説明

再送信システム

【課題】 既存の再送信装置において、少なくとも1波の地上デジタルテレビジョン放送信号を再送信するための設備の構成及び追加設置工事を容易にする。
【解決手段】 受信装置2が、複数波の地上デジタルテレビジョン放送信号を、光信号に変換し、多芯の光ファイバー20の1本の光ファイバー20aを介して送信装置22に供給する。送信装置22が供給された光信号を、元の地上デジタルテレビジョン放送信号に復元し、送信アンテナ28に供給する。追加受信装置34が少なくとも1波の地上デジタルテレビジョン放送信号を光信号に変換し、多芯の光ファイバー20の他の1本の光ファイバー20bを介して追加送信装置36に供給し、追加送信装置36は、伝送された光信号を元の地上デジタルテレビジョン放送信号に復元し、追加送信アンテナ40に供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地上デジタルテレビジョン放送信号の再送信システムに関し、特に、再送信する地上デジタルテレビジョン放送信号を追加するものに関する。
【背景技術】
【0002】
再送信システムとしては、例えば特許文献1に開示されているようなものがある。特許文献1の技術によれば、受信装置は、受信した複数の地上デジタルテレビジョン放送信号を増幅する処理ユニットを有し、この処理ユニットからの複数の地上デジタルテレビジョン放送信号は、光送信機で光信号に変換され、光ファイバーを介して2台の送信装置のうち1台の送信装置に伝送される。2台のうち1台の送信装置は、受信した光信号を元の複数の地上デジタルテレビジョン放送信号に変換して再送信する。受信装置は、ある1波のチャンネルの処理ユニットも有し、この処理ユニットは、停電時に動作して、ある1波の地上デジタルテレビジョン放送信号を増幅し、上記の光送信機(この光送信機は停電時でも動作するように構成されている)によって光信号に変換され、光ファイバーに供給される。2台の送信装置のうちもう1台の送信装置である1波のチャンネル用の送信装置は停電時でも動作するように構成されており、光ファイバーを介して伝送された光信号を特定の1波の地上デジタルテレビジョン放送信号に変換し、送信アンテナから送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−287992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術によれば、停電時でもある1波の地上デジタルテレビジョン放送信号の再送信を行うことができる。ところで停電時でもある1波の地上デジタルテレビジョン放送信号の再送信を行えるように構成されていない受信装置と1台の送信装置しか備えていない既存の再送信システムにおいて、ある1波の地上デジタルテレビジョン放送信号の再送信を行えるようにするためには、1つの手法として受信装置に停電時に動作するある1波の地上デジタルテレビジョン放送信号の処理ユニットを追加し、光送信機を停電時にも動作するように変更した上に、ある1波の地上デジタルテレビジョン放送信号用の送信装置を追加する方法が考えられる。しかし、このような追加設置工事は作業手順が増え、、1本の光ファイバー上で新たな光信号を伝送する必要があり、既存の再送信システムへの追加作業が面倒になる。また、長時間の停波を伴うデメリットがある。このような追加作業は、停電対策用に無停電電源装置を設置している場合でも同様に生じる。
【0005】
本発明は、既存の再送信システムにおいて、少なくとも1波の再送信を可能にするための追加設置工事を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の再送信システムは、第1の受信装置を有している。第1の受信装置は、複数波の地上デジタルテレビジョン放送信号を光ファイバーを介して伝送可能な第1の光信号に変換し、多芯の光ファイバーの1本の光ファイバーに供給する。第1の受信装置から前記1本の光ファイバーを介して伝送された前記第1の光信号を、第1の送信装置が元の複数波の地上デジタルテレビジョン放送信号に復元し、第1の送信アンテナに供給する。このような再送信システムにおいて、少なくとも1波の地上デジタルテレビジョン放送信号を再送信するために、少なくとも1波の地上デジタルテレビジョン放送信号を光ファイバーで伝送可能な第2の光信号に変換する第2の受信装置が追加される。なお、少なくとも1波の地上デジタルテレビジョン放送信号は、第1の受信装置及び第1の送信装置によって再送信されている複数波の地上デジタルテレビジョン放送信号のうちの1波と同一のものとすることもできるし、異なる1波の地上デジタルテレビジョン放送信号とすることもできる。第2の受信装置は、前記多芯の光ファイバーが備える複数の光ファイバーのうち、前記第1の光信号を伝送している光ファイバーとは異なる他の1本の光ファイバーに、第2の光信号を供給する。第2の受信装置から前記他の1本の光ファイバーを介して伝送された前記第2の光信号を第2の送信装置が前記少なくとも1波の地上デジタルテレビジョン放送信号に復元して、第2の送信アンテナに供給する。
