説明

分析装置および分析プログラム

【課題】分析物の種類(大分類)を細分化した小分類に対応する分析条件を用いて、分析物を分析することが可能な分析装置を提供する。
【解決手段】この分析装置は、複数の動物種の血液検体を分析可能な血液分析装置であって、血液検体に対応する所定の動物種(大分類)を選択するための動物種コンボボックス23と、所定の動物種に属するカテゴリ(小分類)を選択可能な状態に表示するカテゴリコンボボックス24と、表示されたカテゴリの中から選択された所定のカテゴリに対応する分析条件に基づいて血液検体の測定データの分析を実行する端末側制御部12とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析装置および分析プログラムに関し、特に、複数種類の分析物を分析可能な分析装置および分析プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数種類の分析物を分析可能な分析装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1に開示された分析装置では、血液検体(分析物)が由来する動物種に応じて測定データの分析条件を変更する自動分析システムを備えているとともに、この自動分析システムにより、入力した動物種に対応する分析条件を用いて血液検体の測定データの分析を行うようにしている。ところで、研究分野においては、動物種をさらに細分化した小分類に分類するとともに、各小分類に対応する分析条件を用いて血液検体の測定データを分析したいという要望がある。たとえば、ラットという動物種をさらに分類して、健康なラット、Aという疾患を持ったラット、およびBという疾患を持ったラットなどの小分類に分類するとともに、各小分類に対応する分析条件を用いて血液検体の測定データを分析したいという要望がある。
【特許文献1】米国特許6,391,263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示された分析装置では、入力した動物種(大分類)に対応する分析条件を用いて血液検体の測定データの分析を行うようにしているので、動物種を細分化した小分類に対応する分析条件を用いて血液検体の測定データを分析するのが困難であるという問題点がある。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、分析物の種類(大分類)を細分化した小分類に対応する分析条件を用いて、分析物の測定データを分析することが可能な分析装置を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0006】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における分析装置は、複数種類の分析物を分析可能な分析装置であって、分析物の種類を示す大分類の中から分析物に対応する所定の大分類を選択するための大分類選択手段と、所定の大分類に属する小分類を選択可能な状態に表示する小分類選択表示手段と、表示された小分類の中から選択された所定の小分類に対応する分析条件に基づいて分析物の測定データの分析を実行する分析制御手段とを備えている。
【0007】
この第1の局面による分析装置では、上記のように、分析物の種類を示す所定の大分類に属する小分類を選択可能な状態に表示する小分類選択表示手段と、表示された小分類の中から選択された所定の小分類に対応する分析条件に基づいて分析物の測定データの分析を実行する分析制御手段とを設けることによって、分析制御手段により、分析物の種類を細分化した小分類に対応する分析条件を用いて、分析物の測定データを分析することができる。
【0008】
上記第1の局面による分析装置において、好ましくは、大分類と、大分類に属する小分類とを対応付けて記憶する分類記憶手段と、少なくとも小分類に対応する分析条件を記憶する分析条件記憶手段とをさらに備え、小分類選択表示手段は、大分類選択手段により選択された所定の大分類に属する小分類を、分類記憶手段に記憶された小分類から抽出するとともに、抽出した小分類を選択可能に表示し、分析制御手段は、小分類選択表示手段によって選択された小分類に基づいて、分析条件記憶手段から対応する分析条件を読み出すとともに、読み出した分析条件に基づいて測定データの分析を実行する。このように構成すれば、全ての大分類に属する多数の小分類を選択可能な状態に表示する場合と異なり、小分類選択表示手段により、少ない数の小分類の中から所定の小分類を選択することができる。これにより、容易に、所定の小分類を選択することができる。
【0009】
上記第1の局面による分析装置において、好ましくは、分析制御手段は、測定データを処理して分析物の処理済測定データを取得するとともに、分析条件に基づいて処理済測定データを評価する。このように構成すれば、容易に、分析制御手段により分析条件に基づいて測定データの分析を行うことができる。
【0010】
この場合において、好ましくは、分析条件は、選択された所定の小分類に対応するとともに、所定の測定項目に該当する処理済測定データが異常か否かを判定するためのしきい値を含み、分析制御手段は、分析条件に基づいて処理済測定データを評価する際に、しきい値に基づいて所定の測定項目に該当する処理済測定データが異常か否かを判定する。このように構成すれば、容易に、分析制御手段により所定の測定項目に該当する処理済測定データが異常か否かを判定することができる。
【0011】
上記分析制御手段が分析物の処理済測定データを取得する構成において、好ましくは、分析条件は、所定の小分類に対応するとともに、処理済測定データについて所定のメッセージを出力する必要があるか否かを判定するための判定式を含み、分析制御手段は、分析条件に基づいて処理済測定データを評価する際に、判定式に基づいて処理済測定データについて所定のメッセージを出力する必要があるか否かを判定する。このように構成すれば、容易に、分析制御手段により処理済測定データについて所定のメッセージを出力する必要があるか否かを判定することができる。
【0012】
上記第1の局面による分析装置において、好ましくは、分析制御手段は、選択された所定の小分類が属する大分類に対応する分析条件に基づいて、測定データを処理して所定の分析項目に該当する処理済測定データを取得する。このように構成すれば、容易に、分析制御手段により大分類に対応する分析条件に基づいて、測定データを処理して所定の分析項目に該当する処理済測定データを取得することができる。
【0013】
上記第1の局面による分析装置において、好ましくは、小分類選択表示手段は、選択された所定の大分類に属する小分類の一覧を表示するとともに、小分類の一覧から選択された所定の小分類を表示する機能を有する。このように構成すれば、容易に、小分類選択表示手段により表示された小分類の中から所定の小分類を選択することができる。
【0014】
上記第1の局面による分析装置において、好ましくは、大分類と、大分類に属する小分類とを対応付けて記憶するとともに、小分類と、小分類に対応する属性情報とを対応付けて記憶する分類記憶手段と、所定の小分類が選択されたことに基づいて、所定の小分類に対応する属性情報を分類記憶手段から読み出すとともに表示する属性情報表示手段とをさらに備えている。このように構成すれば、所定の小分類を選択することにより、その所定の小分類に対応する属性情報を表示させることができるので、所定の小分類に対応する属性情報を確認しながら、所定の小分類を選択することができる。
【0015】
上記第1の局面による分析装置において、好ましくは、大分類は、分析物が由来する動物の種類を含む。このように構成すれば、小分類選択表示手段により、所定の動物の種類(大分類)に属する小分類のみを容易に選択可能に表示することができるとともに、分析制御手段により、選択された動物の種類の小分類に対応する分析条件を用いて、動物に関する分析物の測定データを分析することができる。
【0016】
この発明の第2の局面における分析プログラムは、複数種類の分析物を分析可能な分析プログラムであって、分析物の種類を示す大分類の中から分析物に対応する所定の大分類を選択するステップと、所定の大分類に属する小分類を選択可能な状態に表示するステップと、表示された小分類の中から選択された所定の小分類に対応する分析条件に基づいて分析物の測定データの分析を実行するステップとを備えている。
