説明

再生装置、再生方法

【課題】従来のホログラム記録再生系が有する非線形性の問題を解消して、アパーチャーによる信号光サイズの縮小化による高記録密度化と、低オーバーサンプリングレート(OSR)によるデータ転送レートの向上との双方が図られるようにする。
【解決手段】再生時においてホログラム記録媒体に参照光を照射してデータ読み出しを行う際に、この参照光の照射に応じ得られる再生像と同位相で且つ強度が再生像の振幅の最小値の絶対値より大となるコヒーレント光を上記参照光と共に照射する。一方で、イメージセンサで得られた読み出し信号について、その平方根を計算し、さらに上記コヒーレント光に応じたDC成分を除去してデータ再生を行う。このような読み出し動作とすることで線形な読み出しが可能となり、OSRとアパーチャーサイズについての制約条件は、サンプリング定理による条件(OSR>アパーチャーサイズ)とすることができる。これによりさらなる高記録密度化、及び低OSR化によるさらなるデータ転送レートの向上が図られる。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素単位の光強度差の情報によってビットデータが配列された信号光と、参照光とが干渉して上記信号光に応じたホログラムページが記録されたホログラム記録媒体について再生を行う再生装置であって、
上記ホログラム記録媒体に記録された上記ホログラムページについての再生像を得るにあたって照射されるべき上記参照光を生成する参照光生成手段と、
強度が上記再生像の振幅の最小値の絶対値よりも大きく、位相が上記再生像内の基準位相と同位相となるコヒーレント光を生成するコヒーレント光生成手段と、
入射像を画素単位で受光して画像信号を得るイメージセンサと、
上記参照光を上記ホログラム記録媒体に導くと共に、上記参照光の照射に応じて上記ホログラム記録媒体から得られる上記再生像と、上記コヒーレント光とを上記イメージセンサに対して導くように構成された光学系とを備え、且つ、
上記再生像中において1データビット分の情報を表す1データピクセル分の像を上記イメージセンサ側の何画素分の領域で受光するかの割合を表すオーバーサンプリングレートが、少なくとも1よりも大となるようにして上記イメージセンサの画素数及び上記光学系が調整されていると共に、
上記イメージセンサによる受光動作に基づき得られた画像信号を入力し、該画像信号を構成する各値の平方根を計算する平方根計算手段と、
上記平方根計算手段による平方根計算結果としての画像信号から上記コヒーレント光の成分を除去する除去手段と、
上記除去手段による除去処理後の画像信号から上記再生像に含まれる各データピクセルの位置を特定するピクセル位置特定手段と、
上記ピクセル位置特定手段により特定された各データピクセルの位置の情報に基づき、上記画像信号中における各データピクセル位置での振幅値を取得するピクセル振幅値取得手段と、
上記ピクセル振幅値取得手段により取得された各データピクセル位置での振幅値に基づき、記録データを再生する再生手段と
を備える再生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の再生装置において、
上記除去手段は、
上記平方根計算結果から上記コヒーレント光の強度に応じた値を減算して上記コヒーレント光の成分を除去する。
【請求項3】
請求項2に記載の再生装置において、
上記参照光生成手段と上記コヒーレント光生成手段とは、共通の入射光に対してその強度と位相を変調する共通の空間光変調器によってそれぞれ上記参照光と上記コヒーレント光を生成するように構成されている。
【請求項4】
請求項3に記載の再生装置において、
上記空間光変調器は、
入射光について画素単位による空間光強度変調を施す強度変調器と、同じく画素単位による空間位相変調を施す位相変調器とが一体的に組み合わされて成る。
【請求項5】
請求項4に記載の再生装置において、
上記ホログラムページ内には、所定の複数位置に対して所定データパターンによるシンクデータが挿入されており、
上記ピクセル位置特定手段は、
上記除去手段による除去処理後の画像信号中における上記所定データパターンと相関性を有する位置を探索して上記画像信号中における各シンクデータの挿入位置を特定すると共に、該特定した各シンクデータの位置に基づいて各データピクセルの位置を特定する。
【請求項6】
請求項5に記載の再生装置において、
上記ピクセル位置特定手段は、
各シンクデータの挿入位置を特定するにあたり、特定対象とするシンクデータの挿入位置を基準として選出した複数のシンクデータを上記画像信号中における所定範囲内にて一体的に動かしたときの各シンクデータ位置での相関性検出を行い、その結果最も相関性を有するとされた位置を上記特定対象とするシンクデータの挿入位置として特定する。
【請求項7】
請求項6に記載の再生装置において、
上記画像信号中に含まれるすべてのデータピクセルの位置が四方から上記シンクデータに囲まれるようにして上記シンクデータを外挿するシンク外挿手段をさらに備える。
【請求項8】
請求項7に記載の再生装置において、
上記ピクセル位置特定手段は、
特定対象とするデータピクセルの位置を取り囲む4つのシンクデータの位置と、上記記録フォーマットから推定される上記特定対象とするデータピクセルの位置とに基づく線形補間を行って、上記特定対象とするデータピクセルの位置を特定する。
