説明

凝縮器

【課題】凝縮効率を向上させることができる凝縮器の提供。
【解決手段】凝縮器139は、内部を流れる被凝縮流体と外部を流れる凝縮流体との間で熱交換を行う凝縮器であって、複数の凝縮管135と、フィン121とを備えている。凝縮管135は、樹脂製であって、その内部に高温空気を被凝縮流体として流す被凝縮流体流路135aを形成している。フィン121は、金属製であって、凝縮管135の外部から凝縮管135の内部に延びる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凝縮器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、凝縮流体と被凝縮流体との間で熱交換を行わせることで、被凝縮流体を冷却する樹脂製の凝縮器がある。
【0003】
例えば、上部水平管と、下部水平管と、複数の被凝縮流体通過管とを備えており、隣接する被凝縮流体通過管の間には熱交換される凝縮流体を通過させるための空間部が設けられている複合凝縮器がある。この複合凝縮器では、上部水平管に流れ込んだ被凝縮流体が、複数の被凝縮流体通過管を通過し、下部水平管に流れる。このとき、被凝縮流体通過管を流れる被凝縮流体と空間部を通過する凝縮流体との間で熱交換が行われる。このような構成によって、この複合凝縮器では、被凝縮流体を冷却している。
【0004】
また、この複合凝縮器は、凝縮流体と被凝縮流体との間で熱交換を行わせることが可能な2つの凝縮器(以下、凝縮部という)が組み合わされて構成されている。このため、1つの凝縮部によって被凝縮流体が凝縮される場合と比較して、熱交換効率を向上させることができるため、凝縮効率を向上させることができている。
【特許文献1】特開平11−304389号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、凝縮効率を向上させるために複数の凝縮部が組み合わされることで、凝縮器全体のサイズが増加する要因となる。
【0006】
そこで、本発明の課題は、複数の凝縮部を組み合わせなくても、凝縮効率を向上させることができる凝縮器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明に係る凝縮器は、内部を流れる被凝縮流体と外部を流れる凝縮流体との間で熱交換を行う凝縮器であって、複数の流路部材と、板部材とを備えている。流路部材は、樹脂製であって、被凝縮流体が流れる流路を形成している。板部材は、金属製であって、流路部材の外部から流路部材の内部に延びる。
【0008】
第1発明に係る凝縮器では、金属製の板部材が流路部材の外部から流路部材の内部に延びている。このため、例えば、板部材を備えていない凝縮器と比較して、流路部材外部および流路部材内部における伝熱面積を大きくすることができる。したがって、凝縮器における熱交換効率を向上させることができる。
【0009】
これによって、凝縮効率を向上させることができる。
【0010】
第2発明に係る凝縮器は、第1発明の凝縮器であって、流路部材には、板部材を挿入可能な開口が設けられている。このため、この凝縮器では、容易な構成によって、板部材を流路部材外部から流路部材内部に挿入することができる。
【0011】
第3発明に係る凝縮器は、第1発明または第2発明の凝縮器であって、板部材は、第1部材と、第1部材と直交する方向に形成された第2部材とを有している。また、板部材は、第1部材の尖端部が流路部材内部に位置するように配置される。このため、被凝縮流体との接触面積および凝縮流体との接触面積を大きくすることができる。
【0012】
これによって、凝縮効率を向上させることができる。
【0013】
第4発明に係る凝縮器は、第3発明の凝縮器であって、第2部材は、流路部材よりも凝縮流体の流れ方向上流側に配置される。このため、板部材における熱交換効率を向上させることができる。
【0014】
第5発明に係る凝縮器は、第1発明から第4発明のいずれかの凝縮器であって、板部材は、正面視における水平方向の幅が、流路部材の正面視における水平方向の幅以下となるように形成されている。このため、この凝縮器では、凝縮流体の通風抵抗が大きくなるおそれを減らすことができる。
【0015】
第6発明に係る凝縮器は、内部を流れる被凝縮流体と外部を流れる凝縮流体との間で熱交換を行う凝縮器であって、複数の凝縮部材と、板部材とを備えている。流路部材は、樹脂製であって、被凝縮流体が流れる流路を形成している。板部材は、金属製であって、流路部材を貫通して設けられている。
【0016】
