説明

出席状態管理システム及び出席状態管理方法

【課題】講義中の受講者の発言から取得した声紋情報基づき本人認証を実行して、事前に声紋情報を取得することなく本人認証を行なうことができ、また、受講者の発言を積極的に促して講義の活発化を図ることが可能な出席状態管理方法及びシステムを提供する。
【解決手段】出席状態管理装置1が、ハンディターミナル2から送信された、受講者IDコード及び座席IDコードと、在席センサー103による、受講者が在席しているかについての検知結果とに基づき、出席している受講者を認証し、該受講者の出席受講者リストを生成して表示する。また、該講義時間中に、ハンディターミナル2から送信される受講者IDコード及び音声情報から、発言した受講者の声紋データを取得し、該受講者の過去の声紋データと今回取得した声紋データとの一致度を求めて表示し、該受講者の出席日数に対応する出席点数を含む出席状態データを出席状態データ記憶部19に記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、講義への受講者の出席を管理するとともに、講義の中での受講者の発言から取得される声紋情報に基づいて、受講者の本人認証を行う出席状態管理システム及び出席状態管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
講義等を受講する者の出席を管理する従来技術として、例えば、下記の特許文献1に、受講生が携帯するIDカードから受講生ID情報を無線タグ用リーダ・ライタにより読み取って、教室管理装置が、席の位置情報と受講生ID情報とを関連付けて保存するとともに、出席状況をマップ画像としてディスプレイ上に表示する出席管理システムについて記載されている。
また、例えば、下記の特許文献2に、受講生が着席時に携帯端末のリーダ/ライタを各座席のICタグにかざして該ICタグのIDを読み取って、携帯端末のIDとともにサーバへ送信し、サーバが、携帯端末のIDをキーとして取得した受講生の個人情報と上記ICタグのIDが示す座席番号とを対応付けて、座席表を作成する座席管理システムについて記載されている。
また、身代わり受講、身代わり受験などを防ぐため声紋を利用して出席者の本人認証を行うようにする技術として、例えば、下記の特許文献3に、一定のレベルで声紋認証を行い、声紋DBに登録してある声紋で本人認証ができないときには、受講管理DBに予め登録してある個人情報を入力させ、この入力された情報が正しい場合には、声紋認証のレベルを下げて認証を行う受講者識別方法について記載されている。
【特許文献1】特開2005−267355号公報
【特許文献2】特開2006−318058号公報
【特許文献3】特開2004−177663号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1,2に示されるように、従来から出席を管理するシステムは数多く提案されているが、従来から提案されているものの多くは、出欠状態を管理するものであり、本人認証を行うものではなかった。
一方、特許文献3に記載された技術では、本人認証を行うために予め受講者の声紋を登録しておく必要があり、講義の中での受講者の発言に基づき取得される声紋情報に基づき、本人認証を行なうものではなかった。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、本発明の目的は、講義中の受講者の発言から声紋情報を取得し、この声紋情報に基づき本人認証を行なうことにより、事前に声紋情報を取得することなく本人認証を行なうことが可能であり、また、受講者の発言を積極的に促すことにより、講義の活発化及び活性化を図ることが可能な出席状態管理方法及びシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、本発明においては、次のようにして前記課題を解決する。
(1)講義への受講者の出席状態を管理する出席状態管理システムを設ける。上記出席状態管理システムが、上記受講者の所有する記録媒体及び各座席に設けられた記録媒体から受講者IDコード及び座席IDコードを読み取る記録媒体リーダと、マイク部と、通信部とを有する持ち運び可能な端末装置と、上記端末装置の通信部から送信される上記受講者IDコード、座席IDコード及び上記マイク部から入力された音声情報を受信する通信手段と、当該講義科目の各受講日毎の、受講者の受講者名と、該受講者の出席日数に対応する出席点数と、該受講者が過去に発言した際に取得された過去の声紋データと該受講者が今回発言した際に取得された声紋データとの一致度とを出席状態データとして記憶する出席状態データ記憶手段と、上記記録媒体リーダにより読み取られた受講者IDコード及び座席IDコードと、各座席に設けられたセンサーによる、受講者が在席しているかについての検知結果とに基づいて、出席している受講者を認証するとともに、当該受講者が在席している座席位置を求める受講者/座席位置認証手段と、上記出席状態データ記憶手段から、上記受講者/座席位置認証手段により認証された各受講者の出席状態データを読み出し、当該講義に出席している各受講者の受講者名と当該講義についての現在の出席点数と座席位置とを対応付けて出席受講者リストを生成する出席受講者リスト生成手段と、上記出席受講者リスト生成手段により生成された出席受講者リストを、少なくとも講師の見えるところに表示する出席受講者リスト表示手段と、当該講義時間中に、上記端末装置の通信部から送信される上記受講者IDコード及び上記マイク部から入力された音声情報から、発言した受講者の受講者IDコードに対応した声紋データを取得して声紋データ記憶部に記憶する声紋データ取得手段と、上記声紋データ記憶部に記憶された当該受講者の過去の声紋データを読み出し、上記今回取得した声紋データと過去の声紋データとを比較して、該過去の声紋データと今回取得した声紋データとの一致度を求める声紋データ比較手段と、上記声紋データの一致度を少なくとも講師の見えるところに表示する一致度表示手段と、上記受講者/座席位置認証手段により認証された受講者の受講者名と、上記声紋データ比較手段によって求められた今回取得した声紋データについての上記声紋データの一致度と、該受講者の出席日数に対応する出席点数とを、該受講者のIDコードに対応付けて上記出席状態データ記憶手段に書き込む出席状態データ書き込み手段とを備える。
