分離処理装置
【課題】投入されるし渣および/または汚砂がし渣と砂泥とにそれぞれ分離されて取り出されるようになる分離処理装置を提供する。
【解決手段】底部が半円筒形の断面で長寸状をなすとともに傾斜軸状に設置される分離処理槽2、し渣および/または汚砂が導入される導入槽部12、同処理槽の傾斜方向中途個所底部には、分離砂誘導ガイド4と分離砂ホッパー5とが設けられ、同槽内の長手方向にわたるべく、スクリュウコンベア20が回転駆動可能に通されるとともに、別駆動系で異なる回転速度で回転する回転外筒25が同心状に設けられ、傾斜方向上部には掻き揚げられたし渣をし渣ホッパーに導くための流出口16がそれぞれ設けられるとともに、同回転外筒の傾斜方向中途個所には、掻き揚げられる砂を分離除去するためのスクリーン32が形成されている。
【解決手段】底部が半円筒形の断面で長寸状をなすとともに傾斜軸状に設置される分離処理槽2、し渣および/または汚砂が導入される導入槽部12、同処理槽の傾斜方向中途個所底部には、分離砂誘導ガイド4と分離砂ホッパー5とが設けられ、同槽内の長手方向にわたるべく、スクリュウコンベア20が回転駆動可能に通されるとともに、別駆動系で異なる回転速度で回転する回転外筒25が同心状に設けられ、傾斜方向上部には掻き揚げられたし渣をし渣ホッパーに導くための流出口16がそれぞれ設けられるとともに、同回転外筒の傾斜方向中途個所には、掻き揚げられる砂を分離除去するためのスクリーン32が形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投入されるし渣および/または汚砂を対象とする分離処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水浄化処理場には、沈砂池が設けられ、同沈砂池では、河川や一般家庭等からの汚水が導入され、そこで、し渣を掻き揚げるとともに、沈澱した汚砂をポンプアップして処理する。
【0003】
前記汚砂は、回収され焼却されて海に廃棄したり再利用したりするのであるが、そのままではその中に有機固形物類が多量に付着・混在しているため、そのまま廃棄すると広い廃棄場所が必要になったり、前記再利用するにしても、コンクリートに割れが発生する等の問題が出てくる。そのため、汚砂をドラムスクリーン等により粉砕しながら焼却処分することにより有機固形物を微細化して前記のような問題が発生しないようにしているが、同方式は前記問題を解決するには今一つ有効でない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのことから、本出願人らは本出願に先立って前記問題を解決する分離処理装置(洗浄処理装置)を開発し提案した(特開2002−263696)。
前記分離処理装置は、し渣と汚砂とを分離処理するのに非常に有効な装置であるが、本出願人は、ここで他の方式によりさらに有効な分離処理装置を提供しようとしている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、底部が半円筒形の断面で長寸状をなすとともに傾斜軸状に設置される分離処理槽を本体として備え、同分離処理槽の傾斜方向下部には、投入口からのし渣および/または汚砂が導入される導入槽部を備える一方、同処理槽の傾斜方向上部には、し渣ホッパーが連通状に設けられるとともに、同処理槽の傾斜方向中途個所底部には、分離砂誘導ガイドと分離砂ホッパーとが設けられ、前記分離処理槽の内部には、同槽内の長手方向にわたるべく、スクリュウコンベアが回転駆動可能に通されるとともに、同スクリュウコンベアの外周には、スクリュウコンベアとは別駆動系で異なる回転速度で回転する回転外筒が同心状に設けられ、同回転外筒の傾斜方向下部に前記導入槽部からのし渣および/または汚砂を受け入れる流入口が、傾斜方向上部には掻き揚げられたし渣をし渣ホッパーに導くための流出口がそれぞれ設けられるとともに、同回転外筒の傾斜方向中途個所には、掻き揚げられる砂を分離除去するためのスクリーンが前記分離砂誘導ガイド内に連通すべく形成されていることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のものにおいて、回転外筒は、スクリューコンベアよりも遅く回転駆動されるようになっている。
請求項3記載の発明は、底部が半円筒形の断面で長寸状をなすとともに傾斜軸状に設置される分離処理槽を本体として備え、同分離処理槽の内部には、同槽内の長手方向にわたるべく、回転駆動可能なスクリュウコンベアが通されるとともに、同スクリュウコンベアの外周には、前記分離処理槽との内外間に分離砂を誘導するための隙間を残した状態で周方向に往復的に回転駆動される回転外筒が通され、同回転外筒は、分離砂や水を通過可能な多孔状のスクリーンをその周底部に有し、前記回転外筒の上側には、し渣および/または汚砂が投入される投入口が開口されるとともに、同回転外筒の傾斜方向上部底面からはし渣を排出可能な開口が形成され、前記分離処理槽の傾斜方向下部には、分離砂排出のための開口が前記隙間に連通して形成されていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3記載のものにおいて、回転外筒の往復回転駆動は、スクリュウコンベアを駆動するための単一の駆動源から伝動装置を介して連動自在に構成されている。
請求項5記載の発明は、請求項1から4までのいずれかに記載のものにおいて、投入口には他の前分離処理装置がし渣および/または汚砂を導入可能に前置装置として組み合わされ、同前分離処理装置は、装置本体たる処理槽は、し渣および/または汚砂を含む汚水を槽内に導入する手段と、槽内の汚水を排出する手段と、洗浄水供給手段と、洗浄済みの砂泥を排出する手段とを備えるとともに、処理槽内には、同処理槽に導入されたものがエアーおよび/または水の上昇力発生手段により複数個の分離促進ピースとともに上昇する接触浮上路が縦向きに伸びるように形成されるとともに、同処理槽内には、接触浮上路内での上昇流が分離促進ピースとともに再び接触浮上路の下端に導入され接触浮上路とともに循環路を形成する沈降路が形成されており、導入される汚水からの分離浮上した分離浮上物が槽外に取り出される一方分離浮上物が分離され洗浄処理を受けた砂泥が外部に排出されるように構成された装置であって、前記処理槽の下部内には、同下部に下降してくるし渣および/または汚砂を上昇流発生手段により吸い上げ前記接触浮上路内に導入する浮上促進用流路が設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明によれば、底部が半円筒形の断面で長寸状をなすとともに傾斜軸状に設置される分離処理槽を本体として備え、同分離処理槽の傾斜方向下部には、投入口からのし渣および/または汚砂が導入される導入槽部を備える一方、同処理槽の傾斜方向上部には、し渣ホッパーが連通状に設けられるとともに、同処理槽の傾斜方向中途個所底部には、分離砂誘導ガイドと分離砂ホッパーとが設けられ、前記分離処理槽の内部には、同槽内の長手方向にわたるべく、スクリュウコンベアが回転駆動可能に通されるとともに、同スクリュウコンベアの外周には、スクリュウコンベアとは別駆動系で異なる回転速度で回転する回転外筒が同心状に設けられ、同回転外筒の傾斜方向下部に前記導入槽部からのし渣および/または汚砂を受け入れる流入口が、傾斜方向上部には掻き揚げられたし渣をし渣ホッパーに導くための流出口がそれぞれ設けられるとともに、同回転外筒の傾斜方向中途個所には、掻き揚げられる砂を分離除去するためのスクリーンが前記分離砂誘導ガイド内に連通すべく形成されていることを特徴とする分離処理装置であるので、投入されるし渣および/または汚砂が強制的で有効な洗浄分離作用を受けてし渣と砂泥とにそれぞれ分離されて取り出されるようになる分離処理装置を提供することができる。
