切断精度を高め得るリボン
【課題】切断精度を高めるために感熱昇華プリンタに適合されるリボンを提供する。
【解決手段】リボンは、少なくとも１つの染料領域と、少なくとも１つの分離領域と、少なくとも１つの認識染料領域とを含む。染料領域の各々は、複数の染料ゾーンを含む。分離領域は、異なる染料領域を分離するために、染料領域の側に形成される。認識染料領域は、分離領域上に或いは対応する染料領域によって覆われる範囲内に形成される。印刷媒体の上に相応して画像地域及び認識マークを形成するよう、感熱昇華プリンタの感熱プリントヘッドが、リボンの染料領域及び認識染料領域を印刷媒体の上に転写する。感熱昇華プリンタのセンサが認識マークを感知するとき、印刷媒体を切断するために、感熱昇華プリンタの切断機構が使用される。
【解決手段】リボンは、少なくとも１つの染料領域と、少なくとも１つの分離領域と、少なくとも１つの認識染料領域とを含む。染料領域の各々は、複数の染料ゾーンを含む。分離領域は、異なる染料領域を分離するために、染料領域の側に形成される。認識染料領域は、分離領域上に或いは対応する染料領域によって覆われる範囲内に形成される。印刷媒体の上に相応して画像地域及び認識マークを形成するよう、感熱昇華プリンタの感熱プリントヘッドが、リボンの染料領域及び認識染料領域を印刷媒体の上に転写する。感熱昇華プリンタのセンサが認識マークを感知するとき、印刷媒体を切断するために、感熱昇華プリンタの切断機構が使用される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明はリボンに関し、より具体的には、切断精度を高めるために感熱昇華プリンタに適合されるリボンに関する。
【背景技術】
【０００２】
両面印刷機能を備える従来的な感熱昇華プリンタは、印刷媒体を感熱プリントヘッドが配置される位置に移動するために、ゴムローラを備える供給機構を駆動するモータを利用する。然る後、感熱プリントヘッドは、リボン上の染料を印刷媒体上に転写する。染料転写の完了後、モータは切断機構が配置される位置に印刷媒体を移動するために供給機構を駆動し続ける。印刷済み画像を備える印刷媒体の長さを物理的画像の長さと同じにするよう、切断機構は印刷媒体を切断するために使用される。結果的に、使用者が前記切断印刷媒体を取るのは容易且つ便宜である。
【０００３】
印刷媒体を切断するための長さを計算するための従来的な方法は、ステップモータの移動ステップを、ゴムローラの半径と共に、伝達系のギア比に従って印刷媒体が移動される長さに変換することである。結果的に、感熱昇華プリンタは、印刷媒体を物理的な画像の長さに合致させるよう、印刷媒体が移動された長さに従って印刷媒体を切断するために、切断機構を制御し得る。しかしながら、ゴムローラと印刷媒体との間のスリップ（滑り）及びステップモータの異常な機能性の両方が、印刷媒体が移動された長さを計算する誤りを引き起こす。結果的に、印刷済み画像を備える印刷媒体の長さは、物理的な画像の長さと合致しない。
【０００４】
更に、ゴムローラと印刷媒体との間のスリップの問題を解決する従来的な解決策は、印刷媒体を保持するためにステップモータによって駆動される棘を備える金属ローラを使用することである。ローラ上の棘によって穿孔される印刷媒体を用いるならば、印刷媒体とローラとの間の運動は、滑りを伴わない純粋な回転であるという結果がもたらされる。しかしながら、そのような種類の設計は、印刷媒体の表面を破損し、印刷の品質に影響を与え、両面印刷のためには一層悪い。従って、良好な品質の印刷を伴う、印刷媒体を精密に切断し得る印刷機構のための設計は、プリンタ業界において重要な問題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
本発明は、切断精度を高めるために感熱昇華プリンタに適合されるリボンを提供する。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
