分離整列供給装置
【課題】絡み合ったワークの分離と整列を同時に行うと共に非整列ワークを再び分離機へ戻し、循環式に全て整列させることができる分離整列供給装置を提供する。
【解決手段】円筒の分離容器1の回転する円板上のブレードの傾斜角度を水平から45度をこえる鋭角に形成し、分離容器1の上端部に送出口を開口し、前記送出口至近距離に配置した整列レール2と、レール加振機3と、非整列ワークを落下させる手段を設け、前記整列レール2面から所定幅で送出口の下縁まで上昇傾斜で延伸する傾斜受け板5を設け、前記整列レール2等を切り欠いてワーク落下口55を開口し、ワーク落下口55の下に落下受け樋6と、落下受け樋に連接し、分離容器の受入口に接続する戻し樋7を設ける。また、送出口から幅広く下降に傾斜させて整列レール2までを接続させJ字形傾斜受け板を設ける。
【解決手段】円筒の分離容器1の回転する円板上のブレードの傾斜角度を水平から45度をこえる鋭角に形成し、分離容器1の上端部に送出口を開口し、前記送出口至近距離に配置した整列レール2と、レール加振機3と、非整列ワークを落下させる手段を設け、前記整列レール2面から所定幅で送出口の下縁まで上昇傾斜で延伸する傾斜受け板5を設け、前記整列レール2等を切り欠いてワーク落下口55を開口し、ワーク落下口55の下に落下受け樋6と、落下受け樋に連接し、分離容器の受入口に接続する戻し樋7を設ける。また、送出口から幅広く下降に傾斜させて整列レール2までを接続させJ字形傾斜受け板を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として集合して絡み合いや重なり合ったコイルバネ等をひとつずつ分離した後、それを整列状態にして次の工程に供給するとともに、分離できなかったコイルバネや、整列に望まない姿勢の(非整列と言う)コイルバネを再び分離機に戻すことによって、再度整列させるという、循環式の分離整列供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、各種のコイルバネ分離機や整列供給装置については、多く用いられているが、経済状態が厳しい最近は、顧客の要望として、安価で確実性が高く、安定的にコイルバネを分離供給する能率の良い整列供給装置を開発して欲しいとの要請が多くある。また、自動車、電機、機械、薬品医療、食品などの各種業界で多種多様のばねが利用されている中で、未だ、簡単な構造でコイルバネを分離しながら同時に整列させることを繰り返して行わせる循環式の分離整列供給装置がなく、未分離コイルバネを戻すためには工程の途中で人手を要するので、作業能率不良と整列装置の価格が高いことのネックとなっている。
従って、簡単な構造で安価な循環式分離整列供給装置が市場で強く求められている。
【従来の技術と背景】
【0003】
従来から、コイルバネの整列供給装置は振動型のボウル型パーツフィーダーの中心部にコイルバネの絡みを解くための円筒の機械式コイルバネ分離機とを組み合わせて用いた循環式の整列供給装置が存在したが、そのいずれもが装置全体が大型となって嵩張るばかりでなく、ボウル型パーツフィーダーを使用するためコストも高いもので、しかもワークの運行速度が遅いので能率が低いものであった。(特許文献1および特許文献2参照)
【0004】
また、内壁にブレードを有する円筒を横置きに回転させて、円筒軸の位置に設けた整列レールの上に、円筒内にいれたワークであるコイルばねを落下させるもので、このものは、ワークの量が減少したり、追加して変動することによって整列作業の能率が低下してしまうと言う問題があった。(特許文献3参照)
【0005】
また、出願人は先に取得した特許のバネ分離機をより一層効率良く利用できないかと、円筒の分離容器内のバネの動きを研究していた。その結果回転ブレードの傾斜角度が45度では不適切(不十分)であり、45度よりも急角度即ち平面に対して60度〜80度にするとコイルバネがスパイラル的に円筒の上端に蹴り上げられることが分かった。従って、排出口(ここでは次工程への送出口)を円筒の上端にして、当該排出口から連続して直進リニアフィーダーへの導入させようとして、その近隣に直進リニアフィーダーの整列レールを配置して整列供給すると共に、非整列ワークを整列レールから落下させながら供給口へ戻すことによって、余すことなく連続的にワークを循環させて所定量の絡んだコイルバネを自動的に分離させながら、すべて所定の整列供給を極めて能率良く行えるように更に深く実験しながら研究した。(特許文献4参照)
【参考文献】
【特許文献1】
実公昭58−023774
【特許文献2】 実開平03−064917
【特許文献3】 特開2009−269707
【特許文献4】 特許第3849685
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
先述した問題を解決すると共に、自己の研究成果を踏まえて多くの市場の要求に応えようとするもので、本発明は、汎用性が広く、小型で簡単な構造であって、絡みや重なり合ったワークの分離と整列供給を同時に行うと共に、非整列ワークを再び分離機へ戻し、循環式に余すことなく全てのワークを分離させて整列供給する作業能率の向上を図ることができる分離整列供給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上端を閉鎖した円筒の分離容器の底部に内接して回転する円板上に、回転進行側に傾斜面を有するブレードを少なくとも一個、前記円板の中心から放射状に配置して設け、当該ブレードの傾斜角度を水平から少なくとも45度をこえる鋭角に形成し、前記分離容器の上端部近隣の周壁にはワークの送出口を開口し、当該送出口の所定至近距離に配置した整列レールと、当該整列レールを加振する加振機と、前記整列レールから所定幅で前記整列レールと一体化または一体的に固着させて前記送出口の下縁位置まで上昇傾斜で延伸する傾斜受け板を設け、当該傾斜受け板上面または整列レールにてワークを選別して非整列ワークを落下させる手段と、前記傾斜受け板または前記整列レールを一部切り欠いてワーク落下口を開口し、当該ワーク落下口の下に落下ワークを受ける落下受け樋と、当該落下受け樋に連接し、前記分離容器のワークの受入口に接続する戻し樋を設けことである。
【0008】
また、上端を閉鎖した円筒の分離容器の底部に内接して回転する円板上に、回転進行側に傾斜面を有するブレードを少なくとも一個、前記円板の中心から放射状に配置して設け、当該ブレードの傾斜角度を水平から少なくとも45度をこえる鋭角に形成したワーク分離機と、当該ワーク分離機の所定至近距離に配置した整列レールと、当該整列レールを加振する加振機と、前記整列レールにてワークを選別して非整列ワークを落下させる手段を設け、前記分離容器の上端部近隣の周壁、且つ分離容器の円筒中心点から前記整列レールに平行した直線を基準とする位置に送出口とを開口し、少なくとも当該送出口幅を超える幅板で前記送出口の下縁から下降傾斜させて整列レールまでを接続させるように形成したJ字形傾斜受け板を設け、前記整列レールの一部を切り欠いてワーク落下口を開口し、前記ワーク落下口の下に落下ワークを受ける落下受け樋と、当該落下受け樋に連接し、前記分離容器の受入口に接続する戻し樋を設けることでもある。
【0009】
そして、前記送出口に対面し、円筒外壁面と所定の距離を保持させて曲面緩衝部材を設けると好ましい。
【0010】
また、前記落下受け樋に振動を加える手段を設けることもできる。
【0011】
また、前記整列レールを横断分割し、一部分の幅のレールをスライド式にして、取り扱うワークの大きさに対応して、ワークが通過するレール幅を調節可能とすると好ましい。
【0012】
また、前記分離容器の受入口に接続する戻し樋において、前記受入口の外側所定距離位置に受入口に対面して略垂直壁を形成した戻し樋を設けることも好ましい。
【0013】
そして、前記分離容器の蓋の内側に設けた円板であって、少なくともワークの送出口の高さ寸法を越える板厚を有し、前記送出口の円筒内壁に接して移動し、送出口の高さ寸法を調節するための昇降する手段を有する内蓋を設けることもできる。
【0014】
更に、前記円筒分離容器内に多数の絡んだワークを連続的に供給する手段を設けると、より好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の整列供給装置によれば、以下の多くの優れた効果を奏する。
請求項1および請求項2の発明によれば、
1) 一台の装置で絡んだコイルバネの分離と同時にコイルバネを整列させて、ひとつ ずつ送ることができ、構造が簡単であり、極めて省スペース(約50%)となっ て、従来のボウルフィーダに比べて著しく安価(約20%)である。
2) 望まない形態や姿勢(非整列と言う)のワークを余すことなく再び分離機に戻し 循環させる機能を併せ持ったもので、作業能率を著しく向上できる。
3) 整列用に直進リニアフィーダを使用することによって、直線走行部分で速い流動 で選別して整列させることが可能となり、汎用性が広がる。結果的にワークの多 品種への分離整列供給装置として兼用することができる。
4) 装置の作動音は整列レール振動用の加振機だけなので低騒音である。
5) 従来のボウルフィダに比べ、ワーク整列レールの搬送路面の磨耗が少ないので装 置の寿命が長くなって経済的である。
【0016】
そして、請求項2の発明によれば、送出口幅を超える幅板で前記送出口の下縁から下降傾斜させて整列レールまでを接続させるように形成したJ字形傾斜受け板を設けることによって、整列レールのスパン(整列有効長さ)を、分離円筒外壁を越えた位置まで長く取ると共に、送出口から整列レールに至るまでの距離も長く取れるので、その間に各種の選別・整列用のアタッチメントやセンサー等を設置することができて、より高精度で高能率な整列作業を行うことができる。
【0017】
また、請求項3の発明によれば、前記送出口に対面し、円筒外壁面と所定の距離を保持する曲面緩衝部材を設けることによって、分離機の送出口から勢いよく飛び出したワークをいち早く緩衝させて受け止め、その位置に静かに落下させるため、ワークをより早く好ましい整列姿勢に導き、より一層高精度で高能率な整列供給作業ができる。
【0018】
また、請求項4の発明によれば、前記落下受け樋の底板(ワーク戻し用の板)に振動を加える装置を設けることによって、落下受け樋の傾斜角度が少ない場合でも、ワークの戻しを確実に、且つ流動を速めることができる。
【0019】
また、請求項5の発明によれば、前記整列レールを横断分割し、その一部分の幅のレールをスライド式にして、取り扱うワークの大きさに対応して、ワークの通過するレール幅を調節可能とすることによって、同一装置における整列レールのワークを通過させて選別する有効幅を縮小・拡大して調節可能となるため、多種多様のワークに対応することができ、汎用性を向上することができる。
