説明

出入口装置

【課題】回転ドアと同様に風除効果を維持し、かつ大量通行を可能としながらも、通行者の安全性を向上させた出入口装置を提供することを目的とする。
【解決手段】複数の平面パネル200a〜200dによりブース300およびブース400において建物内外が非連通状態にされ、建物内外における風除が行われる。平面パネル200a〜200dの面部がスライド機構560,561によりブース300およびブース400の開口部400bから300a側へ、300b側から400a側へ、移動された後、スライド機構500よりブース300およびブース400の出入り方向と平面パネル200a〜200dの面部とが垂直となるような状態を維持しつつ平面パネル200a〜200dが平行移動される

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物から人が出入りするための出入口装置に関し、特に出入口装置が備えるパネルが自動的に移動するものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、出入口装置の一例が、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されている出入口装置は、回転ドア装置と称されるもので、平面形状が長円型に形成されたブースが建物の前面に設けられ、このブース内には、長円リング状の移動空間が形成されている。この移動空間内に配置された複数のパネルが、移動空間に沿って移動する。
【特許文献1】特開2002−285754号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に開示された回転ドア装置には、建物の内外を通行者が通行しても、建物内に風が吹き込むことを防止できる風除効果があり、多くの通行者を同時に通行させることができるという効果もある。しかしながら、特許文献1に開示された回転ドア装置では、複数のパネルが連続的に回転され、パネルの水平面における相対的移動量が異なる、すなわち、パネルの回転運動における中央軸近傍と外周近傍との移動量の相違があるので、通行者は回転するパネルの動きを予測することが難しい。その結果、接近してくるパネルに通行者が衝突したり、回転するパネルと出入口の方立との間に通行者が挟まれたりする虞があった。
【0004】
本発明は、回転ドアと同様に風除効果を維持し、かつ大量通行を可能としながらも、通行者の安全性を向上させた出入口装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)
本発明に係る出入口装置は、建物内外の出口通路または入口通路の少なくとも一方の通路に配設される出入口装置であって、通路において、建物内外を非連通状態として建物内外における風除を行う複数の平面パネルと、平面パネルの面部が通路の出入り方向と垂直な方向に沿うように、水平方向に沿って移動させることが可能な第1スライド機構と、前記第1スライド機構の一端側(下流側)で、通路の出入り方向と平面パネルの面部とが垂直となるような状態を維持しつつ平面パネルを平行移動させることが可能な第2スライド機構と、を含み、平面パネルが第1スライド機構により出入り方向と垂直な方向にスライド移動された後、平面パネルが第2スライド機構により通路を遮蔽するように移動されるものである。
【0006】
本発明に係る出入口装置においては、複数の平面パネルにより通路において建物内外が非連通状態にされ、建物内外における風除が行われる。平面パネルの面部が第1スライド機構により通路の出入り方向と垂直な方向に沿うように、水平方向に沿って移動された後、第2スライド機構により通路の出入り方向と平面パネルの面部とが垂直となるような状態を維持しつつ平面パネルが平行移動される。
【0007】
この場合、第1スライド機構により出入り方向と垂直な方向に平面パネルが、移動されるので、入口通路または出口通路を通行する通行者にとってなじみの深いスライド式ドア(自動ドア等)と同じ動作となる。すなわち、当該出入口装置は、回転パネルの場合と比較して回転運動における中央軸近傍と外周近傍との移動量の相違がないため、通行者は容易に平面パネルの動きを予測することができる。その結果、通行者は平面パネルと接触する危険性を回避することが容易となり、通行者の安全性を高めることができる。また、平面パネルにより風除機能を保持するとともに、複数の平面パネルが所定の間隔を開けて第1スライド機構および第2スライド機構により移動されるので、通行者の大量通行を実現することができる。
【0008】
(2)
平面パネルは、通路を略遮蔽可能な板状パネルと、板状パネルを懸架する一対の懸架部材と、一対の懸架部材を保持しつつ車輪により移動可能な台車と、台車に固設され第1スライド機構と嵌合し牽引可能な第1牽引部と、台車に固設され第2スライド機構と嵌合し牽引可能な第2牽引部と、を含み、第1スライド機構は、通路の出入り方向と垂直に交差する方向に延在する第1レール部材と、第1牽引部に嵌合可能な嵌合部材を有し、かつ第1レール部材に沿って略楕円状に配設された第1無縁周回部材と、第1無縁周回部材を略楕円状に沿って循環移動させる第1駆動装置と、を含み、第2スライド機構は、第1レール部材の一端側で、かつ出入り方向に延在して配設された第2レール部材と、第1レール部材の端部と第2レール部材の端部との間に設けられ、台車の車輪を、鉛直方向を軸として90度回転させる車輪回転台と、第2牽引部に嵌合可能な嵌合部材を有し、かつ第2レール部材に沿って略楕円状に配設された第2無縁周回部材と、第2無縁周回部材を略楕円状に沿って循環移動させる第2駆動装置と、を含んでもよい。
【0009】
この場合、台車により通路を略遮蔽可能な板状パネルが懸架される。また、台車には、第1索引部と第2索引部とが固設される。第1レール部材および第2レール部材が垂直に交差するように配設され、第1レール部材の一端側に第2レール部材の一端側が設けられる。また、第1レール部材と第2レール部材との間に車輪回転台が設けられる。第1レール部材および第2レール部材に沿って、第1無縁周回部材および第2無縁周回部材が設けられ、第1駆動装置および第2駆動装置により略楕円状に沿って循環移動される。
