出力依頼装置、出力装置および出力依頼プログラム
【課題】簡易な操作による利便性の高い文書印刷システムを提供する。
【解決手段】ユーザが所持するRFID1〜1bの信号から位置管理サーバ20が位置を検出し、PC10はモニタ11上にユーザと複数のプリンタのレイアウトを含む地図画像を表示させる。ユーザは表示される文書ファイルアイコンを、印刷させるプリンタアイコンへドラッグアンドドロップ操作する。予約情報を入力すると、予約部111は予約情報を生成する。PC10はそれらの情報をプリンタ管理サーバ30に送信し、予約実行部131が予約条件が満たされたと判定した場合、ドライバ選択部32がドライバを選択し、印刷情報生成部33が印刷データを生成し、通知先情報とともにプリンタ40に送信する。プリンタ40は、印刷データを印刷し、印刷通知情報をユーザPC10に送信する。PC10は、通知情報をモニタ上に表示する。
【解決手段】ユーザが所持するRFID1〜1bの信号から位置管理サーバ20が位置を検出し、PC10はモニタ11上にユーザと複数のプリンタのレイアウトを含む地図画像を表示させる。ユーザは表示される文書ファイルアイコンを、印刷させるプリンタアイコンへドラッグアンドドロップ操作する。予約情報を入力すると、予約部111は予約情報を生成する。PC10はそれらの情報をプリンタ管理サーバ30に送信し、予約実行部131が予約条件が満たされたと判定した場合、ドライバ選択部32がドライバを選択し、印刷情報生成部33が印刷データを生成し、通知先情報とともにプリンタ40に送信する。プリンタ40は、印刷データを印刷し、印刷通知情報をユーザPC10に送信する。PC10は、通知情報をモニタ上に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データを出力する出力装置への出力要求を行う出力依頼装置、出力装置および出力依頼プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスにおいてはプリンタ等の印刷機器が多数配置されており、それらはネットワーク上に存在し、様々な場所からアクセスできるようになっている。ネットワークを通じてこれらのプリンタ等を利用するために、プリンタ等の初期設定及び印刷などにおいて、ファイルのドラッグアンドドロップという操作がしばしば用いられている。例えば、ファイルをプリンタアイコンにドラッグアンドドロップすると印刷が開始されるものなどである。
【0003】
また、プリント条件が予め設定されているプリントアイコンと、プリントすべきファイルのアイコンとが表示された表示画面上でファイルアイコンをドラッグして、プリントアイコン上にドロップすることによって、そのプリンタの設定が表示され、プリントアイコンに設定されている印刷条件下でファイルの印刷処理が実行される印刷制御操作システムが公開されている(例えば、特許文献1)。この方法では、ファイルをドラッグアンドドロップするという直感的な作業により印字指示から設定確認を行うことができる。
【0004】
【特許文献1】特開2001−337765号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術では、ドラッグアンドドロップで設定したプリンタがどこにあるかは、インストールした記憶にのみ頼り、同じような機種のプリンタがあった場合には、判別が困難であった。また、ユーザPCの位置、他人のPCの位置、およびプリンタの位置が把握できなかった。また、通常使用しないプリンタから出力させる場合には、新たにドライバ設定を必要としていて、煩雑な作業を免れないという問題があった。
【0006】
また、この従来技術においては、ファイルをプリンタアイコンにドラッグアンドドロップする場合、そのアイコンがどの位置に配置されたプリンタに相当するかを区別するのは困難であった。また、ユーザがPCを操作して印刷しようとしているプリンタが、ユーザにとって最適な位置にあるプリンタであるかどうかが判然としないという問題があった。この場合、特に、ユーザが他人にファックスを送信するような手軽さで、文書ファイルをその他人の近くのプリンタから出力させる場合に、プリンタの位置関係が判然としないので、適正に選択することが難しく、かつ、プリンタを選択したとしても設定作業が必要となってしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザと使用可能な出力装置との物理的な位置関係を見易く表示し、特別なドライバの設定を必要とせず、簡易な操作で、実世界での出力作業を直感的に把握できるように行なうことができる出力依頼装置、出力装置および出力依頼プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、出力依頼装置であって、文書ファイルを記憶する記憶部と、ネットワークに接続され、ユーザの位置を示すユーザ位置情報とネットワークに接続された出力装置の位置を示す出力装置位置情報とを管理する位置管理サーバから、前記ユーザ位置情報と、前記出力装置位置情報と、前記出力装置を配置可能な配置領域の画像である地図情報とを受信する受信部と、前記ユーザを示すユーザシンボルと前記出力装置を示す出力装置シンボルと出力対象の前記文書ファイルを示す文書シンボルとを、受信した前記ユーザ位置情報および前記出力装置位置情報のそれぞれに対応する前記地図画像上の位置で前記表示装置に表示する表示制御部と、表示された前記地図情報において、前記出力装置シンボルと前記文書シンボルとの選択とを受付ける入力受付部と、選択された前記出力装置シンボルの前記出力装置に対する、選択された前記文書シンボルの前記文書ファイルの出力命令と、出力実行の予約の旨を示す予約情報とを前記出力装置に送信する送信部と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記入力受付部は、出力実行する時間である予約時間の入力を受け付け、前記送信部は、前記予約情報として前記予約時間を前記出力装置に送信することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記予約時間と指定された前記出力装置シンボの前記出力装置の前記出力装置識別情報とを含む予約情報を生成する予約部をさらに備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記入力受付部は、前記表示装置に表示される前記文書シンボルを前記出力装置シンボルにドラッグアンドドロップする操作を受け付けることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記表示制御部は、前記ユーザシンボルおよび前記出力装置シンボルをアイコンで表示することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、前記出力装置は、出力処理を実行する出力実行装置と、前記出力実行装置にネットワークで接続され、前記出力実行装置に対して出力処理の指令を行う出力管理装置とを備え、前記送信部は、選択された前記出力装置シンボルの前記出力装置に対する、選択された前記文書シンボルの前記文書ファイルの出力命令と、前記予約情報とを、前記出力管理装置に送信することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、出力装置であって、ネットワークに接続された出力依頼装置から、出力実行の予約の旨を示す予約情報と文書ファイルの出力命令とを受信し、受信した前記予約情報に基づいて、前記文書ファイルの出力を制御することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、出力処理を実行する出力実行装置と、前記出力実行装置にネットワークで接続され、前記出力実行装置に対して出力処理の指令を行う出力管理装置とを備え、前記出力管理装置は、出力ドライバソフトウェアを記憶するドライバ蓄積部と、前記出力依頼装置から、前記予約情報と前記文書ファイルの出力命令とを受信する第1受信部と、前記ドライバ蓄積部から前記出力実行装置に対応する出力ドライバソフトウェアを選択するドライバ選択部と、選択されたドライバソフトウェアを実行することにより、前記文書ファイルから出力データを生成する出力データ生成部と、生成された出力データを前記出力実行装置に送信する第1送信部と、前記予約情報に基づいて、前記ドライバ選択部または前記出力データ生成部若しくは前記第1送信部を制御する予約実行部とを備え、前記出力実行装置は、前記出力データを受信する第2受信部と、受信した前記出力データの出力を実行する出力実行部と、を備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、前記予約情報は、出力実行する時間である予約時間を含み、前記予約実行部は、現在時刻が前記予約時間となった場合または前記予約時間が経過した場合に、前記出力データを送信するように前記第1送信部を制御することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、前記予約情報は、出力実行する時間である予約時間を含み、前記予約実行部は、現在時刻が前記予約時間となった場合または前記予約時間が経過した場合に、前記ドライバソフトウェアを選択して前記出力データを生成するように前記ドライバ選択部を制御することを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、前記出力実行装置は、ユーザに固有のユーザ識別情報を受け付ける認証受付部を、さらに備え、前記第2送信部は、受け付けた前記ユーザ識別情報を、前記出力管理装置に送信し、前記出力管理装置は、受信した前記ユーザ識別情報に基づいてユーザの認証を行う認証部、をさらに備え、前記予約実行部は、さらに、認証が成功した場合に、前記ドライバソフトウェアを選択して前記出力データを生成するように前記ドライバ選択部を制御することを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、前記出力実行装置は、ユーザに固有のユーザ識別情報を受け付ける認証受付部と、前記ユーザ識別情報に基づいてユーザの認証を行う認証部と、をさらに備え、前記第2送信部は、認証結果を前記出力管理装置に送信し、前記出力管理装置は、前記予約実行部は、さらに、認証結果が成功である場合に、前記ドライバソフトウェアを選択して前記出力データを生成するように前記ドライバ選択部を制御することを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、ネットワークに接続され、ユーザの位置を示すユーザ位置情報とネットワークに接続された出力装置の位置を示す出力装置位置情報とを管理する位置管理サーバから、前記ユーザ位置情報と、前記出力装置位置情報と、前記出力装置を配置可能な配置領域の画像である地図情報とを受信する受信ステップと、前記ユーザを示すユーザシンボルと前記出力装置を示す出力装置シンボルと出力対象の前記文書ファイルを示す文書シンボルとを、受信した前記ユーザ位置情報および前記出力装置位置情報のそれぞれに対応する前記地図画像上の位置で前記表示装置に表示する表示制御ステップと、表示された前記地図情報において、前記出力装置シンボルと前記文書シンボルとの選択とを受付ける入力受付ステップと、選択された前記出力装置シンボルの前記出力装置に対する、選択された前記文書シンボルの前記文書ファイルの出力命令と、出力実行の予約の旨を示す予約情報とを前記出力装置に送信する送信ステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする出力依頼プログラムである。
【0021】
また、本発明は、前記入力受付ステップは、出力実行する時間である予約時間の入力を受け付けるステップと、前記送信ステップは、前記予約情報として前記予約時間を前記出力装置に送信することを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、前記予約時間と指定された前記出力装置シンボルの前記出力装置の前記出力装置識別情報とを含む予約情報を生成する予約ステップをさらにコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ネットワークに接続され、ユーザの位置を示すユーザ位置情報とネットワークに接続された出力装置の位置を示す出力装置位置情報とを管理する位置管理サーバから、前記ユーザ位置情報と、前記出力装置位置情報と、前記出力装置を配置可能な配置領域の画像である地図情報とを受信し、前記ユーザを示すユーザシンボルと前記出力装置を示す出力装置シンボルと出力対象の前記文書ファイルを示す文書シンボルとを、受信した前記ユーザ位置情報および前記出力装置位置情報のそれぞれに対応する前記地図画像上の位置で前記表示装置に表示し、表示された前記地図情報において、前記出力装置シンボルと前記文書シンボルとの選択とを受付け、選択された前記出力装置シンボルの前記出力装置に対する、選択された前記文書シンボルの前記文書ファイルの出力命令と、出力実行の予約の旨を示す予約情報とを前記出力装置に送信することで、ユーザと使用可能な出力装置の物理的な配置の地図画像を示し、特別なドライバの設定を必要とせず、実世界での出力作業を分かりやすく表示を見ながら予約出力することができる利便性の高い出力処理を実現することができるという効果を奏する。また、他のユーザに出力物を渡す場合において、予約することにより指定したユーザ以外の者が印刷物を閲覧してしまうことを防止して、印刷物のセキュリティを確保することができるという効果を奏する。
【0024】
また、本発明によれば、ユーザ識別情報に基づいてユーザの認証を行い、認証が成功した場合に、ドライバソフトウェアを選択して出力データを生成するようにドライバ選択部を制御することで、予約して出力後の受取人を認証でき、セキュリティと利便性のより高い出力処理を実現することができるという効果を奏する。
【0025】
また、本発明によれば、出力依頼装置は、ドラッグアンドドロップ操作でユーザと出力装置を選択することができるので、直感的に把握しやすく簡易な操作でユーザおよび出力を選択して出力させることができるので、利便性の高い出力処理を実現することができるという効果を奏する。
【0026】
また、本発明によれば、出力依頼装置は、ユーザおよび出力装置をアイコンで表示することによって、視覚的に把握しやすく簡易な操作でユーザおよび出力装置を選択して出力させることができるので、利便性の高い出力処理を実現することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる出力依頼装置、出力装置および出力依頼プログラムの最良な実施の形態を、実施の形態1〜4および変形例に沿って詳細に説明する。以下に示す実施の形態では、本発明にかかる出力依頼装置、出力装置および出力依頼プログラムを、出力依頼装置としてのPC(Personal Computer)から、出力装置を構成するプリンタ管理サーバ(出力管理装置)およびプリンタ(出力実行装置)により印刷する文書印刷システムを例にあげて説明する。
【0028】
(実施の形態1)
実施の形態1による文書印刷システムは、ユーザが所持するRFID(無線タグ)の検出信号によって、位置管理サーバがユーザ位置を検出し、ユーザの位置情報、および複数のプリンタの位置情報を含む地図情報を、パーソナルコンピュータ(PC)に送信してモニタ画面上に、ユーザアイコンとプリンタアイコンのレイアウトを含む地図画像を表示させる。ユーザはモニタ上の文書ファイルアイコンを印刷出力させようとするプリンタのアイコンへドラッグアンドドロップ操作し、印刷実行を通知する通知先のユーザを選択すると、PCは選択された文書ファイル、プリンタ情報、および通知先情報をプリンタ管理サーバに送信する。プリンタ管理サーバは、受信するプリンタ情報に従ってドライバを選択して文書ファイルの印刷データを生成し、通知先情報とともに選択されたプリンタに送信する。プリンタは、受信する印刷データを印刷して、印刷通知についての情報を通知先のユーザPCに送信する。PCは、印刷出力の通知情報を受信してモニタ上に印刷通知を表示する。
【0029】
このようにして、実施の形態1による文書印刷システムは、ユーザが自己又は他のユーザの現在の位置およびプリンタのレイアウトを含む地図画像をPCのモニタ上で表示し、視覚的に位置関係を確認して文書ファイルをプリンタアイコンにドラッグアンドドロップ操作して印刷させ、印刷通知をPCのモニタ上で表示させることによって、ユーザは、PCへの煩雑なプリンタ設定を必要とせず、簡易な操作でプリンタを選択して印刷出力し、通知先のユーザのPCに印刷を通知することができるので、簡易な操作により印刷出力し、その後に文書管理の煩雑さを低減し、利便性の高い文書印刷が可能となる。
【0030】
図1は、実施の形態1にかかる文書印刷システムの機能的ブロック図である。文書管理システムは、それぞれネットワーク3を介して接続するPC(パーソナルコンピュータ)10、10aおよび10b、位置管理サーバ20、プリンタ管理サーバ30、プリンタ40、40aおよび40b、並びにセンサ2、2aおよび2bを備える。また、文書印刷システムが設置されているエリヤに入るユーザは、それぞれがRFID(無線タグ)を所持する。今、ユーザが3人である場合においては、それぞれRFID1、1aおよび1bを所持する。
【0031】
ここで、PCが3台、プリンタが3台、センサが3個接続され、またRFIDが3個記載されているが、これらの個数はそれぞれ増減して構成することができる。ここではPC10、10a、および10bの要部については同一の構成として説明したので、図1では、PC10a、および10bについては内部のブロック構成の記載を省略した。
【0032】
ネットワーク3は、電話回線、無線ネットワーク、インタネットなどで構成できる。
【0033】
RFID(無線タグ)1は、1秒ごとに電波による識別信号を発信するアクティブ型の無線タグである。但し、アクティブ型の無線タグに制限するものではなく、パッシブ型パッシブ型RFIDでもよい。RFIDは、所持者の位置を検出するためのものであるので、RFIDに限定せずに、例えば携帯電話、PC、PDA、無線LANタグ、ICカードなどを利用しアクティブに電波を発するWi-Fi(無線LAN)規格、Bluetooth規格やZigBee規格で通信を行う構成とすることもできる。
【0034】
文書印刷システムが設置されたエリヤでは、各ユーザはそれぞれRFID1〜1bを所持する。センサ2〜2bは、RFID1〜1bから送信された識別信号を受信する。
【0035】
今、RFID1は、PC10を操作するユーザ1によって所持されているものとする。ここでは、RFIDを所持するのはユーザであるとして説明するが、人間であるユーザの他に、プリンタ40、PC10などの物体に対しても設置するなどして適用することができる。この場合、例えばプリンタ40やPC10が携帯型の装置である場合、携帯して移動した時でも、移動する位置情報が取得されて、PCのモニタ上で時々刻々装置が移動する様子が表示される。ただし、ここでは説明を簡略化するために、PCおよびプリンタは固定的に設置されているものとする。また、RFIDは位置を検出する無線タグであるので、以下、適宜簡略にタグと称する場合もある。
【0036】
センサ2、2aおよび2bは、このシステムが適用されているエリヤ内に設置されて、RFID1、1aおよび1bから識別信号を受信する。センサ2、2aおよび2bは、受信する識別信号を、ネットワーク3を経由して、位置管理サーバ20を示すアドレスおよびポートに送信する。
【0037】
位置管理サーバ20は、タグ位置情報生成部21、プリンタ情報取得部22、位置管理データベース23、および送受信部24を有する。送受信部24は、センサ2〜2bから送信されるRFIDの識別信号を受信する。タグ位置情報生成部21は、受信された識別信号に基づいてRFIDの位置情報を生成する。位置管理データベース23は、後述するように、プリンタ、センサ、RFID、地図、利用者に関する情報を格納、位置管理データベース23はHDD(ハードディスクドライブ装置)やメモリ等の記憶媒体に保存されている。送受信部24は、生成したRFIDの位置情報、位置管理データベース23から取得するプリンタ40、40aおよび40bの位置情報、地図情報をPC10、10aおよび10bに送信する。ここで、地図情報の中にプリンタの位置情報およびエリヤに設置されているPCの位置情報を含めることができる。
【0038】
以下、複数あるRFIDをRFID1で、センサをセンサ2で、PCをPC10で、プリンタをプリンタ40で代表して表現する場合がある。複数あるRFID、センサ、PC、およびプリンタの要部はそれぞれ同一の構成として説明する。
【0039】
タグ位置情報生成部21は、RFID1を検出するセンサ2のセンサIDと、センサ2が設置された位置情報とを対応付ける。このセンサIDは、センサIDとセンサのアドレスの対応関係から特定できる。検出信号を送信する送信元のセンサ2のアドレスは、上記情報を送る際に用いられたパケットのヘッダに含まれる送信元アドレスによって特定できる。
【0040】
タグ位置情報生成部21は、センサ2が検知した識別信号によって、RFIDの位置情報を取得する。今、RFIDは、PCを操作する操作者によって所持されているので、タグ位置情報生成部21は、ユーザの位置情報を生成することになる。
【0041】
図2は、位置管理データベース23の機能的ブロック図である。位置管理データベース23は、センサ位置管理テーブル23a、タグ信号管理テーブル23b、タグID情報管理テーブル23c、プリンタ情報管理テーブル23d、プリンタ能力管理テーブル23g、地図情報管理テーブル23e、およびユーザ情報管理テーブル23fを有する。
