説明

再生装置

【課題】
視聴期限が設定されているコンテンツを記録・再生する装置において、ユーザが視聴期限切れのためコンテンツを見逃してしまうという課題があった。
【解決手段】
ユーザがコンテンツを新しく購入しようとしたときに、すでに購入済みで、かつ視聴が終わっていないコンテンツが存在することを検出し、ユーザにその旨のメッセージを表示して注意喚起する。また、視聴期限までの残り時間を算出し、所定の時間内に視聴期限が切れるコンテンツがある場合に、ユーザに対してメッセージを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送波やネットワークなどの通信媒体を介して配信されるコンテンツを視聴するシステム、およびコンテンツを記録し、該記録したコンテンツを再生するシステムに係り、特に視聴期間が指定されているコンテンツに関して、ユーザが視聴期限切れのためにコンテンツを見逃すことを防ぐ方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、記録再生装置において視聴期限のあるコンテンツを録画する場合、視聴期限内に番組を視聴するのを忘れるなどして、あるいはユーザが録画したこと自体を忘れてしまうなどにより、録画したコンテンツを視聴し損なう場合があった。また、ユーザは視聴期限が近づいたことを知ることができず、まもなく視聴期間が切れてしまう未視聴のコンテンツが存在しても、ユーザはその存在に気づかず、そのコンテンツを見逃してしまうという問題があった。
【0003】
特開2003-199009では、この問題を解決するために、視聴期限が切れるまで所定の時間を切ったコンテンツがある場合、メッセージ表示などを用いてユーザに通知することにより、ユーザが視聴期限切れのためにコンテンツを見逃すことを防いでいる。
【0004】
【特許文献1】特開2003−199009号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特開2003−199009では、視聴期限が所定時間内に切れるコンテンツが存在する場合に、ユーザが既にそのコンテンツを視聴したか否かに関わらず、すなわち未視聴のコンテンツと視聴済みのコンテンツ、さらには視聴途中のコンテンツとを区別せずに、ユーザに通知するため、メッセージ頻度という点で、ユーザにとって煩わしいという問題があった。
【0006】
また、視聴期限が所定時間内に切れるコンテンツに関して、コンテンツが有料か無料かなどの、コンテンツの状態を考慮していないため、ユーザに対するメッセージ提示の必要性という点で、課題があった。
【0007】
また、視聴期限が所定時間内に切れるコンテンツを所持しているにも関わらず、視聴期限が設定されたコンテンツを新たに取得しようとする場合などの、ユーザが視聴期限のあるコンテンツを見逃す確率が高まる条件における、ユーザへの注意喚起については考慮されていなかった。
【0008】
本発明は上記問題に鑑み、すでに購入済みの視聴期限が設定されかつ、視聴が終わっていないコンテンツがある場合に、ユーザに対してメッセージなどで注意喚起を行うことにより、メッセージ提示回数を抑制しつつ、ユーザが視聴期限のあるコンテンツを見逃すことを防止することができる。さらに、上記メッセージをユーザがコンテンツを新しく購入しようとしたときに表示すれば、ユーザが気付かずにコンテンツを購入しすぎてしまうことを防ぐことを目的とする。
【0009】
また、すでに購入済みの視聴期限が設定され、かつ、有料であるコンテンツがある場合に、ユーザに対してメッセージ表示を行うことにより、メッセージの提示回数を抑えつつ、ユーザが視聴期限のあるコンテンツを見逃すことを防止することができる。さらに、上記メッセージをユーザがコンテンツを新しく購入しようとしたときに表示すれば、ユーザが気付かずにコンテンツを購入しすぎてしまうことを防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、第1の発明においては、放送波やネットワークなどの放送通信媒体を介して配信される視聴期限が設定されたコンテンツを取得して再生する再生装置において、外部からコンテンツを購入し、購入したコンテンツを取得するコンテンツ取得手段と、前記コンテンツ取得手段で取得したコンテンツを再生するコンテンツ再生手段と、前記コンテンツ取得手段で取得したコンテンツの視聴期限及び視聴未完了に関する情報を収集し、当該情報を管理テーブルに記録して管理するコンテンツ状態管理手段と、ユーザに対して情報提示をするためのメッセージ出力手段とを備え、前記コンテンツ状態管理手段は、視聴期限が設定され、かつ、視聴が完了していないコンテンツがある場合、前記メッセージ出力手段に、そのコンテンツの存在をユーザに提示させるようにする。
