説明

分配測定デバイス及び分配を測定する方法

分配測定デバイス。デバイスは、ホール効果センサと磁石との間の相対的な近接性を相関付ける。一方は、固定して保持され、他方は、分配時に起こる通常の作動に応答して移動可能である。近接性の変化の検出が、分配される材料の量と相関付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分配される材料を測定することに関し、より詳細には、ユーザが検出可能でない場合がある測定に関する。
【背景技術】
【0002】
分配されている材料の測定は、当該技術分野において既知である。例えば、磁石及びホール効果センサが、定性的分配を指示するために使用されてきた。また、投薬コンプライアンスモニタリングが米国特許出願公開第2003/0089733 A1号に示されており、所定の体積の液体の分配が英国特許出願公開第2087839 A号に示されており、米国特許第4934566号は、摺動自在な制御ステムに基づいたポーション・モニタリング(portion monitoring)を示しており、米国特許第6360181 B1号は、トイレットペーパー使用データ収集を示している。一般に、これらの参考文献は、ホール効果センサと磁石との近接性によって、状態の変化又は構成要素動作位置の変化を指示する。次いで、そのような変化が、分配される材料の量と関連付けられる。
【0003】
しかし、これらの試みのいずれも、分配される材料の量が時間及びそのディスペンサの使用量の関数として変化するときに起こる問題には対処していない。例えば、噴射剤分配型エアフレッシュナーを収めるような圧力をかけられた容器は、噴射剤の減少が起こるとき、その後分配されるべき材料の加圧の低下が原因で、より少ない材料を分配することになる。更に、長く連続的な噴出での分配は、同じ累積分配時間を有する何回かの急速噴出とは異なる量の製品を放出することになる。分配されるべき量は、不定であり、すなわち、ユーザは、1回に未知の量又は所望の量を分配し、次の使用時にはその量の非整数倍を分配する可能性がある。これが、トイレットペーパーのシート又は所定の体積の液体など、1回量(does)が不連続単位で起こるときよりも、測定をより複雑にする。
【0004】
更に、スクイーズトリガ23液体布地リフレッシュナーなど、ポンプ型のディスペンサを使用するときには、トリガ23を途中まで引くと、通常、ポンプ装填量の一部しか分配されない。これは、トリガ23のストロークに応じて、少ない材料を分配させる。エアゾールディスペンサを使用するときには、経時的な噴射剤の減少が分配に影響を与えることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/0089733 A1号
【特許文献2】英国特許出願公開第2087839 A号
【特許文献3】米国特許第4934566号
【特許文献4】米国特許第6360181 B1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、分配されるべき材料の精確な測定は、諸因子の考慮を必要とする。更に、測定は、ユーザには容易に検出できない、又は通常使用パターンに干渉しない状況で行うべきである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態では、本発明は、分配される材料の量を定量的に測定するデバイスを含む。デバイスは、材料をその中で保持するリザーバと、前記リザーバ内に収められた材料を分配する分配オリフィスと、リザーバから前記オリフィスを通じて材料を分配するディスペンサとを含む。ディスペンサは、前記リザーバに対して移動可能な作動装置と、前記ディスペンサに対して固定の部材とを有する。ホール効果センサは、前記ディスペンサ及び前記固定部材のうちの一方の上に配置されており、磁石は、前記ディスペンサ及び前記固定部材のうちの他方の上に配置されており、それによって、前記磁石と前記ホール効果センサとの間の相対移動が、前記移動に応答して信号を生成する。信号は、前記リザーバから分配される材料の量と相関可能である。信号は、リザーバ内に収められた実質的に全ての材料の分配全体にわたってリザーバから分配される材料の量と相関可能とすることもできる。
【0008】
本明細書に引用された全ての特許及び特許出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】部分的に切欠図で示される、本発明によるトリガ作動型ディスペンサの部分側面図。