請求項2記載の発明によれば、回転外筒は、スクリュウコンベアよりも遅く回転駆動されるようになっているので、し渣および/または汚砂の導入や排出が確実になされるようになる。
請求項3記載の発明によれば、掻き揚げられるし渣および/または汚砂の分離作用がより早期にかつ確実になされるようになる。
請求項4記載の発明によれば、より簡略な駆動系をもつ装置を提供できるようになる。
請求項5記載の発明によれば、分離処理が最も効果的になされるようになる。
【発明を実施するための最良の形態・実施例】
【0007】
図1は本発明の好適な一実施形態を示す模式縦断面図である。
Aは前分離処理装置、Bは(後)分離処理装置、1はバルブを示す。図1では前分離処理装置Aで処理されたものを次の分離処理装置Bに投入する場合と、前分離処理装置Aなしで直接矢印X2のように分離処理装置B内に投入する場合の双方を例示している。
【0008】
まず、分離処理装置Bについて説明する。同装置Bは、分離処理槽2を本体として備え、同処理槽2は、図2および図3に示すように、下側底部3と上側底部である分離砂誘導ガイド4とを共に半円筒状の断面として備えている。
【0009】
分離砂誘導ガイド4は図4のように下側底部3よりも少し低く段差状になっており、同ガイド4の下端部には分離砂ホッパー5が連通状に設けられている。その下方には分離砂コンテナ6が設置される。
【0010】
前記分離処理槽2は、その下部に導入槽部8を備え、同槽部8は、前記下側底部3から立ち上がる両側壁9と、端壁10および開閉自在な上蓋11を備える。そして、12は投入口で、矢印X2のように直接し渣および/または汚砂が投入される口であり、その場合洗浄水も投入されることがある。13は上部ドレン、14は下部ドレンである。
【0011】
導入槽部8より上部は、下側底部3および分離砂誘導ガイド4から立ち上がる側壁9が設けられ、その上部は上蓋11で開閉自在に蓋設されている。こうして、分離処理槽2は、図1のように長寸状をなすとともに右上がりの傾斜軸状に設置され、同処理槽2の傾斜方向上部には、し渣ホッパー16が連通状に設けられてし渣コンテナ17が対応している。
【0012】
前記分離処理槽2の内部には、同槽2内の長手方向にわたるべく、スクリュウコンベア20が回転駆動可能に通されており、同コンベア20は、傾斜上下に設けられたスクリュウ軸受21,21で回転自在に支持されるとともに、駆動源22および伝動装置23により図1の矢印方向に回転駆動されるようになっている。
【0013】
同スクリュウコンベア20の外周には、スクリュウコンベア20とは別駆動系で異なる回転速度で回転する回転外筒25が同心状に設けられ、外筒軸受26,26で上下端を回転自在に支持されるとともに駆動源27および伝動装置28によりスクリュウコンベア20と同じ方向に回転駆動されるようになっている。ここで、スクリュウコンベア20と回転外筒25とはそれぞれ独自に回転速度を調節することができるとともに逆回転も可能になっている。
【0014】
回転外筒25の傾斜方向下部には、前記導入槽部8からのし渣および/または汚砂を受け入れる流入口30が、傾斜方向上部には掻き揚げられたし渣をし渣ホッパー16に導くための流出口31がそれぞれ設けられるとともに、同回転外筒25の傾斜方向中途個所には、掻き揚げられる砂を分離除去するためのスクリーン32が前記分離砂誘導ガイド4内に連通すべく形成されている。
【0015】
前記流入口30および流出口31は、図2および図5にその断面を示すように、周方向に3個所など複数の開口として設けられているが、これは1個所でもよい。また、前記スクリーン32は、多孔板状であるが、スリット状や網板状にしてもよい。
【0016】
し渣および/または汚砂は図1の矢印X2のように導入され、その場合洗浄水も同時に投入されることがある。これらは分離処理槽2の下部である導入槽部8内に導かれ、そこで攪拌されるなどして回転してくる流入口30を通じて回転外筒25内に導入される。スクリュウコンベア20は矢印方向に回転しており、それよりも遅い速度(例えば、1/2あるいは1/3の速度)で回転外筒25が回転しているので、し渣および/または汚砂はこのスクリューコンベア20で順次掻き揚げられる。
【0017】
そして、掻き揚げられたし渣および/または汚砂がスクリーン32の位置にくると、汚砂(洗浄済み)分のみが同スクリーン32を通過して分離砂誘導ガイド4に受け入れられ、順次分離砂ホッパー5を経由して分離砂コンテナ6内に排出される。し渣類はさらにスクリュウコンベア20で掻き揚げられて流出口31からし渣ホッパー16を通じてし渣コンテナ17内に排出される。
【0018】
尚、前記実施形態において、回転外筒25は、1本もの以外に、その周方向に分割合体式に構成してもよいし、また、その長手方向に分割式にしてもよい。
前記スクリーン32は、回転外筒25の周方向全周に形成されていたが、周方向一部にのみ形成することがある。例えば、周方向1個所、2個所あるいは3個所等に配置してもよい。
前記分離処理槽2の上部内には、図1および図4に示すように、スクリーン32の目詰まりを防止するためのスプレーパイプ(ノズル付き)33を配備してもよい。
【0019】
前記実施形態では、矢印X2のように分離処理装置Bに直接し渣および/または汚砂を投入するようにしたが、図1のように、前分離処理装置Aを組み合わせて構成してもよい。すなわち、前分離処理装置Aには、矢印X1のように、し渣および/または汚砂が導入されて、底部排出口34から汚砂が排出されるが、同汚砂(し渣混じりのこともある)を前記バルブ1を介して分離処理装置Bの投入口12に導くように構成してもよい。前分離処理装置Aは、特開2002−263696に開示される各実施形態の全ての内容を含むものである。このように前分離処理装置Aに分離処理装置Bを組み合わせることで分離処理が最も効果的になされる。
【0020】
図6ないし図11は改良にかかる他の実施形態を示す。同実施形態においてAは前分離処理装置、B−1は本発明にかかる(後)分離処理装置を示す。