【0011】
なお、第1の発明においては、前記コンテンツ取得手段で取得したコンテンツを記録媒体に記録する記録手段をさらに備え、前記コンテンツ再生手段は、前記コンテンツ取得手段で取得したコンテンツをそのまま再生するか、あるいは、いったん記録媒体に記録されたコンテンツを再生する。
【0012】
さらに、前記コンテンツ状態管理手段は、前記コンテンツ取得手段で新たなコンテンツを購入しようとする際に、そのコンテンツの存在をユーザに提示させるようにする。
【0013】
特に、前記コンテンツ状態管理手段は、前記コンテンツ取得手段で購入しようとするコンテンツに視聴期限がある場合に、前記メッセージ出力手段に、そのコンテンツの存在をユーザに提示させるようにしても良い。
【0014】
また、前記コンテンツ状態管理手段は、前記コンテンツ取得手段で購入しようとするコンテンツが有料である場合に、前記メッセージ出力手段に、そのコンテンツの存在をユーザに提示させるようにしても良い。
【0015】
また、前記コンテンツ状態管理手段は、視聴期限が設定され、かつ、視聴が完了していないコンテンツが複数ある場合に、前記メッセージ出力手段に、そのコンテンツの存在をユーザに提示させるようにしても良い。
【0016】
上記の目的を達成するために、第2の発明においては、放送波やネットワークなどの放送通信媒体を介して配信される視聴期限が設定されたコンテンツを取得して再生する再生装置において、外部からコンテンツを購入し、購入したコンテンツを取得するコンテンツ取得手段と、前記コンテンツ取得手段で取得したコンテンツを再生するコンテンツ再生手段と、前記コンテンツ取得手段で取得したコンテンツの視聴期限及び有料/無料に関する情報を収集し、当該情報を管理テーブルに記録して管理するコンテンツ状態管理手段と、ユーザに対して情報提示をするためのメッセージ出力手段とを備え、前記コンテンツ状態管理手段は、視聴期限が設定され、かつ、有料であるコンテンツがある場合、前記メッセージ出力手段に、そのコンテンツの存在をユーザに提示させるようにする。
【0017】
なお、第2の発明においては、前記コンテンツ取得手段で取得したコンテンツを記録媒体に記録する記録手段をさらに備え、前記コンテンツ再生手段は、前記コンテンツ取得手段で取得したコンテンツをそのまま再生するか、あるいは、いったん記録媒体に記録されたコンテンツを再生する。
【0018】
さらに、前記コンテンツ状態管理手段は、前記コンテンツ取得手段で新たなコンテンツを購入しようとする際に、そのコンテンツの存在をユーザに提示させるようにする。
【0019】
特に、前記コンテンツ状態管理手段は、前記コンテンツ取得手段で購入しようとするコンテンツに視聴期限がある場合に、前記メッセージ出力手段に、そのコンテンツの存在をユーザに提示させるようにしても良い。
【0020】
また、前記コンテンツ状態管理手段は、前記コンテンツ取得手段で購入しようとするコンテンツが有料である場合に、前記メッセージ出力手段に、そのコンテンツの存在をユーザに提示させるようにしても良い。
【0021】
また、前記コンテンツ状態管理手段は、視聴期限が設定され、かつ、有料であるコンテンツが複数ある場合に、前記メッセージ出力手段に、そのコンテンツの存在をユーザに提示させるようにしても良い。
【発明の効果】
【0022】
本発明の再生装置により、ユーザが新たなコンテンツを購入しようとする際に、視聴期限が設定され、かつ、ユーザが視聴が完了していないコンテンツがある場合、そのコンテンツの存在をユーザに提示して、注意喚起することにより、視聴期限切れによるコンテンツの見逃しを防止するとともに、過度のコンテンツ購入を抑制することができる。
【0023】
また、本発明の再生装置により、ユーザが新たなコンテンツを購入しようとする際に、視聴期限が設定され、かつ、有料であるコンテンツがある場合、そのコンテンツの存在をユーザに提示することにより、メッセージの表示頻度を抑えつつ、視聴期限切れによるコンテンツの見逃しを効果的に防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
<第1実施例>
本発明にかかるコンテンツ購入確認方法の第1の実施例を、図をもとに説明する。
【0025】
<記録再生装置の構成>
まず、本発明に係る記録再生装置の構成について説明する。
【0026】
図1は、記録再生装置100の機能ブロック図である。記録再生装置100は、放送波やネットワークなどの通信媒体を介して配信されるコンテンツを受信し再生することができるものである。また、放送波やネットワークなどの通信媒体を介して配信されるコンテンツを蓄積装置に記録し、ユーザ操作により記録したコンテンツを再生することができるものである。以下、同図を参照しながら各部の機能について説明する。
