説明

処理装置、処理システム及び処理制御プログラム

【課題】アドレスを予め登録しておいた画像形成装置からの利用要求があった場合は、パーソナル・コンピュータで新たに使用者の認証を行うことなく処理を行うことができるようにする。
【解決手段】PC3では、画像形成装置2からの利用要求を受けると(ステップS25のY)、当該利用要求を行った画像形成装置2のアドレスが装置情報登録テーブルに登録されているか否かを判断する(ステップS26)。当該利用要求を行った画像形成装置2のアドレスが装置情報登録テーブルに登録されていたときは(ステップS26のY)、当該利用要求の処理が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理装置、処理システム及び処理制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、サーバでログインするとともに、サーバ内に記憶された情報に基づき、他の装置にも同じ情報でログインすることで、ユーザのログイン操作を減らすようにした技術について開示されている。
特許文献2には、PCとPDAなどの装置の双方にログインしておき、USBなどで接続すると、双方で端末IDとユーザIDを交換し、双方でログイン中のユーザに関連付ける技術について開示されている。
【0003】
特許文献3には、業務アプリケーションごとに認証するのではなく、認証を行うサーバを用意することで1回の認証で複数の業務アプリケーションの利用を可能にする技術について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008‐40644号公報
【特許文献2】特開2008‐198125号公報
【特許文献3】特開2008‐217383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、第1の識別情報を予め登録しておいた他の装置からの処理要求があった場合は、処理装置で新たに使用者の認証を行うことなく処理を行うことができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、要求された処理を行う処理手段と、他の装置を識別する第1の識別情報を予め登録する第1の登録手段と、を備え、前記処理手段は、他から前記処理の要求があった場合は、当該要求を行った装置の前記第1の識別情報が前記第1の登録手段に登録されていることを条件に当該要求を行った使用者の認証を行うことなく当該要求を処理する、処理装置である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の処理装置において、使用者を識別する第2の識別情報と関連付けて当該使用者が前記処理手段で前記処理を行うための設定を登録する第2の登録手段をさらに備え、前記処理手段は、他から前記処理の要求があって前記第1の識別情報が前記第1の登録手段に登録されている場合に前記要求を行った使用者の前記第2の識別情報が前記第2の登録手段に登録されているときは、当該第2の識別情報と関連付けて前記第2の登録手段に登録されている前記設定に基づいて前記処理を行う。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の処理装置において、前記第2の登録手段は、他の装置から前記処理の要求があって前記第1の識別情報が前記第1の登録手段に登録されている場合に前記要求を行った使用者の前記第2の識別情報が前記第2の登録手段に登録されているときは、当該第2の識別情報が示す使用者に関して前記要求を行った前記装置から取得した情報を前記設定に反映させる。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の処理装置において、前記第2の登録手段で前記前記要求を行った前記装置から取得した情報を反映させた前記設定を変更した場合は、当該変更を前記処理手段で前記要求の処理を終了した際に当該処理の要求を行った装置に対して報知する報知手段をさらに備えている。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかの一に記載の処理装置において、前記第1の登録手段は、複数の前記他の装置のそれぞれの前記第1の識別情報を登録できる。
【0011】
請求項6に記載の発明は、要求された処理を行う第1の処理装置と、前記第1の処理装置と通信手段を介して接続された第2の処理装置と、を備え、前記第2の処理装置は、要求された処理を行う処理手段と、他の装置を識別する第1の識別情報を予め登録する第1の登録手段と、を備え、前記処理手段は、他から前記処理の要求があった場合は、当該要求を行った装置の前記第1の識別情報が前記第1の登録手段に登録されていることを条件に当該要求を行った使用者の認証を行うことなく当該要求を処理する、処理システムである。
【0012】