【0017】
この第2の局面による分析プログラムでは、上記のように、分析物の種類を示す所定の大分類に属する小分類を選択可能な状態に表示するとともに、表示された小分類の中から選択された所定の小分類に対応する分析条件に基づいて分析物の測定データの分析を実行することによって、分析物の種類を細分化した小分類に対応する分析条件を用いて、分析物の測定データを分析することができる。
【0018】
この発明の第3の局面における分析装置は、複数種類の分析物を分析可能な分析装置であって、分析物の測定を行うことにより測定データを取得する測定部と、測定部により取得された分析物の測定データの分析処理を行うデータ処理部とを備え、データ処理部は、分析物の種類を示す大分類の中から分析物に対応する所定の大分類を選択するための大分類選択手段と、所定の大分類に属する小分類を選択可能な状態に表示する小分類選択表示手段と、表示された小分類の中から選択された所定の小分類に対応する分析条件に基づいて分析物の測定データの分析を実行する分析制御手段とを備えている。
【0019】
この第3の局面による分析装置では、上記のように、データ処理部に、分析物の種類を示す所定の大分類に属する小分類を選択可能な状態に表示する小分類選択表示手段と、表示された小分類の中から選択された所定の小分類に対応する分析条件に基づいて分析物の測定データの分析を実行する分析制御手段とを設けることによって、データ処理部の分析制御手段により、分析物の種類を細分化した小分類に対応する分析条件を用いて、測定部により測定した分析物の測定データを分析することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態では、本発明による分析装置の一例として動物の血液を分析するための血液分析装置について説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態による動物の血液を分析するための血液分析装置の全体構成を示した斜視図である。図2は、図1に示した一実施形態による動物の血液を分析するための血液分析装置の内部構成を説明するためのブロック図である。図3は、図1に示した一実施形態による動物の血液を分析するための血液分析装置の端末側制御部の機能について説明するための図である。まず、図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態による動物の血液を分析するための血液分析装置の構成について説明する。
【0022】
本実施形態による動物の血液を分析するための血液分析装置は、図1に示すように、測定装置1と、データ処理端末2と、空圧源部3と、ページプリンタ4と、カラーグラフィックプリンタ5と、データプリンタ6とを備えている。測定装置1は、動物の血液検体の測定データを測定する測定部1aと、血液検体を自動的に測定部1aに供給する搬送部1bとを含んでいる。データ処理端末2は、コンピュータ(PC)、キーボード、マウスおよびディスプレイを含んでおり、測定部1aにより測定された血液検体の測定データを分析処理する機能を有する。空圧源部3は、測定部1aで使用する陽圧およびバキューム圧の空気を生成するとともに、その生成した陽圧およびバキューム圧の空気を測定部1aに供給する機能を有している。ページプリンタ4は、測定データを分析処理することにより得た処理済測定データの表などを印字するために設けられている。カラーグラフィックプリンタ5は、後述するスキャッタグラムなどの処理済測定データや、データ処理端末2のディスプレイに表示された画像を印字するために設けられている。データプリンタ6は、測定装置1により測定された血液検体の測定データを伝票形式の用紙に印字するために設けられている。
【0023】
また、測定部1aは、図2に示すように、吸引部7と、試料調製部8と、検出部9と、測定部側制御部10と、入出力インターフェイス11とを含んでいる。吸引部7は、血液検体を構成する血液を吸引する機能と、試薬容器(図示せず)から血液の測定に用いる試薬を吸引する機能とを有している。試料調製部8は、吸引部7により吸引された血液と試薬とを混合することによって、血液の希釈、溶血および染色などの処理により測定すべき試料を調製する。検出部9は、試料調製部8により調製された試料に含まれる各種血球やヘモグロビンについての測定を行う。また、検出部9は、光学系検出部9aと、電気系検出部9bと、吸光度検出部9cとを含んでいる。
【0024】
光学系検出部9aは、フローサイトメトリ法により試料に含まれる白血球(WBC)系の測定を行う。このフローサイトメトリ法による白血球系の測定では、血液検体に含まれる血球をフローセル(図示せず)で一つずつ流すとともに、その血球にレーザ光を照射して得られる側方散乱光と側方蛍光とを検出する。この側方散乱光から白血球の大きさが測定されるとともに、側方蛍光から核や顆粒などの白血球の内部情報が測定される。電気系検出部9bは、DC(Direct Current)検出方式により赤血球(RBC)および血小板(PLT)の測定を行う。このDC検出方式による測定では、直流電流を流した検出部細孔(図示せず)の中を細胞(赤血球および血小板)が通過するときの電極間のインピーダンス変化をパルスとしてグラフに表すことにより、そのパルスの高さから細胞(赤血球および血小板)の大きさを測定する。吸光度検出部9cは、試料の吸光度を測定することにより、ヘモグロビン(HGB)濃度の測定を行う。
【0025】
また、測定部側制御部10は、CPU、ROM、RAMおよびA/D変換回路などを含んでいる。この測定部側制御部10は、血液検体の測定時に検出部9から出力されるアナログ信号のデータをデジタル信号のデータに変換するとともに、そのデジタル信号のデータから分析すべき測定データを算出する機能を有している。また、測定部側制御部10は、算出した測定データを入出力インターフェイス11を介してデータ処理端末2に出力する。また、測定部側制御部10は、吸引部7、試料調製部8および検出部9などの動作を制御する機能を有している。
【0026】
また、データ処理端末2は、ディスプレイからなる表示部2aと、マウスやキーボードからなる入力部2bと、コンピュータからなる端末本体2cとを含んでいる。表示部2aは、端末本体2cから出力される種々の情報や操作画面を表示するために設けられている。入力部2bは、所定の情報を端末本体2cに入力したり、表示部2aに表示された操作画面における種々の選択を行うために設けられている。端末本体2cは、端末側制御部12と、入出力インターフェイス13とを含んでいる。また、端末側制御部12は、血液検体の動物種と、動物種に属するカテゴリとを対応付けて記憶するように構成されている。また、カテゴリとは、血液検体の動物種をさらに細分化した小分類を意味する。たとえば、動物種が「マウス」の場合には、カテゴリとして「マウス標準」や「マウス001」などの小分類が用いられる。
【0027】
また、動物種およびカテゴリは、図3に示すように、カテゴリテーブル14により対応付けて端末側制御部12(図2参照)に記憶される。具体的には、カテゴリテーブル14においてラット標準のカテゴリは、ラットの動物種と対応付けられている。また、各カテゴリに対応して、動物種の年齢の下限値(0.0〜999.9)および上限値(0.0〜999.9)と、年齢の下限値および上限値の単位(週、月または年)と、動物種の性別(オス、メスまたは両性)とが、端末側制御部12(図2参照)に記憶されている。なお、「両性」とは、オスまたはメスのいずれか一方の性別を意味する。上記のカテゴリの名称と、動物種と、動物種の年齢の下限値および上限値と、年齢の下限値および上限値の単位と、動物種の性別とによって、カテゴリ情報が構成されている。
【0028】