【0042】
センサ位置管理テーブル23aは、センサID、センサ位置情報、センサアドレス、およびセンサの設置された階を対応付けて保持している。センサのアドレスは、ここではセンサを特定するIPアドレスである。センサIDとセンサのアドレスを対応付けて、センサ位置を特定できる。
【0043】
図3は、タグ信号管理テーブル23bの構造を示した図である。図に示すように、タグ信号管理テーブル23bは、タグID、センサID、および検出時間を対応付けて保持している。これによって、タグ、タグを検出したセンサ、および検出時間を対応付けることができる。図3のデータからは、RFID1は、今、センサ1の近辺にあることが読み取れる。
【0044】
図4は、タグID位置管理テーブル23cの構造を示した図である。図に示すように、タグID位置管理テーブル23cは、タグID、階、位置情報、および検出時間を対応付けて保持している。このタグID位置管理テーブル23cが保持する各レコードは、センサ位置管理テーブル23a、およびタグ信号管理テーブル23bが保持するレコードに基づいて生成されるものである。このタグID位置管理テーブル23cによってタグが検出された位置情報と時間情報が得られる。
【0045】
送受信部24は、センサ2〜2bからのタグ検出信号を受信する際に、パケットのヘッダを参照することでセンサのIPアドレスを特定できる。このタグID、検出信号、およびセンサのIPアドレスは、センサ2〜2bから送信するように定められた情報である。送受信部24は、これら受信した情報に検出時間を対応付けた情報で、タグ位置情報生成部21に対して、位置管理データベース23を更新するよう依頼する。検出時間とは、センサ2〜2bがRFID1〜1bを検出した時間、つまりセンサ2〜2bからRFIDからの識別信号を受信した時の現在時間とする。
【0046】
タグ位置情報生成部21は、センサ位置管理テーブル23aを参照して送受信部24から入力されたセンサのIPアドレスによってセンサIDを特定し、この特定されたセンサID、入力されたタグID、および検出時間を対応付けて、タグ信号管理テーブル23bのタグID、およびセンサIDが一致するレコードに対して更新を行う。これにより、タグ信号管理テーブル23bでは、タグIDについて最新の情報が保持される。
【0047】
タグ位置情報生成部21は、予め定められた期間毎に、タグ信号管理テーブル23bが保持しているタグIDに対応付けられたセンサID、検出時間、センサIDと対応付けられた階、および位置情報を取得し、取得した情報に基づいてタグIDと対応付けられた位置情報を算出し、RFID1〜1bの位置情報を取得する。
【0048】
位置管理データベース23は、またプリンタ40、40a、および40bそれぞれのアイコン画像情報、固有の識別情報であるプリンタID、実際の配置位置を示す実位置情報、IPアドレスやSIPアドレス、機種、その他の表示方法等の関連画像情報を対応付けて登録したプリンタ装置情報を格納する。
【0049】
図5−1は、プリンタ情報管理テーブル23dの一例を示すデータ構造図である。図に示すように、プリンタ情報管理テーブル23dは、このシステム内に配置されたプリンタのプリンタID、設置された階、場所名、位置座標、アドレス、プリンタ機種、シンボルとしてのアイコンのファイル名およびプリンタ能力IDを対応づけて登録している。プリンタ情報管理テーブル23dに登録されているプリンタ装置の情報は、予め入力された情報を蓄積する構成、あるいは、ネットワーク3で接続されたサービスによってダウンロードする構成とすることができる。プリンタ能力IDは、プリンタIDのプリンタが有する印刷機能を識別するためのIDである。このプリンタ能力IDに対応する印刷機能は、プリンタ能力管理テーブル23gに登録されている。
【0050】
図5−2は、プリンタ能力管理テーブル23gの一例を示すデータ構造図である。プリンタ能力管理テーブル23gは、図5−2に示すように、プリンタ能力IDに、印刷機能として、印刷可能な原稿サイズ、カラー印刷可能か白黒印刷のみかを示すカラー/白黒、印刷可能なページレイアウト、両面印刷の種別、ステープル可能かパンチ可能かいずれも不可能か(「−」)を示すフィニッシャが対応付けられている。
【0051】
なお、本実施の形態では、このように、プリンタの印刷機能である能力情報を、プリンタ能力IDごとに分類したプリンタ能力管理テーブル23gを設け、プリンタ情報管理テーブル23dでプリンタIDにプリンタ能力IDを対応付けて、プリンタごとの能力情報を定めているが、これに限定されるものではない。例えば、プリンタ情報管理テーブル23dにおいて、プリンタIDに直接、原稿サイズ、カラー/白黒、ページレイアウト、両面印刷、フィニッシャなどの能力情報を対応付けて、プリンタごとの能力情報を定めるように構成してもよい。
【0052】
図6は、地図情報管理テーブル23eの一例を示すデータ構造図である。図に示すように、地図情報管理テーブル23eは、マップID、マップが示す階、表示する範囲を示すX座標とY座標、およびに地図画像のファイル名を対応付けて登録している。
【0053】
図7は、ユーザ情報管理テーブル23fの一例を示すデータ構成図である。図に示すように、ユーザ情報管理テーブル23fは、ユーザの所持するタグID、通知を送信する場合の送信先、電話番号、氏名、ユーザを示すアイコンのファイル名、ユーザの操作するPCのアドレス、およびユーザが所持するICカードを対応付けて登録している。ICカードは後述するように、印刷物を取得する場合の認証に使用する。ユーザPCアドレスはユーザが操作するPCのアドレスである。
【0054】
タグ位置情報取得部21は、ユーザ情報管理テーブル23fを参照して、タグの位置情報、検出時間情報、およびRFIDの所有者を示すアイコンのファイル名を、位置管理データベース23から取得する。
【0055】
また、プリンタ情報取得部22は、プリンタ40、40aおよび40bのプリンタID、設置された階、場所名、位置座標、アドレス、プリンタ機種、およびアイコンのファイル名を、プリンタ情報管理テーブル23dを参照して、位置管理データベース23から取得する。
【0056】
また、プリンタ情報取得部22は、プリンタおよびユーザがアイコンで表示されるべき地図情報を、検出されたRFIDの位置、およびプリンタIDに基づいて、地図情報管理テーブル23eを参照して取得する。これらの情報は、RFIDの位置情報に基づいて、対応するものを取得する。
【0057】
送受信部24は、取得されたRFIDの位置情報、RFIDの所有者であるユーザのID、ユーザを示すアイコン、プリンタ情報(図5−1のプリンタ情報管理テーブル23dに登録された情報)、プリンタ能力IDに対応するプリンタ能力情報(図5−2のプリンタ能力管理テーブル23gに登録された情報)、プリンタを示すアイコンおよび地図画像を、PC10に送信する。
【0058】
PC10は、モニタ11、入力デバイス12、表示制御部13、入力受付部14、検索部15、データ蓄積部16、通知先設定部17、および送受信部18を有する。今、ユーザ1は、PC10を操作して自己のPC10に格納されている文書ファイルの印刷物を、別の階にいるユーザ1bに渡すため、ユーザ1bの近くにあるプリンタで出力し、合わせて、印刷出力を通知する場合について説明する。
【0059】
モニタ11は、文字や画像を表示するディスプレイ装置である。
【0060】
表示制御部13は、位置管理サーバ20から送信されるRFID1〜1bの位置およびアイコン、プリンタ40〜40bの位置およびアイコン、プリンタの能力情報および地図画像を受信し、モニタ11の画面上にユーザとプリンタの配置をシンボルとしてのアイコンで表示させる。モニタ11の画面上での表示は、ブラウザあるいは専用ソフトを使用する。
【0061】
また、表示制御部13は、データ蓄積部16が蓄積している文書データのアイコン等を、モニタ11の画面に表示させる。また、表示制御部13は、ユーザの名称やプリンタの実位置情報である配置位置を文字で示したテキスト情報として、例えば、「○○一郎」、「8F入口横」等のテキスト情報をモニタ11の表示画面に表示させる。
【0062】
ここで、アイコンとは、モニタ11の表示画面上に、各種のデータや処理機能を絵又は絵文字として表示したものをいう。また、本実施の形態では、プリンタやユーザを示すものとして、モニタ11の表示画面上にプリンタのアイコン、ユーザのアイコンを表示しているが、これに限定されるものでなく、アイコンと、各種のデータや処理機能を記号や文字列等によって表示したものとを含むシンボルを表示してもよい。
【0063】
入力デバイス12は、マウス、トラックボールやトラックパッドなどのポインティングデバイスやキーボード等であり、利用者がドラッグアンドドロップによる操作や、モニタ11に表示された画面に対する操作を行うものである。ここで、ドラッグアンドドロップとは、マウス等の操作法で、ドラッグとドロップを連続的に行う操作である。また、マウス等のボタンを押したままポインタを移動させることを「ドラッグ」、そしてドラッグの移動先でマウス等のボタンを離す操作を「ドロップ」という。
【0064】
入力受付部14は、入力デバイス12から操作されたドラッグアンドドロップを受け付ける。また、入力受付部14は、入力デバイス12から他の入力も受け付ける。
【0065】
図8−1は、モニタ11の表示画面に表示された人、PC、およびプリンタのレイアウトを含む地図画像の一例を示す図である。図に示すように、位置管理サーバ20から送信されてくる情報に従って、モニタ11の表示画面には、事務所のレイアウト図960が表示される。モニタ上に表示される事務所のレイアウト図960は、プリンタ40a、40bのアイコン910、920およびテキスト情報911、921、また、文書ファイルのアイコン930およびテキスト情報931、また、人のアイコン940、950およびそのテキスト情報941および951が相対的な位置で配置される。この階は3階であるとする。またモニタ11には、入力デバイス12によって操作を行うポインタ970が矢印の形態で表示されている。
【0066】
図中、○○二郎はユーザ2であってRFID1aを所持して3階でPC10aを操作しているものとする。また、○○三郎はユーザ1bであってRFID1bを所持して3階でPC10bを操作している。また、不図示の○○一郎はユーザ1であってRFID1を所持して、1階からPC10を操作している。
【0067】
このレイアウト図960上で、マウスのポインタ970をプリンタ40a、40bのアイコン910の上に移動して指示すると、入力受付部14は、アイコン910の指示入力を受け付ける。そして、表示制御部13は、指示されたアイコン910のプリンタ40a、40bに対応する能力情報を、受信した能力情報(印刷機能)から抽出して、抽出した能力情報をレイアウト図960に重畳させて表示する。これにより、ユーザは、プリンタ40a、40bの印刷機能を把握した上で、適切なプリンタを選択して文書ファイルを印刷することが可能となる。
【0068】
図8−2は、プリンタの能力情報が表示されたレイアウト図の一例を示す模式図である。図8−2に示すように、マウスのポインタ970がプリンタ40のアイコン920上で指示された場合には、プリンタ40の能力情報が、レイアウト図960に重畳表示され、マウスのポインタ970がプリンタ40aのアイコン920上で指示された場合には、プリンタ40の能力情報が、レイアウト図960に重畳表示される。
【0069】
ここでユーザ1は、他のユーザであるユーザ1bの近傍に設置されているプリンタ40bに、ユーザ1のPC10に格納されている文書ファイルを印刷して引き渡し、しかも、印刷の通知しようとする。ユーザ1は、印刷結果を渡したいユーザ1bの名前を入力デバイス12から入力する。
【0070】
入力受付部14は、入力デバイス12からユーザ1bの名前が入力されると受け付ける。データ蓄積部16は、図7に示したと同様のユーザ情報管理テーブルを有している。ここでユーザ情報管理テーブルは、ユーザの所持するタグID、通知を送信する場合の送信先、電話番号、氏名、ユーザを示すアイコンのファイル名、ユーザの操作するPCのアドレス、およびユーザが所持するICカードを対応付けて登録している。
【0071】
検索部15は、入力されたユーザ名によって、このユーザ情報管理テーブルを参照し、該名前に対応するユーザ1bが所持するRFID1bのIDを取得する。送受信部18は、先ず、ユーザ1bのRFID1bの識別情報を、位置管理サーバ20に送信する。
【0072】
位置管理サーバ20では、タグ位置情報生成部21が、受信するRFID1bの識別情報に基づいて、RFID1bの位置情報を取得する。プリンタ情報取得部22が、取得したRFID1bの位置情報に基づいて、近傍の位置にあるプリンタ40bを選択する。そして、送受信部24は、このRFID1bの位置情報、そのアイコンのファイル名、プリンタ40bの位置情報、そのアイコンのファイル名、および3階の地図画像を、PC10に返信する。
【0073】
PC10は、受信するこれらの情報に基づいて、表示制御部13が、モニタ11の画面上に、ユーザ1bが今いる3階の地図を表示し、その地図上でRFID1bが検出された位置にそのアイコン950、および近傍のプリンタ40bの位置にプリンタ40bのアイコン910を、図8に示すように表示する。
【0074】
但しここで、ユーザ1は、入力デバイス12からユーザ1bの名前である「○○三郎」を入力すると、この情報が、送受信部18から位置管理サーバ20に送信され、位置管理サーバ20が、位置管理データベース23を参照し、タグ位置情報生成部21がユーザ1bの位置情報を生成し、プリンタ情報取得部22が対応するプリンタアイコンおよび地図情報を、PCに送信してくる構成とすることもできる。
【0075】
ユーザ1は、自己のPC10に格納されている文書ファイル930を、ユーザ1bの近傍位置にあるプリンタアイコン910にドラッグアンドドロップ操作を行う。このプリンタアイコンは、プリンタ40bのものである。入力受付部14は、受け付けたドラッグアンドドロップ操作入力によって、ドロップされたプリンタIDを取得し、印刷命令を受け付ける。また、入力受付部14は、ユーザ1から印刷を実行する時間である予約時間の入力を受け付ける。
【0076】
通知先設定部17は、ドロップされたプリンタ40bによる印刷を、選択された他のユーザ1bのPC10bおよび本人であるユーザ1のPC10に通知するための通知先情報を生成する。通知先情報には、検索されたPC10b、および印刷命令の送信元のPC10のアドレスを含める。なお、他のユーザ1bのメールアドレスを通知先情報に含めてもよい。さらに、この印刷を通知しようとするPC全てのアドレスを含めることができる。こうして、通知先設定部17は、プリンタによる印刷状態を通知する通知先を設定することができる。通知する印刷状態とは、例えば印刷予約や終了である。
【0077】
送受信部18は、ドロップにより指定されたプリンタ40bのID、ドラッグにより指定された文書ファイル、および通知先設定部17によって生成された通知先情報を、プリンタ管理サーバ30のアドレスに送信する。また、送受信部18は、ユーザ1から指定された予約時間もプリンタ管理サーバ30のアドレスに送信する。また、送受信部18は、通知先情報の通知先である(相手の)ユーザ1bのPC10bのアドレス(またはユーザ1bのアドレス)に対して印刷開始前通知メッセージを送信する。
【0078】
プリンタ管理サーバ30は、プリンタ情報蓄積部31、ドライバ選択部32、印刷データ生成部33、予約実行部35および送受信部34を有する。
【0079】
送受信部34は、PCから送信されるプリンタID情報、文書ファイル、および通知先情報を受信する。また、送受信部34は、通知先情報の通知先である(相手の)ユーザ1bのPC10bのアドレス(またはユーザ1bのアドレス)に対して印刷開始前通知メッセージを送信する
【0080】
プリンタ情報蓄積部31は、ネットワーク3で接続するプリンタそれぞれに対応したプリンタドライバソフトウェアを、プリンタIDと対応付けて格納している。
【0081】
ドライバ選択部32は、送受信部34が受信するプリンタIDに基づいて、プリンタ情報蓄積部31からプリンタドライバソフトウェアを選択する。ここでドライバ選択部32は、PCによってドロップの対象となったプリンタ40bに対応するドライバソフトウェアを選択するのであるが、受信する文書ファイル930の拡張子やプロパティを判別することによって好適なドライバソフトウェアを選択する構成とすることができる。
【0082】
印刷データ生成部33は、ドライバ選択部32によって選択されたプリンタドライバソフトウェアを実行して得られる処理部であり、受信した文書ファイルを、指定されたプリンタ40bで印刷する印刷データに変換する。
【0083】
送受信部34は、受け付けた印刷命令、変換された印刷データ、および通知先情報を、指定されたプリンタ40bのアドレスに送信する。
【0084】
予約実行部35は、PC10において設定された予約時間を受信して、現在時刻が予約時間であるか否かを判断して、予約時間になった場合または予約時間を経過している場合には、印刷データ生成部33で生成された印刷データおよび通知先情報の、指定されたプリンタ40bへの送信処理を開始するように送受信部34を制御するものである。
【0085】
なお、本実施の形態では、予約時間になった場合または予約時間を経過している場合に、送受信部34を制御して印刷データおよび通知先情報の送信を開始するように構成しているが、これに限定されるものではない。例えば、予約時間になった場合または予約時間を経過している場合に、印刷データ生成部33を制御して印刷データ生成処理を開始するように予約実行部35を構成したり、ドライバ選択部32を制御してドライバ選択処理を開始するように予約実行部35を構成してもよい。
【0086】
プリンタ40は、画像出力部41,通知情報生成部42、および送受信部43を有する。送受信部43は、プリンタ管理サーバ30から送信される印刷命令、印刷データ、および通知先情報を受信する。また、送受信部43は、印刷要求を行った本人であるユーザ1のPC10のアドレス(またはユーザ1のアドレス)、および通知先情報の通知先である(相手の)ユーザ1bのPC10bのアドレス(またはユーザ1bのアドレス)に対して印刷状態通知メッセージを送信する。
【0087】
画像出力部41は、受信する印刷命令によって印刷データを記録用紙等に印刷する。通知情報生成部42は、PCに対して印刷の実行を通知する通知情報を生成する。送受信部43は、受信する通知先情報に従って、通知情報を送信する。
【0088】
ここでは、通知先として文書ファイル930の印刷を命令するPC10、およびユーザ1bが使用するPC10bが指定されている。通知情報としては、印刷予定、印刷終了、および印刷中などのステータス情報を含めることができる。ここでは、印刷終了を通知する例を説明する。通知情報生成部42は、画像出力部41が印刷終了した場合、印刷終了通知情報を生成する。
【0089】
PC10に対する通知情報は、文書ファイルがPC10bから出力終了し、受取人はユーザ1bであることを内容とする。PC10bに対する通知情報は、文書ファイルがPC10bから出力終了し、印刷命令者はユーザ1であり、受取人はユーザ1bであることを内容とする。送受信部43は、これらの印刷終了通知をそれぞれユーザ1のPC10およびユーザ1bのPC10bに送信する。
【0090】
ここで出力実行装置としてプリンタを適用しているが、これに限定されるものではなく、印刷機能を備えた複合機等にも適用できる。
【0091】
図9は、実施の形態1による文書印刷手順を説明するフローチャートである。センサ2は、ユーザが所持するRFID(無線タグ)を検出し、検出信号を位置管理サーバ20に送信する。
【0092】
位置管理サーバ20では、タグ位置情報生成部21が、センサ2〜2bから送信されるタグの信号に従ってタグ位置情報を時々刻々、生成する。プリンタ情報取得部22は、位置管理データベースから、複数のプリンタ情報および設置場所のレイアウトを含む地図画像を取得する。そして、タグ位置情報、プリンタ情報、それらのアイコンおよびプリンタのレイアウトを含む地図画像をPC10に送信する(ステップS101)。
【0093】
PC10は、検出されるRFIDに対応するユーザの位置情報、複数プリンタの位置情報、および地図画像などを受信して、モニタ11の画面上に現在のユーザの位置に対応させてユーザアイコン、およびプリンタアイコンのレイアウトを含む地図画像を表示させる(ステップS102)。ここで、PC10は、ユーザ1の操作するPCとしているので、最初、ユーザ1の所持するRFID1の検出位置を基準に、位置管理サーバ20は画像情報等を送信してくる。
【0094】
ここで、入力受付部14は印刷終了後の終了通知情報の通知先を受け付ける(ステップS103)。ユーザ1は、入力デバイス12から引き渡し先のユーザ1bの名前を入力すると、入力受付部14は、その入力を受け付ける(ステップS103のYes)。検索部15は、データ蓄積部16中のユーザ情報管理テーブルを参照し、ユーザ1bの所持するRFID1bのID情報を取得し、位置管理サーバ20に送信する(ステップS104)。
【0095】
位置管理サーバ20は、受信するRFID1bのIDに基づいて、RFID1bの位置情報と、近傍の位置にあるプリンタ40bを特定する。そして、ユーザ1bの位置情報およびアイコン、プリンタ40bの位置情報およびアイコン、並びに地図画像Map3を、PC10に送信する(ステップS105)。
