円周溶接ヘッド
円周溶接ヘッドは、金属インサートおよび回転子を備える。カバーは、マイカラミネートから作製される。金属バネ/ブラシ(好ましくは、一片である)が、インサートに対して回転子を側面負荷をかける。回転子およびインサートは、相互係合部分(好ましくは、台形)を有し、熱により膨張する場合、回転子を軸方向に移動させ、これにより結合を最小化する。本発明は、さらなる隙間を必要としない、一定のアーク間隙を生じ、結合を生じない回転子とインサートの構成を提供する。本発明の溶接ヘッドの設計によって、避けられない膨張を適応させるためのシステム内の余分な隙間を提供する必要性無しに、この使用に伴って生じる避けられない膨張が、許容される。結果として、より正確かつ一定の溶接が、過熱が問題になる前に、長期間にわたって得られ得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2003年8月12日に出願された、米国仮出願番号60/481,216の出願日の利益を主張し、この開示全体が、参考として援用される。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
円周溶接は、被加工品を溶接するときに、被加工品の周囲を回転する(周回する)電極を保持する溶接ヘッドを使用することを包含する。被加工品は、例えば、端部間を一緒に溶接するための端部部分を当接して有する2つの円筒形管であり得る。
【0003】
公知の円周溶接機は、顎部間に開口部を規定する2つの顎部を有する溶接ヘッドを備える。溶接ヘッドは、顎部間の開口部を通して被加工品を移動させることによって、被加工品に対する溶接位置に配置される。次いで、被加工品は、回転子の内側の円形作業空間にある。回転子は、電極を有する。溶接ヘッドが作動する場合、回転子は、被加工品の周りで回転し、電極は、被加工品の周りを周回する。電極と被加工品との間に電気アークが作り出される。アークの熱は、接合部を被加工品上に溶接する。この一般的なタイプの溶接機を示す代表的な特許は、米国特許第4,379,215号および同第5,844,190号であり、この開示全体が、本明細書中において、参考として援用される。
【0004】
アーク溶接プロセスは、かなりの量の熱を作り出す。多くの公知の円周溶接機が、内部冷却システムを有さず、熱を十分に放散しないプラスチック構成要素を利用する。これは、溶接ヘッドの任意のプラスチック構成要素を劣化させ得、これによって、溶接ヘッドが冷却されなければならなくなる前に、公知の溶接ヘッドが溶接され得る被加工品の数を制限する。他の公知の円周溶接機は、水冷システムまたは他の強制冷却システムを有する。
【0005】
溶接プロセスの間に生成する熱はまた、公知の溶接ヘッドの部品の膨張を引き起こし得る。例えば、公知の溶接ヘッドの一部は、矩形断面構成を有する円形溝を備える。回転子は、相補的な矩形断面構成を有する円形突起を有する。回転子上の突起は、溝に受け入れられる。溝における突起のスリップフィット係合は、回転子の動きを制御し、ガイドする。公知の溶接ヘッドの部品が加熱し、膨張する場合、回転子の突起は、溝を含む公知の溶接ヘッドの一部に結合し得る。
【0006】
結合を避けるための1つの方法は、回転子とインサートとの間により大きな隙間を加えることである;しかし、これは、一定のアーク間隙で周回しない電極を生じる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
本発明は、さらなる隙間を必要としない、一定のアーク間隙を生じ、結合を生じない回転子とインサートの構成を提供する。従って、本発明の溶接ヘッドの設計によって、避けられない膨張を適応させるためのシステム内の余分な隙間を提供する必要性無しに、この使用に伴って生じる避けられない膨張が、許容される。結果として、より正確かつ一定の溶接が、過熱が問題になる前に、長期間にわたって得られ得る。
【0008】
本発明は、円周溶接のためのいくつかの他の有利な特徴に関する。1つの特徴は、熱絶縁性および電気絶縁性のための、溶接ヘッドに対するカバーとしてのマイカラミネートの使用である。別の特徴は、金属ブラシ/バネおよび電極の全てが同じ電位を有する金属インサート全体である。示される実施形態において、これらの特徴のうちの1つより多くの組み合わせが示される。これらの特徴の任意の1つまたは組み合わせが、円周溶接ヘッドで使用され得、本発明の範囲内であると考えられることが理解されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(本発明の説明)
本発明は、円周溶接ヘッドに関し、種々の異なる構成の溶接ヘッドに適用可能である。本発明の代表として、図1は、本発明の第1の実施形態に従った円周溶接ヘッド10の一部を示す。
【0010】
溶接ヘッド10は、溶接ヘッドの基部として役立ち、溶接ヘッドの他の部品の多くを支持するインサート14を備える。インサート14は、溶接ヘッド10の回転軸18(図2)を中心とするほぼ円形の作業開口部16を有する。2つの電気絶縁性縁部片20は、示されない様式で、インサート14に固定される。
【0011】
インサート14は、プラスチックから構成され得るが、好ましくは、電気伝導性の金属(例えば、ステンレス鋼、銅、または青銅)から作製される。金属は、代表的に、変形すること無く、プラスチックよりもより多くの熱を吸収し得、そして金属は、熱を吸収する場合、より安定である。結果として、インサート14は、金属から作製される場合、比較的大きな熱量を吸収し得る。これによって、溶接ヘッド10は、所定の期間でより多くの溶接を行い得る。
【0012】
溶接ヘッド10は、電気モーター駆動部のような駆動部(図示しない)から回転力を受容するための駆動歯車22を備える。駆動歯車22は、2つの遊び歯車24とかみ合う。駆動歯車22および遊び歯車24は、インサート14上の突起26上に支持される。歯車22および24は、好ましくは、金属から作製される。
【0013】
溶接ヘッド10は、インサートを固定するために第1のカバー28および第2のカバー29を備える。カバー28および29は、耐熱性、電気絶縁性材料から作製される。1つの適切な材料は、高温プラスチック、またはフェノール材料である。別の適切な材料は、マイカラミネートである。
【0014】
カバー28および29のための好ましい材料は、商標名Cogetherm Mで販売されるマイカラミネートである。この材料は、Cogebi,Inc.Crosby Road Industrial Park,14 Faraday Drive,Dover N.H.03820の米国の施設で、Cogebi−Huysmanslaan,65,B−1651 Lot−Belgiumによって製造された。この材料は、いくつかの販売業者から入手可能である。1つは、Curbell Industrial Plastics,23103 Miles Road,Cleveland,OH 44128である。
【0015】
Cogetherm Mの組成は、±90% Cogemica Muscovite、±10%結合材料である。代替の材料は、Cogetherm Pである。Cogetherm Pの組成は、±90% Cogemica−Phlogopite Muscovite、±10%結合材料である。
【0016】
化学的に、マイカは、アルミノ−シリケート組成物である。2つの主要なクラスが存在する:Muscovite(カリウムが優勢である場合)、またはPhlogopite(マグネシウムが存在する場合)。マイカ鉱石は、特定の特性を有する:マイカ鉱石は、一定の厚みの非常に薄い薄層(シートまたは層)を与えるように切断され得る。好ましいマイカ材料は、いくつかのシートを含むラミネートである。
【0017】
この材料は、所望の増加する溶接速度での溶接から生成される激しい熱に耐えるので、好ましい。好ましい材料は、Cogetherm Pについて1300°F、Cogetherm Mについて932°Fの連続使用温度で評価される。この材料はまた、近接した溶接アークへの激しい曝露に耐える。この材料は、いくつかのプラスチックがそうであるような、上記条件下での変形または溶解はしない。
【0018】
マイカラミネートは、この適用において使用される公知のプラスチックのいずれよりも耐え得ることが試験で見出されている。結果として、この材料は、円周溶接ヘッドに対するカバーとして使用される場合、溶接ヘッドが、所定の期間でより多くの溶接を行うことを助け得る。マイカラミネート材料は、溶接ヘッド10の持続作動で経験する高熱条件下で、変形せず、それ以外で使用不可能にならない。
【0019】
このマイカラミネート材料は、種々の適用についてのアスベストおよび他の絶縁板の代替物としての使用について公知である。このマイカラミネート材料は、その誘電特性および電気および腐食に対するその抵抗性のおかげで、高電圧器具において使用される。誘導およびアーク炉の構築において、Cogethermは、その熱絶縁特性および電気絶縁特性、ならびに高周波に対するその透過性のために使用されている。アルミニウムおよび銅のディスクを調理具に真鍮付け(brazing)するための誘導熱装置の分野において、Cogethermは、アスベスト−セメントプレートの代替物である。
【0020】
マイカラミネートの公知の特性から、薄片化(低い剪断力)が問題であることが認められ得る。しかし、これは、この材料がこの適用においてシート形態で使用される場合では、見出されていない。
【0021】
好ましいマイカラミネート材料は、プレートまたはシートのストックから機械加工される。この材料は、種々の厚みになる。最も密接なストックの厚みが選択され、次いで、適切な厚みに機械加工(粉砕)される。
【0022】
溶接ヘッド10は、さらに、回転子30を備える。回転子30は、軸18の周りで電極を動かすために、インサートに対して軸18の周りで回転するために、以下に記載される様式でインサート14上に支持された電気伝導性金属部材である。回転子30は、円形の内側周囲32および外側周囲34を含む、環状のC字型構成を有する。回転子30の内側周囲32は、溶接ヘッド10の作業空間36を規定し、この空間において、被加工品が、被加工品の溶接のために配置され得る。
【0023】
回転子30は、回転子の作業空間36内への被加工品の移動を可能にするために、挿入開口部40を形成するように間隔を開けて配置された2つの端部38を有する。回転子30の外側周囲34は、外歯車として形成される。回転子30上の外歯車は、遊び歯車24とかみ合って、駆動部からの回転力を受容する。結果として、回転子30は、回転力が駆動歯車22に適用される場合に、回転する。
【0024】
電極42は、回転子とともに動くために回転子30に固定される。電極42は、回転子30の内側周囲32から作業空間36内に半径方向内側に延びる。電極42は、回転子30と電気伝導性であり、同じ電気電位である。回転子30が被加工品の周りを回転する場合、電極42は、当該分野で公知の様式で、被加工品の溶接をもたらすために、被加工品の周りを運ばれる。
【0025】
回転子30は、絶縁体31(図1および3)(好ましくは、セラミック材料から作製される)を有する。絶縁体31は、電極42と回転子30との間でアークを発生する表皮効果を妨げるのに役立つ。回転子はまた、公知なように、溶接プロセスを補助するために、アルゴンガスを受容するためのノッチ(図示しない)を有し得る。
【0026】
インサート14は、回転子30に面する、内側主要側面44(図5)を有する。インサート14は、その内側主要側面44上に突起50を備える。この突起50は、軸18の周りで回転するために、インサート14上に回転子を位置付け、ガイドするのに役立つ回転子30の一部である。突起50は、図2のように、軸18に沿った方向で見た場合、円形、C字型構成を有する。
