説明

冷却装置及びそれを備えた電気機器

【課題】冷却性能が高く圧縮機の振動音を抑制することができる冷却装置を提供する。
【解決手段】被冷却物である半導体部品13を冷却する冷却装置であって、圧縮機9の振動によって発生する振動エネルギーを電気エネルギーに変換する圧電素子1と、熱電変換素子2とを備え、冷却動作中の熱電変換素子2の動力源が圧電素子2から出力される電気エネルギーである冷却装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被冷却対象物を冷却する冷却装置及びそれを備えた電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電気機器の制御回路には、発熱量の大きい半導体部品を備えているものがある。発熱量の大きい半導体部品の放熱が十分に行われないと、当該半導体部品の破壊が起こり、その結果、当該半導体部品を搭載している電気機器の信頼性が損なわれる。
【0003】
そこで、発熱量の大きい半導体部品を冷却するために、放熱フィンを有するヒートシンクに当該半導体部品からの熱を伝導させて、当該放熱フィンから熱を放出させる方法が、一般的に採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−63240号公報
【特許文献2】特表2004−501440号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
確保すべき放熱量が大きい場合、基本的には放熱フィンを大型化することで対応することができるが、収納スペースの問題などから放熱フィンの大型化にもおのずと限界がある。このため、例えば、分離型空気調和機の室外機に搭載された発熱量の大きい半導体部品の冷却に関しては、現状の室外機の構造におけるヒートシンクのみを用いた冷却では冷却性能が十分でないという問題があった。
【0006】
また、例えば、分離型空気調和機では、十分な冷暖房能力を確保するために、冷媒を圧縮する圧縮機が室外機に搭載されているが、当該圧縮機が動作することで大きな振動音が発生しまうという問題点があった。
【0007】
本発明は、上記の状況に鑑み、冷却性能が高く圧縮機の振動音を抑制することができる冷却装置及びそれを備えた電気機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明に係る冷却装置は、圧縮機の振動によって発生する振動エネルギーを電気エネルギーに変換する圧電素子と、熱電変換素子とを備え、冷却動作中の前記熱電変換素子の動力源が前記圧電素子から出力される電気エネルギーである構成とする。
【0009】
このような構成によると、熱電変換素子の冷却動作によって被冷却物を冷却することができるので、冷却性能が高くすることができる。また、このような構成によると、圧電素子が圧縮機の振動によって発生する振動エネルギーを電気エネルギーに変換するので、圧縮機の振動音を抑制することができる。さらに、このような構成によると、熱電変換素子に冷却動作をさせるために必要なエネルギーを、圧縮機の振動が伝達される圧電素子による発電から得ているため、省エネルギーとなる。
【0010】
また、前記熱電変換素子を流れる電流の方向を切り替えることで前記熱電変換素子の冷却動作と発電動作とを切り替える切替部を備えることが望ましい。
【0011】
このような構成によると、熱電変換素子の冷却動作が必要でないときは、前記熱電変換素子に発電動作を行わせることができ、より一層省エネルギーとなる。
【0012】
また、被冷却物の温度が所定温度を越えたか否かを判定する判定部を備え、前記判定部によって前記被冷却物の温度が所定温度を越えたと判定された場合に、前記切替部によって前記熱電変換素子の動作が発電動作から冷却動作に切り替わることが望ましい。
【0013】
このような構成によると、被冷却物の温度が所定温度を越えて高い冷却能力が必要になった場合に、熱電変換素子の動作が冷却動作になり冷却能力が自動的に高くなる。
【0014】
