説明

凝集剤注入制御装置

【課題】適正な流動電流値を演算可能となるよう内部パラメータを自動調整する凝集剤注入制御装置を提供する。
【解決手段】浄水場における凝集剤注入のフィードバック制御に必要な、凝集沈殿状態を検知する流動電流目標値を演算するための内部パラメータの自動調整機能を有する凝集剤注入制御装置で、データ取得手段41により、流動電流計測値と前記被処理水を沈澱処理する沈殿池濁度とをオンラインで取得しデータ記憶手段42に記憶させる。このデータ記憶手段42から与えられた前記沈殿池濁度と前記流動電流計測値に基づいて、内部パラメータが線形になるように信号変換手段43で新たな信号に変換する。この変換された信号に基づいて、実際の沈殿池濁度−流動電流計測値のグラフと近似式との二乗誤差が最小となるように最小二乗演算手段44で適正な内部パラメータを演算する。この最小二乗演算手段44によって演算された内部パラメータを信号復元手段45により正規の値に復元する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浄水場等における凝集剤注入のフィードバック制御に必要な、凝集沈殿状態を検知する流動電流目標値を演算するための内部パラメータの自動調整機能を有する凝集剤注入制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
浄水処理のひとつである凝集処理では、原水水質(原水濁度、pH、水温など)に応じて適切に凝集剤を注入することが重要である。従来、凝集剤注入後の処理水に手動で試薬を混合し、その色変化に応じて凝集剤注入量を制御することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、原水濁度と、凝集剤注入後の導電率と、流動電流値と、pH値とに基づいて凝集剤注入率を決定することも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
出願人は、これまで流動電流計(SCD計)を用いて処理水の凝集状態(フロック形成状態)をオンライン計測し、適正な流量電流値になるよう凝集剤注入制御を行うシステムを提案している(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2004−82019号公報
【特許文献2】特開2002−239307号公報
【特許文献3】特開2004−223357号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような制御において、適正な流動電流値を決定するにはいくつかの内部パラメータを決定する必要があり、現状はシステム導入時に技術者による実験で決定している。しかし、原水水質の季節変化や経年変化があると、適正な流動電流値を演算できない問題があった。
【0005】
本発明の目的は、適正な流動電流値を演算可能となるように内部パラメータを自動調整する凝集剤注入制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による凝集剤注入制御装置は、凝集剤注入のフィードバック制御に必要な、凝集沈殿状態を検知する流動電流目標値を演算するための内部パラメータの自動調整機能を有する凝集剤注入制御装置であって、凝集剤が注入された被処理水の前記流動電流計測値と前記被処理水を沈澱処理する沈殿池濁度とをオンラインで取得するデータ取得手段と、このデータ計測手段で取得された過去の実績値を記憶するデータ記憶手段と、このデータ記憶手段から得られる前記沈殿池濁度と前記流動電流計測値に基づいて、内部パラメータが線形になるように新たな信号に変換する信号変換手段と、変換された信号に基づいて、実際の沈殿池濁度−流動電流計測値のグラフと近似式との二乗誤差が最小となるよう適正な内部パラメータを演算する最小二乗演算手段と、この最小二乗演算手段によって演算された内部パラメータを正規の値に復元する信号復元手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明では、少なくとも信号変換手段、最小二乗演算手段、信号復元手段がサーバー上で動作し、動的に作成されたHTMLから内部パラメータを提供するようにしてもよい。
【0008】
また、本発明では、データ記憶手段に蓄積されているデータの内、沈殿池洗浄時など特異なデータをフィルタリングすることが可能なデータフィルタリング手段を備えた構成でもよい。
【0009】
