説明

刻印検査装置

【課題】刻印溝の両斜面に照射されたレーザー光の撮像明度を確保しつつ、前記刻印溝の底面に照射されたレーザー光を確実に撮像することができる刻印検査装置を提供する。
【解決手段】移動ステージ43に検査対象2の刻印部4を境として左側に配置される第一ラインレーザー51と、刻印部4を境として右側に配置される第二ラインレーザー52とを設ける。第一ラインレーザー51は、第一ラインレーザー光61を刻印面3に照射し、第二ラインレーザー52は、第二ラインレーザー光62を刻印面3に照射する。移動ステージ43の両ラインレーザー51,52間に検査対象2の刻印部4を真上から撮像するCCDカメラ71を設け、CCDカメラ71で刻印部4に照射された各ラインレーザー光61,62を刻印部4に正対する位置から撮像できるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刻印された文字などを検査する刻印検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金属プレートなどに刻印した刻印文字を検査する際には、図3に示すように、光切断法801が用いられており、この光切断法801では、ラインレーザー光802が照射された対象箇所803の輝線804をカメラで撮像し、その撮像画像805の輝線位置806から高さを計測する方法である(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この光切断法801を用いた刻印検査装置811では、図4にも示すように、対象箇所812の刻印813を境とする一方側に設けられたラインレーザー814と、前記刻印813を境とする他方側に設けられたCCDカメラ815とを備えており、前記ラインレーザー814からのラインレーザー光816を前記対象箇所812に照射するとともに、該対象箇所812に照射されたラインレーザー光816の輝線817を前記CCDカメラ815で撮像できるように構成されている。
【0004】
このCCDカメラ815は、撮像した撮像画像を図外の画像処理装置に出力するように構成されており、該画像処理装置では、前記CCDカメラ815からの撮像画像を画像処理することによって、当該撮像画像に含まれた輝線位置から前記対象箇所812に設けられた刻印813の深さを計測できるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−058150公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような従来の刻印検査装置811にあっては、刻印813を構成する刻印溝821の両斜面822,823に照射されたラインレーザー光816の撮像明度を十分に確保することができなかった。また、刻印溝821の底面824に照射されたラインレーザー光816を確実に撮像することができなかった。このため、前記刻印溝821の有無情報は得ることができるが、深さ情報を得るためには苦労を要した。
【0007】
具体的に説明すると、刻印813に対して斜めから照射されたラインレーザー光816は、ラインレーザー814側に位置するレーザー側刻印溝斜面822において入射角が浅い。このため、このレーザー側刻印溝斜面822で反射した前記ラインレーザー光816は、前記CCDカメラ815へ向かう反射成分が少なく、非常に暗く撮像される。
【0008】
また、前記CCDカメラ815は、刻印813に対して斜めに配置されており、このCCDカメラ815側に位置するカメラ側刻印溝斜面823で反射したラインレーザー光816は、カメラ方向の反射角度が浅い。このため、前記カメラ側刻印溝斜面823で反射した前記ラインレーザー光816は、前記CCDカメラ815へ向かう反射成分が少なく、非常に暗く撮像される。
【0009】
そして、前記CCDカメラ815が前記刻印813に対して斜めに配置されているため、前記刻印溝821の前記底面824で反射したラインレーザー光816は、前記カメラ側刻印溝斜面823で遮断され、うまく撮像できないことがあった。
