説明

再処理装置用フィルタアセンブリ

【課題】循環システムの一部を形成するチャンバを通して微生物不活性化流体を循環させる循環システムを備えた再処理装置である。
【解決手段】再処理装置には再処理装置で使用する水を濾過する水濾過システムが含まれる。水濾過システムには加圧水源に接続できる流体供給ラインが含まれる。流れる流体を濾過するため流体供給ラインに第1および第2のフィルタ要素が配置される。第2のフィルタ要素は第1のフィルタ要素よりも下流に位置し、第1のフィルタ要素のものよりも小さい粒子を濾過する性能を有する。流体供給ラインは再処理装置に入る水の流体経路を形成し、かつ循環システムを循環する微生物不活性化流体の経路の一部を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医療、歯科治療、製薬、家畜治療または埋葬用器具および機器の消毒または殺菌に関し、特に、液体微生物不活性化システムに使用する濾過システムに関する。
【背景技術】
【0002】
血液または他の体液に曝された医療、歯科治療、製薬、家畜治療または埋葬用の器具および機器は使用と使用の間に完全な洗浄および微生物不活性化または殺菌が必要となる。
液体微生物不活性化システムは蒸気不活性化システムの高温に耐えられない器具や機器の洗浄および不活性化に現在広く使用されている。一般に液体微生物不活性化システムは医療機器および/または医療器具を過酢酸またはその他の強力なオキシダントなどの液体の消毒または殺菌成分に曝すことで操作される。
【0003】
このようなシステムでは洗浄される器具または機器は液体微生物不活性化システムのチャンバ内に入れるか、またはチャンバ内に入れた容器内に入れるのが一般的である。次いで、殺菌サイクルの間に、殺菌チャンバ(およびその中の容器)を含む液体循環システムを通して液体消毒剤を循環させる。
【0004】
不活性化サイクルに続いて、リンス溶液、一般に水をチャンバを通して循環させて、不活性化サイクルの間に器具または機器に堆積した微生物不活性化物の痕跡および粒子を除去する。理解されるように、リンスサイクルの間に微生物不活性化された器具および機器が再度汚染されないように、リンス水は高純度にすることが重要となる。
【0005】
器具および機器のリンスに使用する水は、一般にミコバクテリア粒子を水から取り除くため濾過システムを通過させる。濾過システムの下流側は少量の殺菌液でバックアップされるが、濾過システムの上流側は一般に微生物不活性化およびまたは殺菌されていない。
このように、微生物の汚染物が時間の経過とともに濾過システムの上流側に堆積し、続いて濾過システムの下流側まで通過して、リンスサイクルの間にチャンバ内に導かれる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこれらの問題を解消し、微生物不活性化システムに使用される水を濾過する改善された濾過システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の好ましい実施形態によって、循環システムの一部を形成するチャンバ内に微生物不活性化流体を循環させる循環システムを備えた再処理装置を提供する。このシステムには再処理システムに使用する水を濾過する水濾過システムが含まれる。水濾過システムには加圧水源に接続可能な流体供給ラインが含まれる。流れる流体を濾過するため流体供給ラインに第1および第2のフィルタ要素が配置される。第2のフィルタ要素は第1のフィルタ要素の下流に位置し、第1のフィルタ要素のものと同じかまたは小さいサイズのミコバクテリア粒子を濾過する性能を持っている。流体供給ラインはシステムに入る水の流体経路を形成し、かつ循環システムを循環する微生物活性化流体の経路の一部を形成する。
【0008】
本発明の別の形態によって、物品を微生物不活性化する再処理システムであって、殺菌される物品を入れる殺菌チャンバとチャンバを通じて流体を循環させる流体循環システムとが含まれる再処理システムを提供する。水を混合することで乾燥した化学薬品から微生物不活性化流体を生成する手段が設けられる。このシステムにはシステムに入る水を濾過する水濾過システムが含まれる。濾過システムには加圧水源に接続可能な流体供給ラインと微生物不活性化された2つのフィルタ要素とが含まれる。第1のフィルタ要素は第2のフィルタ要素の上流に位置し、両フィルタ要素は流体供給ラインに配置される。第2のフィルタ要素は第1のフィルタ要素のものと同じか小さいミコバクテリア粒子を濾過することができる。再処理システムにはリンス水充填操作段階および化学薬品処理操作段階があり、リンス水充填段階の間は再処理システムに入るすべての水は流体供給ラインと第1および第2のフィルタ要素を通過し、処理段階の間は微生物不活性化流体の少なくとも一部が流体供給ラインを通過する。
【0009】
本発明の好ましい形態によると、微生物不活性化される物品を入れるチャンバと、流体をチャンバを通して循環させる流体循環システムと、水を混合することで乾燥した化学薬品から微生物不活性化流体を生成する手段と、再処理装置に入る水を濾過する水濾過システムとを備えた再処理装置を操作する方法を提供する。水濾過システムには加圧水源に接続できる流体供給ラインと、この供給ラインにある2つのフィルタ要素とが含まれる。第2のフィルタ要素は第1のフィルタ要素の下流に位置し、第1のフィルタ要素を通過するものと同じか小さいミコバクテリア粒子を濾過することが出来る。再処理装置を操作する方法には、
a)前記再処理装置に水を充填する工程と、
b)第1および第2のフィルタ要素で濾過された水を乾燥した化学薬品に混合することによって微生物不活性化流体を生成する工程と、
c)処理段階の間は微生物不活性化流体の少なくとも一部を流体供給ラインおよび少なくとも第1のフィルタ要素を通して導く工程と、
d)第1および第2のフィルタ要素を通して水を通過させることで前記再処理装置に水を充填させる工程とが含まれる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の長所は再処理システム用の殺菌可能な水濾過システムを設けることにある。
本発明の別の長所は微生物不活性化システム用の微生物不活性化濾過システムを設けたことにある。
【0011】