また、端末側制御部12(図2参照)には、各カテゴリに対応する異常判定しきい値テーブル15(図3参照)およびフラギング判定値テーブル16が記憶されている。また、異常判定しきい値テーブル15およびフラギング判定値テーブル16は、それぞれ、1つのテーブルが1つのカテゴリに対応して記憶されている。なお、異常判定しきい値テーブル15およびフラギング判定値テーブル16は、後述するようにユーザにより設定可能である。また、異常判定しきい値テーブル15は、各測定項目に対応する処理済測定データが異常か否かを判定するためのしきい値(下限値および上限値)からなる。具体的には、異常判定しきい値テーブル15は、白血球数(WBC)、赤血球数(RBC)およびヘモグロビン濃度(HGB)などの測定項目毎に設定された各測定項目の値の下限値および上限値によって構成されている。なお、各測定項目の処理済測定データの数値が下限値を下回った場合には、後述する分析結果表示画面において、下限値よりも低い側の警告レベル値であることを知らせる異常判定マーク(−)が表示される。一方、各測定項目の処理済測定データの数値が上限値を上回った場合には、分析結果表示画面において、上限値よりも高い側の警告レベル値であることを知らせる異常判定マーク(+)が表示される。また、異常判定しきい値テーブル15のしきい値は、ユーザ側で設定することが可能なように構成されている。
【0029】
また、フラギング判定値テーブル16は、図3に示すように、処理済測定データの数値についてフラギングメッセージを出力する必要があるか否かを判定するための複数のフラギング判定式からなる。また、フラギングメッセージは、血液検体に含まれる各種血球および成分の含有量、含有率、粒度分布、状態および成分などが異常である可能性があることを知らせるためのメッセージである。具体的には、フラギング判定値テーブル16は、「Neutropenia」や「Lymphocytosis」などのフラギングメッセージに対応する各フラギング項目毎に設定されたフラギング判定式(NEUT#<10.0×10/μL、NEUT%<10.0%、や、LYMPH#>40.0×10/μL、LYMPH%>50.0%)によって構成されている。なお、「Neutropenia」は、血液検体中の好中球の減少を表すフラギングメッセージであり、「Lymphocytosis」は、血液検体中のリンパ球の増加を表すフラギングメッセージである。また、NEUT#およびNEUT%は、それぞれ、血液検体中の好中球の含有量および含有率を意味するとともに、LYMPH#およびLYMPH%は、それぞれ、血液検体中のリンパ球の含有量および含有率を意味する。
【0030】
また、端末側制御部12(図2参照)には、各動物種に対応する分析条件が記憶されている。具体的には、端末側制御部12には、後述するスキャッタグラムからなる測定データを区画分けして血球の種類毎の処理済測定データを得る際のスキャッタグラムの区画分けの方法が各動物種に対応して記憶されている。また、端末側制御部12は、血液検体の測定により得たスキャッタグラム(測定データ)を血液検体の動物種に対応するスキャッタグラムの区画分けの方法を用いて分析することにより、適切な処理済測定データ(数値データ)を算出する機能を有している。
【0031】
図4〜図9は、図1に示した一実施形態による血液分析装置のデータ処理端末の操作画面を示した図である。次に、図2〜図9を参照して、本実施形態による動物の血液を分析するための血液分析装置に用いるデータ処理端末の操作画面の構成について説明する。なお、図4〜図9に示す操作画面は、全て、データ処理端末2(図2参照)の表示部2aに表示される。
【0032】
図4には、血液検体の測定時の初期設定に用いる測定登録画面が示されている。この測定登録画面は、検体情報選択入力部17と、検体情報表示部18と、カテゴリ情報表示部19とによって構成されている。検体情報選択入力部17は、血液検体に関する情報を選択したり、入力するために設けられている。なお、この検体情報選択入力部17では、入力部2b(図2参照)のマウスによりクリックすることによって情報の選択を行うとともに、入力部2bのキーボードによって情報の入力を行う。また、検体情報選択入力部17は、検体番号入力ボックス20と、ラック番号入力ボックス21と、試験管位置入力ボックス22と、動物種コンボボックス23と、カテゴリコンボボックス24と、ディスクリートコンボボックス25と、検体コメント入力ボックス26とによって構成されている。
【0033】
検体番号入力ボックス20は、血液検体の検体番号を入力するために設けられている。ラック番号入力ボックス21は、血液検体が封入された10個の試験管を1セットとして収納するラック毎のラック番号を入力するために設けられている。試験管位置入力ボックス22は、血液検体が封入された試験管のラック内の位置を示す試験管位置番号1〜10を入力するために設けられている。動物種コンボボックス23は、複数の動物種の中から血液検体に対応する所定の動物種を選択するために設けられている。具体的には、動物種コンボボックス23は、図5に示すように、動物種コンボボックス23の右端の項目選択ボタン23aをクリックすることによって、ラット、マウス、ウサギ、イヌ、サルおよびOtherからなる動物種(大分類)の一覧(プルダウンメニュー)23bが表示されるように構成されている。なお、Otherは、ラット、マウス、ウサギ、イヌおよびサル以外の動物種の血液分析を行う場合に使用する動物種名である。また、表示された動物種のプルダウンメニュー23bの中から所定の動物種をクリックして選択することによって、動物種コンボボックス23内に選択した動物種が表示されるとともに、動物種のプルダウンメニュー23bが閉じるように構成されている。
【0034】
ここで、本実施形態では、カテゴリコンボボックス24は、動物種コンボボックス23で選択した動物種(大分類)に属するカテゴリ(小分類)を選択可能な状態に表示するとともに、表示されたカテゴリの中から所定のカテゴリを選択するために設けられている。具体的には、カテゴリコンボボックス24は、図6に示すように、カテゴリコンボボックス24の右端の項目選択ボタン24aをクリックすることによって、カテゴリコンボボックス24に格納されたカテゴリ(小分類)の一覧(プルダウンメニュー)24bが表示されるように構成されている。また、表示されたカテゴリのプルダウンメニュー24bの中から所定のカテゴリをクリックして選択することによって、カテゴリコンボボックス24内に選択したカテゴリ名が表示されるとともに、カテゴリのプルダウンメニュー24bが閉じるように構成されている。
【0035】
なお、カテゴリコンボボックス24のカテゴリの一覧(プルダウンメニュー)24bは、初期状態では空の状態である。このカテゴリのプルダウンメニュー24bは、動物種コンボボックス23により所定の動物種(大分類)が選択されることによって、選択された動物種に対応するカテゴリ(小分類)がカテゴリテーブル14(図3参照)から抽出されてカテゴリのプルダウンメニュー24bに格納されるように構成されている。具体的には、図3に示すように、動物種コンボボックス23の動物種の一覧(プルダウンメニュー)23bから「ラット」を選択した場合には、カテゴリテーブル14から、「ラット標準」、「ラット001」、「ラット002」、「ラット003」および「ラット004」の5つのカテゴリが抽出されてカテゴリコンボボックス24のカテゴリのプルダウンメニュー24bに格納される。
【0036】
ディスクリートコンボボックス25は、図4に示すように、血液検体の分析モードを選択するために設けられている。また、ディスクリートコンボボックス25は、ディスクリートコンボボックス25の右端の項目選択ボタン25aをクリックすることによって、血液検体の分析モードの一覧(プルダウンメニュー)(図示せず)が表示されるように構成されている。この血液検体の分析モードのプルダウンメニュー(図示せず)は、CBC、CBC+DIFF、CBC+DIFF+RETおよびCBC+RETの4つのモードからなる。
【0037】
なお、CBCの分析モードは、赤血球、白血球および血小板の数を測定する分析モードである。DIFFの分析モードは、白血球の5分類であるリンパ球、単球、好酸球、好中球および好塩基球について分析する分析モードである。RETは、網状赤血球について分析する分析モードである。したがって、CBC+DIFFの分析モードでは、赤血球、白血球および血小板の数が測定されるとともに、リンパ球、単球、好酸球、好中球および好塩基球について分析される。また、CBC+DIFF+RETの分析モードでは、赤血球、白血球および血小板の数が測定されるとともに、リンパ球、単球、好酸球、好中球および好塩基球と、網状赤血球とについて分析される。また、CBC+RETの分析モードでは、赤血球、白血球および血小板の数が測定されるとともに、網状赤血球について分析される。
