説明

剥離装置を製造する方法

【課題】剥離装置を提供することにある。
【解決手段】開口を有する伸展可能な袋10と、開口と連通するように袋10に固定された流体供給チューブ26と、袋上に形成された複数の電極120と、電極に電流を供給するための無線周波数電力手段と、組織の選択された部分を通して電流を流すことによって前記組織の選択された部分を45℃〜90℃の均一な温度で加熱するために無線周波数電力手段を電極に選択的に接続するスイッチング手段とを含む、身体器官の組織を通して電流を流すための剥離装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は身体器官の内部ライニングをその場で破壊するための方法および装置に関し、さらに詳しくは子宮出血を治療するための子宮摘出手術に代わるものとして、RFエネルギーを双極または単極によって選択的に印加して子宮内膜を選択的に破壊することに関するものである。また、そのような装置を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
身体器官の内部ライニングを除去したり破壊したりする従来の手法は、病気や他の異常な症状を治療するための外科的摘出に代わる方法を提供するために探究されてきたものである。従来の手法としては化学薬品類によるものや、無線周波、極超短波による加熱、寒冷療法、レーザー外科治療および電気外科治療など種々の形態の熱エネルギーを利用して内部ライニングを破壊的に治療するものがある。無線周波と極超短波エネルギーの場合はその場で熱を発生させるためにライニングに直接適用することもあった。
【0003】
熱的な破壊の一方式としては、米国特許第4,979,949号に、胆嚢の粘膜層をRF(無線周波)バルーン電極による抵抗熱で熱的に除去する方法が開示されている。電流はバルーン中央の電極からからバルーンに充填された導電性の膨張液を介して供給される。この装置は導電性流体中で電力損失を発生するため単一電極型以外のものには適用できない。
【0004】
また別の先行技術による治療法の例としては、米国特許第5,045,056号に記載されているように、加熱した液体とともに用いるバルーンカテーテルが身体器官の空腔の熱的剥離用として供されている。さらに、膨張させたバルーンの中に入れた単一電極を用いて極超短波や高周波のRFエネルギーを体の局部に適用して体組織を破壊する方法が米国特許第4,662,383号および米国特許第4,676,258号に記載されている。
上述のような先行技術に開示されている方法の欠点は、完全な剥離を行うために必要とされる均一な温度コントロールないしは温度検知能力が欠如しているために、広い領域の均一な施術ができないことである。
【0005】
その他今日までに開発されている方法としては、ライニングの連続領域に小さな治療用道具を手技で適用するものがあるが、これはコストのかかる手術室技法であり、その他従前の熱バルーン治療法と同様に、均一な手術結果を得られる保証が少ないものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって本発明の目的の一つは、ライニングの剥離中に視覚的な確認を必要とせずに、安全かつ迅速な子宮内膜剥離を実施できる新規な方法および装置を提供することにある。
【0007】
本発明の別の目的は、手術室の使用を必要とすることなく、外来診療ベースで子宮内膜の剥離を行うことができる装置および方法を提供することにある。
【0008】
本発明の上記の2つの目的は子宮内膜表面に適合する拡張可能な部材(以下拡張部材と略す)を利用する方法によって達成される。拡張部材の外表面には一つ以上の電極が設けられており、拡張部材は非導電性の媒体で充填されている。電極を活性化して子宮内膜の実質的に全表面を通してRF電流を流す。電流は一回の施術において、抵抗熱によって子宮内膜の温度を45°Cから90°Cの範囲内に、子宮筋層の平均温度を42°Cまたはそれ以下に保ちながらライニングの細胞を破壊するのに充分な時間加熱できるようなものとする。このRF電流は少なくとも250kHz以上、かつ100MHz以下の周波数を有するものとする。
【0009】
本発明による方法は、導電性の拡張部材を拡張していない状態で子宮頸部口から子宮腔に挿入し、次いでこれを子宮内膜の表面と接触するように拡張し、RF電流を拡張した状態の部材に流すというものである。
【0010】
本発明のさらに別の目的は、片側表面に一連の分離した電極を有し、さらにそれぞれの電極のために温度フィードバックを行うべくそれぞれの電極に関連するサーミスタ等の温度センサーを備えた薄い袋(bladder)を含んだ導電性の拡張部材を提供することにもある。複数の分離した電極にはそれぞれサーミスタによるフィードバック温度制御によって個別に順次エネルギーが供給され、子宮内膜温度を希望のレベルにする。
【0011】
本発明のさらに別の目的は、単極のRFエネルギーを単一の電極に供給するか、子宮内膜温度を希望のレベルにするために使用される一連の個別の電極の内の選択された組電極に双極のRFエネルギーを供給するかを選択的に行うシステムを提供することにある。
【0012】
本発明のさらに別の目的は、電極全体に複数の貫通孔を設けるか、または電極を線状パターンに形成することによって均一な縁部密度を作り出し、電極表面全体の電流密度を平準化させることによって熱が電極の縁部に集中せず、したがって電極表面全体にわたって均一な加熱ができるような特定の構成を有する電極を提供することにある。
【0013】
本発明のさらに別の目的は、従来の電気外科治療用電源の出力をコントロールし、電源からバルーンの電極に対して電力を順番に制御しながら供給することができる電子制御手段を提供することにもある。
【0014】
本発明のさらに別の目的は、子宮に剥離用装置を挿入し、剥離完了後に取り出すことができるように、使い捨て型の手持ち式アプリケータと電極との組み立て体を提供することにある。
【0015】
本発明のさらに別の目的は、拡張部材の上に一連の個別電極とそれに関連する個別のサーミスタを一連の電力リード線とともに備えた装置を提供することにあり、それぞれの電力リード線は単一の電極に電力を供給すると共に、それに関連するサーミスターに対しての一つの導体として作用し、子宮内膜剥離の温度制御のために温度のフィードバックを提供するものである。
【0016】
本発明のさらに別の目的は、本装置を所定の位置に置く場合の視覚的な補助手段とするための光ファイバー映像通路を包含することができる内部ルーメン(管路)を提供することにある。
【0017】
本発明のさらに別の目的は、電極バルーンを単極モード、双極モード、または単極/双極モードで動作させるための制御手段を提供するものである。
特に、本発明の目的は、子宮の寸法および形状の相違に適応するために伸展可能な材料から成る袋(bladder)を提供することにある。
【0018】
本発明のさらに別の目的は、本発明の剥離装置を製造する種々の方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明によれば、身体器官にRFエネルギーを選択的に加える装置が提供される。この装置は、前記身体器官の組織と電気的接触を起こさせる電極手段と、前記組織を45°Cから90°Cの範囲の均一な温度で加熱するために前記電極手段に250kHzを越える周波数の電流を選択的に供給する無線周波電力手段と、この無線周波電力手段からの出力を受入れ、電極に対する電力の供給を制御するスイッチング手段とを包含し、このスイッチング手段は、前記電極手段に双極のエネルギーを供給する第1の手段と、前記電極手段に単極のエネルギーを供給する第2の手段と、前記第1と第2の手段の内の一つを選択する第3の手段とを含むものである。第1の手段は、複数の電極の内の選択された電極間に前記RFエネルギーを双極モードで供給する手段を含むこともできる。