本発明の別の長所はフィルタ要素において微生物が生長する結果として供給水が微生物汚染される可能性を減少させる前述の濾過システムを設けたことにある。
本発明のさらに別の長所は、第2のフィルタ要素の下流に供給される水が微生物不活性化または殺菌されていることが高レベルで保証できる前述の濾過システムにある。
【0012】
これらの長所は図面および特許請求の範囲とともに好ましい実施形態の次の記載によって明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明は一定の部分および部分の配置において具体的な形態をとり、その好ましい実施形態は明細書で詳細に記述し、かつ一部を形成する付帯する図面で説明する。
【図1】微生物不活性化システムの概略図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態を示す濾過システムの概略図である。
【図3】図2に示す濾過システムの部分図であって、その部分の別の実施形態を示す。
【図4】本発明のさらに別の実施形態を示す濾過システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面は発明の好ましい実施形態を示すためだけの目的であり、発明を限定するためのものではない。図1は本発明の好ましい実施形態を示す微生物不活性化装置10の単純化した概略配管ダイヤグラムである。
【0015】
ハウジング構造(図示しない)の一部であるパネル22は、微生物不活性化される物品または器具を入れるレセスまたは空洞24を形成する。実施形態に示すように、不活性化される機器または器具を入れるトレイまたは容器26が設けられる。図1に示すように、容器26はレセスまたは空洞24内に入る寸法になっている。
【0016】
手動で操作可能な蓋32は空洞24にアクセス可能な開放位置と、空洞24を閉じて塞ぐ閉鎖位置(図1に示す)との間で開閉可能である。密封要素34が空洞24を取り囲み、蓋32を閉鎖位置にしたとき、蓋32とパネル22の間で流体密封を形成する。不活性化サイクルの間で蓋32を閉鎖位置に掛けがねをかけて固定する掛けがね手段(図示しない)を設ける。蓋32を閉鎖位置にしたとき、空洞24は本質的にチャンバ36を形成する。
【0017】
流体循環システム40によって、微生物不活性化流体をチャンバ36に供給し、さらにチャンバ36を通して微生物不活性化流体を循環させるよう操作される。流体循環システム40には加熱水源(図示しない)に接続した水入口ライン42が含まれる。入ってくる水の中に存在する大きい汚染物を濾過するため水入口ライン42に一対のフィルタ要素44,46を設ける。フィルタ44,46は一定サイズの粒子を取り除くサイズ排除フィルタ要素である。フィルタ要素46はフィルタ要素44よりも小さい粒子を濾過するのが好ましい。フィルタ44は3ミクロン(μ)程度以上の粒子を濾過しないものが好ましく、フィルタ要素46は0.1ミクロン(μ)程度以上の粒子を濾過しないものが好ましい。
フィルタ要素44,46に生じる圧力降下を監視するため圧力センサ(図示しない)を設けることができるが、フィルタ要素に生じる圧力降下の変化によって詰まり、破裂などが分かる。基本的にフィルタ要素44,46は供給装置10に使用する水に含まれる粒子を濾過しないために設けられる。水源内の生物を不活性化するビールス減少装置52を水入口ライン42に設けるのが好ましい。別のビールス減少装置も考えられるが、ビールス減少装置52は紫外線(UV)処理装置にするのが好ましく、NSF/ANSI標準55または均等物で定義されるクラスA装置にするのが一層好ましい。好ましい実施形態では、ノースカロライナのWedeco Ideal Horizons of Charlotte製で、最小放射線量が40,000μW/cmのUV光線システムが使用される。ビールス減少装置52は実施形態ではフィルタ要素44,46の下流に示される。ビールス減少装置52はフィルタ要素44,46の上流の水入口ライン42に配置することも考えられる。
【0018】
水入口ライン42からシステム供給ライン62への水の流れは水弁54で制御する。微生物不活性化水または殺菌水を流体循環システム40に供給するため、入ってくる水から極めて小さい生物および粒子を濾過する濾過システム100がシステム供給ライン62に含まれる。システム供給ライン62は第1のブランチ供給ライン64と第2のブランチ供給ライン66とに分かれる。第1のブランチ供給ライン64はチャンバ36内の容器26に通じる。第2のブランチライン66はチャンバ36自体に接続する。第2のブランチ供給ライン68は第1のブランチ供給ライン64から分かれ、不活性化システムに使用される殺菌流体を形成する、乾燥した化学薬品を含む化学薬品供給容器72の入口部に向かう。弁74は第1のブランチ供給ライン64への流量および化学薬品供給容器72に至る第2のブランチ供給ライン68への流量を制御する。化学薬品供給容器72はハウジングのパネル22内に形成されたウエル76内に配置される。第2のブランチ供給ライン66および第2のブランチ供給ライン68の流量制限装置78はそこを流れる流量を制限する。
【0019】
ブランチ戻りライン82は化学薬品供給容器72から延びて、システム戻りライン88に接続する。同様に、ブランチ流体戻りライン84,86はそれぞれ容器26およびチャンバ36から延びて、システム戻りライン88に接続する。図1に示すように、システム戻りライン88は水入口ライン42および流体供給ライン62に接続する。システム戻りライン88内にポンプ92を配置する。ポンプ92は流体循環システム40に流体を循環させるよう駆動可能である。排水ライン94がシステム戻りライン88に接続される。排水弁96で排水ライン94への流量を制御する。
【0020】
次に図2に水濾過システム100を示す。水濾過システム100は流体供給ライン62内に配置され、フィルタアセンブリ110、130の一部として示される2つのフィルタ要素114および134を含む。フィルタ要素114,134は流体供給ライン62に直列に配置される。流体供給ライン62の第1の領域62aで、水入口ライン42が第1のフィルタアセンブリ110の入口側に通じる。流体供給ライン62の第2の領域62bで、第1のフィルタアセンブリ110の出口側が第2のフィルタアセンブリ130の入口側に接続される。流体供給ライン62の第3の領域62cで、第2のフィルタアセンブリ130の出口側が、図2で概略を示す加熱器102に接続される。