図6における50は架台で、同架台50は、4本支柱とこれらの間を上下段にわたって横つなぎする連結部材とでなる枠型のもので、ここでは、アジャスタ51で支持されているが図示しないキャスターで移動自在に構成してもよい。この架台50の一側には回転支点52を介して(下部側)本体サポート53が回転自在に取り付けられる一方、他側には、ロック付き回転ネジジョイント54にねじ込まれたネジ軸55を介して回転自在に(上部側)本体サポート53が設けられている。これら上下一対の本体サポート53,53は、分離処理装置B−1の外周を抱き持つようにしており、前記回転ネジジョイント54をハンドル操作により調整することで図6に仮想線で示すように角度変更可能に構成してある。その角度範囲は、図示仮想線よりもさらに下げることができる一方、ネジ軸55を長いものにしたり図6の右側以外に左側にもネジ軸を設けるなどすることで、図6の実線で示す装置B−1の角度(30度前後)よりも大きい角度まで調整することもできる。すなわち、傾斜角度範囲は自在に選ぶことができる。
尚、装置B−1側と架台50側との間にゴムなどの緩衝手段を介装することがある。この緩衝手段は、振動発生手段としても機能するものとすれば後述する分離作用が効率化する。
【0021】
分離処理装置B−1は、分離処理槽57を備える。同槽57は、基本的に図9、図10(模式図)に示すように、下部が半円でその両側から立ち上がり部をもつU字形の横断面形状とされ、その上面に着脱可能な上蓋58を備える。同分離処理槽57は、その長手方向両端に閉止フランジ59を備え、そのさらに外面には着脱自在な外フランジ60を備えている。
【0022】
分離処理槽57の傾斜上部には、その底面部を介してホッパー受け62が形成される一方、傾斜下部には、その底面部を介して分離砂の排出開口である分離砂ホッパー63が突設されている。上側の外フランジ60には上側主軸受64がまた下側の外フランジ60を介して下側主軸受65がそれぞれ設けられ、これら軸受64,65に上下端が支持される形でスクリュウ中軸66が設けられている。同中軸66は、その両端部が上下の閉止フランジ59および外フランジ60を貫通するとともに、両端間の長い軸部が分離処理槽57内を通るようにして設けられている。同中軸66は、図9および図10に示すように、分離処理槽57の半円中心に一致して設けられている。
【0023】
68はスクリュウコンベアで、スクリュウ中軸66に外嵌されるスクリュウパイプと同パイプ外周に突設されたスクリュウ羽根とでなり、同コンベア68は、その下端が分離砂ホッパー63側の下端に位置し上端はホッパー受け62より少し上にくるように位置している。
【0024】
70は外筒取付体で、円筒体とフランジからなるもので、同取付体70は、スクリュウ中軸66の槽57内に長手方向両端に対応する位置に対向配置され、これら取付体70は、スクリュウ中軸66に対し相対回転自在に支持されている。そして、これら両外筒取付体70,70に両端部が嵌め着けられて同取付体70とともに回転するようにして長い回転外筒72が取り付けられている。
【0025】
この回転外筒72は、円筒体を基本として全体がパンチングメタルなどの多孔筒状とされているが、スリット状やメッシュ状にしてもよい。スリットの溝方向は、周方向に向く場合と、スクリュウコンベア68の軸方向に向く場合と、これらの複合方向である斜め方向に向く場合とがある。
また、前記回転外筒72の多孔は全周に設けられていたが、周方向の下半部分のみに多孔を設けてスクリーンとしてもよい。この下半部分は、周方向に角度180分を指すがそれより小さい角度例えば、120°や90°、60°などにしてもよい。
さらに、同多孔は、回転外筒72の長手方向全長に亘って設けられていたが、例えば、傾斜方向下半部分のみに設け上半部分には設けず円筒面としてもよい。
また、回転外筒72は、図9に示すように上下半割れ式で合わせ型とされている。その上下を全て多孔状のものにしてもよいが、上記のように上半分だけを多孔でない通常の半円筒体にしてもよい。
【0026】
前記回転外筒72は、分離処理槽57の半円筒部分に対し分離砂誘導路となる周隙間Sを残して設けられるとともに、同回転外筒72上回りの傾斜方向下寄り位置(回転外筒72の全長を1とすれば傾斜方向上端から下方へ2/3程度の位置)に図10にも示すような角筒状をした投入口73が設けられる一方、下回りの傾斜方向上寄りには、同じく角筒状をしたし渣ホッパー(し渣の排出口)74が設けられている。
【0027】
前記投入口73内には、バルブ1に連通し上蓋58の孔75を通じて下端が臨む投入パイプ71が垂直に設けられている。投入口73が周方向に往復回転運動するのに対し投入口73は干渉しない関係で設けられている。また、前記し渣ホッパー74も周方向に往復回転運動することによりその運動を許すような関係で前記ホッパー受け62が周方向にやや大きく開口してある。
尚、76はスプレー手段で、回転外筒72のスクリーンの目詰まりを防止するためのもので、図10のように一対のパイプ(ノズル付き)を前記長手方向に配備したが、これに限定されない。また、同スプレー手段76は、上蓋58より外部に配置してあるが、槽57内に配してもよい。
【0028】
一方、78は駆動源(減速機付きモーター)で槽57の上端に設置されており、図7にも示すように左回りに回転される出力軸とスクリュウ中軸66に設けたスプロケット80a、80bとその間のチェーン80cとによって構成された第1チェーン伝動装置80によりスクリュウ中軸66を介してスクリュウコンベア68が常時左回り矢印方向に回転駆動されるようになっている。間欠駆動されることもあり、一時的に逆回転されることもある。スクリュウ中軸66に別に設けたスプロケット81aと下方のスプロケット81bおよびチェーン81cにより構成された第2チェーン伝動装置81によりクランク軸82が同一方向に連続回転されるようになっている。
【0029】
そして、クランク軸82は、外フランジ60から突設されたブラケット83に設けられた軸受84により回転自在に支持されており、同クランク軸82回りに突設したクランクアーム85を回転駆動させるようになっている。
尚、前記駆動源78の出力軸に備えたスプロケット80aとスクリュウ中軸66回りに備えた2つのスプロケット80b、81aとは同径(PCD162)であるが、クランク軸82回りに備えたスプロケット81bは前記80a、80b、81aよりも小径(PCD97)とされてクランク軸82はスクリュウ中軸66よりも67%前後増速回転されるようになっている。この関係に限定されず、クランク軸82がスクリュウ中軸66よりも減速回転されるようにする場合と、同速回転されるようにする場合とがある。
【0030】
このクランクアーム85は、図8に示すように、矢印方向に連続駆動されるのであるが、長さ調節可能な往復動変換ロッド87を介して上側のフランジ70aを上下に往復回転運動させるようにする。フランジ70aは、分離処理槽57の対応する個所に長孔状に形成したスリット57aを通じて突出する一体的な連動突部bを備えている。同フランジ70aを介して回転外筒72が一体的に往復回転運動させられるようになっている。
【0031】