請求される発明によれば、本発明は、感熱昇華プリンタに適合されるリボンを提供する。感熱昇華プリンタは、感熱プリントヘッドと、センサと、切断機構とを含む。リボンは、複数の染料ゾーンを含む少なくとも１つの染料領域と、異なる染料領域を分離するために、少なくとも１つの染料領域の側に形成される少なくとも１つの分離領域と、少なくとも１つの分離領域上に形成される或いは対応する少なくとも１つの染料領域によって覆われる範囲内に形成される少なくとも１つの認識染料領域とを含む。感熱昇華プリンタの感熱プリントヘッドは、印刷媒体上に画像地域及び認識マークを相応して形成するよう、リボンの少なくとも１つの染料領域及び少なくとも１つの認識染料領域を印刷媒体上に転写し、感熱昇華プリンタの切断機構は、感熱昇華プリンタのセンサが認識マークを感知するとき、印刷媒体を切断する。
【０００７】
請求される発明によれば、少なくとも１つの認識染料領域は、赤外線を吸収し得る暗色染料から成る。
【０００８】
請求される発明によれば、暗色染料は、Ｋ樹脂材料から成る。
【０００９】
請求される発明によれば、少なくとも１つの認識染料領域は、複数の染料ゾーンのうちの２つの染料ゾーンの間に形成される。
【００１０】
請求される発明によれば、複数の染料ゾーンは、イエロー染料ゾーン、マジェンタ染料ゾーン、シアン染料ゾーン、及び、保護被膜ゾーンを含む。
【００１１】
請求される発明によれば、少なくとも１つの染料領域は、複数の染料ゾーンの中に形成される少なくとも１つのリボン認識ゾーンを含む。
【００１２】
要約すると、印刷媒体の上に画像領域及び認識マークを相応して形成するよう、感熱昇華プリンタの感熱プリントヘッドによって、本発明の染料領域及び認識染料領域を印刷媒体上に転写し得る。然る後、感熱プリントヘッドの切断機構は、感熱昇華プリンタが認識マークを感知するとき、印刷媒体を切断し得る。そのようにして、前述の機構に基づき、本発明の切断機構によって切断される印刷媒体の長さは、印刷媒体上の画像領域の長さと全く同じであり得る。換言すると、従来技術におけるステップモータの移動ステップをゴムローラの半径と共に伝達系のギア比に従って印刷媒体が移動される長さに変換することの代わりに、本発明は、印刷媒体を切断する切断機構を制御するために、センサが印刷媒体上認識マークを感知するか否かを利用する。結果的に、本発明はゴムローラと印刷媒体との間のスリップの問題及びステップモータの異常な機能性の問題を回避する。結果的に、本発明は、印刷媒体の表面の破損を避けるために、印刷媒体の保持及び運搬のためにゴムローラを利用し得る。そのようにして、本発明のリボンは、感熱昇華プリンタの切断精度を高め、且つ、印刷品質も維持し得る。
【００１３】
本発明のこれらの及び他の目的は、様々な図及び図面に例証される好適実施態様の以下の詳細な記載を判読した後、当業者に疑いなく明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明の好適実施態様に従った感熱昇華プリンタに適合されるリボンを機能的に示すブロック図である。
【図２】本発明の好適実施態様に従った切断機構を示す概略図である。
【図３】本発明の好適実施態様に従ったリボンの一部を示す概略図である。
【図４】印刷側の印刷媒体の一部を示す概略図である。
【図５】本発明の他の実施態様に従ったリボンの一部を示す概略図である。
【図６】本発明の他の実施態様に従ったリボンの一部を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
図１を参照。図１は、本発明の好適実施態様に従った感熱昇華プリンタ３０に適合されるリボン３４を例証する機能的なブロック図である。図１に示されるように、感熱昇華プリンタ３０は、供給機構３２と、感熱プリントヘッド３６と、センサ３８と、切断機構４０と、制御装置４２とを含む。供給機構３２は、１枚の紙のような印刷媒体４４を移動するために使用され、感熱プリントヘッド３６は、リボン３４上の染料を印刷媒体３４上に転写するために使用される。この実施態様において、供給機構３２は、好ましくは、印刷品質を維持するよう、印刷媒体４４の表面を破損するのを防止するために、ゴムローラ伝達系であり得る。
【００１６】
