説明

分子の形状又は結晶形のレーザ共鳴均質化又は修飾による栄養素、薬剤、及びその他の生物活性物質のバイオアベイラビリティの増強

生物活性物質のバイオアベイラビリティの改良方法は、該生物活性物質をレーザ放射に当てることを含む。レーザ放射は生物活性物質を変更し、それによって体内で該物質に関する反応が変更される。該方法は、自己免疫疾患に関連する炎症の削減、体内における反応副産物の変更、分子形状の均質化及び平坦化の増大、及び改良されたメチル化を可能にする。改良されたメチル化は、ホモシステインの血中濃度の低下、並びに不安、うつ、パラノイア、敵意、身体化(身体的苦痛の知覚)及び強迫症状の減退に利用できる。修飾L−アルギニン由来の一酸化窒素産生の増強は、収縮期及び拡張期血圧の低下、総及びLDLコレステロール濃度の低下、及び総対HDLコレステロール比の改善に使用できる。レーザ放射の疎な強め合いノードの透過深度の増大は、光力学療法の用途の範囲並びに分子形状及び活性の広範囲のインビトロ及びインビボ変形を増大しうる。レーザ音響共鳴は、結晶の均質性の増大に、又は新規もしくは好適な結晶形の生成に都合よく利用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
本発明は、新規な食物アミノ酸及び栄養製品、並びに強化医薬品、そしてそれらの製造法に関する。更に詳しくは、本発明は、製品が有利に修飾された生物活性反応プロフィールを有し、前記製品の製造方法が特別に振幅変調され構築されたレーザ光への暴露プロセスによるような製品及び方法に関する。これらのプロセスは、化合物中の分子の結合構造及び形状を変更することによって反応特性を変更し、その結果、少なくとも摂取又は投与後初期期間を過ぎると、ある種の好適な生物学的反応が増強でき、別の場合ではあまり好ましくない反応が抑制できるため、製品をより正確にニーズに合わせて所望の処置効果又は栄養効果を提供することができる。
【0002】
身体及び身体の特別な器官は、栄養素を各種の複雑な方法で利用している。これらの生物学的プロセスは、酵素によって穏和化された(enzyme moderated)反応で起こることが多い。所定の栄養素又は化合物の効率は、それが所望の形態でどのくらい身体に取り込まれ得るかという相対的容易性に左右される。本開示の目的のために、この取込みの容易さを“バイオアベイラビリティ”と呼ぶことにする。従って、増大したバイオアベイラビリティと言うときには、議論の文脈に応じて、身体によって利用される化合物の量、又は該化合物が利用される速度もしくは効率に関しうることは理解されるであろう。
【0003】
さらに、改良されたバイオアベイラビリティとは、化合物の吸収様式における改良のことであってもよい。言い換えれば、栄養素又は薬剤が低刺激又は不都合な効果を低減されて吸収されるということは、たとえ吸収された化合物の実際の量が増加していなくても、バイオアベイラビリティの改良である。
【0004】
StrachanのPCT/GB00/03280から、サブフェムト秒ほどの速さで発生させた電磁(EM)波の強め合い干渉(constructive interference)の疎なノードを構築すれば、有機及びその他の分子の媒質を通る散乱経路の多くの限界を克服して、通常のレーザEM刺激よりずっと効率的に特定の分子共鳴を選択的に刺激できることが知られている。
【0005】
通常、レーザEM刺激は散乱媒質を通過すると非特異的な熱的効果に急激に変質しやすい。これに対し、疎な強め合いノードビームでのEM放射では偏光(polarization)及び磁場構造を充分安定に維持できるので、分子の極性及び疎水性領域は、これらの疎な強め合いノードからレーザエネルギーを差別的に吸収し、主に分子の音響共鳴(acoustic resonance)のために構造的結合エネルギーに影響を受ける。すると、分子の形状が変わり、その結果化学的反応性も変わることになる。
【0006】
疎な強め合いノード(sparse constructive node)は、StrachanのEP865618A1に記載されているような光学装置を通じて発生及び変調される。具体的には、レーザビームは、ビームが実質的に打ち消されるように、第一の回折格子、屈折エレメント、及び第二の回折格子を通過する。
【0007】
屈折エレメントは、一つの臨界波長で打消しを発生させるというよりはレーザ源の数パーセントの波長分散にわたって打消しを発生させる。このことは、アパーチャの関数としての高及び低周波数のうなり(beat)周波数によって定義される、複合フレネル/フラウンホーファー帯が発生することを意味する。
【0008】
従って、高及び低周波数が打消しエレメントを通過する間に、強め合い干渉の比較的疎なゾーンが、アパーチャから、選択された方向に生じることになる。レーザ波長の部分的変化又はレーザ波長の相対的振幅によって、これらのノードの位置は迅速に移動する。実際、連続ビームは、比較的小さい低周波数振幅変調という単純な手段によって、持続時間の極めて短い、典型的にはサブフェムト秒のパルスのストリングに変換される。
【0009】
Strachan(PCT/GB00/03280)は、強め合いノードビームのアレイを使用して、シャペロニン様効果に非常に類似するようなタンパク質の折畳みステップを連続的に起こすこと及び促進することについても記載している。さらに、乾燥状態で不均質な形態を有しうるアミノ酸構造を均質化してより自己矛盾のない形態にし、該構造の生物学的反応性を選択的に変更することもできる。
【0010】
特に、均質化によって代謝的利用性を著しく効率的にすることができる。これは、結晶形の範囲が縮小されることによって酵素穏和反応が結果的により簡単になるためである。これは、得られた形態が一般的により極性で、所望の生成物の生産を通常より比較的迅速に増加し、それによって基質の非特異的分解を低減する場合に特にみられる。
【0011】
Strachanは、キラル化合物(論理的延長によってエピマーも)における所望の“掌性”構造の生産に好都合な能力についても述べている。その方法は、ビームを該構造の共鳴(resonance)で変調して、望ましい回転の生産を増強するか、又はより望ましくない回転の生産を削減するかのいずれかによる。この最後の効果は、ビームの偏光状態に回転成分を適用することによってさらに促進することができる。
【0012】
発明の要旨
Strachanは、様々な組成物の構造を修飾(変更、modify)できることを教えているが、主として細胞接着、インテグリン及びアポトーシスに的を絞っている。しかしながら、本発明は、Strachanが検討している方法が、投与方法にかかわらず、アミノ酸、植物由来栄養素(phytonutrient)、栄養素及び食物物質、薬剤、及びその他の生物活性物質の修飾に非常に好都合であり、物質のバイオアベイラビリティを変更及び/又は身体のその物質に対する反応様式を変更できることを見出した。
【0013】
基本的なレベルで、本発明は、分子刺激に関してStrachanが教示している技術を利用する方法に関与する。特に、光のビームは生物活性物質を通過する際、共鳴が分子の分子構造に変更を起こす様式で通過する。これは、分子の折畳みであったり、立体異性体分子のある種の“掌性”の促進又は抑制であったり、又は単に分子の分子寸法の変更であったりする。しかしながら、分子を選択的に制御することにより、バイオアベイラビリティ及び/又は分子に対する生理的反応に顕著な変化を起こすことができる。
【0014】
エタロン又はその他の線幅狭化装置を備えていないガスレーザの固有のラインバリエーションが、混合物を通る疎な強め合いノードの横断に必要な部分的周波数シフトを提供するのに適切である。レーザの偏光面は、乾燥状態用の場合の結晶形成又は歪の主軸を規定する。円偏光レーザは、一方の立体異性体の結晶化を他方より有利にしがちであることに注意する。最終分子形態の更なる制御は、レーザ振幅を、分子又は結晶中の所定の結合又は結合基と共鳴する周波数で変調することによって提供できる。
【0015】
特定の振幅変調がない場合、レーザのライン不安定性に由来する強め合いノードの横断で起こる変調は、炭素−水素及び炭素−酸素及び水素−酸素結合に熱的エネルギーを与え広げやすいが、その一方で平面状及び環状炭素結合は低いエネルギーのままである。これは、分子中の水分含有量を削減しやすいという点で結晶形を“乾燥”させる傾向を有することになる。
【0016】
大部分はこの効果の結果、漂遊(stray)水素結合が分子中に少なくとも一時的に増殖する傾向がある。乾燥状態の分子(たとえ溶液中でも)は、当然ながら、疎水性ノードによってあまり束縛されない結晶形をもたらす。この力がない場合、外側の結合のレーザ刺激及び熱振動は、平坦な分子形により有利に働く。従って、アミノ酸化合物及び異性体は典型的には、レーザー刺激下で、結合水の分布に応じて溶液中の様々な種晶から多少なりともランダムに結晶化しがちであるが、圧倒的多数の結晶形成は最も平坦な形の分子になるであろう。ゆえに、ランダムな分子配置の“混合物”全体が非常に均質になる傾向にある。
【0017】
このプロセスは、初期の結晶化中に適用されるのが最良であるように見えるかもしれないが、実際はその必要はない。なぜならば、レーザが水結合を直接刺激して乾燥状態における結合水を効果的に“蒸発”させることができ、また溶液形における結合形成も変更できるからである。水結合効果に加えて、EM波自体からの磁場力(field force)と組み合わさった分子の非対称加熱も、変調周波数が3MHz未満及び100KHz超のあらゆる場合で、より平坦な状態を誘導するであろう。
【0018】
特定の分子形は、特定の変調周波数及びノード横断速度の使用によって誘導できるが、本特許は主として、レーザ音響共鳴のバルク効果と、その栄養サプリメント及び薬剤の生理的効果の操作への適用について扱う。
【0019】
この点において、所望の生理学的及び薬理学的効果の分野の当業者は、アミノ酸又は生物活性物質の群のどれを混合物の他の成分より先に優先的に又は時間的に代謝させたいのかを考え、それに従って化合物の代謝吸収を開示の方法によって調整することができる。
【0020】
本発明は、混合物全体の代謝速度を増加又は変更するという単純な意図で、開示された方法に従って処理される特定の化合物に関する。これは、記載の測定された結晶学的効果を生み出す。得られる生理的効果は、以下のバイオアッセイの結果及び臨床試験から推測できる。
【0021】
レーザ刺激の効率は、化合物が中性pHに維持され、バックグラウンド温度25〜30℃で暴露されれば改善される。レーザ刺激の平均出力が極めて低く、バルク基質の温度を1秒あたり1モルにつき1度以上上げるよりも小さく、それ以外は純粋にランダムな熱的効果がレーザの共鳴及びフィールド効果を支配することは、極めて重要である。
【0022】
Strachanが教示した光学装置の疎な強め合いノードは、フォトンのバックグラウンドで高速移動する強め合い干渉の島とし、それは、レーザー波長帯の中心周波数でフォトンの弱めあい干渉(destructive interference)を通じて高度に自己打ち消しされる。レーザ波長帯の最高及び最低周波数間の差として発生するうなり周波数は、空間に非常に正確に配置される強め合いノードを生み出す。次のフォトンパケットは、先行するフォトンパケットの横断と、共鳴において同じ空間に到達する。得られる共鳴強め合いノードの列は、非常に自己干渉的な波の介在媒質によって、空間的及び時間的に分離された一連の超短パルスであるかのように振る舞う。これらの効果的パルスノードの持続時間は、分子構造の横断移動においてサブフェムト秒ほどの短さでありうる。
【0023】
疎な強め合いノードからの各分子へのインパルス又は“衝撃(bang)”は、ノードからのフォトン吸収又は音響共鳴によって鳴動(ring)するように刺激された分子からの再送として定義される。フォトン吸収又は再送は数学的用語でディラック(すなわち、本質的に無限高及び無限狭のスパイクとして作用するインパルス)として説明される。共鳴周波数で何らかの構造を鳴動させるには、その自然周波数と等しいかそれより高い周波数で、すなわち、任意のフォトン吸収又は放出によって満足させる状態で、刺激しなければならない。
【0024】
フォトン吸収可能性の高い強め合いノードから、フォトン吸収可能性の非常に低いずっと大きな弱め合いノードの介在空間への分子の通過は、介在時間中に、分子がフォトンを放出する可能性が高いこと、すなわちその一つ以上の原子の電子軌道を落とす可能性が高いことを意味する。分子は、分子の骨格への音響振動に応じてフォトンの吸収及び放出の両方に反応することになるので、理想的には強め合いノードは厳密にこの周波数で提供される。
【0025】
しかしながら、これが理想的であるとはいえ、主な骨格共鳴より周波数は実質的に低いが、それでもまだ分子共鳴の減衰時間より速い何らかの強め合いノードの提示は、分子に平坦化又は伸長効果を送達するという点で連続波レーザ刺激に好適であろう。理想的周波数の送達がベストであるが、この周波数を少し超えても、強め合いノードと基質結合音響エネルギーとの間には干渉があるようである。それは連続波レーザ効果、又は基本的熱的加熱への刺激を削減し得る。
【0026】
所定分子の骨格の厳密な共鳴周波数の送達の代替として、多くの場合、迅速なノード移動を起こすのに充分な低い変調周波数のパルス列“衝撃と鳴動(bang and ring)”効果を送達し、完全な同調波を送達しようとする際の潜在的な周波数のオーバーシュート(純粋にランダムな熱的効果に分解しうる)を回避するのがよいことがある。
【0027】
一般的な均質化プロセスの場合、試薬の不均質性が純粋波の高いQ送達を逆効果にするのに充分である可能性があるので、分子骨格の共鳴周波数より低いが分子の減衰時間よりはまだ速いようなパルス列周波数の送達が、分子骨格の共鳴周波数に合致するように試みるよりも、多くの場合好適な結果をもたらしうる。
【0028】
より特異的な分子効果が望まれるような特別の場合、第一のステップは、一般的な分子均質化に続いて、強め合いノード周波数を骨格共鳴又は他の特異的分子内共鳴のそれと同調させることであり得る。
【0029】
疎な強め合いノードの周波数は、広又は狭帯域のStrachan光学干渉板を用い、広い又は狭い発光線幅を有する主レーザを用い、干渉板のアパーチャ又は角度を調整し、高い又は低い周波数のレーザを用い、又は主レーザビームを電子振幅変調もしくはビームを音響−光学結晶変調システムに通すことによって変調することによって同調できる。
【0030】
高周波数変調は、広帯域干渉板、広い波長発光線幅を有するレーザの使用、高周波数レーザの使用、又はStrachan光学干渉装置を横断する前の高周波数の主ビーム変調によって達成できる。
【0031】
所定の点を通過する疎な強め合いノードの遷移は、うなり周波数の様々な位相追加とうなり周波数の変調の複雑な相互作用によると定義される。それは、レーザの中心周波数と、Strachan光学装置の干渉帯域をまたぐレーザ発光線幅の上限及び下限の相対的振幅及び位置とが変化することによるものである。
【0032】
レーザの変調は、たとえ強め合い干渉ノードが非常に高速で空間の定点を通過して移動する場合でも、極めて緩やかであってよい。レーザの変調がなかったとしても、上限及び下限のうなり周波数は依然として、静止というより動く強め合い波動を生ずることができる。強め合いノードの遷移周波数が、変調周波数がゼロの場合にゼロ以外のいずれかであり得れば、一般的にノードの遷移周波数は変調周波数より高いということになる。
【0033】
いくつかの周波数が常に関与している。すなわち、干渉打消し周波数を超える打ち消されないレーザ周波数及び打ち消された周波数未満の周波数、和及び差としてのそれらのうなり周波数、そして強め合いノード対位相横断速度の空間的分離である。最後のものは、関与するアパーチャ及び周波数に依存する。
【0034】
また、原子がフォトンを吸収又は放出するときの電子殻の遷移の吸収“パルス”というのもある。これは、他の周波数と比べて無限とみなすことができる。
疎な強め合いノードビームは、分子構造とのその相互作用において従来の連続波レーザと著しく異なる。分子が従来の連続波レーザからフォトンを吸収すると、刺激された原子は電子が励起殻にあって励起されたままになりやすい。なぜならば、弱め合いノードがなければ原子は常にフォトンに衝突されているからである。励起状態にある原子は更なるフォトンを反射するようになる。原子は連続ビームからそれ以上フォトンを吸収できなくなるので、それ以上励起もされず効果的にフォトンを放射することもできない。なぜならば、電子殻が低エネルギーに落ちようとするや否やビームから別のフォトンが衝突し、分子構造は音響的に励起されないからである。
【0035】
しかしながら、疎な強め合いノードビームの場合、原子はフォトンを吸収し、分子は、吸収の運動エネルギーを再分配するので少し鳴動する。フォトンの吸収は、パルス波を骨格に沿って分子の他端に送り、今度はそれが始点に反射される。従って、吸収、骨格を下って反対端への移動、及び始点への反射のプロセスは、分子の形状、大きさ、及び組成によって決定される骨格の自然周波数で元来起こりやすい。もし次の弱め合いノードが充分長く続くと、運動エネルギーの音響信号が骨格を下って反射するので、フォトンを放出することになる。再度、放出の運動エネルギーが骨格に沿って分配されることになる。
【0036】
理想的に同調された疎な強め合いノードビームの場合、運動音波は分子端に当たり、始点に反射してくるので、新しい強め合いノードが分子に到着し、再度基底状態の原子を高い殻に励起する。記載の同調された疎な強め合いノードを用いたこの共鳴の場合、到着フォトンの“ショック”は、前のフォトンの吸収及び放出のショックの鳴動に同調する。従って、分子の総運動エネルギーは、今や通常の連続波レーザで刺激された場合に想定されるエネルギーの2倍である。
【0037】
プロセスは上記のように反復し、そして分子の減衰損失(結合の構造に依存する)に応じて、運動エネルギーはこの2ファクターから何千のファクターにより生じるであろう。従って分子の運動エネルギー又は温度はその局所環境に関して実質的に高くなる。
【0038】
強め合いノードが接近しすぎていると、記載した共鳴の蓄積は、フォトン再放出のための充分な緩和時間がないために阻害されるであろう。同様に、音響エネルギーの、分子が存在する媒質(溶液の場合は水、分子が粉末形の場合は固体)を通じての分子対分子結合は、上記の純粋な共鳴を妨害しがちであろう。多すぎる又は接近しすぎる音響結合は、疎なノードが接近しすぎている場合と同じ効果を持ちやすいので、結果は、分子が理想的な共鳴周波数でフォトンを吸収及び放出できず、分子の正味の運動エネルギーの増幅能が低下する。
【0039】
疎な強め合いノード効果と従来の連続波レーザとの間には、刺激された分子に伝達されるエネルギーに関して重要な相違がある。分子が所定の波長の連続波の光を浴びると、可能な全ての原子はフォトンを吸収し、励起電子をもつことになる。水素原子は一時的に破壊される;ひとたびそうなると、熱的効果によってバルク状分子は大きい振幅で振動するようになるが、個々の分子上でのランダムな力でしかない。
【0040】
反対に疎な強め合いノード照射の場合、個々の分子が全ての可能なフォトンの吸収で飽和されることは滅多にない。むしろフォトンを吸収及び放出する時間があり、これは骨格の共鳴周波数でそうなる傾向にある。従って、骨格と交換するエネルギーは連続波レーザモードよりも疎な強め合いノードモードで高く、さらに分子は、高度に散乱性の連続波モードでは不可能な高偏光電磁場状態に励起される。
【0041】
疎な強め合いノードのレーザ刺激による分子の励起は、フォトンの吸収及び放出によって起こる。この吸収と放出は、鐘を打つクラッパーのインパクトが鐘の鳴動の周波数に関して無限であるのと同様に、無限周波数のインパルスとみなすことができる。分子はこれらの吸収と放出によって励起されると同時に、分子は電磁波の電界及び磁場からのストレス下にもある。このストレスは刺激された分子に関して一般的に非常に大きい。
【0042】
例えば、L−アルギニン及びベタイン分子は数ナノメートルの長さしかないが、刺激実験のレーザ波長は670ナノメートルの長さである。その効果は、磁石の上に載せた鉄くずのシートを軽く叩くのと似ているとみなすことができる。シートを叩かなければ、鉄くずはシートにくっついている。シートを叩くと鉄くずは短時間の間自由に動く。磁場がなければそれらは単にランダムに分散するだけであろうが、磁場が存在すると磁力線に沿って整列する。
【0043】
同様に、疎な強め合いノード照射に関しては、シートの叩きはフォトンの吸収と放出によって表される。一方、レーザ周波数の波長のEM場は全体の磁力線を表す。
このプロセスを通して、分子は所定の偏光のEM波の非常に長波長のフィールド効果を受ける(分子は磁場に従って引きつけられる傾向にある)。同時に分子中の1個以上の原子はノードから個々のフォトンを吸収する。これは、分子がその自然周波数で鳴動し、磁場に合わせて配向しがちであるということを確実にする。
【0044】
低周波数の単なる“衝撃と鳴動”の平坦化及び伸長効果以上の特定の効果が望ましい場合、所定の分子に関して特定の結合共鳴周波数を与えればよい。これはかなり高い周波数で、低周波数と疎なノードによって生じる一般的な均質化効果ではなく、分子に非常に特異的な変更をもたらすことになろう。これらの変更の範囲は、特定の分子結合の切断(おそらく切断フラグメントを直ちに別の分子に組み込む目的で)から、重合プロセスで分子の特別の末端を優先的に結合させるというのまである。
【0045】
一般的な分子均質化効果を達成するためのレーザ照射の見積線量は、ベタイン分子の場合、理想的な粒子暴露条件下で印加レーザエネルギー1ミリワット当たり1モルにつき3秒ほどの短さと推定される。粒径及び分散がより小さい又は粒子が空中浮遊している場合、このプロセスはもっと効率的に成すことができるだろう。ベタイン処理のモル比を使用すれば、30秒/kg/mWの線量で均質化効果のおよその最速速度が得られる。
【0046】
大きい分子の場合、1モル及び1ミリワット当たりの処理時間は長くなるが、これは大体分子量に比例して増加するので、1キログラム当たりの最速の効果的処理時間はほぼ同じままであろう。処理時間が必要以上に長くても、印加している放射が処理種のバルク温度を1モル及び1秒当たり1℃以上上げることになるより一般的に少ない又はかなり少ない限り、効果をさらに増大しやすいということもなければ純粋に熱的効果を低下させるということもない。
【0047】
