説明

円筒軸の整形方法および整形金型

【課題】金属板の曲げ加工により全長にわたって均一に高い真円度を有する円筒軸20を製造する。
【解決手段】長手方向に対して直交する断面の各々において円筒軸20の外径と同じ内径の半円形の加工面61を有し、且つ、円筒軸20の長手方向と平行な断面の各々において直線状の内面形状を有する直線溝を備えたダイ52、62と、長手方向に対して直角な断面の各々において円筒軸20の外径と同じ内径の半円形の加工面53、63を有し、且つ、円筒軸20の長手方向と平行な断面の各々において、長手方向にの中央に近づくほど円筒軸20に対する圧下率が高くなる凸曲線状の加工面53、63を有する曲溝を備えたパンチ54、64とを用い、円筒軸20における金属板10の接合部に対して曲金型の溝の最も深い部分が当接するように、曲溝および直線溝の間に円筒軸20を挟んで円筒軸20を整形する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒軸に関する。より詳細には、金属板を曲げ加工して製造される円筒軸に関する。
【背景技術】
【0002】
金属板を曲げ加工して円筒状の製品を製造する技術は数多くある。下記の特許文献1には、そのうちでも比較的薄い金属板を曲げて小径の管を製造する技術が開示されている。即ち、特許文献1は、目的とする円筒状製品の内径に略等しい芯ロールと、芯ロールに押しつけられて連れ回る一対の押付ロールと、独特な経路で各ロールにかけ渡された案内ベルトによって、金属板を芯ロールに密着させながら成形することを提案している。また、これにより、樽型変形のない成形が行えると記載されている。
【特許文献1】特開2003−245721号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、例えばコストダウンのために、切削加工により製造された細径の中実な金属製丸棒材に替えて円筒状の製品を使おうとすると、表面の真円度、軸方向の直線性等の点において満足な品質を有する製品は製造されていない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によると、金属板を曲げ加工して形成された円筒状の軸製品を整形して、その軸方向の直線性を高くする整形方法であって、長手方向に対して直交する断面の各々において軸製品の外径と同じ内径の円弧をなす断面形状を有し、且つ、軸製品の長手方向と平行な断面の各々において直線状の内面形状を有する直線溝を備えた直金型と、長手方向に対して直交する断面の各々において軸製品の外径と同じ内径の円弧をなす断面形状を有し、且つ、軸製品の長手方向と平行な断面の各々において、長手方向の中央に近づくほど軸製品に対する圧下率が高くなる凸曲線状の内面形状を有する曲溝を備えた曲金型とを用い、軸製品における金属板の接合部に対して曲金型の溝の最も深い部分が当接するように、曲溝および直線溝の間に軸製品を挟んで軸製品を整形する整形方法が提供される。これにより、円筒軸として略完成された製品を更に整形して、全長にわたって高い真円度を有する円筒軸を製造できる。
【0005】
また、ひとつの実施形態においては、上記整形方法において、直金型を、溝を上方に開口させて配置し、接合部を上方に向けて軸製品を溝の内部に置き、曲金型を、溝を下に向けて、直金型に向かって降下させ、直線溝および曲溝の間で軸製品を整形する。これにより、円筒軸においてスプリングバックが最も顕著に作用する金属板の合わせ目における加工度を高くし、円筒軸の全長にわたって均一な真円度を有する円筒軸を形成できる。
【0006】
また、他の実施形態においては、上記整形方法において、曲溝の内面が、曲溝の長手方向と平行な断面の各々において連続した滑らかな曲線を描く。これにより、全長にわたって等しい真円率が均一に得られる。
【0007】
また、ひとつの実施形態においては、上記整形方法において、金属板を完全に円筒形状まで成形せずに、加工代を残して整形加工に供する。これにより、整形加工における加工量を大きくして整形加工の効果を大きくすることができる。
【0008】
