説明

分離装置及び分離システム

【課題】淡水化のために必要な海水の循環量を低減し、エネルギー効率を上げる分離装置を提供する。
【解決手段】外筒1の内側に内筒2を設け、内筒の内側に円筒状の熱交換隔壁3を設ける。外筒の上部には配管25を介してコンプレッサー27及び加熱器28が設けられる。加熱器により加熱された水蒸気の熱は、前記熱交換隔壁を媒介して内筒に噴射した水粒子に輻射熱として伝わり、蒸発させる。熱交換隔壁内の水蒸気は凝縮して淡水として底に溜まる。一方、内筒内の水蒸気は開口14から出ると共に塩粒子は自重で落下する。水蒸気は外筒の出口から配管を通って加熱器により加熱され、熱交換隔壁に噴射される。このプロセスを連続的に行うことで淡水と塩粒子とが分離される。この海水淡水化装置100によれば、淡水化を行う量だけを循環させればよいので、少ない動力エネルギーで済むうえ、塩分濃度の濃い鹹水を生じさせないので、装置と環境への負荷が小さい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海水等の析出物や溶質が含まれる溶液から当該析出物や溶質を分離して淡水を得る分離装置及び分離システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、特許文献1に記載の海水淡水化装置が知られている。図8は、従来の海水淡水化装置を示す構成図である。この海水淡水化装置900では、タワー901の上部に加熱容器902が配置されている。加熱容器902の底面903は湾曲形状であり、この底面903には黒色塗装がされている。加熱容器902の周囲には、ヘリオスタット904が配置されている。ヘリオスタット904は、太陽光を前記底面903に集光するように制御される複数の反射ミラーからなる。
【0003】
前記加熱容器902の中には、合成油905が入れてある。加熱容器902は、循環パイプ906を介して加熱部907に接続されている。加熱部907の上部には、蒸気発生部908が設けられている。蒸気発生部908には、海水の注入管909と排水管910とが設けられている。蒸気発生部908の上部は、水蒸気が溜まる空間部911となる。空間部911には、蛇行管形状のコンデンサ912が配置されている。コンデンサ912の一端には、導入管913が接続されている。導入管913にはポンプ914が設けられている。コンデンサ912の他端には、排出管915が接続されている。排出管915には、前記注入管909が接続されている。コンデンサ912の下側には、受け皿状の淡水タンク916が配置されている。淡水タンク916には取水口917が設けられている。
【0004】
この海水淡水化装置900では、ポンプ914により海水がコンデンサ912、排水管915及び注入管909を通って蒸気発生部908に注入される。一方、ヘリオスタット904により加熱容器902の底面903に太陽光が集光され、加熱容器902内の合成油905が加熱される。合成油905は、循環パイプ906を通じて加熱部907に運ばれる。この加熱部907の熱により、蒸気発生部908の海水が加熱されて蒸発する。水蒸気は、コンデンサ912により凝縮されて淡水となり、淡水タンク916に落下する。淡水タンク916内の淡水は、取水口917から取り出す。
【0005】
塩分濃度が高くなった海水は、排水管910から排水される。そして、コンデンサ912により予熱された海水が、排水管915、注入管909を通って蒸気発生部908に注入される。この海水淡水化装置900によれば、蒸気を発生させるエネルギーを太陽光から得るため、淡水化のために必要な電力が小さくて済む。
【0006】
なお、上記特許文献1に記載の海水淡水化装置の他、非特許文献1に記載のような多段フラッシュ淡水化装置等も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−269212
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】「造水技術ハンドブック」,2004年,造水技術ハンドブック編集企画委員会,財団法人造水促進センター発行,P122〜P124