【0010】
以上のように、台車を第1レール部材、車輪回転台および第2レール部材の順に移動させる場合、車輪回転台において台車の車輪のみを回転させることにより台車の移動方向を短時間で変更することができる。また、鉛直方向上部にレール部材を設けて平面パネルを移動させることにより、通行者の通路部分にガイド溝または突起を設ける必要がなく、安全に通行者の通行を実現することができる。
【0011】
(3)
平面パネルの面部が通路の出入り方向と垂直な方向に沿うように、水平方向に沿って移動させることが可能な第3スライド機構と、第3スライド機構の一端側で第2スライド機構と平行に配設され、かつ通路の出入り方向と平面パネルの面部とが垂直となるような状態を維持しつつ平面パネルを平行移動させることが可能な第4スライド機構と、をさらに含み、平面パネルが、第1スライド機構により出入り方向と垂直な方向にスライド移動された後、平面パネルが、第2スライド機構により通路を遮蔽するように移動され、第1スライド機構とは逆方向に、第3スライド機構により出入り方向と垂直な方向にスライド移動された後、平面パネルが、第4スライド機構により第2スライド機構と逆方向に通路を遮蔽するように移動され、平面パネルが第1スライド機構、第2スライド機構、第3スライド機構および第4スライド機構の順に循環可能に配設されてもよい。
【0012】
この場合、平面パネルが第1スライド機構、第2スライド機構、第3スライド機構および第4スライド機構の順に循環可能に配設される。第1スライド機構および第3スライド機構により出入り方向と垂直な方向に平面パネルが、移動されるので、入口通路または出口通路を通行する通行者にとってなじみの深いスライド式ドア(自動ドア等)と同じ動作となる。すなわち、当該出入口装置は、回転パネルの場合と比較して回転運動における中央軸近傍と外周近傍との移動量の相違がないため、通行者は容易に平面パネルの動きを予測することができる。その結果、通行者は平面パネルと接触する危険性を回避することが容易となり、通行者の安全性を高めることができる。また、平面パネルにより風除機能を保持するとともに、複数の平面パネルが所定の間隔を開けて第1〜第4スライド機構により移動されるので、通行者の大量通行を実現することができる。
【0013】
(4)
第3スライド機構は、第2レール部材の一端側で、かつ出入り方向と垂直な方向に延在して配設された第3レール部材と、第2レール部材の端部と第3レール部材の端部との間に設けられ、台車の車輪を、鉛直方向を軸として90度回転させる車輪回転台と、第1牽引部に嵌合可能な嵌合部材を有し、かつ第3レール部材に沿って略楕円状に配設された第3無縁周回部材と、第3無縁周回部材を略楕円状に沿って循環移動させる第3駆動装置と、を含み、第4スライド機構は、第3レール部材の一端側で、かつ出入り方向に延在して配設された第4レール部材と、第3レール部材の端部と第4レール部材の端部との間に設けられ、台車の車輪を、鉛直方向を軸として90度回転させる車輪回転台と、第4レール部材の端部と第1レール部材の端部との間に設けられ、台車の車輪を、鉛直方向を軸として90度回転させる車輪回転台と、第2牽引部に嵌合可能な嵌合部材を有し、かつ第4レール部材に沿って略楕円状に配設された第4無縁周回部材と、第4無縁周回部材を略楕円状に沿って循環移動させる第4駆動装置と、を含み、第1レール部材、第2レール部材、第3レール部材および第4レール部材は、鉛直方向から視野した場合に矩形状の各辺に相当するように配設され、車輪回転台は、矩形状の各角に相当する位置に配設されてもよい。
【0014】
この場合、第1レール部材、第2レール部材、第3レール部材および第4レール部材は、鉛直方向から視野した場合に矩形状の各辺に相当するように配設され、車輪回転台は、矩形状の各角に相当する位置に配設される。それにより通行者が直線的に移動可能となるので、通行者の安全を高めることができる。また、第3スライド機構は、第1スライド機構と同等の機構からなり、第4スライド機構は、第2スライド機構と同等の機構からなるので、コストを低減することができる。
【0015】
(5)
第1スライド機構、第2スライド機構、第3スライド機構、第4のスライド機構は、個々独立して第1駆動装置、第2駆動装置、第3駆動装置、第4駆動装置を駆動制御させてもよい。
【0016】
この場合、複数の平板パネルを個々独立して移動させることができる。その結果、通行者が平板パネルに接触した場合でも、平板パネルを個別に制御することができるので、対象とする平板パネルのみを逆方向に移動させることもできる。また、通行者のために第1スライド機構における平面パネルの移動速度を低下させることもできる。それにより、通行者が平面パネルに接触する可能性を低減することができる。
【0017】
(6)
嵌合部材と第1牽引部とは、出入り方向と垂直な方向において嵌合可能に形成され、出入り方向と平行な方向において分離可能に形成され、嵌合部材と第2牽引部とは、出入り方向と平行な方向において嵌合可能に形成され、出入り方向と垂直な方向において分離可能に形成されてもよい。
【0018】
この場合、嵌合部材が第1牽引部と嵌合するので、嵌合部材を出入方向と垂直な方向に牽引することができる。そして、嵌合部材を備える平面パネルを牽引しつつ、嵌合部材を第2牽引部に嵌合させ、出入方向と平行な方向に嵌合部材を備える平面パネルを牽引することにより、嵌合部材と第1牽引部とを分離することができる。それにより、短時間で、第1牽引部から第2牽引部に嵌合部材を受け渡すことができる。
【0019】
(7)
嵌合部材は、棒状部材からなり、第1牽引部は、棒状部材を貫挿可能な孔を有する平板部材からなってもよい。
【0020】