図6の矢印X−2のように投入パイプ71を通じてし渣および/または汚砂を投入する場合について説明する。矢印X−2からは洗浄水を同時投入することがある。投入に伴い駆動源78が図7の矢印Y方向である左回りに回転されると、第1チェーン伝動装置80を介してスクリュウ中軸66が同一方向に回転駆動される。その回転は第2チェーン伝動装置81を介して伝わりクランク軸82を同一方向に回転させるが、同回転運動は、図8に示すように、クランクアーム85と往復動変換ロッド87を介して図8の2範囲でスクリュウ中軸66を往復回転運動させる。
【0032】
投入パイプ71からのし渣および/または汚砂は、往復回転運動する投入口73を通じて回転外筒72内に導入され、そこで連続回転するスクリュウコンベア68により図6の矢印L方向に掻き揚げられる。回転外筒72は多孔状のスクリーン体でなるので、その多孔を通じて矢印のようにし渣および/または汚砂から汚砂や水類を流下させるとともに、分離砂ホッパー63を通じて図示しない運搬コンテナ内に排出される。コンベアを介して排出してもよい。
【0033】
この際、スクリュウコンベア68の外周の回転外筒72は固定式でなく往復回転運動を繰り返しているので、掻き揚げられるし渣および/または汚砂を相対的に揺れ動かし、それに掻き揚げ作用が相乗的に作用して、し渣類に対する洗浄砂や水の分離がより活発化し、矢印のような分離流下作用が早期にかつ確実になされるようになる。
【0034】
一方、し渣類は、矢印L方向に掻き揚げられて回転外筒72とともに往復回転運動をするし渣ホッパー74を通じて図示しない運搬コンテナ内に排出される。尚、スプレー手段76の洗浄水の噴射により回転外筒72の多孔は適宜に洗浄されて目詰まりは常時防止され、前記分離流下が効率的になされる状態下に置かれている。また、図6の実施形態の場合は、駆動源78が単一でスクリュウコンベア68の駆動のみでなく回転外筒72の往復回転運動をも行うものであるので、構造的に簡略化する。
【0035】
前記実施形態では、矢印X2のように分離処理装置B−1に直接し渣および/または汚砂を投入するようにしたが、図6のように、前分離処理装置Aを組み合わせて構成してもよい。すなわち、前分離処理装置Aには、上部からし渣および/または汚砂が導入されて、底部排出口34から汚砂が排出されるが、同汚砂(し渣混じりのこともある)を前記バルブ1を介して分離処理装置B−1の投入口73に導くように構成してもよい。前分離処理装置Aは、特開2002−263696に開示される各実施形態の全ての内容を含むものである。このように前分離処理装置Aに分離処理装置B−1を組み合わせることで分離処理が最も効果的になされる。
【0036】
尚、前記駆動源78、伝動装置80,81およびクランク軸82などの駆動系は、装置B−1の傾斜方向上端を介して構成されているので、例えば、図8に示す連動突部bの動きを許容するスリット57aを通じて内部からのし渣類が漏出しにくいなどの特徴を有するが、傾斜下端側に設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】 本発明の分離処理装置を示す模式断面図。
【図2】 図1のII−II線拡大断面図。
【図3】 図1のIII−III線断面図。
【図4】 図1のIV−IV線断面図。
【図5】 図1のV−V線断面図。
【図6】 他の実施形態を示す分離処理装置の模式断面図。
【図7】 図6のVII方向からの矢視図。
【図8】 図6のVIII−VIII線断面模式図。
【図9】 図6のIX−IX線断面模式図。
【図10】 図6のX−X線断面模式図。
【図11】 図6のXI矢視図。
【符号の説明】
【0038】
A…前分離処理装置 B…分離処理装置 2…分離処理槽 3…下側底部 4…分離砂誘導ガイド 5…分離砂ホッパー 8…導入槽部 12…投入口 16…し渣ホッパー 20…スクリューコンベア 22,27…駆動源 25…回転外筒 30…流入口 31…流出口 32…スクリーン B−1…分離処理装置 57…分離処理槽 63…分離砂ホッパー 68…スクリュウコンベア 72…回転外筒 73…投入口 74…し渣ホッパー 78…駆動源 80,81…伝動装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、投入されるし渣および/または汚砂を対象とする分離処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水浄化処理場には、沈砂池が設けられ、同沈砂池では、河川や一般家庭等からの汚水が導入され、そこで、し渣を掻き揚げるとともに、沈澱した汚砂をポンプアップして処理する。
【0003】
前記汚砂は、回収され焼却されて海に廃棄したり再利用したりするのであるが、そのままではその中に有機固形物類が多量に付着・混在しているため、そのまま廃棄すると広い廃棄場所が必要になったり、前記再利用するにしても、コンクリートに割れが発生する等の問題が出てくる。そのため、汚砂をドラムスクリーン等により粉砕しながら焼却処分することにより有機固形物を微細化して前記のような問題が発生しないようにしているが、同方式は前記問題を解決するには今一つ有効でない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのことから、本出願人らは本出願に先立って前記問題を解決する分離処理装置(洗浄処理装置)を開発し提案した(特開2002−263696)。
前記分離処理装置は、し渣と汚砂とを分離処理するのに非常に有効な装置であるが、本出願人は、ここで他の方式によりさらに有効な分離処理装置を提供しようとしている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、底部が半円筒形の断面で長寸状をなすとともに傾斜軸状に設置される分離処理槽を本体として備え、同分離処理槽の傾斜方向下部には、投入口からのし渣および/または汚砂が導入される導入槽部を備える一方、同処理槽の傾斜方向上部には、し渣ホッパーが連通状に設けられるとともに、同処理槽の傾斜方向中途個所底部には、分離砂誘導ガイドと分離砂ホッパーとが設けられ、前記分離処理槽の内部には、同槽内の長手方向にわたるべく、スクリュウコンベアが回転駆動可能に通されるとともに、同スクリュウコンベアの外周には、スクリュウコンベアとは別駆動系で異なる回転速度で回転する回転外筒が同心状に設けられ、同回転外筒の傾斜方向下部に前記導入槽部からのし渣および/または汚砂を受け入れる流入口が、傾斜方向上部には掻き揚げられたし渣をし渣ホッパーに導くための流出口がそれぞれ設けられるとともに、同回転外筒の傾斜方向中途個所には、掻き揚げられる砂を分離除去するためのスクリーンが前記分離砂誘導ガイド内に連通すべく形成されていることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のものにおいて、回転外筒は、スクリューコンベアよりも遅く回転駆動されるようになっている。