(2)上記出席状態データ書き込み手段が、上記今回取得した声紋データについての上記声紋データの一致度に基づいて、該受講者の出席日数に対応する出席点数を算出し、該算出された出席点数を上記出席状態データ記憶手段に書き込む。
(3)講義への受講者の所有する記録媒体及び各座席に設けられた記録媒体から受講者IDコード及び座席IDコードを読み取る記録媒体リーダと、音声情報が入力されるマイク部と、通信部とを有する持ち運び可能な端末装置と、情報処理装置とからなり、該講義への受講者の出席状態を管理する出席状態管理システムにおける出席状態管理方法を用いる。
上記出席状態管理方法が、上記情報処理装置が備える通信手段が、上記端末装置の記録媒体リーダにより読み取られて上記通信部から送信される、受講者IDコード及び座席IDコードを受信するステップと、上記情報処理装置が備える受講者/座席位置認証手段が、上記受信された受講者IDコード及び座席IDコードと、各座席に設けられたセンサーによる、受講者が在席しているかについての検知結果とに基づいて、出席している受講者を認証するとともに、当該受講者が在席している座席位置を求めるステップと、上記情報処理装置が備える出席受講者リスト生成手段が、当該講義科目の各受講日毎の、受講者の受講者名と、該受講者の出席日数に対応する出席点数と、該受講者が過去に発言した際に取得された過去の声紋データと該受講者が今回発言した際に取得された声紋データとの一致度とが出席状態データとして記憶された出席状態データ記憶手段から、上記認証された各受講者の出席状態データを読み出し、当該講義に出席している各受講者の受講者名と当該講義についての現在の出席点数と座席位置とを対応付けて出席受講者リストを生成するステップと、上記情報処理装置が備える出席受講者リスト表示手段が、上記生成された出席受講者リストを、少なくとも講師の見えるところに表示するステップと、上記情報処理装置が備える声紋データ取得手段が、当該講義時間中に、上記端末装置の通信部から送信される上記受講者IDコード及び上記マイク部から入力されて上記通信部から送信される音声情報から、発言した受講者の受講者IDコードに対応した声紋データを取得して声紋データ記憶手段に記憶するステップと、上記情報処理装置が備える声紋データ比較手段が、上記声紋データ記憶手段に記憶された当該受講者の過去の声紋データを読み出し、上記今回取得した声紋データと過去の声紋データとを比較して、該過去の声紋データと今回取得した声紋データとの一致度を求めるステップと、上記情報処理装置が備える一致度表示手段が、上記声紋データの一致度を少なくとも講師の見えるところに表示するステップと、上記情報処理装置が備える出席状態データ書き込み手段が、上記受講者/座席位置認証手段により認証された受講者の受講者名と、上記声紋データ比較手段によって求められた今回取得した声紋データについての上記声紋データの一致度と、該受講者の出席日数に対応する出席点数とを、該受講者のIDコードに対応付けて上記出席状態データ記憶手段に書き込むステップを有する。
(4)上記出席状態管理方法において、上記情報処理装置が備える出席状態データ書き込み手段が、上記今回取得した声紋データについての上記声紋データの一致度に基づいて、該受講者の出席日数に対応する出席点数を算出し、該算出された出席点数を上記出席状態データ記憶手段に書き込む。
【発明の効果】
【0005】
本発明においては、以下の効果を得ることができる。
(1)本発明は、受講者が所有するICタグ等の記録媒体及び各座席に設置された座席ICタグ等の記録媒体により出席者とその在席位置を認証しているので、講師は受講者の出欠及びその在席位置を確認することができる。
(2)本発明は、講義時間中の発言時に受講者のICタグ等の記録媒体から読み取った受講者IDコードに対応する声紋データを取得して、該今回取得した声紋データと過去の声紋データとを照合するので、他人の身代わりで講義に出席することを防止することを期待できる。
また、講師の見えるところに、受講者の在席位置、今回取得した声紋データと過去の声紋データとの一致度などを表示しているので、講師は、これらの情報に基づき発言者を指名することができ、また、本人であるかが怪しい場合には、本人であるか否かを確認することもできる。
(3)本発明は、受講者の出席日数に対応する出席点数を含むデータを出席状態データとして記憶手段に記憶する。従って、受講者の発言を促すことができ、講義を活発化及び活性化させることが期待できる。
(4)本発明は、受講者のこれまでの出席状態などを講義時間中に講師が見うる場所に表示するようにしたので、講師は、これまでの受講者の講義への参加意欲などを配慮しながら受講者の指名などが可能であり、講義を効果的に進めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1は本発明の出席状態管理システムの構成の一例を示す図である。同図に示す出席状態管理システムは、出席状態管理装置1とハンディターミナル2とを備える。
出席状態管理装置1は、後述するハンディターミナル2から送信される受講者IDコード及び座席IDコードと、各座席に設けられた在席センサー103による、受講者が在席しているかについての検知結果とに基づいて、講義に出席している受講者を認証し、認証された受講者の出席受講者リストを生成して表示する。受講者IDコードは、受講者を一意に識別する識別情報であり、座席IDコードは、座席を一意に識別する識別情報である。また、出席状態管理装置1は、ハンディターミナル2から、当該講義時間中に発言した受講者の受講者IDコードと、ハンディターミナルに入力された音声情報とを受信して、該受信した受講者IDコードと音声情報とに基づいて、該発言した受講者の受講者IDコードに対応した声紋データを取得する。そして、出席状態管理装置1は、今回取得した声紋データと過去の声紋データとを比較して、該過去の声紋データと今回取得した声紋データとの一致度を求め、上記声紋データの一致度を少なくとも講師の見えるところに表示する。
【0007】
ハンディターミナル2は、講義の開始前に、受講者の所有する受講者ICタグから受講者IDコードを読み取るとともに、講義室の各座席に設けられた座席ICタグから座席IDコードを読み取る。また、ハンディターミナル2は、上記受講者IDコード及び座席IDコードとを出席状態管理装置1に対して送信する。また、ハンディターミナル2は、当該講義時間中に発言する受講者の所有する受講者ICタグから受講者IDコードを読み取るとともに、マイク部33から入力された音声情報(該受講者が発する音声)を録音し、該読み取られた受講者IDコードと該録音された音声情報とを出席状態管理装置1に対して送信する。
