説明

切換弁及びエアマッサージ機

【課題】簡単な構造とすることができ、スプールが途中位置で止まってしまうことを防止できるエアマッサージ機を提供する。
【解決手段】第1エアセル18側と第2エアセル19側とのいずれか一方へエア供給源9からのエアを切換えて供給する切換弁10を備えている。切換弁10は、本体部20内に設けられ第1エアセル18側へ給気を行わせる第1位置と第2エアセル19側へ給気を行わせる第2位置とに移動自在のスプール21と、第1エアセル18側と第2エアセル19側との差圧を駆動源としてスプール21を第1位置と第2位置とに切換える駆動機構部と、第1位置と第2位置との間の位置にあるスプール21を付勢して第1位置又は第2位置へ移動させる付勢手段とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、切換弁及びこれを備えたエアマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エア供給源と、エア(空気)の給排気によりマッサージ動作を行う複数のエアセル(エアアクチュエータ)と、エア供給源とエアセルとの間に設けられた方向切換弁(以下、切換弁という)とを備えたエアマッサージ機が知られている。切換弁はエアセルへのエアの流れを制御することができ、この制御により、エア供給源からのエアを用いてエアセルを伸縮動作させ、指圧、揉み、叩きなどのマッサージ動作を行うことができる。従来の切換弁として、電気制御によりスプールを移動させてエアの流れを制御するものがあり、例えばソレノイドへの印加電圧を制御し、励磁・消磁を繰り返し行い、これによりスプールの位置を切換えるものがある。
より簡単な構造でスプールの位置の切換えが可能なものとして、特許文献1に記載のものが提案されている。これは、対のエアアクチュエータ間の差圧によってスプールを第1位置と第2位置との間を切換え、この切換えにより対のエアアクチュエータが交互に動作するものである。さらに、この切換弁は、スプールを第1位置又は第2位置に電磁石で位置保持させる機構を有している。
【0003】
【特許文献1】特開平11−313863号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のものは、ソレノイドを用いることなくスプールの位置を、第1位置と第2位置とに交互に切換え可能であり、簡単な構造のものであるが、スプールが第1位置と第2位置との間の途中位置(中央位置)で止まった状態となることが考えられる。例えば、スプールが中央位置にある状態では前記位置保持のための左右両側の電磁石の磁力が及ばず、その中央位置でスプールが止まった状態になることが考えられる。この場合、切換弁における切換え動作が確実に行われないおそれがある。
そこでこの発明は、簡単な構造とすることができ、スプールが途中位置で止まってしまうことを防止できる切換弁及びこれを備えたエアマッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するためのこの発明のエアマッサージ機は、エア供給源と、少なくとも一方がマッサージのための動作部である第1エアアクチュエータと第2エアアクチュエータと、前記第1エアアクチュエータと前記第2エアアクチュエータとのいずれか一方へ前記エア供給源からのエアを切換えて供給する切換弁とを備え、前記切換弁は、本体部と、この本体部内に設けられ前記第1エアアクチュエータへ給気を行わせる第1位置と前記第2エアアクチュエータへ給気を行わせる第2位置とに移動自在のスプールと、前記第1エアアクチュエータ側と前記第2エアアクチュエータ側との差圧を利用して前記スプールを前記第1位置と前記第2位置とに切換える駆動機構部と、前記第1位置と前記第2位置との間の位置にある前記スプールを付勢して当該第1位置又は当該第2位置へ移動させる付勢手段とを有しているものである。
【0006】
このエアマッサージ機によれば、駆動機構部において、第1エアアクチュエータ側と第2エアアクチュエータ側との差圧を、スプールを第1位置と第2位置とに切換える動力源として利用することができる。したがって、スプールを移動させるために電気制御による別の動力源を省略できる。さらに、第1位置と第2位置との間の位置にあるスプールを、付勢手段が第1位置又は第2位置へ移動させるため、スプールが第1位置と第2位置との間の位置に止まってしまうことを防止できる。
【0007】
前記エアマッサージ機において、前記付勢手段は、前記スプールに取り付けられた第1磁石と、前記本体部に取り付けられ前記第1位置と前記第2位置との間の位置にある前記スプールに取り付けられた前記第1磁石との間で斥力を生じさせる第2磁石とを有しているものとできる。これにより、第1位置と第2位置との間の位置にあるスプールを、第1磁石と第2磁石との間で生じた斥力によって、第1位置又は第2位置へ移動させることができる。
【0008】
また、この場合において、前記切換弁は、前記スプールを前記第1位置又は前記第2位置に維持させる位置保持手段を備え、この位置保持手段は、前記第1磁石と前記第2磁石とによる磁力を用いたものであり、前記駆動機構部は前記磁力に抗して前記スプールの移動を可能としているのが好ましい。これによれば、位置保持手段がスプールを第1位置に維持させて、第1エアアクチュエータへの給気を確実に行わせることができ、スプールを第2位置に維持させて、第2エアアクチュエータへの給気を確実に行わせることができる。さらに、付勢手段として設けた第1磁石と第2磁石とを用いて位置保持手段を構成できる。
