説明

処理装置及びその制御方法、並びにプログラム

【課題】装置の販売時などにおいて、ユーザの希望する初期設定値を梱包状態で簡単に設定することができる複合機などの処理装置を提供する。
【解決手段】AC電源又はバッテリで動作可能な無線通信部100と、AC電源又はバッテリにより動作可能で、装置の動作に関する初期設定情報を記憶するEEPROM130とを備える。電源供給がバッテリであり且つAC電源の投入履歴がない場合に、販売店用のPC2000から無線通信によって受信した初期設定情報に基づいて、EEPROM130に格納される初期設定情報を書き替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合機などの処理装置及びその制御方法、並びに前記制御方法を実行するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の複合機などの画像形成装置において、言語設定や用紙設定、優先動作モードなどの初期設定情報は、予め初期値が設定されている。ユーザがそれら初期設定値を変更する場合には、画像形成装置の購入後に、表示パネルなどに表示されるユーザインターフェース(UI)の画面を操作して変更するのが一般的である。
【0003】
しかしなから、初期設定値の変更は、UI画面からメニューの階層を追って行う必要があり、ユーザにとっては煩雑な作業を強いられるという問題があった。さらに、画像形成装置の購入時にユーザの希望にそって販売員などが初期設定値を変更するためには、梱包状態から開梱して装置に電源を投入しなければならないという問題もあった。
【0004】
開梱せずに梱包状態で装置に情報を与え、開梱後の電源投入時に、その情報をユーザに通知する、という技術では、例えば特許文献1のようなものが提案されている。
【特許文献1】特開2007−152711号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1の技術では、開梱して装置に電源を投入した後に、ユーザに情報を通知する構成となっている。そのため、ユーザは通知された情報により設定作業をすることになり、依然としてユーザに煩雑な作業を強いるという問題があった。
【0006】
本発明は上記従来の問題点に鑑み、装置の販売時などにおいて、ユーザの希望する初期設定値を梱包状態で簡単に設定することができる処理装置及びその制御方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の処理装置は、主電源又は副電源により動作可能な無線通信手段と、主電源又は副電源により動作可能で、装置の動作に関する設定情報を記憶する第1の記憶手段と、主電源又は副電源により動作可能で、電源供給が主電源と副電源のいずれであるかを判別する第1の判別手段と、主電源又は副電源により動作可能で、主電源の投入履歴があるか否かを判別する第2の判別手段と、前記第1の判別手段の判別の結果、電源供給が副電源であり、且つ前記第2の判別手段の判別の結果、主電源の投入履歴がない場合に、外部装置から前記無線通信手段によって受信した設定情報に基づいて、前記第1の記憶手段に格納される設定情報を書き替える書き替え手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の処理装置の制御方法は、主電源又は副電源で動作可能な無線通信手段と、主電源又は副電源により動作可能で、装置の動作に関する設定情報を記憶する記憶手段を有する処理装置の制御方法であって、主電源又は副電源により動作可能で、電源供給が主電源又は副電源のいずれであるかを判別する第1の判別工程と、主電源又は副電源により動作可能で、主電源の投入履歴があるか否かを判別する第2の判別工程と、前記第1の判別工程の判別の結果、電源供給が副電源であり、且つ前記第2の判別工程の判別の結果、主電源の投入履歴がない場合に、外部装置から前記無線通信手段によって受信した設定情報に基づいて、前記第1の記憶手段に格納される設定情報を書き替える書き替え工程とを有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明のプログラムは、主電源又は副電源で動作可能な無線通信手段と、主電源又は副電源により動作可能で、装置の動作に関する設定情報を記憶する記憶手段を有する処理装置の制御方法を実行するためのプログラムであって、主電源又は副電源により動作可能で、電源供給が主電源又は副電源のいずれであるかを判別する第1の判別ステップと、主電源又は副電源により動作可能で、主電源の投入履歴があるか否かを判別する第2の判別ステップと、前記第1の判別ステップの判別の結果、電源供給が副電源であり、且つ前記第2の判別ステップの判別の結果、主電源の投入履歴がない場合に、外部装置から前記無線通信手段によって受信した設定情報に基づいて、前記第1の記憶手段に格納される設定情報を書き替える書き替えステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、処理装置の販売時などにおいて、ユーザの希望する初期設定値を梱包状態で簡単に設定することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