実際的な目的のために、最大の均質化効果傾向を増大するには、処理線量は通常、疎な強め合いノードレーザ照射1ミリワット当たり1分につき.03〜.05キログラムの範囲である。
【0048】
疎な強め合いノードレーザEM照射を日常用の連続波レーザと比較及び対比すると、いくつかの本質的な相違が現れる。StrachanのPCT/GB00/03280に記載の通り、ヒトの皮膚のような非常に散乱性の媒質を通る従来のレーザEMの可視波長の透過深度は、たとえ最も透過する波長の場合でも典型的には5mm未満である。これに対し、疎な強め合いノードのパルス列は、散乱が大部少ないおかげで、皮膚で60mmの有効コヒーレント(coherent)透過、他の組織であればさらに大きい透過を有することができる。
【0049】
ベンゾポルフィリン誘導体のような感光性化合物の作用をフォトンの印加と組み合わせて光酸化反応を起こし、病原組織を除去するといった光力学療法(PDT)のような併用療法の場合、疎な強め合いノードのレーザ照射を適用すればこの併用療法の現在の(技術)到達点を大きく拡大することができる。
【0050】
実際的な目的のために、例えば悪性腫瘍の処置の場合、光力学療法は、呼吸器又は消化管の内視鏡的に見える病変、又は皮膚の局所的又はファイバースコープ的に伝送されるレーザEM信号で直接アクセス可能なその他の場所に適用が限定されている。有効コヒーレント信号のより深い深度への透過は、この一般に有効で良好な耐容性のある療法を処置に利用できる悪性病変及びその他のPDT感受性状態の範囲を広げるはずである。
【0051】
従来のレーザは通常強め合い及び弱め合いノードを同じ比率で生み出すので、総体的な出力エネルギーの比率は小さくなる。一般的に出力エネルギーの1%よりずっと少ない。従来のレーザEMの変調ビームでも、吸収されたフォトンのサイクル当たりの効率的な放出を可能にするほど充分な緩和時間が次のフォトンの進入前にない。これに対し、疎な強め合いノードビームでは、光学装置からの発光において弱め合いノードが高度に支配的であり高度に構築されている。
【0052】
原子が従来のレーザビームからフォトンを吸収すると、原子は、吸収したフォトンを放出するまで、追加のフォトンを非常に反射するようになる。次のパケットが吸収のために到着する前に原子から充分なエネルギーの伝導放出を可能にするほど充分な弱め合いノードがないので、原子は励起状態及び反射状態を維持する傾向にある。
【0053】
これに対し、疎な強め合いノードのレーザEM照射の場合、各原子は分子骨格と共鳴して励起される。介在する弱め合いノードの横断が、フォトンの放出で基底状態への崩壊を可能にしている。従って、原子は強め合いノードからの次のフォトンを、それが到着したときに吸収する準備ができており、共鳴効果が持続及び増強される。
【0054】
従来のレーザ照射からの分子のフォトン吸収による高レベルの表面反射は、照射表面で強いフォトンの散乱を起こす。吸収性媒質を通るビームの進入開始時に全ての光は散乱し噴出する。表面だけにフレアがあるが、その後散乱し、潜在的共鳴効果を妨害している。
【0055】
これに対し、疎な強め合いノードビームの場合、強め合いノードは稀で弱め合いノードが支配的である。強め合いノード間の間隔が分子内共鳴及び分子間同調を可能にしている。明るい連続波ビームと異なり、疎な強め合いノード効果は媒質を通って広がるので、効果はあまり散乱せず、より深い透過とより大きい分子共鳴刺激度を可能にする。
【0056】
短いパルス持続時間を有するパルス化された従来のレーザは、共鳴刺激に関して連続波レーザのいくつかの限界を克服したかもしれないが、パルス波に支配的な(多さの)弱め合いノードがないために、依然として高度の表面散乱を起こしがちである。弱め合いノードの緩和相を有する極めて短い強め合いノードは、音響共鳴及び透過のコヒーレントな深度に関して、通常のパルス化レーザビームよりも疎な強め合いノードビームの性能を増強する傾向にある。
【0057】
分子共鳴の刺激における従来のパルス化レーザの性能は、パルス化ビームをStrachanの干渉光学装置を通すことによってパルス自体を疎な強め合いノードに構築できれば、改良されることが期待されるであろう。
【0058】
従来の連続波レーザ照射は、照射分子の1共鳴サイクル当たり2回以上分子に当たる可能性が高い。これに対し、疎な強め合いノードのレーザ照射では、励起期間中に別のフォトンが原子に当たる可能性は低いが、1サイクル当たり1回の可能性は高い。
【0059】
類推のために一列に整列したいくつかの鐘を考える。連続波レーザビームにおける散乱フォトンの押し寄せは、最初の鐘の共鳴を押しつぶす。これに比べ、疎な強め合いノード照射は最初の鐘の共鳴鳴動を刺激し、次にそれが他の鐘を刺激して鳴動を始めさせ、共鳴信号を照射媒質の奥深くに移動させる。このようにして疎な強め合いノードは、分子内及び分子間共鳴を刺激することができる。疎な強め合いノードでは、意図した分子へのフォトンの到着可能性を調整して、分子の運動エネルギーを増加させる分子共鳴のサイクルを構築することが可能である。
【0060】
連続波レーザ照射は、吸収性表面で刺激の中心からランダムに伝導された熱エネルギーの急激な増加を起こす。これに対し、疎な強め合いノードは、送達する総エネルギーは少ないが、このエネルギーを共鳴を通して非常に特定の場所に送達する。1分子当たりが保有する構築エネルギーは、従来の連続波レーザ刺激を通して送達されるエネルギーより何倍も大きくなり得、処理分子の反応性を増大させる。
【0061】
連続波レーザ照射は分子を励起するが、そのときには谷間がなければならない。これはブランコ(swing)を連続して蹴るのと同様で、ブランコの周期の自然周波数と位相が一致しない衝撃を送達していることになる。疎な強め合いノードは少ないエネルギーしか送達しないが、刺激される分子の自然周波数と位相を合わせてエネルギーを供給する。分子の骨格構造に蓄積される運動エネルギーは分子を伸長及び平坦化する。
【0062】
その上、これは結合水を分子から除去する傾向にあるので、たとえ既に乾燥粉末形の分子においてさえも乾燥構造をもたらす。水素結合は再編成され、溶解度の因子を変更しうる。また、このようにして再構築された化学結合の自由エネルギーを変更する可能性もありうる。
【0063】
一般に、疎な強め合いノードレーザ照射によって刺激された伸長及び平坦化された形状は、分子ごとに(分子間で)高度に均質な傾向がある。このようにして均質化された分子は、このプロセスで均質化されなかった分子より低い総エネルギー構成と高い電場及び磁場モーメントを持ちやすい。
【0064】
均質性、平坦化及び伸長された形状、及び高い電場及び磁場モーメントは、基質と酵素又はリガンドと受容体部位の効率的な結合に有利に働く。特に、次の反応物分子と酵素の結合に有利である(次の反応物が酵素から放出されたばかりの反応物と形状が高度に類似している場合)。
【0065】
従来の連続波レーザ照射は共鳴を維持する可能性が低く、何もかも励起し、そして不適切な時間にフォトンを送達する。従って、一貫した様式で分子の形状を変化させるのに非効率的である。これに対し、疎な強め合いノードのレーザ照射は、分子の自然周波数を刺激し、それらの形状を均質化するのに元来効率的である。
【0066】
化学反応及び特に酵素触媒反応は高度に形状依存性である。従来のレーザ照射で起こる分子形状への比較的ランダムな効果は、熱的加熱のみによる速度の加速以外、化学反応の効率の増大にほとんど役に立ちえない(例外は波長特異的光化学反応)。これに対し、疎な強め合いノードのレーザ照射は、化学反応に対して非常に大きい制御を提供できる。これは、基質の均質化を通じて、又は反応プロセスにおいてより活性にしたい結合の特異的加熱を通じてなされうる。
【0067】
疎な強め合いノードによる刺激は、加熱が一つの試薬を損傷するがその他は無傷のままであるというような反応で特に都合がよい。疎な強め合いノード照射は、温度感受性反応物は無傷のまま残しながら温度耐性基質を加熱するのに使用できる。
【0068】
化学反応、特に酵素によって穏やかに進む化学反応の場合、均質化プロセスは、化学反応を推進する化学ポテンシャル、又は電位差を増加することができる。化学ポテンシャルは、基質及び生成物分子の固有の性質、及びそれらの濃度に依存する。反応プロセスA+B=C+Dが可逆的である場合、反応の方向と速度は、A、B、C、及びDの性質とそれぞれの有効量に依存する。A及びBを加えれば加えるほどますますC及びDが形成される。逆もまた然りである。また、C及びDを形成されるとすぐに取り除くと、反応は右に進む。
【0069】
反応物の均質性は濃度の増加と等価である。なぜならば細胞の反応表面がより規則的、従ってよりコンパクトになることができ、また、酵素は、放出されたばかりの分子と同一の分子に(たとえ少ししか寸法が違わない分子に対してよりも)、かなり速く結合するからである。
【0070】
上で定義した化学ポテンシャルを酵素穏和反応に関して考えると、一つ以上の反応物の均質性の増加は、反応物の有効濃度が増加すること及び反応物の酵素への結合の第一段階のエネルギーが低下することと等価であることが分かる。なぜならば、一つの分子に適合する酵素は、基質の形状が同一であれば次のに適合するのに実質的にエネルギーを必要とせず、ましてや高度に不均質に結晶化した反応物の場合のように所定の反応を穏やかにするために広範囲の酵素を製造する必要もないからである。反応のエネルギーポテンシャルは、反応物の有効濃度が増加するために上昇する。
【0071】
一部の分子は、分子の全体的な形状変化のために、ある結合の自由エネルギーが変化することになる。望ましい生成物によって、これは所定の生成物製造の助けにも障害にもなりうる。ところが、分子ごとの結合エネルギー及び寸法の類似性の増大は、酵素穏和反応において常に生成物の製造を促進する。各相互作用に対する効果は小さいかもしれないが、全体的な効果は相当なものになりうる。
【0072】
反応物が酵素又は受容体に供給されうる速度は、反応物又は受容体リガンドの分子の自己類似性に正比例する。従って、所定量の反応物又は受容体リガンドは、反応物分子の相互の自己類似性が大きいほど、より多くの生成物を生成又はより強力な受容体効果を刺激することができる。疎な強め合いノードで照射された分子は、一般的に、形状及び寸法、水の分布及び位置、そしてその分子種にしては比較的高い電場及び磁場モーメントに関して、相互に非常に類似する。
【0073】
本発明の一つの特別な利点は、L−アルギニンの乾燥粉末に対する均質化作用は、該乾燥粉末を溶解して溶液にした後、インビトロで差動効果(differential effect)に形を変え得ることである。従って、乾燥粉末の処理によって分子に構造的変化が起こり、それがバイオアベイラビリティ及び/又は物質に対する生理的反応を変化させる。これが次には、身体、特に哺乳動物の身体による物質の利用性を実質的に変更する。物質は、物質が溶液に溶解された後でも、増強された生物学的効果を生み出す分子刺激効果を維持するに足るほど安定である。さらに、物質を含有する溶液に対して該方法を使用しても、同様の増強を生み出すことができる。
【0074】
本発明の別の側面に従って、該方法は、アミノ酸のL−アルギニンからの一酸化窒素の生理学的産生を変更するのに使用される。所定のモル濃度のL−アルギニンの場合、印加するレーザ共鳴に応じて、インビトロにおけるマクロファージからの一酸化窒素の産生は、統計的に有意に増加又は減少する。従って、本発明を利用すれば、栄養素、薬剤、又は身体のその他の生物活性物質に関連する望ましい副産物を増加又は望まざる副産物を減少させることができる。
【0075】
本発明の別の側面に従って、該方法は、報告されているアルギニン誘導一酸化窒素(ADNO)の広範囲の生理学的利益を増幅するL−アルギニンの能力を増大することに関する。これらの生理学的利益とは、ADNOの血圧降下作用(最小の生理学的副作用で);気管支の拡張及び肺機能試験結果の改善;神経組織における長期増強作用の媒介とそれによる記憶機能の促進;ヘモグロビン関連機序による組織への酸素供給の改善;LDL及び総コレステロール濃度並びにLDL酸化の削減;成長ホルモン放出の促進とその広範囲のアンチエイジング利益;微小血管の血流と組織灌流の改善;ADNOの免疫学的作用の増大、例えば直接的抗微生物及び抗腫瘍効果のための一酸化窒素“弾”の生成、ナチュラルキラー細胞活性の増大、及びサイトカイン産生の増強(例えば腫瘍壊死因子−α)などであるが、これらに限定されない。
【0076】
さらに、サイクリックグアノシン一リン酸(サイクリック−GMP)生成の増加を通じて媒介されるADNO効果も増強される。例えば、サイクリックGMPを介したADNOによる男性の性的能力増強、及びおそらく女性の膣潤滑、並びに男女両性における生殖器の感受性増大の効果などである。
【0077】
本発明のさらに別の側面によれば、L−アルギニンのADNO産生能力を削減すると、L−アルギニンの栄養的利益は保存される一方で、敏感な個人に特別の状況下で起こりうるL−アルギニン補給の有害作用のリスクを削減できることが見出された。これらの状況とは、単純ヘルペスウィルス感染のあるヒト(L−アルギニン補給で発症のリスクが増大しうる)及び炎症状態にあるヒト(L−アルギニン補給で非特異的炎症症状が増悪しうる)などであるが、これらに限定されない。特に、単純ヘルペス発症のリスクの削減は、低効力L−アルギニンの使用と少なくとも1日1gのアミノ酸L−リジンの追加との組合せによって得ることができる。
【0078】
本発明の追加の側面は、レーザ共鳴による疎水性及び親水性相互作用の変更能力に関する。これはX線結晶学を通じて観察される。特に、該方法は、乾燥状態と溶液の両方の新しい形態のL−アルギニン塩酸塩及びその他の分子構造の開発に使用できる。
【0079】
例えば、開示された方法を用いて、レーザ共鳴刺激を用いずに又は用いて成長させたL−アルギニン塩酸塩の結晶構造を比較した。L−アルギニン塩酸塩を脱イオン水に溶解し、次いでレーザ刺激を用いない場合と用いた場合で室温でゆっくり蒸発させることによって結晶化させた。対照L−アルギニン塩酸塩は結晶構造溶液では結晶格子中にL−アルギニン塩酸塩1分子につき水1分子を有するという、文献に報告されているL−アルギニン塩酸塩一水和物の典型的な特徴を有していることが分かった。レーザ処理L−アルギニン塩酸塩は、著しく異なる結晶構造を示した。すなわちL−アルギニン塩酸塩は結晶格子中に水を含まず、異なる単位格子特性と均一性の高い含窒素側鎖の延長を示していた。
【0080】
疎な強め合いノードによるレーザ処理L−アルギニン塩酸塩は、高レベルの均質化及び分子構造中における結合水の低減という予測された効果を示した。この結果は、乾燥状態でも溶液でも意図した様式に広範囲の分子構造を変更できる能力を示唆するものである。
【0081】
本発明の一つの側面によれば、Strachanの方法(又はその他の分子修飾法)は、完全スペクトルのアミノ酸のブレンドの免疫学的効果を変更するのに使用できる。
本発明のこの側面に従って、高免疫刺激剤であるアミノ酸又はアミノ酸のブレンドをレーザ処理する。レーザはアミノ酸の構造を変更して、免疫刺激をアミノ酸なしのベースラインレベルにまで削減する。言い換えれば、アミノ酸の構造の変更は、アミノ酸に対する負の免疫反応を削減する。そのような変更形の栄養は、窒素出納(バランス)不良及び免疫過活性、例えば自己免疫疾患、食物アレルギー、及び炎症性腸疾患のようなその他の炎症状態を有するヒトに非常に望ましいであろう。そこで、本発明のこの側面に従って、基礎疾患の炎症状態をそれ以上悪化させない基本的な、容易に吸収され同化される栄養の経路が提供される。
【0082】
本発明のさらに別の側面に従って、食物性核酸エレメント及び食物性ヌクレオチド前駆体の改良された投与方法を開示する。本発明の一つの側面の現時点で好適な態様において、非経口投与を必要とせず、しかし経口摂取よりも良好な核酸エレメントの組織への送達を提供する方法が開示される。
【0083】
代謝取込み試験によれば、経口投与されたプリン及びピリミジンは、腸内細菌及び腸上皮の両方によって著しい代謝分解を受けることが示されている。経口投与されたピリミジンの取込み率は腸粘膜でおよそ5%、肝臓でわずか3%である。経口摂取されたプリンはさらに拡大的に酸化される結果、1%未満のプリンヌクレオシドしか肝核酸プールに取り込まれない。
【0084】
放射性標識したプリンを用いた試験で、静脈内注射は経口摂取と比べて、ある種の代謝的に活性な組織で著しく高い取込み率をもたらすことが示されている。IV:経口の取込み率は、脳下垂体、胸腺、唾液腺、甲状腺、副腎、及びリンパ組織で29〜51:1ほどの高さである。
【0085】
最近のエビデンスが示すところによれば、身体は、アミノ酸及びその他の前駆体から核酸塩基を製造できるけれども、一部の組織の合成能力は、最適の組織維持、修復、及び再生に必要なそれを満たしていない。これはリンパ組織で特にそうで、ストレスの条件下にあるときはなおさらである。多数の研究から、核酸エレメントを補給することの顕著な免疫学的利益、特に細胞免疫の改善に対する利益が示されている。動物試験で、全身の細菌及び真菌感染、並びに悪性腫瘍について、転帰に著しい改善が示されている。ヒトの試験では、細胞免疫、並びに腸の成長、成熟、及び修復の増強に著しい改善が示されている。
【0086】
経口摂取の限界を克服するために、本開示は、本発明の一側面の好適な態様として、口腔内スプレー製剤又は直腸用もしくは膣用坐剤による核酸エレメントの送達を提示する。吸収試験によれば、口腔粘膜に適用された栄養素は90%までの直接全身吸収を達成でき、肝臓の初回通過代謝の制限も克服することが示唆されている。これらのエレメントは以下の形態の一つ以上を含みうる。すなわち、レーザ処理DNA及びRNA核酸塩基、ヌクレオシド及びデオキシヌクレオシド、並びにヌクレオチド及びデオキシヌクレオチド一リン酸、二リン酸、及び三リン酸である。ヌクレオチド及びデオキシヌクレオチドのレーザ処理は、少なくとも一時的に、より高いエネルギーのより高い生物活性の高エネルギーリン酸基の生成が可能である。
【0087】
この製剤は、一つ以上のレーザ均質化アミノ酸、特に体内核酸塩基合成の前駆体であることが知られているアミノ酸、すなわちグリシン、L−グルタミン、L−セリン、及びL−アスパラギン酸を含有していてもよい。またこの製剤は、一つ以上のレーザ処理ビタミン、ミネラル、微量元素、及びヌクレオチド代謝を支持するその他の栄養素補因子を含有していてもよい。核酸代謝増強のためのこのレーザ照射製剤は、静脈内又はその他の非経口注射経路、例えば皮下又は筋肉内注射を通じても提供できる。レーザ処理された核酸エレメントは非処理に対して改善された吸収が期待されるかもしれないが、腸粘膜による著しい分解は同様のままである。
【0088】
本発明のさらに別の側面に従って、該方法は、トリメチルグリシン(TMG)の均質化形を創製するのにも使用される。ベタインとしても知られるTMGは、体内の多くの基本的化学経路に関与するメチル基供与体である。
【0089】
TMGは最も簡単なアミノ酸のグリシンから誘導され、アミノ基の3個の水素原子と置き換わった3個のメチル基を有している。対照とレーザ処理されたベタインの塩酸塩を比較したX線結晶学によれば、予期された通り分子の均質化と分子形状の平坦化及び伸長の効果が示されている。
【0090】
分子形状のより大きな自己類似性を創出する均質化は、対照サンプルと比べてレーザ処理サンプルの結晶欠陥の顕著な削減によって示される(どちらのサンプルも室温でゆっくり蒸発させることによって結晶化させたにもかかわらず)。対照結晶における欠陥の多さは、非処理化合物の形状が広範囲で、結晶格子中に均一に適合し難いということから予測されることである。
【0091】
これに対し、分子ごとに一貫した平坦化及び伸長した形状は、均一な結晶格子中へのより迅速な組込みが可能になる。X線結晶学分析によって、対照及び処理されたベタイン塩酸塩の明白な3次元形が示され、それは予測された形状変化と一致している。
【0092】
レーザ処理サンプルは、特に、アミノメチル基の炭素−窒素結合の平坦化及び伸長を示し、それより程度は低いが、メチル基の炭素−水素結合、並びにカルボキシル基の炭素−酸素結合の平坦化及び伸長も示唆している。この平坦化形状は、高いフィールドエネルギーと低下した結合エネルギーを有する傾向にあり、低エネルギーの酵素結合及び高い酵素反応性に有利に働く。
【0093】
現在のエビデンスから、この活性化状態は、体内の様々な生物学的プロセスを促進する反応性メチル基を創り出し、身体に無数の利益を提供していることが分かる。
例えば、ベタインは、多数の負の生理学的状態に関係している物質であるホモシステインの血中濃度を、メチル基をベタインからホモシステインに転移してホモシステインをアミノ酸のメチオニンに変換するベタイン−ホモシステインメチルトランスフェラーゼ酵素を通じて、低減できることが見出されている。
【0094】
活性化ベタインを、体内でメチル基転移経路の補因子として働く栄養素と組み合わせて提供することにより、顕著なホモシステイン低下が達成できる。それによって、心臓発作、脳卒中、痴呆、子癇前症及びある種の悪性腫瘍、特に上皮性起源の悪性腫瘍、例えば子宮頚がん、結腸がん、及びおそらく気管支原性新生物のリスクが制限される。
【0095】
活性化ベタイン及び補因子は、不安、うつ、敵意、パラノイア、身体化(身体のうずき及び痛み(aches and pains))、及び強迫症状の尺度を低減するのにも使用できる。
本開示に照らして、様々な化学物質が本発明の原理に従って修飾できることが分かるであろう。特に、化学合成、精製、又は乾燥のプロセスを通じて形状がねじれ又は変形したあらゆる有機分子が、均質化されてより自己類似的で生物利用性の高い形状になる。
【0096】
このプロセスは、回転自由度の少ない小分子又は平面環状分子にとっては比較的効率的でない傾向にあるが、多数の基底状態の形状を取り得る長い不飽和可動性側鎖を有するL−アルギニンのような分子は、このプロセスによる均質化及び形状の作り変えに非常に適切である。
【0097】
本発明に記載の増強されたアミノ酸及びその他の物質は、いくつかの投与経路を通じて乾燥粉末として又は溶液として提供されうる。これらは、経口スプレー、粘膜、経口摂取、経腸栄養チューブ、様々な経路による非経口、及び局所の各経路などである。
発明の詳細な説明
本発明の上記及びその他の目的、特徴並びに利点は、添付の図面と共に提供される以下の詳細な説明の考察から明らかになるであろう。
【0098】