【0096】
PC10は、受信するこれらの情報に基づいて、モニタ11の画面上に、受け取り先ユーザ1bのアイコン、近傍のプリンタ40bのアイコンを、図8−1に示すように地図画像Map3上に配置する形で表示する(ステップS106)。
【0097】
ユーザはここで、文書ファイルをプリンタ40bで印刷させるために、文書ファイルアイコン930をプリンタ40bのアイコン910にドラッグアンドドロップ操作を行う。入力受付部14は、このドラッグアンドドロップ操作を受け付けたか否かを検出する(ステップS107)。また、ユーザは、印刷を希望する時間を予約時間として入力し、入力受付部14か入力された予約時間を受け付ける。ドラッグアンドドロップが受け付けたことを検出した場合(ステップS107のYes)、PC10の送受信部18は、文書ファイル、送信元のPC10のID、通知情報の送信先PC10bのアドレス、選択されたプリンタ40bのID、および予約時間をプリンタ管理サーバ30に送信する(ステップS108)。そして、送受信部18は、通知先情報の通知先である(相手の)ユーザ1bのPC10b(またはユーザ1bのアドレス)に対して印刷開始前通知メッセージを送信する(ステップS121)。そして、送受信部18は、モニタ11の画面上で表示するステータス情報を受信したか否かを判定する(ステップS109)。
【0098】
プリンタ管理サーバ30は、PC10から送信されるプリンタ40bのID情報、通知先情報、文書ファイルを受信すると、送受信部34は、通知先情報の通知先である(相手の)ユーザ1bのPC10b(またはユーザ1bのアドレス)に対して印刷開始前通知メッセージを送信する(ステップS131)。なお、かかる印刷開始前通知メッセージの送信処理は、ステップS121でPC10で行っているので、プリンタ管理サーバ30では行わない構成としてもよい。
【0099】
そして、ドライバ選択部32はプリンタ情報蓄積部31に蓄積されたドライバの中から対応するドライバを選択する(ステップS110)。印刷データ生成部33は、選択したドライバによって文書ファイルから印刷データを生成する(ステップS111)。そして、予約実行部35により現在時刻が予約時間であるか、あるいは予約時間を経過しているかを判断し(ステップS132)、まだ予約時間になっていない場合には(ステップS132:No)、待ち状態となる。一方、現在時刻が予約時間となった場合には(ステップS132:Yes)、終了通知先であるPC10およびPC10bのID情報とともに、プリンタ40bに送信する(ステップS112)。
【0100】
プリンタ40bは、画像出力部41が、受信する印刷データにより印刷出力を行い、送受信部43は、その印刷状態通知メッセージ(例えば、印刷中である、印刷エラーが発生した場合には印刷エラー等)を印刷要求を行った本人であるユーザ1のPC10のアドレス(または当該ユーザ1のアドレス)と通知先情報の通知先である(相手の)ユーザ1bのPC10bのアドレス(またはユーザ1bのアドレス)に送信する(ステップS113)。なお、印刷状態をプリンタ管理サーバ30に送信して、印刷状態通知メッセージをプリンタ管理サーバ30から送信するように構成してもよい。
【0101】
そして、通知情報生成部42は、印刷出力が終了したか否かを判定し(ステップS114)、終了した場合(ステップS114のYes)、印刷出力が終了した通知情報を、PC10宛て、およびPC10b宛てにそれぞれ生成する。そして、送受信部43は、それぞれの通知情報を、PC10宛て、およびPC10b宛てにそれぞれ送信する(ステップS115)。
【0102】
PC10は、送受信部18がプリンタ40bから送信される終了通知情報を受信したか否かを判定しており(ステップS109)、受信したと判定した場合(ステップS109のYes)、表示制御部13はモニタ11の画面上で印刷が終了したことを表示する(ステップS116)。
【0103】
同様に、通知先に指定されているPC10bも、送受信部(不図示)がプリンタ40bから送信される終了通知情報を受信したか否かを判定しており(ステップS117)、受信したと判定した場合(ステップS117のYes)、表示制御部13はモニタ11の画面上で印刷が終了したことを表示する(ステップS118)。
【0104】
このようにして、実施の形態1による文書印刷システムは、ユーザ1が他のユーザ1bの現在の位置およびプリンタの位置をPCのモニタ上で直感的に把握し、ドラッグアンドドロップ操作によって文書ファイルを、他のユーザの好適なプリンタ、例えば近傍のプリンタ40bを選択して印刷させ、印刷終了後に他のユーザ1bのPC10bのモニタ上で終了通知を表示することによって、ユーザは、PCへの煩雑なプリンタ設定の必要なく、簡易な操作によって、プリンタを選択して印刷出力し、終了後は受け取るユーザに通知することができるので、簡易な操作によって出力後の文書管理の煩雑さを低減し、利便性の高い文書印刷が可能となる。
【0105】
実施の形態1による文書印刷システムでは、印刷物を出力する時間を予約時間として指定して印刷実行することができるので、他のユーザに印刷物を渡す場合において、指定したユーザ以外の者が印刷物を閲覧してしまうことを防止して、印刷物のセキュリティを確保することができる。
【0106】
ここで、印刷を実行させる装置を、PCとして記載したが、実際には、印刷処理を命令する装置であればどのような装置でも適用可能である。
【0107】
例えば、携帯電話の表示画面でプリンタおよび通知先を表示し、ファイル添付されたメールを、プリンタ管理サーバ30に送信することによって、実施の形態1で説明したと同様の印刷を行うことができる。
【0108】
また、PDA(Personal Digital Assistant)の表示画面でプリンタおよび通知先を表示し、ファイルを無線LANを介してプリンタ管理サーバ30に送信することによって、実施の形態1で説明したと同様の印刷を行うことができる。
【0109】
また、ここで、通知情報としては、終了通知を知らせる終了通知情報を、終了後に通知する構成としたが、印刷中、オンライン中、それ以外にもプリンタの状態を表示する情報、例えば、紙切れ、インク切れ、設定された用紙の種類などのステータス情報を通知する構成とすることができる。
【0110】
また、ここで、印刷出力の受け渡し先を、PC10を操作するユーザ1自分自身と設定すると、他人ではなく、自分で印刷出力してそのままユーザ1が自分で受け取ることができる。
【0111】
なお、実施の形態1においては、無線タグを適用する位置識別方式で構成したが、無線タグでなくても、例えば、画像形成装置と同様にデスクトップPCの場所が登録されており、IPアドレスまたはMACアドレスを固有IDとして通信を行う有線LANを適用する構成とすることもできる。ここで、利用者は自分の利用しているPCの位置がわかるので、近傍位置にあるプリンタが判明するからである。
【0112】
(実施の形態2)
図10は、実施の形態2による文書印刷システムの機能的ブロック図である。PC110は、予約部111を、さらに備える。プリンタ管理サーバ130は、予約実行部131を、さらに備える。
【0113】
実施の形態2による文書印刷システムが実施の形態1と異なる点は、PCにおいて、予約部111が、印刷終了の通知先のユーザが選択された場合、予約して印刷実行を命令する予約情報を生成する。
【0114】
プリンタ管理サーバ130において、予約実行部131は、この予約情報を受信し、受信する予約情報に基づいて、指定されたプリンタによって印刷データを生成して、指定されたPCへ送信させる。また、予約実行部131は、予約情報を受信した場合、印刷命令の予約元であるPCと、印刷終了の通知先ユーザのPCとに対して、印刷命令の予約通知である予約通知情報を送信する。
【0115】
この構成によって、印刷物を出力する時間・プリンタ、通知先などを予約して印刷実行することができるので、時間と場所とを指定して、その時間、その場所におけるプリンタから印刷物を出力させることができる。また、印刷命令元と、受け取り先のPCに予約がなされた通知を行うので、文書印刷後の管理の煩雑さを低減することができる。
【0116】
ユーザは、例えば翌日の朝、他の支店で会議が始まる前に、LANに接続されたプリンタから印刷物を出力して時間通りに受け取りたい場合がある。このような場合について説明する。
【0117】
今、図7は、ユーザ1が、入力デバイス12から他の支店を入力し、検索部15が検索し、位置管理サーバ20から該当する他の支店の階の人、プリンタ、および地図情報を含む配置情報を送信させて、モニタ11に表示させたものとする。図7に示された他の支店において、ユーザ1が出向いた場合、ドアを開いて最も近くのプリンタ40bで出力させるために、アイコン910に対して文書ファイル930をドラッグアンドドロップ操作する。ここで、入力デバイス12では、予約モードによる入力が可能で、いま予約モードが設定されたとしておく。操作者は、予約モードにおける入力として、印刷時間である翌日7時50分という情報、および通知先PC情報を入力する。入力受付部14は、この予約入力を受け付ける。
【0118】
予約部111は、上記の予約入力、およびアイコンのドラッグアンドドロップ操作による文書ファイルとプリンタ情報に従って、印刷実行を命令する予約情報を生成する。送受信部18は、この生成された予約情報と文書ファイルを、プリンタ管理サーバ130に送信する。
【0119】
プリンタ管理サーバ130は、予約実行部131が、受信する予約情報を読み出し、通知先に対して、印刷実行が予約されたことを示す情報である予約受け付け情報を生成し、送受信部34によって、それぞれPC10およびPC10bに送信する。
【0120】
予約実行部131は、受信する予約情報に従って、予約されている翌朝7時50分になると、ドライバ選択部32がドライバを選択し、印刷データ生成部33が選択されたプリンタのドライバで印刷データを生成する。そして、送受信部34は、印刷データおよび通知情報を指定されたプリンタに送信する。そして、プリンタ40bは、実施の形態1の場合と同様に、印刷出力を行い、予約情報に含まれる通知先に印刷終了通知情報を送信する。
【0121】
図11は実施の形態2による文書印刷手順を説明するフローチャートである。実施の形態1とステップS107までは同様であるので説明を省略し、それより後について主に説明する。ファイル、プリンタがドラッグアンドドロップ操作を施されると(ステップS107のYes)、入力受付部14は予約情報を受け付けたか否かを検出し(ステップS201)、受け付けたことを検出した場合(ステップS201のYes)、予約部111は、予約情報を生成し、送受信部18は文書ファイルおよび予約情報をプリンタ管理サーバ130に送信する(ステップS202)。
【0122】
プリンタ管理サーバ130においては、予約実行部131は、予約情報、文書ファイルを受信した場合(ステップS203のYes)、予約情報を読み出し、設定されている送信先に予約を受け付けた情報を生成し、送信させる。即ちここでは、送信元のPC10のアドレス(またはユーザ1のアドレス)および印刷受け取りユーザ1bの操作するPC10bのアドレス(またはユーザ1bのアドレス)に対して送信する(ステップS204)。
【0123】
予約受け付け情報を受信するPC10は、予約受付情報を受信した場合(ステップS205のYes)、モニタ11の画面上で予約情報を表示する(ステップS206)。これ以降は、印刷終了通知情報を受信するか否かを判定するステップS109以降と、同様であるので説明を省略する。
【0124】
また、予約受け付け情報を受信するPC10bは、予約情報を受信した場合(ステップS207のYes)、モニタの画面上で予約情報を表示し(ステップS208)、それ以降は、終了通知情報を受信するか否かを判定するステップS117以降と同様であるので説明を省略する。
【0125】
プリンタ管理サーバ130の予約実行部131は、さらに、読み出した予約情報から、予約された条件が満たされたか否かを判定し(ステップS209)、例えば印刷実行の時間が予約項目であった場合は、時間になったと判定すれば、予約条件が満たされたと判定し(ステップS209のYes)、ドライバを選択し(ステップS110)、印刷データを生成する(ステップS111)。このステップS110以降は実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
【0126】
プリンタ40bにおいては、プリンタ管理サーバ130から印刷データなどが送信された(ステップS112)場合、受信し、印刷出力を開始する(ステップS113)。このステップS113以降は、実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
【0127】
このようにして、印刷物を出力する時間・プリンタ、印刷予約の通知先などを予約して、プリンタに印刷実行させることによって、将来においてユーザが受け取りたい時間に受け取りたい場所のプリンタから、印刷物を出力させて受け取ることができるので、利便性の高い文書印刷方式となる。また、他のユーザに印刷物を渡す場合において、指定したユーザ以外の者が印刷物を閲覧してしまうことを防止して、印刷物のセキュリティを確保することができる。さらに予約がなされたことを通知先を設定して通知させることができるので、文書印刷後の管理の煩雑さを低減することができる。
【0128】
ここで、ユーザ1のPC10bからユーザ1以外の他のユーザが指定された場合は、予約部111は、予約通知がユーザ1以外の他のユーザに対して送信されることを、モニタ11の画面上で表示する構成とすることができる。これによって、一般的にユーザ1と異なる場所にいる他のユーザへ印刷物を渡す際に、出力するプリンタの選択を間違わないようにすることができる。
【0129】
また、予約通知の送信先については、モニタ上で必ず設定を要求する表示が表れる構成とすることができる。これによって、印刷出力についての通知先を確認できので、出力先を確認してセキュリティ管理を高めることができる。
【0130】
なお、予約情報としては、時間による印刷予約以外にも、例えば、予約先のプリンタの電源が投入されたことをプリンタ管理サーバが検出し、電源投入によって印刷実行を開始する構成とすることもできる。
【0131】
(実施の形態3)
実施の形態3による文書印刷システムが実施の形態2と異なる点は、PCにおいて予約情報が受け付けられた場合、プリンタからの印刷出力を受け取る際には、プリンタにおいて受け取ろうとするユーザからの認証情報を受け付け、受け付けた認証情報をプリンタ管理サーバが照合して照合が成功した場合のみ、予約されたプリンタから印刷出力させることである。
【0132】
これによって、受取人を指定して予約した場合、受取人の認証情報を照合して正しい場合のみ印刷出力するので、指定した受取人以外は印刷出力することができないので、情報のセキュリティを高め、印刷出力後の文書管理の煩雑さを低減することができる。
【0133】
図12は、実施の形態3による文書印刷システムの機能的ブロック図である。プリンタ管理サーバ230は、認証部231を、さらに備える。プリンタ240は、認証受付部241をさらに備える。
【0134】
プリンタ240の有する認証受付部241は、ユーザの所持するICカードの認証情報を読み取って、プリンタ管理サーバ230に送信させる。プリンタ管理サーバ230の有する認証部231は、ユーザの認証情報を取得し、プリンタから受信する認証情報を照合する。照合が成功した場合、予約実行部131が他の予約条件が満たされたと判定した場合には、予約を実行して、すでに受信している文書ファイルから印刷データを生成する。
【0135】
ユーザ1は、例えば翌日の朝、他の支店で会議が始まる前に、LANに接続されたプリンタから、確実にこのユーザ1だけが印刷物を出力して受け取りたい場合がある。このような場合について説明する。予約して印刷する点については実施の形態2の説明と同じであるので、それと異なる認証の部分を主に説明する。
【0136】
ユーザ1はPC110において印刷予約を行う場合に、受け取りユーザとして自身であるユーザ1を指定しておく。予約部111は、指定された受取人情報を含めて予約情報を生成し、この予約情報はプリンタ管理サーバ230に送信される。ここで、受取人としては自分以外の他人のユーザであるユーザ1bを指定することもできる。
【0137】
プリンタ管理サーバの認証部231は、あらかじめユーザの認証情報(例えば、ユーザID、パスワード等)を保持している。位置管理サーバ20から受信してダウンロードしておいても良く、あるいは、PC1から受信する予約情報にユーザの認証情報を含めても良い。
【0138】
認証部231は、予約情報を読み取り、予約された印刷についての受取人の認証情報として、ユーザ1の認証情報を設定しておく。
【0139】
ユーザ1は、認証情報が格納されたICカードを所持する。予約された印刷物を受け取るためにプリンタ240の認証受付部241の挿入口にこのICカードを挿入し、認証情報を読み取らせる。読み取られた認証情報は、送受信部43によって、プリンタ管理サーバ230に送信される。
【0140】
認証部231は、あらかじめ設定されているユーザ1の認証情報と、プリンタ240から受信した認証情報とを照合する。照合が成功した場合、予約実行部131に照合成功を通知する。予約実行部131は、照合が成功した通知を受け取り、他に予約情報があった場合は、満たされた場合に、印刷実行を開始する。
【0141】
認証部231は、認証が成功しなかった場合は、予約実行部131に以後の機能の実行を停止させて終了する。
【0142】
図13は、実施の形態3による文書印刷手順を説明するフローチャートである。実施の形態1および2と異なるステップについて主に説明する。
【0143】
プリンタ240の認証受付部241は、ICカードの認証情報を検出状態にあり(ステップS301)、読み取った場合(ステップS301のYes)、読み取った認証情報を、送受信部43からプリンタ管理サーバ230に送信する(ステップS302)。
【0144】
プリンタ管理サーバ230は、PC10から予約情報、および文書ファイルを受信している(ステップS203のYes)。ここで、予約情報には、受取人の認証情報も含まれているとする。プリンタ240の認証部231は、認証情報の読み取りを状態にあって(ステップS303)、読み取った場合(ステップS303のYes)、予約情報に含まれているユーザ1の認証情報と受信した認証情報とを照合する(ステップS304)。
【0145】
そして、認証部231は、照合が成功したと判定した場合(ステップS304のYes)、予約実行部131に照合成功を通知する(ステップS305)。照合成功を通知された予約実行部131は、他の予約情報がある場合は、それもが満たされたか否かを判定する(ステップS209)。他の予約情報が満たされた場合は(ステップS209のYes)、ドライバを選択し(ステップS110)、印刷データを生成する(ステップS111)。以後は、実施の形態2と同様であるので説明を省略する。
【0146】
一方、認証部231は、認証が成功しなかった場合(ステップS304のNo)は、印刷処理を終了させる。
【0147】
このように、実施の形態3の文書印刷システムによれば、受取人を指定して予約した場合、プリンタにおいてICカードにより本人認証を行い、受取人の認証情報を照合して正しい場合のみ印刷出力することによって、指定した受取人以外は印刷出力できないので、情報出力のセキュリティを高め、印刷出力後の文書管理の煩雑さを低減することができる。
【0148】
(実施の形態4)
実施の形態4による文書印刷システムが実施の形態3と異なる点は、PCにおいて予約情報を入力し、プリンタにおいて本人認証を行って印刷出力を受け取る際に、PCからの入力によって、認証情報がプリンタに送られ、プリンタで本人認証を行い、成功した場合に、プリンタ管理サーバが予約されたプリンタから印刷出力させることである。
【0149】
これによって、受取人を指定して予約した場合、プリンタにおいて受取人の認証情報を照合して正しい場合のみ印刷出力することによって、指定した受取人以外は印刷出力することができないので、情報のセキュリティを高め、印刷出力後の文書管理の煩雑さを低減することができる。
【0150】
図14は、実施の形態4による文書印刷システムの機能的ブロック図である。プリンタ340は、認証部341を備える。
【0151】
プリンタ340の有する認証部341は、PC10から送信されてくる予約情報の認証情報を受信する。認証部341は、ユーザの所持するICカードの認証情報を読み取る認証受付部(不図示)を備え、認証受付部によって読み取った認証情報を、すでに受信している認証情報と照合する。認証部341は、照合が成功した場合、プリンタ管理サーバ330に対して、認証照合が成功した通知を送信させる。
【0152】
プリンタ管理サーバ330は、認証照合の通知を受信し、予約実行部131は、他に予約情報があった場合は、満たされた場合に、印刷実行を開始させる。認証部231は、認証が成功しなかった場合は、以後の実行を停止させて終了する。
【0153】
図15は、実施の形態4による文書印刷手順を説明するフローチャートである。実施の形態1〜3と異なるステップについて主に説明する。プリンタ管理サーバ330は、PC10から文書ファイル、予約情報が送られてくるのを検出状態にあって(ステップS401)、受信したと判定した場合(ステップS401のYes)、予約情報をプリンタ340に送信する(ステップS402)。
【0154】