【0008】
なお、受講者が、上記受講者ICタグに代えて、該受講者を識別する識別情報が記録された任意の記録媒体(例えばバーコード、二次元又は3次元コード等)を所有するようにしてもよい。また、上記座席ICタグに代えて、座席を識別する識別情報が記録された任意の記録媒体(例えばバーコード、二次元又は3次元コード等)を各座席に設けるようにしてもよい。
【0009】
出席状態管理装置1は、通信部11、受講者/座席位置認証部12、出席受講者リスト生成部13、表示部14、受講者指名部15、声紋判定部16、出席状態データ書き込み部17、声紋データ記憶部18、出席状態データ記憶部19、スピーカー20、ランプ接続部21、センサー接続部22を備える。
通信部11は、ハンディターミナル2との間で通信を行う。例えば、通信部11は、ハンディターミナル2の通信部31から送信される、受講者IDコード及び座席IDコードと、講義室コードと、音声情報とを受信する。講義室コードは、講義室を一意に識別する識別情報である。
【0010】
受講者/座席位置認証部12は、上記受信された受講者IDコード及び座席IDコードと、センサー接続部22を通じて通知された、各座席に設けられた在席センサー103による、受講者が在席しているかについての検知結果とに基づいて、出席している受講者を認証するとともに、当該受講者が在席している座席位置を求める。また、受講者/座席位置認証部12内には、図4を参照して後述する、受講者IDコードと受講者の氏名等との対応データである受講者データと、図4を参照して後述する、講義室名と講義室コードとの対応データである講義室データと、図5を参照して後述する、講義室名と座席IDコードとの対応データである座席データとが予め記憶されている。また、受講者/座席位置認証部12内には、更に、講義室名と当該受講日の講義(科目)名との対応データ(図示を省略)が予め記憶されている。
【0011】
具体的には、受講者/座席位置認証部12は、以下のようにして、出席している受講者を認証する。受講者/座席位置認証部12は、上記講義室データを参照して、ハンディターミナル2の通信部31から通信部11に対して送信された講義室コードに対応する講義室名を特定する。また、受講者/座席位置認証部12は、上記座席データを参照して、上記特定された講義室名に対応する座席IDコードを特定し、受講者/座席位置認証部12内の所定のバッファに記憶する。そして、受講者/座席位置認証部12は、上記講義室名と講義名との対応データを参照して、上記特定された講義室名に対応する講義名を特定する。そして、受講者/座席位置認証部12は、該特定された講義名に対応するテンポラリデータを生成して、該テンポラリデータを初期設定する。テンポラリデータは、図6(A)、(B)を参照して後述するように、例えば、当該受講日の日時と当該講義室において講義が行われる時限と座席IDコードと学生IDコードとの対応データである。受講者/座席位置認証部12は、上記テンポラリデータの初期設定処理において、テンポラリデータにおける受講者IDコードの項目と座席IDコードの項目とを空に設定する。
【0012】
受講者/座席位置認証部12は、受講者IDコードと座席IDコードとがハンディターミナル2の通信部31から通信部11に対して送信されると、上記テンポラリデータの受講者IDコードの項目に該受信された受講者IDコードを記録する。また、受講者/座席位置認証部12は、上記送信された座席IDコードのうち、上記受講者/座席位置認証部12内の所定のバッファ内に記憶された座席IDコードと照合する座席IDコードを、上記テンポラリデータの座席IDコードの項目に記録する。もちろん、本発明の一実施形態によれば、上記送信された受講者IDコードを上記所定のバッファ内に記憶された座席コードと照合することなく、そのままテンポラリデータに記録するようにしてもよい。
【0013】
次に、受講者/座席位置認証部12は、上記通信部11に送信された受講者IDコードが、上記受講者データに登録されているかを判断する。該受講者IDコードが受講者データに登録されており、かつ、該受講者IDコードとともに通信部11に送信された座席IDコードが示す座席に設けられた在席センサー103による検知結果が、受講者が在席していることを示す場合には、受講者/座席位置認証部12は、当該受講者IDコードが示す受講者を出席者として認証する。また、受講者/座席位置認証部12は、図5に示すように座席IDコードと座席の位置(レイアウト上の位置)との対応情報を参照して、上記送信された座席IDコードに対応する座席の位置を上記認証された受講者が在席している座席位置として決定する。
該受講者IDコードが受講者データに登録されていないか、又は、該受講者IDコードとともに通信部11によって受信された座席IDコードが示す座席に設けられた在席センサー103による検知結果が、受講者が在席していることを示さない場合には、受講者/座席位置認証部12は、当該受講者IDコードが示す受講者を出席者として認証せず、上記テンポラリデータから、該認証しなかった受講者の受講者IDコードの記録を消去する。
【0014】
出席受講者リスト生成部13は、後述する出席状態データ記憶部19から、受講者/座席位置認証部12により認証された各受講者の出席状態データを読み出し、当該講義に出席している各受講者の受講者名と、当該講義についての現在の出席点数と、受講者/座席位置認証部12によって決定された座席位置とを対応付けて、出席受講者リストを生成する。
具体的には、出席受講者リスト生成部13は、受講者/座席位置認証部12による、上記受講者の認証処理後のテンポラリデータを参照して、該テンポラリデータに記録されている受講者IDコードを特定し、出席状態データ記憶部19から、上記特定された受講者IDコードに対応する出席状態データを読み出す。そして、出席受講者リスト生成部13は、該読み出された出席状態データと、上記決定された座席位置とに基づいて、例えば図8を参照して後述する出席受講者リストを生成する。
【0015】
表示部14は、上記出席受講者リスト生成部13により生成された出席受講者リストを、少なくとも講師の見えるところ(例えば、講師が持つコンピュータの表示パネルや、講師の教壇に設置された表示パネル等)に表示する。すなわち、表示部14は、出席受講者リスト生成部13により生成された出席受講者リストを、少なくとも講師の見えるところに表示する出席受講者リスト表示手段である。
