円筒ウォームおよび円筒ウォームギヤ
【課題】加工が容易で耐久性に優れた円筒ウォーム4および円筒ウォームギヤ1を提供すること。
【解決手段】円筒ウォーム4は、外形が円筒形に形成されている。相手方のウォームホイール2の歯たけ方向Hに沿って歯面4cが線接触する歯形に形成されている。円筒ウォーム4のウォーム中心軸Cに対し、ウォーム径方向に最も近い座標において、ウォームホイールの歯たけ方向に沿って歯面が線接触する歯形に決定されることによって、円筒ウォーム4は、その有効歯たけh’が、当該円筒ウォーム4の軸平面において、ウォームホイール2の歯先円Adに沿う鼓形状を有している。従って、同時にかみ合う歯数が従来の円筒ウォームに比べて多くなる。
【解決手段】円筒ウォーム4は、外形が円筒形に形成されている。相手方のウォームホイール2の歯たけ方向Hに沿って歯面4cが線接触する歯形に形成されている。円筒ウォーム4のウォーム中心軸Cに対し、ウォーム径方向に最も近い座標において、ウォームホイールの歯たけ方向に沿って歯面が線接触する歯形に決定されることによって、円筒ウォーム4は、その有効歯たけh’が、当該円筒ウォーム4の軸平面において、ウォームホイール2の歯先円Adに沿う鼓形状を有している。従って、同時にかみ合う歯数が従来の円筒ウォームに比べて多くなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒ウォームおよび円筒ウォームギヤに関する。
【背景技術】
【0002】
ウォームギヤは、直角で且つ交わらない2つの軸の間の動力の伝達に利用され、一般にねじ状のウォームと、それに噛み合うウォームホイールとで構成されている。ウォームギヤの種類としては、例えば、特許文献1、2に開示されているように、当該ウォームの歯先面(外形)が鼓形の鼓形ウォームギヤと、円筒形の円筒ウォームギヤとがあり、それぞれウォームホイールの材質や歯形によって細分化されている。
【0003】
図1を参照して、鼓形ウォームギヤ10は、ウォームホイール12と、このウォームホイール12に噛合する鼓形ウォーム14とを備えている。鼓形ウォーム14は、軸方向中間部の歯先円直径が軸方向両端部の歯先円直径に比べて小径に形成され、外形がウォームホイール12の歯先の軌跡によって構成される歯先円と同心の円弧状(鼓形)に形成されている。現在日本で実用されている代表的な鼓形ウォーム14は、ヒンドレーウォームである。
【0004】
他方、図2(B)を参照して、従来技術に係る円筒ウォームギヤ20は、ウォームホイール22と円筒ウォーム24とを備えている。ウォームホイール22は、例えば、プラスチック材料の射出成型品である。従来の円筒ウォーム24は、このウォームホイール22に噛合するよう、その外形が円筒形に形成されたねじ形になっている。
【0005】
円筒ウォームギヤ20は、鼓形ウォーム10よりも、設計、工作、組み立て等が容易であるため、一般に広く利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−147573号公報
【特許文献2】特開平5−196115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、円筒ウォームギヤ20では、ウォームホイール22と円筒ウォーム24の接触線は、ウォームホイール22の歯すじ方向T(図1参照)に沿うものとなる。この場合、円筒ウォームを潤滑する油膜は、歯すじ方向Tに沿って形成されるものであるため、接触部分に潤滑油が行き渡りにくくなり、好ましい潤滑が困難になるという問題があった。また、かみ合い部で双方の歯の摩耗が進みやくなり、耐摩耗性が損なわれてしまう問題もあった。
【0008】
この問題を解決するために、ウォームホイールの歯形に工夫を凝らし、例えば、ウォームホイールの歯形をインボリュ−ト歯形として転位歯車とする方法や、ニ−マン歯形等、凹円弧歯形とする方法等が提案されてきた。これにより、円筒ウォームとウォームホイールの歯当たりは、ある程度改善される。しかしながら、ウォームホイールの歯形を上述のように加工することは、ウォームホイールを創成するためのコストがかかり、困難である。特に、ウォームホイールをプラスチック材料で射出成形する場合には、高度な金型技術と成型技術を必要とし、実現が困難であった。
【0009】
一方、円筒ウォームに製造が容易なヘリカルギヤをウォームホイールとして組み合わせることも一般的である。特に、ウォームホイールをプラスチック材料で射出成形する場合には、ほとんど、ヘリカルギヤで構成されたウォームホイールが採用されている。しかしながら、ウォームホイールがヘリカルギヤの場合、従来の円筒ウォームとの歯当たりは、点接触になるため、集中応力が大きく、負荷容量が小さくなる。
【0010】
このように、従来の円筒ウォームギヤでは、廉価な構成で良好な歯当たりを得ることが困難であり、耐久性を高めることが難しかった。
【0011】
これに対して、鼓形ウォームギヤ10の場合、外形がウォームホイール12の歯先円と同心の円に沿うものであるであるから、歯当たりは、円筒ウォームギヤ20に比べて向上する。特に、インボリュートヘリカルギヤでウォームホイール12を構成した鼓形ウォーム×ウォームホイールの場合、ウォームホイール12の歯面12cと、鼓形ウォーム14の歯面14cの接触線16がウォームホイール12の歯たけ方向Hに沿って接触するため、潤滑油が行き渡りやすく、耐久性に優れている。
【0012】
しかしながら、鼓形ウォーム14は、その外形形状の故に単純な転造が困難である。そのため、専用機で加工する必要があり、実用例は、極めて少ない。
【0013】
また、図1に示すように、鼓形ウォームギヤ10では、ウォーム14の歯先円直径は、軸方向両端に向かうに従って順次、鼓状に拡径しているため、軸方向両端側の歯面14cの接触線16が、やや歯すじ方向Tに沿って拡がる傾向を有していた。そのため、この部分での油膜切れの問題を払拭しきれていなかった。
【0014】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、加工が容易で耐久性に優れた円筒ウォームおよび円筒ウォームギヤを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、本発明は、外形が円筒形に形成され、ウォームホイールに噛合する円筒ウォームにおいて、前記ウォームホイールの歯たけ方向に沿って歯面が線接触する歯形を有することを特徴とする円筒ウォームである。この態様では、円筒ウォームの歯面が相手方のウォームホイールの歯面に対し、当該ウォームホイールの歯たけ方向に沿う1本の接触線を形成するので、点接触のような負荷容量の減少を招くことなく、円筒ウォームの歯面と相手方のウォームホイールの歯面との間に接触部分に潤滑油が行き渡りやすくなり、好適な潤滑特性を得ることが可能になる。従って、かみ合い部で双方の歯の摩耗が進みにくくなり、従来の円筒ウォーム(歯形が単純に同一方向に沿って螺旋状に形成されたもの)や鼓形ウォームに比べ、耐久性が格段に向上する。加えて、円筒ウォームは、歯先円直径(外形)が円筒形であるため、円筒ウォームのウォーム中心軸方向両側において、鼓形ウォームにおいて生じる歯すじ方向の接触を回避することが可能になる。しかも、外形が円筒形に形成されているので、成形(転造)が容易になる。従って、量産が容易になり、コスト低減に寄与する。