プリンタ340は、予約情報を受信したか否かを検出し(ステップS403)、検出した場合(ステップS403のYes)、予約受付情報をPCに送信する(ステップS404)。この予約受付情報を受信する送り元のPC10、および受け取り元のユーザのPC10bは、それぞれ受信して予約受付を表示する(既述のステップS205、およびステップS207)。
【0155】
そして、認証部341は、ICカードの認証情報を検出状態にあり(ステップS405)、読み取った場合(ステップS405のYes)、PC10からの認証情報と照合する(ステップS406)。認証部341が、照合に成功した場合(ステップS406のYes)、認証成功通知をプリンタ管理サーバ330に送信する(ステップS407)。
【0156】
プリンタ管理サーバ330は、認証成功通知を受け取った場合(ステップS408のYes)、予約実行部131は他の予約情報が満たされか否かを判定し(ステップS209)、満たされたと判定した場合は(ステップS209のYes)、既述のように、ドライバを選択し(ステップS110)、印刷データを生成する(ステップS111)。以後は、実施の形態2と同様であるので説明を省略する。
【0157】
一方、認証部231は、認証が成功しなかった場合(ステップS406のNo)は、印刷処理を終了させる。
【0158】
このように、実施の形態4の文書印刷システムによれば、受取人を指定して予約した場合、プリンタにおいてICカードにより本人認証を行い、受取人の認証情報を照合して正しい場合のみ印刷出力することによって、指定した受取人以外は印刷出力できないので、情報出力のセキュリティを高め、印刷出力後の文書管理の煩雑さを低減することができる。
【0159】
ここで、認証方式として、ICカードではなく、情報端末を使用し、ブルートツゥース規格によりプリンタとの授受によって認証を実行する構成とすることができる。プリンタにおける認証情報の取得が容易であるからである。この場合、プリンタには、PCから予約情報送信の際に、位置管理サーバから受信する識別情報が予約情報として含まれているので、ブルートゥース機能による情報端末の認証は容易に行うことができる。
【0160】
この情報端末を、携帯電話によって構成することができる。その場合、認証情報として携帯電話番号を使用することができる。携帯電話番号というユニークで識別機能の高い情報を、プリンタとの間でブルートゥース機能によって授受することによって、簡易な構成で利便性の高い認証機能を発揮するからである。この場合、プリンタには、PCから予約情報送信の際に、位置管理サーバから受信する識別情報として携帯電話番号が含ませておくことによって、情報端末の認証は可能となる。
【0161】
また、ブルートゥース機能を使用できない場合、携帯電話からプリンタのアドレスへのメール送信を利用し、その際において、携帯電話のメールアドレスを認証情報に使用することができる。携帯電話のメールアドレスというユニークで識別性の高い情報を認証情報に使用することによって、確実に、自動的に認証動作を行うことができ、人手による認証入力の煩雑さを省略できる。
【0162】
ここで、情報端末が通信機能および表示機能を備えている場合、PCから、文書ファイルの予約受付通知を送信して表示させることができる。この情報端末を、携帯電話によって構成することが望ましい。
【0163】
PCからの予約受け付け通知は、インタネットおよび携帯電話網を介して、携帯電話で受信し、表示画面で予約が受け付けされた文書ファイル名を表示することができる。これによって、PCから遠隔の地にあるユーザであっても、携帯電話という利便性と確実性の高い情報端末によって、迅速に予約受付通知を受信することができる。
【0164】
また、このように予約された文書ファイルを携帯電話の画面で表示させ、入力手段から選択入力を受け付けて、受け付けられた文書ファイルのみ、印刷出力する構成とすることができる。必要な文書ファイルだけを印刷することによって、適応性と利便性の高い文書印刷システムとなるからである。
【0165】
図16は、携帯電話が予約受付情報を受信して表示した例を説明する図である。例えば、携帯電話1600には、PC10から印刷を予約された文書ファイル名が送信され、受信して表示している。携帯電話1600は、受信した予約情報一覧1601のうち、例えばA文書1602だけを印刷出力したい場合に、入力手段からA文書1602を選択して、印刷出力の設定を入力する。
【0166】
入力された設定は、プリンタにブルートゥース機能で送信された場合は、プリンタは、すでに予約情報として位置管理サーバ20からPC10を経由して送信されている携帯電話番号を認証情報として受信しており、プリンタの有する認証機能によって照合する。
【0167】
また、プリンタにブルートゥース機能がない場合は、携帯電話網とインタネットによって、メールをプリンタに送信し、携帯電話のメールアドレスを認証情報として使用して認証を行うことができる。
【0168】
携帯電話からのこれら電話番号やメールアドレスの識別情報を使用することによって、人手による認証情報を入力する煩雑さを省略でき、固有の情報であることから確実性と利便性の高い認証方式となる。
【0169】
また、ここで、携帯電話から文書ファイルを添付したメールとして、携帯電話網とネットワークを介してプリンタ管理サーバに送信することによって、携帯電話という利便性が高く簡易な情報端末から、プリンタで画質の高い印刷出力を得ることができる。
【0170】
(実施の形態5)
実施の形態5による文書印刷システムが、実施の形態1と異なる点は、表示制御部13が、受信するユーザの位置情報、プリンタの位置情報に基づいて、モニタ11上で配置図の縮尺や表示位置を変化させることである。これにより、ユーザにとってより見やすい画面表示となる。
【0171】
図17は、実施の形態5による文書印刷システムによって、モニタに表示された配置図を説明する図である。配置図1710は、最初に受信した配置を表示したものである。配置図1720は、縮尺を小さくして、拡大表示したものである。
【0172】
表示制御部13は、受信するユーザの位置情報、プリンタの位置情報、および地図情報に基づいて、画面での相互の距離を算出し、算出された距離が画面上の所定の距離以下である場合は、配置図1710の画像を拡大してモニタ11に配置図1720として表示させる。これにより、ユーザにとって、より見やすい画面表示となる。
【0173】
一方、表示制御部13は、受信するユーザの位置情報、プリンタの位置情報、および地図情報に基づいて、画面での相互の距離を算出し、算出された距離が画面上の所定の距離以上である場合は、表示する画像を縮小してモニタ11に表示させる。これにより、ユーザにとって、全体を見渡すことができる画面表示となる。例えば配置図1720が一部分しか表示していない場合は、配置図1710のように、縮尺を大きくして縮小表示する。
【0174】
また、表示制御部113は、受信するユーザの位置情報、およびプリンタの位置情報の中点座標が、モニタ11の中心から所定の距離以上離れている場合は、中点座標が画面の中心近くになるように移動させる。これにより、ユーザにとって、見たい対象が中心近くに配置されて、より見やすい画面表示となる。
【0175】
さらに、モニタ11上に表示されるプリンタが近すぎて重複しているように表示される場合は、プリンタ同士の位置情報を比較して所定値以下と判定した場合に、表示制御部113が、プリンタアイコン同士の位置を離して表示するように位置情報を設定することによって、重複を避けてアイコン同士が離れた態様で表示することができる。
【0176】
このようにして実施の形態5による文書印刷システムは、PCのモニタ上でユーザやプリンタを含む配置が見づらい場合は、表示形態を変化させることによって、ユーザにとってより見易い表示形態に変化させることができる。
【0177】
なお、実施の形態1〜5では、出力依頼装置としてPC10に適用した例を説明したが、これに限定されるものではなく、所定の出力依頼を行う装置であればいずれの装置にも適用することができる。例えば、出力依頼装置として、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能の少なくとも一つを有する複合機に適用してもよい。
【0178】
また、実施の形態1〜5では、プリンタを管理するプリンタ管理サーバを備えた構成を例にあげて説明したが、プリンタ管理サーバを設けず、PC10が直接プリンタ40に印刷要求を送信する構成としてもよい。この場合には、上述したプリンタ管理サーバ30の機能(例えば、印刷データ生成部、予約実行部等の機能)をプリンタ40に備えるように構成すればよい。
【0179】
また、実施の形態1〜5では、文書ファイルを紙媒体の印刷物として出力する場合を例にあげて説明したが、出力媒体であれば紙媒体に限定されるものではなく、例えば、電子ペーパに出力する場合にも本発明を適用することができる。ここで、電子ペーパとは、10分の数ミリ程度の厚さで、電気的な手段でデータの表示および消去が可能なディスプレイである。また、電子ペーパは、紙媒体に印刷するハードコピーが有する「見易さ、持ち運び易さ」に加え、ディスプレイ画面に写し出すソフトコピーが有する「デジタル情報との結合・書き換え性」や省紙資源を実現するものと期待されている反射型表示媒体であり、従来の画像表示装置にはない極薄、柔軟性という特性がある。
【0180】
さらに、出力装置としては、移動可能であって所定の出力処理を行う装置であれば本発明を適用することができ、例えば、携帯電話、家庭用電器、自動販売機等を出力装置として本発明を適用してもよい。
【0181】
この場合には、携帯電話、家庭用電器、自動販売機等の地図上での位置をPCで表示して、各機器に対して出力依頼を行うように構成すればよい。そして、携帯電話、家庭用電器、自動販売機等の配置が移動した場合には、PC10で表示される各機器の位置を移動後の位置で地図上に表示するように構成すればよい。この場合には、各機器の配置を常に正確に把握しながら、適切な出力処理を実行することができるという利点がある。
【0182】
図18は、実施の形態1〜5の文書印刷システムの各装置のハードウェア構成を示す図である。実施の形態1〜5の文書印刷システムの各装置は、図18に示すように、CPU(Central Processing Unit)1801などの制御装置と、ROM(Read Only Memory)1802やRAM(Random Access Memory)1803などの記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)、CD(Compact Disk)ドライブ装置等の外部記憶装置1804と、モニタ等の表示装置1805と、キーボードやマウス等の入力デバイス1806と、通信I/F1807と、これらを接続するバス1808を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0183】
実施の形態1〜5の文書印刷システムの各装置で実行される文書印刷プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0184】
また、実施の形態1〜5の文書印刷システムの各装置で実行される文書印刷プログラムを、インタネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、実施の形態1〜4の文書印刷システムの各装置で実行される文書印刷プログラムをインタネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。また、実施の形態1〜4の文書印刷プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0185】
実施の形態第1〜5の文書印刷システムの各装置で実行される文書印刷プログラムは、上述した各部(表示制御部、入力受付部、検索部、データ蓄積部、通知先設定部、送受信部、画具位置情報生成部、プリンタ情報取得部、ドライバ選択部、印刷データ生成部、画像出力部、および通知情報生成部など)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体から文書印刷プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、表示制御部、入力受付部、検索部、データ蓄積部、通知先設定部、送受信部、画具位置情報生成部、プリンタ情報取得部、ドライバ選択部、印刷データ生成部、画像出力部、および通知情報生成部などが主記憶装置上に生成されるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0186】
【図1】実施の形態1にかかる文書印刷システムの機能的ブロック図である。
【図2】位置管理データベース23の機能的ブロック図である。
【図3】タグ信号管理テーブル23bの構造を示した図である。
【図4】タグID位置管理テーブル23cの構造を示した図である。
【図5−1】プリンタ情報管理テーブル23dの一例を示すデータ構造図である。
【図5−2】プリンタ能力管理テーブル23gの一例を示すデータ構造図である。
【図6】地図情報管理テーブル23eの一例を示すデータ構造図である。
【図7】ユーザ情報管理テーブル23fの一例を示すデータ構成図である。
【図8−1】モニタ11の表示画面に表示された人、PC、およびプリンタのレイアウトを含む地図画像の一例を示す図である。
【図8−2】プリンタの能力情報が表示されたレイアウト図の一例を示す模式図である。
【図9】実施の形態1による文書印刷手順を説明するフローチャートである。
【図10】実施の形態2による文書印刷システムの機能的ブロック図である。
【図11】実施の形態2による文書印刷手順を説明するフローチャートである。
【図12】実施の形態3による文書印刷システムの機能的ブロック図である。
【図13】実施の形態3による文書印刷手順を説明するフローチャートである。
【図14】実施の形態4による文書印刷システムの機能的ブロック図である。
【図15】実施の形態4による文書印刷手順を説明するフローチャートである。
【図16】携帯電話を認証に使用する例を説明する図である。
【図17】実施の形態5による文書印刷システムによって、モニタに表示された配置図を説明する図である。
【図18】実施の形態1〜5の文書印刷システムの各装置のハードウェア構成を示す図である。
【符号の説明】
【0187】
10 PC
11 モニタ
12 入力デバイス
13 表示制御部
14 入力受付部
15 検索部
16 データ蓄積部
17 通知先設定部
18 送受信部
【技術分野】
【0001】
本発明は、データを出力する出力装置への出力要求を行う出力依頼装置、出力装置および出力依頼プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスにおいてはプリンタ等の印刷機器が多数配置されており、それらはネットワーク上に存在し、様々な場所からアクセスできるようになっている。ネットワークを通じてこれらのプリンタ等を利用するために、プリンタ等の初期設定及び印刷などにおいて、ファイルのドラッグアンドドロップという操作がしばしば用いられている。例えば、ファイルをプリンタアイコンにドラッグアンドドロップすると印刷が開始されるものなどである。
【0003】
また、プリント条件が予め設定されているプリントアイコンと、プリントすべきファイルのアイコンとが表示された表示画面上でファイルアイコンをドラッグして、プリントアイコン上にドロップすることによって、そのプリンタの設定が表示され、プリントアイコンに設定されている印刷条件下でファイルの印刷処理が実行される印刷制御操作システムが公開されている(例えば、特許文献1)。この方法では、ファイルをドラッグアンドドロップするという直感的な作業により印字指示から設定確認を行うことができる。
【0004】
【特許文献1】特開2001−337765号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術では、ドラッグアンドドロップで設定したプリンタがどこにあるかは、インストールした記憶にのみ頼り、同じような機種のプリンタがあった場合には、判別が困難であった。また、ユーザPCの位置、他人のPCの位置、およびプリンタの位置が把握できなかった。また、通常使用しないプリンタから出力させる場合には、新たにドライバ設定を必要としていて、煩雑な作業を免れないという問題があった。
【0006】
また、この従来技術においては、ファイルをプリンタアイコンにドラッグアンドドロップする場合、そのアイコンがどの位置に配置されたプリンタに相当するかを区別するのは困難であった。また、ユーザがPCを操作して印刷しようとしているプリンタが、ユーザにとって最適な位置にあるプリンタであるかどうかが判然としないという問題があった。この場合、特に、ユーザが他人にファックスを送信するような手軽さで、文書ファイルをその他人の近くのプリンタから出力させる場合に、プリンタの位置関係が判然としないので、適正に選択することが難しく、かつ、プリンタを選択したとしても設定作業が必要となってしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザと使用可能な出力装置との物理的な位置関係を見易く表示し、特別なドライバの設定を必要とせず、簡易な操作で、実世界での出力作業を直感的に把握できるように行なうことができる出力依頼装置、出力装置および出力依頼プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、出力依頼装置であって、文書ファイルを記憶する記憶部と、ネットワークに接続され、ユーザの位置を示すユーザ位置情報とネットワークに接続された出力装置の位置を示す出力装置位置情報とを管理する位置管理サーバから、前記ユーザ位置情報と、前記出力装置位置情報と、前記出力装置を配置可能な配置領域の画像である地図情報とを受信する受信部と、前記ユーザを示すユーザシンボルと前記出力装置を示す出力装置シンボルと出力対象の前記文書ファイルを示す文書シンボルとを、受信した前記ユーザ位置情報および前記出力装置位置情報のそれぞれに対応する前記地図画像上の位置で前記表示装置に表示する表示制御部と、表示された前記地図情報において、前記出力装置シンボルと前記文書シンボルとの選択とを受付ける入力受付部と、選択された前記出力装置シンボルの前記出力装置に対する、選択された前記文書シンボルの前記文書ファイルの出力命令と、出力実行の予約の旨を示す予約情報とを前記出力装置に送信する送信部と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記入力受付部は、出力実行する時間である予約時間の入力を受け付け、前記送信部は、前記予約情報として前記予約時間を前記出力装置に送信することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記予約時間と指定された前記出力装置シンボの前記出力装置の前記出力装置識別情報とを含む予約情報を生成する予約部をさらに備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記入力受付部は、前記表示装置に表示される前記文書シンボルを前記出力装置シンボルにドラッグアンドドロップする操作を受け付けることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記表示制御部は、前記ユーザシンボルおよび前記出力装置シンボルをアイコンで表示することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、前記出力装置は、出力処理を実行する出力実行装置と、前記出力実行装置にネットワークで接続され、前記出力実行装置に対して出力処理の指令を行う出力管理装置とを備え、前記送信部は、選択された前記出力装置シンボルの前記出力装置に対する、選択された前記文書シンボルの前記文書ファイルの出力命令と、前記予約情報とを、前記出力管理装置に送信することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、出力装置であって、ネットワークに接続された出力依頼装置から、出力実行の予約の旨を示す予約情報と文書ファイルの出力命令とを受信し、受信した前記予約情報に基づいて、前記文書ファイルの出力を制御することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、出力処理を実行する出力実行装置と、前記出力実行装置にネットワークで接続され、前記出力実行装置に対して出力処理の指令を行う出力管理装置とを備え、前記出力管理装置は、出力ドライバソフトウェアを記憶するドライバ蓄積部と、前記出力依頼装置から、前記予約情報と前記文書ファイルの出力命令とを受信する第1受信部と、前記ドライバ蓄積部から前記出力実行装置に対応する出力ドライバソフトウェアを選択するドライバ選択部と、選択されたドライバソフトウェアを実行することにより、前記文書ファイルから出力データを生成する出力データ生成部と、生成された出力データを前記出力実行装置に送信する第1送信部と、前記予約情報に基づいて、前記ドライバ選択部または前記出力データ生成部若しくは前記第1送信部を制御する予約実行部とを備え、前記出力実行装置は、前記出力データを受信する第2受信部と、受信した前記出力データの出力を実行する出力実行部と、を備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、前記予約情報は、出力実行する時間である予約時間を含み、前記予約実行部は、現在時刻が前記予約時間となった場合または前記予約時間が経過した場合に、前記出力データを送信するように前記第1送信部を制御することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、前記予約情報は、出力実行する時間である予約時間を含み、前記予約実行部は、現在時刻が前記予約時間となった場合または前記予約時間が経過した場合に、前記ドライバソフトウェアを選択して前記出力データを生成するように前記ドライバ選択部を制御することを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、前記出力実行装置は、ユーザに固有のユーザ識別情報を受け付ける認証受付部を、さらに備え、前記第2送信部は、受け付けた前記ユーザ識別情報を、前記出力管理装置に送信し、前記出力管理装置は、受信した前記ユーザ識別情報に基づいてユーザの認証を行う認証部、をさらに備え、前記予約実行部は、さらに、認証が成功した場合に、前記ドライバソフトウェアを選択して前記出力データを生成するように前記ドライバ選択部を制御することを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、前記出力実行装置は、ユーザに固有のユーザ識別情報を受け付ける認証受付部と、前記ユーザ識別情報に基づいてユーザの認証を行う認証部と、をさらに備え、前記第2送信部は、認証結果を前記出力管理装置に送信し、前記出力管理装置は、前記予約実行部は、さらに、認証結果が成功である場合に、前記ドライバソフトウェアを選択して前記出力データを生成するように前記ドライバ選択部を制御することを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、ネットワークに接続され、ユーザの位置を示すユーザ位置情報とネットワークに接続された出力装置の位置を示す出力装置位置情報とを管理する位置管理サーバから、前記ユーザ位置情報と、前記出力装置位置情報と、前記出力装置を配置可能な配置領域の画像である地図情報とを受信する受信ステップと、前記ユーザを示すユーザシンボルと前記出力装置を示す出力装置シンボルと出力対象の前記文書ファイルを示す文書シンボルとを、受信した前記ユーザ位置情報および前記出力装置位置情報のそれぞれに対応する前記地図画像上の位置で前記表示装置に表示する表示制御ステップと、表示された前記地図情報において、前記出力装置シンボルと前記文書シンボルとの選択とを受付ける入力受付ステップと、選択された前記出力装置シンボルの前記出力装置に対する、選択された前記文書シンボルの前記文書ファイルの出力命令と、出力実行の予約の旨を示す予約情報とを前記出力装置に送信する送信ステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする出力依頼プログラムである。