【0009】
また、前記エアマッサージ機において、前記付勢手段は、前記本体部に取り付けられ前記スプールに弾性力を付与する弾性部材と、前記スプールに設けられ前記第1位置と前記第2位置との間の位置にある前記スプールに対して前記弾性部材の弾性力を当該スプールの移動方向の付勢力とするカム部とを有しているものにできる。これによれば、第1位置と第2位置との間の位置にあるスプールを、弾性部材の弾性力によって、第1位置又は第2位置へ移動させることができる。
【0010】
また、この場合において、前記切換弁は、前記スプールを前記第1位置又は前記第2位置に維持させる位置保持手段を備え、この位置保持手段は、前記弾性部材によって弾性的に前記スプールに押圧させた当接子と、前記スプールに設けられ前記当接子と係脱可能な一対の凹部と、を有し、前記当接子と前記凹部とが係合状態で当該スプールの移動を規制し、前記弾性部材に抗して前記当接子が退避し前記凹部と離脱状態となって前記スプールは移動可能となるのが好ましい。これによれば、位置保持手段がスプールを第1位置に維持させて、第1エアアクチュエータへの給気を確実に行わせることができ、スプールを第2位置に維持させて、第2エアアクチュエータへの給気を確実に行わせることができる。さらに、付勢手段として設けた弾性部材を用いて位置保持手段を構成できる。
【0011】
また、前記エアマッサージ機において、前記切換弁は、前記スプールを前記第1位置又は前記第2位置に維持させる位置保持手段を備えているのが好ましい。
これによれば、位置保持手段がスプールを第1位置に維持させて、第1エアアクチュエータへの給気を確実に行わせることができ、スプールを第2位置に維持させて、第2エアアクチュエータへの給気を確実に行わせることができる。
【0012】
また、前記エアマッサージ機において、前記駆動機構部は、前記スプールの軸方向一端部側の第1パイロット空気室と、軸方向他端部側の第2パイロット空気室と、前記第2エアアクチュエータと前記第1パイロット空気室とを連通させた第1流路と、前記第1エアアクチュエータと前記第2パイロット空気室とを連通させた第2流路とを有し、前記第1エアアクチュエータの加圧と共に前記第2パイロット空気室が加圧されて前記スプールを前記第1パイロット空気室側へ押し、前記第2エアアクチュエータの加圧と共に前記第1パイロット空気室が加圧されて前記スプールを前記第2パイロット空気室側へ押すことで、前記スプールを前記第1位置と前記第2位置とに切換えるのが好ましい。
【0013】
これによれば、第1エアアクチュエータが加圧されると第2パイロット空気室も加圧されてスプールを第1パイロット空気室側へ押して移動させることができる。これにより、切換弁においてスプールの位置が切り替わり、第2エアアクチュエータへ給気が行われる。そして、この第2エアアクチュエータが加圧されると第1パイロット空気室も加圧されてスプールを第2パイロット空気室側へ押して移動させることができる。これにより、切換弁においてスプールの位置が切り替わり、第1エアアクチュエータへ給気が行われる。このように、給気している空気圧によって自励的にスプールは第1位置と第2位置とに交互に切り替わることができ、第1エアアクチュエータ側と第2エアアクチュエータ側とに交互に給気ができる。
【0014】
また、この場合において、前記第1流路と前記第2流路との少なくとも一方に、流路を絞る可変式絞り部が設けられているのが好ましい。
これによれば、流路を絞ることでパイロット空気室側の内圧をエアアクチュエータ側の内圧に遅れて上昇させることができ、さらに、その絞り量を調整することでその遅れの度合いを調整できる。パイロット空気室の圧力上昇を遅らせ、その度合いを調整することで、スプールの位置の切換え時期(タイミング)を変更できる。すなわち、エアアクチュエータの動作周期の変更が可能となったり、エアアクチュエータの動作力(内圧)を変更したりできる。
【0015】
また、この発明の切換弁は、第1吐出ポート、第2吐出ポート、及び供給ポートを有している本体部と、この本体部内に設けられ、前記供給ポートからのエアを前記第1吐出ポートより吐出させる第1位置と、前記供給ポートからのエアを前記第2吐出ポートより吐出させる第2位置とに移動自在のスプールと、前記第1吐出ポート側と前記第2吐出ポート側との差圧を利用して前記スプールを前記第1位置と前記第2位置とに切換える駆動機構部と、前記第1位置と前記第2位置との間の位置にある前記スプールを付勢して当該第1位置又は当該第2位置へ移動させる付勢手段とを有しているものである。
これによれば、駆動機構部において、第1吐出ポート側と第2吐出ポート側との差圧を、スプールを第1位置と第2位置とに切換える動力源として利用することができる。したがって、スプールを移動させるために電気制御による別の動力源を省略できる。さらに、第1位置と第2位置との間の位置にあるスプールを、付勢手段が第1位置又は第2位置へ移動させるため、スプールが第1位置と第2位置との間の位置に止まってしまうことを防止できる。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、スプールを移動させるために電気制御による別の動力源を省略でき、構造を簡単にできる。そして、付勢手段により、スプールが第1位置と第2位置との間の途中位置に止まってしまうことを防止でき、切換弁における切換え動作を確実に行わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1はこの発明のエアマッサージ機の実施の一形態を示す斜視図である。このエアマッサージ機は椅子型であり、使用者の身体を支持可能な身体支持体として、使用者(被施療者)が座る座部1と、座部1の前部にあるフットレスト2と、座部1の後部にある背もたれ部3と、左右一対の肘掛け部43とを備えている。なお、座部1に座った使用者が見て前方を前とし、後方を後とする。また、フットレスト2においては、当該フットレスト2が座部1の前端部から下へ降りた状態(図1の状態)で、使用者が見て前方を前とし、後方を後として、以下説明する。