【0021】
第1のフィルタアセンブリ110にはハウジング112および内部フィルタ要素114が含まれる。フィルタ要素114は、好ましくは通常0.12ミクロン(μ)以上のミコバクテリア粒子を濾過しないバクテリアを保持するサイズ排除フィルタである。フィルタ要素114には、親水性ポリビニリデン二フッ化物(PVDF)またはポリエーテルスルホン(PES)の薄膜などのフィルタ薄膜で囲まれたポリプロピレン、ホモポリマーなどの円筒状支持層(図示しない)が含まれる。フィルタ薄膜はキャピラリーチューブや中空ファイバー部材(または「ファイバー」)の形状、または筒状のマクロ細孔支持体の内面または外面に形成されたフィルムの外筒の形状、または積層シートまたはフィルム、または多孔性支持体上に付着した積層フィルムにすることができる。適当なフィルム要素はカリフォルニアのPTI Technologies of Oxnard社から入手可能である。
【0022】
フィルタ要素114によって環状の外側チャンバ116と環状の内側チャンバ118とが形成される。外側チャンバ116はフィルタ要素114の上流側となる濾過される前のチャンバを、また内側チャンバ118はフィルタ要素114の下流側となる濾過された後のチャンバを表す。図に示すように、流体供給ライン62の第1の領域62aは第1のフィルタアセンブリ110の外側チャンバ116に通じ、供給ライン62の第2の領域62bは第1のフィルタアセンブリ110の内側チャンバ118に通じる。排水ライン122が第1のフィルタアセンブリ110の外側チャンバ116に通じる。弁124が排水ライン122内に配置され、第1のフィルタアセンブリ110から排水への流量が調節される。
【0023】
第2のフィルタアセンブリ130にはハウジング132および内部のフィルタ要素134が含まれる。フィルタ要素134は、好ましくは通常0.12ミクロン(μ)以上のミコバクテリア粒子を濾過しないバクテリアを保持するサイズ排除フィルタである。第1のフィルタアセンブリ134には親水性ポリビニリデン二フッ化物(PVDF)またはポリエーテルスルホン(PES)の薄膜などのフィルタ薄膜で囲まれたポリプロピレン、ホモポリマーなどの円筒状支持層が含まれる。フィルタ薄膜はキャピラリーチューブや中空ファイバー部材(または「ファイバー」)の形状、または筒状のマクロ細孔支持体の内面または外面に形成されたフィルムの外筒の形状、または積層シートまたはフィルム、または多孔性支持体上に付着した積層フィルムにすることができる。適当なフィルム要素はカリフォルニアのPTI Technologies of Oxnard社から入手可能である。フィルタ要素134によって環状の外側チャンバ136と環状の内側チャンバ138とが形成される。外側チャンバ136はフィルタ要素134の上流側となる濾過される前のチャンバを、またフィルタアセンブリ130の内側チャンバ138はフィルタ要素134の下流側となる濾過された後のチャンバを表す。図に示すように、供給ライン62の第2の領域62bは第2のフィルタアセンブリ130の外側チャンバ136に通じ、供給ライン62の第3の領域62cは第2のフィルタアセンブリ130の内側チャンバ138に通じる。排水ライン142が第2のフィルタアセンブリ130の外側チャンバ136に通じる。弁144が排水ライン142内に配置され、第2のフィルタアセンブリ130から排水への流量が調節される。
【0024】
第1および第2の両方のフィルタアセンブリ110,130は搭載前に殺菌または微生物不活性化するのが好ましく、それによってフィルタアセンブリ110,130から微生物汚染がなくなる。詳細は後述するが、フィルタアセンブリ110,130は引き続く各処理段階の間に微生物不活性化または殺菌が行われる。
【0025】
第1の一対の弁152,154を流体供給ライン62に配置して第1のフィルタアセンブリ110の分離を可能にする。この点に関しては、弁152は流体供給ライン62の第1の領域62a内において第1のフィルタアセンブリ110の入口側に配置し、弁154は供給ラインの領域62bにおいて第1のフィルタアセンブリ110の出口側に配置する。同様に。第2の一対の弁162,164を流体供給ライン62に配置して第2のフィルタアセンブリ130の分離を可能にする。この点に関しては、弁162は流体ライン領域62bにおいて第2のフィルタアセンブリ130の入口側に配置し、弁164は流体供給ラインの領域62cにおいて第2のフィルタアセンブリ130の出口側に配置する。
【0026】
第1および第2のフィルタアセンブリ110、130の反対側でフィルタバイパスライン172が流体供給ライン62に通じる。特にバイパスライン172の一端は、水入口ライン42が流体供給ライン62に接続する位置とポンプ92との間の流体供給ライン62に接続する。詳細は後で述べるが、水入口ライン42とフィルタバイパスライン172との間に方向性のあるチェック弁174を配置し、入ってくる水がフィルタバイパスライン172に通じるのを防止する。フィルタバイパスライン172の他端はフィルタアセンブリ110,130および加熱器102を越えた所で供給ライン62に通じる。
【0027】
本発明の別の形態によると、フィルタパージマニホールドシステム180が設けられる。フィルタパージマニホールドシステム180には、清浄で濾過された加圧空気を循環システム40に与えるよう操作可能な空気入口ライン182が含まれる。空気流量を調節するため空気入口ライン182内に制御弁184が設けられる。入口ライン182の空気は所定の調節した圧力にするのが好ましい。この点に関しては、空気入口ライン182には空気入口ライン182内の空気を一般に一定の所望の圧力に維持する圧力調節弁(図示しない)が含まれる。空気入口ライン182は2つのブランチ戻りライン192,194に分かれる。図2に示すように、制御弁を備えた排気ライン188をブランチ戻りライン192,194に接続する。詳細は後述するが、排気ライン188は充填サイクルの間に水濾過システム100から空気が放出できるように設けられるものである。
【0028】