また、前記判定部が、前記熱電変換素子を流れる電流の値が閾値を越えたか否かを判定することにより、前記被冷却物の温度が所定温度を越えたか否かを判定することが望ましい。
【0015】
このような構成によると、被冷却物の温度を測定する温度センサが不要になるので、コストの上昇を抑えることができる。
【0016】
また、上記目的を達成するために本発明に係る電気機器は、圧縮機と、被冷却物と、前記被冷却物を冷却する上記いずれかの構成の冷却装置とを備える構成とする。
【0017】
また、上記電気機器において、ヒートシンクを備え、前記ヒートシンクと前記被冷却物との間に前記冷却装置の構成部品である熱電変換素子を設けることが望ましい。
【0018】
このような構成によると、冷却装置の構成部品である熱電変換素子が冷却動作をしていないときでも、ヒートシンクによって被冷却物を冷却することができる。
【0019】
また、前記電気機器の一例としては、分離型空気調和機が挙げられる。前記電気機器を分離型空気調和機とした場合、前記圧縮機、前記被冷却物、及び前記冷却装置を前記分離型空気調和機の室外機に設けるようにするとよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、熱電変換素子の冷却動作によって被冷却物を冷却することができるので、冷却性能が高くすることができる。また、本発明によると、圧電素子が圧縮機の振動によって発生する振動エネルギーを電気エネルギーに変換するので、圧縮機の振動音を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係る冷却装置の概略構成を示す図である。
【図2】熱電変換素子の概略構成例を示す図である。
【図3】図1に示す本発明の一実施形態に係る冷却装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態に係る冷却装置の概略構成を示す図である。
【図5】分離型空気調和機の概略構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態について図面を参照して以下に説明する。本発明の一実施形態に係る冷却装置の概略構成を図1に示す。本発明の一実施形態に係る冷却装置は、圧電素子1と、熱電変換素子2と、ダイオードブリッジ回路3と、平滑コンデンサ4と、逆流防止ダイオード5と、第1リレー6と、第2リレー7と、カレントトランスCTと、マイクロコンピュータ8とを備えている。
【0023】
図1に示す本発明の一実施形態に係る冷却装置は、圧縮機9、DCファン10、及び半導体部品13とともに用いられる。DCファン10は、例えば、ヒートシンク12を空冷するために用いられる。
【0024】
圧縮機9は下部に3つの脚部を有している。圧縮機9の各脚部と圧縮機9の設置面(例えば電気機器の筐体底面)との間に2つの防振ゴム11が挟持され、さらにその2つの防振ゴム11の間に圧電素子1が挟持されている。防振ゴム11を設けることにより、圧縮機9の振動が圧縮機9の設置面に伝達することを抑制することができる。
【0025】
圧電素子1は、圧縮機9の振動によって発生する振動エネルギーを電気エネルギーに変換する。かかるエネルギー変換により、圧縮機9の振動音を抑制することができる。
【0026】
3つの圧電素子1はダイオードブリッジ回路3の入力側に並列接続されている。平滑コンデンサ4は、ダイオードブリッジ回路3の出力側に設けられ、ダイオードブリッジ回路3の出力電圧を平滑化する。平滑コンデンサ4の正極性側は逆流防止ダイオード5及び第1リレー6を介してDCファン10の正極端に接続され、平滑コンデンサ4の負極性側はDCファン10の負極端に接続される。
【0027】
また、第2リレー7の第1接点a及び第3接点cはDCファン10の負極端に接続され、第2リレー7の第2接点bは逆流防止ダイオード5のカソードと第1リレー6との接続点に接続される。第2リレー7の第1極dは熱電変換素子2の第1電極21に接続され、第2リレー7の第2極eは熱電変換素子2の第2電極22に接続される。
【0028】
カレントトランスCTは、熱電変換素子2の電流を検出するために、熱電変換素子2と第2リレー7との間に設けられている。マイクロコンピュータ8は、カレントトランスCTの検出電流に応じて、第1リレー6及び第2リレー7を制御する。