【0020】
また、本発明によれば、身体器官の組織にRFエネルギーを選択的に加えて組織を加熱するための方法が提供される。この方法は、前記身体器官と電気的に接触している複数の電極を提供する工程と、この複数の電極に無線周波数エネルギーを供給する供給源を提供する工程と、前記複数の電極に対して双極または単極のいずれかによってエネルギーを供給するために前記無線周波数エネルギーを制御する工程とを含む。前記無線周波数エネルギーを制御する工程は、前記複数の電極の選択された組に対して選択的に双極エネルギーを提供することを含むことができる。
【0021】
さらに、剥離装置の製造方法が提供される。この製造方法は、マンドレルを提供する工程と、このマンドレルに電極を取り付ける工程と、マンドレルを未硬化のエマルジョンで被覆する工程と、エマルジョンを硬化させてマンドレル全体に亘って袋状の被覆を形成する工程と、この被覆をマンドレルから取り外す工程とを含む。マンドレルに電極を取り付ける工程は、電極を接着剤によって固定することを含むことができる。マンドレルを被覆する工程は、未硬化エマルジョン中にマンドレルを浸すことを含むことができる。エマルジョンはシリコーンゴムを含むことができる。マンドレルはつぶすことが可能であり、被覆をマンドレルから取り外す工程は、マンドレルをつぶすことを含むことができる。
【0022】
さらにまた、別の剥離装置の製造方法が提供される。この製造方法は、2つの主面を有する平面状の伸展可能なシート材を提供する工程と、少なくとも一つの電極を一方の主面に固定する工程と、層を通して各電極まで導体を通す工程と、層を折曲線に沿って半分に折る工程と、層の両半分を二つのシール線に沿って互いに固定して開口を有する袋を形成する工程とを含む。
【0023】
さらにまた、別の剥離装置の製造方法が提供される。この製造方法は、実質的に平坦な表面を有する支持ベースを提供する工程と、この支持ベースの表面を未硬化エマルジョンで被覆する工程と、エマルジョンを硬化させて二つの主面を有する伸展可能な材料の層を形成する工程と、支持ベースから層を取り外す工程と、少なくとも一つの電極を一方の主面に取り付ける工程と、層を通して各電極まで導体を通す工程と、層を折曲線に沿って半分に折る工程と、層の両半分を二つのシール線に沿って互いに固定して開口を有する袋を形成する工程とを含む。
【0024】
さらにまた、別の剥離装置の製造方法が提供される。この製造方法は、実質的に平坦な表面を有する支持ベースを提供する工程と、この支持ベースの表面に、導体を引き出した少なくとも一つの電極を取り付ける工程と、未硬化エマルジョンを支持ベースの上に堆積させてエマルジョン中に電極を埋め込み、電極から延びた導体の回りにシールを形成する工程と、エマルジョンを硬化させて二つの主面を有する層を形成する工程と、層を取り外す工程と、層を折曲線に沿って半分に折る工程と、層の両半分を二つのシール線に沿って互いに固定して開口を有する袋を形成する工程とを含む。支持ベースの表面に少なくとも一つの電極を取り付ける工程は、電極を接着剤によって固定することを含むことができる。支持ベースは各電極のための電極支持領域と各支持領域まで延在する通路とを含み、支持ベースの表面に少なくとも一つの電極を取り付ける工程は、通路を介して空気を吸引し、吸引または真空の作用によって各電極を固定することを含む。
【0025】
未硬化のエマルジョンを堆積させる工程は、表面と少なくとも一つの電極の上にシリコーンゴムを堆積させることを含むことができる。エマルジョンは室温硬化型のエマルジョンであることができ、エマルジョンを硬化させる工程は、エマルジョンを実質的に室温でゆっくり硬化させることを含むことができる。エマルジョンは加熱硬化型のエマルジョンであることができ、エマルジョンを硬化させる工程は、エマルジョンを加熱することを含むことができる。層の両半分を互いに固定する工程は、接着剤によって層の両半分を互いに固定することを含むことができる。支持ベースは、電極を支持するための電極支持領域を画定する凹部を含むことができる。表面に少なくとも一つの電極を取り付ける工程は、各支持領域に接着剤を塗布することを含むことができる。
【0026】
この各支持領域に接着剤を塗布する工程は、接着材アイランド支持シート上で支持領域毎に接着剤アイランドの形で設けられた接着材を、少なくとも一つの支持領域の上に支持シートを置くことによって各支持領域に移すことを含むことができる。
【0027】
本方法は、電極の内の少なくとも一つに温度センサを固定することを工程を含む。未硬化のエマルジョンを温度センサの上に堆積させて温度センサを袋内で電極に当接した状態で埋め込みこれによって各温度センサをそれに対応する電極に固定することができる。本方法は、流体を供給するとともに、袋の開口を光学的に観察するためのチューブを袋の開口に取り付けることを含むことができる。本方法は、支持ベースの表面に未硬化のエマルジョンを堆積させる前に支持ベースの表面上に第2のチューブを取り付け、中央ルーメンを備えた袋を提供することを含むことができる。本方法は、流体供給チューブの上に可動のスリーブを取り付けることを含むことができる。
【0028】
さらにまた、本発明によれば、剥離装置が提供され、この剥離装置は、開口を有する伸展可能な袋と、袋上に形成された少なくとも一つの電極と、開口と連通するように袋に固定された流体供給チューブとを含む。この剥離装置は、電極の内少なくとも一つの上に取り付けられた温度センサを含むことができる。本剥離装置は、袋を貫通して延在し袋の末端において袋の外表面に開口するチューブを含むことができる。本剥離装置は、流体供給チューブの上に取り付けられた可動のスリーブを含むことができる。本剥離装置は、流体供給チューブと袋を収納するためのカテーテルを含むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
添付の図面において同じ参照番号は幾つかの図を通して同一または相当する部品を示すが、この添付図面、特に図1を参照すると、本発明を示す断面図においては拡張部材として導電性の剥離バルーン、即ち袋10が使用されており、図2では図1と同じ装置のバルーン要素を膨らませる前の状態が示されている。子宮12は子宮腔を取り囲む子宮筋層組織14からなっている。正常な子宮腔または子宮包はほぼ逆三角形状の平坦な腔で、上部の2つの隅が卵管16を通して卵巣につながり、下部の開口部は子宮頸管18につながっている。子宮包の全表面には卵管16および子宮頸管18への入口が含まれ、これらは子宮内膜として知られる薄い組織層で覆われている。この子宮内膜細胞を選択的に破壊するのが本発明で開示している改良された方法および装置の目標である。
【0030】
図1のように開発された単電極システムを治療すべき子宮内膜表面に沿うように膨張させると、これによって表面の襞を減らすように子宮内膜が拡張および伸展される。この拡張された子宮内膜表面に無線周波数(RF)の電流を、子宮内膜の温度を45°Cから90°Cに上昇させて子宮内膜細胞を破壊するのに充分な時間、好ましくは10秒以内、通電する。この温度は子宮内膜組織が破壊される迄、最適には55°Cから65°Cの間で最長で10分間維持する。