また、本発明では、内部パラメータを調整するタイミングをオペレータが決定することが可能な調整タイミング設定手段を備えた構成でもよい。
【0010】
また、本発明では、予め設定していた季節変化などの情報に基づいて内部パラメータを調整するタイミングを決定することが可能な調整タイミング設定手段を備えてもよい。
【0011】
また、本発明では、想定していた流動電流値と沈殿池濁度の相関関係に乖離が生じた場合に内部パラメータ変更トリガーを出力する調整タイミング設定手段を備えてもよい。
【0012】
また、本発明では、沈殿池濁度や流動電流計測値が定常状態である期間のみのデータをデータ記憶手段から抽出可能な定常状態判定手段を備え、信号変換手段、最小二乗演算手段、信号復元手段は、前記抽出データに基づき適正な内部パラメータを得るようにしてもよい。
【0013】
さらに、本発明では、浄水場に対する取水系統が複数存在する場合、データ取得手段は各取水系統からの流量計測値を取得し、定常状態判定手段は沈殿池濁度、流動電流計測値を抽出すると共に、各取水系統の前記流量に基く取水系統混合比を出力し、これらに基いて各取水系統の沈殿池濁度及び流動電流値を推定可能な系統別沈殿池濁度及び流動電流値演算手段を備え、信号変換手段、最小二乗演算手段、信号復元手段は、各取水系統の推定された沈殿池濁度、流動電流計測値を用いて各取水系統の適正な内部パラメータを得るようにしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、原水水質の季節変化や経年変化に対しても、適正な流動電流値を演算できるように、内部パラメータを自動調整する。また、複数取水源がある場合は、その取水割合(混合比)に基づいて適切なパラメータを自動調整する。これらによって、技術者による実験作業の負荷を低減可能にするだけでなく、オンラインデータから常に適切な内部パラメータを演算し、演算精度の劣化を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明による凝集剤注入制御装置の一実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0016】
まずは対象とするプロセスについて、図1を用いて説明する。図1は、浄水場における凝集処理プロセスを表す。ここでは図示しない取水源から原水を取水し、着水井11、活性炭接触池12、混和池13、フロック形成池14、沈殿池15などによって浄水処理を行い、さらに急速濾過池16、配水池17、ポンプ井18を経て配水する一般的な浄水場を示している。
【0017】
また、活性炭接触池12には原水濁度(#1)、原水水温(#2)、複数の取水系統流量(#4)などを計測する計測器21が設けられ、混和池13の入口部分には薬品注入設備22から注入される凝集剤の注入率(#6)を測定する計測器23が設けられ、また、この混和池13の出口近くには流動電流(#5)を計測する流動電流計24が設けられている。また、沈殿池15の入口にはpH(#3)を測定するpH計25が設けられ、さらに、この沈電池15の出口近くには沈殿池濁度(#7)を測定する濁度計26が設けられている。
【0018】
なお、薬品注入設備22から注入される凝集剤としては、ポリ塩化アルミニウム(PAC)や硫酸アルミニウム(硫酸ばんど)等を用いる。
【0019】
凝集処理プロセスの目的は、沈殿池15での濁度の値が目標値となるよう被処理水に適正な凝集剤を注入し、混和池13にて適度な攪拌を行って、原水中に含まれる濁質をフロック化し、その後の沈殿処理によって濁質除去を行うことである。沈殿池15の濁度に影響を及ぼす要素(外乱)としては、原水濁度や水温、原水pH、攪拌池での攪拌強度、沈殿池の状態などが考えられるために、これらの状態に応じて適切に凝集剤を注入する必要がある。
【0020】
凝集処理プロセスにおいてオペレータが操作(意識)する量(制御量)は一般には凝集剤注入率である。凝集剤注入制御は次の2通りの手法がある。
【0021】
(1)フィードフォワード(FF)と呼ばれるもので、原水水質に関する測定値(原水濁度、水温、原水PH)から注入すべき凝集剤をフィードフォワード(FF)で演算して制御する。
【0022】
(2)フィードバック(FB)と呼ばれるもので、SCD計などフロック形成池での凝集状態を観測可能なセンサ信号をフィードバック(FB)して凝集剤注入率を制御する方法が一般的に行われている。
【0023】