また、本発明の第2の形態として、金属板を曲げ加工して形成された円筒状の軸製品を整形して、その軸方向の直線性を高くする金型であって、長手方向に対して直交する断面の各々において軸製品の外径と同じ内径の円弧をなす断面形状を有し、且つ、軸製品の長手方向と平行な断面の各々において直線状の内面形状を有する直線溝を備えた直金型と、長手方向に対して直角な断面の各々において軸製品の外径と同じ内径の円弧をなす断面形状を有し、且つ、軸製品の長手方向と平行な断面の各々において、長手方向の中央に近づくほど軸製品に対する圧下率が高くなる凸曲線状の内面形状を有する曲溝を備えた曲金型とを備え、軸製品における金属板の接合部に対して曲金型の溝の最も深い部分が当接するように、曲溝および直線溝の間に軸製品を挟んで軸製品を整形する整形金型が提供される。これにより、高い真円度を全長にわたって有する円筒軸を製造できる。
【0009】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0011】
図1は、曲げ加工して円筒軸20にする前の金属板10の形状を示す図である。金属板10には、その端部から突出する凸部16が間隔をおいて複数形成されている。また、他方の端部にも、凹18が間隔をおいて複数形成されている。更に凸部16の各々は凹部18の各々と、金属板10の長手方向に対して直交方向の同じ位置に配置されている。
【0012】
図2は、上記のような金属板10を、後述する加工により円筒軸20としたものを部分的に拡大して示す図である。同図に示すように、円筒軸20に成形された状態では、これら凸部16および凹部18が嵌合して、接合部が開くことを防止している。従って、この円筒軸20は、溶接、接着等の工程なしに、そのまま軸製品として利用できる。
【0013】
図3は、上記金属板10に対するはじめの曲げ加工に使用する金型30の形状を示す。同図に示すように、金型30は、互いに相補的な形状の加工面31、33を有するダイ32とパンチ34とを備えている。ダイ32およびパンチ34の加工面は、中央付近が平坦である一方、両端部は約90度の円弧状断面形状を有する。
【0014】
また、この金型30は、上記の断面形状を保ったまま、紙面の奥行き方向に延在している。更に、このダイ32およびパンチ34の加工面は、金属板10の一方の端部12に形成された凸部16の先端から他方の端部14までの長さと同じ長さを有している。以上のような構造の金型30に対して、前記金属板10は、その長手方向が図面の奥行き方向と一致するように挿入される。
【0015】
図4は、図3に示す金型30で曲げ加工された金属板10の断面形状を示す図である。同図に示すように、金属板10の短辺方向の両端は曲げ加工を受け、内角が約90°の円弧状断面を有する被曲げ加工部22、24を形成している。
【0016】
図5は、図4に示した金属板10に対する次の曲げ加工に使用する金型40の形状を示す図である。同図に示すように、この金型40は、ダイ42とパンチ44とを備えている。ここで、ダイ42は、円弧状の断面を有し、上方に向かって開いた加工面41を備えている。これに対して、パンチ44は、円弧状の断面を有する加工面43を下端に備えている。更に、加工面43の上方には、曲げ加工によって上昇した金属板10の端部14、12を避けるために、加工面43よりも幅の狭い逃げが形成されている。
【0017】
図6は、図5に示した金型40で曲げ加工された金属板10の断面形状を示す図である。同図に示すように、金属板10は、その端部14から凸部16の先端までの中央が、金型40の加工面41、43の中心と一致するように装入されて曲げ加工されている。
【0018】
また、金型30により円弧状に曲げ加工された被曲げ加工部22、24に加え、やはり円弧状に曲げ加工された新規な被曲げ加工部26が形成されている。一方、被曲げ加工部22および被曲げ加工部26の間並びに被曲げ加工部24および被曲げ加工部26の間には、それぞれ、非曲げ加工部21、23が残っている。なお、ここまでの工程は、以下に記載する実施例1および実施例2において共通である。
【0019】
(実施例1)
図7は、図6に示した形状の金属板10に対する本実施例における仕上げ工程で使用する金型50に装着されたダイ52およびパンチ54の形状を示す断面図である。同図に示すように、この金型50は、ダイ52およびパンチ54に加えて、芯型56を含んで形成されている。ダイ52は、その上面から僅かに持ち上げられて形成された、円弧状断面形状を有する加工面51を備えている。これに対して、パンチ54は、その下端面から上方に退避した位置に、やはり円弧状断面形状を有する加工面53を備えている。
【0020】