【0038】
また、ディスクリートコンボボックス25は、表示された分析モードの一覧(プルダウンメニュー)(図示せず)から所定の分析モードをクリックして選択することによって、選択した分析モードがディスクリートコンボボックス25内に表示されるとともに、分析モードのプルダウンメニューは閉じるように構成されている。また、検体コメント入力ボックス26は、ユーザが血液検体に関するコメントを入力するために設けられている。
【0039】
また、検体情報表示部18では、各血液検体に関する情報が表示される。すなわち、検体番号、カテゴリ、動物種、ディスクリート(分析モード)、ラック番号、試験管位置番号、ステータスおよび検体コメントからなる情報が各血液検体毎に表示される。なお、ステータスは、その血液検体の測定の状態(COMP、PENDおよびERR)を表す。「COMP」は、血液検体の測定が完了したことを表す。また、「PEND」は、血液検体の測定が未完了であることを表す。また、「ERR」は、血液検体の測定にエラーが生じたことを表す。
【0040】
また、本実施形態では、カテゴリ情報表示部19は、カテゴリコンボボックス24において所定のカテゴリを選択することにより、選択した所定のカテゴリに対応するカテゴリ情報が表示されるように構成されている。また、カテゴリ情報表示部19は、カテゴリ名称表示ボックス27と、動物種表示ボックス28と、性別表示ボックス29と、年齢単位表示ボックス30と、年齢下限値表示ボックス31と、年齢上限値表示ボックス32とによって構成されている。このカテゴリ名称表示ボックス27、動物種表示ボックス28、性別表示ボックス29、年齢単位表示ボックス30、年齢下限値表示ボックス31および年齢上限値表示ボックス32には、それぞれ、カテゴリコンボボックス24において選択されたカテゴリのカテゴリ情報に含まれるカテゴリ名、動物種、性別、年齢単位、年齢下限値および年齢上限値がカテゴリテーブル14(図3参照)から読み出されて表示される。
【0041】
図7には、カテゴリ設定画面が示されている。ユーザは、このカテゴリ設定画面により、血液検体の測定を行う前に、予めカテゴリの設定を行うことが可能である。また、カテゴリ設定画面は、カテゴリの設定を行うためのカテゴリ設定部33と、カテゴリ設定部33により設定されたカテゴリの情報が表示されるカテゴリ表示部34とによって構成されている。カテゴリ設定部33は、カテゴリ名入力ボックス35と、動物種コンボボックス36と、年齢上限値入力ボックス37と、年齢下限値入力ボックス38と、年齢単位コンボボックス39と、性別コンボボックス40と、コメント入力ボックス41とからなる。
【0042】
カテゴリ名入力ボックス35は、カテゴリ名を入力するために設けられている。このカテゴリ名としては、動物種名と記号とを組み合わせた名称や、アルファベットのみからなる名称などの種々の名称を用いることができる。また、動物種コンボボックス36は、上記した設定登録画面における動物種コンボボックス23(図5参照)と同様に構成されている。年齢上限値入力ボックス37は、動物種の年齢の上限値を入力するために設けられており、年齢下限値入力ボックスは、動物種の年齢の下限値を入力するために設けられている。年齢単位コンボボックス39は、上記の年齢の上限値および下限値の単位を設定するために設けられている。この年齢単位コンボボックス39の右端の項目選択ボタン39aをクリックすることによって、週、月および年からなる単位の一覧(プルダウンメニュー)(図示せず)が表示されるように構成されている。この表示された単位のプルダウンメニュー(図示せず)から所定の単位を選択(クリック)することによって、年齢単位コンボボックス39内に選択した単位が表示されるとともに、単位のプルダウンメニューが閉じるように構成されている。
【0043】
性別コンボボックス40は、動物種の性別を設定するために設けられている。この性別コンボボックス40の右端の項目選択ボタン40aをクリックすることによって、オス、メスおよび両性からなる性別の一覧(プルダウンメニュー)(図示せず)が表示されるように構成されている。この表示された性別のプルダウンメニューから所定の性別を選択(クリック)することによって、性別コンボボックス40内に選択した性別が表示されるとともに、表示された性別のプルダウンメニューが閉じるように構成されている。コメント入力ボックス41は、必要に応じて、カテゴリに対応するコメントを入力するために設けられている。上記のカテゴリ入力ボックス35、動物種コンボボックス36、年齢上限値入力ボックス37、年齢下限値入力ボックス38、年齢単位コンボボックス39、性別コンボボックス40およびコメント入力ボックス41によって設定されたカテゴリの内容は、一覧表形式でカテゴリ表示部34に表示されるとともに、図3に示したカテゴリテーブル14に反映される。
【0044】
図8には、フラギング判定値設定画面が示されている。このフラギング判定値設定画面は、各カテゴリに対応するフラギング判定値テーブル16(図3参照)のフラギング判定式を設定するための画面である。このフラギング判定値設定画面には、カテゴリコンボボックス42と、動物種表示ボックス43と、年齢単位表示ボックス44と、性別表示ボックス45と、年齢下限値表示ボックス46と、年齢上限値表示ボックス47と、フラギング判定式設定部48とが設けられている。カテゴリコンボボックス42は、上記した測定登録画面のカテゴリコンボボックス24(図6参照)と同様の構成を有している。また、動物種表示ボックス43、年齢単位表示ボックス44、性別表示ボックス45、年齢下限値表示ボックス46および年齢上限値表示ボックス47は、それぞれ、カテゴリコンボボックス42により選択したカテゴリに対応する動物種、年齢単位、性別、年齢の下限値および上限値がカテゴリテーブル14(図3参照)から読み出されて表示されるように構成されている。
【0045】
また、フラギング判定式設定部48は、白血球(WBC)や赤血球(RBC)および網状赤血球(RET)などの血球の種類毎に種々のフラギング判定式を設定することが可能なように構成されている。このフラギング判定式設定部48は、各フラギングメッセージ48aに対応する数値入力ボックス48bに所定の数値を入力することによりフラギング判定式を設定するように構成されている。たとえば、図8に示したフラギング判定式設定部48では、「Neutropenia」(好中球の減少)のフラギングメッセージ48aに対応する数値入力ボックス48bに「10.0」を入力することにより、NEUT#(好中球の含有量)<10.0×10/μLまたはNEUT%(好中球の含有率)<10.0%のときに「Neutropenia」のフラギングメッセージ48aが表示されるように設定されている。また、各フラギングメッセージ48aに対応するフラギング項目毎に、チェックボックス48cが設けられている。このチェックボックス48cにチェックを入れた場合には、対応するフラギング項目のフラギングの判定が実施される一方、チェックを入れない場合には、対応するフラギング項目のフラギングの判定は実施されない。
【0046】