請求項7に記載の発明は、要求された処理を行う処理手段と、他の装置を識別する第1の識別情報を予め登録する第1の登録手段と、をコンピュータに実行させ、前記処理手段は、他から前記処理の要求があった場合は、当該要求を行った装置の前記第1の識別情報が前記第1の登録手段に登録されていることを条件に当該要求を行った使用者の認証を行うことなく当該要求を処理する、コンピュータに読み取り可能な処理制御プログラムである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1,6,7に記載の発明によれば、第1の識別情報を予め登録しておいた装置からの処理要求があった場合は、処理装置で新たに使用者の認証を行うことなく処理を行うことができる。
請求項2に記載の発明によれば、他の装置から処理の要求を行った使用者のために処理装置を使用するための設定が処理装置に登録されているときは、その設定に基づいて処理を行うことができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、他の装置から処理の要求を行った使用者のために処理装置を使用するための処理装置における設定に他の装置側の情報を反映することができる。
請求項4に記載の発明によれば、処理装置の設定に他の装置側の情報を反映してもその設定の内容を変更したときは、その変更を他の装置に報知することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、処理装置で新たに使用者の認証を行うことなく処理を行うことができる他の装置を複数台設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施の形態の処理システムの全体構成を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施の形態の処理システムにおける画像形成装置の電気的な接続を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施の形態のパーソナル・コンピュータの電気的な接続を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施の形態の処理システムにおける画像形成装置の操作パネルに表示される操作画面の平面図である。
【図5】本発明の一実施の形態のパーソナル・コンピュータにおける装置情報登録テーブルの説明図である。
【図6】本発明の一実施の形態のパーソナル・コンピュータにおける装置情報登録テーブルにアドレス等の情報を登録する処理のフローチャートである。
【図7】本発明の一実施の形態のパーソナル・コンピュータにおける個人設定情報テーブルの説明図である。
【図8】本発明の一実施の形態のパーソナル・コンピュータにおける個人設定情報テーブルに情報を登録する処理のフローチャートである。
【図9】本発明の一実施の形態の処理システムで操作パネルを操作してPCを利用する場合の画像形成装置2とPC3との通信シーケンス図である。
【図10】本発明の別の実施の形態の処理システムを説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための一実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態の処理システム1の全体構成を示す説明図である。この処理システム1は、第1の処理装置、他の装置となる1又は複数台の画像形成装置2と、処理装置、第2の処理装置となるパーソナル・コンピュータ(PC)3とが、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)4を介して互いに接続されて構成されている。
【0018】
図2は、画像形成装置2の電気的な接続を示すブロック図である。この画像形成装置2は、装置全体を集中的に制御する主制御部22と、原稿の画像を読み取る画像読取装置23と、画像読取装置23で読み取った原稿の画像等の画像データに基づいて画像形成を行う画像形成ユニット24と、公衆電話回線28との間でファクシミリデータの送受信を行うファクシミリ制御装置25と、画像データ等の各種データを格納する磁気記憶装置(HDD)26と、ユーザから各種操作を受け付け、各種メッセージを表示する操作パネル27と、LAN4と通信を行う通信インターフェイス(I/F)28と、を備えている。
【0019】
主制御部22は、各部を集中的に制御するCPU31と、CPU31が実行する制御プログラム32や各種固定データを記憶しているROM33と、CPU31の作業エリアとなるRAM34とを備えている。
制御プログラム32は、画像形成装置2の製造当初からセットアップされているが、後発的にインターネットなどの通信手段を介してダウンロードしてセットアップし、あるいは、後発的に制御プログラム32を記憶した記憶媒体から読み取ってセットアップするようにしてもよい。
【0020】
図3は、PC3の電気的な接続を示すブロック図である。PC3は、各種演算を行い、各部を集中的に制御するCPU11と、CPU11の作業エリアとなるRAM12とが互いに接続されている。また、CPU11には、制御プログラム13等の各種データを記憶する磁気記憶装置(HDD)14と、キーボード、マウスなどの入力装置15と、各種画像を表示する表示装置16と、LAN4と通信を行う通信インターフェイス(I/F)17と、が接続されている。
【0021】
