説明

分散ポリマーを含有する化粧品組成物

【課題】髪の毛、肌及び爪を処理するため化粧品用組成物の提供。
【解決手段】約10,000〜約50,000,000g/molの平均分子量を有する陽イオン性、陰イオン性又は非イオン性の高分子の水性塩溶液で安定に分散した分散ポリマーを、高分子固体で、約0.001〜約25重量%含有する化粧品用組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の属する技術分野
本発明は、個人で使用する製剤および塗り薬に用いられる最新の組成物に関するものである。特に、本発明は、陽イオン性、陰イオン性または非イオン性の分散ポリマーを含有する化粧品組成物、および、その化粧品組成物の製造方法、さらには、髪、肌および爪のようなケラチン性基質を処理するための組成物の使用方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発明の背景技術
人間の髪、皮膚および爪の表面の特性は、化粧品学の根本的な興味の対象であり、これらのケラチン性基質の時事的および大部分の状態に対して、好適な影響を及ぼす化粧品組成物を開発することは、長年の願望である。そのような組成物は、適切な粘着性を有しているべきであり、それにより、即座に吸収されるばかりでなく、水に曝されても保持される。上記ケラチン性基質に吸収される特性および耐水洗性は直接性として関心がある。
【0003】
髪の毛を処理する組成物は、濡れた状態および乾いた状態での髪の毛の梳かし易さを向上させ、濡れた髪の状態で髪を梳く際における絡まりやもつれをなくし、乾いた髪に起こる静電気を少なくし、一方、髪に柔らかさと柔軟性を与えるべきである。シャンプーに使用される材料は、シャンプーに改善された泡立ち性を与え、一方、髪の固定剤に用いる組成物は、塗れた髪の梳かし易さに悪影響を与えることなく、良い状態でカールを維持することができるような特性を与えるべきである。
【0004】
肌を処理する組成物に関しては、肌の水分の保持力、肌の軟化、大気中の水分の吸引力、肌の水分が失われることの防止、手触り、石鹸のような洗浄剤により引き起こされる肌の炎症の防止等の性質を向上させるために機能することが求められる。爪を処理する組成物は、剥がれやすく脆い爪を強く丈夫にすることや、爪の全体的な外観を向上させるといったことが求められる。
【0005】
このようなことから、本発明は、髪の毛、肌および爪を処理するための、上記の好ましい特性を有する新規な化粧品組成物を開発することを目的とするものである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
第一の観点において、本発明は、髪の毛、肌および爪を処理するためのものであり、約10,000〜約50,000,000g/molの平均分子量を有する陽イオン性、陰イオン性または非イオン性の高分子の水性塩溶液に安定な分散物を、高分子固体で、約0.001〜約25重量%含有することを特徴とする化粧品用組成物に関するものである。
【0007】
他の観点において、本発明は、約10,000〜約50,000,000g/molの平均分子量を有する陽イオン性、陰イオン性または非イオン性の高分子の水性塩溶液に安定な分散物を、高分子固体で、約0.001〜約25重量%含有する化粧品用組成物を髪の毛、肌または爪に塗布することを含む髪の毛、肌または爪を処理する方法に関するものである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
発明の詳細な説明
用語の定義
本明細書で用いられる以下の略語および用語は、以下の意味を表すものとする。
【0009】
“AA”アクリル酸
“AcAm”または“Am”アクリルアミド
“AMP”アミノメチルプロパン
“DADMAC”ジアリルジメチルアンモニウムクロライド
“DEA”ジエタノールアミド
“DMAEA”ジメチルアミノエチルアクリレート
“DMAEM”ジメチルアミノエチルメタクリレトート
“DMAEA・BCQ”または“BCQ”ジメチルアミノエチルアクリレート、ベンジルクロライド第4級塩
“DMAEA・MCQ”または“MCQ”ジメチルアミノエチルアクリレート、メチルクロライド第4級塩
“MAPTAC”は、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド
“MEA”モノエタノールアミド
“NF”国民医薬品集
“PABA”p−アミノ安息香酸
“PCA”過カルボン酸(percarboxlic acid)
“PVM/MA”ポリメチルビニルエーテル/無水マレイン酸
“PVP”ポリビニルピロリドン
“USP”薬局方(United States Pharmacopia)
“VA”ビニルアセテート
“アルキル”は、一つの水素原子を取り除いた直鎖または側鎖状の飽和炭化水素由来の一価グループを意味する。代表的なアルキルグループとしては、メチル、エチル、n−およびイソ−プロピル等を挙げることができる。
【0010】
“アルキレン”は、2つの水素原子を取り除いた直鎖または側鎖状の飽和炭化水素由来の2価グループを意味する。代表的なアルキレングループとしては、メチレン、エチレン、プロピレン等を挙げることができる。
【0011】
“アルコキシ”および“アルコキシル”は、アルキル−o−グループを意味し、アルキルは上述したものと同様である。好ましいアルコキシは、C−Cアルキル−o−グループである。代表的なアルコキシグループとしては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等を挙げることができる。
【0012】
“陰イオン性モノマー”は、マイナスイオン(net negative charge)を有する本明細書で定義したモノマーを意味する。代表的な陰イオン性モノマーとしては、アクリル酸およびその塩、例えば、特に限定はされないが、ナトリウムアクリレート、およびアンモニウムアクリレートを挙げることができる。さらに、メタクリル酸およびその塩、例えば、特に限定はされないが、ナトリウムメタクリレート、アンモニウムメタクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、AMPSのナトリウム塩、ナトリウムビニルスルホネート、スチレンスルホネートを挙げることができる。さらに、マレイン酸、およびその塩、例えば、特に限定はされないが、ナトリウム塩およびアンモニウム塩を挙げることができる。スルホネートイタコン酸、スルホプロピルアクリレートまたはメタクリレートまたはこれらの水溶物または他の重合化されたカルボン酸またはスルホン酸等を挙げることができる。スルホメチル化されたアクリルアミド、アリルスルホネート、ナトリウムビニルスルホネート、イタコン酸、アクリルアミドメチルブタン酸、フマル酸、ビニルフォスフォン酸、ビニルスルホン酸、アリルホスホン酸、スルホメチル化されたアクリアミド(sulfomethyalted acryamide)、ホスホノメチル化されたアクリルアミド(phosphonomethylated acrylamide)等を挙げることができる。
【0013】
“アリル”は、約6〜約10の炭素原子の芳香族一環状物または多環状物を意味する。アリルは、一以上のC−C20アルキル、アルコキシまたはハロアルキルグループで選択的に置換される。代表的なアリルグループは、フェニルもしくはナフチル、または置換フェニルもしくは置換ナフチルを挙げることができる。
【0014】
“アリルアルキル”は、アリル−アルキレン−グループを意味し、アリルおよびアルキレンは上述したものと同様である。代表的なアリルアルキルグループは、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、1−ナフチルメチル等を挙げることができる。中でもベンジルであることが好ましい。
【0015】
“陽イオン性モノマーは、プラスイオン(net positive charge)を有する本明細書で定義したモノマーを意味する。代表的な陽イオン性モノマーとしては、ジアルキルアミノアルキルアクリレートおよびメタクリレート、さらに、それらの第4級または酸塩を挙げることができる。例えば、特に限定はされないが、ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロライド第4級塩、ジメチルアミノエチルアクリレートメチルスルフェート第4級塩、ジメチルアミノエチルアクリレートベンジルクロライド第4級塩、ジメチルアミノエチルアクリレート硫酸塩、ジメチルアミノエチルアクリレート塩化水素酸塩、ジエチルアミノエチルアクリレート、メチルクロライド第4級塩、ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルクロライド第4級塩、ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルスルフェート第4級塩、ジメチルアミノエチルメタクリレートベンジルクロライド第4級塩、ジメチルアミノエチルメタクリレート硫酸塩、ジメチルアミノエチルメタクリレート塩化水素酸塩、ジメチルアミノエチルメタクリロイル塩化水素酸塩、ジアルキルアミノアルキルアクリルアミドまたはメタクリルアミドおよびそれらの第4級または酸塩、例えば、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドメチルスルフェート第4級塩、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド硫酸塩、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化水素酸塩、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドメチルスルフェート第4級塩、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド硫酸塩、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド塩化水素酸塩、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレートおよびジアリルジエチルアンモニウムクロライドおよびジアリルジメチルアンモニウムクロライドのようなジアリルジアルキルアンモニウムハロゲン化物等を挙げることができる。
【0016】
“シクロアルキル”は、炭素原子が約5〜約10の、非芳香族の単環性または多環性環状物を意味する。好ましい環状の環の環サイズは、5から6環原子を有するものである。シクロアルキルは、アルキル、アルコキシおよびハロアルキルから選択される一以上の置換基で選択的に置換されたものである。代表的な単環性シクロアルキルは、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプシル等を挙げることができる。代表的な多環性シクロアルキルは、1−デカリン、ノルボニル、エナメル質(adamant)−(1−または2−)イル等を挙げることができる。
【0017】
“分散ポリマー”高分子は、一以上の無機物塩を含有する水性連続相に分散した水溶性ポリマーを意味する。代表的な、水性連続相における水溶性ポリマーの分散重合の例としては、米国特許第5,605,970号、第5,837,776号、第5,985,992号、第4,929,655号、第5,006,590号、第5,597,859号および第5,597,858号、さらに、欧州特許第183,466号、第657,478号および第630,909号に記載されているものを挙げることができる。
【0018】
分散ポリマーは、水、一以上の無機物塩、一以上の水溶性モノマー、ケラント(chelants)、pH緩衝液または連鎖移動剤のような重合添加物、および水溶性安定剤ポリマーを混合させることにより生成することができる。加えて、更なる処理、構造修正、および/または安定剤を、上記混合物に加えてもよい。この混合物の全体または一部をミキサー、熱電対、窒素パージ管、および水コンデンサを備えた反応装置にチャージする。その溶液を積極的に攪拌し、所望の温度に加熱し、さらに、水溶性開始剤を加える。2、3時間温度を一定に、攪拌しながら、その溶液を窒素でパージする。反応中は、水溶性ポリマーを含有する非連続相が形成される。初期の物質の結合物を含有する反応混合物の一部を、重合工程中、セミバッチファッション(semi-batch fashion)の中に加え、工程の改良またはポリマー組成物または分子量に影響を与えてもよい。この後、生成物を室温まで冷やし、後重合添加物を反応物にチャージする。水溶性ポリマーの水連続分散は、低いシアーで(at low shear)で計測したところ、約50〜約10,000センチポイズ(cP)の製品粘性を有する、流れるように動く液体である。
【0019】
分散ポリマーを生成するために好ましい無機塩は、無機物または有機物のスルフェート類、リン酸塩類、塩化物類、弗化物類、クエン酸塩類、アセテート類、酒石酸塩類、ハイドロゲンホスフェート類またはこれらの混合物等を挙げることができる。好ましい塩は、アンモニウムスルフェート、ナトリウムスルフェート、マグネシウムスルフェート、アルミニウムスルフェート、アンモニウム水素ホスフェート、ナトリウム水素ホスフェート、カリウム水素ホスフェート、塩化ナトリウムおよび塩化アンモニウムである。上記塩は、生産混合物中で、全濃度が15重量%以上となるように水性溶液中で使用する。
【0020】
陰イオン性分散ポリマーを生成するために、付加的に、陽イオン性塩を、単独でまたは上記無機塩と組み合わせて使用してもよい。好ましい陽イオン性塩は、4〜22の炭素原子を有するテトラアルキルアンモニウムハロゲン化物、4〜22の炭素原子を有する置換テトラアルキルアンモニウムハロゲン化物、9〜22の炭素原子を有するアリルトリアルキルアンモニウムハロゲン化物、および9〜22の炭素原子を有する置換アリルトリアルキルアンモニウムハロゲン化物を挙げることができる。代表的な好ましい陽イオン塩は、セチルピリジニウムクロライド、セチルメチルアンモニウムクロライドおよびベンジルトリエチルアンモニウムクロライドである。
【0021】
陽イオン性の分散ポリマーは、一以上の陰イオン性無機塩類および一以上のチオシアン酸塩類、過塩素酸塩類、塩素酸塩類、臭化物類、ヨウ化物類または、硝酸塩類を有する上述した無機塩類の混合物を使用して生成してもよい。具体的には、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウムのチオシアン酸塩、ナトリウム過塩素酸塩、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウムまたは硝酸ナトリウム等を挙げることができる。
【0022】
代表的な陰イオン性塩は、トリクロロアセテートの金属またはアンモニウム塩およびトリフルオロメタンスルホネート;メタンスルホネート、エタンスルホネート、プロパンスルホネート、ブタンスルホネート、ブタンジスルホネート、ペンタンスルホネート、ヘキサンスルホネート、ヘキサンジスルホネート、およびオクタンジスルホネートのようなスルホネートおよびジスルホネート;ベンゼンスルホネート、ニトロベンゼンスルホネート、キシレンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンジスルホネート、ナフタレンスルホネートのようなアリルおよび置換アリルのスルホネートおよびジスルホネート;ジイソブチルスルホコハク酸塩、ジイソオクチルスルホコハク酸塩、ジメチルスルホコハク酸塩、ジエチルスルホコハク酸塩、およびジイソプロピルスルホコハク酸塩のようなジアルキルスルホコハク酸塩;ジシクロアルキルスルホコハク酸塩;およびジアリルスルホコハク酸塩を挙げることができる。好ましい陰イオン性塩は、ナトリウムヘキサンスルホネート、ナトリウムベンゼンスルホネート、ナトリウムキシレンスルホネートナトリウムベンゼンジスルホネート、ナトリウムブタンジスルホネート、ナトリウムヘキサンジスルホネート、ナトリウムオクタンジスルホネート、およびナトリウムデカンジスルホネートである。これらの塩が有する比較的疎水性の性質により、分散物の形成を容易としている。そのような塩は、他の反応成分と共に、いかなる順番で混合してもよく、付加する順番は、高分子の処理中の変化に影響をするように用いることができる。
【0023】
陽イオン性および非イオン性の分散ポリマーを生成するために好適な高分子安定促進剤は、水性塩溶液に溶けやすい水溶性陽イオン性の高分子を含有するものである。分散剤は、前記分散ポリマーの総重量に基づいた重量で、約1〜約10%重量の量で使用される。前記高分子安定促進剤または安定剤は、分離した粒子の形成を容易とし、凝集およびゲル状の構造になることを防止する。
【0024】
陽イオン性および非イオン性の分散ポリマーを生成するために好適な陽イオン性の安定剤は、特に限定はされないが、陽イオン性のジアリル−N,N−2置換アンモニウムモノマーのホモポリマー、N,N−2置換−アミノエチル(メタ)アクリレートモノマーのホモポリマーおよびそれらの第4級塩、N,N−2置換−アミノプロピル(メタ)アクリルアミドのホモポリマーおよびそれらの第4級塩、ジアリル−N,N−2置換アンモニウムモノマーおよびN,N−2置換−アミノエチル(メタ)アクリレートモノマーの共重合体、およびそれらの第4級塩、ジアリル−N,N−2置換アンモニウムモノマーおよびN,N−2置換−アミノプロピル(メタ)アクリルアミドモノマーの共重合体、およびそれらの第4級塩および一以上の陽イオン性ジアリル−N,N−2置換アンモニウムモノマー、N,N−2置換−アミノエチル(メタ)アクリレートモノマーおよびそれらの第4級塩、または、N,N−2置換−アミノプロピル(メタ)アクリルアミドモノマーおよびそれらの第4級塩および一以上の非イオン性モノマー、好ましくは(メタ)アクリルアミド、N−置換またはN,N−2置換(メタ)アクリルアミドまたはスチレン、およびそれらの混合物が少なくとも20モル%含有された陽イオン性のポリマーを挙げることができる。前記安定剤の分子量は、約10,000〜約10,000,000g/molの範囲内であることが好ましい。
【0025】
陰イオン性および非イオン性の分散ポリマーを生成するために使用する安定剤は、約10,000〜約10,000,000の分子量、好ましくは、約1,000,000〜約3,000,000の分子量を有する陰イオン性に帯電した水溶性ポリマーを有している。前記安定剤ポリマーは、塩溶液に溶けまたは僅かな溶解性を示すものなければならず、かつ、水に対して溶解性を示すものでなければならない。
【0026】
代表的な陰イオン性の安定剤は、特に限定はされないが、ポリアクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸)、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸と、アクリル酸およびメタアクリル酸から選択される陰イオン性のコモノマーとの共重合体、一以上の陰イオン性モノマーおよび一以上の非イオン性モノマーの高分子、および上述した陰イオン性安定剤のナトリウム塩を挙げることができる。
【0027】
非イオン性分散剤は単独で使用しても良く、または、上記陽イオン性、陰イオン性および非イオン性の分散ポリマーを生成するために用いる陽イオン性、陰イオン性および非イオン性の安定剤と組み合わせて用いることが可能である。代表的な非イオン性分散剤は、特に限定されるものではないが、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリジノン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリエチレン、水溶性スターチ、エピクロロヒドリン/ジメチルアミン、ポリ(N−ビニルピリジン)等を挙げることができる。
【0028】
グリセリンまたはエチレングリコールのような多官能アルコールは、重合工程中に含有されていてもよい。微粒子の沈殿をこれらのアルコールの存在下だと、速やかに実施することができる。
【0029】
重合反応は、結果的に好適なフリーラジカルが生じるようないかなる方法で開始される。開始は、温度、光学、または酸化還元を併せた開始システムを有する従来のシステムのいかなる数の使用を通して、誘発されてもよい。ラジカル種が、温度、水溶性アゾ均一な分離、ペロキシド、ヒドロペロキシドおよびペルスター化合物から生じるものである、熱由来のラジカルが好ましい。特に、好ましい開始剤は、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリドおよび2,2´−アゾビス(N,N´−ジメチレンイソブチルアミン)ヒドロクロリド等を含有するアゾ複合物を挙げることができる。
【0030】
シードポリマーを、粒子の良好な分散を容易とするため、モノマーの重合反応を始める前に反応混合物に加えてもよい。前記シードポリマーは、多価陰イオン性塩の水性溶液に対して不溶性を示す水溶性のポリマーである。シードポリマーのモノマー組成物は、重合中に形成される水溶性ポリマーのそれと同一である必要はない。シードポリマーは、上述した分散ポリマーの工程により生成されたポリマーであることが好ましい。
【0031】
分散ポリマーは、界面活性剤類または油脂を含むものではないので、分散ポリマーは環境的に好ましいものである。さらに、分散ポリマーの中に油脂が存在しないことは、従来の非乳濁液(inverse emulsion)ポリマーと比較して、実質的に揮発性有機物(VOC)を含まず、生化学酸素要求量(BOD)、炭素酸素要求量(COD)および総有機炭素物(COD)が劇激に減少されたポリマーと同じである。
【0032】
“ハロゲン”および“ハロ”は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
【0033】
“ハロアルキル”は、本明細書において定義したアルキルグループに1、2または3つのハロゲン原子が付着したものを意味する。代表的なハロアルキルグループは、クロロメチル、ブロモエチル、トリフルオロメチル等を挙げることができる。
【0034】
“ヒドロホビック陽イオン性モノマー”は、下記に示す構造式のモノマーを意味する。
【0035】
【化1】