この場合、嵌合部材は、棒状部材からなり、第1牽引部は、棒状部材を貫挿可能な孔を有する平板部材からなるので、嵌合部材を出入方向と垂直な方向に牽引する場合に、棒状部材が孔に挿入され、嵌合部材を出入方向と平行な方向に牽引する場合に、棒状部材が孔から抜挿される。それにより、短時間で、嵌合部材を受け渡すことができる。
【0021】
(8)
嵌合部材は、I型形状部材からなり、第2牽引部は、I型形状部材の下方に懸架可能に形成されたC形鋼部材からなってもよい。
【0022】
この場合、嵌合部材は、I型形状部材からなり、第2牽引部は、I型形状部材の下方に懸架可能に形成されたC形鋼部材からなるので、嵌合部材を出入方向と平行な方向に牽引する場合に、鉛直方向に沿って設けられたI型形状部材の端部が、鉛直上方向を開口部とするC形鋼部材と嵌合され、嵌合部材を出入方向と垂直な方向に牽引する場合に、I型形状部材の端部がC形鋼部材内を移動し抜挿される。それにより、短時間で、嵌合部材を受け渡すことができる。
【0023】
(9)
第1無縁周回部材、第2無縁周回部材、第3無縁周回部材および第4無縁周回部材と、第1駆動装置、第2駆動装置、第3駆動装置および第4駆動装置とがそれぞれ2個ずつ設けられ、複数の第1無縁周回部材のそれぞれに対して複数の第1駆動装置がそれぞれ別個独立して制御可能に設けられ、複数の第2無縁周回部材のそれぞれに対して複数の第2駆動装置がそれぞれ別個独立して制御可能に設けられ、複数の第3無縁周回部材のそれぞれに対して複数の第3駆動装置がそれぞれ別個独立して制御可能に設けられ、複数の第4無縁周回部材のそれぞれに対して複数の第4駆動装置がそれぞれ別個独立して制御可能に設けられてもよい。
【0024】
この場合、前記複数の平面パネルのうち、1の平面パネルを一方の第1無縁周回部材に固設された懸架金具により移動させると同時に、他の平面パネルを他方の第1無縁周回部材に固設された懸架金具により移動させることができ、同様に、第2無縁周回部材、第3無縁周回部材、第4無縁周回部材においても、1の平面パネルを懸架金具により移動させると同時に、他の平面パネルを懸架金具により移動させることができる。これにより、少なくとも1枚の平板パネルが通路を遮蔽することが可能となるので、風除機能を充分に発揮させることができる。
【0025】
(10)
台車は、複数の台車からなり、一の台車の第1牽引部が第1上側牽引部からなり、一の台車の第2牽引部が第2幅広牽引部からなり、他の台車の第1牽引部が第1下側牽引部からなり、他の台車の第2牽引部が第2幅狭牽引部からなり、
第1上側牽引部および第1下側牽引部が互いに干渉しないように配設され、第2幅広牽引部および第2幅狭牽引部が互いに干渉しないように配設されてもよい。
【0026】
この場合、第1スライド機構により一の台車を牽引させ、同時に第1スライド機構により他の台車を牽引させることができる。したがって、第1スライド機構、第2スライド機構、第3スライド機構、第4スライド機構のいずれにおいても、平面パネルを重複させて移動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明に係る実施の形態について説明する。本発明における出入口装置は、建物内への入口通路のみ、建物内への出口通路のみ、または建物内への入口通路および出口通路を一体として含む構造のいずれにも適用することができる。なお、以下の実施の形態においては、建物内への入口通路および出口通路を一体として含む構造の一例を挙げて説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に係る一実施の形態に係る出入口装置の一例を示す模式的斜視図である。
【0028】
図1に示すように、出入口装置100は、建物の屋内と屋外とを遮蔽する仕切り壁900の間において建物の屋内と屋外とを連通するように配設される。図1に示す出入口装置100では、建物の屋外から屋内に通行可能なブース300と、建物の屋内から屋外に連通可能なブース400とが並行に形成されている。また、ブース300,400の間にブース950が配設される。これらのブース300,400,950は、内部が空洞とされた概略直方体状からなる。すなわち、当該空洞を通行者が通行可能なように形成される。なお、ブース950の機能の詳細については後述する。
【0029】
また、ブース300には、建物の屋外側に開口部300aが配設され、建物の屋内側に開口部300bが配設される。同様に、ブース400には、建物の屋内側に開口部400aが配設され、建物の屋外側に開口部400bが配設される。
【0030】
出入口装置100では、図1に示すように、ブース300およびブース400内のそれぞれに設けられたスライド機構(図2〜図4参照)、ブース300およびブース400間に設けられたスライド機構(図5および図6参照)により、複数の平面パネル200a〜200dがブース300の開口部300a側から開口部300b側へ、ブース300側からブース400側へ、ブース400の開口部400a側から開口部400b側へ、ブース400側からブース300側の順序で循環移動される。
【0031】
その結果、ブース300の開口部(入口通路の入口側)300aから進入した通行者が、開口部300b(入口通路の出口側)に向かって移動することによって建物外から建物内へ入ることができる。一方、ブース400の開口部(出口通路の入口側)400aから進入した通行者が、開口部(出口通路の出口側)400bに向かって移動することによって建物内から建物外へ出ることができる。
【0032】
続いて、ブース300およびブース400内にそれぞれ設けられたスライド機構により移動される平面パネル200a〜200dの動作について説明する。以下、平面パネル200aおよび200bの動作を一例として説明する。
【0033】
図2〜図4は、平面パネル200aおよび平面パネル200bの移動を説明するための模式的斜視図である。図2〜図4において順に、平面パネル200aが紙面手前から紙面奥方向に(矢印Xの方向)移動する場合について説明する。