【請求項9】
請求項8に記載の再生装置において、
上記ピクセル振幅値取得手段は、
対象とするデータピクセル位置の振幅値を、該対象とするデータピクセル位置を取り囲む4つの位置の振幅値を用いた線形補間により計算して取得する。
【請求項10】
請求項4に記載の再生装置において、
上記ピクセル位置特定手段は、
上記除去手段による除去処理後の画像信号中に含まれる二次元クロック情報を抽出した結果に基づき、各データピクセル位置の特定を行う。
【請求項11】
請求項10に記載の再生装置において、
上記ピクセル位置特定手段は、
上記除去手段による除去処理後の画像信号について2次元的なフーリエ変換を行って、上記画像信号中に含まれる平面波要素について周波数解析を行う解析処理と、
上記解析処理による解析結果に対して、第1の所定範囲内と第2の所定範囲内でそれぞれパワースペクトルのピーク部分の探索を行い、上記第1の所定範囲内で検出されたピーク部分に基づき特定される平面波の周期と位相と法線方向とを表す第1方向クロック情報と、上記第2の所定範囲内で検出されたピーク部分に基づき特定される平面波の周期と位相と法線方向とを表す第2方向クロック情報とを取得するクロック情報取得処理と
を行った上で、上記第1方向クロック情報と上記第2方向クロック情報とに基づき、上記画像信号中における各データピクセルの位置を特定する。
【請求項12】
請求項11に記載の再生装置において、
上記除去手段により上記コヒーレント光の成分が除去された画像信号に対して微分処理を施す微分処理手段と、
上記微分処理手段により微分処理された上記画像信号に対して非線形処理を施す非線形処理手段とをさらに備え、
上記ピクセル位置特定手段による上記解析処理では、
上記非線形処理手段による非線形処理後の上記画像信号に対して上記2次元的なフーリエ変換を行う。
【請求項13】
請求項12に記載の再生装置において、
上記非線形処理手段は、
上記非線形処理として、上記画像信号の絶対値をとる、又は2乗値をとる処理を実行する。
【請求項14】
請求項13に記載の再生装置において、
上記ピクセル位置特定手段は、
上記クロック情報取得処理として、
上記第1の所定範囲内で検出されたピーク部分に基づく成分に対して逆フーリエ変換を行って実画像に変換した第1方向2次元クロック画像を上記第1方向クロック情報として取得し、また、上記第2の所定範囲内で検出されたピーク部分に基づく成分に対して逆フーリエ変換を行って実画像に変換した第2方向2次元クロック画像を上記第2方向クロック情報として取得すると共に、
上記第1方向2次元クロック画像が表す第1方向の周期ラインと、上記第2方向2次元クロック画像が表す第2方向の周期ラインとを抽出し、各周期ラインが交わる各格子点を求めた上で、それら各格子点の位置に基づいて各データピクセルの位置を特定する。
【請求項15】
請求項14に記載の再生装置において、
上記ピクセル位置特定手段は、
上記クロック情報取得処理として、
上記第1の所定範囲内で検出されたピーク部分の中心成分とその近傍成分とを含めた成分に対して逆フーリエ変換を行って得られた実画像を上記第1方向2次元クロック画像として取得し、また、上記第2の所定範囲内で検出されたピーク部分の中心成分とその近傍の成分とを含めた成分に対して逆フーリエ変換を行って得た実画像を上記第2方向2次元クロック画像として取得すると共に、
上記第1方向2次元クロック画像が表す第1方向の周期ラインと、上記第2方向2次元クロック画像が表す第2方向の周期ラインとを抽出し、各周期ラインが交わる各格子点を求めた上で、それら各格子点の位置に基づいて各データピクセルの位置を特定する。
【請求項16】
請求項15に記載の再生装置において、
上記微分処理手段は、
上記除去手段により上記コヒーレント光の成分が除去された画像信号について、それぞれ第1方向微分処理と第2方向微分処理とを行い、
上記非線形処理手段は、
上記第1方向微分処理後の画像信号に対して非線形処理を施す第1方向非線形処理と、上記第2方向微分処理後の画像信号に対して非線形処理を施す第2方向非線形処理とを行い、
上記ピクセル位置特定手段は、
上記解析処理として、
上記非線形処理手段による上記第1方向非線形処理後の画像信号と上記第2方向非線形処理後の画像信号とについて、それぞれ個別に上記2次元的なフーリエ変換を施し、
さらに上記クロック情報取得処理として、
上記解析処理により得られた上記第1方向非線形処理後の画像信号についての解析結果に基づき上記第1方向クロック情報を取得し、上記解析処理に得られた上記第2方向非線形処理後の画像信号についての解析結果に基づき上記第2方向クロック情報を取得する。
【請求項17】
請求項16に記載の再生装置において、
上記ホログラムページ内には、ページシンクとしての予め定められた所定のデータパターンが挿入されており、
上記再生手段は、
上記ピクセル振幅値取得手段により取得された各データピクセルの振幅値と上記ページシンクとしての所定のデータパターンとに基づいて上記画像信号中における上記ページシンク位置の探索を行った結果に基づき、各データピクセルの記録フォーマット上での位置を特定すると共に、該特定した各データピクセルの記録フォーマット上での位置の情報と各データピクセルの振幅値の情報とに基づき、記録されたデータを再生する。
【請求項18】
請求項17に記載の再生装置において、