【0031】
電流は拡張部材の中または表面に沿って流され、拡張部材の内部は流体またはガスのような非導電性物質で満たされる。拡張部材は、子宮頸部口から挿入可能な小径の形状に圧縮されるかさもなければその大きさで形成され、挿入後に拡張の効果をもたらすために膨張もしくは拡大され得るものであればどのような材料、物品でもよい。この拡張部材は子宮内膜と直接電気的な結合をするか、あるいは容量性結合をもたらす。接地電極または中性電極と呼ばれる戻り電極のための第2電気接点は、電気回路を完成させるために患者の皮膚の広い領域に接する接地板か接地パッチとすることができる。
【0032】
組織内を流れる電流によって抵抗熱が発生する。電力密度は電極からの距離の4乗に反比例して低減する。よって発生した熱は子宮内膜とこれを直接取り囲む筋肉組織、本発明の場合はライニングに接する子宮筋層14の一部に集中する。
【0033】
子宮筋層14は非常に血管に富むため、熱はここから急速に逃げる。この非常に血管が多いことと加熱力が距離とともに急速に低下することとにより、子宮内膜22を子宮筋層14および子宮の残りの部分より早く破壊温度まで加熱することができる。この温度の関係から、子宮内膜の剥離は局部麻酔を利用する簡単な医学的手順によって安全に遂行することができる。さらに、本方法は、本発明以前のシステムにくらべてはるかに経済的に、かつ他の子宮内膜剥離法に比べて危険の少ない子宮内膜剥離法として利用可能である。
【0034】
膨張可能バルーンまたは膨張可能袋10は図2に示されているように、カテーテルチューブ26によって子宮腔24に挿入される。バルーン10は流体供給チューブ28に取り付けられている。チューブ28を介してガスまたは非導電性流体を導入するとバルーンが膨張し、バルーンは子宮腔を伸展させてこれを充満し、図1に示すように子宮腔は拡張したバルーンの表面に沿った状態となる。バルーン10の各部は卵管16への入口へと伸展するとともに、子宮内膜表面22の全体に沿って子宮頸部18まで延びる。バルーンはチューブ28に取付けられ、液密的シールを形成する。チューブ28は導体のためのリード線とセンサー32のための付加的なリード線からなる電気ケーブル30を含んでいる。複数の温度センサー32がバルーンの内表面に接触しているところが図示されている。あるいは、このリード線の形状は各センサーごとに設けられたリード対で置き換えることができる。温度センサー32は慣用のサーミスタまたは熱電対であり、過熱に対して最も鋭敏な子宮内膜表面の領域に接触するバルーンの領域上に配置される。この温度センサーは光ファイバー式温度センサーであってもよい。流体供給チューブ28は、後で図13との関連で説明する慣用の流体制御システムを通して、ガスまたは流体の供給源に接続される。
【0035】
図3は子宮内膜の一小区画と、図1の拡張バルーン要素の関係を示す拡大断面図である。子宮筋層14の上に支えられている子宮内膜のライニング22は、膨張したバルーン10によって伸展された後であっても通常不規則な表面となっている。電極34の導電性表面と子宮内膜22との間の電気的な接触は、バルーンの外表面を生理的に無毒で非刺激性の慣用の導電性溶液、ペーストあるいはゲル36で覆うことによって改善できる。好適な導電性媒体としては除細動器などの表面被覆に用いられる公知のゲルやペーストを挙げることができる。好適な導電性ゲルの例としては、生理食塩水などの水性の電解溶液から得られるカルボキシメチルセルロースゲルが挙げられる。導電性の溶液、ペーストないしゲルは、バルーン表面の小孔や子宮内膜表面の凹凸を埋めることによってバルーンと子宮内膜間の電気的接触を向上させる。また、導電性の溶液、ペーストないしゲルは、投与経路として図4bに示すルーメン38を利用して電極バルーンと子宮内膜との間の空間に供給することもできる。
【0036】
電極を有する拡張バルーン即ち袋10は種々の方法で製造できる。この拡張バルーン即ち袋10は、天然ゴムや合成ゴムなどのエラストマー性ポリマーにカーボンや導電性金属粒子などの導電性粒子を混ぜることによって導電性としたものとすることができる。あるいは、バルーン即ち袋の壁の外表面や内表面を導電性のゲルなどの導電性材料で被覆したり、導電性金属で被覆することで導電性とすることができる。導電性被覆は従来行われている蒸着、電着、スパッタリングなどによって有機ポリマーの表面に行うことができる。
【0037】
バルーンの一実施態様は、薄い非伸展性のポリマーフィルム、たとえばポリエステルや他の可橈性のある熱可塑性または熱硬化性ポリマーフィルムの外表面あるいは内表面の上に導電性の金属被覆を施したものである。フィルムは非伸展性の袋を形成するが、この袋は、袋が完全に膨らんだとき器官を拡張して、破壊されるべき子宮内膜のライニングとの接触をもたらす形状と大きさとする。非伸展性の袋の内表面は、もしその袋の壁厚が約0.25mm未満であるならば子宮内膜に容量性結合をする導電性材料で被覆されていてもよい。
【0038】
拡張部材の外表面はオープンセルの多孔性材料、たとえばフォーム(泡材料)やこれに類似の小部屋が連なった多孔性材料であって、対向する子宮内膜表面との良好な電気的接触を確保するのに必要な量の導電性溶液、ペーストないしはゲルを保持できるものとすることができる。その表面は導電性物質で被覆してもよいし、導電性物質を含浸させたものでもよい。あるいは、導電性物質を図4bに示すルーメン38を通して供給することもできる。
【0039】
図4は複数の表面区画42を有するバルーン40を拡張可能な袋部材として用いた実施態様を示す。各表面区画は導電性表面と温度センサーを備えている。この実施態様では、各区画へコントロールされた電力を供給するために、バルーンの内表面か外表面のいずれかに導電性金属の区画された電極被覆が施されている。各導電性区画42は従来型のリード線で電気的に電源(図4には示されていない)に接続される。各導電性区画42はまたサーミスタ44も有し、従来型リード線でスイッチマトリックスへ接続される。図4bは袋電極39の上面図を示すもので、特に袋電極の中心を通って延びるルーメン38を表している。このルーメンは、光および観察用ガイドを袋の中心を通して挿入することを可能とする。
【0040】
言い換えれば、平面フィルムの中心部に内部ルーメンチューブ38が取付けられている。
【0041】
図5は上述の、たとえば図4に関連して述べた、多区画バルーンのための電源制御装置およびスイッチマトリックスの概略図である。図5に示すように、電気リード線は図4の袋の電気サーミスタ対にコネクタ50を通して接続される。サーミスタのリード線はマトリックススイッチバンク52に接続され、電極リード線はスイッチバンク54に接続される。各サーミスタ44(図4a)はコンバータ60で変換される前に温度測定回路56および分離用増幅器58によってサンプリングされ、コンピュータ62に送られる。温度測定回路は測定された温度と基準電圧源64から供給されるサーミスタの基準電圧を比較する。電極スイッチ54はコンピュータ62の出力に応答して光学アイソレータ66によってコントロールされる。RF入力部からの入力電力は過電圧・過電流プロテクタ68を通過し、サプレッションユニット72で過電圧の抑制を受ける前にバンドパスフィルター70でフィルターがかけられる。この電圧はトランス74、76および78によって分離され、トランス76および78からのトランス電圧ViおよびVvはRMS−DC変換器80によってコンバータ60に供給されるRMS電圧に変換される。変換の前に、信号ViおよびVvは高速アナログ乗算器82にも送られる。コンピュータ62からのRF制御はインターフェース84を介して行われる。
