説明

冷却ファン、冷却ファン制御装置

【課題】冷却ファンの回転方向を変えることなく、また冷却ファンの付け替えを行わずに、同一の冷却ファンで吸気作用から排気作用へ、もしくは排気作用から吸気作用への気流方向の切替えが可能な冷却ファンを提供する。
【解決手段】この発明にかかる冷却ファン100は、略円筒状のボス部101と、ボス部101から外方向に延出した複数枚の風切部102とからなる。風切部102を形状記憶合金で構成し、所定の温度に達するとあらかじめ記憶していた形状に変化する性質を備える。具体的には、まず、形状記憶合金で構成された風切部102に対して、所定の温度に到達した場合に排気を行うことができるような形状を記憶させておく。このようにすることで、冷却ファン100の回転方向を変えることなく、同一の冷却ファン100で、低温時には吸気を行い、高温時には排気を行うようにすることが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、熱源を内蔵する電子機器の内部を冷却するための冷却ファン、および冷却ファン制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の内部には発熱する電子部品が多く存在する。電子部品の発熱を放置しておくと、電子部品の故障や誤作動を引き起こす原因となる。そこで、電子部品の故障や誤作動を防止するため、電子機器内部を空冷する冷却ファン装置が各種電子機器の内部に設けられている(たとえば、特許文献1〜3を参照。)。
【0003】
【特許文献1】特許第3372711号公報
【特許文献2】特開2003−5613号公報
【特許文献3】特開平6−35079号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
たとえば、特許文献1には、画像形成装置内部に設けられた、光走査部を除いて少なくとも電装部にファンによって生成された冷却風を送る第1の風路と、前記光走査部に冷却風を送る第2の風路と、この第2の風路を開閉する風路開閉部材とを設け、前記風路開閉部材よって第2の風路を開閉することにより、冷却風を第1および第2の風路の両方に送るか第1の風路にのみ送るかの変更が可能な冷却ファン装置が開示されている。
【0005】
しかしながら、この特許文献1に開示された冷却ファン装置では、吸気作用もしくは排気作用のいずれか一つの作用しか実行できず、必要に応じて吸気作用から排気作用に切り替えるということはできないという問題がある。他の作用を実現しようとする場合には、風切部の形状が異なる冷却ファンへの付け替えが必要になる。この問題は、特許文献1にとどまらず、特許文献2,3に開示された技術にも当てはまる。
【0006】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、冷却ファンの回転方向を変えることなく、また冷却ファンの付け替えを行わずに、同一の冷却ファンで吸気作用から排気作用へ、もしくは排気作用から吸気作用への気流方向の切替えが可能な冷却ファン、および冷却ファン制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる冷却ファンは、熱源を内蔵する電子機器の内部を冷却するための冷却ファンであって、略円筒状のボス部と、前記ボス部から外方向に延出した複数枚の風切部とからなり、前記風切部を形状記憶合金で構成し、前記風切部が所定の温度に達するとあらかじめ記憶していた形状に変化して、気流の方向を変えることを特徴とする。
【0008】
また。請求項2の発明にかかる冷却ファンは、請求項1に記載の発明において、前記風切部が、温度変化に従って段階的に形状が変化することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3の発明にかかる冷却ファン制御装置は、時間をカウントするためのタイマーと、請求項1または2に記載の冷却ファンを一方向に回転駆動させる駆動手段と、前記タイマーが所定の時間を計時するごとに前記冷却ファンの風切部へ導電または導電を停止して前記風切部の温度を変化させることで形状記憶合金で構成された前記風切部の形状変化を制御する形状記憶合金制御手段と、を備えていることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4の発明にかかる冷却ファン制御装置は、請求項3に記載の発明において、前記タイマーの計時時間の設定を行う操作手段を備えていることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5の発明にかかる冷却ファン制御装置は、電子機器における所定の処理量を計数するカウンタと、請求項1または2に記載の冷却ファンを一方向に回転駆動させる駆動手段と、前記カウンタが所定の前記電子機器の処理量を計数するごとに前記冷却ファンの風切部へ導電または導電を停止して前記風切部の温度を変化させることで形状記憶合金で構成された前記風切部の形状変化を制御する形状記憶合金制御手段と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