【0018】
身体支持体として、座部1は使用者の臀部や太股部を支持することができる。背もたれ部3は座部1に着座した使用者の腰部から背中及び頭部を支持することができる。また、背もたれ部3は座部1に回動駆動可能に設けられており、起立状態と後方へ倒れた状態との間をリクライニング可能である。フットレスト2は座部1に着座した使用者の脚のうちの膝から下の部分、すなわち、ふくらはぎから足首を経て足裏を支持することができる。また、フットレスト2は座部1に回動駆動可能に設けられており、座部1から下がった状態と前方へ突出した状態との間を回動可能である。肘掛け部43は使用者の左右腕のそれぞれを支持することができ、座部1に取り付けられている。そして、これら身体支持体の少なくとも1つにマッサージ手段としてエアの給排により膨縮するエアセル(エアアクチュエータ)を備えている。
【0019】
図1の形態では、背もたれ部3において、肩部、背中部、腰部に対応する位置のそれぞれに、左右一対のエアセルを一組として設けている。すなわち、左右のエアセル4a,4bを一組として肩部用、左右のエアセル5a,5bを一組として背中部用、左右のエアセル6a,6bを一組として腰部用が設けられている。また、フットレスト2において、左脚用と右脚用との一対のエアセル7a,7bを一組として設けている。なお、右脚用のエアセル7bは、当該右脚を左右両側から挟む配置とした対のエアセル7c,7dからなり、左脚用のエアセル7aも、同様に当該左脚を左右両側から挟む配置とした対のエアセル7e,7fからなる。さらに、肘掛け部43において、左腕用と右腕用との一対のエアセル8a,8bを一組として設けている。なお、この肘掛け部43には腕支持部材44がそれぞれ設けられており、左の腕支持部材44にエアセル8aが設けられ、右の腕支持部材44にエアセル8bが設けられている。
【0020】
図2はこの発明のエアマッサージ機が備えている前記各エアセルと、これらエアセルを動作させるためのエア供給源9と、前記各エアセルとエア供給源との間に設けられている切換弁とを含む概略の回路図である。エア供給源9はモータMによって動作するポンプPからなる。切換弁については、肩用の一組のエアセル4a,4bと繋がっている切換弁10と、背中用の一組のエアセル5a,5bと繋がっている切換弁11と、腰用の一組のエアセル6a,6bと繋がっている切換弁12とが設けられている。さらに、フットレスト2に設けられた一組のエアセル7a,7bと繋がっている切換弁13、及び、左右の肘掛け部43に設けられた一組のエアセル8a,8bと繋がっている切換弁14が設けられている。ポンプPには可変式の流量調整弁15を介して分岐部が繋がっており、この分岐部からの枝線に前記切換弁10,11,12,13,14のそれぞれ(以下、代表して切換弁10と言う)が開閉切換弁16を介して繋がっている。開閉切換弁16は、このエアマッサージ機が備えている制御手段17からの指示信号に基づいて開閉切換え動作するものであり、各開閉切換弁16における開閉動作により、ポンプPから各エアセルへのエアの供給をオンオフできる。さらに、制御手段17は開閉切換弁16のそれぞれの動作を制御でき、これら開閉切換弁16をすべて開状態としたり閉状態としたり、選択的にいずれか一つ乃至複数を開状態としたりできる。
【0021】
図3と図4と図5はこの発明の第1の実施の形態の要部を示す説明図である。これらの図はエア供給源9から一組のエアセル18,19までの回路構成を示しており、図2の複数組のエアセルのうちの一組について取り出したものである。なお、図2の開閉切換弁16は省略している。これら図の形態では一組のエアセルとして、第1マッサージ用(左用)の第1エアセル18と、第2マッサージ用(右用)の第2エアセル19とを有しており、第1エアセル18は使用者の身体の一部(施療部)を両側から挟む一対の対向したエアセル18a,18bからなり、第2エアセル19は使用者の身体の他の一部(施療部)を両側から挟む一対の対向したエアセル19a,19bからなる。この形態は例えば図1の脚用のエアセル7a,7bに対応するが、エアセルの形態はこれに限らず、例えば後に説明するが図11(a)(b)に示している他のものであってもよい。
【0022】
切換弁10は、第1エアセル18と第2エアセル19とのいずれか一方へ、エア供給源9からのエア(圧縮エア)の流れの方向を切換えて供給することができるものである。切換弁10は、本体部20と、この本体部20内の収納室20aに設けられ軸方向に移動自在のスプール21とを有している。本体部20は、第1エアセル18が接続された第1吐出ポート31と、第2エアセル19が接続された第2吐出ポート32と、ポンプPの供給側に接続された供給ポート33と、一対の排気ポート36,37とを有している。第1、第2吐出ポート31,32及び供給ポート33のそれぞれは、主流路31a,32a及び主流路33aによって収納室20aと繋がっている。