【0016】
好ましい態様の円筒ウォームにおいて、前記円筒ウォームのピッチ点は、当該円筒ウォームの中心軸方向において、前記ウォームホイールの中心軸と同心の円弧上に配列されている。この態様では、円筒ウォームは、円筒形の外形を維持しつつ、あたかもウォームホイールの歯形によって鼓形状に削り取られたような歯溝になり、同時にかみ合う歯数が従来の円筒ウォームに比べて多くなる。
【0017】
好ましい態様の円筒ウォームにおいて、前記歯形は、インボリュートヘリカルギヤで構成された前記ウォームホイールに適合する歯形に形成されている。この態様では、円筒ウォームをインボリュートヘリカルギヤで構成されたウォームホイールと組み合わせることが可能となり、ウォームとウォームホイールの線接触部分が滑らかに滑り移動して運動を伝達するので、誤差が回転精度や噛み合いに影響を及ぼしにくくなる。
【0018】
本発明の別の態様は、ウォームホイールと、外形が円筒形に形成され、且つ前記ウォームホイールとの噛合時に当該ウォームホイールの歯たけ方向に沿って歯面が線接触する歯形を有している円筒ウォームとを備えている円筒ウォームギヤである。この態様では、円筒ウォームの歯面が相手方のウォームホイールの歯面に対し、当該ウォームホイールの歯たけ方向に沿う1本の接触線を形成するので、点接触のような負荷容量の減少を招くことなく、円筒ウォームの歯面と相手方のウォームホイールの歯面との間に接触部分に潤滑油が行き渡りやすくなり、好適な潤滑特性を得ることが可能になる。従って、かみ合い部で双方の歯の摩耗が進みにくくなり、従来の円筒ウォームや鼓形ウォームに比べ、耐久性が格段に向上する。加えて、円筒ウォームは、歯先円直径(外形)が円筒形であるため、円筒ウォームのウォーム中心軸方向両側において、鼓形ウォームにおいて生じる歯すじ方向の接触を回避することが可能になる。しかも、外形が円筒形に形成されているので、成形(転造)が容易になる。従って、量産が容易になり、コスト低減に寄与する。
【0019】
好ましい態様の円筒ウォームギヤにおいて、前記円筒ウォームのピッチ点は、当該円筒ウォームの中心軸方向において、前記ウォームホイールの中心軸と同心の円弧上に配列されている。この態様では、円筒ウォームは、円筒形の外形を維持しつつ、あたかもウォームホイールの歯形によって鼓形状に削り取られたような歯溝になり、同時にかみ合う歯数が従来の円筒ウォームに比べて多くなる。
【0020】
好ましい態様の円筒ウォームギヤにおいて、前記ウォームホイールは、インボリュートヘリカルギヤである。この態様では、ウォームとウォームホイールの線接触部分が滑らかに滑り移動して運動を伝達するので、誤差が回転精度や噛み合いに影響を及ぼしにくくなる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によれば、円筒ウォームの歯面と相手方のウォームホイールの歯面とが、当該ウォームホイールの歯たけ方向に沿う1本の接触線を形成する結果、好適な潤滑特性を得ることが可能になり、耐久性が格段に向上する。また、同時にかみ合う歯数が従来の円筒ウォームに比べて多くなるので、負荷容量が増大し、コスト低減と耐久性の向上に有利となる。しかも、外形が円筒形に形成されているので、成形(転造)が容易になる。従って、量産が容易になり、コスト低減に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】従来技術に係る鼓形ウォームの構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の一形態に係る円筒ウォームギヤと一般的な従来の円筒ウォームギヤとを比較するものであり、(A)は本発明の実施の一形態に係る円筒ウォームギヤの要部を示す拡大図、(B)は従来技術の要部を示す拡大図である。
【図3】図2(A)の実施形態に係る円筒ウォームギヤの噛合状態を説明する説明図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【図5】図2(A)の実施形態に係る要部拡大斜視図である。
【図6】図2(A)の実施形態に係る要部拡大図である。
【図7】本発明の変形例を示す要部拡大図である。
【図8】本発明のさらに別の実施形態を示す要部拡大斜視図である。
【図9】本発明のさらに別の実施形態に係る円筒ウォームギヤ要部を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0024】
図2(A)および図3参照して、本発明の実施の一形態に係る円筒ウォームギヤ1は、ウォームホイール2と円筒ウォーム4とを備えている。
【0025】
図示のウォームホイール2は、プラスチック材料で形成されたインボリュートヘリカルギヤである。なお、以下の説明において、ウォームホイール2の軸直角平面(正面)での歯形を正面歯形という。
【0026】
円筒ウォーム4は、ウォームホイール2の円周上の所定箇所において、ウォームホイール2のホイール中心軸C2(図3参照)に対し、直角で且つ交わらない線上にウォーム中心軸Cを沿わせて、噛合している。円筒ウォーム4の材質は、鋼材が好適である。
【0027】
円筒ウォーム4は、外形が円筒形になるように、その歯先面4aが、中心軸Cに沿って同一直径に形成されている。従って、図2(B)に示す従来の円筒ウォーム24と同様に、単純な展開図を構成するデータに基づいて転造することが可能になるので、設計やマシニング加工が容易になっている。
【0028】
他方、本実施形態に係る円筒ウォーム4の軸平面における歯形は、その有効歯たけh’がウォームホイール2の歯先円Adに沿う鼓形状を有しており、ウォームホイール2の歯たけ方向Hに沿って、1本の線状の接触線6を形成する歯面2cを備えている(図5参照)。本実施形態の円筒ウォーム4は、相手方となるウォームホイール2の歯形座標に基づき、以下の手順で容易且つ確実に実現することが可能である。なお、「ウォームホイール2の歯たけ方向に沿う」とは、ウォームホイール2の歯たけ方向Hと平行であることをいうが、潤滑油の流れに支障がない限りにおいて若干の傾斜やずれを許容する概念である。
【0029】
次に、図3を参照して、円筒ウォーム4の歯形座標を決定する手順について説明する。以下の説明では、ウォームホイール2の歯形座標並びに円筒ウォームギヤ1の中心距離aは、既知であり、円筒ウォーム4の歯形座標は、既知のウォームホイール2の歯形座標に基づいて決定されることを前提としている。なお、図3において、符号のdは、ウォームホイール2の基準ピッチ円直径、daは、歯先円直径、dbは、基礎円直径、dfは、歯底円直径である。
【0030】
円筒ウォーム4の歯形座標を決定する概略的な手順としては、まず、あるホイール回転角での円筒ウォーム4の軸平面における歯形を、前記のように既知のウォームホイール2の歯形座標により決定する。次いで、ウォーム回転角ω1に対し、ウォームホイール2の回転角ω2は、