【0007】
このように構成すると、第2の受信装置からの第2の光信号は、第1の光信号を伝送している光ファイバーとは異なる1本の光ファイバーにて伝送されるので、既存の再送信システムとは別個に再送信を可能にするための追加設置工事を容易にする構築することができる。
【0008】
前記第2の受信装置と前記第2の送信装置とは、前記第1の送信装置及び前記第2の受信装置のうち少なくとも1台が動作不能時に、少なくとも1波の地上デジタルテレビジョン放送信号を再送信するように構成することができる。このように構成すると、第1の送信装置や第1の受信装置のいずれか一方または双方が、例えば停電や電源異常等で動作不能になったときでも、追加された少なくとも1波の地上デジタルテレビジョン放送信号については再送信することができる。なお、前記第1の送信装置または第1の受信装置が動作不能であることは、例えば前記第1の送信装置または第1の受信装置の電源停止を検出することによって行えるし、電源の異常を検出することによっても行える。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本発明によれば、既存の再送信システムにおいて、少なくとも1波の地上デジタルテレビジョン放送信号の再送信を可能にするための追加設置工事を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の1実施形態の再送信システムのブロック図である。
【図2】図1の再送信システムの受信装置のブロック図である。
【図3】図1の再送信システムの送信装置のブロック図である。
【図4】図1の再送信システムの追加受信装置のブロック図である。
【図5】図1の再送信システムの追加受信装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施形態の再送信システムは、図1に示すように、第1の受信装置、例えば受信装置2を有している。受信装置2は、分配器8、複数の抽出手段(例えば、バンドバスフィルタ10)、複数の信号処理手段(例えば、信号処理部6及び増幅部7)、バンドパスフィルタ12、合成器14及び電気−光変換手段(例えば、光送信機16)で構成されており、第1の受信アンテナ、例えば受信用アンテナ4で受信した複数波の地上デジタルテレビジョン放送信号を分配器8及び抽出手段を介して1波の地上デジタル放送テレビジョン放送信号を抽出し、該信号を1波用の信号処理手段に供給し、ここで後述する信号処理を行なった後、合成器14にて他の信号処理手段からの他の1波の地上デジタル放送テレビジョン放送信号と合成した複数波の地上テレビジョン放送信号を、電気−光変換手段にて第1の光信号に変換して出力する。
【0012】
図2に示すように、信号処理手段は、各波に対応させて複数台設けられ、各信号処理手段は対応した1波の地上デシタルテレビジョン放送信号を信号処理部6−1、6−2・・・6−nにて中間周波信号に周波数変換し、この中間周波信号を波形再生成回路及び自動利得調整回路により信号レベル調整を行ない、元の1波の地上デシタルテレビジョン放送信号に周波数変換した後、増幅部7−1、7−2、・・・7−nによって増幅される。これら複数台の信号処理手段から出力される1波の地上デジタル放送信号を合成器14によって合成し、光送信機16に供給する。同図において、符号8で示すのは、受信アンテナ4で受信された複数波の地上デシタルテレビジョン放送信号を分配する分配器、符号10−1、10−2、・・・10−nで示すのは、分配器8から分配された複数波の地上デシタルテレビジョン放送信号から各信号処理部6−1、6−2・・・6−nに入力する1波の地上デジタルテレビジョン放送信号を抽出するように各信号処理手段6−1、6−2・・・6−nの入力側に設けた抽出手段、例えばバンドパスフィルタ、符号12−1、12−2・・・12−nで示すのは各増幅部7−1、7−2、・・・7−nの出力側に設け、不要な信号成分を除去するバンドパスフィルタである。
【0013】
受信装置2の出力は、図1に示すように多芯の光ファイバー20の1本の光ファイバー20aを介して送信装置22に供給される。送信装置22は、図3に示すように、光ファイバー20aで伝送された第1の光信号を受けて、光−電気変換手段、例えば光受信機24によって元の複数波の地上デジタルテレビジョン放送信号に復元し、増幅手段、例えば増幅器26によって適正な信号レベルになるように増幅し、送信アンテナ28に供給する。
