の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記複数の画素部のうちの半分の画素部の前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第二の駆動ステップと、
第三の光を発光させ、前記第三の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記複数の画素部のうちの残り半分の画素部の前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第三の駆動ステップと、
前記第一の駆動ステップ、前記第二の駆動ステップ、及び前記第三の駆動ステップの終了後、前記第一の電荷蓄積部及び前記第二の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出すステップと、
前記画素部から得られない前記第二の光に応じた信号又は前記第三の光に応じた信号を、該画素部の周囲の前記画素部から得られた前記第二の光に応じた信号及び前記第三の光に応じた信号を用いて補間する補間ステップとを備える内視鏡装置の駆動方法。
【請求項17】
請求項16記載の内視鏡装置の駆動方法であって、
前記画素部が更に第三の電荷蓄積部を含み、
第四の光を発光させ、前記第四の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を全ての前記画素部の前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第四の駆動ステップを備え、
前記信号を読み出すステップでは、前記第一の駆動ステップ、前記第二の駆動ステップ、前記第三の駆動ステップ、及び前記第四の駆動ステップの終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出す内視鏡装置の駆動方法。
【請求項18】
請求項16記載の内視鏡装置の駆動方法であって、
前記画素部が更に第三の電荷蓄積部を含み、
第四の光を発光させ、前記第四の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記半分の前記画素部の前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第四の駆動ステップと、
第五の光を発光させ、前記第五の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記残り半分の前記画素部の前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第五の駆動ステップとを備え、
前記信号を順次読み出すステップでは、前記第一の駆動ステップ、前記第二の駆動ステップ、前記第三の駆動ステップ、前記第四の駆動ステップ、及び前記第五の駆動ステップの終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出す内視鏡装置の駆動方法。
【請求項19】
請求項14〜18のいずれか1項記載の内視鏡装置の駆動方法であって、
光の発光前に、前記光電変換部に蓄積されている電荷を外部に排出する電荷排出ステップを有する内視鏡装置の駆動方法。
【請求項20】
請求項14〜19のいずれか1項記載の内視鏡装置の駆動方法であって、
前記第一の光がG光であり、前記第二の光がB光であり、前記第三の光がR光である内視鏡装置の駆動方法。
【請求項1】
第一の光と、第二の光と、第三の光との発光を独立に行うことが可能な光源と、
前記第一の光、前記第二の光、前記第三の光を受光可能で且つ受光した光に応じた電荷を発生する光電変換部及び前記光電変換部で発生した電荷を選択的に蓄積可能な複数の電荷蓄積部を含む複数の画素部と、前記複数の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を独立に読み出す信号読み出し部とを有する固体撮像素子とを備える内視鏡装置。
【請求項2】
請求項1記載の内視鏡装置であって、
前記複数の電荷蓄積部が、第一の電荷蓄積部、第二の電荷蓄積部、第三の電荷蓄積部を含み、
前記第一の光を発光させ、前記第一の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第一の電荷蓄積部に蓄積させる第一の駆動と、前記第二の光を発光させ、前記第二の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第二の駆動と、前記第三の光を発光させ、前記第三の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第三の駆動とを行う駆動手段を備え、
前記信号読み出し部は、前記第一の駆動、前記第二の駆動、及び前記第三の駆動の終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出す内視鏡装置。
【請求項3】
請求項1記載の内視鏡装置であって、
前記複数の電荷蓄積部が、第一の電荷蓄積部、第二の電荷蓄積部、第三の電荷蓄積部を含み、
前記第一の光がG光であり、前記第二の光がB光であり、前記第三の光がR光であり、
前記G光、前記B光、及び前記R光を同時に又は連続して発光させ、該発光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第一の電荷蓄積部に蓄積させる第一の駆動と、前記B光を発光させ、前記B光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第二の駆動と、前記R光を発光させ、前記R光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第三の駆動とを行う駆動手段を備え、
前記信号読み出し部は、前記第一の駆動、前記第二の駆動、及び前記第三の駆動の終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出し、
前記第一の電荷蓄積部から読み出した信号と前記第二の電荷蓄積部から読み出した信号とから第一の色差信号を生成し、前記第一の電荷蓄積部から読み出した信号と前記第三の電荷蓄積部から読み出した信号とから第二の色差信号を生成する色差信号生成手段を備える内視鏡装置。
【請求項4】