【0027】
突起50の構成は、繰り返しの使用において溶接ヘッドの操作性を最大にするように選択される。突起50は、本発明に従って異なる構成を有し得る。第1の実施形態を、図1〜5に示す。代替の実施形態を、図7および図16〜19に示し、以下で考察する。
【0028】
図1〜5に示される実施形態において突起50は、台形の構成(図6のように、断面で見た場合)を有する。台形の構成は、インサート14の内側主要側面44に対して平行に延びる平坦端面52を備える。台形構成はまた、インサート14の端面52と内側主要側面44との間で傾斜して延びる内側側面54および外側側面56を備える。
【0029】
示される実施形態において、側面54および56は、端面52および内側主要側面44に対して約45°で延びる。他の実施形態において、この角度は、45°とは異なり得る。
【0030】
回転子30は、インサート14の内側主要側面44に面する主要側面58(図5)を有する。回転子30は、その主要側面58上に溝またはトラック60を備える。トラック60は、インサート14の一部であり、従って、溶接ヘッドの被加工品用開口部の周りでの回転のために回転子30を位置付け、ガイドするのに役立つ溶接ヘッド10の一部である。トラック60は、インサート14上の突起50のC字型構成と同じ円形C字型構成を有する。
【0031】
図1〜5に示される実施形態において、トラック60は、台形構成(図5のように、断面で見た場合)を有する。トラック60は、回転子30の主要側面58に平行に延びる回転子上の平坦端面62によって規定される。トラック60は、回転子の端面62と主要側面58との間で傾斜して延びる内側側面64および外側側面66によってさらに規定される。
【0032】
示される実施形態において、トラック側面64および66は、端面62および主要側面58に対して約45°で延びる。他の実施形態において、この角度は、45°とは異なり得る。従って、示される実施形態において、トラック側面64および66の角度は、突起側面54および56の角度に対応し、このトラックの全体的な断面構成は、インサート14上の突起50の断面構成と対応する。他の実施形態において、以下に記載されるように、この角度は、異なり得、この対応は、必要ではない。
【0033】
突起50の端面52の長さは、溝の端面62の長さよりも長い。結果として、突起56の外側端面54および56は、溝60の側面64と側面66との間の距離よりも長い距離離れて配置されている。従って、その溝60を有する回転子30は、常に、インサート14の突起50の側面54および56の一方または両方に載っている。
【0034】
回転子トラック60の内側側面64は、インサート突起50の内側側面54上に載る。回転子トラック60の外側側面66は、インサート突起50の外側側面56上に載る。結果として、インサート14上の突起50は、インサートに対して回転するために回転子30を支持する。
【0035】
インサート突起50と回転子トラック60との間の係合はまた、回転子30を、インサート14上に半径方向に位置付け、その結果、回転子の作業空間36は、インサートの作業開口部16と同心である。インサート突起50と回転子トラック60との間の係合は、これによって、被加工品の溶接の間、軸18を中心として、円形経路での回転のために電極42を支持する。
【0036】
金属インサート14は、図示されない様式で(例えば、縁部片20の開口部を通る電気的接続によって)溶接電流を受容する。結果として、インサート14は、重溶接(full welding)電位である。
【0037】
金属インサート14上の金属回転子30の当接係合は、インサートから回転子へと流れる電流のための経路を作り出す。結果として、回転子30もまた、重溶接電位である。回転子30に固定された電極42も同様である。金属遊び歯車24および金属駆動歯車22もまた重溶接電位である。
【0038】
溶接ヘッド10は、さらに、ブラシ70(図1、4および8〜9)を備える。ブラシ70は、インサート14に対して軸方向に回転子30を押しやる(従って、回転子は、「側方装填」回転子である)。ブラシ70はまた、回転子30に対して電気を伝導するのに役立ち得る。本発明に従う溶接ヘッドは、例えば、以下の図10〜15に示され、これらの図面を参照して記載される、代替のブラシ設計を備え得る。
【0039】
図8および9に示される特定のブラシ70は、図9のように見た場合、ほぼU字型構成またはC字型構成を有する一片の部材である。ブラシ70は、電気伝導性の金属から作製される。C字型構成は、軸18を中心とする。
【0040】
ブラシ70は、C字型外側部分74およびC字型内側部分76を有する。ブラシの外側部分74は、1つの平面にあり、2つのアーム78を備える。外側ブラシ部分74は、インサート14との、ブラシ70の電気的および機械的接続のために、アーム78の端部に2つの耳部80を備える。
【0041】
ブラシ70の内側部分76は、外側部分74と同心であるが異なる平面にある環状構成で形成される。4つのバネアーム82は、ブラシ70の外側部分74と内側部分76との間に延び、それらを相互接続する。バネアーム82は、弾性であり、ブラシを位置付けるのに役立つ。
【0042】
ブラシ70は、回転子30と第1のカバー28との間に配置されるように、溶接ヘッド10内に組み立てられる。ブラシ70の内側部分76は、回転子30と接触する。ブラシ70の外側部分74は、第1のカバー28と接触する。ブラシ70のバネアーム82は、第1のカバー28から離れるように、ブラシの内側部分76を弾性的に押しやる。ブラシ70の内側部分76は、回転子30と係合するように押しやられ、バネアーム82の力を回転子内に伝達する。
【0043】
バネアーム82の力は、回転子30によって伝達される場合、回転子を、インサート14との堅い係合へと押しやる傾向を有する。詳細には、この力は、図6に示されるように、回転子トラック60を、インサート突起50との堅い係合へと押しやる傾向がある。結果として、物理的接触は、回転子30とインサート14との間で維持され、従って、溶接ヘッド10内でのアーク発生の可能性を最小化する。
【0044】
ブラシ70と回転子30との係合はまた、回転子へ、従って、電極42へと流れる電流の別の流路を提供する。これは、ブラシ70が電気伝導性材料(例えば、銅)から作製され、インサート14と同じ電気電位であるため、生じる。あるいは、ブラシ70は、非伝導性材料から作製され得る。ブラシ70が非伝導性材料から作製された場合、ブラシは、依然として、回転子30が、インサート14と物理的および電気的接触を維持するのに役立つ。インサート14が金属でない場合、ブラシ70は、回転子30への電流の流路を提供するために金属性であることが必要である。
【0045】
溶接ヘッド10が操作される場合、熱が発生する。溶接ヘッド10の部分(インサート14および回転子30を含む)が加熱され、結果として、膨張する。この膨張によって、回転子30がインサート14に結合しないことが望ましい。
【0046】
インサート突起50と回転子トラック60の構成は、回転子30のインサート14への結合の可能性を最小にする。詳細には、溶接ヘッド10の部分が図5に示されるような非膨張状態にある場合、回転子トラック60の内側側面64と外側側面66の両方が、インサート突起50と接触する。その後、回転子30がインサート14よりも大きく膨張した場合、回転子のトラック60は、図6に示されるように、インサート突起50に対して半径方向外向きに移動する。トラック60の側面64および66のうちの1つのみが、インサート突起50と接触したままである(示される場合において、側面64)。回転子30およびその溝60はまた、上方(軸18に対して平行な方向)および側方に(示される実施形態において、台形の45°の角度に起因して、(回転子の各側面において)同じ量で側方および上方に)、移動する。
【0047】
インサート突起50およびトラック60が45°以外の角度の側面を有する場合、垂直移動および水平移動の相対量が異なる。例えば、内側主要側面44と角度の付いた側面54および56との間の角度がより大きいと、半径方向の移動に対する軸方向の移動がより大きくなる。しかし、角度が90°に近づくにつれて、結合がより起こりやすくなる。対照的に、内側主要側面44と角度の付いた側面54および56との間の角度がより小さくなると、半径方向の移動に対する軸方向の移動が減少する。しかし、角度が0°に近づくにつれて、トラック60が突起50を飛び出る傾向が増加する。45°の角度は、実際に、結合の最小化と軸移動の最小との間の平均を提供するので、現在好ましい。
【0048】
回転子30の上方(軸方向)移動は、熱および膨張とともに必然的に生じる側方移動を適応させるために、許容される。しかし、上方移動の量は、電極42を被加工品に対して軸方向に遠くに移動させることを避けるために、望ましくは、最小にされる。台形形状によって生じる45°の角度が好ましい実施形態として示されるが、他の角度が溶接ヘッドサイズおよび他の因子に依存して、特定の適用において最適であり得ることが理解されるべきである。本発明は、全てのこのような改変を包含することを意図する。
【0049】
従って、回転子30が熱のため膨張する場合、回転子は、インサート14上への回転子の結合を引き起こし得る位置に移動せず(または再構成されず)、代わりに、インサート突起50に沿って自由に載り続ける。本発明の台形(または三角形)トラック60は、回転子30が台形または三角形の突起50の角度の付いた側面54および56に載るので、結合しない。
【0050】
回転子30が膨張する場合、トラック60は、軸18から離れるように、半径方向外側に移動する。この膨張が膨張方向に垂直な2つの表面と係合を引き起こす場合、回転子30は、垂直に移動を引き起こさない。このような膨張は、結果として、回転子30とインサート14との間の結合を引き起こし得る。
【0051】
本発明によって、トラック60および突起50の構成は、回転子30の半径方向の膨張によって生じる力が回転子の垂直方向の移動を生じるように選択される。これによって、回転子とインサート14との間に大きすぎる隙間を提供する必要性無しに、回転子の膨張が可能である。
【0052】
詳細には、回転子30の係合表面64および突起50の54は、回転子の膨張歩行に対して垂直でも平行でもない。従って、回転子30の膨張およびインサート突起50とのその係合は、合力の水平成分および垂直成分の両方を生じる。結果として、回転子30は、垂直および水平に移動(変位)する。これによって、回転子30は、インサート突起50上に結合しない位置に移動し得る。
【0053】
代表的に、回転子30は、インサート14よりも膨張する。なぜなら、溶接の間、回転子がより多くの熱を吸収するからである。インサート14が回転子30よりも膨張する場合、突起50およびトラック60の相対的な半径方向の位置は、図6に示されるようにならず、逆になる。すなわち、インサート14上の突起50の中心が、回転子上のトラック60の中心から半径方向外向きに配置される。この場合、インサート突起50の外側側面56は、回転子トラック60の外側表面66と係合し、インサート上に回転子が結合することなく、インサート14と回転子30との間の電気的接触を確立し、維持する。
【0054】
電極42と被加工品との間のアーク間隙(arc gap)は、隙間が回転子とインサート突起50との間に存在しない場合でさえ、回転子30がこのように記載されるように膨張する場合、中心に留まる。対照的に、矩形トラックを有する溶接ヘッドは、結合を避けるために、回転子とインサート突起50との間に隙間(間隙)を必要とする。このような間隙の存在は、回転子が被加工品と同心的に戻らず、不正確な電極の位置付けが生じ得ることを意味し得る。