以下に本発明の様々な側面を説明して、当業者が本発明を実施及び使用できるようにする。以下の説明は本発明の様々な側面の原理の例示に過ぎないので、添付の特許請求の範囲を狭化するものとみなしてはならないことは理解されるはずである。また、各態様は本発明のそれぞれの目的を完遂していないこともあり得るが、先行技術に優る一つ以上の利点を提供しているということも理解されなければならない。
【実施例】
【0099】
実施例1
レーザ音響共鳴の適用による、増大した結晶化度を有する高均質シムバスタチンの製造
米国薬局方(USP)標準品であるシムバスタチンを2サンプル各21mgずつ本試験に使用した。各サンプルを200mgの100%エタノールに溶解し、10×35mmのポリスチレン製ペトリ皿に入れた。Sim1Aを非処理対照として調製し、Sim1Bを変調された疎な強め合いノードのレーザ音響共鳴による処理用として調製し、結晶化度における相違をX線粉末回折を用いて評価した。
【0100】
いずれのサンプルも室温でゆっくり蒸発させることによって結晶化させた。Sim1Aは対照として働くので追加の処理方法は何ら適用されなかった。Sim1Bは、4.7mWの一次(primary)出力を光学エレメントを通して出力レベル2.35mWに位相共役させた(phase conjugated)670nmのダイオードレーザで処理した。ビームは10MHzで変調され、サンプル2が完全に結晶化するまで溶液の液体メニスカスの中央を通過させた。次に二つのサンプルをX線粉末回折(XRPD)試験のためにリファレンスラボラトリーに送った。
【0101】
図1Aは、対照のシムバスタチン標準品であるSim1AのXRPDパターンを示す。図1Bは、レーザ音響共鳴処理されたSim1BのXRPDパターンを示す。図1Bの対応するピークは図1Aより〜70%振幅が大きい。Sim1Bの鮮鋭な分解及び顕著に増大した反射の振幅は、Sim1Bの高い結晶化度を示す。
【0102】
熱力学的考察に基づくと、結晶化度の増大は、結晶形の安定性の増大と関連する。薬剤又はその他の化合物の貯蔵目的については、より高度な結晶形の方がその形態及び特性を長期間維持しやすいので、著しく長い貯蔵寿命を有する傾向にある。
【0103】
おそらくもっと重要なことは、貯蔵中に異なる結晶形に変換されるリスクが低下しうることである。なぜならばそのような変換は、化合物の体内での効果を大きく変えうるからである。特に、既に最低自由エネルギー形にない準安定結晶形の場合、準安定形の結晶化度の増大は、低溶解度及び低バイオアベイラビリティのために通常回避されるさらに安定な形への非常に望ましくない変換のリスクを削減しうる。予測可能な様式で準安定形を維持できる可能性が増大すれば、この形態で提供されねばならないそのような化合物に、臨床的利益のある充分な可溶性と生物利用性の大きな利点が提供できる。
【0104】
実施例2
レーザ音響共鳴の適用による、部分的アモルファスシムバスタチンの製造
米国薬局方(USP)標準品であるシムバスタチンを各21mgずつ2サンプル、実施例1に記載の試験の延長として使用した。各サンプルを200mgの100%エタノールに溶解し、10×35mmのポリスチレン製ペトリ皿に入れた。Sim2A及びSim2Bを変調された疎な強め合いノードのレーザ音響共鳴による処理用として調製し、結晶化度における相違をX線粉末回折を用いて評価した。
【0105】
いずれのサンプルも室温でゆっくり蒸発させることによって結晶化させた。Sim2Aは、2.1mWの一次出力を光学エレメントを通して出力レベル1.05mWに位相共役させた458nmの励起アルゴンガスレーザで処理した。ビームは6.4MHzで変調され、サンプル2Aが完全に結晶化するまで溶液の液体メニスカスの中央を通過させた。Sim2Bは、Quantel社のNd−YAGパルスレーザ(467nm、5ナノ秒間の平均パルス振幅2〜5mJ/パルス、1秒につき12パルス)で処理した。最大の打ち消しが得られるように光学装置を調整し、ビームはサンプル2Bが完全に結晶化するまで溶液の液体メニスカスの中央を通過させた。次に二つのサンプルをX線粉末回折(XRPD)試験のためにリファレンスラボラトリーに送った。
【0106】
図2AはSim2AのXRPDパターンを示し、図2BはSim2BのXRPDパターンを示している。Sim2AのXRPDパターンは比較的低強度の反射を示し、Sim2AのXRPDパターンは非常に低強度の反射を示している。低強度の反射はアモルファス含有量に起因しうるので、Sim2BのパターンはSim2Aよりさらに高程度のアモルファス含有量を示唆している。
【0107】
Sim2A及びSim2Bは外観がガラス状に固化し、Sim1Aの控え目に成長した結晶形成及びSim1Bの高度に成長した結晶形成と比べて、わずかな結晶成長しか見られなかった。Sim2A及びSim2Bで観察されたガラス状外観の程度は、XRPDで示唆されたアモルファス含有量の程度と一致していた。
【0108】
アモルファス材料は一般的に、同じ物質の結晶材料より著しく高い自由エネルギーを有している。それらはエネルギー状態が大きいために、エネルギーの小さいそれらの結晶性対応物より高い溶解度及び速い溶解速度を有しやすい。多くの場合、結晶形だと低溶解度及び低バイオアベイラビリティが臨床的価値を制限するので、臨床使用にはアモルファス形の医薬化合物が選ばれる。シムバスタチンの場合でも、相当のアモルファス含有量を組成物に加えることで吸収速度及びバイオアベイラビリティを増大できるので、低用量で大きい薬効を得ることが可能である。低用量でも所望の臨床結果に充分であることが証明されれば、有害作用の可能性も低下しうる。
【0109】
アモルファス形の製造にしばしば必要とされる、平衡状態から程遠い極端な条件とは対照的に、レーザ音響共鳴はこの形成を室内の温度及び圧力でpHの劇的変化なしに達成できる。極端な条件の回避は、より攻撃的条件下で起こりうる化合物の分解度を低減し、生成物の収率を向上させ、そしておそらくはより安定なアモルファス形をもたらしうる。
【0110】
変調された疎な強め合いノードによるレーザ音響共鳴の適用は、そうでなければアモルファス形に製造することが困難な化合物を確実にアモルファス形に製造する手段を提供しうる。これは、臨床的に有用と思われるがアモルファス形でなければ効果的であるに足る溶解度を達成できない化合物を救済しうる。その他の化合物の場合、安定なアモルファス含有量の製造は、臨床的効能を増大し、用量要件を低減し、又は有害作用のリスクを減少させる程度にバイオアベイラビリティを増大しうる。
【0111】
実施例3
レーザ処理による、アルギニン誘導一酸化窒素産生の増大
化合物のレーザ修飾の使用は、化合物自体だけでなく、修飾された化合物を身体が使用することによって創り出される副産物も修飾する能力を増強する。
【0112】
例えば、各20gずつ4個のサンプルのL−アルギニン(Arg)を、3個はレーザ処理用、1個は非処理対照用に量り取った。Arg#1は、Quantel社のNd−YAGパルスレーザ(532nm、5ナノ秒間の平均パルス振幅2〜5mJ/パルス、1秒につき12パルス)で処理した。最大の打ち消しが得られるように光学装置を調整し、サンプルを30秒間処理した。Arg#2は、16.5mWの一次出力を光学装置を通して出力レベル5.06mWに調整した458nmの励起(pumped)アルゴンガスレーザで処理した。Arg#3は、4.85mWの一次出力を光学エレメントを通して出力レベル2.94mWに調整した670nmのダイオードレーザで処理した。Arg#4は非処理対照サンプルであった。
【0113】
外部の独立研究所であるニューヨーク州イサカのParacelsianで以下のバイオアッセイを実施した。各アルギニンサンプルを12ウェルのマウスマクロファージに加え、120mcg/mlの濃度にした。これは70kgのヒトが6gのアルギニンを摂取後の推定血清中濃度で、この濃度は多数の臨床試験で広範囲の生理学的利益と関連して観察される濃度である。1ng/mlのLPSを各ウェルに加え、細胞を24時間インキュベートした。処理開始24時間後に各ウェルの上清中の亜硝酸塩濃度を一酸化窒素産生の相対的測定値として測定した。
【0114】
結果を相対的亜硝酸塩産生の順に大きい方から小さい方に並べる。第一のカラムはArgの番号(#)、第二のカラムは、540nmで測定した光学濃度の平均プラス又はマイナス標準偏差(亜硝酸塩濃度の測定)、第三のカラムは、光学濃度から決定した亜硝酸塩の相対的産生(1ml当たりのマイクログラム数で表す)である。最後のカラムは、最大産生Arg#3をその他のサンプルと比較したスチューデントの片側T−検定の結果を示す。
【0115】
【表1】

【0116】
Arg#3に適用したレーザ変調は、このサンプルに対照の非処理Arg#4よりも統計的に有意の多さの一酸化窒素副産物の産生をもたらした。Arg#1及びArg#2に適用したレーザ変調は、対照の非処理Arg#4よりも統計的に有意の少なさの一酸化窒素副産物の産生、及びレーザ活性化されたArg#3よりも非常に統計的に有意の少なさの一酸化窒素副産物の産生をもたらした。
【0117】
インビトロ及びインビボにおける一酸化窒素産生に及ぼすL−アルギニン提供の最大の効果はおそらく供給の最初の30〜60分以内にみられるので、24時間の平衡調査は、対照形のL−アルギニンに対するレーザ処理形の一酸化窒素産生の差の最大の大きさを実質的に過小評価しているかもしれないことに注意するのは非常に重要である。
【0118】
この実施例は、印加するレーザ刺激に応じて、意図する代謝副産物の産生を著しく上方又は下方に変更できる能力を示している。実験は、イオン化又は顕著な熱的分解を起こさないほど小さいエネルギーレベルで実施した。乾燥状態の材料が溶液になった後も効果が変わらない分子形状の変化というのは、酵素−基質の適合や意図する方向への反応速度を穏やかにする可能性が非常に高い。
【0119】
実施例4
レーザ共鳴刺激による、L−アルギニン塩酸塩の均質化、伸長、及び脱水
2個の10×35mmポリスチレン製ペトリ皿のそれぞれに、135mgのL−アルギニン塩酸塩を量り取った。各サンプルを.50gの脱イオン水に溶解した。対照サンプルは、室温で24時間かけてゆっくり蒸発させて結晶化させた。平均室温はおよそ26℃であった。平均周囲湿度はおよそ33%であった。
【0120】
処理サンプルは、同じ条件下で、上記実施例2のArg#1で記載した532nmのパルス変調エネルギーを加えて結晶化させた。ビームは容器中の溶液のメニスカスの中央を通過させた。
【0121】
対照及び処理サンプルの結晶を更なる試験のために選別した。選別された結晶はいずれも、当該技術分野の最新の標準通り一辺が約.5mm以下の寸法を有していた。結晶構造は、SMART X線回折分析装置を用いて解析した。
【0122】
対照とレーザ処理結晶の間には非常に顕著な差が見られた。図3Aは、対照サンプルの正面及び側面から見たいささか塊状で不規則な晶癖を示す。一方、図3Bは、相当する図面上に、レーザ処理されたL−アルギニン塩酸塩のより均質で円筒形の晶癖を示す。対照のL−アルギニン塩酸塩は、文献に報告されている一水和物結晶の典型的な単位格子(unit cell)特性を有していることが分かった。これに対し、レーザ処理結晶は、結晶格子(crystal lattice)中に水のない著しく異なる単位格子を有していることが分かり、一水和物から無水物結晶への変換を示していた。これは、結晶化が室温で水からなされたがゆえに特に重要である。図3Cに示されているように、そして疎な強め合いノードによる骨格共鳴刺激の予測された効果通りに、引き伸ばされたL−アルギニン構造の高レベルの均質化が格子中にみられる。
【0123】
本発明に記載のプロセスは、広範囲の分子形に適用されて、親水性及び疎水性相互作用の相対的強度を変更する可能性を有している。乾燥状態の材料を前処理すれば、意図する方向における特定の反応プロセスをアップレギュレート又はダウンレギュレートすることができる。このプロセスを用いて溶液から成長させた結晶は、新規かつ所望の性質を有しうる。このプロセスは溶液中でも適用され、反応速度及び生成物比率を変更することができる。レーザEM波の疎な強め合いノードは媒質への透過深度が深いので、このプロセスを広範囲の産業、インビトロ、及びインビボ用途に拡大することができる。
【0124】
実施例5
アミノ酸の完全スペクトルブレンドのレーザ処理による、炎症性サイトカイン産生の低減
アミノ酸の混合物は以下のように製造した。以下の遊離形のアミノ酸の乾燥粉末を量り、以下の割合で混合した。L−システイン3.4g、L−タウリン6.8g、L−トレオニン27.0g、グリシン368.4g、L−グルタミン酸塩基67.6g、L−グルタミン67.6g、L−リシン一塩酸塩67.6g、L−アルギニン60.8g、L−アスパラギン酸13.6g、L−オルニチン一塩酸塩12.2g、L−ヒスチジン13.6g、L−ロイシン60.8g、L−バリン33.8g、L−メチオニン33.8g、DL−フェニルアラニン129.0g、L−イソロイシン40.6g、L−アラニン16.8g、L−プロリン13.6g、L−セリン33.8g、及びL−シトルリン10.2g。
【0125】
この混合物をそれぞれ20gずつ対照及びレーザ処理サンプル用に使用した。サンプル1は対照、サンプル2は、4.85mWの一次出力を光学エレメントを通して出力レベル2.94mWに調整した670nmのダイオードレーザで処理し、サンプル3は、16.5mWの一次出力を光学装置を通して出力レベル5.06mWに調整した458nmの励起アルゴンガスレーザで処理した。サンプル2及び3のレーザ処理時間はそれぞれ30秒であった。
【0126】
独立した外部研究所であるニューヨーク州イサカのParacelsianで以下のバイオアッセイを実施した。標準化エキナセアサンプルを単独で又は20mg/mlのサンプル1、2、又は3とともに、エキナセア刺激後にマウスマクロファージの3つの(triplate)ウェルの組織培地中で24時間インキュベートし、次いで、3つのELISAウェル中の腫瘍壊死因子−α(TNF−α)産生についてアッセイした。1ng/mlのリポ多糖(LPS)を用いた陽性対照と陰性対照も同様にアッセイした。
【0127】
当業者であれば、マウスマクロファージの使用が身体の免疫応答を刺激することは分かるであろう。薬草のエキナセアの添加は、刺激されている免疫系のそれと類似の応答を提供する。TNF−αの読みは炎症の程度の良好なマーカである。従って、マクロファージにTNF−αの顕著な増加を起こす物質は、ヒトの身体、特に炎症性腸疾患のような自己免疫疾患、並びに全身性エリテマトーデス、リウマチ様関節炎及び食物アレルギーのようなその他の生理学的問題を抱えている身体に相当の炎症を起こすと予想できる。
結果は次の通りであった。
【0128】
【表2】

【0129】
スチューデントの両側T−検定を用いて、エキナセアの陽性対照をエキナセア+サンプル1、2、又は3の結果と比較した。サンプル1の添加はTNF−αにp<.0001の非常に有意の増加をもたらした。TNF−α産生の相対的増加はサンプル2の添加後はそこまで大きくなかったが、それでもなおp<.03で統計的に有意であった。サンプル3の添加はTNF−α産生を有意に増加させなかった(p=.31)。従って、サンプル3のレーザ処理は、対照サンプル1で観察されたTNF−αの力強い産生増加を削減してエキナセアのみのベースラインレベルに戻した。
【0130】
言い換えれば、陰性対照は正常人の免疫系を示している。エキナセアの添加は免疫応答を高めた。リポ多糖(LPS)の添加は、最大の免疫刺激をシミュレートする(評価の基準として)。
【0131】
未修飾アミノ酸のサンプル1の添加は、TNF−α産生に顕著な増加を示した。従って、自己免疫疾患又はその他の炎症性プロセスを有するヒトは、アミノ酸摂取の結果として相当の炎症を起こすことが予想される。
【0132】
サンプル1とは異なって、サンプル2及びサンプル3は上に示したように修飾された。該サンプルは、サンプル1が示したような炎症の強い可能性を作り出さなかっただけでなく、TNF−αの増加も非常に小さかった。事実、サンプル3はエキナセア陽性対照の炎症に実質的に何の増加も示さなかった。
【0133】
栄養学に熟知した人であれば、良好な健康に必要なある種の栄養素を耐容し難い人が大勢いることは分かるであろう。前述のアミノ酸は主要な例である。様々なアミノ酸をレーザ処理することによって、アミノ酸のバイオアベイラビリティは大きく増大しうる。明らかに、自己免疫疾患又はその他の炎症状態を有するヒトがアミノ酸に対して負の反応をしなければ、望まざる副作用のリスクなしに相当多く(のアミノ酸)をその人の食事に取り込むことができる。
【0134】
当業者であれば、炎症は必ずしも悪いことばかりではないことは分かるだろう。高められた免疫応答が望まれる場合は多い。例えば、増大した炎症/免疫学的活性は、腫瘍又はその他の望ましくない状態と闘うのに使用できる。化学物質のレーザ処理を変更することによって、該化学物質は、免疫応答を縮小するよりはむしろ増大するように変更することができる。レーザ処理されたL−アルギニンから、非処理の対照と比べてマクロファージの一酸化窒素産生増加の事例を通じて既に示したとおりである。
【0135】
実施例6
非処理アミノ酸と対比したレーザ均質化アミノ酸を用いる、脳コヒーレンスの改良
脳波図(EEG)は、脳全体に記録電極を設置して脳の電気活性のパターンを測定する診断試験である。定量EEG、又は脳地図は、周波数帯域デルタ、シータ、アルファ、及びベータにおける脳波の出力をマイクロボルトで表して測定する詳細な試験である。さらに、脳地図はコヒーレンスも測定する。すなわち、一つの領域から別の領域への脳波の位相が健康な又は障害された脳機能と一致する関係性にあるかどうかについての測定である。
【0136】
定量EEGの標準条件は、良好な夜間睡眠後の朝、カフェイン及びその他の刺激物を避けることである。導電性電極付きのキャップを頭皮全体に被せ、電極が特定区域の脳領域に局在するようにする。測定は、目を閉じ、被験者は仰臥位で休んだ状態で20〜30分間実施する。ベースライン及び介入後の測定がなされたら、測定ごとの局在化の信頼性を保証するために、キャップはそのままで同じプロトコルを実施する。目を閉じて休むと1秒当たり8〜12サイクルのアルファ波帯域の顕著な増強が起こりやすく、この波帯域を研究解釈にとって特に重要なものにしている。以下の試験で使用した定量EEG装置は、脳全体の19箇所の異なる位置で出力及びコヒーレンスデータを測定した。
【0137】
試験用製剤は、精神エネルギー、集中力、及び覚醒の増大を意図したアミノ酸のブレンドから成るものであった。脳エネルギー及び覚醒の増大に最も重要な二つのアミノ酸は、L−フェニルアラニンとL−チロシンである。これらは、カテコールアミン神経伝達物質のドパミン、ノルエピネフリン、及びエピネフリンの前駆体だからである。標準的な化学経路では、L−フェニルアラニンはヒドロキシル化されてL−チロシンになり、次にそれ自体がヒドロキシル化されてL−ドーパを形成する。次に、酵素のL−ドーパデカルボキシラーゼがL−ドーパをドパミンに変換する;次に、ドパミンの差別的ヒドロキシル化で、他の主たるカテコールアミン神経伝達物質であるノルエピネフリン又はエピネフリンのいずれかが得られる。これらは中枢神経系及び全身的に深い刺激効果を有しうる神経伝達物質である。
【0138】
試験用製剤は重量%で表した以下の成分で構成された:L−チロシン6.6%、L−フェニルアラニン3.3%、DL−フェニルアラニン2.2%、グリシン4.4%、L−アルギニン7.7%、L−オルニチン7.7%、L−リジン3.3%、L−タウリン6.6%、L−グルタチオン9.9%、L−グルタミン酸5.5%、L−グルタミン4.4%、L−メチオニン4.4%、L−シスチン7.7%、L−システイン3.3%、L−アラニン5.5%、L−トレオニン2.2%、L−バリン6.6%、L−イソロイシン4.4%、L−ロイシン1.1%、L−ヒスチジン2.2%、及びL−アスパラギン酸1.1%。透明ゼラチンカプセルに1カプセル当たり750mgの試験用製剤を入れた。対照の非処理カプセルはそれ以上変更を加えなかった。レーザ処理カプセルは、実施例1のアルギニン#3のように458nmの励起アルゴンレーザ光の照射を受けた。処理カプセルは、1カプセルにつき1分間ゆっくり回転させながらビームを通過した。
【0139】
被験者は、医学的問題のない、そして脳傷害又は神経学的疾患の既往歴のない2人の若い成人白人女性であった。彼らは、若い健常人の脳の生理学的応答を代表する被験者として選ばれた。予想通り、ベースラインの定量EEGは、目を閉じて休んでいる状態の場合に期待されるとおりアルファ波の優勢を示した。ベースラインの読みを取った後、被験者はそれぞれ非処理試験製剤2カプセル(被験者当たり合計1.5g)を投与された。製剤の吸収と同化のための時間を30分置いた後、定量EEG測定を繰り返した。非処理試験製剤の測定の後、次に被験者はレーザ処理製剤2カプセル(被験者当たり合計1.5g)を摂取した。処理製剤の吸収と同化のための時間を30分置いた後、定量EEG測定を再度繰り返した。
【0140】
以下の表に、ベースライン、非処理アミノ酸後、及び処理アミノ酸後のアルファ帯域の出力の平均と標準偏差(SD)値を示す。
【0141】
【表3】

【0142】
一般線形モデル反復測定分散分析を用いて、レーザ励起アミノ酸製剤が脳出力増強に及ぼす影響を、ベースライン、非処理製剤の摂取、及びレーザ処理製剤の摂取を比較して分析した。多変量検定によれば、脳出力にベースラインを上回る顕著な増加が示され、ウィルクスのラムダ(Wilks' Lambda)=.219,F(2,36)=64.128,p≦.0001であった。ペアの両側t−検定によれば、ベースラインを上回る脳出力の顕著な増加は非処理及びレーザ処理アミノ酸の摂取後に見られ、どちらの比較もp<.0001で統計的に有意であった。さらに、レーザ処理アミノ酸製剤は、t(37)=−2.349,p=.024で脳出力を非処理製剤より著しく増加させた。
【0143】
その上、レーザ処理製剤の使用は、非処理アミノ酸製剤を使用した場合よりも著しく良好なコヒーレンスの結果も示した。2人のうちの1人の被験者は、非処理アミノ酸摂取後、アルファの脳波コヒーレンスが著しく低下するという悪影響を示したが、レーザ処理アミノ酸摂取後はベースラインよりもよく改良された。図4Aは、この被験者のベースラインコヒーレンス試験を示すもので、脳の左後頭部に1個の脳波コヒーレンス異常が認められる。非処理アミノ酸製剤の摂取後、図4Bは、コヒーレンス異常の拡大進行を示している。ベースラインの1個の異常から11領域の異常が進行しており、前から後ろへの両側性の強度のコヒーレンス異常と、半球間のコヒーレンス異常領域も示されている。レーザ処理アミノ酸摂取後、図4Cは、全てのコヒーレンス異常の完全解消を示している。レーザ処理アミノ酸の使用は、脳の出力を非処理アミノ酸よりも著しく増加させる能力を示しただけでなく、非処理アミノ酸の使用で発生した異常脳波コヒーレンスの有害作用を逆転する能力も示した。特にフェノール系神経伝達物質前駆体の形状の不均質性及び骨格のねじれは、一貫性のない受容体効果及び最適状態に及ばない(suboptimal)の神経生理学的応答をしがちな可能性がある。