【0036】
はHまたはCHである。R、RおよびRは、H、CH、CHCH、アリル、アリルアルキル、C−C20アルキルおよびC−C10シクロアルキルから独立して選択される。;Rはアリル、C−C20アルキルまたはアルコキシである。;mは、2または3であり、ZはOまたはNH、およびWはCl、Br、I、CHOSO、CHCO、HSO、HPO、RCOまたはRSOである。全てのR、RおよびRが、H、CHまたはCHCHである場合には、WはRCOまたはRSOである。疎水性陽イオン性モノマーは、上述したような親水性陽イオン性モノマーよりも、水に対する溶解性が低く、また、この特性を与えるアルキルまたは芳香族を含有している。
【0037】
好ましい疎水性陽イオン性モノマーは、RおよびRがH、CH、CHCHから独立して選択され、Rはアリル、アリルアルキル、C−C20アルキルおよびC−C10シクロアルキルから選択され、およびWは、Cl、Br、I、CHOSO、CHCO、HSOおよびHPOから選択されるものである。
【0038】
その他、好ましい疎水性陽イオン性モノマーは、R、RおよびRが、H、CHおよびCHCHから、Wは、RCOまたはRSOから独立して選択されたものである。
【0039】
“(メタ)アクリル酸”は、アクリル酸またはメタアクリル酸またはそれらの塩を意味する。
【0040】
“(メタ)アクリルアミド”は、アクリルアミドまたはメタアクリルアミドを意味する。
【0041】
“モノマー”は、重合可能なアリル、ビニルまたはアクリル化合物を意味する。モノマーは、陰イオン性、陽イオン性、非イオン性または両性イオン(zwitterionic)であってもよい。ビニルモノマーが好ましく、アクリル型モノマーがより好ましい。
【0042】
“非イオン性のモノマー”は上述したモノマーのうち電気的に中性であるものを意味する。代表的な非イオン性、水溶性のモノマーは、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ビニルフォルムアミド、N−ビニルメチルアセトアミド、ジメチルヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルメタクリルレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、N−t−ブチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ビニルアセテート、アクリロニトリル、2−エチルヘキシルアクリレート等を挙げることができる。
【0043】
“RSV”は、還元比粘度(Reduced Specific Viscosity)の略である。実質的に直線であり、高い溶媒和を有する一連の高分子同族体において、希薄高分子溶液における“reduced specific viscosity(RSV)”の測定値は、Paul J.Flory著“Principles of Polymer Chemistry”,Cornell University Press,Ithaca,NY,copyright 1953,Chapter VII,“Determination of Molecular Weights”,PP.266-316,によれば、高分子鎖長および平均分子量の指標である。前記RSVは、所定の高分子の濃度および温度で計測し、下記の式により計算される。
【0044】
【数1】

【0045】
濃度“C”の単位は、(grams/100mlまたはg/deciliter)である。そのため、RSVの単位は、(dl/g)である。本発明においては、1.0または0.125モル濃度のナトリウム硝酸溶液をRSVの測定に使用する。この溶媒における高分子濃度は、約0.045g/dLで計測される。RSVは、30℃で測定される。粘度ηおよびηはCannon Ubbelohde semimicro dilution viscometer,size 75を用いて測定される。粘度測定装置は、完全に垂直状態に、30±0.02℃に調整された恒温浴に設置される。RSVの測定における特有の誤差は、約2dl/gramsである。一連の2つのポリマー同族体が近いRSVの数値を示すのであれば、両者は、近い分子量を有する。
好ましい態様
本発明の化粧品用組成物を生成する際に、使用に適した代表的なポリマー分散物を表1に挙げる。ポリマー分散物は、ONDEO Nalco,Naperville,ILから入手することができる。
【0046】
【表1】

