説明

分析装置および分析方法

【課題】大規模な分析システムを用いずとも無駄な分析処理を回避できる分析装置および分析方法を提供すること。
【解決手段】この発明にかかる分析装置1は、検体容器21a内の検体を反応容器30に分注して測定処理を行なう測定機構3を備え、測定機構3による測定結果をもとに検体を分析する分析装置であって、検体容器21aに付され、検体の状態を示す検体情報を記憶した外部と通信可能であるRFIDタグと、RFIDタグに記憶された検体情報を読み取るリーダ22と、リーダ22によって読み取られた検体情報をもとに、RFIDタグが付された検体容器21a内の検体が適正に分析できる状態であるか否かを判断する判断部42と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、検体容器内の検体を反応容器に分注して測定処理を行なう測定機構を備え、測定機構による測定結果をもとに検体を分析する分析装置および分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
分析装置は、血液や体液などである多数の検体に対する分析処理を同時に行ない、さらに、多成分を迅速に、かつ、高精度で分析できるため、免疫検査、生化学検査、輸血検査などさまざまな分野での検査に用いられている。このような分析装置では、列をなして順次搬送される複数の反応容器に検体容器の検体を順次分注するとともに分析項目に応じた試薬を分注し、反応容器内の試薬と検体の間で生じた反応を光学的に測定することによって、検体の成分分析等を自動的に行なっている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平5−164763号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の分析装置においては、分析が指示された検体に対して順次測定が自動的に行なわれるため、検体汚染、検体残量不足、凝固や溶血などの検体不良によって適正に分析できる状態でない検体であっても自動的に分析処理が行なわれてしまい、無駄な分析処理を行なってしまうという問題があった。
【0005】
また、分析装置をネットワーク回線などで管理装置に接続し、この管理装置において各検体の汚染や残量などを管理する方法が提案されているが、ネットワーク回線で分析装置を接続した大規模かつ複雑なシステムを構成する必要があるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記した従来技術の欠点に鑑みてなされたものであり、大規模な分析システムを用いずとも無駄な分析処理を回避できる分析装置および分析方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる分析装置は、検体容器内の検体を反応容器に分注して測定処理を行なう測定機構を備え、前記測定機構による測定結果をもとに前記検体を分析する分析装置において、前記検体容器に付され、前記検体の状態を示す検体情報を記憶するとともに所定周波数の電波を介して外部と通信可能である情報記憶媒体と、前記情報記憶媒体に記憶された前記検体情報を読み取る読取手段と、前記読取手段によって読み取られた前記情報記憶媒体における前記検体情報をもとに、該情報記憶媒体が付された前記検体容器内の検体が適正に分析できる状態であるか否かを判断する判断手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、この発明にかかる分析装置は、前記情報記憶媒体は、該情報記憶媒体が付された前記検体容器内における検体の検体残量、凝固の有無、溶血の有無、白濁の有無、粘度、汚染度、採取日、分析順の少なくともいずれかを前記検体情報として記憶することを特徴とする。
【0009】
また、この発明にかかる分析装置は、前記判断手段が前記情報記憶媒体が付された前記検体容器内の検体が適正に分析できる状態でないと判断した場合、前記測定機構に対し、該情報記憶媒体が付された前記検体容器内の検体の前記反応容器への分注を禁止する制御手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる分析装置は、前記情報記憶媒体に情報を書き込む書込手段をさらに備え、前記制御手段は、前記判断手段が前記情報記憶媒体が付された前記検体容器内の検体が適正に分析できる状態であると判断した場合、前記測定機構に対し、該情報記憶媒体が付された前記検体容器内の検体を前記反応容器内に分注させ、前記書込手段は、前記情報記憶媒体に対して、前記測定機構による測定処理によって変動した前記検体情報または前記測定機構による測定結果によって新たに判明した前記検体情報を書き込むことを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかる分析装置は、前記判断手段が前記情報記憶媒体が付された前記検体容器内の検体が適正に分析できる状態でないと判断した場合、該情報記憶媒体が付された前記検体容器内の検体が適正に分析できる状態でないことを報知する警告を出力する出力手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかる分析装置は、前記制御手段は、前記読取手段によって読み取られた前記情報記憶媒体における前記検体情報に応じた分注条件にしたがって、前記測定機構に該情報記憶媒体が付された検体容器内の検体を前記反応容器内に分注させることを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかる分析装置は、前記測定機構は、複数設けられており、前記制御手段は、前記複数の測定機構に対して、前記読取手段によって読み取られた前記情報記憶媒体における前記検体情報に応じた測定順序を設定し、該測定順序で該情報記憶媒体が付された検体容器内の検体に対する測定処理を行なわせることを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかる分析方法は、検体容器内の検体を反応容器に分注して測定処理を行なう測定機構を備え、前記測定機構による測定結果をもとに前記検体を分析する分析装置における分析方法において、前記検体容器に付され、前記検体の状態を示す検体情報を記憶するとともに所定周波数の電波を介して外部と通信可能である情報記憶媒体に記憶された前記検体情報を読み取る読取ステップと、前記読取ステップにおいて読み取られた前記情報記憶媒体における前記検体情報をもとに、該情報記憶媒体が付された前記検体容器内の検体が適正に分析できる状態であるか否かを判断する判断ステップと、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、この発明にかかる分析方法は、前記情報記憶媒体は、該情報記憶媒体が付された前記検体容器内における検体の検体残量、凝固の有無、溶血の有無、白濁の有無、粘度、汚染度、採取日、分析順の少なくともいずれかを前記検体情報として記憶することを特徴とする。
【0016】
また、この発明にかかる分析方法は、前記判断ステップにおいて前記情報記憶媒体が付された前記検体容器内の検体が適正に分析できる状態でないと判断された場合、前記測定機構に対し、該情報記憶媒体が付された前記検体容器内の検体の前記反応容器への分注を禁止する分注禁止ステップをさらに含むことを特徴とする。
【0017】
また、この発明にかかる分析方法は、前記判断ステップにおいて前記情報記憶媒体が付された前記検体容器内の検体が適正に分析できる状態であると判断された場合、前記測定機構に対し、該情報記憶媒体が付された前記検体容器内の検体を前記反応容器内に分注させる検体分注ステップと、前記情報記憶媒体に対して、前記測定機構による測定処理によって変動した前記検体情報または前記測定機構による測定結果によって新たに判明した前記検体情報を書き込む書込みステップと、をさらに含むことを特徴とする。