以上のようなハードウェア構成の処理システム1においては、画像形成装置2は、制御プログラム32に基づき、使用者の要求に従ってプリント、コピー、スキャン、ファクシミリ送受信などの様々な処理を実行することができる。また、PC3は、制御プログラム32に基づき、画像形成装置2から要求された処理、例えば、画像形成装置2でスキャンした画像データの保存等の処理を実行する。
【0022】
図4は、画像形成装置2の操作パネル27のタッチパネルに表示される操作画面の一例を示す平面図である。この操作画面41は、制御プログラム32に基づいて表示され、画像形成装置2で実行可能な各種処理の実行を指示する操作ボタンの他、PC3で実行可能な各種処理の実行を指示する操作ボタンを備えている。例えば、画像形成装置2でコピーの機能を操作するためのコピーボタン42、ファクシミリの機能を操作するためのファクリミリボタン43などは、コピー、ファクリミリの機能を呼び出すためのボタンである。また、PCアプリAボタン44、PCアプリBボタン45は、それぞれPC3でアプリケーションソフトA,Bを呼び出すためのボタンである。このように、画像形成装置2もPC3も共通の操作パネル27で操作することができるので、使用者には画像形成装置2とPC3とを別々の装置であるとは意識させず、画像形成装置2の各機能もPC3の各機能もあたかも1台の装置で実現されているように感じさせることができる。PC3の所望の機能の実行を操作パネル27の操作により指示すると、その機能の実行要求が画像形成装置2からPC3に送信されて、PC3が当該機能を実行する。
【0023】
このような処理システム1で実行可能な多くの機能において、その使用には使用者を認証することを当該機能の実行の条件としている。そして、画像形成装置2とPC3とは別個の装置であるため、本来は装置ごとに使用者の認証が必要となる。すなわち、使用者が画像形成装置2では認証を済ませているが、PC3では未認証である場合に、新たに使用者がPC3の機能を利用しようとしたときは、その時点で使用者はPC3の認証を受けることが必要になる。
【0024】
しかし、すでに画像形成装置2で認証を受けていて、PC3が提供している各種の機能も画像形成装置2の機能であるかのように認識している使用者にとって、再度認証を要求されることは極めて煩雑である。また、すでに画像形成装置2で使用者を認証しているので、PC3で認証を再度要求することは不要であるともいえる。
【0025】
以下では、使用者が画像形成装置2で認証をすでに受けている場合には、PC3で新たに使用者の認証を要求することなく、PC3の機能を使用できるようにした点について詳細に説明する。
【0026】
図5は、装置情報登録テーブルの説明図である。装置情報登録テーブル51は画像形成装置2のHDD26などに格納されている。ここには、第1の識別情報となる画像形成装置2を識別するアドレス52が登録できる。アドレス52としては、IPアドレスやMAC Addressなどを使用することができる。また、ここに登録される各アドレス52にはグループID53を関連付けて登録することができる。グループID53は、その画像形成装置2が所属しているグループを識別するID番号である。
【0027】
図6は、装置情報登録テーブル51にアドレス52等の情報を登録する処理のフローチャートである。まず、操作パネル27を操作して、処理システム1の管理者は、管理者としてPC3にログインする(ステップS1のY)。そして、新たに登録しようとする画像形成装置2についてアドレス52やグループID53を入力すると(ステップS2のY)、その内容が装置情報登録テーブル51に登録される(ステップS3)。
【0028】
画像形成装置2の操作パネル27の操作画面41において、PC3の操作ボタンの表示は、PC3が装置情報登録テーブル51にアドレス52を登録している各画像形成装置2に対して、PC3の操作ボタンの表示を要求することにより行われる。
【0029】
図7は、個人設定情報テーブルの説明図である。個人設定情報テーブル61は、画像形成装置2、PC3それぞれに用意された、各使用者がそれぞれ画像形成装置2やPC3を使用する際の個人設定を登録するテーブルである。すなわち、画像形成装置2、PC3では、使用者ごとに当該機器を使用する際の設定を登録することができる。このような設定としては、操作パネル27で当該機器を操作する際に操作パネル27に表示される言語(日本語か英語か等)や、操作パネル27の表示画面の輝度の調整、文字サイズの調整、アプリケーションソフトの各パラメータの初期値などがある。このように登録された設定は、当該使用者が画像形成装置2、PC3を使用する際に参照され、その設定に応じて画像形成装置2、PC3は動作する。
【0030】
すなわち、個人設定情報テーブル61には、各使用者のユーザID62、当該ユーザID62の使用者が所属するグループを表示するグループID63、当該使用者が使用したい前述の言語64、前述の輝度や文字サイズなどの当該使用者用の各種の個人設定A,B,…が互いに関連付けられて登録されている。