第6発明に係る凝縮器では、金属製の板部材が、流路部材を貫通して設けられている。このため、例えば、板部材を備えていない凝縮器と比較して、流路部材外部および流路部材内部における伝熱面積を大きくすることができる。したがって、凝縮器における熱交換効率を向上させることができる。
【0017】
これによって、凝縮効率を向上させることができる。
【0018】
第7発明に係る空気調和機は、ヒータと、吸着素子と、送風機と、第1発明から第6発明のいずれかの凝縮器と、を備えている。吸着素子は、水分を吸着することが可能である。送風機は、ヒータによって温度上昇した高温空気を吸着素子に当てて吸着素子から水分を放出させる。凝縮器は、吸着素子を通過した高温空気を被凝縮流体として内部に流す。
【0019】
第7発明に係る空気調和機では、凝縮器が、金属製の板部材を備えている。このため、樹脂製の凝縮器を備える空気調和機と比較して、熱交換効率を向上させることができる。したがって、凝縮器内部を流れる高温空気の凝縮効率を向上させることができる。
【0020】
これによって、効率よく除湿することができる。
【発明の効果】
【0021】
第1発明に係る凝縮器では、凝縮効率を向上させることができる。
【0022】
第2発明に係る凝縮器では、容易な構成によって、板部材を流路部材外部から流路部材内部に挿入することができる。
【0023】
第3発明に係る凝縮器では、凝縮効率を向上させることができる。
【0024】
第4発明に係る凝縮器では、板部材における熱交換効率を向上させることができる。
【0025】
第5発明に係る凝縮器では、凝縮流体の通風抵抗が大きくなるおそれを減らすことができる。
【0026】
第6発明に係る凝縮器では、凝縮効率を向上させることができる。
【0027】
第7発明に係る空気調和機では、効率よく除湿することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明に係る凝縮器139は、内部を流れる空気(被凝縮流体に相当)と外部を流れる空気(凝縮流体に相当)とを熱交換させるために用いられる多管式顕熱熱交換器である。以下に、本発明の実施形態に係る凝縮器139を有する除湿ユニット103を備える空気調和機100について図1を用いて説明する。
【0029】
<空気調和機の構成>
空気調和機100は、加湿機能、除湿機能及び空気清浄機能を有しており、加湿運転時は加湿機として、除湿運転時は除湿機として、空気清浄運転時は空気清浄機として働く。また、本実施形態では、この空気調和機100は、単一機能だけでなく、同時に複数の機能を組み合わせて稼働させることができる。この複数の組み合わせとは、例えば、空気清浄機能と除湿機能との組み合わせ、および、空気清浄機能と加湿機能との組み合わせのことである。
【0030】
空気調和機100は、図1に示すように、除湿ユニット103の他に、本体ケーシング10と、送風機2と、加湿ユニット4と、空気清浄ユニット5と、制御部6とを備えている。
【0031】
本体ケーシング10は、略直方体形状であり、送風機2、除湿ユニット103、加湿ユニット4、空気清浄ユニット5および制御部6等を収容している。また、本体ケーシング10は、引き出し式の第1扉10aと、回動式の第2扉10bとを有している。
【0032】
送風機2は、本体ケーシング10に収容されたとき、空気清浄ユニット5とは反対側に配置されている。また、この空気調和機100を空気清浄ユニット5側から視たときに、各内部部品は、空気清浄ユニット5、除湿ユニット103、加湿ユニット4、送風機2の順で並んでいる。このため、送風機2が稼働されると、外部空気が空気清浄ユニット5側から除湿ユニット103および加湿ユニット4を通過し送風機2に至る外部空気流A1が形成される。
【0033】
制御部6は、本体ケーシング10の上部に配置されており、空気清浄ユニット5、除湿ユニット103、加湿ユニット4および送風機2を制御する。
【0034】
なお、図1では、加湿ユニット4の構成部品である、貯水容器40、気化部41および水車42が加湿ユニット4から引き出されているが、運転時には、加湿ユニット4の所定位置に配置されている。
【0035】
加湿ユニット4は、運転時において、除湿ユニット103の有する第2送風機の下方に重なるように配置されており、図2に示すように、主に、貯水容器40、水車42および気化部41を有している。
【0036】