【0144】
市販製品のL−チロシンの場合、該分子が受ける加熱及び脱水プロセス、特に水分子を構造から引き抜くプロセスは、骨格鎖のフェノール環のねじれ又は分子形状のその他の変形を招く恐れがある。非処理L−チロシンの場合、そのような形状のためにそのカテコールアミン神経伝達物質の代謝産物にとって最適の受容体適合を提供できないので、コヒーレンス異常の発生の要因になりうる。レーザ処理されたL−フェニルアラニン及びL−チロシンの形状の均質化は、神経伝達物質の受容体適合の改良を通じて起こりうる正常の脳コヒーレンスの回復を促進する鍵となる要因であろう(同時に増大した脳エネルギーも持続される)。
【0145】
同様にL−ドーパも商業的製造時に熱及び脱水のストレスを受ける。これらのストレスも骨格上のフェノール環整列の分子変形の原因となる。パーキンソン病の処置薬として広く使用されているL−ドーパは、そのような状態の特定の脳領域(特に黒質及びその他の線条体核)で不足しているドパミン濃度を増加させる基質を提供する。L−ドーパは通常、脳外のドーパデカルボキシラーゼ阻害薬であるカルビドーパと共に投与されるので、血液脳関門を通過するL−ドーパの濃度は高くなる。
【0146】
L−ドーパはパーキンソン病の運動障害の緩和に役立ちうるが、その使用はしばしば吐き気及び動揺(agitation)といった副作用を併発する。効能が減衰するので多くの場合用量の増加が必要となり、それがまた副作用を更に増やしやすく、用量に制限を生むことになりうる。レーザ共鳴を使用してL−ドーパを均質化すると、副作用のプロフィールは削減しながら、意図する臨床効果をさらに一貫して促進する形状が得られる。所定量のレーザ処理L−ドーパは、同等以上の臨床利益を提供し、有害作用の傾向を低減し、用量増加の必要性を遅延させることが可能であろう。L−ドーパのレーザ処理に使用する初期のプロトコルは、前述のアミノ酸製剤の処理に使用した実施法に従うことになるが、商業生産レベルに適合するようにスケールアップされて高容量の散剤が供給される。
【0147】
実施例7
非処理塩酸ベタインと比べたレーザ処理塩酸ベタインにおける、平坦化及び伸長した炭素−窒素、炭素−水素、及び炭素−酸素結合を有する結晶形成の品質向上
本発明に従って、疎な強め合いノードのレーザ照射を用いて塩酸ベタイン分子を共鳴させ、均質な平坦化及び伸長形状にした。均質化効果は、非処理対照と比べたレーザ処理塩酸ベタインのかなり改良された結晶形成レベルで観察される。レーザ処理塩酸ベタインのX線結晶学によれば、対照の非処理分子に比べて処理分子中の結合の予測通りの平坦化及び伸長が示される。
【0148】
図5A、5B、5C、5D、及び5Eに示されている対照及び処理塩酸ベタインのサンプルは、0.6gの塩酸ベタインを3.0gの脱イオン水に溶解し、このようにして調製された溶液を10×35mmのペトリ皿に入れることによって調製した。結晶化は、開放容器中で室温でゆっくり蒸発させることによって実施した(結晶学の分野でよく使用される方法)。周囲湿度は実験室の除湿器で30%以下に維持した。処理塩酸ベタインは、10MHzで変調され、2.7mWの一次ビーム出力を1.35mWに位相共役させた670nmの連続波ダイオードレーザで照射した。直径5mmのビームを結晶化プロセス全体を通じて処理溶液の液体メニスカスの中央に通した。対照の非処理塩酸ベタインも、疎な強め合いノード発生レーザシステムで照射しなかった以外は同一条件下で調製した。
【0149】
対照とレーザ処理塩酸ベタインの結晶形成の質を図5A及び5Bに示す。形成された結晶の全体的な幾何学的形状についての結晶学的用語は晶癖(crystal habit)である。図5A及び5Bにおいて、左側の対照の結晶は右側の処理結晶とは著しく異なった晶癖を有している。
【0150】
5Aの拡大側面写真は、対照とレーザ処理塩酸ベタイン間の顕著な相違を示している。対照結晶は、無数の内包欠陥、表面の不規則性及びかなり浅い奥行きを有している。これに対し、処理結晶は、高度の均一性、無欠陥、滑らかな表面、及び前から後ろへの奥行きの深さを示している。5Bの正面図は、対照結晶の波状の不規則な表面とざらついた縁取りの輪郭を示している。これに対し、右側のレーザ処理結晶は、ずっと滑らかな表面と滑らかな輪郭を示す。
【0151】
これらの図は均質化のプロセスを示している。塩酸ベタインは骨格のねじれを有しやすく、溶液中での形状が一定していない。数時間かけてゆっくり蒸発させても、形状の差が結晶格子中の規則的な配列を妨害し、結晶中にギャップや不規則性を残した。わずかに異なる形状が結晶の成長ゾーンに追加されたので、成長面が変形し結晶が不規則になった。
【0152】
これに対し、レーザ均質化の影響下で成長した塩酸ベタインは、全体的欠陥のない高度に組織化された結晶が形成されるほどの自己類似性を達成した。低出力レーザの適用で起こりうる媒質のわずかな加熱は、もしあれば組織化を損ねる原因になるであろうが、それは疎な強め合いノード効果によって抑えられた。
【0153】
緩徐な蒸発による対照結晶の製造は、バルク量の製品を乾燥させる通常の工業的乾燥モードと比べると非常に穏やかなプロセスであることに注意するのは重要である。典型的には、化合物の熱的分解閾値までの相当高い温度が使用される。
【0154】
そのような攻撃的条件は、ランダムな熱運動及びより強度の脱水を通じて分子構造のさらに広範で極端な変形傾向を実質的に増大するであろう。疎な強め合いノードのレーザ照射は、乾燥粉末(実施例1、3及び4のように)又は脱水プロセス時に適用されて、分子形状を均質化し、それによってバイオアベイラビリティを改良することができる。
【0155】
X線結晶学は、Siemens社製のSMART装置を用いて実施した。図5C及び5Dは、それぞれ対照及びレーザ処理塩酸ベタインの分子間水素結合を示す。図5Cは、非処理の塩酸ベタイン1分子につき4個の分子間水素結合を示している。これに対し、図5Dは、処理塩酸ベタインの各分子当たり3個の分子間水素結合しか示していない。これは結晶学のソフトな特徴(soft feature)であるが、水素結合数の減少は溶解度を増加でき;基質が溶液に高速溶解されると、分子のより迅速な吸収を促進できる。
【0156】
図5Eは、X線結晶学を通して見た対照とレーザ処理された塩酸ベタインの結晶ソリューション(crystal solution)を示す。結晶学的ソリューションとは、X線回折パターンを用いて解析する分子中の全ての原子の正確な局在を測定するプロセスのことである。
【0157】
二つの線図において、点線は対照の非処理塩酸ベタインの構造を示し、実線はレーザ処理塩酸ベタインの構造を示す。上の線図は骨格モデルの描写を示し、下の線図は玉と棒のモデルの描写を示す。いずれの線図も処理された塩酸ベタインは分子の平坦化及び伸長の予測された効果を示している。特に、炭素−窒素結合(メチル基の)、炭素−酸素結合、及び程度は低いが炭素−水素結合の平坦化及び伸長が見られる。
【0158】
均質化及び分子の平坦化と伸長は、少なくとも三つの基本的機序によって酵素穏和反応の効率を増大できるので、それによってバイオアベイラビリティが向上する。基質の均質化の増大は、該基質に好適な酵素のアイソフォーム用の基質濃度が増加することと同様である。あらゆる酵素穏和反応において、基質濃度の増加は反応速度及び生成物の生成を比例的に増加することになろう。
【0159】
第二に、最も平坦な形状は均質な最低エネルギー状態をとりやすい。この立体配置では結合強度は最低であるが、フィールド強度は最高である。これは、基質が全体分子(whole molecule)として挙動するので非常に反応性の高い状態である。
【0160】
その上、分子ごとの高い自己類似性は酵素結合を促進する。なぜならば、酵素は、放出したばかりの分子と同一の分子に(たとえ少ししか寸法が違わない分子に対してよりも)かなり速く結合するからである。このことは、反応物が供給される速度は、反応物中の分子の自己類似性に正比例する(定数倍)ことを意味する。従って、細胞は、反応物の分子が互いに寸法的形状及び水分布に関して類似しているほど、より多くの生成物を製造する。疎なノード照射に暴露された分子は、一般に、水分布及び位置に関して高度に類似し、最大限平坦な低エネルギーの形状と高い電気及び磁気モーメントを有しやすく、全次元で極めて自己類似的であろう。
【0161】
暴露及び非暴露塩酸ベタインから作られた塩酸ベタイン結晶はこの効果を顕著に示した。なぜならば、小さな個々の相違が積み重なって、成長した結晶で目に見える大きな巨視的相違になるからである。自己類似性は、細胞が、非常に不均質に結晶化した様々な形状の反応物を提示される場合に比べ、所定の反応を穏和化するための酵素を広範囲に製造する必要性もまた削減する。分子間の結合エネルギー及び寸法の類似性が増大すると、一般的に酵素穏和反応におけるあらゆる生成物の製造に好都合で、それによってバイオアベイラビリティも増大する。
【0162】
生成物を製造する細胞のプロセスは、細胞が一方の端から原料を、他方の端で特定の生成物を製造することを目的として、取り込む製造プロセスと見ることができる。基本的レベルにおける栄養補給剤の概念は、所定の生成物にとって必要とされる原料を提供することである。そうでない場合は利用可能な食品から(栄養素を)抽出するという事前の反応が必要となる。従って、栄養補給剤の原理は、所定の生成物のための反応の複雑さを低減し、ひいてはその製造に必要なエネルギーも時間も削減することである。
【0163】
栄養補給剤の均質性が増大すると、さらに反応の複雑さが低減し、所望の生成物を製造するための速度も効率も増大するという同じ原理が単に増強される。従って、均質化されていない栄養素よりもバイオアベイラビリティが増強される。同様に、酵素穏和反応を通じて体内で所望の生成物を増加させることを意図した薬剤(L−ドーパからドパミンを製造するような場合)も、レーザ均質化されていれば、非処理の薬剤を使用する場合よりバイオアベイラビリティの増強と副作用低減の可能性を示すであろう。
【0164】
さらに、受容体活性を増大するように設計された薬剤(例えばベータ遮断薬のプロプラノロール)も、生物活性の同様の形状穏和効果を示しうる。受容体−リガンドの適合は高度に形状依存性であることはよく知られている。電場及び磁場モーメントの高い高度に自己類似性の平坦化形状に均質化することは、所望の受容体−リガンド効果にとってあたかもリガンド濃度が増加したかのような働きをすることになろう。これは、類似の臨床的利益を得るには低用量、並びに同様の用量レベルでは低減された有害作用の両方を可能にしうる。
【0165】
実施例8
ホモシステインを低減し臨床症状を改善する、レーザ処理ベタインの臨床効果
レーザ処理ベタイン+代謝補因子の、メチル化代謝及び臨床症状に及ぼす効果を測定するために無作為前向き(prospective)プラセボ比較二重盲検試験を実施した。メチル化代謝とは、3個の水素原子を結合した炭素原子からなる単純な有機化学基のメチル基(CH3)の転移のことである。
【0166】
メチル基の転移は、1個の炭素の転移としても知られているが、細胞生物学における最も基本的で重要な化学転移の一つである。メチル基の転移は、DNAの製造、細胞膜の補修及び維持、中枢神経系における神経伝達物質の合成と平衡、及びタンパク質、脂質、そして糖をそれらの生物学的に有用な配置に変更する多数のその他のプロセスに関与している。
【0167】
メチル化代謝は、DNA調節及び生物学的タイミング機序にも密接に関与している。メチル基転移代謝の広範な重要性を考えると、メチル代謝を増強する処置薬は、全体的な代謝平衡及び関連する臨床状態の改善にとって有意義な可能性を有することが期待されるであろう。
【0168】
体内におけるメチル代謝の完全性を示す鍵となる指標はホモシステイン濃度である。血清中のホモシステインの上昇は、一つ以上の主要なメチル代謝経路の障害を示す。ホモシステインの上昇は臨床的にも関連がある。公表されている疫学的データによれば、以下のチャート:
【0169】
【表4】

【0170】
に示すように、ホモシステイン濃度が6.3を超えると心臓血管疾患の相対的リスクが指数関数的に上昇する。
その上、ホモシステインの上昇は、脳卒中、アルツハイマー病、子癇前症、神経管先天異常、胎児死亡、ヒト敵意、及び悪性腫瘍の発生のリスク増大にも関連している。ホモシステインが数百にも上昇しうる代謝異常であるホモシスチン尿症では、老化促進、神経疾患、及びアテローム性動脈硬化症が若年齢でも非常に侵攻的である。
【0171】
ホモシステインは、アミノ酸のメチオニンの代謝副産物として体内で産生される。ホモシステインの除去に身体が利用している3大経路があり、それが有効に働けば、危険有害レベルにホモシステイン濃度が上昇するのを防止できる。
【0172】
第一の経路は、ビタミンB6(ピリドキシン)及び亜鉛を使用してホモシステインをアミノ酸のシステインに解毒するトランス硫化(transsulfuration)経路である。メチオニンとシステインは主な硫黄含有アミノ酸であり、メチオニンは、経路が障害されていなければホモシステイン経由でシステインに変換できる。一部の人はピリドキシンをリン酸化してその活性化状態にすることができない。このような人には代謝阻害を克服するためにピリドキサール−5’−リン酸を投与しなければならない。
【0173】
第二のホモシステイン解毒経路は、ビタミンB12及び葉酸を利用してホモシステインを再メチル化してメチオニンに戻す経路である。B12及び葉酸欠乏は、神経学的、精神的、及び血液学的障害を起こすことがよく知られている。メチル基転移代謝の障害は、DNA、神経伝達物質、及びミエリンの合成を障害し、貧血、痴呆、精神病、及び末梢神経疾患を招きかねない。特に葉酸欠乏は、結腸及び子宮頚がん、並びに中枢神経系の先天異常のリスク増大と関係している。この経路の遺伝的欠陥はある集団にはよくあることで、例えばフランス系カナダ人の38%はメチルテトラヒドロ葉酸レダクターゼ酵素の活性欠損のヘテロ接合である。完全なメチル代謝経路を積極的にサポートすることは、そのような先天性代謝障害の健康被害を著しく削減しうる。
【0174】
ホモシステイン除去の第三の経路は、そしておそらく臨床的に最も有力なのは、ベタインをメチル基供与体として使用することである。肝臓及び腎臓に見られる酵素のベタイン−ホモシステインメチルトランスフェラーゼを通して、ベタインのメチル基をホモシステインに転移して、それを必須アミノ酸のメチオニンに変換する。ベタイン自体はアミノ酸のグリシンの誘導体である(3個のアミノ水素原子が3個のメチル基で置換されている)。従って、ベタインはメチル基豊富なメチル基供与体で、N,N,N−トリメチルグリシン、又は単にTMGとしても知られている。
【0175】
1953年にMorrisonらが実施した二重盲検臨床試験で、初めての心筋梗塞から生還したばかりの被験者に対するメチル基転移因子の投与効果を調べた。処置被験者は、1日9gの高用量ベタイン+ビタミンB12、肝エキス、及びクレアチン前駆体を投与された。1年後、プラセボを投与された被験者は死亡率25%であったのに対し、処置群には死亡はなかった。これは処置群における死亡率の非常に有意の低下であった。
【0176】
メチル代謝障害の最も極端なシナリオであるホモシスチン尿症のヒトも、ビタミンB6、B12及び葉酸でホモシステイン濃度の低下を示すが、臨床状態に顕著な改善はみられないことが多い。これに対し、高用量のベタイン(典型的には1日6〜9g)を追加すると、白くなりつつある髪の(元の色への)逆転、心臓血管状態の改善及びさらには神経障害の逆転までも伴う。ホモシスチン尿症の女性も、投薬計画にベタインを加えると、懐妊並びに正常妊娠期間と正期産が可能である。
【0177】
ベタインの摂取は、体脂肪削減、筋量増加、及び運動能力の増強とも関連している。ベタインは、特に腎臓で、細胞内浸透圧調節の役割も果たしている。
特に肝臓におけるメチオニン産生は、メチル代謝の最も重要なプロセスの一つの発端となる。メチオニン分子は、SAMeシンセターゼ酵素の作用を通じて、エネルギー分子のATP(アデノシン三リン酸)と結合してS−アデノシル−メチオニン(SAMe)分子を形成する。このようにして形成されたSAMeは、細胞代謝における有力なメチル基供与体で、数十のメチル基転移反応に関与している。
【0178】
特に、DNAのメチル化を通じて、DNA転写、老化、及び修復を調節する酵素であるDNAメチルトランスフェラーゼはいずれも、SAMeをDNAのメチル基供与体として独占的に使用している。さらに、SAMeは、タンパク質、脂質、及び炭水化物にもメチル基を供与して、それらを生物学的に活性な配置に変更している。特に膜の脂質は、最適な流動性と受容体機能のためにメチル化を必要としている。
【0179】
神経学的見地からすると、SAMeは、神経伝達物質の合成及び平衡、特にセロトニンの合成、並びに神経の絶縁ミエリン鞘製造のためにメチル基を提供している。
摂取SAMeを用いた二重盲検臨床試験で、いくつかの処置的利益が報告されている。1日1600mgの用量で、三環系抗うつ薬に匹敵する抗うつ効果が見られた。三環系薬剤に対して、SAMeの抗うつ効果は1週間以内に見られた。これは三環系の薬物療法が臨床的利益を達成するのに通常4〜6週間要するのと対照的である。その上、三環系薬剤では抗コリン作動性及び心臓血管の有害作用が頻繁に観察されるのに対して、SAMeの使用は本質的に副作用がない。
【0180】
SAMeの報告されているその他の臨床的利益は、骨関節症の痛み低減と機能増大、線維筋痛の症状削減、及び心臓血管の健康の改善などである。SAMeの使用はまた、肝臓を毒素から保護し、肝臓の修復、さらには肝硬変の修復までも促進することが報告されている。後者の効果は、解毒の重要な経路である肝臓におけるメチル化をSAMeが増強していることに関係しているようである。
【0181】
SAMeがひとたびそのメチル基を供与すると、次にそれはS−アデノシル−ホモシステイン(SAH)になる。アデノシル基が放出されると、ホモシステインはその結果の副産物となる。図6Aに、メチル基転移経路の一般的な概要を示す。SAMeの投与は臨床的利益を伴うが、ホモシステインの負荷が増加するという潜在的欠点も持っている。
【0182】
メチル代謝を最適化するもっと理想的な方法は、SAMeが充分に高められる限り、ホモシステイン濃度を抑えながら内因性のSAMe産生を増加させることであろう。ベタインの投与は、SAMeを上昇させながらホモシステインを下げる強力な候補である。なぜならば、動物試験で、ベタインの投与で肝SAMe濃度が最大4倍に上昇しうることが示されているからである。肝SAMe濃度の上昇に関するベタインの成果と整合して、ベタインの投与は肝臓を毒素の有害作用から保護する、特に肝臓をアルコール誘導毒性から保護することも示されている。
【0183】
ベタインのこの役割を裏付けるものとして、重症のホモシスチン尿症と主要神経障害を有する若い女性の症例研究から、ベタインを加えるとビタミン投与単独では得られない神経学的欠損の顕著な解消が示された。さらに、ベタインを投薬計画に加えたところ、臨床的改善と併せて、彼女の髄液のSAMe濃度はほとんど非検出濃度から正常濃度に上昇した。
【0184】
パイロット試験として、骨関節症の女性被験者の血中SAMe濃度を、SAMeの摂取中、そして次にベタイン製剤の摂取中に測定した。被験者は1日800mgのSAMeを摂取したが、それによって膝痛の中等度の緩和が得られた。この量のSAMe摂取3ヶ月間で、彼女の血中SAMe濃度は4.9であった(この実験の正常範囲は4.2〜8.2)。この時点でSAMeを中止し、1gのレーザ処理ベタイン+レーザ処理代謝補因子を含有するメチル化製剤を開始した。ベタインと代謝補因子は、以下に記載の二重盲検臨床試験用製剤と同じ比率であった。
【0185】
1ヶ月後、彼女の血中SAMe濃度は6.2に上昇し、右膝の痛みはほぼ完全に解消した。従って、SAMe自体よりSAMeの前駆体を投与する方が、血中SAMe濃度は著しく高くなり、より大きい臨床応答も得られた。特に、SAMe上昇とホモシステイン抑制の二重効果が、DNAメチル化の状態を保存し改善すると期待される。というのは、SAMeはDNAメチル化の独占的メチル基供与体だからである。
【0186】
ホモシステインの上昇は、DNAメチル化状態の直接測定以外で、DNAメチル化障害の最も信頼できるマーカであることが分かっている。ホモシステインの上昇は、血管内皮細胞のテロメアの短縮加速とも関連している。テロメアは染色体の末端で、細胞分裂のたびに短小化する傾向にある。テロメアが過度に短くなると、細胞は複製能を失いやすい。従って、ホモシステインの上昇は、二つの基本的なDNA老化機序に関連している。ゆえにホモシステインの削減は、延命をサポートするのに顕著な効果を持つと期待される。
【0187】
誕生時(at birth)のDNAメチル化のパターンは、各細胞型の機能の完全性にとって極めて重要である。メチル基は特定のシトシン残基上にあって、その細胞系で産生されるのに適切でない遺伝子の転写を遮断することによって各細胞型のDNA発現を分化する。特定のシトシン残基上のメチル基はこのように制御ブロックとして働き、その細胞型に不適切な遺伝子の発現を防止する。この機序は、例えば、脳細胞が筋タンパク質を作るのを防止し、筋細胞が脳細胞だけに限定的な分野のタンパク質を作るのを防止する。従って、あらゆる細胞系は、ゲノムのどの残基がシトシンメチル化を受けるかの特別のパターンを有している。
【0188】
従って、このメチル化のパターンは、一つの細胞系を、その細胞系に適切でない転写遺伝子産物の遮断を通じて、別の細胞系から分化するフィンガープリントの型として働く。シトシンのメチル化は、ヒトゲノムの約100,000個の遺伝子のどれが特定の細胞系で発現されることになるかを決定する中心的な制御プロセスである。
【0189】