図8は、個人設定情報テーブル61に情報を登録する処理のフローチャートである。まず、操作パネル27を操作して、使用者は画像形成装置2及びPC3のうち個人設定情報テーブル61に情報を登録したい装置で認証を受ける(ステップS11)。ここでは、各使用者のユーザID62とパスワードとを関連付けて登録した認証テーブルを画像形成装置2、PC3それぞれに用意し、正しいユーザID62とパスワードを入力した使用者を認証する。この認証がなされ(ステップS11のY)、個人設定情報テーブル61に登録する情報の入力がなされると(ステップS12のY)、その内容が個人設定情報テーブル61に登録される(ステップS13)。
【0031】
このような個人設定情報テーブル61は、画像形成装置2、PC3それぞれで持つため、PC3でアプリケーションソフトのバージョンアップを行った場合には、PC3における個人設定情報テーブル61の個人設定情報を更新すればよく、画像形成装置2のバージョンアップは必要にはならない。
【0032】
図9は、操作パネル27を操作してPC3を利用する場合の画像形成装置2とPC3との通信シーケンス図である。まず、操作パネル27でログインボタンを受け付けると(ステップS21のY)、ログイン画面が表示される。ここで使用者が自己の正しいユーザIDとパスワードを入力することで使用者の認証がなされ(ステップS22のY)、操作パネル27を操作して、使用者がPC3で実行可能なアプリケーションソフトの動作を選択すると(ステップS23のY)、PC3に当該アプリケーションソフトの利用要求が送信される(ステップS24)。
【0033】
PC3では、この利用要求を受けると(ステップS25のY)、当該利用要求を行った画像形成装置2のアドレス52が装置情報登録テーブル51に登録されているか否かを判断する(ステップS26)。当該利用要求を行った画像形成装置2のアドレス52が装置情報登録テーブル51に登録されていたときは(ステップS26のY)、当該利用要求の処理が可能となる。すなわち、利用要求(ステップS24)には当該要求を行った使用者のユーザID62が含まれ、このユーザID62によりPC3の個人設定情報テーブル61において、当該使用者の個人設定が登録されているか否かを判断する(ステップS27)。登録されているときは(ステップS27のY)、その個人設定情報テーブル61において当該使用者につき登録されている個人設定でのPC3で要求された処理の実行が可能となる(ステップS28)。
【0034】
登録されていないときは(ステップS27のN)、一連の処理を終了する。この場合に、登録されていないときは(ステップS27のN)、画像形成装置2ではなく新たにPC3から使用者の認証を要求し、この認証がなされたことを条件に、利用要求の処理を可能とする(ステップS27以下)、ようにしてもよい。
当該使用者の個人設定が個人設定情報テーブル61に登録されていないときは(ステップS27のN)、使用者から新たに個人設定の入力を受け付け(ステップS30のY)、その入力された個人設定によりPC3で要求された処理の実行を可能とする(ステップS28)。
【0035】
上記の場合に、利用要求を行った画像形成装置2のアドレス52が装置情報登録テーブル51に登録されていないときは(ステップS26のN)、利用要求を拒否する旨の通知を当該画像形成装置2に送信してもよい。
また、使用者の個人設定が登録されていないときは(ステップS27のN)、使用者用の個人設定情報を新たに生成し、その設定によりPC3で要求された処理の実行を可能とする(ステップS28)、ようにしてもよい。個人設定情報は、PC3が画像形成装置2に個人設定情報テーブル61で当該使用者について登録されている個人設定の情報を要求し、当該情報をPC3の個人設定情報テーブル61に登録するようにしてもよいし、PC3で予め決められている初期値をPC3の個人設定情報テーブル61に登録するようにしてもよい。
【0036】
さらに、当該使用者の個人設定がPC3の個人設定情報テーブル61に登録されている場合であっても(ステップS27のY)、PC3が画像形成装置2に個人設定情報テーブル61で当該使用者について登録されている個人設定の情報を要求し、PC3の個人設定情報テーブル61と画像形成装置2の個人設定情報テーブル61とで登録内容に違いがある場合は、画像形成装置2の個人設定情報テーブル61の登録内容を、使用するPC3の個人設定情報テーブル61の登録内容に反映して、その反映後の個人設定によりPC3で要求された処理の実行を可能とする(ステップS28)、ようにしてもよい。
【0037】
なお、このように画像形成装置2の個人設定情報テーブル61の個人設定をPC3の個人設定情報テーブル61に反映させた後に、当該PC3の個人設定情報テーブル61の個人設定の内容を変更したときは、その変更の事実を画像形成装置2に報知し、画像形成装置2の個人設定情報テーブル61の内容をPC3の個人設定情報テーブル61の内容に合わせて書き換えられるようにしてもよい。
【0038】
図9の処理は、使用者がログインボタンを操作することにより(ステップS21)、使用者自らが認証することを処理システム1に促す場合(ステップS22)の例を示しているが、処理システム1側から使用者に認証を促すようにしてもよい。すなわち、画像形成装置2で使用者の認証を行うことを条件に実行可能な機能の動作を使用者が選択した場合に、画像形成装置2がログイン画面を表示して使用者に認証を促す場合などである。