【0021】
また、本発明は、前記入力受付ステップは、出力実行する時間である予約時間の入力を受け付けるステップと、前記送信ステップは、前記予約情報として前記予約時間を前記出力装置に送信することを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、前記予約時間と指定された前記出力装置シンボルの前記出力装置の前記出力装置識別情報とを含む予約情報を生成する予約ステップをさらにコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ネットワークに接続され、ユーザの位置を示すユーザ位置情報とネットワークに接続された出力装置の位置を示す出力装置位置情報とを管理する位置管理サーバから、前記ユーザ位置情報と、前記出力装置位置情報と、前記出力装置を配置可能な配置領域の画像である地図情報とを受信し、前記ユーザを示すユーザシンボルと前記出力装置を示す出力装置シンボルと出力対象の前記文書ファイルを示す文書シンボルとを、受信した前記ユーザ位置情報および前記出力装置位置情報のそれぞれに対応する前記地図画像上の位置で前記表示装置に表示し、表示された前記地図情報において、前記出力装置シンボルと前記文書シンボルとの選択とを受付け、選択された前記出力装置シンボルの前記出力装置に対する、選択された前記文書シンボルの前記文書ファイルの出力命令と、出力実行の予約の旨を示す予約情報とを前記出力装置に送信することで、ユーザと使用可能な出力装置の物理的な配置の地図画像を示し、特別なドライバの設定を必要とせず、実世界での出力作業を分かりやすく表示を見ながら予約出力することができる利便性の高い出力処理を実現することができるという効果を奏する。また、他のユーザに出力物を渡す場合において、予約することにより指定したユーザ以外の者が印刷物を閲覧してしまうことを防止して、印刷物のセキュリティを確保することができるという効果を奏する。
【0024】
また、本発明によれば、ユーザ識別情報に基づいてユーザの認証を行い、認証が成功した場合に、ドライバソフトウェアを選択して出力データを生成するようにドライバ選択部を制御することで、予約して出力後の受取人を認証でき、セキュリティと利便性のより高い出力処理を実現することができるという効果を奏する。
【0025】
また、本発明によれば、出力依頼装置は、ドラッグアンドドロップ操作でユーザと出力装置を選択することができるので、直感的に把握しやすく簡易な操作でユーザおよび出力を選択して出力させることができるので、利便性の高い出力処理を実現することができるという効果を奏する。
【0026】
また、本発明によれば、出力依頼装置は、ユーザおよび出力装置をアイコンで表示することによって、視覚的に把握しやすく簡易な操作でユーザおよび出力装置を選択して出力させることができるので、利便性の高い出力処理を実現することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる出力依頼装置、出力装置および出力依頼プログラムの最良な実施の形態を、実施の形態1〜4および変形例に沿って詳細に説明する。以下に示す実施の形態では、本発明にかかる出力依頼装置、出力装置および出力依頼プログラムを、出力依頼装置としてのPC(Personal Computer)から、出力装置を構成するプリンタ管理サーバ(出力管理装置)およびプリンタ(出力実行装置)により印刷する文書印刷システムを例にあげて説明する。
【0028】
(実施の形態1)
実施の形態1による文書印刷システムは、ユーザが所持するRFID(無線タグ)の検出信号によって、位置管理サーバがユーザ位置を検出し、ユーザの位置情報、および複数のプリンタの位置情報を含む地図情報を、パーソナルコンピュータ(PC)に送信してモニタ画面上に、ユーザアイコンとプリンタアイコンのレイアウトを含む地図画像を表示させる。ユーザはモニタ上の文書ファイルアイコンを印刷出力させようとするプリンタのアイコンへドラッグアンドドロップ操作し、印刷実行を通知する通知先のユーザを選択すると、PCは選択された文書ファイル、プリンタ情報、および通知先情報をプリンタ管理サーバに送信する。プリンタ管理サーバは、受信するプリンタ情報に従ってドライバを選択して文書ファイルの印刷データを生成し、通知先情報とともに選択されたプリンタに送信する。プリンタは、受信する印刷データを印刷して、印刷通知についての情報を通知先のユーザPCに送信する。PCは、印刷出力の通知情報を受信してモニタ上に印刷通知を表示する。
【0029】
このようにして、実施の形態1による文書印刷システムは、ユーザが自己又は他のユーザの現在の位置およびプリンタのレイアウトを含む地図画像をPCのモニタ上で表示し、視覚的に位置関係を確認して文書ファイルをプリンタアイコンにドラッグアンドドロップ操作して印刷させ、印刷通知をPCのモニタ上で表示させることによって、ユーザは、PCへの煩雑なプリンタ設定を必要とせず、簡易な操作でプリンタを選択して印刷出力し、通知先のユーザのPCに印刷を通知することができるので、簡易な操作により印刷出力し、その後に文書管理の煩雑さを低減し、利便性の高い文書印刷が可能となる。
【0030】
図1は、実施の形態1にかかる文書印刷システムの機能的ブロック図である。文書管理システムは、それぞれネットワーク3を介して接続するPC(パーソナルコンピュータ)10、10aおよび10b、位置管理サーバ20、プリンタ管理サーバ30、プリンタ40、40aおよび40b、並びにセンサ2、2aおよび2bを備える。また、文書印刷システムが設置されているエリヤに入るユーザは、それぞれがRFID(無線タグ)を所持する。今、ユーザが3人である場合においては、それぞれRFID1、1aおよび1bを所持する。
【0031】
ここで、PCが3台、プリンタが3台、センサが3個接続され、またRFIDが3個記載されているが、これらの個数はそれぞれ増減して構成することができる。ここではPC10、10a、および10bの要部については同一の構成として説明したので、図1では、PC10a、および10bについては内部のブロック構成の記載を省略した。
【0032】
ネットワーク3は、電話回線、無線ネットワーク、インタネットなどで構成できる。
【0033】
RFID(無線タグ)1は、1秒ごとに電波による識別信号を発信するアクティブ型の無線タグである。但し、アクティブ型の無線タグに制限するものではなく、パッシブ型パッシブ型RFIDでもよい。RFIDは、所持者の位置を検出するためのものであるので、RFIDに限定せずに、例えば携帯電話、PC、PDA、無線LANタグ、ICカードなどを利用しアクティブに電波を発するWi-Fi(無線LAN)規格、Bluetooth規格やZigBee規格で通信を行う構成とすることもできる。
【0034】
文書印刷システムが設置されたエリヤでは、各ユーザはそれぞれRFID1〜1bを所持する。センサ2〜2bは、RFID1〜1bから送信された識別信号を受信する。
【0035】
今、RFID1は、PC10を操作するユーザ1によって所持されているものとする。ここでは、RFIDを所持するのはユーザであるとして説明するが、人間であるユーザの他に、プリンタ40、PC10などの物体に対しても設置するなどして適用することができる。この場合、例えばプリンタ40やPC10が携帯型の装置である場合、携帯して移動した時でも、移動する位置情報が取得されて、PCのモニタ上で時々刻々装置が移動する様子が表示される。ただし、ここでは説明を簡略化するために、PCおよびプリンタは固定的に設置されているものとする。また、RFIDは位置を検出する無線タグであるので、以下、適宜簡略にタグと称する場合もある。
【0036】
センサ2、2aおよび2bは、このシステムが適用されているエリヤ内に設置されて、RFID1、1aおよび1bから識別信号を受信する。センサ2、2aおよび2bは、受信する識別信号を、ネットワーク3を経由して、位置管理サーバ20を示すアドレスおよびポートに送信する。
【0037】
位置管理サーバ20は、タグ位置情報生成部21、プリンタ情報取得部22、位置管理データベース23、および送受信部24を有する。送受信部24は、センサ2〜2bから送信されるRFIDの識別信号を受信する。タグ位置情報生成部21は、受信された識別信号に基づいてRFIDの位置情報を生成する。位置管理データベース23は、後述するように、プリンタ、センサ、RFID、地図、利用者に関する情報を格納、位置管理データベース23はHDD(ハードディスクドライブ装置)やメモリ等の記憶媒体に保存されている。送受信部24は、生成したRFIDの位置情報、位置管理データベース23から取得するプリンタ40、40aおよび40bの位置情報、地図情報をPC10、10aおよび10bに送信する。ここで、地図情報の中にプリンタの位置情報およびエリヤに設置されているPCの位置情報を含めることができる。
【0038】
以下、複数あるRFIDをRFID1で、センサをセンサ2で、PCをPC10で、プリンタをプリンタ40で代表して表現する場合がある。複数あるRFID、センサ、PC、およびプリンタの要部はそれぞれ同一の構成として説明する。
【0039】
タグ位置情報生成部21は、RFID1を検出するセンサ2のセンサIDと、センサ2が設置された位置情報とを対応付ける。このセンサIDは、センサIDとセンサのアドレスの対応関係から特定できる。検出信号を送信する送信元のセンサ2のアドレスは、上記情報を送る際に用いられたパケットのヘッダに含まれる送信元アドレスによって特定できる。
【0040】
タグ位置情報生成部21は、センサ2が検知した識別信号によって、RFIDの位置情報を取得する。今、RFIDは、PCを操作する操作者によって所持されているので、タグ位置情報生成部21は、ユーザの位置情報を生成することになる。
【0041】
図2は、位置管理データベース23の機能的ブロック図である。位置管理データベース23は、センサ位置管理テーブル23a、タグ信号管理テーブル23b、タグID情報管理テーブル23c、プリンタ情報管理テーブル23d、プリンタ能力管理テーブル23g、地図情報管理テーブル23e、およびユーザ情報管理テーブル23fを有する。
【0042】
センサ位置管理テーブル23aは、センサID、センサ位置情報、センサアドレス、およびセンサの設置された階を対応付けて保持している。センサのアドレスは、ここではセンサを特定するIPアドレスである。センサIDとセンサのアドレスを対応付けて、センサ位置を特定できる。
【0043】
図3は、タグ信号管理テーブル23bの構造を示した図である。図に示すように、タグ信号管理テーブル23bは、タグID、センサID、および検出時間を対応付けて保持している。これによって、タグ、タグを検出したセンサ、および検出時間を対応付けることができる。図3のデータからは、RFID1は、今、センサ1の近辺にあることが読み取れる。
【0044】
図4は、タグID位置管理テーブル23cの構造を示した図である。図に示すように、タグID位置管理テーブル23cは、タグID、階、位置情報、および検出時間を対応付けて保持している。このタグID位置管理テーブル23cが保持する各レコードは、センサ位置管理テーブル23a、およびタグ信号管理テーブル23bが保持するレコードに基づいて生成されるものである。このタグID位置管理テーブル23cによってタグが検出された位置情報と時間情報が得られる。
【0045】
送受信部24は、センサ2〜2bからのタグ検出信号を受信する際に、パケットのヘッダを参照することでセンサのIPアドレスを特定できる。このタグID、検出信号、およびセンサのIPアドレスは、センサ2〜2bから送信するように定められた情報である。送受信部24は、これら受信した情報に検出時間を対応付けた情報で、タグ位置情報生成部21に対して、位置管理データベース23を更新するよう依頼する。検出時間とは、センサ2〜2bがRFID1〜1bを検出した時間、つまりセンサ2〜2bからRFIDからの識別信号を受信した時の現在時間とする。
【0046】
タグ位置情報生成部21は、センサ位置管理テーブル23aを参照して送受信部24から入力されたセンサのIPアドレスによってセンサIDを特定し、この特定されたセンサID、入力されたタグID、および検出時間を対応付けて、タグ信号管理テーブル23bのタグID、およびセンサIDが一致するレコードに対して更新を行う。これにより、タグ信号管理テーブル23bでは、タグIDについて最新の情報が保持される。
【0047】
タグ位置情報生成部21は、予め定められた期間毎に、タグ信号管理テーブル23bが保持しているタグIDに対応付けられたセンサID、検出時間、センサIDと対応付けられた階、および位置情報を取得し、取得した情報に基づいてタグIDと対応付けられた位置情報を算出し、RFID1〜1bの位置情報を取得する。
【0048】
位置管理データベース23は、またプリンタ40、40a、および40bそれぞれのアイコン画像情報、固有の識別情報であるプリンタID、実際の配置位置を示す実位置情報、IPアドレスやSIPアドレス、機種、その他の表示方法等の関連画像情報を対応付けて登録したプリンタ装置情報を格納する。
【0049】
図5−1は、プリンタ情報管理テーブル23dの一例を示すデータ構造図である。図に示すように、プリンタ情報管理テーブル23dは、このシステム内に配置されたプリンタのプリンタID、設置された階、場所名、位置座標、アドレス、プリンタ機種、シンボルとしてのアイコンのファイル名およびプリンタ能力IDを対応づけて登録している。プリンタ情報管理テーブル23dに登録されているプリンタ装置の情報は、予め入力された情報を蓄積する構成、あるいは、ネットワーク3で接続されたサービスによってダウンロードする構成とすることができる。プリンタ能力IDは、プリンタIDのプリンタが有する印刷機能を識別するためのIDである。このプリンタ能力IDに対応する印刷機能は、プリンタ能力管理テーブル23gに登録されている。
【0050】
図5−2は、プリンタ能力管理テーブル23gの一例を示すデータ構造図である。プリンタ能力管理テーブル23gは、図5−2に示すように、プリンタ能力IDに、印刷機能として、印刷可能な原稿サイズ、カラー印刷可能か白黒印刷のみかを示すカラー/白黒、印刷可能なページレイアウト、両面印刷の種別、ステープル可能かパンチ可能かいずれも不可能か(「−」)を示すフィニッシャが対応付けられている。
【0051】
なお、本実施の形態では、このように、プリンタの印刷機能である能力情報を、プリンタ能力IDごとに分類したプリンタ能力管理テーブル23gを設け、プリンタ情報管理テーブル23dでプリンタIDにプリンタ能力IDを対応付けて、プリンタごとの能力情報を定めているが、これに限定されるものではない。例えば、プリンタ情報管理テーブル23dにおいて、プリンタIDに直接、原稿サイズ、カラー/白黒、ページレイアウト、両面印刷、フィニッシャなどの能力情報を対応付けて、プリンタごとの能力情報を定めるように構成してもよい。
【0052】
図6は、地図情報管理テーブル23eの一例を示すデータ構造図である。図に示すように、地図情報管理テーブル23eは、マップID、マップが示す階、表示する範囲を示すX座標とY座標、およびに地図画像のファイル名を対応付けて登録している。
【0053】
図7は、ユーザ情報管理テーブル23fの一例を示すデータ構成図である。図に示すように、ユーザ情報管理テーブル23fは、ユーザの所持するタグID、通知を送信する場合の送信先、電話番号、氏名、ユーザを示すアイコンのファイル名、ユーザの操作するPCのアドレス、およびユーザが所持するICカードを対応付けて登録している。ICカードは後述するように、印刷物を取得する場合の認証に使用する。ユーザPCアドレスはユーザが操作するPCのアドレスである。
【0054】
タグ位置情報取得部21は、ユーザ情報管理テーブル23fを参照して、タグの位置情報、検出時間情報、およびRFIDの所有者を示すアイコンのファイル名を、位置管理データベース23から取得する。
【0055】
また、プリンタ情報取得部22は、プリンタ40、40aおよび40bのプリンタID、設置された階、場所名、位置座標、アドレス、プリンタ機種、およびアイコンのファイル名を、プリンタ情報管理テーブル23dを参照して、位置管理データベース23から取得する。
【0056】
また、プリンタ情報取得部22は、プリンタおよびユーザがアイコンで表示されるべき地図情報を、検出されたRFIDの位置、およびプリンタIDに基づいて、地図情報管理テーブル23eを参照して取得する。これらの情報は、RFIDの位置情報に基づいて、対応するものを取得する。
【0057】
送受信部24は、取得されたRFIDの位置情報、RFIDの所有者であるユーザのID、ユーザを示すアイコン、プリンタ情報(図5−1のプリンタ情報管理テーブル23dに登録された情報)、プリンタ能力IDに対応するプリンタ能力情報(図5−2のプリンタ能力管理テーブル23gに登録された情報)、プリンタを示すアイコンおよび地図画像を、PC10に送信する。
【0058】
PC10は、モニタ11、入力デバイス12、表示制御部13、入力受付部14、検索部15、データ蓄積部16、通知先設定部17、および送受信部18を有する。今、ユーザ1は、PC10を操作して自己のPC10に格納されている文書ファイルの印刷物を、別の階にいるユーザ1bに渡すため、ユーザ1bの近くにあるプリンタで出力し、合わせて、印刷出力を通知する場合について説明する。
【0059】
モニタ11は、文字や画像を表示するディスプレイ装置である。
【0060】
表示制御部13は、位置管理サーバ20から送信されるRFID1〜1bの位置およびアイコン、プリンタ40〜40bの位置およびアイコン、プリンタの能力情報および地図画像を受信し、モニタ11の画面上にユーザとプリンタの配置をシンボルとしてのアイコンで表示させる。モニタ11の画面上での表示は、ブラウザあるいは専用ソフトを使用する。
【0061】
また、表示制御部13は、データ蓄積部16が蓄積している文書データのアイコン等を、モニタ11の画面に表示させる。また、表示制御部13は、ユーザの名称やプリンタの実位置情報である配置位置を文字で示したテキスト情報として、例えば、「○○一郎」、「8F入口横」等のテキスト情報をモニタ11の表示画面に表示させる。
【0062】
ここで、アイコンとは、モニタ11の表示画面上に、各種のデータや処理機能を絵又は絵文字として表示したものをいう。また、本実施の形態では、プリンタやユーザを示すものとして、モニタ11の表示画面上にプリンタのアイコン、ユーザのアイコンを表示しているが、これに限定されるものでなく、アイコンと、各種のデータや処理機能を記号や文字列等によって表示したものとを含むシンボルを表示してもよい。
【0063】