【0031】
【数1】
【0032】
の関係にあることから、(1)式の関係に基づいて、回転角ω2におけるウォームホイール2の歯形座標を求め、該歯形座標から、円筒ウォーム4の全周(ω1が0から2π)にわたって円筒ウォーム4の軸平面での歯形座標を繰り返し演算することにより、円筒ウォーム4の三次元座標を求めることとしている。
【0033】
以下の説明において、ある瞬間のウォームホイール2の回転角ω2を初期のホイール回転角(ω2=0°)とする。図示の例では、この初期のホイール回転角(ω2=0°)において、ウォームホイール2の基準軸線Ax(ホイール中心軸C2を通り円筒ウォーム4のウォーム中心軸Cと直交する直径方向の軸。以下、同様。)に、一枚の歯2tが位置している。また、(1)式に基づき、初期のホイール回転角(ω2=0°)に対して決まる円筒ウォーム4の回転角ω1を初期のウォーム回転角(ω1=0°)とする。
【0034】
初期のウォーム回転角(ω1=0°)での円筒ウォーム4の軸平面での座標を決定する手順において、基準軸線Axが基準となっている。ピッチ円直径dwを決定する場合、ウォームホイール2のピッチ円Pと基準軸線Axとの交点を求めて基準座標とし、この基準座標からピッチ円Pとウォームホイール2の正面歯形との交点を求めることによってピッチ点を演算する。また、歯底円直径dwfは、基準軸線Ax上において、ウォームホイール2の歯先円直径daに対し、クリアランスckaを考慮してウォームホイール2の径方向外方にずらした座標を設定し、この座標を通る歯先円Adよりも大径且つ同心の仮想円PCに基づいて決定される。本実施形態では、この仮想円PCによって、円筒ウォーム4の軸平面における歯底4bの座標を決定するので、円筒ウォーム4の軸平面における歯底4bは、仮想円PCを包絡線とする歯形を形成する。また、円筒ウォームギヤ1の中心距離aに基づき、円筒ウォーム4の歯先面直径dwを決定することができる。
【0035】
次いで、図3の関係から、当該回転角(ω1=0°、ω2=0°)における歯面4cのうち、歯先円Adと交差する範囲、すなわち、ウォームホイール2の有効歯たけ部分(噛み合い部分)の座標を決定する。その場合、ウォームホイール2の歯先円直径daよりも大きい部分、すなわち、クリアランスckaに対応する部分については、ウォームホイール2の歯形部分ではないため、仮想円PCに基づき、円筒ウォーム4の歯底部4bに与えられた座標を有効歯たけ部分(噛み合い部分)の座標に接続し、円筒ウォーム4の歯形面4cの歯形座標が決定される。このようにして、ウォームホイール2の初期のホイール回転角(ω2=0°)での正面歯形の座標に対応して、初期のウォーム回転角ω1(ω1=0)における円筒ウォーム4の軸平面での一端側の点FP0から他端側の点FP2までの座標(FP0〜FP1〜FP2)が決定される。これにより、円筒ウォーム4のピッチ点は、当該円筒ウォーム4の中心軸C方向において、ウォームホイール2の中心軸C2と同心の円弧(ピッチ円P)上に配列されることになる。ここで歯形の座標を決定する上で重要な点は、
(1)図3の噛合状態において、ウォームホイール2の歯面2cに対し、円筒ウォーム4の歯面4cが歯たけ方向Hに線接触するように、噛み合い部分での円筒ウォーム4の歯形座標が決定されていること、並びに
(2)(1)で決定される基準となる歯形座標を円筒ウォーム4のウォーム中心軸Cに最も近い座標で処理していること
の2点である。これら2点により、円筒ウォーム4のウォーム中心軸C方向両側で、ウォームホイール2の歯形と円筒ウォーム4の歯形との食い込み(ウォームホイール2の歯と円筒ウォーム4の歯形が重なった状態)を阻止し、図1に示したような歯すじ方向の接触を回避しつつ、ウォームホイール2の歯面2cと円筒ウォーム4の歯面4cとが、当該ウォームホイール2の歯たけ方向に沿う1本の接触線を形成することになる。
【0036】
図5を参照して、上述のように形成された円筒ウォーム4は、軸平面において、その有効歯たけh’がウォームホイール2の歯先円Adに沿う鼓形状を呈し、しかも歯面が全周(ω1が0から2π)にわたって歯たけ方向Hに沿い、図の符号6で示すように、一本の接触線6を形成することになる。
【0037】
これに対し、図2(B)に示したような、一般的な円筒ウォームギヤ(例えば、ニーマン歯形のもの)20では、歯面24cの接触線が、ウォームホイール22の歯面22cの歯すじ方向Tに接触する。ウォームギヤの潤滑油は、ウォームホイール22の歯すじ方向Tに沿うので、ウォームホイール22と円筒ウォーム24の当たりが強すぎると、油膜が行き渡りにくくなるという問題がある。他方、本実施形態では、接触線がウォームホイール2の歯たけ方向Hに沿うので、接触線6の全長にわたり、潤滑油が行き渡りやすくなる。そのため、好適な当たりで油膜の形成されやすい噛合構造を得ることが可能となる。のみならず、歯面4cの接触線6がウォームホイール2の歯たけ方向Hに沿うことによって、潤滑油の入口側に油膜形成のための隙間を形成し、歯すじ方向の歯当たりの中心を出口側にずらして、より理想的な油膜を形成することも可能になる。
【0038】
ウォームホイールの歯たけ方向Hに沿って接触線が形成される点では、鼓形ウォームギヤにおいても同様の作用がある。しかしながら、鼓形ウォームギヤでは、図1に示すように、ウォーム14の歯先円直径は、軸方向両端に向かうに従って順次、鼓状に拡径しているため、軸方向両端側の歯面14cの接触線16が、やや歯すじ方向Tに沿って拡がる傾向を有している。これに対し、本実施形態に係る円筒ウォーム4は、上記基準軸線Axに基づいて円筒ウォーム4のピッチ円直径dwや、歯底円直径dwfを決定しているので、図5に示すように、そのような傾向が低減され(或いは除去され)、軸方向全長にわたって、より好適な接触特性を得ることができるようになっている。
【0039】
加えて、本実施形態では、従来技術に係る円筒ウォームギヤ20に比べ、同時にかみ合う歯数が格段に多くすることが可能になる。従来技術の円筒ウォーム24の同時噛み合い歯数は、2程度である。これに対し、本実施形態では、円筒ウォーム4が、軸平面での有効歯たけh’がウォームホイール2の歯先円Adに沿う鼓形状を呈しているので、円筒形の外形を維持しつつ、あたかもウォームホイール2の歯形によって歯溝が鼓形状に削り取られたようになることによって、4〜6歯のかみ合いが可能となるのである。言い換えると、円筒形の外形を維持しつつ、当該円筒ウォーム4の中心軸Cの一端側から他端側へ順に、円筒ウォーム4の歯底4dの座標を滑らかに繋いだ場合に、この歯底4dの座標により構成される軌跡(輪郭)が鼓形を呈している。従って、動力伝達力が向上し、また、耐久性が高くなる。
【0040】
本実施形態の円筒ウォーム4を形成する際は、ウォームホイール2に適合する諸元をデータ化し、その歯形を平面に展開することにより容易に設計することが可能である。そして、展開されたデータに基づいて、転造用金型を製造することにより、容易に量産することが可能となる。この点も、鼓形ウォームとは大きく相違している。
【0041】