【0039】
また、図9の処理では、画像形成装置2で使用者の認証を行っていれば(ステップS22)、PC3では当該画像形成装置のアドレス52の登録があることを確認することで(ステップS26)、PC3の機能を利用可能としているが、使用者が画像形成装置2においても未認証の場合、PC3では当該使用者を未認証使用者(anonymous user)として認証したという扱いにし、画像形成装置2から利用要求の受信があったときは(ステップS25のY)、ステップS26以下の処理を行うようにしてもよい。
【0040】
図10は、処理システム1の他の構成例を示す説明図である。この処理システム1のハードウェア構成は、図2に示す画像形成装置2とほぼ同一である。図10は、図2に示す制御プログラム32の構成について説明している。すなわち、この処理システム1は、1台のPC3で構成され、このPC3では、異なる2つのオペレーティング・システム(OS)71,72がそれぞれ動作している。そして、OS71上ではアプリケーションソフト73が動作し、OS72上ではアプリケーションソフト74が動作している。OS71と72は、ハイパーバイザ(hypervisor)75上で動作する。
【0041】
OS71とアプリケーションソフト73との動きを装置Aとしてとらえ、OS72とアプリケーションソフト74との動きを装置Bとしてとらえれば、装置Aと装置Bとから構成される処理システム1は、図1〜図9を参照して説明した処理システム1と同様の動作を行う。この場合に、装置Aは第1の処理装置となり前述の画像形成装置2に相当する。また、装置Bは第2の処理装置となり前述のPC3に相当する。
【符号の説明】
【0042】
1 処理システム
2 画像形成装置
3 パーソナル・コンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
要求された処理を行う処理手段と、
他の装置を識別する第1の識別情報を予め登録する第1の登録手段と、
を備え、
前記処理手段は、他から前記処理の要求があった場合は、当該要求を行った装置の前記第1の識別情報が前記第1の登録手段に登録されていることを条件に当該要求を行った使用者の認証を行うことなく当該要求を処理する、
処理装置。
【請求項2】
使用者を識別する第2の識別情報と関連付けて当該使用者が前記処理手段で前記処理を行うための設定を登録する第2の登録手段をさらに備え、
前記処理手段は、他から前記処理の要求があって前記第1の識別情報が前記第1の登録手段に登録されている場合に前記要求を行った使用者の前記第2の識別情報が前記第2の登録手段に登録されているときは、当該第2の識別情報と関連付けて前記第2の登録手段に登録されている前記設定に基づいて前記処理を行う、
請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記第2の登録手段は、他の装置から前記処理の要求があって前記第1の識別情報が前記第1の登録手段に登録されている場合に前記要求を行った使用者の前記第2の識別情報が前記第2の登録手段に登録されているときは、当該第2の識別情報が示す使用者に関して前記要求を行った前記装置から取得した情報を前記設定に反映させる、請求項2に記載の処理装置。
【請求項4】
前記第2の登録手段で前記前記要求を行った前記装置から取得した情報を反映させた前記設定を変更した場合は、当該変更を前記処理手段で前記要求の処理を終了した際に当該処理の要求を行った装置に対して報知する報知手段をさらに備えている請求項3に記載の処理装置。
【請求項5】
前記第1の登録手段は、複数の前記他の装置のそれぞれの前記第1の識別情報を登録できる、請求項1〜4のいずれかの一に記載の処理装置。
【請求項6】
要求された処理を行う第1の処理装置と、
前記第1の処理装置と通信手段を介して接続された第2の処理装置と、
を備え、
前記第2の処理装置は、
要求された処理を行う処理手段と、
他の装置を識別する第1の識別情報を予め登録する第1の登録手段と、
を備え、
前記処理手段は、他から前記処理の要求があった場合は、当該要求を行った装置の前記第1の識別情報が前記第1の登録手段に登録されていることを条件に当該要求を行った使用者の認証を行うことなく当該要求を処理する、
処理システム。
【請求項7】
要求された処理を行う処理手段と、
他の装置を識別する第1の識別情報を予め登録する第1の登録手段と、
をコンピュータに実行させ、
前記処理手段は、他から前記処理の要求があった場合は、当該要求を行った装置の前記第1の識別情報が前記第1の登録手段に登録されていることを条件に当該要求を行った使用者の認証を行うことなく当該要求を処理する、
コンピュータに読み取り可能な処理制御プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−204075(P2011−204075A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−71622(P2010−71622)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】