【0027】
通信制御部101は、例えばアンテナを介して放送波コンテンツを受信したり、あるいはネットワーク(例えばインタネットのような広域ネットワーク)を介して、コンテンツサーバから配信されるコンテンツを受信する。さらに、通信制御部101は、受信したコンテンツの再生に必要となるライセンスを受信する。ここで、ライセンスは放送波により配信されてもよいし、例えばコンテンツ配信事業者が用意するライセンスサーバから取得しても良い。取得するライセンス情報は、コンテンツの視聴期限を含み、更に、コンテンツが暗号化されている場合には、コンテンツを復号するための復号鍵を含むものである。
【0028】
購入管理部102は、通信制御部101を介して受信するコンテンツの購入管理を行う。コンテンツの購入処理は、例えばコンテンツサービス事業者が金額を設定した有料コンテンツを、ユーザが視聴するために購入する処理であり、購入したコンテンツに関する情報は、購入管理部102からコンテンツ状態管理部103に通知される。管理する情報には、例えばコンテンツタイトル、コンテンツの購入状況、有料/無料コンテンツの区別などが含まれる。
【0029】
コンテンツ状態管理部103は、コンテンツ購入に関する情報を購入管理部102から、コンテンツの再生、停止などの再生に関する情報を再生制御部106から、蓄積装置111に記録されたコンテンツに関する情報を記録制御部110から、コンテンツの残りの視聴期間に関する情報を視聴期限検出部104からそれぞれ収集し、収集した情報に基づき各コンテンツに関する情報を統合的に管理する。
【0030】
また、コンテンツ状態管理部103は、表示装置108に出力されている再生中のコンテンツに対しての、入力手段109からの再生、停止、一時停止、などのユーザ入力操作に応じて、再生制御部106の制御を行う。
【0031】
記録制御部110は、通信制御部101が受信したコンテンツとライセンスを関連付けて蓄積装置111に記録する。コンテンツを記録する際には、記録するコンテンツのタイトルやファイル名、ライセンスに記載されている視聴期限などの情報を、コンテンツ状態管理部103に通知する。
【0032】
蓄積装置111は、例えばハードディスクドライブなどの蓄積媒体であり、コンテンツのデータならびにライセンスデータ、制御プログラムなどを保存するものである。
【0033】
コンテンツ状態管理部103は、蓄積装置111に記録したコンテンツの情報を管理し、必要に応じてユーザにこれらの情報を提示する。この情報は、コンテンツを新たに購入する場合や、コンテンツを蓄積装置に記録する場合、未視聴コンテンツを再生した場合などにおいて更新される。
【0034】
視聴期限検出部104は、コンテンツ状態管理部103から各コンテンツの視聴期限を取得し、さらに時刻管理部105から現在時刻を取得し、現在時刻から視聴期限切れになるまでの残り時間を算出し、予め視聴検出部に設定されている所定の時間よりも残り時間が少ないか否かにより、各コンテンツが所定の時間内に視聴期限切れとなるかを判定する。なお、視聴期限切れになるまでの所定の時間は、記録再生装置100が保持する固定の値(例えば1日など)を使用してもよいし、ユーザが設定した値を視聴期限検出部で保持し、その値を用いてもよい。
【0035】
再生制御部106は、記録制御部110に対して、蓄積装置111からのコンテンツならびにコンテンツに対応するライセンスの読み出しを指示し、読み出したコンテンツを復号した映像を表示装置に出力する。また、放送波やネットワークなどの通信媒体から受信するコンテンツを、受信しながら再生する際の再生制御を実施する。
【0036】
OSD制御部107は、メニューやメッセージ画面、コンテンツ一覧などのユーザ操作画面、コンテンツ購入選択画面などの表示を行う。またOSD制御部107は、表示したユーザ操作画面に対する入力手段109からの入力に応じた画面制御処理を行う。
【0037】
コンテンツ購入選択画面において、ユーザが特定コンテンツを選択することにより、コンテンツ購入を所望していることを検出した場合には、コンテンツ状態管理部103が管理する情報を参照し、必要に応じて、ユーザへの注意喚起メッセージを生成して表示装置に出力する。
【0038】
表示装置108は、再生制御部106から受信する映像信号に対してOSD制御部107から受信する映像信号を重ね合わせた映像を表示する。
【0039】
入力手段109は、無線もしくは有線により記録再生装置100と通信するリモコンやキーボードであり、ユーザがユーザ操作画面において所望の動作を選択するために使用する。