また、表示部14は、後述する声紋判定部16によって求められる声紋データの一致度を少なくとも講師の見えるところに表示する。すなわち、表示部14は、声紋データの一致度を少なくとも講師の見えるところに表示する一致度表示手段である。また、表示部14は、ハンディターミナル2の通信部31から通信部11に対して送信されるエラー通知を表示する。該エラー通知は、図11を参照して後述する、ハンディターミナル2による講義室コード、受講者IDコード、座席IDコードの読み取り処理において発生するエラーの通知である。
【0016】
受講者指名部15は、講師の指定入力に従って、受講者を指名して、該受講者の氏名をスピーカー20から音声出力する。また、受講者指名部15は、上記指名された受講者が在席している座席に予め設けられている座席ランプ102を発光させる。
声紋判定部16は、当該講義時間中に、ハンディターミナル2の通信部31から通信部11に対して送信される、受講者IDコード及びハンディターミナル2のマイク部33から入力された音声情報から、当該講義時間中に発言した受講者の受講者IDコードに対応した声紋データを取得し、声紋データ記憶部18に記憶する。声紋データは、例えば、受講者毎及び講義科目毎に声紋データ記憶部18に記憶される。具体的には、声紋判定部16は、公知の特徴ベクトル算出技術を用いて、当該音声情報の特徴ベクトルを求め、求まった特徴ベクトルを当該受講者の声紋データとする。すなわち、声紋判定部16は、当該講義時間中に、端末装置(ハンディターミナル2)の通信部31から送信される受講者IDコード及びマイク部33から入力された音声情報から、発言した受講者の受講者IDコードに対応した声紋データを取得して声紋データ記憶部18に記憶する声紋データ取得手段である。
【0017】
また、声紋判定部16は、声紋データ記憶部18に記憶されている当該受講者の過去の声紋データを読み出し、今回取得した声紋データと過去の声紋データとを比較して、該過去の声紋データと今回取得した声紋データとの一致度を求める。例えば、声紋判定部16は、当該受講者の過去の声紋データについての特徴ベクトルの平均と今回取得された声紋データについての特徴ベクトルとの類似度を公知のベクトル間の類似度を求める技術によって算出し、該算出された類似度を該過去の声紋データと今回取得した声紋データとの一致度とする。すなわち、声紋判定部16は、声紋データ記憶部18に記憶された当該受講者の過去の声紋データを読み出し、上記今回取得された声紋データと過去の声紋データとを比較して、該過去の声紋データと今回取得された声紋データとの一致度を求める声紋データ比較手段である。
【0018】
出席状態データ書き込み部17は、受講者/座席位置認証部12によって出席者として認証された受講者の受講者名と、声紋データ判定部16によって求められた今回取得した声紋データについての上記声紋データの一致度と、該受講者の出席日数に対応する出席点数とを、該受講者のIDコードに対応付け、該対応付けられたデータを出席状態データとして出席状態データ記憶部19に書き込む。なお、出席状態データ書き込み部17は、例えば、予め定められた出席日数と出席点数との対応情報に基づいて、該受講者の出席日数に対応する出席点数を求め、求まった出席点数を該受講者のIDコードに対応付ける。出席状態データ書き込み部17は、例えば、該声紋データの一致度が所定の閾値(例えば0.5)以上である場合にのみ、該受講者に対応する出席点数を求めるようにし、声紋データの一致度が所定の閾値未満であるときには、該受講者を欠席扱いとして、該受講者に対して出席点数を付与しない(該受講者に対する出席点数を求めない)ようにしてもよい。
【0019】
声紋データ記憶部18には声紋データが記憶される。出席状態データ記憶部19には出席状態データが記憶される。
スピーカー20は、受講者指名部15によって指名された受講者の氏名を音声出力する。ランプ接続部21は、講義室の各座席に予め設けられた座席ランプ102と接続され、受講者指名部15からの指示に従って、受講者指名部15によって指名された受講者が在席する座席に設けられている座席ランプ102を発光させる。具体的には、ランプ接続部21は、ランプ接続部21内に予め記憶された、図7を参照して後述する座席IDコードとランプ番号との対応情報を参照して、上記指名された受講者が在席する座席に対応するランプ番号を特定し、該特定されたランプ番号に対応する座席ランプ102を発光させる。
【0020】
センサー接続部22は、各座席に設けられた在席センサー103と接続されており、該在席センサー103による、座席に受講者が在席しているかについての検知結果を受講者/座席位置認証部12に対して通知する。在席センサー103は、例えば、該在席センサー103が設けられた座席(例えば、椅子)に受講者が座った時に、該座席に受講者が在席していることを検知する。
【0021】
ハンディターミナル2は、通信部31、ICタグリーダ32、マイク部33、制御部34、記憶部35を備える。通信部31は、出席状態管理装置1との間で通信を行う。具体的には、通信部31は、ICタグリーダ32によって読み取られた受講者IDコード及び座席IDコードと、講義室コードと、マイク部33によって入力された音声情報とを出席状態管理装置1の通信部11に対して送信する。ICタグリーダ32は、受講者の所有するICタグ等の記録媒体からIDコードを読み取る。また、ICタグリーダ32は、各座席に設けられた座席ICタグ等記録媒体から座席IDコードを読み取る。また、ICタグリーダ32は、講義室に設置されたICタグ等の記録媒体から講義室コードを読み取る。上記ICタグリーダ32に代えて、記録媒体からIDコードを読み取ることが可能な任意の記録媒体リーダを用いるようにしてもよい。
マイク部33は、受講者から発せられる音声情報を入力する。制御部34は、ICタグリーダ32によって読み取られた受講者IDコード及び座席IDコードと、講義室コードと、マイク部33によって入力された音声情報を記憶部35に記憶(又は録音)する。記憶部35には、ICタグリーダ32によって読み取られた受講者IDコード及び座席IDコードと、講義室コードと、マイク部33によって入力された音声情報とが記憶される。
【0022】