【0055】
本発明の突起およびトラックの構成は、好ましくは、予め設計された隙間を有さない。従って、回転子の「こぼれ(slop)」も自由な遊びも無い。なぜなら、これは、より正確な溶接を提供し得る。予め設計された隙間は、回転子が、半径方向に膨張する場合、軸方向に自由に動き、従って、結合することなく膨張に適応するので、排除され得る。
【0056】
突起50の構成がトラック60の構成と類似するので、突起およびトラックは、単に線の接触ではなく、面積での接触を適用する嵌合表面を有する。回転子30とインサート14との間の接触の表面積をこの様式で大きくすることによって、より良い電気的接触が提供され、またユニット装填を減少するので、摩耗が減少する。本発明の非結合トラック特徴が、金属回転子とともにプラスチックインサートを使用する溶接ヘッドに適用可能であることが理解されるべきである。
【0057】
図7は、本発明の第2の実施形態に従う溶接ヘッド10aの一部を示す。溶接ヘッド10aにおいて、突起およびトラックの位置が逆である。詳細には、インサート14aは、台形溝またはトラック60aを有するが、回転子30aは、トラック内に受容される台形突起50aを有する。インサート14aのトラック60aの回転子30aの突起50aとの係合は、インサートに対して回転子を位置付ける。この係合はまた、部品が加熱され、上記のように不均一に膨張する場合でさえ、回転子30aとインサート14aとの間の電気的接触を維持する。
【0058】
図10および11は、代替の一片のブラシ/バネまたはブラシ90を示す。ブラシ90は、電気伝導性材料(例えば、金属)から一片として形成される。ブラシは、図10で平面で見た場合、全体的にC字型の構成を有する。
【0059】
ブラシは、内側部分、またはブラシ部分92、ならびに外側部分、またはバネ部分94を有する。ブラシ90の内側部分92は、1つの平面にある。ブラシ90の内側部分92の内側末梢縁部が、96において示されるように上側に曲がり、内側部分を強化するためのリムを形成し得る。
【0060】
2つの半径方向に突出するタブ98は、内側部分92を外側部分94と接続する。外側部分94は、内側部分92の平面から外に曲がり、2つのタブ98から延びる4つの正確なバネアーム100として形成される。バネアーム100は、弾性であり、従って、ブラシ90を位置付けるのに役立つ。
【0061】
ブラシ90は、ブラシ70の代わりに、図1の溶接ヘッド10において使用可能である。ブラシ90が溶接ヘッド10において組み立てられる場合、ブラシの内側部分またはブラシ部分92は、回転子30と接触する。ブラシ90のバネ部分94(すなわち、バネアーム100のグループ)は、第1のカバー28と接触する。ブラシ90は、上記されるように、回転子30を軸方向に位置付け、それをインサート14と接触させ、また回転子に対する電気の流路を提供するのを助ける。
【0062】
図12および13は、代替の一片のブラシ/バネまたはブラシ110を示す。ブラシ110は、電気伝導性材料(例えば、金属)から一片として形成される。ブラシ110は、図12で平面で見た場合、全体的にU字型の構成を有する。
【0063】
ブラシ110は、内側主要側面114および外側主要側面116を有するほぼ平面の主要本体部分112を有する。ブラシ110の主要本体部分112は、ブラシをインサート14へ固定するための固定具開口部を備える2つの端部118を有する。ブラシ110は、ブラシの内側主要側面114が回転子30と当接して係合するように、溶接ヘッド10内に組み立てられる。溶接ヘッド10で組み立てられる場合、ブラシ110は、インサート14と同じ電気電位である。
【0064】
ブラシ110は、さらに、1つ以上のバネフィンガー120を備える。バネフィンガー120は、ブラシ110の主要本体部分112とともに、一片として形成される弾性部材である。バネフィンガー120は、ブラシ110の主要本体部分112から外向きに曲がり、示されるように、ブラシの外側表面116上のL字型突出を形成する。示される実施形態において、3つのバネフィンガー120が提供される。バネフィンガー120をブラシ110の一部として形成することは、製造を簡単にする。別々の小さなバネは、操作および組み立てが困難であり得るので、これは、組み立てを簡単にする。
【0065】
ブラシ110は、ブラシ70の代わりに、図1の溶接ヘッド10において使用可能である。ブラシ110が溶接ヘッド10において組み立てられる場合、ブラシの主要本体部分112は、回転子30と接触する。ブラシ110のバネ部分120は、第1のカバー28と接触する。ブラシ110は、上記されるように、回転子30を軸方向に位置付け、それをインサート14と接触させ、また回転子に対する電気の流路を提供するのを助ける。
【0066】
図14および15は、ブラシ130および複数の別々のバネ132を備える代替のブラシ/バネ設計を示す。ブラシ130は、電気伝導性材料(例えば、金属)から一片として形成される。ブラシ130は、図12で平面で見た場合、全体的にU字型の構成を有する。ブラシ130は、ブラシをインサート14へ固定するための固定具開口部を備える2つの端部130を有する。ブラシ130は、回転子30と当接して係合するように、溶接ヘッド10内に組み立てられる。溶接ヘッド10で組み立てられる場合、ブラシ130は、インサート14と同じ電気電位である。
【0067】
図14および15の示される実施形態において、3つのブラシバネ132が提供される。ブラシバネ132は、ブラシ130と第1のカバー28との間に配置される。ブラシバネ132は、第1のカバー28とブラシ130との間で作動する弾性部材であり、ブラシを第1のカバーから離れるように押しやる。ブラシ130は、回転子30と係合するように押しやられ、ブラシバネ132の回転子への力を伝達する。
【0068】
ブラシバネ132の力は、回転子30を、インサート14への緊密な係合にする傾向がある。詳細には、この力は、回転子トラック60を、インサート突起50と緊密な係合にする傾向がある。結果として、物理的接触が、回転子30とインサート14との間で維持され、従って、溶接ヘッド10内でのアーク発生の可能性を最小化する。
【0069】
図1〜9とともに上に考察されるように、回転子とインサート14との間に大きすぎる初期の隙間を必要としない、回転子の膨張は、第1の実施形態に示されるトラックおよび突起の構成で得られる。代替の実施形態が可能である。所定の溶接ヘッドについて選択された特定の構成は、予測された膨張に基づいて、選択される。図16〜19は、インサート突起および回転子トラックについての多くの可能な代替の構成のうちの少しを示す。
【0070】
この例は、図16に示され、この図は、各々が、丸い(弓形またはそれ以外で湾曲した)プロフィールを有する、トラック142および突起144を備える溶接ヘッド140を示す。トラック142は、突起144上に湾曲した外側表面148を当接して係合する湾曲表面146を有する。2つの湾曲した表面146および148の曲率半径は、異なり、結合を最小化し、熱に起因して回転子が側方に膨張する場合に、回転子がインサート上を軸方向に移動することを可能にする。
【0071】
互いに係合する2つの表面(回転子上のトラック表面およびインサート上の突起表面)は、非嵌合表面であり得る。すなわち、トラック構成は、突起のトラック構成と同じである必要はない。(上記第1の実施形態において、トラックの台形の構成または三角形の構成は、同一または類似であり、突起の構成と嵌合する)。この例は、図17に示すように、台形のトラック150と矩形の突起152との組み合わせ;あるいは、図18に示されるように、矩形のトラック154と環状突起156の組み合わせである。他の可能なプロフィールとしては、放物線もしくは双曲線のプロフィール、または内巻き(involute)のような連続して変わる湾曲が挙げられる。
【0072】
トラックおよび突起の他の潜在的な組み合わせは、図19に示される。図19は、無数の可能なプロフィールおよびプロフィールの組み合わせのいくつかを示すマトリクスである。左の列は、突起またはトラックの内側側面についての可能な構成を示し、上部は、突起またはトラックの外側側面についての可能な構成を示す。好ましいプロフィールの組み合わせは、一般的に、線の接触よりも面の接触を生じ、半径方向運動の結果として妥当な量の軸方向の移動を生じるものである。
【0073】
本発明は、空冷軌道溶接ヘッド、水冷軌道溶接ヘッド、および他の強制冷却技術を使用する軌道溶接ヘッドに適用可能である。他のバリエーションも可能である。例えば、トラックは、示されるもの以外(すなわち、インサート以外)の部材上に形成され得る。このような変更および改変は、添付の特許請求の範囲によって網羅されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に従った溶接ヘッドの分解斜視図である。
【図2】図2は、図1の溶接ヘッドの一部を形成する金属インサートおよび回転子の平面図である。
【図3】図3は、図2のほぼライン3−3に沿って切断された断面図である。
【図4】図4は、溶接ヘッドの他の部分を追加した、図2に類似した平面図である。
【図5】図5は、図3の溶接ヘッドの一部の拡大断面図であり、溶接ヘッドの部分を非膨張状態で示す。
【図6】図6は、溶接ヘッドの一部を膨張状態で示す、図5に類似した図である。
【図7】図7は、本発明の第2の実施形態に従った、溶接ヘッドの図5に類似した図である。
【図8】図8は、図1の溶接ヘッドの一部を形成するブラシ/バネアセンブリの斜視図である。
【図9】図9は、図8のブラシ/バネアセンブリの平面図である。
【図10】図10は、本発明の第3の実施形態に従うブラシ/バネアセンブリの平面図である。
【図11】図11は、図10のブラシ/バネアセンブリの斜視図である。
【図12】図12は、本発明の第4の実施形態に従ったブラシ/バネアセンブリの平面図である。
【図13】図13は、図12のブラシ/バネアセンブリの斜視図である。
【図14】図14は、本発明の第5の実施形態に従ったブラシ/バネアセンブリの平面図である。
【図15】図15は、図14のブラシ/バネアセンブリの斜視図である。
【図16】図16は、本発明の第6の実施形態に従った溶接ヘッドの一部の図5に類似した拡大断面図である。
【図17】図17は、本発明の第7の実施形態に従った溶接ヘッドの一部の図5に類似した拡大断面図である。
【図18】図18は、本発明の第8の実施形態に従った溶接ヘッドの一部の図5に類似した拡大断面図である。
【図19】記載無し
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2003年8月12日に出願された、米国仮出願番号60/481,216の出願日の利益を主張し、この開示全体が、参考として援用される。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
円周溶接は、被加工品を溶接するときに、被加工品の周囲を回転する(周回する)電極を保持する溶接ヘッドを使用することを包含する。被加工品は、例えば、端部間を一緒に溶接するための端部部分を当接して有する2つの円筒形管であり得る。
【0003】
公知の円周溶接機は、顎部間に開口部を規定する2つの顎部を有する溶接ヘッドを備える。溶接ヘッドは、顎部間の開口部を通して被加工品を移動させることによって、被加工品に対する溶接位置に配置される。次いで、被加工品は、回転子の内側の円形作業空間にある。回転子は、電極を有する。溶接ヘッドが作動する場合、回転子は、被加工品の周りで回転し、電極は、被加工品の周りを周回する。電極と被加工品との間に電気アークが作り出される。アークの熱は、接合部を被加工品上に溶接する。この一般的なタイプの溶接機を示す代表的な特許は、米国特許第4,379,215号および同第5,844,190号であり、この開示全体が、本明細書中において、参考として援用される。