【0042】
図4の電極構造の一変形が図6に示されているが、そこでは有孔電極90が電力導体経路92として形成されたそれらのリード線ともに示されている。図6の電極袋では有孔電極90は袋の外側に取付けられている。
【0043】
図7は袋の内側のサーミスタ共通側導体経路94と、円形状配線接続パッド96とサーミスタの基盤となる取付け部98を示している。この共通側導体経路は電極およびそれに関連するサーミスタの両方に電力を供給する。図7は袋の両内面を示したものである。
【0044】
図8aはサーミスタ導体経路がついた両面電極の外側および内側を示すもので、外側には有孔電極100備え、内側にはサーミスタ配線パッド102および導体経路104として形成された電極電力リード線ならびにサーミスタ取付け部分106を有している。袋の内側と外側の接続は、図8a中の連通穴105によって行われる。図示のアラインメント基準107は袋の両半分を位置合わせするためのものである。図8aの実施態様は、図7の電力導体経路と接合表面の内側の図と、図6の有孔電極とを組み合わせたものに対応するが、図8aでは内側表面に電力導体経路が設けられているのに対し、図6では有孔電極のための電力導体経路が外側表面に設けられている。
【0045】
図8bは袋の断面を具体的に示した図で、上側ないし外側表面に電極100を備え、電力導体経路104およびサーミスタ配線パッド102と取付け部分106を下側ないし内側に備えている。図8bはサーミスタ108を取付け部分106の上に取付けたものを示しており、電力導体経路104とサーミスタ108はサーミスタリード線110で接続されている。図8bは有孔電極100の1つの孔以外はすべて絶縁基材または袋112に到達する深さを有することを明瞭に示している。連通孔105は有孔電極100と下側ないし内表面の電力導体経路104の間を電気的に接続するように袋を完全に貫通している。
【0046】
図6、7および8それぞれにおいて内側または外側面と称しているのは、必然的に四面を有することになる袋の2つの面だけを指している点に注意しなければならない。膨らませる前の袋は2つの外側三角形表面(上側および下側)と、膨らませる前の2つの内側三角形表面で表される。
【0047】
電極構造のさらに別の変形が図9に示されているが、ここでは金属処理した平坦な素材が電極120および122として、袋の上および下両方の外側表面に接着剤により接合されているのが示されている。金属処理されて接着剤により接合された電極は、RFエネルギーの均一な印加を促進して領域の均一な加熱を促進するために蛇紋様の電極パターンを形成している。
【0048】
図10aおよび10bは袋を挿入するために使用する袋アプリケーション器具を示す。図10aはこのアプリケーション器具124の側面図である。図10bは図10aにおける線A−Aに沿うこの器具124の断面図である。図10bにおいては、器具124が、袋(図略)に取り付けられた流体供給チューブ126と共に描かれている。収縮包装128が配線リード130を覆っている。光学繊維束132がアプリケータの中心部に置かれ、これは例えば図4bで示したルーメン38を介して接続される。図10bは、カテーテルスリーブ133をさらに示している。アプリケータ器具124には拡張用流体注入口134および電極配線挿入口136ならびに光学観察用ファイバー入口140を有し、これらは図4bに示すルーメン38のようなルーメンに結合されている。袋142に対してのカテーテルスリーブ133の後退は、アラインメントガイドおよび、親指止め146と共に作用するさや後退ノブ144を用いて達成される。図10aのアプリケータでは、袋142は延ばされてはいるが拡張されていない位置にある。
【0049】
図11a〜図11cは図10の袋器具の後退位置に位置する状態を示すもので、図11bおよび11cはそれぞれA−A’およびB−B’の位置でとらえた断面である。図11cは後退位置にある主チューブに対しての萎ませた状態の袋142の位置を示すB−B’線断面で示したものである。アプリケータ124のその他の特徴は図10に示したものと同じである。
【0050】
図6〜図9のいずれかの実施態様のアプリケーション器具124と電極バルーン150の接続を図12に示す。拡張用ポンプ152はバルーン150の拡張用媒体を供給し、一方電極ベルト154は、図5を参照して記載した構成の電源制御装置156への接続のための基準電極となる。RF発生器158は、電気外科手術インターフェースケーブル160を介して制御装置156へRF入力電力を供給する。制御装置156は制御装置156を携帯型コンピュータ164に接続するためのインターフェース162を含んでいる。
【0051】
器具124と制御装置156とが接続されると、子宮内膜温度を望ましい温度に高めるためにRF電極はサーミスタによる温度フィードバックを行いながら個別に、単独かつ順次に印加される。このシステムはこれを慣用の電気外科手術用電源158からのRF出力を用いて自動的に行う。前述のように、電極は種々の構成のものがあるが、熱は電極の表面に近い子宮内膜に集中する。種々の電極構成は、均一な加熱をするために均一なRFエネルギーの分布を提供する。電極表面全体に熱を集中させる一例としては、図6および8に示したような電極に孔をあけた実施態様とするものがある。均一な加熱は電極を図9の蛇紋様パターン構造のような線状に延ばすことによっても得ることができる。
【0052】
こうした種類の構造によって、本発明の施術方法ならびに電極エレメントは、“電極縁からの距離”の関数として変化する増加した電流密度を組織加熱用に利用できる。さらに前述のように、電極を袋の外側に、また電力用導体経路、サーミスタ、およびサーミスタリード線を袋の内側表面に配置することができる。或いは、サーミスタを電極に取り付けてもよい。
【0053】
図6〜図9の実施態様において、種々の電極パターンはいずれも電極とそれに関連するサーミスタ用の共通電力導体経路を有している。これはつまり、1本の電力リード線によって個々の電極ならびにそれに関連するサーミスタに電力を供給し、必要なサーミスタ用リード線を減少させることによって袋電極の組み立てにおけるコストを減少させる。これらの実施態様においては、それぞれの電極はRF電力のリード線と共通の対応するサーミスタリード線を有している。すべてのサーミスタからの2番目のリード線は、たとえば図7および8aに示されているように互いに接続されサーミスタ共通線を形成している。この配線ではN個の電極とN個のサーミスタを備えた剥離用バルーンを作動させるのに必要なリード線はN+1本だけという利点がある。しかしこうした組み立ての場合、図5の温度測定回路56では個々のサーミスタと個別の電極それぞれに個別の電力リード線を備えた構成のものに要求される条件に加え、別の要求が加わる。電極用とサーミスタのために別々のリード線を設ける構造はよく知られており、個別電極のたための種々の温度測定法の中からいずれの方法を使用することができる。
【0054】
共通の電力リード線を各電極および各サーミスタに使用することによる特別な要求事項は図13に示されている実施態様によって解決することができる。
【0055】