【0040】
<コンテンツ状態管理部が扱う情報>
次に、コンテンツ状態管理部103が扱う情報について説明する。
【0041】
図2は、コンテンツ状態管理部103が保持するコンテンツ情報の一例である。
【0042】
すでに購入済みのコンテンツに対して、コンテンツごとに、「コンテンツ名」「有料/無料」「視聴期限」「視聴状況」「コンテンツ実体」を管理テーブルとして保持している。管理テーブルに保持しているこれらコンテンツに関する情報は、コンテンツ購入、コンテンツ再生、蓄積装置へのコンテンツ記録などの、コンテンツの状態が変わるタイミングにおいて更新される。「コンテンツ名」は、コンテンツの表題である。「有料/無料」は、コンテンツが有料コンテンツか無料コンテンツかを表す。「視聴期限」は、コンテンツが視聴できる有効期限を表し、この期限を過ぎるとユーザはコンテンツを視聴できなくなる。
【0043】
「視聴状況」は、ユーザがそのコンテンツを既に視聴したか、それとも未視聴であるか、もしくはコンテンツの一部を再生したが全体の再生を完了していない視聴中であるか、を表すものである。ここで、未視聴のコンテンツとは、ユーザがコンテンツを購入、もしくは蓄積装置に記録してから一度も再生していないコンテンツのことを意味する。また、視聴中の定義は、コンテンツ全体の再生を完了していないものとしてもよいが、例えば図8に示すように、コンテンツ長に対して特定の規定値Loを設け、ユーザがその規定値Loを超えて視聴を停止した場合には、コンテンツ全体まで再生していない場合であっても視聴済として扱うようにしてもよい。図8の場合、(a)は視聴済として扱い、(b)はユーザがコンテンツの再生を停止した位置が規定値Loに達していないことから、視聴中として扱われる。
【0044】
ユーザがコンテンツを視聴し終わった場合、すなわちコンテンツが視聴済となった場合、そのコンテンツに関する情報は、本管理テーブルから削除される。なお、視聴済コンテンツに関する情報についても、本管理テーブルに残して管理するようにしても構わない。
【0045】
「コンテンツ実体」は、コンテンツの実態が記録再生装置100の中にあるか否かを表すものであり、例えばビデオ・オン・デマンド(VOD)サービスのように、サーバにあるコンテンツを視聴の度に受信して再生するような場合には、コンテンツ実体は「なし」となる。また、一般的にダウンロードサービスと呼ばれるような、コンテンツそのものを記録再生装置の蓄積装置111に記録してから視聴を行うようなサービスの場合には、蓄積装置111に記録されているコンテンツの実体を表し、例えばファイル名などを用いることができる。
【0046】
<第1の実施例における確認メッセージ表示の処理の流れ>
次に、コンテンツ購入時に、ユーザに対して確認メッセージを表示する場合の処理の流れについて説明する。図3は、確認メッセージ表示の処理の流れを表すフローチャートである。
【0047】
まずステップS31は、サービス事業者などが提供するコンテンツ販売サイトからコンテンツを購入するための操作であり、通信制御部101が受信したコンテンツ購入のための情報を、コンテンツ状態管理部103を経由して購入管理部102が受けとる。OSD制御部108は、購入管理部102から購入できるコンテンツの情報を受けとり、コンテンツ選択画面を表示装置108に表示する。
【0048】
図6は、ここで表示する購入コンテンツを選択するための表示画面の一例であり、ここでは「コンテンツ名」「有料/無料」の区別、視聴が可能な期間を表す「視聴期間」を表示している。なお、視聴期間とは、いわゆるレンタルビデオサービスにおけるレンタル可能な期間として考えることができる。ユーザは、入力手段109を用いて、購入したいコンテンツを選択する。なお、ここで表示する画面は、コンテンツ販売サイトが提供する画面をそのまま表示してもよいし、コンテンツ販売サイトから情報だけを受け取り、その情報をもとに表示画面を記録再生装置100の中で作成するようにしても構わない。
【0049】
ユーザが購入を希望するコンテンツを選択すると、ステップS31からステップS32に移行し、コンテンツ状態管理部103が、ユーザが選択した購入希望のコンテンツに視聴期間があるか否かの確認を行う。図6の例では、コンテンツ名「XXX」には視聴期間「7泊8日」が設定されており、視聴期間ありとなる。コンテンツ名「ZZZ」は視聴期間「なし」である。
【0050】
ユーザが視聴期間なしのコンテンツを選択した場合には、本発明における確認メッセージをユーザに通知する必要性は少ないため、その後の処理は行わずにステップS38に進む。
【0051】