請求項3記載の発明は、底部が半円筒形の断面で長寸状をなすとともに傾斜軸状に設置される分離処理槽を本体として備え、同分離処理槽の内部には、同槽内の長手方向にわたるべく、回転駆動可能なスクリュウコンベアが通されるとともに、同スクリュウコンベアの外周には、前記分離処理槽との内外間に分離砂を誘導するための隙間を残した状態で周方向に往復的に回転駆動される回転外筒が通され、同回転外筒は、分離砂や水を通過可能な多孔状のスクリーンをその周底部に有し、前記回転外筒の上側には、し渣および/または汚砂が投入される投入口が開口されるとともに、同回転外筒の傾斜方向上部底面からはし渣を排出可能な開口が形成され、前記分離処理槽の傾斜方向下部には、分離砂排出のための開口が前記隙間に連通して形成されていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3記載のものにおいて、回転外筒の往復回転駆動は、スクリュウコンベアを駆動するための単一の駆動源から伝動装置を介して連動自在に構成されている。
請求項5記載の発明は、請求項1から4までのいずれかに記載のものにおいて、投入口には他の前分離処理装置がし渣および/または汚砂を導入可能に前置装置として組み合わされ、同前分離処理装置は、装置本体たる処理槽は、し渣および/または汚砂を含む汚水を槽内に導入する手段と、槽内の汚水を排出する手段と、洗浄水供給手段と、洗浄済みの砂泥を排出する手段とを備えるとともに、処理槽内には、同処理槽に導入されたものがエアーおよび/または水の上昇力発生手段により複数個の分離促進ピースとともに上昇する接触浮上路が縦向きに伸びるように形成されるとともに、同処理槽内には、接触浮上路内での上昇流が分離促進ピースとともに再び接触浮上路の下端に導入され接触浮上路とともに循環路を形成する沈降路が形成されており、導入される汚水からの分離浮上した分離浮上物が槽外に取り出される一方分離浮上物が分離され洗浄処理を受けた砂泥が外部に排出されるように構成された装置であって、前記処理槽の下部内には、同下部に下降してくるし渣および/または汚砂を上昇流発生手段により吸い上げ前記接触浮上路内に導入する浮上促進用流路が設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明によれば、底部が半円筒形の断面で長寸状をなすとともに傾斜軸状に設置される分離処理槽を本体として備え、同分離処理槽の傾斜方向下部には、投入口からのし渣および/または汚砂が導入される導入槽部を備える一方、同処理槽の傾斜方向上部には、し渣ホッパーが連通状に設けられるとともに、同処理槽の傾斜方向中途個所底部には、分離砂誘導ガイドと分離砂ホッパーとが設けられ、前記分離処理槽の内部には、同槽内の長手方向にわたるべく、スクリュウコンベアが回転駆動可能に通されるとともに、同スクリュウコンベアの外周には、スクリュウコンベアとは別駆動系で異なる回転速度で回転する回転外筒が同心状に設けられ、同回転外筒の傾斜方向下部に前記導入槽部からのし渣および/または汚砂を受け入れる流入口が、傾斜方向上部には掻き揚げられたし渣をし渣ホッパーに導くための流出口がそれぞれ設けられるとともに、同回転外筒の傾斜方向中途個所には、掻き揚げられる砂を分離除去するためのスクリーンが前記分離砂誘導ガイド内に連通すべく形成されていることを特徴とする分離処理装置であるので、投入されるし渣および/または汚砂が強制的で有効な洗浄分離作用を受けてし渣と砂泥とにそれぞれ分離されて取り出されるようになる分離処理装置を提供することができる。
請求項2記載の発明によれば、回転外筒は、スクリュウコンベアよりも遅く回転駆動されるようになっているので、し渣および/または汚砂の導入や排出が確実になされるようになる。
請求項3記載の発明によれば、掻き揚げられるし渣および/または汚砂の分離作用がより早期にかつ確実になされるようになる。
請求項4記載の発明によれば、より簡略な駆動系をもつ装置を提供できるようになる。
請求項5記載の発明によれば、分離処理が最も効果的になされるようになる。
【発明を実施するための最良の形態・実施例】
【0007】
図1は本発明の好適な一実施形態を示す模式縦断面図である。
Aは前分離処理装置、Bは(後)分離処理装置、1はバルブを示す。図1では前分離処理装置Aで処理されたものを次の分離処理装置Bに投入する場合と、前分離処理装置Aなしで直接矢印X2のように分離処理装置B内に投入する場合の双方を例示している。
【0008】
まず、分離処理装置Bについて説明する。同装置Bは、分離処理槽2を本体として備え、同処理槽2は、図2および図3に示すように、下側底部3と上側底部である分離砂誘導ガイド4とを共に半円筒状の断面として備えている。
【0009】
分離砂誘導ガイド4は図4のように下側底部3よりも少し低く段差状になっており、同ガイド4の下端部には分離砂ホッパー5が連通状に設けられている。その下方には分離砂コンテナ6が設置される。
【0010】
前記分離処理槽2は、その下部に導入槽部8を備え、同槽部8は、前記下側底部3から立ち上がる両側壁9と、端壁10および開閉自在な上蓋11を備える。そして、12は投入口で、矢印X2のように直接し渣および/または汚砂が投入される口であり、その場合洗浄水も投入されることがある。13は上部ドレン、14は下部ドレンである。
【0011】
導入槽部8より上部は、下側底部3および分離砂誘導ガイド4から立ち上がる側壁9が設けられ、その上部は上蓋11で開閉自在に蓋設されている。こうして、分離処理槽2は、図1のように長寸状をなすとともに右上がりの傾斜軸状に設置され、同処理槽2の傾斜方向上部には、し渣ホッパー16が連通状に設けられてし渣コンテナ17が対応している。
【0012】
前記分離処理槽2の内部には、同槽2内の長手方向にわたるべく、スクリュウコンベア20が回転駆動可能に通されており、同コンベア20は、傾斜上下に設けられたスクリュウ軸受21,21で回転自在に支持されるとともに、駆動源22および伝動装置23により図1の矢印方向に回転駆動されるようになっている。
【0013】
同スクリュウコンベア20の外周には、スクリュウコンベア20とは別駆動系で異なる回転速度で回転する回転外筒25が同心状に設けられ、外筒軸受26,26で上下端を回転自在に支持されるとともに駆動源27および伝動装置28によりスクリュウコンベア20と同じ方向に回転駆動されるようになっている。ここで、スクリュウコンベア20と回転外筒25とはそれぞれ独自に回転速度を調節することができるとともに逆回転も可能になっている。
【0014】
回転外筒25の傾斜方向下部には、前記導入槽部8からのし渣および/または汚砂を受け入れる流入口30が、傾斜方向上部には掻き揚げられたし渣をし渣ホッパー16に導くための流出口31がそれぞれ設けられるとともに、同回転外筒25の傾斜方向中途個所には、掻き揚げられる砂を分離除去するためのスクリーン32が前記分離砂誘導ガイド4内に連通すべく形成されている。
【0015】
前記流入口30および流出口31は、図2および図5にその断面を示すように、周方向に3個所など複数の開口として設けられているが、これは1個所でもよい。また、前記スクリーン32は、多孔板状であるが、スリット状や網板状にしてもよい。
【0016】