貯水容器40は、外部空気流A1を流れる空気に与える水分の水源であり、図1に示すように、本体ケーシング10に着脱可能に収容されている。具体的には、本体ケーシング10の有する引き出し式の第1扉10aが引き出されることによって、貯水容器40は本体ケーシング10の開口12から取り出される。さらに、図2に示すように、貯水容器40の内側には上部が開いている軸受40aが設けられており、この軸受40aは後述する回転軸424を回転可能に支持する。また、貯水容器40は、図1に示すように、ドレンパン40bを有している。
【0037】
水車42は、図2および図3に示すように、車輪421と、車輪カバー422と、第2歯車423とを有しており、貯水容器40の内側を回転可能である。
【0038】
車輪421には、図3に示すように、一方の側面から反対側の側面に向かって窪む複数の凹部421aが円を描くように形成されている。また、車輪421には、この凹部421aの開口側を覆うように、後述する車輪カバー422が組み合わされている。車輪カバー422には、台形状の孔422aが、車輪421の凹部421aと対向する位置に円を描くように形成されている。この台形状の孔422aの大きさは、凹部421aの開口の半分程度である。このため、車輪421に車輪カバー422が組み合わされたとき、凹部421aの開口は半分程度が開いた状態となる。第2歯車423は、後述する気化部41の第1歯車411と噛み合う歯車であり、回転中心には、車輪421、車輪カバー422および第2歯車423が共有する回転軸424が設けられている。この回転軸424を同軸として、第2歯車423、車輪カバー422、車輪421が順に重ねて組み合わされている。なお、この回転軸424は、上述のように、貯水容器40の軸受40aに回転可能に支持されている。このため、貯水容器40が本体ケーシング10から引き出されたときに、ユーザーは、水車42を貯水容器40から取り出して洗浄することができる。なお、貯水容器40の底面から軸受40aの軸心までの高さは、貯水容器40に溜められている水が最低水位のときであっても、水車42の最下位置にある凹部421aが水没するように設定されている。
【0039】
気化部41は、供給された水を気化させる部材であり、図2に示すように、水車42に近接して配置されており、貯水容器40の満水時の水位よりも上方に配置されている。また、気化部41は、気化フィルタ44と、第1歯車411とを有しており、水車42と同様に、回転可能である。
【0040】
第1歯車411は、図2に示すように、気化フィルタ44の外周縁に固定されており、駆動部43の駆動によって回転する駆動歯車431および第2歯車423と噛み合うことによって支持されている。また、駆動歯車431および第2歯車423は、第1歯車411の回転軸424よりも下方に位置し、気化部41の鉛直中心線に対して互いに反対側に位置している。
【0041】
このような構成によって、加湿ユニット4では、図2に示すように、駆動部43が駆動することで、気化部41および水車42が回転する。水車42が回転することによって、凹部421aは貯水容器40の水中を順番に通過して上昇する。凹部421aが浸水すると台形状の孔422aから凹部421aの内部に水が入る。このため、凹部421aが水中から出てきたとき、凹部421aの内部は水で満たされている。そして、凹部421aが最上位置に近づくにしたがって、凹部421a内部の水が台形状の孔422aから流出し、凹部421aが最上位置を通過したときに、ほぼ全ての水が流出する。このとき、水は、流出する際に重力によってある程度の勢いが付加されているので、凹部421aと近接している気化部41の側面に向かって流出する。
【0042】
さらに、本体ケーシング10の最上面には、図1に示すように、空気清浄運転、除湿運転および加湿運転を選択する選択パネル11が設けられており、この選択パネル11は制御部6と接続されている。
【0043】
次に、本発明の実施形態に係る凝縮器139を有する除湿ユニット103を説明する前に、本発明が為される前の従来の凝縮器39を有する除湿ユニット3について説明する。
【0044】
<従来の除湿ユニットの構成>
従来の除湿ユニット3は、図4および図5に示すように、吸着素子31、ヒータ32、第2送風機33および凝縮器39を有している。
【0045】
吸着素子31は、ハニカム構造体であり、ゼオライト粉末、バインダーおよび膨張剤を混合して練り上げた多孔質の材料によって円板状に成形されている。ここでいうバインダーとしては、例えば、変性PPE、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂から選択されたものである。膨張剤は、ハニカム構造体の成形時に膨張することで、無数の気泡を形成させる。このため、吸着素子31は、水分に対して高い吸着性を有している。