【0029】
熱電変換素子2は、放熱フィンを有するヒートシンク12と、発熱量の大きい半導体部品13との間に設けられている。より具体的には、熱電変換素子2の電気絶縁体26(図1において不図示)とヒートシンク12とが接し、熱電変換素子2の電気絶縁体27(図1において不図示)半導体部品13とが銅板14を介して接するように、熱電変換素子2が設けられている。半導体部品13の例としては、圧縮機9駆動用のIPM(Intelligent Power Module)や圧縮機9駆動用のDB(Diode Bridge)などが挙げられる。なお、図1においては、図面を見易くするために便宜上、ヒートシンク12、熱電変換素子2、銅板14、及び半導体部品13を離して図示している。
【0030】
ここで、熱電変換素子2の概略構成例を図2に示す。図2に示す熱電変換素子2は、第1電極21と、第2電極22と、P型半導体23と、金属電極24と、N型半導体25とを備えている。P型半導体23とN型半導体25とが金属電極24を介して交互に直列接続されたユニットのN側端部に第1電極21が接続され、当該ユニットのP側端部に第2電極22が接続される。さらに、当該ユニットは、熱伝導率が高い電気絶縁体26及び27に挟持される。
【0031】
上述した構成の本発明の一実施形態に係る冷却装置の動作について図3に示すフローチャートを参照して説明する。
【0032】
本発明の一実施形態に係る冷却装置と、圧縮機9と、DCファン10と、半導体部品13とを搭載している電気機器の電源がオン状態になると、図3に示すフロー動作が開始する。フロー動作開始時において、第1リレー6は図1に示すように接点と極とが導通状態であり、第2リレー7は図1に示すように第1接点aと第1極dとが導通状態であり第2接点bと第2極eとが導通状態である。
【0033】
ステップS10において、半導体部品13の動作及び熱電変換素子2の発電動作が開始される。電気機器の電源オンに伴い、半導体部品13に電力が供給され半導体部品13が動作を開始する。これにより、半導体部品13からの発熱が始まり、半導体部品13側の方がヒートシンク12側より高温になる。また、第2リレー7の第1接点aと第1極dとが導通状態であり第2リレー7の第2接点bと第2極eとが導通状態であるので、熱電変換素子2の第1電極21の電位が熱電変換素子2の第2電極22の電位より高くない。このように、半導体部品13側の方がヒートシンク12側より高温であり、尚かつ、熱電変換素子2の第1電極21の電位が熱電変換素子2の第2電極22の電位より高くないため、熱電変換素子2は発電動作を開始する。
【0034】
ステップS10に続くステップS20において、圧縮機9の動作及び圧電素子1による発電が開始される。半導体部品13の動作によって圧縮機9が駆動し、圧縮機9が動作を開始する。これにより、圧電素子1への振動伝達が始まり、圧電素子1は発電動作を開始する。圧電素子1の出力電圧は、ダイオードブリッジ回路3によって整流され、平滑コンデンサ4によって平滑化される。
【0035】
ステップS20に続くステップS30において、DCファン10の動作が開始される。第1リレー6の接点と極とが導通状態であるので、圧電素子1の発電動作によって得られた電圧を整流平滑して得られたDC電圧と熱電変換素子2の発電動作によって得られたDC電圧とがDCファン10に供給され、DCファン10が動作を開始する。
【0036】
ステップS30に続くステップS40において、マイクロコンピュータ8は、カレントトランスCTの検出電流値が予め記憶している閾値を越えたか否かを判定する。半導体部品13の温度が上昇するにつれて、半導体部品13側とヒートシンク12側との温度差が大きくなり、熱電変換素子2から出力される電流が大きくなる。そのため、カレントトランスCTの検出電流値が閾値を越えたか否かの判定は、半導体部品13の温度が所定温度を越えたか否かを間接的に判定していることになる。
【0037】
カレントトランスCTの検出電流値が閾値を越えていなければ(ステップS40のNo)、カレントトランスCTの検出電流値が閾値を越えたか否かの判定を継続する。