図9には、血液検体の測定データの分析結果を表示するための分析結果表示画面が示されている。この分析結果表示画面は、グラフ表示部49と、数値データ表示部50と、フラギングメッセージ表示部51と、フラグ状態表示部52と、検体情報表示部53と、切替タグ表示部54とによって構成されている。グラフ表示部49は、DIFFスキャッタグラム55と、WSC/BASOスキャッタグラム56と、RETスキャッタグラム57と、RBC粒度分布58と、PLT粒度分布59とによって構成されている。DIFFスキャッタグラム55には、白血球の5分類であるリンパ球(LYMPH)、単球(MONO)、好酸球(EO)、好中球(NEU)および好塩基球(BASO)の測定データが示されている。WSC/BASOスキャッタグラム56には、好塩基球(BASO)、単核球(LYMPH+MONO)および好塩基球以外の多核球(NEUT+EO)の測定データが示されている。RETスキャッタグラム57には、網状赤血球(RET)の測定データが示されている。また、DIFFスキャッタグラム55、WSC/BASOスキャッタグラム56およびRETスキャッタグラム57には、フローサイトメトリ法によって測定した血液検体の側方散乱光強度が横軸に表されるとともに、側方蛍光強度が縦軸に表されている。これにより、DIFFスキャッタグラム55、WSC/BASOスキャッタグラム56およびRETスキャッタグラム57には、測定データの分布がグラフ化されたスキャッタグラムが表されている。これらのスキャッタグラムでは、血球の種類によって血球の分布する領域が異なる。このため、各血球の種類に対応する領域毎にスキャッタグラムを区画分けすることによって、血球の種類毎の分画領域が得られる。このようにして得られた血球の種類毎の分画領域から所定の演算を行うことにより、血液検体中の血球の種類毎の処理済測定データ(白血球数、白血球の5分類の粒子数および比率や、網状赤血球数など)が得られる。
【0047】
また、RBC粒度分布58には、赤血球(RBC)の測定データが示されているとともに、PLT粒度分布59には、血小板(PLT)の測定データが示されている。このRBC粒度分布58およびPLT粒度分布59には、DC検出方式により検出されたインピーダンス変化がパルスとして表されている。このパルスの高さは、検出された血球(赤血球および血小板)の大きさを反映するので、RBC粒度分布58およびPLT粒度分布59には、それぞれ、赤血球および血小板の粒度分布が表されている。このRBC粒度分布58およびPLT粒度分布59により、赤血球数や血小板数などの処理済測定データが得られる。なお、図2に示した吸光度検出部9cにより血液検体の吸光度を測定することにより、ヘモグロビン(HGB)の濃度が測定される。数値データ表示部50には、上記のDIFFスキャッタグラム55、WSC/BASOスキャッタグラム56、RETスキャッタグラム57、RBC粒度分布58およびPLT粒度分布59から得られた処理済測定データ(測定結果)や、別途測定されたヘモグロビン(HGB)濃度などの処理済測定データ(測定結果)が所定の測定項目毎に表示されている。
【0048】
また、フラギングメッセージ表示部51は、フラギングメッセージを表示するために設けられている。このフラギングメッセージ表示部51は、白血球(WBC)に関するフラギングメッセージを表示する白血球フラギングメッセージ表示部51aと、赤血球(RBC)および網状赤血球(RET)に関するフラギングメッセージを表示する赤血球フラギングメッセージ表示部51bと、血小板(PLT)に関するフラギングメッセージを表示する血小板フラギングメッセージ表示部51cとによって構成されている。また、フラグ状態表示部52は、フラギングメッセージ表示部51にフラギングメッセージが表示された場合には陽性を意味する「POSITIVE」を表示する一方、フラギングメッセージ表示部51にフラギングメッセージが表示されない場合には、陰性を意味する「NEGATIVE」を表示するように構成されている。
【0049】
また、検体情報表示部53には、分析した血液検体に関する情報が表示される。この検体情報表示部53は、検体番号表示部60と、カテゴリ表示部61と、動物種表示部62と、性別表示部63と、年齢下限値表示部64と、年齢上限値表示部65と、年齢単位表示部66と、測定年月日表示部67と、測定時刻表示部68と、解析プロファイル表示部69とによって構成されている。検体番号表示部60には、血液検体の検体番号が表示される。カテゴリ表示部61には、測定登録画面のカテゴリコンボボックス24(図4参照)により選択したカテゴリ(小分類)が表示される。動物種表示部62には、測定登録画面の動物種コンボボックス23(図4参照)により選択した動物種名(大分類)が表示される。性別表示部63には、選択したカテゴリのカテゴリ情報に含まれる性別が表示される。年齢下限値表示部64および年齢上限値表示部65には、それぞれ、選択したカテゴリのカテゴリ情報に含まれる動物種の年齢の下限値および上限値が表示される。年齢単位表示部66には、年齢の下限値および上限値の単位が表示される。測定年月日表示部67には血液検体の測定を行った年月日が表示されるとともに、測定時刻表示部68には、血液検体の測定を行った時刻が表示される。解析プロファイル表示部69には、所定の解析プロファイルが表示される。
【0050】
また、切替タグ表示部54は、グラフ表示部49および数値データ表示部50に表示させる測定データおよび数値データの表示形態を切り替えるために設けられている。切替タグ表示部54は、メインタグ70、グラフタグ71、WBCタグ72、RBCタグ73、サービスタグ74、リサーチ(WBC系)タグ75およびリサーチ(RBC系)タグ76からなる。メインタグ70は、主要な測定データ(グラフ)および数値データを表示させるためのタグである。グラフタグ71は、血液検体の分析により得られた全ての測定データ(グラフ)および数値データを表示させるためのタグである。WBCタグ72は、白血球に関する測定データ(グラフ)および数値データを表示させるためのタグである。RBCタグ73は、赤血球に関する測定データ(グラフ)および数値データを表示させるためのタグである。サービスタグ74は、所定のサービスデータを表示させるためのタグである。リサーチ(WBC系)タグ75は、白血球に関する所定のリサーチ項目を表示させるためのタグである。リサーチ(RBC系)タグ76は、赤血球に関する所定のリサーチ項目を表示させるためのタグである。図9に示す分析結果表示画面では、グラフタグ71が選択されているので、血液検体の分析により得られた全ての測定データ(グラフ)および数値データが、グラフ表示部49および数値データ表示部50に表示されている。
【0051】
図10〜図13は、本発明の一実施形態による動物の血液を分析するための血液分析装置の血液検体を分析する際の動作を説明するためのフローチャートである。次に、図2〜図6および図9〜図13を参照して、本発明の一実施形態による動物の血液を分析するための血液分析装置の血液検体を分析する際の動作について説明する。なお、図10および図11のフローチャートにおいて、台形で表したステップは、ユーザによって行われる処理を表しており、長方形で表したステップは、血液分析装置の端末側制御部12(図2参照)によって行われる処理を表している。
【0052】
本実施形態による動物の血液を分析するための血液分析装置の血液検体を分析する際の概略的な動作は、図10に示すように、ステップS1〜ステップS8の動作からなる。まず、ステップS1において、測定登録画面(図4参照)により初期設定としての測定登録を行う。この測定登録の詳細動作は、図11に示すように、ステップS101〜ステップS111の動作からなる。まず、ステップS101において、測定登録画面の動物種コンボボックス23(図5参照)により動物種(大分類)の選択を行う。具体的には、動物種コンボボックス23の項目選択ボタン23a(図5参照)をクリックすることにより動物種の一覧からなるプルダウンメニュー23bを表示させるとともに、表示された動物種のプルダウンメニュー23bの中から所定の動物種を選択(クリック)する。これにより、ステップS102において、動物種コンボボックス23の動物種のプルダウンメニュー23b内の選択した動物種に対応する位置情報が端末側制御部12(図2参照)により取得される。なお、動物種のプルダウンメニュー23bにおいて選択した動物種は、動物種コンボボックス23内に表示される。次に、ステップS103において、取得された位置情報から選択した動物種に対応する動物種IDが選択される。なお、この動物種IDは、各動物種毎に付与された動物種を識別するための記号である。
【0053】