【図2】部分的に切欠図で示される、ローションを分配するのに適したばね式プランジャの部分側面図。
【図3】部分的に切欠図で示される、本発明によるねじ山/ピストン供給デバイスの斜視図。
【図4】7回の分配サイクルに関する、時間を横軸に、ストローク振幅を縦軸に示す、市販のエアゾール製品についてのトリガ変位と分配された材料との間の関係を示す性能曲線。
【発明を実施するための形態】
【0010】
デバイスは、材料をその中で保持するリザーバを含む。分配されるべき材料が、ガス若しくは液体である場合、又はガス状噴射剤と混合される場合、リザーバは、流体密封性とすることができる。リザーバは、材料をその所望の最終用途へと分配する分配オリフィスに対して、いずれかの所望の関係で据え付けることができる。
【0011】
デバイスは、更に、リザーバからオリフィスを通じて材料を分配するディスペンサを有する。多くの制汗剤の場合のようなピストンを前進させるねじ駆動装置(threaded screw drives)、多くのクリーナーの場合のようなポンプ、多くのエアフレッシュナー及びシェービングクリームの場合のような圧力放出弁、ウェットワイプの場合のような製品に手を近づけて取り出せるように開く蓋、練り歯磨きチューブの場合のような可撓性のスクイーズパッケージ、食品保存の場合のような再密封可能に開けられるバッグ、食品保存の場合のような蓋を開閉するためのスライダを有する壁付き容器など、様々なタイプのディスペンサが知られている。適切なディスペンサは、本発明の譲受人に譲渡された特許第4,122,978号;第5,000,356号;第4,865,231号;Des.第393,999号;第6,139,185号;第6,149,304号;第6,164,821号;第6,325,239 B2号;第6,394,299 B1号;第6,722,520 B2号、及び第6,981,658 B2号の教示に従って作製することができる。
【0012】
図1を参照すると、本発明の第1の実施形態は、噴射剤分配型スプレー又はトリガポンプスプレーを測定する方法及びデバイス21を含む。代表的なスプレーとしては、殺虫剤、香水、塗料、クレンザー、局所医薬品、制汗剤、ヘアスプレー、ルームエアフレッシュナーなどが挙げられる。以下の具体例は、ファブリーズ・エア・イフェクト(Febreze Air Effects)エアフレッシュナーに関して記載するが、本発明がそれだけに限定されないことが当業者には認識されよう。
【0013】
ディスペンサは、リザーバ又はデバイス21の他の部分に対して移動可能な作動装置と、移動可能な作動装置に対して固定の部材22とを有することができる。移動可能な作動装置は、ポンプの役割を果たす、若しくはポンプを作動させるトリガ23、ねじ山に沿ってピストンを前進させるダイアル33、ヒンジの周りで旋回することによって開く蓋、又はここに示されるように圧力放出弁を開放する働きをするトリガ23若しくはボタンなどとすることができる。
【0014】
ホール効果センサ40は、移動可能な作動装置又は固定部材22のうちの一方の上に配置することができる。ホール効果センサ40は、ファン・デル・ポー素子とも呼ばれるホール素子の形態をした導電性材料又は半導体材料のシートの両側の電圧を測定する。ホール効果センサ40内を電流が流れる。電流は、ホール効果センサ40に垂直に印加される磁場によって生み出される。
【0015】
磁石42は、移動可能な作動装置及び固定部材22のうちの他方の上に配置することができ、それにより、磁石42とホール効果センサ40との間の相対移動が、移動可能な作動装置の移動に応答して信号を生成する。前述のように、磁石42又はホール効果センサ40のいずれも、いずれの構成要素上に据え付けることもできるが、磁石42を動いている作動装置上に据え付け、ホール効果センサ40を固定部材22上に据え付けることが望ましい場合がある。これによって、ホール効果センサ40に接続するワイヤ44を、大きな動きも緩くなる可能性もなく、適所で保持できるようになる。多くの幾何学的構造について、この構成は、また、測定デバイス21の使用が通常の製品使用に干渉してデータを破壊しないようにするのを、より容易にする。
【0016】
図4を参照すると、7回の分配サイクルが示されている。初めの3回のサイクルは、比較的完全なストロークを示すが、最後の4回のサイクルは、不完全なストロークが起こったことを示す。第1のストロークは、初期トリガ位置50から最終トリガ位置54まで進んだ。不完全ストロークは、中間トリガ位置52から最終トリガ位置54まで進んだ。トリガ23の動きに対するストローク振幅及び位置は、両矢印付き垂直線によって示されている。
