説明

凍結用管内に設けられる光ファイバケーブル

【課題】凍結用管の内部に中空パイプ等の特殊な管を設けることをせずに、光ファイバケーブル自体の構造を改良することによって凍結した氷の膨張を吸収し、凍結用管の内部への光ファイバケーブルの布設本数を増やし、あるいは凍結用管の口径を小径にすることを可能にし、かつ特殊な管の布設しないことで光ファイバケーブル配設作業を行い得るようにする。
【解決手段】ケーブル外被にシースヤング率が400〜600Mpaの材料が用いられ、光ファイバテープ心線の積層枚数が10−16枚であって、各溝の溝深さクリアランスが、膨張面積Aがスロットの入口部上辺を足として二等辺三角形で表わされる落ち込み高さを凍結による溝深さクリアランスとして少なくとも0.2mmの溝深さが加えられて、積層枚数10枚のときに1.2mm以上で、16枚のときに1.5mmとした範囲内の溝深さであることにある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凍結用管内に設けられる光ファイバケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
管路内に布設された光ファイバケーブルが、管路内に侵入した水の凍結により損傷を受けないように、光ファイバケーブルに併設して中空パイプを設けることが広く行われている。これは、管路内に侵入した水が凍結した時に、中空パイプが凍結した氷の膨張に伴って潰されることによって、光ファイバケーブルに多大な圧力が加わらないようにするものである。
【0003】
特許文献1には、光ファイバケーブルと凍結防止パイプ(管)とをバインダにより束ねて一体化することが記載されている。
【0004】
特許文献2には、光ファイバケーブルの周囲にこの光ファイバケーブルの外径よりも大きい内径の熱塑性樹脂の管状体を設けることが記載されている。
【0005】
特許文献3には、溝深さクリアランスを1.1mmにした光ファイバケーブルの例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−18721号公報
【特許文献2】特開2000−241633号公報
【特許文献3】特開2000−241686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
凍結防止パイプは管内に索引布設工法、圧送工法、押込み工法などの色々の工法によって布設されるが、いずれの場合にあっても布設のための作業を必要として光ファイバケーブルを組み込んだ凍結用管として高価なものとなっている。
【0008】
また、凍結用管の内部に凍結防止パイプである中空パイプを布設したり、特許文献1あるいは2で提案される構造のものにあっては凍結用管の内部に従来通りに中空パイプを布設したり、あるいは他の管状体を布設する必要があり、このため布設作業を要して、光ファイバケーブルを組み込んだ凍結用管として高価のものとなっている。更に、このように凍結用管の内部に光ファイバケーブル以外に管状体を布設する構造のものにあっては光ファイバケーブルを布設する領域が限定され、配設される光ファイバケーブルの本数が限定されることになる。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みて凍結用管の内部に中空パイプ等の特殊な管を設けることをせずに、光ファイバケーブル自体の構造を改良することによって凍結した氷の膨張を吸収し、凍結用管の内部への光ファイバケーブルの布設本数を増やし、あるいは凍結用管の口径を小径にすることを可能にし、かつ特殊な管を布設しないことで光ファイバケーブル配設作業を行い得るようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、冬場に凍結する充満された管路の内部に配設された光ファイバケーブルであって、該光ファイバケーブルが、スロット本体に複数個の溝が設けられ、該溝に光ファイバ心線が配設され、前記スロット本体の周囲にケーブル外被が設けられた構造を有する光ファイバケーブルにおいて、