図1のプロセス制御装置31は上述した制御機能を達成するものである。このプロセス制御装置31には、前記FF制御のための濁度式モード選択信号が入力されると共に、前述した原水濁度(#1)、原水水温(#2)、沈殿池入口pH(#3)、複数の取水混合比を求めるための系統流量(#4)、流動電流(SCD)値(#5)、予め設定される流動電位(流動電流に直接関係する)目標値がそれぞれ入力される。
【0024】
32はFF制御演算部で、移動平均算出手段33により算出された原水濁度の移動平均値、及び水温補正手段34で補正された原水水温が入力され、原水濁度に対応した凝集剤注入率(#6)を求め、出力する。36はFB制御演算部で、流動電位目標値に対し、実際のSCD値を入力しフィードバック制御演算を行い、流動電位目標値を実現するための凝集剤注入率を出力する。この場合、SCD計の出力値は沈殿池入口pHや原水水温、メンテナンス後の経過日数に応じて変化することから、これらを補正するSCD補正手段37を備えている。また、FB制御で用いられるPI制御のパラメータを導電率に応じて補正する手段38も備えている。さらに、後述する沈殿池濁度とSCD値との関係式からSCD目標値を設定し、日々の運用を行っている。
【0025】
本発明は、上述したFB制御を構成する機能の内、図2に示すような、SCD目標値演算のための内部パラメータa,b,cの自動調整に関する。図2はSCD計を用いた凝集剤注入のフィードバック(FB)制御の演算ブロック図を示す。
【0026】
フィードバック制御演算を行う際に用いる、SCD目標値は以下の手順で算出する。浄水場に対する取水系統が複数ある場合、各取水系統の沈殿池濁度とSCD値には、(1)式に示す関係がある。
【数1】

【0027】
ここで、yi :取水系統がiのみのときの沈殿池濁度
xi :取水系統がiのみのときのSCD値
ai,bi,ci :内部パラメータ(本発明で自動調整するパラメータ)
上記(1)式により、沈殿池濁度とSCD値の関係は図2の下図のようになる。すなわち、図2で示すように、予め実験により求めた内部パラメータai,bi,ciにより(1)式に基く近似双曲線が各取水系統について設定され、沈殿池濁度の目標値が運転員により設定されると取水系統毎にSCD目標値が得られる。
【0028】
また、各水源からの取水流量が異なるため、(2)式に示すように重みを与える。(2)式はi=1,2,3の場合である。
【0029】
Y=y・w+y・w+y・w・・・(2)
【数2】

【0030】
ここで、wi:重み係数
qi:各取水系統流量 である。
【0031】
上記(1)(2)式により、ある沈殿池濁度の時の、SCD目標値を算出することができる。
【0032】
(1)式のパラメータai,bi,ciは、前述したように取水水質の経年変化や季節変化に伴って適正に設定されているべきである。しかし、現状はシステム導入時に技術者が実験によって決定したパラメータで固定であるため、演算精度が劣化する問題があった。
【0033】
そこで、本発明では、SCD目標値演算に必要な内部パラメータa,b,cをオンラインデータから自動的に調整することによって技術者の負担を軽減するだけでなく、演算精度を半永久的に持続可能とする。
【0034】
図3は上述した内部パラメータa,b,cをオンラインデータから自動的に調整する部分の機能ブロック図である。
【0035】
このパラメータ自動調整部40は、データ取得手段41、データ記憶手段42、信号変換手段43、最小二乗演算手段44、及び信号復元手段45を有する。
【0036】
データ取得手段41は、凝集剤が注入された被処理水の前記流動電流(SCD)計測値(#5)、すなわち、(1)式におけるxiと、沈殿池濁度(#7)、すなわち、(1)式におけるyiとを取得する。データ記憶手段42は、このデータ取得手段41で取得された過去の実績値を記憶する
信号変換手段43は、データ記憶手段42から与えられた沈殿池濁度yiと流動電流(SCD)計測値に基づいて、内部パラメータが線形になるように新たな信号に変換する。すなわち、信号変換手段43では、データ記憶手段42に蓄積されたデータから(1)式のパラメータa,b,cを決定するため、次の操作を行う。なお、以下の(1a)式は簡単のため取水系統が1の場合を考える(i=1)。
【数3】

【0037】
両辺にx+aiを乗じ、以下の(3)式に変形する。
【0038】
=Au−Bu+C ・・・(3)
ここで、u=xy,u=x,u=y
A=c,B=a,C=b+ac である。
【0039】
(3)式はパラメータに関して線形であるとみなすことができ、以下の(4)式のように書くことができる。
【数4】

【0040】
よって、ここでは線形最小二乗法によりパラメータθを決定する。
【0041】