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記従来の海水淡水化装置900では、コンデンサ912により蒸気が淡水に相変化するとき、コンデンサ912を通過する海水との間で熱交換される。しかしながら、この熱交換は、非常に大きな潜熱(蒸発熱)と比較的小さな顕熱(海水の温度上昇)との間で行われるので、得られる淡水の何倍もの海水を循環させる必要があり、その動力エネルギーが大きくなってしまうという問題点があった。また、水が蒸発して塩分濃度が高くなった鹹水の取り扱いや処理が面倒であるという問題点があった。さらに高温の鹹水が装置内を流れることによる装置部材の腐食やスケールの発生による装置維持コストが高くなるという問題があった。この発明は、係る問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の分離装置は、所定形状の筐体で構成され且つ溶質および不純物を含む溶液が内部に噴霧される低温領域と、所定形状の筐体で構成され且つ水蒸気が導入される高温領域と、低温領域と高温領域とを隔てると共に高温領域で生じる凝縮熱を輻射により低温領域に伝える熱交換隔壁とを備え、前記低温領域と前記高温領域とは水蒸気の流路で接続され、前記高温領域に導入する水蒸気を加熱加圧する加熱加圧手段を設けたことを特徴とする。
【0011】
加熱手段により加熱された高温領域の内部の水蒸気の熱は、前記熱交換隔壁を媒介して低温領域の内部の溶液に主に輻射熱として伝わる。換言すれば、前記熱交換隔壁の近傍における熱伝導のみではなく、主に輻射によって高温領域の水蒸気と低温領域の噴霧された水粒子との間の体積全体同士で行われるので、高温領域の水蒸気と低温領域の水粒子との間の熱交換が、効率的に行われる。また、加熱加圧手段は、水蒸気の温度を調整して熱輻射が効率よく且つ迅速に低温領域の水粒子に吸収されるようにする。これにより、溶液が蒸発して水蒸気となり、溶液に含まれる溶質が析出して溶液から分離される。低温領域で蒸発した水蒸気は、加熱手段により加熱され前記流路を通って高温領域に導入される。このプロセスを連続的に行うことで、溶液から溶質を分離できる。例えば、前記溶液の溶媒は水であり、前記溶質は塩、汚物等である。
【0012】
また、本発明の分離装置は、上記発明において、前記高温領域の外周に前記低温領域が形成されると共に当該高温領域の壁面を前記熱交換隔壁とし、前記低温領域の下部に前記溶液を噴霧する噴霧手段が設けられ、当該噴霧手段を噴流が旋回するように設置することを特徴とする。
【0013】
噴流を旋回させることで溶液の粒子が低温領域内に滞在する時間が長くなる。これにより、高温領域内の水蒸気の熱を、熱交換隔壁を介して低温領域内の溶液の粒子に効率的に伝えることができるので、溶液の粒子の蒸発が促進される。
【0014】
また、本発明の分離装置は、上記発明において、前記熱交換隔壁は、前記高温領域側の前記水蒸気が高温となる部分を高い放射率を有する高放射率面とし、これに比べて低温となる部分を低い放射率を有する低放射率面とすることを特徴とする。
【0015】
高温領域側において、高温の水蒸気の熱が放射伝熱により熱交換隔壁に伝わり、低温領域側において、放射伝熱により溶液の噴霧粒子に熱が伝わる。高温領域側において、凝縮して温度が低下した水滴は低放射率面に付着して、伝導伝熱により熱交換隔壁に熱を伝え、低温領域側では、前記同様に放射伝熱により溶液の噴霧粒子に熱を伝える。このようにすれば、高温領域と低温領域との間の熱交換を効率よく行うことができる。
【0016】
また、本発明の分離装置は、上記発明において、更に、前記溶液が入る第1区画と、当該第1区画と隔壁で隔てられ且つ前記高温領域で凝縮した溶液が入る第2区画と、を有する予熱手段を備えたことを特徴とする。
【0017】
例えば、前記第1区画は蛇行管であり、第2区画は高温領域の底であり、前記隔壁が蛇行管の面である。凝縮した溶液は比較的高温であるため、噴霧する溶液を予熱することで、当該溶液が蒸発しやすくなり且つ凝縮した溶液を冷却でき、全体としてエネルギーを効率的に用いることができる。
【0018】
また、本発明の分離装置は、上記発明において、前記低温領域は、溶液の噴霧粒子が蒸発する蒸発区画と溶液に含まれる溶質が分離する分離区画とに分かれており、前記蒸発区画と分離区画とは狭い通路または開口にて接続されていることを特徴とする。
【0019】
この蒸発区画から前記狭い通路または開口を通って前記分離区画に出た水蒸気は、流体速度が急激に減速されるので、水蒸気と共に飛び出た析出物が重力落下する。これにより、析出物を水蒸気から分離できる。
【0020】
また、本発明の分離装置は、上記発明において、更に、前記水蒸気に含まれる揮発性の有害物質に対して無害化処理を行う放電処理手段を備えたことを特徴とする。
【0021】
また、本発明の分離システムは、上記発明の分離装置を複数接続したことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明の実施の形態1に係る海水淡水化装置を示す構成図である。
【図2】図1に示した海水淡水化装置の熱交換隔壁の一部拡大図である。
【図3】この発明の実施の形態2に係る海水淡水化装置を示す構成図である。
【図4】この発明の実施の形態3にかかる海水淡水化装置を示す構成図である。