[第1の実施の形態]
<第1の実施の形態における構成>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る処理システムの構成を示す模式図であり、図2は、図1中の複合機のコントローラの構成を示すブロック図である。
【0013】
この処理システムは、コントローラ1100内に無線通信部100を備えた複合機(画像形成装置)であるMFP1000と、無線通信部200を備えたパーソナルコンピュータ(PC)2000とで構成されている。そして、PC2000には、ディスプレイ2100が接続されている。
【0014】
MFP1000のコントローラ1100は、図2に示すように、乾電池などのバッテリ20又はAC電源装置1200から電源が供給される無線通信部100と、ROM40とRAM50に接続されたASIC30を備えている。ROM40はプログラムや初期設定値を格納する読み出し専用メモリであり、RAM50はASIC30のワークエリアとして機能する読み書き可能なメモリである。ASIC30は、ROM40に格納されているプログラムを実行してコントローラ1100全体の動作を制御する集積回路である。
【0015】
無線通信部100は、当該無線通信部100の動作を制御するMCU110と、無線通信データの送受信部120と、不揮発性メモリ(EEPROM)130とで構成されている。EEPROM130には、画像形成に関する初期設定情報や当該MFP1000自身(処理装置自身)の識別情報(識別ID)、MFP1000自身の仕様に関する情報などが格納されている。EEPROM130は、本発明の第1の記憶手段の一例であり、ROM40は、本発明の第2の記憶手段の一例である。
【0016】
図3は、PC2000の構成を示すブロック図である。
【0017】
このPC2000は、CPU201、RAM202、ROM203、HDD204、表示制御部205、操作部206、及び無線通信部200を備えている。
【0018】
CPU201は、入力信号やプログラムに従い、各種の演算や、PC2000を構成する各部分の制御を行う。RAM202は、一時的なデータを記憶し、CPU201の作業用に使われる。ROM203は、PC2000を制御するためのプログラムを記憶する。
【0019】
HDD(Hard Disk Drive)204は、初期設定変更用のアプリケーションプログラムや、個々の複合機MFPを識別するための識別情報などの登録情報等が記憶されている。表示制御部205は、LCDなどのディスプレイ装置2100の表示を制御する。操作部206は、使用者の操作を受け付けるデバイスである。例えば、文字などを入力するための各種キーを有するキーボード、或いはマウスパッドなどのポインティングデバイスを用いることが可能である。ポインティングデバイスは、ディスプレイ装置2100の表示画面上に表示されたマウスポインタを制御し、プログラムのメニューやその他のオブジェクトを操作するために使用される。
【0020】
無線通信部200は、MFP1000などの外部装置と無線接続して制御コマンドやデータのやり取りを行う。データ通信するのためのプロトコルとしては、例えばPTP(Picture Transfer Protocol)が用いられる。
【0021】
<第1の実施の形態における初期設定変更処理>
次に、上述した構成において第1実施の形態における初期設定変更処理について、図4及び図5と、図6を参照して説明する。
【0022】
本処理では、例えば販売店において、ユーザがMFP1000を購入する際に、MFP1000が梱包状態のままで、販売店用のPC2000を使用して、無線通信によって初期設定のカスタマイズを行うことを想定している。
【0023】
図4及び図5は、第1実施の形態における処理を示すフローチャートである。なお、本実施形態では、図4に示す処理は、MFP1000のコントローラ1100に搭載される無線通信部100のMCU110が制御を行い、続きの図5の処理は、ASIC30が制御を行う。
【0024】
MCU110は、電源供給が交流(AC)電源(主電源)であるか或いは乾電池などのバッテリ電源(副電源)であるかどうかを、第1のフラグによって判断する(S401)。この判断は、本発明の第1の判別処理の一例である。この第1のフラグは、電源がAC電源である場合に“1”となり、電源がバッテリ電源である場合に“0”となる。梱包状態では、第1のフラグは“0”となっている。