DNAからメチル基が次第に失われるのは、細胞における老化とDNA分解の最も重要なタイミング機序の一つである。誕生時、細胞型にもよるが、シトシンのメチル化レベルはシトシン残基の2〜6%の範囲である。ヒト及びその他の哺乳動物におけるDNAメチル化の最高レベルは典型的には胸腺で見られ、シトシンメチル化レベルは6%である。メチル基はDNAから次第に失われるので、転写の完全性やDNA調節が低下する。DNAはその特定の細胞系に不適切な遺伝子の転写を始めるかもしれない。発がん遺伝子はメチル化の抑制効果を失って活性化のリスクがありうる。すなわち、腫瘍形成の可能性が増大しうる変化が起きるということである。障害されたメチル化に伴う細胞化学は、次にDNA鎖切断及び突然変異のリスクを増やす。
【0190】
少なくとも一部は脱メチル化に伴うDNA変化のために、誕生時から20%のメチル基が失われると、ある種の悪性腫瘍、特に結腸及び子宮頚がんのリスクの顕著な増大と関連する。葉酸という一つの変数に注目すると、高い葉酸濃度を有するヒトは低濃度のヒトに比べて結腸又は子宮頚がんのリスクが約50%低下することが示されている。
【0191】
ヒト及びその他の哺乳動物種の場合、40%のDNA脱メチル化レベルで変性死が起きやすくなる。このDNA脱メチル化レベルでは、それが組織全体に広がると情報の統合性が非常に障害されるので、生体の生存がもはや支持されなくなる。従って、DNAからのメチル基の喪失を緩徐化、中止又は逆転する何らかの因子は、DNAレベルで老化のプロセスを緩徐化、中止又は逆転をもさせる傾向にあろう。
【0192】
体全体で50%のDNA脱メチル化レベルは一般的に生存を支持しないが、このレベルの喪失はある状態で選択的組織に起こりうる。特に、50%のDNA脱メチル化は、自己免疫疾患、全身性エリテマトーデス及びリウマチ様関節炎におけるリンパ球集団に選択的に報告されている。
【0193】
これらの免疫調節細胞におけるDNA情報統合性の極端な喪失は機能不全の根幹を成すもので、結果的に自己抗原を異種抗原と認識して自己に対して破壊的炎症プロセスを開始する免疫系をもたらす。種々の抗炎症薬は、根幹となる情報及びDNA調節異常に対処するというより、主として末端の炎症作用を削減する働きをする。これに対し、罹患免疫細胞におけるメチル化異常の補正は、情報の調節異常のレベルで自己免疫状態を補正するのに役立ちうる。
【0194】
DNAの脱メチル化促進及びテロメア短小化に伴うホモシステインの上昇は、DNAレベルにおける老化プロセス促進のマーカである。延命効果を達成しようとするあらゆるプログラムは、DNAメチル化、SAMe生成、及びホモシステイン濃度の完全化に向けられなければならない。
【0195】
ホモシステインの病理作用はDNA脱メチル化の促進にとどまらない。ホモシステインは、血管疾患の病因におけるコレステロールの病原性増大の重要な因子でもある。ホモシステインとチオラクトンはLDLコレステロールと結合してLDLの酸化を促進する。
【0196】
動物試験によれば、高用量の非酸化コレステロールを投与しても血管にほとんど影響はないが、たとえ微量でも酸化コレステロールの添加は、アテローム性動脈硬化症の大暴れ(rampaging)を招くことが示されている。LDLコレステロール酸化を誘導するホモシステインの作用は、正常範囲とみなされている濃度でもLDLコレステロールのアテローム生成を非常に増大できる。
【0197】
さらに、高ホモシステインはリポタンパク質とフィブリンの結合を増加する。高ホモシステインは可溶性凝固因子の血塊形成傾向も増大させやすい。これらの二つの因子とも、血塊形成及び特に傷つきやすい血管プラーク領域での血管閉塞の可能性を増大する。これは、心臓発作、脳卒中、又は末梢組織壊疽をもたらしかねない。
【0198】
血管緊張に関する研究によれば、ホモシステイン濃度が生理的正常値を超えて高くなるほど、血管内皮からの一酸化窒素産生が大きく阻害されることが示されている。一酸化窒素は血管を拡張するので、一酸化窒素の阻害は、より大きい血流の必要性に応答して拡張する患部血管の能力を障害する。一酸化窒素産生の拮抗は血管痙攣を起こしやすくし、組織が虚血、すなわち組織の生存を支えるのに必要な血流及び酸素化の低下を被る可能性を増大する。
【0199】
高ホモシステインは、これらの複数の機序を通して、アテローム性動脈硬化症を促進し、適切な血流に必要な血管拡張を障害し、又は血塊形成の可能性を増大しうる。こうした理由から、ホモシステインは、若年性心臓発作(55歳未満)とその後の高コレステロール、並びに脳卒中及び末梢血管疾患の非常に大きいリスク因子でありうる。高ホモシステインは、若年性心臓発作の相対的リスクを最大40倍増加することが示されている(高コレステロールの相対的リスクは約4倍に過ぎない)。
【0200】
悪性腫瘍の観点からすると、ホモシステインは悪性細胞に蓄積し、DNA及びタンパク質化学を妨害することが分かっている。前がん性の気管支細胞診を有する喫煙者にメチル化増強栄養素を投与すると病変が顕著に退行して正常に向かったが、プラセボ対照群の気管支細胞診には何の改善も示されなかった。さらに、メチル化増強因子の投与は、リンパ腫の臨床経過も改善するようである。
【0201】
ホモシステイン濃度の低下とメチル代謝の改良は、アンチエイジング効果、心臓血管リスクの低下、及び悪性腫瘍のリスク低下と経過の緩和を含む広範囲の利益を有しうる。SAMeの上昇は、うつ及び骨関節症の症状緩和、線維筋痛の症状プロフィールの改善、並びに心臓及び肝臓の健康と機能の向上にも関連する。
【0202】
無作為プラセボ比較二重盲検前向き臨床試験を実施して、レーザ処理ベタイン+レーザ処理補因子の、ホモシステイン濃度並びにその他の臨床及び代謝プロフィールに及ぼす効果を評価した。ヒト臨床試験に関する包括的プロトコルは、ワシントン州オリンピアのWestern Institutional Review Board(WIRB)に従った。このプロトコルは、ヒト臨床試験用として一般に認められているガイドラインに従っていると認可されている。
【0203】
被験者はワシントン州のシアトル及びオリンピアエリアから地方紙の公告を通じて募集した。40歳以上の40人の被験者を参加者として選択した。少なくとも中等度のホモシステイン濃度の上昇があると予期される試験群を選ぶに当たって、最低年齢の40歳をホモシステイン濃度が年齢と共に上昇しやすいとして選択し、ホモシステイン濃度の低下に及ぼす試験製剤の効果を調べた。
【0204】
メチル化代謝の増強用に設計されレーザ処理された試験製剤は、以下の成分を記載の割合で含んでいた。すなわち、ベタイン(トリメチルグリシン)2000mg、重酒石酸コリン750mg、イノシトール500mg、イノシトールヘキサニコチネート375mg(ナイアシン、ビタミンB3の紅潮を起こさないタイプ、80重量%のナイアシン、又は300mgのナイアシンを提供する)、マグネシウムアミノ酸キレート18.42% 162.9mg(30mgのマグネシウムを提供する)、シアノコバラミン1% 100mg(1mgのビタミンB12を提供する)、塩酸ピリドキシン25mg(ビタミンB6)、亜鉛キレート20.17% 24.8mg(アミノ酸キレートとして5mgの亜鉛を提供する)、塩化カルシウム37mg、ステアリン酸マグネシウム27mg、ピリドキサール−5’−ホスフェート5mg(リン酸化形のビタミンB6)、及び葉酸1.6mg。これらの成分は重量で測定し、市販の混合装置で均一な密度と分布が得られるように混合した。2gのベタインに釣り合わせた製剤の総重量は4.008gで、これを00サイズの6個のゼラチンキャップに各668mgずつ充填した。
【0205】
試験用のメチル化増強製剤を主レーザ波長670nmの疎な強め合いノードレーザ照射で処理した。二つのGaAsダイオードレーザを、一次出力4.6mV及び3.0mVをそれぞれ2.3mV及び1.5mVに位相打ち消しして用いた。これらのレーザはさらに電子的に10MHzで変調された。試験製剤は透明プラスチックの容器に、容器当たり2kgずつ入れた。各容器をジャイロ装置で回転させながら、容器当たり12分間二重レーザ照射で処理した。平均のレーザ照射線量は.044kg/分/mVであった。
【0206】
被験者は試験に参加後、処置群又はプラセボ群に無作為に分けた。ベースラインのホモシステイン濃度は高い方から低い方へ濃度によって階層化し、各レンジにつき3分の2の被験者をランダム化してレーザ処理したメチル化製剤による積極的処置を受けさせ、3分の1はプラセボを投与された。
【0207】
投与を受けた全被験者は、試験開始前に試験のプロトコルについて説明を受けインフォームドコンセントの書類にサインした。全被験者は、自分がプラセボを投与されているのか活性製剤を投与されているのか分かりにくくしたコバルトブルーの不透明ゼラチンカプセル18個を摂取した。試験の最初の1ヶ月間、処置群は2gのレーザ均質化ベタイン+相応量のレーザ処理補因子を毎日投与された。カプセルの差引部分の重量は、メチル代謝に著明な影響を与えないと思われるグルコースの低血糖炭水化物ポリマーであるマルトデキストリン580で満たした。
【0208】
試験の第二ヶ月目、処置群は4gのレーザ均質化ベタイン+相応量のレーザ処理補因子を毎日投与された。カプセルの差引重量はマルトデキストリンで満たした。試験の第三ヶ月目、処置群は6gのレーザ均質化ベタイン+相応量のレーザ処理補因子を毎日投与された。この量はカプセルを完全に満たしたのでマルトデキストリンの追加は不要であった。試験の全期間を通じてプラセボ群が摂取したカプセルは全てマルトデキストリンだけで満たされていた。
【0209】
全被験者は、彼らが各日に摂取するカプセルの数を指示した質問票に毎日記入した。毎日の質問票に、被験者は摂取した食物及び飲物、運動量、喫煙の有無及び量、並びに全体的気分、エネルギー、及び睡眠の質と時間についても記録した。さらに、症状上の利益、副作用又は一般的コメントがあればそれを記録するスペースも設けられていた。
【0210】
摂取及び試験終了調査も、試験開始直前及び終了時に実施した。上で尋ねた一般的な食事、運動、健康及び喫煙に関する質問の他に、これらの調査では、何らかの既知の医学的問題の存在、投薬使用、栄養補助食品の摂取、及び何らかのアルコール又はカフェイン摂取についても尋ねた。
【0211】
ベースライン時、及び試験の各週ごとに、全被験者はSCL−90−Rとして知られる臨床評価質問票(の記入)を完成した。National Computer Systems社(NCS)製のSCL−90−Rは、Symptom Checklist(症状チェックリスト)90−改訂版の略語である。SCL−90−Rは、広く使用され統計的にも非常に有効な、“うつ及び不安のような症状の変化の測定に役立つ臨床試験”で使用される90問の調査である。それは、精神病理学的症状をスクリーニングし、全般的な精神的苦痛の指標を提供する簡潔な多次元的自己報告リストである。NCSは、被験者を一般的集団と比較するために、試験した各症状の得点について被験者のパーセンタイルランクを示す採点テンプレートを提供している。測定される試験尺度は、不安、うつ、妄想観念、強迫、身体化(身体的機能障害の知覚)、及び敵意の尺度、並びに全般的重症度指標(global severity index)(全症状について複合して一緒に測定した指標)である。
、などである。、 ベースライン時、及び試験の各月末に、被験者はワシントン州オリンピアのセントピータース(St.Peters)病院の臨床研究室に瀉血のために出向いた。定期的に測定した血液試験は、全血球計算と白血球分画及び血小板、グルコース、電解質、血液尿素窒素(BUN)、クレアチニン、肝酵素を含む化学パネル、それにトリグリセリド、総コレステロール、LDLコレステロール、及びHDLコレステロールを含む脂質パネルであった。ホモシステイン濃度も取り出した。さらに、血液サンプルを遠心して赤血球、白血球、及び血漿成分に分画し、その後凍結して独立研究所で実施される専門的試験、すなわち赤血球SAMe及びDNAメチル化レベル試験用とした。確立された研究室プロトコルの通り、サンプルを収集し発送した。
【0212】
測定した全分野について、最大10人の被験者が何らかの測定から脱落した。データ分析から被験者を外した主な理由は、一つ以上の血液試験の不履行又は書類の不備、分析を妨害する医学的又は代謝的状態、又はその他の投与上の理由であった。
【0213】
本試験は、ベースライン及び3種類の異なる用量の測定を達成したので、多重測定に関する自己回帰(autoregression)の統計分析法を採用した。この方法は各被験者を彼ら自身の対照として使用するので、正式な対照群は統計分析に必要ない。プラセボ対照群は、本試験では主に試験製剤なしで試験した代謝測定における著しい不規則変動を除外するために使用した。
【0214】
ホモシステイン濃度の低下はあらゆる投与用量で統計的に有意であり、最低用量でもp<.00001であった。処置群の平均ホモシステイン濃度は、2gのレーザ均質化ベタイン+レーザ処理補因子を用いた試験製剤の投与1ヶ月後にベースラインの9.1から7.1に低下した。第二及び第三用量レベル、すなわち4g及び6gの均質化ベタイン+比例して増加させた量のレーザ処理補因子の処置群における低下は、それぞれ平均ホモシステイン値が6.8及び6.1であった。6.1というのは、該処置群をホモシステインに関して一般集団以下のおおむね最低の心臓血管リスクレベルに位置づける濃度であった。
【0215】
図6Bに用量反応曲線のグラフを示す。各用量レベルの統計的有意値も付記した。
プラセボ対照群は、処置群と統計的に有意差がないホモシステイン濃度でスタートした。3ヶ月の試験期間中、ホモシステイン濃度に有意な低下はなかった。どちらかと言えば小さな統計的に有意でないホモシステイン濃度の増加がみられた。3ヶ月の試験期間中のプラセボ対照群の平均ホモシステイン値を図6Cにグラフ的に示す。
【0216】
ホモシステインの高度の上昇は相応して心臓血管及びその他の高いリスクに関連するので、一番高いホモシステイン濃度でスタートした処置被験者のサブグループは用量反応効果について別に分析した。
【0217】
図6Dに、ベースラインのホモシステイン値が10以上の被験者についてのレーザ処理試験製剤に対する用量反応曲線を示す。平均の低下はあらゆる用量レベルで統計的に有意であり、最低用量の試験製剤でも13.2から9.3に30%低下した。高用量ではさらにホモシステイン濃度が2ヶ月後及び3ヶ月後にそれぞれ平均して8.3及び7.3に低下した。最も高い比例的低下は、ベースラインのホモシステインが15であったのが試験製剤の使用2ヶ月後に5に降下した、又はホモシステインが約70%低下した。これらの結果は、レーザで均質化されたメチル化製剤はホモシステインの最高リスクの上昇を調節及び低下するのに特に役立ちうることを示す。
【0218】
試験製剤の使用は、不安尺度の統計的に有意な減少とも関係があった。図6Eに、試験製剤の用量が高くなるに従って不安のより大きい減少を示す線形用量反応曲線を示す。これに対し、プラセボ群には不安尺度の有意な減少はなかった。
【0219】
図6Fに身体化尺度(身体的苦痛、うずき及び痛みの知覚)の非常に有意な減少を示す。特に急勾配の減少が最低用量レベルで見られた。
図6Gにうつの統計的に有意な減退を示す。この減退は用量レベルが高くなるにつれて増進する。試験製剤はSAMe濃度を増加させることが期待されるので、図6F及び6Gに示した結果は、報告されているSAMeの直接使用の効果、すなわち骨関節症であろうが線維筋痛であろうがうずき及び痛みの削減効果、並びにうつの緩和効果と一致する。
【0220】
図6Hに、あらゆる用量レベルにおける強迫症状の非常に統計的に有意な減退を示す。
図6Iに、試験製剤の用量増加に伴うパラノイア症状の顕著で直線的な減退を示す。
図6Jに、レーザ均質化試験製剤の使用に伴う敵意の統計的に有意な減退を示す。最近の研究によれば、高ホモシステインとヒト敵意の増大は相関関係にあることが示されている。これは、ホモシステインの減少だけでなく測定された敵意がそれに対応して減退することを示す最初の処置的介入の一つである。
【0221】
図6Kに、全般的重症度指標、すなわち全症状と重症度の尺度を総合的に評価した全般的測定の用量反応曲線を示す。この指標は、全ての用量レベルで全般的症状プロフィールの非常に統計的に有意な減退を示しており、その減退は各用量ごとに増え、特に最低用量で顕著な相対的応答を示している。
【0222】
基本的なメチル基転移生化学を改善することは、特に細胞膜の流動性及び機能、神経伝達物質の産生及び平衡(特にセロトニン)、タンパク質の転写後修飾、DNAの合成及び修復、内皮の血管保護、及び多数のその他の促進経路のレベルで、細胞代謝及び機能に広範な利益があると期待される。
【0223】
レーザで均質化されたメチル化製剤の最適な使用は、ホモシステイン濃度、SAMe濃度、DNAメチル化アッセイ、炎症マーカ、又は臨床状態の変化の処置に対する応答に基づいて調整できる。臨床的に良好なヒトにおいては、製剤の用量を最低の心臓血管リスクに関連するホモシステイン濃度、すなわちカットオフ値6.3以下に維持するように調節することが勧められるであろう。
【0224】
実施例9
レーザ処理メチル化製剤によって改善された狼瘡の、自己免疫疾患病理の緩和モデルとしての症例
自己免疫疾患は、免疫系が自己抗原を異物と認識し、自己組織に対して免疫の炎症性攻撃を開始する状態である。疾患プロセスの中核を成すのは、宿主組織の成分を異物又は侵襲抗原と区別する免疫系の能力における情報異常である。
【0225】
二つの最も一般的な自己免疫疾患、狼瘡及びリウマチ様関節炎で繰り返し観察される現象は、T細胞リンパ球の高度のDNA脱メチル化である。リンパ球のDNA脱メチル化は炎症反応に続発する現象ではあるが、DNA脱メチル化プロセスがDNA制御機構の調節障害を通じて疾患の病因に主な役割を果たすことも可能である。メトトレキサート処置によるリウマチ様関節炎の臨床的改善はDNAメチル化の増加と関連することを示す最近の研究は、DNAの脱メチル化を疾患の病因とする仮説を裏付けるものである。
【0226】
身体の組織が全般的な40%のDNA脱メチル化を被ると、通常変性死が起こる。リウマチ様関節炎及び狼瘡では、T細胞リンパ球の50%までの脱メチル化が観察され、これらの免疫調節及びエフェクタ細胞に選択的な変性プロセスの促進が示唆される。DNAを再メチル化する積極的な処置は、単に免疫調節障害に伴う炎症反応を抑制する以上に、基礎にあるDNAレベルにおける情報異常を緩和及び補正するのに役立ちうる。
【0227】
患者の一例として、59歳の白人女性が数年来再発性狼瘡を患っていた。実施例6のメチル化製剤試験に参加する時点で、彼女は数ヶ月間重症疾患の再発を経験していた。
彼女の疾患は、手足に極めて鋭敏な有痛性の水疱形成及び潰瘍性病変を特徴とし、そのために激痛なしに歩くことも戸棚の扉を開けることも困難であった。皮膚は蒼白で、慢性低エネルギー状態で極めて疲労しており、高度の脱毛にも悩まされていた。全身性炎症のマーカである沈降率は、正常レベルが0〜30であるのに対し、99に高く上昇していた。プラケニル(Plaquenil)のみで処置されていたが、症状が緩和されることはほとんどなかった。彼女はコルチコステロイドの使用は断った。以前の再発時に重度の処置副作用があったからである。
【0228】
該被験者はプラセボ対照群に無作為化され、3ヶ月間状態に何の改善もみられなかった。試験第二相で、彼女は6gのレーザ処理ベタイン+補因子を毎日という高用量のメチル化製剤群に入れられた。活性製剤の開始1〜2週間以内に彼女は臨床的改善に気づき始めた。
【0229】
3ヶ月間の第二相終了時に、彼女は、手足の病変の90%の消失と倦怠感及び疲労感の顕著な改善を報告した。この時点で彼女の沈降率は58に降下していた。彼女は同量のプラケニルを試験期間中続けており、処置における唯一の変化は試験第二相の3ヶ月間の活性メチル化製剤の追加だけであった。
【0230】
該被験者は、1〜2gのレーザ処理ベタイン+補因子に減らした低用量のレーザ処理メチル化製剤をさらに5ヶ月間続けた。この期間中、彼女は全臨床症状の完全寛解を得た。低用量処置の第5ヶ月終了時に、彼女の沈降率は非常に低い正常値の1に降下していた。これは彼女がこれまでに記録した最低レベルであった。
【0231】
その他の臨床マーカーも、彼女の基礎疾患の狼瘡の顕著な改善を示していた。処置前のC反応性タンパク質は3.4に上昇していたが(正常0〜1.5)、処置期間終了時には正常の1.1に低下していた。
【0232】
処置前のC3及びC4補体濃度は84(正常94〜192)及び11.5(13.0〜52.0)にそれぞれ減少しており、活性な炎症プロセスが補体因子を消費していることを示していた。高用量メチル化製剤の第3ヶ月までに彼女の濃度は正常に戻り、C3及びC4がそれぞれ98及び13.2となった。すなわち自己免疫炎症の減退を示していた。抗二本鎖DNA抗体はSLEの特異的マーカである。処置前1:40希釈(正常<1:10希釈)に上昇していた力価は、高用量製剤の使用第一ヶ月終了時までに1:10希釈の正常値に本質的に低下していた。
【0233】
彼女は、手足の病変の完全消失及びその他全ての臨床的特徴の完全解消を得た。彼女のエネルギーは数年間で初めて高レベルに戻った。彼女の蒼白は解消し、毛髪も豊かに再成長した。
【0234】
彼女はこの時点でメチル化製剤の使用を中止し、7ヶ月間は臨床的に良好と感じていた。しかしながら、製剤中止7ヶ月後の反復沈降率は103に増加していることを示した。沈降率上昇が認められて数週間以内に、指の痛みと手の皮膚病変の早期発生が始まった。高用量のレーザ処理メチル化製剤の再開数週間以内に、早期再発症状は完全に解消した。製剤の使用を続けることで沈降率は再度正常に戻った。
【0235】
彼女の経験は、メチル化増強因子の供給中止後は、生化学的マーカが処置前レベルに速やかに戻りがちであることを示すメチル化化学の多数の研究と一致している。一般的に、最善の結果のためには長期間の一貫した使用が勧められる。
【0236】
全身性エリテマトーデスは、自己抗原に対して免疫攻撃をする広範囲の自己免疫状態の主要例である。レーザ処理メチル化製剤による積極的な再メチル化が、あらゆる形態の自己免疫疾患、特にリンパ球のメチル化削減を特徴とすることが知られているリウマチ様関節炎及び狼瘡のような疾患について考慮するには適切な処置である。そのような処置は、非常に高い処置指数を有し、単に炎症プロセスによる症状を抑制するというよりはむしろ基礎にあるDNA調節異常の処置に役立ちうる。
【0237】
実施例10
レーザ音響共鳴を用いたプリオンの不活性化及びその他のタンパク質の形状作り変えの可能性
プリオンは独特のタンパク質性感染因子の類であって、特に緩徐進行性の神経変性疾患を起こすことで知られている。プリオンは、病理変化を起こすのにDNA又はRNAエフェクタ機序を必要としない点でその他の種類の伝染性因子と異なっている。プリオンは、孔径が小さすぎて最小のウィルス又は細菌さえも通さないミクロフィルタを通過することが観察されている。プリオンはまた、病原微生物を除去するのに通常有効な温度での殺菌に対する耐性もある。核酸と無関係な欺瞞的(deceptive)生物戦略のために、これらの破壊的疾患状態の処置方法はまだ開発されていない。