【図5】この発明の実施の形態4に係る海水淡水化システムを示す構成図である。
【図6】この発明の実施の形態5に係る分離装置を示す構成図である。
【図7】放電処理装置の基本構造を示す説明図である。
【図8】従来の海水淡水化装置を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1に係る海水淡水化装置を示す構成図である。図2は、図1に示した海水淡水化装置の熱交換隔壁の一部拡大図である。この海水淡水化装置100は、円筒状の外筒1と、外筒1の内側に設けられ海水が内部に噴霧される円筒状の内筒2と、内筒2の内側に設けた円筒状の熱交換隔壁3とを有する。外筒1、内筒2及び熱交換隔壁3は、同軸に配置される。外筒1及び内筒2は熱海水などに腐食しない、例えばステンレス製である。なお、内筒2と熱交換隔壁3とにより低温領域4が構成され、熱交換隔壁3の中に高温領域5が構成される。また、内筒2と熱交換隔壁3とにより蒸発区画が構成され、外筒1と内筒2とにより分離区画が構成される。
【0024】
外筒1の上部には円盤状の蓋6が設けられる。蓋6の径方向外側には、蒸気の出口管7が設けられている。蓋6の中心には、蒸気の入口管8が設けられている。外筒1の下部には、海水から分離された塩粒子を落下させるための開口部9が設けられている。外筒1の内面は、表面粗さを小さくするためバフ研磨等を施した反射面とする。また、外筒1は、外周面及び蓋6の外面に耐熱性の高い繊維系断熱材や発泡系断熱材を設けた断熱構造とする。
【0025】
内筒2は、外筒1の上部近傍まで設けられる。内筒2の上部には蓋12が設けられており、内筒12の側面上部には海水の蒸気を出す開口14が設けられている。開口14は、蒸発区画と分離区画とを接続する開口となる。また、内筒2には、蒸気が下に移動しないように底板15が設けられている。更に、内筒2の内面は、表面粗さを小さくするためバフ研磨等を施した反射面とする。
【0026】
熱交換隔壁3は低温領域側(原水噴霧が流動する領域側)を流れる流体の腐食性に応じて耐腐食性表面を持ってもよい。また隔壁自身は熱伝導率の高い材料で構成される。例えば、図2に示すように、ステンレス板16の間に銅又はアルミニウム等の熱伝導率の高い金属材料17を挟んだ構造である。また、熱交換隔壁3の断熱区切り16cより上側の高温領域5側の面は、黒着色や微細凹凸等の放射率が高くなるような表面処理がなされた高放射率面16aとなる。断熱区切り16cより下側の高温領域5側の面は、光沢処理等の放射率が低くなるような表面処理がなされた低放射率面16bとなる。これは、高温領域5の下側では既に水蒸気が凝縮しており凝縮熱による輻射熱が期待できないため、輻射熱を吸収する必要がなく、その一方で、凝縮した水(図2中の符号W)の持つ熱を伝熱伝導により低温領域4に伝えるためである。
【0027】
また、金属材料17の上下方向を分割するように前記断熱区切り16cを設けることで、金属材料17を伝って熱が上下方向に移動しないようにしている。これにより、熱交換隔壁3の上下方向に適当な温度分布を生じさせることができる。なお、前記断熱区切り16cは、例えばグラスウール、ロックウール、セラミックウール等を圧縮成形した板状体である。
【0028】
熱交換隔壁3の下部には、淡水を溜めるための底18が設けられている。熱交換隔壁3の底18には、予熱部19が設けられている。予熱部19は、蛇行形状の配管20からなる。配管20の一端は、外筒1の外部に配置したポンプ21に接続されている。また、熱交換隔壁3の下部には、淡水を抽出する抽出管37が設けられている。
【0029】
熱交換隔壁3の外側で且つ内筒2の内側下部には、海水をミスト状に噴霧する噴霧器22が設けられている。噴霧器22は前記配管20に接続される。噴霧器22は、ミスト状の水粒子の平均粒子径が20μm以下となるノズルを有する。ノズルは、液圧だけで噴霧する一流体式と、液体と気体を混合させる二流体式のいずれを用いても良い。微細な水粒子は熱交換隔壁3の壁面を濡らしにくいので、熱交換隔壁3や内筒2の腐食を防止する効果がある。なお、前記噴霧器22は複数設けても良い。
【0030】
内筒2の内側面には、径方向内側に向けて螺旋状にガイド板23が設けられている。ガイド板23には、低温領域4の上下で温度差を設けるため、断熱性の高い材料を用いる。このガイド板23は、例えば、グラスウール等の繊維系断熱材を薄い金属板で挟んだ構造の板状体からなる。噴霧したミスト状の水粒子が前記ガイド板23に沿って旋回するように、前記ノズルには一定の角度を持たせてある。また、前記熱交換隔壁3の内側面には、径方向内側に向けて螺旋状にガイド板24が設けられている。このガイド板24には、高温領域5の上下で温度差を設けるため、断熱性の高い材料を用いる。このガイド板24は、例えば、グラスウール等の繊維系断熱材を薄い金属板で挟んだ構造の板状体からなる。熱交換隔壁3のガイド板24の旋回方向は、内筒2のそれとは逆になる。