【0047】
本発明においては、陽イオン性、陰イオン性または非イオン性の高分子が、約100,000〜約30,000,000g/molの範囲内の平均分子量を有していることが好ましい。
【0048】
さらに、本発明においては、化粧品用組成物が、陽イオン性、陰イオン性または非イオン性の高分子を、高分子固体の状態で、0.01〜約5重量%含有していることが好ましい。
【0049】
さらに、本発明においては、化粧用組成物が、約5〜約95モル%のジアリルジメチルアンモニウムクロライドおよび約95〜約5モル%のアクリルアミドを含有する陽イオン性の共重合体の水性塩溶液中に安定な分散物を含有しており、前記分散物は、RSVが約0.4〜約12dL/gであることが好ましい。
【0050】
さらにまた、本発明においては、化粧用組成物が、約5〜約90モル%のアクリルアミド、約5〜約90モル%のジメチルアミノエチルアクリレートベンジルクロライド第4級塩および約5〜約90モル%のジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロライド第4級塩を含有する陽イオン性3元重合体の水性塩溶液中に安定な分散物を含有しており、前記分散物は、RSVが約0.4〜約30dL/gであることが好ましい。
【0051】
また本発明においては、化粧用組成物が、約5〜約95モル%のアクリルアミドおよび約5〜約95モル%のジメチルアミノエチルアクリレートベンジルクロライド第4級塩を含有する陽イオン性共重合体の水性塩溶液中に安定な分散物を含有しており、前記分散物は、RSVが約0.4〜約30dL/gであることが好ましい。
【0052】
さらに本発明においては、化粧用組成物が、約5〜約95モル%のアクリルアミドおよび約5〜約95モル%のジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロライド第4級塩を含有する陽イオン性の共重合体の水性塩溶液中に安定な分散物を含有しており、前記分散物は、RSVが約0.4〜約30dL/gであることが好ましい。
【0053】
また本発明においては、化粧用組成物が、約5〜約95モル%のアクリルアミドおよび約5〜約95モル%の(メタ)アクリル酸またはそれらの塩を含有する陰イオン性の共重合体の水性塩溶液に安定な分散物を含有しており、前記分散物は、RSVが約0.4〜約40dL/gであることが好ましい。
【0054】
本発明においては、化粧用組成物が、約5〜約95モル%のアクリルアミドおよび約5〜約95モル%のビニルアセテートを含有する非イオン性の共重合体の水性塩溶液中に安定な分散物を含有しており、前記分散物は、RSVが約0.4〜約40dL/gであることが好ましい。
【0055】
また本発明においては、化粧用組成物が、約20〜約90モル%のアクリルアミドおよび、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロライド第4級塩およびジメチルアミノエチルアクリレートベンジルクロライド第4級塩からなるグループから選択される一以上の陽イオン性モノマーを約80〜約10モル%含有する陽イオン性の高分子の水溶性塩溶液中に安定な分散物を含有しており、前記分散物は、RSVが約0.4〜約30dL/gであることが好ましい。
【0056】
また本発明においては、化粧用組成物が、シャンプー類、アフターシェーブ類、日焼け止め類、ハンドローション類、スキンクリーム類、液状石鹸類、固形石鹸類、お風呂用油性バー類、ひげそり用クリーム類、皿洗い用洗剤類、コンディショナー類、パーマネントウェーブ類、髪用リラクサー剤類、髪のブリーチ剤類、髪のもつれをほぐすローション、スタイリングジェル、スタイリンググレーズ類、スプレーフォーム類、スタイリングクリーム類、スタイリングワックス類、スタイリングローション類、ムース類、スプレージェル類、ポマード類、シャワージェル類、バブルバス類、髪染め用製剤類、一時的および永久的髪染め剤類、カラーコンディショナー類、脱色剤類、髪染めおよび非髪染め用のリンス類、毛髪染料類、髪用のウェーブセット剤類、パーマのウェーブ剤類、カール剤、髪をストレートにする製剤類、髪の仕上げを補助する製剤類、髪用のトニック類、髪を飾るおよび酸化剤類、スプリッツァー類、スタイリングワックス類および香油類からなるグループから選択されることが好ましい。
【0057】
さらに本発明においては、化粧品用組成物が、水、糖質類、表面活性剤類、湿潤剤類、鉱油、鉱物油、脂肪アルコール類、脂肪エステル柔軟化粧水類、ワックス類およびシリコン含有ワックス類、シリコンオイル、シリコン流体、シリコン界面活性剤類、揮発性炭化水素オイル類、第4級窒素化合物類、アミン機能化シリコン類、調整高分子類、レオロジー修正剤類、酸化防止剤類、日焼け止め活性剤類、約C10からC22までのジ−ロング鎖アミン類、約C10からC22までの長連鎖脂肪アミン類、脂肪アルコール類、エトキシ化された脂肪アルコール類およびジ−テイルリン脂質類からなるグループから選択される一以上のふけい剤類をさらに含有することが好ましい。
【0058】
代表的な糖質類としては、非イオン性、陽イオン性の糖質を挙げることができ、具体的には、アガロース、アミロペクチン類、アミロース類、アラビナン類、アラビノガラクタン類、アラビノキシレン類、カラギーナン類、アラビアゴム、カルボキシメチルグアールガム、カルボキシメチル(ヒドロキシプロピル)グアールガム、ヒドロキシエチルグアールガム、カルボキシメチルセルロース、陽イオン性グアールガム、および、メチルセルロース、コンドロイチン類、キチン類、キトサン類、キトサンピロリドンカルボキシレート、キトサングリコレートキトサンラクテート、ココジモニウムヒドロキシプロピルオキシエチルセルロース、コロミン酸([ポリ−Nアセチル−ノイラミン酸])、コーンスターチ、カードラン(curdlan)、デルマチン(dermatin)スルフェート、デキストラン類、フルセララン類(furcellarans)、デキストラン類、架橋デキストラン類、デキストリン、エマルサン(emulsan)、エチルヒドロキシエチルセルロース、酸性亜麻の種サッカライド(酸性)、ガラクトグルコマンナン類、ガラクトマンナン類、グルコマンナン類、グリコーゲン類、グアールガム、ヒドロキシエチルスターチ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピル化グアールガム類、ゲランガム、ゲラン、ガムガッティ、ガムカラヤ、ガムトラガンカンス(トラガカンチン)、ヘパリン、ヒアルロン酸、イヌリン、ケラチン硫酸塩、こんにゃくマンナン、変性スターチ類、ラミナラン類、ロージモニウムヒドロキシプロピルオキシエチルセルロース、オクラガム、酸化スターチ、ペクチン酸、ペクチン、ポリデキシトローズ、ポリクアテルニウム−4、ポリクアテルニウム−10、ポリクアテルニウム−28、ジャガイモスターチ、プロトペクチン類、オオバコの種ガム、プルラン、ナトリウムヒアルロネート、スターチジエチルアミノエチルエーテル、ステアージモニウムヒドロキシエチルセルロース、ラフィノース、ラムサン、タピオカスターチ、ウィーランレバン、スクレログルカン、ナトリウムアルギネート、スタシーロース、スチノグリカン、小麦スターチ、キサンタンガム、キシランス類、キシログルカン類、およびそれらの混合物を含有するセルロースエーテル類を挙げることができる。細菌性の糖質類は、参考文献として全体的に盛り込まれている、Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,Fourth Edition,Vol.16,John Wiley and Sons,NY pp.578-611(1994)で見つけることが可能である。複合糖質は、本明細書において参考文献として盛り込まれているKirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,Fourth Edition,Vol.4,John Wiley and Sons,NY pp.930-948,1995に開示されている。
【0059】
本発明の化粧品用組成物は、表面活性剤類を含有していてもよい。表面活性剤類は、界面活性剤類を含有し、製剤に界面活性剤的な機能を与えまたは単に湿潤剤類として作用するものである。表面活性剤類は、一般的に、陰イオン性表面活性剤類、陽イオン性表面活性剤類、非イオン性表面活性剤類、両性(amphoteric)表面活性剤類および両性イオン(zwitterionic)表面活性剤類、および分散ポリマー類に区別される。
【0060】
本発明において使用可能な陰イオン性表面活性剤は、参考文献として本明細書に盛り込まれている米国特許第5,573,709号に開示されているものを挙げることができる。例としては、アルキルおよびアルキルエーテルスルフェート類を挙げることができる。本発明において使用可能なアルキルエーテルスルフェート類の具体例としては、ラウリルスルフェート、ラウリルエーテルスルフェート、ココナッツアルキルトリエチレングリコールエーテルスルフェートのナトリウムおよびアンモニウム塩;獣脂アルキルトリエチレングリコールエーテルスルフェート、および獣脂アルキルヘキサオキシエチレンスルフェートである。特に好ましいアルキルエーテルスルフェート類は、個々の化合物の混合物を含有するものであり、前記混合物は、約12〜約16の範囲内の炭素原子の平均アルキル鎖長および、エトキシル化の平均程度が約1〜約6モルのエチレンオキシドを含有するものである。
【0061】
他の好ましい種類の陰イオン性表面活性剤は、アルキル硫酸塩である。重要な例は、約8〜約24の範囲内、中でも、約12〜約18の炭素原子を有し、イソ−、ネオ−、イネソ−、およびn−パラフィンを含有する、メタン類の炭化水素の有機硫酸反応生成物の塩およびスルホン酸化剤であり、例えば、SO、HSO、オレウム、脱色剤および加水分解を含む公知のスルホン化の方法により得られたもの、を挙げることができる。好ましくは、アルカリ金属およびアンモニウム硫酸化C12−38n−パラフィンである。
【0062】
さらに、合成陰イオン性表面活性剤は、オレフィンスルホネート類、ベータ−アルキロキシアルカンスルホネート類、および、イセチオン酸によりエステル化、およびナトリウムヒドロキシドで中和された脂肪酸類の反応生成物、をスクシナメートの他に挙げることができる。スクシナメートの具体例は、ジナトリウムN−オクタデシルスルホスクシナメート;テトラナトリウムN−(1,2−ジカルボキシエチル)N−オクタデシルスルホスクシナメート;ナトリウムスルホサクシン酸のジアミルエステル;ナトリウムスルホサクシン酸のジヘキシルエステル;ナトリウムスルホサクシン酸のジオクチルエステルを挙げることができる。
【0063】
本発明の化粧品用組成物において、好適に用いられる陰イオン性表面活性剤類は、アンモニウムラウリルスルフェート、アンモニウムラウレススルフェート、トリレチルアミンラウリルスルフェート、トリエチルアミンラウレススルフェート、トリエタノールアミンラウリルスルフェート、トリエタノールアミンラウレススルフェート、モノエタノールアミンラウリルスルフェート、モノエタノールアミンラウレススルフェート、ジエタノールアミンラウリルスルフェート、ジエタノールアミンラウレススルフェート、ラウリックモノグリセリドナトリウムスルフェート、ナトリウムラウリルスルフェート、ナトリウムラウレススルフェート、カリウムラウリルスルフェート、カリウムラウレススルフェート、ナトリウムラウリルサルコシネート、ナトリウムラウロイルサルコシネート、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、アンモニウムココイルサルフェート、アンモニウムラウロイルスルフェート、ナトリウムココイルスルフェート、ナトリウムラウロイルスルフェート、カリウムココイルスルフェート、カリウムラウリルスルフェート、トリエタノールアミンラウリルスルフェート、トリエタノールアミンラウリルスルフェート、モノエタノールアミンココイルスルエフェート、モノエタノールアミンラウリルスルフェート、ナトリウムトリデシルベンゼンスルフォネート、およびナトリウムドデシルベンゼンスルフォネートを挙げることができる。
【0064】
本発明の化粧品用組成物において、使用可能な両性(amphoteric)表面活性剤は、脂肪族第2および第3アミンの派生物を挙げることができ、脂肪族置換基は、約8〜18の炭素原子および陰イオン性の水溶性溶液グループ、例えば、カルボキシ、スルホネート、スルフェート、ホスフェート、またはホスホネートを挙げることができる。代表的な例は、米国特許第2,658,072号に記載されたナトリウムイセチオネートでドデシルアミンを反応させることにより生成されたもののようなナトリウム3−ドデシル−アミノプロピオネート、ナトリウム3−ドデシルアミノプロパンスルホネート、ナトリウムラウリルサルコシネート、N−アルキルタウリン類、さらに、米国特許第2,438,091号に開示されたN−ハイヤーアルキルアスパチック酸類、および米国特許第2,528,378号に開示された商品名MIRANOLTMで売られているものを挙げることができる。他のサルコシネートおよびサルコシネート派生物は、本発明の参考文献として盛り込まれたCTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Fifth Edition,1988,page 42に開示されている。
【0065】
第4級アンモニウム化合物類は、それらの構造がCTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Fifth Edition,1988,page 40の中に記載されており、本発明における組成において互換性を有していれば、本発明の化粧品用組成物として使用可能である。陽イオン性表面活性剤類は特に限定はされないが、約8〜約18の炭素原子を有する脂肪第4級アンモニウム化合物類を挙げることができる。第4級アンモニウム化合物の陰イオンは、塩化物、エソスルフェート、メソスルフェート、アセテート、臭化物、ラクテート、ニトレート、ホスフェート、またはトシレート、およびそれらの混合物のような通常のイオンを挙げることができる。長連鎖アルキルグループは、付加的または置換的な炭素または水素原子、またはエーテル結合を挙げることができる。第4級窒素の他の置換物は、水素、水素、ベンジルまたは側鎖アルキルまたはメチル、エチル、ヒドロキシメチルまたはヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピルまたはそれらの組合せのようなヒドロキシアルキルグループを挙げることができる。
【0066】
第4級アンモニウム化合物類の例は、特に限定はされないが:ベーエントリモニウムクロライド、ココトリモニウムクロライド、臭化セセチルジモニウム、ジベーエニルジモニウムクロライド、ジヒドロゲネート獣脂ベンジルモニウムクロライド、ジソイアジモニウムクロライド、ジ獣脂ジモニウムクロライド、ヒドロキシセチルヒドロキシエチルジモニウムクロライド、ヒドロキシエチルベーエンアミドプロピルジモニウムクロライド、ヒドロキシエチルセチルジモニウムクロライド、ヒドロキシエチル獣脂ジモニウムクロライド、マイリスタルコニウムクロライド、PEG−2オレアモニウムクロライド、PEG−5スチールモニウムクロライド、PEG−15ココイル第4級4、PEG−2スチールアルコニウム4、ラウリルトリモニウムクロライド;カテルニウム−16;カテルニウム−18;ラウラルコニウムクロライド、オレアルクモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ポリカテルニウム−5、ポリカテルニウム−6、ポリカテルニウム−7、ポリカテルニウム−10、ポリカテルニウム−22、ポリカテルニウム−37、ポリカテルニウム−39、ポリカテルニウム−47、セチルトリモニウムクロライド、ジラウリルジモニウムクロライド、セタルコニウムクロライド、ジセチルジモニウムクロライド、ソイアトリモニウムクロライド、ステアリルオクチルジモニウムメソスルフェート、およびそららの混合物を挙げることができる。さらに、他の第4級アンモニウム化合物類は、参考文献として本明細書の中に盛り込まれたCTFA Cosmetic Ingredient Handbook,First Edition,on pages 41-42に挙げられている。
【0067】
化粧品用組成物は、約C10からC22までのジ−ロング鎖アミン類、約C10からC22までの長連鎖脂肪アミン類、およびそれらの混合物を含有していてもよい。具体的な例は、ジパルミティルアミン、ラウラミドプロピルジメチル、スチールアミドプロピルジメチルアミンを挙げることができる。本発明の化粧品用組成物は、脂肪アルコール類(典型的なモノヒドリックアルコール類)、エソキシル化された脂肪アルコール類、およびジ−テイルリン脂質類を含有していてもよく、それらは、本発明の化粧品用組成物の乳化物または分散物を安定化させるために用いることができる。それらは、化粧品に適した粘性も与える。脂肪アルコールの選択は、重要ではないけれども、C10〜C32の脂肪鎖、中でもC14〜C22の脂肪鎖を有するものとして特徴付けられるアルコールは、実質的に飽和されたアルカノール類であり、一般的に使用されているものである。例えば、ステアリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、ベヘニルアルコール、アラキドアルコール、イソステアリルアルコールおよびイソセチルアルコールを挙げることができる。中でも、セチルアルコールが好ましく、単独または他の脂肪アルコール類、好ましくはステアリルアルコールと組み合わせて用いてもよい。前記脂肪アルコール類を用いた場合には、約1〜約8重量%、中でも、約2〜約6重量%の濃度で、本発明の製剤の中に含まれることが好ましい。前記脂肪アルコール類は、エトキシ化されていてもよい。具体的な例としては、cetereth-20,steareth-20,steareth-21,およびこれらの混合物である。ホスファチジルセリンおよびホスファチジルコリン、およびこれらの混合物のようなリン脂質類が含有されていてもよく、使用した場合には、脂肪アルコール成分は、製剤の中に約1〜約10重量%、中でも、約2〜約7重量%の濃度で含まれる。
【0068】
非イオン性表面活性剤類は、本発明の化粧品用組成物に使用することができるが、アルキレンオキシドグループ(実際は親水性)を疎水性の有機物と縮合することによって生成される化合物として広く定義されているものを含有し、実質的には、脂肪族化合物またはアルキル芳香族であってもよい。非イオン性表面活性剤類として好ましい例としては、長連鎖アルカノルアミド類;アルキルフェノールのポリエチレンオキシド縮合物類;約8〜約18の炭素原子を有し、直鎖状または側鎖状の構造であり、エチレンオキシドと脂肪族化合物アルコールの縮合物;長鎖第3アミンオキシド類;長鎖第3ホスフィンオキシド類;約1〜約3の炭素原子の1つの短鎖アルキルまたはヒドロキシアルキルラジカルを含む長鎖ジアルキルスルホキシド類;およびアルキルポリグリコシド類のようなアルキルポリサッカリド(APS)サーファクタント類;ポリエチレングリコール(PEG)グリセリル脂肪エステル類を挙げることができる。
【0069】
ベタイン類のような両性イオン(zwitterionic)表面活性剤類も、本発明の化粧品用組成物に使用可能である。本発明において使用可能なベタイン類の例としては、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、オレイルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルアルファカルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン、ステアリルビス−(2−ヒドキシプロピル)カルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルガンマ−カルボキシプロピルベタイン、およびラウリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)アルファ−カルボキシエチルベタインのような高アルキルベタイン類を挙げることができる。スルホベタイン類は、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタイン等;アミドベタイン類およびアミドスルホベタイン類を挙げることができ、RCONH(CHラジカルがベタインの窒素原子に付着しているものも本発明において有用である。
【0070】
本発明の化粧品用組成物において使用可能な陰イオン性、陽イオン性、非イオン性、両性(amphoteric)または両性イオン(zwitterionic)表面活性剤類は、重量で約0.1〜50%、中でも、重量で約0.5〜約40%、さらには、重量で約1〜約20%の量で一般的に使用されることが好ましい。
【0071】
本発明の化粧品用組成物は、吸湿剤として作用する湿潤剤類を含有していてもよく、水を吸収し、保持し保つ量を高める。本発明の製剤に適した湿潤剤類としては、特に限定はされないが、アセトアミドMEA、アンモニウムラクテート、キトサンおよびその派生物、コロイドオートミール、ガラクトアラビナン、グルコースグルタメート、glerecyth-7、glygeryth-12、glycereth-26、glyceryth-31、グリセリン、ラクトアミドMEA、ラクトアミドDEA、乳酸、メチルgluceth-10、メチルgluceth-20、パンテノール、プロピレングリコール、ソルビトール、ポリエチレン、グリコール、1,3−ブタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、水素化されたスターチヒドロリセート、イノシトール、マニトール、PEG−5ペンタエリスリトールエーテル、ポリグリセリルソルビトール、キシリトール、スクロース、ナトリウムヒアルロネート、ナトリウムPCA、およびそれらの混合物を挙げることができる。グリセリンは、特に湿潤剤として好ましい。湿潤剤の濃度は、重量で約0.5〜約40%、中でも、約0.5〜約20%、さらには、約0.5〜約12%で含有されることが好ましい。
【0072】
本発明の化粧品用組成物は、鉱油、鉱物油の成分を含有していてもよく、選択した際、一般的には、USPまたはNFのグレードを選ぶようにする。鉱油は、白または黄色のものでよい。鉱油の粘性または堅さの程度は、それほど重要ではない。鉱油は、特に、炭化水素物質で部分的に代用することができ、表面上および堅さの点において鉱油と似たような形状にすることができる。例えば、鉱油または鉱物油のと異なるワックス等との混合物を組み合わせてもよい。好ましいワックスは、ヤマモモ蝋、カンデリラ蝋、セレシン、ホホババター、ラノリン蝋、モンタン蝋、地蝋、ポリグリセリル−3−はち蝋、ポリグリセリル−6−ペンタステアレート、ミクロクリスタリン蝋、パラフィン蝋、イソパラフィン、ワセリン固体パラフィン、スクアレン、オリゴマーオレフィン、蜂蜜蝋、合成カンデリア蝋、合成カルナウバ、合成蜂蜜蝋等を共に混ぜたものであってもよい。肌に保持される水分量を高めるために、置換の程度を変えたアルキルメチルシロキサンを使用することができる。2503ワックスとして公知のステアリルジメチコーン、AMS−C30ワックスとして知られるC30−45アルキルメチコーン、および580ワックスとして知られるステアロキシトリメチルシラン(および)ステアリルアルコール、などのシロキサン類はどれも、Dow Corning商標登録、Midland,MI,USAから入手可能である。付加アルキルおよびフェニルシリコンは、保湿性を高めるために用いられてもよい。Dow Corning商標登録593として公知のジメチコーン(および)トリメチルソイロキシシリケート、または、Dow Corning商標登録749流体として公知のシクロメチコーン(および)トリメチルシロキシシリケートなどの樹脂をスキンケアー製品の成膜性を向上させるものとして用いてもよい。使用した場合には、鉱油、ワックスまたは炭化水素または油成分は、約1〜約20重量%の濃度で、中でも、約1〜約12重量%で製剤中に含有されることが好ましい。シリコン樹脂が用いられた場合には、約0.1〜約10.0重量%含有することが好ましい。
【0073】
柔軟化粧水類とは、肌のすべすべ感、柔軟性およびしなやかな外観を維持することを助けるものである。柔軟化粧水の機能は、肌の表面または角質層内部に上記特性を維持させるものである。本発明の化粧品用組成物は、脂肪エステル柔軟化粧水を含有していてもよく、それらは、International Cosmetic Ingredient Dictionary,Eighth Edition,2000,p.1768 to 1773に記載されている。本発明において、使用に適した脂肪エステルの具体例としては、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、カプリル酸(caprylic/caplic)トリグリセリデス、セチルラクテート、セチルパルミテート、水素添加されたカストール油、グリセリルエステル、ヒドロキシセチルイソステアレート、ヒドロキシセチルホスフェート、イソプロピルイソステアレート、イソステアリルイソステアレート、ジイソプロピルセバケート、PPG−5−セテス−20、2−エチルヘキシルイソノノアート、2−エチルヘキシルステアレート、C12〜C16脂肪アルコールラクテート、イソプロピルラノレート、2−エチル−ヘキシルサリシレート、およびそれらの混合物を挙げることができる。現在好ましい脂肪エステルは、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、PPG−5−セテス-20、およびカプリル酸(caprylic/caplic)トリグリセリドである。脂肪エステル柔軟化粧水を用いた場合は、本発明においては、約1〜約8重量%、中でも、約2〜約5重量%の濃度で製剤中に含有されていることが好ましい。
【0074】
本発明における組成物は、シリコン化合物を含有していてもよい。好ましくは、シリコン化合物の粘度が、25℃で、約0.5〜約12,500cpsであることである。好適な物質の例としては、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン−ジフェニルポリシロキサン、シクロメチコーン、トリメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、およびそれらの混合物である。ジメチコーン、トリメチルユニットで終末端された一つのジメチルポリシロキサン、は好ましい一例である。50および1000cpsの間の粘性を有するジメチコーンは、特に好ましい。使用された際、シリコン油は、本発明の製剤中に、0.1〜5重量%、中でも、1〜2重量%の濃度で含有されていることが好ましい。
【0075】
本発明の化粧品用組成物は、揮発性または非揮発性のシリコン油またはシリコン流体を含有していてもよい。シリコン化合物は、直線状または環状で、約0.5〜約100centistokesの粘性を有するポリジメチルシロキサンとすることができる。最も好ましい直線状のポリジメチルシロキサン化合物は、約0.5〜約50centistokesの範囲内である。直線状で、低分子量、揮発性のポリジメチルシロキサンの一例は、オクタメチルトリシロキサンであり、約1centistokeの粘性を有する商品名Dow Corning 商標登録200 fluidを使用することができる。使用した場合、シリコン油は、好ましくは、本発明の製剤中に、0.1〜30重量%、中でも、1〜20重量%の濃度で含有されていることが好ましい。
【0076】