図2は、本発明の出席状態管理システムによる出席状態管理処理が実行される講義室の構成例である。この例では、点線で囲った部分に示すような、講義室内の各受講者100の椅子202と、机201の全領域のうち各受講者100に割り当てられる領域との組を座席という。図2中に示すように、各座席には、座席ICタグ101と、座席ランプ102と、在席センサー103とが設けられている。なお、各講義室には、講義室を一意に特定する講義室コードが記憶されたICタグが設けられている。
【0023】
受講者100が講義室に入室して、座席に着席すると、まず、ハンディターミナル2が、該講義室に設けられたICタグから講義室コードを読み取る。そして、各受講者100に対してハンディターミナル2が順次渡される。ハンディターミナル2は、受講者100の操作に従って、受講者100が所有する受講者ICタグから受講者IDコードを読み取るとともに、該受講者100が着席している座席に設けられている座席ICタグから座席IDコードを読み取る。在席センサー103は、該在席センサー103が設けられている座席に受講者100が在席しているかを検知する。上記受講者IDコード及び座席IDコードと、上記在席センサー103による検知結果とが出席状態管理装置1に対して通知される。
【0024】
出席状態管理装置1は、上記通知された上記受講者IDコード及び座席IDコードと、上記在席センサー103による検知結果とに基づいて、出席している受講者を認証し、該認証された受講者100の受講者名と当該講義についての現在の出席点数と座席位置とを対応付けて出席受講者リストを生成し、生成された出席受講者リストを、例えば教壇101に設置された表示パネル上に表示する。講師が、該表示パネル上に表示された出席受講者リストに記述された受講者100を指定入力すると、出席状態管理装置1は、該指定入力に従って、受講者100を指名し、指名された受講者100の氏名をスピーカー20から音声出力するとともに、該指名された受講者100が在席している座席に設けられている座席ランプ102を発光させる。
【0025】
図3は、受講者データの一例を示す図である。受講者データは、例えば、学年・所属、氏名、性別、IDコードといったデータ構成を有する。学年・所属は、受講者の学年及び所属(例えば、専攻)、氏名は受講者の氏名、性別は受講者の性別、IDコードは受講者IDコードを示す。
【0026】
図4は、講義室データの一例を示す図である。講義室データは、講義室名と講義室コードといったデータ構成を有する。講義室名は講義室の名称、講義室コードは該講義室を一意に識別するコードである。この情報がICタグに記録され、講義室の壁又は入口にICタグとして貼付されていてもよい。例えば、奥室の壁には「OKUSITU」という情報が記録されたICタグが貼付される。
【0027】
図5は、座席データの一例を示す図である。座席データは、講義室名(講義室の名称)と該講義室名に対応する座席IDコード及びレイアウト上の位置といったデータ構成を有する。
【0028】
図6(A)、(B)は、テンポラリデータの一例を示す図である。図6(A)はX月Y日のN時限に奥室で行われる講義についてのテンポラリデータを示し、図6(B)はX月Y日のL時限に奥室で行われる講義についてのテンポラリデータを示している。図6(A)、(B)に示すテンポラリデータは、例えば、日時、時限、座席IDコード、受講者IDコード及びレイアウト上の位置といったデータ構成を有する。日時は当該受講日、時限は当該講義が行われる時限、座席IDコードは、座席を一意に識別する識別情報であり、受講者/座席位置認証部12による受講者の認証処理後は、講義への出席者として認証された受講者が在席している座席の識別情報を示す。受講者IDコードは、受講者を一意に識別する識別情報であって、受講者/座席位置認証部12による受講者の認証処理後は、講義への出席者として認証された受講者の識別情報を示す。
【0029】
図7は、ランプ接続部内に予め記憶された、座席IDコードとランプ番号との対応情報の一例を示す図である。図7に示す座席IDコードとランプ番号との対応情報において、座席IDコードは座席を一意に識別する識別情報を示し、ランプ番号は、座席ランプ102を一意に識別するランプ番号を示す。
【0030】
図8は、出席受講者リストの一例を示す図である。図8に示す出席受講者リストは、例えば、No、指示ボタン、氏名、座席IDコード、座席位置、出席点数といったデータ構成を有する。Noは出席受講者リストのレコード(一行分のデータ)を一意に識別する番号、指示ボタンは受講者を指定入力するためのボタン、氏名は該受講者の氏名、座席IDコードは該受講者が在席している座席の識別情報、座席位置は該受講者が在席している座席の位置、出席点数は該受講者の出席点数である。上記指示ボタンが講師によってクリック等されることによって、該指示ボタンの横に表示されている氏名に対応する受講者が指定入力され、受講者指名部15によって指名される。そして、該指名された受講者の氏名がスピーカー20から音声出力される。また、受講者指名部15は、該指名された受講者に対応する座席IDコードをランプ接続部21に対して通知することによって、ランプ接続部21に該座席IDコードが示す座席に設けられた座席ランプ102の発光を指示する。
【0031】
図9は、声紋データ記憶部に記憶される声紋データの一例を示す図である。図9に示す声紋データは、当該受講者の氏名と受講者IDコードと当該講義日毎の当該受講者の声紋データと過去の声紋データの平均(声紋データについての特徴ベクトルの平均)とからなる。過去の声紋データの平均は、当該講義科目についての当該受講者の過去の声紋データの平均であってもよいし、全ての講義科目についての当該受講者の過去の声紋データの平均であってもよい。声紋データは、受講者毎及び講義科目毎に声紋データ記憶部18に記憶される。
【0032】
図10は、出席状態データの一例を示す図である。出席状態データは、受講者名、該受講者の受講者IDコード、該受講者の出席点数、一致度を含んでいる。出席状態データ中の「出席点」は出席点数を示し、「一致度」は、各受講日において取得された該受講者の声紋データと該受講者の過去の声紋データとの一致度を示す。
【0033】
図11は、ハンディターミナルによる講義室コード、受講者IDコード、座席IDコードの読み取り処理フローの一例を示す図である。ハンディターミナル2は、講義室コードを読み取った後、各受講者に渡されて、受講者IDコードと座席IDコードとを読み取る。この例では、ハンディターミナル2が座席IDコード、受講者IDコードの順に読み取った場合にのみ座席IDコード、受講者IDコードが制御部34によって記憶部35に記憶される。