この発明にかかる冷却ファンによれば、冷却ファンの回転方向を変えることなく、また冷却ファンの付け替えを行わずに、同一の冷却ファンで吸気作用から排気作用へ、もしくは排気作用から吸気作用への気流方向の切替えが可能になるという効果を奏する。
【0013】
また、この発明にかかる冷却ファンと冷却ファン制御装置によれば、電子機器内部の温度上昇によらず、一定時間ごと(または所定の処理が終了するたびに)に強制的に冷却ファンの風切部の形状を変化させて、吸気作用から排気作用へ、または排気作用から吸気作用への気流方向の切替えが可能になるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、この発明にかかる冷却ファン、冷却ファン制御装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
(冷却ファンの形状)
図1は、この発明の一実施形態にかかる冷却ファンの形状を示す部分図である。この冷却ファン100は、略円筒状のボス部101と、ボス部101から外方向に延出した複数枚の風切部(プレート)102とからなる。この冷却ファン100は、熱源を内蔵するパソコンや、薄型テレビ、液晶プロジェクタ、画像形成装置などの各種電子機器の内部を空冷するのに使用する。電子機器内部が低温時には吸気を行い、高温時には排気を行うようにすれば、より電子機器内の空冷効果を高めることができる。
【0016】
そこで、風切部102を形状記憶合金で構成し、所定の温度に達するとあらかじめ記憶していた形状に変化する性質を備える。具体的には、まず、形状記憶合金で構成された風切部102に対して、所定の温度に到達した場合に排気を行うことができるような形状を記憶させておく。このようにすることで、冷却ファン100の回転方向を変えることなく、同一の冷却ファン100で、低温時には吸気を行い、高温時には排気を行うようにすることが可能になる。
【0017】
図2は、この発明の一実施形態にかかる冷却ファンを側面方向からみた部分図である。図2(a)は吸気作用状態における風切部の形状を示す図であり、図2(b)は排気作用状態における風切部の形状を示す図である。
【0018】
まず、この冷却ファン100の風切部102が、図2(a)に示す吸気作用状態で作動しているとする。この状態で電子機器内部の温度が次第に上昇し、風切部102があたためられて所定の温度に達した場合に、形状記憶合金で構成されている風切部102が、図2(b)に示す排気作用状態(あらかじめ記憶している形状)に変化する。風切部102の形状を変化させる規準となる温度は、電子機器内の電子部品が故障または誤作動をするおそれがある温度が好ましく、おおよそ40℃が好適である。
【0019】
以上のように、この冷却ファン100は、所定の温度に到達すると風切部102があらかじめ記憶されている形状に変化するので、冷却ファン100の回転方向を変えることなく、また冷却ファン100の付け替えを行わずに、同一の冷却ファン100で気流方向を変えて吸気作用から排気作用へ移行することができる。また、この冷却ファン100は、所定の温度を下回った場合には、風切部102がもと形状に戻り、再び吸気を行うことができるようになる。このような特性を備えた冷却ファン100を用いれば、電子機器内の温度に適した冷却効果が得られるようになる。また、より効果的な冷却作用を望む場合には、電子機器内に複数の冷却ファン100を設ければよい。
【0020】
さらなる効果的な電子機器内の冷却を行おうとする場合には、温度変化に従い段階的に風切部102の形状が変化するように構成し、気流の方向に加え、気流の量も変化させるようにするとよい。
【0021】
たとえば、温度Aに達した時点で風切部102の形状が吸気作用状態から排気作用状態へ切り替わり、次に温度B(A<B)に達した時点で風切部102の角度をさらに変化させ、より強い排気作用が行えるように(より多量の排気気流が発生するように)形状記憶合金で構成された風切部102の記憶形状を設定するとよい。また、図2(a)から図2(b)の状態に徐々に変化するようにしてもよい。
【0022】
また、段階的に形状変化する風切部102を備えた冷却ファン100を電子機器内に複数備えることで、より効果的な冷却作用が期待できる。特に、各冷却ファン100の風切部102の形状変化する温度を異ならせれば、細かい気流量の調節を行うことができる。
【0023】
(冷却ファン制御装置の機能的構成)