一方、ステップS32で視聴期間ありと判定された場合、ステップS33に移行し、コンテンツ状態管理部103が保持するコンテンツ管理テーブルを参照する。
【0052】
ステップS34では、コンテンツ管理テーブル情報に基づき、すでに購入済みのコンテンツに、視聴期限付きコンテンツが存在する否かを確認する。その結果、視聴期限付きコンテンツが存在する場合にはステップS35に進み、ステップS34で検出したコンテンツの視聴状態を確認する。視聴期限付きコンテンツが一つも存在しなかった場合には、本発明における確認メッセージをユーザに通知する必要は無いため、その後の確認処理は行わずに、ステップS34からステップS38に進む。
【0053】
ステップS35において、コンテンツの視聴状態が「視聴中」もしくは「未視聴」と判別された場合、ステップS36に移行する。コンテンツの視聴状態が「視聴済」であった場合には、たとえ視聴期限付きコンテンツであってもユーザに視聴を促すメッセージを通知する必要性は少ないため、直ちにステップS38の購入処理に移行する。
【0054】
なお本実施例では、コンテンツ状態管理部103が保持するコンテンツ管理テーブルに「視聴済」が存在しない構成としているため、ステップS35から必ずステップS36に移行することになるが、視聴済コンテンツに関しても本管理テーブルにて管理するようにした場合に、ステップS35の判定が必要となる。また、ステップS35の判定において、視聴状態が「未視聴」のコンテンツがある場合にのみ、あるいは視聴状態が「視聴中」のコンテンツがある場合にのみ、ステップS36に移行するような制御としてもよい。
【0055】
ステップS36では、OSD制御部107がコンテンツ状態管理部103からコンテンツ情報を取得し、ユーザに対する確認メッセージの画面を表示する。本確認は、すでに購入済みの視聴期限付きコンテンツが存在し、さらにそのコンテンツの視聴状態が「視聴中」もしくは「未視聴」となっている場合に行うことになる。すなわち、すでに購入済みのコンテンツを、ユーザが視聴期限切れのために見逃す恐れがあるために、ユーザに対して注意喚起を行うものである。
【0056】
図7に、ここで表示する確認メッセージの一例を示す。
【0057】
図7の表示画面700は確認メッセージ画面であり、コンテンツ状態管理部103から取得したコンテンツ情報をもとに、例えば視聴状態が「視聴中」もしくは「未視聴」となっているコンテンツのサムネイル画像701やタイトル、有効期限などを表示する。なお、表示画面700は一例であり、ユーザに対する購入意思の確認は、表示メッセージに限るものではない。
【0058】
ステップS37は、ユーザが購入処理を継続するか否かを判定する処理である。確認メッセージ画面700において、ユーザが入力手段109により「購入する」702を選択した場合には、ステップS38に移行して、購入管理部102が新しいコンテンツの購入処理を開始する。また、確認メッセージ画面700において、ユーザが「購入をやめる」703を選択した場合には、購入処理を行わないものとして処理を終了する。
【0059】
ステップS39は、コンテンツ状態管理部103がコンテンツ管理テーブルの情報を更新する処理であり、新しく購入を行ったコンテンツに関する情報を、購入済みのコンテンツとして管理テーブルに登録する。
【0060】
<コンテンツ管理情報更新処理の流れ>
次に、コンテンツ状態管理部103が保持するコンテンツ管理テーブルの情報を更新する処理の流れを説明する。
【0061】
図4は、コンテンツ再生時におけるコンテンツ管理テーブル更新処理の流れを表すフローチャートである。
【0062】
ステップS41で、すでに購入済みのコンテンツからユーザが視聴したいコンテンツを選択すると、コンテンツ状態管理部103は、保持しているコンテンツ管理テーブルの情報をもとに、コンテンツの実体がどこにあるかを特定する。コンテンツが蓄積装置111に存在する場合には、ステップS42において、記録制御部110が蓄積装置111から該当コンテンツを読み出し、再生制御部106が、コンテンツの再生を表示装置108に対して実施する。また、コンテンツ実体が蓄積装置111に存在しない場合には、コンテンツ状態管理部103から通信制御部101を経由して、放送波もしくはネットワーク経由でコンテンツを受信し、再生制御部106が、受信したコンテンツの再生を行う。
【0063】
ステップS43は、コンテンツの再生が停止したことを検出する処理である。ここでコンテンツの停止には、コンテンツが最後まで再生し終わって停止した場合や、ユーザがコンテンツ途中において、入力手段109を用いて停止あるいは一時停止などの操作を行うことによりコンテンツ再生が停止した場合が含まれる。コンテンツが停止すると、ステップS45に移行する。