【0031】
外筒1の蓋6に設けた出口管7には水蒸気の流路となる配管25が接続され、この配管25の途中には固気分離器26、コンプレッサー27及び加熱手段である過熱器28が接続されている。固気分離器26は、水蒸気に含まれる塩粒子を完全に分離する。コンプレッサー27は、所定圧まで水蒸気を圧縮し、入口管8から水蒸気を勢いよく噴射できるようにすると共に低温領域4と高温領域5との間に差圧を生じさせる。加熱器28は、筐体の内部に設けた熱伝導性の高い金属の管29と、この管29を接続した加熱容器30と、太陽光を集光する太陽光集熱機31とを備えている。管29内には合成油が封入されている。太陽光集熱機31による太陽熱で加熱容器30を加熱し、この加熱した合成油を加熱器28の管29内を循環させると、当該管29の周囲を通過する水蒸気が加熱される。
【0032】
前記配管25は、外筒1の入口管8に接続される。入口管8は、ガイド板24の旋回方向に沿って高温蒸気を噴出できるように所定の方向を向いている。
【0033】
低温領域4及び高温領域5には、上下方向に一定の間隔で複数のセンサーユニット32が設けられている。各センサーユニット32は、流速(流量)圧力、温度を測定し、制御装置33に接続される。制御装置33は、センサーユニット32の出力信号に基づいて海水淡水化装置100の全体の動作を制御する。制御装置33は、噴霧器22、コンプレッサー27、加熱器28等の制御盤と、この制御盤に接続した汎用コンピュータと、汎用コンピュータに格納された所定のプログラムとから構成される(いずれも図示省略)。
【0034】
外筒1の下部には、筐体34内に塩粒子を搬送するベルトコンベア10を配置した固形粒取出部11が設けられている。筐体34の出口には、開閉ゲート35が設けられている。開閉ゲート35は、外部との圧力差を保つため、塩粒子の取出時以外は閉じている。また、開閉ゲート35の下側にもベルトコンベア36が配置されている。筐体34内にはセンサーユニット38が設けられている。ベルトコンベア10,36、開閉ゲート35は前記制御装置33に接続される。センサーユニット38はベルトコンベア上に堆積する塩粒子量を測定し、制御装置33が所定の量を検知するとベルトコンベア10,36および開閉ゲート35を駆動し、塩粒子を装置外へ搬出する。
【0035】
次に、この海水淡水化装置100の動作について説明する。ポンプ21により配管20を通して海水を予熱部19に導入する。予熱部19に導入された海水は、熱交換隔壁3内部の下に溜まった高温の淡水との間で熱交換されて予熱される。予熱された海水は噴霧器22に送られる。高温領域5と低温領域4との間には圧力差が生じているため、前記海水は、噴霧器22の微細ノズルから低温領域4内に勢いよく噴射され、霧状の微細な水粒子になる。噴霧器22により生成された微細な水粒子は、内筒2及び熱交換隔壁3を濡らすことなく、低温領域4をガイド板23に沿って旋回する。水粒子は、低温領域4を旋回することにより滞留時間が調整され、前記熱交換隔壁3からの輻射熱を十分に吸収し蒸発する。なお、内筒2の内面は反射面であるから輻射熱が反射されて内筒2の外に出ない。また、水粒子は、主に輻射によって蒸発してしまうので、海水の接触に起因した内筒2及び熱交換隔壁3の腐食が抑制される。
【0036】
水粒子を含む水蒸気が低温領域4を通過する時間は、水粒子が完全に蒸発するのに必要な輻射パワー密度および水粒子径に基づいて定める。制御装置33は、コンプレッサー27及び加熱器28の運転(圧縮比、加熱パワー等)を制御し、噴霧器22から噴霧する海水の流量を調整する。
【0037】
熱交換隔壁3からの輻射熱により水粒子が水蒸気になると、その水蒸気は旋回しながら低温領域4を上昇し、内筒2の側面上端に設けた開口14から遠心力により外側に出る。そして、水蒸気は、旋回運動から上昇運動に移行し、そのまま上昇する。一方、塩粒子は、遠心力により外筒1の側面に向かって飛び出し、下部の固形粒取出部11に落下する。また、コンプレッサー27により前記水蒸気の上昇速度を調整することで、塩粒子が水蒸気の流れから外れて自重により落下すると共に水蒸気が出口管7から取り出される。これにより、水蒸気と塩粒子との固気分離が完了する。
【0038】
重力落下した塩粒子は、ベルトコンベア10の上に堆積する。制御装置33は、塩粒子の堆積量に応じて開閉ゲート35を開けてベルトコンベア10,36を駆動し、堆積した塩粒子を開閉ゲート35の下側に配置したベルトコンベア36上に移し、装置外へ搬出させる。
【0039】