なお、図示の例では、図6に示すように、ウォームホイール2の歯厚S1と、円筒ウォーム4の歯厚S2が概ね等しくなる標準的な形態を採用している。また、ウォームホイール2がインボリュートヘリカルギヤであるため、その歯面2cは、滑らかに円筒ウォーム4の歯面4cに滑り接触し、円筒ウォーム4の動力が当該ウォームホイール2を回転する方向に伝達される。
【0042】
以上説明したように、本実施形態に係る円筒ウォームギヤ1の円筒ウォーム4は、外形が円筒形に形成され、ウォームホイール2に噛合する円筒ウォーム4において、ウォームホイール2の歯たけ方向Hに沿って歯面4cが線接触する歯形を有している。このため本実施形態では、円筒ウォーム4の歯面4cが相手方のウォームホイール2の歯面4cに対し、当該ウォームホイール2の歯たけ方向Hに沿う1本の接触線6を形成するので、従来の円筒ウォームギヤ20における点接触のような負荷容量の減少を招くことなく、円筒ウォーム4の歯面4cと相手方のウォームホイール2の歯面4cとの間に接触部分に潤滑油が行き渡りやすくなり、好適な潤滑特性を得ることが可能になる。従って、かみ合い部で双方の歯の摩耗が進みにくくなり、従来の円筒ウォーム24(歯形が単純に同一方向に沿って螺旋状に形成されたもの)に比べ、耐久性が格段に向上する。加えて、円筒ウォーム4は、歯先円直径dwa(外形)が円筒形であるため、鼓形ウォームにおいて生じる歯すじ方向Tの接触(図1参照)を回避することが可能になる。しかも、外形が円筒形に形成されているので、成形(転造)が容易になる。従って、量産が容易になり、コスト低減に寄与する。
【0043】
また本実施形態では、円筒ウォーム4のピッチ点は、当該円筒ウォーム4の中心軸C方向において、前記ウォームホイール2の中心軸C2と同心の円弧上に配列されている。換言すれば、円筒ウォーム4の中心軸平面における歯底面4cの包絡線(仮想円PC)が、ウォームホイール2の中心軸C2と同心の円弧状を呈する歯形に形成されている。このため本実施形態では、円筒ウォーム4の軸平面において、各歯底4bは、その歯底4bに噛合するウォームホイール2の歯厚方向中央部の法線がウォームホイール2のホイール中心軸C2から放射状に延びるような状態となり、歯先円Adに沿う鼓形状を有している。これによって、円筒ウォーム4は、円筒形の外形を維持しつつ、あたかもウォームホイール2の歯形によって鼓形状に削り取られたような歯溝になり、同時にかみ合う歯数が従来の円筒ウォーム4に比べて多くなる。
【0044】
また本実施形態では、ウォームホイール2は、インボリュートヘリカルギヤであり、円筒ウォーム4の歯形は、インボリュートヘリカルギヤで構成されたウォームホイール2に適合する歯形に形成されている。このため本実施形態では、円筒ウォーム4とウォームホイール2の線接触部分が滑らかに滑り移動して運動を伝達するので、誤差が回転精度や噛み合いに影響を及ぼしにくくなる。
【0045】
以上説明したように、実施形態によれば、好適な潤滑特性を得ることが可能になり、耐久性が格段に向上する。また、同時にかみ合う歯数が従来の円筒ウォーム4に比べて多くなり、負荷容量が増大し、コスト低減と耐久性の向上に有利となる。しかも、外形が円筒形に形成されているので、成形(転造)が容易になる。従って、量産が容易になり、コスト低減に寄与する。また、本実施形態に係る円筒ウォームギヤ1によれば、種々の精密機械への応用範囲が広くなる。
【0046】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることはいうまでもない。
【0047】
図6を参照して、例えば、上述した円筒ウォームギヤ1では、ウォームホイール2の歯厚S1と、円筒ウォーム4の歯厚S2が概ね等しくなる形態を採用していた。
【0048】
しかし、本発明は、図6のような形態に限らず、図7に示す形態を採用してもよい。図7に示す形態では、ウォームホイール2の歯厚S1が、円筒ウォーム4の歯厚S2よりも大きく設定されている例を示している。このような態様を採用した場合には、特に、ウォームホイール2の材質がプラスチック材料であり、円筒ウォーム4が鋼材である場合に、強度バランスが均衡し、耐久性の高い構造となる。
【0049】
また、図2(A)に示した実施形態では、ウォームホイール2がインボリュートヘリカルギヤであったが、本発明では、インボリュートヘリカルギヤに限定されない。
【0050】
例えば、図8に示すように、ウォームホイールの歯先Rを大きくし、歯厚S1を厚くした構成を採用してもよい。図8に示す構成を採用した場合には、インボリュート以外の形状で滑らかな滑り接触を実現することのできる噛合構造を得ることが可能となる。
【0051】
また、本発明に係る円筒ウォーム4は、ウォーム中心軸Cに対し、ウォーム径方向に最も近い座標において、ウォームホイール2の歯たけ方向Hに沿って歯面が線接触する歯形に決定されていればよく、その最も近い座標がウォーム中心軸C方向において中央部分に存在する必要はない。例えば、図9の(A)に示すように、ウォーム径方向に最も近い座標がウォーム中心軸Cにおいて、一端側(図において左側)にずれていてもよく、或いは、図9の(B)に示すように、他端側(図において右側)にずれていてもよい。
【0052】
その他、本発明の特許請求の範囲内で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0053】
2 ウォームホイール
2c 歯面
4 円筒ウォーム
4a 歯先面
4b 歯底部
4c 歯面
6 接触線
A 円筒ウォームギヤ
Ax 基準軸線
C ウォーム中心軸
C2 ホイール中心軸
Cka クリアランス
dwa ピッチ円直径
dwf 歯底円直径
FP0 点
FP2 点
H 歯たけ方向
PC 仮想円(包絡線)
R 歯先
T 歯すじ方向
ω1 ウォーム回転角
ω2 ウォーム回転角
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒ウォームおよび円筒ウォームギヤに関する。
【背景技術】
【0002】
ウォームギヤは、直角で且つ交わらない2つの軸の間の動力の伝達に利用され、一般にねじ状のウォームと、それに噛み合うウォームホイールとで構成されている。ウォームギヤの種類としては、例えば、特許文献1、2に開示されているように、当該ウォームの歯先面(外形)が鼓形の鼓形ウォームギヤと、円筒形の円筒ウォームギヤとがあり、それぞれウォームホイールの材質や歯形によって細分化されている。
【0003】
図1を参照して、鼓形ウォームギヤ10は、ウォームホイール12と、このウォームホイール12に噛合する鼓形ウォーム14とを備えている。鼓形ウォーム14は、軸方向中間部の歯先円直径が軸方向両端部の歯先円直径に比べて小径に形成され、外形がウォームホイール12の歯先の軌跡によって構成される歯先円と同心の円弧状(鼓形)に形成されている。現在日本で実用されている代表的な鼓形ウォーム14は、ヒンドレーウォームである。
【0004】
他方、図2(B)を参照して、従来技術に係る円筒ウォームギヤ20は、ウォームホイール22と円筒ウォーム24とを備えている。ウォームホイール22は、例えば、プラスチック材料の射出成型品である。従来の円筒ウォーム24は、このウォームホイール22に噛合するよう、その外形が円筒形に形成されたねじ形になっている。