【0064】
ステップS45は、コンテンツが最後まで再生されたか否かを判定する処理である。コンテンツが最後まで再生された場合は、ステップS48に移行する。
【0065】
ステップS48では、コンテンツ状態管理部103が、コンテンツ管理テーブルから、再生していた該当コンテンツに関する情報を削除する。なお、ここではコンテンツ情報を削除するとしたが、コンテンツ情報は削除せずに、コンテンツ管理テーブルにおける該当コンテンツの視聴状況を「視聴済」としても構わない。
【0066】
ステップS45において、コンテンツが最後まで再生されていないと判断された場合には、ステップS46に移行し、視聴期限検出部104が視聴期限の判定を実施する。
【0067】
ステップS46で視聴期限がすでに過ぎていると判定された場合は、該当コンテンツに関しての再生は今後行えないものと判断し、ステップS48に進んで、コンテンツが最後まで再生された場合と同様の処理を実施する。なお、視聴期限の扱いはこれに限るものではなく、例えばサービス事業者が、視聴期限が過ぎた場合においても、視聴状況が「視聴中」であれば再生を続けられる、というような視聴形態を実施している場合には、ステップS48の処理を行わなくてもよい。
【0068】
ステップS46において、再生していたコンテンツの視聴期限がまだ残っていると判定された場合は、ステップS47に移行し管理テーブルの更新を行う。
【0069】
ステップS47で、コンテンツ状態管理部103は、コンテンツ管理テーブルにおける該当コンテンツの視聴状況を更新する。再生前の視聴状況が「未視聴」であった場合は視聴状況を「視聴中」に更新し、再生前の視聴状況が「視聴中」であった場合には、視聴状況を「視聴中」のままで保持する。
【0070】
以上説明したとおり、本発明の第1の実施形態によれば、ユーザがコンテンツを新しく購入しようとしたときに、すでに購入済みで、かつ視聴が終わっていないコンテンツが存在することをユーザにメッセージなどで示すことにより、ユーザが視聴期限のあるコンテンツを見逃すことを防止するとともに、ユーザが気付かずにコンテンツを購入しすぎてしまうことを防ぐことができる。
【0071】
また、例えばステップS34における判定処理を、視聴期限付きのコンテンツがN本以上存在するか否かの判定とすることにより、すでに購入済みで、かつ視聴が終わっていないコンテンツが複数存在する場合にのみ、ユーザに対してメッセージを表示することが可能となる。これにより、購入時の確認メッセージの頻度を抑制しつつ、かつユーザに対して視聴期限のあるコンテンツの見逃し防止と、過度の購入を抑制することができる。
【0072】
<第2の実施例>
続いて、本発明にかかるコンテンツ購入時の確認メッセージ表示方法の第2の実施例を、図をもとに説明する。
【0073】
記録再生装置の機能構成は、実施例1と同じく図1に示す記録再生装置100で表されるため、説明を省略する。また、コンテンツ状態管理部103が管理する情報も第1の実施例と同様であるため、説明を省略する。
【0074】
<第2の実施例における確認メッセージ表示の処理の流れ>
続いて、本実施例における、コンテンツ購入時のユーザに対する確認メッセージ表示処理の流れについて説明する。図5は、本実施例における確認メッセージ表示の処理の流れを表すフローチャートである。このフローチャートにおいて、第1の実施例と同じ処理については、図3と同じ番号を付し、ここでは説明を省略する。
【0075】
ステップS31において、ユーザが購入を希望するコンテンツを選択すると、ステップS51に移行する。
【0076】
ステップS51は、ユーザが選択した購入希望のコンテンツが有料か無料か、を判断する処理である。図6の例では、コンテンツ名「XXX」「YYY」「ZZZ」は有料であり、コンテンツ「aaa」は無料コンテンツである。
【0077】
ユーザが選択したコンテンツが無料の場合には、本発明における確認メッセージをユーザに通知する必要は無いと判断し、その後の処理は行わずにステップS38へと移行する。
【0078】
ユーザが有料コンテンツの購入を希望している場合には、ステップS51からステップS33に移行し、コンテンツ状態管理部103が保持するコンテンツ管理テーブルを参照する。
【0079】
なお、本実施例では、図3に示した第1の実施例におけるステップS32の代わりに、ステップS51を行う処理を示したが、本実施例においても第1の実施例と同様にステップS32の判定、すなわちユーザが選択した購入希望のコンテンツに視聴期間があるか否かの確認を行うようにしてももちろん構わない。また、ステップS32とステップS51の両方の判定を行い、ユーザが選択した購入希望のコンテンツに視聴期間があり、かつそのコンテンツが有料である場合にのみ、コンテンツ購入時のユーザに対する確認メッセージを表示するようにすることも可能である。