【0004】
アーク溶接プロセスは、かなりの量の熱を作り出す。多くの公知の円周溶接機が、内部冷却システムを有さず、熱を十分に放散しないプラスチック構成要素を利用する。これは、溶接ヘッドの任意のプラスチック構成要素を劣化させ得、これによって、溶接ヘッドが冷却されなければならなくなる前に、公知の溶接ヘッドが溶接され得る被加工品の数を制限する。他の公知の円周溶接機は、水冷システムまたは他の強制冷却システムを有する。
【0005】
溶接プロセスの間に生成する熱はまた、公知の溶接ヘッドの部品の膨張を引き起こし得る。例えば、公知の溶接ヘッドの一部は、矩形断面構成を有する円形溝を備える。回転子は、相補的な矩形断面構成を有する円形突起を有する。回転子上の突起は、溝に受け入れられる。溝における突起のスリップフィット係合は、回転子の動きを制御し、ガイドする。公知の溶接ヘッドの部品が加熱し、膨張する場合、回転子の突起は、溝を含む公知の溶接ヘッドの一部に結合し得る。
【0006】
結合を避けるための1つの方法は、回転子とインサートとの間により大きな隙間を加えることである;しかし、これは、一定のアーク間隙で周回しない電極を生じる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
本発明は、さらなる隙間を必要としない、一定のアーク間隙を生じ、結合を生じない回転子とインサートの構成を提供する。従って、本発明の溶接ヘッドの設計によって、避けられない膨張を適応させるためのシステム内の余分な隙間を提供する必要性無しに、この使用に伴って生じる避けられない膨張が、許容される。結果として、より正確かつ一定の溶接が、過熱が問題になる前に、長期間にわたって得られ得る。
【0008】
本発明は、円周溶接のためのいくつかの他の有利な特徴に関する。1つの特徴は、熱絶縁性および電気絶縁性のための、溶接ヘッドに対するカバーとしてのマイカラミネートの使用である。別の特徴は、金属ブラシ/バネおよび電極の全てが同じ電位を有する金属インサート全体である。示される実施形態において、これらの特徴のうちの1つより多くの組み合わせが示される。これらの特徴の任意の1つまたは組み合わせが、円周溶接ヘッドで使用され得、本発明の範囲内であると考えられることが理解されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(本発明の説明)
本発明は、円周溶接ヘッドに関し、種々の異なる構成の溶接ヘッドに適用可能である。本発明の代表として、図1は、本発明の第1の実施形態に従った円周溶接ヘッド10の一部を示す。
【0010】
溶接ヘッド10は、溶接ヘッドの基部として役立ち、溶接ヘッドの他の部品の多くを支持するインサート14を備える。インサート14は、溶接ヘッド10の回転軸18(図2)を中心とするほぼ円形の作業開口部16を有する。2つの電気絶縁性縁部片20は、示されない様式で、インサート14に固定される。
【0011】
インサート14は、プラスチックから構成され得るが、好ましくは、電気伝導性の金属(例えば、ステンレス鋼、銅、または青銅)から作製される。金属は、代表的に、変形すること無く、プラスチックよりもより多くの熱を吸収し得、そして金属は、熱を吸収する場合、より安定である。結果として、インサート14は、金属から作製される場合、比較的大きな熱量を吸収し得る。これによって、溶接ヘッド10は、所定の期間でより多くの溶接を行い得る。
【0012】
溶接ヘッド10は、電気モーター駆動部のような駆動部(図示しない)から回転力を受容するための駆動歯車22を備える。駆動歯車22は、2つの遊び歯車24とかみ合う。駆動歯車22および遊び歯車24は、インサート14上の突起26上に支持される。歯車22および24は、好ましくは、金属から作製される。
【0013】
溶接ヘッド10は、インサートを固定するために第1のカバー28および第2のカバー29を備える。カバー28および29は、耐熱性、電気絶縁性材料から作製される。1つの適切な材料は、高温プラスチック、またはフェノール材料である。別の適切な材料は、マイカラミネートである。
【0014】
カバー28および29のための好ましい材料は、商標名Cogetherm Mで販売されるマイカラミネートである。この材料は、Cogebi,Inc.Crosby Road Industrial Park,14 Faraday Drive,Dover N.H.03820の米国の施設で、Cogebi−Huysmanslaan,65,B−1651 Lot−Belgiumによって製造された。この材料は、いくつかの販売業者から入手可能である。1つは、Curbell Industrial Plastics,23103 Miles Road,Cleveland,OH 44128である。
【0015】
Cogetherm Mの組成は、±90% Cogemica Muscovite、±10%結合材料である。代替の材料は、Cogetherm Pである。Cogetherm Pの組成は、±90% Cogemica−Phlogopite Muscovite、±10%結合材料である。
【0016】
化学的に、マイカは、アルミノ−シリケート組成物である。2つの主要なクラスが存在する:Muscovite(カリウムが優勢である場合)、またはPhlogopite(マグネシウムが存在する場合)。マイカ鉱石は、特定の特性を有する:マイカ鉱石は、一定の厚みの非常に薄い薄層(シートまたは層)を与えるように切断され得る。好ましいマイカ材料は、いくつかのシートを含むラミネートである。
【0017】
この材料は、所望の増加する溶接速度での溶接から生成される激しい熱に耐えるので、好ましい。好ましい材料は、Cogetherm Pについて1300°F、Cogetherm Mについて932°Fの連続使用温度で評価される。この材料はまた、近接した溶接アークへの激しい曝露に耐える。この材料は、いくつかのプラスチックがそうであるような、上記条件下での変形または溶解はしない。
【0018】
マイカラミネートは、この適用において使用される公知のプラスチックのいずれよりも耐え得ることが試験で見出されている。結果として、この材料は、円周溶接ヘッドに対するカバーとして使用される場合、溶接ヘッドが、所定の期間でより多くの溶接を行うことを助け得る。マイカラミネート材料は、溶接ヘッド10の持続作動で経験する高熱条件下で、変形せず、それ以外で使用不可能にならない。
【0019】
このマイカラミネート材料は、種々の適用についてのアスベストおよび他の絶縁板の代替物としての使用について公知である。このマイカラミネート材料は、その誘電特性および電気および腐食に対するその抵抗性のおかげで、高電圧器具において使用される。誘導およびアーク炉の構築において、Cogethermは、その熱絶縁特性および電気絶縁特性、ならびに高周波に対するその透過性のために使用されている。アルミニウムおよび銅のディスクを調理具に真鍮付け(brazing)するための誘導熱装置の分野において、Cogethermは、アスベスト−セメントプレートの代替物である。
【0020】
マイカラミネートの公知の特性から、薄片化(低い剪断力)が問題であることが認められ得る。しかし、これは、この材料がこの適用においてシート形態で使用される場合では、見出されていない。
【0021】
好ましいマイカラミネート材料は、プレートまたはシートのストックから機械加工される。この材料は、種々の厚みになる。最も密接なストックの厚みが選択され、次いで、適切な厚みに機械加工(粉砕)される。
【0022】
溶接ヘッド10は、さらに、回転子30を備える。回転子30は、軸18の周りで電極を動かすために、インサートに対して軸18の周りで回転するために、以下に記載される様式でインサート14上に支持された電気伝導性金属部材である。回転子30は、円形の内側周囲32および外側周囲34を含む、環状のC字型構成を有する。回転子30の内側周囲32は、溶接ヘッド10の作業空間36を規定し、この空間において、被加工品が、被加工品の溶接のために配置され得る。
【0023】
回転子30は、回転子の作業空間36内への被加工品の移動を可能にするために、挿入開口部40を形成するように間隔を開けて配置された2つの端部38を有する。回転子30の外側周囲34は、外歯車として形成される。回転子30上の外歯車は、遊び歯車24とかみ合って、駆動部からの回転力を受容する。結果として、回転子30は、回転力が駆動歯車22に適用される場合に、回転する。
【0024】
電極42は、回転子とともに動くために回転子30に固定される。電極42は、回転子30の内側周囲32から作業空間36内に半径方向内側に延びる。電極42は、回転子30と電気伝導性であり、同じ電気電位である。回転子30が被加工品の周りを回転する場合、電極42は、当該分野で公知の様式で、被加工品の溶接をもたらすために、被加工品の周りを運ばれる。
【0025】
回転子30は、絶縁体31(図1および3)(好ましくは、セラミック材料から作製される)を有する。絶縁体31は、電極42と回転子30との間でアークを発生する表皮効果を妨げるのに役立つ。回転子はまた、公知なように、溶接プロセスを補助するために、アルゴンガスを受容するためのノッチ(図示しない)を有し得る。
【0026】
インサート14は、回転子30に面する、内側主要側面44(図5)を有する。インサート14は、その内側主要側面44上に突起50を備える。この突起50は、軸18の周りで回転するために、インサート14上に回転子を位置付け、ガイドするのに役立つ回転子30の一部である。突起50は、図2のように、軸18に沿った方向で見た場合、円形、C字型構成を有する。
【0027】
突起50の構成は、繰り返しの使用において溶接ヘッドの操作性を最大にするように選択される。突起50は、本発明に従って異なる構成を有し得る。第1の実施形態を、図1〜5に示す。代替の実施形態を、図7および図16〜19に示し、以下で考察する。
【0028】
図1〜5に示される実施形態において突起50は、台形の構成(図6のように、断面で見た場合)を有する。台形の構成は、インサート14の内側主要側面44に対して平行に延びる平坦端面52を備える。台形構成はまた、インサート14の端面52と内側主要側面44との間で傾斜して延びる内側側面54および外側側面56を備える。
【0029】
示される実施形態において、側面54および56は、端面52および内側主要側面44に対して約45°で延びる。他の実施形態において、この角度は、45°とは異なり得る。
【0030】
回転子30は、インサート14の内側主要側面44に面する主要側面58(図5)を有する。回転子30は、その主要側面58上に溝またはトラック60を備える。トラック60は、インサート14の一部であり、従って、溶接ヘッドの被加工品用開口部の周りでの回転のために回転子30を位置付け、ガイドするのに役立つ溶接ヘッド10の一部である。トラック60は、インサート14上の突起50のC字型構成と同じ円形C字型構成を有する。
【0031】
図1〜5に示される実施形態において、トラック60は、台形構成(図5のように、断面で見た場合)を有する。トラック60は、回転子30の主要側面58に平行に延びる回転子上の平坦端面62によって規定される。トラック60は、回転子の端面62と主要側面58との間で傾斜して延びる内側側面64および外側側面66によってさらに規定される。
【0032】