【0020】
また、請求項6の発明によれば、前記分離容器へのワーク受入(戻し)口に接続する戻し樋の受入口の外側所定距離位置での段差で、受入口に対面して略垂直壁を形成した戻し樋を設けることによって、一部のワークが供給口から戻され飛び出しても即座に戻し樋の垂直壁に衝突して円筒内に戻されるため、分離整列が、より効率よく行うことができる。
【0021】
また、請求項7の発明によれば、分離機の円筒に内接して昇降する内蓋を設けることによって、簡単な構造でワークの大きさによって送出口の高さ寸法を調節することができ、送出口における複雑な機構のシャッターと同じような作用をするので、ワークの巻き線直径に近づければ横向きの姿勢のワークだけが送出されるため、より効率よく整列させることと共にワークの供給速度を容易に変化させることも可能である。
【0022】
また、請求項8の発明によれば、前記円筒分離容器内に多数の絡んだワークを連続的に供給する手段を設けることによって、多量のワークを連続的に能率よく処理することができる。
【0023】
本発明は上述のように、従来の数々の問題を全て一挙に解決し、シンプルでコンパクトな装置で安価であって、分離作業と整列供給作業を同時に行なうことができ、しかも循環的に最後のワークまで処理でき、多種のワークへの汎用性も広く、また、整列レールを、より長くして、より一層高精度で高能率化することもでき、更には多量のワークを連続して処理ができるので、全体の効果が非常に大きなものとなった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の分離整列供給装置の全体を示す斜視図である。
図2は本発明の分離整列供給装置の正面図で、図3は図2の平面図で、図4は図2の左側面図である。これらの、図1乃至図4は前記請求項1の第1の実施例と請求項8の貯留供給装置(イ)を設けた場合の第8の実施例の図を兼ね添えているものである。
そして図5は本発明の部分構成要素であるワーク分離機(ロ)の拡大外観の正面図で、図6は図5に対するA−A線に沿った断面図で、図7は図5に対するB−B線に沿った断面図である。
更に、図8は本発明の分離整列供給装置の細部を理解しやすく表示し、ワークWの流れを示す概略説明の斜視図である。
【0025】
図1乃至図4で示すように、本発明は大きく分けてワークWの貯留供給装置(イ)とワーク分離機(ロ)および整列装置(直進フィーダ)(ハ)の3つの装置と、図示していないが、これらを制御する夫々のコントローラーから構成されている。
その内、ワークWの貯留供給装置(イ)は取り扱うワークWの数量があまり多くない場合には省略することができる。また、電気配線や夫々のコントローラーについては該当装置と隣接する必要が無いので周囲から離れた場所に設置しても良い。(従って、図示は省略する。)
【0026】
図1乃至図7で示すように、主要な構成はワーク分離機(ロ)と整列装置(ハ)である。
ワークWをコイルバネ等とするワーク分離機(ロ)は上端を蓋14などで閉鎖した円筒の分離容器1の底部に内接して回転する円板15上において、回転進行側にワークが当たる傾斜面を有するブレード17を一対、前記円板15の回転中心点から放射状に配置して設け、当該ブレード17の回転方向の傾斜面の角度を水平から少なくとも45度を超える鋭角であって好ましくは約70度から約60度の傾斜角に(図6のように反対側の円板15の水平面からの外角は110度から120度の鈍角で)形成し、前記分離容器1の円筒の底部近隣の周壁には、絡み合ったワークWの受入口11と、円筒の上端部近隣の周壁には分離されたワークWの送出口12とを開口したものである。この分離機の前記送出口12の中心点を接点とする分離容器1の外壁の円周接線と平行にして、所定至近距離に配置された整列レール2と、当該整列レール2を振動してワークWを一方向に前進させるレール加振機3を設けた直進フィーダによる整列供給装置(ハ)である。
【0027】
そして、前記整列レール2と一体化または一体的に固着にして、レールの振動を受けさせながら、前記送出口12の下縁位置まで上昇傾斜で延伸させた傾斜受け板5を設け、当該傾斜受け板5と、または前記整列レール2を一部切り欠いて、ワーク落下口55を開口し、必要に応じて前記整列レール2と前記傾斜受け板5の上面そしてまたは整列レールでの各種アタッチメントやセンサー等にてワークWを選別して、非整列ワークWをワーク落下口55から落下させ、このワーク落下口55の下に、落下ワークWを流せる角度で下降傾斜させた底板を有する落下受け樋6と、当該落下受け樋6に連接し、前記分離容器1の下降傾斜しながら受入口11に接続してワークWを循環させるための戻し樋7を設けている。
【0028】
更に詳しく説明すると、ワーク分離機(ロ)は図5乃至図8で示すように、前記分離容器1の底板の円板15は中心に回転軸16が取り付けられ、その先端は駆動箱18の中のモーターに接続されている。このモーターは図示してないが別のコントローラーで回転速度などが変化できるようになっている。前記分離容器1の下側にあるモーターが収められている駆動箱18は支柱19を介して機台9に取り付けられて前記分離容器1の全体の高さ位置の調整ができるようになっている。
前記分離容器1の受入口11と送出口12はワークWを効率よく分離や循環させるために、入口と出口を略90度の水平ラジアル関係に配置している。
また、場合によっては分離容器1の円筒外壁に沿ってスライド式の戻り止め13(シャッタ)を受入口11の上辺に設け、受入口11の大きさを変化させて、供給されたワークWが円筒内から跳ね返って飛び出さないようにすると同時にワークWの供給量を調節することができる。
【0029】
前記ブレード17は金属または硬質プラスチックの剛性材で回転側に傾斜面を向け、回転する円板15の水平面から約70度(本実施例の最良角)の傾斜面を形成している。またブレード17は同じ形状のものを一対2個回転軸16の中心点に対称(放射状)位置に配置して円板15に裏側からボルトなどで取り付け固定されている。
尚、ブレード17はワークWであるコイルバネの巻き方向が逆方向の場合にはモーターの結線を入れ替えて円板15の回転方向を逆転させると共にブレード17の所定角度の傾斜面も反対側にする必要がある。従って、ブレード17は山形に両側面を前記所定角度(70度)に対称的に形成しておくと望ましい。
【0030】
また、図8に示すように、ワークWの種類によって必要な場合には、送出口12の下辺外壁縁に沿って約45度に傾斜した傾斜補助板51をエプロン状に設けてワークWが円滑に傾斜受け板5の上に乗るようにし、小さなワークWや異物(ごみ)などが傾斜受け板5の先端と分離容器1の外壁との隙間に引っ掛かることを防止している。
更に、必要に応じて、ワークWの飛び跳ね防止と共に一部選別手段として、図8に示すように、送出口12の正面間近の少し隔てた位置(ワークが落ち止まれる程度)、且つ整列レール2の手前位置には受け板カバー52の内側からゴム製薄板のカーテン状の平面緩衝部材25をサンドイッチ方式にして緩衝部材取付板26で垂直に垂らしておく。これにより、強い勢いで飛び出してくるワークWを受けて、その場に静かに落下させる。このカーテン状の平面緩衝部材25の下端には分離されたワークWが横になって通過できる程度の隙間が取られていて横たわって整列姿勢に対応できるワークWだけが、いち早く整列レール2に送られることになる。絡んだままのものや、整列姿勢に対応できないワークWは振動によってワーク落下口55に落とされるか、または下記する整列レール2にて選別されて同様にワーク落下口55から落とされる。
尚、場合によっては、前記平面緩衝部材25は省略可能もあり得る。
【0031】
前記整列レール2は直線的なレールで一般的に直進フィーダとも言われ、ワークWを整列進行させるために振動を加えるレール加振機3に取り付けられている。そして、この整列レール2のレールベース(レール取り付け台)の面には、立面にはレール上下規制板21と、平面にはレール左右規制板22が、それぞれ長孔と摘みネジ23によって取り付けられていて、取り扱うワークWに最適なように、両規制板21,22の位置を調整することによって、ワーク選別機能を発揮し、正しい姿勢のワークWだけ整列レール2を通すようにできている。
従って、整列レール2はレール上下規制板21とレール左右規制板22にてワークWを選別して、正しい姿勢の整列ワークWは整列レール2の面を前進通過させ、それ以外(非整列ワークと言う)はワークWの上下左右の寸法が合わなかったり、絡んだままのときは重心が所定の位置になく不安定なため、前記ワーク落下口55から落下させるのである。
【0032】
尚、先述したように、レール上下規制板21とレール左右規制板22が夫々数箇所の長孔をもって、各摘みネジ23で締め付けられているので、同じ装置でもってワークの種類や大きさ・形状に合わせて最適な整列レール規制幅に簡単に調整することができて、単に一種類のワークWの位置の設定だけでなく、ある程度のワークWの大きさや形態による汎用性を持たせるようになっている。
【0033】
本発明の第1の実施例では先述したように前記分離容器1の送出口12中心点での接線に平行にして、且つ前記送出口12より低い位置にして、ワークWが連続的に出てくるものを受けることができる程度、即ち前記送出口12の幅を十分に超える幅で、ワークの長さの2倍から4倍程度の長さの板である傾斜受け板5が設けられ、この傾斜受け板5は整列レール2と溶接で一体化されて効率良くレール加振機3の振動を受け、振動しながら前記分離容器1の送出口12に向かってなだらかに上昇傾斜している。
これは、送出口12からワークWが整列レール2に向かって下方傾斜し、円滑に流れ落ちるようになっていて、その幅は送出口12の横幅の長さを超えて、整列レール3の下流方向まで十分の大きさで、下流側の先端から整列レール2に沿った一部分を残して大きく切り欠いていて、その先の下流側はレール左右規制板22の幅と同等の幅のレールベースになっている。この切り欠き部が非整列ワークWのワーク落下口55となる。
【0034】
必要によっては、このワーク落下口55の周囲にはワークWが飛び出さないように傾斜フェンスプレート4やフェンスプレート41などを設けて周囲を囲んでいる。特に傾斜フェンスプレート4はワーク落下口55に向けて約60度下向きに傾斜しているので、飛び跳ねたワークをそのまま落下口55に落とす役目を持つ。
【0035】