【0080】
ステップS52は、コンテンツ管理テーブル情報に基づき、すでに購入済みの視聴期限付きコンテンツが、有料コンテンツか否かを確認する処理である。視聴期限付きのコンテンツが有料である場合には、本発明における確認メッセージをユーザに提示する必要性が高いと判断し、視聴期限はあるもののコンテンツが無料である場合には、たとえそのコンテンツを見逃したとしてもユーザが受ける影響は少ないと考えられるため、本発明における確認メッセージをユーザに通知せずに、ステップS38の購入処理に進む。
【0081】
なお、ステップS51およびステップS52に示したような、有料コンテンツに関してのみ確認メッセージを表示する、という処理は、ユーザが希望に応じて選択設定できるようにしてもよい。例えば700と同じような画面を表示装置108に表示し、ユーザが入力手段109により、有料コンテンツの場合にのみメッセージを表示するか、有料と無料コンテンツの両方の場合にメッセージを表示するかを、予めユーザの希望に応じて選べるようにしてもよい。
【0082】
ステップS53では、視聴期限検出部104が、ステップS33で取り出したコンテンツ管理情報から視聴期限T1を抽出する。
【0083】
さらにステップS54では、時刻管理部105から現在時刻T2を取得する。
【0084】
ステップS55では、現在時刻から視聴期限が切れるまでに残された時間(T1―T2)を算出し、算出した結果が、視聴期限検出部104が保持する所定の時間T0よりも短い場合には、本コンテンツをユーザが見逃す恐れが高まる可能性があるため、ユーザに対して、新たなコンテンツの購入を行うか否かを確認するためのメッセージを表示するために、ステップS36に進む。視聴期限が切れるまでに所定の時間よりも長い期間が残されている場合には、メッセージ表示は行わずステップS38に進む。
【0085】
なお、視聴期限検出部104が保持する所定の時間T0は、予め決められた固定値としてもよく、またユーザが希望に応じて設定できるようにしてもよい。
【0086】
以上説明したとおり、本発明の第2の実施形態によれば、ユーザがコンテンツを新しく購入しようとしたときに、購入済みのコンテンツの視聴が終わっておらず、かつコンテンツの視聴期限が迫っている場合に、ユーザにその旨の確認メッセージを提示することにより、ユーザが購入済みの視聴期限のあるコンテンツを見逃すことを防止することができるとともに、ユーザが気付かずにコンテンツを買い過ぎてしまうことを防ぐことができる。
【0087】
また、視聴が終わっておらず、かつ視聴期限が迫ったコンテンツが複数存在する場合にのみ、ユーザに対する購入確認メッセージを表示するようにしてもよい。例えば、視聴期限付きのコンテンツ全てに対してステップS55の判定を行い、T1−T2<T0に該当するコンテンツが複数個ある場合に、ステップS55からステップS36に移行する。これにより、ユーザが視聴期限のあるコンテンツを見逃す可能性がより高い場合にのみ購入時の確認メッセージを表示することができ、かつユーザに対して視聴期限のあるコンテンツの見逃し防止と、過度の購入抑制を行うことができる。
【0088】
また、有料コンテンツに対してのみ、本発明における確認メッセージの表示を行うことにより、ユーザが購入済みの視聴期限のあるコンテンツを見逃すことを防止できると同時に、有料コンテンツの購入抑制により、ユーザが被る被害を小さくすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】発明に係る記録再生装置の機能ブロック図である。
【図2】第1のコンテンツ管理情報の例である。
【図3】第1の確認メッセージ表示処理のフローチャートである。
【図4】コンテンツ管理情報更新処理のフローチャートである。
【図5】第2の確認メッセージ表示処理のフローチャートである。
【図6】コンテンツ購入画面の表示例である。
【図7】第1の確認メッセージ画面の表示例である。
【図8】コンテンツ視聴中と視聴済の判別例である。
【符号の説明】
【0090】
100 記録再生装置
101 通信制御部
102 購入管理部
103 コンテンツ状態管理部
104 視聴期限検出部
105 時刻管理部
106 再生制御部
107 OSD制御部
108 表示装置
109 入力手段
110 記録制御部
111 蓄積装置
600 コンテンツ購入画面の表示例
700 第1の確認メッセージ画面の表示例
701 第1の画面表示例における視聴未終了コンテンツ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを取得して再生する再生装置において、