図１乃至４を参照。図２は、本発明の好適実施態様に従った切断機構４０の概略図である。図３は、本発明の好適実施態様に従ったリボン３４の部分的な概略図である。図４は、印刷側にある印刷媒体４４の部分的な概略図である。図１乃至４に示されるように、感熱プリントヘッド３６は、相応して印刷媒体４４の上に画像領域４４１を形成するよう、少なくとも１つの染料領域３４１を印刷媒体４４の上に転写するために使用される。加えて、染料領域３４１の各々は、図４に示される４つの染料ゾーン３４１１のような、複数の染料ゾーン３４１１を含み得る。実際的な用途において、複数の染料ゾーン３４１１は、イエロー染料ゾーン３４１１ａ、マジェンタ染料ゾーン３４１１ｂ、シアン染料ゾーン３４１１ｃ、及び、保護被膜ゾーン３４１１ｄを含み得る。前述の複数の染料ゾーン３４１１、並びに、画像領域４４１上に転写される染料を保護するための画像領域４４１上の対応する保護層を、個別に或いは集合的に使用することによって、感熱転写式に画像領域４４１を形成し得る。
【００１７】
更に、リボン３４は、少なくとも１つの認識領域３４３と、少なくとも１つの分離領域３４５とを更に含む。分離領域３４５は、異なる染料領域３４１を分離するために、染料領域３４１の側に形成される。再び図３を参照。図３に示されるように、認識領域３４３は、分離領域３４５の上に形成される。換言すると、この実施態様では、分離領域３４５は２つの隣接する染料領域３４１の間に配置されるので、認識領域３４３も２つの隣接する染料領域３４１の間に形成される。リボン３４上での認識領域３４３の配置は、前述の実施態様において既述されたものに限定されないことが留意されるべきである。例えば、図５を参照。図５は、本発明の他の実施態様に従ったリボン３４’の部分的な概略図である。図３及び図５に示されるように、リボン３４’と前述のリボン３４との間の主な相違は、図５に示されるような認識領域３４３が複数の染料ゾーン３４１１のうちの１つの上に形成されることである。例えば、図５に示されるように、認識領域３４３をマジェンタ染料ゾーン３４１１ｂの上に形成し得る。他方、図６を参照。図６は、本発明の他の実施態様に従ったリボン３４”の部分的な概略図である。図３及び図６に示されるように、リボン３４”と前述のリボン３４との間の主な相違は、図６に示されるような認識領域３４３が２つの染料ゾーン３４１１ａ，３４１１ｂ，３４１１ｃ，３４１１ｄの間に形成されることである。換言すると、認識領域３４３を分離領域３４５上に形成し得るし、或いは、対応する染料領域３４１によって覆われた範囲内に形成し得る。上述の認識領域３４３のいずれの設計が採用されるかは、実際上の要求に依存する。
【００１８】
実際的な用途では、赤外線を吸収し得る暗色染料で認識領域３４３を作製し得る。例えば、暗色染料をＫ樹脂材料(K-resin material)から作製し得る。更に、感熱プリントヘッド３６は、認識マーク４４３を形成するよう、リボン３４上の認識領域３４３を印刷媒体４４上に移転し得る。画像領域４４１は、第一距離Ｘ１だけ認識マークから離れている。加えて、本発明の感熱昇華プリンタ３０のセンサは、印刷媒体４４上の認識マーク４４３を感知するために使用され、切断機構４０は、印刷媒体４４を切断するために使用される。センサ３８は、距離Ｘ２だけ切断機構４０から離れている。実際的な用途において、センサ３８は、好ましくは、赤外線センサであり得るし、第一距離Ｘ１は、第二距離Ｘ２と実質的に等しくあり得る。
【００１９】
加えて、印刷及び切断のために感熱昇華プリンタ３０を利用するときの紙詰まりを避けるために、感熱昇華プリンタ３０は、切断機個４０から離れるよう印刷媒体４４を駆動するための排紙機構４６を更に含み得る。実際的な用途において、排紙機構は、好ましくは、ゴムローラ伝達機構であり得る。
【００２０】
印刷媒体４４の切断に関して、制御装置４２は、センサ３８が印刷媒体４４上の認識マーク４４３を感知するときに印刷媒体４４を切断するよう切断機構４０を制御する。同時に、切断済み印刷媒体４４は、切断機構４０から離れるよう排紙機構４６によって駆動される。画像領域４４１と認識マーク４４３との間の第一距離Ｘ１は、センサ３８と切断機構４０との間の第二距離Ｘ２と実質的に等しいので、センサ３８が印刷媒体４４上の認識領域３４３を感知するとき、切断機構４０のための切断位置は、画像領域４４１の端で正しい。そのようにして、印刷媒体４４を切断するための切断精度を高めるために、切断済み印刷媒体４４の長さは、印刷媒体４４上の画像領域４４１の長さと精密に等しい。