また、加工面51の外側の側部と、パンチ54の加工面53以外の先端部とは、互いに相補的な形状をしており、パンチ54を降下させたときに、両者が当接しないようになされている。なお、芯型56は、最終的に得られる円筒軸20の内径と同じ外径を有する丸棒であり、金型40において曲げ加工された金属板10の中に入れて用いられる。
【0021】
図8は、図7に示した金型50におけるパンチ54の形状を示す斜視図である。同図に示すように、パンチ54において、その長手方向に直交する各断面は、図7に示した通りの断面形状を有している。一方、このパンチ54を長手方向に直交する側面から見たときは、長手方向の中央において高さ方向の寸法が大きくなっている。
【0022】
図9は、図8に示したパンチ54を側方から見た様子を示す図である。同図に示すように、パンチ54は、上記の通り長手方向中央において高さ方向の寸法が最も大きく、その下面は全体に滑らかな曲線を描いている。このとき、長手方向に直交する各断面における加工面53の断面形状は一定である。従って、パンチ54の下面において加工面53が画成する溝も、全体に屈曲して曲溝を形成する。なお、図示は省略するが、ダイ52では、加工面51により画成される溝は曲がっておらず、直線溝を形成する。
【0023】
上記のような金型50に対して、金型40ですでに曲げ加工された金属板10は、まず、被曲げ加工部26の外側が加工面51の内部に当接するように、ダイ52に装入される。次に、金属板10の内部に、芯型56が置かれる。
【0024】
上記のような状態でパンチ54を降下させると、金属板10の端部14および凸部16を含む端部12が互いに近づき、やがて、凸部16が凹部18に嵌入する。更に、パンチ54を圧下すると、凸部16および凹部18を含む端部12、14の近傍は、パンチ54の加工面53と芯型56との間で、全体で円弧をなすように成形される。
【0025】
同時に、芯型56の下側では、芯型56とダイ52の加工面51との間で、非曲げ加工部21、23を含む金属板10が曲げ加工される。従って、金型50による曲げ加工で、金属板10は、全体で環状の断面を有する円筒となる。
【0026】
更に、この金型50では、パンチ54の加工面53が長手方向中央において、凸状に膨らんだ曲溝を形成している。従って、金属板10を加工した場合、その長手方向の中央付近において圧下率が大きくなる。このため、円筒軸20の長手方向中央におけるスプリングバックがより低減され、円筒軸20は全長にわたって均一な、より高い真円率で成形される。
【0027】
なお、上記のような加工の効果に鑑みて、金型50に円筒軸20をセットするときに、曲溝を有するパンチ54の加工面53に対して、円筒軸20の合わせ目28が正対するようにセットすることが好ましい。これにより、スプリングバックの分布と加工率の分布とが相殺しあって、円筒軸20の真円率、反り等が全長にわたって均一になる。また、前記のように、パンチ54の加工面53は全体に連続した滑らかな曲面を形成しているので、円筒軸20の特定の部位に加工が集中することがなく、局部的な変形も生じない。
【0028】
図10は、図7に示す金型50で製造された円筒軸20の断面形状を示す図である。同図に示すように、金型30、金型40および金型50による一連の曲げ加工により、金属板10は、全体が同じ曲率で曲げられた円筒軸20となっている。ここで、金属板10は、その凸部16を含めて全体が同じ曲率に曲げ加工されているので、真円度の高い円筒軸20となっている。
【0029】
(作製例1)
厚さ0.5mmの亜鉛めっき鋼板を用いて、長さ300mm、外径5mmの円筒軸を作製した。また、比較のために、直線溝を有するパンチを用いて、同じ材料でやはり長さ300mm、外径5mmの円筒軸を作製した。ただし、曲溝を有するパンチ54に換えて、直線溝を有する通常のパンチを用い、圧下装置のバッキングとパンチとの間に厚さの異なるシクネステープを挟むことにより、パンチの長手方向中央における圧下率を上昇させた。
【0030】
具体的には、まず、長さが314mmの直線溝を有するパンチを用いて、パンチを全長にわたって均一に圧下して比較例1としての円筒軸を作製した。続いて、同じパンチを用いつつ、その長手方向中央を頂点とし、両端に向かって滑らかな円弧になるようにパンチを凸形状にし、作製例1としての円筒軸を作製した。
【0031】
作製された比較例1および作製例1の円筒軸の寸法精度を、仕上げ工程における円筒軸に対する圧下方向の径の分布範囲の広さにより評価したところ、直線溝を有するパンチで仕上げた比較例1に係る試料に対し、実施例1の資料は真円度が70%向上された。
【0032】
(実施例2)