【0046】
ヒータ32は、吸着素子31の背面側の一部に対抗して配置されている。このヒータ32は、略扇形形状であって、吸着素子31の背面側の6分の1程度を覆う位置に設けられている。
【0047】
第2送風機33は、吸着素子31の上方部分から背面側に向けて突出するような形状を有している。また、第2送風機33とヒータ32とは空気の流通ができるように凝縮器39の有する第1送風管34aによって連絡されている。さらに、第2送風機33が稼働することで空気流が形成され、空気は第1送付管34a内を図4の矢印で示す方向に流れる。そして、ヒータ32近傍に流れてきた空気は、そこで加熱されて高温空気となる。
【0048】
凝縮器39は、図4および図5に示すように、共通送風管34と凝縮部20とを有している。なお、凝縮器39は、樹脂によって構成されている。
【0049】
共通送風管34は、第1送風管34a、第2送風管34b、第3送風管34c、第4送風管34d、第5送風管34e、第6送風管34fおよび第7送風管34gから構成される。ヒータ32によって加熱された高温空気は、対向する吸着素子31の背面側から吸着素子31の厚み方向の正面側に向かって進み、吸着素子31の正面側に流れる。ここで、吸着素子31の領域のうち高温空気が通過した領域では、吸着素子31が高温空気によって暖められることで、保持していた水分が第2送風機33による空気流れによって放出される。このため、吸着素子31を背面側から前面側に向けて通過した空気は、吸着素子31から放出された水分を含むことにより高温高湿空気となり、第2送風管34bに進む。
【0050】
第2送風管34bは、正面視において略扇型形状を呈しており、吸着素子31の一部を正面側から覆うように配置されている。また、第2送風管34bは、上述したヒータ32と共に吸着素子31の同一部分を挟むような位置に設けられ、吸着素子31の正面側の6分の1程度を覆っている。
【0051】
第3送風管34cは、第2送風管34bと第4送風管34dとの空気の流通ができるように、第2送風管34bと第4送風管34dとを連絡している。
【0052】
第4送風管34dは、第3送風管34cと凝縮部20との空気の流通ができるように、第3送風管34cと凝縮部20とを連絡している。具体的には、第4送風管34dは、図5に示すように、吸着素子31の厚さ方向に直交する方向(略水平方向)に延びており、吸着素子31の下方に沿うように形成されている。また、第4送風管34dの下部は、後述する複数の凝縮管35と接続されている。なお、ここでいう「上下」および「左右」は、除湿ユニット3を正面視した場合の「上下」および「左右」を意味している。
【0053】
第5送風管34eは、凝縮部20と第6送風管34fとの空気の流通ができるように、凝縮部20と第6送風管34fとを連絡している。具体的には、第5送風管34eの上部は、複数の凝縮管35と接続されている。
【0054】
第6送風管34fは、第5送風管34eと第7送風管34gとの空気の流通ができるように、第5送風管34eと第7送風管34gとを連絡している。
【0055】
第7送風管34gは、第6送風管34fと第2送風機33とを連絡している。第6送風管34fを通過してきた空気は、第7送風管34gを通って第2送風機33に吸い込まれる。
【0056】
凝縮部20は、図4および図5に示すように、第4送風管34dと第5送風管34eとを連絡しており、複数の凝縮管35を有している。また、凝縮管35は、第4送風管34dから第5送風管34eに鉛直方向に延びている。さらに、凝縮管35同士は、所定の間隔をあけて配置されている。このため、第3送風管34cを流れてきた高温高湿空気は、第4送風管34d内を除湿ユニット3の正面視において左側から右側(図4の矢印に示す方向)に向かって流れるとともに、複数の凝縮管35に分配される。また、複数の凝縮管35に分配された空気は、第5送風管34eにおいて合流して第6送風管34f内に流れる。このため、凝縮管35内部には、第4送風管34dから流れてきた空気が流れる複数の被凝縮流体流路35aが形成されている。
【0057】
また、凝縮管35同士が所定の間隔をあけて配置されているため、凝縮部20には、凝縮管35同士の間に、外部空気流A1が通過する凝縮流体流路35bが形成されている。
【0058】