当該ワーク落下口55の下側には落下したワークWを受けるに十分な大きさの落下受け樋6が設けられている。当該落下受け樋6は底板が下降傾斜して、両側を三角形の立て板で囲み(図11参照)、ワークWが零れ落ちるのを防止している家庭用ちりとりに似た樋形状で、その下流先端は開放され、戻し樋7に接続されている。この戻し樋7は接続部である側壁を欠いた樋枡形状で、なだらかに傾斜して伸び下流端は前記分離容器1の受入口11に掛けて接続されるように外側のつばで分離容器1の外壁に取り付けている。この戻し樋7の上面にはアクリル製の透明な戻し樋カバー71が被されている。従って、ワークWの受入口11への流れ(戻り状態)を常に上から観察・注視することができる。
また、この戻し樋7は前記分離容器1のワークWの受入口11に通じているので、ワーク分離機(ロ)が運転中に手による新たな絡んだワークWを補給したい場合には、前記戻し樋7の上の戻し樋カバー71を外して補給でき、ここが供給口75となる。
【0036】
以下に本発明の作動原理とワークWの流れを図8に基づいて説明する。尚、本図はワークWの流れ方を分かりやすく説明するために、構成する一部の部材の分離容器1の蓋14を除去し、傾斜フェンスプレート4やストッパ41および受け板カバー52を透かして想像線で表示した。
図8で示すように、本装置の作動・原理のポイントは整列装置(ハ)(直進フィーダ)の整列レール2と近隣に配置した前記機械式円筒形のワーク分離機(ロ)の回転する円板15上のブレード17のワーク衝突面の傾斜角度を少なくとも45度以上の鋭角(ベストは約70度)に形成したブレード17を回転して絡んだコイルバネWに衝突させて、絡みや重なりを分離させた後、円筒の分離容器1の内壁に沿ってスパイラル的に回転させながら上昇させて分離容器1の上端部の送出口12まで飛ばし上げることである。
この飛ばし上げる力によってワーク分離機(ロ)の分離容器1の円筒全長を長く取ることができる。その結果、容量を増やしたり、各樋等の傾斜角を大きく取ることができる。
【0037】
以下にワークWの流れを詳しく説明する。
手による供給は分離容器1の上端の蓋14を外して投入し、または前記貯留供給装置(イ)による自動供給は供給口65から順次流れ込んで供給されるので、絡んだコイルバネ(ワーク)Wは分離容器1の受入口11から円筒内部に入り、その円筒内の底板である円板15の回転によって、円板15上のブレード17で蹴り上げられて分離して、送出口12から出てくる。第1の実施例の場合には、そのコイルバネWは整列レール2と共に振動させた傾斜受け板5で受けられて傾斜受け板5が下に傾斜しているので、振動と相まって上面を流動しながら整列レール2に乗り、第2の実施例の場合には、J字形傾斜受け板56を下降流動しながら、整列レール2に乗って方向を90度変えて移行し、続いて整列レール2の狭い部分(規制幅部)に進行して、そこで上下左右のレール規制板21,22で選別され、正しい姿勢のコイルバネWは整列レール2上を、そのまま前進する。
その時、分離や整列できなかったコイルバネW(ワーク)はバランスを欠いたり、規制されてワーク落下口55から落下して、そこで再び、流れの方向を90度変えてその下にある落下受け樋6により受け取られる。この落下受け樋6は底板が下降傾斜していてコイルバネは流れ落ちる。続いて更に、流れる方向が90度変わって、戻し樋7の傾斜底板を流下することで、連続して3回流れは内方向90度変えられるので、元の円筒に向かい、そのまま前記分離容器1の受入口11に戻され、再びブレード17で蹴り上げられ送出口12から出てくることになる。こうして循環されワークWがなくなるまで繰り返される。
【0038】
本発明の分離整列装置の使い方は、ワークW(コイルバネ等)が比較的に少量であれば図1の貯留供給装置(ハ)を省いて、最初に装置が停止している場合には、直接ワーク分離機(ロ)の蓋14を取って、分離容器1の上から絡んだワークWを一定量数回に分けて投入すればよく、続いて、取り扱うワークWに最適な条件に予め調節設定がされている各コントローラー(図示していない)のスイッチを入れて運転を開始する。
その後、しばらくするとワークWが分離されて送出口12から出て傾斜受け板5を経て整列レール2に乗って分別され、整列進行と落下が始まり、落下されたものは落下受け樋6と戻し樋7円滑に流れて分離容器1に戻されるという循環が繰り返すのを注視して、もし、途中で流れが滞留したときは、その原因を排除すればよい。
ワーク分離機(ロ)が運転の途中で、絡んだコイルバネWを追加する場合には、分離容器1に隣接する戻し樋カバー71の供給75から供給する。
【0039】
図9は本発明の第2の実施例の概略図で(a)は(b)のX−X断面を含む平面図、(b)は正面図である。前記平面図への分離機の円板やブレード等の表示は省略した。
図9に示すように、前述の第1の実施例と異なるところは、整列レール2を長くしたことによる、分離容器1のワークWの送出口12の開口位置と傾斜受け板5の形態である。
分離容器1の前記送出口12を、分離容器1の円筒中心点から前記整列レール2に平行する線を基準とする位置に開口する。そして、当該送出口12の全幅からワークWを受け入れることができると共に整列レール2に導入させるように送出口12から下降に傾斜させて整列レール2までを接続させるように形成したJ字形傾斜受け板56と当該受け板の両縁または外縁沿いに、送出口12の高さ寸法を超える高さの垂直板でなるJ字形傾斜受け板側壁57を設けたものである。
ここで言う、J字形とは整列レール2の水平直線縁に対して、接続させる寸法幅を垂直に延伸させて外縁が約90度湾曲しながら送出口12の全幅を取り囲むように更に延伸させているので、平面的に見ると英字のJに似ていることで定義付けている。
【0040】
そして、この第2の実施例の送出口12は受入口11の反対方向(対面)で、且つ分離容器1の円筒内壁の最上部付近の位置に開口している。更に、送出口12の整列レール側の口縁は整列レール側に大きく切り欠いておくと良い。大きく切り欠くことによって、送出口12の基点の接線方向に飛び出そうとしたワークWも送り出すことができる。
J字形傾斜受け板56の最下端である整列レール2に接続する箇所は整列レール2上に重なるようにして、他方の上端は送出口12の全開口幅を超える幅寸法で分離容器1の円筒外壁に合致した円弧形の端面と、そこから円筒外壁面に沿った湾曲した取り付け用鍔を形成しているので、送出口12の下縁に合わせてボルトで取り付ける。
故に、ワークWを流す、振動しないシュータの作用をもつものとなる。
従って、送出口12から出されたワークWは、この傾斜面を滑り落ちることになるので、ワークWの流れる速度を速めるには、傾斜面の表面に円滑資材を塗布したり貼付することか、若しくは分離容器1の円筒を長くして、送出口12の位置を高め、前記傾斜受け板5,56や各樋6,7の傾斜角を多く取ることである。
【0041】
このようにすることによって、前記分離容器1の円筒内をスパイラル状に上昇して送出口12に達したワークWは遠心力で外方向に飛び出そうとするので、多くのワークWは円筒中心から離れJ字形傾斜受け板56上をJ字形傾斜受け板側壁561に沿って流動移送され、整列レールの2末端の位置に送られる。
従って、整列レール2のスパンを上流方向に長く取ると共に、送出口12から整列レールに至るまでの距離も長く取れるので、その間に各種の整列用のアタッチメントやセンサー等を設置することができて、より高精度で高能率な整列作業を行うことができる。
尚、先述の第1の実施例と同様に、整列レール2の手前位置に整列レール2の軸線と平行に前記平面緩衝部材25を設け、ワークWの緩衝を図ると好ましい。
尚、作動原理とワークWの流れは、前記した傾斜受け板5とJ字形傾斜受け板56の違いを除いて、先述の第1の実施例に準ずるので、同様な説明は省略する。
【0042】
図10は本発明の第3の実施例の概略図で(a)は(b)のX−X断面を含む平面図、(b)は正面図で、図9と同様に表示している。
図10で示すように、図9での平面緩衝部材25に代えて、円筒外壁の曲線に沿って凹形の曲面緩衝部材251を設けたことによって、前記送出口12から勢いよく飛び出たワークWが緩衝されて静かに落下すると共に、凹曲面によって前記送出口12の至近距離に均等に対面してワークWの姿勢を好ましく変えながら整列レール2に向かうことで、整列レール2の端まで有効となって、より効率よく整列させることができる。
【0043】
図11は本発明の第4の実施例の主要部で、図8でのY矢視下側からの概略斜視図である。
図11において、前記落下受け樋6に振動を加えるために、前記整列レール2と一体的に接着するとともに、戻し樋7との付け根部から切り離している。そして切り離した両者の接合部はワークWが引っ掛からないように差し込んで重ね合わせるようにしておく。
このようにすることによって前記落下受け樋6に落下したワークWは、整列レール2からの振動により、円滑に前記戻し樋7に流れ込むことになって、ワークWの流動速度が高まり、より一層の循環能率が向上する。
【0044】
図12は第5の実施例の主要部で、図3に対する一部拡大概略平面図である。
図12において、前記整列レール2を横断分割して、その一部分であるワーク落下口55上辺部分のレールを切り離してスライドレール24としてスライド式にして、図10の白抜き矢印のように前後に移動させるように長孔とビス(図中丸プラスネジ)で最適な位置に調整した後固定できるようにする。
【0045】
この最適な位置(レール幅)に調整したスライドレール24の上に乗って進行可能なワークWだけが重心の一定した求める姿勢の整列させるワークWとして選別される。
従って、より高精度の選別が可能となるばかりでなく、取り扱うワークWの大きさに対応してスライドレール24の幅の縮小・拡大の調節可能とすることによって、多種多様のワークWに対応することができ、汎用性を向上することができる。また、収納や運搬にも便利である。
【0046】
図13は本発明の第6実施例の該当主要部の断面図である。
図13で示すように、分離容器1へのワークWの受入口11(循環による戻り口でもある)に接続する戻し樋7における、分離容器1の受入口11の外側の所定距離位置に受入口11に対面して垂直壁72を形成した戻し樋7を設けたものである。
従って、この戻し樋7は傾斜している底板が二段差形式になっていて、段の境にある垂直壁72は分離容器1の受入口(循環したワークの戻り口)11の全面積を一定の距離を隔てて立ちはだかり常に覆っていることとなるので、受入口11の上端部に設けたスライド式の戻り止め(シャッタ)13をこまめに開閉調節する必要が少なくなる。
勿論、必要に応じて、この戻り止め(シャッタ)13を開閉することによって、分離容器1内のワークWの数量を調節することもできる。
このようにすることによって、ワークWが逆流して供給口11から飛び出しても即座に戻し樋7の垂直壁72に衝突して円筒内に戻されることになって、分離整列供給作業が、より効率良く行うことができる。
【0047】