【0034】
図2〜図4に示すように、スライド機構500は、モータ510,520、一対の第1ベルト530a,530b、一対の第1ベルト530a,530bと相対的に間隔が異なる一対の第2ベルト531a,531b、一対の第1懸架金具540a,540b、一対の第2懸架金具541a,540b、レール550(図示省略)、転回装置600(図示省略)を含む。また、平面パネル200aは、ガラス板210、枠部材220および一対の懸架部材230a,230bを含む。なお、図2〜図4においては、図示していないが、平面パネル200aは、レール550(図示省略)上を走行可能な台車700(図示省略)により懸架されつつ移動搬送される。このレール550、転回装置600および台車700の関係については、後述する。
【0035】
まず、図2に示すように、平面パネル200aは、ガラス板210aが枠部材220aにより保持され、枠部材220aが、鉛直上方向に設けられた一対の懸架部材230a,230bにより懸架される。一対の懸架部材230a,230bは、一対の懸架金具540a、540bに保持される。ここで、図2に示すように、一対の懸架部材230a,230bは鉛直方向に開口部を有するC形鋼材からなり、I型部材からなる一対の懸架金具540a,540bにより懸架される。すなわち、懸架金具540a,540bのI型部材の端部に設けられた水平方向に延在した部分に、懸架部材230a,230bのC形鋼材の開放部がスライドして挿入され、C形鋼材の鉛直上端に設けられた開口部が、I型部材の端部に設けられた水平方向に延在した部分に懸架される。
【0036】
続いて、図2および図3に示すように、モータ510により軸515が回転され、軸515に固定されたプーリーが回転し、プーリーに巻回された一対のベルト530a、530bが回転する。ここで、一対のベルト530a、530bには、一対の懸架金具540a,540bがそれぞれ固定されている。一対のベルト530a,530bが回転することにより一対の懸架金具540a,540bが移動し、平面パネル200aが矢印Xの方向に移動される。
【0037】
続いて、図3に示すように、平面パネル200aが矢印Xの方向に移動した場合、平面パネル200bがスライド機構(図示せず)によりブース400(図1参照)側からブース300側に移動される。この場合、平面パネル200bの一対の懸架部材231a,231bは、一対のベルト531a,531bに設けられた懸架金具541a,541bにより保持される。ここで、図3に示すように、一対の懸架部材231a,231bは図2の一対の懸架部材230a,230bと同じく、C形鋼材からなり、I型部材からなる懸架金具541a,541bにより懸架される。
【0038】
ここで、一対のベルト531a,531bは、一対のベルト530a,530bと異なる間隔で設けられる。したがって、懸架金具541a,541bの間隔も懸架金具540a,540bと異なる。また、平面パネル200bの一対の懸架部材231a,231bも平面パネル200aの一対の懸架部材230a,230bと異なる間隔で設けられる。なお、一対の懸架部材231a,231bは、一対のベルト531a,531bおよび懸架金具541a,541bと同じ幅で設けられている。その結果、懸架金具540a,540bには、平面パネル200aの一対の懸架部材230a,230bのみが懸架され、平面パネル200bの一対の懸架部材231a,231bは懸架されない構造となっている。また、逆に、懸架金具541a,541bには、平面パネル200bの一対の懸架部材231a,231bのみが懸架され、平面パネル200aの一対の懸架部材230a,230bは懸架されない構造となっている。
【0039】
続いて、図4に示すように、平面パネル200bは、平面パネル200aと同様にモータ520の働きにより一対のベルト531a,531bが回転することにより一対の懸架金具541a,541bが移動し、矢印Xの方向に移動される。また、平面パネル200aは、後述するスライド機構(図5および図6参照)により矢印Yの方向に移動される。それにより、一対の懸架部材230a,230bが一対の懸架金具540a,540bから離脱する。そして、モータ510が逆回転し、一対のベルト530a,530bが逆方向に回転する。その結果、一対の懸架部材230a,230bは、矢印Xの方向とは逆の方向に戻される。このように、一対のベルト530a,530bは、一対のベルト531a,531bと別個独立に移動させることができるため、平面パネル200bの移動に干渉されることなく、平面パネル200aを移動させることができる。
【0040】
なお、本実施の形態においては、平面パネル200aおよび平面パネル200cが所定の間隔を有する一対の懸架部材230a,230bを備え、平面パネル200bおよび平面パネル200dが所定の間隔と異なる間隔を有する一対の懸架部材231a,231bを備える。
【0041】
次に、平面パネル200aがスライド機構500の下流端部に配設された転回装置600およびスライド機構560,561により移動される状態について説明する。図5は転回装置600の詳細を説明するための模式的側面図であり、図6は転回装置600の詳細を説明するための模式的平面図である。また、図7〜図10は図5および図6における転回装置600の転回状態およびスライド機構560を説明するための模式的側面図および模式的平面図である。また、図11〜図13は平面パネル200bがスライド機構500の下流端部に配設された転回装置600およびスライド機構561により移動される状態を説明するための模式的側面図および模式的平面図である。
【0042】