このような構成によって、凝縮器39内部を流れる高温高湿空気は、凝縮部20の凝縮管35の内壁面に接触しながら流れる。このため、凝縮器39外部を通過する外部空気は、凝縮管35内部を流れる高温高湿空気との間で熱交換を行い、互いに混ざり合うことなく、凝縮管35内部を流れる空気から熱量を奪う。したがって、凝縮管35内壁面に接触した高温高湿の空気は冷却され、凝縮管35の内壁面には結露が生じる。この結露水は、凝縮器39を下方に流れ、凝縮部20の下面を鉛直方向に貫通して設けられている排水口28を通って、ドレンパンを介して貯水容器に流れ込む。また、凝縮部20において熱交換された空気は、第2送風機33に吸い込まれる。
【0059】
さらに、除湿ユニット3は、駆動モータ(図示せず)を更に有している。駆動モータは、ピニオン歯車を有している。そして、吸着素子31の外周には、ピニオン歯車と噛み合う従動歯車が設けられている。このため、駆動モータが稼働すると、ピニオン歯車と噛み合っている従動歯車に動力が伝わり、吸着素子31が回転する。そして、吸着素子31が回転しながら、本体ケーシングに吸い込まれた外部空気が吸着素子31の一部を通過する。吸着素子31は、この空気が吸着素子31を通過する際に、通過しようとする空気中の水分を吸着して保持し、通過後の空気の水分を低減させる。そして、吸着素子31が回転を続けることで、吸着素子31のうち水分を保持している部分が、ヒータ32と対向する位置にまで移動し、加熱される。これにより水分を保持していた吸着素子31の一部は、保持していた水分をその場で放出し、ほとんど水分を保持していない状態となる。そして、吸着素子31は、回転を続けることで、新たな外部空気と接触し、この新たな外部空気から水分を吸着して保持する。このようにして、吸着素子31が回転することにより、水分の吸着と放出とを繰り返すことができる。
【0060】
次に、本発明の実施形態に係る凝縮器139を有する除湿ユニット103について説明する。
【0061】
<本実施形態の除湿ユニットの構成>
除湿ユニット103は、吸着素子、ヒータ、第2送風機(送風機に相当)、および、凝縮器139を有している。なお、本実施形態の除湿ユニット103において、凝縮部120以外の構成については、上述の従来の除湿ユニット3と同様の構成であるため、説明を省略する。また、本実施形態の除湿ユニット103の有する凝縮器139の共通送風管および凝縮部120の凝縮管135は、従来の除湿ユニット3と同様に樹脂によって構成されている。なお、図6では、凝縮器139において、第1送風管、第2送風管、および、第7送風管を省略している。また、図6の符号134cは、第3送風管を示している。
【0062】
<凝縮部>
凝縮部120は、図6に示すように、第4送風管134dと第5送風管134eとを連絡しており、複数のフィン121と複数の凝縮管135を有している。
【0063】
フィン121は、金属製であって、図7Aに示すように、略長方形状を呈する板状の第1部材122と、略長方形状を呈する板状の第2部材123とを有している。また、第1部材122の長手方向の長さは、第2部材123の長手方向の長さと等しい。さらに、第1部材122は、第2部材123の短手方向の略中央付近から第2部材123の厚さ方向に延びるように配置されている。このため、第1部材122は、第2部材123に対して直交する方向に配置されており、フィン121はT字形の断面形状を有する。なお、ここでいう第2部材123の短手方向とは、第2部材123の平面視において、第2部材123の長手方向と直交する方向のことである。また、本実施形態では、フィン121がT字形の断面形状を有するように第1部材122と第2部材123とが配置されているが、第1部材が第2部材に対して直交する方向に配置されているのであれば、フィンの断面形状はこれに限定されない。例えば、図7Bに示すように、フィン321がL字型の断面形状を有するように第1部材322と第2部材323とが配置されていてもよい。
【0064】
また、凝縮管135は、樹脂製であって、図6に示すように、第4送風管134dから第5送風管134eに鉛直方向に延びるように配置されている。また、凝縮管135は、上端が第4送風管134dに接続されており、下端が第5送風管134eに接続されている。このため、第4送風管134dを流れてきた高温高湿空気は、複数の凝縮管135に分配される。また、複数の凝縮管135に分配された空気は、第5送風管134eおいて合流して、第6送風管134fに導かれる。したがって、凝縮管135内部には、第4送風管134dから流れてきた空気が流れる複数の被凝縮流体流路135aが形成されている。
【0065】
また、凝縮管135同士は、一直線上に、所定の間隔をあけて配置されている。このため、凝縮部120には、外部空気流A1の流れ方向と直交する方向に、外部空気が流れる凝縮流体流路135bが形成されている。