本発明の化粧品用組成物は、揮発性、環状、低分子量のポリジメチルシロキサン(シクロメチコーン)を含有していてもよい。好ましい環状揮発性シロキサンは、平均繰り返しユニットが、4〜6および約2.0〜約7.0centistokesの粘性を有するポリジメチルシクロシロキサンおよびそれらの混合物を挙げることができる。好ましいシクロメチコーンは、Dow Corning,Midland,MI,USAの、商品名Dow Corning 商標登録244fluid、商品名Dow Corning 商標登録245fluid、商品名Dow Corning 商標登録246、商品名Dow Corning 商標登録344fluidおよび商品名Dow Corning 商標登録345fluid、および,General Electric,Waterford,NY,USAのシリコンSF-1173およびシリコンSF-1202を使用することができる。使用した場合、シリコン油は、0.1〜30重量%、中でも、1〜20重量%の濃度で、本発明の製剤中に含有されていることが好ましい。
【0077】
ポリオキシエチレンまたはポリオキシプロピレン側鎖を有するシリコン界面活性剤類または柔軟化粧水類は、本発明の化合物中に使用されてもよい。好ましい例は、ジメチコーン共重合体、Dow Corning 商標登録3225Cおよび5225C Formulation Aidsを挙げられ、Dow Corning,Midland,MI,USAから入手可能である。さらにGeneral Electric,Waterford,NY,USAで入手可能なシリコンSF−1528も挙げられる。側鎖は、ラウリルまたはセチルのようなアルキルグループを含有していてもよい。好ましくは、ラウリルメチコーン共重合体、Dow Corning 商標登録5200 Formulation Aidsとして公知の、および、セチルジメチコーン共重合体、Abil EM-90として公知のものを挙げられ、Goldschmidt Chemical Corporation,Hopewell,VA.で入手可能である。また好ましくは、ラウリルジメチルコーン、Belsil LDM 3107 VPであり、Wacker-Chemie,Munchen,GER.で入手可能である。使用した場合、シリコン界面活性剤は、本発明の製剤中に、0.1〜30重量%、中でも、1〜15重量%の濃度で含有されていることが好ましい。
【0078】
アミノ機能シリコン類および柔軟化粧水類は、本発明においては使用してもよい。好ましい例は、Dow Corning 商標登録8220, Dow Corning 商標登録939, Dow Corning 商標登録949, Dow Corning 商標登録2-8194を挙げられ、全て、Dow Corning,Midland,MI,USAから入手可能である。さらに、Silicone SM-253 であることが好ましく、General Electric,Waterford,NY,USAで入手可能である。使用した場合は、本発明におけるアミノ機能シリコンを、本発明の製剤中に、0.1〜5重量%、中でも、0.1〜2.0重量%の濃度で含有されていることが好ましい。
【0079】
本発明の化粧品用組成物は、揮発性の炭化水素油類を含有してもよい。前記揮発性の炭化水素油は、約CからC20までの炭素原子を含有する。揮発性炭化水素は、約CからC16までの炭素原子の鎖長を有する脂肪族炭化水素であることが好ましい。そのような化合物の例は、イソヘキサデカン、商品名Permethyl 101Aであり、Presperse, South Plainfield ,NJ,USA.で入手可能である。揮発性炭化水素の他の例としては、C12からC14までのイソパラフィンであり、商品名Isopar Mであり、Exxon,Baytown,TX,USA.で入手可能である。使用した場合、揮発性炭化水素は、本発明の製剤中に0.1〜30重量%、中でも、1〜20重量%の濃度で含有されていることが好ましい。
【0080】
本発明の化粧品用組成物は、陽イオンおよび脂肪族調整高分子類を含有していてもよい。そのような例としては、特に限定はされないが、Cosmetic,Toiletry and Fragrance Association(CTFA),1101 17th street,N.W.,Suite 300,Washington,D.C.20036出版International Cosmetic Ingredient Dictionaryに記載されているものを用いることが可能である。一般的な例は、セルロースエーテルの第4級派生物、グアールの第4級派生物、DADMACのホモポリマーおよび共重合体、MAPTACのホモポリマーおよび共重合体、およびスターチの第4級派生物を挙げることができる。具体例としては、CTFA指定、特に限定はされないが、ポリクアテルニウム−10、グアールヒドロキシプロピルトリモニウムクロライド、スターチヒドロキシプロピルトリモニウムクロライド、ポリクアテルニウム−4、ポリクアテルニウム−5、ポリクアテルニウム−6、ポリクアテルニウム−7、ポリクアテルニウム−14、ポリクアテルニウム−15、ポリクアテルニウム−22、ポリクアテルニウム−24、ポリクアテルニウム−28、ポリクアテルニウム−32、ポリクアテルニウム−33、ポリクアテルニウム−36、ポリクアテルニウム−37、ポリクアテルニウム−39、ポリクアテルニウム−45、ポリクアテルニウム−47および塩化ポリメタクリルアミドプロピルトリモニウム、およびこれらの混合物を挙げることができる。使用した場合、上記調整高分子は、本発明の化粧品用組成物に、0.1〜10重量%、中でも、0.2〜6、さらには、0.2〜5重量%の濃度で含有されていることが好ましい。
【0081】
本発明の化粧品用組成物は、一以上のレオロジカル修正物類を含有していてもよい。本発明において使用可能なレオロジカル修正物類は、特に限定はされないが、アクリル酸の高分子量の架橋ホモポリマー類、およびアクリレート/C10−C30アルキルアクリレート架橋ポリマー、Carbopol商標登録およびPemulen商標登録シリーズのような、共に、B.F.Goodrich,Akron,OH,USAで入手可能である。Salcare商標登録ASTのような陰イオン性アクリレートポリマー、Salcare商標登録SC96のような陽イオン性アクリレートポリマー、これらは、Ciba Specialties,High Point,NC,USAで入手可能である。塩化アクリルアミドプロピルトリモニウム/アクリアミド;ヒドロキシエチルメタクリレートポリマー、Steareth-10アリルエーテル/アクリレート共重合体;アクリレート/Beheneth-25メタクリレート共重合体、Aculyn商標登録28、International Specialties Wayne,NJ,USAで入手可能;グリセリルポリメタクリレート、アクリレート/steareth-20メタクリレート共重合体;ベントナイト;アルギネート、カラギーナン、ガムアカシア、アラビアガム、ガムガッテ、ガムカラヤ、ガムトラガカンテ、グアールガムのようなガム;グアールヒドロキシプロピルトリモニウムクロライド、キサンタンガムまたはゲランガム;ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルカルボキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルカルボキシプロピルセルロース、エチルセルロース、スルフェート化セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ミクロクリスタリンセルロースのようなセルロース派生物;アガール;ペクチン;ゲラチン;スターチおよびその派生物;キトサンおよび、ヒドロキシエチルキトサンのようなキトサンの派生物;ポリビニルアルコール、PVM/MA共重合体、PVM/MAデカジエン架橋ポリマー、増粘剤ベースのポリ(エチレンオキシド)、ナトリウムカルボマー、およびそれらの混合物を挙げることができる。使用する場合には、本発明の化粧品用組成物に、レオロジカル修正物類は、0.01〜12重量%、中でも、0.05〜10重量%、さらには、0.1〜6重量%の濃度で混合されていることが好ましい。
【0082】
本発明の化粧品用組成物は、一以上の酸化防止剤類を含有していてもよい。それらは、具体的には、特に限定はされないが、アスコルビン酸、BHT、BHA、エルソルビン酸、ビスルファイト、チオグリコレート、トコフェロール、ナトリウムメタビスルファイト、ビタミンEアセテート、およびアスコルビルパルミテート等を挙げることができる。酸化防止剤は、0.01〜5重量%、好ましくは、0.1〜3重量%、最も好ましくは、0.2〜2重量%、化粧品用組成物の中に含有されていることが好ましい。
【0083】
本発明の化粧品用組成物は、一以上の日焼け止め活性剤類を含有していてもよい。日焼け止め活性剤の具体的な例は、特に限定はされないが、オクチルメトキシシンナメート(エチルヘシルp−メトキシシナンメート)、オクチルサリシレートオキシベンゾン(ベンゾフェノン−3)、ベンゾフェノン−4、メチルアンチラニレート、ジオキシベンゾン、アミノベンゾイ酸、アミルジメチルPABA、ジエタノールアミンp−メトキシシンナメート、エチル4−bis(ヒドロキシプロピル)アミノベンゾエート、2−エチルヘキシ1−2−シアノ−3、3−ジフェニルアクリレート、ホモメンチルサリシレート、グリセリルアミノベンゾエート、ジヒドロキシアセトン、オクチルジメチルPABA,2−フェニルベンジミダゾール−5−スルホン酸、トリエタノールアミンサリシレート、酸化アエン、および酸化チタン、およびそれらの混合物を挙げることができる。本発明の化粧品用組成物に用いられる日焼け止め活性剤の量は、使用する特定の日焼け止め活性の固有紫外線吸収波長に応じて変化するものであるが、一般的には、重量で0.1〜10%、2〜8%の範囲内とすることができる。
【0084】
本発明の化粧品用組成物は、一以上の防腐剤類を含有していてもよい。防腐剤類の例としては、特に限定はされないが、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノ−ブタン(メチルジブロモグルタロニテリル、MERGUARD商標登録で公知の,ONDEO Nalco Chemical Company,Naperville,IL,USAで入手可能である。)ベンジルアルコール、イミダゾリジニルウレア、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5、5−ジメチル−2、3−イミダゾリジネジオン(例えば、DMDM Hydantoin,GLYDANT商標登録,Lonza,Fairlawn,NJ,USA.)、メチルクロロイソチアゾリノンおよびメチルイソチアゾリノン(例えば、Kathon商標登録,Rohm&Haas Co.,Philadelphia,PA,USA)、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェノキシエタノール、およびナトリウムベンゾエート、およびそれらの混合物を挙げることができる。
【0085】
本発明の化粧品用組成物は、化粧品において通常用いられているいかなる原料も含有していてもよい。そのような原料の例は、特に限定はされないが、緩衝剤類、香料成分類、キレート剤類、着色剤類、または、材料自身またはケラチンに色付けする染料類、抑制剤類、柔軟剤類、泡拮抗剤類、泡安定剤類、紫外線防止剤類および解こう剤類等を挙げることができる。
【0086】
二酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、カルシウムカーボネートまたはカオリンのような顔料類の表面は、本明細書に記載の非置換第4級アンモニウム化合物類で処理することができ、本発明の化粧品用組成物の中に使用される。処理された顔料は、日焼け止め活性としてより効果的であり、メークアップやマスカラのような色を用いる化粧品に使用可能である。
【0087】
本発明の化粧品用組成物は、様々な形状を取ることができる。例えば、特に限定はされないが、溶液、液体、クリーム、乳液、分散、ジェル、増粘液を挙げることができる。
【0088】
本発明の化粧品用組成物は、水を含んでいてもよく、化粧品に適したものであればいかなる溶媒も含んでいてもよい。そのような溶媒の例は、特に限定はされないが、1〜8炭素原子を含有するアルカノール類(エタノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、およびフェニルエチルアルコール)、のようなモノアルコール類、アルキレングリコール類(グリセリン、エチレングリコール、およびプロピレングリコール)のようなポリアルコール類、およびモノ−、ジ−およびトリ−エチレングリコールモノアルキルエーテルのようなグリコールエーテル類、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルおよびジエチレングリコールモノメチルエーテルを挙げることができ、単独でも混合して用いてもよい。それらの溶媒は、重量で70%までの比率であり、例えば、全化合物の重量に対して重量で0.1〜70%であることが好ましい。
【0089】
本発明の化粧品用組成物は、噴霧器として梱包されることもでき、その場合、エアロゾルスプレー状、またはエアロゾルフォームの泡状のいずれに適用されてもよい。これらのエアロゾルにおける推進ガスには、ジメチルエーテル、カルボンジオキサイド、窒素、ニトラウスオキシド、空気およびブタン、イソブタン、およびプロパンのような揮発性ヒドロカルボン類等を使用することができる。
【0090】
本発明の化粧品用組成物は、アルミニウムクロロヒドレート、アルカリ金属のような電解質、例えば、ナトリウム、カリウムまたはリチウム塩、これらの塩の塩化物または臭化物のようなハロゲン化物、およびスルフェート、または有機酸類を含有する塩、アセテート類またはラクテート類のような、およびアルカリ土類金属塩、好ましくは、カルボネート類、シリケート類、ニトレート類、アセテート類、グルコネート類、パントテネート類、およびカルシウム、マグネシウムおよびストロンチウムのラクテートを挙げることができる。
【0091】
肌を処理する組成物は、ローション類、手/体用のクリーム類、髭剃り用ジェル類または髭剃り用クリーム類、体用洗浄剤類、日焼け止め剤類、液状の石鹸類、デオドラント類、アンチ−ペルスピラント(perspirants)、サンタンローション類、日焼け後のジェル類、バブルバス類、手または機械用の食器用洗剤類等のつけたまままたは水で洗い流せるタイプのケアー製品を挙げることができる。上記高分子に加えて、スキンケアー組成物は、スキンケアー製剤において一般的に使用されている成分を含有してもよい。そのような成分は、例えば、(a)湿潤剤類、(b)鉱油または鉱物油、(c)脂肪アルコール類、(d)脂肪エステル柔軟化粧水類、(e)シリコン油類、またはシリコン流体類、および(f)防腐剤類である。これらの成分は、一般的に、人間の皮膚に対して安全でなけらばならず、本発明における他の成分と相溶性がなければならない。これらの成分の選択は一般的に、従来技術によるものである。スキンケアー組成物は、他の従来の添加物を化粧品のスキンケアー製品中に含有していてもよい。そのような添加物は、エステティックなエンハンサー類、香料油類、染料類およびメンソールのような薬剤類等を挙げることができる。
【0092】
本発明におけるスキンケアー組成物は、水中油型または油中水型の乳液、3重乳液、または分散液のいずれかの状態で生成される。
【0093】
水中油型の乳液は、水溶性成分、例えば、非置換第4級アンモニウム化合物、保湿剤、水溶性防腐剤等の水性混合物を初期に形成し、不溶性成分を後に添加することによって生成される。前記不溶性成分は、乳化剤、水不溶性防腐剤、鉱油または鉱物油成分、脂肪アルコール成分、脂肪エステル成分、およびシリコン油成分を挙げることができる。混合エネルギーの付加は、高く、そしてスムースアピアランス(乳液中に比較的小さなミセルが存在することを示唆すること)を有する油中水型乳液を形成するのに充分な時間保持するであろう。一般的に、好ましい分散液は、水溶性成分の水性混合物を形成することによって生成され、水不溶性物質を混濁するのための力を持つ増粘剤の付加により補われるものである。
【0094】
髪を処理する組成物は、バブルバス類、石鹸類、および油類のようなお風呂用調合剤類、シャンプー類、コンディショナー類、ヘアーブリーチ類、髪染め用防腐剤類、一時的および永久的髪染め剤類、カラーコンディショナー類、脱色剤類、髪染めおよび非髪染め用のリンス類、毛髪染料類、髪用のウェーブセット剤類、パーマのウェーブ剤類、カール剤、髪をストレートにする製剤類、髪の仕上げを補助する製剤類、髪用のトニック類、髪を飾るおよび酸化剤類を挙げることができる。分散ポリマーは、ジェル類、ムース類、スプリッツァー類、スタイリングクリーム類、スタイリングワックス類、ポマード類、バーム類等のようなスタイリングタイプでつけたままにする製品に利用されてもよく、また、単独で用いても、清潔で、自然、べとつき感がないように管理し、髪の管理可能性を得るために、他の高分子または構成剤と組み合わせて用いてもよい。
【0095】
本発明の髪のケアー組成物は、つるつるした感触を与え、分散ポリマー、揮発性のシリコン類、他の高分子、界面活性剤類、または、髪の表面上に付着した物質を修正する他の化合物の存在ゆえに髪から容易に洗い流すことが可能なものである。
【0096】
髪を洗うためのシャンプー、または液状のハンドソープ、または、肌を洗うためのシャワージェルのような洗浄剤の場合、組成物は、陰イオン性、陽イオン性、非イオン性、両性イオン(zwitterionic)または両性(amphoteric)の表面活性剤類を、一般的には、重量で約3〜約50%、中でも、約3〜約20%の量で含有し、さらにpHは一般的に約3〜約10の範囲内である。
【0097】
本発明におけるシャンプーは、両性イオン(zwitterionic)および/または両性(amphoteric)の界面活性剤類を有する陰イオン性の界面活性剤類の組合せを含有していることが好ましい。特に、好ましいシャンプーは、約0〜約16%の活性アルキルスルフェート類、約0〜約50重量%のエトキシ化されたアルキルスルフェート類、および約0〜約50重量%であり、非イオン性、両性(amphoteric)、両性イオン(zwitterionic)の表面活性剤類から選択された選択的表面活性剤類、少なくとも5重量%のアルキルスルフェート、エトキシ化されたアルキルスルフェート、またはそれらの混合物のいずれか、および総界面活性剤の量が約10重量〜約25%となるように含有することが好ましい。
【0098】
洗髪に用いるシャンプーは、シリコン類、および、シャンプーに従来から使用される調整高分子類のようなコンディショニング添加物を含有させることもできる。米国特許第5,573,709号に、シャンプーに使用可能な非揮発性シリコンコンディショニング剤が挙げてある。本発明に使用可能な調整高分子は、Cosmetic Toiletries and Fragrance Associations(CTFA)dictionaryに記載されている。具体的には、ポリクオアタニウム(例えば、ポリクオタニウム−1からポリクオタニウム−50まで)、グアールヒドロキシプロピルトリモニウムクロライド、スターチヒドロキシプロピルトリモニウムクロライドおよびポリメタクリルアミドプロピルトリモニウムクロライドである。
【0099】
その他、具体的には、シャンプーの前後に主に使用されるリンスローションの中に含有されているものがある。典型的なそれらのローション類としては、水性または水性アルコール溶液、乳液、増粘化されたローション類またはジェル類である。もし、組成物が、乳液の状態で存在するならば、非イオン性、陰イオン性または陽イオン性とすることができる。非イオン性の乳液は、主に、油および/またはポリオキシエチレン化されたアルコール、例えば、ポリオキシエチレン化されたステアリルまたはセチル/ステアリルアルコールを含有する脂肪アルコールからなり、および陽イオン性界面活性剤をそれらの化合物に含有させることができる。陰イオン性乳液は、基本的に石鹸から形成されている。
【0100】
もし、化合物が、増粘ローションまたはゲルの形で存在しているならば、それらは、溶媒の有無に関わらず、増粘剤を含有している。使用可能な増粘剤は、特に、樹脂、B.f Goodrichから入手可能なアクリル酸増粘剤;キサンタンガム類;ナトリウムアルギネートガム類;アラビアガム;セルロース派生物およびポリ(エチレンオキシド)ベースの増粘剤であり、ポリエチレングリコールステアレートまたはジステアレートを混合することによってまたは硫酸エステルおよびアミドを混合することによって増粘性を得ることも可能である。増粘剤の濃度は、一般的には、重量で0.05〜15%である。もし、組成物が、スタイリングローション、シェイピングローション、またはセットローションの形で存在しているならば、水性、アルコール性または水性アルコール溶媒の中に、上述した両性(ampholyte)高分子を含有している。
【0101】
髪の固定剤の場合、組成物は、一以上の付加的な髪用固定剤高分子を含有していてもよい。使用した際には、付加的な髪用固定剤高分子は、重量で、総量が約0.25〜約10%となるように存在する。付加的髪用の固定剤樹脂は、使用する分散ポリマーに対して相溶性を有する限り、以下のグループから選択することができる。アクリルアミド共重合体、アクリルアミド/ナトリウムアクリレート共重合体、アクリレート/アンモニウムメタクリレート共重合体、一つのアクリレート共重合体、一つのアクリレート(acrylic/acrilate)共重合体、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミン共重合体、アジピン酸/エポキシプロピルジエチレントリアミン共重合体、アリルステアレート/VA共重合体、アミノエチルアクリレートホスフェート/アクリレート共重合体、一つのアンモニウムアクリレート共重合体、一つのアンモニウムビニルアセテート/アクリレート共重合体、一つのAMPアクリレート/ジアセトンアクリルアミド共重合体、AMPDアクリレート/ジアセトンアクリルアミド共重合体、エチレンのブチルエステル/マレインアンヒドライド共重合体、PVMのブチルエステル/MA共重合体、カルシウム/ナトリウムPVM/MA共重合体、コーンスターチ/アクリルアミド/ナトリウムアクリレート共重合体、ジエチレングリコールアミン/エピクロロヒドリン/ピペラジン−共重合体、ドデカンジオイン酸/セテアリルアルコール/グリコール共重合体、PVMのエチルエステル/MA共重合体、PVMのイソプロピルエステル/MA共重合体、カラヤガム、一つのメタクリロイルエチルベタイン/メタクリレート共重合体、一つのオクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレート共重合体、一つのオクチルアクリルアミド/アクリレート共重合体、フタル酸のアンヒドライド/グリセリン/グリシジルデカノエート共重合体、一つのフタル酸/トリメリット酸/グリコール共重合体、ポリアクリルアミド、ポリアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチルアクリレート、ポリエチレン、ポリカテルニウム−1、ポリカテルニウム−2、ポリカテルニウム−4、ポリカテルニウム−5、ポリカテルニウム−6、ポリカテルニウム−7、ポリカテルニウム−8、ポリカテルニウム−9、ポリカテルニウム−10、ポリカテルニウム−11、ポリカテルニウム−12、ポリカテルニウム−13、ポリカテルニウム−14、ポリカテルニウム−15、ポリカテルニウム−39、ポリカテルニウム−47、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチラル、ポリビニルイミダゾリムニウムアセテート、ポリビニルメチルエーテル、PVM/MA共重合体、PVP、PVP/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、PVP/アイコシン共重合体、PVP/エチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、PVP/ヘキサドシン共重合体、PVP/VA共重合体、PVP/ビニルアセテート/イタコン酸共重合体、セラックニス、ナトリウムアクリレート共重合体、ナトリウムアクリレート/アクリルニトロゲン共重合体、ナトリウムアクリレート/ビニルアルコール共重合体、ナトリウムカラギーナン、スターチジエチルアミノエチルエーテル、ステアリルビニルエーテル/マレイン酸アンヒドライド共重合体、スクロースベンゾエート/スクロースアセテートイソブチレート/ブチルベンジルフタレート共重合体、スクロースベンゾエート/スクロースアセテートイソブチレート/ブチルベンジルフタレート/メチルメタクリレート共重合体、スクロースベンゾエート/スクロースアセテートイソブチレート共重合体、ビニルアセテート/クロトネート共重合体、ビニルアセテート/クロトン酸共重合体、ビニルアセテート/クロトン酸/メタクリルオキシベンゾフェノン−1共重合体、ビニルアセテート/クロトン酸/ビニルネオデカンエート共重合体、およびそれらの混合物を挙げることができる。
創作的なスタイリング目的で使用される合成高分子は、本明細書において参考文献として挙げられる “The History of Polymers in Haircare” Cosmetics and Toiletries 103(1988)に記載されている。本発明に使用してもよい他の合成ポリマーは、本明細書で参考文献として挙げられているCTFA Dictionary Fifth Edition 2000に記載されている。
【0102】
もし、本発明の組成物が、ケラチン繊維および特定の人間の髪を染める際、使用されるのであれば、一般的には、本発明の組成物は、少なくとも一つの酸化染料剤の前駆体および/または一つの直接的な染料剤を、非置換第4級アンモニウム化合物の他に含有している。それらは、この種の組成物には通常使用されるいかなる他の補助剤を含有していてもよい。
【0103】
染料の組成物のpHは、代表的には、7〜11であり、アルカリ化するものを加えることにより、所望の値に調整することが可能である。
【0104】
本発明の組成物は、髪をウェーブさせたりまたはストレートにしたりするのにも用いることができる。この場合、一般的に、組成物は、それらの非置換第4級アンモニウム化合物に加えて、一以上の還元剤を含有しており、適切な場合、他の補助剤は、通常、この種の組成物に使用されるものであり、そのような組成物は、中和組成物と共に使用する。
【0105】
上述したことは、以下の実施例を参照することによりより深く理解することができ、実施例は、本発明の説明をするために挙げたものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0106】
実施例1
皮膜形成および保持角(Hold angle)
皮膜形成および保持角を、以下のプロトコルを使用する本発明の代表的な化合物に対して測定する。その結果を表2に示す。
【0107】
1.本発明の分散ポリマーを、脱イオン水に加え、一時間攪拌し、または、完全に解けるまで攪拌した。
【0108】
2.束状の髪を、100mlの脱イオン水の中に5秒間漬け、髪を完全にぬらす。
【0109】
3.手袋を用い、指で、髪に残っている水を搾る。
【0110】
4.髪の毛を次に、ペーパータオルが湿るまで一度拭き取る。
【0111】
5.試験物質の約0.5gを髪の上から塗布する。
【0112】
6.髪を垂直の状態に保ち、髪の表面を物質で覆うように下へと20回、各々の束状の髪をなでる。
【0113】
7.Sally 220010の歯が小さい櫛を用い、髪の表面から、物質を取り払い、さらに、覆うように余分な物質を髪の表面になでつける。櫛で、髪をいくつかに分ける。
【0114】
8.髪の毛を髪用のドライヤーを用い低で、2インチほど離して、あらゆる方向から、100℃で15分間内側、上から下から乾かす。
【0115】
9.髪のごわごわ感および皮膜形成を手触りで評価する。サンプルは、1〜5(1は、低い皮膜形成でごわごわしている。5は、高い皮膜形成を有し、非常にごわごわしている。)で評価した。サンプルについて3度実施した。
【0116】
10.髪を水平に保ち、角度を計測する。ごわごわ感は、最も角度が小さい1から最も大きい4までで評価される。より高いランクは、よりよい保持角度になったことを示す。
【0117】
【表2】