し渣および/または汚砂は図1の矢印X2のように導入され、その場合洗浄水も同時に投入されることがある。これらは分離処理槽2の下部である導入槽部8内に導かれ、そこで攪拌されるなどして回転してくる流入口30を通じて回転外筒25内に導入される。スクリュウコンベア20は矢印方向に回転しており、それよりも遅い速度(例えば、1/2あるいは1/3の速度)で回転外筒25が回転しているので、し渣および/または汚砂はこのスクリューコンベア20で順次掻き揚げられる。
【0017】
そして、掻き揚げられたし渣および/または汚砂がスクリーン32の位置にくると、汚砂(洗浄済み)分のみが同スクリーン32を通過して分離砂誘導ガイド4に受け入れられ、順次分離砂ホッパー5を経由して分離砂コンテナ6内に排出される。し渣類はさらにスクリュウコンベア20で掻き揚げられて流出口31からし渣ホッパー16を通じてし渣コンテナ17内に排出される。
【0018】
尚、前記実施形態において、回転外筒25は、1本もの以外に、その周方向に分割合体式に構成してもよいし、また、その長手方向に分割式にしてもよい。
前記スクリーン32は、回転外筒25の周方向全周に形成されていたが、周方向一部にのみ形成することがある。例えば、周方向1個所、2個所あるいは3個所等に配置してもよい。
前記分離処理槽2の上部内には、図1および図4に示すように、スクリーン32の目詰まりを防止するためのスプレーパイプ(ノズル付き)33を配備してもよい。
【0019】
前記実施形態では、矢印X2のように分離処理装置Bに直接し渣および/または汚砂を投入するようにしたが、図1のように、前分離処理装置Aを組み合わせて構成してもよい。すなわち、前分離処理装置Aには、矢印X1のように、し渣および/または汚砂が導入されて、底部排出口34から汚砂が排出されるが、同汚砂(し渣混じりのこともある)を前記バルブ1を介して分離処理装置Bの投入口12に導くように構成してもよい。前分離処理装置Aは、特開2002−263696に開示される各実施形態の全ての内容を含むものである。このように前分離処理装置Aに分離処理装置Bを組み合わせることで分離処理が最も効果的になされる。
【0020】
図6ないし図11は改良にかかる他の実施形態を示す。同実施形態においてAは前分離処理装置、B−1は本発明にかかる(後)分離処理装置を示す。
図6における50は架台で、同架台50は、4本支柱とこれらの間を上下段にわたって横つなぎする連結部材とでなる枠型のもので、ここでは、アジャスタ51で支持されているが図示しないキャスターで移動自在に構成してもよい。この架台50の一側には回転支点52を介して(下部側)本体サポート53が回転自在に取り付けられる一方、他側には、ロック付き回転ネジジョイント54にねじ込まれたネジ軸55を介して回転自在に(上部側)本体サポート53が設けられている。これら上下一対の本体サポート53,53は、分離処理装置B−1の外周を抱き持つようにしており、前記回転ネジジョイント54をハンドル操作により調整することで図6に仮想線で示すように角度変更可能に構成してある。その角度範囲は、図示仮想線よりもさらに下げることができる一方、ネジ軸55を長いものにしたり図6の右側以外に左側にもネジ軸を設けるなどすることで、図6の実線で示す装置B−1の角度(30度前後)よりも大きい角度まで調整することもできる。すなわち、傾斜角度範囲は自在に選ぶことができる。
尚、装置B−1側と架台50側との間にゴムなどの緩衝手段を介装することがある。この緩衝手段は、振動発生手段としても機能するものとすれば後述する分離作用が効率化する。
【0021】
分離処理装置B−1は、分離処理槽57を備える。同槽57は、基本的に図9、図10(模式図)に示すように、下部が半円でその両側から立ち上がり部をもつU字形の横断面形状とされ、その上面に着脱可能な上蓋58を備える。同分離処理槽57は、その長手方向両端に閉止フランジ59を備え、そのさらに外面には着脱自在な外フランジ60を備えている。
【0022】
分離処理槽57の傾斜上部には、その底面部を介してホッパー受け62が形成される一方、傾斜下部には、その底面部を介して分離砂の排出開口である分離砂ホッパー63が突設されている。上側の外フランジ60には上側主軸受64がまた下側の外フランジ60を介して下側主軸受65がそれぞれ設けられ、これら軸受64,65に上下端が支持される形でスクリュウ中軸66が設けられている。同中軸66は、その両端部が上下の閉止フランジ59および外フランジ60を貫通するとともに、両端間の長い軸部が分離処理槽57内を通るようにして設けられている。同中軸66は、図9および図10に示すように、分離処理槽57の半円中心に一致して設けられている。
【0023】
68はスクリュウコンベアで、スクリュウ中軸66に外嵌されるスクリュウパイプと同パイプ外周に突設されたスクリュウ羽根とでなり、同コンベア68は、その下端が分離砂ホッパー63側の下端に位置し上端はホッパー受け62より少し上にくるように位置している。
【0024】
70は外筒取付体で、円筒体とフランジからなるもので、同取付体70は、スクリュウ中軸66の槽57内に長手方向両端に対応する位置に対向配置され、これら取付体70は、スクリュウ中軸66に対し相対回転自在に支持されている。そして、これら両外筒取付体70,70に両端部が嵌め着けられて同取付体70とともに回転するようにして長い回転外筒72が取り付けられている。
【0025】
この回転外筒72は、円筒体を基本として全体がパンチングメタルなどの多孔筒状とされているが、スリット状やメッシュ状にしてもよい。スリットの溝方向は、周方向に向く場合と、スクリュウコンベア68の軸方向に向く場合と、これらの複合方向である斜め方向に向く場合とがある。
また、前記回転外筒72の多孔は全周に設けられていたが、周方向の下半部分のみに多孔を設けてスクリーンとしてもよい。この下半部分は、周方向に角度180分を指すがそれより小さい角度例えば、120°や90°、60°などにしてもよい。
さらに、同多孔は、回転外筒72の長手方向全長に亘って設けられていたが、例えば、傾斜方向下半部分のみに設け上半部分には設けず円筒面としてもよい。
また、回転外筒72は、図9に示すように上下半割れ式で合わせ型とされている。その上下を全て多孔状のものにしてもよいが、上記のように上半分だけを多孔でない通常の半円筒体にしてもよい。
【0026】
前記回転外筒72は、分離処理槽57の半円筒部分に対し分離砂誘導路となる周隙間Sを残して設けられるとともに、同回転外筒72上回りの傾斜方向下寄り位置(回転外筒72の全長を1とすれば傾斜方向上端から下方へ2/3程度の位置)に図10にも示すような角筒状をした投入口73が設けられる一方、下回りの傾斜方向上寄りには、同じく角筒状をしたし渣ホッパー(し渣の排出口)74が設けられている。
【0027】
前記投入口73内には、バルブ1に連通し上蓋58の孔75を通じて下端が臨む投入パイプ71が垂直に設けられている。投入口73が周方向に往復回転運動するのに対し投入口73は干渉しない関係で設けられている。また、前記し渣ホッパー74も周方向に往復回転運動することによりその運動を許すような関係で前記ホッパー受け62が周方向にやや大きく開口してある。