最小二乗演算手段44は、変換された信号に基づいて、実際の沈殿池濁度−流動電流計測値のグラフと近似式との二乗誤差が最小となるよう適正な内部パラメータを演算する。すなわち、最小二乗演算手段44では、変形した入力信号u,u,uに基づいて、下記のような演算を行う。評価規範である二乗誤差Jは、(5)式となる。
【数5】

【0042】
これは2次形式であるので,未知パラメータθに関して微分して0とおくことにより最小二乗誤差を計算できる。
【数6】

【0043】
信号復元手段45は、最小二乗演算手段44によって演算された内部パラメータを正規の値に復元する。すなわち、信号復元手段45では、最小二乗演算手段44で得られた復元前のパラメータA,B,Cに基づいて、(3)式の逆計算を行い適正な内部パラメータa,b,cを出力する。
【0044】
以上の構成により、非線形最小二乗法などの方法に比べて短時間に適正な内部パラメータを演算することが可能になる。
【0045】
ここで、図3で示した各手段のうち、少なくとも信号変換手段43、最小二乗演算手段44、信号復元手段45を、ASPなどのサーバー上で動作させ、動的に作成されたHTMLから内部パラメータを提供するようにしてもよい。
【0046】
データ記憶手段42は、蓄積されているデータの内、沈殿池洗浄時など特異なデータをフィルタリングすることが可能なデータフィルタリング機能を手段として備えている。また、データ記憶手段42とは別体に、図示しないが、沈殿池洗浄時など特異なデータをフィルタリングすることが可能なデータフィルタリング手段を備えてもよい。
【0047】
また、内部パラメータを調整するタイミングをオペレータが決定できるように、図3で示すパラメータ自動調整部40に対して調整タイミング設定手段46を備えた構成にするとよい。
【0048】
この調整タイミング設定手段46は、予め設定していた季節変化などの情報に基づいて内部パラメータを調整するタイミングを決定することができる機能を備えたものでもよい。
【0049】
また、この調整タイミング設定手段46は、想定していた流動電流値と沈殿池濁度の相関関係に乖離が生じた場合に内部パラメータ変更トリガーを出力する機能を備えたものでもよい。
【0050】
浄水場に対する取水系統が複数存在する場合の内部パラメータ調整方法について図4を用いて説明する。データ取得手段41は取水系統毎の流量計測値qiを取得し、データ記憶手段42に記憶させる。このデータ記憶手段42に対しては、定常状態判定手段50を設ける。この定常状態判定手段50は、データ記憶手段42から、沈殿池濁度や流動電流計測値が定常状態である期間のみのデータを抽出する。ただし、その他の外乱となるデータ(原水濁度や凝集剤注入率など)は変化していない期間のデータを極力抽出する。また、この定常状態判定手段50は、このほかに取水系統毎に流量に基く取水系統混合比を出力する。
【0051】
系統別沈殿池濁度及びSCD演算手段51は、データ記憶手段42から抽出されたデータなどに基いて各取水系統の沈殿池濁度及び流動電流計測値を推定する。図3と同等の信号変換手段43、最小二乗演算手段44、信号復元手段45は、系統別沈殿池濁度及びSCD演算手段51によって取水系統毎に推定された沈殿池濁度及び流動電流計測値を用いて取水系統毎の適正な内部パラメータを得る。
【0052】
このように、複数の取水系統がある場合には各系統別の内部パラメータを用意し、それぞれ単系の場合のパラメータを演算する必要がある。そこで、定常状態判定手段50によって抽出された値に基づいて次の連立方程式を解く。これによって、単系の場合の沈殿池濁度とSCD値を推定することができる。
【0053】
ΣQiyi=Y
ΣQixi=X ・・・(7)
ΣQi=1
ここで、Qi:系統qiの取水混合比
Y:計測された沈殿池濁度
X:計測されたSCD値
yi:取水系統iのみの時に想定される沈殿池濁度
xi:取水系統iのみの時に想定されるSCD値
ただし、取水系統iが3の場合は定常状態のデータが3種類必要である。
【0054】
これらの結果、原水水質の季節変化や経年変化に対しても、適正な流動電流値が演算可能となるよう内部パラメータを自動調整することができる。また、複数取水源がある場合は、その取水割合(混合比)に基づいて適切なパラメータを自動調整できる。したがって、技術者による実験作業の負荷を低減可能にするだけでなく、オンラインデータから常に適切な内部パラメータを演算し、演算精度の劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】一般的な浄水場の浄化システム及びそのプロセス制御装置の構成例を示す全体構成図である。