図3は、この発明の一実施形態にかかる冷却ファン制御装置の機能的構成を示すブロック図である。この冷却ファン制御装置300は、装置全体の制御を司るCPU301と、時間をカウントするためのタイマー302と、冷却ファンを一方向に回転駆動させる駆動部303と、形状記憶合金からなる冷却ファン100の風切部102の形状変化を制御する形状記憶合金制御部304と、を備えている。なお、ここで用いられる冷却ファン100は、図1に示したものと同様のものである。
【0024】
図1に示した冷却ファン100は、風切部102自体が自ら温度変化によって形状を変化させることができるものである。この冷却ファン100を図3に示す冷却ファン制御装置300とともに用いることで、形状記憶合金制御部304の動作により一定時間ごとに風切部102の形状を変化させることができる。
【0025】
すなわち、冷却ファン100を回転駆動させる駆動部303か駆動し始めると同時にタイマー302がカウントを開始し、タイマー302があらかじめ設定された時間までカウントすると、CPU301からの命令で形状記憶合金制御部304から形状記憶合金で構成された風切部102に導電し形状記憶合金が変形する温度まで風切部102を発熱させ、風切部102の形状を変化させる。その後、タイマー302が再び設定された時間までカウントすると、CPU301の命令で形状記憶合金制御部304から風切部102への導電を停止させることで形状記憶合金で構成された風切部102の温度が低下し、風切部102は変形前の形状に戻る。
【0026】
このようにすることで、電子機器内部の温度上昇によらず、一定時間ごとに強制的に冷却ファン100の風切部102の形状を変化させて、吸気作用から排気作用へ、または排気作用から吸気作用への気流方向の切替えが可能になる。
【0027】
また、より効果的な冷却作用を望む場合には、電子機器内に複数の冷却ファン100と、それぞれの冷却ファン100の風切部102の形状を制御する複数の冷却ファン制御装置300を設ければよい。そして、各冷却ファン100の風切部102の形状を変化させる時間が異なるようにタイマー設定を行えば、風切部102が形状変化する時間がずれ、ある冷却ファン100には吸気作用を担当させ、別の冷却ファン100には排気作用を担当させるといったことも可能になる。このようにすることで、より効果的な冷却作用が期待できる。
【0028】
さらなる効果的な電子機器内の冷却を行おうとする場合には、温度変化に従い段階的に風切部102の形状が変化するように構成された冷却ファン100を複数設けるとともに、それぞれの冷却ファン100の風切部102の形状を制御する複数の冷却ファン制御装置300も冷却ファン100と同数設ければよい。
【0029】
たとえば、温度Aに達した時点で風切部102の形状が吸気作用状態から排気作用状態へ切り替わり、次に温度B(A<B)に達した時点で風切部102の角度をさらに変化させ、より強い排気が行えるように(より多量の排気気流が発生するように)形状記憶合金で構成された風切部102の記憶形状を設定するとよい。そのうえで、形状記憶合金制御部304から風切部102に導かれる電流の量を変化させることで、風切部102の温度を変化させ、風切部102の形状を段階的に変化させることができるようになる。また、図2(a)から図2(b)の状態に徐々に変化するようにしてもよい。特に、各冷却ファン100の風切部102の形状変化する温度を異ならせ、それぞれの形状記憶合金制御部304から風切部102へ導かれる電流の量の変化を個別に制御できるようすれば、さらに細かい気流量の調節を行うことができる。また、前述のように、各冷却ファン100の風切部102の形状を変化させる時間が異なるようにタイマー設定を行えば、より優れた冷却効果が得られる。
【0030】
また、風切部102を変化させる時間をユーザが自由に設定できるようにすると、電子機器の特性に応じたより優れた冷却効果が得られるようになる。以下、このように構成された冷却ファン制御装置の一実施形態を示す。
【0031】
図4は、この発明の一実施形態にかかる冷却ファン制御装置の機能的構成を示すブロック図である。この冷却ファン制御装置400は、図3に示した冷却ファン制御装置300の構成に加え、時間をカウントするためのタイマー302のカウント時間を任意に設定する操作部401を備えている。このため、ユーザが操作部401から風切部102の形状を変化させるまでの時間を入力することで、タイマー302に風切部102の形状を変化させるまでの時間を任意に設定することができる。したがって、この冷却ファン制御装置400によれば、ユーザの判断により、風切部102の形状を変化させる時間を選択できるので、図3に示した冷却ファン制御装置300に比べ、より電子機器の特性に適応した冷却効果が得られるようになる。
【0032】
なお、この冷却ファン制御装置400を採用する際にも図3に示した冷却ファン制御装置300と同様に、複数の冷却ファン100および冷却ファン制御装置400を設けるとよい。また、冷却ファン100も温度変化にともない段階的に形状が変化するものを採用するとより優れた冷却効果が得られることになる。