入力デバイス12は、マウス、トラックボールやトラックパッドなどのポインティングデバイスやキーボード等であり、利用者がドラッグアンドドロップによる操作や、モニタ11に表示された画面に対する操作を行うものである。ここで、ドラッグアンドドロップとは、マウス等の操作法で、ドラッグとドロップを連続的に行う操作である。また、マウス等のボタンを押したままポインタを移動させることを「ドラッグ」、そしてドラッグの移動先でマウス等のボタンを離す操作を「ドロップ」という。
【0064】
入力受付部14は、入力デバイス12から操作されたドラッグアンドドロップを受け付ける。また、入力受付部14は、入力デバイス12から他の入力も受け付ける。
【0065】
図8−1は、モニタ11の表示画面に表示された人、PC、およびプリンタのレイアウトを含む地図画像の一例を示す図である。図に示すように、位置管理サーバ20から送信されてくる情報に従って、モニタ11の表示画面には、事務所のレイアウト図960が表示される。モニタ上に表示される事務所のレイアウト図960は、プリンタ40a、40bのアイコン910、920およびテキスト情報911、921、また、文書ファイルのアイコン930およびテキスト情報931、また、人のアイコン940、950およびそのテキスト情報941および951が相対的な位置で配置される。この階は3階であるとする。またモニタ11には、入力デバイス12によって操作を行うポインタ970が矢印の形態で表示されている。
【0066】
図中、○○二郎はユーザ2であってRFID1aを所持して3階でPC10aを操作しているものとする。また、○○三郎はユーザ1bであってRFID1bを所持して3階でPC10bを操作している。また、不図示の○○一郎はユーザ1であってRFID1を所持して、1階からPC10を操作している。
【0067】
このレイアウト図960上で、マウスのポインタ970をプリンタ40a、40bのアイコン910の上に移動して指示すると、入力受付部14は、アイコン910の指示入力を受け付ける。そして、表示制御部13は、指示されたアイコン910のプリンタ40a、40bに対応する能力情報を、受信した能力情報(印刷機能)から抽出して、抽出した能力情報をレイアウト図960に重畳させて表示する。これにより、ユーザは、プリンタ40a、40bの印刷機能を把握した上で、適切なプリンタを選択して文書ファイルを印刷することが可能となる。
【0068】
図8−2は、プリンタの能力情報が表示されたレイアウト図の一例を示す模式図である。図8−2に示すように、マウスのポインタ970がプリンタ40のアイコン920上で指示された場合には、プリンタ40の能力情報が、レイアウト図960に重畳表示され、マウスのポインタ970がプリンタ40aのアイコン920上で指示された場合には、プリンタ40の能力情報が、レイアウト図960に重畳表示される。
【0069】
ここでユーザ1は、他のユーザであるユーザ1bの近傍に設置されているプリンタ40bに、ユーザ1のPC10に格納されている文書ファイルを印刷して引き渡し、しかも、印刷の通知しようとする。ユーザ1は、印刷結果を渡したいユーザ1bの名前を入力デバイス12から入力する。
【0070】
入力受付部14は、入力デバイス12からユーザ1bの名前が入力されると受け付ける。データ蓄積部16は、図7に示したと同様のユーザ情報管理テーブルを有している。ここでユーザ情報管理テーブルは、ユーザの所持するタグID、通知を送信する場合の送信先、電話番号、氏名、ユーザを示すアイコンのファイル名、ユーザの操作するPCのアドレス、およびユーザが所持するICカードを対応付けて登録している。
【0071】
検索部15は、入力されたユーザ名によって、このユーザ情報管理テーブルを参照し、該名前に対応するユーザ1bが所持するRFID1bのIDを取得する。送受信部18は、先ず、ユーザ1bのRFID1bの識別情報を、位置管理サーバ20に送信する。
【0072】
位置管理サーバ20では、タグ位置情報生成部21が、受信するRFID1bの識別情報に基づいて、RFID1bの位置情報を取得する。プリンタ情報取得部22が、取得したRFID1bの位置情報に基づいて、近傍の位置にあるプリンタ40bを選択する。そして、送受信部24は、このRFID1bの位置情報、そのアイコンのファイル名、プリンタ40bの位置情報、そのアイコンのファイル名、および3階の地図画像を、PC10に返信する。
【0073】
PC10は、受信するこれらの情報に基づいて、表示制御部13が、モニタ11の画面上に、ユーザ1bが今いる3階の地図を表示し、その地図上でRFID1bが検出された位置にそのアイコン950、および近傍のプリンタ40bの位置にプリンタ40bのアイコン910を、図8に示すように表示する。
【0074】
但しここで、ユーザ1は、入力デバイス12からユーザ1bの名前である「○○三郎」を入力すると、この情報が、送受信部18から位置管理サーバ20に送信され、位置管理サーバ20が、位置管理データベース23を参照し、タグ位置情報生成部21がユーザ1bの位置情報を生成し、プリンタ情報取得部22が対応するプリンタアイコンおよび地図情報を、PCに送信してくる構成とすることもできる。
【0075】
ユーザ1は、自己のPC10に格納されている文書ファイル930を、ユーザ1bの近傍位置にあるプリンタアイコン910にドラッグアンドドロップ操作を行う。このプリンタアイコンは、プリンタ40bのものである。入力受付部14は、受け付けたドラッグアンドドロップ操作入力によって、ドロップされたプリンタIDを取得し、印刷命令を受け付ける。また、入力受付部14は、ユーザ1から印刷を実行する時間である予約時間の入力を受け付ける。
【0076】
通知先設定部17は、ドロップされたプリンタ40bによる印刷を、選択された他のユーザ1bのPC10bおよび本人であるユーザ1のPC10に通知するための通知先情報を生成する。通知先情報には、検索されたPC10b、および印刷命令の送信元のPC10のアドレスを含める。なお、他のユーザ1bのメールアドレスを通知先情報に含めてもよい。さらに、この印刷を通知しようとするPC全てのアドレスを含めることができる。こうして、通知先設定部17は、プリンタによる印刷状態を通知する通知先を設定することができる。通知する印刷状態とは、例えば印刷予約や終了である。
【0077】
送受信部18は、ドロップにより指定されたプリンタ40bのID、ドラッグにより指定された文書ファイル、および通知先設定部17によって生成された通知先情報を、プリンタ管理サーバ30のアドレスに送信する。また、送受信部18は、ユーザ1から指定された予約時間もプリンタ管理サーバ30のアドレスに送信する。また、送受信部18は、通知先情報の通知先である(相手の)ユーザ1bのPC10bのアドレス(またはユーザ1bのアドレス)に対して印刷開始前通知メッセージを送信する。
【0078】
プリンタ管理サーバ30は、プリンタ情報蓄積部31、ドライバ選択部32、印刷データ生成部33、予約実行部35および送受信部34を有する。
【0079】
送受信部34は、PCから送信されるプリンタID情報、文書ファイル、および通知先情報を受信する。また、送受信部34は、通知先情報の通知先である(相手の)ユーザ1bのPC10bのアドレス(またはユーザ1bのアドレス)に対して印刷開始前通知メッセージを送信する
【0080】
プリンタ情報蓄積部31は、ネットワーク3で接続するプリンタそれぞれに対応したプリンタドライバソフトウェアを、プリンタIDと対応付けて格納している。
【0081】
ドライバ選択部32は、送受信部34が受信するプリンタIDに基づいて、プリンタ情報蓄積部31からプリンタドライバソフトウェアを選択する。ここでドライバ選択部32は、PCによってドロップの対象となったプリンタ40bに対応するドライバソフトウェアを選択するのであるが、受信する文書ファイル930の拡張子やプロパティを判別することによって好適なドライバソフトウェアを選択する構成とすることができる。
【0082】
印刷データ生成部33は、ドライバ選択部32によって選択されたプリンタドライバソフトウェアを実行して得られる処理部であり、受信した文書ファイルを、指定されたプリンタ40bで印刷する印刷データに変換する。
【0083】
送受信部34は、受け付けた印刷命令、変換された印刷データ、および通知先情報を、指定されたプリンタ40bのアドレスに送信する。
【0084】
予約実行部35は、PC10において設定された予約時間を受信して、現在時刻が予約時間であるか否かを判断して、予約時間になった場合または予約時間を経過している場合には、印刷データ生成部33で生成された印刷データおよび通知先情報の、指定されたプリンタ40bへの送信処理を開始するように送受信部34を制御するものである。
【0085】
なお、本実施の形態では、予約時間になった場合または予約時間を経過している場合に、送受信部34を制御して印刷データおよび通知先情報の送信を開始するように構成しているが、これに限定されるものではない。例えば、予約時間になった場合または予約時間を経過している場合に、印刷データ生成部33を制御して印刷データ生成処理を開始するように予約実行部35を構成したり、ドライバ選択部32を制御してドライバ選択処理を開始するように予約実行部35を構成してもよい。
【0086】
プリンタ40は、画像出力部41,通知情報生成部42、および送受信部43を有する。送受信部43は、プリンタ管理サーバ30から送信される印刷命令、印刷データ、および通知先情報を受信する。また、送受信部43は、印刷要求を行った本人であるユーザ1のPC10のアドレス(またはユーザ1のアドレス)、および通知先情報の通知先である(相手の)ユーザ1bのPC10bのアドレス(またはユーザ1bのアドレス)に対して印刷状態通知メッセージを送信する。
【0087】
画像出力部41は、受信する印刷命令によって印刷データを記録用紙等に印刷する。通知情報生成部42は、PCに対して印刷の実行を通知する通知情報を生成する。送受信部43は、受信する通知先情報に従って、通知情報を送信する。
【0088】
ここでは、通知先として文書ファイル930の印刷を命令するPC10、およびユーザ1bが使用するPC10bが指定されている。通知情報としては、印刷予定、印刷終了、および印刷中などのステータス情報を含めることができる。ここでは、印刷終了を通知する例を説明する。通知情報生成部42は、画像出力部41が印刷終了した場合、印刷終了通知情報を生成する。
【0089】
PC10に対する通知情報は、文書ファイルがPC10bから出力終了し、受取人はユーザ1bであることを内容とする。PC10bに対する通知情報は、文書ファイルがPC10bから出力終了し、印刷命令者はユーザ1であり、受取人はユーザ1bであることを内容とする。送受信部43は、これらの印刷終了通知をそれぞれユーザ1のPC10およびユーザ1bのPC10bに送信する。
【0090】
ここで出力実行装置としてプリンタを適用しているが、これに限定されるものではなく、印刷機能を備えた複合機等にも適用できる。
【0091】
図9は、実施の形態1による文書印刷手順を説明するフローチャートである。センサ2は、ユーザが所持するRFID(無線タグ)を検出し、検出信号を位置管理サーバ20に送信する。
【0092】
位置管理サーバ20では、タグ位置情報生成部21が、センサ2〜2bから送信されるタグの信号に従ってタグ位置情報を時々刻々、生成する。プリンタ情報取得部22は、位置管理データベースから、複数のプリンタ情報および設置場所のレイアウトを含む地図画像を取得する。そして、タグ位置情報、プリンタ情報、それらのアイコンおよびプリンタのレイアウトを含む地図画像をPC10に送信する(ステップS101)。
【0093】
PC10は、検出されるRFIDに対応するユーザの位置情報、複数プリンタの位置情報、および地図画像などを受信して、モニタ11の画面上に現在のユーザの位置に対応させてユーザアイコン、およびプリンタアイコンのレイアウトを含む地図画像を表示させる(ステップS102)。ここで、PC10は、ユーザ1の操作するPCとしているので、最初、ユーザ1の所持するRFID1の検出位置を基準に、位置管理サーバ20は画像情報等を送信してくる。
【0094】
ここで、入力受付部14は印刷終了後の終了通知情報の通知先を受け付ける(ステップS103)。ユーザ1は、入力デバイス12から引き渡し先のユーザ1bの名前を入力すると、入力受付部14は、その入力を受け付ける(ステップS103のYes)。検索部15は、データ蓄積部16中のユーザ情報管理テーブルを参照し、ユーザ1bの所持するRFID1bのID情報を取得し、位置管理サーバ20に送信する(ステップS104)。
【0095】
位置管理サーバ20は、受信するRFID1bのIDに基づいて、RFID1bの位置情報と、近傍の位置にあるプリンタ40bを特定する。そして、ユーザ1bの位置情報およびアイコン、プリンタ40bの位置情報およびアイコン、並びに地図画像Map3を、PC10に送信する(ステップS105)。
【0096】
PC10は、受信するこれらの情報に基づいて、モニタ11の画面上に、受け取り先ユーザ1bのアイコン、近傍のプリンタ40bのアイコンを、図8−1に示すように地図画像Map3上に配置する形で表示する(ステップS106)。
【0097】
ユーザはここで、文書ファイルをプリンタ40bで印刷させるために、文書ファイルアイコン930をプリンタ40bのアイコン910にドラッグアンドドロップ操作を行う。入力受付部14は、このドラッグアンドドロップ操作を受け付けたか否かを検出する(ステップS107)。また、ユーザは、印刷を希望する時間を予約時間として入力し、入力受付部14か入力された予約時間を受け付ける。ドラッグアンドドロップが受け付けたことを検出した場合(ステップS107のYes)、PC10の送受信部18は、文書ファイル、送信元のPC10のID、通知情報の送信先PC10bのアドレス、選択されたプリンタ40bのID、および予約時間をプリンタ管理サーバ30に送信する(ステップS108)。そして、送受信部18は、通知先情報の通知先である(相手の)ユーザ1bのPC10b(またはユーザ1bのアドレス)に対して印刷開始前通知メッセージを送信する(ステップS121)。そして、送受信部18は、モニタ11の画面上で表示するステータス情報を受信したか否かを判定する(ステップS109)。
【0098】
プリンタ管理サーバ30は、PC10から送信されるプリンタ40bのID情報、通知先情報、文書ファイルを受信すると、送受信部34は、通知先情報の通知先である(相手の)ユーザ1bのPC10b(またはユーザ1bのアドレス)に対して印刷開始前通知メッセージを送信する(ステップS131)。なお、かかる印刷開始前通知メッセージの送信処理は、ステップS121でPC10で行っているので、プリンタ管理サーバ30では行わない構成としてもよい。
【0099】
そして、ドライバ選択部32はプリンタ情報蓄積部31に蓄積されたドライバの中から対応するドライバを選択する(ステップS110)。印刷データ生成部33は、選択したドライバによって文書ファイルから印刷データを生成する(ステップS111)。そして、予約実行部35により現在時刻が予約時間であるか、あるいは予約時間を経過しているかを判断し(ステップS132)、まだ予約時間になっていない場合には(ステップS132:No)、待ち状態となる。一方、現在時刻が予約時間となった場合には(ステップS132:Yes)、終了通知先であるPC10およびPC10bのID情報とともに、プリンタ40bに送信する(ステップS112)。
【0100】
プリンタ40bは、画像出力部41が、受信する印刷データにより印刷出力を行い、送受信部43は、その印刷状態通知メッセージ(例えば、印刷中である、印刷エラーが発生した場合には印刷エラー等)を印刷要求を行った本人であるユーザ1のPC10のアドレス(または当該ユーザ1のアドレス)と通知先情報の通知先である(相手の)ユーザ1bのPC10bのアドレス(またはユーザ1bのアドレス)に送信する(ステップS113)。なお、印刷状態をプリンタ管理サーバ30に送信して、印刷状態通知メッセージをプリンタ管理サーバ30から送信するように構成してもよい。
【0101】
そして、通知情報生成部42は、印刷出力が終了したか否かを判定し(ステップS114)、終了した場合(ステップS114のYes)、印刷出力が終了した通知情報を、PC10宛て、およびPC10b宛てにそれぞれ生成する。そして、送受信部43は、それぞれの通知情報を、PC10宛て、およびPC10b宛てにそれぞれ送信する(ステップS115)。
【0102】
PC10は、送受信部18がプリンタ40bから送信される終了通知情報を受信したか否かを判定しており(ステップS109)、受信したと判定した場合(ステップS109のYes)、表示制御部13はモニタ11の画面上で印刷が終了したことを表示する(ステップS116)。
【0103】
同様に、通知先に指定されているPC10bも、送受信部(不図示)がプリンタ40bから送信される終了通知情報を受信したか否かを判定しており(ステップS117)、受信したと判定した場合(ステップS117のYes)、表示制御部13はモニタ11の画面上で印刷が終了したことを表示する(ステップS118)。
【0104】
このようにして、実施の形態1による文書印刷システムは、ユーザ1が他のユーザ1bの現在の位置およびプリンタの位置をPCのモニタ上で直感的に把握し、ドラッグアンドドロップ操作によって文書ファイルを、他のユーザの好適なプリンタ、例えば近傍のプリンタ40bを選択して印刷させ、印刷終了後に他のユーザ1bのPC10bのモニタ上で終了通知を表示することによって、ユーザは、PCへの煩雑なプリンタ設定の必要なく、簡易な操作によって、プリンタを選択して印刷出力し、終了後は受け取るユーザに通知することができるので、簡易な操作によって出力後の文書管理の煩雑さを低減し、利便性の高い文書印刷が可能となる。
【0105】
実施の形態1による文書印刷システムでは、印刷物を出力する時間を予約時間として指定して印刷実行することができるので、他のユーザに印刷物を渡す場合において、指定したユーザ以外の者が印刷物を閲覧してしまうことを防止して、印刷物のセキュリティを確保することができる。
【0106】
ここで、印刷を実行させる装置を、PCとして記載したが、実際には、印刷処理を命令する装置であればどのような装置でも適用可能である。
【0107】
例えば、携帯電話の表示画面でプリンタおよび通知先を表示し、ファイル添付されたメールを、プリンタ管理サーバ30に送信することによって、実施の形態1で説明したと同様の印刷を行うことができる。
【0108】
また、PDA(Personal Digital Assistant)の表示画面でプリンタおよび通知先を表示し、ファイルを無線LANを介してプリンタ管理サーバ30に送信することによって、実施の形態1で説明したと同様の印刷を行うことができる。
【0109】
また、ここで、通知情報としては、終了通知を知らせる終了通知情報を、終了後に通知する構成としたが、印刷中、オンライン中、それ以外にもプリンタの状態を表示する情報、例えば、紙切れ、インク切れ、設定された用紙の種類などのステータス情報を通知する構成とすることができる。
【0110】
また、ここで、印刷出力の受け渡し先を、PC10を操作するユーザ1自分自身と設定すると、他人ではなく、自分で印刷出力してそのままユーザ1が自分で受け取ることができる。
【0111】
なお、実施の形態1においては、無線タグを適用する位置識別方式で構成したが、無線タグでなくても、例えば、画像形成装置と同様にデスクトップPCの場所が登録されており、IPアドレスまたはMACアドレスを固有IDとして通信を行う有線LANを適用する構成とすることもできる。ここで、利用者は自分の利用しているPCの位置がわかるので、近傍位置にあるプリンタが判明するからである。
【0112】
(実施の形態2)
図10は、実施の形態2による文書印刷システムの機能的ブロック図である。PC110は、予約部111を、さらに備える。プリンタ管理サーバ130は、予約実行部131を、さらに備える。
【0113】
実施の形態2による文書印刷システムが実施の形態1と異なる点は、PCにおいて、予約部111が、印刷終了の通知先のユーザが選択された場合、予約して印刷実行を命令する予約情報を生成する。
【0114】
プリンタ管理サーバ130において、予約実行部131は、この予約情報を受信し、受信する予約情報に基づいて、指定されたプリンタによって印刷データを生成して、指定されたPCへ送信させる。また、予約実行部131は、予約情報を受信した場合、印刷命令の予約元であるPCと、印刷終了の通知先ユーザのPCとに対して、印刷命令の予約通知である予約通知情報を送信する。
【0115】
この構成によって、印刷物を出力する時間・プリンタ、通知先などを予約して印刷実行することができるので、時間と場所とを指定して、その時間、その場所におけるプリンタから印刷物を出力させることができる。また、印刷命令元と、受け取り先のPCに予約がなされた通知を行うので、文書印刷後の管理の煩雑さを低減することができる。
【0116】
ユーザは、例えば翌日の朝、他の支店で会議が始まる前に、LANに接続されたプリンタから印刷物を出力して時間通りに受け取りたい場合がある。このような場合について説明する。
【0117】
今、図7は、ユーザ1が、入力デバイス12から他の支店を入力し、検索部15が検索し、位置管理サーバ20から該当する他の支店の階の人、プリンタ、および地図情報を含む配置情報を送信させて、モニタ11に表示させたものとする。図7に示された他の支店において、ユーザ1が出向いた場合、ドアを開いて最も近くのプリンタ40bで出力させるために、アイコン910に対して文書ファイル930をドラッグアンドドロップ操作する。ここで、入力デバイス12では、予約モードによる入力が可能で、いま予約モードが設定されたとしておく。操作者は、予約モードにおける入力として、印刷時間である翌日7時50分という情報、および通知先PC情報を入力する。入力受付部14は、この予約入力を受け付ける。