【0025】
第1のフラグが“0”、即ち乾電池などのバッテリ電源である場合には、MCU110は、AC電源の投入履歴があるかどうかを、第2のフラグによって判断する(S402)。この判断は、本発明の第2の判別処理の一例である。この第2のフラグは、AC電源の投入履歴がある場合に“1”となり、投入履歴がない場合に“0”となる。梱包状態では、第2のフラグは“0”となっている。
【0026】
また、乾電池等のバッテリ電源においては、無線通信部100のみが動作可能状態であり、MCU110のコントローラ1100の他モジュールは動作していない。第2フラグが“0”、即ち電源投入履歴がない場合は、MCU110は、無線通信部100のEEPROM130に格納されている自身の識別情報(識別ID)を読み出す。これにより、無線通信部100は、無線通信待機状態となる(S403)。即ち、販売店などで梱包状態である場合には、無線通信部100のみが乾電池等のバッテリ電源によって、無線通信待機状態となっている。
【0027】
ここで、販売店では、個々のMFPを識別するための情報、例えばシリアル番号をバーコードなどから読み取り、既に販売店用のPC2000などに登録しているものとする。そして、ユーザがMFP1000を販売店で購入する際、販売店員は、販売店用PC2000を使って、購入対象のMFPの識別情報(識別ID)を特定し、無線通信の確立を行う。
【0028】
図4のフローチャートに戻り、MCU110は、販売店用PC2000から無線通信を受信すると(S403)、その識別情報(識別ID)が予め格納されている識別情報(識別ID)と一致するかどうか判断する(S404)。
【0029】
無線通信による識別IDが、予め格納されている識別IDと一致した場合、販売店用PC2000とMFP1000のセキュアな無線通信経路が確立したことになる。そして、MCU110は、セキュアな無線通信経路が確立し、初期設定変更が可能なモードに移行したことを、販売店用PC2000に通知する(S405)。
【0030】
この通知を販売店用PC2000で受けた販売員は、次の操作を行う。即ち、ユーザがMFP1000を購入する際にその初期設定の変更を行う場合は、販売員が販売店用PC2000の初期設定用のソフトウェアを用いて初期設定の変更操作を行う。
【0031】
ここで、上記初期設定の変更操作について、図6を用いて説明をする。図6は、販売店用PC2000側のディスプレイ装置2100に表示される初期設定変更画面の画面図である。
【0032】
図6において、販売店用PC2000のディスプレイ装置2100には、初期設定変更用ソフトウェアの初期設定変更画面2110が表示されている。この図6の例では、以下のように初期設定値を変更している。これらの変更は、ユーザの希望を聞いて、販売員が販売店用PC2000の初期設定用ソフトウェアの画面を見ながら行うものである。
・言語設定は、「1:日本語」を選択する(初期設定値のまま)。
・用紙設定は、「1:A4」を選択する(初期設定値のまま)。
・優先モードは、「2:FAX」を選択する(初期値:COPYから変更)。
・コピー画質は、「3:文字/写真」を選択する(初期値:文字から変更)。
・コピー倍率は、「2:2ページ/片面」を選択する(初期値:等倍から変更)。
【0033】
これらの初期設定値は、第1の初期設定情報として、販売店用PC2000の無線通信部200から無線通信で購入品であるMFP1000へ送信される。
【0034】
図4のフローチャートに戻る。MFP1000における無線通信部100のMCU110は、販売店用PC2000からの無線通信によって送信された、上記第1の初期設定情報を受信する(S406)。MCU110は、受信した第1の初期設定情報で、無線通信部100のEEPROM130に予め格納されていた初期設定情報(第2の初期設定情報)を書き替える(S407)。
【0035】
次に、MCU110は、初期設定情報の書き替えが正常に行われたかどうかを確認する(S408)。即ち、無線通信部100のEEPROM130に格納されている第2の初期設定情報を読み出し、この第2の初期設定情報と販売店用PC2000から受信した第1の初期設定情報とを比較する。第1の初期設定情報と第2の初期設定情報が一致しない場合には、MCU110は、EEPROM130への書き込み動作に支障があるかを確認する(S409)。即ち、前記第2の初期設定情報が格納されている部分以外の領域にデータの書き込み及び読み出しを行う。このデータの書き込み及び読み出しが一致した場合は、EEPROM130への書き込み動作は正常であるが、初期設定情報の書き替えは失敗ということになる。そして、MCU110は、販売店用PC2000に対して、初期設定情報の書き替え失敗終了であった旨を通知する(S410)。