【0017】
ホール効果センサ40によって生成される得られる信号は、通常、リザーバから分配される材料の量と相関可能であり、精密である。信号は、リザーバ内に収められた実質的に全ての材料の分配にわたって、又は材料が分配される最初の部分だけ、最後の部分だけ、若しくはいずれかの中間部分だけにわたって、リザーバから分配される材料の量と相関可能とすることができる。ホール効果センサ40からの信号は、質量で測定される、関数関係を通じて分配される材料の量と関連付けられる。分配される材料の質量は、望むなら、材料密度を使用して、体積に変換することができる。
【0018】
関数関係は、搬送波として伝送され、これらに限定するものではないが、ハードドライブ、フラッシュドライブ、磁気記憶装置など、いずれかのデジタル又はアナログメディアデバイスのように電子的に記憶することができる。この配置は、電子的に記憶された関数関係をデバイス21から遠隔で、通常の使用に干渉せずに、又は測定に悪影響を与えずに維持できるという利点をもたらす。
【0019】
関数関係は、経験的に導き出すことも、コンピュータモデリングを通じて導き出すことなどもできる。デバイス21は、前述のように、ホール効果センサ40からの出力をボルトで記録するように構成することができる。出力は、当該技術分野において周知のように、スプレッドシートなど、そのような使いやすいフォーマットでも記録することができる。材料が分配され、分配事象が終わるたびにリザーバが計量される。分配には、作動装置の完全作動及び不完全作動の両方を含めることができる。例えば、トリガ23タイプのディスペンサでは、測定は、トリガ23の完全な引き及び不完全な引きの両方を考慮することができる。
【0020】
出力は、得られる重量の関数として記録することができる。関数関係は、各分配サイクルの離散データ点から補間することができる。その関係は、分配サイクルの間の作動装置の始点と作動装置の終点とを書き留め、次いで引き算をすることによって導き出すことができる。2つの位置がストロークを生み出す。特定の大きさの不完全ストロークについて分配される材料の量が、ストロークの大きさだけによって決まるわけではなく、任意の大きさのそのストロークが起こる、トリガ23ストロークの位置によっても決まることに留意すべきである。ある位置での不完全ストロークは、スプリッツ(spritzing)を引き起こすことがあるが、異なる位置での同じ大きさの不完全ストロークは、ほぼ完全な1回量をもたらすことがある。
【0021】
言うまでもなく、関数関係を曲線やルックアップテーブルなどとして維持できることが、当業者には認識されよう。関数関係は、グラフ形式若しくは目に見える形式で出力することもでき、コンピュータ上に維持してユーザには見えないものとすることもできる。
【0022】
この手順によって、関数関係を測定デバイス21から遠隔で維持できるようになる。遠隔維持によって、デバイス21をその通常の方式で使用できるようになり、データを後でダウンロードできるようになる。そのような後からのダウンロードによって、ユーザにとって都合のよい場合のある、そのような後の時点で、関数関係を組み込み、分配測定を決定できるようになる。
【0023】
操作に際しては、噴射剤によって与えられる圧力差を受けて材料を分配するとき、トリガ23が何度も引かれる。トリガ23の引きは、完全に閉じた位置から完全に開いた位置まで、完全に閉じた位置から途中まで開いた位置まで、途中まで開いた位置から完全に開いた位置まで、完全に開いた位置から途中まで開いた位置まで、途中まで開いた位置から完全に閉じた位置まで、及びそれらの様々な組み合わせとなることがある。
【0024】
様々な位置間の完全又は不完全ストロークは、記録することができ、それによって、関数関係を通じて分配される材料の量と相関させることができる。更に、トリガ23の引きに応答してホール効果作動の持続時間、時刻、及び/又は日付は、後で解析するために記録又はダウンロードすることができる。
【0025】
図1に戻って参照すると、本発明は、トリガ23ポンプ噴霧器とともに使用することができる。そのような噴霧器は、トリガ23によって公知の方式で作動されるポンプを有することができる。リザーバの特定の充填レベルについて、トリガ23の様々な完全又は不完全な引きに応答してリザーバから分配される材料の量を得るために、関数関係を導出することができる。