図5および図6に示すように、台車700には、複数の車輪710、第1牽引部材720が設けられる。また、台車700は、平面パネル200aの構成に含まれる(図2参照)。ここで、複数の車輪710は、鉛直軸に沿って回転可能な構造を有する。また、レール550は、図1のブース300およびブース400に沿ってスクエア状に設けられる。図6においては、レール550の一部を示したものである。また、スライド機構560は、リニアガイドレール570、懸架部材580、懸架金具580a、ベルト590aおよびモータ590を含む。スライド機構561は、リニアガイドレール571、懸架部材581、懸架金具581a、ベルト591aおよびモータ591を含む。転回装置600は、ターンテーブル620、ターンレール650、モータ610を含む。ターンテーブル620上にターンレール650が配設され、モータ610によりターンテーブル620が鉛直方向を軸として回転する。図5および図6に示す実施の形態においては、4個のターンテーブル620にそれぞれ1個のモータ610、すなわち4個のモータ610が設けられる。このターンテーブル620およびモータ610の個数は、台車700の車輪710の個数に相当することが好ましい。また、本実施の形態においては、モータ610をターンテーブル620に応じて個別配置させたが、これに限定されず、別途連結機構等を設けてモータ610の個数を減少させてもよい。
【0043】
図5および図6に示すように、一対の懸架部材230a,230bが懸架部材540a,540bに懸架され、モータ510により一対のベルト530a,530bが回転されることにより、台車700が矢印Xの方向に移動する。この際、台車700は、4個の車輪710によりレール550に沿って平面パネル200aを保持しつつ矢印Xの方向に走行する。このようにして、平面パネル200aが移動される。
【0044】
次に、スライド機構500の端部に設けられた転回装置600に台車700が載置された場合について説明する。
【0045】
例えば、図7および図8に示すように、台車700の車輪710が、ターンテーブル620のレール650上まで移動した場合、台車700に設けられた第1牽引部材720に懸架金具580aが貫挿される。本実施の形態においては、第1牽引部材720は孔を有する板状部材からなり、懸架金具580aは当該孔に挿入可能なピン部材からなる。
【0046】
ここで、本実施の形態においては、モータ510,520において回転数を検出し、レール550からレール650上に台車700の車輪710が移動したことを判定させている。そして、その判定結果によりモータ510の回転を停止させている。なお、本実施の形態においては、モータ510,520の回転数を検出することとしたが、これに限定されず、レール550またはレール650において重量検出センサを設けて判定させてもよく、モータ510,520にエンコーダを設けて判定させてもよく、スライド機構560に台車700に対する位置検出装置またはリミットスイッチを設けて判定させてもよく、台車700にスライド機構560に対する位置検出装置を設けて判定させてもよい。それにより、台車700を転回装置600上に正確に停止させることができる。そして、台車700が転回装置600上に停止した場合、モータ610がターンテーブル620を鉛直方向を軸として矢印Rの方向に90度回転させる。この場合、台車700自体は回転せず、静止状態のまま維持される。そして、台車700の車輪710のみが矢印Rの方向に回転する。
【0047】
次に、図9および図10に示すように、転回装置600の働きによりターンテーブル620が回転し、台車700の車輪710が矢印Yの方向にレール550上を走行可能となる。
【0048】
ここで、図9および図10に示すように、スライド機構560においては、懸架部材580に懸架金具580aが設けられ、懸架部材580はベルト590aに固設されている。モータ590が回転することによりリニアガイドレール570内のベルト590aが回転し、懸架部材580の移動に伴い、懸架金具580aが移動し、懸架金具580aに嵌合した第1牽引部材720が移動することにより台車700が移動する。この際、台車700は、4個の車輪710によりレール550上を走行し、平面パネル200aを保持する。その結果、台車700の車輪710がレール550上を矢印Yの方向に移動することにより平面パネル200aが移動される。この場合、平面パネル200aがブース300からブース400側へ移動する(図1参照)。したがって、ブース300を通行する通行者にとっては、慣れ親しんでいる自動扉と同様に、横方向にスライドするように移動する。
【0049】
次に、図11に示すように、台車701には、複数の車輪710、第2牽引部材721が設けられる。また、台車701は、平面パネル200bの構成に含まれる(図4参照)。また、スライド機構561は、リニアガイドレール571、懸架部材581、懸架金具581a、ベルト591aおよびモータ591を含む。
【0050】
図11に示すように、一対の懸架部材231a,231bが懸架部材541a,541bに懸架され、モータ520により一対のベルト531a,531bが回転されることにより、台車701が矢印Xの方向に移動する。この際、台車701は、4個の車輪710によりレール550に沿って平面パネル200bを保持しつつ矢印Xの方向に走行する。このようにして、平面パネル200bが移動される。
【0051】
次に、スライド機構500の端部に設けられた転回装置600に台車701が載置された場合について説明する。
【0052】
例えば、図12に示すように、台車701の車輪710が、ターンテーブル620のレール650上まで移動した場合、台車701に設けられた第2牽引部材721に懸架金具581aが貫挿される。本実施の形態においては、第2牽引部材721は孔を有する板状部材からなり、懸架金具581aは当該孔に挿入可能なピン部材からなる。
【0053】
ここで、本実施の形態においては、モータ510と同様に、モータ520において回転数を検出し、レール550からレール650上に台車701の車輪710が移動したことを判定させている。そして、その判定結果によりモータ520の回転を停止させている。台車701が転回装置600上に停止した場合、モータ610がターンテーブル620を鉛直方向を軸として矢印Rの方向に90度回転させる。この場合、台車701自体は回転せず、静止状態のまま維持される。そして、台車701の車輪710のみが矢印Rの方向に回転する。