【0023】
スプール21は三つのランド部(弁体部)21a,21b,21cを有しており、スプール21が軸方向に移動することでランド部21a,21b,21cのそれぞれによって前記各ポートを選択的に繋げることができる。具体的には、スプール21が収納室20aにおいて軸方向に移動して、第1位置にある状態(図3)では、供給ポート33と第1吐出ポート31とが繋がり、第1吐出ポート31からエアを吐出させて第1エアセル18側へ給気を行う。一方、スプール21が収納室20aにおいて反対の軸方向に移動して、第2位置にある状態(図4)では、供給ポート33と第2吐出ポート32とが繋がり、第2吐出ポート32からエアを吐出させて第2エアセル19側へ給気を行う。
【0024】
この切換弁10は、さらにスプール21を自励的に移動させる駆動機構部を有している。具体的には、図3と図4とにおいて、駆動機構部は、スプール21の軸方向一端部側の第1パイロット空気室22と、スプール21の軸方向他端部側の第2パイロット空気室23とを有している。これらパイロット空気室22,23のそれぞれは、収納室20aの軸方向端面とスプール21の軸方向端面との間に形成される空間部である。さらに、駆動機構部は、第2エアセル19(第2吐出ポート)と繋がる主流路32aと、第1パイロット空気室22とを連通させた第1流路24と、第1エアセル18(第1吐出ポート)と繋がる主流路31aと第2パイロット空気室23とを連通させた第2流路25とを有している。
【0025】
このように構成された駆動機構部によれば、スプール21が第1位置にある状態(図3)で、第1エアセル18に圧縮エアが供給されて加圧されると第2パイロット空気室23も加圧され、スプール21を第1パイロット空気室22側へ押して瞬時に移動させることができる。これは、第2エアセル19は隣り合うランド部21b,21c間を通じて前記排気ポート37と繋がり、かつ第1パイロット空気室22は前記排気ポート36と繋がり、第2エアセル19及び第1パイロット空気室22は(大気に開放されて)内圧が低下することから、加圧された第2パイロット空気室23と減圧された第1パイロット空気室22との間の圧力差によってスプール21は第1パイロット空気室22側へ移動する。これにより、切換弁10においてスプール21の位置が第2位置へと切り替わり(図4)、供給ポート33から第2吐出ポート32へと圧縮エアが供給され、第2エアセル19へ給気が行われる。
【0026】
そして、図4において、第2エアセル19が加圧されると第1パイロット空気室22も加圧され、同様にスプール21を第2パイロット空気室23側へ押して瞬時に移動させることができる。これにより、切換弁10においてスプール21の位置が第1位置へと切り替わり(図3)、再び第1エアセル18へ給気が行われる。このように、第1エアセルと連通した第2パイロット空気室23と、第2エアセルと連通した第1パイロット空気室22との差圧を動力源として利用しスプール21を軸方向に交互に移動させることができる。すなわち、エア供給源9から給気している圧縮エアの圧力によって自励的にスプール21を第1位置と第2位置とに交互に切り変えることができ、第1エアセル18と第2エアセル19とに交互に給気ができ、第1エアセル18と第2エアセル19とを交互に伸張(膨張)動作させることができる。
【0027】
さらにこの切換弁10は、第1位置と第2位置との間の途中位置にあるスプール21(図5の状態)を付勢して、第1位置又は第2位置へ移動させる付勢手段、及び、スプール21を第1位置又は第2位置に維持させる位置保持手段を有している。
付勢手段は、スプール21に取り付けられた第1磁石26と、本体部20に取り付けられた第2磁石27とからなる。第1磁石26は、スプール21の軸方向端面から軸方向に突出して形成した軸部21dに取り付けられており、図5に示しているように、スプール21が第1位置と第2位置との間の途中位置にある状態で、当該スプール21の第1磁石26が接近した状態となる位置に、第2磁石27は本体部20に取り付けられている。そして図5の状態で、第1磁石26のスプール21側の一面側部26aと、第2磁石27のスプール21側の一面側部27aとが隣接した位置となり、同極である(例えば両者とも正極である)。また、第1磁石26の軸方向外側の他面側部26bと、第2磁石27の軸方向外側の他面側部27bとが隣接した位置となり、同極である(例えば両者とも負極である)。したがって、この状態で、本体部20に固定の第2磁石27と、途中位置にあるスプール21の第1磁石26との間には斥力が生じ、第1位置と第2位置との間の途中位置にあるスプール21は不安定位置にあり当該スプール21を、前記斥力により第1位置又は第2位置へ強制的に移動させることができる。これにより、スプール21が途中位置に止まってしまい、エア供給源9からエアセル18,19への給気が行えなくなることを防止できる。
【0028】
そして、前記位置保持手段は、スプール21に固定の前記第1磁石26と、本体部20に固定の前記第2磁石27とによる磁力を用いたものである。すなわち、図3において、スプール21が第1位置にある状態では、第1磁石26の一面側部26aと、第2磁石27の他面側部27bとは異極となり、第1磁石26の一面側部26aと第2磁石27の他面側部27bとは引力により接近した位置に位置保持される。これにより、スプール21は所定の第1位置に位置保持される。また、図4において、スプール21が第2位置にある状態では、第1磁石26の他面側部26bと、第2磁石27の一面側部27aとは異極となり、第1磁石26の他面側部26bと第2磁石27の一面側部27aとは引力により接近した位置に位置保持される。これにより、スプール21は所定の第2位置に位置保持される。