【0018】
また、この発明にかかる分析方法は、前記判断ステップにおいて前記情報記憶媒体が付された前記検体容器内の検体が適正に分析できる状態でないと判断された場合、該情報記憶媒体が付された前記検体容器内の検体が適正に分析できる状態でないことを報知する警告を出力する出力ステップをさらに含むことを特徴とする。
【0019】
また、この発明にかかる分析方法は、前記検体分注ステップは、前記読取手段によって読み取られた前記情報記憶媒体における前記検体情報に応じた分注条件にしたがって前記測定機構に該情報記憶媒体が付された検体容器内の検体を前記反応容器内に分注させることを特徴とする。
【0020】
また、この発明にかかる分析方法は、複数の前記測定機構に対して、前記読取手段によって読み取られた前記情報記憶媒体における前記検体情報に応じた測定順序を設定する測定順序設定処理をさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、検体容器に付された情報記憶媒体から読み取った検体の状態を示す検体情報をもとに、情報記憶媒体が付された検体容器内の検体が適正に分析できる状態であるか否かを分析装置内で判断した上で検体の分析処理を実行するため、大規模な分析システムを用いずとも無駄な分析処理を回避することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態である分析装置について、血液、尿、液体等の検体のうち血液に対して分析を行なう分析装置を例に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
【0023】
(実施の形態1)
まず、実施の形態1について説明する。実施の形態1においては、各検体容器にそれぞれ付されたRFIDタグに記憶された検体の状態を示す検体情報をもとに、各検体容器内に収容された検体が適正に分析できる状態であるかを判断した上で各検体容に対する分析処理を行なう場合について説明する。
【0024】
図1は、本実施の形態1にかかる分析装置の構成を示す模式図である。図1に示すように、実施の形態1にかかる分析装置1は、分析対象である検体を収容した検体容器を順次移送する検体移送機構2と、検体および試薬を反応容器30にそれぞれ分注し反応容器30内で生じる反応を光学的に測定する測定機構3と、検体移送機構2および測定機構3を含む分析装置1全体の制御を行なうとともに測定機構3における測定結果の分析を行なう制御機構4とを備える。分析装置1は、これらの機構が連携することによって複数の検体の分析を自動的に行なう。
【0025】
検体移送機構2は、血液検体を収容した複数の検体容器21aを保持し、図中の矢印方向に順次移送する複数の検体ラック21bを備える。検体移送機構2においては、矢印Y1に示すように、検体移送機構21上の検体分注位置P0に移送された検体容器21a内の検体は、検体分注部32によって、反応テーブル33上に配列して搬送される反応容器30に分注される。
【0026】
ここで、図2に示すように、この検体ラック21bに収容された検体容器21aの側面には、この検体容器21aに収容された検体の状態を示す検体情報を記憶するとともに所定周波数の電波を介して外部と通信可能であるRFIDタグ24が付されている。RFIDタグ24は、RFID(Radio Frequency Identification)システムにおいて用いられるタグ形状の情報記憶媒体である。RFIDタグ24が記憶する各種情報は、書き込みおよび読み取りを指示する所定周波数の電波を介して、読出しが可能であるとともに、書き込み、書き換えが可能である。
【0027】
このRFIDタグ24は、このRFIDタグ24が付された検体容器21a内に収容された検体を識別するID情報とともに、この検体の状態を示す検体情報として、検体容器内における検体の検体残量、凝固の有無、溶血の有無、白濁の有無、粘度、汚染度、採取日、分析順の少なくともいずれかを記憶する。検体情報は、分析装置1における測定前に前処理装置による測定等によって得られたものも含み、分析装置1の測定前にRFIDタグ24に書き込まれている。また、RFIDタグ24は、検体残量として、検体である血液が前処理によって血しょう成分と血球成分に分離されていた場合には、血しょう成分、血球成分それぞれの残量を記憶してもよい。また、RFIDタグ24は、このRFIDタグ24が付された検体容器21a内の検体における測定履歴を記憶してもよい。
【0028】
図1に示すように、検体移送機構2には、このRFIEタグ24の情報を読み取るリーダ22と、このRFIDタグ24に情報を書き込み、または、RFIDタグ24の情報を書き換えるライタ23とが設けられている。リーダ22は、矢印Y1に示すように、読取位置Prに搬送された検体容器21aのRFIDタグ24の検体情報を所定周波数の電波を介して読み取る。ライタ23は、検体分注位置P0に搬送された後に矢印Y4に示すように書込位置Pwに搬送された検体容器21aのRFIDタグ24に情報を書き込む。ライタ23は、RFIDタグ24に対して、測定機構3による測定処理によって変動した検体情報を書き換え、測定機構3による測定処理によって新たに判明した検体情報を書き込む。リーダ22およびライタ23は、後述する制御部41の制御によって、RFIDタグ24の読み取り、RFIDタグ24への情報の書き込み、書き換えを行ない、RFIDタグ24から読み取った情報を制御部41に出力する。
【0029】
測定機構3は、大別して検体分注部32、反応テーブル33、試薬庫34、試薬分注部37、攪拌部38、測光部39および洗浄部40を備える。検体分注部32は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なうアーム32aを備える。このアーム32aの先端部には、検体の吸引および吐出を行なう検体ノズルが取り付けられている。検体分注部32は、図示しない吸排シリンジまたは圧電素子を用いた吸排機構を備える。検体分注部32は、上述した検体移送機構21上の検体分注位置P0に移送された検体容器21aの中から検体ノズルによって検体を吸引し、アーム32aを図中時計回りに旋回させ、反応容器30に検体を吐出して分注を行なう。
【0030】
反応テーブル33は、反応容器30への検体や試薬の分注、反応容器30の攪拌、洗浄または測光を行なうために反応容器30を所定の位置まで移送する。この反応テーブル33は、制御部41の制御のもと、図示しない駆動機構が駆動することによって、反応テーブル33の中心を通る鉛直線を回転軸として回動自在である。反応テーブル33の上方と下方には、図示しない開閉自在な蓋と恒温槽がそれぞれ設けられている。
【0031】
試薬庫34は、反応容器30内に分注される試薬が収容された試薬容器35を複数収納できる。試薬庫34には、複数の収納室が等間隔で配置されており、各収納室には試薬容器35が着脱自在に収納される。試薬庫34は、制御部41の制御のもと、図示しない駆動機構が駆動することによって、試薬庫34の中心を通る鉛直線を回転軸として時計回りまたは反時計回りに回動自在であり、所望の試薬容器35を試薬分注部37による試薬吸引位置まで移送する。試薬庫34の上方には、開閉自在な蓋(図示せず)が設けられている。また、試薬庫34の下方には、恒温槽が設けられている。このため、試薬庫34内に試薬容器35が収納され、蓋が閉じられたときに、試薬容器35内に収容された試薬を恒温状態に保ち、試薬容器35内に収容された試薬の蒸発や変性を抑制することができる。
【0032】