この実施例に係る方法では、金型40による加工までは、実施例1と同じ工程を辿る。また、実施例1で仕上げ工程に使用した金型50も用いるが、後述の通りこの工程では仕上げ加工はせず、更に別の整形金型60を用いて円筒軸20を仕上げる。
【0033】
図11は、実施例2に係る円筒軸の製造において、仕上げ工程の前の工程として、金型50による金属板10の加工結果を示す図である。同図に示すように、本実施例では、金属板10の合わせ目28が完全に閉じ切る前に加工を止めて、後述する仕上げ工程における加工代を大きく残している。これにより、整形加工の効果をより高くすることができる。
【0034】
図12は、本実施例の仕上げ工程において使用する整形金型60の構造を示す断面図であり、軸製品の長手方向に直交する断面における、パンチ64、ダイ62および芯型56の形状を示す。同図に示すように、ここで用いるパンチ64およびダイ62は、相互に密着したときに、円筒軸20の仕上がり形状と相補的な形状の加工面63、61を内側に形成する。
【0035】
図13は、図12に示した整形金型60におけるパンチ64の形状を示す斜視図である。同図に示すように、パンチ64において、半円径の断面形状を有する加工面63が形成された下面は、中央の寸法がより大きくなっている。即ち、パンチ64は、幅長手方向中央において高さ方向の寸法が最も大きく、その下面は全体に滑らかな曲線を描いている。これにより、加工面63も円滑な曲面を形成する。
【0036】
ただし、このパンチ64において、各断面における加工面63の形状は相互に等しく、加工面63が形成する曲溝の深さは全体に一定である。なお、図示は省略するが、このようなパンチ64に対して、ダイ62は、加工面61の断面形状はパンチ64の加工面63と同じであるが、全体に屈曲することなく、直線溝を形成している。
【0037】
上記のように、直線溝を有するダイ62と曲溝を有するパンチ64を用いて円筒軸20を加工した場合、その長手方向の中央において、円筒軸20に対する圧下率が大きくなり、円筒軸20の加工度が高くなる。このため、円筒軸20の長手方向中央におけるスプリングバックがより低減され、円筒軸20はその全長にわたって均一な真円率で整形される。
【0038】
なお、上記のような加工の効果に鑑みて、整形金型60に円筒軸20をセットするときに、曲溝を有するパンチ64の加工面63に対して、円筒軸20の合わせ目28が正対するようにセットすることが好ましい。これにより、スプリングバックの分布と加工率の分布とが相殺しあって、円筒軸20の真円率、反り等が全長にわたって均一になる。また、前記のように、パンチ64の加工面63は全体に連続した滑らかな曲面を形成しているので、円筒軸20の特定の部位に加工が集中することがなく、局部的な変形も生じない。
【0039】
作製例2
厚さ0.5mmの亜鉛めっき鋼板を用いて、長さ300mm、外径5mmの円筒軸を作製した。ただし、曲溝を有するパンチ64に換えて、直線溝を有する通常のパンチを用い、圧下装置のバッキングとパンチとの間に厚さの異なるシクネステープを挟むことにより、パンチの長手方向中央における圧下率を上昇させた。
【0040】
具体的には、長さが314mmの直線溝を有するパンチを用いて、その長手方向中央を頂点とし、両端に向かって滑らかな円弧になるようにパンチを製作例1より更に30%凸形状にし、作製例2としての円筒軸を作製した。
【0041】
作製された比較例2および作製例2の円筒軸の寸法精度を、仕上げ工程における円筒軸に対する圧下方向の径の分布範囲の広さにより評価したところ、実施例1に係る試料に対し、実施例2の資料は真円度が更に30%向上された。
【0042】
以上詳細に説明した通り、圧下率に分布を形成して仕上げ加工することにより、金属板10を曲げ加工して製造した中空の円筒軸でありながら、高い真円度と直線性を有するものが製造できる。この円筒軸は、中実な金属製丸棒材に代替して使用することができる。従って、部品精度の限界から削り出しの丸棒材を使用せざるを得なかった多くの用途において材料コストを低減させることができる。また、この円筒軸は中実材よりも軽量なので、これを用いることにより、機器の重量はもちろん、動作時のフリクションロスも低減させることができる。
【0043】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加え得ることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】この発明に係る円筒軸20の材料となる金属板10の形状を示す図。