示される実施形態において、トラック側面64および66は、端面62および主要側面58に対して約45°で延びる。他の実施形態において、この角度は、45°とは異なり得る。従って、示される実施形態において、トラック側面64および66の角度は、突起側面54および56の角度に対応し、このトラックの全体的な断面構成は、インサート14上の突起50の断面構成と対応する。他の実施形態において、以下に記載されるように、この角度は、異なり得、この対応は、必要ではない。
【0033】
突起50の端面52の長さは、溝の端面62の長さよりも長い。結果として、突起56の外側端面54および56は、溝60の側面64と側面66との間の距離よりも長い距離離れて配置されている。従って、その溝60を有する回転子30は、常に、インサート14の突起50の側面54および56の一方または両方に載っている。
【0034】
回転子トラック60の内側側面64は、インサート突起50の内側側面54上に載る。回転子トラック60の外側側面66は、インサート突起50の外側側面56上に載る。結果として、インサート14上の突起50は、インサートに対して回転するために回転子30を支持する。
【0035】
インサート突起50と回転子トラック60との間の係合はまた、回転子30を、インサート14上に半径方向に位置付け、その結果、回転子の作業空間36は、インサートの作業開口部16と同心である。インサート突起50と回転子トラック60との間の係合は、これによって、被加工品の溶接の間、軸18を中心として、円形経路での回転のために電極42を支持する。
【0036】
金属インサート14は、図示されない様式で(例えば、縁部片20の開口部を通る電気的接続によって)溶接電流を受容する。結果として、インサート14は、重溶接(full welding)電位である。
【0037】
金属インサート14上の金属回転子30の当接係合は、インサートから回転子へと流れる電流のための経路を作り出す。結果として、回転子30もまた、重溶接電位である。回転子30に固定された電極42も同様である。金属遊び歯車24および金属駆動歯車22もまた重溶接電位である。
【0038】
溶接ヘッド10は、さらに、ブラシ70(図1、4および8〜9)を備える。ブラシ70は、インサート14に対して軸方向に回転子30を押しやる(従って、回転子は、「側方装填」回転子である)。ブラシ70はまた、回転子30に対して電気を伝導するのに役立ち得る。本発明に従う溶接ヘッドは、例えば、以下の図10〜15に示され、これらの図面を参照して記載される、代替のブラシ設計を備え得る。
【0039】
図8および9に示される特定のブラシ70は、図9のように見た場合、ほぼU字型構成またはC字型構成を有する一片の部材である。ブラシ70は、電気伝導性の金属から作製される。C字型構成は、軸18を中心とする。
【0040】
ブラシ70は、C字型外側部分74およびC字型内側部分76を有する。ブラシの外側部分74は、1つの平面にあり、2つのアーム78を備える。外側ブラシ部分74は、インサート14との、ブラシ70の電気的および機械的接続のために、アーム78の端部に2つの耳部80を備える。
【0041】
ブラシ70の内側部分76は、外側部分74と同心であるが異なる平面にある環状構成で形成される。4つのバネアーム82は、ブラシ70の外側部分74と内側部分76との間に延び、それらを相互接続する。バネアーム82は、弾性であり、ブラシを位置付けるのに役立つ。
【0042】
ブラシ70は、回転子30と第1のカバー28との間に配置されるように、溶接ヘッド10内に組み立てられる。ブラシ70の内側部分76は、回転子30と接触する。ブラシ70の外側部分74は、第1のカバー28と接触する。ブラシ70のバネアーム82は、第1のカバー28から離れるように、ブラシの内側部分76を弾性的に押しやる。ブラシ70の内側部分76は、回転子30と係合するように押しやられ、バネアーム82の力を回転子内に伝達する。
【0043】
バネアーム82の力は、回転子30によって伝達される場合、回転子を、インサート14との堅い係合へと押しやる傾向を有する。詳細には、この力は、図6に示されるように、回転子トラック60を、インサート突起50との堅い係合へと押しやる傾向がある。結果として、物理的接触は、回転子30とインサート14との間で維持され、従って、溶接ヘッド10内でのアーク発生の可能性を最小化する。
【0044】
ブラシ70と回転子30との係合はまた、回転子へ、従って、電極42へと流れる電流の別の流路を提供する。これは、ブラシ70が電気伝導性材料(例えば、銅)から作製され、インサート14と同じ電気電位であるため、生じる。あるいは、ブラシ70は、非伝導性材料から作製され得る。ブラシ70が非伝導性材料から作製された場合、ブラシは、依然として、回転子30が、インサート14と物理的および電気的接触を維持するのに役立つ。インサート14が金属でない場合、ブラシ70は、回転子30への電流の流路を提供するために金属性であることが必要である。
【0045】
溶接ヘッド10が操作される場合、熱が発生する。溶接ヘッド10の部分(インサート14および回転子30を含む)が加熱され、結果として、膨張する。この膨張によって、回転子30がインサート14に結合しないことが望ましい。
【0046】
インサート突起50と回転子トラック60の構成は、回転子30のインサート14への結合の可能性を最小にする。詳細には、溶接ヘッド10の部分が図5に示されるような非膨張状態にある場合、回転子トラック60の内側側面64と外側側面66の両方が、インサート突起50と接触する。その後、回転子30がインサート14よりも大きく膨張した場合、回転子のトラック60は、図6に示されるように、インサート突起50に対して半径方向外向きに移動する。トラック60の側面64および66のうちの1つのみが、インサート突起50と接触したままである(示される場合において、側面64)。回転子30およびその溝60はまた、上方(軸18に対して平行な方向)および側方に(示される実施形態において、台形の45°の角度に起因して、(回転子の各側面において)同じ量で側方および上方に)、移動する。
【0047】
インサート突起50およびトラック60が45°以外の角度の側面を有する場合、垂直移動および水平移動の相対量が異なる。例えば、内側主要側面44と角度の付いた側面54および56との間の角度がより大きいと、半径方向の移動に対する軸方向の移動がより大きくなる。しかし、角度が90°に近づくにつれて、結合がより起こりやすくなる。対照的に、内側主要側面44と角度の付いた側面54および56との間の角度がより小さくなると、半径方向の移動に対する軸方向の移動が減少する。しかし、角度が0°に近づくにつれて、トラック60が突起50を飛び出る傾向が増加する。45°の角度は、実際に、結合の最小化と軸移動の最小との間の平均を提供するので、現在好ましい。
【0048】
回転子30の上方(軸方向)移動は、熱および膨張とともに必然的に生じる側方移動を適応させるために、許容される。しかし、上方移動の量は、電極42を被加工品に対して軸方向に遠くに移動させることを避けるために、望ましくは、最小にされる。台形形状によって生じる45°の角度が好ましい実施形態として示されるが、他の角度が溶接ヘッドサイズおよび他の因子に依存して、特定の適用において最適であり得ることが理解されるべきである。本発明は、全てのこのような改変を包含することを意図する。
【0049】
従って、回転子30が熱のため膨張する場合、回転子は、インサート14上への回転子の結合を引き起こし得る位置に移動せず(または再構成されず)、代わりに、インサート突起50に沿って自由に載り続ける。本発明の台形(または三角形)トラック60は、回転子30が台形または三角形の突起50の角度の付いた側面54および56に載るので、結合しない。
【0050】
回転子30が膨張する場合、トラック60は、軸18から離れるように、半径方向外側に移動する。この膨張が膨張方向に垂直な2つの表面と係合を引き起こす場合、回転子30は、垂直に移動を引き起こさない。このような膨張は、結果として、回転子30とインサート14との間の結合を引き起こし得る。
【0051】
本発明によって、トラック60および突起50の構成は、回転子30の半径方向の膨張によって生じる力が回転子の垂直方向の移動を生じるように選択される。これによって、回転子とインサート14との間に大きすぎる隙間を提供する必要性無しに、回転子の膨張が可能である。
【0052】
詳細には、回転子30の係合表面64および突起50の54は、回転子の膨張歩行に対して垂直でも平行でもない。従って、回転子30の膨張およびインサート突起50とのその係合は、合力の水平成分および垂直成分の両方を生じる。結果として、回転子30は、垂直および水平に移動(変位)する。これによって、回転子30は、インサート突起50上に結合しない位置に移動し得る。
【0053】
代表的に、回転子30は、インサート14よりも膨張する。なぜなら、溶接の間、回転子がより多くの熱を吸収するからである。インサート14が回転子30よりも膨張する場合、突起50およびトラック60の相対的な半径方向の位置は、図6に示されるようにならず、逆になる。すなわち、インサート14上の突起50の中心が、回転子上のトラック60の中心から半径方向外向きに配置される。この場合、インサート突起50の外側側面56は、回転子トラック60の外側表面66と係合し、インサート上に回転子が結合することなく、インサート14と回転子30との間の電気的接触を確立し、維持する。
【0054】
電極42と被加工品との間のアーク間隙(arc gap)は、隙間が回転子とインサート突起50との間に存在しない場合でさえ、回転子30がこのように記載されるように膨張する場合、中心に留まる。対照的に、矩形トラックを有する溶接ヘッドは、結合を避けるために、回転子とインサート突起50との間に隙間(間隙)を必要とする。このような間隙の存在は、回転子が被加工品と同心的に戻らず、不正確な電極の位置付けが生じ得ることを意味し得る。
【0055】
本発明の突起およびトラックの構成は、好ましくは、予め設計された隙間を有さない。従って、回転子の「こぼれ(slop)」も自由な遊びも無い。なぜなら、これは、より正確な溶接を提供し得る。予め設計された隙間は、回転子が、半径方向に膨張する場合、軸方向に自由に動き、従って、結合することなく膨張に適応するので、排除され得る。
【0056】
突起50の構成がトラック60の構成と類似するので、突起およびトラックは、単に線の接触ではなく、面積での接触を適用する嵌合表面を有する。回転子30とインサート14との間の接触の表面積をこの様式で大きくすることによって、より良い電気的接触が提供され、またユニット装填を減少するので、摩耗が減少する。本発明の非結合トラック特徴が、金属回転子とともにプラスチックインサートを使用する溶接ヘッドに適用可能であることが理解されるべきである。
【0057】
図7は、本発明の第2の実施形態に従う溶接ヘッド10aの一部を示す。溶接ヘッド10aにおいて、突起およびトラックの位置が逆である。詳細には、インサート14aは、台形溝またはトラック60aを有するが、回転子30aは、トラック内に受容される台形突起50aを有する。インサート14aのトラック60aの回転子30aの突起50aとの係合は、インサートに対して回転子を位置付ける。この係合はまた、部品が加熱され、上記のように不均一に膨張する場合でさえ、回転子30aとインサート14aとの間の電気的接触を維持する。
【0058】
図10および11は、代替の一片のブラシ/バネまたはブラシ90を示す。ブラシ90は、電気伝導性材料(例えば、金属)から一片として形成される。ブラシは、図10で平面で見た場合、全体的にC字型の構成を有する。
【0059】
ブラシは、内側部分、またはブラシ部分92、ならびに外側部分、またはバネ部分94を有する。ブラシ90の内側部分92は、1つの平面にある。ブラシ90の内側部分92の内側末梢縁部が、96において示されるように上側に曲がり、内側部分を強化するためのリムを形成し得る。