【0118】
上記表2から、例B、CおよびDの分散ポリマーは、例Aの水の場合と比較して優れたフィルム性と保持角を有することがわかる。
実施例2
カール保持力
カール保持力を下記のプロトクルを用いて本発明の代表的な化合物に対して計測する。より高いパーセントカール保持力は、より高い特性を示している。その結果を表3に示す。
【0119】
1.試験される各々の高分子のための5つのレプリカおよび比較として3つのサンプルを準備する。
【0120】
2.束状の髪の毛に0.5%活性高分子を0.5gつけ、覆うように25回なでる。
【0121】
3.Sallyスタイリング櫛の広がった先端で、5回梳かしほぐす。
【0122】
4.ヘアーコンバインスタンドに設置された留め金で髪を留める。
【0123】
5.髪の先を、ローラー(直径1.7cm)の真中に置き、髪を巻き上げてゆき、ローラの真中で髪を留める。
【0124】
6.完全に巻き終わった後、髪の全セットを、両側の100℃の低のブロードライヤーの元に15分間置いた。
【0125】
7.500gの脱イオン水/170gのナトリウム亜硫酸塩を2つのガラス製の皿に各々入れたものをチャンバー内に設置することにより、湿度を85および90%の間に調整する。前記チャンバーをつりあわせる。
【0126】
8.ローラを髪の毛から一個一個取り外す。カールはほどけ、螺旋状の配置となった。
【0127】
9.全部の髪の毛の初期の長さt=0(初期長=Lo)を記録する。
【0128】
10.湿ったチャンバー内にカールした髪をおき、時間を15分にセットする。
【0129】
11.各々の髪の長さ(Lt)(留め金の下からカールの先まで)を15分間隔で2時間測定する)。注:次のタイミングは、最初の髪を計測した時から始める。
【0130】
12.カール保持力は、下記の式を用いて計測する。
%カール保持力=(L−Lt)/(L−Lo)×100
L=髪の長さ、Lt=時間tにおける髪の長さ、Lo=時間0における髪の長さ
【0131】
【表3】