尚、76はスプレー手段で、回転外筒72のスクリーンの目詰まりを防止するためのもので、図10のように一対のパイプ(ノズル付き)を前記長手方向に配備したが、これに限定されない。また、同スプレー手段76は、上蓋58より外部に配置してあるが、槽57内に配してもよい。
【0028】
一方、78は駆動源(減速機付きモーター)で槽57の上端に設置されており、図7にも示すように左回りに回転される出力軸とスクリュウ中軸66に設けたスプロケット80a、80bとその間のチェーン80cとによって構成された第1チェーン伝動装置80によりスクリュウ中軸66を介してスクリュウコンベア68が常時左回り矢印方向に回転駆動されるようになっている。間欠駆動されることもあり、一時的に逆回転されることもある。スクリュウ中軸66に別に設けたスプロケット81aと下方のスプロケット81bおよびチェーン81cにより構成された第2チェーン伝動装置81によりクランク軸82が同一方向に連続回転されるようになっている。
【0029】
そして、クランク軸82は、外フランジ60から突設されたブラケット83に設けられた軸受84により回転自在に支持されており、同クランク軸82回りに突設したクランクアーム85を回転駆動させるようになっている。
尚、前記駆動源78の出力軸に備えたスプロケット80aとスクリュウ中軸66回りに備えた2つのスプロケット80b、81aとは同径(PCD162)であるが、クランク軸82回りに備えたスプロケット81bは前記80a、80b、81aよりも小径(PCD97)とされてクランク軸82はスクリュウ中軸66よりも67%前後増速回転されるようになっている。この関係に限定されず、クランク軸82がスクリュウ中軸66よりも減速回転されるようにする場合と、同速回転されるようにする場合とがある。
【0030】
このクランクアーム85は、図8に示すように、矢印方向に連続駆動されるのであるが、長さ調節可能な往復動変換ロッド87を介して上側のフランジ70aを上下に往復回転運動させるようにする。フランジ70aは、分離処理槽57の対応する個所に長孔状に形成したスリット57aを通じて突出する一体的な連動突部bを備えている。同フランジ70aを介して回転外筒72が一体的に往復回転運動させられるようになっている。
【0031】
図6の矢印X−2のように投入パイプ71を通じてし渣および/または汚砂を投入する場合について説明する。矢印X−2からは洗浄水を同時投入することがある。投入に伴い駆動源78が図7の矢印Y方向である左回りに回転されると、第1チェーン伝動装置80を介してスクリュウ中軸66が同一方向に回転駆動される。その回転は第2チェーン伝動装置81を介して伝わりクランク軸82を同一方向に回転させるが、同回転運動は、図8に示すように、クランクアーム85と往復動変換ロッド87を介して図8の2範囲でスクリュウ中軸66を往復回転運動させる。
【0032】
投入パイプ71からのし渣および/または汚砂は、往復回転運動する投入口73を通じて回転外筒72内に導入され、そこで連続回転するスクリュウコンベア68により図6の矢印L方向に掻き揚げられる。回転外筒72は多孔状のスクリーン体でなるので、その多孔を通じて矢印のようにし渣および/または汚砂から汚砂や水類を流下させるとともに、分離砂ホッパー63を通じて図示しない運搬コンテナ内に排出される。コンベアを介して排出してもよい。
【0033】
この際、スクリュウコンベア68の外周の回転外筒72は固定式でなく往復回転運動を繰り返しているので、掻き揚げられるし渣および/または汚砂を相対的に揺れ動かし、それに掻き揚げ作用が相乗的に作用して、し渣類に対する洗浄砂や水の分離がより活発化し、矢印のような分離流下作用が早期にかつ確実になされるようになる。
【0034】
一方、し渣類は、矢印L方向に掻き揚げられて回転外筒72とともに往復回転運動をするし渣ホッパー74を通じて図示しない運搬コンテナ内に排出される。尚、スプレー手段76の洗浄水の噴射により回転外筒72の多孔は適宜に洗浄されて目詰まりは常時防止され、前記分離流下が効率的になされる状態下に置かれている。また、図6の実施形態の場合は、駆動源78が単一でスクリュウコンベア68の駆動のみでなく回転外筒72の往復回転運動をも行うものであるので、構造的に簡略化する。
【0035】
前記実施形態では、矢印X2のように分離処理装置B−1に直接し渣および/または汚砂を投入するようにしたが、図6のように、前分離処理装置Aを組み合わせて構成してもよい。すなわち、前分離処理装置Aには、上部からし渣および/または汚砂が導入されて、底部排出口34から汚砂が排出されるが、同汚砂(し渣混じりのこともある)を前記バルブ1を介して分離処理装置B−1の投入口73に導くように構成してもよい。前分離処理装置Aは、特開2002−263696に開示される各実施形態の全ての内容を含むものである。このように前分離処理装置Aに分離処理装置B−1を組み合わせることで分離処理が最も効果的になされる。
【0036】
尚、前記駆動源78、伝動装置80,81およびクランク軸82などの駆動系は、装置B−1の傾斜方向上端を介して構成されているので、例えば、図8に示す連動突部bの動きを許容するスリット57aを通じて内部からのし渣類が漏出しにくいなどの特徴を有するが、傾斜下端側に設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】 本発明の分離処理装置を示す模式断面図。
【図2】 図1のII−II線拡大断面図。
【図3】 図1のIII−III線断面図。
【図4】 図1のIV−IV線断面図。
【図5】 図1のV−V線断面図。
【図6】 他の実施形態を示す分離処理装置の模式断面図。
【図7】 図6のVII方向からの矢視図。
【図8】 図6のVIII−VIII線断面模式図。
【図9】 図6のIX−IX線断面模式図。
【図10】 図6のX−X線断面模式図。
【図11】 図6のXI矢視図。
【符号の説明】
【0038】
A…前分離処理装置 B…分離処理装置 2…分離処理槽 3…下側底部 4…分離砂誘導ガイド 5…分離砂ホッパー 8…導入槽部 12…投入口 16…し渣ホッパー 20…スクリューコンベア 22,27…駆動源 25…回転外筒 30…流入口 31…流出口 32…スクリーン B−1…分離処理装置 57…分離処理槽 63…分離砂ホッパー 68…スクリュウコンベア 72…回転外筒 73…投入口 74…し渣ホッパー 78…駆動源 80,81…伝動装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部が半円筒形の断面で長寸状をなすとともに傾斜軸状に設置される分離処理槽を本体として備え、同分離処理槽の傾斜方向下部には、投入口からのし渣および/または汚砂が導入される導入槽部を備える一方、同処理槽の傾斜方向上部には、し渣ホッパーが連通状に設けられるとともに、同処理槽の傾斜方向中途個所底部には、分離砂誘導ガイドと分離砂ホッパーとが設けられ、前記分離処理槽の内部には、同槽内の長手方向にわたるべく、スクリュウコンベアが回転駆動可能に通されるとともに、同スクリュウコンベアの外周には、スクリュウコンベアとは別駆動系で異なる回転速度で回転する回転外筒が同心状に設けられ、同回転外筒の傾斜方向下部に前記導入槽部からのし渣および/または汚砂を受け入れる流入口が、傾斜方向上部には掻き揚げられたし渣をし渣ホッパーに導くための流出口がそれぞれ設けられるとともに、同回転外筒の傾斜方向中途個所には、掻き揚げられる砂を分離除去するためのスクリーンが前記分離砂誘導ガイド内に連通すべく形成されていることを特徴とする分離処理装置。