試薬分注部37は、検体分注部32と同様に、試薬の吸引および吐出を行なう試薬ノズルが先端部に取り付けられたアーム37aを備える。アーム37aは、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なう。試薬分注部37は、試薬庫34上の所定位置に移動された試薬容器35内の試薬を試薬ノズルによって吸引し、アーム37aを図中時計回りに旋回させ、反応テーブル33上の所定位置に搬送された反応容器30に分注する。攪拌部38は、反応容器30に分注された検体と試薬との攪拌を行ない、反応を促進させる。
【0033】
測光部39は、所定の測光位置に搬送された反応容器30内の反応液の光学的特性を測定する。この測光部39による測定結果は、制御部41に出力され、分析部44において分析される。
【0034】
洗浄部40は、図示しないノズルによって、測光部39による測定が終了した反応容器30内の混合液を吸引して排出するとともに、洗剤や洗浄水等の洗浄液を注入および吸引することで洗浄を行なう。この洗浄した反応容器30は再利用されるが、検査内容によっては1回の測定終了後に反応容器30を廃棄してもよい。
【0035】
つぎに、制御機構4について説明する。制御機構4は、制御部41、入力部43、分析部44、記憶部45および出力部46を備える。検体移送機構2、測定機構3および制御機構4が備えるこれらの各部は、制御部41に電気的に接続されている。
【0036】
制御部41は、CPU等を用いて構成され、分析装置1の各部の処理および動作を制御する。制御部41は、これらの各構成部位に入出力される情報について所定の入出力制御を行ない、かつ、この情報に対して所定の情報処理を行なう。制御部41は、判断部42を備える。
【0037】
判断部42は、リーダ22によって読み取られた検体情報をもとに、RFIDタグ24が付された検体容器21a内の検体が適正に分析できる状態であるか否かを判断する。制御部41は、判断部42がRFIDタグ24が付された検体容器21a内の検体が適正に分析できる状態でないと判断した場合、測定機構3に対し、該RFIDタグ24が付された検体容器21a内の検体の反応容器30への分注を禁止する。制御部41は、判断部42がRFIDタグ24が付された検体容器21a内の検体が適正に分析できる状態であると判断した場合、測定機構3に対し、該RFIDタグ24が付された検体容器21a内の検体の反応容器30への分注を許可し、該RFIDタグ24が付された検体容器21a内の検体の反応容器30を分注させ測定処理を行なわせる。
【0038】
入力部43は、キーボード、マウス等を用いて構成され、検体の分析に必要な諸情報や分析動作の指示情報等を外部から取得する。分析部44は、測光部39から出力された検体の光学的特性の測定結果に基づいて検体の成分分析等を行なう。
【0039】
記憶部45は、情報を磁気的に記憶するハードディスクと、分析装置1が処理を実行する際にその処理にかかわる各種プログラムをハードディスクからロードして電気的に記憶するメモリとを用いて構成され、検体の分析結果等を含む諸情報を記憶する。記憶部45は、判断部42における判断基準のもととなる判断テーブルを記憶する。判断部42は、記憶部45に記憶された判断テーブルを参照して、検体容器21a内の検体が適正に分析できる状態であるか否かを判断する。記憶部45は、CD−ROM、DVD−ROM、PCカード等の記憶媒体に記憶された情報を読み取ることができる補助記憶装置を備えてもよい。
【0040】
出力部46は、プリンタ、スピーカー等を用いて構成され、検体の分析結果を含む諸情報を出力する。出力部46は、図示しない通信ネットワークを介して所定の形式にしたがった情報を外部装置に出力してもよい。出力部46は、判断部42がRFIDタグ24が付された検体容器21a内の検体が適正に分析できる状態でないと判断した場合、該RFIDタグ24が付された検体容器21a内の検体が適正に分析できる状態でないことを報知する警告を出力する。出力部46は、ディスプレイを用いて構成された表示部47を備える。
【0041】
以上のように構成された分析装置1では、列をなして順次搬送される複数の反応容器30に対して、検体分注部32が検体移送機構2によって所定位置に移送された検体容器21a中の検体を分注し、試薬分注部37が試薬容器35中の試薬を分注し、攪拌部38が反応容器30内を攪拌した後に、測光部39が検体と試薬との反応液に対して光学的測定を行ない、この測定結果を分析部44が分析することで、検体の成分分析等が自動的に行われる。また、洗浄部40が測光部39による測定が終了した後に搬送される反応容器30を搬送させながら洗浄することで、一連の分析動作が連続して繰り返し行われる。
【0042】
つぎに、図3を参照して、図1に示す分析装置1における検体の分注管理処理について説明する。まず、図3に示すように、制御部41は、分析装置1起動後に、読取位置Prに搬送された検体容器21aがあるか否かを判断する(ステップS2)。制御部41は、読取位置Prに搬送された検体容器21aがあると判断するまでステップS2の判断処理を繰り返し、読取位置Prに搬送された検体容器21aがあると判断した場合(ステップS2:Yes)、リーダ22に読取位置Prに搬送された検体容器21aに付されたRFIDタグ24の情報を読み取らせるRFIDタグ読取処理を行なう(ステップS4)。リーダ22は、読取位置Prの検体容器21aに付されたRFIDタグ24から読み取った検体情報を制御部41に出力する。
【0043】
つぎに、判断部42は、記憶部45から判断テーブルを参照する(ステップS6)。この判断テーブルは、たとえば図4のテーブルT1に示すように、検体情報の種別と、各検体情報の読取内容と、読取内容に対応する検体分注処理の可否を対応づけたものである。判断部42は、この判断テーブルを参照することによって、リーダ22によって読み取られた検体情報をもとにRFIDタグ24が付された検体容器21a内の検体が適正に分析できる状態であるか否かを判断する判断処理を行なう(ステップS8)。
【0044】
具体的には、判断部42は、検体情報に採取日が含まれている場合、この採取日から読取日時までの期間を計算する。そして、判断部42は、テーブルT1に示すように、採取日から読取日時までの期間が、分析結果を保証できる検体状態を保持可能である所定の有効期間A日以内である場合には、このRFIDタグ24が付された検体容器21a内の検体は適正に分析できる状態であると判断し、検体分注を許可する判断を行なう。一方、判断部42は、採取日から読取日時までの期間が有効期間A日を超過している場合には、このRFIDタグ24が付された検体容器21a内の検体は適正に分析できる状態でないと判断し、検体分注を禁止する判断を行なう。
【0045】
また、判断部42は、検体情報に検体残量が含まれている場合、テーブルT1に示すように、この検体残量が、測定に使用する使用量と分注精度保持のために要する量との合計量B以上であるときには、このRFIDタグ24が付された検体容器21a内に測定に必要である検体量が残存しているため検体は適正に分析できる状態であると判断し、検体分注を許可する判断を行なう。一方、判断部42は、検体残量がB未満であるときには、このRFIDタグ24が付された検体容器21a内に測定に必要である検体量が残存していないため検体は適正に分析できる状態でないと判断し、検体分注を禁止する判断を行なう。
【0046】
また、判断部42は、検体情報に凝固の有無に関する情報が含まれている場合、テーブルT1に示すように、凝固がないときには、検体ノズルの詰りなどが発生せず所定量の検体が反応容器30内に分注できるため該RFIDタグ24が付された検体容器21a内の検体は適正に分析できる状態であると判断し、検体分注を許可する判断を行なう。一方、判断部42は、凝固があるときには、このRFIDタグ24が付された検体容器21a内の検体分注によって検体ノズル詰りなどが発生するおそれがあるため検体は適正に分析できる状態でないと判断し、検体分注を禁止する判断を行なう。