図13ではRF電力はスイッチマトリックス166を通すことによってそれぞれ選択された電極に供給される。電極/サーミスタ回路はその回路全体が図の右側に168で示されており、具体的な例として抵抗器172、174および176で表されている3つの電極および3つのサーミスタが示されている。参照番号178によって示す基準電圧Vrefは、操作用増幅追従器180によって緩衝され、測定用スイッチマトリックス184に入る前に抵抗器182(RB)を通過する。抵抗器182の出力は演算増幅器フォロア186によって緩衝される。測定用スイッチマトリックス184の出力はフィルター188、190および192を通される。これらのフィルターは高い周波数のRFをブロックし、DCおよび非常に低い周波数の電圧を通過させるローパスフィルターである。
【0056】
バルーンのサーミスタの共通リード線194はフィルター196を介して接地されている。
【0057】
施術中は、RF電力スイッチマトリックス166の操作によって希望する特定の1つの電極または複数の電極にRF電力が供給される。サーミスタの抵抗172、174または176の測定値はRF電力に接続される特定の電極とは独立したものとなる。抵抗172(RT1)の測定値を得るために、測定用スイッチマトリックス184は、リード線200を抵抗器182の右側に接続し、その他のすべてのリード線を演算増幅器フォロア186の出力に接続するよう設定される。この特定の設定と回路構成によって参照番号206によって示す電圧VTはVREF・RT1/(RB+RT1)に等しくなる。したがって既知のRBおよびVREFによってRT1の測定値が決まる。回路168からの他のリード線202、204はフォロア186によって同じ電圧に保たれるのでこれらのリード線間の電圧差はなく、したがってそれらの間で電流は流れない。
【0058】
このようにリード線の間に電流が流れないことは非常に重要なことである。なぜならば図13の回路がなければ、電極に接触している組織が効果的な分流通路となり、測定電圧VT206に影響を及ぼすことになるからである。
【0059】
この組織による有効分流は図14に等価回路によって示されており、電極212、214および216の間をつなぐ有効組織抵抗208および210で示されている。
【0060】
電力の供給は双極構造を用いることによって改善できる。図5および図13に示す形式の単極による電力供給を使用した場合、袋電極50(図5)の各々と戻り電極154(図12)との間での電流経路が必ず伴う。したがって、発生する抵抗加熱は戻り経路に依存し、これは患者に対する戻り電極154の置き方に依存する。典型的には、戻り電極154は、患者の背中の上に置かれた大きなパッチであり、それが電流の戻り経路に直列に必ず入る未知の抵抗を決定する。幾つかの例では、単極による動作で満足できるが、多くの場合、双極動作を採用することによって制御を改善できる。双極動作の場合、戻り電流は電極の内の選択された組の間の経路を介して流れる。以下に述べるスイッチング構成が、戻り経路上の電流を流す電極の組、即ち電極の組み合わせを決定する。
【0061】
特定の例では、電極が電流のための制御された戻り通路を持つことができれば、子宮は他の身体器官をより均一により高い精度で加熱できる。その様な例では、電極の内の特定の組がRFエネルギーを受入れために双極配置で選択されると、戻り経路は、X線、超音波、または他の検出装置によって目視検査を行う医師によって選択的に制御される。この精度の高い制御は双極配置においてのみ可能である。明らかに、幾つかの例では、高精度の制御が必要でないか、単極配置によって治療を最適に行える。
【0062】
図15の装置はRFエネルギーの印加を単極と双極の何れによっても行える装置を提供するもので、双極、単極の選択はスイッチの切替えによって行われる。
【0063】
更に、スイッチを制御することによってモードを選択できるだけでなく、例えば双極モードでは、スイッチにより電極内の種々の組み合わせのものにRFを選択的に印加することが可能となる。
【0064】
図15は、4個の電極220、222、224、246および電圧源228を使用した状態を示すもので、例えば図5の単極配置の場合と同様の患者に取り付けた接地パッド、パッチ、または戻り電極230を備えている。図15の単極/双極スイッチング回路の本質は、医者または施術者が単極または双極動作の何れかを提供できる能力を持てることである。スイッチ232が閉止され、スイッチ234、236、238および240が開いたままに維持された場合、本装置は図5の実施態様と本質的に同じように機能する。即ち単極動作を提供する。一方、スイッチ232が開かれ、スイッチの組が適切な接続で動作されると、電極220、222、224および226は双極動作を提供する。上記スイッチの組の一方はスイッチ242、244、246および248から選択されるものであり、その他方はスイッチ234、236、238および240から選択されるものである。一例として、スイッチ236と共にスイッチ248が閉止されると、電流は電極220から電極224へと流れるであろう。同様に、スイッチ234と共にスイッチ246が閉止されると、双極動作となり、電流は電極222と226との間で流れるであろう。双極動作は、220と224、222と226の組の結合に限定されないことは明らかである。もしスイッチ248とスイッチ238が閉止されると、電極220と222の間の双極動作となる。
【0065】
単極と双極との間の動作上の差は、図16と図17を比較することによって分かる。図16は単極状態で動作する2個の電極252と254を有する構造体、即ちバルーン250を示す。電極252と253の各々と患者の外側に置かれた図15の戻り電極230のような接地プレートまたはパッチを含む戻り電極(図略)との間で電界線が進行することが分かる。これに対し双極動作が図17に示されている。バルーン256は電極258と260とを含んでいる。電界線が二つの電極の間で進行している。この双極電極により、電極を適切に接地し活性化することによって電流の経路を容易に制御できる。これに対し、図16に示す単極動作における電界線は、電極252、254の設置に依存するだけでなく、接地パッド230、および各患者の物理的構造にも依存する。
【0066】
双極動作を利用して電界線を従って加熱領域を制御する能力は図18に例示されている。バルーン262は電極264と266を有し、ある領域を完全に加熱するためにバルーン262の縁の回りに双極のエネルギーが効果的に流れるように電界線は患者を通過する。双極配置により、バルーンが挿入される個々の患者内において、または特定の組織破壊のための特別なニーズにおいて不均一なまたは非対象な領域を加熱するために電極の種々の組を選択することができる。すなわち、双極動作においては、図15の回路を利用したエネルギー付与のために電極の内の異なった組を選択することによって、加熱すべき領域内の異常な特徴を考慮するようにしてもよい。一例として、これらの領域は、剥離または加熱手続きの前またはそれらの間における医者の観察から知ることができる。視覚的な観察を数々の画像技術の一つによって支援するようにしてもよい。
【0067】
図15の実施態様は、単極動作と双極動作との間の選択を提供するだけでなく、双極動作での柔軟性を付与し、電極の内の任意の組または任意の組み合わせを一緒に使用できる。もしスイッチ248と240の両方が閉止されたとすると、短絡回路が形成されるため何も起こらないことは明らかである。
【0068】