【００２１】
従来技術と比較すると、相応して印刷媒体上に画像領域及び認識マークを形成するよう、感熱昇華プリンタの感熱プリントヘッドによって、本発明のリボンの染料領域及び認識染料領域を印刷媒体上に転写し得る。然る後、感熱昇華プリンタが認識マークを感知するとき、感熱昇華プリンタの切断機構は、印刷媒体を切断し得る。そのようにして、前述の機構に基づき、本発明の切断機構によって切断される印刷媒体の長さは、印刷媒体上の画像領域の長さと全く同じであり得る。換言すると、従来技術におけるステップモータの移動ステップをゴムローラの半径と共に伝達系のギア比に従って印刷媒体が移動される長さに変換することの代わりに、本発明は、印刷媒体を切断する切断機構を制御するために、センサが印刷媒体上に認識マークを感知するか否かを利用する。結果的に、本発明は、ゴムローラと印刷媒体との間のスリップの問題及びステップモータの異常な機能性の問題を回避し得る。結果的に、本発明は、印刷媒体の表面を破損するのを回避するために、印刷媒体を保持し且つ運搬するためにゴムローラを利用し得る。そのようにして、本発明のリボンは、感熱昇華プリンタの切断精度を高め、印刷品質も維持し得る。
【００２２】
当業者は、本発明の教示を保持しながら、装置及び方法の数多くの変形及び変更を行い得ることを直ちに観察するであろう。
【符号の説明】
【００２３】
３０ 感熱昇華プリンタ (thermal sublimation printer)
３２ 供給機構 (feeding mechanism)
３４ リボン (ribbon)
３４’ リボン (ribbon)
３４” リボン (ribbon)
３６ 感熱プリントヘッド (thermal print head)
３８ センサ (sensor)
４０ 切断機構 (cutting mechanism)
４２ 制御装置 (control unit)
４４ 印刷媒体 (print medium)
４６ 排紙機構 (paper ejecting mechanism)
３４１ 染料領域 (dye region)
３４１１ 染料ゾーン (dye zone)
３４１１ａ イエロー染料ゾーン (yellow dye zone)
３４１１ｂ マジェンタ染料ゾーン (magenta dye zone)
３４１１ｃ シアン染料ゾーン (cyan dye zone)
３４１１ｄ 保護被膜ゾーン (overcoating zone)
３４３ 認識領域 (recognition region)
３４５ 分離領域 (separating region)
４４１ 画像領域 (image region)
Ｘ１ 第一距離 (first distance)
Ｘ２ 第二距離 (second distance)
【技術分野】
【０００１】
本発明はリボンに関し、より具体的には、切断精度を高めるために感熱昇華プリンタに適合されるリボンに関する。
【背景技術】
【０００２】
両面印刷機能を備える従来的な感熱昇華プリンタは、印刷媒体を感熱プリントヘッドが配置される位置に移動するために、ゴムローラを備える供給機構を駆動するモータを利用する。然る後、感熱プリントヘッドは、リボン上の染料を印刷媒体上に転写する。染料転写の完了後、モータは切断機構が配置される位置に印刷媒体を移動するために供給機構を駆動し続ける。印刷済み画像を備える印刷媒体の長さを物理的画像の長さと同じにするよう、切断機構は印刷媒体を切断するために使用される。結果的に、使用者が前記切断印刷媒体を取るのは容易且つ便宜である。
【０００３】
印刷媒体を切断するための長さを計算するための従来的な方法は、ステップモータの移動ステップを、ゴムローラの半径と共に、伝達系のギア比に従って印刷媒体が移動される長さに変換することである。結果的に、感熱昇華プリンタは、印刷媒体を物理的な画像の長さに合致させるよう、印刷媒体が移動された長さに従って印刷媒体を切断するために、切断機構を制御し得る。しかしながら、ゴムローラと印刷媒体との間のスリップ（滑り）及びステップモータの異常な機能性の両方が、印刷媒体が移動された長さを計算する誤りを引き起こす。結果的に、印刷済み画像を備える印刷媒体の長さは、物理的な画像の長さと合致しない。