【0026】
図2は、ローション、クリーム、及び比較的粘稠な材料に使用可能なポンプ型ディスペンサを開示している。このようなディスペンサは、移動可能なプランジャ25タイプのポンプを有する。ユーザは、プランジャ25を押し下げて、リザーバから分配されるべき材料をディップチューブ28内へと引き込む。次の分配サイクルを開始するために、ばね26がプランジャ25を上方位置に戻すことができる。ユーザの手に快適な人間工学を提供し、また材料の分配のためのオリフィスを提供するために、ノズル27をプランジャ25の最上部に配置することができる。プランジャ25は、デバイス21本体の固定部分22に対して上下に動く。
【0027】
プランジャ25はまた水平に動くこともでき、又は水平軸と垂直軸との間の任意の方向に動くこともできることが、当業者には認識されよう。プランジャ25の配置は、関数関係と容易に相関可能な、直線移動の利点を提供する。
【0028】
ホール効果センサ40は、デバイス21の移動可能なプランジャ25又は固定部分22のいずれかの上に置くことができる。磁石42は、他方の構成要素上に置くことができる。プランジャ25が作動されるときのそれらの間の相対移動は、排出され分配される材料に相関した磁場を生み出す。
【0029】
望むなら、また、傾きセンサをデバイス21に組み込むことができる。傾きセンサは、分配時にリザーバが中心を外れて傾いたかどうかを判定するために使用することができる。そうである場合、リザーバから分配された材料が少ない可能性があり、予想されるように結果が関数関係と一致しない可能性がある。例えば、傾くと、ディップチューブ28(存在する場合)の端部が、分配されるべき材料中に浸らないことがある。
【0030】
図1〜2の実施形態について導出された関数関係が、考慮されているデバイス21の特定の幾何学構造、噴射剤圧力、サイズ、ポンプ特性などに合わせて調整されることが、当業者には認識されよう。更に、関数関係は、考慮されている特定の材料に固有となる。レオロジー又は材料特性が変化した場合、それに応じて関数関係を調節することができる。更に、各構成要素がそれ自体の独特の特徴を有することがあるので、またデバイス21上へのそのような構成要素の位置決めの多様性を考慮するために、関数関係は、特定の磁石/ホール効果センサ40の各組み合わせに合わせて調整することができる。
【0031】
図1〜2に示された実施形態は、磁石42がトリガ23内に組み込まれた又はトリガ23の下に配置された様子を示す。これは、測定全体をユーザから見えずに実施できるという利点を提供した。特に、磁石42及びホール効果センサ40は、所期の通常使用中にはユーザから見えないものとすることができる。測定システムは、ユーザが気付かず、通常の分配習慣を変更しないほど、十分に軽量で小さいものとすることができる。言うまでもなく、本発明がこれだけに限定されないことが当業者には認識されよう。ここに示される磁石42及びホール効果センサ40の位置は、反対にすることができる。一方又は両方の構成要素は、それらの間の相対的な近接性、したがって信号を、リザーバからの材料の分配に応答して検出できるのであれば、デバイス21上の異なる位置に置くことができる。
【0032】
図3を参照すると、本発明は、制汗剤/防臭剤の場合に一般的であるような、ピストンを駆動するために使用されるねじ山デバイス21とともに使用することができる。ピストンは、ねじに沿って軸方向に駆動される。ねじは、ねじの中心に一致する、分配方向に平行な長手軸を有する。ねじとねじ山付きナットとの間の相対回転が、ピストンを長手方向に前進させる。
【0033】
ピストンが長手方向に前進すると、1つ若しくはそれより多くの分配オリフィスを通じた押出しによって、このデバイス21のリザーバ内に収められた材料を分配することができる。そのような分配は、ねじ/ナットを長手軸の周りで回転させることによって達成することができる。ねじの回転は、デバイス21の外部に配置されたダイアル33を手で握ることによって起こすことができる。ダイアル33は、長手軸の周りで長手軸に垂直に回転される。
【0034】