請求項1記載の内視鏡装置であって、
前記複数の電荷蓄積部が第一の電荷蓄積部と第二の電荷蓄積部を含み、
前記第一の光を発光させ、前記第一の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を全ての前記画素部の前記第一の電荷蓄積部に蓄積させる第一の駆動と、前記第二の光を発光させ、前記第二の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記複数の画素部のうちの半分の画素部の前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第二の駆動と、前記第三の光を発光させ、前記第三の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記複数の画素部のうちの残り半分の画素部の前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第三の駆動とを行う駆動手段を備え、
前記信号読み出し部は、前記第一の駆動、前記第二の駆動、及び前記第三の駆動の終了後、前記第一の電荷蓄積部及び前記第二の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出し、
前記画素部から得られない前記第二の光に応じた信号又は前記第三の光に応じた信号を、該画素部の周囲の前記画素部から得られた前記第二の光に応じた信号及び前記第三の光に応じた信号を用いて補間する補間手段を備える内視鏡装置。
【請求項5】
請求項4記載の内視鏡装置であって、
前記複数の電荷蓄積部が更に第三の電荷蓄積部を含み、
前記光源が、更に第四の光を独立に発光可能であり、
前記駆動手段が、前記第四の光を発光させ、前記第四の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を全ての前記画素部の前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第四の駆動も行い、
前記信号読み出し部は、前記第一の駆動、前記第二の駆動、前記第三の駆動、及び前記第四の駆動の終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出す内視鏡装置。
【請求項6】
請求項4記載の内視鏡装置であって、
前記複数の電荷蓄積部が更に第三の電荷蓄積部を含み、
前記光源が、更に第四の光と第五の光を独立に発光可能であり、
前記駆動手段が、前記第四の光を発光させ、前記第四の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記半分の前記画素部の前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第四の駆動と、前記第五の光を発光させ、前記第五の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記残り半分の前記画素部の前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第五の駆動も行い、
前記信号読み出し部は、前記第一の駆動、前記第二の駆動、前記第三の駆動、前記第四の駆動、及び前記第五の駆動の終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出す内視鏡装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項記載の内視鏡装置であって、
前記画素部が、前記光源による光の発光前に、前記光電変換部に蓄積されている電荷を外部に排出する電荷排出手段を有する内視鏡装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項記載の内視鏡装置であって、
前記複数の電荷蓄積部の各々が、前記光電変換部が形成される半導体基板上方に形成された電荷蓄積領域を含むトランジスタであり、
前記電荷蓄積領域に前記電荷が蓄積され、
前記信号読み出し部が、前記電荷蓄積領域に蓄積される電荷に応じた前記トランジスタの閾値電圧の変化を前記信号として読み出す回路で構成されている内視鏡装置。
【請求項9】
請求項8記載の内視鏡装置であって、
前記半導体基板上方に設けられ、前記光電変換部の一部の上方に開口が形成された遮光膜を備え、
前記トランジスタの前記電荷蓄積領域及びチャネル領域は前記遮光膜によって覆われており、
前記光電変換部が、前記トランジスタのチャネル領域の下まで延在している内視鏡装置。
【請求項10】
請求項8又は9記載の内視鏡装置であって、
前記電荷蓄積領域がフローティングゲートである内視鏡装置。
【請求項11】
請求項10記載の内視鏡装置であって、
前記トランジスタが、前記フローティングゲートに前記電荷を注入するための書き込みトランジスタと、前記フローティングゲートの電位変動に応じて閾値電圧が変化するトランジスタであって、前記閾値電圧を検出するための読み出しトランジスタとの2つで構成され、
前記書き込みトランジスタは、前記光電変換部に接続されたソースとゲートとの2端子構造となっている内視鏡装置。
【請求項12】
請求項8〜11のいずれか1項記載の内視鏡装置であって、
前記画素部に含まれる前記複数のトランジスタが、それぞれ異なる出力信号線に接続され、前記複数のトランジスタに接続される複数の前記出力信号線の各々に対して前記回路が設けられている内視鏡装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項記載の内視鏡装置であって、
前記第一の光がG光であり、前記第二の光がB光であり、前記第三の光がR光である内視鏡装置。
【請求項14】
複数の画素部を有する固体撮像素子を備えた内視鏡装置の駆動方法であって、
前記画素部が、被写体から入射してくる光を受光しこれに応じた電荷を発生する光電変換部及び前記光電変換部で発生した電荷を選択的に蓄積可能な第一の電荷蓄積部、第二の電荷蓄積部、及び第三の電荷蓄積部を含み、
第一の光を発光させ、前記第一の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第一の電荷蓄積部に蓄積させる第一の駆動ステップと、
第二の光を発光させ、前記第二の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第二の駆動ステップと、