図14は図13と比較した第6の実施例を採用しない場合(第1の実施例)の該当主要部の断面図である。
この場合には、分離容器1内のワークWが円筒内で飛び跳ねたものが受入口11に逆戻りして戻し樋7の最上部まで戻されるばかりでなく、新たに補充や供給されたワークWや循環によって戻されたワークWが、分離容器1の円筒内に流れ込もうとすることを阻止してしまい、分離作業や循環の能率を低下させることになってしまうこともあった。
【0048】
図15は本発明の第7の実施例の主要部の断面図である。
図15で示すように、前記分離容器1の蓋14の内側に設けた、分離容器1の少なくとも送出口12の高さ寸法を越える板厚を有する円板であって、前記分離容器1の円筒内壁に接して移動し、送出口12の高さ寸法を調節するための昇降する手段としてのネジである蝶ボルト142、143と二個のロックナット144を有する内蓋141を設けたものである。
具体的には内蓋141は分離容器1の内壁に接して昇降移動できる直径で、送出口12の高さ寸法の1.5倍ほどの板厚の金属またはプラスチック等の円板であって、この円板の中心に、この円板を持ち上げるに必要十分な太さである5〜6mmの雌ネジを板厚の半分程度の深さまで形成しておき、この雌ネジに嵌め合い、且つ所定の長さ即ち、蓋14の上面から内蓋141を送出口12の最小限度の開口位置から全開となる送出口12の上辺位置まで移動させるのに必要十分の長さの雄ネジが一体的に形成された頭部先端に蝶摘み143を有する蝶ボルト142と、この蝶ボルト142に嵌め合うロックナット142を二つ用意する。そして一方、蓋14の中心部に前記雌ネジと同じネジ穴を貫通させるように形成する。
以上、それぞれ用意したものを、蓋14を円筒1にセットする前に、以下の順序で組みつけておく。
【0049】
先ず、予め前記蝶ボルト142上端の蝶つまみ143の付け根付近位置まで、ひとつのロックナット144を下向きに嵌め込んでおき、この蝶ボルト142を蓋14の雌ネジにネジ全長の7割程度まで貫通して嵌め合わせ、続いて二つ目のロックナット144を蝶ボルト142の先端から蓋14の裏面に突出した長さの半分程度位置まで嵌め込んでおき、更に蓋14を貫通させた状態のまま内蓋141に設けた植え込み用雌ネジの底まで、前記蝶ボルト142の先端をねじ込み植え込んでから、二つ目のロックナット144を内蓋141の上面に接するまで下げていって十分締め付け固定する。
これらを組み上げた状態で、内蓋141を円筒にはめ込みながら蓋14をして、内蓋の位置を確認して送出口の高さ寸法を最適にする。調節が必要なときは蓋14上面のロックナット144を緩めて蝶つまみ143を回転して内蓋141を昇降させる。内蓋141の位置が決まったら、再びロックナット44を締め付けておく。
【0050】
このようにすることによって、簡単な構造でワークWの大きさによって送出口12の高さ寸法を調節することができ、ワークWの巻き線直径に近づければ横向きの姿勢のワークWだけが送出される為、より効率よく整列させることと共にワークWの供給速度を変化させることも可能である。
尚、上記載の内蓋141の昇降手段は一例であり、更に簡単に内蓋141に植え込んだネジを蓋14の上面から適宜回転移動した後、蝶ナットなどでロックしても良い。
【0051】
第8の実施例としては前述の装置に貯留供給装置を追加することである。図1乃至図3で示すように、絡みや重なり合ったワークWが多量にある場合など必要に応じて(イ)貯留供給装置を追加する。
前記分離容器1の受入口11より上の位置に設置されているもので、ホッパ8は箱型の容器の一部の側壁を切り欠いて、その部分に合わせた大きさのU文字形の流し樋81を一体的に形成して設けてある。ホッパ8の底板にはホッパ加振機85が取り付けられていて、この底板は前記流し樋81の先端を下側にして下降傾斜させるとともに、更に流し樋81のワーク流出口を前記戻し樋カバー71の供給口75の幅に内接してはめ込んで接続させる。
前記ホッパ加振機85は、高さ位置調整用の長孔付のホッパ支柱89に取り付けられて機台9に据え付けられている。
【0052】
図3で示すようにワーク分離機(ロ)の送出口12から出て傾斜受け板5上を流れるワークWの量を検知する光センサー83でワークWの量が少量の状態になった時にホッパ加振機85が振動し始めてホッパ8に貯留させたワークWが分離容器1の受入口11に流れ込む。
従って、多量の絡みや重なり合ったワークW(コイルバネ等)が自動的に補給され、能率良く分離整列作業が行われる。
【0053】
以上に述べたように、本発明の分離整列供給装置の実施の形態は、現時点での発明の最も好ましい形態を示すものであり、本発明はこれに限定されない。
発明の趣旨を逸脱しない範囲においての変化も、この発明に含むものとする。
例えば、先述の放射状に配置した対称の二個のブレード17を一体化したり、逆に多数化することや、分離容器1の受入口11と送出口12の直角の位置関係を変化させたり、また、整列レール上の傾斜フェンスプレート4等の形状や大きさはワークWの種類や形状によって適宜変化させたり、送出口12の外側に設けたカーテン状の平面・曲面の緩衝部材25,251をゲル状板や低反発ウレタン等に代えたり、又は実施例2のJ字形傾斜受け板56に傾斜角度が十分取れないときには振動手段を追加したり、更には貯留供給装置(イ)のホッパ8の底板が直線傾斜であるものを、円弧状の曲線板とすることや、流し樋81前記ホッパ8の一辺全体に段付で一体化したものを全体平面底のものを傾斜させたものにすることができるものとする。
その他、貯留供給装置そのものを、本案のホッパ式でなくベルトコンベア式やエレベータ式にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の循環式分離整列供給装置の全体を示す斜視図である。本発明の第1の実施例と第8の実施例を含む。
【図2】本発明の循環式分離整列供給装置の正面図である。
【図3】図2の平面図である。
【図4】図2の左側面図である。
【図5】本発明の部分構成要素である分離機の拡大外観の正面図
【図6】図5に対するA−A線に沿った断面図である。
【図7】図5に対するB−B線に沿った断面図である。
【図8】本発明の分離整列供給装置の細部を理解しやすく表示し、ワークWの流れを示す概略説明の斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施例の概略図で(a)は(b)のX−X断面を含む平面図、(b)は正面図である。
【図10】本発明の第3の実施例の概略図で(a)は(b)のX−X断面を含む平面図、(b)は正面図である。
【図11】本発明の第4の実施例の主要部で、図8のY矢視下方向からの概略斜視図である。
【図12】本発明の第5の実施例の主要部で、図3での一部拡大概略平面図である。
【図13】本発明の第6の実施例の該当主要部の断面図である。
【図14】図13と比較した第6の実施例を採用しない場合の該当主要部の断面図である。
【図15】本発明の第7実施例の主要部の断面図である。
【符号の説明】
【0055】
イ 貯留供給装置
ロ ワーク分離機
ハ 整列装置(直進フィーダ)
1 分離容器
11 受入口
12 送出口 121 送出口側壁
13 戻り止め(シャッタ)
14 蓋 141 内蓋 142 蝶ボルト
143 蝶つまみ 144 ロックナット
15 円板 16 回転軸 17 ブレード
18 駆動箱 19 支柱
2 整列レール 21 レール上下規制板 22 レール左右規制板
23 摘みネジ 24 スライドレール
25 平面緩衝部材 251 曲面緩衝部材 26 緩衝部材取付板
3 レール加振機 39 加振機支柱
4 傾斜フェンスプレート 41 フェンスプレート
5 傾斜受け板 51 補助傾斜板 52 受け板カバー
55 ワーク落下口 56 J字形傾斜受け板 561 J字形傾斜受け板側壁
6 落下受け樋
7 戻し樋 71 戻し樋カバー 72 垂直壁
75 供給口
8 ホッパ 81 流し樋 83 センサー
85 ホッパ加振機 89 ホッパ支柱
9 機台
W ワーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として集合して絡み合いや重なり合ったコイルバネ等をひとつずつ分離した後、それを整列状態にして次の工程に供給するとともに、分離できなかったコイルバネや、整列に望まない姿勢の(非整列と言う)コイルバネを再び分離機に戻すことによって、再度整列させるという、循環式の分離整列供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、各種のコイルバネ分離機や整列供給装置については、多く用いられているが、経済状態が厳しい最近は、顧客の要望として、安価で確実性が高く、安定的にコイルバネを分離供給する能率の良い整列供給装置を開発して欲しいとの要請が多くある。また、自動車、電機、機械、薬品医療、食品などの各種業界で多種多様のばねが利用されている中で、未だ、簡単な構造でコイルバネを分離しながら同時に整列させることを繰り返して行わせる循環式の分離整列供給装置がなく、未分離コイルバネを戻すためには工程の途中で人手を要するので、作業能率不良と整列装置の価格が高いことのネックとなっている。
従って、簡単な構造で安価な循環式分離整列供給装置が市場で強く求められている。
【従来の技術と背景】
【0003】
従来から、コイルバネの整列供給装置は振動型のボウル型パーツフィーダーの中心部にコイルバネの絡みを解くための円筒の機械式コイルバネ分離機とを組み合わせて用いた循環式の整列供給装置が存在したが、そのいずれもが装置全体が大型となって嵩張るばかりでなく、ボウル型パーツフィーダーを使用するためコストも高いもので、しかもワークの運行速度が遅いので能率が低いものであった。(特許文献1および特許文献2参照)
【0004】
また、内壁にブレードを有する円筒を横置きに回転させて、円筒軸の位置に設けた整列レールの上に、円筒内にいれたワークであるコイルばねを落下させるもので、このものは、ワークの量が減少したり、追加して変動することによって整列作業の能率が低下してしまうと言う問題があった。(特許文献3参照)
【0005】
また、出願人は先に取得した特許のバネ分離機をより一層効率良く利用できないかと、円筒の分離容器内のバネの動きを研究していた。その結果回転ブレードの傾斜角度が45度では不適切(不十分)であり、45度よりも急角度即ち平面に対して60度〜80度にするとコイルバネがスパイラル的に円筒の上端に蹴り上げられることが分かった。従って、排出口(ここでは次工程への送出口)を円筒の上端にして、当該排出口から連続して直進リニアフィーダーへの導入させようとして、その近隣に直進リニアフィーダーの整列レールを配置して整列供給すると共に、非整列ワークを整列レールから落下させながら供給口へ戻すことによって、余すことなく連続的にワークを循環させて所定量の絡んだコイルバネを自動的に分離させながら、すべて所定の整列供給を極めて能率良く行えるように更に深く実験しながら研究した。(特許文献4参照)