【0038】
一方、カレントトランスCTの検出電流値が閾値を越えていれば(ステップS40のYes)、マイクロコンピュータ8は、第1リレー6及び第2リレー7の状態を図1に示す状態から図4に示す状態に切り替える(ステップS50)。図4に示す状態では、第1リレー6は接点と極とが遮断状態であり、第2リレー7は第2接点bと第1極dとが導通状態であり第3接点cと第2極eとが導通状態である。第1リレー6の接点と極とが遮断状態であるため、DCファン10への通電が遮断され、DCファン10の動作が停止する。また、第2リレー7の第2接点bと第1極dとが導通状態であり第2リレー7の第3接点cと第2極eとが導通状態であるので、圧電素子1の発電動作によって得られた電圧を整流平滑して得られたDC電圧が熱電変換素子2に印加され、熱電変換素子2の第1電極21の電位が熱電変換素子2の第2電極22の電位より高くなる。これにより、熱電変換素子2は冷却動作を開始する。
【0039】
ステップS50に続くステップS60において、マイクロコンピュータ8は、第1リレー6及び第2リレー7の状態を図1に示す状態から図4に示す状態に切り替えてから一定時間経過したか否かを判定する。
【0040】
第1リレー6及び第2リレー7の状態を図1に示す状態から図4に示す状態に切り替えてから一定時間経過していなければ(ステップS60のNo)、第1リレー6及び第2リレー7の状態を図1に示す状態から図4に示す状態に切り替えてから一定時間経過したか否かの判定を継続する。
【0041】
一方、第1リレー6及び第2リレー7の状態を図1に示す状態から図4に示す状態に切り替えてから一定時間経過していれば(ステップS60のYes)、マイクロコンピュータ8は、第1リレー6及び第2リレー7の状態を図1に示す状態に戻す(ステップS70)。これにより、熱電変換素子2の動作が冷却動作から発電動作に戻るとともに、DCファン10の動作が再開される。そして、その後、ステップS40に戻る。
【0042】
上述した動作を行うことにより、本発明の一実施形態に係る冷却装置は、発熱量の大きい半導体部品13の温度が所定温度以下である場合に、従来と同様にヒートシンク12のみを用いた冷却を実行し、発熱量の大きい半導体部品13の温度が所定温度を越えた場合に、発熱量の大きい半導体部品13を熱電変換素子2で冷却し、かつ熱電変換素子2の動力源となる電力を圧縮機9の下部に取り付けた圧電素子1による発電エネルギーから得るようにしている。
【0043】
本発明の一実施形態に係る冷却装置は、熱電変換素子2の冷却動作によって発熱量の大きい半導体部品13(被冷却物)を冷却することができるので、冷却性能が高くすることができる。また、本発明の一実施形態に係る冷却装置は、圧電素子1が圧縮機9の振動によって発生する振動エネルギーを電気エネルギーに変換するので、圧縮機9の振動音を抑制することができる。
【0044】
さらに、本発明の一実施形態に係る冷却装置は、熱電変換素子2に冷却動作をさせるために必要なエネルギーを、圧縮機9の振動が伝達される圧電素子1による発電から得ているため、省エネルギーとなる。なお、特許文献1には、圧電素子の加圧により発生した電圧をペルチェ素子に付加してペルチェ素子に冷却動作をさせる冷却装置が開示されているが、特許文献1で開示されている冷却装置は、気体吸着物質を充填した気密容器を必要とする構成であり、圧縮機9の振動を利用して省エネルギー化を図るものではない。
【0045】
また、上述した動作を行うことにより、本発明の一実施形態に係る冷却装置は、発熱量の大きい半導体部品13の温度が所定温度以下である場合に、熱電変換素子2に発電動作をさせ、熱電変換素子2による発電エネルギーをDCファン10の動力源として利用している。これにより、より一層省エネルギーとなる。
【0046】
なお、DCファン10の用途としては、制御基板(圧縮機駆動用モータ駆動回路などが実装されている制御基板)が収められた制御箱内の冷却などが考えられる。DCファン10を、制御基板(圧縮機駆動用モータ駆動回路などが実装されている制御基板)が収められた制御箱内の冷却に用いた場合、本発明の一実施形態に係る冷却装置は次のような利点を有することになる。