次に、ステップS104において、カテゴリテーブル14(図3参照)から、選択された動物種IDに該当するカテゴリ(小分類)の数(N)および情報を取得する。具体的には、図3に示すように、動物種コンボボックス23の動物種の一覧(プルダウンメニュー)23bからラットを選択した場合には、カテゴリテーブル14からラットに対応するカテゴリ(ラット標準、ラット001、ラット002、ラット003およびラット004)の数N=5と、ラット標準、ラット001、ラット002、ラット003およびラット004のカテゴリ情報とを取得する。次に、図11に示したステップS105において、測定登録の処理を行ったカテゴリの件数iの「0」への初期化(i=0)を行う。次に、ステップS106において、測定登録の処理を行ったカテゴリの件数iと、選択した動物種に対応するカテゴリの数Nとを比較してi<Nかどうかの判断が行われる。この際、i<Nの場合には、ステップS107に進む一方、i<Nではない場合には、ステップS111に進む。1件目のカテゴリの処理では、ステップS105の処理によりi=0となるので、図3に示すように、ラットを選択することにより対応するカテゴリの数Nが5の場合には、i=0<N=5となる。したがって、この場合には、ステップS107に進む。
【0054】
次に、ステップS107において、端末側制御部12(図2参照)により処理を行うカテゴリ(小分類)のカテゴリID(ItemID)をi+1に設定する。なお、カテゴリIDは、カテゴリ毎に付与されるカテゴリを識別するための記号である。1件目のカテゴリの処理では、ステップS105におけるi=0の処理により、ItemID=0+1=1に設定される。次に、ステップS108において、ステップS104において取得したカテゴリ情報の内、上からi+1件目のカテゴリ名を取得する。具体的には、1件目のカテゴリの処理では、i+1=1であるので、ステップS104において取得したカテゴリ情報の内、上から1件目のカテゴリ名を取得する。
【0055】
次に、ステップS109において、カテゴリコンボボックス24(図3参照)のカテゴリの一覧(プルダウンメニュー)24bのItemID(=i+1)の位置(上からItemID番目の位置)にステップS108において取得したカテゴリ名を追加する。具体的には、1件目のカテゴリの処理では、ItemID=1であるので、カテゴリコンボボックス24(図3参照)のカテゴリの一覧(プルダウンメニュー)24bの上から1件目の位置にステップS108において取得したカテゴリ名を追加する。次に、ステップS110において、i=i+1に設定する。具体的には、1件目のカテゴリの処理では、i=1+1=2に設定する。次に、ステップS106において、再び、測定登録の処理を行ったカテゴリの件数iと、選択した動物種に対応するカテゴリの数Nとを比較してi<Nかどうかの判断が行われる。このようにして、上記したステップS106〜ステップS110の処理がi<Nではなくなるまで繰り返し行われる。これにより、ステップS104において取得されたN件のカテゴリ名が全てカテゴリコンボボックス24(図3参照)のカテゴリの一覧(プルダウンメニュー)24bに格納される。
【0056】
次に、ステップS111において、カテゴリコンボボックス24(図6参照)のカテゴリ(小分類)の一覧(プルダウンメニュー)24bから所定のカテゴリを選択する。具体的には、カテゴリコンボボックス24の項目選択ボタン24a(図6参照)をクリックすることによりカテゴリのプルダウンメニュー24bを表示させるとともに、表示されたカテゴリのプルダウンメニュー24bの中から所定のカテゴリを選択(クリック)する。なお、この際、カテゴリコンボボックス24内に選択した所定のカテゴリが表示されるとともに、表示されたカテゴリのプルダウンメニュー24bが閉じられる。このようにして、ステップS1(ステップS101〜S111)の測定登録が行われる。
【0057】
次に、図10に示すように、ステップS2において、測定オーダの登録が自動的に行われる。この測定オーダは、ステップS1の測定登録において選択された検体番号、動物種(大分類)およびカテゴリ(小分類)などからなる。次に、ステップS3において、血液検体の測定を行う。この際、白血球の測定は、上記したフローサイトメトリ法を用いて、光学系検出部9a(図2参照)により側方散乱光と側方蛍光とを検出することによって行われる。また、赤血球系(赤血球および血小板)の測定は、上記したDC検出方式を用いて、電気系検出部9b(図2参照)によりインピーダンスの変化を測定することによって行われる。また、ヘモグロビン(HGB)濃度を得るための吸光度の測定は、吸光度検出部9c(図2参照)により行われる。そして、光学系検出部9aおよび電気系検出部9bによって得られたデータに基づいて、測定部側制御部10により血液検体の散乱光強度や蛍光強度やインピーダンス変化などからなる生データ(デジタルデータ)が算出される。
【0058】
次に、ステップS4において、ステップS2で登録された測定オーダの情報(検体番号、動物種(大分類)およびカテゴリ(小分類))が取得される。次に、ステップS5において、端末側制御部12(図2参照)が上記の生データ(デジタルデータ)を取得するとともに、取得した生データに基づいて、DIFFスキャッタグラム55(図9参照)、WSC/BASOスキャッタグラム56、RETスキャッタグラム57、RBC粒度分布58およびPLT粒度分布59を作成する。そして、これらのスキャッタグラムおよび粒度分布図(測定データ)を分析処理することによって、数値データからなる処理済測定データ(測定結果)が取得される。なお、スキャッタグラムを分析処理する際には、ステップS4において取得された測定オーダの動物種(大分類)に対応する区画分けの方法(分析条件)を用いてスキャッタグラムを区画分けすることにより処理済測定データが得られる。
【0059】
次に、ステップS6において、測定オーダの情報(異常判定しきい値テーブル15(図3参照))に基づいて、処理済測定データの数値の異常判定を実施する。この異常判定の処理は、図12に示すように、ステップS601〜ステップS610からなる。まず、ステップS601において、カテゴリIDがセットされているかどうかが判断される。このカテゴリIDは、ステップS111(図11参照)において、所定のカテゴリ(小分類)が選択されることによってセットされる一方、カテゴリが選択されていない場合には、セットされない。そして、カテゴリIDがセットされている場合には、ステップS603に進む一方、カテゴリIDがセットされていない場合には、ステップS602に進む。このステップS602では、デフォルトカテゴリのカテゴリIDがセットされる。なお、デフォルトカテゴリとは、各動物種(大分類)に対応する標準のカテゴリ(小分類)を意味する。たとえば、図3のカテゴリテーブル14において、動物種がラット(大分類)の場合のデフォルトカテゴリは、ラット標準(小分類)のカテゴリである。
【0060】
次に、ステップS603において、カテゴリIDに該当する異常判定しきい値テーブル15(図3参照)を取得する。次に、ステップS604において、血液検体の全測定項目について異常判定がチェック済みであるかどうかが判断される。血液検体の全測定項目について異常判定がチェック済みである場合には、次のステップS7(図10参照)に進む一方、血液検体の全測定項目について異常判定がチェック済みではない場合には、ステップS605(図12参照)に進む。次に、ステップS605以降において、血液検体の所定の測定項目の処理済測定データの数値が異常判定しきい値テーブル15(図3参照)の設定値(しきい値)の範囲を超えているかどうかがチェックされる。
【0061】
ステップS606では、所定の測定項目の処理済測定データの数値が、対応する異常判定しきい値テーブル15(図3参照)の下限値よりも小さいかどうかが判断される。所定の測定項目の処理済測定データの数値が、対応する異常判定しきい値テーブル15(図3参照)の下限値よりも小さい場合には、ステップS607に進む。一方、所定の測定項目の処理済測定データの数値が、対応する異常判定しきい値テーブル15(図3参照)の下限値よりも小さくない場合には、ステップS608に進む。ステップS607では、異常判定マーク(−)がセットされた後、ステップS610に進む。また、ステップS608では、所定の測定項目の処理済測定データの数値が、対応する異常判定しきい値テーブル15(図3参照)の上限値よりも大きいかどうかが判断される。所定の測定項目の処理済測定データの数値が、対応する異常判定しきい値テーブル15(図3参照)の上限値よりも大きい場合には、ステップS609において、異常判定マーク(+)がセットされた後、ステップS610に進む。一方、所定の測定項目の処理済測定データの数値が、対応する異常判定しきい値テーブル15(図3参照)の上限値よりも大きくない場合には、ステップS610に進む。そして、ステップS610では、異常判定の対象が次の測定項目に移行する。次に、再び、ステップS604において、血液検体の全測定項目について異常判定がチェック済みであるかどうかが判断される。上記のステップS604〜ステップS610が全ての測定項目について異常判定が完了するまで繰り返し行われる。