第三の光を発光させ、前記第三の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第三の駆動ステップと、
前記第一の駆動ステップ、前記第二の駆動ステップ、及び前記第三の駆動ステップの終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出すステップとを備える内視鏡装置の駆動方法。
【請求項15】
複数の画素部を有する固体撮像素子を備えた内視鏡装置の駆動方法であって、
前記画素部が、被写体から入射してくる光を受光しこれに応じた電荷を発生する光電変換部及び前記光電変換部で発生した電荷を選択的に蓄積可能な第一の電荷蓄積部、第二の電荷蓄積部、及び第三の電荷蓄積部を含み、
G光、B光、及びR光を同時に又は連続して発光させ、該発光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第一の電荷蓄積部に蓄積させる第一の駆動ステップと、
B光を発光させ、B光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第二の駆動ステップと、
R光を発光させ、R光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第三の駆動ステップと、
前記第一の駆動ステップ、前記第二の駆動ステップ、及び前記第三の駆動ステップの終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出すステップと、
前記第一の電荷蓄積部から読み出した信号と前記第二の電荷蓄積部から読み出した信号とから第一の色差信号を生成し、前記第一の電荷蓄積部から読み出した信号と前記第三の電荷蓄積部から読み出した信号とから第二の色差信号を生成するステップとを備える内視鏡装置の駆動方法。
【請求項16】
複数の画素部を有する固体撮像素子を備えた内視鏡装置の駆動方法であって、
前記画素部が、被写体から入射してくる光を受光しこれに応じた電荷を発生する光電変換部及び前記光電変換部で発生した電荷を選択的に蓄積可能な第一の電荷蓄積部及び第二の電荷蓄積部を含み、
第一の光を発光させ、前記第一の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を全ての前記画素部の前記第一の電荷蓄積部に蓄積させる第一の駆動ステップと、
第二の光を発光させ、前記第二の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記複数の画素部のうちの半分の画素部の前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第二の駆動ステップと、
第三の光を発光させ、前記第三の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記複数の画素部のうちの残り半分の画素部の前記第二の電荷蓄積部に蓄積させる第三の駆動ステップと、
前記第一の駆動ステップ、前記第二の駆動ステップ、及び前記第三の駆動ステップの終了後、前記第一の電荷蓄積部及び前記第二の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出すステップと、
前記画素部から得られない前記第二の光に応じた信号又は前記第三の光に応じた信号を、該画素部の周囲の前記画素部から得られた前記第二の光に応じた信号及び前記第三の光に応じた信号を用いて補間する補間ステップとを備える内視鏡装置の駆動方法。
【請求項17】
請求項16記載の内視鏡装置の駆動方法であって、
前記画素部が更に第三の電荷蓄積部を含み、
第四の光を発光させ、前記第四の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を全ての前記画素部の前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第四の駆動ステップを備え、
前記信号を読み出すステップでは、前記第一の駆動ステップ、前記第二の駆動ステップ、前記第三の駆動ステップ、及び前記第四の駆動ステップの終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出す内視鏡装置の駆動方法。
【請求項18】
請求項16記載の内視鏡装置の駆動方法であって、
前記画素部が更に第三の電荷蓄積部を含み、
第四の光を発光させ、前記第四の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記半分の前記画素部の前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第四の駆動ステップと、
第五の光を発光させ、前記第五の光に対して被写体から入射してくる光によって前記光電変換部で発生した電荷を前記残り半分の前記画素部の前記第三の電荷蓄積部に蓄積させる第五の駆動ステップとを備え、
前記信号を順次読み出すステップでは、前記第一の駆動ステップ、前記第二の駆動ステップ、前記第三の駆動ステップ、前記第四の駆動ステップ、及び前記第五の駆動ステップの終了後、前記第一の電荷蓄積部、前記第二の電荷蓄積部、及び前記第三の電荷蓄積部の各々に蓄積された電荷に応じた信号を読み出す内視鏡装置の駆動方法。
【請求項19】
請求項14〜18のいずれか1項記載の内視鏡装置の駆動方法であって、
光の発光前に、前記光電変換部に蓄積されている電荷を外部に排出する電荷排出ステップを有する内視鏡装置の駆動方法。
【請求項20】
請求項14〜19のいずれか1項記載の内視鏡装置の駆動方法であって、
前記第一の光がG光であり、前記第二の光がB光であり、前記第三の光がR光である内視鏡装置の駆動方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2010−194291(P2010−194291A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−127952(P2009−127952)
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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