管路の断面積に対して水が凍結し、凍結氷の圧力が20Mpaのときに、膨張に基因して各溝における膨張面積をAとして、前記ケーブル外被の溝深さ方向への落ち込みによって吸収されるように前記スロット本体の周囲に設けられた前記ケーブル外被が弾性変形することを許容し、
前記ケーブル外被にシースヤング率が400〜600Mpaの材料が用いられ、光ファイバテープ心線の積層枚数が10−16枚であって、各溝の溝深さクリアランスが、膨張面積Aがスロットの入口部上辺を足として二等辺三角形で表わされる落ち込み高さを凍結による溝深さクリアランスとして少なくとも0.2mmの溝深さが加えられて、積層枚数10枚のときに1.2mm以上で、16枚のときに1.5mmとした範囲内の溝深さであること
を特徴とする光ファイバケーブルを提供する。
【0011】
本発明は、また、スロットの入口部上端が半径Rで表わされる円形状とされているときに、Rが0.2〜0.3mmとされ、Rが零である時に比べて該Rによる前記ケーブル外被のスロット底辺方向への落ち込み量である〔0.1〜0.15〕が加えられた溝深さクリアランスとされたこと
を特徴とする光ファイバケーブルを提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、凍結用管の内部に中空パイプのような特殊な管を設けることを要せず、適切に最小溝深クリアランスを設定することができ、凍結した氷の膨張を吸収し、凍結用管の内部への光ファイバケーブルの布設本数を増やし、あるいは凍結用管の口径を小径にすることを可能にし、かつ特殊な管の布設を要しない光ファイバケーブル配設作業を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の概念を説明する図。
【図2】スロット本体の構成を示す図。
【図3】本発明の実施例を説明する図。
【図4】ケーブル外被に掛かる外圧に対する変形量を示す図。
【図5】シースヤング率に対するシース落ち込み量を示す図。
【図6】光ファイバテープ心線積層枚数に対する凍結を考慮した場合の最小溝深さクリアランスを示す図。
【図7】接触点BにRを付与したことに伴い発生するケーブル外被の落ち込み状況を示す図。
【図8】接触点BにおけるRの影響を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例】
【0015】
図1は、本発明の実施例である光ファイバケーブルおよびこの光ファイバケーブルが配設される凍結用管の概略を示す図である。図1において、凍結用管1(以下、管という)の管内部の管路2には、光ファイバケーブル3が配設(布設)される。
【0016】
光ファイバケーブル3が配設された管路2には、この光ファイバは、図2に示すようにスロット本体4にn個(図2の例では、5個)のらせん状の溝5(スリット溝)が設けられ、これらの溝5には積層された光ファイバ心線が配設される。図2に示す例では光ファイバ心線は光ファイバテープ心線6を形成し、積層された形で記載してある。すなわち、積層形光ファイバテープ心線の形で示してある。溝5はその両側がスロット8の壁部7(7A,7B)で形成され、長手方向に、例えばSZ形と呼ばれる形状のらせん状の溝とされている。
【0017】
スロット本体4の周囲にはケーブル外被(シース)9が設けられる。ケーブル外被9には押さえ巻テープが含まれる。
【0018】
このような光ファイバケーブル3が配設された管路2には、この光ファイバケーブル3以外には他の管体、例えば従来の中空パイプは希設されていない。図1に示す例では光ファイバケーブル3は1個のみ図示してあるが、断面積の広さが許される限り2個以上の複数配設されてよい。
【0019】
そして、管路2には水が充満されることがあり、図1(a)には水が充満した状態で管路が表示してある。図1(b)に示すように、冬場には充満した水が凍結し、体積膨張を起し、光ファイバケーブル3、すなわちケーブル外被を中心内方に向けて外力10が働き、圧縮する。この外力10としての圧縮によってケーブル外被9は溝深さ方向へと窪む、すなわち落ち込む。ケーブル外被9のこの溝深さ方向への落ち込みによって凍結に基因する増加した分の膨張体積はn個の溝に形成された窪み体積によって吸収される。すなわち従来はこの吸収のための弱点部の形成を管路2内に中空パイプを設けることによって行っていたが、本実施例ではケーブル外被9を溝深さ方向に変形が許容されることで対処する。この場合に、ケーブル外被9が光ファイバテープ心線6に接触するギリギリの限界領域にあるように溝深さクリアランスを設定することによって凍結による体積膨張を吸収しながら光ファイバケーブル3の外径を増加しないで、適切に設計することが可能になる。