一方、出口管7から取り出された水蒸気は、固気分離器26により塩粒子が完全に取り除かれ、コンプレッサー27に送られる。コンプレッサー27では、水蒸気が所定の圧力まで圧縮される。これにより、高温領域5と低温領域4の間に圧力差が生じ、前記噴霧器22により十分な噴霧ができるようになる。前記加熱器28は、淡水に伴い装置外へ取り出される熱量、その他の熱損失を補うようにコンプレッサー27で加圧された水蒸気を加熱する。
【0040】
コンプレッサー27及び加熱器28により高温高圧化された水蒸気は、熱交換隔壁3の入口管8から高温領域5の内部に噴出される。水蒸気は、熱交換隔壁3の内部のガイド板24に沿って螺旋状に旋回する。なお、高温領域5は、コンプレッサー27により加圧されているので100℃以上の温度でも前記水蒸気が凝縮し得る。水蒸気の旋回により、高温の水蒸気が高温領域5に長い時間滞在することになるので、水蒸気の凝縮熱を熱交換隔壁3に十分伝えられる。熱交換隔壁3に伝わった凝縮熱は、輻射により低温領域4の水粒子に伝わり、当該水粒子を蒸発させる。高温領域5の水蒸気は気相であるため、体積が大きい。低温領域4の水粒子は液相であるため、体積が小さい。両者の体積差(密度差)は、1000倍以上になる。仮に、水蒸気と水粒子との間の熱交換を熱伝導のみで行うとすると、体積が大きな水蒸気(気相)からの熱エネルギーの伝達が不十分となる。しかし、この海水淡水化装置100では、高温領域5の水蒸気と低温領域4の水粒子との熱交換を、主に輻射により行うので、高温領域5の水蒸気の凝縮熱を低温領域4の水粒子に効率よく伝達できる。
【0041】
水蒸気が熱交換隔壁3の下流に至ると、水蒸気の温度が低温領域4下部の温度と平衡状態になり、噴霧した海水の量に相当する量の淡水が凝縮する。凝縮した淡水は水滴として熱交換隔壁3の表面に付着し、熱伝導により、当該水滴が有する熱を熱交換隔壁3に伝える。高温領域5の熱交換隔壁3の下側は低放射率面16bとなっているので、付着した水滴の熱を放射することなく、金属材料17を介して反対面のステンレス板16に伝えることができる。そして、低温領域4の熱交換隔壁3の下側は高放射率の表面となっているので、ステンレス板16に伝わった熱は、輻射熱として低温領域4に放射されて前記水粒子を加熱することになる。
【0042】
また、凝縮した淡水は、熱交換隔壁3の底に溜まる。溜まった淡水は海水の温度より高いので、この淡水と予熱部19の配管20内の海水との間で熱交換が行われる。即ち、前記加熱器28により水蒸気を加熱したときの熱の回生が予熱部19において行われることになる。予熱部19の海水により冷却された淡水は、抽出管37から抽出される。なお、熱交換隔壁3の内部は高圧になっているので、抽出管37を開くことで淡水を容易に外に出すことができる。
【0043】
制御装置33は、センサー32から流体の流速、流量、圧力、温度および蓄積量などの情報を取得し、予め定められた装置運転条件を維持するようにコンプレッサー27の圧縮比、加熱器28の熱パワー、蒸気の流量および塩の搬出などを制御する。
【0044】
以上、この海水淡水化装置100によれば、取り入れた海水を全て淡水化するため、冷却のために過度に多量の海水を循環させる必要がない。このため、淡水化に必要となる動力エネルギーを低減できる。また、塩分濃度の濃い鹹水を放出することがないため、環境負荷が小さい。更に、塩分濃度の濃い鹹水を扱う必要がないので、装置の腐食や析出物の問題がなくなる。使用する材質の全てをステンレスやチタン等の高価なものにしなくても良い。また、溶質である塩粒子を固形で取り出すことができる。また、高温領域5の水蒸気と低温領域4の霧状の水粒子との間の熱交換が、熱交換隔壁3の近傍における熱伝導だけではなく、輻射により体積全体同士で行える。換言すれば、高温領域5の凝縮熱と低温領域4の蒸発熱との熱交換(潜熱同士の熱交換)が、主に、熱交換隔壁3を介して輻射により行われる。熱伝導による熱交換の割合は少ない。このため、高温領域5の水蒸気と低温領域4の霧状の水粒子との間の熱交換を効率的に行える。別の観点では、低温領域4の水粒子が水蒸気となって高温領域5に導入されるので、低温領域4の水粒子と高温領域5の水蒸気との体積差(密度差)が略同じになる。このため、高温領域5の水蒸気と低温領域4の霧状の水粒子との間の潜熱同士の熱交換が高効率で行われる。
【0045】
(実施の形態2)
図3は、この発明の実施の形態2に係る海水淡水化装置を示す構成図である。この海水淡水化装置200は、実施の形態1と略同様の構成であるが、内筒2の周囲にガイド筒201を設けた点及び固形粒取出部11を省略した点が異なる。その他の構成は実施の形態1に係る海水淡水化装置100と同じであるからその説明を省略し、同じ構成要素には同一の符号を付する。