【0132】
表3に示すように、組成物B、CおよびDの高分子におけるカール保持力は、例Aに示す水の場合と比較して優れていることが示唆される。
実施例3
陰イオン性の界面活性剤シャンプー組成物
代表的な分散ポリマーを含有する陰イオン性の界面活性剤シャンプー組成物は、以下に示すようにして生成した。
【0133】
所定量の脱イオン水をビーカーに入れ、約70℃まで温める。ジナトリウムラウレス−3スルホスシネート、アンモニウムラウリルスルフェートおよびココ−グルコシドを加え混合する。PEG−120メチルグルコースジオリエートを別に溶かし、全体に加える。パラベンおよびココ−ベタインを混合し、溶けるまで70℃に温め、全体に加える。香料をポリソルベート−20と結合させ、30℃よりも低い温度で加える。シャンプーのpHを6.0に調整し、必要であればクエン酸を加える。薄めた分散ポリマーおよび脱イオン水を含有する別の器を上記混合物に混合し、均一になるまで攪拌する。シャンプー組成物は下記表4に特徴付けられている。
【0134】
【表4】

【0135】
実施例4
シャンプーの粘性
実施例3により生成されたシャンプー組成物の粘性は、スピンドル3を用い、Brookfield RV-DV I+により、速度20で60秒で計測した。その結果を下記表5に示す。
【0136】
【表5】