【0238】
プリオン感染と最も密接に関連しているヒトの症候群はクロイツフェルト・ヤコブ病である。稀ではあるが、クロイツフェルト・ヤコブ病は脳組織における空胞性変化及び星状細胞増殖を特徴とするヒトの最も一般的な海綿状脳症である。疾患伝染は、プールされたヒト下垂体エキスから調製された成長ホルモンの注射、角膜移植、及びてんかん処置のための汚染された定位電極のインプラントによると報告されている。潜伏期間は典型的には15〜31ヶ月の範囲である。平均疾病期間は、進行性痴呆、ミオクローヌス、及び運動機能不全から死亡までおよそ6ヶ月間である。
【0239】
Prusinerに定義されるように、プリオンは、“核酸を修飾する方法による不活性化に抵抗性のある小タンパク質性感染粒子”である。おそらくこの類の疾患の最も異常な特徴は、病原性タンパク質が宿主細胞のゲノムによってコードされているように見えることである。ヒトのプリオンタンパク質(PrP)の遺伝子は染色体20にマッピングされている。正常遺伝子産物のPrPcは病理タンパク質PrPscと同じアミノ酸配列を有しているようである。3次元折畳みの相違が膜シアロ糖タンパク質の正常変異体を異常なアイソフォームに変換する。これは凝集して、電子顕微鏡検査で目に見える病理タンパク質の結節になる。プリオン凝集体は、この群の疾患の脳組織に見られるアミロイド斑及びフィブリルの原因でありうる。
【0240】
シャペロニンは、ペプチド配列をそれらの生物学的に活性な3次元コンフォメーションに形作るのを助けるエフェクタタンパク質の類である。プリオン疾患におけるシャペロニン活性の障害が、他の点では正常なペプチド配列の異常折畳み及び凝集の原因でありうる。
【0241】
疎な強め合いノードの“衝撃と鳴動”を印加し、同時に分子サイズに比べて比較的大きなそれらのEM場波で分子を配向し形作ると、シャペロニン様効果が提供できる。疎な強め合いノード及びEM場パターンは、シャペロニンポケットにおける形作りプロセスを模倣して、ペプチド配列の3次元折畳みを誘導する助けになりうる。従って、疎な強め合いノード照射の個々のアミノ酸の形状変更能はアミノ酸鎖に拡大することが可能で、望ましいポリペプチド折畳みパターンに役立つ。
【0242】
レーザ音響共鳴がPrPの病理的コンフォメーションではなく正常コンフォメーションに有利に働くことができるかどうかを決定するために、我々は両方の形態の音響スペクトル分析をすることになった。好適形対不適形の音響スペクトルが異なっていれば、原理的には好適形のスペクトル周波数で変調された疎な強め合いノードのレーザ照射を印加することによって、所望形の形成に役立つ可能性がある。その場合でも、他の減衰損失が支配的になる前に、一方の形態から他方の形態にスイッチするのに要する全エネルギーを、共鳴によって達成可能なエネルギーより充分高くすることは可能である。
【0243】
複合分子に適用する音響共鳴スペクトルを決定するための費用効果的な方法は、過飽和二酸化炭素気泡核生成によるソノルミネセンスを用いて溶液中でシングルポイント音響エミッタを創り出すことであろう。ソノルミネセンスの主な例は、超音波を使用して小気泡を無限小サイズに圧縮し、温度を突然劇的に上昇させることである。これは時に小空間で何千度もの温度上昇をもたらす。
【0244】
一部のシステムでは、この温度スパイク(光を伴うことが多い)を化学反応の直接推進に使用できるが、本文脈においては気泡核生成を、溶液中で分子の音響吸収スペクトルの測定に使用できるシングルポイント音響エミッタの創製に使用する。
【0245】
例えば、二酸化炭素を‘ソーダストリーム’を用いて水に溶解し、水中にPVDF(フッ化ポリビニリデン)製の広帯域ハイドロフォンを置くと、純水の音響スペクトルが測定される。選択した試験分子を水に溶解すると吸収スペクトルが変化する。この示差吸収スペクトルが試験分子の主振動モードの周波数を示す。さらに吸収線の狭さは溶液中の化合物の均質性を示す。
【0246】
一般的な使用例で、我々は最大吸収線を選び、レーザ変調をその周波数に調節する。そのような主共鳴周波数は分子に非常に効率的に送達できる。これは、フォトンの吸収及び再放出のディラック様音響スパイクを用いる一般的な“衝撃と鳴動”効果に加えて、更なるレベルの分子の形状制御を提供する。
【0247】
均質化の簡単な実験において、化合物の乾燥粉末(又は溶液)を二つのバッチに分割する。一つのバッチは事前のCO2核生成吸収スペクトル分析から選んだ変調周波数で照射する。この粉末を次にCO2溶液に加え、対照粉末を別のCO2溶液に加える。次に二つの溶液のそれぞれの吸収スペクトルを測定する。均質化が起こる程度になると、照射サンプルは対照サンプルより狭い吸収スペクトルを示すようになる。
【0248】
ベタインのような単純な化合物は比較的少数の吸収線を示すが、フィブロネクチン又はグルコアミラーゼのような化合物は数百である。照射用に選ばれた各線は照射後に狭くなると予想される。
【0249】
プリオンの例の場合、正常及び病理プリオン配置(configuration)を別のCO2溶液に溶解し、これらの溶液の吸収スペクトルを測定する。次に、病理プリオンと比較したとおきに正常プリオンで見られる吸収ピークを、病理プリオン溶液で再生すれば、正常形の共鳴及び配置に近づけることができる。周波数は、レーザ音響共鳴の疎な強め合いノードビームの変調として適用される。
【0250】
反対に、病理プリオンの吸収ピークを病理形の溶液で再生すれば、全体的な構造を崩壊させるのに充分な局部共鳴を加熱できる。そのような強度の局部加熱は単純に3次元コンフォメーションを変性できる、又は弱い結合を標的にすれば共有結合を分断できる。主レーザ波長は、共鳴変性を意図するのであれば電磁スペクトルの紫−紫外端にシフトさせる。一方、スペクトルの赤外−赤端は再構成の方策としてより適している。
【0251】
病理プリオンを正常配置に変換又は構造を変性する能力は、組織又は移植用器具の高速低エネルギー殺菌法として役割を果たせる可能性を有する。普通の従来のレーザEM照射と比べて疎な強め合いノードは組織への透過深度が大きいので、このエネルギーは直接的なインビボ処置としても適用できる。臨床サンプル、組織、及びより大きい実験室器具からの病理プリオンの除去、並びに臨床的安全性も達成できる。
【0252】
さらに発展させると、家畜及び畜産業への適用可能性もある。海綿状脳症を起こす動物のプリオン病は、ヒツジ及びヤギではスクレイピーとしてウシでは狂牛病として特によく認識されている。用途としては、それ以外には処置不能なこの疾患の処置又は予防、又は感染可能性もしくは感染性組織又は汚染器具の殺菌などである。
【0253】
一般的な適用の観点からすると、ソノルミネセントCO2核生成吸収スペクトル分析(sonoluminescent CO2 nucleation absorption spectral analysis)を用いるプロセスは、意図する均質化効果をさらに増強する共鳴変調周波数を提供できる。その他の分光法も使用できるが、この提案された好適な様式の利点はその容易性と費用効果である。
【0254】
レーザ照射の疎な強め合いノードを共鳴スペクトルピークで変調することは、一般的な均質化及び平坦化効果に加えてさらに特異的な構造変化を起こしうる。これは、薬剤、特に受容体効果を標的とした薬剤の望ましい効果を増強するのに特に重要であろう。これはさらに、受容体の形状適合を改良し、所定用量で望ましい処置作用を増大し、そして非特異的な用量関連及び用量無関係の有害作用を削減しうる。
【0255】
そうした広範囲の栄養補助食品及び医薬品効果をさらに特異的に標的にするには、所望の効果に応じたインビトロ、動物及び臨床試験がさらに必要であろう。そのような効果の第一の候補は、フェノール系神経伝達物質のドパミン、エピネフリン、及びノルエピネフリンの受容体経路で機能する薬剤の作用を変更することであろう。骨格のねじれ及び全体的平坦化及びフェノール(水酸化ベンゼン)環含有分子の形状を変更する能力は、所望の機能を増強し、深刻なことが多い副作用を低減しうる。
【0256】
実際、全ての受容体−リガンド及び酵素−基質媒介系は非常に形状依存性である。リガンド又は基質の形状を変更及び均質化する能力は、形状変更効果を、系の反応性を所望通り増大又は低下させるために集中する。従って、広範囲の栄養素、薬剤、及びその他の生物活性薬を変更することにより、意図する生物学的又は生理学的効果を増強できる。
【0257】
高周波の青−紫から紫外の主レーザ系を用いる特別の共鳴は、特定の病原体を変性することが見出されるかもしれない。疎な強め合いレーザ照射の変調を用いれば、広範囲の病原体を不活化できる可能性がある。
【0258】
特別の共鳴系は選択された化学結合の温度を大きく上げるので、それらをより反応性に富むようにすることができる。一部の共有結合は切断されやすく、その結果、特別の形状及び構造の反応性フラグメントが得られる。これは、他の点では新規有益化合物の製造又は創製が困難な構造の収率を上げるのに熱力学的に好ましくない、反応順序を作り出すのに使用できる。
【0259】
従って、疎な強め合いノードの共鳴レーザ照射の使用は、プリオンを形状変更してそれらをもはや病原性でなくする;内因性の酵素、受容体、及び情報伝達系を増強又はさらには模倣する;そして広範囲の感染因子又は毒素の成分を変更してそれらの病原性又は毒性を低減する、などへの発展性を秘めている。
【0260】
実施例11
血圧及びコレステロール濃度を低下させる、レーザ処理L−アルギニンの臨床効果
実施例6の二重盲検試験の被験者は、第一相試験の完了後、Western IRB認可の第二相試験に勧誘された。プラセボ群の被験者はレーザ処理L−アルギニン製剤の用量反応試験に参加するよう勧誘された。活性処置群の被験者は、高用量メチル化製剤を継続しながらレーザ処理L−アルギニン製剤の用量反応試験を追加するように勧誘された。
【0261】
レーザ処理L−アルギニン製剤のサイズ00の各カプセルは、500mgの均質化L−アルギニンを提供するように配合されていた。さらに、各カプセルは、以下の組成のレーザ処理成分を含有していた。すなわち、イノシトールヘキサニコチネート25mg(80%モル比のナイアシン、又は20mgのナイアシン)、ピリドキシン(ビタミンB6)2.5mg、マグネシウムアミノ酸キレート18.42% 54.3mg(10mgのマグネシウムを提供)、亜鉛アミノ酸キレート20.17% 4.1mg(.833mgの亜鉛を提供)、及びセレノメチオニン0.5% 2.33mg(メチオニンにキレート結合したセレン11.67μgを提供)、及びパントテン酸カルシウム(ビタミンB5)11mg。
【0262】
アルギニン+補助的ビタミン及びミネラル補因子のレーザ均質化は以下のように実施した。この製剤の乾燥粉末を透明プラスチック容器に2kg量り取り、3本の軸を通って生成物を回転させるジャイロスコープ装置に入れた。一次出力4.6mV及び3.0mVの670nmの二つのダイオードレーザをそれぞれ2.3mV及び1.5mVの疎な強め合いノードのレーザ照射に変化させた。ビームはさらに電子的に10MHzで振幅変調された。容器当たり12分間の処置時間中の平均のレーザ線量は.044kg/分/mWであった。
【0263】
第一相試験で処置群にいた被験者は、第一相からの最大日用量の処理メチル化製剤である6gのレーザ処理ベタイン+レーザ均質化補因子の用量を継続した。第1ヶ月目、被験者はレーザ処理アルギニン製剤を9カプセル毎日摂取した。これは4.5gの活性化アルギニン+それに比例した比率の処理補因子を提供する量である。第2ヶ月目、日用量は18カプセル、すなわちレーザ処理アルギニン9gのベースに増量された。第3ヶ月目、日用量は毎日27カプセル、すなわち13.5gに増量された(消化管が受け付けたので)。
【0264】
第一相試験のプラセボ群は、レーザ処理アルギニン製剤のみを摂取するように切り換えられた。第二相の1、2及び3ヶ月の間、アルギニンのベース用量はそれぞれ4.5g、9g、及び13.5gと、同じ割合のレーザ処理補因子であり、比較群は処理メチル化製剤も摂取した。
【0265】
3人の被験者が活性化アルギニン複合体の摂取を断った。その理由は、アルギニンが単純ヘルペスウィルスの発生を再発しやすい傾向を持つことが知られているため、又は研究によって自己免疫疾患のある人には注意して使用するよう示唆されているため、のいずれかであった。これらの参加者の一人は活性狼瘡を有する被験者であった。その経過は実施例7に記載されている。この群の全被験者は研究された最高用量のレーザ処理メチル化製剤、すなわち6gの処理ベタイン+それに比例する補因子を投与された。
【0266】
被験者は実施例6に記載した毎日の質問票の記入を続けた。特に、各カプセルの毎日のカプセル摂取を記録し、主観的利益又は副作用についても報告した。毎週のSCL−90質問票も実施された。試験終了時、被験者は卒業質問票及び試験総括も完成した。
【0267】
ベースライン時及び毎月、患者は以下の血液検査の採取及び分析も受けた。すなわち、先端的研究のために独立研究所にて、トリグリセリド及び総、LDL、及びHDLコレステロール濃度、並びに赤血球、白血球、及び血漿の検査である。さらに、ベースライン時及び毎月、被験者は血液採取時に血圧測定も受けた。認可されたインフォームドコンセントの書類が第二相試験のためにWestern IRBから提供された。これらのインフォームドコンセント書類の解説及び署名後、被験者は第2の3ヶ月間の試験相を始めた。第二相の期間中、レーザ均質化L−アルギニン製剤を摂取した被験者は、総コレステロール、LDLコレステロール、及び総対HDLコレステロール比に統計的に有意な低下を示した。これらの測定で有意の低下を示すには2〜3ヶ月間の使用を要した。さらに収縮期及び拡張期の血圧も統計的に有意な低下を示したが、これも有意レベルを達成するのに2〜3ヶ月間の使用を要した。トリグリセリド濃度も平均140から118に低下したが、この低下は統計的有意性を達成しなかった。
【0268】
推奨摂取量のカプセルを確実に摂取した第一相試験とは異なって、第二相試験では摂取量は極めて可変的であった。用量反応曲線の代わりに、結果はどちらかというと群全体のバルク用量摂取の長期間の蓄積効果を示すものである。
【0269】
日報から得たカプセル摂取の合計に基づくと、第1ヶ月間のレーザ処理L−アルギニン製剤の摂取範囲は105〜410カプセルであった。平均摂取量は210カプセル、又は1日約7.0カプセルであった。第2ヶ月間の摂取範囲は126〜513カプセルで、平均摂取量は386カプセル、又は1日約12.9カプセルであった。第3ヶ月間の摂取範囲は27〜756カプセルで、平均摂取量は436カプセル、又は1日約14.5カプセルであった。従って、第1、第2、及び第3ヶ月間のレーザ均質化L−アルギニンの平均日摂取量はそれぞれ3.5g、6.5g、及び7.3gであった。
【0270】
レーザ均質化L−アルギニン製剤が長期間かけて総コレステロール濃度に及ぼす効果を分析するのに一元配置反復測定分散分析を使用した。分析はベースラインの総コレステロールが180を超えていた29人の被験者に限定した。多変量検定によれば、有意なコレステロール低下効果、ウィルクスのラムダ=.77,F(2,26)=3.813,p=.035を示している。この効果は明白になるのに2ヶ月を要した。
【0271】
ベースラインから第2ヶ月末までに、29人中18人、又は処置被験者の62%が総コレステロールの低下を示した。総コレステロールの低下を示した人のうち61%が10%以上の低下、18%が20%以上の低下を示した。32%の最大個人総コレステロール低下は、ベースラインの213から処置後濃度146への低下であった。
【0272】
レーザ均質化L−アルギニン製剤が長期間かけてLDLコレステロールに及ぼす効果を検定するのに一元配置反復分散分析を使用した。多変量検定によれば、有意なLDLコレステロール低下効果、ウィルクスのラムダ=.655,F(3,20),p=.034を示している。さらに、対応のあるt検定分析で、最も顕著なLDLコレステロール降下は処置第3ヶ月後に発生したことが明らかになった。平均のベースライン濃度は140に上昇していたが処置第3ヶ月後に128に降下した。これは臨床的に重要な低下レベルである。
【0273】
ベースラインのコレステロールが180を超えていた26人の被験者のうち、レーザ均質化L−アルギニンによる処置3ヶ月後に61%がLDLコレステロールの低下を示した。低下を示した人のうち、75%が10%以上の低下、25%が20%以上の低下であった。最大の単一低下は66%で、非常に高濃度の223から正常濃度の75に低下した。
【0274】
HDLコレステロールに対する相対効果を評価するために、一元配置反復測定分散分析を従属変数の総対HDLコレステロール比について計算した。多変量分散分析によれば、長期間かけてこの比率の低下に有意の効果、ウィルクスのラムダ=.691,F(3,21),p=.048が示されている。平均のベースライン比率4.1が処置3ヶ月後に3.8に低下した。7%の低下であるが、63%の被験者がこの比率の低下を示した。
【0275】
一元配置反復測定分散分析を従属変数の長期間の収縮期血圧について算出した。独立変数は処置製剤であった。長い間には収縮期血圧に統計的に有意な低下が見られた。ウィルクスのラムダ=.715,F(3,26)=3.447,p=.03;有意な線形効果も見られた。F(1,28)=6.522,p=.016。
【0276】
群全体の平均収縮期血圧131がレーザ均質化L−アルギニン製剤による3ヶ月間の処置後126に低下した。ベースラインと処置3ヶ月を比較する対応のあるt検定はp=.004で統計的に有意であった。140mmHg以上の収縮期高血圧を有する被験者のサブグループで10人中9人、又は90%が3ヶ月間の試験製剤処置後、収縮期血圧に低下を示した。その低下はp=.033で統計的に有意であった。このグループの処置前の値は140〜208mmHgの範囲であったが、処置後に123〜160mmHgに低下した。低下を示した被験者の収縮期血圧の低下範囲は2〜48mmHgで、平均低下は19.4mmHgであった。
【0277】
一元配置反復測定分散分析を従属変数の拡張期血圧について算出した。独立変数は3ヶ月間にわたって摂取したレーザ均質化L−アルギニン製剤の摂取であった。一変量分散分析によれば、拡張期血圧に有意な低下が示された。F(3,26)=4.014,p=.01。拡張期血圧の低下に有意な線形効果も観察された。F(1,28)=7.236,p=.012。対応のあるt検定を用いると、拡張期血圧における統計的に有意な低下が、ベースラインから2ヶ月間の処置(p=.043)、及びベースラインから3ヶ月間の処置(p=.019)に見られた。
【0278】
ベースライン時の平均拡張期血圧82が、1、2、及び3ヶ月時にそれぞれ81、78、及び76と徐々に低下した。90mmHg以上の拡張期高血圧を有する被験者は5人しかいなかったが、80%が拡張期血圧に低下を示し、処置前の範囲90〜128mmHgが3ヶ月間の処置後は60〜99mmHgに降下した。拡張期高血圧を有し、拡張期血圧の低下を示した被験者において、低下の範囲は9〜40mmHgで、平均低下は拡張期25.8mmHgであった。
【0279】
低い正常収縮期又は拡張期血圧を有する被験者で、血圧が低血圧のレベルに低下した人はいなかった。その他の降圧薬によく見られる深刻な可能性のある副作用であるが、レーザ均質化L−アルギニン製剤にはこの問題が全くないことが分かった。
【0280】
高用量のレーザ処理L−アルギニンで、一部の被験者は消化器の副作用、特に下痢を起こした。文献によれば、典型的には1日15gまでの非処理L−アルギニン摂取であれば軟便を起こさないことが示されている。一部の被験者は分割して摂取すれば13.5gのレーザ処理L−アルギニンに耐容可能であったが、わずか4.5gでも軟便を起こす被験者が時々おり、L−アルギニンの効力が一般的に増大していることを示唆している。いずれの場合も、摂取量を個人のGI症状の閾値レベル未満に削減すれば、症状の解消がもたらされた。
【0281】
さらに、男性被験者は、レーザ処理L−アルギニン製剤を摂取すると勃起機能が障害されたというよりはむしろ改善されたと報告した。インポテンスを起こしうる多くの高血圧薬とは対照的に、L−アルギニン補給は性的機能を増大できることが多く、さらには試験した相当割合の男性でインポテンスが改善した。これは、L−アルギニンによって誘導された一酸化窒素産生が生殖器組織の増加したサイクリックGMPを刺激する効果によるもので、特異的シグナルが勃起反応を起こす血管拡張をもたらす。
【0282】
レーザ均質化L−アルギニンの使用は、このように総及びLDLコレステロールを効果的に削減しながら、総対HDLコレステロール比を改善できる。また、収縮期及び拡張期の血圧を安全に効果的に低下させる。副作用は比較的少なく軽度で、通常用量削減によって容易に解消される。
【0283】
このように、本発明は、哺乳動物体内における栄養素、薬剤、及びその他の生物活性化合物のバイオアベイラビリティを、該化合物をレーザで処理して化合物の平均構造を変更することによって、改良することができる。バイオアベイラビリティの改良は、化合物の吸収を増大することによって、炎症又は化合物に対するその他の負の反応を低減することによって、又は体内の生物学的プロセスで使用される官能基の利用性を増大することによって達成できる。さらに、該処理は乾燥形又は溶液形の化合物に対して実施できるので、当業者にとって、広範囲の栄養素、薬剤及びその他の化合物を変更してヒト及びその他の哺乳動物におけるバイオアベイラビリティを増強させるのが比較的容易であろう。
【0284】
従ってここに、食物アミノ酸、薬剤、及びその他の生物活性物質を投与するための改良法を開示した。本開示で様々な物質を開示しているが、当業者であれば、本発明の範囲及び精神から離れることなく本発明の教示内で無数のその他の物質が変更できることは理解されるであろう。添付の特許請求の範囲はそのような変形をカバーすることを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0285】
【図1A】対照シムバスタチンサンプルSim1AのX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【図1B】結晶化度の増加を示すレーザ処理シムバスタチンサンプルSim1BのXRPDパターンを示す図である。