【参考文献】
【特許文献1】
実公昭58−023774
【特許文献2】 実開平03−064917
【特許文献3】 特開2009−269707
【特許文献4】 特許第3849685
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
先述した問題を解決すると共に、自己の研究成果を踏まえて多くの市場の要求に応えようとするもので、本発明は、汎用性が広く、小型で簡単な構造であって、絡みや重なり合ったワークの分離と整列供給を同時に行うと共に、非整列ワークを再び分離機へ戻し、循環式に余すことなく全てのワークを分離させて整列供給する作業能率の向上を図ることができる分離整列供給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上端を閉鎖した円筒の分離容器の底部に内接して回転する円板上に、回転進行側に傾斜面を有するブレードを少なくとも一個、前記円板の中心から放射状に配置して設け、当該ブレードの傾斜角度を水平から少なくとも45度をこえる鋭角に形成し、前記分離容器の上端部近隣の周壁にはワークの送出口を開口し、当該送出口の所定至近距離に配置した整列レールと、当該整列レールを加振する加振機と、前記整列レールから所定幅で前記整列レールと一体化または一体的に固着させて前記送出口の下縁位置まで上昇傾斜で延伸する傾斜受け板を設け、当該傾斜受け板上面または整列レールにてワークを選別して非整列ワークを落下させる手段と、前記傾斜受け板または前記整列レールを一部切り欠いてワーク落下口を開口し、当該ワーク落下口の下に落下ワークを受ける落下受け樋と、当該落下受け樋に連接し、前記分離容器のワークの受入口に接続する戻し樋を設けことである。
【0008】
また、上端を閉鎖した円筒の分離容器の底部に内接して回転する円板上に、回転進行側に傾斜面を有するブレードを少なくとも一個、前記円板の中心から放射状に配置して設け、当該ブレードの傾斜角度を水平から少なくとも45度をこえる鋭角に形成したワーク分離機と、当該ワーク分離機の所定至近距離に配置した整列レールと、当該整列レールを加振する加振機と、前記整列レールにてワークを選別して非整列ワークを落下させる手段を設け、前記分離容器の上端部近隣の周壁、且つ分離容器の円筒中心点から前記整列レールに平行した直線を基準とする位置に送出口とを開口し、少なくとも当該送出口幅を超える幅板で前記送出口の下縁から下降傾斜させて整列レールまでを接続させるように形成したJ字形傾斜受け板を設け、前記整列レールの一部を切り欠いてワーク落下口を開口し、前記ワーク落下口の下に落下ワークを受ける落下受け樋と、当該落下受け樋に連接し、前記分離容器の受入口に接続する戻し樋を設けることでもある。
【0009】
そして、前記送出口に対面し、円筒外壁面と所定の距離を保持させて曲面緩衝部材を設けると好ましい。
【0010】
また、前記落下受け樋に振動を加える手段を設けることもできる。
【0011】
また、前記整列レールを横断分割し、一部分の幅のレールをスライド式にして、取り扱うワークの大きさに対応して、ワークが通過するレール幅を調節可能とすると好ましい。
【0012】
また、前記分離容器の受入口に接続する戻し樋において、前記受入口の外側所定距離位置に受入口に対面して略垂直壁を形成した戻し樋を設けることも好ましい。
【0013】
そして、前記分離容器の蓋の内側に設けた円板であって、少なくともワークの送出口の高さ寸法を越える板厚を有し、前記送出口の円筒内壁に接して移動し、送出口の高さ寸法を調節するための昇降する手段を有する内蓋を設けることもできる。
【0014】
更に、前記円筒分離容器内に多数の絡んだワークを連続的に供給する手段を設けると、より好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の整列供給装置によれば、以下の多くの優れた効果を奏する。
請求項1および請求項2の発明によれば、
1) 一台の装置で絡んだコイルバネの分離と同時にコイルバネを整列させて、ひとつ ずつ送ることができ、構造が簡単であり、極めて省スペース(約50%)となっ て、従来のボウルフィーダに比べて著しく安価(約20%)である。
2) 望まない形態や姿勢(非整列と言う)のワークを余すことなく再び分離機に戻し 循環させる機能を併せ持ったもので、作業能率を著しく向上できる。
3) 整列用に直進リニアフィーダを使用することによって、直線走行部分で速い流動 で選別して整列させることが可能となり、汎用性が広がる。結果的にワークの多 品種への分離整列供給装置として兼用することができる。
4) 装置の作動音は整列レール振動用の加振機だけなので低騒音である。
5) 従来のボウルフィダに比べ、ワーク整列レールの搬送路面の磨耗が少ないので装 置の寿命が長くなって経済的である。
【0016】
そして、請求項2の発明によれば、送出口幅を超える幅板で前記送出口の下縁から下降傾斜させて整列レールまでを接続させるように形成したJ字形傾斜受け板を設けることによって、整列レールのスパン(整列有効長さ)を、分離円筒外壁を越えた位置まで長く取ると共に、送出口から整列レールに至るまでの距離も長く取れるので、その間に各種の選別・整列用のアタッチメントやセンサー等を設置することができて、より高精度で高能率な整列作業を行うことができる。
【0017】
また、請求項3の発明によれば、前記送出口に対面し、円筒外壁面と所定の距離を保持する曲面緩衝部材を設けることによって、分離機の送出口から勢いよく飛び出したワークをいち早く緩衝させて受け止め、その位置に静かに落下させるため、ワークをより早く好ましい整列姿勢に導き、より一層高精度で高能率な整列供給作業ができる。
【0018】
また、請求項4の発明によれば、前記落下受け樋の底板(ワーク戻し用の板)に振動を加える装置を設けることによって、落下受け樋の傾斜角度が少ない場合でも、ワークの戻しを確実に、且つ流動を速めることができる。
【0019】
また、請求項5の発明によれば、前記整列レールを横断分割し、その一部分の幅のレールをスライド式にして、取り扱うワークの大きさに対応して、ワークの通過するレール幅を調節可能とすることによって、同一装置における整列レールのワークを通過させて選別する有効幅を縮小・拡大して調節可能となるため、多種多様のワークに対応することができ、汎用性を向上することができる。
【0020】
また、請求項6の発明によれば、前記分離容器へのワーク受入(戻し)口に接続する戻し樋の受入口の外側所定距離位置での段差で、受入口に対面して略垂直壁を形成した戻し樋を設けることによって、一部のワークが供給口から戻され飛び出しても即座に戻し樋の垂直壁に衝突して円筒内に戻されるため、分離整列が、より効率よく行うことができる。
【0021】
また、請求項7の発明によれば、分離機の円筒に内接して昇降する内蓋を設けることによって、簡単な構造でワークの大きさによって送出口の高さ寸法を調節することができ、送出口における複雑な機構のシャッターと同じような作用をするので、ワークの巻き線直径に近づければ横向きの姿勢のワークだけが送出されるため、より効率よく整列させることと共にワークの供給速度を容易に変化させることも可能である。
【0022】
また、請求項8の発明によれば、前記円筒分離容器内に多数の絡んだワークを連続的に供給する手段を設けることによって、多量のワークを連続的に能率よく処理することができる。
【0023】
本発明は上述のように、従来の数々の問題を全て一挙に解決し、シンプルでコンパクトな装置で安価であって、分離作業と整列供給作業を同時に行なうことができ、しかも循環的に最後のワークまで処理でき、多種のワークへの汎用性も広く、また、整列レールを、より長くして、より一層高精度で高能率化することもでき、更には多量のワークを連続して処理ができるので、全体の効果が非常に大きなものとなった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の分離整列供給装置の全体を示す斜視図である。
図2は本発明の分離整列供給装置の正面図で、図3は図2の平面図で、図4は図2の左側面図である。これらの、図1乃至図4は前記請求項1の第1の実施例と請求項8の貯留供給装置(イ)を設けた場合の第8の実施例の図を兼ね添えているものである。
そして図5は本発明の部分構成要素であるワーク分離機(ロ)の拡大外観の正面図で、図6は図5に対するA−A線に沿った断面図で、図7は図5に対するB−B線に沿った断面図である。
更に、図8は本発明の分離整列供給装置の細部を理解しやすく表示し、ワークWの流れを示す概略説明の斜視図である。
【0025】
図1乃至図4で示すように、本発明は大きく分けてワークWの貯留供給装置(イ)とワーク分離機(ロ)および整列装置(直進フィーダ)(ハ)の3つの装置と、図示していないが、これらを制御する夫々のコントローラーから構成されている。
その内、ワークWの貯留供給装置(イ)は取り扱うワークWの数量があまり多くない場合には省略することができる。また、電気配線や夫々のコントローラーについては該当装置と隣接する必要が無いので周囲から離れた場所に設置しても良い。(従って、図示は省略する。)
【0026】
図1乃至図7で示すように、主要な構成はワーク分離機(ロ)と整列装置(ハ)である。
ワークWをコイルバネ等とするワーク分離機(ロ)は上端を蓋14などで閉鎖した円筒の分離容器1の底部に内接して回転する円板15上において、回転進行側にワークが当たる傾斜面を有するブレード17を一対、前記円板15の回転中心点から放射状に配置して設け、当該ブレード17の回転方向の傾斜面の角度を水平から少なくとも45度を超える鋭角であって好ましくは約70度から約60度の傾斜角に(図6のように反対側の円板15の水平面からの外角は110度から120度の鈍角で)形成し、前記分離容器1の円筒の底部近隣の周壁には、絡み合ったワークWの受入口11と、円筒の上端部近隣の周壁には分離されたワークWの送出口12とを開口したものである。この分離機の前記送出口12の中心点を接点とする分離容器1の外壁の円周接線と平行にして、所定至近距離に配置された整列レール2と、当該整列レール2を振動してワークWを一方向に前進させるレール加振機3を設けた直進フィーダによる整列供給装置(ハ)である。
【0027】