上記ページシンクは複数挿入されており、
上記再生手段は、
それら複数のページシンクを一体のページシンクとして探索を行った結果に基づき各データピクセルの記録フォーマット上での位置を特定する。
【請求項19】
請求項18に記載の再生装置において、
上記ピクセル位置特定手段による上記クロック情報取得処理では、
上記信号光の生成にあたり画素単位による空間光変調を施した空間光変調器のX方向とY方向の画素数と、上記イメージセンサにおけるX方向とY方向のサンプリングレートとに基づいてそれぞれ推定されるX方向のクロック周波数、Y方向のクロック周波数を基準としてそれぞれ設定された上記第1の所定範囲内と上記第2の所定範囲内において、それぞれクロック情報を得るためのピーク部分の探索を行う。
【請求項20】
請求項19に記載の再生装置において、
上記ピクセル振幅値取得手段は、
上記ピクセル位置特定手段により特定されたデータピクセルの位置の周辺の値を用いた補間処理を行って各データピクセルの振幅値を計算により取得する、
【請求項21】
請求項5又は請求項10に記載の再生装置において、
上記除去手段により上記コヒーレント光の成分が除去された画像信号を線形補間により所定倍率にアップコンバートするアップコンバート手段をさらに備える。
【請求項22】
画素単位の光強度差の情報によってビットデータが配列された信号光と、参照光とが干渉して上記信号光に応じたホログラムページが記録されたホログラム記録媒体についての再生を、入射像を画素単位で受光して画像信号を得るイメージセンサを用いて行う再生方法であって、
上記ホログラム記録媒体に記録された上記ホログラムページについての再生像を得るにあたって照射されるべき上記参照光を生成する参照光生成手順と、
強度が上記再生像の振幅の最小値の絶対値よりも大きく、位相が上記再生像内の基準位相と同位相となるコヒーレント光を生成するコヒーレント光生成手順と、
上記参照光生成手順により生成した上記参照光が照射されることに応じて上記ホログラム記録媒体から得られる上記再生像と、上記コヒーレント光生成手順により生成した上記コヒーレント光とを、上記再生像中において1データビット分の情報を表す1データピクセル分の像を上記イメージセンサ側の何画素分の領域で受光するかの割合を表すオーバーサンプリングレートが少なくとも1よりも大となる状態で上記イメージセンサにより受光する受光手順と、
上記受光手順により上記イメージセンサで得られた画像信号を入力し、該画像信号を構成する各値の平方根を計算する平方根計算手順と、
上記平方根計算手順による平方根計算結果としての画像信号から上記コヒーレント光の成分を除去する除去手順と、
上記除去手順による除去処理後の画像信号から上記再生像に含まれる各データピクセルの位置を特定するピクセル位置特定手順と、
上記ピクセル位置特定手順により特定した各データピクセルの位置の情報に基づき、上記画像信号中における各データピクセル位置での振幅値を取得するピクセル振幅値取得手順と、
上記ピクセル振幅値取得手順により取得した各データピクセル位置での振幅値に基づき、記録データを再生する再生手順と
を備える再生方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図27】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図37】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図43】
image rotate

【図44】
image rotate

【図45】
image rotate

【図46】
image rotate

【図47】
image rotate

【図48】
image rotate

【図49】
image rotate

【図50】
image rotate

【図51】
image rotate

【図53】
image rotate

【図54】
image rotate

【図56】
image rotate

【図58】
image rotate

【図59】
image rotate

【図60】
image rotate

【図61】
image rotate

【図62】
image rotate

【図63】
image rotate

【図64】
image rotate

【図65】
image rotate

【図66】
image rotate

【図68】
image rotate

【図69】
image rotate

【図70】
image rotate

【図71】
image rotate

【図72】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図42】
image rotate

【図52】
image rotate

【図55】
image rotate

【図57】
image rotate

【図67】
image rotate


【公開番号】特開2010−3347(P2010−3347A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−160661(P2008−160661)
【出願日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】