【0118】
予約部111は、上記の予約入力、およびアイコンのドラッグアンドドロップ操作による文書ファイルとプリンタ情報に従って、印刷実行を命令する予約情報を生成する。送受信部18は、この生成された予約情報と文書ファイルを、プリンタ管理サーバ130に送信する。
【0119】
プリンタ管理サーバ130は、予約実行部131が、受信する予約情報を読み出し、通知先に対して、印刷実行が予約されたことを示す情報である予約受け付け情報を生成し、送受信部34によって、それぞれPC10およびPC10bに送信する。
【0120】
予約実行部131は、受信する予約情報に従って、予約されている翌朝7時50分になると、ドライバ選択部32がドライバを選択し、印刷データ生成部33が選択されたプリンタのドライバで印刷データを生成する。そして、送受信部34は、印刷データおよび通知情報を指定されたプリンタに送信する。そして、プリンタ40bは、実施の形態1の場合と同様に、印刷出力を行い、予約情報に含まれる通知先に印刷終了通知情報を送信する。
【0121】
図11は実施の形態2による文書印刷手順を説明するフローチャートである。実施の形態1とステップS107までは同様であるので説明を省略し、それより後について主に説明する。ファイル、プリンタがドラッグアンドドロップ操作を施されると(ステップS107のYes)、入力受付部14は予約情報を受け付けたか否かを検出し(ステップS201)、受け付けたことを検出した場合(ステップS201のYes)、予約部111は、予約情報を生成し、送受信部18は文書ファイルおよび予約情報をプリンタ管理サーバ130に送信する(ステップS202)。
【0122】
プリンタ管理サーバ130においては、予約実行部131は、予約情報、文書ファイルを受信した場合(ステップS203のYes)、予約情報を読み出し、設定されている送信先に予約を受け付けた情報を生成し、送信させる。即ちここでは、送信元のPC10のアドレス(またはユーザ1のアドレス)および印刷受け取りユーザ1bの操作するPC10bのアドレス(またはユーザ1bのアドレス)に対して送信する(ステップS204)。
【0123】
予約受け付け情報を受信するPC10は、予約受付情報を受信した場合(ステップS205のYes)、モニタ11の画面上で予約情報を表示する(ステップS206)。これ以降は、印刷終了通知情報を受信するか否かを判定するステップS109以降と、同様であるので説明を省略する。
【0124】
また、予約受け付け情報を受信するPC10bは、予約情報を受信した場合(ステップS207のYes)、モニタの画面上で予約情報を表示し(ステップS208)、それ以降は、終了通知情報を受信するか否かを判定するステップS117以降と同様であるので説明を省略する。
【0125】
プリンタ管理サーバ130の予約実行部131は、さらに、読み出した予約情報から、予約された条件が満たされたか否かを判定し(ステップS209)、例えば印刷実行の時間が予約項目であった場合は、時間になったと判定すれば、予約条件が満たされたと判定し(ステップS209のYes)、ドライバを選択し(ステップS110)、印刷データを生成する(ステップS111)。このステップS110以降は実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
【0126】
プリンタ40bにおいては、プリンタ管理サーバ130から印刷データなどが送信された(ステップS112)場合、受信し、印刷出力を開始する(ステップS113)。このステップS113以降は、実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
【0127】
このようにして、印刷物を出力する時間・プリンタ、印刷予約の通知先などを予約して、プリンタに印刷実行させることによって、将来においてユーザが受け取りたい時間に受け取りたい場所のプリンタから、印刷物を出力させて受け取ることができるので、利便性の高い文書印刷方式となる。また、他のユーザに印刷物を渡す場合において、指定したユーザ以外の者が印刷物を閲覧してしまうことを防止して、印刷物のセキュリティを確保することができる。さらに予約がなされたことを通知先を設定して通知させることができるので、文書印刷後の管理の煩雑さを低減することができる。
【0128】
ここで、ユーザ1のPC10bからユーザ1以外の他のユーザが指定された場合は、予約部111は、予約通知がユーザ1以外の他のユーザに対して送信されることを、モニタ11の画面上で表示する構成とすることができる。これによって、一般的にユーザ1と異なる場所にいる他のユーザへ印刷物を渡す際に、出力するプリンタの選択を間違わないようにすることができる。
【0129】
また、予約通知の送信先については、モニタ上で必ず設定を要求する表示が表れる構成とすることができる。これによって、印刷出力についての通知先を確認できので、出力先を確認してセキュリティ管理を高めることができる。
【0130】
なお、予約情報としては、時間による印刷予約以外にも、例えば、予約先のプリンタの電源が投入されたことをプリンタ管理サーバが検出し、電源投入によって印刷実行を開始する構成とすることもできる。
【0131】
(実施の形態3)
実施の形態3による文書印刷システムが実施の形態2と異なる点は、PCにおいて予約情報が受け付けられた場合、プリンタからの印刷出力を受け取る際には、プリンタにおいて受け取ろうとするユーザからの認証情報を受け付け、受け付けた認証情報をプリンタ管理サーバが照合して照合が成功した場合のみ、予約されたプリンタから印刷出力させることである。
【0132】
これによって、受取人を指定して予約した場合、受取人の認証情報を照合して正しい場合のみ印刷出力するので、指定した受取人以外は印刷出力することができないので、情報のセキュリティを高め、印刷出力後の文書管理の煩雑さを低減することができる。
【0133】
図12は、実施の形態3による文書印刷システムの機能的ブロック図である。プリンタ管理サーバ230は、認証部231を、さらに備える。プリンタ240は、認証受付部241をさらに備える。
【0134】
プリンタ240の有する認証受付部241は、ユーザの所持するICカードの認証情報を読み取って、プリンタ管理サーバ230に送信させる。プリンタ管理サーバ230の有する認証部231は、ユーザの認証情報を取得し、プリンタから受信する認証情報を照合する。照合が成功した場合、予約実行部131が他の予約条件が満たされたと判定した場合には、予約を実行して、すでに受信している文書ファイルから印刷データを生成する。
【0135】
ユーザ1は、例えば翌日の朝、他の支店で会議が始まる前に、LANに接続されたプリンタから、確実にこのユーザ1だけが印刷物を出力して受け取りたい場合がある。このような場合について説明する。予約して印刷する点については実施の形態2の説明と同じであるので、それと異なる認証の部分を主に説明する。
【0136】
ユーザ1はPC110において印刷予約を行う場合に、受け取りユーザとして自身であるユーザ1を指定しておく。予約部111は、指定された受取人情報を含めて予約情報を生成し、この予約情報はプリンタ管理サーバ230に送信される。ここで、受取人としては自分以外の他人のユーザであるユーザ1bを指定することもできる。
【0137】
プリンタ管理サーバの認証部231は、あらかじめユーザの認証情報(例えば、ユーザID、パスワード等)を保持している。位置管理サーバ20から受信してダウンロードしておいても良く、あるいは、PC1から受信する予約情報にユーザの認証情報を含めても良い。
【0138】
認証部231は、予約情報を読み取り、予約された印刷についての受取人の認証情報として、ユーザ1の認証情報を設定しておく。
【0139】
ユーザ1は、認証情報が格納されたICカードを所持する。予約された印刷物を受け取るためにプリンタ240の認証受付部241の挿入口にこのICカードを挿入し、認証情報を読み取らせる。読み取られた認証情報は、送受信部43によって、プリンタ管理サーバ230に送信される。
【0140】
認証部231は、あらかじめ設定されているユーザ1の認証情報と、プリンタ240から受信した認証情報とを照合する。照合が成功した場合、予約実行部131に照合成功を通知する。予約実行部131は、照合が成功した通知を受け取り、他に予約情報があった場合は、満たされた場合に、印刷実行を開始する。
【0141】
認証部231は、認証が成功しなかった場合は、予約実行部131に以後の機能の実行を停止させて終了する。
【0142】
図13は、実施の形態3による文書印刷手順を説明するフローチャートである。実施の形態1および2と異なるステップについて主に説明する。
【0143】
プリンタ240の認証受付部241は、ICカードの認証情報を検出状態にあり(ステップS301)、読み取った場合(ステップS301のYes)、読み取った認証情報を、送受信部43からプリンタ管理サーバ230に送信する(ステップS302)。
【0144】
プリンタ管理サーバ230は、PC10から予約情報、および文書ファイルを受信している(ステップS203のYes)。ここで、予約情報には、受取人の認証情報も含まれているとする。プリンタ240の認証部231は、認証情報の読み取りを状態にあって(ステップS303)、読み取った場合(ステップS303のYes)、予約情報に含まれているユーザ1の認証情報と受信した認証情報とを照合する(ステップS304)。
【0145】
そして、認証部231は、照合が成功したと判定した場合(ステップS304のYes)、予約実行部131に照合成功を通知する(ステップS305)。照合成功を通知された予約実行部131は、他の予約情報がある場合は、それもが満たされたか否かを判定する(ステップS209)。他の予約情報が満たされた場合は(ステップS209のYes)、ドライバを選択し(ステップS110)、印刷データを生成する(ステップS111)。以後は、実施の形態2と同様であるので説明を省略する。
【0146】
一方、認証部231は、認証が成功しなかった場合(ステップS304のNo)は、印刷処理を終了させる。
【0147】
このように、実施の形態3の文書印刷システムによれば、受取人を指定して予約した場合、プリンタにおいてICカードにより本人認証を行い、受取人の認証情報を照合して正しい場合のみ印刷出力することによって、指定した受取人以外は印刷出力できないので、情報出力のセキュリティを高め、印刷出力後の文書管理の煩雑さを低減することができる。
【0148】
(実施の形態4)
実施の形態4による文書印刷システムが実施の形態3と異なる点は、PCにおいて予約情報を入力し、プリンタにおいて本人認証を行って印刷出力を受け取る際に、PCからの入力によって、認証情報がプリンタに送られ、プリンタで本人認証を行い、成功した場合に、プリンタ管理サーバが予約されたプリンタから印刷出力させることである。
【0149】
これによって、受取人を指定して予約した場合、プリンタにおいて受取人の認証情報を照合して正しい場合のみ印刷出力することによって、指定した受取人以外は印刷出力することができないので、情報のセキュリティを高め、印刷出力後の文書管理の煩雑さを低減することができる。
【0150】
図14は、実施の形態4による文書印刷システムの機能的ブロック図である。プリンタ340は、認証部341を備える。
【0151】
プリンタ340の有する認証部341は、PC10から送信されてくる予約情報の認証情報を受信する。認証部341は、ユーザの所持するICカードの認証情報を読み取る認証受付部(不図示)を備え、認証受付部によって読み取った認証情報を、すでに受信している認証情報と照合する。認証部341は、照合が成功した場合、プリンタ管理サーバ330に対して、認証照合が成功した通知を送信させる。
【0152】
プリンタ管理サーバ330は、認証照合の通知を受信し、予約実行部131は、他に予約情報があった場合は、満たされた場合に、印刷実行を開始させる。認証部231は、認証が成功しなかった場合は、以後の実行を停止させて終了する。
【0153】
図15は、実施の形態4による文書印刷手順を説明するフローチャートである。実施の形態1〜3と異なるステップについて主に説明する。プリンタ管理サーバ330は、PC10から文書ファイル、予約情報が送られてくるのを検出状態にあって(ステップS401)、受信したと判定した場合(ステップS401のYes)、予約情報をプリンタ340に送信する(ステップS402)。
【0154】
プリンタ340は、予約情報を受信したか否かを検出し(ステップS403)、検出した場合(ステップS403のYes)、予約受付情報をPCに送信する(ステップS404)。この予約受付情報を受信する送り元のPC10、および受け取り元のユーザのPC10bは、それぞれ受信して予約受付を表示する(既述のステップS205、およびステップS207)。
【0155】
そして、認証部341は、ICカードの認証情報を検出状態にあり(ステップS405)、読み取った場合(ステップS405のYes)、PC10からの認証情報と照合する(ステップS406)。認証部341が、照合に成功した場合(ステップS406のYes)、認証成功通知をプリンタ管理サーバ330に送信する(ステップS407)。
【0156】
プリンタ管理サーバ330は、認証成功通知を受け取った場合(ステップS408のYes)、予約実行部131は他の予約情報が満たされか否かを判定し(ステップS209)、満たされたと判定した場合は(ステップS209のYes)、既述のように、ドライバを選択し(ステップS110)、印刷データを生成する(ステップS111)。以後は、実施の形態2と同様であるので説明を省略する。
【0157】
一方、認証部231は、認証が成功しなかった場合(ステップS406のNo)は、印刷処理を終了させる。
【0158】
このように、実施の形態4の文書印刷システムによれば、受取人を指定して予約した場合、プリンタにおいてICカードにより本人認証を行い、受取人の認証情報を照合して正しい場合のみ印刷出力することによって、指定した受取人以外は印刷出力できないので、情報出力のセキュリティを高め、印刷出力後の文書管理の煩雑さを低減することができる。
【0159】
ここで、認証方式として、ICカードではなく、情報端末を使用し、ブルートツゥース規格によりプリンタとの授受によって認証を実行する構成とすることができる。プリンタにおける認証情報の取得が容易であるからである。この場合、プリンタには、PCから予約情報送信の際に、位置管理サーバから受信する識別情報が予約情報として含まれているので、ブルートゥース機能による情報端末の認証は容易に行うことができる。
【0160】
この情報端末を、携帯電話によって構成することができる。その場合、認証情報として携帯電話番号を使用することができる。携帯電話番号というユニークで識別機能の高い情報を、プリンタとの間でブルートゥース機能によって授受することによって、簡易な構成で利便性の高い認証機能を発揮するからである。この場合、プリンタには、PCから予約情報送信の際に、位置管理サーバから受信する識別情報として携帯電話番号が含ませておくことによって、情報端末の認証は可能となる。
【0161】
また、ブルートゥース機能を使用できない場合、携帯電話からプリンタのアドレスへのメール送信を利用し、その際において、携帯電話のメールアドレスを認証情報に使用することができる。携帯電話のメールアドレスというユニークで識別性の高い情報を認証情報に使用することによって、確実に、自動的に認証動作を行うことができ、人手による認証入力の煩雑さを省略できる。
【0162】
ここで、情報端末が通信機能および表示機能を備えている場合、PCから、文書ファイルの予約受付通知を送信して表示させることができる。この情報端末を、携帯電話によって構成することが望ましい。
【0163】
PCからの予約受け付け通知は、インタネットおよび携帯電話網を介して、携帯電話で受信し、表示画面で予約が受け付けされた文書ファイル名を表示することができる。これによって、PCから遠隔の地にあるユーザであっても、携帯電話という利便性と確実性の高い情報端末によって、迅速に予約受付通知を受信することができる。
【0164】
また、このように予約された文書ファイルを携帯電話の画面で表示させ、入力手段から選択入力を受け付けて、受け付けられた文書ファイルのみ、印刷出力する構成とすることができる。必要な文書ファイルだけを印刷することによって、適応性と利便性の高い文書印刷システムとなるからである。
【0165】
図16は、携帯電話が予約受付情報を受信して表示した例を説明する図である。例えば、携帯電話1600には、PC10から印刷を予約された文書ファイル名が送信され、受信して表示している。携帯電話1600は、受信した予約情報一覧1601のうち、例えばA文書1602だけを印刷出力したい場合に、入力手段からA文書1602を選択して、印刷出力の設定を入力する。
【0166】
入力された設定は、プリンタにブルートゥース機能で送信された場合は、プリンタは、すでに予約情報として位置管理サーバ20からPC10を経由して送信されている携帯電話番号を認証情報として受信しており、プリンタの有する認証機能によって照合する。
【0167】
また、プリンタにブルートゥース機能がない場合は、携帯電話網とインタネットによって、メールをプリンタに送信し、携帯電話のメールアドレスを認証情報として使用して認証を行うことができる。
【0168】
携帯電話からのこれら電話番号やメールアドレスの識別情報を使用することによって、人手による認証情報を入力する煩雑さを省略でき、固有の情報であることから確実性と利便性の高い認証方式となる。
【0169】
また、ここで、携帯電話から文書ファイルを添付したメールとして、携帯電話網とネットワークを介してプリンタ管理サーバに送信することによって、携帯電話という利便性が高く簡易な情報端末から、プリンタで画質の高い印刷出力を得ることができる。
【0170】
(実施の形態5)
実施の形態5による文書印刷システムが、実施の形態1と異なる点は、表示制御部13が、受信するユーザの位置情報、プリンタの位置情報に基づいて、モニタ11上で配置図の縮尺や表示位置を変化させることである。これにより、ユーザにとってより見やすい画面表示となる。
【0171】
図17は、実施の形態5による文書印刷システムによって、モニタに表示された配置図を説明する図である。配置図1710は、最初に受信した配置を表示したものである。配置図1720は、縮尺を小さくして、拡大表示したものである。
【0172】
表示制御部13は、受信するユーザの位置情報、プリンタの位置情報、および地図情報に基づいて、画面での相互の距離を算出し、算出された距離が画面上の所定の距離以下である場合は、配置図1710の画像を拡大してモニタ11に配置図1720として表示させる。これにより、ユーザにとって、より見やすい画面表示となる。
【0173】
一方、表示制御部13は、受信するユーザの位置情報、プリンタの位置情報、および地図情報に基づいて、画面での相互の距離を算出し、算出された距離が画面上の所定の距離以上である場合は、表示する画像を縮小してモニタ11に表示させる。これにより、ユーザにとって、全体を見渡すことができる画面表示となる。例えば配置図1720が一部分しか表示していない場合は、配置図1710のように、縮尺を大きくして縮小表示する。
【0174】
また、表示制御部113は、受信するユーザの位置情報、およびプリンタの位置情報の中点座標が、モニタ11の中心から所定の距離以上離れている場合は、中点座標が画面の中心近くになるように移動させる。これにより、ユーザにとって、見たい対象が中心近くに配置されて、より見やすい画面表示となる。
【0175】
さらに、モニタ11上に表示されるプリンタが近すぎて重複しているように表示される場合は、プリンタ同士の位置情報を比較して所定値以下と判定した場合に、表示制御部113が、プリンタアイコン同士の位置を離して表示するように位置情報を設定することによって、重複を避けてアイコン同士が離れた態様で表示することができる。
【0176】
このようにして実施の形態5による文書印刷システムは、PCのモニタ上でユーザやプリンタを含む配置が見づらい場合は、表示形態を変化させることによって、ユーザにとってより見易い表示形態に変化させることができる。
【0177】
なお、実施の形態1〜5では、出力依頼装置としてPC10に適用した例を説明したが、これに限定されるものではなく、所定の出力依頼を行う装置であればいずれの装置にも適用することができる。例えば、出力依頼装置として、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能の少なくとも一つを有する複合機に適用してもよい。
【0178】
また、実施の形態1〜5では、プリンタを管理するプリンタ管理サーバを備えた構成を例にあげて説明したが、プリンタ管理サーバを設けず、PC10が直接プリンタ40に印刷要求を送信する構成としてもよい。この場合には、上述したプリンタ管理サーバ30の機能(例えば、印刷データ生成部、予約実行部等の機能)をプリンタ40に備えるように構成すればよい。
【0179】