【0029】
このように、付勢手段として設けた第1磁石26と第2磁石27とを用いて位置保持手段を構成でき、構成の簡素化が図れる。なお、前記第1と第2のパイロット空気室22,23を有しこれらの差圧によりスプール21を往復動作させる駆動機構部は、これら第1磁石26と第2磁石27との引力(磁力)に抗して、スプール21を移動させている。すなわち前記差圧によって生じる推力が、磁石26,27による磁力よりも大きくなるように設定されている。
【0030】
図6と図7と図8は、この発明の第2の実施の形態の要部を示す説明図である。この実施の形態は、前記第1の実施の形態と比べて付勢手段及び位置保持手段の形態が異なる。第1の実施の形態では、図3においてスプール21から突出した軸部21dが、収納室20aの軸方向端部の壁を貫通しており、磁石26,27が収納室20aの外部に設けられている。一方、この第2の実施の形態では、スプール21から突出した軸部21d、及び磁石28,29が、収納室20a内部に設けられている。また、この第2の実施の形態では、第1流路24と第2流路25とを本体部20の外部に設けているが、第1の実施の形態のように本体部20内に形成してもよい。また、第1の実施の形態とさらに異なる点は、第1流路24と第2流路25とのそれぞれに可変式絞り弁(可変式絞り部)として可変式流量調整弁38,39を設けている点、第1流路24に空気室30を設けている点、エア供給源9側に圧力変動を低減させるためのアキュムレータ34が設けられている点であり、その他については第1の実施の形態と同じである。なお、第1パイロット空気室22と第2パイロット空気室23との容積の大小の差により、スプール21の位置の切換えタイミングがアンバランスとなり、これが不都合である場合に、前記容積の大小の差を解消するため前記空気室30を設けるのが好ましい。
【0031】
図6は第1の実施の形態の図3と同様であり、スプール21が第1位置の状態にあり、第1エアセル18に給気を行う。図7は第1の実施の形態の図4と同様であり、スプール21が第2位置の状態にあり、第2エアセル19に給気を行う。図8は、第1の実施の形態の図5と同様であり、第1位置と第2位置との間の途中位置にあるスプール21を、第1位置又は第2位置へ強制的に移動させる付勢手段の機能を説明している。
【0032】
第2の実施の形態の付勢手段では、第1磁石28は、スプール21の端面から軸方向に突出して形成した軸部21dに取り付けられており、図8に示しているように、スプール21が第1位置と第2位置との間の途中位置にある状態で、この第1磁石28のスプール側の一面側部28aと、第2磁石29の軸方向外側の一面側部29aとが接近した状態となるように、第2磁石29は本体部20に取り付けられている。さらにこの第1磁石28の一面側部28aと、第2磁石29の一面側部29aとは同極である(例えば両者とも正極である)。したがって、この状態で、本体部20に固定の第2磁石29と、途中位置にあるスプール21の第1磁石28との間には斥力が生じ、途中位置にあるスプール21は不安定位置となり当該スプール21を、前記斥力により第1位置又は第2位置へ強制的に移動させることができる。これにより、スプール21が途中位置に止まってしまい、エア供給源9からエアセル18,19への給気が行えなくなることを防止できる。
【0033】
そして、位置保持手段は、スプール21に固定の前記第1磁石28と、本体部20に固定の前記第2磁石29とによる磁力を用いたものである。すなわち、図6において、スプール21が第1位置にある状態では、第1磁石28の一面側部28aと、第2磁石29の一面側部29aとは同極であるため、第1磁石28の一面側部28aと第2磁石29の一面側部29aとは斥力により離反する。そして、この力が作用しているスプール21の軸部21dの先端部21eが収納室20aの軸方向端面に設けた緩衝材20bに接触し、スプール21はこの位置に保持される。これにより、スプール21は所定の第1位置に位置保持される。また、図7において、スプール21が第2位置にある状態では、第1磁石28の一面側部28aと、第2磁石29の他面側部29bとは異極であるため、引力により相互が接近した位置となり、かつ、第1磁石28の他面側部28bと第2磁石29の一面部側29aとは異極であるため、引力により相互が接近した位置となり、第1磁石28と第2磁石29とが引力により接近した位置に位置保持される。これにより、スプール21は所定の第2位置に位置保持される。
【0034】
また、この発明のエアマッサージ機は、第1流路24と第2流路25との少なくとも一方に、その流路を絞る可変式絞り弁として流量調整弁が設けられている。第2の実施の形態では、第1流路24に流量調整弁38が設けられており、第2流路25に流量調整弁39が設けられている。図9はこの流量調整弁の機能を説明する説明図であり、その機能を図6の場合で説明する。エア供給源9から送り出された圧縮エアは、給気ポート33から切換弁10へ入り、隣り合うランド部21a,21b間を経て、第1吐出ポート31から第1エアセル18へ供給される。これと同時に、圧縮エアは流量調整弁39を有する第2流路25を経て、第2パイロット空気室23へも供給される。この際の圧縮エアの供給時間tと、第1エアセル18の内圧及び第2パイロット空気室23の内圧との関係を示したものが図9である。