本発明の装置の製造においては種々の技術を採用できる。一実施態様においては、袋と電極は、両面がメッキされた両面型の薄い平らなフィルムを使用する方法に従って作られる。一方の側において電極を形成するためのマスクが提供される。リソグラフ技術を使用してマスクされていない領域を浸食させ、所望のパターンを残す。そして、第2側面上に温度感知素子につながる導体のためにマスクがリソグラフ技術を利用して堆積され、導体を提供される。
【0069】
サーミスタ44(図4a)は表面マウント技法により取付けられ、付属の内側ルーメンは平面フィルムの中央部に取付けられる。そして、袋は折り畳まれ、主チューブ126(図10b)の隣接端にシールして取付けられる。次に導線は主チューブの外側に出され、このアプリケータの把手の近くの器具の終端部まで延ばされる。外側さや133は図10bに示すように導線の外側に摺動可能に取り付けられている。最後に図10または図11のアプリケータの把手が取付けられる。
【0070】
電極バルーンを作る方式としては予めブロー成型した物や、カプトン導電性エレメントの上に銅を付けた物を適合性のあるバルーン表面上に形成するなど他の形式のものを使用することもできる。さらにこのバルーンは、内側のラテックスバルーンの外側にぴったり合う“ソックス”として形成することもでき、ソックスは適合した器具となる。その他電極バルーン構造として、バルーンから把手部まですべてをメッキまたはエッチングした配線を使用したものなども考えられる。
【0071】
特に良好に作動する袋、すなわちバルーンの一つの形態は、種々の形や大きさの子宮に適応できる伸展可能な材料で製作したバルーンである。弾性体を使用すると特定の製造技術が必要となるのは明らかである。そのような器具の種々の実施態様とそのような器具の種々の製造方法を、図19〜図39を参照して以下に詳細に説明する。本装置は、図19に示すように丸みを帯びた角部を有する実質的に正三角形の拡張可能な袋を含んでいる。袋320は、剥離温度に耐えうる任意の好適な拡張可能な材料から製作できる。剥離温度は典型的には90℃未満であり、一般的には45℃〜90℃の範囲であり、特に55℃〜85℃の範囲である。袋をひだ付きの材料によって製作することができることは明らかであるが、下記の説明は特に伸展可能な材料に向けられたものである。袋320の本体についてはシリコーンゴムが特に良好に機能することが見い出された。
【0072】
少なくとも一つの電極が袋320の上に形成される。図19に示す実施態様においては、袋320の表面に複数の電極322が形成されている。
【0073】
電極は種々の技術によって形成できる。例えば、ポリマー基材の上にマスクを介して金属を堆積させる。これはスパッタリングプロセス、イオンビームによって補助するデポジションプロセス、または電気メッキ技術によって行うことができる。
【0074】
或いは、電極を基材中に含めることができる。この技術の場合、袋320のポリマー基材の成形中に例えば導電性粉末を含有させる。
【0075】
特に良好に機能することが見い出された第三の技術は、分離した導電性アイランドを構成するプレートを基材の上に取り付けることを含む。これは種々の方法で行うことができるが、その内の3つの方法を以下に記載する。
【0076】
3つ技術の内の最初のものが図20に示されており、これにおいては浸漬成形プロセスが使用される。このプロセスでは、袋に必要な好適な形状を有するマンドレル324を使用する。このマンドレルに例えば接着剤により電極326を固定する。電極326は電極リード328を備えている。そして、例えばマンドレル324を未硬化エマルジョン中に浸漬することによって未硬化エマルジョンでマンドレル324を被覆する。このエマルジョンはマンドレル324と電極326の回りで硬化し、電極326を支持する袋を形成する。好適なエマルジョンは200℃〜300℃の耐熱性を有するシリコーンまたはポリシロキサンゴムのエマルジョンである。マンドレル324は、典型的にはエマルジョンが硬化した後で潰せる構造を有している。シリコーンゴムの層330をその後マンドレルから剥がして裏返し、外側に電極を有し内側にリード線を有する袋を形成する。
【0077】
エマルジョンは、電極リード線328の回りのシールを形成し、気密性を有する袋を提供する。
【0078】
図21に示す他の方法では、未硬化のエマルジョンを平坦な表面の上に堆積して拡張可能な平坦な基材片340を形成する。硬化後、基材340を平坦な表面から剥がし、中心線342に沿って折り曲げる。当接した層を線344と346に沿って結合し、図20に示すものと同様の袋を形成する。典型的には、縁344と346を接着剤によって互いに結合する。本実施態様では、電極リード線のための孔が基材340を貫通して設けられている。接着材によって基材340の一方の面に電極が取り付けられ、電極リード線は基材に形成された孔を通され、シールされていない側部347によって形成される袋の開口を通して外側に引き出されている。
【0079】
伸展可能な平面状の材料を成形機上で成形する代わりに市販の伸展可能な平面状の材料を使用することもできる。
【0080】
好適である他の方法を図22に示す。この実施態様においても、実質的に平坦な面の上で基材を形成する。しかし、この場合、基材に電極を後で固定するのではなく、電極を硬化プロセス中に基材中に埋め込む。以下により詳細に議論する種々の技術の内の一つにより電極350を平面状のベース352に固定する。少なくとも電極350の幾つかの上には温度センサ354が置かれている。温度センサ354は例えば接着剤により対応の電極に固定する。電極350と温度センサ354からリード線356が延びているが、各電極・温度センサ対のリード線を単一の線で示す。シリコーンゴムエマルジョン等のエマルジョンは、温度センサ354、電極350、およびベース352上で広がり、硬化していないエマルジョン中に温度センサ354と電極350が埋め込まれる。これにより、温度センサ354が電極に対して固定され、またリード線356の回りにシールが形成される。エマルジョンが硬化した後、その結果得られた温度センサ354とこの温度センサ354に固定された電極350を有するシリコーンゴムの層をベース352から剥がす。
【0081】
平面状のベース352を使用するのに替え、図23に示すベース360を使用することもできる。このベース360は、電極(図略)を収納するためにベース360に機械加工により成形した凹部362を具備する。典型的にはベースはアルミニウムで作られている。ベース360中の凹部を使用することにより、電極が袋の面から外方に延びた袋を作ることができる。図22、図23に示す実施態様においては、図21に関して述べたと同様な方法で基材が折り曲げられ、シールされている。縁のシールは、接着材、超音波溶接または熱シールによって行われる。もし基材の材料としてシリコーンゴムを使用する場合、典型的には接着材を使用する。この技術を以下により詳細に説明する。
【0082】
基材の材料がベースと電極上に広がりまた材料が硬化している間においてベースに対して電極を保持するために真空技術か接着材を使用できる。図24に真空を使用した技術を示す。種々の電極領域374と流体的に連通する通路370がベース372内に設けられている。通路370は真空源(図略)に接続されている。これにより、領域374に置かれた電極(図略)は吸引プロセスにより所定位置に保持される。
【0083】
代替の技術を図25に示す。この技術においては、機械的な治具380がベース382の上に置かれる。治具380は、治具380の表面から外方に延び、ベース382上の電極386と位置合わせされたピン384を含む。ベース382に対して治具380を固定することによって、ピン384は機械的に電極を所定位置に保持する。
