説明

再生型駆動組み立て体用の液体回路

貨物自動車用の再生型駆動装置の一部を形成する組み立て体(10)。貨物自動車は、組み立て体(10)にエネルギーを蓄えさせる動作を行なわせるため、或いは組み立て体(10)によって蓄積されたエネルギーの減少により、組み立て体(10)によって代替的に駆動されるため、組み立て体(10)に動作的に結合する駆動列を備える。組み立て体10は、前記駆動列及び貨物自動車に駆動的に結合する可変角度回転斜板ポンプ/モータ11を備える。組み立て体(10)は、貨物自動車が減速するときに、ポンプ/モータ(11)が駆動されるように、作動するクラッチ(13)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可変角度板ポンプ/モータ及びその関連の液体回路、より具体的には、制限されるものではないが、貨物自動車のような自動車用の再生型駆動装置に用いられる、例えば、ポンプ/モータ及びその液体回路に関する。
【背景技術】
【0002】
国際特許出願である、PCT/AU2005/001241, PCT/AU2006/001426, PCT/AU2003/001235, PCT/AU2003/001238, PCT/AU2003/001236, PCT/AU2003/001237, PCT/AU2003/000757, PCT/AU2003/001237, PCT/AU2003/00040, PCT/AU2003/00042及びPCT/AU2003/00041に記載されているのは、ポンプ/モータ、電気及び液体制御装置を含み、特に、貨物自動車が減速されるときには、通常には無くなるエネルギーの再生利用目的で、貨物自動車用に特に適用される再生型駆動装置である。
【0003】
前述の国際特許出願PCT/AU2006/001426には、可変角度回転斜板ポンプ/モータ及び貨物自動車のような自動車用の再生型駆動装置に用いられる関連液体回路が記載されている。加圧状態の作動液は、回転斜板の角度を変動するためにポンプ/モータの内部に生成される。ポンプ/モータは、クラッチを介して貨物自動車の主駆動列に動作的に結合する。クラッチが解放されると、ポンプ/モータは、ポンピングモードにてホールドされるので、クラッチが結合されると、ポンプ/モータは、回転斜板の動作を可能とする圧力を生成する。これは、時間を費やし、さらに取り込まれるエネルギーの重大な損失を意味する。
【0004】
前述のポンプ/モータについてのさらなる問題は、駆動されていないときにポンピングモードに復帰することである。これは、ポンプ/モータの複雑さに付加され、ポンプ/モータの有効な範囲を制限してしまう。
【0005】
(発明の目的)
本発明の目的は、前述の課題の少なくとも一つを克服するか或いは概ね向上することである。
【発明の概要】
【0006】
ここに、開示されているのは、可変容量及び当該容量を可変するための機構を有するポンプ/モータと、及び前記機構を制御するのに用いられる、加圧状態の作動液をポンプ/モータに提供する液体回路との組み合わせ体であり、液体回路は、
加圧状態の作動液をポンプ/モータに供給するためにポンプ/モータに結合されている液体導管と、
加圧状態の作動液を受け取り、前記導管に結合して前記作動液をポンプ/モータに供給するアキュムレータと、
前記アキュムレータに結合されて前記アキュムレータに前記作動液を供給するポンプと、
加圧状態の作動液を生成するのに前記ポンプを駆動するためポンプに駆動的に結合されるモータと、及び
前記組み合わせ体が動作し、さらに前記導管の圧力が所定の圧力を下回るとモータを作動させるモータに動作可能に結合するスイッチとを備える。
【0007】
好ましくは、前記ポンプ/モータは可変角度回転斜板ポンプであり、前記機構は回転斜板である。
【0008】
好ましくは、前記組み合わせ体は、自動車用の再生型駆動装置の一部であり、前記アキュムレータは第1のアキュムレータ、及び前記装置は第2のアキュムレータを備え、前記第1の導管及び第2の導管の間の導通を伴って、前記第2のアキュムレータは第2の液体導管によってポンプ/モータに結合されているので、第2の導管からの圧力は第1の導管に伝達される。
【0009】
好ましくは、前記組み合わせ体は、前記第1の導管から前記第2の導管への作動液の流れを防ぐ一方向弁を備える。
【0010】