【0014】
受信装置2と送信装置22とを備える再送信システムは、例えば山間部やビル影などの難視聴対策として設置されている。
【0015】
図1に示すように、この受信装置2には無停電電源装置30によって動作電力が供給されている。また、送信装置22にも、無停電電源装置32によって動作電力が供給されている。これら無停電電源装置30、32は、例えば商用交流電圧を降圧して受信装置2、送信装置22に動作電力を供給し、停電が生じると、一定時間に亘って内蔵するバッテリーによって受信装置2、送信装置22に動作電力を供給する。従って、無停電電源装置30、32が設置されている場所で停電が生じて、バッテリーによって受信装置2、送信装置22に動作電力を供給している状態で、無停電電源装置30、32に異常が発生し、正常に動作電力が供給不能となると、再送信が不能となる。
【0016】
そこで、再送信が不能な場合でも、少なくとも1波の地上デジタルテレビジョン放送信号(この1波の地上デジタルテレビジョン放送信号は、受信装置2によって受信されている複数波の地上デジタルテレビジョン放送信号のうち1波の地上デジタルテレビジョン放送信号である)を再送信できるように、少なくとも1波の地上デジタルテレビジョン放送信号専用の受信装置及び送信装置を設け、これらを蓄電手段、例えばバッテリーで動作可能とし、無停電電源装置30または32に異常が発生したとき、この1波の地上デジタルテレビジョン放送信号専用の受信装置及び送信装置を、動作させることが考えられる。
【0017】
このような1波の地上デジタルテレビジョン放送信号専用の受信装置及び送信装置を、受信装置2及び送信装置22を有する既設の再送信システムに、追加しようとする場合、システムの再構築によるシステム設計及び検証に時間や費用がかかり既存の再送信システムの光ファイバー20aに、1波の地上デジタルテレビジョン放送信号専用の受信装置からの光信号を混合して伝送することは難しい。
【0018】
そこで、この実施形態では、光ファイバー20が多芯であり、受信装置2及び送信装置22を接続する光ファイバー20a以外にも予備の光ファイバーが多芯の光ファイバー20内に存在することに着目して、システムの再構築によるシステム設計及び検証に時間や費用の問題を解決している。
【0019】
即ち、第2の受信装置、例えば1波の地上デジタルテレビジョン放送信号用の追加受信装置34と、第2の送信装置、この1波の地上デジタルテレビジョン放送信号用の追加送信装置36が設けられている。
【0020】
追加受信装置34は、図4に示すように、信号処理手段(例えば、信号処理部6a及び増幅部7a)及び電気−光変換手段(例えば、光送信機16a)で構成されており、追加受信アンテナ38で受信した1波の地上デジタルテレビジョン放送信号を信号処理部部6aにて、中間周波信号に周波数変換し、この中間周波信号を波形再生成回路及び自動利得調整回路により信号レベル調整を行ない、元の1波の地上デシタルテレビジョン放送信号に周波数変換した後、増幅部7aによって増幅する。この増幅された1波の地上デシタルテレビジョン放送信号を電気−光変換手段、例えば光送信機16aで第2の光信号に変換され出力される。追加受信装置34の光送信機の光信号の波長は、受信装置2の光信号と同じ波長である。追加受信装置34からの光信号は、光ファイバー20内の予備の光ファイバー20bに供給される。また、追加受信装置34の入力側には追加受信アンテナ38で受信した1波の地上デジタルテレビジョン放送信号を抽出するための抽出手段(図示しない)例えば、バンドパスフィルタを設けている。
【0021】
追加送信装置36に、追加受信装置34から光ファイバー20bを介して伝送された光信号が供給される。追加送信装置36では、図5に示すように、光ファイバー20bを介して伝送された光信号が1波の地上デジタルテレビジョン放送信号に光−電気変換手段、例えば光受信機24aで復元される。復元された1波の地上デジタルテレビジョン放送信号は、追加送信装置36内の増幅手段、例えば増幅器26aで適正な信号レベルに増幅され、この増幅された地上デジタルテレビジョン放送信号は、追加送信アンテナ40に供給され、この追加送信アンテナ40から再送信される。この追加送信装置36は、図3に示した送信装置22の構成において、送信アンテナ28を追加送信アンテナ40に変更した以外、同一の構成である。
【0022】