【0005】
円筒ウォームギヤ20は、鼓形ウォーム10よりも、設計、工作、組み立て等が容易であるため、一般に広く利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−147573号公報
【特許文献2】特開平5−196115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、円筒ウォームギヤ20では、ウォームホイール22と円筒ウォーム24の接触線は、ウォームホイール22の歯すじ方向T(図1参照)に沿うものとなる。この場合、円筒ウォームを潤滑する油膜は、歯すじ方向Tに沿って形成されるものであるため、接触部分に潤滑油が行き渡りにくくなり、好ましい潤滑が困難になるという問題があった。また、かみ合い部で双方の歯の摩耗が進みやくなり、耐摩耗性が損なわれてしまう問題もあった。
【0008】
この問題を解決するために、ウォームホイールの歯形に工夫を凝らし、例えば、ウォームホイールの歯形をインボリュ−ト歯形として転位歯車とする方法や、ニ−マン歯形等、凹円弧歯形とする方法等が提案されてきた。これにより、円筒ウォームとウォームホイールの歯当たりは、ある程度改善される。しかしながら、ウォームホイールの歯形を上述のように加工することは、ウォームホイールを創成するためのコストがかかり、困難である。特に、ウォームホイールをプラスチック材料で射出成形する場合には、高度な金型技術と成型技術を必要とし、実現が困難であった。
【0009】
一方、円筒ウォームに製造が容易なヘリカルギヤをウォームホイールとして組み合わせることも一般的である。特に、ウォームホイールをプラスチック材料で射出成形する場合には、ほとんど、ヘリカルギヤで構成されたウォームホイールが採用されている。しかしながら、ウォームホイールがヘリカルギヤの場合、従来の円筒ウォームとの歯当たりは、点接触になるため、集中応力が大きく、負荷容量が小さくなる。
【0010】
このように、従来の円筒ウォームギヤでは、廉価な構成で良好な歯当たりを得ることが困難であり、耐久性を高めることが難しかった。
【0011】
これに対して、鼓形ウォームギヤ10の場合、外形がウォームホイール12の歯先円と同心の円に沿うものであるであるから、歯当たりは、円筒ウォームギヤ20に比べて向上する。特に、インボリュートヘリカルギヤでウォームホイール12を構成した鼓形ウォーム×ウォームホイールの場合、ウォームホイール12の歯面12cと、鼓形ウォーム14の歯面14cの接触線16がウォームホイール12の歯たけ方向Hに沿って接触するため、潤滑油が行き渡りやすく、耐久性に優れている。
【0012】
しかしながら、鼓形ウォーム14は、その外形形状の故に単純な転造が困難である。そのため、専用機で加工する必要があり、実用例は、極めて少ない。
【0013】
また、図1に示すように、鼓形ウォームギヤ10では、ウォーム14の歯先円直径は、軸方向両端に向かうに従って順次、鼓状に拡径しているため、軸方向両端側の歯面14cの接触線16が、やや歯すじ方向Tに沿って拡がる傾向を有していた。そのため、この部分での油膜切れの問題を払拭しきれていなかった。
【0014】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、加工が容易で耐久性に優れた円筒ウォームおよび円筒ウォームギヤを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、本発明は、外形が円筒形に形成され、ウォームホイールに噛合する円筒ウォームにおいて、前記ウォームホイールの歯たけ方向に沿って歯面が線接触する歯形を有することを特徴とする円筒ウォームである。この態様では、円筒ウォームの歯面が相手方のウォームホイールの歯面に対し、当該ウォームホイールの歯たけ方向に沿う1本の接触線を形成するので、点接触のような負荷容量の減少を招くことなく、円筒ウォームの歯面と相手方のウォームホイールの歯面との間に接触部分に潤滑油が行き渡りやすくなり、好適な潤滑特性を得ることが可能になる。従って、かみ合い部で双方の歯の摩耗が進みにくくなり、従来の円筒ウォーム(歯形が単純に同一方向に沿って螺旋状に形成されたもの)や鼓形ウォームに比べ、耐久性が格段に向上する。加えて、円筒ウォームは、歯先円直径(外形)が円筒形であるため、円筒ウォームのウォーム中心軸方向両側において、鼓形ウォームにおいて生じる歯すじ方向の接触を回避することが可能になる。しかも、外形が円筒形に形成されているので、成形(転造)が容易になる。従って、量産が容易になり、コスト低減に寄与する。
【0016】
好ましい態様の円筒ウォームにおいて、前記円筒ウォームのピッチ点は、当該円筒ウォームの中心軸方向において、前記ウォームホイールの中心軸と同心の円弧上に配列されている。この態様では、円筒ウォームは、円筒形の外形を維持しつつ、あたかもウォームホイールの歯形によって鼓形状に削り取られたような歯溝になり、同時にかみ合う歯数が従来の円筒ウォームに比べて多くなる。
【0017】
好ましい態様の円筒ウォームにおいて、前記歯形は、インボリュートヘリカルギヤで構成された前記ウォームホイールに適合する歯形に形成されている。この態様では、円筒ウォームをインボリュートヘリカルギヤで構成されたウォームホイールと組み合わせることが可能となり、ウォームとウォームホイールの線接触部分が滑らかに滑り移動して運動を伝達するので、誤差が回転精度や噛み合いに影響を及ぼしにくくなる。
【0018】
本発明の別の態様は、ウォームホイールと、外形が円筒形に形成され、且つ前記ウォームホイールとの噛合時に当該ウォームホイールの歯たけ方向に沿って歯面が線接触する歯形を有している円筒ウォームとを備えている円筒ウォームギヤである。この態様では、円筒ウォームの歯面が相手方のウォームホイールの歯面に対し、当該ウォームホイールの歯たけ方向に沿う1本の接触線を形成するので、点接触のような負荷容量の減少を招くことなく、円筒ウォームの歯面と相手方のウォームホイールの歯面との間に接触部分に潤滑油が行き渡りやすくなり、好適な潤滑特性を得ることが可能になる。従って、かみ合い部で双方の歯の摩耗が進みにくくなり、従来の円筒ウォームや鼓形ウォームに比べ、耐久性が格段に向上する。加えて、円筒ウォームは、歯先円直径(外形)が円筒形であるため、円筒ウォームのウォーム中心軸方向両側において、鼓形ウォームにおいて生じる歯すじ方向の接触を回避することが可能になる。しかも、外形が円筒形に形成されているので、成形(転造)が容易になる。従って、量産が容易になり、コスト低減に寄与する。
【0019】
好ましい態様の円筒ウォームギヤにおいて、前記円筒ウォームのピッチ点は、当該円筒ウォームの中心軸方向において、前記ウォームホイールの中心軸と同心の円弧上に配列されている。この態様では、円筒ウォームは、円筒形の外形を維持しつつ、あたかもウォームホイールの歯形によって鼓形状に削り取られたような歯溝になり、同時にかみ合う歯数が従来の円筒ウォームに比べて多くなる。
【0020】