【図2】本発明が対象とするフィードバック制御の流動電流目標値の設定手法を説明する模式図である。
【図3】本発明の一実施の形態における要部構成を示す機能ブロック図である。
【図4】本発明の他の実施の形態における要部構成を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0056】
41 データ取得手段
42 データ記憶手段
43 信号変換手段
44 最小二乗演算手段
45 信号復元手段
50 定常状態判定手段
51 系統別沈殿池濁度およびSCD演算手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
凝集剤注入のフィードバック制御に必要な、凝集沈殿状態を検知する流動電流目標値を演算するための内部パラメータの自動調整機能を有する凝集剤注入制御装置であって、
凝集剤が注入された被処理水の前記流動電流計測値と前記被処理水を沈澱処理する沈殿池濁度とをオンラインで取得するデータ取得手段と、
このデータ計測手段で取得された過去の実績値を記憶するデータ記憶手段と、
このデータ記憶手段から得られる前記沈殿池濁度と前記流動電流計測値に基づいて、内部パラメータが線形になるように新たな信号に変換する信号変換手段と、
変換された信号に基づいて、実際の沈殿池濁度−流動電流計測値のグラフと近似式との二乗誤差が最小となるよう適正な内部パラメータを演算する最小二乗演算手段と、
この最小二乗演算手段によって演算された内部パラメータを正規の値に復元する信号復元手段と、
を備えたことを特徴とする凝集剤注入制御装置。
【請求項2】
少なくとも信号変換手段、最小二乗演算手段、信号復元手段がサーバー上で動作し、動的に作成されたHTMLから内部パラメータを提供することを特徴とする請求項1に記載の凝集剤注入制御装置。
【請求項3】
データ記憶手段に蓄積されているデータの内、沈殿池洗浄時など特異なデータをフィルタリングすることが可能なデータフィルタリング手段を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の凝集剤注入制御装置。
【請求項4】
内部パラメータを調整するタイミングをオペレータが決定することが可能な調整タイミング設定手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の凝集剤注入制御装置。
【請求項5】
予め設定していた季節変化などの情報に基づいて内部パラメータを調整するタイミングを決定することが可能な調整タイミング設定手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の凝集剤注入制御装置。
【請求項6】
想定していた流動電流値と沈殿池濁度の相関関係に乖離が生じた場合に内部パラメータ変更トリガーを出力する調整タイミング設定手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の凝集剤注入制御装置。
【請求項7】
沈殿池濁度や流動電流計測値が定常状態である期間のみのデータをデータ記憶手段から抽出可能な定常状態判定手段を備え、信号変換手段、最小二乗演算手段、信号復元手段は、前記抽出データに基づき適正な内部パラメータを得ることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の凝集剤注入制御装置。
【請求項8】
浄水場に対する取水系統が複数存在する場合、データ取得手段は各取水系統からの流量計測値を取得し、定常状態判定手段は沈殿池濁度、流動電流計測値を抽出すると共に、各取水系統の前記流量に基く取水系統混合比を出力し、これらに基いて各取水系統の沈殿池濁度及び流動電流値を推定可能な系統別沈殿池濁度及び流動電流値演算手段を備え、信号変換手段、最小二乗演算手段、信号復元手段は、各取水系統の推定された沈殿池濁度、流動電流計測値を用いて各取水系統の適正な内部パラメータを得ることを特徴とする請求項7に記載の凝集剤注入制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−194559(P2008−194559A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−29391(P2007−29391)
【出願日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】