【0084】
特に良好であることが見い出された第3の技術では、基材がベースと電極上に広がりまた材料が硬化している間においてベースに対して電極を保持するために接着剤を使用している。図26を参照すると、接着材料はシート392上に形成された接着剤のアイランド390の形態をとっている。シート392をベース394上に置くことにより接着剤のアイランド(ベース394上の電極保持領域396と対応している)は領域396に移される。ベース394上に案内ポスト398が設けられており、このポスト398を孔400に通すことによりベース394に対してシート392を位置合わせする。そして、銅板として形成することができる電極を領域396内に個々に置くか、案内孔404を有する第2のシート402から移される。複数の電極406が第2シート402に弱い接着材で固定されている。もしこの方法を採用する場合、シート392をポスト398の上から置いて接着材のアイランド390を領域396に転写する工程を含む。
【0085】
そして、シート392を取り除き、シート402をポスト398の上から置いて電極406を領域396に転写する。その後、基材を形成する未硬化のエマルジョンをベース394上に注ぐことによってベース394上で広げる。エマルジョンが流れ薄いシートを形成する。種々の袋成形技術において、基材は典型的には厚さが約10ミルとなるように形成される。熱硬化型または室温硬化型のシリコーンゴムを使用できる。熱硬化型のシリコーンゴムはより強く、また約1時間で乾燥するという効果がある。一方、室温硬化型のシリコーンゴムの場合、熱硬化プロセスで影響を受けることがない慣用の接着剤を使用して電極を固定できる。
【0086】
最終シリコーンゴム製品に固有のべたつきと関連する問題を阻止するために、粉末、シリコーン油、または他の潤滑材を袋の表面に塗布することもできる。
【0087】
電極が埋め込まれるか固定された基材をベースから取外した後、図21を参照して記載したように、線342に沿って折りたたむ。そして縁344と346が結合される。これは図27を参照して述べる方法で行われる。上側部412と下側部414とを含む治具410を使用する。基材の材料をベースから剥がし、角の一つが無い三角形を形成するために折り曲げる。そして治具の上側部と下側部の間に置き、これらをボルト415と蝶ナット416とによって互いに固定する。治具410の上側部412と下側部414は相補的な切欠部418(一方のみを示す)を有しており、治具410の三角形の辺に沿って基材を挟むために折りたたまれた基材を収納する。上側部と下側部412、414に形成された溝420は、上側部と下側部412、414が互いに固定されたとき三角形の切欠部の3辺に沿う周辺通路を画定する。連通溝422によって画定される連通路を介して接着材が周辺溝に流し込まれる。接着剤が硬化した後、上側部412と下側部414とを取り除き、基材の縁をトリミングし実質的に三角形の袋を作る。典型的には、図28に示すようなトリミング治具426を使用する。トリミング治具426は本質的に袋の外周に対応した形状の刃を含む。
【0088】
伸展性が高い領域と伸展性が低い領域とを有する袋を生産できることが望ましい。これは種々の方法で達成できる。一つの方法では、壁厚の変化させた袋が得られるように袋の基材を成形する。図29は、隆起部432を有するベース430の側断面図を示す。このベース430は厚さを薄くした部分436を有する基材434を製造するためのものである。ベース430の表面を適切な形にすることにより、基材434の厚さを好適に調節できる。
【0089】
リブまたは溝を基材に成形することによっても同様の効果を達成できる。また基材の表面に後で溝を形成することもできる。その結果得られる基材は、例えば図30、31に示す様な外観となる。溝440(図30)またはリブ442(図31)は直線に沿って向けられており、所定の伸展性を提供している。リブまたは溝440、442と交差する方向の伸展性は大きくリブまたは溝440、442に沿う方向の伸展性は小さいことは明らかである。
【0090】
袋についての更なる変更を図32に示す。図32は、中央で延びたチューブ452を有する袋450を示す。このチューブ452は、光ファイバーを袋450の先端まで通すか、もしくは袋の外側面上の電極453と子宮の壁(図略)との間の電気的な接触を改善するために導電性潤滑材を袋を通すために使用される。
【0091】
光ファイバーを使用して子宮内の袋の位置を監視するのに替え、何も見ずに袋を子宮内に入れることもできる。その後、子宮が穿孔されていないことを確認するため、生理食塩水等の流体をチューブ452を通して子宮へ供給することもできる。子宮内の圧力を監視することによって子宮の壁が穿孔されてしまったか否かを判断できる。図33に示す成形プロセスにおいてチューブ452をベース上に取り付けてチューブ452を袋450内に形成する。チューブ452は広がり端部454を有している。これにより、基材456との間でのシール面を増加できる。
【0092】
袋上に形成された電極を種々の形状にできることは明らかである。図34は、長方形の電極460によって発生された典型的な電界パターンを概略的に示す。
【0093】
電界線の強度は変化するが、図34においては線の長さが電界強度を示している。電極460の角で電界が最も強くなり、電極460の表面で電界が最も弱くなることは明らかである。得られる加熱効果が図35の断面図に概略的に示されている。この図は、電極460が子宮壁462に接している状態を示している。電極460の縁に沿って加熱が強くなった状態が示されている。電界分布をより均一にするために、図36に示すように複数の孔464を電極463に設けてもよい。
【0094】
これにより、電界がもっと均一になり、より均一な加熱パターンが得られる。この構造は電極の伸展性を高める利点もある。
【0095】
長手軸と交差する方向の電極466の伸展性をより高める他の電極パターンが図37に示されている。上に述べた電極は、典型的には、銅、銀、その他の金属等の導電性で可撓性のある耐腐食性の材料によって製作される。これらを金またはパラジウムで被覆して総厚が3ミクロンの電極を提供する。採用した電極の構成に係わらず、隣接する電極間の伝導加熱のため、8〜9ミリメータの隙間が、適切な剥離を行うために必要な十分狭い隙間であることがテストにより示された。各電極には個々に順番に電力が供給されるが、スイッチング速度が高い(約50回/秒)ため、同じ電極への電力の連続する印加の間に組織の温度が大きく低下することはない。
【0096】
さらに他の電極を図38に示す。図38においては、複数の相互接続された電極点469によって各電極468が構成されている。点469は導電性材料で作られ、中間の材料は伸展性の非導電性材料によって作られており、これにより、可撓性がより大きい電極を提供できる。
【0097】
図39に示すように、完成した装置は袋470を含み、この袋470を膨らませるための流体供給チューブ472に袋470が取り付けられている。袋470の外側表面上に露出した電極表面を提供するために袋470の上に電極474が取り付けられている。電極リード線476は袋470の内側で流体チューブ472内の導電体スリーブ478へと下方に延びている。温度センサ(図略)のリード線も下方へとスリーブ478を通されている。好適な実施態様においては、外側スリーブ480はチューブ472全体を覆い、チューブ472に対して摺動可能に取り付けられている。これにより、スリーブ480を前方に押して基部電極482の少なくとも一部を覆うことができる。このようにして、子宮の基部における剥離を調整できる。本装置を子宮内へ挿入するために使用するカテーテルは参照番号484で示されている。