【0047】
また、判断部42は、検体情報に溶血の有無に関する情報が含まれている場合、テーブルT1に示すように、溶血がないときには、血しょうと血球に適正に分離されているため該RFIDタグ24が付された検体容器21a内の検体は適正に分析できる状態であると判断し、検体分注を許可する判断を行なう。一方、判断部42は、溶血があるときには、このRFIDタグ24が付された検体容器21a内の検体は、血しょう成分内にヘモグロビンが混入した状態であるため適正に分析できる状態でないと判断し、検体分注を禁止する判断を行なう。
【0048】
また、判断部42は、検体情報に白濁の有無に関する情報が含まれている場合、テーブルT1に示すように、白濁がないときには、光学的特性を正確に取得することができるため該RFIDタグ24が付された検体容器21a内の検体は適正に分析できる状態であると判断し、検体分注を許可する判断を行なう。一方、判断部42は、白濁があるときには、このRFIDタグ24が付された検体容器21a内の検体は白濁によって光学的特性を正確に取得できず適正に分析できる状態でないと判断し、検体分注を禁止する判断を行なう。
【0049】
また、判断部42は、検体情報に粘度の有無に関する情報が含まれている場合、テーブルT1に示すように、この粘度が、分析精度を保証できる分注誤差範囲内で分注可能であるC未満であるときには、このRFIDタグ24が付された検体容器21a内の検体を反応容器30内に分析精度を保証できる誤差範囲内で分注できるため検体は適正に分析できる状態であると判断し、検体分注を許可する判断を行なう。一方、判断部42は、粘度がC以上であるときには、このRFIDタグ24が付された検体容器21a内の検体は分析精度を保証できる誤差範囲を超えた量が反応容器30内に分注されるおそれがあるため適正に分析できる状態でないと判断し、検体分注を禁止する判断を行なう。
【0050】
また、判断部42は、検体情報に測定来歴、すなわち検体の汚染度に関する情報が含まれている場合、テーブルT1に示すように、汚染度が、測定機構3において許容される汚染度D未満であるときには、このRFIDタグ24が付された検体容器21a内の検体を測定機構3において分析可能であると判断し、検体分注を許可する判断を行なう。一方、判断部42は、汚染度がD以上であるときには、このRFIDタグ24が付された検体容器21a内の検体を分注することによって測定機構3における検体分注部32および反応容器30などが汚染されてしまうため、検体分注を禁止する判断を行なう。
【0051】
また、判断部42は、検体情報に、各分析装置の分析順に関する情報が含まれている場合、他の分析装置における測定履歴をもとに当該分析装置1における分析順番を識別する。この分析順は、たとえば各分析装置の許容汚染度を満たすように汚染度の低い順に設定される。そして、判断部42は、テーブルT1に示すように、設定された分析順で分析されるときには、このRFIDタグ24が付された検体容器21a内の検体を測定機構3において分析可能であると判断し、検体分注を許可する判断を行なう。一方、判断部42は、設定された分析順で分析されないときには、汚染度の高い検体を分注するおそれなどがあるため、検体分注を禁止する判断を行なう。
【0052】
このように、判断部42によってステップS8の判断処理が行なわれた後、制御部41は、判断部42による判断が検体分注許可または検体分注禁止であるかを判断する(ステップS10)。
【0053】
制御部41は、判断部42による判断が検体分注許可であると判断した場合(ステップS10:検体分注許可)、検体分注部32に対して、このRFIDタグ24が付された検体容器21aから所定量の検体を反応容器30内に分注させて、検体分注処理を行なう(ステップS12)。この検体が分注された反応容器30は、試薬分注部37によって試薬分注が行われ、攪拌部38による攪拌処理が行われた後に測光部39による光学的特性の測定処理が行なわれて、廃棄または洗浄部40による洗浄処理が行われる。このように、分析装置1においては、適正に分析できる状態の検体のみを反応容器30内に分注し測定を行なうため、検体不良や残量不足が発生している検体に対する無駄な分析処理を行なうことがない。
【0054】
そして、制御部41は、検体分注処理が終了した検体容器21aに付されたRFIDタグ24に対して書き込む書込用情報を取得する書込用情報取得処理を行なう(ステップS14)。この書込用情報として、検体分注処理によって分注された検体量を検体残量から減算した値である新たな検体残量、測定機構3による検体の光学的測定によって新たに判明した白濁または溶血、検体分注部32の吸引圧変動によって判明した検体の凝固、この測定機構3の汚染度を加算した新たな汚染度、測定履歴としてこの測定機構3による測定日時や測定機構3による測定が設定された分析順で測定されたことを示す情報などがある。
【0055】
次いで、制御部41は、取得した書込情報に対応するRFIDタグ24が付された検体容器21aを書込位置Pwに搬送した後、ライタ23に、取得した書込情報に対応するRFIDタグ24に対して書込情報を書き込ませるRFIDタグ書込処理を行なう(ステップS18)。このように、分析装置1においては、測定ごとにRFIDタグ24の情報を更新および書き込んでいる。言い換えると、分析装置1は、検体の現状態にほぼ合致した検体情報を、この検体が収容された検体容器21aに付されたRFIDタグ24に書き込んでおり、検体と該検体の現状態にほぼ合致した検体情報を記憶するRFIDタグ24とを一組として管理している。このため、分析装置1は、RFIDタグ24の情報を読み取ることによって、このRFIDタグ24が付された検体容器21a内の検体の現状態を示す検体情報を正確かつ簡易に取得することができる。
【0056】
一方、制御部41は、判断部42による判断が検体分注禁止であると判断した場合(ステップS10:検体分注禁止)、検体分注部32に対して検体分注処理を禁止する検体分注禁止制御処理を行なう(ステップS21)。そして、制御部41は、出力部46に対して、このRFIDタグ24が付された検体容器21a内の検体が適正に分析できる状態でないことを報知するアラームを出力させる(ステップS22)。この場合、表示部47は、判断部42によって検体分注禁止であると判断された検体ごとにアラームを出力するほか、たとえば図5のアラームメニューM1に示すように、判断部42によって検体分注禁止であると判断された複数の検体にまとめてアラームを出力してもよい。たとえば、アラームメニューM1には、判断部42によって検体分注禁止であると判断された検体の検体ID、この検体が収容された検体ラック番号と検体ラック内の位置、アラーム内容を対応づけたリストが示されている。分析装置1の操作者は、このアラームメニューM1を確認することによって、検体分注が禁止された検体の位置とアラーム内容を迅速に認識することができる。
【0057】
そして、制御部41は、この検体が収容された検体容器21aに付されたRFIDタグ24に対して書き込む書込用情報を取得する書込用情報取得処理を行なう(ステップS24)。この書込用情報として、この測定機構3において検体分注禁止が判断された旨を示す情報や、検体分注禁止の判断理由を示す情報などがある。次いで、制御部41は、取得した書込情報に対応するRFIDタグ24が付された検体容器21aを書込位置Pwに搬送した後、ライタ23に、取得した書込情報に対応するRFIDタグ24に対して書込情報を書き込ませるRFIDタグ書込処理を行なう(ステップS28)。このRFIDタグ24の情報を読み取ることによって、他の分析装置1などは、このRFIDタグ24が付された検体容器21a内の検体が分析装置1において分析されなかった旨を取得することができる。