【0060】
2つの半径方向に突出するタブ98は、内側部分92を外側部分94と接続する。外側部分94は、内側部分92の平面から外に曲がり、2つのタブ98から延びる4つの正確なバネアーム100として形成される。バネアーム100は、弾性であり、従って、ブラシ90を位置付けるのに役立つ。
【0061】
ブラシ90は、ブラシ70の代わりに、図1の溶接ヘッド10において使用可能である。ブラシ90が溶接ヘッド10において組み立てられる場合、ブラシの内側部分またはブラシ部分92は、回転子30と接触する。ブラシ90のバネ部分94(すなわち、バネアーム100のグループ)は、第1のカバー28と接触する。ブラシ90は、上記されるように、回転子30を軸方向に位置付け、それをインサート14と接触させ、また回転子に対する電気の流路を提供するのを助ける。
【0062】
図12および13は、代替の一片のブラシ/バネまたはブラシ110を示す。ブラシ110は、電気伝導性材料(例えば、金属)から一片として形成される。ブラシ110は、図12で平面で見た場合、全体的にU字型の構成を有する。
【0063】
ブラシ110は、内側主要側面114および外側主要側面116を有するほぼ平面の主要本体部分112を有する。ブラシ110の主要本体部分112は、ブラシをインサート14へ固定するための固定具開口部を備える2つの端部118を有する。ブラシ110は、ブラシの内側主要側面114が回転子30と当接して係合するように、溶接ヘッド10内に組み立てられる。溶接ヘッド10で組み立てられる場合、ブラシ110は、インサート14と同じ電気電位である。
【0064】
ブラシ110は、さらに、1つ以上のバネフィンガー120を備える。バネフィンガー120は、ブラシ110の主要本体部分112とともに、一片として形成される弾性部材である。バネフィンガー120は、ブラシ110の主要本体部分112から外向きに曲がり、示されるように、ブラシの外側表面116上のL字型突出を形成する。示される実施形態において、3つのバネフィンガー120が提供される。バネフィンガー120をブラシ110の一部として形成することは、製造を簡単にする。別々の小さなバネは、操作および組み立てが困難であり得るので、これは、組み立てを簡単にする。
【0065】
ブラシ110は、ブラシ70の代わりに、図1の溶接ヘッド10において使用可能である。ブラシ110が溶接ヘッド10において組み立てられる場合、ブラシの主要本体部分112は、回転子30と接触する。ブラシ110のバネ部分120は、第1のカバー28と接触する。ブラシ110は、上記されるように、回転子30を軸方向に位置付け、それをインサート14と接触させ、また回転子に対する電気の流路を提供するのを助ける。
【0066】
図14および15は、ブラシ130および複数の別々のバネ132を備える代替のブラシ/バネ設計を示す。ブラシ130は、電気伝導性材料(例えば、金属)から一片として形成される。ブラシ130は、図12で平面で見た場合、全体的にU字型の構成を有する。ブラシ130は、ブラシをインサート14へ固定するための固定具開口部を備える2つの端部130を有する。ブラシ130は、回転子30と当接して係合するように、溶接ヘッド10内に組み立てられる。溶接ヘッド10で組み立てられる場合、ブラシ130は、インサート14と同じ電気電位である。
【0067】
図14および15の示される実施形態において、3つのブラシバネ132が提供される。ブラシバネ132は、ブラシ130と第1のカバー28との間に配置される。ブラシバネ132は、第1のカバー28とブラシ130との間で作動する弾性部材であり、ブラシを第1のカバーから離れるように押しやる。ブラシ130は、回転子30と係合するように押しやられ、ブラシバネ132の回転子への力を伝達する。
【0068】
ブラシバネ132の力は、回転子30を、インサート14への緊密な係合にする傾向がある。詳細には、この力は、回転子トラック60を、インサート突起50と緊密な係合にする傾向がある。結果として、物理的接触が、回転子30とインサート14との間で維持され、従って、溶接ヘッド10内でのアーク発生の可能性を最小化する。
【0069】
図1〜9とともに上に考察されるように、回転子とインサート14との間に大きすぎる初期の隙間を必要としない、回転子の膨張は、第1の実施形態に示されるトラックおよび突起の構成で得られる。代替の実施形態が可能である。所定の溶接ヘッドについて選択された特定の構成は、予測された膨張に基づいて、選択される。図16〜19は、インサート突起および回転子トラックについての多くの可能な代替の構成のうちの少しを示す。
【0070】
この例は、図16に示され、この図は、各々が、丸い(弓形またはそれ以外で湾曲した)プロフィールを有する、トラック142および突起144を備える溶接ヘッド140を示す。トラック142は、突起144上に湾曲した外側表面148を当接して係合する湾曲表面146を有する。2つの湾曲した表面146および148の曲率半径は、異なり、結合を最小化し、熱に起因して回転子が側方に膨張する場合に、回転子がインサート上を軸方向に移動することを可能にする。
【0071】
互いに係合する2つの表面(回転子上のトラック表面およびインサート上の突起表面)は、非嵌合表面であり得る。すなわち、トラック構成は、突起のトラック構成と同じである必要はない。(上記第1の実施形態において、トラックの台形の構成または三角形の構成は、同一または類似であり、突起の構成と嵌合する)。この例は、図17に示すように、台形のトラック150と矩形の突起152との組み合わせ;あるいは、図18に示されるように、矩形のトラック154と環状突起156の組み合わせである。他の可能なプロフィールとしては、放物線もしくは双曲線のプロフィール、または内巻き(involute)のような連続して変わる湾曲が挙げられる。
【0072】
トラックおよび突起の他の潜在的な組み合わせは、図19に示される。図19は、無数の可能なプロフィールおよびプロフィールの組み合わせのいくつかを示すマトリクスである。左の列は、突起またはトラックの内側側面についての可能な構成を示し、上部は、突起またはトラックの外側側面についての可能な構成を示す。好ましいプロフィールの組み合わせは、一般的に、線の接触よりも面の接触を生じ、半径方向運動の結果として妥当な量の軸方向の移動を生じるものである。
【0073】
本発明は、空冷軌道溶接ヘッド、水冷軌道溶接ヘッド、および他の強制冷却技術を使用する軌道溶接ヘッドに適用可能である。他のバリエーションも可能である。例えば、トラックは、示されるもの以外(すなわち、インサート以外)の部材上に形成され得る。このような変更および改変は、添付の特許請求の範囲によって網羅されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に従った溶接ヘッドの分解斜視図である。
【図2】図2は、図1の溶接ヘッドの一部を形成する金属インサートおよび回転子の平面図である。
【図3】図3は、図2のほぼライン3−3に沿って切断された断面図である。
【図4】図4は、溶接ヘッドの他の部分を追加した、図2に類似した平面図である。
【図5】図5は、図3の溶接ヘッドの一部の拡大断面図であり、溶接ヘッドの部分を非膨張状態で示す。
【図6】図6は、溶接ヘッドの一部を膨張状態で示す、図5に類似した図である。
【図7】図7は、本発明の第2の実施形態に従った、溶接ヘッドの図5に類似した図である。
【図8】図8は、図1の溶接ヘッドの一部を形成するブラシ/バネアセンブリの斜視図である。
【図9】図9は、図8のブラシ/バネアセンブリの平面図である。
【図10】図10は、本発明の第3の実施形態に従うブラシ/バネアセンブリの平面図である。
【図11】図11は、図10のブラシ/バネアセンブリの斜視図である。
【図12】図12は、本発明の第4の実施形態に従ったブラシ/バネアセンブリの平面図である。
【図13】図13は、図12のブラシ/バネアセンブリの斜視図である。
【図14】図14は、本発明の第5の実施形態に従ったブラシ/バネアセンブリの平面図である。
【図15】図15は、図14のブラシ/バネアセンブリの斜視図である。
【図16】図16は、本発明の第6の実施形態に従った溶接ヘッドの一部の図5に類似した拡大断面図である。
【図17】図17は、本発明の第7の実施形態に従った溶接ヘッドの一部の図5に類似した拡大断面図である。
【図18】図18は、本発明の第8の実施形態に従った溶接ヘッドの一部の図5に類似した拡大断面図である。
【図19】記載無し
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶接される被加工品を受容するための被加工品用開口部を有する円周溶接装置であって、該装置が、以下:
トラックを有する部材;
軸の周りで該部材上で回転可能な回転子であって、該回転子が、該被加工品用開口部内で被加工品を溶接するための、該被加工品の周りで回転するための電極を有する、回転子、
を備え、
該回転子が、該部材の該トラック内に受容される突起を有し;
該回転子および突起が、予め設計された隙間を有さず、該部材での結合無しに、該回転子の膨張を適応させるように構成されている、
装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記回転子および前記突起の構成が、該回転子の半径方向の膨張に応答して、該回転子の軸方向変位を生じる、装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、前記回転子および前記部材の前記相互係合表面が、前記軸を横切り、そして該回転子の半径方向運動の第1方向を横切る角度で延びる、装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置であって、前記回転子および前記部材の前記相互係合表面が、前記軸に対して45°の角度で延びる、装置。
【請求項5】
請求項3に記載の装置であって、前記回転子の軸方向運動の量が、該回転子の相互係合表面と前記部材の相互係合表面との間の界面における角度の関数として決定される、装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置であって、前記突起および前記トラックのうちの少なくとも1つが、台形構成を有する、装置。
【請求項7】
請求項4に記載の装置であって、前記突起と前記トラックとの両方が、台形構成を有する、装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置であって、前記突起および前記トラックのそれぞれが、弓形構成を有する、装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置であって、前記回転子上に側面負荷を及ぼす金属バネ/ブラシをさらに備え、該バネ/ブラシが、一片として形成される、装置。
【請求項10】
請求項9に記載の装置であって、前記部材および前記回転子が、金属から作製され、前記金属バネ/ブラシと同じ電気電位である、装置。
【請求項11】
請求項1に記載の装置であって、前記回転子上に側面負荷を及ぼす金属バネ/ブラシをさらに備え、該バネ/ブラシが、複数の片として形成される、装置。
【請求項12】
請求項1に記載の装置であって、前記回転子を覆うためのマイカラミネートカバーをさらに備える、装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置であって、前記回転子上に側面負荷を及ぼす金属バネ/ブラシをさらに備え、該バネ/ブラシが、前記マイカラミネートカバーと該回転子との間で作動する、装置。