【図2】金属板10により形成された円筒軸20の形状を部分的に示す図。
【図3】金属板10に対するはじめの曲げ加工で使用する金型30を示す断面図。
【図4】図2に示す金型30で曲げ加工された金属板10の断面形状を示す図。
【図5】金属板10に対する次の曲げ加工に使用する金型40を示す断面図。
【図6】図5に示す金型40で曲げ加工された金属板10の断面形状を示す図。
【図7】金属板10に対する最後の曲げ加工に使用する金型50を示す断面図。
【図8】実施例1において仕上げ工程で用いたパンチ54の形状を示す斜視図。
【図9】実施例1において仕上げ工程で用いたパンチ54の形状を示す側面図。
【図10】上記仕上げ工程により作製された円筒軸20の断面形状を示す図。
【図11】実施例2において、金型50で加工した後の金属板10の形状を示す断面図。
【図12】実施例2の仕上げ工程において使用した整形金型60のダイ62およびパンチ64の形状を示す断面図。
【図13】整形金型60に装着されるパンチ64の形状を示す斜視図。
【符号の説明】
【0045】
10 金属板、12、14 端部、16 凸部、18 凹部、20 円筒軸、21、23 非曲げ加工部、22、24、26 被曲げ加工部、28 合わせ目、30、40、50 金型、60 整形金型、32、42、52、62 ダイ、31、33、41、43、51、53、61、63 加工面、34、44、54、64 パンチ、56 芯型

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属板を曲げ加工して形成された円筒状の軸製品を整形して、その軸方向の直線性を高くする整形方法であって、
長手方向に対して直交する断面の各々において前記軸製品の外径と同じ内径の円弧をなす断面形状を有し、且つ、前記軸製品の長手方向と平行な断面の各々において直線状の断面形状を有する直線溝を備えた直金型と、
前記長手方向に対して直角な断面の各々において前記軸製品の外径と同じ内径の円弧をなす断面形状を有し、且つ、前記軸製品の長手方向と平行な断面の各々において、長手方向の中央に近づくほど前記軸製品に対する圧下率が高くなる凸曲線状の内面形状を有する曲溝を備えた曲金型と
を用い、前記軸製品における前記金属板の接合部に対して前記曲金型の前記溝の最も深い部分が当接するように、前記曲溝および前記直線溝の間に前記軸製品を挟んで前記軸製品を整形加工する整形方法。
【請求項2】
前記直金型を、前記溝を上方に開口させて配置し、前記接合部を上方に向けて前記軸製品を前記溝の内部に置き、前記曲金型を、前記溝を下に向けて、前記直金型に向かって降下させ、前記直線溝および前記曲溝の間で前記軸製品を整形する請求項1に記載の整形方法。
【請求項3】
前記曲金型の前記曲溝の内面が、前記曲溝の長手方向と平行な断面の各々において連続した滑らかな曲線を描く請求項1に記載の整形方法。
【請求項4】
金属板を完全に円筒型になるまで整形せずに、加工代を残した状態で前記整形加工に供する請求項1に記載の整形方法。
【請求項5】
金属板を曲げ加工して形成された円筒状の軸製品を整形して、その軸方向の直線性を高くする金型であって、
長手方向に対して直交する断面の各々において前記軸製品の外径と同じ内径の円弧をなす断面形状を有し、且つ、前記軸製品の長手方向と平行な断面の各々において直線状の内面形状を有する直線溝を備えた直金型と、
前記長手方向に対して直交する断面の各々において前記軸製品の外径と同じ内径の円弧をなす断面形状を有し、且つ、前記軸製品の長手方向と平行な断面の各々において、長手方向の中央に近づくほど前記軸製品に対する圧下率が高くなる凸曲線状の内面形状を有する曲溝を備えた曲金型と
を備え、
前記軸製品における前記金属板の接合部に対して前記曲金型の前記溝の最も深い部分が当接するように、前記曲溝および前記直線溝の間に前記軸製品を挟んで前記軸製品を整形加工する整形金型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−203343(P2007−203343A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−26036(P2006−26036)
【出願日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】