【0047】
半導体部品13が圧縮機9駆動用のIPMである場合、圧縮機9が停止すると、圧電素子1による発電がなくなるとともに、IPMへの通電がなくなるのでIPMが発熱しなくなる。しかしながら、IPMは通電されなくなってもしばらくは熱を持っているため、熱電変換素子2の発電動作は、しばらくの間継続されることになる。
【0048】
本発明の一実施形態に係る冷却装置は、圧縮機9の停止後も熱電変換素子2の発電動作で得られたDC電圧によりDCファン10を駆動させることができるため、DCファン10によって制御箱内の冷却を継続することができ、好適である。
【0049】
なお、本発明に係る冷却装置は、上述した本発明の一実施形態に係る冷却装置の構成に限定されない。
【0050】
例えば、上述した本発明の一実施形態に係る冷却装置は、各脚部での振動が略同一であるタイプの圧縮機9とともに用いることを想定しており、3つの圧電素子1の出力電圧が略同一になるので、3つの圧電素子1をダイオードブリッジ回路3の入力側に並列接続している。複数の圧電素子1の各出力電圧が互いに異なる場合には、例えば、複数の圧電素子1をダイオードブリッジ回路3の入力側に直接接続する構成を採用すればよい。
【0051】
例えば、上述した本発明の一実施形態に係る冷却装置では、圧電素子1の発電動作によって得られた電圧を整流平滑して得られたDC電圧の供給先と、熱電変換素子2の発電動作によって得られたDC電圧の供給先とがともにDCファン10であったが、DCファン10以外の負荷であってもよい。また、圧電素子1の発電動作によって得られた電圧を整流平滑して得られたDC電圧の供給先と、熱電変換素子2の発電動作によって得られたDC電圧の供給先とが互い異なる構成であってもよい。
【0052】
例えば、上述した本発明の一実施形態に係る冷却装置では、カレントトランスCTの検出電流値が閾値を越えたか否かの判定により、半導体部品13の温度が所定温度を越えたか否かを間接的に判定しているが、カレントトランスCTの代わりにサーミスタなどの温度センサを半導体部品13の近傍に設け、その温度センサの検出値が閾値を越えたか否かの判定により、半導体部品13の温度が所定温度を越えたか否かを直接判定するようにしてもよい。
【0053】
本発明に係る冷却装置は、被冷却対象物及び圧縮機を有する電気機器に搭載するとよい。このような電気機器として、例えば分離型空気調和機が挙げられる。上述したように、分離型空気調和機の室外機に搭載された発熱量の大きい半導体部品の冷却に関しては、現状の室外機の構造におけるヒートシンクのみを用いた冷却では冷却性能が十分でないという問題があるため、本発明に係る冷却装置を分離型空気調和機の室外機に搭載することは好適である。
【0054】
ここで、分離型空気調和機の概略構成例を図5に示す。図5に示す分離型空気調和機は、室内機102と室外機103とによって構成されている。室内機102と室外機103はそれぞれ商用交流電源101によって駆動する。室内機102についての詳細な説明は省略し、以下室外機103についての説明を行う。
【0055】
室外機103は、AC−DCコンバータ104と、圧縮機駆動用モータ駆動回路105と、室外ファン駆動用モータ駆動回路106と、DC−DCコンバータ107と、マイクロコンピュータ108と、圧縮機駆動用モータ109と、室外ファン駆動用モータ110と、圧縮機駆動用モータ109によって駆動する圧縮機(不図示)と、室外ファン駆動用モータ110によって駆動する室外ファン(不図示)とを備えている。
【0056】