【0058】
そして、制御部41は、分析装置1における測定が終了したか否かを判断する(ステップS30)。制御部41は、分析装置1における測定が終了したと判断した場合(ステップS30:Yes)、分析装置1における測定処理を終了する。一方、制御部41は、分析装置1における測定が終了していないと判断した場合(ステップS30:No)、ステップS2に戻り、次に分注対象である検体容器21aが読取位置Prにあるか否かを判断して、RFIDタグ24の情報をもとに、この検体容器21aに収容された検体に対する分注処理の可否を判断する。
【0059】
このように、実施の形態1にかかる分析装置1においては、検体とRFIDタグ24とを一組として管理しており、RFIDタグ24への検体情報の読み取りおよび書き込みによって、分析装置1内において検体の現状態にほぼ合致した検体情報を取得または更新することができる。このため、分析装置1においては、個々の分析装置1内でRFIDタグ24を読み取って検体管理を行なえるため、従来のように各分析装置をネットワーク回線で接続した大規模かつ複雑なシステムを構築する必要がなく、簡易な構成とすることできる。
【0060】
また、分析装置1においては、検体容器21aに付されたRFIDタグ24から読み取った検体情報をもとに、RFIDタグ24が付された検体容器21a内の検体が適正に分析できる状態であるか否かを分析装置1内で判断した上で、検体の分注処理を実行する。
【0061】
従来の分析装置においては、自動的に順次検体を反応容器に分注し、順次自動的に分析処理を行なっていた。このため、従来、有効期限を超過した検体を分析した結果、信頼性のない分析結果を取得してしまう場合があった。また、従来、残量が不足している検体、たとえば血しょう成分残量が不足した検体に対する分注処理を実行した結果、本来の分析対象である血しょう成分量が足りず血球成分を吸引してしまう場合があった。そして、従来、凝固した検体に対して分注処理を実行した結果、検体ノズル詰りなどが発生し所定量を反応容器内に分注できない場合があった。また、従来、血しょう成分内にヘモグロビンが混入した溶血検体を分析した結果、検体に対する正確な光学的測定を行なうことができない場合があった。そして、従来、白濁した検体を分析した結果、測定対象である血しょう成分が白濁しているため、検体に対する正確な光学的測定を行なうことができない場合があった。また、従来、粘度が所定基準範囲外である場合には、要求される分注精度で検体を分注することができず、検体の分析精度を保持することができない場合があった。また、従来、前の分析装置において汚染された検体を分析した結果、検体汚染の影響を強く受け正しい分析結果を取得できなくなるとともに装置自身も汚染されてしまう場合があった。さらに、従来、設定された分析順で測定されなかった検体を分析した結果、分析装置において許容される以上の汚染度を有する場合があり、検体汚染の影響を強く受け正しい分析結果を取得することができなくなるとともに装置自身も汚染されてしまう場合があった。
【0062】
これに対し、本実施の形態1にかかる分析装置1においては、RFIDタグ24に検体情報を書込み、この検体情報を読み取ることによって、検体の有効期限超過、検体の残量不足、検体における凝固、溶血、白濁の有無、基準範囲外の粘度を有する検体、検体汚染度、測定順過誤によって、適正に分析できる状態でない検体であるか否かを予め確認した上で、検体分注を行って測定処理を行なっている。言い換えると、分析装置1は、適正に分析できる状態ではない検体は検体を分注せず測定処理を行なわない。このため、分析装置1においては、適正に分析できる状態ではない検体に対する無駄な分析処理を回避し、信頼性の高い分析処理を効率的に実行することが可能になる。
【0063】
(実施の形態2)
つぎに、実施の形態2について説明する。実施の形態2においては、RFIDタグに記憶された検体情報に応じた検体分注条件を用いることによって検体分注処理の信頼性を高める場合について説明する。
【0064】
図6は、本実施の形態2にかかる分析装置の構成を示す模式図である。図6に示すように、実施の形態2にかかる分析装置201は、図1に示す分析装置1と比して、制御部41に代えて制御部241を備えた制御機構204を有する。
【0065】
制御部241は、図1に示す制御部41と同様の機能を有するとともに、リーダ22によってRFIDタグ24から読み取られた検体情報に応じた分注条件にしたがって、測定機構3に、RFIDタグ24が付された検体容器21a内の検体を反応容器30内に分注させる。制御部241は、リーダ22によって読み取られた検体残量に応じた検体ノズル沈み込み深さで検体分注部32に検体容器21a内の検体を反応容器30内に分注させる。また、制御部241は、リーダ22によって読み取られた粘度の値に応じた吸引吐出圧力、吸引吐出速度または検体ノズル引き上げタイミングで、検体分注部32に検体容器21a内の検体を反応容器30内に分注させる。
【0066】
つぎに、図7を参照して、図6に示す分析装置201における検体の分注管理処理について説明する。図7に示すように、制御部241は、図3に示すステップS2〜ステップS10と同様の処理手順を行なって、読取位置Prにおける検体容器21aの有無判断処理(ステップS202)、RFIDタグ読取処理(ステップS204)、判断テーブル参照処理(ステップS206)、判断処理(ステップS208)、ステップS208における判断結果内容の判断処理(ステップS210)を行なう。
【0067】
そして、制御部241は、判断部42による判断が検体分注許可であると判断した場合(ステップS210:検体分注許可)、RFIDタグ24から読み取った検体情報に応じた検体分注条件を取得する(ステップS211)。この検体分注条件は、たとえば、各検体情報の内容にそれぞれ対応させた状態で記憶部45内に記憶されている。つぎに、制御部241は、取得した検体分注条件にしたがって検体分注部32に検体分注処理を行なわせる(ステップS212)。
【0068】
次いで、制御部241は、図3に示すステップS14〜ステップS18と同様の処理手順を行なって、書込用情報取得処理(ステップS214)およびRFIDタグ書込処理(ステップS218)を行なう。また、制御部241は、判断部42による判断が検体分注禁止であると判断した場合(ステップS210:検体分注禁止)、図3に示すステップS21〜ステップS28と同様の処理手順を行なって、検体分注禁止制御処理(ステップS221)、アラーム出力処理(ステップS222)、書込用情報取得処理(ステップS224)およびRFIDタグ書込処理(ステップS228)を行なう。そして、制御部241は、図3に示すステップS30と同様に、測定終了判断処理を行ない(ステップS230)、検体の分注管理処理を終了する。
【0069】
つぎに、図7に示す検体分注条件取得処理および検体分注処理について説明する。図8は、分析装置201における分注処理を説明する図である。分析装置201においては、制御部241は、リーダ22によって読み取られた検体残量に応じた検体ノズル沈み込み深さで検体分注部32に検体容器21a内の検体を反応容器30内に分注させる。
【0070】
制御部241は、図8に示すように、RFIDタグ24から読み取った情報をもとに、検体容器21a内の血しょう成分Spの液面からの深さH1,H2を求める。血液検体は前処理によって血しょう成分と血球成分とに分離されており、このうち血しょう成分は約40〜50%の割合を占める。制御部241は、RFIDタグ24内に記録されている検体残量、測定履歴などをもとに血球成分Scおよび血しょう成分Spの検体容器21a内における残量を取得し、血しょう成分Spの液面からの深さH1を求める。
【0071】