【0034】
まず、ハンディターミナル2のICタグリーダ32が、講義室に設置されたICタグから講義室コードをリードし(読み取り)、制御部34が講義室コードを記憶部35に記憶する(ステップS1)。次に、ICタグリーダ32が、受講者が所有する受講者ICタグから受講者IDコードをリードするか、又は、各座席に設けられた座席ICタグから座席IDコードをリードする(ステップS2)。制御部34が、リードされたIDコードが座席IDコードかを判断する(ステップS3)。制御部34が、リードされたIDコードが座席IDコードでないと判断した場合、制御部34は、リードされたIDコードが受講者IDコードかを判断する(ステップS4)。制御部34が、リードされたIDコードが受講者IDコードでないと判断した場合、制御部34は、通信部31を通じて出席状態管理装置1の通信部11にエラーを通知する(ステップS5)。該通知されたエラーは、出席状態管理装置1の表示部14によって表示される。
【0035】
制御部34が、リードされたIDコードが受講者IDコードであると判断した場合、制御部34は、座席IDコードが記憶部35に記憶済みかを判断する(ステップS6)。制御部34が、座席IDコードが記憶部35に記憶済みでないと判断した場合は、ステップS2に戻る。制御部34が、座席IDコードが記憶部35に記憶済みであると判断した場合は、受講者IDコードを記憶部35に記憶して(ステップS7)、処理を終了する。
上記ステップS3において、制御部34が、リードされたIDコードが座席IDコードであると判断した場合、制御部34は、前回リードされたIDコードが座席IDコードかを判断する(ステップS8)。制御部34が、前回リードされたIDコードが座席IDコードであると判断した場合は、ステップS2に戻る。制御部34が、前回リードされたIDコードが座席IDコードでないと判断した場合は、制御部34は、座席IDコードを記憶部35に記憶して(ステップS9)、ステップS2に戻る。
【0036】
図12は、ハンディターミナルによる講義室コード、受講者IDコード、座席IDコードの送信処理フローの一例を示す図である。
ハンディターミナル2の通信部31が、記憶部35に記憶されている講義室コードを出席状態管理装置1の通信部11に対して送信する(ステップS11)。次に、ハンディターミナル2の通信部31が、記憶部35に記憶されている受講者IDコードを出席状態管理装置1の通信部11に対して送信する(ステップS12)。そして、ハンディターミナル2の通信部31が、記憶部35に記憶されている座席IDコードを出席状態管理装置1の通信部11に対して送信して(ステップS13)、処理を終了する。
【0037】
図13は、出席状態管理処理フローの一例を示す図である。まずシステムのカレンダーと時刻をリードし、当日の日時を記憶する(ステップS20)。
次に、出席状態管理装置1の通信部11が、ハンディターミナル2の通信部31から講義室コードを受信すると(ステップS21)、受講者/座席位置認証部12が、テンポラリデータを生成して、該テンポラリデータを初期設定する(ステップS22)。次に、通信部11が、ハンディターミナル2の通信部31から受講者IDコードと座席IDコードとを受信すると(ステップS23)、受講者/座席位置認証部12が、該受信された受講者IDコードと座席IDコードとをテンポラリデータに設定する(ステップS24)。上記ステップS24においては、受講者/座席位置認証部12は、例えば、上記受信された座席IDコードが、受講者/座席位置認証部12の所定のバッファ内に既に記憶されている場合にのみ該座席IDコードをテンポラリデータに設定する。
【0038】
次に、受講者/座席位置認証部12が、センサー接続部22から、座席に受講者が在席しているかについての検知結果の通知を受ける(ステップS25)。受講者/座席位置認証部12が、上記ステップS23において受信された受講者IDコードが示す受講者を出席者として認証するかを判断する(ステップS26)。受講者/座席位置認証部12が、該受講者を出席者として認証した場合は、受講者/座席位置認証部12は、該受講者の座席位置を決定して(ステップS27)、ステップS29に進む。受講者/座席位置認証部12が、該受講者を出席者として認証しない場合は、受講者/座席位置認証部12は、出席者として認証されなかった受講者に対応する受講者IDをテンポラリデータから消去する(ステップS28)。
【0039】
次に、出席受講者リスト生成部11が、テンポラリデータを参照して、出席受講者リストを生成し(ステップS29)、表示部14が、生成された出席受講者リストを少なくとも講師の見えるところに表示する(ステップS30)。
次に、受講者指名部15が、講師によって受講者が指定されたかを判断する(ステップS31)。受講者指名部15が講師によって受講者が指定されないと判断した場合はステップS31に戻る。受講者指名部15が、講師によって受講者が指定されたと判断した場合、受講者指名部15は、受講者を指名する(ステップS32)。そして、受講者指名部15が、上記指名された受講者が在席している座席に設けられている座席ランプ102を発光させる(ステップS33)。また、受講者指名部15が、指名された受講者の氏名をスピーカー20から音声出力する(ステップS34)。ハンディターミナルが、図15を参照して後述するマイク入力処理を行う(ステップS35)。次に、出席状態管理装置1の通信部11が、ハンディターミナル2からの通信を受信する(ステップS36)。具体的には、通信部11は、ハンディターミナル2の通信部31から、講義中に発言した受講者の受講者IDコードと音声情報とを受信する。声紋判定部16は、上記受信された受講者IDコードと音声情報とに基づいて、該受講者IDコードに対応した声紋データを取得する(ステップS37)。
【0040】
次に、声紋判定部16が、上記受講者IDコードに対応する受講者の過去の声紋データが声紋データ記憶部18に記憶されているかを判断する(ステップS38)。声紋判定部16が、上記受講者IDコードに対応する受講者の過去の声紋データが声紋データ記憶部18に記憶されていないと判断した場合、上記ステップS37において取得された声紋データ(今回取得された声紋データ)を声紋データ記憶部に記憶して(ステップS39)、ステップS46に進む。