好ましくは、前記組み合わせ体は、さらに、自動車の駆動列に駆動的に結合される駆動組み立て体を備えてなり、この駆動組み立て体は、
前記駆動列に駆動的に結合される第1の部材と、
前記ポンプ/モータ及び第1の部材に作動的に結合されるクラッチであり、クラッチが接合されるとき、第1の部材が前記ポンプ/モータによって駆動され、或いは前記ポンプ/モータを駆動し、一方、クラッチが解放されるとき、前記ポンプ/モータ及び第1の部材が駆動的に分離され、
前記液体回路は、クラッチへの接合及び解放を引き起こすために前記クラッチに作動的に結合される。
【0011】
本発明の好ましい形態は、ここに添付される図面を参照することによって説明される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】貨物自動車の再生型駆動装置のポンプ/モータを備える液体回路の概略図である。
【図2】様々な動作モードにおける図1に示した液体回路の一部を概略的に示す図である。
【図3】様々な動作モードにおける図1に示した液体回路の一部を概略的に示す図である。
【図4】様々な動作モードにおける図1に示した液体回路の一部を概略的に示す図である。
【図5】様々な動作モードにおける図1に示した液体回路の一部を概略的に示す図である。
【図6】様々な動作モードにおける図1に示した液体回路の一部を概略的に示す図である。
【図7】様々な動作モードにおける図1に示した液体回路の一部を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付の図面には、貨物自動車の再生型駆動装置の一部を形成する組み立て体10が概略的に示されている。貨物自動車は、エネルギーを蓄えるための組み立て体10の動作を引き起こすため、或いは組み立て体10によって蓄積されたエネルギーの減少により、組み立て体10によって代替的に駆動されるため、組み立て体10に動作的に結合される駆動列を有する。
【0014】
組み立て体10は、シャフト12から延びる可変角度回転斜板ポンプ/モータ11を備える。シャフト12は、シャフト12とさらに第1のギア(第1の駆動部材)14に接続するクラッチ13に結合されている。第1のギア14は、第2のギア(第2の駆動部材)15と歯車がかみ合うように接触する。第2のギア15は駆動し、或いは貨物自動車の主駆動列によって駆動される。
【0015】
貨物自動車が減速されると、クラッチ13が作動するので、ギア15はポンプ/モータ11を駆動する。ポンプ/モータ11の駆動は、貯蔵器16を液体回路17を介して充填する。液体回路17については、国際特許出願PCT/AU2006/001426により全体的に説明されている。貯蔵器16が充填されるとポンプ/モータ11をモータとして作用させ、加えてシャフト12を駆動させながら、蓄積されたエネルギーは、ポンプ/モータ11を介して貯蔵器16に蓄積された加圧状態での作動液を放出する液体回路17によって貨物自動車を駆動するために用いられる。クラッチ13は、作動されるので、シャフト12は、貨物自動車の主駆動列を回転駆動するギア15に駆動的に結合される。
【0016】
ポンプ/モータ11は、液体アクチュエータ19によって動かされる可変角度回転斜板18を備える。加圧状態での作動液の供給による、液体アクチュエータ19の動作は、前記板18に角度を変化させ、それゆえポンプ/モータ11の作用能力を変更させる。
【0017】
貯蔵器16が十分な加圧状態の作動液を有すると想定すると、液体アクチュエータ19の動作を引き起こすように、液体回路17は液体アクチュエータ19に結合された液体導管20に加圧状態の作動液を供給するように動作される。
【0018】
さらに具体的には、液体アクチュエータ19は、第1のポート21及び第2のポート22を有している。液体導管20は、加圧状態の作動液を弁23はもちろん導管22に供給する。弁23は、第1のポート21にも結合されている。弁23の動作により、圧力は第1のポート21と第2のポート22の間で液体アクチュエータ19の動作により可変角度回転斜板18の角度を変更するために変動される。図1に示される構成にあって、第1のポート21及び第2のポート22の両方は、加圧状態の作動液を受け取るので、液体アクチュエータ19は概ね「中央」位置にある。第2の構成にあって、弁23は加圧状態の作動液を第1のポート21に供給するが、第2のポート22をタンク24に放出する。したがって、回転斜板18の角度は、液体アクチュエータ19の動作によって変更される。弁23の第2の構成にあって、第2のポート22は、加圧状態の作動液を受け取るが、第1のポート21はタンク24に放出する。回転斜板18の角度は、それゆえ変更される。