第1のブランチライン192は第1のフィルタアセンブリ110のハウジング112を貫通して延び、第1のフィルタアセンブリ110の外側チャンバ116に通じる。第1のブランチライン192の制御弁196で通過する空気量を調節する。第2のブランチライン194は第2のフィルタアセンブリ130のハウジング132を貫通して延び、第2のフィルタア要素センブリ130の外側チャンバ136に通じる。流量を調節するためブランチライン194内に制御弁198を配置する。
【0029】
フィルタ要素114の上流側の圧力を検知するためシステム供給ライン62の第1の領域62aとブランチライン192の間に第1の圧力センサ202を設ける。
フィルタ要素134の上流側の圧力を検知するためシステム供給ライン62の第2の領域62bとブランチライン194の間に第2の圧力センサ204を設ける。
【0030】
第1のフィルタアセンブリ110の上流側において水入口弁54と弁152との間の流体供給ライン62の第1の領域62aに第1の漏洩オリフィスライン212を接続する。
漏洩オリフィスライン212内の弁214でそこを流れる流量を調節する。流量を調節するため漏洩オリフィスライン212に流量制限器215を配置する。
【0031】
第1のフィルタアセンブリ110の出口側の弁154と第2のフィルタアセンブリ130の入口側の弁162との間の流体供給ライン62の第2の領域62bに第2の漏洩オリフィスライン216を接続する。漏洩オリフィスライン216内の弁218でそこを流れる流量を調節する。流量を調節するため漏洩オリフィスライン216に流量制限器219を配置する。フィルタ要素114の下流側においてシステム供給ライン62の領域62bに排水ライン232を接続する。弁234で流量を調節する。フィルタ要素134の下流側においてシステム供給ライン62の領域62cに排水ライン236を接続する。弁238で流量を調節する。
【0032】
詳細は後述するが、システムマイクロプロセッサ(図示しない)で循環システム40およびシステム内の弁を制御する。詳細は後述するが、循環システム40の操作には充填段階、化学薬品生成および露出段階、排水段階、1つ以上のリンス段階、およびフィルタ点検段階が含まれる。
【0033】
次に装置10および水濾過システム100について本発明をさらに説明する。医療、歯科治療、製薬、家畜治療または埋葬用器具および機器などの微生物不活性化または殺菌される1つ以上の物品をチャンバ36内に入れる。実施形態に示すように、物品を容器26内に入れて、次にその容器をチャンバ36に入れることもできる。物品はチャンバ36または容器26内のトレイ、バスケット、カートリッジなど(図示しない)内に支持する。
【0034】
物品は過酢酸溶液などの微生物不活性化流体で微生物不活性化または殺菌する。好ましい実施形態では、この流体は化学薬品供給装置72内の乾燥した化学薬品を入ってくる水に曝して混合することによって作られる。この点に関しては、不活性化または殺菌操作の始めに、循環システム40の排水弁96を閉じて、入口ライン42の水弁54を開き、加熱水を循環システム40に入れる。前述したように一定サイズ以上の粒子を取り除く水入口ライン42のフィルタ要素44,46を使用して、入ってくる水を最初に濾過する。フィルタ要素44,46はより小さいサイズの粒子を続いて濾過する寸法になっている。次に、生物を不活性化するため水に紫外線(UV)放射を適用するビールス減少装置52によって入ってくる水を処理する。入ってくる水は弁54を通過して循環システム40に入る。次に、入ってくる水を供給ライン62のフィルタアセンブリ110,130によって濾過し、循環システム40、チャンバ36および容器26の充填に進める。
【0035】
水入口弁54とフィルタバイパスライン172との間にチェック弁174があるため、入ってくる水はすべて第1および第2のフィルタアセンブリ110,130を通過することになるので、装置10内に流れ込む水は確実に濾過される。
【0036】
入ってくる水は外部源で加圧されているので、流体循環システム40、チャンバ36および容器26内の空気は、一般に装置の最も高い箇所に配置された流出/空気装置(図示しない)に押し上げられる。
【0037】
流出ブロックから水が流出すると、装置10に水が充填されたことになる。次いでシステムコントローラで水弁54を閉鎖するが、これによって装置10、すなわち流体循環システム40、チャンバ36および容器26への水の流れが停止する。以上の記載は基本的に装置10の水充填段階について述べた。
【0038】
装置10への水の充填が完了すると、システムコントローラで生成および露出操作段階が開始され、ポンプ92を運転し、循環システム40、チャンバ36および容器26を通して水を循環させる。第1のブランチ供給ライン64の弁74を開いて化学薬品供給容器72内に流れをつくる。化学薬品供給容器72内の水および乾燥した化学薬品で微生物不活性化流体が形成されるが、この不活性化流体は前述したように発明の好ましい実施形態では過酢酸である。乾燥した化学薬品から作られた不活性化流体は循環システム40に流れ、そこでポンプ92によって循環システム40、チャンバ36および容器26を介して循環する。この点に関しては、図示するように、微生物不活性化または殺菌流体の一部は容器26の周りのチャンバ36内に流れ、微生物不活性化流体の一部は容器26および容器内の物品内に流れる。
【0039】
図2の矢印に示すように、循環する不活性化溶液の一部はフィルタバイパスライン172を通って流れ、また不活性化溶液の一部は供給ライン62およびフィルタアセンブリ110,130を通って流れる。システムそれぞれの部分を流れる流量はフィルタバイパスライン172または供給ライン62内に配置された調節弁222によって制御することができる。不活性化流体の大部分はフィルタバイパスライン172に流すのが好ましい。フィルタ供給ライン62と第1および第2のフィルタアセンブリ110,130を流れる不活性流体部分は不活性流体に曝すことでフィルタ要素114,134を確実に不活性化するようにすることが好ましい。この点に関しては、フィルタアセンブリ110,130を通る不活性化流体の流れでフィルタ要素114,134を微生物不活性化または殺菌し、また水充填段階の間にフィルタアセンブリ110,130に入ってきた微生物の汚染物を不活性化する。このように、装置10の各作動の間において、フィルタ要素114,134を微生物不活性化または殺菌流体に曝して、これを微生物不活性化または殺菌する。さらに、不活性化段階の間に閉鎖ループとなる流体循環システム40を流れる微生物不活性化流体で流体循環システム40とこれを形成する部品および流体導管とを有効に汚染除去する。言い換えれば、流体循環システム40は各汚染除去サイクルの間に汚染除去される。