【0054】
次に、図13に示すように、転回装置600の働きによりターンテーブル620が回転し、台車701の車輪710が矢印Yの方向にレール550上を走行可能となる。
【0055】
ここで、図13に示すように、スライド機構561においては、懸架部材581に懸架金具581aが設けられ、懸架部材581はリニアガイドレール571内のベルト591aに固設されている。モータ591が回転することによりリニアガイドレール571内のベルト591aが回転し、懸架部材581の移動に伴い、懸架金具581aが移動し、懸架金具581aに嵌合した牽引部材721が移動することにより台車701が移動する。この際、台車701は、4個の車輪710によりレール550上を走行し、平面パネル200bを保持する。その結果、台車701の車輪710がレール550上を矢印Yの方向に移動することにより平面パネル200bが移動される。この場合、平面パネル200bがブース300からブース400側へ移動する。この場合、モータ590によりスライド機構560の懸架金具580aが矢印Yの方向と逆方向に移動される。それにより、スライド機構560は、次にスライド機構500により懸架され移動する平面パネル200cを受け取ることができる。
【0056】
以上の図11〜図13に示すように、台車701には、台車700の第1牽引部材720と異なる第2牽引部材721が設けられ、スライド機構560の懸架金具580aおよびスライド機構561の懸架金具581aは、相対的に異なる位置に配設されるので、別個独立してスライド機構560およびスライド機構561を制御することができる。
【0057】
また、本実施の形態においては、ブース400においても同じスライド機構500,560,561が別途形成されている。それにより、ブース400の開口部400a近傍において、別途転回装置600が設けられており、ブース400の開口部400aから開口部400bに向けてスライド機構500が設けられ、ブース400の開口部400b近傍において別途転回装置600が設けられ、ブース400の開口部400bからブース300の開口部300に向けてスライド機構560,561が設けられ、ブース300側の開口部300a近傍において別途回転装置600が設けられ、図2〜図4において説明したスライド機構500と接続される。
【0058】
このように、本実施の形態にかかる出入口装置100においては、スライド機構500およびスライド機構560、またはスライド機構500およびスライド機構561の間において、台車700,701の第1牽引部材720,第2牽引部材721および一対の懸架部材230a,230b,231a,231bにより、X方向およびY方向のいずれか一方に対して牽引可能に形成され、他方に対して脱着可能に設けられているので、矢印Xの方向に移動する場合および矢印Yの方向に移動する場合とで、短時間に牽引の脱着の切り替えを行うことができる。その結果、平面パネル200a,200b,200c,200dをスムーズにスライド動作および平行動作させることができ、通行者の通行を妨げない。
【0059】
また、平面パネル200a〜200dにより、開口部300a,300b,400a,400bを遮蔽するので、建物内外の風除効果を奏することができる。
【0060】
次に、図1のブース950について説明する。図1のブース950の建物内部および建物外部の少なくとも一方、または壁900の延長上に開閉自在な扉を有することにより、ブース950を非難経路として利用することができる。なお、避難経路として利用する場合には、平面パネル200a〜200dは、自動的にブース300およびブース400内に移動される。また、ブース950の幅をブース300およびブース400の幅よりも広く形成することにより、大量の通行者が存在する場合、または大型の荷物の搬出入を行う場合に有効利用することができる。また、ブース950の内部を展示ケースとして利用することもできる。
【0061】
また、通常の使用時において、平面パネル200a〜200dの待機場所としてブース950を利用することができる。それにより、ブース300の開口部300aにおいてスライド機構560,561のモータ590,591の回転速度を遅くすることにより、開口部300aにおける通行者の挟み込みを防止することができる。同様に開口部400aにおいてスライド機構560,561のモータ590,591の回転速度を遅くすることにより、開口部400aにおける通行者の挟み込みを防止することができる。
【0062】
一方、開口部300bおよび開口部400bにおいては、スライド機構560,561のモータ590,591の回転速度を速くすることにより、通行者の通行を妨げることを防止することができる。
【0063】
また、開口部300aにおいて、通行者の挟み込みが発生した場合であっても、スライド機構560,561のモータ590,591の回転方向を変えることで、平面パネル200a〜200dをブース950側に戻すことができる。
【0064】
また、上記実施の形態においては、ブース300およびブース400を備えた出入口装置100について説明したが、これに限定されず、ブース300のみの出入口装置に対して本発明を適用することができ、ブース400のみの出入口装置に対しても本発明を適用することができる。
【0065】
なお、本実施の形態においては、スライド機構560,561においては、リニアガイドレール570,571を用いることとしたが、これに限定されず、他の任意のガイド機構を用いてもよく、例えば戸車およびレールからなるガイド機構等を用いてもよい。
【0066】