また、実施の形態1〜5では、文書ファイルを紙媒体の印刷物として出力する場合を例にあげて説明したが、出力媒体であれば紙媒体に限定されるものではなく、例えば、電子ペーパに出力する場合にも本発明を適用することができる。ここで、電子ペーパとは、10分の数ミリ程度の厚さで、電気的な手段でデータの表示および消去が可能なディスプレイである。また、電子ペーパは、紙媒体に印刷するハードコピーが有する「見易さ、持ち運び易さ」に加え、ディスプレイ画面に写し出すソフトコピーが有する「デジタル情報との結合・書き換え性」や省紙資源を実現するものと期待されている反射型表示媒体であり、従来の画像表示装置にはない極薄、柔軟性という特性がある。
【0180】
さらに、出力装置としては、移動可能であって所定の出力処理を行う装置であれば本発明を適用することができ、例えば、携帯電話、家庭用電器、自動販売機等を出力装置として本発明を適用してもよい。
【0181】
この場合には、携帯電話、家庭用電器、自動販売機等の地図上での位置をPCで表示して、各機器に対して出力依頼を行うように構成すればよい。そして、携帯電話、家庭用電器、自動販売機等の配置が移動した場合には、PC10で表示される各機器の位置を移動後の位置で地図上に表示するように構成すればよい。この場合には、各機器の配置を常に正確に把握しながら、適切な出力処理を実行することができるという利点がある。
【0182】
図18は、実施の形態1〜5の文書印刷システムの各装置のハードウェア構成を示す図である。実施の形態1〜5の文書印刷システムの各装置は、図18に示すように、CPU(Central Processing Unit)1801などの制御装置と、ROM(Read Only Memory)1802やRAM(Random Access Memory)1803などの記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)、CD(Compact Disk)ドライブ装置等の外部記憶装置1804と、モニタ等の表示装置1805と、キーボードやマウス等の入力デバイス1806と、通信I/F1807と、これらを接続するバス1808を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0183】
実施の形態1〜5の文書印刷システムの各装置で実行される文書印刷プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0184】
また、実施の形態1〜5の文書印刷システムの各装置で実行される文書印刷プログラムを、インタネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、実施の形態1〜4の文書印刷システムの各装置で実行される文書印刷プログラムをインタネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。また、実施の形態1〜4の文書印刷プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0185】
実施の形態第1〜5の文書印刷システムの各装置で実行される文書印刷プログラムは、上述した各部(表示制御部、入力受付部、検索部、データ蓄積部、通知先設定部、送受信部、画具位置情報生成部、プリンタ情報取得部、ドライバ選択部、印刷データ生成部、画像出力部、および通知情報生成部など)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体から文書印刷プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、表示制御部、入力受付部、検索部、データ蓄積部、通知先設定部、送受信部、画具位置情報生成部、プリンタ情報取得部、ドライバ選択部、印刷データ生成部、画像出力部、および通知情報生成部などが主記憶装置上に生成されるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0186】
【図1】実施の形態1にかかる文書印刷システムの機能的ブロック図である。
【図2】位置管理データベース23の機能的ブロック図である。
【図3】タグ信号管理テーブル23bの構造を示した図である。
【図4】タグID位置管理テーブル23cの構造を示した図である。
【図5−1】プリンタ情報管理テーブル23dの一例を示すデータ構造図である。
【図5−2】プリンタ能力管理テーブル23gの一例を示すデータ構造図である。
【図6】地図情報管理テーブル23eの一例を示すデータ構造図である。
【図7】ユーザ情報管理テーブル23fの一例を示すデータ構成図である。
【図8−1】モニタ11の表示画面に表示された人、PC、およびプリンタのレイアウトを含む地図画像の一例を示す図である。
【図8−2】プリンタの能力情報が表示されたレイアウト図の一例を示す模式図である。
【図9】実施の形態1による文書印刷手順を説明するフローチャートである。
【図10】実施の形態2による文書印刷システムの機能的ブロック図である。
【図11】実施の形態2による文書印刷手順を説明するフローチャートである。
【図12】実施の形態3による文書印刷システムの機能的ブロック図である。
【図13】実施の形態3による文書印刷手順を説明するフローチャートである。
【図14】実施の形態4による文書印刷システムの機能的ブロック図である。
【図15】実施の形態4による文書印刷手順を説明するフローチャートである。
【図16】携帯電話を認証に使用する例を説明する図である。
【図17】実施の形態5による文書印刷システムによって、モニタに表示された配置図を説明する図である。
【図18】実施の形態1〜5の文書印刷システムの各装置のハードウェア構成を示す図である。
【符号の説明】
【0187】
10 PC
11 モニタ
12 入力デバイス
13 表示制御部
14 入力受付部
15 検索部
16 データ蓄積部
17 通知先設定部
18 送受信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力依頼装置であって、
文書ファイルを記憶する記憶部と、
ネットワークに接続され、ユーザの位置を示すユーザ位置情報とネットワークに接続された出力装置の位置を示す出力装置位置情報とを管理する位置管理サーバから、前記ユーザ位置情報と、前記出力装置位置情報と、前記出力装置を配置可能な配置領域の画像である地図情報とを受信する受信部と、
前記ユーザを示すユーザシンボルと前記出力装置を示す出力装置シンボルと出力対象の前記文書ファイルを示す文書シンボルとを、受信した前記ユーザ位置情報および前記出力装置位置情報のそれぞれに対応する前記地図画像上の位置で前記表示装置に表示する表示制御部と、
表示された前記地図情報において、前記出力装置シンボルと前記文書シンボルとの選択とを受付ける入力受付部と、
選択された前記出力装置シンボルの前記出力装置に対する、選択された前記文書シンボルの前記文書ファイルの出力命令と、出力実行の予約の旨を示す予約情報とを前記出力装置に送信する送信部と、
を備えたことを特徴とする出力依頼装置。
【請求項2】
前記入力受付部は、出力実行する時間である予約時間の入力を受け付け、
前記送信部は、前記予約情報として前記予約時間を前記出力装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の出力依頼装置。
【請求項3】
前記予約時間と指定された前記出力装置シンボの前記出力装置の前記出力装置識別情報とを含む予約情報を生成する予約部
をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載の出力依頼装置。
【請求項4】
前記入力受付部は、前記表示装置に表示される前記文書シンボルを前記出力装置シンボルにドラッグアンドドロップする操作を受け付けることを特徴とする請求項1に記載の出力依頼装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記ユーザシンボルおよび前記出力装置シンボルをアイコンで表示することを特徴とする請求項1に記載の出力依頼装置。
【請求項6】
前記出力装置は、出力処理を実行する出力実行装置と、前記出力実行装置にネットワークで接続され、前記出力実行装置に対して出力処理の指令を行う出力管理装置とを備え、
前記送信部は、選択された前記出力装置シンボルの前記出力装置に対する、選択された前記文書シンボルの前記文書ファイルの出力命令と、前記予約情報とを、前記出力管理装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の出力依頼装置。
【請求項7】
出力装置であって、
ネットワークに接続された出力依頼装置から、出力実行の予約の旨を示す予約情報と文書ファイルの出力命令とを受信し、受信した前記予約情報に基づいて、前記文書ファイルの出力を制御する、
ことを特徴とする出力装置。
【請求項8】
出力処理を実行する出力実行装置と、前記出力実行装置にネットワークで接続され、前記出力実行装置に対して出力処理の指令を行う出力管理装置とを備え、
前記出力管理装置は、
出力ドライバソフトウェアを記憶するドライバ蓄積部と、
前記出力依頼装置から、前記予約情報と前記文書ファイルの出力命令とを受信する第1受信部と、
前記ドライバ蓄積部から前記出力実行装置に対応する出力ドライバソフトウェアを選択するドライバ選択部と、
選択されたドライバソフトウェアを実行することにより、前記文書ファイルから出力データを生成する出力データ生成部と、
生成された出力データを前記出力実行装置に送信する第1送信部と、
前記予約情報に基づいて、前記ドライバ選択部または前記出力データ生成部若しくは前記第1送信部を制御する予約実行部と、を備え、
前記出力実行装置は、
前記出力データを受信する第2受信部と、
受信した前記出力データの出力を実行する出力実行部と、
を備えたことを特徴とする出力装置。
【請求項9】
前記予約情報は、出力実行する時間である予約時間を含み、
前記予約実行部は、現在時刻が前記予約時間となった場合または前記予約時間が経過した場合に、前記出力データを送信するように前記第1送信部を制御することを特徴とする請求項8に記載の出力装置。
【請求項10】
前記予約情報は、出力実行する時間である予約時間を含み、
前記予約実行部は、現在時刻が前記予約時間となった場合または前記予約時間が経過した場合に、前記ドライバソフトウェアを選択して前記出力データを生成するように前記ドライバ選択部を制御することを特徴とする請求項10に記載の出力装置。
【請求項11】
前記出力実行装置は、
ユーザに固有のユーザ識別情報を受け付ける認証受付部を、さらに備え、
前記第2送信部は、受け付けた前記ユーザ識別情報を、前記出力管理装置に送信し、
前記出力管理装置は、
受信した前記ユーザ識別情報に基づいてユーザの認証を行う認証部、をさらに備え、
前記予約実行部は、さらに、認証が成功した場合に、前記ドライバソフトウェアを選択して前記出力データを生成するように前記ドライバ選択部を制御することを特徴とする請求項10に記載の出力装置。
【請求項12】
前記出力実行装置は、
ユーザに固有のユーザ識別情報を受け付ける認証受付部と、
前記ユーザ識別情報に基づいてユーザの認証を行う認証部と、をさらに備え、
前記第2送信部は、認証結果を前記出力管理装置に送信し、
前記出力管理装置は、
前記予約実行部は、さらに、認証結果が成功である場合に、前記ドライバソフトウェアを選択して前記出力データを生成するように前記ドライバ選択部を制御することを特徴とする請求項10に記載の出力装置。
【請求項13】
ネットワークに接続され、ユーザの位置を示すユーザ位置情報とネットワークに接続された出力装置の位置を示す出力装置位置情報とを管理する位置管理サーバから、前記ユーザ位置情報と、前記出力装置位置情報と、前記出力装置を配置可能な配置領域の画像である地図情報とを受信する受信ステップと、
前記ユーザを示すユーザシンボルと前記出力装置を示す出力装置シンボルと出力対象の前記文書ファイルを示す文書シンボルとを、受信した前記ユーザ位置情報および前記出力装置位置情報のそれぞれに対応する前記地図画像上の位置で前記表示装置に表示する表示制御ステップと、
表示された前記地図情報において、前記出力装置シンボルと前記文書シンボルとの選択とを受付ける入力受付ステップと、
選択された前記出力装置シンボルの前記出力装置に対する、選択された前記文書シンボルの前記文書ファイルの出力命令と、出力実行の予約の旨を示す予約情報とを前記出力装置に送信する送信ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする出力依頼プログラム。
【請求項14】
前記入力受付ステップは、出力実行する時間である予約時間の入力を受け付けるステップと、
前記送信ステップは、前記予約情報として前記予約時間を前記出力装置に送信することを特徴とする請求項13に記載の出力依頼プログラム。
【請求項15】
前記予約時間と指定された前記出力装置シンボルの前記出力装置の前記出力装置識別情報とを含む予約情報を生成する予約ステップ
をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする請求項14に記載の出力依頼プログラム。
【請求項1】
出力依頼装置であって、
文書ファイルを記憶する記憶部と、
ネットワークに接続され、ユーザの位置を示すユーザ位置情報とネットワークに接続された出力装置の位置を示す出力装置位置情報とを管理する位置管理サーバから、前記ユーザ位置情報と、前記出力装置位置情報と、前記出力装置を配置可能な配置領域の画像である地図情報とを受信する受信部と、
前記ユーザを示すユーザシンボルと前記出力装置を示す出力装置シンボルと出力対象の前記文書ファイルを示す文書シンボルとを、受信した前記ユーザ位置情報および前記出力装置位置情報のそれぞれに対応する前記地図画像上の位置で前記表示装置に表示する表示制御部と、
表示された前記地図情報において、前記出力装置シンボルと前記文書シンボルとの選択とを受付ける入力受付部と、
選択された前記出力装置シンボルの前記出力装置に対する、選択された前記文書シンボルの前記文書ファイルの出力命令と、出力実行の予約の旨を示す予約情報とを前記出力装置に送信する送信部と、
を備えたことを特徴とする出力依頼装置。
【請求項2】
前記入力受付部は、出力実行する時間である予約時間の入力を受け付け、
前記送信部は、前記予約情報として前記予約時間を前記出力装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の出力依頼装置。
【請求項3】
前記予約時間と指定された前記出力装置シンボの前記出力装置の前記出力装置識別情報とを含む予約情報を生成する予約部
をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載の出力依頼装置。
【請求項4】
前記入力受付部は、前記表示装置に表示される前記文書シンボルを前記出力装置シンボルにドラッグアンドドロップする操作を受け付けることを特徴とする請求項1に記載の出力依頼装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記ユーザシンボルおよび前記出力装置シンボルをアイコンで表示することを特徴とする請求項1に記載の出力依頼装置。
【請求項6】
前記出力装置は、出力処理を実行する出力実行装置と、前記出力実行装置にネットワークで接続され、前記出力実行装置に対して出力処理の指令を行う出力管理装置とを備え、
前記送信部は、選択された前記出力装置シンボルの前記出力装置に対する、選択された前記文書シンボルの前記文書ファイルの出力命令と、前記予約情報とを、前記出力管理装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の出力依頼装置。
【請求項7】
出力装置であって、
ネットワークに接続された出力依頼装置から、出力実行の予約の旨を示す予約情報と文書ファイルの出力命令とを受信し、受信した前記予約情報に基づいて、前記文書ファイルの出力を制御する、
ことを特徴とする出力装置。
【請求項8】
出力処理を実行する出力実行装置と、前記出力実行装置にネットワークで接続され、前記出力実行装置に対して出力処理の指令を行う出力管理装置とを備え、
前記出力管理装置は、
出力ドライバソフトウェアを記憶するドライバ蓄積部と、
前記出力依頼装置から、前記予約情報と前記文書ファイルの出力命令とを受信する第1受信部と、
前記ドライバ蓄積部から前記出力実行装置に対応する出力ドライバソフトウェアを選択するドライバ選択部と、
選択されたドライバソフトウェアを実行することにより、前記文書ファイルから出力データを生成する出力データ生成部と、
生成された出力データを前記出力実行装置に送信する第1送信部と、
前記予約情報に基づいて、前記ドライバ選択部または前記出力データ生成部若しくは前記第1送信部を制御する予約実行部と、を備え、
前記出力実行装置は、
前記出力データを受信する第2受信部と、
受信した前記出力データの出力を実行する出力実行部と、
を備えたことを特徴とする出力装置。
【請求項9】
前記予約情報は、出力実行する時間である予約時間を含み、
前記予約実行部は、現在時刻が前記予約時間となった場合または前記予約時間が経過した場合に、前記出力データを送信するように前記第1送信部を制御することを特徴とする請求項8に記載の出力装置。
【請求項10】
前記予約情報は、出力実行する時間である予約時間を含み、
前記予約実行部は、現在時刻が前記予約時間となった場合または前記予約時間が経過した場合に、前記ドライバソフトウェアを選択して前記出力データを生成するように前記ドライバ選択部を制御することを特徴とする請求項10に記載の出力装置。
【請求項11】
前記出力実行装置は、
ユーザに固有のユーザ識別情報を受け付ける認証受付部を、さらに備え、
前記第2送信部は、受け付けた前記ユーザ識別情報を、前記出力管理装置に送信し、
前記出力管理装置は、
受信した前記ユーザ識別情報に基づいてユーザの認証を行う認証部、をさらに備え、
前記予約実行部は、さらに、認証が成功した場合に、前記ドライバソフトウェアを選択して前記出力データを生成するように前記ドライバ選択部を制御することを特徴とする請求項10に記載の出力装置。
【請求項12】
前記出力実行装置は、
ユーザに固有のユーザ識別情報を受け付ける認証受付部と、
前記ユーザ識別情報に基づいてユーザの認証を行う認証部と、をさらに備え、
前記第2送信部は、認証結果を前記出力管理装置に送信し、
前記出力管理装置は、
前記予約実行部は、さらに、認証結果が成功である場合に、前記ドライバソフトウェアを選択して前記出力データを生成するように前記ドライバ選択部を制御することを特徴とする請求項10に記載の出力装置。
【請求項13】
ネットワークに接続され、ユーザの位置を示すユーザ位置情報とネットワークに接続された出力装置の位置を示す出力装置位置情報とを管理する位置管理サーバから、前記ユーザ位置情報と、前記出力装置位置情報と、前記出力装置を配置可能な配置領域の画像である地図情報とを受信する受信ステップと、
前記ユーザを示すユーザシンボルと前記出力装置を示す出力装置シンボルと出力対象の前記文書ファイルを示す文書シンボルとを、受信した前記ユーザ位置情報および前記出力装置位置情報のそれぞれに対応する前記地図画像上の位置で前記表示装置に表示する表示制御ステップと、
表示された前記地図情報において、前記出力装置シンボルと前記文書シンボルとの選択とを受付ける入力受付ステップと、
選択された前記出力装置シンボルの前記出力装置に対する、選択された前記文書シンボルの前記文書ファイルの出力命令と、出力実行の予約の旨を示す予約情報とを前記出力装置に送信する送信ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする出力依頼プログラム。
【請求項14】
前記入力受付ステップは、出力実行する時間である予約時間の入力を受け付けるステップと、
前記送信ステップは、前記予約情報として前記予約時間を前記出力装置に送信することを特徴とする請求項13に記載の出力依頼プログラム。
【請求項15】
前記予約時間と指定された前記出力装置シンボルの前記出力装置の前記出力装置識別情報とを含む予約情報を生成する予約ステップ
をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする請求項14に記載の出力依頼プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5−1】
【図5−2】
【図6】
【図7】
【図8−1】
【図8−2】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5−1】
【図5−2】
【図6】
【図7】
【図8−1】
【図8−2】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2007−249946(P2007−249946A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−12022(P2007−12022)
【出願日】平成19年1月22日(2007.1.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.ZIGBEE
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月22日(2007.1.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.ZIGBEE
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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