上記ステップS38において、声紋判定部16が、上記受講者IDコードに対応する過去の声紋データが声紋データ記憶部18に記憶されていると判断した場合、声紋判定部16は、声紋データ記憶部18に記憶されている当該受講者IDコードに対応する受講者の過去の声紋データをリードし(ステップS40)、上記ステップS37において今回取得された声紋データが上記ステップS39においてリードされた過去の声紋データと照合するかを判断する(ステップS41)。
【0041】
具体的には、声紋判定部16は、今回取得された声紋データと過去の声紋データとを比較して、該過去の声紋データと今回取得した声紋データとの一致度を求め、求まった一致度が予め決められた閾値以上かを判断する。声紋判定部16が、今回取得された声紋データが過去の声紋データと照合すると判断した場合は、ステップS44に進む。声紋判定部16が、今回取得された声紋データが過去の声紋データと照合しないと判断した場合、表示部14が、上記求まった過去の声紋データと今回取得した声紋データとの一致度を、少なくとも講師の見えるところに表示する(ステップS42)。例えば、表示部14は、上記ステップS30において表示された出席受講者リストにおける、該受講者に対応するレコード(一行分のデータ)の横に、上記求まった一致度をポップアップ表示等する。
【0042】
次に、声紋判定部16は、講師の指定入力に従って、今回取得された声紋データを消去するかを判断する(ステップS43)。声紋判定部16が、今回取得された声紋データを消去すると判断した場合、声紋判定部16は、当該声紋データを消去して(ステップS45)、ステップS46に進む。声紋判定部16が、今回取得された声紋データを消去しないと判断した場合、声紋判定部16は、当該声紋データを声紋データ記憶部に記憶して(ステップS44)、ステップS46に進む。
次に、出席状態データ書き込み部17が、例えば講師の指定入力に従って、講義が終了したかを判断する(ステップS46)。出席状態データ書き込み部17が、講義が終了していないと判断した場合は、ステップS31に戻る。出席状態データ書き込み部17が、講義が終了したと判断した場合は、出席状態データ書き込み部17が、出席状態データを出席状態データ記憶部19に書き込んで(ステップS47)、処理を終了する。
【0043】
図14は、図13のステップS22におけるテンポラリデータの初期設定処理の詳細を示すフローチャートである。
まず、受講者/座席位置認証部12が、図4に示すような講義室データを参照して、ハンディターミナル2の通信部31から受信された講義室コードに対応する講義室名を特定する(ステップS51)。また、受講者/座席位置認証部12は、図5に示すような座席データを参照して、上記特定された講義室名に対応する座席IDコードを特定し、受講者/座席位置認証部12内の所定のバッファに記憶する(ステップS52)。また、受講者/座席位置認証部12は、講義室名と講義名との対応データを参照して、上記特定された講義室名に対応する講義名を特定する(ステップS53)。そして、受講者/座席位置認証部12は、上記特定された講義名に対応するテンポラリデータを生成し、該生成されたテンポラリデータにおける受講者IDコードの項目と座席IDコードの項目とを空に設定して(ステップS54)、処理を終了する。
【0044】
図15は、図13のステップS35におけるハンディターミナルのマイク入力処理の詳細を示すフローチャートである。マイク部33が、マイク入力(受講者からの音声入力)が行われたかを判断する(ステップS61)。次に、ICタグリーダ32が、受講者の所有する受講者ICタグをリードして(ステップS62)、受講者IDコードを取得する。次に、制御部34が、受講者から入力された音声を録音する(記憶部35に記憶する)(ステップS63)。制御部34が、録音が終了したかを判断する(ステップS64)。制御部34が、録音が終了していないと判断した場合はステップS63に戻る。制御部34が、録音が終了したと判断した場合、制御部34は、マイク部33によるマイク入力が終了したかを判断する(ステップS65)。制御部34が、マイク部33によるマイク入力が終了していないと判断した場合は、ステップS61に戻る。制御部34が、マイク部33によるマイク入力が終了した判断した場合は、処理を終了する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の出席状態管理システムの構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の出席状態管理システムによる出席状態管理処理が実行される講義室の構成例である。
【図3】受講者データの一例を示す図である。
【図4】講義室データの一例を示す図である。
【図5】座席データの一例を示す図である。
【図6】テンポラリデータの一例を示す図である。
【図7】座席IDコードとランプ番号との対応情報の一例を示す図である。
【図8】出席受講者リストの一例を示す図である。
【図9】声紋データ記憶部に記憶される声紋データの一例を示す図である。
【図10】出席状態データの一例を示す図である。
【図11】ハンディターミナルによる講義室コード、受講者IDコード、座席IDコードの読み取り処理フローの一例を示す図である。
【図12】ハンディターミナルによる講義室コード、受講者IDコード、座席IDコードの送信処理フローの一例を示す図である。
【図13】出席状態管理処理フローの一例を示す図である。
【図14】テンポラリデータの初期設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図15】ハンディターミナルのマイク入力処理の詳細を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0046】
1 出席状態管理装置
2 ハンディターミナル
11、31 通信部
12 受講者/座席位置認証部
13 出席受講者リスト生成部
14 表示部
15 受講者指名部
16 声紋判定部
17 出席状態データ書き込み部
18 声紋データ記憶部
19 出席状態データ記憶部
20 スピーカー
21 ランプ接続部
22 センサー接続部
32 ICタグリーダ
33 マイク部
34 制御部
35 記憶部
100 受講者
101 座席ICタグ
102 座席ランプ
103 在席センサー
200 教壇
201 机
202 椅子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