【0040】
所定の露出時間が経過すると、排水段階を開始する。排水弁96を開き、循環システム、チャンバ36および容器26から微生物不活性化流体を排水する。
微生物不活性化流体を装置10から排水した後で、残った微生物不活性化流体および不活性化された物品からの残余物を洗い流すため1以上のリンス段階を実施する。この点に関しては、これまでに充填段階で述べた方法で、入口弁54を開いて新鮮な水を装置10内に入れる。入ってくる水はすべて水濾過システム100を通過し、循環システム40およびチャンバ36に入ってくる水は微生物不活性化または殺菌される。各リンス水を充填したあと、前に述べたようにリンス水を装置10から排水する。ポンプ92を作動させてリンス水を装置10内で循環させることもできる。充填、循環および排水の各段階の間において、流体流出/空気補充アセンブリは微生物の汚染物がシステム内の内部環境に入ってくるのを防止するよう作動する。
【0041】
リンス段階に引き続き、第1および第2のフィルタアセンブリ110,130に対しフィルタ完全性試験を行い、第1および第2の両フィルタアセンブリ、特にフィルタ要素114,134が適切に作動することを確認する。フィルタ完全性試験を実施する前に、まず弁152,154,164を閉めて、フィルタアセンブリ110、130を互に、また濾過システムから分離させ、次いで排水ライン122,142,232および236のそれぞれの弁124,144,234および238を開くことによって排水することが好ましい。排水を容易にするため弁189,196および198を開き、フィルタハウジング112,132に通風空気を入れる。理解できるように、汚染物がフィルタアセンブリ110,130に入るのを防止するため、入ってくる空気はフィルタ手段(図示しない)で濾過する。フィルタアセンブリから排水するときは排水弁124,144および通風弁189は閉鎖する。
【0042】
次に、濾過システム100に対して漏洩試験を行い、漏洩オリフィス212,216が塞がっていないことを確認する。この点に関しては、各フィルタアセンブリ110,130および関連した接続部分は「試験領域」と定義する。基本的に第1のフィルタアセンブリ110の「試験領域」はフィルタアセンブリ110と弁54,124,154,196および234の間の管および管接続具とで定義する。同様に、第2のフィルタアセンブリ130の「試験領域」はフィルタアセンブリ130と弁154,144,238,164および198の間の管および管接続具とで定義する。漏洩試験を実施するため、弁54,154および164を閉鎖したままにして、第1および第2のフィルタアセンブリ110,130を互いに、また流体循環システム40から分離する。ライン122,142,232および236それぞれの弁124,144,234および238を閉じてそれぞれのフィルタハウジング112,132からの出口をすべて閉鎖する。弁152、162は開閉位置にする。弁196,198は、最初は閉鎖しておく。次いで空気入口ライン182の弁184を開く。上記したように、空気入口ライン182の空気圧力は設定した圧力レベルに維持される。次に、ブランチライン192,194それぞれの弁196および198を開いて「試験領域」を設定圧力にする。各試験領域の圧力が安定すると、弁196および198を閉めて各試験領域を空気入口ライン182から分離する。差圧センサ202,204によって試験領域内圧力と空気入口ライン182の設定圧力とを比較する。試験圧力領域に漏洩がないときは、第1および第2の差圧センサ202,204による差圧は検知されない。圧力変化がないことはフィルタハウジング112,132またはこれに関連する試験圧力領域内に漏洩がないことを表す。次に、漏洩オリフィスライン212,216の弁214および218を開放して各試験圧力領域から「設定圧力」を落としていく。第1および第2の差圧センサ202,204でそれぞれの試験圧力領域と設定圧力との間の差圧の変化を検知する。この差圧が変化することは漏洩オリフィス212,216が塞がっていないことを表す。試験領域と空気入口ライン182の設定圧力との間の差圧に変化がない場合は、試験領域の漏洩オリフィスが塞がっていることを表す。
【0043】
試験領域の完全性および漏洩オリフィスの適切な作動を決定する前記の試験に引き続き、水フィルタ完全性試験を実施する。好ましい実施形態によると、フィルタ完全性試験は2段階の工程で行う。この点に関しては、弁54,154および164を閉じて第1および第2のフィルタアセンブリ110,130を互いに、かつ流体循環システム40から分離する。弁152、162は開放位置にする。排水ライン122,142,232,236の弁124,144,234,238は閉じる。漏洩オリフィスライン212,216の弁214,218は閉じる。
【0044】
次に空気入口182の弁184を開いてブランチライン192,194の空気を加圧する。前述したように、空気入口ライン182の空気圧力は設定圧力レベルに維持する。次いで、供給ライン192,194の弁196,198を開き、各フィルタアセンブリ110,130に関連するそれぞれの試験領域に加圧された空気を入れる。所定の時間が経過してそれぞれの試験領域の圧力が前記設定圧力レベルで安定したあと、弁196,198を閉じる。
【0045】