磁石42は、デバイス21のダイアル33及び固定構成要素22のうちの一方の上に置くことができる。望むなら、磁石42は、円環形とすることができ、長手軸を囲むことができ、及び/又は長手軸に垂直に配置することができる。あるいは、ダイアル33の径方向外側寄りに配置された単一の磁石42が、ホール効果センサ40に近付いたりホール効果センサ40から遠ざかったりするときに、信号強度のより明瞭な変化をもたらすこともできる。ダイアル33による磁石42の回転、又はダイアル33上に据え付けられた場合にはホール効果センサ40の回転が、ピストンの前進と相関させることのできる信号を生成する。ピストンの前進は、次いで、分配される材料の量と相関可能である。
【0035】
望むなら、デバイス21は、異なる数の磁石42とホール効果センサ44とを含むことができる。この配置は、過酷な動作環境で、又は動作範囲の異なる部分に追加の分解能が望まれる場合に有用な可能性があるので、重複性という利点をもたらす。
【0036】
前述の(foreging)測定は、定量的である。ただし、本発明は、また、定性的測定とともに使用することもできる。
【0037】
例えば、本発明は、また、食べ残した食品の保存に一般的に使用されているような保存用バッグ(図示せず)の開封及び利用を測定するために使用することができる。そのような食品保存用バッグは、相補的な係合部分を有するトラックによって形成されたシールを有する。ホール効果センサ40及び磁石42のうちの1つを、バッグの各側部に配置することができる。開封されると、それらの間の近接性の変化に気付くことができ、バッグの中身が使用された、又は追加の材料がバッグに追加されたことがわかることになる。ゆえに、本発明は、全体的に柔弱な(flaccid)壁を有するリザーバとともに使用可能である。
【0038】
同様に、本発明は、拭き取り用品やティッシュなどを収めるために一般的に使用されるような剛性壁(図示せず)を有するリザーバとともに使用することができる。例えば、蓋を有する全体的に平行六面体の形状をした(parallelpideally shaped)容器を用いることができる。容器は、直立型であっても、全体的に扁平であっても、又はいずれか所望の形状/幾何学構造であってもよい。容器は、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第4,979,613号及び同第5,516,001号によって示されるように、内容物をその中に封止するために閉じることができ、また分配のためにその中の材料を使用するために開くことができる、蓋を有することができる。蓋は、それを通じて材料を分配できるオリフィスを露出させるために、ヒンジ式や着脱可能なものなどにすることができる。ホール効果センサ40及び磁石42は、それぞれ蓋及びシール面上に置くこともでき、その逆に置くこともできる。それらの間の近接性の変化は、検出され、リザーバ内の材料の使用又はリザーバの補充が起こったことを指示する。
【0039】
更に、本発明のデバイス21を使用して、窓などの開口部を覆うために使用されるシェードの開閉を判定することができる。代表的なシェードは、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第6,640,867 B1号によって示されるような引きひもを使用して開閉される。
【0040】
本明細書で記載し請求する発明を、また、家庭用製品を使用する習慣をモニタするために使用できることが、当業者には認識されよう。例えば、本明細書で言及した磁石42/ホール効果センサ40の組み合わせを、便座の下ろし、冷蔵庫扉の開閉、薬品戸棚の扉の開閉、又は日常作業の他の側面のモニタに使用することができる。
【0041】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく限定されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした寸法はそれぞれ、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味するものとする。
【0042】
本発明の「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において、本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。本明細書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲においては、本明細書においてその用語に付与した意味又は定義を適用するものとする。
【0043】