【０００４】
更に、ゴムローラと印刷媒体との間のスリップの問題を解決する従来的な解決策は、印刷媒体を保持するためにステップモータによって駆動される棘を備える金属ローラを使用することである。ローラ上の棘によって穿孔される印刷媒体を用いるならば、印刷媒体とローラとの間の運動は、滑りを伴わない純粋な回転であるという結果がもたらされる。しかしながら、そのような種類の設計は、印刷媒体の表面を破損し、印刷の品質に影響を与え、両面印刷のためには一層悪い。従って、良好な品質の印刷を伴う、印刷媒体を精密に切断し得る印刷機構のための設計は、プリンタ業界において重要な問題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
本発明は、切断精度を高めるために感熱昇華プリンタに適合されるリボンを提供する。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
請求される発明によれば、本発明は、感熱昇華プリンタに適合されるリボンを提供する。感熱昇華プリンタは、感熱プリントヘッドと、センサと、切断機構とを含む。リボンは、複数の染料ゾーンを含む少なくとも１つの染料領域と、異なる染料領域を分離するために、少なくとも１つの染料領域の側に形成される少なくとも１つの分離領域と、少なくとも１つの分離領域上に形成される或いは対応する少なくとも１つの染料領域によって覆われる範囲内に形成される少なくとも１つの認識染料領域とを含む。感熱昇華プリンタの感熱プリントヘッドは、印刷媒体上に画像地域及び認識マークを相応して形成するよう、リボンの少なくとも１つの染料領域及び少なくとも１つの認識染料領域を印刷媒体上に転写し、感熱昇華プリンタの切断機構は、感熱昇華プリンタのセンサが認識マークを感知するとき、印刷媒体を切断する。
【０００７】
請求される発明によれば、少なくとも１つの認識染料領域は、赤外線を吸収し得る暗色染料から成る。
【０００８】
請求される発明によれば、暗色染料は、Ｋ樹脂材料から成る。
【０００９】
請求される発明によれば、少なくとも１つの認識染料領域は、複数の染料ゾーンのうちの２つの染料ゾーンの間に形成される。
【００１０】
請求される発明によれば、複数の染料ゾーンは、イエロー染料ゾーン、マジェンタ染料ゾーン、シアン染料ゾーン、及び、保護被膜ゾーンを含む。
【００１１】
請求される発明によれば、少なくとも１つの染料領域は、複数の染料ゾーンの中に形成される少なくとも１つのリボン認識ゾーンを含む。
【００１２】
要約すると、印刷媒体の上に画像領域及び認識マークを相応して形成するよう、感熱昇華プリンタの感熱プリントヘッドによって、本発明の染料領域及び認識染料領域を印刷媒体上に転写し得る。然る後、感熱プリントヘッドの切断機構は、感熱昇華プリンタが認識マークを感知するとき、印刷媒体を切断し得る。そのようにして、前述の機構に基づき、本発明の切断機構によって切断される印刷媒体の長さは、印刷媒体上の画像領域の長さと全く同じであり得る。換言すると、従来技術におけるステップモータの移動ステップをゴムローラの半径と共に伝達系のギア比に従って印刷媒体が移動される長さに変換することの代わりに、本発明は、印刷媒体を切断する切断機構を制御するために、センサが印刷媒体上認識マークを感知するか否かを利用する。結果的に、本発明はゴムローラと印刷媒体との間のスリップの問題及びステップモータの異常な機能性の問題を回避する。結果的に、本発明は、印刷媒体の表面の破損を避けるために、印刷媒体の保持及び運搬のためにゴムローラを利用し得る。そのようにして、本発明のリボンは、感熱昇華プリンタの切断精度を高め、且つ、印刷品質も維持し得る。
【００１３】
本発明のこれらの及び他の目的は、様々な図及び図面に例証される好適実施態様の以下の詳細な記載を判読した後、当業者に疑いなく明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明の好適実施態様に従った感熱昇華プリンタに適合されるリボンを機能的に示すブロック図である。
【図２】本発明の好適実施態様に従った切断機構を示す概略図である。
【図３】本発明の好適実施態様に従ったリボンの一部を示す概略図である。