【0010】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、刻印溝の両斜面に照射されたレーザー光の撮像明度を確保しつつ、前記刻印溝の底面に照射されたレーザー光を確実に撮像することができる刻印検査装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために本発明の請求項1の刻印検査装置にあっては、刻印面に刻印された刻印部を検査する刻印検査装置において、前記刻印部を境とする一方側に配置され、前記刻印部を含む前記刻印面に対して斜め方向からスリット光をライン状に照射する第一スリット光照射手段と、前記刻印部を境とする他方側に配置され、前記刻印部を含む前記刻印面に対して斜め方向からスリット光をライン状に照射する第二スリット光照射手段と、前記刻印部に照射された前記スリット光を前記刻印部に正対する位置から撮像する撮像手段と、を備えている。
【0012】
すなわち、刻印面に形成された刻印部には、当該刻印部を境とする一方側に配置された第一スリット光照射手段からのスリット光が斜め方向からライン状に照射されるとともに、前記刻印部を境とする他方側に配置された第二スリット光照射手段からのスリット光が斜め方向からライン状に照射される。そして、前記刻印部に照射された前記スリット光は、撮像手段によって前記刻印部に正対する位置から撮像される。
【0013】
このとき、前記刻印面に刻印された前記刻印部は、断面V字状の溝形状を成す。このため、この刻印溝の前記他方側に位置する斜面に前記一方側に配置された前記第一スリット光照射手段からのスリット光が斜め方向から照射された場合、当該刻印部に正対する正対方向への反射成分は、前記他方側斜め方向へ反射する反射成分と比較して多くなる。
【0014】
また、前記刻印溝の前記一方側に位置する斜面に前記他方側に配置された前記第二スリット光照射手段からのスリット光が斜め方向から照射された場合、当該刻印部に正対する前記正対方向への反射成分は、前記一方側斜め方向へ反射する反射成分と比較して多くなる。
【0015】
これにより、前記一方及び他方側に位置する前記斜面に照射されたスリット光の反射光は、前記刻印部に正対する位置から撮像する撮像手段によって高い明度で撮像される。
【0016】
一方、前記刻印溝の底面が平面を成す場合、前記一方又は他方側の斜め方向より前記底面に照射されたスリット光は、前記撮像手段によって当該刻印部に正対する位置から撮像される。このため、前記底面に照射されたスリット光を、前記一方又は他方側の斜め方向から撮像する従来のように、前記斜面に阻害されること無く、前記撮像手段によって撮像される。
【0017】
また、請求項2の刻印検査装置においては、前記刻印面に対する垂線と前記各スリット光照射手段からのスリット光との成す角度が、前記刻印部を形成する断面V字状の刻印溝の斜面と前記垂線が成す角度より小さくなるように前記各スリット光照射手段を配置した。
【0018】
すなわち、刻印面に対する垂線と各スリット光照射手段からのスリット光とが成す角度は、刻印溝の斜面と前記垂線が成す角度より小さくなるように設定されており、前記スリット光は、前記斜面によって遮断されることなく、前記刻印溝の底面に届く。
【0019】
このため、前記垂線と前記スリット光が成す角度が、前記刻印溝の斜面と前記垂線が成す角度より大きく設定されることにより前記スリット光が前記斜面に遮断され得る場合と比較して、前記スリット光を前記底面の全域に渡って照射することができる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明の請求項1の刻印検査装置にあっては、刻印部を境とする一方側及び他方側の斜面に照射されたスリット光を、前記刻印部に正対する位置から撮像する撮像手段によって高い明度で撮像することができる。
【0021】
これにより、前記刻印溝の両斜面に照射されたレーザー光の撮像明度を確保することができ、前記両斜面を明確に撮像して解析することができる。
【0022】
一方、前記一方又は他方側の斜め方向より前記刻印溝の底面に照射されたスリット光を、前記撮像手段によって当該刻印部に正対する位置から撮像することができる。
【0023】
このため、前記底面に照射されたスリット光を、前記一方又は他方側の斜め方向から撮像する従来のように、前記斜面によって阻害されること無く、前記撮像手段で撮像することができる。
【0024】
これにより、前記底面に照射されたレーザー光を漏れなく確実に撮像できるので、当該底面の状態を明確に撮像して解析することができる。
【0025】
また、請求項2の刻印検査装置においては、刻印面に対する垂線と各スリット光照射手段からのスリット光とが成す角度を、刻印溝の斜面と前記垂線が成す角度より小さくなるように設定することで、前記スリット光を、前記斜面によって遮断されることなく、前記刻印溝の底面に照射することができる。
【0026】