【0046】
ガイド筒201は、円筒形状であり、内筒2の上部から下部近傍にかけて設けられる。ガイド筒201と内筒2との空間が蒸発区画と分離区画とを接続する狭い通路であり、水蒸気の速度を上げる空間となる。ガイド筒201の下部には外側に向かって開口202が設けられている。また、外筒1の底面裏側には加熱部203が設けられている。加熱部203は、例えば筐体の内部に設けた熱伝導性の高い金属の管204と、この管204を接続した加熱容器205と、太陽光を集光する太陽光集熱機(図示省略)とを備えている。
【0047】
この海水淡水化装置200では、水蒸気が塩粒子と共に内筒2の開口14から出て、ガイド筒201と内筒2との空間(加速空間250)を通り、加速されて下方に運ばれ、開口202から出る。水蒸気は外筒1の底面(またはその上に堆積する塩)に当たって反転し、上方に移動する。一方、塩粒子は慣性力でそのまま外筒1の底部206に落とされ、堆積する。堆積した塩粒子は加熱部203により加熱され、水分が完全に蒸発させられる。
【0048】
以上、この発明の海水淡水化装置200によれば、加速空間250により塩粒子を下方に運び堆積させるので、ガイド筒201を設けるという簡単な構造で、固気分離をより確実に行うことができる。
【0049】
(実施の形態3)
図4は、この発明の実施の形態3にかかる海水淡水化装置を示す構成図である。この海水淡水化装置300は、円筒状の内筒2と、内筒2の内側に設けた円筒状の熱交換隔壁3とを有する。前記内筒2及び熱交換隔壁3は、同軸に配置される。内筒2の外側には、固気分離器301が設けられる。固気分離器301は、塩粒子を含む水蒸気の導入管302と、比較的大きな体積を有するバッフル303と、バッフル303の上部に設けた出口管304とから構成される。固気分離器301及び内筒2はステンレス製である。内筒2の開口14は、前記固気分離器301の導入管302に接続されている。外筒1,固形粒取出部11は省略される。
【0050】
上記以外の構成部分は、実施の形態1と同様であるので説明を省略し、同一構成要素には同一の符号を付する。
【0051】
この海水淡水化装置300では、実施の形態1に示したように、熱交換隔壁3からの輻射熱により水粒子が水蒸気になると、旋回しながら低温領域4を上昇し、内筒2の側面上端に設けた開口14から遠心力により飛び出る。そして、水蒸気は、導入管302を通ってバッフル303に放出される。なお、この導入管302が蒸発区画と分離区画とを接続する狭い通路となる。
【0052】
塩粒子を含んだ水蒸気は、バッフル303内に静止状態で滞留し、塩粒子が自重で落下する。一方、水蒸気は、コンプレッサー27の作用によりバッフル303から出口管304を通じて取り出される。これにより、水蒸気と塩粒子との固気分離が完了する。その他のプロセスは、実施の形態1と同じである。
【0053】
この海水淡水化装置300では、大容量のバッフル303内で水蒸気と塩粒子を分離するので、固気分離を確実に行える。
【0054】
(実施の形態4)
図5は、この発明の実施の形態4に係る海水淡水化システムを示す構成図である。この海水淡水化システム400は、実施の形態1に示した海水淡水化装置100を並列に接続した構成である。この海水淡水化システム400は、それぞれの外筒1の出口管7に設けた配管25を集合し、その集合した先に前記実施の形態1に示した固気分離器26、コンプレッサー27及び加熱器28が接続される。加熱器28からの配管25は再び分岐して各海水淡水化装置100の入口管8に接続される。
【0055】
また、外筒1の下部に設けたベルトコンベア10は全ての海水淡水化装置100で共用となり、一つの筐体34に収納される。前記実施の形態1に示した予熱部19に至る配管20は、集合して一つのポンプ21に接続されている。また、各海水淡水化装置100の熱交換隔壁3の底からの取出管37は、集合している。
【0056】
この海水淡水化システム400では、海水を予熱部19に導入するときは、ポンプ21から供給された海水が分岐した各配管20を通って各海水淡水化装置100の予熱部19に導入され、低温領域4内に噴霧される。水粒子は低温領域4において水蒸気となって出口管7から出る。各海水淡水化装置100で発生した水蒸気は配管25で合流して固気分離器26で塩粒子が完全に取り除かれ、コンプレッサー27及び加熱器28で加圧昇温される。そして、分岐した配管25で各海水淡水化装置100の高温領域5に導かれ、凝縮して淡水になる。各海水淡水化装置100の熱交換隔壁3の底に溜まった淡水は、配管37で集められて取出される。また、各海水淡水化装置100の外筒1から重力落下した塩粒子は、ベルトコンベア10,37によりまとめて外部に搬送される。
【0057】