【請求項2】
請求項1記載のものにおいて、回転外筒は、スクリューコンベアよりも遅く回転駆動されるようになっている分離処理装置。
【請求項3】
底部が半円筒形の断面で長寸状をなすとともに傾斜軸状に設置される分離処理槽を本体として備え、同分離処理槽の内部には、同槽内の長手方向にわたるべく、回転駆動可能なスクリュウコンベアが通されるとともに、同スクリュウコンベアの外周には、前記分離処理槽との内外間に分離砂を誘導するための隙間を残した状態で周方向に往復的に回転駆動される回転外筒が通され、同回転外筒は、分離砂や水を通過可能な多孔状のスクリーンをその周底部に有し、前記回転外筒の上側には、し渣および/または汚砂が投入される投入口が開口されるとともに、同回転外筒の傾斜方向上部底面からはし渣を排出可能な開口が形成され、前記分離処理槽の傾斜方向下部には、分離砂排出のための開口が前記隙間に連通して形成されていることを特徴とする分離処理装置。
【請求項4】
請求項3記載のものにおいて、回転外筒の往復回転駆動は、スクリュウコンベアを駆動するための単一の駆動源から伝動装置を介して連動自在に構成されている分離処理装置。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれかに記載のものにおいて、投入口には他の前分離処理装置がし渣および/または汚砂を導入可能に前置装置として組み合わされ、同前分離処理装置は、装置本体たる処理槽は、し渣および/または汚砂を含む汚水を槽内に導入する手段と、槽内の汚水を排出する手段と、洗浄水供給手段と、洗浄済みの砂泥を排出する手段とを備えるとともに、処理槽内には、同処理槽に導入されたものがエアーおよび/または水の上昇力発生手段により複数個の分離促進ピースとともに上昇する接触浮上路が縦向きに伸びるように形成されるとともに、同処理槽内には、接触浮上路内での上昇流が分離促進ピースとともに再び接触浮上路の下端に導入され接触浮上路とともに循環路を形成する沈降路が形成されており、導入される汚水からの分離浮上した分離浮上物が槽外に取り出される一方分離浮上物が分離され洗浄処理を受けた砂泥が外部に排出されるように構成された装置であって、前記処理槽の下部内には、同下部に下降してくるし渣および/または汚砂を上昇流発生手段により吸い上げ前記接触浮上路内に導入する浮上促進用流路が設けられていることを特徴とするものである分離処理装置。
【請求項1】
底部が半円筒形の断面で長寸状をなすとともに傾斜軸状に設置される分離処理槽を本体として備え、同分離処理槽の傾斜方向下部には、投入口からのし渣および/または汚砂が導入される導入槽部を備える一方、同処理槽の傾斜方向上部には、し渣ホッパーが連通状に設けられるとともに、同処理槽の傾斜方向中途個所底部には、分離砂誘導ガイドと分離砂ホッパーとが設けられ、前記分離処理槽の内部には、同槽内の長手方向にわたるべく、スクリュウコンベアが回転駆動可能に通されるとともに、同スクリュウコンベアの外周には、スクリュウコンベアとは別駆動系で異なる回転速度で回転する回転外筒が同心状に設けられ、同回転外筒の傾斜方向下部に前記導入槽部からのし渣および/または汚砂を受け入れる流入口が、傾斜方向上部には掻き揚げられたし渣をし渣ホッパーに導くための流出口がそれぞれ設けられるとともに、同回転外筒の傾斜方向中途個所には、掻き揚げられる砂を分離除去するためのスクリーンが前記分離砂誘導ガイド内に連通すべく形成されていることを特徴とする分離処理装置。
【請求項2】
請求項1記載のものにおいて、回転外筒は、スクリューコンベアよりも遅く回転駆動されるようになっている分離処理装置。
【請求項3】
底部が半円筒形の断面で長寸状をなすとともに傾斜軸状に設置される分離処理槽を本体として備え、同分離処理槽の内部には、同槽内の長手方向にわたるべく、回転駆動可能なスクリュウコンベアが通されるとともに、同スクリュウコンベアの外周には、前記分離処理槽との内外間に分離砂を誘導するための隙間を残した状態で周方向に往復的に回転駆動される回転外筒が通され、同回転外筒は、分離砂や水を通過可能な多孔状のスクリーンをその周底部に有し、前記回転外筒の上側には、し渣および/または汚砂が投入される投入口が開口されるとともに、同回転外筒の傾斜方向上部底面からはし渣を排出可能な開口が形成され、前記分離処理槽の傾斜方向下部には、分離砂排出のための開口が前記隙間に連通して形成されていることを特徴とする分離処理装置。
【請求項4】
請求項3記載のものにおいて、回転外筒の往復回転駆動は、スクリュウコンベアを駆動するための単一の駆動源から伝動装置を介して連動自在に構成されている分離処理装置。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれかに記載のものにおいて、投入口には他の前分離処理装置がし渣および/または汚砂を導入可能に前置装置として組み合わされ、同前分離処理装置は、装置本体たる処理槽は、し渣および/または汚砂を含む汚水を槽内に導入する手段と、槽内の汚水を排出する手段と、洗浄水供給手段と、洗浄済みの砂泥を排出する手段とを備えるとともに、処理槽内には、同処理槽に導入されたものがエアーおよび/または水の上昇力発生手段により複数個の分離促進ピースとともに上昇する接触浮上路が縦向きに伸びるように形成されるとともに、同処理槽内には、接触浮上路内での上昇流が分離促進ピースとともに再び接触浮上路の下端に導入され接触浮上路とともに循環路を形成する沈降路が形成されており、導入される汚水からの分離浮上した分離浮上物が槽外に取り出される一方分離浮上物が分離され洗浄処理を受けた砂泥が外部に排出されるように構成された装置であって、前記処理槽の下部内には、同下部に下降してくるし渣および/または汚砂を上昇流発生手段により吸い上げ前記接触浮上路内に導入する浮上促進用流路が設けられていることを特徴とするものである分離処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−312162(P2006−312162A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−278713(P2005−278713)
【出願日】平成17年8月27日(2005.8.27)
【出願人】(501098061)株式会社サンエイ (13)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月27日(2005.8.27)
【出願人】(501098061)株式会社サンエイ (13)
【Fターム(参考)】
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