【0020】
ここで、管1は、内形の筒状体で形成され、溝5が長手方向にほぼ等圧分布していることを考慮すると、膨張体積および落ち込み体積に代えて長手方向における断面積、すなわち図(2)の状態での膨張面積および落ち込み面積で論ずることができる。
【0021】
従って、管路2の断面積に対して水が凍結した時の膨張に基因する各溝についての膨張面積をAとして、この膨張面積Aが、ケーブル外被9の溝深さ方向への落ち込みによって吸収されるようにスロット本体2の周囲にケーブル外被9が設けられることになる。なお、水が凍結した場合に、一定量膨張した後には、後述するようにこの膨張量がほぼ保持されることが知られている。
【0022】
図3は、このようにしてケーブル外被9が溝深さ方向、すなわち溝5のスロット底辺5A方向に落ち込んだ状態を示し、曲線9Aはケーブル外被9の内表面の曲がりを示す。スロット8の入口部上端とケーブル外被9との接触点をBとした場合に、各部の構造寸法は近似的に溝深さはH、積層された光ファイバテープ心線6の厚さ(高さ)hoで現わされる。
【0023】
各溝には、温度特性変動分のクリアランスが設けられる。このような構造状態において、当該構造は、管路2の断面積に対して水が凍結し、膨張に基因して各溝における膨張面積Aとして、ケーブル外被9の溝深さ方向への落ち込みによって吸収されるようにスロット本体4の周囲に設けられたケーブル外被9が弾性変形することを許容するものとされる。
【0024】
以下、冬場において凍結される管路2の内部に配設される光ファイバケーブル3についてケーブル外被9が弾性変形するに充分な溝深さクリアランスについて検討する。水が凍結した時に、ケーブル外被9は溝上面において対峙する両接触点Bを二等辺三角形の足Bとしてスロット底辺方向に突出する二等辺三角形で表わされる形状に近似的に変形するとすることができる。図では二等辺がCで表示してある。なお、この図では実際のCの面積よりも拡大して示してある。この二等辺三角形で表わされる面積が膨張面積Aとなる。このように表示した時に、二等辺三角形で表される落ち込み高さを凍結による溝深さクリアランスとすると、このクリアランスはhで表わされ、温度特性変動分のクリアランスをhとすると、溝深さクリアランスhはh=h+hで表わされる。
【0025】
温度特性変動分のクリアランスhは、光ファイバテープ心線の積層枚数、光ファイバ種類、光ファイバのコーティングで定まるが、通常1.0mmあれば充分とされる。従って、h=1.0mm+hとなる。
【0026】
管路2内での凍結によって氷は膨張して圧力を増して行くが、所定の温度に達すると、それ以上は膨張せずに圧力はほぼ一定になることが知られている。この場合の管内の圧力は20Mpaと設定することができる。すなわち、凍結氷の圧力が20Mpaのときの膨張に基因して各溝に発生する膨張面積をAとすることができる。
【0027】
図4に示すように、ケーブル外被9に採用する材料によって変形量、すなわち膨張面積Aは影響を受ける。凍結する管路の内部に配設される光ファイバケーブルにあっては、ケーブル外被9は、その材料のシースヤング率は変形量を少なくするために400〜600Mpaのものが採用されることが望ましい。従って、本実施例にあっては、400〜600Mpaのシースヤング率を持つ材料が選定されることを前提にして説明する。
【0028】
そして、凍結する管路の内部に配設される光ファイバケーブルにあっては、400心ケーブル以上の光ファイバテープ心線が用いられることが望ましい。400心ケーブルにあっては、光ファイバテープ心線は積層枚数が10枚であり、従って本実施例では積層枚数が10〜16枚の光ファイバテープ心線が採用される。
【0029】
通常、400心光ファイバケーブルの設計値は次のようである。
400心光ファイバケーブル
溝寸法 深さ H 4.5mm