【0019】
組み立て体10は、加圧状態の作動液を受ける貯蔵器26を含む液体回路25も備える。液体回路25は、さらにポンプ27と加圧状態の作動液を生成するためにポンプ27を駆動する電気モータ28とを備える。
【0020】
液体回路25は、加圧状態の作動液を弁23に供給するために、モータ/ポンプ11と貯蔵器26との間に延設することによって、液体導管20に結合される液体導管29を有する。ポンプ27は、液体導管29にも結合されるので、モータ28によって作動されると、加圧状態の作動液は貯蔵器26を充填するために貯蔵器26に供給される。液体回路25は、導管31を介してクラッチ13に加圧状態の作動液を供給するため、或いはクラッチ13からタンク32に作動液を代替的に排出するために作動されるスプール弁30を備える。そのため、クラッチ13の動作は、弁30を介して制御される。加圧状態の作動液は、圧力調整弁33を介して弁33に供給される。
【0021】
第1の圧力感知スイッチ34(組み立て体10の作動を想定すると)は、液体導管29の圧力が所定の圧力を下回って降下すると、モータ28を作動させる。前記圧力が所定の圧力を超えると、圧力感知スイッチ35は、モータ28を切断する。
【0022】
第1の構成(添付の図に示されるように)にあって、弁30は、クラッチ13にタンク32を接続するので、クラッチ13は開放し、さらにそれゆえシャフト12及びギア15を駆動的に解放する。第2の構成にあって、弁30は導管31をタンク32から切り離し、さらに、クラッチ13の動作を引き起こし、よって駆動的にギア15に関係するシャフト12を分離するため、貯蔵器26をクラッチ13に結合する。
【0023】
ポンプ/モータ11はまた導管37を介してタンク36に結合される。
【0024】
さらに図1に明らかにされているように、貯蔵器16内の加圧状態の作動液は、弁40によって貯蔵器26を充填するためには用いられない。一方向弁38は、液体導管29から液体導管20への流れを防ぐ。
【0025】
(起動(図2))
電気制御(PCT/AU2005/001241に記述されているような)によって、組み立て体10が起動されると、制御はスイッチ34が閉鎖された、すなわち液体導管29が低圧力であることを感知する。モータ28は、その後、起動されるので、ポンプ27は貯蔵器26を充填する。貯蔵器26のポンプ27による充填は、スイッチ35が、液体導管29の圧力が最大になるのを検出するまで継続され、それで、モータ28が停止となる。スイッチ35は、モータの作動する時間を制限する「タイマ」に置き換えられてもよい。安全な機構によって、弁39は、スイッチ35がオンしないことで、過度の圧力をタンク32に放出する。すなわち、貯蔵器26は、弁23の動作により液体アクチュエータ19の動作を可能にすることによって充填される。その点にあって、弁23は電気的に作動されることが明らかであり、さらに再び弁23は国際特許出願PCT/AU2005/001241に記載された制御装置に駆動的に結合される。
【0026】
(回路の準備(図3))
貯蔵器26が充填されると、液体導管29は十分な圧力を有する。それに応じて、モータ28は、切断され、よって全体的に非動作である。
【0027】
(クラッチ接合(図4))
クラッチ13がシャフト12及びギア15に駆動可能に接続すると、弁30は導管29から導管31に加圧状態の作動液を供給するために操作される。
【0028】
(クラッチ安定状態動作(図5))
いったん、クラッチが結合されると、導管29はもちろん導管31内には、圧力は維持されるけれども、他の流れは生じない。
【0029】
(貯蔵器の充填(図6))
前述の組み立て体10の動作の間、導管29内の圧力は所定の圧力を下回るはずで、スイッチ35は貯蔵器26内の圧力を回復するためのポンプ27を駆動するためにモータ28を動作するので、この圧力は液体アクチュエータ19の動作の目的のためにポンプ/モータ11に有効となる。
【0030】
(クラッチ解放(図7))