たとえば、図8(1)に示すように、血しょう成分Spが液面からの深さH1で検体容器21a内に収容されている場合、制御部241は、検体分注部32の検体ノズル32bが血球成分Sc内に沈み込まないように検体ノズル32bを深さD1(<H1)まで沈み込ませ、検体吸引を行なわせる。また、図8(2)に示すように、図8(1)と比較して少ない血しょう成分が検体容器21a内に収容されている場合であって、血しょう成分Spが液面からの深さH2で検体容器21aに収容されている場合、制御部241は、検体分注部32の検体ノズル32bが血球成分Sc内に沈み込まないように検体ノズル32bを深さD2(<H2)まで沈み込ませ、検体吸引を行なわせる。
【0072】
従来においては、図9に示すように、検体容器121a内に残存している血しょう成分Spの量によらず、一定の深さD10で検体ノズル132bを検体内に沈み込ませて検体吸引を行なっていた。検体ノズル132bが深さD10で沈み込んだ場合、検体ノズル132bは、図9(1)に示すように血しょう成分Spの残量が多く血しょう成分の液面からの深さH1が沈み込み深さD10よりも深い場合、血球成分Sc内に沈み込むことなく血しょう成分のみを吸引できるものの、図9(2)の矢印Y21に示すように血しょう成分Spの残量が少なく血しょう成分の液面からの深さH2が沈み込み深さD10よりも浅い場合には、検体ノズル132b先端が血球成分Sc内に達してしまい、血しょう成分ではなく血球成分を吸引してしまっていた。
【0073】
これに対し、分析装置201においては、RFIDタグ24から読み取った情報をもとに、分析対象である血しょう成分の液面からの深さを求めて、血球成分に沈み込まないように検体ノズル32bの沈み込み深さを設定している。このため、分析装置201においては、分析対象外の血球成分を誤って吸引することなく分析対象である血しょう成分のみを確実に吸引できる。
【0074】
また、分析装置201においては、制御部241は、リーダ22によって読み取られた検体の粘度の値に応じた吸引吐出圧力、吸引吐出速度または検体ノズル引き上げタイミングで、検体分注部32の分注処理を制御する。ここで、同じ条件の吸引圧力、吐出圧力、吸引速度、吐出速度で液体を吸引吐出した場合であっても、液体の粘度の違いによって実際に吸引、吐出できる量が異なる。このため、分析装置201においては、予め一定の量を吸引または吐出できる粘度と吸引圧力、吐出圧力、吸引速度または吐出速度との関係を求めておき、この関係をもとにRFIDタグ24から読み取った粘度に対応する吸引吐出圧力、吸引吐出速度を設定する。この結果、分析装置201においては、各検体の粘度に対応させた吸引吐出圧力、吸引吐出速度で検体分注処理を行なうため、反応容器30内に所定量の検体を正確に分注することができる。
【0075】
また、粘度が高い液体は、粘度が低い液体と比較して、粘性が高いためノズルから所定量の液体を全て吐出するまでの時間が長い。このため、粘度の高い検体を設定量どおりに確実に反応容器30に分注する場合には、検体の吐出タイミングから反応容器30からの検体ノズル32bの引き上げタイミングまでの期間を長く設定することが望ましい。分注装置201においては、予め検体の各粘度に対応した検体ノズル32bの引き上げタイミングをそれぞれ設定しておき、RFIDタグ24から読み取った粘度に対応した引き上げタイミングで検体分注処理時における検体ノズル32bの引き上げ処理を行なう。この結果、分析装置201においては、検体の各粘度に対応させた引き上げタイミングで検体ノズル32bを引き上げるため、所定量の検体を設定量どおりに確実に反応容器30に分注することができる。
【0076】
このように、実施の形態2においては、RFIDタグ24から読み取った検体情報に応じた分注条件にしたがって検体分注処理を行なうため、実施の形態1と同様の効果を奏するとともに、実施の形態1と比して分注精度をさらに高めた信頼性の高い分析処理を実行することが可能になる。
【0077】
(実施の形態3)
つぎに、実施の形態3について説明する。実施の形態3においては、RFIDタグに記憶された検体情報をもとに各測定機構における許容汚染度を満たすように複数の測定機構における測定順を設定して装置汚染を防止する場合について説明する。
【0078】
図10は、本実施の形態3にかかる分析装置の構成を示す模式図である。図10に示すように、実施の形態3にかかる分析装置301は、複数の測定機構3a〜3cを有する。測定機構3a〜3cは、それぞれ異なる各分析項目に対応する測定を行なうほか、同一の分析項目に対応する測定を行なうことも可能である。ここで、測定機構3aは、いわゆる免疫学検査に対応する測定を行い、測定機構3b、3cは、いわゆる生化学検査に対応する測定を行なうものとして説明する。
【0079】
また、分析装置301は、図1に示す制御部41に代えて、制御部341を備えた制御機構304を有する。制御部341は、図1に示す制御部41と同様の機能を有するとともに、各測定機構3a〜3cに対し、リーダによってRFIDタグ24から読み取られた検体情報に応じた測定順序を設定し、この測定順序で該RFIDタグ24が付された検体容器21a内の検体に対する測定処理を行なわせる。
【0080】
また、分析装置301は、分析装置1と同様に、各検体容器21aを収容した検体ラック21bを、各測定機構3a〜3cにおける各検体分注位置に移送するとともに、各読取位置および各書込位置に移送する検体移送機構2を有する。分析装置301においては、検体移送機構2は、各測定機構3a〜3cに移送される前の検体ラック21bに収容された検体容器21aにおけるRFIDタグ24の情報を読み取るリーダ220を有する。リーダ220は、読取位置Pr0に搬送された検体容器21aのRFIDタグ24の検体情報を読み取る。制御部341は、リーダ220によって読み取られた検体情報をもとに、この検体に対する測定順を設定する。さらに、検体移送機構2は、各測定機構3a〜3cに移送される前の検体ラック21bに収容された検体容器21aにおけるRFIDタグ24に情報を書き込むライタ230を有する。ライタ23は、書込位置Pw0に搬送された検体容器21aのRFIDタグ24に情報を書き込む。制御部341は、ライタ230に、RFIDタグ24から読み取られた検体情報をもとに設定した設定順を、このRFIDタグ24に対して書き込ませる。
【0081】
測定機構3aには、検体分注部321への移送前である検体容器21aに付されたRFIDタグ24を読取位置Pr1において読み取るリーダ221と、書込位置Pw1において、反応容器311への検体分注終了後の検体容器21aに付されたRFIDタグ24に対して情報を書き込むライタ231とが設けられている。また、測定機構3bには、検体分注部322への移送前である検体容器21aに付されたRFIDタグ24を読取位置Pr2において読み取るリーダ222と、書込位置Pw2において、反応容器312への検体分注終了後の検体容器21aに付されたRFIDタグ24に対して情報を書き込むライタ232とが設けられている。さらに、測定機構3cには、検体分注部323への移送前である検体容器21aに付されたRFIDタグ24を読取位置Pr3において読み取るリーダ223と、書込位置Pw3において、反応容器313への検体分注終了後の検体容器21aに付されたRFIDタグ24に対して情報を書き込むライタ233とが設けられている。ライタ231〜233は、実施の形態1,2におけるライタ23と同様に、RFIDタグ24に対して、各測定機構3a〜3cによる測定処理によって変動した検体情報を書き換え、測定機構3a〜3cによる測定処理によって新たに判明した検体情報を書き込む。
【0082】