そして、前記整列レール2と一体化または一体的に固着にして、レールの振動を受けさせながら、前記送出口12の下縁位置まで上昇傾斜で延伸させた傾斜受け板5を設け、当該傾斜受け板5と、または前記整列レール2を一部切り欠いて、ワーク落下口55を開口し、必要に応じて前記整列レール2と前記傾斜受け板5の上面そしてまたは整列レールでの各種アタッチメントやセンサー等にてワークWを選別して、非整列ワークWをワーク落下口55から落下させ、このワーク落下口55の下に、落下ワークWを流せる角度で下降傾斜させた底板を有する落下受け樋6と、当該落下受け樋6に連接し、前記分離容器1の下降傾斜しながら受入口11に接続してワークWを循環させるための戻し樋7を設けている。
【0028】
更に詳しく説明すると、ワーク分離機(ロ)は図5乃至図8で示すように、前記分離容器1の底板の円板15は中心に回転軸16が取り付けられ、その先端は駆動箱18の中のモーターに接続されている。このモーターは図示してないが別のコントローラーで回転速度などが変化できるようになっている。前記分離容器1の下側にあるモーターが収められている駆動箱18は支柱19を介して機台9に取り付けられて前記分離容器1の全体の高さ位置の調整ができるようになっている。
前記分離容器1の受入口11と送出口12はワークWを効率よく分離や循環させるために、入口と出口を略90度の水平ラジアル関係に配置している。
また、場合によっては分離容器1の円筒外壁に沿ってスライド式の戻り止め13(シャッタ)を受入口11の上辺に設け、受入口11の大きさを変化させて、供給されたワークWが円筒内から跳ね返って飛び出さないようにすると同時にワークWの供給量を調節することができる。
【0029】
前記ブレード17は金属または硬質プラスチックの剛性材で回転側に傾斜面を向け、回転する円板15の水平面から約70度(本実施例の最良角)の傾斜面を形成している。またブレード17は同じ形状のものを一対2個回転軸16の中心点に対称(放射状)位置に配置して円板15に裏側からボルトなどで取り付け固定されている。
尚、ブレード17はワークWであるコイルバネの巻き方向が逆方向の場合にはモーターの結線を入れ替えて円板15の回転方向を逆転させると共にブレード17の所定角度の傾斜面も反対側にする必要がある。従って、ブレード17は山形に両側面を前記所定角度(70度)に対称的に形成しておくと望ましい。
【0030】
また、図8に示すように、ワークWの種類によって必要な場合には、送出口12の下辺外壁縁に沿って約45度に傾斜した傾斜補助板51をエプロン状に設けてワークWが円滑に傾斜受け板5の上に乗るようにし、小さなワークWや異物(ごみ)などが傾斜受け板5の先端と分離容器1の外壁との隙間に引っ掛かることを防止している。
更に、必要に応じて、ワークWの飛び跳ね防止と共に一部選別手段として、図8に示すように、送出口12の正面間近の少し隔てた位置(ワークが落ち止まれる程度)、且つ整列レール2の手前位置には受け板カバー52の内側からゴム製薄板のカーテン状の平面緩衝部材25をサンドイッチ方式にして緩衝部材取付板26で垂直に垂らしておく。これにより、強い勢いで飛び出してくるワークWを受けて、その場に静かに落下させる。このカーテン状の平面緩衝部材25の下端には分離されたワークWが横になって通過できる程度の隙間が取られていて横たわって整列姿勢に対応できるワークWだけが、いち早く整列レール2に送られることになる。絡んだままのものや、整列姿勢に対応できないワークWは振動によってワーク落下口55に落とされるか、または下記する整列レール2にて選別されて同様にワーク落下口55から落とされる。
尚、場合によっては、前記平面緩衝部材25は省略可能もあり得る。
【0031】
前記整列レール2は直線的なレールで一般的に直進フィーダとも言われ、ワークWを整列進行させるために振動を加えるレール加振機3に取り付けられている。そして、この整列レール2のレールベース(レール取り付け台)の面には、立面にはレール上下規制板21と、平面にはレール左右規制板22が、それぞれ長孔と摘みネジ23によって取り付けられていて、取り扱うワークWに最適なように、両規制板21,22の位置を調整することによって、ワーク選別機能を発揮し、正しい姿勢のワークWだけ整列レール2を通すようにできている。
従って、整列レール2はレール上下規制板21とレール左右規制板22にてワークWを選別して、正しい姿勢の整列ワークWは整列レール2の面を前進通過させ、それ以外(非整列ワークと言う)はワークWの上下左右の寸法が合わなかったり、絡んだままのときは重心が所定の位置になく不安定なため、前記ワーク落下口55から落下させるのである。
【0032】
尚、先述したように、レール上下規制板21とレール左右規制板22が夫々数箇所の長孔をもって、各摘みネジ23で締め付けられているので、同じ装置でもってワークの種類や大きさ・形状に合わせて最適な整列レール規制幅に簡単に調整することができて、単に一種類のワークWの位置の設定だけでなく、ある程度のワークWの大きさや形態による汎用性を持たせるようになっている。
【0033】
本発明の第1の実施例では先述したように前記分離容器1の送出口12中心点での接線に平行にして、且つ前記送出口12より低い位置にして、ワークWが連続的に出てくるものを受けることができる程度、即ち前記送出口12の幅を十分に超える幅で、ワークの長さの2倍から4倍程度の長さの板である傾斜受け板5が設けられ、この傾斜受け板5は整列レール2と溶接で一体化されて効率良くレール加振機3の振動を受け、振動しながら前記分離容器1の送出口12に向かってなだらかに上昇傾斜している。
これは、送出口12からワークWが整列レール2に向かって下方傾斜し、円滑に流れ落ちるようになっていて、その幅は送出口12の横幅の長さを超えて、整列レール3の下流方向まで十分の大きさで、下流側の先端から整列レール2に沿った一部分を残して大きく切り欠いていて、その先の下流側はレール左右規制板22の幅と同等の幅のレールベースになっている。この切り欠き部が非整列ワークWのワーク落下口55となる。
【0034】
必要によっては、このワーク落下口55の周囲にはワークWが飛び出さないように傾斜フェンスプレート4やフェンスプレート41などを設けて周囲を囲んでいる。特に傾斜フェンスプレート4はワーク落下口55に向けて約60度下向きに傾斜しているので、飛び跳ねたワークをそのまま落下口55に落とす役目を持つ。
【0035】
当該ワーク落下口55の下側には落下したワークWを受けるに十分な大きさの落下受け樋6が設けられている。当該落下受け樋6は底板が下降傾斜して、両側を三角形の立て板で囲み(図11参照)、ワークWが零れ落ちるのを防止している家庭用ちりとりに似た樋形状で、その下流先端は開放され、戻し樋7に接続されている。この戻し樋7は接続部である側壁を欠いた樋枡形状で、なだらかに傾斜して伸び下流端は前記分離容器1の受入口11に掛けて接続されるように外側のつばで分離容器1の外壁に取り付けている。この戻し樋7の上面にはアクリル製の透明な戻し樋カバー71が被されている。従って、ワークWの受入口11への流れ(戻り状態)を常に上から観察・注視することができる。
また、この戻し樋7は前記分離容器1のワークWの受入口11に通じているので、ワーク分離機(ロ)が運転中に手による新たな絡んだワークWを補給したい場合には、前記戻し樋7の上の戻し樋カバー71を外して補給でき、ここが供給口75となる。
【0036】
以下に本発明の作動原理とワークWの流れを図8に基づいて説明する。尚、本図はワークWの流れ方を分かりやすく説明するために、構成する一部の部材の分離容器1の蓋14を除去し、傾斜フェンスプレート4やストッパ41および受け板カバー52を透かして想像線で表示した。
図8で示すように、本装置の作動・原理のポイントは整列装置(ハ)(直進フィーダ)の整列レール2と近隣に配置した前記機械式円筒形のワーク分離機(ロ)の回転する円板15上のブレード17のワーク衝突面の傾斜角度を少なくとも45度以上の鋭角(ベストは約70度)に形成したブレード17を回転して絡んだコイルバネWに衝突させて、絡みや重なりを分離させた後、円筒の分離容器1の内壁に沿ってスパイラル的に回転させながら上昇させて分離容器1の上端部の送出口12まで飛ばし上げることである。
この飛ばし上げる力によってワーク分離機(ロ)の分離容器1の円筒全長を長く取ることができる。その結果、容量を増やしたり、各樋等の傾斜角を大きく取ることができる。
【0037】
以下にワークWの流れを詳しく説明する。
手による供給は分離容器1の上端の蓋14を外して投入し、または前記貯留供給装置(イ)による自動供給は供給口65から順次流れ込んで供給されるので、絡んだコイルバネ(ワーク)Wは分離容器1の受入口11から円筒内部に入り、その円筒内の底板である円板15の回転によって、円板15上のブレード17で蹴り上げられて分離して、送出口12から出てくる。第1の実施例の場合には、そのコイルバネWは整列レール2と共に振動させた傾斜受け板5で受けられて傾斜受け板5が下に傾斜しているので、振動と相まって上面を流動しながら整列レール2に乗り、第2の実施例の場合には、J字形傾斜受け板56を下降流動しながら、整列レール2に乗って方向を90度変えて移行し、続いて整列レール2の狭い部分(規制幅部)に進行して、そこで上下左右のレール規制板21,22で選別され、正しい姿勢のコイルバネWは整列レール2上を、そのまま前進する。
その時、分離や整列できなかったコイルバネW(ワーク)はバランスを欠いたり、規制されてワーク落下口55から落下して、そこで再び、流れの方向を90度変えてその下にある落下受け樋6により受け取られる。この落下受け樋6は底板が下降傾斜していてコイルバネは流れ落ちる。続いて更に、流れる方向が90度変わって、戻し樋7の傾斜底板を流下することで、連続して3回流れは内方向90度変えられるので、元の円筒に向かい、そのまま前記分離容器1の受入口11に戻され、再びブレード17で蹴り上げられ送出口12から出てくることになる。こうして循環されワークWがなくなるまで繰り返される。
【0038】
本発明の分離整列装置の使い方は、ワークW(コイルバネ等)が比較的に少量であれば図1の貯留供給装置(ハ)を省いて、最初に装置が停止している場合には、直接ワーク分離機(ロ)の蓋14を取って、分離容器1の上から絡んだワークWを一定量数回に分けて投入すればよく、続いて、取り扱うワークWに最適な条件に予め調節設定がされている各コントローラー(図示していない)のスイッチを入れて運転を開始する。
その後、しばらくするとワークWが分離されて送出口12から出て傾斜受け板5を経て整列レール2に乗って分別され、整列進行と落下が始まり、落下されたものは落下受け樋6と戻し樋7円滑に流れて分離容器1に戻されるという循環が繰り返すのを注視して、もし、途中で流れが滞留したときは、その原因を排除すればよい。