【0066】
また、凝縮部120の概略部分断面図である図8に示すように、凝縮管135は、前面136と、側面138a,138bと、背面137とから構成されている。前面136は、凝縮管135において、外部空気流A1の最も上流側に位置している。また、背面137は、前面136と対向する位置に配置されており、前面136よりも外部空気流A1の下流側に配置されている。さらに、側面138a,138bには第1側面138aと第2側面138bとが含まれており、第1側面138aと第2側面138bとは、対向する位置に配置されている。
【0067】
また、凝縮管135の前面136には、凝縮管135外部と凝縮管135内部とを連通するスリット状の開口136aが形成されている。スリット状の開口136aは、図9に示すように、鉛直方向に沿うように凝縮管135の前面136に形成されている。また、このスリット状の開口136aには、フィン121の第1部材122の尖端部122aが挿入される。
【0068】
このような構成によって、図8に示すように、凝縮部120では、金属製のフィン121の第1部材122の尖端部122aが、凝縮管135に形成されているスリット状の開口136aを介して凝縮管135外部から凝縮管135内部に挿入されて、フィン121が凝縮管135に固定される。このように、フィン121の第1部材122の一部が凝縮管135内部に配置されていることで、フィンを備えていない従来の凝縮部20と比較して、凝縮管135内部における伝熱面積を大きくすることができる。
【0069】
なお、ここでいう伝熱面積とは、凝縮部120において伝熱に寄与している表面の面積のことである。
【0070】
また、フィン121の第1部材122の尖端部122aは凝縮管135の前面136のスリット状の開口136aを介して凝縮管135外部から凝縮管135内部に挿入されているため、第1部材122は外部空気流A1の流れ方向に沿って凝縮管135外部から凝縮管135内部に挿入されている。このため、図8および凝縮部120の拡大図である図10に示すように、フィン121の第2部材123は、凝縮管135よりも外部空気流A1の上流側に配置されることになる。したがって、外部空気は、フィン121の第2部材123、凝縮管135の順に接触する。
【0071】
なお、本実施形態では、凝縮部120の正面視において、凝縮管135の水平方向の幅、すなわち、凝縮管135の前面136の短手方向の寸法w1は、フィン121の水平方向の幅、すなわち、フィン121の第2部材123の短手方向の寸法w2よりも大きい。また、本実施形態では、凝縮部120の正面視において凝縮管135の前面136の短手方向の寸法w1がフィン121の第2部材123の短手方向の寸法w2よりも大きくなるように凝縮管135およびフィン121が形成されているが、これに限定されず、凝縮部の正面視において凝縮管の前面の短手方向の寸法とフィンの第2部材の短手方向の寸法とが等しくなるように、凝縮管およびフィンが形成されていてもよい。
【0072】
このような構成によって、この除湿ユニット103では、凝縮器139の共通送風管内部および凝縮管135内部を流れる高温高湿空気が、共通送風管の内壁面、凝縮管135内壁面、および、フィン121の第1部材122表面に接触しながら流れる。このため、凝縮器139外部を通過する外部空気は、凝縮器139の共通送風管内部および凝縮管135内部を流れる高温高湿空気との間で熱交換を行い、互いに混ざり合うことなく、凝縮器139の共通送風管内部および凝縮管135内部を流れる空気から熱量を奪う。このとき、外部空気は、フィン121の第2部材123に接触するとともに、凝縮管135外部に形成されている凝縮流体流路135bを流れる。このため、凝縮器139では、主に凝縮管135内部に形成されている被凝縮流体流路135aを流れる空気と外部空気との間で熱交換が行われる。したがって、凝縮管135の内壁面およびフィン121の第1部材122表面に接触した高温高湿の空気は冷却され、凝縮管135の内壁面およびフィン121の第1部材122表面には結露が生じる。この結露水は、凝縮部120を下方に流れ、第5送風管134eの下側に設けられている排水口(図示せず)を通じて、ドレンパン40bを介して貯水容器40に流れ込む。
【0073】
また、凝縮器139を流れる空気の一部は、除湿ユニット103内を循環している。具体的には、凝縮管135から第5送風管134eに流出した空気は、第6送風管134fおよび第7送風管を介して第2送風機に送られ、再び、第2送風機から第1送風管、第2送風管、第3送風管134cおよび第4送風管134dを介して凝縮管135へ送られる。