このため、前記垂線と前記スリット光が成す角度が、前記刻印溝の斜面と前記垂線が成す角度より大きく設定されることにより、前記スリット光が前記斜面に遮断され得る場合と比較して、前記スリット光を前記底面の全域に渡って照射することができる。
【0027】
これにより、前記底面全域に渡って照射されたレーザー光を撮像することができ、当該底面の状態を全域に渡って解析することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施の形態を示すブロック図である。
【図2】同実施の形態の動作を示す説明図である。
【図3】従来の刻印検査装置の動作原理を示す説明図である。
【図4】同従来の刻印検査装置の動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態を図に従って説明する。
【0030】
図1は、本実施の形態にかかる刻印検査装置1を示す図であり、該刻印検査装置1は、検査対象2に設けられた平坦な刻印面3に刻印された刻印部4を検査する装置である。前記検査対象2としては、例えば製品自体であったり、車台番号が刻印された短冊状の金属プレート等が挙げられるが、本実施の形態では、金属プレートの場合を例に挙げて説明する。
【0031】
検査台11にセットされた金属プレートからなる検査対象2は、長方形状の金属板からなり、その刻印面3には、車台番号からなる前記刻印部4が形成されている。この刻印部4は、複数の刻印文字によって構成されており、各刻印文字は、図2にも示すように、前記刻印面3に打刻された刻印溝12によって形成されている。
【0032】
この刻印溝12は、断面V字状に形成されており、その底面21は、平坦面で構成されている。該底面21の両端からは第一斜面22と第二斜面23とが起立しており、両斜面22,23は、前記底面21から前記刻印面3へ向かうに従って互いに離れるように傾斜している。
【0033】
両斜面22,23は、所定角度αを成すように構成されており、前記第一斜面22は、前記刻印面3に対して垂直に延在する垂線31に対して第一傾斜角度α1を成すように構成されている。また、前記第二斜面23は、前記垂線31に対して第二傾斜角度α2を成すように構成されており、本実施の形態では、前記第一傾斜角度α1と前記第二傾斜角度α2とは、同角度に設定されている。なお、前記第一傾斜角度α1と前記第二傾斜角度α2とは、同角度でなくても良い。
【0034】
前記検査台11の上部には、図1に示したように、走査ユニット41が設けられており、該走査ユニット41のレール42には、移動ステージ43が移動自在に支持されている。これにより、当該走査ユニット41は、前記移動ステージ43を前記検査対象2に刻印された刻印文字の上下方向に移動制御できるように構成されている。なお、前記移動ステージ43は、前記検査対象2に刻印された刻印文字の配列方向に移動制御しても良い。
【0035】
前記移動ステージ43には、当該移動ステージ43を前記検査対象2の前記刻印部4上に配置した検査状態において、該刻印部4を境として図1中左方側に配置される第一スリット光照射手段としての第一ラインレーザー51と、前記刻印部4を境として図1中右方側に配置される第二スリット光照射手段としての第二ラインレーザー52とが設けられている。
【0036】
両ラインレーザー51,52は、ライン状のレーザー光を照射するレーザー装置からなり、前記第一ラインレーザー51は、前記刻印部4の図1中斜め左上方からライン状のスリット光としての第一ラインレーザー光61を前記検査対象2の前記刻印部4を含む前記刻印面3に照射するように構成されている。また、前記第二ラインレーザー52は、前記刻印部4の図1中斜め右上方からライン状のスリット光としての第二ラインレーザー光62を前記検査対象2の前記刻印部4を含む前記刻印面3に照射するように構成されている。
【0037】
前記第一ラインレーザー51は、照射した前記第一ラインレーザー光61と前記垂線31との成す角度が第一レーザー角度β1となるように配置されており、前記第二ラインレーザー52は、照射した前記第二ラインレーザー光62と前記垂線31との成す角度が第二レーザー角度β2となるように配置されている。
【0038】
また、前記第一ラインレーザー51は、前記第一ラインレーザー光61と前記垂線31との成す前記第一レーザー角度β1が、図2に示したように、前記刻印部4を形成する前記刻印溝12の前記第一斜面22と前記垂線31が成す第一傾斜角度α1より小さくなるように配置されており、前記第二ラインレーザー52は、前記第二ラインレーザー光62と前記垂線31との成す前記第二レーザー角度β2が前記刻印部4を形成する前記刻印溝12の前記第二斜面23と前記垂線31が成す第二傾斜角度α2より小さくなるように配置されている。