クラッチ13が解放されると、導管31をタンク32に接続するために弁30は作動される。これは、ギア15からシャフトを解放するためにクラッチに引き起こされる圧力をクラッチ13から解放する。
【0031】
(シャットダウン(図8))
組み立て体10が不作動であると、弁30は導管31がタンク24に結合される構成に復帰し、それにより作動液はクラッチ13から排出される。全体的な制御装置は、貨物自動車の減速又は貨物自動車の加速により迅速にエネルギーを回帰して取り込むため、回転斜板18をクラッチの接合に先立って又はその間に位置するのに、モータ28を作動しないようにも調整する。
【0032】
前述の好適な具現化例にあって、可変ボリュームポンプは、可変角度回転斜板ポンプ11である。他の可変ボリュームポンプとしては、例えば、ポンプ能力を変更するために電気によって制御される弁を用いる弁が利用される。
【0033】
前述の好ましい具現化例は、減速する貨物自動車から最大のエネルギーを取り込むという問題に取り組むのに、回転斜板18の位置を定めるため、ポンプ/モータ11に加圧状態の作動液を提供するという有利な点を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変容量及び当該容量を可変するための機構を有するポンプ/モータと、及び前記機構を制御するのに用いられる、加圧状態の作動液をポンプ/モータに提供する液体回路との組み合わせ体であり、液体回路が、
加圧状態の作動液をポンプ/モータに供給するためにポンプ/モータに結合されている液体導管と、
加圧状態の作動液を受け取り、前記導管に結合して前記作動液をポンプ/モータに供給するアキュムレータと、
前記アキュムレータに結合されて前記アキュムレータに前記作動液を供給するポンプと、
加圧状態の作動液を生成するのに前記ポンプを駆動するためポンプに駆動的に結合されるモータと、
前記組み合わせ体が動作し、さらに前記導管の圧力が所定の圧力を下回るとモータを起動するモータに動作可能に結合するスイッチとを備える組み合わせ体。
【請求項2】
前記ポンプ/モータは可変角度回転斜板ポンプであり、前記機構は回転斜板である請求項1の組み合わせ体。
【請求項3】
前記組み合わせ体は、自動車用の再生型駆動装置の一部であり、前記アキュムレータは第1のアキュムレータ、及び前記装置は第2のアキュムレータを備え、前記第1の導管及び第2の導管の間の導通を伴って、前記第2のアキュムレータは第2の液体導管によってポンプ/モータに結合されているので、第2の導管からの圧力は第1の導管に伝達される請求項1又は2の組み合せ体。
【請求項4】
前記組み合わせ体は、前記第1の導管から前記第2の導管への作動液の流れを防ぐ一方向弁を備える請求項1、2又は3の組み合わせ体。
【請求項5】
前記組み合わせ体は、さらに、自動車の駆動列に駆動的に結合される駆動組み立て体を備えてなり、この駆動組み立て体は、
前記駆動列に駆動的に結合される第1の部材と、
前記ポンプ/モータ及び第1の部材に作動的に結合されるクラッチであり、クラッチが接合されるとき、第1の部材が前記ポンプ/モータによって駆動され、或いは前記ポンプ/モータを駆動し、一方、クラッチが解放されるとき、前記ポンプ/モータ及び第1の部材が駆動的に分離され、
前記液体回路は、クラッチへの接合及び解放を引き起こすために前記クラッチに作動的に結合される請求項1乃至4のいずれか一に記載の組み合わせ体。
【請求項6】
添付の図面を参照して以上に説明した具体化例の再生型駆動装置の一部を形成するための組み合わせ体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−516952(P2010−516952A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545761(P2009−545761)
【出願日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際出願番号】PCT/AU2008/000020
【国際公開番号】WO2008/086561
【国際公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(509200037)ペルモ−ドライブ テクノロジーズ リミテッド (2)
【Fターム(参考)】