【図2A】アモルファス含有量を示す低強度反射を示すレーザ処理シムバスタチンサンプルSim2AのXRPDパターンを示す図である。
【図2B】さらに高いアモルファス含有量を示す非常に低強度反射を示すレーザ処理シムバスタチンサンプルSim2BのXRPDパターンを示す図である。
【図3A】対照の非処理L−アルギニン塩酸塩一水和物の結晶の正面及び側面の顕微鏡写真を示す図である。
【図3B】レーザ処理無水L−アルギニン塩酸塩の結晶の正面及び側面の顕微鏡写真を示す図である。
【図3C】レーザ処理又は修飾L−アルギニン塩酸塩のX線結晶学の結果を示す図である。
【図4A】ベースラインのアルファ脳波コヒーレンスの定量的EEG(QEEG)試験を示す図である。
【図4B】非処理アミノ酸摂取1時間後のアルファ脳波コヒーレンスのQEEG試験を示す図である。
【図4C】レーザ処理又は修飾アミノ酸摂取1時間後のアルファ脳波コヒーレンスのQEEG試験を示す図である。
【図5A】対照の塩酸ベタイン及びレーザ処理又は修飾塩酸ベタインの結晶の側面顕微鏡写真を示す図である。
【図5B】対照の塩酸ベタイン及びレーザ処理又は修飾塩酸ベタインの結晶の正面顕微鏡写真を示す図である。
【図5C】対照の塩酸ベタインの分子間水素結合のX線結晶学の結果を示す図である。
【図5D】レーザ処理又は修飾塩酸ベタインの分子間水素結合のX線結晶学の結果を示す図である。
【図5E】対照の塩酸ベタイン(点線)及びレーザ処理又は修飾塩酸ベタイン(実線)の分子構造のX線結晶学の結果を示す図で、上図に骨格モデル及び下図に玉と棒のモデルを示す。
【図6A】メチル基転移代謝経路のダイアグラムを示す図である。
【図6B】修飾ベタインで処置後のホモシステイン濃度の低下を示すグラフである。
【図6C】対照群を示すグラフである。
【図6D】ベースラインのホモシステイン濃度が中等度に高い(≧10)被験者サブグループにおけるホモシステインの低下を処置量の関数として示すグラフである。
【図6E】不安の減退を処置量の関数として示すグラフである。
【図6F】身体化の減退を処置量の関数として示すグラフである。
【図6G】強迫症状の減退を処置量の関数として示すグラフである。
【図6H】うつの減退を処置量の関数として示すグラフである。
【図6I】パラノイアの減退を処置量の関数として示すグラフである。
【図6J】敵意の減退を処置量の関数として示すグラフである。
【図6K】全般的重症度指標の低下を処置量の関数として示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
修飾トリメチルグリシン及び補因子を、前記トリメチルグリシン及び補因子をレーザ放射に当てることによって製造し;そして有効量の前記修飾トリメチルグリシン及び補因子を摂取することを含む、
不安の処置方法。
【請求項2】
前記方法が、1日に少なくとも2gの修飾トリメチルグリシン及び補因子を消費することを含む、請求項1に記載の不安の処置方法。
【請求項3】
前記方法が、1日に少なくとも4gの修飾トリメチルグリシン及び補因子を消費することを含む、請求項1に記載の不安の処置方法。
【請求項4】
前記方法が、1日に少なくとも6gの修飾トリメチルグリシン及び補因子を消費することを含む、請求項1に記載の不安の処置方法。
【請求項5】
前記方法が、前記修飾トリメチルグリシン及び補因子を、前記トリメチルグリシン及び補因子の一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調されたレーザ放射への暴露によって形成することを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項1に記載の不安の処置方法。
【請求項6】
修飾トリメチルグリシン及び補因子を、前記トリメチルグリシン及び補因子をレーザ放射に当てることによって製造し;そして
有効量の前記修飾トリメチルグリシン及び補因子を摂取することを含む、
うつの処置方法。
【請求項7】
前記方法が、1日に少なくとも2gの修飾トリメチルグリシン及び補因子を消費することを含む、請求項6に記載のうつの処置方法。
【請求項8】
前記方法が、1日に少なくとも4gの修飾トリメチルグリシン及び補因子を消費することを含む、請求項6に記載のうつの処置方法。
【請求項9】
前記方法が、1日に少なくとも6gの修飾トリメチルグリシン及び補因子を消費することを含む、請求項6に記載のうつの処置方法。
【請求項10】
前記方法が、前記修飾トリメチルグリシン及び補因子を、前記トリメチルグリシン及び補因子の一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調されたレーザ放射への暴露によって形成することを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項6に記載のうつの処置方法。
【請求項11】
修飾トリメチルグリシン及び補因子を、前記トリメチルグリシン及び補因子をレーザ放射に当てることによって製造し;そして
有効量の前記修飾トリメチルグリシン及び補因子を摂取することを含む、
強迫症状の処置方法。
【請求項12】
前記方法が、1日に少なくとも2gの修飾トリメチルグリシン及び補因子を消費することを含む、請求項11に記載の強迫症状の処置方法。
【請求項13】
前記方法が、1日に少なくとも4gの修飾トリメチルグリシン及び補因子を消費することを含む、請求項11に記載の強迫症状の処置方法。
【請求項14】
前記方法が、1日に少なくとも6gの修飾トリメチルグリシン及び補因子を消費することを含む、請求項11に記載の強迫症状の処置方法。
【請求項15】
前記方法が、前記修飾トリメチルグリシン及び補因子を、前記トリメチルグリシン及び補因子の一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調されたレーザ放射への暴露によって形成することを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築されている、請求項11に記載の強迫症状の処置方法。
【請求項16】
修飾トリメチルグリシン及び補因子を、前記トリメチルグリシン及び補因子をレーザ放射に当てることによって製造し;そして
有効量の前記修飾トリメチルグリシンを摂取することを含む、
パラノイアの処置方法。
【請求項17】
前記方法が、1日に少なくとも2gの修飾トリメチルグリシン及び補因子を消費することを含む、請求項16に記載のパラノイアの処置方法。
【請求項18】
前記方法が、1日に少なくとも4gの修飾トリメチルグリシン及び補因子を消費することを含む、請求項16に記載のパラノイアの処置方法。
【請求項19】
前記方法が、1日に少なくとも6gの修飾トリメチルグリシン及び補因子を消費することを含む、請求項16に記載のパラノイアの処置方法。
【請求項20】
前記方法が、前記修飾トリメチルグリシン及び補因子を、前記トリメチルグリシン及び補因子の一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調されたレーザ放射への暴露によって形成することを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項16に記載のパラノイアの処置方法。
【請求項21】
修飾トリメチルグリシン及び補因子を、前記トリメチルグリシン及び補因子をレーザ放射に当てることによって製造し;そして
有効量の前記修飾トリメチルグリシン及び補因子を摂取することを含む、
敵意の処置方法。
【請求項22】
前記方法が、1日に少なくとも2gの修飾トリメチルグリシン及び補因子を消費することを含む、請求項21に記載の敵意の処置方法。
【請求項23】
前記方法が、1日に少なくとも4gの修飾トリメチルグリシン及び補因子を消費することを含む、請求項21に記載の敵意の処置方法。
【請求項24】
前記方法が、1日に少なくとも6gの修飾トリメチルグリシン及び補因子を消費することを含む、請求項21に記載の敵意の処置方法。
【請求項25】
前記方法が、前記修飾トリメチルグリシン及び補因子を、前記トリメチルグリシン及び補因子の一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調されたレーザ放射への暴露によって形成することを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築されている、請求項21に記載の敵意の処置方法。
【請求項26】
修飾トリメチルグリシン及び補因子を、前記トリメチルグリシン及び補因子をレーザ放射に当てることによって製造し;そして
有効量の前記修飾トリメチルグリシン及び補因子を摂取することを含む、
身体的苦痛、うずき及び痛みの知覚の処置方法。
【請求項27】
前記方法が、1日に少なくとも2gの修飾トリメチルグリシン及び補因子を消費することを含む、請求項26に記載の身体的苦痛、うずき及び痛みの知覚の処置方法。
【請求項28】
前記方法が、1日に少なくとも4gの修飾トリメチルグリシン及び補因子を消費することを含む、請求項26に記載の身体的苦痛、うずき及び痛みの知覚の処置方法。
【請求項29】
前記方法が、1日に少なくとも6gの修飾トリメチルグリシン及び補因子を消費することを含む、請求項26に記載の身体的苦痛、うずき及び痛みの知覚の処置方法。
【請求項30】
前記方法が、前記修飾トリメチルグリシン及び補因子を、前記トリメチルグリシン及び補因子の一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調されたレーザ放射への暴露によって形成することを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項26に記載の身体的苦痛、うずき及び痛みの知覚の処置方法。
【請求項31】
修飾ベタイン及び補因子を、前記ベタイン及び補因子をレーザ放射に当てることによって製造し;そして
有効量の前記修飾ベタイン及び補因子を摂取することを含む、
自己免疫異常の処置方法。
【請求項32】
前記方法が、1日に少なくとも6gのレーザ処理ベタイン+補因子を誘導期の2〜3ヶ間、次いで臨床的又は生化学的応答に基づいて維持又は調整される1日に1〜2gの前記レーザ処理ベタイン+補因子の維持投与量を消費することを含む、請求項31に記載の自己免疫異常の処置方法。
【請求項33】
前記方法が、前記修飾ベタイン+補因子を、前記ベタイン+補因子の一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調されたレーザ放射への暴露によって形成することを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築されている、請求項31に記載の自己免疫異常の処置方法。
【請求項34】
炎症、自己免疫、及びアレルギー状態における全身及び組織アミノ酸の供給に有益であるようにアミノ酸を修飾して前記アミノ酸に対する免疫反応を削減するための方法であって、
修飾アミノ酸を、前記アミノ酸をレーザ放射に当てることによって製造し;そして
有効量の前記修飾アミノ酸を摂取することを含む、前記の方法。
【請求項35】
前記方法が、前記修飾アミノ酸を、前記アミノ酸の一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調されたレーザ放射への暴露によって形成することを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項34に記載のアミノ酸を修飾して前記アミノ酸に対する免疫反応を削減するための方法。
【請求項36】
アミノ酸を修飾して、前記アミノ酸に応答する炎症性サイトカイン産生の削減を通じて、炎症を削減するための方法であって、
修飾アミノ酸を、前記アミノ酸をレーザ放射に当てることによって製造し;そして
有効量の前記修飾アミノ酸を摂取することを含む、前記の方法。
【請求項37】
前記方法が、前記修飾アミノ酸を、前記アミノ酸の一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調されたレーザ放射への暴露によって形成することを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項36に記載のアミノ酸を修飾して前記アミノ酸に応答する炎症性サイトカイン産生の削減を通じて炎症を削減するための方法。
【請求項38】
単位格子エレメントの均質性の増大又は結晶格子の欠陥の削減、又はその両方を通じて結晶形成の質を改良するための方法であって、
結晶化させる分子種を選択し;そして前記分子種を結晶化の工程中にレーザ放射に当てることを含む、前記の方法。
【請求項39】
前記方法が、選択された分子種を結晶化の工程中に、前記分子種の一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調されたレーザ放射に当てることを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項38に記載の単位格子エレメントの均質性の増大又は結晶欠陥の削減、又はその両方を通じて結晶形成の質を改良するための方法。
【請求項40】
単位格子エレメントの均質化及び/又は結晶格子中の捕捉水の遊離を通じて、既に固化されている結晶の質を改良するための方法であって、
均質化及び/又は乾燥される結晶形を選択し;そして
前記結晶形をレーザ放射に当てることを含む、前記の方法。
【請求項41】
前記方法が、前記選択された結晶形を、前記選択された結晶形の分子種の一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調されたレーザ放射に当てることを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項40に記載の単位格子エレメントの均質化及び/又は乾燥を通じて既に固化されている結晶の質を改良するための方法。
【請求項42】
シムバスタチンを溶媒に溶解し、そして前記シムバスタチンを結晶化の工程中にレーザ放射に当てることを含む、
高結晶性及び均質性のシムバスタチンの生成方法。
【請求項43】
前記方法が、前記シムバスタチンを溶媒に溶解し、そして前記シムバスタチンを、前記シムバスタチンの一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調されたレーザ放射に当てることを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項42に記載の高結晶性及び均質性のシムバスタチンの生成方法。
【請求項44】
シムバスタチンを溶媒に溶解し、そして前記シムバスタチンを結晶化の工程中にレーザ放射に当てることを含む、
アモルファスシムバスタチンの生成方法。
【請求項45】
前記方法が、前記シムバスタチンをエタノール又は別の溶媒に溶解し、そして前記シムバスタチンを、前記シムバスタチンの一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調されたレーザ放射に当てることを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項44に記載のアモルファスシムバスタチンの生成方法。
【請求項46】
修飾される酵素、基質、又はリガンドを選択し;そして前記酵素、基質、又はリガンドをレーザ放射に当ててその構造を修飾することを含む、
酵素、基質、又はリガンドの活性を修飾するための方法。
【請求項47】
前記方法が、修飾される酵素、基質、又はリガンドを選択し;そして前記酵素、基質又はリガンドを、前記酵素、基質又はリガンドの一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調されたレーザ放射に当ててその構造を修飾することを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項46に記載の酵素、基質、又はリガンドの活性を修飾するための方法。
【請求項48】
レーザの電磁信号及びエネルギーの組織への透過深度を増大して光力学療法の処置効果の深度及び範囲を増強するための方法であって、
該方法は、光力学療法に応答しうる組織中の状態を確認し;そして前記状態の処置に使用するのに適切な光力学化合物、光活性化レーザ波長、及びレーザ放射量を決定し;そして前記光力学化合物を投与して、処置される前記組織に前記化合物が蓄積するのに足る時間を置き;そして充分な線量の疎な強め合いノードのレーザ放射を外的ビームによって処置される組織に内視鏡的に、動脈内に、又は必要に応じて他の経路で適用することを含み、前記レーザ放射は前記光力学化合物の一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調され、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、前記の方法。
【請求項49】
芳香族アミノ酸及びL−ドーパ、並びに任意のその他のドパミン作動性、カテコールアミン作動性、又はセロトニン作動性前駆体、化合物、又は薬剤の骨格ねじれの歪みを均質化、平坦化、及び削減して修飾分子構造のバイオアベイラビリティを増強するための方法であって、
修飾されるドパミン作動性、カテコールアミン作動性、又はセロトニン作動性前駆体、化合物、又は薬剤を選択し;そして前記ドパミン作動性、カテコールアミン作動性、又はセロトニン作動性前駆体、化合物、又は薬剤をレーザ放射で処理することを含む、前記の方法。
【請求項50】
前記方法が、修飾されるドパミン作動性、カテコールアミン作動性、又はセロトニン作動性前駆体、化合物又は薬剤を選択し;そして前記ドパミン作動性、カテコールアミン作動性、又はセロトニン作動性前駆体、化合物、又は薬剤を、前記前駆体、化合物又は薬剤の一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調されたレーザ放射で処理することを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項49に記載の芳香族アミノ酸及び任意のその他のドパミン作動性、カテコールアミン作動性、又はセロトニン作動性前駆体、化合物、又は薬剤の骨格ねじれの歪みを均質化、平坦化、及び削減して修飾分子構造のバイオアベイラビリティを増強するための方法。
【請求項51】
栄養素、薬剤、又はその他の生物活性物質の骨格ねじれの歪みを均質化、平坦化、及び削減して修飾物質のバイオアベイラビリティを増強するための方法であって、
修飾される栄養素、薬剤、又はその他の生物活性物質を選択し;そして前記栄養素、薬剤、又はその他の生物活性物質をレーザ放射で処理することを含む、前記の方法。
【請求項52】
前記方法が、修飾される栄養素、薬剤、又はその他の生物活性物質を選択し;そして前記栄養素、薬剤、又はその他の生物活性物質を、前記栄養素、薬剤、又はその他の生物活性物質の一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調されたレーザ放射で処理することを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項51に記載の栄養素、薬剤、又はその他の生物活性物質の骨格ねじれの歪みを均質化、平坦化、及び削減して修飾物質のバイオアベイラビリティを増強するための方法。
【請求項53】
核酸塩基、ヌクレオシドもしくはデオキシヌクレオシド、又はヌクレオチドもしくはデオキシヌクレオチド一リン酸、二リン酸、又は三リン酸のバイオアベイラビリティを増大するための方法であって、
核酸塩基、ヌクレオシドもしくはデオキシヌクレオシド、又はヌクレオチドもしくはデオキシヌクレオチド一リン酸、二リン酸、又は三リン酸を選択し;そして前記選択された物質をレーザ放射に当ててその構造を修飾することを含む、前記の方法。
【請求項54】
前記方法が、修飾される核酸塩基、ヌクレオシドもしくはデオキシヌクレオシド、又はヌクレオチドもしくはデオキシヌクレオチド一リン酸、二リン酸、又は三リン酸を選択し;そして前記核酸塩基、ヌクレオシドもしくはデオキシヌクレオシド、又はヌクレオチドもしくはデオキシヌクレオチド一リン酸、二リン酸、又は三リン酸を、前記核酸塩基、ヌクレオシドもしくはデオキシヌクレオシド、又はヌクレオチドもしくはデオキシヌクレオチド一リン酸、二リン酸、又は三リン酸の一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調されたレーザ放射に当てることを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項53に記載の核酸塩基、ヌクレオシドもしくはデオキシヌクレオシド、又はヌクレオチドもしくはデオキシヌクレオチド一リン酸、二リン酸、又は三リン酸のバイオアベイラビリティを増大するための方法。
【請求項55】
ヌクレオチド又はデオキシヌクレオチドの高エネルギーリン酸塩の生物活性の増大方法であって、
修飾されるヌクレオチド又はデオキシヌクレオチドを選択し;前記ヌクレオチド又はデオキシヌクレオチドをレーザ放射に当てることを含む、前記の方法。
【請求項56】
前記方法が、修飾されるヌクレオチド又はデオキシヌクレオチドを選択し;前記ヌクレオチド又はデオキシヌクレオチドを、前記ヌクレオチド又はデオキシヌクレオチドの高エネルギーリン酸塩の一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調されたレーザ放射に当てることを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項55に記載のヌクレオチド又はデオキシヌクレオチドの高エネルギーリン酸塩の生物活性の増大方法。
【請求項57】
レーザ処理で修飾されているいないにかかわらず、核酸塩基、ヌクレオシドもしくはデオキシヌクレオシド、又はヌクレオチドもしくはデオキシヌクレオチド一リン酸、二リン酸、又は三リン酸のバイオアベイラビリティを増大する、請求項128の方法であって、
前記核酸塩基、ヌクレオシド、又はヌクレオチド一リン酸、二リン酸、又は三リン酸の、血漿中濃度の少なくとも10倍の濃度の溶液を作製し;そして前記溶液を、腸粘膜で起きるような核酸エレメントの拡大的分解を克服するために、直接経粘膜的吸収のため口腔又はその他の非腸粘膜に少なくとも30秒間適用することを含む、前記の方法。
【請求項58】