外部からコンテンツを購入し、購入したコンテンツを取得するコンテンツ取得手段と、
前記コンテンツ取得手段で取得したコンテンツを再生するコンテンツ再生手段と、
前記コンテンツ取得手段で取得したコンテンツの視聴期限及び視聴未完了に関する情報を収集し、当該情報を管理テーブルに記録して管理するコンテンツ状態管理手段と、
ユーザに対して情報提示をするためのメッセージ出力手段とを備え、
前記コンテンツ状態管理手段は、視聴期限が設定され、かつ、視聴が完了していないコンテンツがある場合、前記メッセージ出力手段に、そのコンテンツの存在をユーザに提示させることを特徴とする再生装置。
【請求項2】
前記コンテンツ取得手段で取得したコンテンツを記録媒体に記録する記録手段をさらに備え、
前記コンテンツ再生手段は、前記コンテンツ取得手段で取得したコンテンツをそのまま再生するか、あるいは、いったん記録媒体に記録されたコンテンツを再生することを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
前記コンテンツ状態管理手段は、前記コンテンツ取得手段で新たなコンテンツを購入しようとする際に、そのコンテンツの存在をユーザに提示させることを特徴とする請求項1または2に記載の再生装置。
【請求項4】
前記コンテンツ状態管理手段は、前記コンテンツ取得手段で購入しようとするコンテンツに視聴期限がある場合に、前記メッセージ出力手段に、そのコンテンツの存在をユーザに提示させることを特徴とする請求項3に記載の再生装置。
【請求項5】
前記コンテンツ状態管理手段は、前記コンテンツ取得手段で購入しようとするコンテンツが有料である場合に、前記メッセージ出力手段に、そのコンテンツの存在をユーザに提示させることを特徴とする請求項3に記載の再生装置。
【請求項6】
前記コンテンツ状態管理手段は、視聴期限が設定され、かつ、視聴が完了していないコンテンツが複数ある場合に、前記メッセージ出力手段に、そのコンテンツの存在をユーザに提示させることを特徴とする請求項3に記載の再生装置。
【請求項7】
コンテンツを取得して再生する再生装置において、
外部からコンテンツを購入し、購入したコンテンツを取得するコンテンツ取得手段と、
前記コンテンツ取得手段で取得したコンテンツを再生するコンテンツ再生手段と、
前記コンテンツ取得手段で取得したコンテンツの視聴期限及び有料/無料に関する情報を収集し、当該情報を管理テーブルに記録して管理するコンテンツ状態管理手段と、
ユーザに対して情報提示をするためのメッセージ出力手段とを備え、
前記コンテンツ状態管理手段は、視聴期限が設定され、かつ、有料であるコンテンツがある場合、前記メッセージ出力手段に、そのコンテンツの存在をユーザに提示させることを特徴とする再生装置。
【請求項8】
前記コンテンツ取得手段で取得したコンテンツを記録媒体に記録する記録手段をさらに備え、
前記コンテンツ再生手段は、前記コンテンツ取得手段で取得したコンテンツをそのまま再生するか、あるいは、いったん記録媒体に記録されたコンテンツを再生することを特徴とする請求項7に記載の再生装置。
【請求項9】
前記コンテンツ状態管理手段は、前記コンテンツ取得手段で新たなコンテンツを購入しようとする際に、そのコンテンツの存在をユーザに提示させることを特徴とする請求項7または8に記載の再生装置。
【請求項10】
前記コンテンツ状態管理手段は、前記コンテンツ取得手段で購入しようとするコンテンツに視聴期限がある場合に、前記メッセージ出力手段に、そのコンテンツの存在をユーザに提示させることを特徴とする請求項9に記載の再生装置。
【請求項11】
前記コンテンツ状態管理手段は、前記コンテンツ取得手段で購入しようとするコンテンツが有料である場合に、前記メッセージ出力手段に、そのコンテンツの存在をユーザに提示させることを特徴とする請求項9に記載の再生装置。
【請求項12】
前記コンテンツ状態管理手段は、視聴期限が設定され、かつ、有料であるコンテンツが複数ある場合に、前記メッセージ出力手段に、そのコンテンツの存在をユーザに提示させることを特徴とする請求項9に記載の再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−63045(P2010−63045A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−229213(P2008−229213)
【出願日】平成20年9月8日(2008.9.8)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】