講義への受講者の出席状態を管理する出席状態管理システムであって、
上記受講者の所有する記録媒体及び各座席に設けられた記録媒体から受講者IDコード及び座席IDコードを読み取る記録媒体リーダと、マイク部と、通信部とを有する持ち運び可能な端末装置と、
上記端末装置の通信部から送信される上記受講者IDコード、座席IDコード及び上記マイク部から入力された音声情報を受信する通信手段と、
当該講義科目の各受講日毎の、受講者の受講者名と、該受講者の出席日数に対応する出席点数と、該受講者が過去に発言した際に取得された過去の声紋データと該受講者が今回発言した際に取得された声紋データとの一致度とを出席状態データとして記憶する出席状態データ記憶手段と、
上記記録媒体リーダにより読み取られた受講者IDコード及び座席IDコードと、各座席に設けられたセンサーによる、受講者が在席しているかについての検知結果とに基づいて、出席している受講者を認証するとともに、当該受講者が在席している座席位置を求める受講者/座席位置認証手段と、
上記出席状態データ記憶手段から、上記受講者/座席位置認証手段により認証された各受講者の出席状態データを読み出し、当該講義に出席している各受講者の受講者名と当該講義についての現在の出席点数と座席位置とを対応付けて出席受講者リストを生成する出席受講者リスト生成手段と、
上記出席受講者リスト生成手段により生成された出席受講者リストを、少なくとも講師の見えるところに表示する出席受講者リスト表示手段と、
当該講義時間中に、上記端末装置の通信部から送信される上記受講者IDコード及び上記マイク部から入力された音声情報から、発言した受講者の受講者IDコードに対応した声紋データを取得して声紋データ記憶部に記憶する声紋データ取得手段と、
上記声紋データ記憶部に記憶された当該受講者の過去の声紋データを読み出し、上記今回取得した声紋データと過去の声紋データとを比較して、該過去の声紋データと今回取得した声紋データとの一致度を求める声紋データ比較手段と、
上記声紋データの一致度を少なくとも講師の見えるところに表示する一致度表示手段と、
上記受講者/座席位置認証手段により認証された受講者の受講者名と、上記声紋データ比較手段によって求められた今回取得した声紋データについての上記声紋データの一致度と、該受講者の出席日数に対応する出席点数とを、該受講者のIDコードに対応付けて上記出席状態データ記憶手段に書き込む出席状態データ書き込み手段とを備える
ことを特徴とする出席状態管理システム。
【請求項2】
上記出席状態データ書き込み手段が、上記今回取得した声紋データについての上記声紋データの一致度に基づいて、該受講者の出席日数に対応する出席点数を算出し、該算出された出席点数を上記出席状態データ記憶手段に書き込む
ことを特徴とする請求項1に記載の出席状態管理システム。
【請求項3】
講義への受講者の所有する記録媒体及び各座席に設けられた記録媒体から受講者IDコード及び座席IDコードを読み取る記録媒体リーダと、音声情報が入力されるマイク部と、通信部とを有する持ち運び可能な端末装置と、情報処理装置とからなり、該講義への受講者の出席状態を管理する出席状態管理システムにおける出席状態管理方法であって、
上記情報処理装置が備える通信手段が、上記端末装置の記録媒体リーダにより読み取られて上記通信部から送信される、受講者IDコード及び座席IDコードを受信するステップと、
上記情報処理装置が備える受講者/座席位置認証手段が、上記受信された受講者IDコード及び座席IDコードと、各座席に設けられたセンサーによる、受講者が在席しているかについての検知結果とに基づいて、出席している受講者を認証するとともに、当該受講者が在席している座席位置を求めるステップと、
上記情報処理装置が備える出席受講者リスト生成手段が、当該講義科目の各受講日毎の、受講者の受講者名と、該受講者の出席日数に対応する出席点数と、該受講者が過去に発言した際に取得された過去の声紋データと該受講者が今回発言した際に取得された声紋データとの一致度とが出席状態データとして記憶された出席状態データ記憶手段から、上記認証された各受講者の出席状態データを読み出し、当該講義に出席している各受講者の受講者名と当該講義についての現在の出席点数と座席位置とを対応付けて出席受講者リストを生成するステップと、
上記情報処理装置が備える出席受講者リスト表示手段が、上記生成された出席受講者リストを、少なくとも講師の見えるところに表示するステップと、
上記情報処理装置が備える声紋データ取得手段が、当該講義時間中に、上記端末装置の通信部から送信される上記受講者IDコード及び上記マイク部から入力されて上記通信部から送信される音声情報から、発言した受講者の受講者IDコードに対応した声紋データを取得して声紋データ記憶手段に記憶するステップと、
上記情報処理装置が備える声紋データ比較手段が、上記声紋データ記憶手段に記憶された当該受講者の過去の声紋データを読み出し、上記今回取得した声紋データと過去の声紋データとを比較して、該過去の声紋データと今回取得した声紋データとの一致度を求めるステップと、
上記情報処理装置が備える一致度表示手段が、上記声紋データの一致度を少なくとも講師の見えるところに表示するステップと、
上記情報処理装置が備える出席状態データ書き込み手段が、上記受講者/座席位置認証手段により認証された受講者の受講者名と、上記声紋データ比較手段によって求められた今回取得した声紋データについての上記声紋データの一致度と、該受講者の出席日数に対応する出席点数とを、該受講者のIDコードに対応付けて上記出席状態データ記憶手段に書き込むステップを有する
ことを特徴とする出席状態管理方法。
【請求項4】
上記情報処理装置が備える出席状態データ書き込み手段が、上記今回取得した声紋データについての上記声紋データの一致度に基づいて、該受講者の出席日数に対応する出席点数を算出し、該算出された出席点数を上記出席状態データ記憶手段に書き込む
ことを特徴とする請求項3に記載の出席状態管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−276633(P2008−276633A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−121467(P2007−121467)
【出願日】平成19年5月2日(2007.5.2)
【出願人】(598057291)株式会社富士通エフサス (147)
【Fターム(参考)】