【図４】印刷側の印刷媒体の一部を示す概略図である。
【図５】本発明の他の実施態様に従ったリボンの一部を示す概略図である。
【図６】本発明の他の実施態様に従ったリボンの一部を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
図１を参照。図１は、本発明の好適実施態様に従った感熱昇華プリンタ３０に適合されるリボン３４を例証する機能的なブロック図である。図１に示されるように、感熱昇華プリンタ３０は、供給機構３２と、感熱プリントヘッド３６と、センサ３８と、切断機構４０と、制御装置４２とを含む。供給機構３２は、１枚の紙のような印刷媒体４４を移動するために使用され、感熱プリントヘッド３６は、リボン３４上の染料を印刷媒体３４上に転写するために使用される。この実施態様において、供給機構３２は、好ましくは、印刷品質を維持するよう、印刷媒体４４の表面を破損するのを防止するために、ゴムローラ伝達系であり得る。
【００１６】
図１乃至４を参照。図２は、本発明の好適実施態様に従った切断機構４０の概略図である。図３は、本発明の好適実施態様に従ったリボン３４の部分的な概略図である。図４は、印刷側にある印刷媒体４４の部分的な概略図である。図１乃至４に示されるように、感熱プリントヘッド３６は、相応して印刷媒体４４の上に画像領域４４１を形成するよう、少なくとも１つの染料領域３４１を印刷媒体４４の上に転写するために使用される。加えて、染料領域３４１の各々は、図４に示される４つの染料ゾーン３４１１のような、複数の染料ゾーン３４１１を含み得る。実際的な用途において、複数の染料ゾーン３４１１は、イエロー染料ゾーン３４１１ａ、マジェンタ染料ゾーン３４１１ｂ、シアン染料ゾーン３４１１ｃ、及び、保護被膜ゾーン３４１１ｄを含み得る。前述の複数の染料ゾーン３４１１、並びに、画像領域４４１上に転写される染料を保護するための画像領域４４１上の対応する保護層を、個別に或いは集合的に使用することによって、感熱転写式に画像領域４４１を形成し得る。
【００１７】
更に、リボン３４は、少なくとも１つの認識領域３４３と、少なくとも１つの分離領域３４５とを更に含む。分離領域３４５は、異なる染料領域３４１を分離するために、染料領域３４１の側に形成される。再び図３を参照。図３に示されるように、認識領域３４３は、分離領域３４５の上に形成される。換言すると、この実施態様では、分離領域３４５は２つの隣接する染料領域３４１の間に配置されるので、認識領域３４３も２つの隣接する染料領域３４１の間に形成される。リボン３４上での認識領域３４３の配置は、前述の実施態様において既述されたものに限定されないことが留意されるべきである。例えば、図５を参照。図５は、本発明の他の実施態様に従ったリボン３４’の部分的な概略図である。図３及び図５に示されるように、リボン３４’と前述のリボン３４との間の主な相違は、図５に示されるような認識領域３４３が複数の染料ゾーン３４１１のうちの１つの上に形成されることである。例えば、図５に示されるように、認識領域３４３をマジェンタ染料ゾーン３４１１ｂの上に形成し得る。他方、図６を参照。図６は、本発明の他の実施態様に従ったリボン３４”の部分的な概略図である。図３及び図６に示されるように、リボン３４”と前述のリボン３４との間の主な相違は、図６に示されるような認識領域３４３が２つの染料ゾーン３４１１ａ，３４１１ｂ，３４１１ｃ，３４１１ｄの間に形成されることである。換言すると、認識領域３４３を分離領域３４５上に形成し得るし、或いは、対応する染料領域３４１によって覆われた範囲内に形成し得る。上述の認識領域３４３のいずれの設計が採用されるかは、実際上の要求に依存する。
【００１８】
実際的な用途では、赤外線を吸収し得る暗色染料で認識領域３４３を作製し得る。例えば、暗色染料をＫ樹脂材料(K-resin material)から作製し得る。更に、感熱プリントヘッド３６は、認識マーク４４３を形成するよう、リボン３４上の認識領域３４３を印刷媒体４４上に移転し得る。画像領域４４１は、第一距離Ｘ１だけ認識マークから離れている。加えて、本発明の感熱昇華プリンタ３０のセンサは、印刷媒体４４上の認識マーク４４３を感知するために使用され、切断機構４０は、印刷媒体４４を切断するために使用される。センサ３８は、距離Ｘ２だけ切断機構４０から離れている。実際的な用途において、センサ３８は、好ましくは、赤外線センサであり得るし、第一距離Ｘ１は、第二距離Ｘ２と実質的に等しくあり得る。