それぞれの試験領域内の圧力が「設定圧力」に安定した状態において、排水ライン232,236のそれぞれの弁234,238、および漏洩オリフィスライン212,216のそれぞれの弁214,218を開放する。理解できるように、フィルタ要素114、134に、また漏洩オリフィスライン212,216の流量制限器215,219に差圧が生じる。換言すると、弁234,238は内側チャンバ118,138を排水に接続するので、フィルタアセンブリ110,130の内側チャンバ118,138の圧力は低くなる。同様に、漏洩オリフィスラインは大気に接続するので、流量制限器215,219を越えた箇所の圧力は低くなる。外側チャンバ116,136の高い圧力はフィルタ要素114,134を通って、また漏洩オリフィスライン212,216の流量制限器215,219を通って徐々に低下する。差圧センサ202,204は内側チャンバ118,138とライン182の設定圧力レベルとの差圧を検知する。時間に対する差圧の変化をシステムコントローラで監視し、それぞれの各試験領域に対する単位時間当りの圧力降下Qsysが決定される。Qsysはフィルタ要素114,134および漏洩オリフィスライン212,216を通って低下する圧力によって引き起こされた単位時間当りの圧力降下である。フィルタ要素114,134および漏洩オリフィスライン212,216によって生じる圧力変化率を測定することが2段階フィルタ点検の第1の段階となる。
【0046】
第1の段階が終了すると、漏洩オリフィスライン212,216の弁214,218および排水ライン232,236の弁234、238を閉鎖する。次いで弁196,198を開いてフィルタアセンブリ110,130のそれぞれの試験領域に設定圧力レベルを再度確立する。次いで弁196,198を閉める。次いで排水ライン232,236の弁234,238を開ける。漏洩オリフィスライン212,216の弁214,218は閉じたままにしておく。フィルタ要素114,134を通して圧力が低下するときの差圧トランスデューサ202,204で検知した差圧の変化をシステムコントローラによって時間を追って監視する。この点に関して、フィルタ点検工程の第2の段階は第1の段階を繰り返すが、漏洩オリフィス215,219は閉じている。システムコントローラで時間に対する差圧の変化を監視し、それぞれの各試験領域に対する単位時間当りの圧力降下Qfilterを決定する。
【0047】
以上のデータで、システムコントローラは圧力変化がフィルタ要素114,134を通した適切な流れを表すか否かを決定する。この点に関して、システムコントローラでQsysとQfilterとの差を決定する。この差は漏洩オリフィスのみの単位時間当りの圧力降下Qorifを表す。次いでシステムコントローラによりQorifをQcalで除して容積当りの圧力単位の値CALを決定する。Qcalは所望の試験圧力、すなわち設定圧力における漏洩オリフィスの校正された容積流量速度である。CAL値はオリフィスの容積流量速度と、容積当りの圧力単位におけるシステムに生じた対応する圧力降下との関係である。次いで、QswfをCALで除して、それぞれの水フィルタ要素に対する計算された拡散流量速度Qcalcを決定する。計算値はフィルタ圧力降下およびオリフィスに基づいて計算されたフィルタの拡散流量速度である。異常な圧力変化はフィルタ要素114,134に損傷が存在することを表し、それによってフィルタアセンブリ110またはフィルタアセンブリ130を交換する必要があることを表し、また殺菌または微生物不活性化操作が装置10で実行されなかった可能性があることを表す。この点に関して、フィルタ要素114またはフィルタ要素134の損傷は水が所望のレベルに濾過されなかった可能性があること、また汚染された水がチャンバ36に入った可能性があることを表す。2つのフィルタ要素114,134のうちの一方の操作で微生物不活性化水または殺菌水を保証するのに十分な濾過を実行できると考えられる場合であっても、欠陥のあるフィルタ要素114または134が1つでも検知されたときは、装置10は間違った作動をしていることを指示することが好ましい。
【0048】
前記漏洩試験、漏洩オリフィス完全性試験およびフィルタ完全性試験は一般に同時に行うものとして述べたが、それぞれのフィルタアセンブリ110,130および関連試験領域のこのような試験は独立して実施することもできる。
【0049】
このように、本発明は、入ってくる水でチャンバ36内に導かれる可能性のある微生物の汚染物を減少させる殺菌または微生物不活性化再処理装置に使用する水濾過システム100を提供する。
【0050】
次に図3に本発明の別の実施形態による水濾過システム100’を示す。基本的に図3は処理段階の間に第2のフィルタアセンブリ130を迂回するバイパスシステム300を示す。この点に関しては、水浄化に対する効果が少なくなるが、微生物不活性化流体が一定のフィルタ要素をとばすことも考えられる。例えば、フィルタの孔のサイズが極端に小さい場合、微生物不活性化流体に存在する界面活性剤でフィルタが塞がれることがある。
したがって、第2のフィルタアセンブリ130を不活性化流体に露出させることを制限するのが望ましい。実施形態に示すように、バイパスライン302の一端を流体供給ライン62の第2の領域62bに接続し、他端を流体供給ライン62の第3の領域62cに接続する。バイパスライン302の流れを弁304で制御する。弁304は通常は閉鎖する弁であるので、流体が第2のフィルタアセンブリ130を流れるときは、バイパスライン302を通る流れは塞がれる。弁162、164を閉じ、バイパスライン302の弁304を開けて第2のフィルタアセンブリ130を迂回させることができ、それによって、流体供給ラインを流れる流体は第2のフィルタアセンブリ130を迂回する。図3に示す実施形態は、微生物不活性化流体の生成および循環段階の間はシステムコントローラによって制御操作し、不活性化流体が第2のフィルタアセンブリ130内に流れるのを防止する。
水取入れ段階またはリンス段階の間は、コントローラでそれぞれの弁304,162,164を制御し、入ってくる水を第2のフィルタアセンブリ130を通して流すことによって、充填およびリンスの各段階において殺菌または微生物不活性化水を提供する。
【0051】
図4に単一のフィルタアセンブリ410を備えた水濾過システム100の別の実施形態を示す。フィルタアセンブリ410には1つのハウジングと2つの内部フィルタ要素414,416が含まれる。両フィルタ要素414および416は細菌を保持するサイズ排除フィルタであり、通常0.12ミクロン(μ)以上のミコバクテリアを濾過しないものが好ましい。フィルタ要素414,416には、親水性ポリビニリデン二フッ化物(PVDF)またはポリエーテルスルホン(PES)薄膜などのフィルタ薄膜で囲まれたポリプロピレン、ホモポリマーなどの円筒状支持層(図示しない)が含まれる。フィルタ薄膜はキャピラリーチューブや中空ファイバー部材(または「ファイバー」)の形状、または筒状のマクロ細孔支持体の内面または外面に形成されたフィルムの外筒の形状、または積層シートまたはフィルム、または多孔性支持体上に付着した積層フィルムにすることができる。環状外側チャンバ422は外側フィルタ要素414とハウジング412との間に形成される。中間チャンバ424は外側フィルタ要素414と内側フィルタ要素416との間に形成される。内部チャンバ426はフィルタ要素416によって形成される。図4に示すように、フィルタアセンブリ410はシステム供給ライン62に配置される。排水ライン142は外側チャンバ422に通じ、排水ライン236は内側チャンバ426に通じる。