【0033】
また、電子機器の処理状況に連動して冷却ファン100の風切部102の形状を変化させるようにすることもできる。以下、このように構成された冷却ファン制御装置の一実施形態を示す。
【0034】
図5は、この発明の一実施形態にかかる冷却ファン制御装置の機能的構成を示すブロック図である。この冷却ファン制御装置500は、装置全体の制御を司るCPU301と、冷却ファン制御装置500が搭載された電子機器の処理量をカウントするカウンタ501と、冷却ファンを回転駆動させる駆動部303と、形状記憶合金からなる冷却ファン100の風切部102の形状変化を制御する形状記憶合金制御部304と、を備えている。なお、ここで用いられる冷却ファン100も、図1に示したものと同様のものである。
【0035】
この冷却ファン制御装置500は、この装置が搭載された電子機器の処理量が所定の値に到達したことをカウンタ501が計数すると、CPU301からの命令で形状記憶合金制御部304から形状記憶合金で構成された風切部102に導電することで形状記憶合金が変形する温度まで風切部102を発熱させ、風切部102の形状を変化させる。その後、カウンタ501が再び所定の処理量を計数すると、CPU301の命令で形状記憶合金制御部304から風切部102への導電を停止させることで形状記憶合金で構成された風切部102の温度が低下し、風切部102は変形前の形状に戻る。以下では、この冷却ファン制御装置500が画像形成装置に搭載された場合を想定して動作を説明する。
【0036】
カウンタ501は、画像形成装置における連続印刷枚数をカウントする(連続印刷が停止するとカウンタ501もクリアされる)。たとえば、連続印刷枚数が50枚に到達したときに風切部102の形状を変化させるように設定されているとする。画像形成装置が50枚連続印刷すると、カウンタ501の値が50になり、CPU301からの命令で形状記憶合金制御部304から形状記憶合金で構成された風切部102に導電し形状記憶合金が変形する温度まで風切部102を発熱させ、風切部102の形状を変化させる。その後、カウンタ501が再び連続印刷枚数が50になったことを計数すると、CPU301の命令で形状記憶合金制御部304から風切部102への導電を停止させることで形状記憶合金で構成された風切部102の温度が低下し、風切部102は変形前の形状に戻る。
【0037】
このようにすることで、電子機器内部の温度上昇によらず、電子機器による所定の処理が終了するたびに強制的に冷却ファン100の風切部102の形状を変化させて、吸気作用から排気作用へ、または排気作用から吸気作用への気流方向の切替えが可能になる。
【0038】
また、この冷却ファン制御装置500を採用する際にも図3に示した冷却ファン制御装置300と同様に、複数の冷却ファン100および冷却ファン制御装置500を設けるとよい。また、制御を行う冷却ファン100も温度変化にともない段階的に形状が変化するものを採用するとより優れた冷却効果が得られることになる。
【0039】
(冷却ファン、冷却ファン制御装置の使用例)
図6は、この発明にかかる冷却ファン、冷却ファン制御装置の一使用例を示す図である。ここでは、画像処理装置に使用する場合の一例を示す。この画像形成装置600は、給紙部601と、読取部602と、画像形成部603と、定着部604と、排紙部605と、表示部606と、電源607と、冷却ファン100と、冷却ファン制御装置608と、を備える。
【0040】
この画像形成装置600では、給紙部601から送られた印刷用紙が、読取部602で読み取られた画像データを画像化するための画像形成部603に送られる。そして、画像が定着部604で前記印刷用紙に定着される。その後、排紙部605に印字物が排紙され印字動作が完了する。表示部606は、画像形成装置600の各種情報を表示してユーザに認識させるためのものである。電源607は、外部からの商用電源を入力し、画像形成装置600内の各電気部品に電気を供給するためのものである。冷却ファン100は、画像形成装置600の内部を冷却するためのものであり、図1に示したものを用いる。また、冷却ファン制御装置608は、冷却ファン100の回転駆動を制御するためのものである。
【0041】
この画像形成装置600では、冷却ファン100を用いているので、画像形成装置600内の温度変化に従って風切部102の形状が変化し、画像形成装置600内の冷却を行うことができるため、冷却ファン制御装置608には冷却ファン100の回転駆動のみを制御する一般的な冷却ファン制御装置を用いてもよい。ただし、冷却ファン制御装置608に図3〜図5のいずれか一つに示した冷却ファン制御装置を用いれば、画像形成装置600内部の温度上昇によらず、意図的に冷却ファン100の風切部102の形状を変化させて、吸気作用から排気作用へ、または排気作用から吸気作用への気流方向の切替えが可能になるので、より効果的な冷却が行える。