【００１９】
加えて、印刷及び切断のために感熱昇華プリンタ３０を利用するときの紙詰まりを避けるために、感熱昇華プリンタ３０は、切断機個４０から離れるよう印刷媒体４４を駆動するための排紙機構４６を更に含み得る。実際的な用途において、排紙機構は、好ましくは、ゴムローラ伝達機構であり得る。
【００２０】
印刷媒体４４の切断に関して、制御装置４２は、センサ３８が印刷媒体４４上の認識マーク４４３を感知するときに印刷媒体４４を切断するよう切断機構４０を制御する。同時に、切断済み印刷媒体４４は、切断機構４０から離れるよう排紙機構４６によって駆動される。画像領域４４１と認識マーク４４３との間の第一距離Ｘ１は、センサ３８と切断機構４０との間の第二距離Ｘ２と実質的に等しいので、センサ３８が印刷媒体４４上の認識領域３４３を感知するとき、切断機構４０のための切断位置は、画像領域４４１の端で正しい。そのようにして、印刷媒体４４を切断するための切断精度を高めるために、切断済み印刷媒体４４の長さは、印刷媒体４４上の画像領域４４１の長さと精密に等しい。
【００２１】
従来技術と比較すると、相応して印刷媒体上に画像領域及び認識マークを形成するよう、感熱昇華プリンタの感熱プリントヘッドによって、本発明のリボンの染料領域及び認識染料領域を印刷媒体上に転写し得る。然る後、感熱昇華プリンタが認識マークを感知するとき、感熱昇華プリンタの切断機構は、印刷媒体を切断し得る。そのようにして、前述の機構に基づき、本発明の切断機構によって切断される印刷媒体の長さは、印刷媒体上の画像領域の長さと全く同じであり得る。換言すると、従来技術におけるステップモータの移動ステップをゴムローラの半径と共に伝達系のギア比に従って印刷媒体が移動される長さに変換することの代わりに、本発明は、印刷媒体を切断する切断機構を制御するために、センサが印刷媒体上に認識マークを感知するか否かを利用する。結果的に、本発明は、ゴムローラと印刷媒体との間のスリップの問題及びステップモータの異常な機能性の問題を回避し得る。結果的に、本発明は、印刷媒体の表面を破損するのを回避するために、印刷媒体を保持し且つ運搬するためにゴムローラを利用し得る。そのようにして、本発明のリボンは、感熱昇華プリンタの切断精度を高め、印刷品質も維持し得る。
【００２２】
当業者は、本発明の教示を保持しながら、装置及び方法の数多くの変形及び変更を行い得ることを直ちに観察するであろう。
【符号の説明】
【００２３】
３０ 感熱昇華プリンタ (thermal sublimation printer)
３２ 供給機構 (feeding mechanism)
３４ リボン (ribbon)
３４’ リボン (ribbon)
３４” リボン (ribbon)
３６ 感熱プリントヘッド (thermal print head)
３８ センサ (sensor)
４０ 切断機構 (cutting mechanism)
４２ 制御装置 (control unit)
４４ 印刷媒体 (print medium)
４６ 排紙機構 (paper ejecting mechanism)
３４１ 染料領域 (dye region)
３４１１ 染料ゾーン (dye zone)
３４１１ａ イエロー染料ゾーン (yellow dye zone)
３４１１ｂ マジェンタ染料ゾーン (magenta dye zone)
３４１１ｃ シアン染料ゾーン (cyan dye zone)
３４１１ｄ 保護被膜ゾーン (overcoating zone)
３４３ 認識領域 (recognition region)
３４５ 分離領域 (separating region)
４４１ 画像領域 (image region)
Ｘ１ 第一距離 (first distance)
Ｘ２ 第二距離 (second distance)
【特許請求の範囲】
【請求項１】
感熱昇華プリンタに適合されるリボンであって、
前記感熱昇華プリンタは、感熱プリントヘッドと、センサと、切断機構とを含み、
当該リボンは、