ワーク分離機(ロ)が運転の途中で、絡んだコイルバネWを追加する場合には、分離容器1に隣接する戻し樋カバー71の供給75から供給する。
【0039】
図9は本発明の第2の実施例の概略図で(a)は(b)のX−X断面を含む平面図、(b)は正面図である。前記平面図への分離機の円板やブレード等の表示は省略した。
図9に示すように、前述の第1の実施例と異なるところは、整列レール2を長くしたことによる、分離容器1のワークWの送出口12の開口位置と傾斜受け板5の形態である。
分離容器1の前記送出口12を、分離容器1の円筒中心点から前記整列レール2に平行する線を基準とする位置に開口する。そして、当該送出口12の全幅からワークWを受け入れることができると共に整列レール2に導入させるように送出口12から下降に傾斜させて整列レール2までを接続させるように形成したJ字形傾斜受け板56と当該受け板の両縁または外縁沿いに、送出口12の高さ寸法を超える高さの垂直板でなるJ字形傾斜受け板側壁57を設けたものである。
ここで言う、J字形とは整列レール2の水平直線縁に対して、接続させる寸法幅を垂直に延伸させて外縁が約90度湾曲しながら送出口12の全幅を取り囲むように更に延伸させているので、平面的に見ると英字のJに似ていることで定義付けている。
【0040】
そして、この第2の実施例の送出口12は受入口11の反対方向(対面)で、且つ分離容器1の円筒内壁の最上部付近の位置に開口している。更に、送出口12の整列レール側の口縁は整列レール側に大きく切り欠いておくと良い。大きく切り欠くことによって、送出口12の基点の接線方向に飛び出そうとしたワークWも送り出すことができる。
J字形傾斜受け板56の最下端である整列レール2に接続する箇所は整列レール2上に重なるようにして、他方の上端は送出口12の全開口幅を超える幅寸法で分離容器1の円筒外壁に合致した円弧形の端面と、そこから円筒外壁面に沿った湾曲した取り付け用鍔を形成しているので、送出口12の下縁に合わせてボルトで取り付ける。
故に、ワークWを流す、振動しないシュータの作用をもつものとなる。
従って、送出口12から出されたワークWは、この傾斜面を滑り落ちることになるので、ワークWの流れる速度を速めるには、傾斜面の表面に円滑資材を塗布したり貼付することか、若しくは分離容器1の円筒を長くして、送出口12の位置を高め、前記傾斜受け板5,56や各樋6,7の傾斜角を多く取ることである。
【0041】
このようにすることによって、前記分離容器1の円筒内をスパイラル状に上昇して送出口12に達したワークWは遠心力で外方向に飛び出そうとするので、多くのワークWは円筒中心から離れJ字形傾斜受け板56上をJ字形傾斜受け板側壁561に沿って流動移送され、整列レールの2末端の位置に送られる。
従って、整列レール2のスパンを上流方向に長く取ると共に、送出口12から整列レールに至るまでの距離も長く取れるので、その間に各種の整列用のアタッチメントやセンサー等を設置することができて、より高精度で高能率な整列作業を行うことができる。
尚、先述の第1の実施例と同様に、整列レール2の手前位置に整列レール2の軸線と平行に前記平面緩衝部材25を設け、ワークWの緩衝を図ると好ましい。
尚、作動原理とワークWの流れは、前記した傾斜受け板5とJ字形傾斜受け板56の違いを除いて、先述の第1の実施例に準ずるので、同様な説明は省略する。
【0042】
図10は本発明の第3の実施例の概略図で(a)は(b)のX−X断面を含む平面図、(b)は正面図で、図9と同様に表示している。
図10で示すように、図9での平面緩衝部材25に代えて、円筒外壁の曲線に沿って凹形の曲面緩衝部材251を設けたことによって、前記送出口12から勢いよく飛び出たワークWが緩衝されて静かに落下すると共に、凹曲面によって前記送出口12の至近距離に均等に対面してワークWの姿勢を好ましく変えながら整列レール2に向かうことで、整列レール2の端まで有効となって、より効率よく整列させることができる。
【0043】
図11は本発明の第4の実施例の主要部で、図8でのY矢視下側からの概略斜視図である。
図11において、前記落下受け樋6に振動を加えるために、前記整列レール2と一体的に接着するとともに、戻し樋7との付け根部から切り離している。そして切り離した両者の接合部はワークWが引っ掛からないように差し込んで重ね合わせるようにしておく。
このようにすることによって前記落下受け樋6に落下したワークWは、整列レール2からの振動により、円滑に前記戻し樋7に流れ込むことになって、ワークWの流動速度が高まり、より一層の循環能率が向上する。
【0044】
図12は第5の実施例の主要部で、図3に対する一部拡大概略平面図である。
図12において、前記整列レール2を横断分割して、その一部分であるワーク落下口55上辺部分のレールを切り離してスライドレール24としてスライド式にして、図10の白抜き矢印のように前後に移動させるように長孔とビス(図中丸プラスネジ)で最適な位置に調整した後固定できるようにする。
【0045】
この最適な位置(レール幅)に調整したスライドレール24の上に乗って進行可能なワークWだけが重心の一定した求める姿勢の整列させるワークWとして選別される。
従って、より高精度の選別が可能となるばかりでなく、取り扱うワークWの大きさに対応してスライドレール24の幅の縮小・拡大の調節可能とすることによって、多種多様のワークWに対応することができ、汎用性を向上することができる。また、収納や運搬にも便利である。
【0046】
図13は本発明の第6実施例の該当主要部の断面図である。
図13で示すように、分離容器1へのワークWの受入口11(循環による戻り口でもある)に接続する戻し樋7における、分離容器1の受入口11の外側の所定距離位置に受入口11に対面して垂直壁72を形成した戻し樋7を設けたものである。
従って、この戻し樋7は傾斜している底板が二段差形式になっていて、段の境にある垂直壁72は分離容器1の受入口(循環したワークの戻り口)11の全面積を一定の距離を隔てて立ちはだかり常に覆っていることとなるので、受入口11の上端部に設けたスライド式の戻り止め(シャッタ)13をこまめに開閉調節する必要が少なくなる。
勿論、必要に応じて、この戻り止め(シャッタ)13を開閉することによって、分離容器1内のワークWの数量を調節することもできる。
このようにすることによって、ワークWが逆流して供給口11から飛び出しても即座に戻し樋7の垂直壁72に衝突して円筒内に戻されることになって、分離整列供給作業が、より効率良く行うことができる。
【0047】
図14は図13と比較した第6の実施例を採用しない場合(第1の実施例)の該当主要部の断面図である。
この場合には、分離容器1内のワークWが円筒内で飛び跳ねたものが受入口11に逆戻りして戻し樋7の最上部まで戻されるばかりでなく、新たに補充や供給されたワークWや循環によって戻されたワークWが、分離容器1の円筒内に流れ込もうとすることを阻止してしまい、分離作業や循環の能率を低下させることになってしまうこともあった。
【0048】
図15は本発明の第7の実施例の主要部の断面図である。
図15で示すように、前記分離容器1の蓋14の内側に設けた、分離容器1の少なくとも送出口12の高さ寸法を越える板厚を有する円板であって、前記分離容器1の円筒内壁に接して移動し、送出口12の高さ寸法を調節するための昇降する手段としてのネジである蝶ボルト142、143と二個のロックナット144を有する内蓋141を設けたものである。
具体的には内蓋141は分離容器1の内壁に接して昇降移動できる直径で、送出口12の高さ寸法の1.5倍ほどの板厚の金属またはプラスチック等の円板であって、この円板の中心に、この円板を持ち上げるに必要十分な太さである5〜6mmの雌ネジを板厚の半分程度の深さまで形成しておき、この雌ネジに嵌め合い、且つ所定の長さ即ち、蓋14の上面から内蓋141を送出口12の最小限度の開口位置から全開となる送出口12の上辺位置まで移動させるのに必要十分の長さの雄ネジが一体的に形成された頭部先端に蝶摘み143を有する蝶ボルト142と、この蝶ボルト142に嵌め合うロックナット142を二つ用意する。そして一方、蓋14の中心部に前記雌ネジと同じネジ穴を貫通させるように形成する。
以上、それぞれ用意したものを、蓋14を円筒1にセットする前に、以下の順序で組みつけておく。
【0049】
先ず、予め前記蝶ボルト142上端の蝶つまみ143の付け根付近位置まで、ひとつのロックナット144を下向きに嵌め込んでおき、この蝶ボルト142を蓋14の雌ネジにネジ全長の7割程度まで貫通して嵌め合わせ、続いて二つ目のロックナット144を蝶ボルト142の先端から蓋14の裏面に突出した長さの半分程度位置まで嵌め込んでおき、更に蓋14を貫通させた状態のまま内蓋141に設けた植え込み用雌ネジの底まで、前記蝶ボルト142の先端をねじ込み植え込んでから、二つ目のロックナット144を内蓋141の上面に接するまで下げていって十分締め付け固定する。
これらを組み上げた状態で、内蓋141を円筒にはめ込みながら蓋14をして、内蓋の位置を確認して送出口の高さ寸法を最適にする。調節が必要なときは蓋14上面のロックナット144を緩めて蝶つまみ143を回転して内蓋141を昇降させる。内蓋141の位置が決まったら、再びロックナット44を締め付けておく。
【0050】
このようにすることによって、簡単な構造でワークWの大きさによって送出口12の高さ寸法を調節することができ、ワークWの巻き線直径に近づければ横向きの姿勢のワークWだけが送出される為、より効率よく整列させることと共にワークWの供給速度を変化させることも可能である。
尚、上記載の内蓋141の昇降手段は一例であり、更に簡単に内蓋141に植え込んだネジを蓋14の上面から適宜回転移動した後、蝶ナットなどでロックしても良い。
【0051】
第8の実施例としては前述の装置に貯留供給装置を追加することである。図1乃至図3で示すように、絡みや重なり合ったワークWが多量にある場合など必要に応じて(イ)貯留供給装置を追加する。
前記分離容器1の受入口11より上の位置に設置されているもので、ホッパ8は箱型の容器の一部の側壁を切り欠いて、その部分に合わせた大きさのU文字形の流し樋81を一体的に形成して設けてある。ホッパ8の底板にはホッパ加振機85が取り付けられていて、この底板は前記流し樋81の先端を下側にして下降傾斜させるとともに、更に流し樋81のワーク流出口を前記戻し樋カバー71の供給口75の幅に内接してはめ込んで接続させる。
前記ホッパ加振機85は、高さ位置調整用の長孔付のホッパ支柱89に取り付けられて機台9に据え付けられている。
【0052】
図3で示すようにワーク分離機(ロ)の送出口12から出て傾斜受け板5上を流れるワークWの量を検知する光センサー83でワークWの量が少量の状態になった時にホッパ加振機85が振動し始めてホッパ8に貯留させたワークWが分離容器1の受入口11に流れ込む。