幅 B 2.7mm
積層枚数 10枚
温度特性変動分のクリアランス 1.0mm
このような状況で、400心光ファイバケーブルについてシースヤング率に対するファイバ外被の落ち込み量、すなわちシース落ち込み量を実験によって求めてみると図5に示すようになる。シース落ち込み量は、前述した二等辺三角形で表わされる落ち込み高さに相当する。この図から判るように、シースヤング率400Mpaでシース落ち込み量は0.2mmとなり、シースヤング率が高くなればシース落ち込み量は少なくなり、低くなればシース落ち込み量は高くなる。従って本実施例にあっては凍結による溝深さクリアランスは少なくとも0.2mmの溝深さが確保するものとされる。
【0030】
この場合に、個々の光ファイバテープ心線の厚さを0.32mmに設定すると、積層された光ファイバテープ心線の厚さは、
0.32×10=3.2mm
となり、上述の0.2mmおよび温度特性変動分のクリアランス1.0mmを加えると、3.2+1.2=4.4mmとなり、上述したH=4.5mm以内となって充分に凍結に対応することができる。また、光ファイバテープ心線の厚さによって対応が不可の場合には同様の計算によってHの長さを多少長くすることで対応することになる。
【0031】
膨張面積Aを二等辺三角形で等価にすると仮定すると、膨張面積Aは、
(0.2mm×2.7mm)/2=0.27mm
となり、溝の総断面積は、
4.5mm×2.7mm=12.5mm
となる。二等辺三角形の頂点を水平に引いて凍結に必要な四角形状のクリアランス面積0.27mm×2を求めると、
0.54mm
となる。すなわち、溝全体の面積12.5mmに対して、凍結に必要なクリアランス面積は0.54mmとなり、4.44%のクリアランス面積を要することになる。すなわち、4.44%以上の変形を許容するものとした構造に、光ファイバテープ心線の厚さの調整あるいは溝深さの調整によって調整することになる。
【0032】
図6は、光ファイバテープ心線の積層枚数に対する凍結を考慮した場合の最小溝深さクリアランスを示す。光ファイバ心線積層枚数が10枚でシースヤング率が400Mpaのときに、当該最小溝深さクリアランスは、温度特性変動分のクリアランスを1.0mmとしたときに、1.2mmとなる。積層枚数を増やした場合には温度特性変動分のクリアランスを増加させる関係で、最小溝深さクリアランスを増加させる必要があり、積層枚数が16枚の場合に、最小溝深さを1.5mmに設定すれば充分である。
【0033】
従って、 2枚のとき 0.55 〜1.5mm
5枚のとき 0.85 〜1.5mm
10枚のとき 1.2 〜1.5mm
11枚のとき 1.25〜1.5mm
12枚のとき 1.3 〜1.5mm
13枚のとき 1.35〜1.5mm
14枚のとき 1.45〜1.5mm
15枚のとき 1.45〜1.5mm
16枚のとき 1.5mm
とされて、まとめると溝深さクリアランスは、積層枚数が2枚のときに0.55mm以上で、10枚までには、1枚積層が増える毎に0.1mm増加させる。さらに、10枚のときに1.2mm以上で、16枚のときに1.5mmとした範囲内にある溝深さということになる。すなわち1枚積層が増える毎に0.05mm増加させることになる。上述の例にあっては、接触点Bにおける応力集中を考慮することなく膨張面積Aを吸収するという観点から溝深さクリアランスを設定した。接触点Bを鋭角に設定すると、鋭角なスロット入口部形状によって凍結した時の応力によって応力集中が発生し、ケーブル外被9にダメージを与えることが考えられる。このため、スロット入口部形状は、図7に示すように、半径Rで表される円形状とすることが考えられる。このようにすると接触点Bが溝深さ方向に落ち込み、二等辺三角形の足Bがその分溝深さ方向に落ち込み、溝深さクリアランスに影響を与えることになる。
【0034】