【請求項14】
溶接される被加工品を受容するための被加工品用開口部を有する円周溶接装置であって、該装置が、以下:
部材;
軸の周りで該部材に対して回転するための、該部材上に支持された回転子であって、該回転子が、該被加工用開口部内で被加工品を溶接するための、該被加工用開口部の周りで回転可能な電極を有する、回転子、
を備え、
該回転子が、加熱の際に、該軸から半径方向に離れる第1方向に膨張可能であり;
該第1方向での該回転子の半径方向の膨張が、該部材から離れる方向での該回転子の軸方向運動を生じる、
装置。
【請求項15】
請求項14に記載の装置であって、前記部材および前記回転子が、加熱の際に、該回転子の半径方向の膨張に応答して、該回転子が該部材から離れる方向で軸方向に移動するように協働する相互係合表面を有する、装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置であって、前記部材と前記回転子との前記相互係合表面が、該部材および該回転子の台形部分の表面である、装置。
【請求項17】
請求項16に記載の装置であって、前記回転子が、台形のトラックを有し、そして前記部材が、該台形のトラックに一致する台形突起を有する、装置。
【請求項18】
請求項15に記載の装置であって、前記回転子の軸方向運動の量が、該回転子の相互係合表面と前記部材の相互係合表面との間の界面における角度の関数として決定される、装置。
【請求項19】
請求項14に記載の装置であって、前記回転子および前記部材が、相互係合弓形表面を有する、装置。
【請求項20】
請求項14に記載の装置であって、前記回転子上に側面負荷を及ぼす金属バネ/ブラシをさらに備え、該バネ/ブラシが、一片として形成される、装置。
【請求項21】
請求項20に記載の装置であって、前記部材および前記回転子が、金属から作製され、前記金属バネ/ブラシと同じ電気電位である、装置。
【請求項22】
請求項14に記載の装置であって、前記回転子を覆うためのマイカラミネートカバーをさらに備える、装置。
【請求項23】
請求項22に記載の装置であって、前記部材に対して、前記回転子上に側面負荷を及ぼす金属バネ/ブラシをさらに備え、該バネ/ブラシが、該部材と同じ電気電位であり、該バネ/ブラシが、該カバーと係合し、そして該カバーと該回転子との間で作動する、装置。
【請求項24】
溶接される被加工品を受容するための被加工品用開口部を有する円周溶接装置であって、該装置が、以下:
部材;
軸の周りで該部材に対して回転するための、該部材上に支持された回転子であって、該回転子が、該被加工用開口部内で被加工品を溶接するための、該被加工用開口部の周りで回転可能な電極を有する、回転子、
を備え、
該回転子が、加熱の際に、該軸から半径方向に離れる第1方向に膨張可能であり;
該回転子および該部材が、該回転子の該第1方向での半径方向の運動に応答して、該回転子の該部材から離れる方向の軸方向運動を生じるように協働する相互係合表面を有する、
装置。
【請求項25】
請求項24に記載の装置であって、前記回転子および前記部材の前記相互係合表面が、前記軸を横切り、そして該回転子の半径方向運動の第1方向を横切る角度で延びる、装置。
【請求項26】
請求項25に記載の装置であって、前記回転子および前記部材の前記相互係合表面が、前記軸に対して45°の角度で延びる、装置。
【請求項27】
請求項25に記載の装置であって、前記回転子の軸方向運動の量が、該回転子の相互係合表面と前記部材の相互係合表面との間の界面における角度の関数として決定される、装置。
【請求項28】
請求項24に記載の装置であって、前記部材が、前記回転子のトラック内に受容される突起を有し、該突起および該トラックのうちの少なくとも1つが、台形構成を有する、装置。
【請求項29】
請求項28に記載の装置であって、前記突起および前記トラックのそれぞれが、台形構成を有する、装置。
【請求項30】
請求項24に記載の装置であって、前記部材が、前記回転子において弓形のトラック内に受容される弓形突起を有する、装置。
【請求項31】
請求項24に記載の装置であって、前記回転子上に側面負荷を及ぼす金属バネ/ブラシをさらに備え、該バネ/ブラシが、一片として形成される、装置。
【請求項32】
請求項31に記載の装置であって、前記部材および前記回転子が、金属から作製され、前記金属バネ/ブラシと同じ電気電位である、装置。
【請求項33】
請求項24に記載の装置であって、前記回転子を覆うためのマイカラミネートカバーをさらに備える、装置。
【請求項34】
請求項33に記載の装置であって、前記部材に対して、前記回転子上に側面負荷を及ぼす金属バネ/ブラシをさらに備え、該バネ/ブラシが、該部材と同じ電気電位であり、該バネ/ブラシが、前記カバーと係合し、そして該カバーと該回転子との間で作動する、装置。
【請求項35】
溶接される被加工品を受容するための被加工品用開口部を有する円周溶接装置であって、該装置が、以下:
部材;
軸の周りで該部材に対して回転するための、該部材上に支持された回転子であって、該回転子が、該被加工用開口部内で被加工品を溶接するための、該被加工用開口部の周りで回転可能な電極を有する、回転子、
を備え、
該回転子が、加熱の際に、該軸から半径方向に離れる第1方向に膨張可能であり;
該回転子が、該部材に対して軸方向に移動可能であり、該部材に対する該回転子の軸方向の位置が、該回転子の温度の関数として決定される、
装置。
【請求項36】
請求項35に記載の装置であって、前記回転子および前記部材が、該回転子の温度の上昇から生じる該回転子の半径方向の膨張に応答して、該回転子を該部材に対して軸方向に移動させる相互係合傾斜表面を有する、装置。
【請求項37】
請求項36に記載の装置であって、前記傾斜表面が、前記回転子および前記部材の台形部分上に形成される、装置。
【請求項38】
請求項37に記載の装置であって、前記回転子が、台形のトラックを有し、そして前記部材が、前記台形のトラックに一致する台形突起を有する、装置。
【請求項39】
溶接される被加工品を受容するための被加工品用開口部を有する円周溶接装置であって、該装置が、以下:
部材;
軸の周りで該部材に対して回転するための、該部材上に支持された回転子であって、該回転子が、該被加工用開口部内で被加工品を溶接するための、該被加工用開口部の周りで回転可能な電極を有する、回転子;ならびに
該部材上に支持された電気絶縁性耐熱性カバーであって、該カバーが、マイカラミネート材料から作製されている、カバー、
を備える、装置。
【請求項40】
請求項39に記載の装置であって、前記部材が、前記回転子および該回転子を駆動するための1つ以上の歯車を支持するインサートであり、該インサートならびに該歯車および該回転子が、金属から作製されている、装置。
【請求項41】
請求項40に記載の装置であって、前記インサートに対して軸方向に前記回転子を装填するバネ/ブラシをさらに備え、該バネ/ブラシが、金属から作製されている、装置。
【請求項42】
請求項39に記載の装置であって、前記マイカラミネート材料が、カリウムまたはマグネシウムを含むアルミノ−シリケート組成物である、装置。
【請求項43】
請求項39に記載の装置であって、前記マイカラミネート材料が、約900°F〜約1300°F以上の範囲の連続使用温度で評価され、近接した溶接アークへの激しい曝露に耐える、装置。
【請求項44】
請求項39に記載の装置であって、前記カバーが、前記部材および前記回転子を実質的に覆う、装置。
【請求項45】
請求項39に記載の装置であって、前記部材の対抗する側に第2のカバーをさらに備え、該第2のカバーが、マイカラミネート材料から作製されている、装置。
【請求項46】
溶接される被加工品を受容するための被加工品用開口部を有する円周溶接装置であって、該装置が、以下:
金属から作製された部材;
軸の周りで該部材に対して回転するための、該部材上に支持された金属回転子であって、該回転子が、該被加工用開口部内で被加工品を溶接するための、該被加工用開口部の周りで回転可能な電極を有し、該回転子および該電極が、該部材と同じ電気電位である、回転子;ならびに
該部材に対して該回転子上に側面負荷を及ぼす金属バネ/ブラシであって、該バネ/ブラシが、該部材と同じ電気電位である、バネ/ブラシ、
を備える、装置。
【請求項47】
請求項46に記載の装置であって、前記部材が、前記被加工品用開口部の周りで回転するための前記回転子を支持するインサートである、装置。
【請求項48】
請求項46に記載の装置であって、前記バネ/ブラシが、一片として形成される、装置。
【請求項49】
請求項46に記載の装置であって、前記回転子を覆うためのマイカラミネートカバーをさらに備え、前記バネ/ブラシが、該カバーと係合し、該カバーと該回転子との間で作動する、装置。
【請求項50】
請求項46に記載の装置であって、前記部材および前記回転子が、予め設計された隙間を有さず、該部材での結合無しに、該回転子の膨張を適応させるように構成されている、装置。
【請求項51】
請求項50に記載の装置であって、前記回転子および前記突起の構成が、該回転子の半径方向の膨張に応答した該回転子の軸方向変位を生じる、装置。
【請求項52】
請求項51に記載の装置であって、前記回転子および前記部材の相互係合表面が、前記軸を横切り、そして該回転子の半径方向運動の第1方向を横切る角度で延びる、装置。
【請求項53】
請求項46に記載の装置であって、前記回転子および前記部材が、相互係合台形部分を有する、装置。
【請求項1】
溶接される被加工品を受容するための被加工品用開口部を有する円周溶接装置であって、該装置が、以下:
トラックを有する部材;
軸の周りで該部材上で回転可能な回転子であって、該回転子が、該被加工品用開口部内で被加工品を溶接するための、該被加工品の周りで回転するための電極を有する、回転子、
を備え、
該回転子が、該部材の該トラック内に受容される突起を有し;
該回転子および突起が、予め設計された隙間を有さず、該部材での結合無しに、該回転子の膨張を適応させるように構成されている、
装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記回転子および前記突起の構成が、該回転子の半径方向の膨張に応答して、該回転子の軸方向変位を生じる、装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、前記回転子および前記部材の前記相互係合表面が、前記軸を横切り、そして該回転子の半径方向運動の第1方向を横切る角度で延びる、装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置であって、前記回転子および前記部材の前記相互係合表面が、前記軸に対して45°の角度で延びる、装置。
【請求項5】
請求項3に記載の装置であって、前記回転子の軸方向運動の量が、該回転子の相互係合表面と前記部材の相互係合表面との間の界面における角度の関数として決定される、装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置であって、前記突起および前記トラックのうちの少なくとも1つが、台形構成を有する、装置。
【請求項7】
請求項4に記載の装置であって、前記突起と前記トラックとの両方が、台形構成を有する、装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置であって、前記突起および前記トラックのそれぞれが、弓形構成を有する、装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置であって、前記回転子上に側面負荷を及ぼす金属バネ/ブラシをさらに備え、該バネ/ブラシが、一片として形成される、装置。