【0062】
次に、図10に示したステップS7において、測定オーダの情報(フラギング判定値テーブル16(図3参照))に基づいて、処理済測定データの数値のフラギングの判定を実施する。このフラギングの判定の処理は、図13に示すように、ステップS701〜ステップS708からなる。まず、ステップS701において、カテゴリIDがセットされているかどうかが判断される。そして、カテゴリIDがセットされている場合には、ステップS703に進む一方、カテゴリIDがセットされていない場合には、ステップS702に進む。このステップS702では、デフォルトカテゴリのカテゴリIDがセットされた後、ステップS703に進む。このステップS701およびステップS702の処理は、上記したステップS601(図12参照)およびステップS602の処理と同様である。
【0063】
次に、ステップS703において、カテゴリIDに該当するフラギング判定値テーブル16(図3参照)を取得する。次に、ステップS704において、処理済測定データの数値に関して判定すべき全てのフラギング項目のフラギング判定がチェック済みであるかどうかが判断される。具体的には、フラギング判定値設定画面(図8参照)において、チェックボックス48cにチェックが入れられた全てのフラギング項目についてフラギング判定が行われる。判定すべき全てのフラギング項目のフラギング判定がチェック済みである場合には、次のステップS8(図10参照)に進む一方、判定すべき全てのフラギング項目のフラギング判定がチェック済みではない場合には、ステップS705に進む。そして、ステップS705以降において、所定のフラギング項目に対応する処理済測定データの数値がフラギング判定値テーブル16(図3参照)のフラギング判定式の条件に該当するかどうかが判定される。
【0064】
ステップS706では、所定のフラギング項目に対応する処理済測定データの数値が、フラギング判定式の条件に該当するかどうかが判断される。たとえば、図3に示したフラギング判定値テーブル16の「Neutropenia」のフラギング項目では、NEUT#(血液検体中の好中球の含有量)<10.0×10/μLまたはNEUT%(血液検体中の好中球の含有率)<10.0%のフラギング判定式に該当するかどうかが判断される。所定のフラギング項目に対応する処理済測定データの数値が、フラギング判定式の条件に該当する場合には、ステップS707に進む。一方、所定のフラギング項目に対応する処理済測定データの数値が、フラギング判定式の条件に該当しない場合には、ステップS708に進む。そして、ステップS707では、フラギング判定式の条件に該当したフラギング項目のフラギングメッセージがセットされた後、ステップS708に進む。そして、ステップS708では、フラギング判定の対象が次のフラギング項目に移行する。次に、再び、ステップS704において、判定すべき全てのフラギング項目のフラギング判定がチェック済みであるかどうかが判断される。上記のステップS704〜ステップS708が全てのフラギング項目についてのフラギング判定が完了するまで繰り返し行われる。
【0065】
最後に、図10に示すように、ステップS8において、分析結果表示画面(図9参照)のグラフ表示部49および数値データ表示部50に測定データおよび処理済測定データが表示される。この際、グラフ表示部49には、DIFFスキャッタグラム55、WSC/BASOスキャッタグラム56、RETスキャッタグラム57、RBC粒度分布58およびPLT粒度分布59が表示される。また、数値データ表示部50には、DIFFスキャッタグラム55、WSC/BASOスキャッタグラム56、RETスキャッタグラム57、RBC粒度分布58およびPLT粒度分布59に表示された測定データを分析処理することにより得られた数値データと、ステップS607およびステップS609(図12参照)においてセットされた異常判定マーク(−)および(+)とが表示される。また、フラギングメッセージ表示部51には、ステップS707(図13参照)においてセットされたフラギングメッセージが表示されるとともに、フラグ状態表示部52には、「POSITIVE」が表示される。
【0066】
本実施形態では、上記のように、所定の動物種(大分類)に属するカテゴリ(小分類)を選択可能な状態に表示するカテゴリコンボボックス24と、表示されたカテゴリの一覧(プルダウンメニュー)24bの中から選択された所定のカテゴリに対応する異常判定しきい値テーブル15およびフラギング判定値テーブル16に基づいて血液検体の測定データの分析を実行する端末側制御部12とを設けることによって、端末側制御部12により、血液検体の動物種を細分化したカテゴリに対応する異常判定しきい値テーブル15およびフラギング判定値テーブル16を用いて、血液検体の測定データの異常判定およびフラギングの判定を行うことができる。
【0067】
また、本実施形態では、所定の動物種(大分類)に属するカテゴリ(小分類)を選択可能な状態に表示するカテゴリコンボボックス24を設けることによって、所定の動物種を選択すれば、その所定の動物種に属するカテゴリのみを選択可能な状態に表示させることができるので、全ての動物種に属する多数のカテゴリを選択可能な状態に表示する場合と異なり、少ない数のカテゴリの中から所定のカテゴリを選択することができる。これにより、容易に、所定のカテゴリを選択することができる。
【0068】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0069】
たとえば、上記実施形態では、本発明の分析装置の一例として動物の血液を分析するための血液分析装置について説明したが、本発明はこれに限らず、動物の血液を分析するための血液分析装置以外の分析装置についても本発明を適用することができる。たとえば、人の血液を分析するための血液分析装置に本発明を適用してもよい。この際、大分類として「男性」および「女性」を適用するとともに、小分類として、「男性」に属する「健常人」、「疾患Aを有する患者」および「疾患Bを有する患者」や、「女性」に属する「健常人」、「疾患Cを有する患者」および「疾患Dを有する患者」などを適用してもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、スキャッタグラムの区画分けの方法を大分類(動物種)に対応して変更するようにしたが、本発明はこれに限らず、スキャッタグラムの区画分けの方法を小分類(カテゴリ)に対応して変更するようにしてもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、血液を分析するための血液分析装置に本発明を適用した例について説明したが、本発明はこれに限らず、血液以外の分析物を分析するための分析装置にも本発明を適用することができる。たとえば、尿を分析するための分析装置などにも本発明を適用することができる。
【0072】
また、上記実施形態では、動物種(大分類)をラット、マウス、ウサギ、イヌ、サルおよびOtherによって構成したが、本発明はこれに限らず、上記以外の動物種を用いることも可能である。
【0073】
また、上記実施形態では、測定部とデータ処理端末(データ処理部)とを別々に設ける例を示したが、本発明はこれに限らず、測定部にデータ処理部を組み込むようにしてもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、動物種を選択すると、その選択した動物種に属するカテゴリのみがカテゴリコンボボックスに表示されるように血液分析装置を構成する例を示したが、本発明はこれに限らず、たとえば、動物種を選択すると、その選択した動物種に属するカテゴリ、および、選択した動物種を含む複数の動物種に共通のカテゴリがカテゴリコンボボックスに表示されるように血液分析装置を構成してもよい。具体的には、動物種としての「マウス」および「ラット」に共通の「マウス・ラット標準」というカテゴリを設けるとともに、動物種コンボボックスにより「マウス」または「ラット」を選択すると、共通のカテゴリである「マウス・ラット標準」がカテゴリコンボボックスに表示されるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の一実施形態による動物の血液を分析するための血液分析装置の全体構成を示した斜視図である。