【0035】
第2パイロット空気室23に対しては流量調整弁39を通ってから圧縮エアが供給されるため、図9において、第2パイロット空気室23の内圧の上昇は、第1エアセル18の内圧の上昇よりも遅れる。そして、第2パイロット空気室23の内圧がPmの時(時間t1)に、第1パイロット空気室22の内圧(大気圧)との差により、スプール21が第2位置へ切り換わるとした場合、その時点(時間t1)の第1エアセル18の内圧はPc1である。そこで、流量調整弁39において流量の調整を行うことにより、図9の一点鎖線で示しているように、第2パイロット空気室23の内圧がPmに達するまでの時間を変化させることができ(例えば、時間t1を時間t2に遅延させることができ)、スプール21の位置の切換えの時期(周期)を変更できる。さらに、図9の一点鎖線で示しているように、第2パイロット空気室23の内圧がPmに達するまでの時間が変化することで、第1エアセル18の内圧を、Pc1からPc2へ変化させることができる。すなわち、流量調整弁39は第1エアセル18によるマッサージのための押圧力を変化させ、所定の値に設定することができる。
【0036】
この流量調整弁38,39の流量調整は、図2に示しているように制御手段17によって制御することができ、流量調整弁38,39における流量(絞り量)を同じとすることで、第1エアセル18と第2エアセル19との間の切換え動作は同じ周期で行われる。また、制御手段17は、両流量調整弁38,39における流量を異ならせることができ、この場合、第1エアセル18への給気から第2エアセル19への給気への切換え動作の周期と、第2エアセル19への給気から第1エアセル18への給気への切換え動作の周期とを相異させることができる。なお、この流量調整弁38,39は、第1の実施の形態に適用することができ、さらに、前記付勢手段を備えていない切換弁に対しても適用することができる。
【0037】
図10は、この発明の第3の実施の形態の要部を示す説明図である。この実施の形態は、前記第1の実施の形態及び第2の実施の形態と比べて付勢手段及び位置保持手段の形態が異なる。第1と第2の実施の形態では、付勢手段及び位置保持手段について磁石を用いたが、この第3の実施の形態では弾性部材40を用いている。
【0038】
この付勢手段は、本体部20に取り付けられた弾性部材40と、スプール21に設けられたカム部41とを有している。弾性部材40は圧縮コイルバネであり、本体部20に形成した孔46に設けられ、弾性部材40のスプール21側の一端部側にはスプール21に当接する当接子(ボール)42が取り付けられている。弾性部材40の他端部側にはネジ部材47が設けられており、ネジ部材47を進退させることで弾性部材40のスプール21に付与する弾性力の強弱の調整が可能となる。カム部41は、スプール21の端部から突出した軸部21dのうち当接子42が当接する部分であり、山部41aと、この山部41aの軸方向両側にある二つの谷部41b,41cとを有している。山部41aの頂部から谷部41b,41cへのそれぞれは、軸線に対してまっすぐに傾斜した斜面41d,41eが連続している。したがって、この斜面41d,41eの一方に対して当接子42が弾性部材40による弾性力を有して当接すると、カム部41においてスプール21の軸線方向の力が作用する。
【0039】
そして、スプール21が第1位置と第2位置との間の途中位置にある状態で、当接子42がカム部41の斜面41d,41e又は山部41aの頂部に当接する配置としている。したがって、スプール21が途中位置にある状態で、弾性部材40の弾性力が、当接子42を介してスプール21を軸線方向に移動させる付勢力として作用し、この力により、第1位置と第2位置との間の途中位置にあるスプール21を、第1位置又は第2位置へ強制的に移動させることができる。これにより、スプール21が途中位置に止まってしまい、エア供給源9からエアセル18,19への給気が行えなくなることを防止できる。
【0040】
また、この実施の形態における位置保持手段は、前記弾性部材40によって弾性的にスプール21に押圧させた前記当接子42と、前記一対の谷部(凹部)41b,41cとしている。谷部41b,41cのそれぞれは当接子42と係脱可能であり、当接子42が谷部41b,41cのうちの一方に嵌ることで、スプール21の移動を規制できる。そして、スプール21が第1位置にある状態(図10)で、当接子42は一方の谷部41bと係合し、スプール21は所定の第1位置に位置保持される。また、スプール21が第2位置にある状態(図示せず)で、当接子42は他方の谷部41cと係合し、スプール21は所定の第2位置に位置保持される。なお、当接子42が弾性部材40の弾性力に抗して退避し谷部41b,41cから離脱状態となって、当接子42が山部41aを越えることで、前記駆動機構部によって、スプール21の位置の切換えを行うことができる。
【0041】