【0039】
なお、本実施の形態では、前記第一レーザー角度β1と前記第二レーザー角度β2とは、同角度に設定されており、前記第一ラインレーザー光61と前記第二ラインレーザー光62とが成す角度βは、前記刻印溝12の前記第一斜面22と前記第二斜面23とが成す前記所定角度αより小さくなるように設定されている。
【0040】
また、前記移動ステージ43には、前記検査台11にセットされた前記検査対象2の前記刻印部4を真上から撮像するCCDカメラ71が前記第一ラインレーザー51及び前記第二ラインレーザー52との間に設けられており、このCCDカメラ71は、前記刻印部4に照射された前記各ラインレーザー光61,62を前記刻印部4に正対する位置から撮像できるように構成されている。
【0041】
そして、前記第一ラインレーザー51と前記第二ラインレーザー52と前記CCDカメラ71と前記走査ユニット41とは、コンピュータ等で構成された制御装置81に接続されており、該制御装置81は、前記各ラインレーザー51,52及び前記走査ユニット41に対して制御信号を出力するように構成されている。
【0042】
これにより、前記移動ステージ43を前記レール42に沿って往復移動できるように構成されており、前記移動ステージ43を一方へ移動する際及び他方へ移動する際に、前記両ラインレーザー51,52及び前記CCDカメラ71を、前記検査対象2に刻印された刻印文字の上下方向に移動制御し、前記検査対象2の幅方向へライン状に照射された前記各ラインレーザー光61,62を、各ラインレーザー光61,62が描くラインと直交する方向へ移動できるように構成されている。
【0043】
このとき、前記移動ステージ43を一方へ移動する際には、前記両ラインレーザー51,52から選択されたいずれか一方のラインレーザー51,52から対応するラインレーザー光61,62を照射して検査を行うとともに、前記移動ステージ43を他方へ移動する際には、前記両ラインレーザー51,52から選択された他方のラインレーザー51,52から対応するラインレーザー光61,62を照射して検査を行うものとする。
【0044】
前記制御装置81は、前記CCDカメラ71からの撮像画像を解析するとともに、該撮像画像に表示された前記各ラインレーザー光61,62の輝線位置から、その高さを計測するように構成されている。このとき、前記第一ラインレーザー51からの前記第一ラインレーザー光61が形成した輝線位置と、前記第二ラインレーザー52からの前記第二ラインレーザー光62が形成した輝線位置との判別等は、例えばタイミングをずらして照射するなど当該制御装置81を作動するプログラムによるソフト処理によって行うものとする。
【0045】
以上の構成において前記刻印検査装置1で検査を実施すると、前記制御装置81は、制御信号を走査ユニット41に出力して前記移動ステージ43を前記レール42に沿って移動しながら、前記各ラインレーザー51,52に制御信号を出力して前記ラインレーザー光61,62を前記検査対象2の幅方向へライン状に照射しつつ、前記検査対象2の前記刻印面3に照射された前記各ラインレーザー光61,62を前記CCDカメラ71で真上から撮像する。そして、この撮像画像を前記制御装置81に取り込んで画像処理することで、前記刻印溝12の深さ等の検査を行う。
【0046】
このとき、前記刻印面3に形成された刻印部4には、当該刻印部3を境とする一方側に配置された第一ラインレーザー51からの第一ラインレーザー光61が斜め方向からライン状に照射される、あるいは前記移動ステージ43の移動方向によっては前記刻印部3を境とする他方側に配置された第二ラインレーザー52からの第二ラインレーザー光62が斜め方向からライン状に照射される。すなわち、前記移動ステージ43の移動方向に応じて、前記第一ラインレーザー51からの第一ラインレーザー光61、又は前記第二ラインレーザー52からの第二ラインレーザー光62が片方ずつ斜め方向からライン状に照射される。
【0047】
そして、前記刻印部3に照射された前記ラインレーザー光61,62は、前記CCDカメラ71によって前記刻印部4に正対する位置、すなわち真上から撮像される。
【0048】
このとき、前記刻印面3に刻印された前記刻印部4は、断面V字状の溝形状を成す。このため、図2に示したように、この刻印溝12の前記他方側に位置する第二斜面23に前記一方側に配置された前記第一ラインレーザー51からの第一ラインレーザー光61が斜め方向から照射された場合、当該刻印部4に正対する正対方向への反射成分は、前記他方側斜め方向へ反射する反射成分と比較して多くなる。