つぎに、図11を参照して、図10に示す分析装置301における測定順設定処理について説明する。図11に示すように、まず、制御部341は、分析装置301起動後に、読取位置Pr0に搬送された検体容器21aがあるか否かを判断する(ステップS302)。制御部341は、読取位置Pr0に搬送された検体容器21aがあると判断するまでステップS302の判断処理を繰り返し、読取位置Pr0に搬送された検体容器21aがあると判断した場合(ステップS302:Yes)、リーダ220に読取位置Pr0に搬送された検体容器21aに付されたRFIDタグ24の情報を読み取らせるRFIDタグ読取処理を行なう(ステップS304)。リーダ220は、読取位置Pr0の検体容器21aに付されたRFIDタグ24から読み取った検体情報を制御部341に出力する。
【0083】
つぎに、判断部42は、記憶部45から図4に例示する判断テーブルを参照する(ステップS306)。判断部42は、この判断テーブルを参照することによって、リーダ220によって読み取られた検体情報をもとにRFIDタグ24が付された検体容器21a内の検体が適正に分析できる状態であるか否かを判断する判断処理を行なう(ステップS308)。判断部42は、図3に示すステップS8と同様に、RFIDタグ24からリーダ220が読み取った採取日、検体残量、凝固の有無、溶血の有無、白濁の有無、粘度、汚染度、分析順をもとに、RFIDタグ24が付された検体容器21a内の検体が適正に分析できる状態であるか否かを判断する。そして、判断部42は、適正に分析できる状態であると判断した場合、この検体に対する測定を許可する判断を行なう。また、判断部42は、適正に分析できる状態でないと判断した場合、この検体に対する測定を禁止する判断を行なう。次いで、制御部341は、判断部42による判断が測定許可または測定不可であるかを判断する(ステップS310)。
【0084】
制御部341は、判断部42による判断が測定許可であると判断した場合(ステップS310:測定許可)、この検体に対する汚染度、測定項目、測定履歴、検体残量などの測定情報を取得する(ステップS312)。そして、制御部341は、取得した測定情報をもとに、この検体の測定機構3a〜3cにおける測定順序を設定し(ステップS314)、ライタ230に、設定した測定順序をRFIDタグ24に書き込ませるRFIDタグ書込処理を行なう(ステップS316)。
【0085】
制御部341は、たとえば、汚染度の高い生化学検査項目と、汚染度の低い免疫学検査項目との分析を指示された検体の場合、汚染度の低い免疫学検査項目を測定する測定機構3aの次に汚染度の高い生化学検査項目を測定する測定機構3bがこの検体を測定するように、測定順序を設定する。分析装置301は、生化学検査項目を測定する測定機構3bによって汚染される前に、汚染度の低い検体でないと正確な分析結果を得ることができない免疫学検査項目を測定機構3aに実施させることによって、免疫学検査項目における信頼性を高めることができる。
【0086】
一方、制御部341は、判断部42による判断が測定禁止であると判断した場合(ステップS310:測定禁止)、図3に示すステップS22と同様に、出力部46に対して、このRFIDタグ24が付された検体容器21a内の検体が適正に分析できる状態でないことを報知するアラームを出力させる(ステップS322)。そして、制御部341は、ライタ230に、測定禁止と判断された検体を収納した検体容器21aに付されているRFIDタグ24に対して検体が適正に分析できる状態でない旨を書き込ませるRFIDタグ書込処理を行なう(ステップS326)。そして、制御部341は、図3に示すステップS30と同様に、測定終了判断処理を行ない(ステップS330)、検体の分注管理処理を終了する。
【0087】
このように、実施の形態3においては、RFIDタグから読み取った検体情報をもとに複数の測定機構における測定順を設定するため、実施の形態1と比して検体汚染を確実に防止でき、さらに信頼性の高い分析処理を実行することが可能になる。
【0088】
もちろん、実施の形態3にかかる分析装置301は、実施の形態1または実施の形態2と同様に、各測定機構3a〜3bの測定前に、図3または図7に示す処理手順を行なって、測定対象である検体が適正に分析できる状態であるか否かを判断し、さらに検体の検体情報に対応した分注条件にしたがって検体分注処理を行なってもよい。
【0089】
また、実施の形態1〜3として、血液を別の前処理装置において分離したものを検体として測定する分析装置1,201,301を例に説明したが、図12に例示するように、血液分離を行なう前処理機構405が設けられた分析装置401であってもよい。この場合、前処理機構405は、血液分離する機能を備えるとともに、検体の各性状を測定する測定部451を備えていてもよい。測定部451は、たとえば、検体の粘度を測定してもよく、また、検体の光学的特性を測定してもよく、検体の吸引圧を測定してもよい。制御部441は、測定部451によって測定された光学的特性をもとに溶血、白濁を検出し、また、測定部451によって測定された検体の吸引圧をもとに凝固を検出してもよい。そして、ライタ235は、測定部451から移送された検体容器21aのRFIDタグ24に対して、検体分注位置P0に移送される前に、測定部451によって測定された粘度、検出した溶血、白濁、凝固に関する検体情報を書き込む。リーダ22は、このように書き込まれたRFIDタグ24の検体情報を読み取り、制御部441は、リーダ22が読み取った検体情報をもとに検体の分注管理を行なう。また、実施の形態1〜3においては、血液検体を分析する分析装置1,201,301について説明したが、もちろんこれに限らず、尿や液体などを分析する分析装置に対しても適用可能である。
【0090】
また、上記実施の形態で説明した分析装置1,201,301,401は、あらかじめ用意されたプログラムをコンピュータシステムで実行することによって実現することができる。このコンピュータシステムは、所定の記録媒体に記録されたプログラムを読み出して実行することで分析装置の処理動作を実現する。ここで、所定の記録媒体とは、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MOディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」の他に、コンピュータシステムの内外に備えられるハードディスクドライブ(HDD)などのように、プログラムの送信に際して短期にプログラムを保持する「通信媒体」など、コンピュータシステムによって読み取り可能なプログラムを記録する、あらゆる記録媒体を含むものである。また、このコンピュータシステムは、ネットワーク回線を介して接続した管理サーバや他のコンピュータシステムからプログラムを取得し、取得したプログラムを実行することで分析装置の処理動作を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】実施の形態1にかかる分析装置の構成を示す模式図である。
【図2】図1に示す検体ラックおよび検体容器を説明する図である。
【図3】図1に示す分析装置における検体の分注管理処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】図1に示す判断部が参照する判断テーブルの一例を示す図である。
【図5】図1に示す表示部の表示画面の一例を示す図である。
【図6】実施の形態2にかかる分析装置の構成を示す模式図である。
【図7】図6に示す分析装置における検体の分注管理処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】図6に示す分析装置における検体分注処理を説明する図である。
【図9】従来技術にかかる分析装置における検体分注処理を説明する図である。
【図10】実施の形態3にかかる分析装置の構成を示す模式図である。