従って、多量の絡みや重なり合ったワークW(コイルバネ等)が自動的に補給され、能率良く分離整列作業が行われる。
【0053】
以上に述べたように、本発明の分離整列供給装置の実施の形態は、現時点での発明の最も好ましい形態を示すものであり、本発明はこれに限定されない。
発明の趣旨を逸脱しない範囲においての変化も、この発明に含むものとする。
例えば、先述の放射状に配置した対称の二個のブレード17を一体化したり、逆に多数化することや、分離容器1の受入口11と送出口12の直角の位置関係を変化させたり、また、整列レール上の傾斜フェンスプレート4等の形状や大きさはワークWの種類や形状によって適宜変化させたり、送出口12の外側に設けたカーテン状の平面・曲面の緩衝部材25,251をゲル状板や低反発ウレタン等に代えたり、又は実施例2のJ字形傾斜受け板56に傾斜角度が十分取れないときには振動手段を追加したり、更には貯留供給装置(イ)のホッパ8の底板が直線傾斜であるものを、円弧状の曲線板とすることや、流し樋81前記ホッパ8の一辺全体に段付で一体化したものを全体平面底のものを傾斜させたものにすることができるものとする。
その他、貯留供給装置そのものを、本案のホッパ式でなくベルトコンベア式やエレベータ式にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の循環式分離整列供給装置の全体を示す斜視図である。本発明の第1の実施例と第8の実施例を含む。
【図2】本発明の循環式分離整列供給装置の正面図である。
【図3】図2の平面図である。
【図4】図2の左側面図である。
【図5】本発明の部分構成要素である分離機の拡大外観の正面図
【図6】図5に対するA−A線に沿った断面図である。
【図7】図5に対するB−B線に沿った断面図である。
【図8】本発明の分離整列供給装置の細部を理解しやすく表示し、ワークWの流れを示す概略説明の斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施例の概略図で(a)は(b)のX−X断面を含む平面図、(b)は正面図である。
【図10】本発明の第3の実施例の概略図で(a)は(b)のX−X断面を含む平面図、(b)は正面図である。
【図11】本発明の第4の実施例の主要部で、図8のY矢視下方向からの概略斜視図である。
【図12】本発明の第5の実施例の主要部で、図3での一部拡大概略平面図である。
【図13】本発明の第6の実施例の該当主要部の断面図である。
【図14】図13と比較した第6の実施例を採用しない場合の該当主要部の断面図である。
【図15】本発明の第7実施例の主要部の断面図である。
【符号の説明】
【0055】
イ 貯留供給装置
ロ ワーク分離機
ハ 整列装置(直進フィーダ)
1 分離容器
11 受入口
12 送出口 121 送出口側壁
13 戻り止め(シャッタ)
14 蓋 141 内蓋 142 蝶ボルト
143 蝶つまみ 144 ロックナット
15 円板 16 回転軸 17 ブレード
18 駆動箱 19 支柱
2 整列レール 21 レール上下規制板 22 レール左右規制板
23 摘みネジ 24 スライドレール
25 平面緩衝部材 251 曲面緩衝部材 26 緩衝部材取付板
3 レール加振機 39 加振機支柱
4 傾斜フェンスプレート 41 フェンスプレート
5 傾斜受け板 51 補助傾斜板 52 受け板カバー
55 ワーク落下口 56 J字形傾斜受け板 561 J字形傾斜受け板側壁
6 落下受け樋
7 戻し樋 71 戻し樋カバー 72 垂直壁
75 供給口
8 ホッパ 81 流し樋 83 センサー
85 ホッパ加振機 89 ホッパ支柱
9 機台
W ワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端を閉鎖した円筒の分離容器の底部に内接して回転する円板上に、回転進行側に傾斜面を有するブレードを少なくとも一個、前記円板の中心から放射状に配置して設け、当該ブレードの傾斜角度を水平から少なくとも45度をこえる鋭角に形成し、前記分離容器の上端部近隣の周壁にはワークの送出口を開口し、当該送出口の所定至近距離に配置した整列レールと、当該整列レールを加振する加振機と、前記整列レールから所定幅で前記整列レールと一体化または一体的に固着させて前記送出口の下縁位置まで上昇傾斜で延伸する傾斜受け板を設け、当該傾斜受け板上面または整列レールにてワークを選別して非整列ワークを落下させる手段と、前記傾斜受け板または前記整列レールを一部切り欠いてワーク落下口を開口し、当該ワーク落下口の下に落下ワークを受ける落下受け樋と、当該落下受け樋に連接し、前記分離容器のワークの受入口に接続する戻し樋を設けた分離整列供給装置。
【請求項2】
上端を閉鎖した円筒の分離容器の底部に内接して回転する円板上に、回転進行側に傾斜面を有するブレードを少なくとも一個、前記円板の中心から放射状に配置して設け、当該ブレードの傾斜角度を水平から少なくとも45度をこえる鋭角に形成したワーク分離機と、当該ワーク分離機の所定至近距離に配置した整列レールと、当該整列レールを加振する加振機と、前記整列レールにてワークを選別して非整列ワークを落下させる手段を設け、前記分離容器の上端部近隣の周壁、且つ分離容器の円筒中心点から前記整列レールに平行した直線を基準とする位置に送出口とを開口し、少なくとも当該送出口幅を超える幅板で前記送出口の下縁から下降傾斜させて整列レールまでを接続させるように形成したJ字形傾斜受け板を設け、前記整列レールの一部を切り欠いてワーク落下口を開口し、前記ワーク落下口の下に落下ワークを受ける落下受け樋と、当該落下受け樋に連接し、前記分離容器の受入口に接続する戻し樋を設けた分離整列供給装置。
【請求項3】
前記送出口に対面し、円筒外壁面と所定の距離を保持させて、曲面緩衝部材を設けた請求項2に記載する分離整列供給装置。
【請求項4】
前記落下受け樋に振動を加える手段を設けた請求項1乃至請求項3に記載する分離整列供給装置。
【請求項5】
前記整列レールを横断分割し、その一部分の幅のレールをスライド式にして、ワークが通過するレール幅を調節可能とした請求項1乃至請求項4に記載する分離整列供給装置。
【請求項6】
前記分離容器の受入口に接続する戻し樋において、前記受入口の外側所定距離位置に前記受入口に対面して略垂直壁を形成した戻し樋を設けた請求項1乃至請求項5に記載する分離整列供給装置。
【請求項7】
前記分離容器の蓋の内側に設けた円板であって、少なくともワークの送出口の高さ寸法を越える板厚を有し、前記送出口の円筒内壁に接して移動し、送出口の高さ寸法を調節するための昇降する手段を有する内蓋を設けた請求項1乃至請求項6に記載する分離整列供給装置。
【請求項8】
前記円筒分離容器内に多数の絡んだワークを連続的に供給する手段を設けた請求項1乃至請求項7に記載する分離整列供給装置。
【請求項1】
上端を閉鎖した円筒の分離容器の底部に内接して回転する円板上に、回転進行側に傾斜面を有するブレードを少なくとも一個、前記円板の中心から放射状に配置して設け、当該ブレードの傾斜角度を水平から少なくとも45度をこえる鋭角に形成し、前記分離容器の上端部近隣の周壁にはワークの送出口を開口し、当該送出口の所定至近距離に配置した整列レールと、当該整列レールを加振する加振機と、前記整列レールから所定幅で前記整列レールと一体化または一体的に固着させて前記送出口の下縁位置まで上昇傾斜で延伸する傾斜受け板を設け、当該傾斜受け板上面または整列レールにてワークを選別して非整列ワークを落下させる手段と、前記傾斜受け板または前記整列レールを一部切り欠いてワーク落下口を開口し、当該ワーク落下口の下に落下ワークを受ける落下受け樋と、当該落下受け樋に連接し、前記分離容器のワークの受入口に接続する戻し樋を設けた分離整列供給装置。
【請求項2】
上端を閉鎖した円筒の分離容器の底部に内接して回転する円板上に、回転進行側に傾斜面を有するブレードを少なくとも一個、前記円板の中心から放射状に配置して設け、当該ブレードの傾斜角度を水平から少なくとも45度をこえる鋭角に形成したワーク分離機と、当該ワーク分離機の所定至近距離に配置した整列レールと、当該整列レールを加振する加振機と、前記整列レールにてワークを選別して非整列ワークを落下させる手段を設け、前記分離容器の上端部近隣の周壁、且つ分離容器の円筒中心点から前記整列レールに平行した直線を基準とする位置に送出口とを開口し、少なくとも当該送出口幅を超える幅板で前記送出口の下縁から下降傾斜させて整列レールまでを接続させるように形成したJ字形傾斜受け板を設け、前記整列レールの一部を切り欠いてワーク落下口を開口し、前記ワーク落下口の下に落下ワークを受ける落下受け樋と、当該落下受け樋に連接し、前記分離容器の受入口に接続する戻し樋を設けた分離整列供給装置。
【請求項3】
前記送出口に対面し、円筒外壁面と所定の距離を保持させて、曲面緩衝部材を設けた請求項2に記載する分離整列供給装置。
【請求項4】
前記落下受け樋に振動を加える手段を設けた請求項1乃至請求項3に記載する分離整列供給装置。
【請求項5】
前記整列レールを横断分割し、その一部分の幅のレールをスライド式にして、ワークが通過するレール幅を調節可能とした請求項1乃至請求項4に記載する分離整列供給装置。
【請求項6】
前記分離容器の受入口に接続する戻し樋において、前記受入口の外側所定距離位置に前記受入口に対面して略垂直壁を形成した戻し樋を設けた請求項1乃至請求項5に記載する分離整列供給装置。
【請求項7】
前記分離容器の蓋の内側に設けた円板であって、少なくともワークの送出口の高さ寸法を越える板厚を有し、前記送出口の円筒内壁に接して移動し、送出口の高さ寸法を調節するための昇降する手段を有する内蓋を設けた請求項1乃至請求項6に記載する分離整列供給装置。
【請求項8】
前記円筒分離容器内に多数の絡んだワークを連続的に供給する手段を設けた請求項1乃至請求項7に記載する分離整列供給装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−230927(P2011−230927A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90490(P2011−90490)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(501353535)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(501353535)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]