このように、海水淡水化装置100は、所望の個数を連結して海水淡水化システムとして用いることができる。このため、必要となる淡水の生産量に応じてシステムを構成できる。
【0058】
(実施の形態5)
図6は、この発明の実施の形態5に係る分離装置を示す構成図である。この分離装置500は、実施の形態1の海水淡水化装置100の低温領域4の上部に放電処理装置501を取り付けた構造である。放電処理装置501は、熱交換隔壁3の上部及び外筒1の上部に環状配置される。出口管7には、有機物分解器502及びハロゲン類等の有害要素分離器503が設けられている。その下流には、前記コンプレッサー27及び加熱器28が設けられている。
【0059】
放電処理装置501は、図7に示すように、熱交換隔壁3の上部のアノード電極504と、外筒1の上部のグリッド電極505及びカーボンナノチューブ電子源506からなる。なお、この放電処理装置501の構造は、特開2008−200057号公報に開示の「カーボンナノチューブ電子源を用いた環境有害物質処理装置」と同じである。
【0060】
前記有機物分解器502は、図示しないが、有害物質を含む水蒸気を導入する筐体内に二酸化チタンからなる光触媒と光触媒を励起するための紫外線発生器とを設けた構成である。
【0061】
この分離装置500の動作について説明する。ポンプ21により処理する溶液を予熱部19に導入する。予熱部19に導入された溶液は、熱交換隔壁3の下に溜まった高温の淡水との間で熱交換されて予熱される。予熱された溶液は噴霧器22に送られ、低温領域4に噴霧される。噴霧器22により生成された微細な水粒子は、内筒2及び熱交換隔壁3を濡らすことなく、低温領域4をガイド板23に沿って旋回する。水粒子は、低温領域4を旋回することで熱交換隔壁3からの輻射熱を十分に吸収して蒸発する。また、水粒子は、主に輻射によって蒸発するので、溶液に含まれる物質が接することによる内筒2及び熱交換隔壁3の汚れ、腐食、化学変化等が抑制される。
【0062】
水粒子を含む水蒸気が低温領域4を通過する時間は、水粒子が完全に蒸発するのに必要な輻射パワー密度および水粒子径に基づいて定める。制御装置33は、コンプレッサー27及び加熱器28の運転(圧縮比、加熱パワー等)を制御し、噴霧器22から噴霧する溶液の流量を調整する。
【0063】
熱交換隔壁3からの輻射熱により水粒子が水蒸気になると、旋回しながら低温領域4を上昇し、内筒2の側面上端に設けた開口14から遠心力により飛び出る。水蒸気は、旋回運動から上昇運動に移行し、上昇する。溶液に含まれる溶質粒子は、遠心力により外筒1の側面に向かって飛び、下部の固形粒取出部11まで落下する。また、前記上昇運動の速度を調整することで、溶質粒子が水蒸気の流れから外れて自重により落下する。これにより、水蒸気と溶質粒子との固気分離が完了する。
【0064】
重力落下した溶質粒子は、ベルトコンベア10の上に堆積する。制御装置33は、溶質粒子の堆積量に応じて開閉ゲート35を開けてベルトコンベア10,36を駆動し、堆積した溶質粒子を開閉ゲート35の下側に配置したベルトコンベア36上に移し、装置外へ搬出させる。
【0065】
水蒸気を出口管7から取り出す前に、放電処理装置501により当該水蒸気に含まれる有害物質の処理を行う。グリッド電極505に直流電流を印加するとカーボンナノチューブ電子源506から高密度の電子が放出され、水蒸気に含まれる有害物質の分子に衝突する。例えば、有害物質がダイオキシン類の場合、電子により脱塩素化、還元反応を起こし、ダイオキシン類が無害化される。NOxの場合、NOxが還元され、無害な窒素ガス又は酸素ガスに分解処理される。このようにして処理された水蒸気は出口管7から取出される。
【0066】
更に、放電型の有機物分解器502では、紫外線を光触媒に照射することで光触媒を励起し、活性酸素種を生成させる。この活性酸素種が前記有害物質の残りを酸化分解する。
【0067】
次に、無害化された水蒸気は、コンプレッサー27に送られる。コンプレッサー27では、水蒸気が所定の圧力まで圧縮される。これにより、高温領域5と低温領域4の間に圧力差が生じ、前記噴霧器22により十分な噴霧ができるようになる。前記加熱器28は、淡水に伴い装置外へ取り出される熱量、その他の熱損失を補うようにコンプレッサー27で加圧された水蒸気を加熱する。加熱するためのエネルギーは、従来例に示したような太陽光でも良いし、産業排熱等でも良い。
【0068】
コンプレッサー27及び加熱器28により高温高圧化された水蒸気は、熱交換隔壁3の入口管8から高温領域5の内部に噴出される。水蒸気は、熱交換隔壁3の内部のガイド板24に沿って螺旋状に旋回する。なお、高温領域5は、コンプレッサー27により加圧されているので100℃以上の温度でも前記水蒸気が凝縮し得る。水蒸気の旋回により、高温の水蒸気が高温領域5に滞留する時間が調整されるので、水蒸気の凝縮熱を熱交換隔壁3に十分伝えられる。熱交換隔壁3に伝わった凝縮熱は、輻射により低温領域4の水粒子に伝わり、当該水粒子を蒸発させる。