【0074】
<特徴>
(1)
上記実施形態では、凝縮部120が、金属製のフィン121と凝縮管135を有している。このため、フィンを備えていない従来の凝縮部20と比較して、凝縮効率を向上させることができる。
【0075】
これによって、フィンを備えていない従来の凝縮部20を備える空気調和機と比較して、空気調和機100の除湿効率を向上させることができている。
【0076】
また、金属製のフィン121の第1部材122の尖端部122aが、凝縮管135に形成されているスリット状の開口136aを介して凝縮管135外部から凝縮管135内部に挿入されている。このため、フィンを備えていない従来の凝縮部20と比較して、凝縮管135内部における伝熱面積を大きくすることができる。したがって、この凝縮器139では、熱交換効率を向上させることができる。
【0077】
これによって、凝縮効率を向上させることができている。
【0078】
さらに、フィン121が凝縮管135内部に挿入されることで凝縮効率を向上させているため、例えば、特開平11−304389号公報に開示されているような複数の凝縮部を組み合わせて構成される凝縮器と比較して、凝縮部120のサイズが大幅に増加するおそれを減らすことができる。
【0079】
(2)
上記実施形態では、凝縮管135の前面136には、凝縮管135外部と凝縮管135内部とを連通するスリット状の開口136aが形成されている。また、金属製のフィン121の第1部材122の尖端部122aは、凝縮管135外部からスリット状の開口136aを介して凝縮管135内部に挿入される。このように、この凝縮部120では、容易な構成によって、フィン121を凝縮管135に固定することができている。
【0080】
(3)
上記実施形態では、第1部材122は、第2部材123に対して直交する方向に配置されており、フィン121はT字形の断面形状を有している。また、第2部材123は凝縮管135の外部に配置されている。このため、フィンを備えていない従来の凝縮部20と比較して、凝縮管135外部における伝熱面積を大きくすることができる。
【0081】
これによって、凝縮部120における凝縮効率を向上させることができている。
【0082】
(4)
上記実施形態では、第1部材122の尖端部122aがスリット状の開口136aを介して凝縮管135外部から凝縮管135内部に挿入されている。このため、外部空気は、フィン121の第2部材123、凝縮管135の順に接触することになる。したがって、凝縮部120において、樹脂よりも伝熱性能の高い金属製の第2部材123が凝縮管135よりも先に外部空気と接触することで、凝縮効率を向上させることができている。
【0083】
(5)
上記実施形態では、凝縮管135の前面136の短手方向の寸法w1は、フィン121の第2部材123の短手方向の寸法w2よりも大きい。このため、この凝縮器139では、外部空気の通風抵抗が大きくなるおそれを減らすことができている。
【0084】
また、凝縮管135の外部に配置される第2部材123は略長方形状を呈する板状の部材であり、第1部材122は凝縮管135の外部から凝縮管135の内部に延びているため、凝縮部120のサイズが大幅に大きくなるおそれを減らすことができている。
【0085】
<変形例>
(A)
上記実施形態では、フィン121の第1部材122の尖端部122aを凝縮管135外部から凝縮管135内部に挿入するためのスリット状の開口136aが、鉛直方向に沿うように凝縮管135の前面136に形成されている。
【0086】
これに代えて、フィンの第1部材の尖端部を凝縮管外部から凝縮管内部に挿入するための複数の孔が、凝縮管の前面に鉛直方向に沿うように並んで形成されていてもよい。このように、凝縮管の前面に複数の孔が形成されることで、フィンの第1部材の尖端部を凝縮管外部から凝縮管内部に挿入することができる。
【0087】
(B)
上記実施形態では、金属製のフィン121の第1部材122の尖端部122aが凝縮管135に形成されているスリット状の開口136aを介して凝縮管135外部から凝縮管135内部に挿入されて、フィン121が凝縮管135に固定されている。
【0088】
これに代えて、フィンの第1部材が、凝縮管を貫通していてもよい。
【0089】