上記一実施の形態においては、出入口装置100が出入口装置に相当し、平面パネル200a〜200dが複数の平面パネルに相当し、X方向が平行移動させる方向に相当し、通路の出入り方向と垂直な方向がY方向に相当し、スライド機構560,561が第1スライド機構、第3スライド機構に相当し、スライド機構500が第2スライド機構、第4スライド機構に相当し、ガラス板210、枠部材220が板状パネルに相当し、一対の懸架部材230a,230bまたは一対の懸架部材231a,231bが一対の懸架部材に相当し、複数の車輪710が車輪に相当し、台車700および台車701が台車に相当し、第1牽引部材720,721が第1牽引部に相当し、一対の懸架部材230a,230b,231a,231bが第2牽引部に相当し、懸架金具580aおよび581aが第1牽引部に嵌合可能な嵌合部材に相当し、一対の第1懸架金具540a,540b,541a,541bが第2牽引部に嵌合可能な嵌合部材に相当し、第2駆動装置、第4駆動装置がモータ510,520に相当し、第1駆動装置、第3駆動装置がモータ590,591に相当し、レール部材550が第1レール部材、第2レール部材、第3レール部材、第4レール部材に相当し、転回装置600が車輪回転台に相当し、一対のベルト530a,530b,531a,531bが第2無縁周回部材、第4無縁周回部材に相当し、ベルト590a,591aが第1無縁周回部材、第3無縁周回部材に相当し、ブース300およびブース400が矩形状の各辺に相当し、開口部300a,300b,400a,400bが矩形状の各角に相当する位置に相当し、懸架金具580a,581aが棒状部材に相当し、第1牽引部材720,721が棒状部材を貫挿可能な孔を有する平板部材に相当し、一対の懸架部材230a,230b,231a,231bがC形鋼部材に相当し、一対の第1懸架金具540a,540b,541a,541bがI型形状部材に相当する。
【0067】
本発明は、上記の好ましい一実施の形態に記載されているが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明に係る一実施の形態に係る出入口装置の一例を示す模式的斜視図
【図2】平面パネルの移動を説明するための模式的斜視図
【図3】平面パネルの移動を説明するための模式的斜視図
【図4】平面パネルの移動を説明するための模式的斜視図
【図5】転回装置の詳細を説明するための模式的側面図
【図6】転回装置の詳細を説明するための模式的平面図
【図7】転回装置の転回状態およびスライド機構を説明するための模式的側面図および模式的平面図
【図8】転回装置の転回状態およびスライド機構を説明するための模式的側面図および模式的平面図
【図9】転回装置の転回状態およびスライド機構を説明するための模式的側面図および模式的平面図
【図10】転回装置の転回状態およびスライド機構を説明するための模式的側面図および模式的平面図
【図11】平面パネルがスライド機構の下流端部に配設された転回装置およびスライド機構により移動される状態を説明するための模式的側面図および模式的平面図
【図12】平面パネルがスライド機構の下流端部に配設された転回装置およびスライド機構により移動される状態を説明するための模式的側面図および模式的平面図
【図13】平面パネルがスライド機構の下流端部に配設された転回装置およびスライド機構により移動される状態を説明するための模式的側面図および模式的平面図
【符号の説明】
【0069】
100 出入口装置
200a〜200d 平面パネル
210 ガラス板
220 枠部材
230a,230b,231a,231b 一対の懸架部材
300,400 ブース
300a,300b,400a,400b 開口部
500,560,561 スライド機構
510,520,590,591 モータ
530a,530b,531a,531b 一対のベルト
540a,540b,541a,541b 一対の懸架金具
570,571 リニアガイドレール
580a,580b 懸架金具
581a,581b 懸架金具
590a,591a ベルト
600 転回装置
700,701 台車
710 複数の車輪
720,721 第1牽引部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内外の出口通路または入口通路の少なくとも一方の通路に配設される出入口装置であって、
前記通路において、前記建物内外を非連通状態として前記建物内外における風除を行う複数の平面パネルと、
前記平面パネルの面部が前記通路の出入り方向と垂直な方向に沿うように、水平方向に沿って移動させることが可能な第1スライド機構と、
前記第1スライド機構の一端側で、かつ前記通路の出入り方向と前記平面パネルの面部とが垂直となるような状態を維持しつつ前記平面パネルを平行移動させることが可能な第2スライド機構と、を含み、
前記平面パネルが前記第1スライド機構により前記出入り方向と前記垂直な方向にスライド移動された後、前記平面パネルが前記第2スライド機構により前記通路を遮蔽するように移動されることを特徴とする出入口装置。
【請求項2】
前記平面パネルは、
前記通路を略遮蔽可能な板状パネルと、
前記板状パネルを懸架する一対の懸架部材と、
前記一対の懸架部材を保持しつつ車輪により移動可能な台車と、
前記台車に固設され前記第1スライド機構と嵌合し牽引可能な第1牽引部と、
前記台車に固設され前記第2スライド機構と嵌合し牽引可能な第2牽引部と、を含み、
前記第1スライド機構は、
前記通路の出入り方向と垂直に交差する方向に延在する第1レール部材と、
前記第1牽引部に嵌合可能な嵌合部材を有し、かつ前記第1レール部材に沿って略楕円状に配設された第1無縁周回部材と、
前記第1無縁周回部材を前記略楕円状に沿って循環移動させる第1駆動装置と、を含み、
前記第2スライド機構は、
前記第1レール部材の一端側で、かつ前記出入り方向に延在して配設された第2レール部材と、
前記第1レール部材の端部と前記第2レール部材の端部との間に設けられ、前記台車の車輪を、鉛直方向を軸として90度回転させる車輪回転台と、