【0036】
一方、第1の初期設定情報と第2の初期設定情報が一致した場合(S408)、MCU110は、販売店用PC2000に対して、初期設定情報の書き替え動作が正常終了であった旨を通知する(S411)。また、前記S409において、上記データの書き込み及び読み出しが一致しない場合は、EEPROM130への書き込み動作が失敗ということになる。その場合、MCU110は、販売店用PC2000に対して、再度初期設定情報の送信を要求し、受信待ち状態となる(S412)。
【0037】
MCU110は、販売店用PC2000から再度初期設定情報を受信すると(S413)、S408へ戻り、前記初期設定情報の書き替えが正常に行われたかどうかを確認する。ここで、設定変更が失敗で書き替え動作は正常というサイクルが無限に続く恐れがあるため、このサイクルを計測する手段を設け、予め決められた回数までとする。この回数に到達した場合は、MCU110は、販売店用PC2000に対して、初期設定情報の書き替え失敗終了であった旨を通知する(S410)。
【0038】
次に、図5を用いて、MFP1000のコントローラ1100に搭載されるASIC30の制御について説明する。
【0039】
コントローラ1100全体を制御するASIC30は、AC電源装置1200からAC電源が投入されると(S414)、バッテリ20による無線通信部100の電池駆動を停止する(S415)。続いて、ASIC30は、AC電源の投入履歴を示す第2のフラグを“1”にセットする(S416)。
【0040】
次にASIC30は、MCU110と通信を行い、初期設定情報が変更されたかどうかを判断する(S417)。即ち、EEPROM130に格納されている初期設定情報とROM40に格納されている初期設定情報とを比較する。その比較結果が一致していれば、初期設定情報が変更されていないことになり、不一致であれば初期設定情報が変更されていることになる。
【0041】
初期設定情報が変更されている場合、MCU110は、EEPROM130に格納された前記第1の初期設定情報を読み出し、ASIC30へ送信する(S418)。そして、ASIC30は、EEPROM130に格納された前記第1の初期設定情報(変更された情報)に従って起動する(S419)。
【0042】
一方、初期設定情報が変更されていない場合(S417)、ASIC30は、コントローラ1100に搭載されたROM40から前記第2の初期設定情報(変更されていない情報)を読み出す(S420)。そして、前記第2の初期設定情報(変更されていない情報)に従って起動する(S419)。
【0043】
<第1の実施の形態に係る利点>
上述した第1の実施の形態によれば、次のような利点を奏する。
【0044】
(1)MFP1000の販売時にユーザの希望にそった初期設定に変更することによって、ユーザ自身が初期設定を変更するという煩わしさがなく、希望の設定で購入後すぐに使い始めることが可能である。
【0045】
(2)無線通信を使うことによって、販売時に開梱することなく、梱包状態で初期設定を変更することが可能である。
【0046】
(3)識別IDを使ってセキュアな無線通信経路を確立することによって、他の無線通信で不用意に初期設定情報が書き替わることを防止することが可能である。
【0047】
(4)電源の投入履歴を記憶することによって、MFP1000の購入後の電源入れ直しで初期設定が変更されることを防止することが可能である。
【0048】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態は、初期設定情報の書き替え動作について、その設定内容に矛盾がないかどうかを確認できるようにした点に特徴がある。
【0049】
<第2の実施の形態における処理>
図7は、第2の実施の形態における処理を示すフローチャートであり、図4と共通の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0050】
図7のS401からS406までの処理は、上記第1の実施の形態で説明した図4のS401からS406までの処理と同じである。MFP1000における無線通信部100のMCU110は、S406において、販売店用PC2000から上記第1の初期設定情報を受信した後、S607へ進む。
【0051】
S607において、MCU110は、受信した上記第1の初期設定情報の内容に矛盾がないかどうかを確認する。例えば、上記第1の初期設定情報の言語仕様が英語になっていたとして、装置自身の電源仕様が220Vであるような場合、英語圏では110V電源が矛盾のない組合せとしているので、初期設定情報に矛盾があると判断する。ここで、装置自身の仕様に関する情報は、EEPROM130に予め格納されている記憶情報である。