追加受信装置34は、蓄電手段、例えばバッテリー(図示せず)を有し、このバッテリーは、無停電電源装置30によって充電されている。また、追加受信装置34は無停電電源装置30からの電力によって常時動作しており、無停電電源装置30に異常が発生したとき、図1に破線矢印Aで示すように検出信号が無停電電源装置30から追加受信装置34に供給されて、追加受信装置34がバッテリーによって動作する。無停電電源装置30の異常としては、例えば交流出力電圧、内部温度異常、出力過電圧、バッテリー電圧低下、内部バッテリー充電器異常出力のいずれかがある。
【0023】
同様に、追加送信装置36もバッテリー(図示せず)を有し、このバッテリーは無停電電源装置32によって充電されている。追加送信装置36では、光受信機24a、増幅器26aには通常時、無停電電源装置32から動作電力は供給されて無く、動作していない。その代わりに送信装置22のモニター端子から図1で破線矢印Bで示すようにモニター出力信号が追加送信装置36に供給され、この信号を予め定めた基準値と比較する比較手段、例えば比較器(図示せず)が追加送信装置36に設けられている。この比較器には無停電電源装置32から電力が供給されていて、常に動作している。モニター出力信号が基準値よりも小さくなったとことを比較器が判定したとき、光受信機24a、増幅器26aにバッテリーから電力が供給されて、これらが動作する。また、無停電電源装置32に異常が発生したときにも、図1に破線矢印Cで示すように無停電電源装置32から検出信号が追加送信装置36に供給され、これに応動して、バッテリーから光受信機24a、増幅器26a、比較器に電力が供給され、これらが動作する。
【0024】
従って、無停電電源装置30、32に異常が発生していない場合、受信装置2及び送信装置22によって複数波の地上デジタルテレビジョン放送信号の再送信が行われている。一方、追加受信装置34からの1波の地上デジタルテレビジョン放送信号に基づく光信号は追加送信装置36に光ファイバー20bを介して供給されているが、追加送信装置36が動作していないので、1波の地上デジタルテレビジョン放送信号の再送信は行われていない。
【0025】
再送信システムの無停電電源装置30に異常が発生した場合、受信装置2は動作を停止し、光ファイバー20aを介して複数波の地上デジタルテレビジョン放送信号に基づく光信号は送信装置22に供給されず、再送信アンテナ28から複数波の地上デジタルテレビジョン放送信号の再送信は停止される。しかし、追加受信装置34はバッテリーによって動作を継続する。従って、1波の地上デジタルテレビジョン放送信号に基づく光信号が光ファイバー20bを介して継続して追加送信装置36に供給される。一方、受信装置2の動作停止により、送信装置22から追加受信装置36に供給されているモニター出力の信号レベルが基準値よりも低下する。その結果、追加送信装置36では、バッテリーによって光受信機24a、増幅器26aが動作し、再送信アンテナ40から1波の地上デジタルテレビジョン放送信号の再送信が開始される。
【0026】
また、例えば無停電電源装置32に異常が発生した場合、送信装置22が動作を停止する。その結果、受信装置2から光ファイバー20aを介して複数波の地上デジタルテレビジョン放送信号に基づく光信号が送信装置22に供給されているが、複数波の地上デジタルテレビジョン放送信号の再送信は停止される。しかし、無停電電源装置32の異常を検出した追加送信装置36では、バッテリーによって光受信機24a、増幅器26aが動作を開始し、追加受信装置34からの1波の地上デジタルテレビジョン放送信号の再送信が再送信アンテナ40にて開始される。よって、無停電電源装置32に異常が発生した場合にも同様にして、1波の地上デジタルテレビジョン放送信号の再送信が開始される。
【0027】
また、同時に無停電電源装置30、32に異常が発生した場合、受信装置2が動作を停止するが、追加受信装置34がバッテリーによって継続して動作しており、1波の地上デジタルテレビジョン放送信号に基づく光信号が追加送信装置36に供給される。よって、同時に無停電電源装置30、32に異常が発生した場合にも、1波の地上デジタルテレビジョン放送信号の再送信が開始される。
【0028】
このように多芯の光ファイバー20内の予備の光ファイバー20bを使用して、1波の地上デジタルテレビジョン放送信号を光送信機16aにて電気−光変換した光信号を伝送するように構成している。従って、追加受信装置34、予備の光ファイバー20b及び追加送信装置36からなる1波の地上デジタルテレビジョン放送信号の再送信システムを、既存の再送信システムとは別のシステムとしているので、1波の地上デジタルテレビジョン放送信号の再送信システム単独で構築することができ、設置工事を容易にすることができる。
【0029】
上記の実施形態では、無停電電源装置30、32を使用したが、これらに代えて停電が発生すると、動作電力の供給を停止する通常の電源装置を使用することもできる。この場合、受信装置用電源装置及び送信用電源装置が同時に停電で停止した場合でも、いずれか一方のみが停電で動作を停止したときでも、上述したのと同様にして1波の地上デジタルテレビジョン放送信号の再送信が行われる。