好ましい態様の円筒ウォームギヤにおいて、前記ウォームホイールは、インボリュートヘリカルギヤである。この態様では、ウォームとウォームホイールの線接触部分が滑らかに滑り移動して運動を伝達するので、誤差が回転精度や噛み合いに影響を及ぼしにくくなる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によれば、円筒ウォームの歯面と相手方のウォームホイールの歯面とが、当該ウォームホイールの歯たけ方向に沿う1本の接触線を形成する結果、好適な潤滑特性を得ることが可能になり、耐久性が格段に向上する。また、同時にかみ合う歯数が従来の円筒ウォームに比べて多くなるので、負荷容量が増大し、コスト低減と耐久性の向上に有利となる。しかも、外形が円筒形に形成されているので、成形(転造)が容易になる。従って、量産が容易になり、コスト低減に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】従来技術に係る鼓形ウォームの構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の一形態に係る円筒ウォームギヤと一般的な従来の円筒ウォームギヤとを比較するものであり、(A)は本発明の実施の一形態に係る円筒ウォームギヤの要部を示す拡大図、(B)は従来技術の要部を示す拡大図である。
【図3】図2(A)の実施形態に係る円筒ウォームギヤの噛合状態を説明する説明図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【図5】図2(A)の実施形態に係る要部拡大斜視図である。
【図6】図2(A)の実施形態に係る要部拡大図である。
【図7】本発明の変形例を示す要部拡大図である。
【図8】本発明のさらに別の実施形態を示す要部拡大斜視図である。
【図9】本発明のさらに別の実施形態に係る円筒ウォームギヤ要部を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0024】
図2(A)および図3参照して、本発明の実施の一形態に係る円筒ウォームギヤ1は、ウォームホイール2と円筒ウォーム4とを備えている。
【0025】
図示のウォームホイール2は、プラスチック材料で形成されたインボリュートヘリカルギヤである。なお、以下の説明において、ウォームホイール2の軸直角平面(正面)での歯形を正面歯形という。
【0026】
円筒ウォーム4は、ウォームホイール2の円周上の所定箇所において、ウォームホイール2のホイール中心軸C2(図3参照)に対し、直角で且つ交わらない線上にウォーム中心軸Cを沿わせて、噛合している。円筒ウォーム4の材質は、鋼材が好適である。
【0027】
円筒ウォーム4は、外形が円筒形になるように、その歯先面4aが、中心軸Cに沿って同一直径に形成されている。従って、図2(B)に示す従来の円筒ウォーム24と同様に、単純な展開図を構成するデータに基づいて転造することが可能になるので、設計やマシニング加工が容易になっている。
【0028】
他方、本実施形態に係る円筒ウォーム4の軸平面における歯形は、その有効歯たけh’がウォームホイール2の歯先円Adに沿う鼓形状を有しており、ウォームホイール2の歯たけ方向Hに沿って、1本の線状の接触線6を形成する歯面2cを備えている(図5参照)。本実施形態の円筒ウォーム4は、相手方となるウォームホイール2の歯形座標に基づき、以下の手順で容易且つ確実に実現することが可能である。なお、「ウォームホイール2の歯たけ方向に沿う」とは、ウォームホイール2の歯たけ方向Hと平行であることをいうが、潤滑油の流れに支障がない限りにおいて若干の傾斜やずれを許容する概念である。
【0029】
次に、図3を参照して、円筒ウォーム4の歯形座標を決定する手順について説明する。以下の説明では、ウォームホイール2の歯形座標並びに円筒ウォームギヤ1の中心距離aは、既知であり、円筒ウォーム4の歯形座標は、既知のウォームホイール2の歯形座標に基づいて決定されることを前提としている。なお、図3において、符号のdは、ウォームホイール2の基準ピッチ円直径、daは、歯先円直径、dbは、基礎円直径、dfは、歯底円直径である。
【0030】
円筒ウォーム4の歯形座標を決定する概略的な手順としては、まず、あるホイール回転角での円筒ウォーム4の軸平面における歯形を、前記のように既知のウォームホイール2の歯形座標により決定する。次いで、ウォーム回転角ω1に対し、ウォームホイール2の回転角ω2は、
【0031】
【数1】
【0032】
の関係にあることから、(1)式の関係に基づいて、回転角ω2におけるウォームホイール2の歯形座標を求め、該歯形座標から、円筒ウォーム4の全周(ω1が0から2π)にわたって円筒ウォーム4の軸平面での歯形座標を繰り返し演算することにより、円筒ウォーム4の三次元座標を求めることとしている。
【0033】
以下の説明において、ある瞬間のウォームホイール2の回転角ω2を初期のホイール回転角(ω2=0°)とする。図示の例では、この初期のホイール回転角(ω2=0°)において、ウォームホイール2の基準軸線Ax(ホイール中心軸C2を通り円筒ウォーム4のウォーム中心軸Cと直交する直径方向の軸。以下、同様。)に、一枚の歯2tが位置している。また、(1)式に基づき、初期のホイール回転角(ω2=0°)に対して決まる円筒ウォーム4の回転角ω1を初期のウォーム回転角(ω1=0°)とする。
【0034】
初期のウォーム回転角(ω1=0°)での円筒ウォーム4の軸平面での座標を決定する手順において、基準軸線Axが基準となっている。ピッチ円直径dwを決定する場合、ウォームホイール2のピッチ円Pと基準軸線Axとの交点を求めて基準座標とし、この基準座標からピッチ円Pとウォームホイール2の正面歯形との交点を求めることによってピッチ点を演算する。また、歯底円直径dwfは、基準軸線Ax上において、ウォームホイール2の歯先円直径daに対し、クリアランスckaを考慮してウォームホイール2の径方向外方にずらした座標を設定し、この座標を通る歯先円Adよりも大径且つ同心の仮想円PCに基づいて決定される。本実施形態では、この仮想円PCによって、円筒ウォーム4の軸平面における歯底4bの座標を決定するので、円筒ウォーム4の軸平面における歯底4bは、仮想円PCを包絡線とする歯形を形成する。また、円筒ウォームギヤ1の中心距離aに基づき、円筒ウォーム4の歯先面直径dwを決定することができる。
【0035】
次いで、図3の関係から、当該回転角(ω1=0°、ω2=0°)における歯面4cのうち、歯先円Adと交差する範囲、すなわち、ウォームホイール2の有効歯たけ部分(噛み合い部分)の座標を決定する。その場合、ウォームホイール2の歯先円直径daよりも大きい部分、すなわち、クリアランスckaに対応する部分については、ウォームホイール2の歯形部分ではないため、仮想円PCに基づき、円筒ウォーム4の歯底部4bに与えられた座標を有効歯たけ部分(噛み合い部分)の座標に接続し、円筒ウォーム4の歯形面4cの歯形座標が決定される。このようにして、ウォームホイール2の初期のホイール回転角(ω2=0°)での正面歯形の座標に対応して、初期のウォーム回転角ω1(ω1=0)における円筒ウォーム4の軸平面での一端側の点FP0から他端側の点FP2までの座標(FP0〜FP1〜FP2)が決定される。これにより、円筒ウォーム4のピッチ点は、当該円筒ウォーム4の中心軸C方向において、ウォームホイール2の中心軸C2と同心の円弧(ピッチ円P)上に配列されることになる。ここで歯形の座標を決定する上で重要な点は、