【図2】図1に示した一実施形態による動物の血液を分析するための血液分析装置の内部構成を説明するためのブロック図である。
【図3】図1に示した一実施形態による動物の血液を分析するための血液分析装置の端末側制御部の機能について説明するための図である。
【図4】図1に示した一実施形態による動物の血液を分析するための血液分析装置に用いるデータ処理端末の測定登録画面を示した図である。
【図5】図1に示した一実施形態による動物の血液を分析するための血液分析装置に用いるデータ処理端末の測定登録画面を示した図である。
【図6】図1に示した一実施形態による動物の血液を分析するための血液分析装置に用いるデータ処理端末の測定登録画面を示した図である。
【図7】図1に示した一実施形態による動物の血液を分析するための血液分析装置に用いるデータ処理端末のカテゴリ設定画面を示した図である。
【図8】図1に示した一実施形態による動物の血液を分析するための血液分析装置に用いるデータ処理端末のフラギング判定値設定画面を示した図である。
【図9】図1に示した一実施形態による動物の血液を分析するための血液分析装置に用いるデータ処理端末の分析結果表示画面を示した図である。
【図10】本発明の一実施形態による動物の血液を分析するための血液分析装置の血液検体を測定する際の動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態による動物の血液を分析するための血液分析装置の測定登録時の動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態による動物の血液を分析するための血液分析装置の異常判定時の動作を説明するためのフローチャートである。
【図13】本発明の一実施形態による動物の血液を分析するための血液分析装置のフラギング判定時の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0076】
1a 測定部
2 データ処理端末(データ処理部)
12 端末側制御部(分析制御手段、分類記憶手段、分析条件記憶手段)
15 異常判定しきい値テーブル(分析条件)
16 フラギング判定値テーブル(分析条件)
19 カテゴリ情報表示部(属性情報表示手段)
23 動物種コンボボックス(大分類選択手段)
24 カテゴリコンボボックス(小分類選択表示手段)
24b カテゴリの一覧(プルダウンメニュー)
48a フラギングメッセージ(メッセージ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の分析物を分析可能な分析装置であって、
前記分析物の種類を示す大分類の中から前記分析物に対応する所定の大分類を選択するための大分類選択手段と、
前記所定の大分類に属する小分類を選択可能な状態に表示する小分類選択表示手段と、
前記表示された小分類の中から選択された所定の小分類に対応する分析条件に基づいて前記分析物の測定データの分析を実行する分析制御手段とを備えた、分析装置。
【請求項2】
前記大分類と、前記大分類に属する小分類とを対応付けて記憶する分類記憶手段と、
少なくとも前記小分類に対応する分析条件を記憶する分析条件記憶手段とをさらに備え、
前記小分類選択表示手段は、前記大分類選択手段により選択された前記所定の大分類に属する小分類を、前記分類記憶手段に記憶された小分類から抽出するとともに、前記抽出した小分類を選択可能に表示し、
前記分析制御手段は、前記小分類選択表示手段によって選択された小分類に基づいて、前記分析条件記憶手段から対応する分析条件を読み出すとともに、前記読み出した分析条件に基づいて前記測定データの分析を実行する、請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記分析制御手段は、前記測定データを処理して前記分析物の処理済測定データを取得するとともに、前記分析条件に基づいて前記処理済測定データを評価する、請求項1または2に記載の分析装置。
【請求項4】
前記分析条件は、前記選択された所定の小分類に対応するとともに、所定の測定項目に該当する前記処理済測定データが異常か否かを判定するためのしきい値を含み、
前記分析制御手段は、前記分析条件に基づいて前記処理済測定データを評価する際に、前記しきい値に基づいて前記所定の測定項目に該当する前記処理済測定データが異常か否かを判定する、請求項3に記載の分析装置。
【請求項5】
前記分析条件は、前記所定の小分類に対応するとともに、前記処理済測定データについて所定のメッセージを出力する必要があるか否かを判定するための判定式を含み、
前記分析制御手段は、前記分析条件に基づいて前記処理済測定データを評価する際に、前記判定式に基づいて前記処理済測定データについて前記所定のメッセージを出力する必要があるか否かを判定する、請求項3または4に記載の分析装置。
【請求項6】
前記分析制御手段は、前記選択された所定の小分類が属する前記大分類に対応する分析条件に基づいて、前記測定データを処理して所定の分析項目に該当する処理済測定データを取得する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の分析装置。
【請求項7】
前記小分類選択表示手段は、前記選択された所定の大分類に属する小分類の一覧を表示するとともに、前記小分類の一覧から選択された所定の小分類を表示する機能を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の分析装置。
【請求項8】
前記大分類と、前記大分類に属する小分類とを対応付けて記憶するとともに、前記小分類と、前記小分類に対応する属性情報とを対応付けて記憶する分類記憶手段と、
前記所定の小分類が選択されたことに基づいて、前記所定の小分類に対応する前記属性情報を前記分類記憶手段から読み出すとともに表示する属性情報表示手段とをさらに備えた、請求項1〜7のいずれか1項に記載の分析装置。
【請求項9】
前記大分類は、前記分析物が由来する動物の種類を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の分析装置。
【請求項10】
複数種類の分析物を分析可能な分析プログラムであって、
前記分析物の種類を示す大分類の中から前記分析物に対応する所定の大分類を選択するステップと、
前記所定の大分類に属する小分類を選択可能な状態に表示するステップと、
前記表示された小分類の中から選択された所定の小分類に対応する分析条件に基づいて前記分析物の測定データの分析を実行するステップとを備えた、分析プログラム。
【請求項11】
複数種類の分析物を分析可能な分析装置であって、
前記分析物の測定を行うことにより測定データを取得する測定部と、
前記測定部により取得された前記分析物の測定データの分析処理を行うデータ処理部とを備え、
前記データ処理部は、
前記分析物の種類を示す大分類の中から前記分析物に対応する所定の大分類を選択するための大分類選択手段と、
前記所定の大分類に属する小分類を選択可能な状態に表示する小分類選択表示手段と、
前記表示された小分類の中から選択された所定の小分類に対応する分析条件に基づいて前記分析物の測定データの分析を実行する分析制御手段とを備えた、分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−17637(P2006−17637A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−197184(P2004−197184)
【出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】