【0052】
受信した上記第1の初期設定情報の内容に矛盾がなかった場合(S607)、MCU110は、EEPROM130に予め格納されていた第2の初期設定情報を第1の初期設定情報に書き替える(S608)。そして、MCU110は、販売店用PC2000に対して、初期設定情報の書き替え動作が正常終了であった旨を通知する(S609)。
【0053】
一方、受信した上記第1の初期設定情報の内容に矛盾がある場合(S607)、MCU110は、S608の書き替え動作の実行を保留し、矛盾がある旨を販売店用PC2000へ通知する(S610)。
【0054】
そして、販売店用PC2000側で、ユーザと販売員が設定の内容を確認し、矛盾があるとなった設定内容が、意図したものであるかどうかを判断する。例えば、上記第1の初期設定情報の言語仕様が英語であり、装置自身の電源仕様が220Vであるような場合、ユーザが英語を母国語としているようなケースでは、意図して設定していることになる。そのため、この第1の初期設定情報の内容には誤りがないことになり、販売員は、販売店用PC2000により、設定内容正常確認の通知情報をMFP1000のMCU110へ送信する。
【0055】
MFP1000のMCU110は、S611において、この設定内容正常確認の通知を受信すると、S608以降の処理を行うことになる。そして、MCU110は、S609の処理後、ASIC30の制御により、前述した図5のS414からS419までの処理と同様の処理を行う。
【0056】
なお、上記説明では、販売店用PC2000から受信した上記第1の初期設定情報の内容に矛盾がある場合には(S607)、その旨を販売店用PC2000へ通知するようにしたが(S610)、次のように処理してもよい。即ち、販売店用PC2000へ通知をせずに、MFP1000がAC電源で動作するときに、ROM40に格納されている初期設定情報に従って起動するようにしてもよい。
【0057】
<第2の実施の形態に係る利点>
初期設定情報の設定内容に矛盾がないかどうかを判定し、その内容をユーザが確認できるようにしたので、一層、使用勝手が向上する。
【0058】
なお、本発明の目的は、以下の処理を実行することによっても達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。
【0059】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0060】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、次のものを用いることができる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等である。又は、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0061】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現される場合も本発明に含まれる。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0062】
更に、前述した実施形態の機能が以下の処理によって実現される場合も本発明に含まれる。即ち、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行う場合である。
【0063】
また、本発明の画像形成装置は、MFPに限らず、プリンタ、コピー機、スキャナ、ファクシミリ等のその他の装置であってもよい。また、本発明の外部装置は、パーソナルコンピュータに限らず、サーバ端末や、携帯電話やPDA等の携帯端末等の装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】第1の実施の形態に係る処理システムの構成を示す模式図である。
【図2】図1中の複合機のコントローラの構成を示すブロック図である。
【図3】販売店用PCの構成を示すブロック図である。
【図4】第1実施の形態における処理を示すフローチャートである。
【図5】図4の続きのフローチャートである。
【図6】販売店用PC側のディスプレイ装置に表示される初期設定変更画面の画面図である。
【図7】第2の実施の形態における処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
20 バッテリ
30 ASIC
40 ROM
50 RAM
100 無線通信部
110 MCU
120 送受信部
130 EEPROM
1000 MFP