AC−DCコンバータ104は、室内機102を経由して供給される商用交流電源101の出力電圧を直流電圧に変換して、圧縮機駆動用モータ駆動回路105と、室外ファン駆動用モータ駆動回路106と、DC−DCコンバータ107とに供給している。圧縮機駆動用モータ駆動回路105はマイクロコンピュータ108の指示に従って圧縮機駆動用モータ109を駆動し、室外ファン駆動用モータ駆動回路106はマイクロコンピュータ108の指示に従って室外ファン駆動用モータ110を駆動する。なお、圧縮機駆動用モータ駆動回路105及び室外ファン駆動用モータ駆動回路106はそれぞれフォトカプラによってマイクロコンピュータ108から絶縁されている。DC−DCコンバータ107は入力電圧を降圧してマイクロコンピュータ108の電源電圧を生成し、マイクロコンピュータ108に供給する。なお、DC−DCコンバータ107の入力側と出力側とは例えばDC−DCコンバータ107内部に設けられる絶縁トランス(不図示)により絶縁されている。マイクロコンピュータ108は、室外機103の運転制御及び室内機102のマイクロコンピュータ(不図示)との通信を行う。なお、マイクロコンピュータ108と室内機102のマイクロコンピュータ(不図示)とが通信線によって電気的に接続されることが無いようにするためのフォトカプラが室外機103側に設けられている。
【0057】
上述した構成の分離型空気調和機に、上述した本発明の一実施形態に係る冷却装置を搭載する場合、マイクロコンピュータ108にマイクロコンピュータ8の機能を持たせるようにすることが望ましい。
【符号の説明】
【0058】
1 圧電素子
2 熱電変換素子
3 ダイオードブリッジ回路
4 平滑コンデンサ
5 逆流防止ダイオード
6 第1リレー
7 第2リレー
8 マイクロコンピュータ
9 圧縮機
10 DCファン
11 防振ゴム
12 ヒートシンク
13 半導体部品
14 銅板
21 第1電極
22 第2電極
23 P型半導体
24 金属電極
25 N型半導体
26、27 電気絶縁体
101 交流電源
102 室内機
103 室外機
104 AC−DCコンバータ
105 圧縮機駆動用モータ駆動回路
106 室外ファン駆動用モータ駆動回路
107 DC−DCコンバータ
108 マイクロコンピュータ
109 室外ファン駆動用モータ
110 圧縮機駆動用モータ
CT カレントトランス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機の振動によって発生する振動エネルギーを電気エネルギーに変換する圧電素子と、
熱電変換素子とを備え、
冷却動作中の前記熱電変換素子の動力源が前記圧電素子から出力される電気エネルギーであることを特徴とする冷却装置。
【請求項2】
前記熱電変換素子を流れる電流の方向を切り替えることで前記熱電変換素子の冷却動作と発電動作とを切り替える切替部を備えることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
被冷却物の温度が所定温度を越えたか否かを判定する判定部を備え、
前記判定部によって前記被冷却物の温度が所定温度を越えたと判定された場合に、前記切替部によって前記熱電変換素子の動作が発電動作から冷却動作に切り替わることを特徴とする請求項2に記載の冷却装置。
【請求項4】
前記判定部が、前記熱電変換素子を流れる電流の値が閾値を越えたか否かを判定することにより、前記被冷却物の温度が所定温度を越えたか否かを判定することを特徴とする請求項3に記載の冷却装置。
【請求項5】
圧縮機と、
被冷却物と、
前記被冷却物を冷却する請求項1〜4のいずれか1項に記載の冷却装置とを備えることを特徴とする電気機器。
【請求項6】
ヒートシンクを備え、
前記ヒートシンクと前記被冷却物との間に前記冷却装置の構成部品である熱電変換素子を設けることを特徴とする請求項5に記載の電気機器。
【請求項7】
前記電気機器が分離型空気調和機であって、
前記圧縮機、前記被冷却物、及び前記冷却装置を前記分離型空気調和機の室外機に設けることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の電気機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−23111(P2012−23111A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−158298(P2010−158298)
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】