(1)図3の噛合状態において、ウォームホイール2の歯面2cに対し、円筒ウォーム4の歯面4cが歯たけ方向Hに線接触するように、噛み合い部分での円筒ウォーム4の歯形座標が決定されていること、並びに
(2)(1)で決定される基準となる歯形座標を円筒ウォーム4のウォーム中心軸Cに最も近い座標で処理していること
の2点である。これら2点により、円筒ウォーム4のウォーム中心軸C方向両側で、ウォームホイール2の歯形と円筒ウォーム4の歯形との食い込み(ウォームホイール2の歯と円筒ウォーム4の歯形が重なった状態)を阻止し、図1に示したような歯すじ方向の接触を回避しつつ、ウォームホイール2の歯面2cと円筒ウォーム4の歯面4cとが、当該ウォームホイール2の歯たけ方向に沿う1本の接触線を形成することになる。
【0036】
図5を参照して、上述のように形成された円筒ウォーム4は、軸平面において、その有効歯たけh’がウォームホイール2の歯先円Adに沿う鼓形状を呈し、しかも歯面が全周(ω1が0から2π)にわたって歯たけ方向Hに沿い、図の符号6で示すように、一本の接触線6を形成することになる。
【0037】
これに対し、図2(B)に示したような、一般的な円筒ウォームギヤ(例えば、ニーマン歯形のもの)20では、歯面24cの接触線が、ウォームホイール22の歯面22cの歯すじ方向Tに接触する。ウォームギヤの潤滑油は、ウォームホイール22の歯すじ方向Tに沿うので、ウォームホイール22と円筒ウォーム24の当たりが強すぎると、油膜が行き渡りにくくなるという問題がある。他方、本実施形態では、接触線がウォームホイール2の歯たけ方向Hに沿うので、接触線6の全長にわたり、潤滑油が行き渡りやすくなる。そのため、好適な当たりで油膜の形成されやすい噛合構造を得ることが可能となる。のみならず、歯面4cの接触線6がウォームホイール2の歯たけ方向Hに沿うことによって、潤滑油の入口側に油膜形成のための隙間を形成し、歯すじ方向の歯当たりの中心を出口側にずらして、より理想的な油膜を形成することも可能になる。
【0038】
ウォームホイールの歯たけ方向Hに沿って接触線が形成される点では、鼓形ウォームギヤにおいても同様の作用がある。しかしながら、鼓形ウォームギヤでは、図1に示すように、ウォーム14の歯先円直径は、軸方向両端に向かうに従って順次、鼓状に拡径しているため、軸方向両端側の歯面14cの接触線16が、やや歯すじ方向Tに沿って拡がる傾向を有している。これに対し、本実施形態に係る円筒ウォーム4は、上記基準軸線Axに基づいて円筒ウォーム4のピッチ円直径dwや、歯底円直径dwfを決定しているので、図5に示すように、そのような傾向が低減され(或いは除去され)、軸方向全長にわたって、より好適な接触特性を得ることができるようになっている。
【0039】
加えて、本実施形態では、従来技術に係る円筒ウォームギヤ20に比べ、同時にかみ合う歯数が格段に多くすることが可能になる。従来技術の円筒ウォーム24の同時噛み合い歯数は、2程度である。これに対し、本実施形態では、円筒ウォーム4が、軸平面での有効歯たけh’がウォームホイール2の歯先円Adに沿う鼓形状を呈しているので、円筒形の外形を維持しつつ、あたかもウォームホイール2の歯形によって歯溝が鼓形状に削り取られたようになることによって、4〜6歯のかみ合いが可能となるのである。言い換えると、円筒形の外形を維持しつつ、当該円筒ウォーム4の中心軸Cの一端側から他端側へ順に、円筒ウォーム4の歯底4dの座標を滑らかに繋いだ場合に、この歯底4dの座標により構成される軌跡(輪郭)が鼓形を呈している。従って、動力伝達力が向上し、また、耐久性が高くなる。
【0040】
本実施形態の円筒ウォーム4を形成する際は、ウォームホイール2に適合する諸元をデータ化し、その歯形を平面に展開することにより容易に設計することが可能である。そして、展開されたデータに基づいて、転造用金型を製造することにより、容易に量産することが可能となる。この点も、鼓形ウォームとは大きく相違している。
【0041】
なお、図示の例では、図6に示すように、ウォームホイール2の歯厚S1と、円筒ウォーム4の歯厚S2が概ね等しくなる標準的な形態を採用している。また、ウォームホイール2がインボリュートヘリカルギヤであるため、その歯面2cは、滑らかに円筒ウォーム4の歯面4cに滑り接触し、円筒ウォーム4の動力が当該ウォームホイール2を回転する方向に伝達される。
【0042】
以上説明したように、本実施形態に係る円筒ウォームギヤ1の円筒ウォーム4は、外形が円筒形に形成され、ウォームホイール2に噛合する円筒ウォーム4において、ウォームホイール2の歯たけ方向Hに沿って歯面4cが線接触する歯形を有している。このため本実施形態では、円筒ウォーム4の歯面4cが相手方のウォームホイール2の歯面4cに対し、当該ウォームホイール2の歯たけ方向Hに沿う1本の接触線6を形成するので、従来の円筒ウォームギヤ20における点接触のような負荷容量の減少を招くことなく、円筒ウォーム4の歯面4cと相手方のウォームホイール2の歯面4cとの間に接触部分に潤滑油が行き渡りやすくなり、好適な潤滑特性を得ることが可能になる。従って、かみ合い部で双方の歯の摩耗が進みにくくなり、従来の円筒ウォーム24(歯形が単純に同一方向に沿って螺旋状に形成されたもの)に比べ、耐久性が格段に向上する。加えて、円筒ウォーム4は、歯先円直径dwa(外形)が円筒形であるため、鼓形ウォームにおいて生じる歯すじ方向Tの接触(図1参照)を回避することが可能になる。しかも、外形が円筒形に形成されているので、成形(転造)が容易になる。従って、量産が容易になり、コスト低減に寄与する。
【0043】
また本実施形態では、円筒ウォーム4のピッチ点は、当該円筒ウォーム4の中心軸C方向において、前記ウォームホイール2の中心軸C2と同心の円弧上に配列されている。換言すれば、円筒ウォーム4の中心軸平面における歯底面4cの包絡線(仮想円PC)が、ウォームホイール2の中心軸C2と同心の円弧状を呈する歯形に形成されている。このため本実施形態では、円筒ウォーム4の軸平面において、各歯底4bは、その歯底4bに噛合するウォームホイール2の歯厚方向中央部の法線がウォームホイール2のホイール中心軸C2から放射状に延びるような状態となり、歯先円Adに沿う鼓形状を有している。これによって、円筒ウォーム4は、円筒形の外形を維持しつつ、あたかもウォームホイール2の歯形によって鼓形状に削り取られたような歯溝になり、同時にかみ合う歯数が従来の円筒ウォーム4に比べて多くなる。
【0044】
また本実施形態では、ウォームホイール2は、インボリュートヘリカルギヤであり、円筒ウォーム4の歯形は、インボリュートヘリカルギヤで構成されたウォームホイール2に適合する歯形に形成されている。このため本実施形態では、円筒ウォーム4とウォームホイール2の線接触部分が滑らかに滑り移動して運動を伝達するので、誤差が回転精度や噛み合いに影響を及ぼしにくくなる。