1100 コントローラ
1200 AC電源装置
2000 PC
2100 ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主電源又は副電源により動作可能な無線通信手段と、
主電源又は副電源により動作可能で、装置の動作に関する設定情報を記憶する第1の記憶手段と、
主電源又は副電源により動作可能で、電源供給が主電源と副電源のいずれであるかを判別する第1の判別手段と、
主電源又は副電源により動作可能で、主電源の投入履歴があるか否かを判別する第2の判別手段と、
前記第1の判別手段の判別の結果、電源供給が副電源であり、且つ前記第2の判別手段の判別の結果、主電源の投入履歴がない場合に、外部装置から前記無線通信手段によって受信した設定情報に基づいて、前記第1の記憶手段に格納される設定情報を書き替える書き替え手段とを備えたことを特徴とする処理装置。
【請求項2】
前記無線通信手段で前記外部装置から無線通信を受信したときに、該無線通信により送信された識別情報と当該処理装置自身が記憶している識別情報とが一致するか否かを判定し、一致した場合に前記外部装置との無線通信を確立する手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
主電源により動作可能で、装置の動作に関する設定情報を記憶する第2の記憶手段と、
当該処理装置が主電源で動作するときに、前記第1の記憶手段と前記第2の記憶手段とに格納される設定情報を比較する比較手段と、
前記比較手段の比較の結果が不一致である場合には、前記第1の記憶手段に格納された設定情報に基づいて起動し、一致である場合には、前記第2の記憶手段に格納された設定情報に基づいて起動することを特徴とする請求項1又は2に記載の処理装置。
【請求項4】
前記第1の記憶手段の記憶情報を参照して、前記無線通信手段によって前記外部装置から受信した設定情報の内容に矛盾がないか否かを判定する手段を有し、
前記受信した設定情報の内容に矛盾がある場合には、前記書き替え手段による書き替え動作の実行を保留し、前記外部装置に対して通知情報を送信することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項5】
前記第1の記憶手段の記憶情報を参照して、前記無線通信手段によって前記外部装置から受信した設定情報の内容に矛盾がないか否かを判定する手段を有し、
前記受信した設定情報の内容に矛盾がある場合には、当該処理装置が主電源で動作するときに、前記第2の記憶手段に格納された設定情報に基づいて起動することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項6】
主電源又は副電源で動作可能な無線通信手段と、主電源又は副電源により動作可能で、装置の動作に関する設定情報を記憶する記憶手段を有する処理装置の制御方法であって、
主電源又は副電源により動作可能で、電源供給が主電源又は副電源のいずれであるかを判別する第1の判別工程と、
主電源又は副電源により動作可能で、主電源の投入履歴があるか否かを判別する第2の判別工程と、
前記第1の判別工程の判別の結果、電源供給が副電源であり、且つ前記第2の判別工程の判別の結果、主電源の投入履歴がない場合に、外部装置から前記無線通信手段によって受信した設定情報に基づいて、前記第1の記憶手段に格納される設定情報を書き替える書き替え工程とを有することを特徴とする処理装置の制御方法。
【請求項7】
主電源又は副電源で動作可能な無線通信手段と、主電源又は副電源により動作可能で、装置の動作に関する設定情報を記憶する記憶手段を有する処理装置の制御方法を実行するためのプログラムであって、
主電源又は副電源により動作可能で、電源供給が主電源又は副電源のいずれであるかを判別する第1の判別ステップと、
主電源又は副電源により動作可能で、主電源の投入履歴があるか否かを判別する第2の判別ステップと、
前記第1の判別ステップの判別の結果、電源供給が副電源であり、且つ前記第2の判別ステップの判別の結果、主電源の投入履歴がない場合に、外部装置から前記無線通信手段によって受信した設定情報に基づいて、前記第1の記憶手段に格納される設定情報を書き替える書き替えステップとを有することを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−278516(P2009−278516A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−129493(P2008−129493)
【出願日】平成20年5月16日(2008.5.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】