【図11】図10に示す分析装置における測定管理処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】図1に示す分析装置の他の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0092】
1,201,301,401 分析装置
2 検体移送機構
3,3a〜3c 測定機構
4,204,304 制御機構
21a,121a 検体容器
21b 検体ラック
22,220,221,222,223 リーダ
23,230,231,232,233,235 ライタ
24 RFIDタグ
30,311,312,313 反応容器
32,321,322,323 検体分注部
32a,37a アーム
32b,132b 検体ノズル
33 反応テーブル
34 試薬庫
35 試薬容器
37 試薬分注部
38 攪拌部
39 測光部
40 洗浄部
41,241,341 制御部
42 判断部
43 入力部
44 分析部
45 記憶部
46 出力部
47 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体容器内の検体を反応容器に分注して測定処理を行なう測定機構を備え、前記測定機構による測定結果をもとに前記検体を分析する分析装置において、
前記検体容器に付され、前記検体の状態を示す検体情報を記憶するとともに所定周波数の電波を介して外部と通信可能である情報記憶媒体と、
前記情報記憶媒体に記憶された前記検体情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段によって読み取られた前記情報記憶媒体における前記検体情報をもとに、該情報記憶媒体が付された前記検体容器内の検体が適正に分析できる状態であるか否かを判断する判断手段と、
を備えたことを特徴とする分析装置。
【請求項2】
前記情報記憶媒体は、該情報記憶媒体が付された前記検体容器内における検体の検体残量、凝固の有無、溶血の有無、白濁の有無、粘度、汚染度、採取日、分析順の少なくともいずれかを前記検体情報として記憶することを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記判断手段が前記情報記憶媒体が付された前記検体容器内の検体が適正に分析できる状態でないと判断した場合、前記測定機構に対し、該情報記憶媒体が付された前記検体容器内の検体の前記反応容器への分注を禁止する制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の分析装置。
【請求項4】
前記情報記憶媒体に情報を書き込む書込手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記判断手段が前記情報記憶媒体が付された前記検体容器内の検体が適正に分析できる状態であると判断した場合、前記測定機構に対し、該情報記憶媒体が付された前記検体容器内の検体を前記反応容器内に分注させ、
前記書込手段は、前記情報記憶媒体に対して、前記測定機構による測定処理によって変動した前記検体情報または前記測定機構による測定結果によって新たに判明した前記検体情報を書き込むことを特徴とする請求項3に記載の分析装置。
【請求項5】
前記判断手段が前記情報記憶媒体が付された前記検体容器内の検体が適正に分析できる状態でないと判断した場合、該情報記憶媒体が付された前記検体容器内の検体が適正に分析できる状態でないことを報知する警告を出力する出力手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の分析装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記読取手段によって読み取られた前記情報記憶媒体における前記検体情報に応じた分注条件にしたがって、前記測定機構に該情報記憶媒体が付された検体容器内の検体を前記反応容器内に分注させることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一つに記載の分析装置。
【請求項7】
前記測定機構は、複数設けられており、
前記制御手段は、前記複数の測定機構に対して、前記読取手段によって読み取られた前記情報記憶媒体における前記検体情報に応じた測定順序を設定し、該測定順序で該情報記憶媒体が付された検体容器内の検体に対する測定処理を行なわせることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一つに記載の分析装置。
【請求項8】
検体容器内の検体を反応容器に分注して測定処理を行なう測定機構を備え、前記測定機構による測定結果をもとに前記検体を分析する分析装置における分析方法において、
前記検体容器に付され、前記検体の状態を示す検体情報を記憶するとともに所定周波数の電波を介して外部と通信可能である情報記憶媒体に記憶された前記検体情報を読み取る読取ステップと、
前記読取ステップにおいて読み取られた前記情報記憶媒体における前記検体情報をもとに、該情報記憶媒体が付された前記検体容器内の検体が適正に分析できる状態であるか否かを判断する判断ステップと、
を含むことを特徴とする分析方法。
【請求項9】
前記情報記憶媒体は、該情報記憶媒体が付された前記検体容器内における検体の検体残量、凝固の有無、溶血の有無、白濁の有無、粘度、汚染度、採取日、分析順の少なくともいずれかを前記検体情報として記憶することを特徴とする請求項8に記載の分析方法。
【請求項10】
前記判断ステップにおいて前記情報記憶媒体が付された前記検体容器内の検体が適正に分析できる状態でないと判断された場合、前記測定機構に対し、該情報記憶媒体が付された前記検体容器内の検体の前記反応容器への分注を禁止する分注禁止ステップをさらに含むことを特徴とする請求項8または9に記載の分析方法。
【請求項11】
前記判断ステップにおいて前記情報記憶媒体が付された前記検体容器内の検体が適正に分析できる状態であると判断された場合、前記測定機構に対し、該情報記憶媒体が付された前記検体容器内の検体を前記反応容器内に分注させる検体分注ステップと、
前記情報記憶媒体に対して、前記測定機構による測定処理によって変動した前記検体情報または前記測定機構による測定結果によって新たに判明した前記検体情報を書き込む書込みステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項8〜10のいずれか一つに記載の分析方法。
【請求項12】
前記判断ステップにおいて前記情報記憶媒体が付された前記検体容器内の検体が適正に分析できる状態でないと判断された場合、該情報記憶媒体が付された前記検体容器内の検体が適正に分析できる状態でないことを報知する警告を出力する出力ステップをさらに含むことを特徴とする請求項8〜11のいずれか一つに記載の分析方法。
【請求項13】
前記検体分注ステップは、前記読取手段によって読み取られた前記情報記憶媒体における前記検体情報に応じた分注条件にしたがって前記測定機構に該情報記憶媒体が付された検体容器内の検体を前記反応容器内に分注させることを特徴とする請求項11または12に記載の分析方法。
【請求項14】
複数の前記測定機構に対して、前記読取手段によって読み取られた前記情報記憶媒体における前記検体情報に応じた測定順序を設定する測定順序設定処理をさらに含むことを特徴とする請求項8〜13のいずれか一つに記載の分析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−224385(P2008−224385A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−62221(P2007−62221)
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】