【0137】
表5に示すように、シャンプーは、少なくとも3000センチポイズの好適な粘性を分散ポリマーで得ることができる。
実施例5
泡性能
きめ細かい泡を形成するためのシャンプーの特性は製品パフォーマンスとして非常に重要であり、分散ポリマーの有無のいくつかのシャンプー製剤における泡の特性を計測するためのテストを実施した。テストプロトクルは下記に示すとおりである。このテストは、Hart DeGeorge Testを僅かに改良した。
【0138】
1.200mLの試験用溶媒(重量で18%)をワーリングブレンダー(Waring blender)に加え、きつく覆い、高速で60秒間作動した。
【0139】
2.ブレンダーを止めた後、形成された溶媒を即座に、20メッシュのこしき上に置かれたジョウゴにいれる。ストップウォッチを注ぎ始めから即座にスタートさせる。カップをジョウゴ上に15秒間反対に置き(60度で)そして取り除く。
【0140】
3.泡を注意深く観察する。ジョウゴ内のワイヤーの金属がはっきりと見えたら、水抜き時間を秒で記録する。
【0141】
4.装置を、タップおよび脱イオン水で洗い流し、60秒間水抜きを行う。
【0142】
5.上記試験を3度行い、その結果の平均をとる。
【0143】
6.水抜き時間を秒で記録する。
【0144】
【表6】

【0145】
表6に示すように、泡の水抜き時間は、高分子により影響を受けないが、泡は、分散ポリマーが含有されていないコントロールと比較してよりクリーミー(豊か、濃厚)であると、3人のパネリストが認めている。
実施例6
水含有シリコン油乳液
表7に示す代表的な分散ポリマーを含有する水含有シリコン油乳液は、油層および塩と分散ポリマーを有する水層を分けて混合することにより生成される。水層を油層に入れて、高乱気流メカニカルブレードミキサーを用い高速(900ft/秒)にセットして、強力に30分以上かき混ぜる。
【0146】
【表7】

【0147】
実施例7
濡れた状態で梳いた評価
上記実施例6の水含有シリコン油乳液で処理した髪の毛の濡れた状態での梳き易さを後述する内容で評価した。結果を表8に示す。
【0148】
1.1−gサンプル、International Hair Importersから未処理の6インチの長さの髪を準備する。
【0149】
2.分散ポリマー1gを髪に塗布する。どの束状の髪も、25回撫で付け覆う。
【0150】
3.各々の束状の髪をSallyスタイリング櫛の広がった先端でとかし、ほすれをほぐす。
【0151】
4.各々の髪を30秒43℃の水で洗い流す。
【0152】
5.余分な水を手で取り除く
6.パネルをランダムにする。
【0153】
7.パネリストが束状の髪をとかし、強度により評価する(1=支障がない、とかすのが容易、5=支障がありおよび引張り、とかすのが大変)。
【0154】
【表8】

【0155】
表8に示すように、組成物L(実施例6)は髪を良好に整え、未処理の髪と比較して容易にとかすことが可能である。
実施例8
肌への水含有シリコン油乳液の塗布
実施例7の水含有シリコン油乳液の1gを塗布して、肌に染み込ませた。スキンローションにシルクのようなおよびスベスベ感を与え、肌が水に触れた際における撥水性を与えた。
実施例9
代表的な分散ポリマーを含有する髪染め組成物
いくつかの金褐色用市販の髪染め剤を用い、髪を脱色する際の分散ポリマーの働きを確かめた。組成物MおよびNは、2−パートシステムの過酸化物剤の中に代表的な分散ポリマーが含有されたパーマネント用髪染め剤である。
【0156】
カラーシステム1(Color System 1):パート1は、水、MEA−オリエート、イソプロピルアルコール、エタノールアミン、PEG−2コカミン、ラウルアミドMEA、ナトリウムラウレススルフェート、カリウムココイルヒドロライズコラーゲン、小麦アミノ酸、Hypnea Musciformis抽出物、Gellidiela Acerosa 抽出物、Sargasum Filipendula抽出物、ソルビトール、Meadowfoam種油、オレイルアルコール、ポリクアテルニウム−28、ラネス−5、ナトリウムベンゾトリアゾリルブチルフェノールスルホネート、ブテス−3、トリブチルシトレート、ナトリウムスルファイト、エルソルブ酸、テトラナトリウムEDTA、香料、p−フェニリンジアミン、2−メチルレゾシノール、p−アミノフェノール、レソシノール、フェニルメチルピラゾロン、4−アミノ−2−ヒドロキシトルエンを含有する。
【0157】
パート2は、水、ヒドロゲンペロキシド、および0.5%高分子固体 90%AcAm/10モル%DMAEA・BCQ(組成物M)の有無の硫酸を含有する。
【0158】
2番目の髪染め用染料システムも実験する。パート1:水、トリデセス−2カルボズアミドMEA、ブトキシジグリコール、プロピレングリコール、PEG−2獣脂アミン、変性アルコール、オレイルアルコール、ポリグリセリル−2オレイルエーテル、アンモニウムヒドロキシド、オレイ酸、ナトリウムジエチルアミノプロピルココアスパルトアミド、4−アミノ−2−ヒドロキシトルエン、ペンタナトリウムペントテート、香料、アンモニウムアセテート、ナトリウムメタビスルファイト、エリソルブ酸、p−フェニレンジアミン、p−アミノフェール、2−メチル−5−ヒドロキシエチルアミノフェノール、フェニルメチルプラゾール、レゾルシノール6およびヒドロキシインドールを含有する。
【0159】
パート2は、水、ヒドロゲンペロキシドおよび、0.5%高分子固体 90%AcAm/10%DMAEA・BCQ(組成物N)の有無の硫酸を含有する。
【0160】
同量のパート1およびパート2を混合し、1gof染料を約2gブリーチされた髪に塗布し、カラーブラシでブラッシングする。工程は、室温(23℃)で30分間行った。各々の髪も43℃のタップ水で洗い染料を取り除いた。
【0161】
どの場合も、分散ポリマーを含有した製品のつるつる度(application slip)は高められ、ブラッシングおよび髪表面の染料の広がりを容易とした。エスティクスを洗い流すと、よりつやつやであった。分散ポリマー(組成物MおよびN)を含有する髪用染料で処理された3つの髪は、金褐色の色に悪影響を与えず、または得られた特定の髪の色に影響がなかった。
実施例10
代表的な分散ポリマーを含有するシリコンシャンプー
濃厚な泡を形成することが可能なシャンプーは、潤滑性および滑らかさといった感触と関わりがある。いくつかのシリコンシャンプーは、本発明の代表的な分散ポリマーを含有している。
【0162】
組成物Oは、下記の成分を含有する市販されているシャンプーであり、水、ナトリウムラウレススルフェート、コカミドプロピルベタイン、ジメチコノール、シルクプロテイン、塩化ナトリウム、香料、プロピレングリコール、カルボマー、雲母、PPG−9、グアールヒドロキシプロピルトリモニウムクロライド、テトラナトリウムEDTA、DMDMヒダントイン、TEA−ドデシルベンゼンスルホネート、メテナミン、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノンおよびチタニウムジオキシドを様々な量の分散ポリマーとともに含有する。組成物Oの滑らかな感触は、0.1重量%の本発明の陰イオン性分散ポリマー(30モル%アクリル酸/70モル%アシルアミド、25%、RSV30)を加えたことにより改善された。
化合物PおよびQの生成
ポリクアテルニウム−47溶液および所定量の水を混合する。別のビーカーに、シリコンおよびアンモニウムラウリルスルフェートを混合し、均一になるまでホモジナイズする。上記ポリクアテルニウム−47溶液にシリコン/界面活性剤混合物を加え、65℃まで加熱する。ステアリン酸、ジナトリウムEDTA、コカミドMEAおよびエチレングリコールジステアレートを順番に加え混合する。界面活性剤ベースを冷やしpHを約6.5に調製する。メチルジブロモグルタロニトリル(および)フェノキシエタノールを全体が30℃になった後に加える。例えば、Qは、分散ポリマー溶液がベースに加えられている。
組成物R、SおよびTの生成
本発明の分散ポリマーおよび所定量の水を混合する。別のビーカーに、脱イオン水およびアンモニウムラウリルスルフェートを均一になるまで混合する。90°程度まで加熱したら、コカミドMEAを全体に加え混合する。温度は、30分間一定に保持する。界面活性剤ベースは冷やしpHを約6.5に調製する。メチルジブロモグルタロニトリル(および)フェノキシエタノールおよびジナトリウムEDTAを30℃で加える。ジメチコーン乳液を加え混合する。組成物SおよびTには、分散ポリマー溶液がベースに加えられる。
【0163】
シャンプー組成物は、表9に示している。表9において、組成物Q、SおよびTは、本発明の代表的な分散ポリマーを含有している組成物である。組成物PおよびRは、ポリマーを含有していないコントロールシリコンシャンプーである。
【0164】
分散ポリマーを含有するシャンプー組成物は、塗布することにより滑らかでクリーミーな感触を得ることができる。
【0165】
【表9】

【0166】
実施例11
泡のテストの潤滑性およびクリーミーさ
感覚パネルは、以下に示すようにして泡の潤滑性およびクリーミーさについてテストを実施した。1gのシャンプーでブリーチした髪2gを30秒間洗髪した後、43℃のタップ水で10秒間洗い流した。パネリストの見解は、製剤中に分散ポリマーが含有されているものが、より豊潤でよりクリーミーな泡である。
【0167】
【表10】

【0168】
質的なパネリストの結果をまとめた表10から見られるように、分散ポリマーは、ポリクアテルニウム−47(組成物Q)またはグアール(組成物O)のような他の高分子を加えた場合でさえ、シリコン含有シャンプーの特性を向上させている。
実施例12
つけたまままたは洗い流すコンディショナーまたはスタイリングクリーム
代表的な分散ポリマーを含有するつけたまままたは洗い流すコンディショナーおよびスタイリングクリーム組成物を表11に示す。前記組成物は、脱イオン水に増粘剤を加え混合することにより生成する。所定量の水を本発明の分散ポリマーに混合し、全体に加える。揮発性シリコンを加える。ポリビニルピロリドンを例Wに加える。
【0169】
【表11】

【0170】
組成物U、VおよびWに見ることができるように、分散ポリマーは、つけたまままたは洗い流すタイプのどちらのコンディショナーおよびスタイリングクリームの製造に適している。分散ポリマーは、コンディショニング力、潤いを与えるか、または、分散ポリマーの構造に依存する保持力を得るかにより選択することができる。髪の材料見本は、1gの組成物U、VまたはWで処理し、洗い流すか、または髪につけたままにする。全ての場合において、組成物U、VおよびWのいずれも、未処理でわずかにブリーチされた髪と比較して濡れた状態でのときやすさが向上する。
実施例13
コンディショニング組成物
代表的な分散ポリマーを含有するコンディショニング組成物を表12に示す。組成物は、下記の手順により生成する。ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシエチルエチルセルロースを脱イオン水に溶解させる。pHはクエン酸で調整する。水を加熱し、ステアルアミドプロピルジメチルアミンを全体の中に入れ溶かす。いったん均一になったら、脂肪アルコールおよび第4級の物質を加える。約80℃の温度に30分間保つ。冷ましたら、テトラナトリウムEDTAを加える。防腐剤およびシクロペンタシロキサンを約40℃の温度でまたは40℃以下の温度で加える。
【0171】
【表12】