例えば、凝縮部の概略部分断面図である図11に示すように、スリット状の開口236a,237aが凝縮管235の前面236および凝縮管235の背面237に形成されており、フィン221の第1部材222の尖端部222aが、スリット状の開口236aを介して凝縮管235の外部から凝縮管235の内部に挿入され、スリット状の開口237aを介して凝縮管235の外部で固定される。このように、フィン221が凝縮管235を貫通するように配置されることで、フィン221が凝縮管235の内部に挿入されて固定されている場合と比較して、フィン221と凝縮管235との固定が解除されるおそれを減らすことができる。
【0090】
なお、図11において、符号223は第2部材を示し、符号238aは第1側面を示し、符号238bは第2側面を示している。
【0091】
(C)
上記実施形態では、凝縮管135は、樹脂によって構成されている。これに代えて、凝縮管が金属によって構成されていてもよい。また、凝縮管が金属によって構成される場合には、凝縮管がフィンを貫通するように構成されていてもよい。このように、凝縮管が金属によって構成されることで、凝縮管が樹脂によって構成されている場合と比較して、凝縮効率を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は、凝縮効率を向上させることが可能な凝縮器を提供することができるため、除湿器または空気調和機への適用が有効である。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の実施形態に係る空気調和機の外観斜視図。
【図2】加湿ユニットの外観斜視図(ドレンパンは省略)。
【図3】水車の分解斜視図。
【図4】従来の凝縮器の外観斜視図。
【図5】従来の凝縮器の正面図。
【図6】凝縮器の外観斜視図(第1送風管、第2送風管、および、第7送風管は省略)。
【図7A】フィンの外観斜視図。
【図7B】断面形状がL字型形状を有するフィンの外観斜視図。
【図8】凝縮部の概略部分断面図。
【図9】スリット状の開口を示す凝縮部の拡大図。
【図10】スリット状の開口を介してフィンが挿入された状態を示す凝縮部の拡大図。
【図11】変形例(B)に係る凝縮部の概略断面図。
【符号の説明】
【0094】
100 空気調和機
121 フィン(板部材)
122 第1部材
122a 尖端部
123 第2部材
135 凝縮管(流路部材)
135a 被凝縮流体流路(流路)
136a スリット状の開口(開口)
139 凝縮器
221 フィン(板部材)
235 凝縮管(流路部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部を流れる被凝縮流体と外部を流れる凝縮流体との間で熱交換を行う凝縮器であって、
前記被凝縮流体が流れる流路(135a)を形成している複数の樹脂製の流路部材(135)と、
前記流路部材の外部から前記流路部材の内部に延びる金属製の板部材(121)と、
を備える凝縮器(139)。
【請求項2】
前記流路部材には、前記板部材を挿入可能な開口(136a)が設けられている、
請求項1に記載の凝縮器。
【請求項3】
前記板部材は、第1部材(122)と前記第1部材と直交する方向に形成された第2部材(123)とを有し、前記第1部材の尖端部(122a)が前記流路部材内部に位置するように配置される、
請求項1または2に記載の凝縮器。
【請求項4】
前記第2部材は、前記流路部材よりも前記凝縮流体の流れ方向上流側に配置される、
請求項3に記載の凝縮器。
【請求項5】
前記板部材は、正面視における水平方向の幅が、前記流路部材の正面視における水平方向の幅以下となるように形成されている、
請求項1から4のいずれかに記載の凝縮器。
【請求項6】
内部を流れる被凝縮流体と外部を流れる凝縮流体との間で熱交換を行う凝縮器であって、
前記被凝縮流体が流れる流路を形成している複数の樹脂製の流路部材(235)と、
前記流路部材を貫通して設けられる金属製の板部材(221)と、
を備える凝縮器。
【請求項7】
ヒータと、
水分を吸着することが可能な吸着素子と、
前記ヒータによって温度上昇した高温空気を前記吸着素子に当てて前記吸着素子から水分を放出させる送風機と、
前記吸着素子を通過した前記高温空気を前記被凝縮流体として内部に流す請求項1から6のいずれかに記載の凝縮器(139)と、
を備える空気調和機(100)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−121885(P2010−121885A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−297213(P2008−297213)
【出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】