【0052】
図4の矢印で示すように、システム供給ライン62を流れる流体は最初に外側フィルタ要素414に流れ、次いで内側フィルタ要素416に流れる。この点に関して、内側フィルタ416は外側フィルタ要素414の下流ラインにある。したがって、フィルタアセンブリ410は図2の実施形態と同じ濾過効果を与える。しかし単一のフィルタアセンブリ410では水濾過システム100の弁および接続具の数量が減少するので、信頼性および性能は増加する。全体構造の単純化、フィルタカートリッジの削除および接続ラインの数量の減少に加え、それによって循環システム全体の容積が減少するので、システム内に必要な液体化学薬品の量が減少する。また理解できるように、前記の漏洩試験、漏洩オリフィス完全性試験およびフィルタ完全性試験がフィルタアセンブリ410および関連した「試験領域」に対して同様に実施される。
【0053】
これまでの記載は本発明の特定の実施形態である。この実施形態は説明のためにのみ記載したものであって、当業者は本発明の精神および範囲から逸脱することなく、多くの変更や修正を実施することができる。このようなすべての修正や変更は、特許請求の範囲の発明またはそれに均等な発明である限り、本発明に含まれるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
循環システムの一部を形成するチャンバ内に殺菌液または微生物不活性化流体を循環させる循環システムを備えた再処理装置であって、前記再処理装置に使用する水を濾過する水濾過システムが、
流体供給ラインの一端が前記チャンバに流体連通しており、前記循環システムの一部を形成する流体供給ラインと、
前記流体供給ラインに配置されたチェック弁と、
前記チャンバの上流で前記チェック弁の下流に配置され、流れる流体を濾過するため前記流体供給ラインに配置された第1のフィルタ要素と、
前記第1のフィルタ要素と前記チャンバの間に配置され、前記第1のフィルタ要素のものよりも小さい粒子を濾過する性能を有し、流れる流体を濾過するため前記流体供給ラインに配置された第2のフィルタ要素と、
前記チェック弁と前記第1のフィルタ要素の間の前記流体供給ラインに一端が接続され、他端が加圧水源に接続された水入口ラインと、
前記水入口ラインと前記第1のフィルタ要素の間にある前記流体供給ラインに接続された、第1の漏洩オリフィスラインと、
前記第1の漏洩オリフィスラインを通る流れを調節するため、前記第1の漏洩オリフィスラインに配置された流量制限器と、
前記第1のフィルタ要素と前記第2のフィルタ要素の間にある前記流体供給ラインに接続された、第2の漏洩オリフィスラインと、
前記第2の漏洩オリフィスラインを通る流れを調節するため、前記第2の漏洩オリフィスラインに配置された流量制限器と、
前記チェック弁の上流の前記流体供給ラインに一端が接続され、そして第2のフィルタ要素と前記チャンバの間の前記流体供給ラインに他端が接続され、前記第1及び第2のフィルタ要素をバイパスする流路として定義し前記流体供給ラインに接続したフィルタバイパスラインと、
前記フィルタバイパスラインを流れる流量を制御するため、前記フィルタバイパスラインに配置された調節弁とを備え、
前記水入口ラインからの全ての水は最初に前記第1及び第2のフィルタ要素を通過して前記再処理装置に入り、そして前記循環システムを循環する流体の一部は、前記流体供給ラインと前記フィルタ要素を通過する
ことを特徴とする再処理装置。
【請求項2】
前記第1および第2のフィルタ要素を互いに分離し、かつ前記循環システムから分離するよう操作可能な複数の弁手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の再処理装置。
【請求項3】
前記第1および第2のフィルタ要素の完全性を決定する手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の再処理装置。
【請求項4】
前記第1および第2のフィルタ要素の完全性を決定する前記手段には前記第1のフィルタ要素に生じる圧力差を検知するよう作動可能な第1の差圧検知装置と、前記第2のフィルタ要素に生じる圧力差を検知するよう作動可能な第2の差圧検知装置とが含まれることを特徴とする請求項3に記載の再処理装置。
【請求項5】
前記第1および第2のフィルタ要素の完全性を決定する前記手段には、
各フィルタ要素を前記水濾過システムから分離する手段と、
分離したフィルタ要素それぞれの上流側を加圧する手段と、
前記分離したフィルタ要素に生じる、時間に対する圧力降下の割合に基づいて各フィルタ要素の完全性を決定する手段と
が含まれることを特徴とする請求項4に記載の再処理装置。
【請求項6】
前記第1および第2のフィルタ要素が単一のフィルタハウジング内に配置されることを特徴とする請求項1に記載の再処理装置。
【請求項7】
前記第1および第2のフィルタ要素は分離したフィルタハウジング内に配置され、第2のフィルタハウジングは第1のフィルタハウジングよりも下流に位置することを特徴とする請求項1に記載の再処理装置。
【請求項8】
物品殺菌用殺菌装置が、
殺菌される物品を入れるチャンバと、
前記チャンバを通じて流体を循環させる流体循環システムと、
水を混合することで乾燥した化学薬品から殺菌液を生成する手段と、
前記流体循環システムを通じて前記殺菌液を循環する手段と、
前記チャンバに入る水を濾過する水濾過システムとを備え、
前記水濾過システムには、
前記流体循環システムの一部を形成し前記チャンバに接続された流体供給ラインと、
前記流体供給ラインに配置されたチェック弁と、