【0042】
以上説明したように、この発明にかかる冷却ファンによれば、所定の温度に到達すると冷却ファンの風切部があらかじめ記憶されている形状に変化するので、冷却ファンの回転方向を変えることなく、また冷却ファン付け替えを行わずに、同一の冷却ファンで気流方向を変えて吸気作用から排気作用へ移行することができる。また、この冷却ファンは、所定の温度を下回った場合には、前記風切部がもと形状に戻り、再び吸気を行うことができるようになる。
【0043】
また、この発明にかかる冷却ファンと冷却ファン制御装置によれば、電子機器内部の温度上昇によらず、一定時間ごと(または所定の処理が終了するたびに)に強制的に冷却ファンの風切部の形状を変化させて、吸気作用から排気作用へ、または排気作用から吸気作用への気流方向の切替えが可能になる。よって、より効果的な電子機器内部の冷却を行うことができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
以上のように、この発明にかかる冷却ファン、冷却ファン制御装置は、熱源を内蔵するパソコンや、薄型テレビ、液晶プロジェクタ、画像形成装置などの各種電子機器の内部を空冷するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】この発明の一実施形態にかかる冷却ファンの形状を示す部分図である。
【図2】この発明の一実施形態にかかる冷却ファンを側面方向からみた部分図である。
【図3】この発明の一実施形態にかかる冷却ファン制御装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】この発明の一実施形態にかかる冷却ファン制御装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図5】この発明の一実施形態にかかる冷却ファン制御装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図6】この発明にかかる冷却ファン、冷却ファン制御装置の一使用例を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
100 冷却ファン
101 ボス部
102 風切部
300,400,500,608 冷却ファン制御装置
301 CPU
302 タイマー
303 駆動部
304 形状記憶合金制御部
401 操作部
501 カウンタ
600 画像形成装置
601 給紙部
602 読取部
603 画像形成部
604 定着部
605 排紙部
606 表示部
607 電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源を内蔵する電子機器の内部を冷却するための冷却ファンであって、
略円筒状のボス部と、前記ボス部から外方向に延出した複数枚の風切部とからなり、
前記風切部を形状記憶合金で構成し、前記風切部が所定の温度に達するとあらかじめ記憶していた形状に変化して、気流の方向を変えることを特徴とする冷却ファン。
【請求項2】
前記風切部は、温度変化に従って段階的に形状が変化することを特徴とする請求項1に記載の冷却ファン。
【請求項3】
時間をカウントするためのタイマーと、
請求項1または2に記載の冷却ファンを一方向に回転駆動させる駆動手段と、
前記タイマーが所定の時間を計時するごとに前記冷却ファンの風切部へ導電または導電を停止して前記風切部の温度を変化させることで形状記憶合金で構成された前記風切部の形状変化を制御する形状記憶合金制御手段と、
を備えていることを特徴とする冷却ファン制御装置。
【請求項4】
前記タイマーの計時時間の設定を行う操作手段を備えていることを特徴とする請求項3に記載の冷却ファン制御装置。
【請求項5】
電子機器における所定の処理量を計数するカウンタと、
請求項1または2に記載の冷却ファンを一方向に回転駆動させる駆動手段と、
前記カウンタが所定の前記電子機器の処理量を計数するごとに前記冷却ファンの風切部へ導電または導電を停止して前記風切部の温度を変化させることで形状記憶合金で構成された前記風切部の形状変化を制御する形状記憶合金制御手段と、
を備えていることを特徴とする冷却ファン制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−117781(P2009−117781A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−292487(P2007−292487)
【出願日】平成19年11月9日(2007.11.9)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】