生物活性物質の選択された立体異性体又はエピマーの製造又は精製を増強又は変更するための方法であって、
増強又は変更する立体異性体を選択し;そして前記立体異性体又はエピマーを、前記立体異性体又はエピマーの一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調された回転偏光レーザ光に当てることを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、前記の方法。
【請求項59】
プリオン又はその他の病原性タンパク質を別の形に作り変えてそれらの病原性を低下させる方法であって、
形を作り変えるプリオン又はその他の病原性タンパク質を選択し;そして前記プリオン又はその他の病原性タンパク質をレーザ放射に当てることを含む、前記の方法。
【請求項60】
前記方法が、形を作り変えるプリオン又はその他の病原性タンパク質を選択し;そして前記プリオン又はその他の病原性タンパク質を、前記プリオン又はその他の病原性タンパク質の一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調されたレーザ放射に当てることを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項59に記載のプリオン又はその他の病原性タンパク質を別の形に作り変えてそれらの病原性を低下させる方法。
【請求項61】
前記方法が、形を作り変えるプリオン又はその他の病原性タンパク質を選択し;そして前記プリオン又はその他の病原性タンパク質及びそれらの非病原性対応物のピーク吸収周波数を、CO2核生成によるソノルミネセンス吸収スペクトル分析又はその他の分光法又は数学モデル化を用いて決定し;そして前記プリオン又はその他の病原性タンパク質を、正常タンパク質、病原性タンパク質、又は正常及び病原性対応タンパク質間の差分吸収パターンの一つ以上のピーク吸収周波数で振幅変調されたレーザ放射に当てて、前記プリオン又はその他の病原性タンパク質を別の形に作り変えてそれらの病原性を低下させることを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項60に記載のプリオン又はその他の病原性タンパク質を別の形に作り変えてそれらの病原性を低下させる方法。
【請求項62】
病原性物質又は感染性病原体の成分を別の形に作り変えてそれらの病原性を低下させる方法であって、
形を作り変える病原性物質又は感染性病原体の一つ以上の成分を選択し;そして前記病原性物質又は前記感染性病原体の一つ以上の成分をレーザ放射に当てることを含む、前記の方法。
【請求項63】
前記方法が、形を作り変える病原性物質又は感染性病原体の一つ以上の成分を選択し;そして前記病原性物質又は前記感染性病原体の一つ以上の成分を、前記病原性物質又は前記感染性病原体の一つ以上の成分の一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調されたレーザ放射に当てることを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項62に記載の病原性物質又は感染性病原体の成分を別の形に作り変えてそれらの病原性を低下させる方法。
【請求項64】
前記方法が、形を作り変える病原性物質又は感染性病原体の一つ以上の成分を選択し;そして前記病原性物質又は前記感染性病原体の一つ以上の成分のピーク吸収周波数を、CO2核生成によるソノルミネセンス吸収スペクトル分析又はその他の分光法又は数学モデル化を用いて決定し;そして前記病原性物質又は前記感染性病原体の一つ以上の成分を、前記病原性物質又は前記感染性病原体の一つ以上の成分一つ以上のピーク吸収周波数で振幅変調されたレーザ放射に当てることを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項63に記載の病原性物質又は感染性病原体の成分を別の形に作り変えてそれらの病原性を低下させる方法。
【請求項65】
選択された分子の特定領域を選択的に活性化して、化学反応における所望生成物の生産を増加させる、生成物を得るための新規な反応順序を生み出す、又は特別の分子形状、性質、及び活性を有する新規生成物の生産を生み出す方法であって、
修飾される一つ以上の分子種を選択し;そして前記分子種をレーザ放射に当てることを含む、前記の方法。
【請求項66】
前記方法が、修飾される一つ以上の分子種を選択し;そして前記分子種を、前記分子種の一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調されたレーザ放射に当てることを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項65に記載の選択された分子の特定領域を選択的に活性化して、化学反応における所望生成物の生産を増加させる、生成物を得るための新規な反応順序を生み出す、又は特別の分子形状、性質、及び活性を有する新規生成物の生産を生み出す方法。
【請求項67】
前記方法が、修飾される一つ以上の分子種を選択し;そして修飾される前記選択された分子種の特定領域のピーク吸収周波数をCO2核生成によるソノルミネセンス吸収スペクトル分析、その他の分光法を用いて、又は数学モデル化を通じて決定し;そし前記分子種を、前記分子種の一つ以上のピーク吸収周波数で振幅変調されたレーザ放射に当てることを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項66に記載の選択された分子の特定領域を選択的に活性化して、化学反応における所望生成物の生産を増加させる、生成物を得るための新規な反応順序を生み出す、又は特別の分子形状、性質、及び活性を有する新規生成物の生産を生み出す方法。
【請求項68】
分子種又は分子種の特定領域を選択的に活性化して、定性的又は定量的検出又は分析のためのシグナルを生み出す方法であって、
特定の分子種又は分子種の領域を選択して共鳴によって活性化し;そして前記分子種を、前記分子種の一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調されたレーザ放射に当てることを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、前記の方法。
【請求項69】
前記方法が、特定の分子種又は分子種の領域を選択して共鳴によって活性化し;そして前記特定の分子種又は分子種の領域のピーク吸収周波数をCO2核生成によるソノルミネセンス吸収スペクトル分析、その他の分光法を用いて、又は数学モデル化を通じて決定し;そし前記分子種を、前記分子種の一つ以上のピーク吸収周波数で振幅変調されたレーザ放射に当てることを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項68に記載の分子種又は分子種の特定領域を選択的に活性化して、定性的又は定量的検出又は分析のためのシグナルを生み出す方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炎症、自己免疫、及びアレルギー状態における全身及び組織アミノ酸の供給に有益であるようにアミノ酸を修飾して前記アミノ酸に対する免疫反応を削減するための方法であって、
修飾アミノ酸を、前記アミノ酸をレーザ放射に当てることによって製造し;そして
有効量の前記修飾アミノ酸を摂取することを含む、前記の方法。
【請求項2】
前記方法が、前記修飾アミノ酸を、前記アミノ酸の一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調されたレーザ放射への暴露によって形成することを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項1に記載のアミノ酸を修飾して前記アミノ酸に対する免疫反応を削減するための方法。
【請求項3】
アミノ酸を修飾して、前記アミノ酸に応答する炎症性サイトカイン産生の削減を通じて、炎症を削減するための方法であって、
修飾アミノ酸を、前記アミノ酸をレーザ放射に当てることによって製造し;そして
有効量の前記修飾アミノ酸を摂取することを含む、前記の方法。
【請求項4】
前記方法が、前記修飾アミノ酸を、前記アミノ酸の一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調されたレーザ放射への暴露によって形成することを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項3に記載のアミノ酸を修飾して前記アミノ酸に応答する炎症性サイトカイン産生の削減を通じて炎症を削減するための方法。
【請求項5】
単位格子エレメントの均質性の増大又は結晶格子の欠陥の削減、又はその両方を通じて結晶形成の質を改良するための方法であって、
結晶化させる分子種を選択し;そして前記分子種を結晶化の工程中にレーザ放射に当てることを含む、前記の方法。
【請求項6】
前記方法が、選択された分子種を結晶化の工程中に、前記分子種の一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調されたレーザ放射に当てることを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項5に記載の単位格子エレメントの均質性の増大又は結晶欠陥の削減、又はその両方を通じて結晶形成の質を改良するための方法。
【請求項7】
単位格子エレメントの均質化及び/又は結晶格子中の捕捉水の遊離を通じて、既に固化されている結晶の質を改良するための方法であって、
均質化及び/又は乾燥される結晶形を選択し;そして
前記結晶形をレーザ放射に当てることを含む、前記の方法。
【請求項8】
前記方法が、前記選択された結晶形を、前記選択された結晶形の分子種の一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調されたレーザ放射に当てることを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項7に記載の単位格子エレメントの均質化及び/又は乾燥を通じて既に固化されている結晶の質を改良するための方法。
【請求項9】
シムバスタチンを溶媒に溶解し、そして前記シムバスタチンを結晶化の工程中にレーザ放射に当てることを含む、
高結晶性及び均質性のシムバスタチンの生成方法。
【請求項10】
前記方法が、前記シムバスタチンを溶媒に溶解し、そして前記シムバスタチンを、前記シムバスタチンの一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調されたレーザ放射に当てることを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項9に記載の高結晶性及び均質性のシムバスタチンの生成方法。
【請求項11】
シムバスタチンを溶媒に溶解し、そして前記シムバスタチンを結晶化の工程中にレーザ放射に当てることを含む、
アモルファスシムバスタチンの生成方法。
【請求項12】
前記方法が、前記シムバスタチンをエタノール又は別の溶媒に溶解し、そして前記シムバスタチンを、前記シムバスタチンの一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調されたレーザ放射に当てることを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項11に記載のアモルファスシムバスタチンの生成方法。
【請求項13】
修飾される酵素、基質、又はリガンドを選択し;そして前記酵素、基質、又はリガンドをレーザ放射に当ててその構造を修飾することを含む、
酵素、基質、又はリガンドの活性を修飾するための方法。
【請求項14】
前記方法が、修飾される酵素、基質、又はリガンドを選択し;そして前記酵素、基質又はリガンドを、前記酵素、基質又はリガンドの一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調されたレーザ放射に当ててその構造を修飾することを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項13に記載の酵素、基質、又はリガンドの活性を修飾するための方法。
【請求項15】
レーザ電磁信号及びエネルギーの組織への透過深度を増大して光力学療法の治療効果の深度及び範囲を増強するための方法であって、
光力学療法に応答しうる組織中の状態を確認し;そして前記状態の治療に使用するのに適切な光力学化合物、光活性化レーザ波長、及びレーザ放射線量を決定し;そして前記光力学化合物を投与して、治療される前記組織に前記化合物が蓄積するのに足る時間を置き;そして十分な線量のレーザ放射の疎な強め合いノードを外的ビームによって治療される組織に内視鏡的に、動脈内に、又は必要に応じて他の経路で適用することを含み、前記レーザ放射は前記光力学化合物の一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調され、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、前記の方法。
【請求項16】
栄養素、薬剤、又はその他の生物活性物質の骨格ねじれの歪みを均質化、平坦化、及び削減して修飾物質のバイオアベイラビリティを増強するための方法であって、
修飾される栄養素、薬剤、又はその他の生物活性物質を選択し;そして前記栄養素、薬剤、又はその他の生物活性物質をレーザ放射で処理することを含む、前記の方法。
【請求項17】
前記方法が、修飾される栄養素、薬剤、又はその他の生物活性物質を選択し;そして前記栄養素、薬剤、又はその他の生物活性物質を、前記栄養素、薬剤、又はその他の生物活性物質の一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調されたレーザ放射で処理することを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項16に記載の栄養素、薬剤、又はその他の生物活性物質の骨格ねじれの歪みを均質化、平坦化、及び削減して修飾物質のバイオアベイラビリティを増強するための方法。
【請求項18】
生物活性物質の選択された立体異性体又はエピマーの製造又は精製を増強又は変更するための方法であって、
増強又は変更する立体異性体を選択し;そして前記立体異性体又はエピマーを、前記立体異性体又はエピマーの一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調された回転偏光レーザ光に当てることを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、前記の方法。
【請求項19】
プリオン又はその他の病原性タンパク質を別の形に作り変えてそれらの病原性を低下させる方法であって、
形を作り変えるプリオン又はその他の病原性タンパク質を選択し;そして前記プリオン又はその他の病原性タンパク質をレーザ放射に当てることを含む、前記の方法。
【請求項20】
前記方法が、形を作り変えるプリオン又はその他の病原性タンパク質を選択し;そして前記プリオン又はその他の病原性タンパク質を、前記プリオン又はその他の病原性タンパク質の一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調されたレーザ放射に当てることを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項19に記載のプリオン又はその他の病原性タンパク質を別の形に作り変えてそれらの病原性を低下させる方法。
【請求項21】
前記方法が、形を作り変えるプリオン又はその他の病原性タンパク質を選択し;そして前記プリオン又はその他の病原性タンパク質及びそれらの非病原性対応物のピーク吸収周波数を、CO2核生成によるソノルミネセンス吸収スペクトル分析又はその他の分光法又は数学モデル化を用いて決定し;そして前記プリオン又はその他の病原性タンパク質を、正常タンパク質、病原性タンパク質、又は正常及び病原性対応タンパク質間の差分吸収パターンの一つ以上のピーク吸収周波数で振幅変調されたレーザ放射に当てて、前記プリオン又はその他の病原性タンパク質を別の形に作り変えてそれらの病原性を低下させることを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項20に記載のプリオン又はその他の病原性タンパク質を別の形に作り変えてそれらの病原性を低下させる方法。
【請求項22】
病原性物質又は感染性病原体の成分を別の形に作り変えてそれらの病原性を低下させる方法であって、
形を作り変える病原性物質又は感染性病原体の一つ以上の成分を選択し;そして前記病原性物質又は前記感染性病原体の一つ以上の成分をレーザ放射に当てることを含む、前記の方法。
【請求項23】
前記方法が、形を作り変える病原性物質又は感染性病原体の一つ以上の成分を選択し;そして前記病原性物質又は前記感染性病原体の一つ以上の成分を、前記病原性物質又は前記感染性病原体の一つ以上の成分の一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調されたレーザ放射に当てることを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項22に記載の病原性物質又は感染性病原体の成分を別の形に作り変えてそれらの病原性を低下させる方法。
【請求項24】
前記方法が、形を作り変える病原性物質又は感染性病原体の一つ以上の成分を選択し;そして前記病原性物質又は前記感染性病原体の一つ以上の成分のピーク吸収周波数を、CO2核生成によるソノルミネセンス吸収スペクトル分析又はその他の分光法又は数学モデル化を用いて決定し;そして前記病原性物質又は前記感染性病原体の一つ以上の成分を、前記病原性物質又は前記感染性病原体の一つ以上の成分の一つ以上のピーク吸収周波数で振幅変調されたレーザ放射に当てることを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項23に記載の病原性物質又は感染性病原体の成分を別の形に作り変えてそれらの病原性を低下させる方法。
【請求項25】
選択された分子の特定領域を選択的に活性化して、化学反応における所望生成物の生産を増加させる、生成物を得るための新規な反応順序を生み出す、又は特別の分子形状、性質、及び活性を有する新規生成物の生産を生み出す方法であって、
修飾される一つ以上の分子種を選択し;そして前記分子種をレーザ放射に当てることを含む、前記の方法。
【請求項26】
前記方法が、修飾される一つ以上の分子種を選択し;そして前記分子種を、前記分子種の一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調されたレーザ放射に当てることを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項25に記載の選択された分子の特定領域を選択的に活性化して、化学反応における所望生成物の生産を増加させる、生成物を得るための新規な反応順序を生み出す、又は特別の分子形状、性質、及び活性を有する新規生成物の生産を生み出す方法。
【請求項27】
前記方法が、修飾される一つ以上の分子種を選択し;そして修飾される前記選択された分子種の特定領域のピーク吸収周波数をCO2核生成によるソノルミネセンス吸収スペクトル分析、その他の分光法を用いて、又は数学モデル化を通じて決定し;そし前記分子種を、前記分子種の一つ以上のピーク吸収周波数で振幅変調されたレーザ放射に当てることを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項26に記載の選択された分子の特定領域を選択的に活性化して、化学反応における所望生成物の生産を増加させる、生成物を得るための新規な反応順序を生み出す、又は特別の分子形状、性質、及び活性を有する新規生成物の生産を生み出す方法。
【請求項28】
分子種又は分子種の特定領域を選択的に活性化して、定性的又は定量的検出又は分析のためのシグナルを生み出す方法であって、
特定の分子種又は分子種の領域を選択して共鳴によって活性化し;そして前記分子種を、前記分子種の一つ以上の音響振動周波数の共鳴周波数で振幅変調されたレーザ放射に当てることを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、前記の方法。
【請求項29】
前記方法が、特定の分子種又は分子種の領域を選択して共鳴によって活性化し;そして前記特定の分子種又は分子種の領域のピーク吸収周波数をCO2核生成によるソノルミネセンス吸収スペクトル分析、その他の分光法を用いて、又は数学モデル化を通じて決定し;そし前記分子種を、前記分子種の一つ以上のピーク吸収周波数で振幅変調されたレーザ放射に当てることを含み、前記レーザ放射は偏光及び波動パターンに構築される、請求項28に記載の分子種又は分子種の特定領域を選択的に活性化して、定性的又は定量的検出又は分析のためのシグナルを生み出す方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【図6H】
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【図6I】
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【図6J】
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【図6K】
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【公表番号】特表2006−526575(P2006−526575A)
【公表日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503435(P2006−503435)
【出願日】平成16年2月9日(2004.2.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/003752
【国際公開番号】WO2004/071435
【国際公開日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(505302041)
【Fターム(参考)】