【0172】
例YおよびZに見られるように、分散ポリマーは、つけたまままたは洗い流すタイプのコンディショナーの製造に有用である。一般的に、分散ポリマーは、分散ポリマーの構造に依存する軽いかまたはより重い状態および保湿のいずれを得るかで選択することができる。第4級およびシリコンタイプの脂肪アルコールかを変えることにより、異なる髪のタイプである軽さまたはしなやかさの状態のどちらかを得ることができる。
【0173】
髪の材料見本を1gの組成物X、YおよびZで処理し、洗い流すまたはつけたままのいずれかにする。どの場合においても、組成物X、YおよびZのいずれも、分散ポリマーを付加したことにより滑らかさが向上し、未処理で僅かにブリーチした髪と比較して、乾燥した感触および髪自体を向上させた。プラスチックの櫛で10回梳かした後、コンディショナーで処理した髪は、未処理でブリーチされた髪よりも静電気が生じにくかった。
実施例14
髭そり用ジェル/クリーム
一般的な髭そり用の製品は、成功するためにいくつかの前向きな特性を有する必要がある。それらは、容易に肌の表面に広がり、高い滑らか性を有し、肌の引っかきおよび切り傷の発生を防止するため、かみそりのすべり性を良くしなければなず、豊かでクリーミーな泡を有し、髭剃り中および/または後の肌の感触を向上させ、肌の乾燥を防止するものでなければならない。
【0174】
代表的な分散ポリマーが含有されているまたは含有されていない髭そり用ジェル組成物は表13に示す。上記組成物は下記のようにして生成した。
【0175】
脱イオン水およびヒドロキシプロピルメチルセルロースを均一になるまで混合する。溶液は、pHを約8.5に調整し、約80℃まで加熱する。油性の成分を、ポリソルベート−60とともにそっと加える。防腐剤を約40℃以下の温度で加える。組成物BB、CC、DD、EEおよびFFに、別に水に分散ポリマーを混合したものに加え、そして最後に全体にあわせる
【0176】
【表13】

【0177】
代表的な分散ポリマーを含有する髭そり用ジェル組成物BB、CC、EEおよびFFは、コントロールの組成物AAよりも滑らかであった。RSVが11.8の高分子を含有する組成物FFは、最も滑らかな感触を有し、例DDおよびEE(より低いRSV値を有する高分子を含有する)より肌から洗い流す時間が長くかかった。しかしながら、分散ポリマーを有する全てのサンプルで、肌への広がりが容易であり、かみそりのすべりを良くし、良好な潤い感および泡の質を向上させることができた。
実施例15
分散ポリマーのUV吸光度
本発明の高分子は、紫外線を防止するために使用することが可能である。DMAEMA・BCQ、およびDMAEMA・BCQ/DMAEMA・MCQまたは他の本発明で記載したモノマーを含有するいかなる高分子も、約210nm〜約330nmの波長を有する紫外線を吸収することができ、紫外線によるダメージから肌および髪を保護することができる。
実施例16
ヘアーボディファイアー(Hair Bodifier)および髪の毛のストレート剤
本発明の高分子は、髪の調子を整えるためにも使用することができ、さらに、過剰な処理から髪を保護するためにも役立つものである。代表的な分散ポリマーを含有するヘアーボディファイアー(Hair Bodifier)および髪の毛のストレート剤は表15に示す。
【0178】
組成物GGおよびHHは、下記のようにして生成する。
【0179】
ケラント(chelant)を脱イオン水に加える。ナトリウムおよびアンモニウムスルフェートを混合し、上記ケラント溶液に加えた。アンモニウムチオグリコレートを加え、pHを約8に調整した。別個に、分散ポリマーの溶液を所定量の水に溶かし、全体に加えた。
【0180】
【表14】

【0181】
実施例17
ヒドロゲンペロキシドボディファイアー(Hydrogen Peroxide Bodifier)および酸化剤
本発明の分散ポリマーは、ジスルフィド結合の酸化による、ヘアーボディフィケイション(Hair Bodification)のためのヒドロゲンペロキシド溶液の粘性を高めるために使用することも可能である。これらの溶液は、中和剤中に用いることにより、パーマまたはストレートパーマからシステイン結合が減少するように形成することができる。代表的な分散ポリマーを含有するヒドロゲンペロキシドボディファイアー(bodifier)および酸化剤組成物は表16に示している。
【0182】
組成物は、水に分散ポリマーを溶解させ、そしてヒドロゲンペロキシドを加えることにより生成される。pHは、3.0でペロキシドを安定させるためにリン酸を用いて調整する。
【0183】
【表15】

【0184】
実施例18
カール保持性
カール保持性は、下記のプロトクルにより本発明の代表的な組成物を計測する。
【0185】
1.1.5gの高分子組成物を髪の表面に付ける。
【0186】
2.髪の毛を梳かすスタンドに設置された留め金で留める。
【0187】
3.髪の先を、ローラー(直径1.7cm)の中央に置き、巻き上げ、ローラーの中央で留める。
【0188】
4.ローリングが終了したのち、5分間100℃以下の温度の下で、低のドライヤーに曝す。
【0189】
5.50%相対湿度、25℃で3時間髪の釣り合いをとる。
【0190】
6.ローラーを髪から一個一個取り外し、カールが解け、螺旋状態の配置となった。
【0191】
カール保持力は、DiaStron Miniature Tensile Tester(MTT170/670)に習い、髪の処理剤またはセッティングジェルにカールした髪を曝した場合のごわつきを計測した。髪のカールを、2つのクリップの間に保持し、カール圧縮プレートを、上記MTT170/670に記載された方法のようにカールと接触するように設計した。プロトクルを実施し、複数サイクル間でのカール保持を観察する。セッティングは、:
カール直径(mm):25
カール保持力(%):15
保持時間(sec):2
割合(mm/min):10
最高力(gmf):300
基準力(gmf):1
代表的な高分子化合物は、表17に示している。その結果は、表18にまとめた。
【0192】
【表16】

【0193】
【表17】

【0194】
上記データから見られるように、本発明の分散ポリマーは、髪をセットする際の製剤として利用することが可能である。RSVおよび化学性は、保持力を変えるために変化させることができる。組成物MMおよびOOは、最後に圧縮した後に近い結果を出しており、一方、組成物KKおよびLLは、圧縮のために極めて低い力を必要とする。組成物NNは、実施した分散ポリマーの中で、最も大きい圧縮力を与える。
【0195】
なお、この技術に精通した者には、ここに記載された好ましい態様への、様々な変更や改良が明白であろう。それらの変更や改良は、本発明の精神や範囲を逸脱することなく、それに伴う利点を損なうことなくなされ得る。それゆえ、そのような変更や改良は添付の特許請求の範囲に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
髪の毛、肌および爪を処理するためのものであり、約10,000〜約50,000,000g/molの平均分子量を有する陽イオン性、陰イオン性または非イオン性の高分子の水性塩溶液で安定に分散したものを、高分子固体で、約0.001〜約25重量%含有することを特徴とする化粧品用組成物。
【請求項2】
前記陽イオン性、陰イオン性または非イオン性の高分子の平均分子量が、約100,000〜約30,000,000g/molであることを特徴とする請求項1に記載の化粧品用組成物。
【請求項3】
水、糖質類、表面活性剤類、湿潤剤類、鉱油、鉱物油、脂肪アルコール類、脂肪エステル柔軟化粧水類、ワックス類およびシリコン含有ワックス類、シリコンオイル、シリコン流体、シリコン界面活性剤類、揮発性炭化水素オイル類、第4級窒素化合物類、アミン機能化シリコン類、調整高分子類、レオロジー修正剤類、酸化防止剤類、日焼け止め活性剤類、約C10からC22までのジ−ロング鎖アミン類、約C10からC22までの長連鎖脂肪アミン類、脂肪アルコール類、エトキシ化された脂肪アルコール類およびジ−テイルリン脂質類からなるグループから選択される一以上のふけい剤類をさらに含有することを特徴とする請求項1に記載の化粧品用組成物。
【請求項4】
シャンプー類、アフターシェーブ類、日焼け止め類、ハンドローション類、スキンクリーム類、液状石鹸類、固形石鹸類、お風呂用油性バー類、ひげそり用クリーム類、皿洗い用洗剤類、コンディショナー類、パーマネントウェーブ類、髪用リラクサー類、髪のブリーチ剤類、髪のもつれをほぐすローション、スタイリングジェル、スタイリンググレーズ類、スプレーフォーム類、スタイリングクリーム類、スタイリングワックス類、スタイリングローション類、ムース類、スプレージェル類、ポマード類、シャワージェル類、バブルバス類、髪染め用製剤類、一時的および永久的髪染め剤類、カラーコンディショナー類、脱色剤類、髪染めおよび非髪染め用のリンス類、毛髪染料類、髪用のウェーブセット剤類、パーマのウェーブ剤類、カール剤類、髪をストレートにする製剤類、髪の仕上げを補助する製剤類、髪用のトニック類、髪を飾るおよび酸化剤類、スプリッツァー類、スタイリングワックス類および香油類からなるグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の化粧品用組成物。
【請求項5】
陽イオン性、陰イオン性または非イオン性の高分子を、高分子固体で、0.01〜約5重量%で含有することを特徴とする請求項4に記載の化粧品用組成物。
【請求項6】
約5〜約95モル%のジアリルジメチルアンモニウムクロライドおよび約95〜約5モル%のアクリルアミドを含有する陽イオン性の共重合体の水性塩溶液中に、安定な分散物を含有しており、前記分散物は、RSVが約0.4〜約12dL/gであることを特徴とする請求項1に記載の化粧品用組成物。
【請求項7】
約5〜約90モル%のアクリルアミド、約5〜約90モル%のジメチルアミノエチルアクリレートベンジルクロライド第4級塩および約5〜約90モル%のジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロライド第4級塩を含有する陽イオン性3元重合体の水性塩溶液中に安定な分散物を含有しており、前記分散物は、RSVが約0.4〜約30dL/gであることを特徴とする請求項1に記載の化粧品用組成物。
【請求項8】
約5〜約95モル%のアクリルアミドおよび約5〜約95モル%のジメチルアミノエチルアクリレートベンジルクロライド第4級塩を含有する陽イオン性共重合体の水性塩溶液中に安定な分散物を含有しており、前記分散物は、RSVが約0.4〜約30dL/gであることを特徴とする請求項1の化粧品用組成物。
【請求項9】
約5〜約95モル%のアクリルアミドおよび約5〜約95モル%のジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロライド第4級塩を含有する陽イオン性の共重合体の水性塩溶液中に安定な分散物を含有しており、前記分散物は、RSVが約0.4〜約30dL/gであることを特徴とする請求項1に記載の化粧品用組成物。
【請求項10】
約5〜約95モル%のアクリルアミドおよび約5〜約95モル%の(メタ)アクリル酸またはそれらの塩を含有する陰イオン性の共重合体の水性塩溶液に安定な分散物を含有しており、前記分散物は、RSVが約0.4〜約40dL/gであることを特徴とする請求項1に記載の化粧品用組成物。
【請求項11】
約5〜約95モル%のアクリルアミドおよび約5〜約95モル%のビニルアセテートを含有する非イオン性の共重合体の水性塩溶液中に安定な分散物を含有しており、前記分散物は、RSVが約0.4〜約40dL/gであることを特徴とする請求項1に記載の化粧品用組成物。
【請求項12】
約20〜約90モル%のアクリルアミドおよび、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロライド第4級塩およびジメチルアミノエチルアクリレートベンジルクロライド第4級塩からなるグループから選択される一以上の陽イオン性モノマーを約80〜約10モル%含有する陽イオン性の高分子の水性塩溶液中に安定な分散物を含有しており、前記分散物は、RSVが約0.4〜約30dL/gであることを特徴とする請求項6に記載の化粧品用組成物。
【請求項13】
請求項1に記載の製薬用組成物を髪、肌または爪に塗布することを含む髪の毛、肌または爪を処理する方法。

【公開番号】特開2009−263373(P2009−263373A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−141578(P2009−141578)
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【分割の表示】特願2002−580890(P2002−580890)の分割
【原出願日】平成14年3月26日(2002.3.26)
【出願人】(503270032)ナルコ カンパニー (22)
【氏名又は名称原語表記】NALCO COMPANY
【住所又は居所原語表記】1601 W.Diehl Road,Naperville,IL 60563−1198,United States of America
【Fターム(参考)】