前記第2牽引部に嵌合可能な嵌合部材を有し、かつ前記第2レール部材に沿って略楕円状に配設された第2無縁周回部材と、
前記第2無縁周回部材を前記略楕円状に沿って循環移動させる第2駆動装置と、を含むことを特徴とする請求項1記載の出入口装置。
【請求項3】
前記平面パネルの面部が前記通路の出入り方向と垂直な方向に沿うように、水平方向に沿って移動させることが可能な第3スライド機構と、
前記第3スライド機構の一端側で前記第2スライド機構と平行に配設され、かつ前記通路の出入り方向と前記平面パネルの面部とが垂直となるような状態を維持しつつ前記平面パネルを平行移動させることが可能な第4スライド機構と、をさらに含み、
前記平面パネルが、前記第1スライド機構により前記出入り方向と前記垂直な方向にスライド移動された後、前記平面パネルが、前記第2スライド機構により前記通路を遮蔽するように移動され、前記第1スライド機構とは逆方向に、前記第3スライド機構により前記出入り方向と前記垂直な方向にスライド移動された後、前記平面パネルが、前記第4スライド機構により前記第2スライド機構と逆方向に前記通路を遮蔽するように移動され、前記平面パネルが前記第1スライド機構、前記第2スライド機構、前記第3スライド機構および前記第4スライド機構の順に循環可能に配設されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の出入口装置。
【請求項4】
前記第3スライド機構は、
前記第2レール部材の一端側で、かつ前記出入り方向と垂直な方向に延在して配設された第3レール部材と、
前記第2レール部材の端部と前記第3レール部材の端部との間に設けられ、前記台車の車輪を、鉛直方向を軸として90度回転させる車輪回転台と、
前記第1牽引部に嵌合可能な嵌合部材を有し、かつ前記第3レール部材に沿って略楕円状に配設された第3無縁周回部材と、
前記第3無縁周回部材を前記略楕円状に沿って循環移動させる第3駆動装置と、を含み、
前記第4スライド機構は、
前記第3レール部材の一端側で、かつ前記出入り方向に延在して配設された第4レール部材と、
前記第3レール部材の端部と前記第4レール部材の端部との間に設けられ、前記台車の車輪を、鉛直方向を軸として90度回転させる車輪回転台と、
前記第4レール部材の端部と前記第1レール部材の端部との間に設けられ、前記台車の車輪を、鉛直方向を軸として90度回転させる車輪回転台と、
前記第2牽引部に嵌合可能な嵌合部材を有し、かつ前記第4レール部材に沿って略楕円状に配設された第4無縁周回部材と、
前記第4無縁周回部材を前記略楕円状に沿って循環移動させる第4駆動装置と、を含み、
前記第1レール部材、前記第2レール部材、前記第3レール部材および前記第4レール部材は、鉛直方向から視野した場合に矩形状の各辺に相当するように配設され、
前記車輪回転台は、前記矩形状の各角に相当する位置に配設されたことを特徴とする請求項3記載の出入口装置。
【請求項5】
前記第1スライド機構、前記第2スライド機構、前記第3スライド機構、前記第4のスライド機構は、個々独立して前記第1駆動装置、前記第2駆動装置、前記第3駆動装置、前記第4駆動装置を駆動制御させることを特徴とする請求項3または請求項4記載の出入口装置。
【請求項6】
前記嵌合部材と前記第1牽引部とは、前記出入り方向と垂直な方向において嵌合可能に形成され、前記出入り方向と平行な方向において分離可能に形成され、
前記嵌合部材と前記第2牽引部とは、前記出入り方向と平行な方向において嵌合可能に形成され、前記出入り方向と垂直な方向において分離可能に形成されたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の出入口装置。
【請求項7】
前記嵌合部材は、棒状部材からなり、前記第1牽引部は、前記棒状部材を貫挿可能な孔を有する平板部材からなることを特徴とする請求項7記載の出入口装置。
【請求項8】
前記嵌合部材は、I型形状部材からなり、前記第2牽引部は、前記I型形状部材の下方に懸架可能に形成されたC形鋼部材からなることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の出入口装置。
【請求項9】
前記第1無縁周回部材、前記第2無縁周回部材、前記第3無縁周回部材および前記第4無縁周回部材と、前記第1駆動装置、前記第2駆動装置、前記第3駆動装置および前記第4駆動装置とがそれぞれ2個ずつ設けられ、
複数の前記第1無縁周回部材のそれぞれに対して複数の前記第1駆動装置がそれぞれ別個独立して制御可能に設けられ、複数の前記第2無縁周回部材のそれぞれに対して複数の前記第2駆動装置がそれぞれ別個独立して制御可能に設けられ、複数の前記第3無縁周回部材のそれぞれに対して複数の前記第3駆動装置がそれぞれ別個独立して制御可能に設けられ、複数の前記第4無縁周回部材のそれぞれに対して複数の前記第4駆動装置がそれぞれ別個独立して制御可能に設けられたことを特徴とする請求項4から請求項9のいずれか1項に記載の出入口装置。
【請求項10】
前記台車は、複数の台車からなり、一の台車の第1牽引部が第1上側牽引部からなり、一の台車の第2牽引部が第2幅広牽引部からなり、他の台車の第1牽引部が第1下側牽引部からなり、他の台車の第2牽引部が第2幅狭牽引部からなり、
前記第1上側牽引部および前記第1下側牽引部が互いに干渉しないように配設され、前記第2幅広牽引部および前記第2幅狭牽引部が互いに干渉しないように配設されたことを特徴とする請求項2から請求項9のいずれか1項に記載の出入口装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2008−190223(P2008−190223A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−26018(P2007−26018)
【出願日】平成19年2月5日(2007.2.5)
【出願人】(503405689)ナブテスコ株式会社 (737)
【Fターム(参考)】