図8は、Rに対して発生する第三主応力の状況を示す実験図である。この図から判るように、シースヤング率200〜500Mpaの範囲内において、圧力20Mpaが働いたときに、第三主応力はRが0.2mmを超えるとほぼ一定にして低値で安定する。このときの、ケーブル外被9のスロット底辺方向(溝深さ方向)への落ち込み量は計算によれば〔0.1mm〕である。従って、応力集中を考慮する場合に、この〔0.1mm〕を上述した溝深さクリアランスに加えること、溝深さクリアランスを設定することになる。そしてこの溝深さクリアランスの溝深さを過剰に大きくしないために最限は限りなく〔0.1mm〕に近いものにすることが望ましく、Rが0.2〜0.3mmに対応して、〔0.1〜0.15mm〕に設定することができる。
【0035】
従って、スロットの入口部上端が半径Rで表わされる円形状とされているときに、Rが0.2〜0.3mmとされ、Rが零である時に比べて該Rによるケーブル外被のスロット底辺方向への落ち込み量である〔0.1〜0.15mm〕が加えられた溝深さクリアランスとされる。
【符号の説明】
【0036】
1…凍結用管(管)、2…管路、3…光ファイバケーブル、4…スロット本体、5…溝、5A…スロット底辺、6…光ファイバテープ心線、7…側壁部、8…スロット、9…ケーブル外被(シース)、9A…ケーブル外被の内表面の曲がりを示す曲線、A…膨張面積、B…接触点(二等辺三角形の足)、C…二等辺三角形の二等辺、H…溝深さ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冬場に凍結する充満された管路の内部に配設された光ファイバケーブルであって、該光ファイバケーブルが、スロット本体に複数個の溝が設けられ、該溝に光ファイバ心線が配設され、前記スロット本体の周囲にケーブル外被が設けられた構造を有する光ファイバケーブルにおいて、
管路の断面積に対して水が凍結し、凍結氷の圧力が20Mpaのときに、膨張に基因して各溝における膨張面積をAとして、前記ケーブル外被の溝深さ方向への落ち込みによって吸収されるように前記スロット本体の周囲に設けられた前記ケーブル外被が弾性変形することを許容し、
前記ケーブル外被にシースヤング率が400〜600Mpaの材料が用いられ、各溝の溝深さクリアランスが、膨張面積Aがスロットの入口部上辺を足として二等辺三角形で表わされる落ち込み高さを凍結による溝深さクリアランスとして少なくとも0.2mmの溝深さが加えられていることを特徴とする光ファイバケーブル。
【請求項2】
冬場に凍結する充満された管路の内部に配設された光ファイバケーブルであって、該光ファイバケーブルが、スロット本体に複数個の溝が設けられ、該溝に光ファイバ心線が配設され、前記スロット本体の周囲にケーブル外被が設けられた構造を有する光ファイバケーブルにおいて、
管路の断面積に対して水が凍結し、凍結氷の圧力が20Mpaのときに、膨張に基因して各溝における膨張面積をAとして、前記ケーブル外被の溝深さ方向への落ち込みによって吸収されるように前記スロット本体の周囲に設けられた前記ケーブル外被が弾性変形することを許容し、
前記ケーブル外被にシースヤング率が400〜600Mpaの材料が用いられ、光ファイバテープ心線の積層枚数が10−16枚であって、各溝の溝深さクリアランスが、膨張面積Aがスロットの入口部上辺を足として二等辺三角形で表わされる落ち込み高さを凍結による溝深さクリアランスとして少なくとも0.2mmの溝深さが加えられて、積層枚数10枚のときに1.2mm以上で、16枚のときに1.5mmとした範囲内の溝深さであること
を特徴とする光ファイバケーブル。
【請求項3】
請求項1または2において、スロットの入口部上端が半径Rで表わされる円形状とされているときに、Rが0.2〜0.3mmとされ、Rが零である時に比べて該Rによる前記ケーブル外被のスロット底辺方向への落ち込み量である〔0.1〜0.15〕が加えられた溝深さクリアランスとされたこと
を特徴とする光ファイバケーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−276806(P2010−276806A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−128359(P2009−128359)
【出願日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(504026856)株式会社アドバンスト・ケーブル・システムズ (64)
【Fターム(参考)】