以上の各実施の形態のエアマッサージ機によれば、対をなす第1エアセルと第2エアセルへの給気・排気を自励的に交互に切換えて行うことができ、第1エアセルと第2エアセルとによって交互にマッサージ動作ができる。また、第1エアセル18と繋がる第2パイロット空気室23と、第2エアセル19と繋がる第1パイロット空気室22との差圧を、スプール21を第1位置と第2位置とに切換える動力源として用いることができるため、スプール21を移動させるために電気制御による別の動力源を省略でき、エアマッサージ機の構成の簡素化が図れる。さらに、付勢手段が、第1位置と第2位置との間の途中位置にあるスプール21を、第1位置又は第2位置へ強制的に移動させるため、スプール21が第1位置と第2位置との間の位置に止まってしまうことを防止できる。これにより、第1エアセル、第2エアセルに対してエア供給源9側からの圧縮エアを供給できなくなることを防止できる。さらに、位置保持手段により、スプール21を第1位置に維持させて、第1エアセル18への給気を確実に行わせることができ、また、スプール21を第2位置に維持させて、第2エアセル19への給気を確実に行わせることができる。
【0042】
そして、このエアマッサージ機によれば、図1と図2において、左右で一組のエアセル(4a,4b)(5a,5b)(6a,6b)(7a,7b)(8a,8b)において、左右それぞれを交互に動作させることができる。なお、前記各実施の形態では、左右で一組のエアアクチュエータをマッサージ用のエアセルとして説明したが、この発明において、エアアクチュエータはエアセル以外にエアシリンダ(図示せず)などであってもよく、また、左右で一組の第1エアアクチュエータと第2エアアクチュエータは、少なくとも一方がマッサージのための動作部であればよい。例えば、図11(a)に示しているように、第1エアアクチュエータ18を前記各実施の形態で説明したマッサージ用エアセルとし、第2エアアクチュエータ19をマッサージ用としては使用しないエア容器48としている。この場合、エア容器48を、駆動機構部を機能させるため、すなわち第1パイロット空気室22の加圧のために用いられるものとしている。
【0043】
また、マッサージ用のエアアクチュエータ18,19の形態としては、図11(b)に示しているように、エアアクチュエータ18,19のそれぞれが、エアの給排で膨縮する一つのエアセル45と、このエアセル45の先端に取り付けられ使用者の身体を押圧する樹脂製やゴム製などの施療子46とすることができる。この場合、前記切換弁10を用いることで、一対のエアセル45,45を交互に膨張させることで交互に進退させ、使用者の身体に対して左右交互に押圧するマッサージが可能となる。この場合のエアアクチュエータ18,19は背もたれ部3に設けるのが好ましく、使用者の肩、背中、腰に対してエアアクチュエータ18,19の動作周期を速くして叩きマッサージが可能となり、動作周期を遅くして指圧マッサージが可能となる。また、マッサージ用のエアアクチュエータ18,19の形態として、図1に示しているように、面状のエアセル(4a,4b)(5a,5b)(6a,6b)であってもよい。
【0044】
また、図3及び図6に示したエアセル18,19によれば、使用者の身体の一部に対して挟み揉み(掴み揉み)のマッサージが可能となる。この場合のエアセル18,19は、フットレスト2及び肘掛け部43に設けるのが好ましく、使用者の脚及び腕に対して左右交互に挟む、挟み揉みマッサージ(掴み揉みマッサージ)が可能となる。そして、肘掛け部43においては、左腕と右腕とが交互にマッサージされることから、一方の腕がマッサージされている際には、他方の腕は動かすことのできる自由状態となり、また、他方の腕がマッサージされている際には、一方の腕は動かすことのできる自由状態とできる。なおこの挟み揉みマッサージを行う場合において、図3及び図6のように対向する二つのエアセル18a,18bによる構成以外に、図示しないが、一つのエアセルから構成できる。すなわち、一つのエアセルと固定状の当接部材との間に使用者の身体の一部を存在させ、このエアセルを膨縮させることで、身体の一部に対して前記当接部材との間で挟み揉みマッサージができる。
【0045】
また、本発明のエアマッサージ機は、図示する形態に限らずこの発明の範囲内において他の形態のものであっても良い。また、図1において、座部1、フットレスト2、背もたれ部3には他のマッサージ手段をさらに設けてもよく、そのマッサージ手段としては、エアの給排により膨縮するエアセルや、モータなどによって動作する施療子、バイブレータ等とでき、適宜配置できる。具体的には、図1において、背もたれ部3に、モータなどによって動作する施療子(揉み玉)35を備えたマッサージ手段が設けられている。このマッサージ手段は背もたれ部3を上下昇降移動できる。また、座部1においても、前記背もたれ部3に設けたものと同様のマッサージ手段(図3のエアセル18,19と切換弁10)を設けてもよく、座部1において左右交互にマッサージ動作する構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】この発明のエアマッサージ機の実施の一形態を示す斜視図である。
【図2】この発明のエアマッサージ機の概略の回路図である。
【図3】この発明の第1の実施の形態の要部を示す説明図であり、スプールが第1位置にある状態を示す。
【図4】この発明の第1の実施の形態の要部を示す説明図であり、スプールが第2位置にある状態を示す。
【図5】この発明の第1の実施の形態の要部を示す説明図であり、スプールが第1位置と第2位置との間の途中位置にある状態を示す。
【図6】この発明の第2の実施の形態の要部を示す説明図であり、スプールが第1位置にある状態を示す。
【図7】この発明の第2の実施の形態の要部を示す説明図であり、スプールが第2位置にある状態を示す。
【図8】この発明の第2の実施の形態の要部を示す説明図であり、スプールが第1位置と第2位置との間の途中位置にある状態を示す。
【図9】エアマッサージ機が備えている流量調整弁の機能を説明する説明図である。