流体を濾過するため前記流体供給ラインに配置され、チェック弁と前記チェック弁の下流の前記チャンバの間に配置された第1のフィルタ要素と、
流体を濾過するため前記流体供給ラインに配置され、前記第1のフィルタ要素のものよりも小さい粒子を濾過可能であり、前記第1のフィルタ要素と前記チャンバの間に配置された第2のフィルタ要素と、
前記チェック弁と前記第1のフィルタ要素の間の前記流体供給ラインに一端が接続され、他端が加圧水源に接続された水入口ラインと、
前記水入口ラインと前記第1のフィルタ要素の間にある前記流体供給ラインに接続された、第1の漏洩オリフィスラインと、
前記第1の漏洩オリフィスラインを通る流れを調節するため、前記第1の漏洩オリフィスラインに配置された流量制限器と、
前記第1のフィルタ要素と前記第2のフィルタ要素の間にある前記流体供給ラインに接続された、第2の漏洩オリフィスラインと、
前記第2の漏洩オリフィスラインを通る流れを調節するため、前記第2の漏洩オリフィスラインに配置された流量制限器と、
前記チェック弁、前記水入口ラインと流体供給ラインの接続点及び前記第1及び第2のフィルタ要素をバイパスする流路として定義され、前記流体供給ラインに接続されたフィルタバイパスラインと、
前記フィルタバイパスラインを流れる流量を制御するため、前記フィルタバイパスラインに配置された調節弁と
を備えることを特徴とする物品殺菌用殺菌装置。
【請求項9】
加圧水源からの水を紫外線放射で処理するUV処理装置をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の物品殺菌用殺菌装置。
【請求項10】
前記UV処理装置は前記流体循環システム外に設けられることを特徴とする請求項9に記載の物品殺菌用殺菌装置。
【請求項11】
前記第1および第2のフィルタ要素の完全性を決定する手段をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の物品殺菌用殺菌装置。
【請求項12】
前記第1および第2のフィルタ要素の完全性を決定する前記手段には前記第1のフィルタ要素に関連する第1の差圧検知装置と、前記第2のフィルタ要素に関連する第2の差圧検知装置とが含まれることを特徴とする請求項11に記載の物品殺菌用殺菌装置。
【請求項13】
前記第1および第2のフィルタ要素の完全性を決定する前記手段には、
各フィルタ要素を前記水濾過システムから分離する手段と、
分離したフィルタ要素それぞれの上流側を加圧する手段と、
前記分離したフィルタ要素に生じる時間に対する圧力降下の割合に基づいて各フィルタ要素の完全性を決定する手段と
が含まれることを特徴とする請求項12に記載の物品殺菌用殺菌装置。
【請求項14】
前記フィルタ要素を分離する前記手段は前記フィルタ要素の両側にある弁であることを特徴とする請求項13に記載の物品殺菌用殺菌装置。
【請求項15】
前記第1および第2のフィルタ要素は単一のフィルタハウジング内に配置されることを特徴とする請求項8に記載の物品殺菌用殺菌装置。
【請求項16】
殺菌する物品を入れるチャンバと、前記チャンバを通して流体を循環させる流体循環システムと、水を混合することで乾燥した化学薬品から殺菌液を生成する手段と、殺菌装置に入る水を濾過する水濾過システムとを備えた殺菌装置の操作方法であって、前記水濾過システムは、
チェック弁が流体供給ラインに配置され、前記チャンバに接続された流体供給ラインと、
前記チェック弁と前記チャンバの間で前記チェック弁の下流に配置され、流体を濾過するため前記流体供給ラインに配置された第1のフィルタ要素と、
前記第1のフィルタ要素と前記チャンバの間に配置され、前記第1のフィルタ要素よりも小さい粒子を濾過することができ、流体を濾過するため前記流体供給ラインに配置された第2のフィルタ要素と、
前記チェック弁と前記第1のフィルタ要素の間に交差して配置され、前記流体供給ラインに接続された水入力ラインと、
前記水入口ラインと前記第1のフィルタ要素の間にある前記流体供給ラインに接続された、第1の漏洩オリフィスラインと、
前記第1の漏洩オリフィスラインを通る流れを調節するため、前記第1の漏洩オリフィスラインに配置された流量制限器と、
前記第1のフィルタ要素と前記第2のフィルタ要素の間にある前記流体供給ラインに接続された、第2の漏洩オリフィスラインと、
前記第2の漏洩オリフィスラインを通る流れを調節するため、前記第2の漏洩オリフィスラインに配置された流量制限器と、
前記チェック弁と前記第1及び第2のフィルタ要素を迂回する流体路として定義され、前記流体供給ラインに接続されたフィルタバイパスラインと、
前記フィルタバイパスラインを流れる流量を制御するため、前記フィルタバイパスラインに配置された調節弁とを備え、
前記操作方法は、
前記水を前記第1及び第2のフィルタ要素を通過させることで水源からの水を前記殺菌装置に充填する工程と、
前記第1および第2のフィルタ要素で濾過した水を前記乾燥した化学薬品に混合して殺菌液を生成する工程と、
前記流体循環システムと前記水濾過システムを通じて前記殺菌液を循環する工程と、
前記殺菌液の一部は前記第1及び第2のフィルタ要素を通じて導かれ、一部は前記フィルタバイパスラインを通じて導かれるよう前記調節弁にて調節する
工程からなることを特徴とする殺菌装置の操作方法。
【請求項17】
前記水を前記第1および第2のフィルタ要素に通過させる前に、前記水をUV放射に曝す工程がさらに含まれることを特徴とする請求項16に記載の殺菌装置の操作方法。
【請求項18】
循環する工程に続けて前記第1及び第2のフィルタ要素の完全性を試験する工程が含まれることを特徴とする請求項16に記載の殺菌装置の操作方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−509(P2010−509A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−232054(P2009−232054)
【出願日】平成21年10月6日(2009.10.6)
【分割の表示】特願2006−522622(P2006−522622)の分割
【原出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【出願人】(505214191)ステリス インク (25)
【Fターム(参考)】