【0049】
また、前記刻印溝12の前記一方側に位置する第一斜面22に前記他方側に配置された前記第二ラインレーザー52からの第一ラインレーザー光62が斜め方向から照射された場合、当該刻印部4に正対する前記正対方向への反射成分は、前記一方側斜め方向へ反射する反射成分と比較して多くなる。
【0050】
このように、前記刻印溝12の各斜面22,23と前記CCDカメラ71の撮像角度とが浅くならず、十分な角度を得ることができる。したがって、前記一方及び他方側に位置する前記各斜面22,23に照射された前記各ラインレーザー光61,62の反射光を、前記刻印部4に正対する位置から撮像する前記CCDカメラ71によって高い明度で撮像することができる。
【0051】
これにより、前記刻印溝12の両斜面22,23に照射された前記各ラインレーザー光61,62の撮像明度を確保することができ、前記両斜面22,23を明確に撮像して解析することができる。
【0052】
一方、本実施の形態では、前記刻印溝12の底面21が平坦面で構成されており、前記一方又は他方側の斜め方向より前記底面21に照射された前記各ラインレーザー光61,62は、前記CCDカメラ71によって前記底面21を撮像し易い当該刻印部4に正対する位置から撮像される。
【0053】
このため、前記底面21に照射された前記各ラインレーザー光61,62を、前記一方又は他方側の斜め方向から撮像する従来のように、前記各斜面22,23によって阻害されること無く、前記CCDカメラ71で撮像することができる。
【0054】
これにより、前記底面21に照射された前記各ラインレーザー光61,62を漏れなく確実に撮像できるので、当該底面21の状態を明確に撮像して解析することができる。
【0055】
また、前記刻印面3に対する前記垂線31と前記各ラインレーザー51,52からの各ラインレーザー光61,62とが成す各レーザー角度β1,β2は、前記刻印溝12の各斜面22,23と前記垂線31とが成す前記各傾斜角度α1,α2より小さくなるように設定されており、前記各ラインレーザー光61,62は、前記各斜面22,23によって遮断されることなく、前記刻印溝12の底面21に届く。
【0056】
このため、前記垂線31と前記各ラインレーザー光61,62とが成す各レーザー角度β1,β2が、前記刻印溝12の前記各斜面22,23と前記垂線31とが成す前記各傾斜角度α1,α2より大きく設定されることにより、前記各ラインレーザー光61,62が前記各斜面22,23に遮断され得る場合と比較して、前記各ラインレーザー光61,62を前記底面21の全域に渡って照射することができる。
【0057】
これにより、前記底面21全域に渡って照射された前記各ラインレーザー光61,62を撮像することができ、当該底面21の状態を全域に渡って解析することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 刻印検査装置
2 検査対象
3 刻印面
4 刻印部
12 刻印溝
21 底面
22 第一傾斜面
23 第二傾斜面
31 垂線
51 第一ラインレーザー
52 第二ラインレーザー
61 第一ラインレーザー光
62 第二ラインレーザー光
α1 第一傾斜角度
α2 第二傾斜角度
β1 第一レーザー角度
β2 第二レーザー角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
刻印面に刻印された刻印部を検査する刻印検査装置において、
前記刻印部を境とする一方側に配置され、前記刻印部を含む前記刻印面に対して斜め方向からスリット光をライン状に照射する第一スリット光照射手段と、
前記刻印部を境とする他方側に配置され、前記刻印部を含む前記刻印面に対して斜め方向からスリット光をライン状に照射する第二スリット光照射手段と、
前記刻印部に照射された前記スリット光を前記刻印部に正対する位置から撮像する撮像手段と、
を備えたことを特徴とする刻印検査装置。
【請求項2】
前記刻印面に対する垂線と前記各スリット光照射手段からのスリット光との成す角度が、前記刻印部を形成する断面V字状の刻印溝の斜面と前記垂線が成す角度より小さくなるように前記各スリット光照射手段を配置したことを特徴とする請求項1記載の刻印検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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