【請求項10】
請求項9に記載の装置であって、前記部材および前記回転子が、金属から作製され、前記金属バネ/ブラシと同じ電気電位である、装置。
【請求項11】
請求項1に記載の装置であって、前記回転子上に側面負荷を及ぼす金属バネ/ブラシをさらに備え、該バネ/ブラシが、複数の片として形成される、装置。
【請求項12】
請求項1に記載の装置であって、前記回転子を覆うためのマイカラミネートカバーをさらに備える、装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置であって、前記回転子上に側面負荷を及ぼす金属バネ/ブラシをさらに備え、該バネ/ブラシが、前記マイカラミネートカバーと該回転子との間で作動する、装置。
【請求項14】
溶接される被加工品を受容するための被加工品用開口部を有する円周溶接装置であって、該装置が、以下:
部材;
軸の周りで該部材に対して回転するための、該部材上に支持された回転子であって、該回転子が、該被加工用開口部内で被加工品を溶接するための、該被加工用開口部の周りで回転可能な電極を有する、回転子、
を備え、
該回転子が、加熱の際に、該軸から半径方向に離れる第1方向に膨張可能であり;
該第1方向での該回転子の半径方向の膨張が、該部材から離れる方向での該回転子の軸方向運動を生じる、
装置。
【請求項15】
請求項14に記載の装置であって、前記部材および前記回転子が、加熱の際に、該回転子の半径方向の膨張に応答して、該回転子が該部材から離れる方向で軸方向に移動するように協働する相互係合表面を有する、装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置であって、前記部材と前記回転子との前記相互係合表面が、該部材および該回転子の台形部分の表面である、装置。
【請求項17】
請求項16に記載の装置であって、前記回転子が、台形のトラックを有し、そして前記部材が、該台形のトラックに一致する台形突起を有する、装置。
【請求項18】
請求項15に記載の装置であって、前記回転子の軸方向運動の量が、該回転子の相互係合表面と前記部材の相互係合表面との間の界面における角度の関数として決定される、装置。
【請求項19】
請求項14に記載の装置であって、前記回転子および前記部材が、相互係合弓形表面を有する、装置。
【請求項20】
請求項14に記載の装置であって、前記回転子上に側面負荷を及ぼす金属バネ/ブラシをさらに備え、該バネ/ブラシが、一片として形成される、装置。
【請求項21】
請求項20に記載の装置であって、前記部材および前記回転子が、金属から作製され、前記金属バネ/ブラシと同じ電気電位である、装置。
【請求項22】
請求項14に記載の装置であって、前記回転子を覆うためのマイカラミネートカバーをさらに備える、装置。
【請求項23】
請求項22に記載の装置であって、前記部材に対して、前記回転子上に側面負荷を及ぼす金属バネ/ブラシをさらに備え、該バネ/ブラシが、該部材と同じ電気電位であり、該バネ/ブラシが、該カバーと係合し、そして該カバーと該回転子との間で作動する、装置。
【請求項24】
溶接される被加工品を受容するための被加工品用開口部を有する円周溶接装置であって、該装置が、以下:
部材;
軸の周りで該部材に対して回転するための、該部材上に支持された回転子であって、該回転子が、該被加工用開口部内で被加工品を溶接するための、該被加工用開口部の周りで回転可能な電極を有する、回転子、
を備え、
該回転子が、加熱の際に、該軸から半径方向に離れる第1方向に膨張可能であり;
該回転子および該部材が、該回転子の該第1方向での半径方向の運動に応答して、該回転子の該部材から離れる方向の軸方向運動を生じるように協働する相互係合表面を有する、
装置。
【請求項25】
請求項24に記載の装置であって、前記回転子および前記部材の前記相互係合表面が、前記軸を横切り、そして該回転子の半径方向運動の第1方向を横切る角度で延びる、装置。
【請求項26】
請求項25に記載の装置であって、前記回転子および前記部材の前記相互係合表面が、前記軸に対して45°の角度で延びる、装置。
【請求項27】
請求項25に記載の装置であって、前記回転子の軸方向運動の量が、該回転子の相互係合表面と前記部材の相互係合表面との間の界面における角度の関数として決定される、装置。
【請求項28】
請求項24に記載の装置であって、前記部材が、前記回転子のトラック内に受容される突起を有し、該突起および該トラックのうちの少なくとも1つが、台形構成を有する、装置。
【請求項29】
請求項28に記載の装置であって、前記突起および前記トラックのそれぞれが、台形構成を有する、装置。
【請求項30】
請求項24に記載の装置であって、前記部材が、前記回転子において弓形のトラック内に受容される弓形突起を有する、装置。
【請求項31】
請求項24に記載の装置であって、前記回転子上に側面負荷を及ぼす金属バネ/ブラシをさらに備え、該バネ/ブラシが、一片として形成される、装置。
【請求項32】
請求項31に記載の装置であって、前記部材および前記回転子が、金属から作製され、前記金属バネ/ブラシと同じ電気電位である、装置。
【請求項33】
請求項24に記載の装置であって、前記回転子を覆うためのマイカラミネートカバーをさらに備える、装置。
【請求項34】
請求項33に記載の装置であって、前記部材に対して、前記回転子上に側面負荷を及ぼす金属バネ/ブラシをさらに備え、該バネ/ブラシが、該部材と同じ電気電位であり、該バネ/ブラシが、前記カバーと係合し、そして該カバーと該回転子との間で作動する、装置。
【請求項35】
溶接される被加工品を受容するための被加工品用開口部を有する円周溶接装置であって、該装置が、以下:
部材;
軸の周りで該部材に対して回転するための、該部材上に支持された回転子であって、該回転子が、該被加工用開口部内で被加工品を溶接するための、該被加工用開口部の周りで回転可能な電極を有する、回転子、
を備え、
該回転子が、加熱の際に、該軸から半径方向に離れる第1方向に膨張可能であり;
該回転子が、該部材に対して軸方向に移動可能であり、該部材に対する該回転子の軸方向の位置が、該回転子の温度の関数として決定される、
装置。
【請求項36】
請求項35に記載の装置であって、前記回転子および前記部材が、該回転子の温度の上昇から生じる該回転子の半径方向の膨張に応答して、該回転子を該部材に対して軸方向に移動させる相互係合傾斜表面を有する、装置。
【請求項37】
請求項36に記載の装置であって、前記傾斜表面が、前記回転子および前記部材の台形部分上に形成される、装置。
【請求項38】
請求項37に記載の装置であって、前記回転子が、台形のトラックを有し、そして前記部材が、前記台形のトラックに一致する台形突起を有する、装置。
【請求項39】
溶接される被加工品を受容するための被加工品用開口部を有する円周溶接装置であって、該装置が、以下:
部材;
軸の周りで該部材に対して回転するための、該部材上に支持された回転子であって、該回転子が、該被加工用開口部内で被加工品を溶接するための、該被加工用開口部の周りで回転可能な電極を有する、回転子;ならびに
該部材上に支持された電気絶縁性耐熱性カバーであって、該カバーが、マイカラミネート材料から作製されている、カバー、
を備える、装置。
【請求項40】
請求項39に記載の装置であって、前記部材が、前記回転子および該回転子を駆動するための1つ以上の歯車を支持するインサートであり、該インサートならびに該歯車および該回転子が、金属から作製されている、装置。
【請求項41】
請求項40に記載の装置であって、前記インサートに対して軸方向に前記回転子を装填するバネ/ブラシをさらに備え、該バネ/ブラシが、金属から作製されている、装置。
【請求項42】
請求項39に記載の装置であって、前記マイカラミネート材料が、カリウムまたはマグネシウムを含むアルミノ−シリケート組成物である、装置。
【請求項43】
請求項39に記載の装置であって、前記マイカラミネート材料が、約900°F〜約1300°F以上の範囲の連続使用温度で評価され、近接した溶接アークへの激しい曝露に耐える、装置。
【請求項44】
請求項39に記載の装置であって、前記カバーが、前記部材および前記回転子を実質的に覆う、装置。
【請求項45】
請求項39に記載の装置であって、前記部材の対抗する側に第2のカバーをさらに備え、該第2のカバーが、マイカラミネート材料から作製されている、装置。
【請求項46】
溶接される被加工品を受容するための被加工品用開口部を有する円周溶接装置であって、該装置が、以下:
金属から作製された部材;
軸の周りで該部材に対して回転するための、該部材上に支持された金属回転子であって、該回転子が、該被加工用開口部内で被加工品を溶接するための、該被加工用開口部の周りで回転可能な電極を有し、該回転子および該電極が、該部材と同じ電気電位である、回転子;ならびに
該部材に対して該回転子上に側面負荷を及ぼす金属バネ/ブラシであって、該バネ/ブラシが、該部材と同じ電気電位である、バネ/ブラシ、
を備える、装置。
【請求項47】
請求項46に記載の装置であって、前記部材が、前記被加工品用開口部の周りで回転するための前記回転子を支持するインサートである、装置。
【請求項48】
請求項46に記載の装置であって、前記バネ/ブラシが、一片として形成される、装置。
【請求項49】
請求項46に記載の装置であって、前記回転子を覆うためのマイカラミネートカバーをさらに備え、前記バネ/ブラシが、該カバーと係合し、該カバーと該回転子との間で作動する、装置。
【請求項50】
請求項46に記載の装置であって、前記部材および前記回転子が、予め設計された隙間を有さず、該部材での結合無しに、該回転子の膨張を適応させるように構成されている、装置。
【請求項51】
請求項50に記載の装置であって、前記回転子および前記突起の構成が、該回転子の半径方向の膨張に応答した該回転子の軸方向変位を生じる、装置。
【請求項52】
請求項51に記載の装置であって、前記回転子および前記部材の相互係合表面が、前記軸を横切り、そして該回転子の半径方向運動の第1方向を横切る角度で延びる、装置。
【請求項53】
請求項46に記載の装置であって、前記回転子および前記部材が、相互係合台形部分を有する、装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2007−502211(P2007−502211A)
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523280(P2006−523280)
【出願日】平成16年8月10日(2004.8.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/025763
【国際公開番号】WO2005/018862
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(505194402)スワゲロック カンパニー (20)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月10日(2004.8.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/025763
【国際公開番号】WO2005/018862
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(505194402)スワゲロック カンパニー (20)
【Fターム(参考)】
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