【図10】この発明の第3の実施の形態の要部を示す説明図である。
【図11】エアアクチュエータの変形例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0047】
9 エア供給源
10,11,12,13,14 切換弁
18 第1エアセル(第1エアアクチュエータ)
19 第2エアセル(第2エアアクチュエータ)
20 本体部
21 スプール
22 第1パイロット空気室
23 第2パイロット空気室
24 第1流路
25 第2流路
26 第1磁石
27 第2磁石
28 第1磁石
29 第2磁石
31 第1吐出ポート
32 第2吐出ポート
33 供給ポート
15,38,39 可変式絞り弁(可変式絞り部)
40 弾性部材
41 カム部
41b,41c 谷部(凹部)
42 当接子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エア供給源と、少なくとも一方がマッサージのための動作部である第1エアアクチュエータと第2エアアクチュエータと、前記第1エアアクチュエータと前記第2エアアクチュエータとのいずれか一方へ前記エア供給源からのエアを切換えて供給する切換弁と、を備え、
前記切換弁は、
本体部と、
この本体部内に設けられ前記第1エアアクチュエータへ給気を行わせる第1位置と前記第2エアアクチュエータへ給気を行わせる第2位置とに移動自在のスプールと、
前記第1エアアクチュエータ側と前記第2エアアクチュエータ側との差圧を利用して前記スプールを前記第1位置と前記第2位置とに切換える駆動機構部と、
前記第1位置と前記第2位置との間の位置にある前記スプールを付勢して当該第1位置又は当該第2位置へ移動させる付勢手段と、
を有していることを特徴とするエアマッサージ機。
【請求項2】
前記付勢手段は、前記スプールに取り付けられた第1磁石と、前記本体部に取り付けられ前記第1位置と前記第2位置との間の位置にある前記スプールに取り付けられた前記第1磁石との間で斥力を生じさせる第2磁石とを有している請求項1に記載のエアマッサージ機。
【請求項3】
前記切換弁は、前記スプールを前記第1位置又は前記第2位置に維持させる位置保持手段を備え、
この位置保持手段は、前記第1磁石と前記第2磁石とによる磁力を用いたものであり、前記駆動機構部は前記磁力に抗して前記スプールの移動を可能としている請求項2に記載のエアマッサージ機。
【請求項4】
前記付勢手段は、前記本体部に取り付けられ前記スプールに弾性力を付与する弾性部材と、前記スプールに設けられ前記第1位置と前記第2位置との間の位置にある前記スプールに対して前記弾性部材の弾性力を当該スプールの移動方向の付勢力とするカム部と、を有している請求項1に記載のエアマッサージ機。
【請求項5】
前記切換弁は、前記スプールを前記第1位置又は前記第2位置に維持させる位置保持手段を備え、
この位置保持手段は、前記弾性部材によって弾性的に前記スプールに押圧させた当接子と、前記スプールに設けられ前記当接子と係脱可能な一対の凹部と、を有し、前記当接子と前記凹部とが係合状態で当該スプールの移動を規制し、前記弾性部材に抗して前記当接子が退避し前記凹部と離脱状態となって前記スプールは移動可能となる請求項4に記載のエアマッサージ機。
【請求項6】
前記切換弁は、前記スプールを前記第1位置又は前記第2位置に維持させる位置保持手段を備えている請求項1,2,4のいずれか一項に記載のエアマッサージ機。
【請求項7】
前記駆動機構部は、前記スプールの軸方向一端部側の第1パイロット空気室と、軸方向他端部側の第2パイロット空気室と、前記第2エアアクチュエータと前記第1パイロット空気室とを連通させた第1流路と、前記第1エアアクチュエータと前記第2パイロット空気室とを連通させた第2流路と、を有し、
前記第1エアアクチュエータの加圧と共に前記第2パイロット空気室が加圧されて前記スプールを前記第1パイロット空気室側へ押し、前記第2エアアクチュエータの加圧と共に前記第1パイロット空気室が加圧されて前記スプールを前記第2パイロット空気室側へ押すことで、前記スプールを前記第1位置と前記第2位置とに切換える請求項1〜6のいずれか一項に記載のエアマッサージ機。
【請求項8】
前記第1流路と前記第2流路との少なくとも一方に、流路を絞る可変式絞り部が設けられている請求項7に記載のエアマッサージ機。
【請求項9】
第1吐出ポート、第2吐出ポート、及び供給ポートを有している本体部と、
この本体部内に設けられ、前記供給ポートからのエアを前記第1吐出ポートより吐出させる第1位置と、前記供給ポートからのエアを前記第2吐出ポートより吐出させる第2位置とに移動自在のスプールと、
前記第1吐出ポート側と前記第2吐出ポート側との差圧を利用して前記スプールを前記第1位置と前記第2位置とに切換える駆動機構部と、
前記第1位置と前記第2位置との間の位置にある前記スプールを付勢して当該第1位置又は当該第2位置へ移動させる付勢手段と、
を有していることを特徴とする切換弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−22947(P2008−22947A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−196535(P2006−196535)
【出願日】平成18年7月19日(2006.7.19)
【出願人】(000112406)ファミリー株式会社 (175)
【Fターム(参考)】