【0030】
上記の実施形態では、再送信システムは、山間部やビル影などの難視聴対策として設置されている例を示したが、これに限ったものではなく、例えば災害発生時の避難場所となっている比較的大きな建物、例えば体育館やホールなどに設置することもできる。
【0031】
上記の実施形態では、追加受信装置34は、追加受信アンテナ38を備えたものを示したが、受信装置2や追加受信装置34の増幅器への入力レベルに余裕がある場合には、受信アンテナ4の受信信号を2分配器によって受信装置2及び追加受信装置34に分配するように構成することもできる。上記の実施形態では、追加送信装置36は、光ファイバー20bによって送信された光信号から復元した1波の地上デジタルテレビジョン放送信号のみを再送信したが、複数波の地上デジタルテレビジョン放送信号を再送信するように構成することもできる。上記の実施形態では、受信装置2及び追加受信装置34は、信号処理部6−1、6−2、・・・6−n、6aにて受信信号と同一の地上デジタルテレビジョン放送信号の周波数帯に変換したものであるが、システムの使用場所によっては受信信号の周波数帯とは異なる地上デジタルテレビジョン放送信号の周波数帯に変換し、地上デジタルテレビジョン放送信号を光信号に変換し、送信装置22、追加送信装置36では、光信号を前記異なる地上デジタルテレビジョン放送信号に復元し、増幅器26、26aにて適正な信号レベルに増幅し、再送信アンテナ28、40から再送信することもできる。
【0032】
上記の実施形態では、追加受信装置34において信号処理部6a、増幅器7a及び光送信機16aを常時動作させるように構成したが、例えば追加送信装置36がバッテリー駆動されたとき、多芯光ファイバー20の光ファイバー20a、20b以外の光ファイバーを用いてバッテリー駆動されたことを示す光信号を追加受信装置34に供給するように構成し、追加受信装置34に、この光信号を検出する検出手段を設け、この検出手段が光信号を検出したとき、追加受信装置34の信号処理部6a、増幅器7a及び光送信機16aを動作させるように構成すれば、信号処理部6a、増幅器7a及び光送信機16aを常時動作させる必要はない。上記の実施形態では、1台の送信装置22に対して1台の追加送信装置36を設けた例を示したが、これに限ったものではなく、複数台の送信装置22が設けられている再送信システムにおいて、それぞれの送信装置22に対して追加送信装置36を設けることもできるし、複数の送信装置22が設けられている再送信システムにおいて1台の追加送信装置36を設けることもできる。
【符号の説明】
【0033】
2 受信装置
20 多芯光ファイバー
22 送信装置
28 送信アンテナ
34 追加受信装置
36 追加送信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数波の地上デジタルテレビジョン放送信号を、光ファイバーを介して伝送可能な第1の光信号に変換し、多芯の光ファイバーの1本の光ファイバーに供給する第1の受信装置と、
この第1の受信装置から前記1本の光ファイバーを介して伝送された前記第1の光信号を、前記テレビジョン放送信号に復元して、第1の送信アンテナに供給する第1の送信装置とを、
備える再送信システムにおいて、
少なくとも1波の地上デジタルテレビジョン放送信号を光ファイバーで伝送可能な第2の光信号に変換して、前記多芯の光ファイバーの他の1本の光ファイバーに供給する第2の受信装置と、
この第2の受信装置から前記他の1本の光ファイバーを介して伝送された前記第2の光信号を前記少なくとも1波の地上デジタルテレビジョン放送信号に復元して、第2の送信アンテナに供給する第2の送信装置とを、
具備する再送信システム。
【請求項2】
請求項1記載の再送信装置において、前記第2の受信装置と前記第2の送信装置とは、前記第1の送信装置及び前記第1の受信装置の少なくとも一方が動作不能時に、前記少なくとも1波の地上デジタルテレビジョン放送信号を再送信する再送信システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−235343(P2012−235343A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−103081(P2011−103081)
【出願日】平成23年5月2日(2011.5.2)
【出願人】(591164613)株式会社エヌエイチケイアイテック (39)
【出願人】(000109668)DXアンテナ株式会社 (394)
【Fターム(参考)】