【0045】
以上説明したように、実施形態によれば、好適な潤滑特性を得ることが可能になり、耐久性が格段に向上する。また、同時にかみ合う歯数が従来の円筒ウォーム4に比べて多くなり、負荷容量が増大し、コスト低減と耐久性の向上に有利となる。しかも、外形が円筒形に形成されているので、成形(転造)が容易になる。従って、量産が容易になり、コスト低減に寄与する。また、本実施形態に係る円筒ウォームギヤ1によれば、種々の精密機械への応用範囲が広くなる。
【0046】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることはいうまでもない。
【0047】
図6を参照して、例えば、上述した円筒ウォームギヤ1では、ウォームホイール2の歯厚S1と、円筒ウォーム4の歯厚S2が概ね等しくなる形態を採用していた。
【0048】
しかし、本発明は、図6のような形態に限らず、図7に示す形態を採用してもよい。図7に示す形態では、ウォームホイール2の歯厚S1が、円筒ウォーム4の歯厚S2よりも大きく設定されている例を示している。このような態様を採用した場合には、特に、ウォームホイール2の材質がプラスチック材料であり、円筒ウォーム4が鋼材である場合に、強度バランスが均衡し、耐久性の高い構造となる。
【0049】
また、図2(A)に示した実施形態では、ウォームホイール2がインボリュートヘリカルギヤであったが、本発明では、インボリュートヘリカルギヤに限定されない。
【0050】
例えば、図8に示すように、ウォームホイールの歯先Rを大きくし、歯厚S1を厚くした構成を採用してもよい。図8に示す構成を採用した場合には、インボリュート以外の形状で滑らかな滑り接触を実現することのできる噛合構造を得ることが可能となる。
【0051】
また、本発明に係る円筒ウォーム4は、ウォーム中心軸Cに対し、ウォーム径方向に最も近い座標において、ウォームホイール2の歯たけ方向Hに沿って歯面が線接触する歯形に決定されていればよく、その最も近い座標がウォーム中心軸C方向において中央部分に存在する必要はない。例えば、図9の(A)に示すように、ウォーム径方向に最も近い座標がウォーム中心軸Cにおいて、一端側(図において左側)にずれていてもよく、或いは、図9の(B)に示すように、他端側(図において右側)にずれていてもよい。
【0052】
その他、本発明の特許請求の範囲内で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0053】
2 ウォームホイール
2c 歯面
4 円筒ウォーム
4a 歯先面
4b 歯底部
4c 歯面
6 接触線
A 円筒ウォームギヤ
Ax 基準軸線
C ウォーム中心軸
C2 ホイール中心軸
Cka クリアランス
dwa ピッチ円直径
dwf 歯底円直径
FP0 点
FP2 点
H 歯たけ方向
PC 仮想円(包絡線)
R 歯先
T 歯すじ方向
ω1 ウォーム回転角
ω2 ウォーム回転角
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外形が円筒形に形成され、ウォームホイールに噛合する円筒ウォームにおいて、
前記ウォームホイールの歯たけ方向に沿って歯面が線接触する歯形を有する
ことを特徴とする円筒ウォーム。
【請求項2】
請求項1記載の円筒ウォームにおいて、
前記円筒ウォームのピッチ点は、当該円筒ウォームの中心軸方向において、前記ウォームホイールの中心軸と同心の円弧上に配列されている
ことを特徴とする円筒ウォーム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の円筒ウォームにおいて、
前記歯形は、インボリュートヘリカルギヤで構成された前記ウォームホイールに適合する歯形に形成されている
ことを特徴とする円筒ウォーム。
【請求項4】
ウォームホイールと、
外形が円筒形に形成され、且つ前記ウォームホイールとの噛合時に当該ウォームホイールの歯たけ方向に沿って歯面が線接触する歯形を有している円筒ウォームと
を備えている円筒ウォームギヤ。
【請求項5】
請求項4記載の円筒ウォームギヤにおいて、
前記円筒ウォームのピッチ点は、当該円筒ウォームの中心軸方向において、前記ウォームホイールの中心軸と同心の円弧上に配列されている
ことを特徴とする円筒ウォームギヤ。
【請求項6】
請求項4または5に記載の円筒ウォームギヤにおいて、
前記ウォームホイールは、インボリュートヘリカルギヤである
ことを特徴とする円筒ウォームギヤ。
【請求項1】
外形が円筒形に形成され、ウォームホイールに噛合する円筒ウォームにおいて、
前記ウォームホイールの歯たけ方向に沿って歯面が線接触する歯形を有する
ことを特徴とする円筒ウォーム。
【請求項2】
請求項1記載の円筒ウォームにおいて、
前記円筒ウォームのピッチ点は、当該円筒ウォームの中心軸方向において、前記ウォームホイールの中心軸と同心の円弧上に配列されている
ことを特徴とする円筒ウォーム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の円筒ウォームにおいて、
前記歯形は、インボリュートヘリカルギヤで構成された前記ウォームホイールに適合する歯形に形成されている
ことを特徴とする円筒ウォーム。
【請求項4】
ウォームホイールと、
外形が円筒形に形成され、且つ前記ウォームホイールとの噛合時に当該ウォームホイールの歯たけ方向に沿って歯面が線接触する歯形を有している円筒ウォームと
を備えている円筒ウォームギヤ。
【請求項5】
請求項4記載の円筒ウォームギヤにおいて、
前記円筒ウォームのピッチ点は、当該円筒ウォームの中心軸方向において、前記ウォームホイールの中心軸と同心の円弧上に配列されている
ことを特徴とする円筒ウォームギヤ。
【請求項6】
請求項4または5に記載の円筒ウォームギヤにおいて、
前記ウォームホイールは、インボリュートヘリカルギヤである
ことを特徴とする円筒ウォームギヤ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図8】
【図9】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図8】
【図9】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2013−53648(P2013−53648A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190793(P2011−190793)
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(301025656)アムテック有限会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(301025656)アムテック有限会社 (1)
【Fターム(参考)】
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