【0098】
本発明を利用することによって、低精度のサーミスタを使用することもできる。この場合、装置の把手内に設けたメモリーチップに調整値を記憶させておく。
【0099】
袋への電極の結合は導電性の接着剤またはハンダ付けによって行うことができる。
【0100】
図10および図11の袋142は、袋142に対してカテーテルさや133を後退させることによって展開させることができる。治療が完了した後は、さや133を袋142の上に押し戻し、袋を潰す。展開を促進するために、特定の種類の背骨を形成することもできる。この背骨はさや上に相補的に形成された部分と係合して、カテーテルさや133内でのパターンの作られた袋の畳みこみを補助する。
【0101】
当然のことながら、上記の教示に照らせば本発明について多くの変形や変種が可能である。上記の開示に基づくより明白な変種の一つは、分割構造の電極の利用や、体の他の器官または組織を外側または内側から処理するための加熱の併用である。本明細書中で具体化された、制御された環境下での制御されたRFエネルギーの供給に関する原理、およびこの原理を利用した方法は、組織の制御された破壊のためだけでなく、組織の制御された熱治療など多くの領域に適用できる。したがって、本発明は添付の請求の範囲内で、本明細書において詳細に記載した以外の態様で実施可能であることを理解しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】拡張した形で子宮内に置かれた拡張部材としての導電性剥離バルーンまたは袋の断面図である。
【図2】図1の装置の拡張していない状態の図である。
【図3】子宮内膜の小区画と拡張した部材の関係を示す拡大断面図である。
【図4】図4a〜4bは複数の表面区画を有し、かつ各区画に個別の電導性表面と温度センサーを備えた拡張部材の実施態様の図である。
【図5】図4に示した多区画要素のための電力制御システムの概略図である。
【図6】拡張部材の外側表面上の図示のような電力導体経路(trace)を具備する有孔電極を有する多区画要素の実施態様を示したものである。
【図7】拡張部材の内側に備えたサーミスタ導体経路と円形状配線ジャンパー取り付けパッドを示したものである。
【図8】図6および7の拡張部材の内側および外側部分それぞれに電極/サーミスタ導体経路を備えた両面型のものを示したものである。
【図9】金属処理した平坦な基材を蛇紋様に配列して拡張部材に接着剤により結合した実施態様を示したものである。
【図10】拡張部材を子宮に入れるための袋器具である。
【図11】図10の袋器具の後退位置ならびにしぼませた状態の拡張部材を示す図である。
【図12】袋器具の電力発生源および試験装置への接続を模型的に示したものである。
【図13】図5の温度測定回路の実施態様の略図である。
【図14】図13と同様のもので、有効組織分流を示したものである。
【図15】複数の電極または電極区画のために選択的に双極または単極でRFエネルギーを供給するシステムの略図である。
【図16】単極電極の外側における電界線を示したものである。
【図17】双極電極の外側における電界線を示したものである。
【図18】双極エネルギーをどの様にしてバルーンの縁の回りに流すかを示したものである。
【図19】本発明による剥離バルーンの一実施態様を示す側面図である。
【図20】本発明による剥離バルーンの一実施態様を示す側断面図である。
【図21】本発明による剥離バルーンの製造に使用するための伸展材料層の概略平面図である。
【図22】製造過程における剥離バルーンを示す側断面図である。
【図23】本発明の剥離バルーンの製造に使用するための支持ベースの一実施態様を示す側断面図である。
【図24】支持ベースの他の実施態様を示す側断面図である。
【図25】支持ベースの更に他の構成を示す等角投影図である。
【図26】製造プロセスの一部を示す支持ベースの等角投影図である。
【図27】剥離バルーンの縁をシールするのに使用される治具の等角投影図である。
【図28】剥離バルーンの製造プロセスで使用される切断装置の等角投影図である。
【図29】支持ベースの他の実施態様を示す側断面図である。
【図30】剥離バルーンの製造に使用される伸展基板層を示す平面図である。
【図31】剥離バルーンの製造に使用される伸展基板層の他の実施態様を示す平面図である。
【図32】中央パイプを有する剥離バルーンの側断面図である。
【図33】製造プロセスにおける図32に示す剥離バルーンの側断面図である。
【図34】電界分布を示す電極の概略平面図である。
【図35】図34に示す電極の側面図であり電極によって発生された熱の分布を概略的に示したものである。
【図36】電極の一実施態様を示す平面図である。
【図37】電極の他の実施態様を示す平面図である。
【図38】電極のさらに他の実施態様を示す平面図である。
【図39】本発明による剥離装置の側断面図である。
【符号の説明】
【0103】
10 袋(バルーン)
12 子宮
16 卵管
26 カテーテルチューブ
28 流体供給チューブ
32 センサー
38 ルーメン
42 導電性区画
44 サーミスタ
50 コネクタ
324 マンドレル
352 支持ベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体器官の組織を通して電流を流すための剥離装置であって、
開口を有する伸展可能な袋と、
開口と連通するように袋に固定された流体供給チューブと、
袋上に形成された複数の電極と、
前記電極に電流を供給するための無線周波数電力手段と、
組織の選択された部分を通して電流を流すことによって前記組織の選択された部分を45℃〜9O℃の均一な温度で加熱するために無線周波数電力手段を電極に選択的に接続するスイッチング手段とを含む剥離装置。
【請求項2】
電極のうち、少なくとも一つの上に取り付けられた温度センサを含む請求項1に記載の剥離装置。
【請求項3】
袋を貫通して延在し袋の末端において袋の外表面に開口するチューブを含む請求項1に記載の剥離装置。
【請求項4】
流体供給チューブの上に取り付けられた可動のスリーブを含む請求項1に記載の剥離装置。
【請求項5】
流体供給チューブと袋を収納するためのカテーテルを含む請求項1に記載の剥離装置。
【請求項6】
電極が袋の内側表面または外側表面の何れかの上に取り付けられている請求項1に記載の剥離装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【公開番号】特開2006−280969(P2006−280969A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−200170(P2006−200170)
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【分割の表示】特願2004−170152(P2004−170152)の分割
【原出願日】平成6年10月14日(1994.10.14)
【出願人】(300044528)シャーウッド・サービシーズ・アクチェンゲゼルシャフト (87)
【氏名又は名称原語表記】SHERWOOD SERVICES AG
【Fターム(参考)】