【0069】
水蒸気が熱交換隔壁3の下流に至ると、水蒸気の温度が低温領域4下部の温度と平衡状態になり、噴霧した溶液の量に相当する量の淡水が凝縮する。凝縮した淡水は水滴として熱交換隔壁3の表面に付着し、熱伝導により、当該水滴が有する熱を熱交換隔壁3に伝える。高温領域5の熱交換隔壁3の下側は低放射率の表面となっているので、付着した水滴の熱を放射することなく、金属材料17を介して反対面のステンレス板16に伝えることができる。そして、低温領域4の熱交換隔壁3の下側は高放射率の表面となっているので、ステンレス板16に伝わった熱は、輻射熱として低温領域4に放射されて前記水粒子を加熱することになる。
【0070】
凝縮した淡水は、熱交換隔壁3の底に溜まる。溜まった淡水は溶液の温度より高いので、この淡水と予熱部19の配管20内の溶液との間で熱交換が行われる。即ち、前記加熱器28により水蒸気を加熱したときの熱の回生が予熱部19において行われることになる。予熱部19の溶液により冷却された淡水は、抽出管37から抽出される。なお、熱交換隔壁3の内部は高圧になっているので、抽出管37を開くことで淡水を容易に外に出すことができる。
【0071】
以上、この分離装置500によれば、有害物質等の溶質を含む溶液から当該溶質を分離して淡水を得ることができる。また、放電処理装置501や有機物分解器502により有害物質を無害化した水蒸気を凝縮させて淡水化するので、淡水を外部に放出しても環境負荷がない。
【符号の説明】
【0072】
100 海水淡水化装置
1 外筒
2 内筒
3 熱交換隔壁
4 低温領域
5 高温領域
16 ステンレス板
17 金属材料
22 噴霧器
23,24 ガイド板
26 固気分離器
27 コンプレッサー
28 加熱器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定形状の筐体で構成され且つ溶質および不純物を含む溶液が内部に噴霧される低温領域と、所定形状の筐体で構成され且つ水蒸気が導入される高温領域と、低温領域と高温領域とを隔てると共に高温領域で生じる凝縮熱を輻射により低温領域に伝える熱交換隔壁とを備え、
前記低温領域と前記高温領域とは水蒸気の流路で接続され、
前記高温領域に導入する水蒸気を加熱加圧する加熱加圧手段を設けたことを特徴とする分離装置。
【請求項2】
前記高温領域の外周に前記低温領域が形成されると共に当該高温領域の壁面を前記熱交換隔壁とし、前記低温領域の下部に前記溶液を噴霧する噴霧手段が設けられ、当該噴霧手段を噴流が旋回するように設置することを特徴とする請求項1に記載の分離装置。
【請求項3】
前記熱交換隔壁は、前記高温領域側の前記水蒸気が高温となる部分を高い放射率を有する高放射率面とし、これに比べて低温となる部分を低い放射率を有する低放射率面とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の分離装置。
【請求項4】
更に、前記溶液が入る第1区画と、当該第1区画と隔壁で隔てられ且つ前記高温領域で凝縮した溶液が入る第2区画と、を有する予熱手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の分離装置。
【請求項5】
前記低温領域は、溶液の噴霧粒子が蒸発する蒸発区画と溶液に含まれる溶質が分離する分離区画とに分かれており、前記蒸発区画と分離区画とは狭い通路または開口にて接続されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の分離装置。
【請求項6】
更に、前記水蒸気に含まれる揮発性の有害物質に対して無害化処理を行う放電処理手段を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の分離装置。
【請求項7】
上記請求項1〜6のいずれかに記載の分離装置を複数接続したことを特徴とする分離システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−39529(P2013−39529A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178228(P2011−178228)
【出願日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【出願人】(507025478)株式会社エレクトラ (1)
【Fターム(参考)】