複数の染料ゾーンを含む少なくとも１つの染料領域と、
異なる染料領域を分離するために前記少なくとも１つの染料領域の側に形成される少なくとも１つの分離領域と、
前記少なくとも１つの分離領域上に形成される或いは前記対応する少なくとも１つの染料領域によって覆われる範囲内に形成される少なくとも１つの認識染料領域とを含み、
前記感熱昇華プリンタの前記感熱プリントヘッドは、印刷媒体の上に画像地域及び認識マークを相応して形成するよう、当該リボンの前記少なくとも１つの染料領域及び前記少なくとも１つの認識染料領域を前記印刷媒体の上に転写し、前記感熱昇華プリンタの前記切断機構は、前記感熱昇華プリンタの前記センサが前記認識マークを感知するとき、前記印刷媒体を切断する、
リボン
【請求項２】
前記少なくとも１つの認識染料領域は、赤外線を吸収し得る暗色染料から成る、請求項１に記載のリボン。
【請求項３】
前記暗色染料は、Ｋ樹脂材料から成る、請求項２に記載のリボン。
【請求項４】
前記少なくとも１つの認識染料領域は、前記複数の染料ゾーンの２つの染料ゾーンの間に形成される、請求項１に記載のリボン。
【請求項５】
前記複数の染料ゾーンは、イエロー染料ゾーンと、マジェンタ染料ゾーンと、シアン染料ゾーンと、保護被膜ゾーンとを含む、請求項１に記載のリボン。
【請求項６】
前記少なくとも１つの染料領域は、前記複数の染料ゾーンの中に形成される少なくとも１つのリボン認識ゾーンを含む、請求項１に記載のリボン。
【請求項１】
感熱昇華プリンタに適合されるリボンであって、
前記感熱昇華プリンタは、感熱プリントヘッドと、センサと、切断機構とを含み、
当該リボンは、
複数の染料ゾーンを含む少なくとも１つの染料領域と、
異なる染料領域を分離するために前記少なくとも１つの染料領域の側に形成される少なくとも１つの分離領域と、
前記少なくとも１つの分離領域上に形成される或いは前記対応する少なくとも１つの染料領域によって覆われる範囲内に形成される少なくとも１つの認識染料領域とを含み、
前記感熱昇華プリンタの前記感熱プリントヘッドは、印刷媒体の上に画像地域及び認識マークを相応して形成するよう、当該リボンの前記少なくとも１つの染料領域及び前記少なくとも１つの認識染料領域を前記印刷媒体の上に転写し、前記感熱昇華プリンタの前記切断機構は、前記感熱昇華プリンタの前記センサが前記認識マークを感知するとき、前記印刷媒体を切断する、
リボン
【請求項２】
前記少なくとも１つの認識染料領域は、赤外線を吸収し得る暗色染料から成る、請求項１に記載のリボン。
【請求項３】
前記暗色染料は、Ｋ樹脂材料から成る、請求項２に記載のリボン。
【請求項４】
前記少なくとも１つの認識染料領域は、前記複数の染料ゾーンの２つの染料ゾーンの間に形成される、請求項１に記載のリボン。
【請求項５】
前記複数の染料ゾーンは、イエロー染料ゾーンと、マジェンタ染料ゾーンと、シアン染料ゾーンと、保護被膜ゾーンとを含む、請求項１に記載のリボン。
【請求項６】
前記少なくとも１つの染料領域は、前記複数の染料ゾーンの中に形成される少なくとも１つのリボン認識ゾーンを含む、請求項１に記載のリボン。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２０１２−２２４０７３（Ｐ２０１２−２２４０７３Ａ）
【公開日】平成２４年１１月１５日（２０１２．１１．１５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１３９０７５（Ｐ２０１１−１３９０７５）
【出願日】平成２３年６月２３日（２０１１．６．２３）
【出願人】（５０９０３６３１１）誠研科技股▲ふん▼有限公司 (5)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年１１月１５日（２０１２．１１．１５）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年６月２３日（２０１１．６．２３）
【出願人】（５０９０３６３１１）誠研科技股▲ふん▼有限公司 (5)
【Ｆターム（参考）】
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