本発明の特定の諸実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることは当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるこのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分配される材料の量を定量的に測定するデバイス(21)であって:
材料をその中で保持するリザーバと;
前記リザーバ内に収められた材料をそこから分配する分配オリフィスと;
リザーバから前記オリフィスを通じて材料を分配する、前記リザーバに対して移動可能な作動装置を有するディスペンサと;
前記ディスペンサに対して固定の部材(22)とを含んでおり;
前記ディスペンサ及び前記固定部材(22)のうちの一方の上に配置されたホール効果センサ(40)と;
前記ディスペンサ及び前記固定部材(22)の他方の上に配置された磁石(42)とを特徴とし、それによって、前記磁石(42)と前記ホール効果センサ(40)との間の相対移動は、前記移動に応答して信号を生成し、前記信号は、前記リザーバから分配される不定量の材料と相関可能である、デバイス(21)。
【請求項2】
電子的に記憶された関数関係を更に含んでおり、前記関数関係は、前記リザーバから分配される材料の量を示しており、前記材料は、不定量で分配可能である、請求項1に記載のデバイス(21)。
【請求項3】
前記関数関係は、前記デバイス(21)から遠隔で維持されることを特徴とする、請求項2に記載のデバイス(21)。
【請求項4】
前記磁石(42)は、前記移動可能な作動装置上に配置され、前記センサは、前記固定部材(22)上に配置され、前記磁石(42)も前記センサも、材料を分配するユーザから見えないことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のデバイス(21)。
【請求項5】
前記磁石(42)は、直線経路で移動する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のデバイス(21)。
【請求項6】
前記ディスペンサは、手動操作型ポンプを含んでおり、前記作動装置は、前記ポンプに動作可能に関係付けられたトリガ(23)を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のデバイス(21)。
【請求項7】
前記作動装置は、長手軸の周りで回転可能なダイアル(33)を含んでおり、前記ディスペンサは、更に、前記ダイアル(33)に動作可能に関係付けられた、長手方向に移動可能なピストンを含んでおり、前記磁石(42)は、前記長手軸を囲む、請求項4に記載のデバイス(21)。
【請求項8】
前記ディスペンサは、大気圧に対して正の圧力を含んでおり、分配されるべき材料を正の圧力下で維持しており、前記作動装置は、前記圧力をかけられた材料を放出するように開放可能な、かつ、前記圧力をかけられた材料に動作可能に関係付けられた弁を含んでおり、前記リザーバは、長手方向に平行な主軸を有しており、前記磁石(42)は、前記長手方向に実質的に平行な方向に移動する、請求項5に記載のデバイス(21)。
【請求項9】
異なる数の磁石(42)とホール効果センサ(40)とを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のデバイス(21)。
【請求項10】
分配される材料の量を定量的に測定する方法であって、前記方法デバイス(21)は:
作動装置をリザーバに対して移動させることによって、材料をその中で保持する前記リザーバからオリフィスを通じて不定量の材料を分配し、それによって、前記移動に応答してホール効果センサ(40)と磁石(42)との間で信号を生成させる工程を含んでおり;
前記作動装置の移動によって、前記移動を前記リザーバから分配される材料の量と相関させることを特徴とする、方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2010−515014(P2010−515014A)
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−542970(P2009−542970)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2007/026327
【国際公開番号】WO2008/079401
【国際公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】